説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】高画質な画像を形成することができる画像形成装置を提供することである。
【解決手段】画像形成装置は、画像形成手段と、画像読取手段と、設定手段と、補正手段とを備える。前記画像形成手段は、テスト画像データに基づき、記録媒体に対してテスト画像を形成する。前記画像読取手段は、前記記録媒体から前記テスト画像を読み取る。前記設定手段は、読取テスト画像を複数テスト画像ブロックに分割し、各テスト画像ブロックの濃度値に基づき、各テスト画像ブロックに対応する濃度補正値を設定する。前記補正手段は、前記濃度補正値に基づき、入力画像を形成するための入力画像データを補正する。さらに、前記画像形成手段は、補正入力画像データに基づき、補正入力画像を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタ等の画像形成装置の高画質化に関する各種技術提案がなされている。例えば、画像形成装置により、一様な(ムラのない)ハーフトーン画像を紙に印字しようとしても、つまり一様なハーフトーン画像データに基づき画像を形成しても、実際には一様でない(ムラのある)ハーフトーン画像が紙に印字されてしまうことがある。これは、画像形成装置のドラムの偏心、1次転写のムラ、2次転写のムラ等が原因である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−131171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、画像形成装置に対する高画質化の要望、要求は高く、上記したようなムラの改善が求められている。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、高画質な画像を形成することができる画像形成装置及び画像形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、画像形成装置は、画像形成手段と、画像読取手段と、設定手段と、補正手段とを備える。前記画像形成手段は、テスト画像データに基づき、記録媒体に対してテスト画像を形成する。前記画像読取手段は、前記記録媒体から前記テスト画像を読み取る。前記設定手段は、読取テスト画像を複数テスト画像ブロックに分割し、各テスト画像ブロックの濃度値に基づき、各テスト画像ブロックに対応する濃度補正値を設定する。前記補正手段は、前記濃度補正値に基づき、入力画像を形成するための入力画像データを補正する。さらに、前記画像形成手段は、補正入力画像データに基づき、補正入力画像を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態を適用するMFP(Multi-Functional Peripheral、マルチファンクショナルプリフェラル)の一例を示す図である。
【図2】図1に示すMFPの制御システムの一例を示す図である。
【図3】ムラ低減補正処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】テスト画像の出力結果の一例を示す図である。
【図5】複数テスト画像ブロックの分割例を示す図である。
【図6】中間的な濃度補正値の算出処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
【0009】
図1は、実施形態を適用するMFP(Multi-Functional Peripheral、マルチファンクショナルプリフェラル)の一例を示す図である。
【0010】
図1に示すMFP101は、画像情報を、例えばハードコピーあるいはプリントアウトと称され、例えば普通紙あるいは透明な樹脂シートであるOHPシート等にトナーが定着する状態の画像出力として出力する画像形成部1、画像形成部1に対して画像出力に用いられる任意サイズのシートを供給する用紙供給部3、画像形成部1において画像形成される対象である画像情報を、画像情報を保持した読み取り対象物(以下原稿と称する)から画像データとして取り込む画像読取部5を含む。
【0011】
画像読取部5は、原稿を支持する原稿テーブル(原稿ガラス)5aと画像情報を画像データに変換する画像センサ、例えばCCDセンサを含む。画像読取部5は、照明装置からの照明光を原稿テーブル5aにセットされた原稿に照射して得られる反射光を、CCDセンサで画像信号に変換する。
【0012】
さらに、画像読取部5は、原稿がシートであるとき、読み取った原稿を排出部から排出するとともに、次の原稿を画像形成または画像の取り込み(以下、読み取り、とする)に続いて読み取り位置に案内する自動原稿搬送装置(ADF)7を、一体に有する。ADF7に代えて、原稿カバーが用いられてもよい。
【0013】
また、画像読取部5のCCDセンサは、ADF7により原稿が移動する原稿テーブル5aの原稿の移動パスに位置してもよい。画像読取部5のCCDセンサは、ADF7により原稿が移動する原稿テーブル5aの原稿の移動パスに位置することで、原稿を原稿テーブル5aに位置することなく、原稿が含む画像情報を読み取ることができる。
【0014】
画像読取部5による原稿の画像情報の読み取りの開始と画像形成部1への画像形成の開始の指示を与える操作入力部である操作パネル(操作部)9は、画像読取部5の左側または右側などのコーナーにおいて、(画像形成部1に固定されている)支柱9aとスイングアーム9bに位置する。
【0015】
画像形成部1は、潜像を保持する第1〜第4の感光体ドラム11a〜11d、感光体ドラム11a〜11dが保持する潜像に現像剤、すなわちトナーを供給して現像する現像装置13a〜13d、感光体ドラム11a〜11dが保持するトナーの像を順に保持する転写ベルト15、感光体ドラム11a〜11dに残るトナーを個々の感光体ドラム11a〜11dから取り除く第1〜第4のクリーナー17a〜17d、転写ベルト15が保持するトナー像を普通紙あるいはOHPシートのような透明な樹脂シートであるシートに転写する転写装置19、転写装置19がシートに転写したトナー像をシートに定着する定着装置21、及び感光体ドラム11a〜11dに潜像を形成する露光装置23、等を含む。
【0016】
第1〜第4の現像装置13a〜13dは、減法混色によりカラー画像を得るために用いるY(イエロー、黄)、M(マゼンタ)、C(シアン)およびBk(ブラック、黒)の任意の色のトナーを収容し、感光体ドラム11a〜11dのそれぞれが保持する潜像を、Y、M、CおよびBkのいずれかの色で可視化する。各色の順は、画像形成プロセスや、とトナーの特性に応じて、所定の順に決定する。
【0017】
転写ベルト15は、第1〜第4の感光体ドラム11a〜11dおよび対応する現像装置13a〜13dが形成した各色のトナー像を、トナー像の形成の順に保持する。
【0018】
転写ベルト15は、画像形成部1の感光体ドラム11a〜11dと転写ベルト15との間の圧力を設定するベルト対向部材51、転写ベルト15の表面を清掃するベルトクリーナー53が及ぼす圧力を設定するベルトクリーナー対向部材55及びシートが、転写装置19からの圧力により転写ベルト15と接する際の転写ベルト15側の圧力を設定するサポートローラ57のそれぞれから、外側に向う張力である所定の圧力を受ける。
【0019】
用紙供給部3は、トナー像が移動するためのシートを、所定のタイミングで、転写装置19に供給する。
【0020】
複数のカセットスロット31に位置する詳述しないカセットは、任意のサイズのシートを収容し、画像形成動作に応じ、ピックアップローラ33が対応するカセットからシートを取り出す。シートのサイズは、画像形成に際して要求のある倍率および画像形成部本体1が形成するトナー像の大きさに対応する。
【0021】
分離機構35は、ピックアップローラ33がカセットから取り出すシートが2枚以上になることを阻止する。
【0022】
複数の搬送ローラ37は、分離機構35が1枚に分離したシートをアライニングローラ39に向けて送る。
【0023】
アライニングローラ39は、転写装置19が転写ベルト15からトナー像を転写するタイミングに合わせて、シートを転写装置19と転写ベルト15が接する転写位置に送る。
【0024】
定着装置21は、画像情報に対応するトナー像をシートに定着し、画像出力(ハードコピーまたはプリントアウト)として、画像読取部5と画像形成部本体1との間の空間に位置するストック部47に送る。
【0025】
転写装置19は、定着装置21によりトナー像が定着された出力画像(ハードコピー/プリントアウト)であるシートの両面を置き換える自動多重ユニット(ADU、automatic duplex unit)41に位置している。バイパストレイがADU41に付属する。
【0026】
ADU41は、画像形成部1において、(最終の)搬送ローラ37とアライニングローラ39との間、あるいはアライニングローラ39と定着装置21あるいは転写装置19と定着装置21との間に、シートが詰まった場合(ジャムしたとき)、側方(右側)へ移動する。ADU41は、転写装置19をクリーニングするクリーナー43を一体に有する。
【0027】
搬送ローラ37とアライニングローラ39との間に位置するメディアセンサ45が、アライニングローラ39に搬送されるシートの厚さを検出する。メディアセンサ45には、2008年8月25日に出願された米国特許出願12/197880号や、2008年8月27日に出願された米国特許出願12/199424号に示された光学センサ、及びまたは、2008年4月10日に米国に仮出願された61/043801号に示された厚さ検出ローラのシフトを用いるタイプを用いることができる。
【0028】
図2は、図1に示すMFPの制御システムの一例を示す図である。
【0029】
MFP101は、システムバス111を含む。システムバス111は、画像形成部1による原稿の複写物の出力を処理する主制御ブロックすなわちメインCPU112と接続する。MFP101は、スキャナ(画像読取部)5、及び画像処理部117を含む。MFP101は、ステッピングモータ151を回転するパルスを供給するモータドライバ119を含む。ステッピングモータ151の回転角は、パルス数で規定される。ステッピングモータ151は、第1〜第4の感光体ドラム11a〜11dを回転させる。MFP101は、ステッピングモータ75を回転するパルスを供給するモータドライバ120を含む。ステッピングモータ75の回転角は、パルス数で規定される。主制御ブロック112は、ROM(読み出し専用メモリ、Read Only Memory)113、RAM(書き換え可能メモリ、Random Access Memory)114、画像形成の総数や合計動作時間等を記憶する不揮発性メモリ115、メディアセンサ45の出力をメインCPU112に入力するインタフェース116及び操作パネル9と接続する。画像処理部117は、ページメモリ118と接続する。
【0030】
以下、上記説明したMFP101によるムラ低減補正処理の一例について説明する。
【0031】
図3は、ムラ低減補正処理の一例を示すフローチャートである。
【0032】
例えば、不揮発性メモリ115は、テスト画像データを記憶する。例えば、テスト画像データは、全面均一濃度パターンの画像に対応するデータである。操作パネル9を介してムラ低減補正処理が指示されると、主制御装置112はムラ低減補正処理の実行を制御し、これに対応して、不揮発性メモリ115からテスト画像データが読み出され、画像形成部1は、テスト画像データに基づくテスト画像(均一濃度パターン)を出力する(ACT1)。つまり、画像形成部1は、テスト画像データに基づくテスト画像(均一濃度パターン)を用紙(記録媒体)へプリントアウトする。
【0033】
理想的には、テスト画像は、均一濃度パターンの画像となるはずである。しかしながら、画像形成部1の第1〜第4の感光体ドラム11a〜11dの偏心、1次転写のムラ、2次転写のムラなど様々な要因により、図4に示すように、テスト画像は、濃度ムラを含む画像になることがある。
【0034】
続いて、スキャナ5は、ユーザによりセットされた用紙からテスト画像を読み取る(ACT1)。図5に示すように、画像処理部117の解析部117aは、読取テスト画像を複数ブロック(以下、複数テスト画像ブロック)に分割し、各ブロック(以下、各テスト画像ブロック)の濃度値(各テスト画像ブロックの平均濃度値)を検出する(ACT3)。読取テスト画像は、複数画素により構成されており、複数画素のうちの所定数画素(例えば主走査方向の100画素×副走査方向の100画素)を1ブロック(1テスト画像ブロック)とする。
【0035】
さらに、解析部117aは、各テスト画像ブロックの濃度値(例えば各テスト画像ブロックの平均濃度値)に基づき、ターゲット濃度値を設定する(ACT4)。例えば、解析部117aは、各テスト画像ブロックの濃度値(各テスト画像ブロックの平均濃度値)のうち最高濃度値(M)をターゲット濃度値として設定する(ACT4)。或いは、解析部117aは、読取テスト画像の平均濃度値(つまり全テスト画像ブロックの平均濃度値)をターゲット濃度値として設定する。
【0036】
画像処理部117の補正部117bは、各テスト画像ブロックの濃度レベルに基づき各テスト画像ブロックに対応する濃度補正値を算出し、各テスト画像ブロックに対応する濃度補正値を設定する。つまり、補正部117bは、ターゲット濃度値に基づき各テスト画像ブロックに対応する濃度補正値を算出し、各テスト画像ブロックに対応する濃度補正値を設定する(ACT5)。
【0037】
最高濃度値(M)をターゲット濃度値として設定した場合、補正部117bは、各テスト画像ブロックの濃度値(各テスト画像ブロックの平均濃度値)と、ターゲット濃度値との差分を濃度補正値として算出する。つまり、所定テスト画像ブロックの濃度平均値がa(i、j)である場合、濃度補正値はM−a(i、j)となる。
【0038】
補正部117bは、設定した濃度補正値に基づき、実際にプリントアウトが要求される入力画像データを補正する。補正部117bは、読取テスト画像を構成する複数テスト画像ブロックのうちの第1のテスト画像ブロックに対応した第1の濃度補正値に基づき、入力画像を構成する複数入力画像ブロックのうちの第1の入力画像ブロックに対応した第1の入力画像データ(第1の入力画像ブロックの濃度値データ)を補正し、また、読取テスト画像を構成する複数テスト画像ブロックのうちの第2のテスト画像ブロックに対応した第2の濃度補正値に基づき、入力画像を構成する複数入力画像ブロックのうちの第2の入力画像ブロックに対応した第2の入力画像データ(第2の入力画像ブロックの濃度値データ)を補正する。このようにして、補正部117bは、読取テスト画像を構成する各テスト画像ブロックに対応する濃度補正値に基づき、入力画像を構成する各入力画像ブロックに対応する入力画像データを補正する。
【0039】
例えば、入力画像を構成する複数入力画像ブロックのうちの第1の入力画像ブロックに対応した第1の入力画像データの濃度値をin(m、n)とし、読取テスト画像を構成する複数テスト画像ブロックのうちの第1のテスト画像ブロックに対応した第1の濃度補正値をM−a(i、j)とすると、第1の入力画像データの補正後の濃度値はout(m、n)=in(m、n)+M−a(i、j)となる。画像形成部1は、補正された入力画像データに基づき入力画像を形成する。
【0040】
また、各入力画像ブロックの間に疑似的な輪郭が発生することも考えられ、各テスト画像ブロックの濃度補正値をさらに補正することにより、このような疑似的な輪郭の発生を防止することもできる。例えば、第1のテスト画像ブロックの第1の濃度補正値と、第1のテスト画像ブロックに隣接する第2のテスト画像ブロックの第2の濃度補正値とが、大きく異なるような場合、疑似的な輪郭が発生し易い。そこで、第1の濃度補正値と第2の濃度補正値との差分が所定値を超えるような場合には、補正部117bは、第1の濃度補正値と第2の濃度補正値との中間的な濃度補正値を算出し(ACT6)、中間的な濃度補正値により画像データを補正する。
【0041】
例えば、補正部117bは、第1の入力画像ブロックと第2の入力画像ブロックとの境界から所定距離以内の第1の入力画像ブロック内の各画素と第2の入力画像ブロック内の各画素に対しては、上記したように算出した中間的な濃度補正値を設定し(ACT7)、設定した中間的な濃度補正値で補正し、境界から所定距離より遠い第1の入力画像ブロック内の各画素に対しては第1の濃度補正値で補正し、境界から所定距離より遠い第2の入力画像ブロック内の各画素に対しては第2の濃度補正値で補正する。これにより、上記した疑似的な輪郭の発生を防止することができる。
【0042】
さらに、図6に示すように、中間的な補正値を段階的に変化させて、疑似的な輪郭の発生をより確実に低減するようにしてもよい。互いに隣接し合う第1、第2、第3、第4のテスト画像ブロックを想定する。第1のテスト画像ブロックに対しては第1の濃度補正値が算出され、第2のテスト画像ブロックに対しては第2の濃度補正値が算出され、第3のテスト画像ブロックに対しては第3の濃度補正値が算出され、第4のテスト画像ブロックに対しては第4の濃度補正値が算出されているとする。
【0043】
第1のブロックの中心画素P1に対しては第1の濃度補正値を適用し、第2のブロックの中心画素P2に対しては第2の濃度補正値を適用し、第3のブロックの中心画素P3に対しては第3の濃度補正値を適用し、第4のブロックの中心画素P4に対しては第4の濃度補正値を適用する。
【0044】
第1のブロックの中心画素P1と、第2のブロックの中心画素P2と、第3のブロックの中心画素P3と、第4のブロックの中心画素P4とで囲まれたエリア内の画素に対しては、各中心画素P1、P2、P3、P4からの距離に応じた比率で第1、第2、第3、第4の濃度補正値を処理した中間濃度値を適用する。例えば、第1のブロックの中心画素P1と、第2のブロックの中心画素P2と、第3のブロックの中心画素P3と、第4のブロックの中心画素P4から等距離の画素に対しては、第1、第2、第3、第4の濃度補正値の平均濃度値を適用する。
【0045】
なお、上記説明では、ユーザがテスト画像のプリントされた用紙をセットするケースについて説明したが、MFP101が専用のイメージセンサ60を備え、用紙を排出する際に用紙にプリントされたテスト画像を読み取るようにしてもよい。この場合、ユーザはテスト画像がプリントされた用紙をセットする作業を行わなくて済む。
【0046】
以下、本実施形態についてまとめる。
【0047】
本実施形態のMFP101は、用紙に画像をプリントした際に面内の濃度ムラを低減するために、まず、用紙にテスト画像をプリントし、用紙からテスト画像を読み取り、面内の濃度ムラの状況を検出する。例えば、MFP101は、A3サイズのテスト画像を複数ブロックに分割し、各ブロックの濃度平均値を求める。例えば、1ブロックは、100×100画素で構成されるとする。
【0048】
さらに、MFP101は、各ブロックの濃度平均値に基づき、各ブロックの濃度平均値を一定にするための各ブロックに対する濃度補正値を算出する。MFP101は、算出された各ブロックに対する濃度補正値に基づき、実際にプリントアウトが要求される入力画像データを補正し、補正入力画像データに基づき画像をプリントする。これにより、補正入力画像データに基づきプリントされた画像の濃度ムラを低減することができ、オリジナルの画像をより忠実に再現することができる。
【0049】
このように、MFP101は、ブロック単位で濃度補正値を算出し、ブロック単位で画像データを補正するので、補正のためのハードウェア構成を必要最低限に抑えることができる。例えば、MFP101は、ブロック単位の濃度補正値を保存するだけでよく、全画素に対する濃度補正値を保存する場合に比べてメモリ資源を有効活用することができる。
【0050】
また、MFP101は、各ブロックの境界に近い画素に対しては、各ブロックの濃度補正値をさらに補正した中間的な濃度補正値を適用し、疑似輪郭の発生を防止することもできる。
【0051】
本実施形態によれば、ムラの影響を低減し、高画質な画像を形成することができる画像形成装置及び画像形成方法を提供することができる。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0053】
1…画像形成部、5…スキャナ、101…MFP、112…主制御装置、117…画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テスト画像データに基づき、記録媒体に対してテスト画像を形成する画像形成手段と、
前記記録媒体から前記テスト画像を読み取る画像読取手段と、
読取テスト画像を複数テスト画像ブロックに分割し、各テスト画像ブロックの濃度値に基づき、各テスト画像ブロックに対応する濃度補正値を設定する設定手段と、
前記濃度補正値に基づき、入力画像を形成するための入力画像データを補正する補正手段と、
を備え、
前記画像形成手段は、補正入力画像データに基づき、補正入力画像を形成する画像形成装置。
【請求項2】
前記設定手段は、前記読取テスト画像を構成する複数画素のうち所定数画素で構成されるテスト画像ブロックを1ブロックとして、前記読取テスト画像を前記複数テスト画像ブロックに分割する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成手段は、濃度レベル均一の前記テスト画像データに基づき、前記記録媒体に対して前記テスト画像を形成する請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記設定手段は、各テスト画像ブロックの濃度平均値に基づき、各テスト画像ブロックに対応する前記濃度補正値を設定する請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記設定手段は、各テスト画像ブロックの濃度平均値の差分に基づき、各テスト画像ブロックに対応する前記濃度補正値を設定する請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記設定手段は、各テスト画像ブロックの濃度平均値を均一にするための前記濃度補正値を設定する請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記設定手段は、前記複数テスト画像ブロックのうちの第1のテスト画像ブロックに対応する第1の濃度補正値と、前記複数テスト画像ブロックのうちの第2のテスト画像ブロックに対応する第2の濃度補正値とを設定し、
前記補正手段は、前記第1の濃度補正値に基づき、前記入力画像を構成する複数入力画像ブロックのうちの、前記第1のテスト画像ブロックに対応する第1の入力画像ブロックの各画素の濃度値データを補正し、前記第2の濃度補正値に基づき、前記入力画像を構成する複数入力画像ブロックのうちの、前記第2のテスト画像ブロックに対応する第2の入力画像ブロックの各画素の濃度値データを補正し、
前記画像形成手段は、補正濃度値データを含む前記補正入力画像データに基づき、前記補正入力画像を形成する請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記設定手段は、前記第1及び第2の濃度補正値から算出された中間濃度補正値を設定し、
前記補正手段は、前記中間濃度補正値に基づき、前記第1の入力画像ブロックと前記第1の入力画像ブロックに隣接する前記第2の入力画像ブロックとの境界から所定距離の画素の濃度値データを補正する請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
テスト画像データに基づき記録媒体に対してテスト画像を形成し、
前記記録媒体から前記テスト画像を読み取り、
読取テスト画像を複数ブロックに分割し、各ブロックの濃度値に基づき各ブロックに対応する濃度補正値を設定し、
前記濃度補正値に基づき入力画像データを補正し、
補正入力画像データに基づき入力画像を形成する画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−166788(P2011−166788A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27686(P2011−27686)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】