画像形成装置
【課題】 高速、小型、高画質で且つ省エネルギー化や操作性にも配慮すると共に、定着装置周辺等でのジャム処理やメンテナンスを容易にする画像形成装置を提供する。
【解決手段】 トナー像を形成する作像エンジン2と、この作像エンジン2の上方に記録材供給部3aを有し、この記録材供給部3aから供給される記録材が作像エンジン2との転写部位を通過した後作像エンジン2と記録材供給部3aとの間に横切る搬送経路3bを経て、記録材排出部3cに記録材を排出収容する記録材搬送系3と、この記録材搬送系3の搬送経路3bの一部に配設され且つ作像エンジン2の転写部位にて記録材に転写されたトナー像を定着する定着装置4と、少なくとも定着装置4の前後にて記録材をニップ搬送する夫々のニップ搬送部材の全部若しくは一部及び定着装置4が共通の架台上に設けられ、装置本体1から引き出し可能に移動する定着搬送ユニット5とを備える。
【解決手段】 トナー像を形成する作像エンジン2と、この作像エンジン2の上方に記録材供給部3aを有し、この記録材供給部3aから供給される記録材が作像エンジン2との転写部位を通過した後作像エンジン2と記録材供給部3aとの間に横切る搬送経路3bを経て、記録材排出部3cに記録材を排出収容する記録材搬送系3と、この記録材搬送系3の搬送経路3bの一部に配設され且つ作像エンジン2の転写部位にて記録材に転写されたトナー像を定着する定着装置4と、少なくとも定着装置4の前後にて記録材をニップ搬送する夫々のニップ搬送部材の全部若しくは一部及び定着装置4が共通の架台上に設けられ、装置本体1から引き出し可能に移動する定着搬送ユニット5とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式等を採用した複写機やプリンタ等の画像形成装置に係り、特に、像担持体上で形成された画像を中間転写体に一旦転写させた後に記録材に一括転写する中間転写方式の画像形成装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の中間転写型の画像形成装置としては、感光体等に形成された各色成分トナー像を中間転写体に順次一次転写し、中間転写体上の多色トナー像を二次転写装置にて用紙に一括転写するようにしたものが知られている。また、このようなカラー画像形成装置では、近年、高速化、小型化、省エネルギー化の要求が大きい。
そして、高速化にあっては、各色の画像形成ユニットを中間転写ベルト上に並列配置したタンデム構成が効果的であるが、各画像形成ユニットを並列に配置し、その延長上に定着装置を配置した構成では、装置が大型化するという問題点がある。
【0003】
【特許文献1】特許第3470696号公報(発明の実施の形態、図1)
【特許文献2】特開平4−274264号公報(実施例、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この装置の大型化に対する対応策として、例えば図15に示すように、中間転写ベルト501を斜めに配置し、各画像形成ユニット502(502a〜502d)間を短くして並列配置すると共に、中間転写ベルト501の下方に熱反射板(図示せず)や排気装置(図示せず)を伴った定着装置504を配置することで、小型化した装置の構成が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、このような構成にあっては、一括転写部503や定着装置504の配置を工夫したことにより、各画像形成ユニット502(502a〜502d)によって中間転写ベルト501上に形成されたトナー像がすばやく用紙上に一括転写(一括転写部503にて)されることもあり、中間転写ベルト501上でのトナー像の飛散による画像ぼけや装置の大型化は解決されるが、各画像形成ユニット502(502a〜502d)が中間転写ベルト501の上部に配置されているため、現像等によるトナーの浮遊があると直接中間転写ベルト501上に影響したり、機内汚染を引き起こす懸念がある。また、定着装置504の熱は排気装置によって装置外へ排出されるため、定着装置504の熱が直ちに画像形成に影響を及ぼす懸念はないが、定着装置504のエネルギー効率は良好とは言い難い。更に、この構成で装置を長時間使用すると、定着装置504の熱が上部の画像形成ユニット502に影響を及ぼすことになり、画像欠陥を引き起こす懸念は残る。
その上、かかる構成にあっては、用紙を下方の一括転写部503に通す必然性から、用紙トレイが画像形成ユニット502より下方に配置されるのが一般的であり、用紙トレイへの用紙補給に際しては、しゃがみ込んだり、腰を曲げる必要があったり、ユーザーにやさしい装置とは言い難い。
【0006】
一方、操作性の観点から、用紙トレイを上方に配置した構成は、例えば特許文献2にて提案されているが、この場合、用紙の搬送パスが所謂「S字」であり、プリント動作から用紙排出に至るまでの時間が長いという問題がある。更に、用紙排出は通常装置下部で行われるため、排出トレイからの用紙取り出しの操作性は却って悪くなる。
【0007】
本発明は、上述したような技術的課題を解決するためになされたものであり、高速、小型、高画質で且つ省エネルギー化や操作性にも配慮すると共に、定着装置周辺等でのジャム処理やメンテナンスを容易にする画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、図1(a)(b)に示すように、トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジン2と、この作像エンジン2の上方に記録材が供給可能に収容される記録材供給部3aを有し、この記録材供給部3aから供給される記録材が作像エンジン2との転写部位を通過した後作像エンジン2と記録材供給部3aとの間に横切る搬送経路3bを経て、記録材排出部3cに記録材を排出収容する記録材搬送系3と、この記録材搬送系3の搬送経路3bの一部に配設され且つ作像エンジン2の転写部位にて記録材に転写されたトナー像を定着する定着装置4と、少なくとも定着装置4の前後にて記録材をニップ搬送する夫々のニップ搬送部材の全部若しくは一部及び定着装置4が共通の架台上に設けられ、装置本体1から引き出し可能に移動する定着搬送ユニット5とを備えることを特徴とするものである。
【0009】
このような技術的手段において、本願の対象となる作像エンジン2は、画像形成を行う方式は特に限定されず、電子写真方式、静電記録方式等の画像形成方式を適宜選定して差し支えなく、また、カラー、モノクロいずれであってもよい。
ここで、本発明における作像エンジン2として、トナー像を形成担持する画像形成部と、この画像形成部からのトナー像を一時的に搬送保持する中間転写体とを有し、当該画像形成部が中間転写体の下方に配置されるようにすれば、画像形成部でのトナー浮遊等による機内汚染を防ぐことが可能になる。また、画像形成部から転写部位までの距離を短くすることができ、中間転写体上でのトナー像の保持時間も短縮され、中間転写体からのトナー飛散も抑えられ画質が向上する。更に、中間転写体としては、ベルト状、ドラム状いずれであっても差し支えないが、レイアウトの自由度や小型化する観点からベルト状が好ましい。また、画像形成部には、トナー像を形成する像担持体が含まれ、その数量は特に限定されないが、カラー画像形成装置を構成する場合は、速度等の観点からタンデム型に構成することが好ましい。
【0010】
更に、記録材供給部3aは、少なくとも上方に配設されていればよく、その数量はとくに限定されず、例えば作像エンジン2の下方等にも他の記録材供給部3aが配設されていても差し支えない。このように、本発明では、記録材供給部3aを上方に備えていることから、記録材供給部3aへの記録材の補給に際し楽な姿勢で操作できる、すなわち、ユーザーにやさしい画像形成装置が可能になる。尚、作像エンジン2の上方に配設される記録材供給部3aの上方に、例えば画像読取装置等を搭載することも差し支えない。
【0011】
本発明における記録材搬送系3は、記録材供給部3a、記録材排出部3c及び記録材供給部3aから記録材排出部3cまでの記録材を搬送する記録材の搬送経路3bとで構成される。ここで、記録材の搬送経路3bは記録材を搬送する経路を意味し、通常搬送案内部材にて区画され、例えばニップ搬送部材や搬送ガイド等の搬送案内部材を適宜配設したものである。
また、本発明における記録材排出部3cの配設位置は特に限定されず、記録材の搬送経路3bを搬送された記録材が排出収容される位置にあればよい。本発明にあっては、記録材排出部3cも作像エンジン2より上方に配設されることから、記録材排出部3cへ排出収容される記録材を取り出す姿勢も楽になり、取り出し操作性も向上する。
【0012】
また、本発明における定着装置4は、トナー像を定着するための加熱手段を備えており、この加熱手段としては、接触加熱方式、非接触加熱方式等いずれでもよく、例えば電磁誘導方式の加熱方式等であっても差し支えない。
更に、本発明においては、定着装置4を画像形成装置(装置本体1)の中央寄りに配設することができ、画像形成装置の筐体側壁寄りに定着装置4を配設した態様に比べ、定着時の外気の影響を軽減でき、定着装置4の熱を逃がさずに有効に利用することができ、その分、省エネルギー化を図ることができる。尚、定着装置4の周囲に遮熱部材を配設するようにすれば、定着装置4からの余分な熱の排出を一層防ぐことができ、一層省エネルギー化を図ることができる。
【0013】
そして、本発明における定着搬送ユニット5は、少なくとも定着装置4の前後に位置し記録材をニップ搬送する夫々のニップ搬送部材の全部若しくは一部と定着装置4とが共通の架台上に設けられ、装置本体1から引き出し可能に移動するように構成されており、定着装置4と、例えば定着装置4の上流側の転写部位を構成するニップ搬送部材や下流側のニップ搬送部材を適宜含むものであり、更に、例えば転写部位の上流側のニップ搬送部材等を含んでいてもよい。
このような定着搬送ユニット5が装置本体1から引き出されることで、定着装置4周辺での視認性も向上し、ジャム処理性、メンテナンス性等が向上する。また、このとき、引き出す方向は操作性の観点から、略水平方向が好ましい。
更に、定着搬送ユニット5には、定着装置4の鉛直下方に未定着トナー若しくは記録材を捕捉する捕捉部材を備えることが好ましく、このことにより、定着装置4の下方にジャム等に起因する未定着トナーの落下や記録材の落下が生じても、作像エンジン2側へ落下しないように捕捉することができる。そして、この捕捉部材を定着搬送ユニット5に備えることで、未定着トナーやジャムした記録材のクリーニング処理等が簡単になる。
また、定着搬送ユニット5は、装置本体1から引き出された後に上方から着脱可能な部材を含むようにすれば、定着装置4周辺でのメンテナンス性を一層向上させることができる。
【0014】
更にまた、定着搬送ユニット5は、装置本体1から引き出される前若しくは併行して、定着装置4の前後のニップ搬送部材のニップを解除するように構成すれば、記録材のジャム処理性等が一層向上するため好ましい。このとき、このニップ解除をレバー操作によって行うようにすることが好ましく、この場合、ニップ解除を簡単な操作で行うことができるようになる。尚、ニップ解除は、例えばレバーによりスプリングの規制を解除する等の方式によればよい。
【0015】
また、本発明に係る画像形成装置の第二の態様としては、次のようなものが挙げられる。
すなわち、本発明は、図1(a)(b)に示すように、トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジン2と、この作像エンジン2の上方に記録材が供給可能に収容される記録材供給部3aを有し、この記録材供給部3aから供給される記録材が作像エンジン2との転写部位を通過した後作像エンジン2と記録材供給部3aとの間に横切る搬送経路3bを経て、記録材排出部3cに記録材を排出収容する記録材搬送系3と、この記録材搬送系3の搬送経路3bの一部に配設され且つ作像エンジン2の転写部位にて記録材に転写されたトナー像を定着する定着装置4と、記録材搬送系3の搬送経路3bのうち、定着装置4の下流側搬送経路3bにて記録材を正逆回転可能にニップ搬送する正逆ニップ搬送部材と、この正逆ニップ搬送部材位置から前記転写部位の上流側へ記録材を戻す反転搬送経路3d中にて記録材をニップ搬送するニップ搬送部材の全部若しくは一部とが共通の架台上に設けられ、装置本体1から引き出し可能に移動する反転搬送ユニット6とを備えることを特徴とする。
【0016】
このように、反転搬送経路3d中の正逆ニップ搬送部材を含む反転搬送ユニット6を装置本体1から引き出し可能にすることで、反転搬送経路3dでのジャム処理性やメンテナンス性を向上させることができる。尚、夫々のニップ搬送部材を全て引き出すことが好ましいが、例えば引き出す前にニップ解除がなされる場合は、一部を引き出すことでも差し支えない。尚、正逆ニップ搬送部材が反転搬送経路3d中に複数配設された態様であっても差し支えない。
【0017】
更に、本発明に係る画像形成装置の第三の態様としては、次のようなものが挙げられる。
すなわち、本発明は、図1(a)(b)に示すように、トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジン2と、この作像エンジン2の上方に記録材が供給可能に収容される記録材供給部3aを有し、この記録材供給部3aから供給される記録材が作像エンジン2との転写部位を通過した後作像エンジン2と記録材供給部3aとの間に横切る搬送経路3bを経て、記録材排出部3cに記録材を排出収容する記録材搬送系3と、この記録材搬送系3の搬送経路3bの一部に配設され且つ作像エンジン2の転写部位にて記録材に転写されたトナー像を定着する定着装置4と、少なくとも定着装置4の前後にて記録材をニップ搬送する夫々のニップ搬送部材の全部若しくは一部及び定着装置4が共通の架台上に設けられ、装置本体1から引き出し可能に移動する定着搬送ユニット5と、記録材搬送系3の搬送経路3bのうち、定着装置4の下流側搬送経路3bにて記録材を正逆回転可能にニップ搬送する正逆ニップ搬送部材と、この正逆ニップ搬送部材位置から前記転写部位の上流側へ記録材を戻す反転搬送経路3d中にて記録材をニップ搬送するニップ搬送部材の全部若しくは一部とが共通の架台上に設けられ、装置本体1から引き出し可能に移動する反転搬送ユニット6とを備えることを特徴とする。
【0018】
このように、定着搬送ユニット5と反転搬送ユニット6とが装置本体1から引き出し可能に移動することで、定着装置4周辺あるいは反転搬送経路3d周辺でのジャム処理やメンテナンス時の視認性を上げることができ、記録材のジャム処理性やメンテナンス性を向上させることができる。
また、このとき、定着搬送ユニット5と反転搬送ユニット6とを装置本体1から引き出す際に連動して移動するようにすれば、引き出す際の操作性が向上する。尚、「連動」とは、必ずしも両ユニット(定着搬送ユニット5及び反転搬送ユニット6)が一体的に引き出されることを意味するものではなく、多少の時間的ずれがあってもよいことを意味する。
【0019】
そして、上述した第二の態様及び第三の態様においては、反転搬送ユニット6に記録材供給部3aを連動させて装置本体1から引き出し可能にすることが好ましく、このようにすれば、記録材供給部3aと反転搬送ユニット6とを一層近接配置させることができ、小型化を一層推進することができる。
また、反転搬送経路3dの上流側に設けられ定着装置4通過後の記録材をこの反転搬送経路3dに導く正逆回転可能な正逆ニップ搬送部材と、記録材排出部3cに近接して設けられ記録材を記録材排出部3cへ排出する排出部材との搬送間隔を、搬送される記録材の最大長以上とすることが好ましく、このようにすれば、反転搬送経路3dへ反転搬送される記録材が、記録材排出部3cへ達することがなく、反転搬送中の記録材が記録材排出部3cに出たときにユーザーが誤って掴むことによって起こるジャムを防止することができる。
更に、この搬送間隔を210mm以上とするようにすれば、市場でよく使用されるA4判ヨコ通しに対して有効に対応することができる。
【0020】
そして、本発明においては、定着搬送ユニット5を装置本体1から引き出す前若しくは併行して、少なくとも作像エンジン2を含む作像ユニットが、定着装置4から離間する方向に移動するようにすれば、定着装置4周辺での一層大きなスペースが確保でき、ジャム処理性やメンテナンス性等を一層向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の基本的構成によれば、以下の基本的効果を奏する。
1.作像エンジンの上方に記録材搬送系、定着装置を配設したので、画像形成装置の設置スペースを作像エンジンの配設スペースに依存させることができ、その分、画像形成装置の小型化を容易に実現することができる。
2.作像エンジンの上方に記録材搬送系の記録材供給部及び記録材収容部を配置することができるため、画像形成装置の上側にて記録材供給部に対する記録材の補給操作及び記録材収容部からの記録材の取出操作を行うことができ、その分、記録材の取り扱い操作性(補給操作性、取出操作性)を向上させることができる。
3.画像形成装置の中央寄りに定着装置を配設したので、画像形成装置の筐体側壁寄りに定着装置を配設した態様に比べて、定着時の外気の影響を軽減でき、定着装置の熱を逃がさずに有効に利用することができ、その分、省エネルギー化を図ることができる。
4.作像エンジンの上方に定着装置を配設したので、定着装置の熱による作像エンジンへの影響を軽減でき、作像性能が安定し、画質を向上させることができる。
つまり、本発明によれば、小型化、記録材の取り扱い性、省エネルギー及び作像性能を確保した画像形成装置を提供することが可能になる。
【0022】
特に、本発明では、少なくとも定着装置の前後にて記録材をニップ搬送する夫々のニップ搬送部材の全部若しくは一部と定着装置とが共通の架台上に設けられ、装置本体から引き出し可能に移動する定着搬送ユニットを備えたので、定着装置周辺で記録材のジャム等を生じても十分なスペースを確保して処理することができ、ジャム処理性やメンテナンス性等を向上させることができる。
【0023】
また、定着装置の下流側から作像エンジンの転写部位の上流側へ記録材を戻し搬送する反転搬送経路を有する態様に対し、この反転搬送経路中にて正逆回転可能な正逆ニップ搬送部材と、この正逆ニップ搬送部材の下流側に位置するニップ搬送部材との全部若しくは一部が共通の架台上に設けられ、装置本体から引き出し可能に移動する反転搬送ユニットを備えたので、反転搬送経路周辺で記録材のジャム等を生じても十分なスペースを確保して処理することができ、ジャム処理性やメンテナンス性等を向上させることができる。
【0024】
更に、定着装置の下流側から作像エンジンの転写部位の上流側へ記録材を戻し搬送する反転搬送経路を有する態様に対し、上述した定着搬送ユニットと反転搬送ユニットとを備えることで、定着装置や反転搬送経路周辺で記録材のジャム等を生じても十分なスペースを確保して処理することができ、ジャム処理性やメンテナンス性等を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す概要図である。
同図において、画像形成装置10には、装置上方に記録材としての用紙を供給する1段の用紙トレイ51、装置下方に2段の用紙トレイ52,53が配設され、これらの間にトナー像を形成する作像エンジン20が配設された構成となっている。更に、装置上方の用紙トレイ51と作像エンジン20との間には、作像エンジン20にて用紙上に転写された未定着トナー像を定着する定着装置40が配設されている。
また、本実施の形態における画像形成装置10には、用紙トレイ51の上部に画像形成を終えた用紙を排出収容する排出トレイ55が設けられ、用紙トレイ51〜53から排出トレイ55まで用紙を搬送する各種の用紙搬送路も設けられている。
【0026】
本実施の形態の作像エンジン20は、例えば電子写真方式にて4色の色成分トナー像(本実施の形態では、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラック)を形成する4個の画像形成ユニット21(21a〜21d)と、各画像形成ユニット21a〜21dにて形成された各色成分トナー像が順次転写(一次転写)されて保持される中間転写ベルト30とで構成されている。
各画像形成ユニット21a〜21dは、夫々感光体ドラム22を有し、各感光体ドラム22の周囲には、感光体ドラム22を帯電する帯電ロール等の帯電装置23、帯電された感光体ドラム22上に静電潜像を書き込むレーザスキャナ等の露光装置24、感光体ドラム22上に書き込まれた静電潜像を各色成分トナーにて現像する現像装置25、感光体ドラム22上のトナー像を中間転写ベルト30上に転写する一次転写ロール26及び感光体ドラム22上の残留トナーを除去するドラムクリーナ27が夫々配設されている。尚、符号28(28a〜28d)は、現像装置25へ各色トナーを補給するトナー補給装置であり、補給口29から図示外の搬送パイプを介して、夫々の色の現像装置25へトナーが補給されるようになっている。
【0027】
また、中間転写ベルト30は、例えばポリイミド樹脂に導電性カーボンブラックを混練し、体積抵抗率を109〜1012Ω・cm程度とした無端ベルトからなり、3個の張架ロール31〜33に掛け渡され、例えば張架ロール32を駆動ロールとし、張架ロール33をテンションロールとして、図の矢印方向に移動するようになっている。尚、符号34は、中間転写ベルト30上の残留トナー等を清掃するベルトクリーナである。
そして、本実施の形態では、張架ロール32を張架ロール31より斜め下方に配置することで、中間転写ベルト30を斜め方向に配置でき、画像形成装置10の小型化に寄与するようにしている。
更に、各画像形成ユニット21a〜21dを中間転写ベルト30の下方(張架ロール32と張架ロール33との間の中間転写ベルト30に対向する位置)に配置することで、画像形成ユニット21(21a〜21d)の例えば現像装置25からのトナー浮遊等による機内汚染に起因する画質劣化を防ぎ、画質が一層安定した画像形成が可能になるようにしている。
【0028】
更にまた、本実施の形態では、中間転写ベルト30の張架ロール31と対向する位置には、中間転写ベルト30上に画像形成ユニット21(21a〜21d)によって転写されたトナー像を用紙トレイ51〜53から供給された用紙上に一括転写する二次転写ロール35が設けられ、張架ロール31をバックアップロールとして、二次転写部位を形成している。尚、二次転写ロール35とバックアップロールの張架ロール31との間には、中間転写ベルト30上のトナー像を用紙に転写するための二次転写バイアス(図示せず)が印加されるようになっている。
【0029】
本実施の形態における定着装置40は、二次転写部位の下流側でこの二次転写部位と略水平方向に設けられ、図3に示すように、上部定着ユニット40a及び下部定着ユニット40bで構成されている。上部定着ユニット40aは、加圧ロール41及び加圧ロール41を覆うように設けられた遮熱カバー44を有し、下部定着ユニット40bは内部にヒータ43が配置された加熱ロール42及びこの加熱ロール42を覆うように設けられた遮熱カバー45を有している。また、遮熱カバー44,45は、夫々加圧ロール41及び加熱ロール42側に金属の熱輻射板46を備え、その外側を真空断熱材47で覆い、更にその外装をプラスチックの外装カバー48で覆った構成を採っている。
【0030】
ここで、熱輻射板46としては、例えば鏡面加工されたアルミ等の金属が用いられ、輻射率0.5以下の表面とすることで、表面での反射率が高くなるようになっている。また、真空断熱材47は、例えば熱伝導率0.03W/(m・K)以下の部材を厚さ3mm以上備えたもので構成されている。更に、外装カバー48は熱伝導率の小さいプラスチックによって構成されている。
また、本実施の形態では、加圧ロール41及び加熱ロール42と夫々の遮熱カバー44,45とは、例えば3〜20mmの距離を隔てて配置され、遮熱カバー44,45が加圧ロール41及び加熱ロール42を互いに上下方向から挟み込むような形となっている。そのため、加熱ロール42による熱が定着装置40外へ余分に漏れないようになっている。更に、本実施の形態では、定着装置40の下流側には、上流側の搬送装置37と同様の搬送装置49を設け、定着装置40によって定着された後の用紙の搬送を行うようになっている。
そして、本実施の形態における定着装置40は、加圧ロール41と加熱ロール42とが鉛直方向に対向配置されているため、この両者で作られるニップ域を用紙が略水平方向に移動するようになっている。
【0031】
また、本実施の形態では、図2に示すように、二次転写部位にて中間転写ベルト30上のトナー像は用紙の下面側(鉛直下方側)に転写されることから、二次転写部位から定着装置40の間には、用紙を上方に保持して搬送する搬送装置37が設けられている。この搬送装置37としては、静電吸着方式やエアー吸引方式等が利用でき、二次転写ロール35によって用紙上に転写された未定着トナー像の画質劣化を防止している。
更に、定着装置40の上流側の搬送装置37から下流側の搬送装置49までの下方には、定着装置40周辺での未定着トナーや用紙の落下を捕捉するためのキャッチパン50が設けられ、定着装置40周辺で用紙がジャムしたとき、用紙上の未定着トナーや用紙自体が作像エンジン20側へ落下して悪影響を与えないようになっている。
【0032】
次に、本実施の形態における用紙搬送系について、図2を基に説明する。
夫々の用紙トレイ51〜53は、画像形成装置10の前面側から引き出して、用紙を補給するようになっており、特に、上方にある用紙トレイ51を使用する際は、楽な姿勢で行えるようになっている。
また、夫々の用紙トレイ51〜53には、用紙を一枚ずつ送り出すための捌き機構56が設けられ、ピックアップロール56aによって用紙トレイ51〜53から送り出された用紙は、フィードロール56bとリタードロール56cの作用によって捌かれて、最上部の用紙のみが送り出されるようになっている。
【0033】
また、用紙トレイ51〜53から送り出された用紙が搬送される搬送路としては、用紙トレイ51から下方に延びる第一搬送路61、用紙トレイ52,53から上方に延びる第二搬送路62及び図示外の手差しトレイ等からの用紙供給を可能にする第三搬送路63が設けられ、これらの搬送路61〜63は、二次転写ロール35の上流側で用紙の位置合わせを行うレジストロール71に導かれる。
このレジストロール71を起点にして、二次転写ロール35、定着装置40を通って略水平方向に延びる主搬送路64が設けられている。また、この主搬送路64は、定着装置40の下流側に設けられた搬送ロール72を境にして上方に方向を変え、搬送ロール73,74を経由して、排出トレイ55へ用紙を排出する排出ロール75まで延びている。尚、符号76は、例えば図示外の後処理装置等へ用紙を搬送するための他の排出ロールである。
【0034】
更に、本実施の形態では、搬送ロール73が、正逆駆動を行って用紙を反転搬送する正逆回転ロールとなっており、この搬送ロール73(以降正逆回転ロール73と称す)を起点として、主搬送路64の途中からレジストロール71へ用紙を反転搬送する反転搬送路65が設けられている。そして、正逆回転ロール73を所定のタイミングで正逆転駆動させることで、主搬送路64を搬送された用紙を反転搬送路65へ搬送するようになっている。尚、このとき、本実施の形態では、搬送ロール74にも排出される用紙(この場合は反転される用紙)がニップされているため、反転搬送時にはこの搬送ロール74のニップが解除されるようになっているが、これに限らず、例えばこの搬送ロール74も正逆転駆動をさせるようにしても差し支えなく、その際には搬送ロール74も正逆回転ロール73と一体として扱えばよい。
そして、正逆回転ロール73によって、反転搬送路65に反転搬送された用紙は、複数の搬送ロール77を経てレジストロール71側に戻され、二次転写部位にて、前回トナー像が転写された用紙面と逆の用紙面に、新たなトナー像が形成されるようになる。
【0035】
また、本実施の形態においては、正逆回転ロール73から排出ロール75までの距離が210mmを超える長さとなっているため、特に用紙として使用頻度の高いA4判サイズのヨコ通しを行っても、例えば両面印刷のために反転搬送される用紙が、排出トレイ55へ顔を出す(用紙先端が排出トレイ55に掛かる)ことがないため、ユーザーが誤って掴むことでジャムに繋がるような事態が起こらないようになっている。
【0036】
そして、特に、本実施の形態における画像形成装置10は、図4,5に示すように(特に、図4の破線内に示すように)、定着装置40を含めた周辺の部材が図示外の搬送架台上に搭載された定着搬送ユニット100が、装置本体(画像形成装置10の筐体)から引き出すことができるようになっている。
本実施の形態における定着搬送ユニット100は、定着装置40と、この定着装置40の上流側に位置する搬送装置37及び二次転写ロール35、下流側に位置する搬送装置49及び搬送ロール72、更に、定着装置40の下方に設けられたキャッチパン50にて構成されている。
【0037】
また、この定着搬送ユニット100は、図示外のレバー操作により、装置本体から引き出される際、図6に示すように、二次転写ロール35と搬送ロール72(上側搬送ロール72aと下側搬送ロール72bとで構成)のニップが解除されると共に、搬送装置37も上方に上がって、装置本体から引き出されたときに定着搬送ユニット100での用紙ジャム等が見易くなるようになっている。
図7は、上述のレバー操作による搬送ロール72(上側搬送ロール72aと下側搬送ロール72bとで構成)のニップが解除される解除機構の一例を示したものである。画像形成装置10内に収納された状態では、上側搬送ロール72aの軸721aにスプリング120による上方への付勢力が働いているが、このとき、スライド部材110の切り欠き部110aが上側搬送ロール72aを押さえ付けることで、前記付勢力の影響をなくし、搬送ロール72のニップが保持できるようになっている。そして、図示外のレバー操作によって、スライド部材110が図の矢印A方向にスライドすることで、上側搬送ロール72aの軸721aは、スライド部材110の切り欠き部110aから傾斜部110bに移動して徐々にスプリング120の上方への付勢力が作用することになり、上側搬送ロール72aが上方に持ち上がる。そのため、搬送ロール72のニップが解除されるようになる。尚、図7では、搬送ロール72のニップ解除の一例を示したが、本実施の形態では、同様の方法で二次転写ロール35のニップ解除を行うようになっている。また、搬送装置37も同様の構成により、定着搬送ユニット100を装置本体から引き出す際に、上方に上がるようになっている。
【0038】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置10の基本的な画像形成プロセスについて、図2を基に説明する。
今、各色成分画像(イエロ、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像データが各画像形成ユニット21(21a〜21d)の露光装置24に送出されると、各画像形成ユニット21の感光体ドラム22上には色成分毎の静電潜像が形成されると共に、対応する色トナーが収容された現像装置25にて静電潜像が顕像化され、感光体ドラム22上に各色トナー像が形成される。
そして、感光体ドラム22上の各色トナー像は、各感光体ドラム22と中間転写ベルト30とが接する一次転写部位において、一次転写ロール26によって中間転写ベルト30上に順次一次転写され、色重ねされる。
【0039】
このようにして中間転写ベルト30上に一次転写された未定着トナー像は、中間転写ベルト30の移動に伴って、二次転写位置(二次転写ロール35と張架ロール31によって構成される)へと移動する。
ここで、仮に、用紙が用紙トレイ51から供給された場合を想定して、以降の用紙搬送について説明する。
用紙トレイ51から捌き機構56によって1枚のみ送り出された用紙は、第一搬送路61に搬送される。第一搬送路61を搬送された用紙は、レジストロール71によって位置合わせされた後、所定のタイミングで二次転写部位へ搬送され、二次転写ロール35によって中間転写ベルト30上の未定着トナー像が用紙上に一括転写(二次転写)される。
未定着トナー像が一括転写された用紙は、搬送装置37によって吸着搬送され定着装置40に至り、ここで未定着トナー像が定着される。
定着装置40を通過した用紙は、搬送ロール72及び正逆回転ロール73、搬送ロール74を経由して、排出ロール75に搬送され、排出トレイ55にフェイスアップ(トナー像が上向き)の状態で排出される。
【0040】
そして、例えば主搬送路64上の定着装置40周辺にて用紙がジャムをした場合には、
レバー操作を行ってスライド部材110(図7参照)をスライドさせ、搬送ロール72等のニップを解除しながら、定着搬送ユニット100を装置本体から引き出す。このとき、引き出された定着搬送ユニット100は、図6に示すように、二次転写ロール35、搬送装置37、上側搬送ロール72aが持ち上がっているため、ジャムした用紙を確認し易く、定着装置40のニップ域でジャムした場合には、例えば定着装置40の加圧ロール41(図3参照)を回すことで簡単に取り除くことができる。
更に、本実施の形態では、定着装置40の下方にあるキャッチパン50により、定着装置40のニップ域の上流側で用紙上に未定着トナーが残っていても、この未定着トナーの落下をこのキャッチパン50で捕捉することができ、また、用紙片等の落下も捕捉できるため、これらの未定着トナーや用紙片が落下して作像エンジン20(図2参照)側に悪影響を及ぼすようなことがない。
【0041】
更に、本実施の形態では、定着搬送ユニット100を装置本体から引き出した後、定着搬送ユニット100の二次転写ロール35、搬送装置37、搬送ロール72は、上方から部品交換を行うことも可能で、部品交換やクリーニング等に対するメンテナンス性も大幅に向上する。また、キャッチパン50を定着搬送ユニット100から取り外してクリーニングすることで、キャッチパン50への未定着トナー等の蓄積があっても容易にクリーニングすることができる。
【0042】
以上のように、本実施の形態では、定着装置40を画像形成装置10の中央近傍に配置したにも拘わらず、用紙ジャム等が起きた場合、定着搬送ユニット100を引き出すことで、ジャム等の視認性が向上し、ジャム除去が簡単に行える。また、メンテナンス等が必要な場合にも容易に行うことが可能になる。更に、キャッチパン50により、未定着トナーによる画像への悪影響を防ぎ、機内汚染や床汚れを防ぐこともできる。
そして、用紙トレイ51を画像形成装置10の上部に設けたことで、用紙補給時に無理な姿勢をすることもなく、「人にやさしい」構成が可能となる。
また、上方より、定着装置40、中間転写ベルト30、画像形成ユニット21の順に配置したことから、定着装置からの熱の影響を受けることもなく、安定した画像形成が可能となり、トナー補給装置28も定着装置40より下方に設置することができ、長期使用に際しても定着装置40の熱の影響を防ぎ画質への悪影響やトナーの熱劣化を抑えることができる。
更に、中間転写ベルト30を斜めに配置し、画像形成ユニット21をその下方に設け、画像形成ユニット21から二次転写位置までの距離を短くしたので、小型、高速で画質のよい画像形成装置を提供することが可能になる。
【0043】
また、本実施の形態では、二次転写ロール35のニップ解除を搬送ロール72のニップ解除と同様に行うことで、レバー操作によって二次転写ロール35の軸方向の一端(手前側)を簡単に持ち上げる態様を示したが、これに限らず、二次転写ロール35のニップ解除を例えば図8に示すように行ってもよい。
図8は、本実施の形態の画像形成装置10(図2に相当)の概念図を示すもので、用紙トレイ51の下方に作像エンジン20を設け、その間に定着装置40を設けた構成となっている。そして、定着装置40の上流側に位置する二次転写ロール35は、上述の実施の形態1とニップ解除方向が異なり、図中矢印B方向に、ほぼ平行移動してニップ解除を行うようになっている。
【0044】
このニップ解除方法は、例えば図7で示したスライド部材110を二次転写ロール35の両端(軸上)に設け、レバー操作により、このスライド部材110を同時にスライドさせるようにしてもよいし、例えばモータとカムを使用し、電気的に移動させる構成であっても差し支えない。
このように、二次転写ロール35を平行移動させるようにすれば、ニップ解除時の二次転写ロール35の軸方向圧力変化を一定に保つことができ、二次転写ロール35の軸方向のニップ圧を長期に亘って安定的に維持できる。尚、二次転写ロール35以外にも、搬送ロール72を同様の構成とすることも差し支えない。
【0045】
また、本実施の形態では、定着搬送ユニット100(図4参照)を装置本体から引き出す態様を示したが、例えば定着搬送ユニット100の移動と共に、作像エンジン20が定着搬送ユニット100側から離れるようにしてもよい。
図9は、本実施の形態の画像形成装置10(図2に相当)の概念図を示すもので、作像エンジン20が、回動支軸Cを支点として、図の矢印D方向に回動し、中間転写ベルト30が二次転写ロール35から離間した状態を示している。このようにすれば、二次転写部位での二次転写ロール35のニップを解除することも可能で、更に、定着搬送ユニット100(図4参照)の下方にスペースが確保され、ジャム処理性やメンテナンス性を一層向上させることができる。
尚、作像エンジン20を回動させるタイミングは、特に限定されず、定着搬送ユニット100を装置本体から引き出す前であってもよいし、併行して行うようにしてもよく、更には、必要な場合に、定着搬送ユニット100とは別に単独で回動させる態様であっても差し支えない。
【0046】
◎実施の形態2
図10は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態2の要部を示すものである。
本実施の形態における画像形成装置は、実施の形態1と略同様に構成されるが、ジャム
処理時等に装置本体から引き出されるユニットが異なり、図10に示す4箇所のユニット
が夫々装置本体から引き出し可能に構成されている点が実施の形態1と異なる。尚、画像
形成装置10の基本的構成は実施の形態1と同様のため省略する。
【0047】
本実施の形態にて、装置本体から引き出されるユニットは、実施の形態1と同様の定着搬送ユニット100と、用紙の反転搬送路に設けられた正逆回転ロール73と複数の搬送ロール77で構成される反転搬送ユニット200、用紙トレイ51と捌き機構56と搬送ロール78で構成される給紙ユニット300及び搬送ロール74と排出ロール75,76とで構成される排出ユニット400となっている。
そして、本実施の形態においては、これらの4箇所のユニットが図示外の搬送架台上に夫々のユニットの下方若しくはサイド等に設けられた図示外のスライドレールによって位置決めされ、夫々のユニットが装置本体の正面側に引き出されるように構成されている。更に、本実施の形態では、反転搬送ユニット200を引き出す際には、排出ユニット400側の搬送ロール74のニップは解除されるようになっており、反転搬送ユニット200の引き出しに際して特に支障がないようになっている。尚、本実施の形態では、反転搬送ユニット200を引き出すと、定着搬送ユニット100が同時に引き出され、定着搬送ユニット100を引き出すと定着搬送ユニット100のみが引き出されるように構成されている。
【0048】
図11は、用紙ジャムが発生したときに、定着搬送ユニット100と反転搬送ユニット200とが一体的に装置本体から引き出されたときの様子を示すものであり、給紙ユニット300(図示せず)や排出ユニット400は装置本体に保持されたままとなっている。尚、同図において、反転搬送ユニット200の搬送ロール77の一部は省略している。
このように、定着搬送ユニット100と反転搬送ユニット200とを装置本体から引き出すことで、反転搬送路(反転搬送ユニット200で形成される)での用紙ジャムの除去性能が向上する。また、定着搬送ユニット100側の搬送ロール72と反転搬送ユニット200側の正逆回転ロール73との間での用紙ジャムにも対応でき、ジャム処理性やメンテナンス性に優れた画像形成装置を提供することができる。
【0049】
更に、本実施の形態では、定着搬送ユニット100と反転搬送ユニット200とを引き出した後、反転搬送ユニット200側での用紙ジャム等でなければ、反転搬送ユニット200を図12に示すように持ち上げる(手前側を矢印方向に持ち上げる)ことで、定着搬送ユニット100の上方のスペースを広く確保することができ、定着搬送ユニット100のジャム処理性やメンテナンス性を向上させることができる。このとき、反転搬送ユニット200は、例えば奥側(装置本体から引き出される方向と逆方向)に設けられたヒンジとスプリング等によって、容易に持ち上げられるように構成されているため、簡単な操作が可能となる。
本実施の形態では、定着搬送ユニット100と反転搬送ユニット200とが一体となって装置本体から引き出される態様を主として示したが、これに限らず、例えば各ユニットが単独で引き出されるように構成されていてもよいことはいうまでもない。
また、反転搬送ユニット200と排出ユニット400とを一体に引き出すようにすれば、反転搬送ユニット200の正逆回転ロール73近傍でのジャムに対しても、搬送ロール74のニップを解除せずに対応することができ、構成が簡略化される。更に、このようにすれば、搬送ロール74が正逆転駆動を行う態様であっても対応が可能となる。
【0050】
◎実施の形態3
図13は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態3の要部を示す。本実施の形態は、実施の形態2のユニット(図10参照)のうち、反転搬送ユニット200、給紙ユニット300及び排出ユニット400とが一体的に装置本体から引き出される構成となっている。尚、画像形成装置10の基本的構成は実施の形態1と同様のため省略する。
本実施の形態にあっては、反転搬送ユニット200、給紙ユニット300、排出ユニット400内の用紙ジャムに際し、簡単にジャムした用紙を除去できるようになっている。
【0051】
また、図14のように、反転搬送ユニット200、給紙ユニット300、排出ユニット400を引き出した後、反転搬送ユニット200を、実施の形態2で示した方向とは逆の方向(下方)に下げるようにすれば、用紙トレイ51をそのまま給紙ユニット300に残した状態で反転搬送ユニット200の状況が目視確認し易くなり、一層ジャム処理性やメンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】(a)(b)は本発明に係る画像形成装置の構成を示す説明図であり、(a)は通常状態、(b)はジャム処理等のためにユニットが引き出された状態を示す。
【図2】本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す説明図である。
【図3】実施の形態1の定着装置を示す説明図である。
【図4】実施の形態1の定着搬送ユニットを示す説明図である。
【図5】実施の形態1の定着搬送ユニットが装置本体から引き出された状態を示す説明図である。
【図6】実施の形態1の定着搬送ユニットのニップ解除を示す説明図である。
【図7】実施の形態1のニップ保持機構を示す説明図である。
【図8】実施の形態1の変形例としての二次転写ロールのニップ解除機構を示す説明図である。
【図9】実施の形態1の変形例としての作像エンジンが回動する機構を示す説明図である。
【図10】実施の形態2に係る引き出しユニットを示す説明図である。
【図11】実施の形態2でユニットが引き出された状態を示す説明図である。
【図12】実施の形態2でユニットが引き出された後にロールが持ち上がった状態を示す説明図である。
【図13】実施の形態3に係る引き出されたユニットを示す説明図である。
【図14】実施の形態3で引き出された後にロールが下方に下がった状態を示す説明図である。
【図15】従来の画像形成装置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0053】
1…装置本体,2…作像エンジン,3…記録材搬送系,3a…記録材供給部,3b…搬送経路,3c…記録材排出部,3d…反転搬送経路,4…定着装置,5…定着搬送ユニット,6…反転搬送ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式等を採用した複写機やプリンタ等の画像形成装置に係り、特に、像担持体上で形成された画像を中間転写体に一旦転写させた後に記録材に一括転写する中間転写方式の画像形成装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の中間転写型の画像形成装置としては、感光体等に形成された各色成分トナー像を中間転写体に順次一次転写し、中間転写体上の多色トナー像を二次転写装置にて用紙に一括転写するようにしたものが知られている。また、このようなカラー画像形成装置では、近年、高速化、小型化、省エネルギー化の要求が大きい。
そして、高速化にあっては、各色の画像形成ユニットを中間転写ベルト上に並列配置したタンデム構成が効果的であるが、各画像形成ユニットを並列に配置し、その延長上に定着装置を配置した構成では、装置が大型化するという問題点がある。
【0003】
【特許文献1】特許第3470696号公報(発明の実施の形態、図1)
【特許文献2】特開平4−274264号公報(実施例、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この装置の大型化に対する対応策として、例えば図15に示すように、中間転写ベルト501を斜めに配置し、各画像形成ユニット502(502a〜502d)間を短くして並列配置すると共に、中間転写ベルト501の下方に熱反射板(図示せず)や排気装置(図示せず)を伴った定着装置504を配置することで、小型化した装置の構成が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、このような構成にあっては、一括転写部503や定着装置504の配置を工夫したことにより、各画像形成ユニット502(502a〜502d)によって中間転写ベルト501上に形成されたトナー像がすばやく用紙上に一括転写(一括転写部503にて)されることもあり、中間転写ベルト501上でのトナー像の飛散による画像ぼけや装置の大型化は解決されるが、各画像形成ユニット502(502a〜502d)が中間転写ベルト501の上部に配置されているため、現像等によるトナーの浮遊があると直接中間転写ベルト501上に影響したり、機内汚染を引き起こす懸念がある。また、定着装置504の熱は排気装置によって装置外へ排出されるため、定着装置504の熱が直ちに画像形成に影響を及ぼす懸念はないが、定着装置504のエネルギー効率は良好とは言い難い。更に、この構成で装置を長時間使用すると、定着装置504の熱が上部の画像形成ユニット502に影響を及ぼすことになり、画像欠陥を引き起こす懸念は残る。
その上、かかる構成にあっては、用紙を下方の一括転写部503に通す必然性から、用紙トレイが画像形成ユニット502より下方に配置されるのが一般的であり、用紙トレイへの用紙補給に際しては、しゃがみ込んだり、腰を曲げる必要があったり、ユーザーにやさしい装置とは言い難い。
【0006】
一方、操作性の観点から、用紙トレイを上方に配置した構成は、例えば特許文献2にて提案されているが、この場合、用紙の搬送パスが所謂「S字」であり、プリント動作から用紙排出に至るまでの時間が長いという問題がある。更に、用紙排出は通常装置下部で行われるため、排出トレイからの用紙取り出しの操作性は却って悪くなる。
【0007】
本発明は、上述したような技術的課題を解決するためになされたものであり、高速、小型、高画質で且つ省エネルギー化や操作性にも配慮すると共に、定着装置周辺等でのジャム処理やメンテナンスを容易にする画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、図1(a)(b)に示すように、トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジン2と、この作像エンジン2の上方に記録材が供給可能に収容される記録材供給部3aを有し、この記録材供給部3aから供給される記録材が作像エンジン2との転写部位を通過した後作像エンジン2と記録材供給部3aとの間に横切る搬送経路3bを経て、記録材排出部3cに記録材を排出収容する記録材搬送系3と、この記録材搬送系3の搬送経路3bの一部に配設され且つ作像エンジン2の転写部位にて記録材に転写されたトナー像を定着する定着装置4と、少なくとも定着装置4の前後にて記録材をニップ搬送する夫々のニップ搬送部材の全部若しくは一部及び定着装置4が共通の架台上に設けられ、装置本体1から引き出し可能に移動する定着搬送ユニット5とを備えることを特徴とするものである。
【0009】
このような技術的手段において、本願の対象となる作像エンジン2は、画像形成を行う方式は特に限定されず、電子写真方式、静電記録方式等の画像形成方式を適宜選定して差し支えなく、また、カラー、モノクロいずれであってもよい。
ここで、本発明における作像エンジン2として、トナー像を形成担持する画像形成部と、この画像形成部からのトナー像を一時的に搬送保持する中間転写体とを有し、当該画像形成部が中間転写体の下方に配置されるようにすれば、画像形成部でのトナー浮遊等による機内汚染を防ぐことが可能になる。また、画像形成部から転写部位までの距離を短くすることができ、中間転写体上でのトナー像の保持時間も短縮され、中間転写体からのトナー飛散も抑えられ画質が向上する。更に、中間転写体としては、ベルト状、ドラム状いずれであっても差し支えないが、レイアウトの自由度や小型化する観点からベルト状が好ましい。また、画像形成部には、トナー像を形成する像担持体が含まれ、その数量は特に限定されないが、カラー画像形成装置を構成する場合は、速度等の観点からタンデム型に構成することが好ましい。
【0010】
更に、記録材供給部3aは、少なくとも上方に配設されていればよく、その数量はとくに限定されず、例えば作像エンジン2の下方等にも他の記録材供給部3aが配設されていても差し支えない。このように、本発明では、記録材供給部3aを上方に備えていることから、記録材供給部3aへの記録材の補給に際し楽な姿勢で操作できる、すなわち、ユーザーにやさしい画像形成装置が可能になる。尚、作像エンジン2の上方に配設される記録材供給部3aの上方に、例えば画像読取装置等を搭載することも差し支えない。
【0011】
本発明における記録材搬送系3は、記録材供給部3a、記録材排出部3c及び記録材供給部3aから記録材排出部3cまでの記録材を搬送する記録材の搬送経路3bとで構成される。ここで、記録材の搬送経路3bは記録材を搬送する経路を意味し、通常搬送案内部材にて区画され、例えばニップ搬送部材や搬送ガイド等の搬送案内部材を適宜配設したものである。
また、本発明における記録材排出部3cの配設位置は特に限定されず、記録材の搬送経路3bを搬送された記録材が排出収容される位置にあればよい。本発明にあっては、記録材排出部3cも作像エンジン2より上方に配設されることから、記録材排出部3cへ排出収容される記録材を取り出す姿勢も楽になり、取り出し操作性も向上する。
【0012】
また、本発明における定着装置4は、トナー像を定着するための加熱手段を備えており、この加熱手段としては、接触加熱方式、非接触加熱方式等いずれでもよく、例えば電磁誘導方式の加熱方式等であっても差し支えない。
更に、本発明においては、定着装置4を画像形成装置(装置本体1)の中央寄りに配設することができ、画像形成装置の筐体側壁寄りに定着装置4を配設した態様に比べ、定着時の外気の影響を軽減でき、定着装置4の熱を逃がさずに有効に利用することができ、その分、省エネルギー化を図ることができる。尚、定着装置4の周囲に遮熱部材を配設するようにすれば、定着装置4からの余分な熱の排出を一層防ぐことができ、一層省エネルギー化を図ることができる。
【0013】
そして、本発明における定着搬送ユニット5は、少なくとも定着装置4の前後に位置し記録材をニップ搬送する夫々のニップ搬送部材の全部若しくは一部と定着装置4とが共通の架台上に設けられ、装置本体1から引き出し可能に移動するように構成されており、定着装置4と、例えば定着装置4の上流側の転写部位を構成するニップ搬送部材や下流側のニップ搬送部材を適宜含むものであり、更に、例えば転写部位の上流側のニップ搬送部材等を含んでいてもよい。
このような定着搬送ユニット5が装置本体1から引き出されることで、定着装置4周辺での視認性も向上し、ジャム処理性、メンテナンス性等が向上する。また、このとき、引き出す方向は操作性の観点から、略水平方向が好ましい。
更に、定着搬送ユニット5には、定着装置4の鉛直下方に未定着トナー若しくは記録材を捕捉する捕捉部材を備えることが好ましく、このことにより、定着装置4の下方にジャム等に起因する未定着トナーの落下や記録材の落下が生じても、作像エンジン2側へ落下しないように捕捉することができる。そして、この捕捉部材を定着搬送ユニット5に備えることで、未定着トナーやジャムした記録材のクリーニング処理等が簡単になる。
また、定着搬送ユニット5は、装置本体1から引き出された後に上方から着脱可能な部材を含むようにすれば、定着装置4周辺でのメンテナンス性を一層向上させることができる。
【0014】
更にまた、定着搬送ユニット5は、装置本体1から引き出される前若しくは併行して、定着装置4の前後のニップ搬送部材のニップを解除するように構成すれば、記録材のジャム処理性等が一層向上するため好ましい。このとき、このニップ解除をレバー操作によって行うようにすることが好ましく、この場合、ニップ解除を簡単な操作で行うことができるようになる。尚、ニップ解除は、例えばレバーによりスプリングの規制を解除する等の方式によればよい。
【0015】
また、本発明に係る画像形成装置の第二の態様としては、次のようなものが挙げられる。
すなわち、本発明は、図1(a)(b)に示すように、トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジン2と、この作像エンジン2の上方に記録材が供給可能に収容される記録材供給部3aを有し、この記録材供給部3aから供給される記録材が作像エンジン2との転写部位を通過した後作像エンジン2と記録材供給部3aとの間に横切る搬送経路3bを経て、記録材排出部3cに記録材を排出収容する記録材搬送系3と、この記録材搬送系3の搬送経路3bの一部に配設され且つ作像エンジン2の転写部位にて記録材に転写されたトナー像を定着する定着装置4と、記録材搬送系3の搬送経路3bのうち、定着装置4の下流側搬送経路3bにて記録材を正逆回転可能にニップ搬送する正逆ニップ搬送部材と、この正逆ニップ搬送部材位置から前記転写部位の上流側へ記録材を戻す反転搬送経路3d中にて記録材をニップ搬送するニップ搬送部材の全部若しくは一部とが共通の架台上に設けられ、装置本体1から引き出し可能に移動する反転搬送ユニット6とを備えることを特徴とする。
【0016】
このように、反転搬送経路3d中の正逆ニップ搬送部材を含む反転搬送ユニット6を装置本体1から引き出し可能にすることで、反転搬送経路3dでのジャム処理性やメンテナンス性を向上させることができる。尚、夫々のニップ搬送部材を全て引き出すことが好ましいが、例えば引き出す前にニップ解除がなされる場合は、一部を引き出すことでも差し支えない。尚、正逆ニップ搬送部材が反転搬送経路3d中に複数配設された態様であっても差し支えない。
【0017】
更に、本発明に係る画像形成装置の第三の態様としては、次のようなものが挙げられる。
すなわち、本発明は、図1(a)(b)に示すように、トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジン2と、この作像エンジン2の上方に記録材が供給可能に収容される記録材供給部3aを有し、この記録材供給部3aから供給される記録材が作像エンジン2との転写部位を通過した後作像エンジン2と記録材供給部3aとの間に横切る搬送経路3bを経て、記録材排出部3cに記録材を排出収容する記録材搬送系3と、この記録材搬送系3の搬送経路3bの一部に配設され且つ作像エンジン2の転写部位にて記録材に転写されたトナー像を定着する定着装置4と、少なくとも定着装置4の前後にて記録材をニップ搬送する夫々のニップ搬送部材の全部若しくは一部及び定着装置4が共通の架台上に設けられ、装置本体1から引き出し可能に移動する定着搬送ユニット5と、記録材搬送系3の搬送経路3bのうち、定着装置4の下流側搬送経路3bにて記録材を正逆回転可能にニップ搬送する正逆ニップ搬送部材と、この正逆ニップ搬送部材位置から前記転写部位の上流側へ記録材を戻す反転搬送経路3d中にて記録材をニップ搬送するニップ搬送部材の全部若しくは一部とが共通の架台上に設けられ、装置本体1から引き出し可能に移動する反転搬送ユニット6とを備えることを特徴とする。
【0018】
このように、定着搬送ユニット5と反転搬送ユニット6とが装置本体1から引き出し可能に移動することで、定着装置4周辺あるいは反転搬送経路3d周辺でのジャム処理やメンテナンス時の視認性を上げることができ、記録材のジャム処理性やメンテナンス性を向上させることができる。
また、このとき、定着搬送ユニット5と反転搬送ユニット6とを装置本体1から引き出す際に連動して移動するようにすれば、引き出す際の操作性が向上する。尚、「連動」とは、必ずしも両ユニット(定着搬送ユニット5及び反転搬送ユニット6)が一体的に引き出されることを意味するものではなく、多少の時間的ずれがあってもよいことを意味する。
【0019】
そして、上述した第二の態様及び第三の態様においては、反転搬送ユニット6に記録材供給部3aを連動させて装置本体1から引き出し可能にすることが好ましく、このようにすれば、記録材供給部3aと反転搬送ユニット6とを一層近接配置させることができ、小型化を一層推進することができる。
また、反転搬送経路3dの上流側に設けられ定着装置4通過後の記録材をこの反転搬送経路3dに導く正逆回転可能な正逆ニップ搬送部材と、記録材排出部3cに近接して設けられ記録材を記録材排出部3cへ排出する排出部材との搬送間隔を、搬送される記録材の最大長以上とすることが好ましく、このようにすれば、反転搬送経路3dへ反転搬送される記録材が、記録材排出部3cへ達することがなく、反転搬送中の記録材が記録材排出部3cに出たときにユーザーが誤って掴むことによって起こるジャムを防止することができる。
更に、この搬送間隔を210mm以上とするようにすれば、市場でよく使用されるA4判ヨコ通しに対して有効に対応することができる。
【0020】
そして、本発明においては、定着搬送ユニット5を装置本体1から引き出す前若しくは併行して、少なくとも作像エンジン2を含む作像ユニットが、定着装置4から離間する方向に移動するようにすれば、定着装置4周辺での一層大きなスペースが確保でき、ジャム処理性やメンテナンス性等を一層向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の基本的構成によれば、以下の基本的効果を奏する。
1.作像エンジンの上方に記録材搬送系、定着装置を配設したので、画像形成装置の設置スペースを作像エンジンの配設スペースに依存させることができ、その分、画像形成装置の小型化を容易に実現することができる。
2.作像エンジンの上方に記録材搬送系の記録材供給部及び記録材収容部を配置することができるため、画像形成装置の上側にて記録材供給部に対する記録材の補給操作及び記録材収容部からの記録材の取出操作を行うことができ、その分、記録材の取り扱い操作性(補給操作性、取出操作性)を向上させることができる。
3.画像形成装置の中央寄りに定着装置を配設したので、画像形成装置の筐体側壁寄りに定着装置を配設した態様に比べて、定着時の外気の影響を軽減でき、定着装置の熱を逃がさずに有効に利用することができ、その分、省エネルギー化を図ることができる。
4.作像エンジンの上方に定着装置を配設したので、定着装置の熱による作像エンジンへの影響を軽減でき、作像性能が安定し、画質を向上させることができる。
つまり、本発明によれば、小型化、記録材の取り扱い性、省エネルギー及び作像性能を確保した画像形成装置を提供することが可能になる。
【0022】
特に、本発明では、少なくとも定着装置の前後にて記録材をニップ搬送する夫々のニップ搬送部材の全部若しくは一部と定着装置とが共通の架台上に設けられ、装置本体から引き出し可能に移動する定着搬送ユニットを備えたので、定着装置周辺で記録材のジャム等を生じても十分なスペースを確保して処理することができ、ジャム処理性やメンテナンス性等を向上させることができる。
【0023】
また、定着装置の下流側から作像エンジンの転写部位の上流側へ記録材を戻し搬送する反転搬送経路を有する態様に対し、この反転搬送経路中にて正逆回転可能な正逆ニップ搬送部材と、この正逆ニップ搬送部材の下流側に位置するニップ搬送部材との全部若しくは一部が共通の架台上に設けられ、装置本体から引き出し可能に移動する反転搬送ユニットを備えたので、反転搬送経路周辺で記録材のジャム等を生じても十分なスペースを確保して処理することができ、ジャム処理性やメンテナンス性等を向上させることができる。
【0024】
更に、定着装置の下流側から作像エンジンの転写部位の上流側へ記録材を戻し搬送する反転搬送経路を有する態様に対し、上述した定着搬送ユニットと反転搬送ユニットとを備えることで、定着装置や反転搬送経路周辺で記録材のジャム等を生じても十分なスペースを確保して処理することができ、ジャム処理性やメンテナンス性等を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す概要図である。
同図において、画像形成装置10には、装置上方に記録材としての用紙を供給する1段の用紙トレイ51、装置下方に2段の用紙トレイ52,53が配設され、これらの間にトナー像を形成する作像エンジン20が配設された構成となっている。更に、装置上方の用紙トレイ51と作像エンジン20との間には、作像エンジン20にて用紙上に転写された未定着トナー像を定着する定着装置40が配設されている。
また、本実施の形態における画像形成装置10には、用紙トレイ51の上部に画像形成を終えた用紙を排出収容する排出トレイ55が設けられ、用紙トレイ51〜53から排出トレイ55まで用紙を搬送する各種の用紙搬送路も設けられている。
【0026】
本実施の形態の作像エンジン20は、例えば電子写真方式にて4色の色成分トナー像(本実施の形態では、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラック)を形成する4個の画像形成ユニット21(21a〜21d)と、各画像形成ユニット21a〜21dにて形成された各色成分トナー像が順次転写(一次転写)されて保持される中間転写ベルト30とで構成されている。
各画像形成ユニット21a〜21dは、夫々感光体ドラム22を有し、各感光体ドラム22の周囲には、感光体ドラム22を帯電する帯電ロール等の帯電装置23、帯電された感光体ドラム22上に静電潜像を書き込むレーザスキャナ等の露光装置24、感光体ドラム22上に書き込まれた静電潜像を各色成分トナーにて現像する現像装置25、感光体ドラム22上のトナー像を中間転写ベルト30上に転写する一次転写ロール26及び感光体ドラム22上の残留トナーを除去するドラムクリーナ27が夫々配設されている。尚、符号28(28a〜28d)は、現像装置25へ各色トナーを補給するトナー補給装置であり、補給口29から図示外の搬送パイプを介して、夫々の色の現像装置25へトナーが補給されるようになっている。
【0027】
また、中間転写ベルト30は、例えばポリイミド樹脂に導電性カーボンブラックを混練し、体積抵抗率を109〜1012Ω・cm程度とした無端ベルトからなり、3個の張架ロール31〜33に掛け渡され、例えば張架ロール32を駆動ロールとし、張架ロール33をテンションロールとして、図の矢印方向に移動するようになっている。尚、符号34は、中間転写ベルト30上の残留トナー等を清掃するベルトクリーナである。
そして、本実施の形態では、張架ロール32を張架ロール31より斜め下方に配置することで、中間転写ベルト30を斜め方向に配置でき、画像形成装置10の小型化に寄与するようにしている。
更に、各画像形成ユニット21a〜21dを中間転写ベルト30の下方(張架ロール32と張架ロール33との間の中間転写ベルト30に対向する位置)に配置することで、画像形成ユニット21(21a〜21d)の例えば現像装置25からのトナー浮遊等による機内汚染に起因する画質劣化を防ぎ、画質が一層安定した画像形成が可能になるようにしている。
【0028】
更にまた、本実施の形態では、中間転写ベルト30の張架ロール31と対向する位置には、中間転写ベルト30上に画像形成ユニット21(21a〜21d)によって転写されたトナー像を用紙トレイ51〜53から供給された用紙上に一括転写する二次転写ロール35が設けられ、張架ロール31をバックアップロールとして、二次転写部位を形成している。尚、二次転写ロール35とバックアップロールの張架ロール31との間には、中間転写ベルト30上のトナー像を用紙に転写するための二次転写バイアス(図示せず)が印加されるようになっている。
【0029】
本実施の形態における定着装置40は、二次転写部位の下流側でこの二次転写部位と略水平方向に設けられ、図3に示すように、上部定着ユニット40a及び下部定着ユニット40bで構成されている。上部定着ユニット40aは、加圧ロール41及び加圧ロール41を覆うように設けられた遮熱カバー44を有し、下部定着ユニット40bは内部にヒータ43が配置された加熱ロール42及びこの加熱ロール42を覆うように設けられた遮熱カバー45を有している。また、遮熱カバー44,45は、夫々加圧ロール41及び加熱ロール42側に金属の熱輻射板46を備え、その外側を真空断熱材47で覆い、更にその外装をプラスチックの外装カバー48で覆った構成を採っている。
【0030】
ここで、熱輻射板46としては、例えば鏡面加工されたアルミ等の金属が用いられ、輻射率0.5以下の表面とすることで、表面での反射率が高くなるようになっている。また、真空断熱材47は、例えば熱伝導率0.03W/(m・K)以下の部材を厚さ3mm以上備えたもので構成されている。更に、外装カバー48は熱伝導率の小さいプラスチックによって構成されている。
また、本実施の形態では、加圧ロール41及び加熱ロール42と夫々の遮熱カバー44,45とは、例えば3〜20mmの距離を隔てて配置され、遮熱カバー44,45が加圧ロール41及び加熱ロール42を互いに上下方向から挟み込むような形となっている。そのため、加熱ロール42による熱が定着装置40外へ余分に漏れないようになっている。更に、本実施の形態では、定着装置40の下流側には、上流側の搬送装置37と同様の搬送装置49を設け、定着装置40によって定着された後の用紙の搬送を行うようになっている。
そして、本実施の形態における定着装置40は、加圧ロール41と加熱ロール42とが鉛直方向に対向配置されているため、この両者で作られるニップ域を用紙が略水平方向に移動するようになっている。
【0031】
また、本実施の形態では、図2に示すように、二次転写部位にて中間転写ベルト30上のトナー像は用紙の下面側(鉛直下方側)に転写されることから、二次転写部位から定着装置40の間には、用紙を上方に保持して搬送する搬送装置37が設けられている。この搬送装置37としては、静電吸着方式やエアー吸引方式等が利用でき、二次転写ロール35によって用紙上に転写された未定着トナー像の画質劣化を防止している。
更に、定着装置40の上流側の搬送装置37から下流側の搬送装置49までの下方には、定着装置40周辺での未定着トナーや用紙の落下を捕捉するためのキャッチパン50が設けられ、定着装置40周辺で用紙がジャムしたとき、用紙上の未定着トナーや用紙自体が作像エンジン20側へ落下して悪影響を与えないようになっている。
【0032】
次に、本実施の形態における用紙搬送系について、図2を基に説明する。
夫々の用紙トレイ51〜53は、画像形成装置10の前面側から引き出して、用紙を補給するようになっており、特に、上方にある用紙トレイ51を使用する際は、楽な姿勢で行えるようになっている。
また、夫々の用紙トレイ51〜53には、用紙を一枚ずつ送り出すための捌き機構56が設けられ、ピックアップロール56aによって用紙トレイ51〜53から送り出された用紙は、フィードロール56bとリタードロール56cの作用によって捌かれて、最上部の用紙のみが送り出されるようになっている。
【0033】
また、用紙トレイ51〜53から送り出された用紙が搬送される搬送路としては、用紙トレイ51から下方に延びる第一搬送路61、用紙トレイ52,53から上方に延びる第二搬送路62及び図示外の手差しトレイ等からの用紙供給を可能にする第三搬送路63が設けられ、これらの搬送路61〜63は、二次転写ロール35の上流側で用紙の位置合わせを行うレジストロール71に導かれる。
このレジストロール71を起点にして、二次転写ロール35、定着装置40を通って略水平方向に延びる主搬送路64が設けられている。また、この主搬送路64は、定着装置40の下流側に設けられた搬送ロール72を境にして上方に方向を変え、搬送ロール73,74を経由して、排出トレイ55へ用紙を排出する排出ロール75まで延びている。尚、符号76は、例えば図示外の後処理装置等へ用紙を搬送するための他の排出ロールである。
【0034】
更に、本実施の形態では、搬送ロール73が、正逆駆動を行って用紙を反転搬送する正逆回転ロールとなっており、この搬送ロール73(以降正逆回転ロール73と称す)を起点として、主搬送路64の途中からレジストロール71へ用紙を反転搬送する反転搬送路65が設けられている。そして、正逆回転ロール73を所定のタイミングで正逆転駆動させることで、主搬送路64を搬送された用紙を反転搬送路65へ搬送するようになっている。尚、このとき、本実施の形態では、搬送ロール74にも排出される用紙(この場合は反転される用紙)がニップされているため、反転搬送時にはこの搬送ロール74のニップが解除されるようになっているが、これに限らず、例えばこの搬送ロール74も正逆転駆動をさせるようにしても差し支えなく、その際には搬送ロール74も正逆回転ロール73と一体として扱えばよい。
そして、正逆回転ロール73によって、反転搬送路65に反転搬送された用紙は、複数の搬送ロール77を経てレジストロール71側に戻され、二次転写部位にて、前回トナー像が転写された用紙面と逆の用紙面に、新たなトナー像が形成されるようになる。
【0035】
また、本実施の形態においては、正逆回転ロール73から排出ロール75までの距離が210mmを超える長さとなっているため、特に用紙として使用頻度の高いA4判サイズのヨコ通しを行っても、例えば両面印刷のために反転搬送される用紙が、排出トレイ55へ顔を出す(用紙先端が排出トレイ55に掛かる)ことがないため、ユーザーが誤って掴むことでジャムに繋がるような事態が起こらないようになっている。
【0036】
そして、特に、本実施の形態における画像形成装置10は、図4,5に示すように(特に、図4の破線内に示すように)、定着装置40を含めた周辺の部材が図示外の搬送架台上に搭載された定着搬送ユニット100が、装置本体(画像形成装置10の筐体)から引き出すことができるようになっている。
本実施の形態における定着搬送ユニット100は、定着装置40と、この定着装置40の上流側に位置する搬送装置37及び二次転写ロール35、下流側に位置する搬送装置49及び搬送ロール72、更に、定着装置40の下方に設けられたキャッチパン50にて構成されている。
【0037】
また、この定着搬送ユニット100は、図示外のレバー操作により、装置本体から引き出される際、図6に示すように、二次転写ロール35と搬送ロール72(上側搬送ロール72aと下側搬送ロール72bとで構成)のニップが解除されると共に、搬送装置37も上方に上がって、装置本体から引き出されたときに定着搬送ユニット100での用紙ジャム等が見易くなるようになっている。
図7は、上述のレバー操作による搬送ロール72(上側搬送ロール72aと下側搬送ロール72bとで構成)のニップが解除される解除機構の一例を示したものである。画像形成装置10内に収納された状態では、上側搬送ロール72aの軸721aにスプリング120による上方への付勢力が働いているが、このとき、スライド部材110の切り欠き部110aが上側搬送ロール72aを押さえ付けることで、前記付勢力の影響をなくし、搬送ロール72のニップが保持できるようになっている。そして、図示外のレバー操作によって、スライド部材110が図の矢印A方向にスライドすることで、上側搬送ロール72aの軸721aは、スライド部材110の切り欠き部110aから傾斜部110bに移動して徐々にスプリング120の上方への付勢力が作用することになり、上側搬送ロール72aが上方に持ち上がる。そのため、搬送ロール72のニップが解除されるようになる。尚、図7では、搬送ロール72のニップ解除の一例を示したが、本実施の形態では、同様の方法で二次転写ロール35のニップ解除を行うようになっている。また、搬送装置37も同様の構成により、定着搬送ユニット100を装置本体から引き出す際に、上方に上がるようになっている。
【0038】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置10の基本的な画像形成プロセスについて、図2を基に説明する。
今、各色成分画像(イエロ、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像データが各画像形成ユニット21(21a〜21d)の露光装置24に送出されると、各画像形成ユニット21の感光体ドラム22上には色成分毎の静電潜像が形成されると共に、対応する色トナーが収容された現像装置25にて静電潜像が顕像化され、感光体ドラム22上に各色トナー像が形成される。
そして、感光体ドラム22上の各色トナー像は、各感光体ドラム22と中間転写ベルト30とが接する一次転写部位において、一次転写ロール26によって中間転写ベルト30上に順次一次転写され、色重ねされる。
【0039】
このようにして中間転写ベルト30上に一次転写された未定着トナー像は、中間転写ベルト30の移動に伴って、二次転写位置(二次転写ロール35と張架ロール31によって構成される)へと移動する。
ここで、仮に、用紙が用紙トレイ51から供給された場合を想定して、以降の用紙搬送について説明する。
用紙トレイ51から捌き機構56によって1枚のみ送り出された用紙は、第一搬送路61に搬送される。第一搬送路61を搬送された用紙は、レジストロール71によって位置合わせされた後、所定のタイミングで二次転写部位へ搬送され、二次転写ロール35によって中間転写ベルト30上の未定着トナー像が用紙上に一括転写(二次転写)される。
未定着トナー像が一括転写された用紙は、搬送装置37によって吸着搬送され定着装置40に至り、ここで未定着トナー像が定着される。
定着装置40を通過した用紙は、搬送ロール72及び正逆回転ロール73、搬送ロール74を経由して、排出ロール75に搬送され、排出トレイ55にフェイスアップ(トナー像が上向き)の状態で排出される。
【0040】
そして、例えば主搬送路64上の定着装置40周辺にて用紙がジャムをした場合には、
レバー操作を行ってスライド部材110(図7参照)をスライドさせ、搬送ロール72等のニップを解除しながら、定着搬送ユニット100を装置本体から引き出す。このとき、引き出された定着搬送ユニット100は、図6に示すように、二次転写ロール35、搬送装置37、上側搬送ロール72aが持ち上がっているため、ジャムした用紙を確認し易く、定着装置40のニップ域でジャムした場合には、例えば定着装置40の加圧ロール41(図3参照)を回すことで簡単に取り除くことができる。
更に、本実施の形態では、定着装置40の下方にあるキャッチパン50により、定着装置40のニップ域の上流側で用紙上に未定着トナーが残っていても、この未定着トナーの落下をこのキャッチパン50で捕捉することができ、また、用紙片等の落下も捕捉できるため、これらの未定着トナーや用紙片が落下して作像エンジン20(図2参照)側に悪影響を及ぼすようなことがない。
【0041】
更に、本実施の形態では、定着搬送ユニット100を装置本体から引き出した後、定着搬送ユニット100の二次転写ロール35、搬送装置37、搬送ロール72は、上方から部品交換を行うことも可能で、部品交換やクリーニング等に対するメンテナンス性も大幅に向上する。また、キャッチパン50を定着搬送ユニット100から取り外してクリーニングすることで、キャッチパン50への未定着トナー等の蓄積があっても容易にクリーニングすることができる。
【0042】
以上のように、本実施の形態では、定着装置40を画像形成装置10の中央近傍に配置したにも拘わらず、用紙ジャム等が起きた場合、定着搬送ユニット100を引き出すことで、ジャム等の視認性が向上し、ジャム除去が簡単に行える。また、メンテナンス等が必要な場合にも容易に行うことが可能になる。更に、キャッチパン50により、未定着トナーによる画像への悪影響を防ぎ、機内汚染や床汚れを防ぐこともできる。
そして、用紙トレイ51を画像形成装置10の上部に設けたことで、用紙補給時に無理な姿勢をすることもなく、「人にやさしい」構成が可能となる。
また、上方より、定着装置40、中間転写ベルト30、画像形成ユニット21の順に配置したことから、定着装置からの熱の影響を受けることもなく、安定した画像形成が可能となり、トナー補給装置28も定着装置40より下方に設置することができ、長期使用に際しても定着装置40の熱の影響を防ぎ画質への悪影響やトナーの熱劣化を抑えることができる。
更に、中間転写ベルト30を斜めに配置し、画像形成ユニット21をその下方に設け、画像形成ユニット21から二次転写位置までの距離を短くしたので、小型、高速で画質のよい画像形成装置を提供することが可能になる。
【0043】
また、本実施の形態では、二次転写ロール35のニップ解除を搬送ロール72のニップ解除と同様に行うことで、レバー操作によって二次転写ロール35の軸方向の一端(手前側)を簡単に持ち上げる態様を示したが、これに限らず、二次転写ロール35のニップ解除を例えば図8に示すように行ってもよい。
図8は、本実施の形態の画像形成装置10(図2に相当)の概念図を示すもので、用紙トレイ51の下方に作像エンジン20を設け、その間に定着装置40を設けた構成となっている。そして、定着装置40の上流側に位置する二次転写ロール35は、上述の実施の形態1とニップ解除方向が異なり、図中矢印B方向に、ほぼ平行移動してニップ解除を行うようになっている。
【0044】
このニップ解除方法は、例えば図7で示したスライド部材110を二次転写ロール35の両端(軸上)に設け、レバー操作により、このスライド部材110を同時にスライドさせるようにしてもよいし、例えばモータとカムを使用し、電気的に移動させる構成であっても差し支えない。
このように、二次転写ロール35を平行移動させるようにすれば、ニップ解除時の二次転写ロール35の軸方向圧力変化を一定に保つことができ、二次転写ロール35の軸方向のニップ圧を長期に亘って安定的に維持できる。尚、二次転写ロール35以外にも、搬送ロール72を同様の構成とすることも差し支えない。
【0045】
また、本実施の形態では、定着搬送ユニット100(図4参照)を装置本体から引き出す態様を示したが、例えば定着搬送ユニット100の移動と共に、作像エンジン20が定着搬送ユニット100側から離れるようにしてもよい。
図9は、本実施の形態の画像形成装置10(図2に相当)の概念図を示すもので、作像エンジン20が、回動支軸Cを支点として、図の矢印D方向に回動し、中間転写ベルト30が二次転写ロール35から離間した状態を示している。このようにすれば、二次転写部位での二次転写ロール35のニップを解除することも可能で、更に、定着搬送ユニット100(図4参照)の下方にスペースが確保され、ジャム処理性やメンテナンス性を一層向上させることができる。
尚、作像エンジン20を回動させるタイミングは、特に限定されず、定着搬送ユニット100を装置本体から引き出す前であってもよいし、併行して行うようにしてもよく、更には、必要な場合に、定着搬送ユニット100とは別に単独で回動させる態様であっても差し支えない。
【0046】
◎実施の形態2
図10は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態2の要部を示すものである。
本実施の形態における画像形成装置は、実施の形態1と略同様に構成されるが、ジャム
処理時等に装置本体から引き出されるユニットが異なり、図10に示す4箇所のユニット
が夫々装置本体から引き出し可能に構成されている点が実施の形態1と異なる。尚、画像
形成装置10の基本的構成は実施の形態1と同様のため省略する。
【0047】
本実施の形態にて、装置本体から引き出されるユニットは、実施の形態1と同様の定着搬送ユニット100と、用紙の反転搬送路に設けられた正逆回転ロール73と複数の搬送ロール77で構成される反転搬送ユニット200、用紙トレイ51と捌き機構56と搬送ロール78で構成される給紙ユニット300及び搬送ロール74と排出ロール75,76とで構成される排出ユニット400となっている。
そして、本実施の形態においては、これらの4箇所のユニットが図示外の搬送架台上に夫々のユニットの下方若しくはサイド等に設けられた図示外のスライドレールによって位置決めされ、夫々のユニットが装置本体の正面側に引き出されるように構成されている。更に、本実施の形態では、反転搬送ユニット200を引き出す際には、排出ユニット400側の搬送ロール74のニップは解除されるようになっており、反転搬送ユニット200の引き出しに際して特に支障がないようになっている。尚、本実施の形態では、反転搬送ユニット200を引き出すと、定着搬送ユニット100が同時に引き出され、定着搬送ユニット100を引き出すと定着搬送ユニット100のみが引き出されるように構成されている。
【0048】
図11は、用紙ジャムが発生したときに、定着搬送ユニット100と反転搬送ユニット200とが一体的に装置本体から引き出されたときの様子を示すものであり、給紙ユニット300(図示せず)や排出ユニット400は装置本体に保持されたままとなっている。尚、同図において、反転搬送ユニット200の搬送ロール77の一部は省略している。
このように、定着搬送ユニット100と反転搬送ユニット200とを装置本体から引き出すことで、反転搬送路(反転搬送ユニット200で形成される)での用紙ジャムの除去性能が向上する。また、定着搬送ユニット100側の搬送ロール72と反転搬送ユニット200側の正逆回転ロール73との間での用紙ジャムにも対応でき、ジャム処理性やメンテナンス性に優れた画像形成装置を提供することができる。
【0049】
更に、本実施の形態では、定着搬送ユニット100と反転搬送ユニット200とを引き出した後、反転搬送ユニット200側での用紙ジャム等でなければ、反転搬送ユニット200を図12に示すように持ち上げる(手前側を矢印方向に持ち上げる)ことで、定着搬送ユニット100の上方のスペースを広く確保することができ、定着搬送ユニット100のジャム処理性やメンテナンス性を向上させることができる。このとき、反転搬送ユニット200は、例えば奥側(装置本体から引き出される方向と逆方向)に設けられたヒンジとスプリング等によって、容易に持ち上げられるように構成されているため、簡単な操作が可能となる。
本実施の形態では、定着搬送ユニット100と反転搬送ユニット200とが一体となって装置本体から引き出される態様を主として示したが、これに限らず、例えば各ユニットが単独で引き出されるように構成されていてもよいことはいうまでもない。
また、反転搬送ユニット200と排出ユニット400とを一体に引き出すようにすれば、反転搬送ユニット200の正逆回転ロール73近傍でのジャムに対しても、搬送ロール74のニップを解除せずに対応することができ、構成が簡略化される。更に、このようにすれば、搬送ロール74が正逆転駆動を行う態様であっても対応が可能となる。
【0050】
◎実施の形態3
図13は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態3の要部を示す。本実施の形態は、実施の形態2のユニット(図10参照)のうち、反転搬送ユニット200、給紙ユニット300及び排出ユニット400とが一体的に装置本体から引き出される構成となっている。尚、画像形成装置10の基本的構成は実施の形態1と同様のため省略する。
本実施の形態にあっては、反転搬送ユニット200、給紙ユニット300、排出ユニット400内の用紙ジャムに際し、簡単にジャムした用紙を除去できるようになっている。
【0051】
また、図14のように、反転搬送ユニット200、給紙ユニット300、排出ユニット400を引き出した後、反転搬送ユニット200を、実施の形態2で示した方向とは逆の方向(下方)に下げるようにすれば、用紙トレイ51をそのまま給紙ユニット300に残した状態で反転搬送ユニット200の状況が目視確認し易くなり、一層ジャム処理性やメンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】(a)(b)は本発明に係る画像形成装置の構成を示す説明図であり、(a)は通常状態、(b)はジャム処理等のためにユニットが引き出された状態を示す。
【図2】本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す説明図である。
【図3】実施の形態1の定着装置を示す説明図である。
【図4】実施の形態1の定着搬送ユニットを示す説明図である。
【図5】実施の形態1の定着搬送ユニットが装置本体から引き出された状態を示す説明図である。
【図6】実施の形態1の定着搬送ユニットのニップ解除を示す説明図である。
【図7】実施の形態1のニップ保持機構を示す説明図である。
【図8】実施の形態1の変形例としての二次転写ロールのニップ解除機構を示す説明図である。
【図9】実施の形態1の変形例としての作像エンジンが回動する機構を示す説明図である。
【図10】実施の形態2に係る引き出しユニットを示す説明図である。
【図11】実施の形態2でユニットが引き出された状態を示す説明図である。
【図12】実施の形態2でユニットが引き出された後にロールが持ち上がった状態を示す説明図である。
【図13】実施の形態3に係る引き出されたユニットを示す説明図である。
【図14】実施の形態3で引き出された後にロールが下方に下がった状態を示す説明図である。
【図15】従来の画像形成装置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0053】
1…装置本体,2…作像エンジン,3…記録材搬送系,3a…記録材供給部,3b…搬送経路,3c…記録材排出部,3d…反転搬送経路,4…定着装置,5…定着搬送ユニット,6…反転搬送ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジンと、
この作像エンジンの上方に記録材が供給可能に収容される記録材供給部を有し、この記録材供給部から供給される記録材が作像エンジンとの転写部位を通過した後作像エンジンと記録材供給部との間に横切る搬送経路を経て、記録材排出部に記録材を排出収容する記録材搬送系と、
この記録材搬送系の搬送経路の一部に配設され且つ作像エンジンの転写部位にて記録材に転写されたトナー像を定着する定着装置と、
少なくとも定着装置の前後にて記録材をニップ搬送する夫々のニップ搬送部材の全部若しくは一部及び定着装置が共通の架台上に設けられ、装置本体から引き出し可能に移動する定着搬送ユニットとを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
定着搬送ユニットは、定着装置の鉛直下方に未定着トナー若しくは記録材を捕捉する捕捉部材を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の画像形成装置において、
定着搬送ユニットは、引き出された後に上方から着脱可能な部材を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、
定着搬送ユニットは、装置本体から引き出される前若しくは併行して、定着装置の前後のニップ搬送部材のニップを解除するように構成されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像形成装置において、
定着搬送ユニットは、レバー操作によって定着装置の前後のニップ搬送部材のニップを解除するように構成されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジンと、
この作像エンジンの上方に記録材が供給可能に収容される記録材供給部を有し、この記録材供給部から供給される記録材が作像エンジンとの転写部位を通過した後作像エンジンと記録材供給部との間に横切る搬送経路を経て、記録材排出部に記録材を排出収容する記録材搬送系と、
この記録材搬送系の搬送経路の一部に配設され且つ作像エンジンの転写部位にて記録材に転写されたトナー像を定着する定着装置と、
記録材搬送系の搬送経路のうち、定着装置の下流側搬送経路にて記録材を正逆回転可能にニップ搬送する正逆ニップ搬送部材と、この正逆ニップ搬送部材位置から前記転写部位の上流側へ記録材を戻す反転搬送経路中にて記録材をニップ搬送するニップ搬送部材の全部若しくは一部とが共通の架台上に設けられ、装置本体から引き出し可能に移動する反転搬送ユニットとを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジンと、
この作像エンジンの上方に記録材が供給可能に収容される記録材供給部を有し、この記録材供給部から供給される記録材が作像エンジンとの転写部位を通過した後作像エンジンと記録材供給部との間に横切る搬送経路を経て、記録材排出部に記録材を排出収容する記録材搬送系と、
この記録材搬送系の搬送経路の一部に配設され且つ作像エンジンの転写部位にて記録材に転写されたトナー像を定着する定着装置と、
少なくとも定着装置の前後にて記録材をニップ搬送する夫々のニップ搬送部材の全部若しくは一部及び定着装置が共通の架台上に設けられ、装置本体から引き出し可能に移動する定着搬送ユニットと、
記録材搬送系の搬送経路のうち、定着装置の下流側搬送経路にて記録材を正逆回転可能にニップ搬送する正逆ニップ搬送部材と、この正逆ニップ搬送部材位置から前記転写部位の上流側へ記録材を戻す反転搬送経路中にて記録材をニップ搬送するニップ搬送部材の全部若しくは一部とが共通の架台上に設けられ、装置本体から引き出し可能に移動する反転搬送ユニットとを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7記載の画像形成装置において、
定着搬送ユニットと反転搬送ユニットとは、連動して移動するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項6又は7記載の画像形成装置において、
反転搬送ユニットは、装置本体から引き出される際に記録材供給部を連動して装置本体から引き出し可能にすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項6又は7記載の画像形成装置において、
反転搬送経路の上流側に設けられ定着装置通過後の記録材を当該反転搬送経路に導く正逆回転可能な正逆ニップ搬送部材と、記録材排出部に近接して設けられ記録材排出部へ記録材を排出する排出部材との搬送間隔は、搬送される記録材の最大長以上であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10記載の画像形成装置において、
前記搬送間隔は、210mm以上であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1記載の画像形成装置において、
定着搬送ユニットを装置本体から引き出す前若しくは併行して、少なくとも作像エンジンを含む作像ユニットが前記定着装置から離間する方向に移動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれかに記載の画像形成装置において、
作像エンジンは、トナー像を形成担持する画像形成部と、この画像形成部からのトナー像を一時的に搬送保持する中間転写体とを有し、当該画像形成部が中間転写体の下方に配置されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項13記載の画像形成装置において、
前記中間転写体は、ベルト部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジンと、
この作像エンジンの上方に記録材が供給可能に収容される記録材供給部を有し、この記録材供給部から供給される記録材が作像エンジンとの転写部位を通過した後作像エンジンと記録材供給部との間に横切る搬送経路を経て、記録材排出部に記録材を排出収容する記録材搬送系と、
この記録材搬送系の搬送経路の一部に配設され且つ作像エンジンの転写部位にて記録材に転写されたトナー像を定着する定着装置と、
少なくとも定着装置の前後にて記録材をニップ搬送する夫々のニップ搬送部材の全部若しくは一部及び定着装置が共通の架台上に設けられ、装置本体から引き出し可能に移動する定着搬送ユニットとを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
定着搬送ユニットは、定着装置の鉛直下方に未定着トナー若しくは記録材を捕捉する捕捉部材を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の画像形成装置において、
定着搬送ユニットは、引き出された後に上方から着脱可能な部材を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、
定着搬送ユニットは、装置本体から引き出される前若しくは併行して、定着装置の前後のニップ搬送部材のニップを解除するように構成されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像形成装置において、
定着搬送ユニットは、レバー操作によって定着装置の前後のニップ搬送部材のニップを解除するように構成されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジンと、
この作像エンジンの上方に記録材が供給可能に収容される記録材供給部を有し、この記録材供給部から供給される記録材が作像エンジンとの転写部位を通過した後作像エンジンと記録材供給部との間に横切る搬送経路を経て、記録材排出部に記録材を排出収容する記録材搬送系と、
この記録材搬送系の搬送経路の一部に配設され且つ作像エンジンの転写部位にて記録材に転写されたトナー像を定着する定着装置と、
記録材搬送系の搬送経路のうち、定着装置の下流側搬送経路にて記録材を正逆回転可能にニップ搬送する正逆ニップ搬送部材と、この正逆ニップ搬送部材位置から前記転写部位の上流側へ記録材を戻す反転搬送経路中にて記録材をニップ搬送するニップ搬送部材の全部若しくは一部とが共通の架台上に設けられ、装置本体から引き出し可能に移動する反転搬送ユニットとを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジンと、
この作像エンジンの上方に記録材が供給可能に収容される記録材供給部を有し、この記録材供給部から供給される記録材が作像エンジンとの転写部位を通過した後作像エンジンと記録材供給部との間に横切る搬送経路を経て、記録材排出部に記録材を排出収容する記録材搬送系と、
この記録材搬送系の搬送経路の一部に配設され且つ作像エンジンの転写部位にて記録材に転写されたトナー像を定着する定着装置と、
少なくとも定着装置の前後にて記録材をニップ搬送する夫々のニップ搬送部材の全部若しくは一部及び定着装置が共通の架台上に設けられ、装置本体から引き出し可能に移動する定着搬送ユニットと、
記録材搬送系の搬送経路のうち、定着装置の下流側搬送経路にて記録材を正逆回転可能にニップ搬送する正逆ニップ搬送部材と、この正逆ニップ搬送部材位置から前記転写部位の上流側へ記録材を戻す反転搬送経路中にて記録材をニップ搬送するニップ搬送部材の全部若しくは一部とが共通の架台上に設けられ、装置本体から引き出し可能に移動する反転搬送ユニットとを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7記載の画像形成装置において、
定着搬送ユニットと反転搬送ユニットとは、連動して移動するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項6又は7記載の画像形成装置において、
反転搬送ユニットは、装置本体から引き出される際に記録材供給部を連動して装置本体から引き出し可能にすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項6又は7記載の画像形成装置において、
反転搬送経路の上流側に設けられ定着装置通過後の記録材を当該反転搬送経路に導く正逆回転可能な正逆ニップ搬送部材と、記録材排出部に近接して設けられ記録材排出部へ記録材を排出する排出部材との搬送間隔は、搬送される記録材の最大長以上であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10記載の画像形成装置において、
前記搬送間隔は、210mm以上であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1記載の画像形成装置において、
定着搬送ユニットを装置本体から引き出す前若しくは併行して、少なくとも作像エンジンを含む作像ユニットが前記定着装置から離間する方向に移動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれかに記載の画像形成装置において、
作像エンジンは、トナー像を形成担持する画像形成部と、この画像形成部からのトナー像を一時的に搬送保持する中間転写体とを有し、当該画像形成部が中間転写体の下方に配置されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項13記載の画像形成装置において、
前記中間転写体は、ベルト部材であることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−71736(P2006−71736A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−252073(P2004−252073)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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