説明

画像形成装置

【課題】 表裏の画像形成に際してトナーの色順が不変であり、かつメディア対応力にも優れたコンパクトなワンパス両面構成を提案し、表裏画像間でのズレや画質差がない高画質・高印字精度を実現する画像形成装置を提供する。
【解決手段】 (1)2つの感光体、2つの中間転写体を略対向して配置する。
(2)2つの感光体に対し、1つのロータリー型現像装置を配し、複数色の現像器を有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプリンタ、FAX、複写機、印刷機等の画像形成装置、特に転写材の表裏(両面)に画像形成が可能な電子写真方式の画像形成装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式の画像形成装置にはモノクロ、カラーともに転写材の表裏(両面)に画像形成を行う機能が知られている。このような両面画像形成を実現するための構成として、最も簡単な構成であり、広く用いられる方式にスイッチバック方式が挙げられる。スイッチバック方式における画像形成の過程と転写材の動作について図5を例に挙げて説明する。図5は、4色の画像形成部を中間転写ベルト上に並べて配置した中間転写タンデム方式のカラー画像形成装置の一例を示す断面図である。中間転写方式は直接転写方式のように転写材を転写ドラムや転写ベルト上に保持する必要がないため、超厚紙やコート紙等の多種多様な転写材に対応できる点や、二次転写部までの紙パスがシンプルに構成できる点、さらに中間転写ベルトの張架方法の自由度が高いため、画像形成装置の小型化においても有利である点がメリットとして挙げられる。
【0003】
転写材Sは給紙装置51が有するリフトアップ装置52の上に積載される形で収納されており、給紙手段53により画像形成装置50の画像形成タイミングに合わせて給紙される。ここで、給紙手段53は給紙ローラ等による摩擦分離を利用する方式やエアによる分離吸着を利用する方式等が挙げられる。前記給紙手段53により送り出された転写紙Sは搬送ユニット54が有する搬送パス54aを通過し、レジストユニット55へと搬送される。レジストユニット55において斜行補正やタイミング補正を行った後、二次転写部へと送られる。二次転写部とは、略対向する二次転写内ローラ503および二次転写外ローラ56により形成される転写材Sへのトナー像転写ニップ部であり、所定の加圧力と静電的負荷バイアスを与えることで転写紙に未定着画像を吸着させる。
【0004】
以上説明した二次転写部までの転写材Sの搬送プロセスに対して、同様のタイミングで二次転写部まで送られて来る画像の形成プロセスについて説明する。画像形成部513は、主に感光体508、露光装置511、現像器510、一次転写装置507、および感光体クリーナ509等から構成される。予め帯電手段により表面を一様に帯電された図中矢印Aの方向に回転する前記感光体508に対し、送られてきた画像情報の信号に基づいて露光装置511が発光し、反射手段512等を適宜経由して潜像が形成される。このようにして前記感光体508上に形成された静電潜像に対して、前記現像装置510によるトナー現像が行われ、感光体上にトナー像が形成される。その後、前記一次転写装置507により所定の加圧力および静電的負荷バイアスが与えられ、中間転写ベルト506上にトナー像が転写される。その後、感光体508上に僅かに残った転写残トナーは前記感光体クリーナ509により回収され、再び次の画像形成に備える。以上説明した画像形成部513は図5の構成の場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(Bk)の4セット存在する。なお、4色の並び順はこの限りではなく、また、構成的にも4色以外の構成でも構わない。
【0005】
次に、前記中間転写ベルト506について説明する。中間転写ベルト506は駆動ローラ504、テンションローラ505および二次転写内ローラ503等のローラ類によって張架され、図中矢印Bの方向へと搬送駆動される。従って、先述のY、M、CおよびBkの各画像形成装置513により並列処理される各色の画像形成プロセスは、中間転写ベルト上に一次転写された上流のトナー像に重ね合わせるタイミングで行われる。その結果、最終的にはフルカラーのトナー像が中間転写ベルト506上に形成され、二次転写部へと搬送される。
【0006】
以上、それぞれ説明した転写材Sの搬送プロセスと画像形成プロセスを以って二次転写部において転写材S上にフルのトナー像が二次転写される。その後、転写材Sは定着前搬送部57により定着装置58へと搬送される。定着装置58は、略対向するローラもしくはベルト等による所定の加圧力と、一般的にはヒータ等の熱源による加熱効果を加えて転写材S上にトナーを溶融固着させる。このようにして得られた定着画像を有する転写材Sは分岐搬送装置59により、そのまま排紙トレー500上に排出されるか、もしくは両面画像形成を要する場合には反転搬送装置501へと搬送されるかの経路選択が行われる。
【0007】
ここで、両面画像形成を要する場合の搬送動作について説明する。前記反転搬送装置501へと送られた転写材Sはスイッチバック動作を行うことで先後端を入れ替え、両面搬送装置502へと搬送される。その後、前記給紙装置51より搬送されてくる後続ジョブの転写材とのタイミングを合わせて前記搬送ユニット54が有する再給紙パス54bから合流し、同様に二次転写部および定着装置58へと送られる。なお、画像形成プロセスに関しては1面目と同様なので省略する。
【0008】
以上、図5に示す中間転写タンデム方式に基づいて説明したが、例えば1つの感光体に対して複数の現像器が円環状に配置されるロータリー方式の画像形成部を有する場合であっても、基本的な画像形成プロセスおよび転写材のスイッチバック動作は同じである。
【0009】
ここで、両面画像形成に際してスイッチバックを行った場合に挙げられる課題として、表裏画像の印字精度がある。スイッチバック方式特有の問題として、反転時に転写材の先端と後端が入れ替わるため、1面目と2面目の画像形成で基準が異なる点が挙げられる。カットされた転写材自身にはそもそもバラツキがあるため、高画質化・高精度化の要求が高まる市場の動向を鑑みると非常に重要な課題として捉えなければならない。また、スイッチバック方式の場合、一度定着装置58を通過した転写材が再度画像形成部に戻ってくる構成であるため、1面目と2面目では転写材の水分量、伸縮、カール、波打ち等の影響がかなり異なってしまう。従って、印字精度だけでなく、転写不良や搬送不良といった他の重要な弊害にもつながるという課題がある。
【0010】
これらの課題に対して、例えば特許文献1のように1面目の画像を定着後に、転写材を捻転するスパイラル反転方式が知られている。この場合には、捩られたベルトやガイド部材等により転写材を搬送しながら表裏反転させることが可能となるため、転写材の先端と後端が入れ替わるという問題は発生しない。しかし、スイッチバック反転に比べると反転に要するスペースも大きく、装置構成が大掛かりになる上、転写材を確実に挟持する必要があるため圧の調整や管理が非常に面倒である。また、一度定着装置を通過した転写材に2面目の画像形成を行わなければならないという課題は、スイッチバック方式と同様に残る。
【0011】
この課題を解決するためには、1回の搬送で表裏の画像形成を完了させ、1回の定着装置通過で済ませる必要がある。これらに関する提案は特許文献2や特許文献3で行われており、表裏の画像形成における基準の不変だけでなく、定着通過に伴う転写材の様々な変化を考慮する必要がないというメリットが得られる。しかし、これらの構成はいずれも2面目の画像形成をワンパスで行うために、1面目の画像形成部と同様のものをもう1セット有するというものであり、かなりの装置大型化とコストアップを要してしまう。
【0012】
従って、部品点数の増加を抑え、装置の大型化を招くことなく、表裏の画像形成をワンパスで行うことができる画像形成装置が非常に重要になってくる。例えば、特許文献4の実施例2で提案されているような構成は、現像装置や感光体、トナー像受像体(転写体)等を表裏の画像形成に際して共通化する工夫がなされており、比較的コンパクトな構成でワンパスによる表裏画像形成を実現している。
【特許文献1】特開2002-340148号公報
【特許文献2】特開2003-043782号公報
【特許文献3】特開2003-107839号公報
【特許文献4】特開平9-258518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献4の構成では、トナー像受像体(転写体)を上手く活用することで中間転写と直接転写を使い分け、先述のようにコンパクト化とワンパス両面を実現している。しかし、画像形成プロセスに関して見ると、中間転写方式にて転写材の裏面に形成される画像と、直接転写方式にて転写材の表面に形成される画像とではトナーの載る色順が逆になってしまうという欠点がある。一般に、トナーの色順は定着後の発色が最適になるように考慮して設計されているため、色順が異なると画質や色合いが表裏で異なり、表裏の画像ズレが問題になるような高画質・高印字精度の画像形成装置の場合には大きな課題となる。一応、画質や色合いをソフト的に補正する手段はあるが、そのために専用の補正テーブルを容易したり、複雑な処理を施す必要が生じる。
【0014】
また、特許文献4の構成では、直接転写方式にて転写材の表面に転写した後、裏面に対して転写を行う二次転写位置までトナー像受像体(転写体)上の未定着画像と転写材が接触したまま搬送されるため、未定着画像のズレや劣化が発生する恐れがある。さらに、表面の転写は直接転写方式であるため、トナー像受像体(転写体)に対する吸着および分離のアシスト機構の必要性や超厚紙等のメディア対応力を考慮すると他にもいくつかの課題が挙げられる。
【0015】
そこで本発明では、以上のような課題を鑑みて、表裏の画像形成に際してトナーの色順が不変であり、かつメディア対応力にも優れたコンパクトなワンパス両面構成を提案し、表裏画像間でのズレや画質差がない高画質・高印字精度を実現する画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明における第1の手段は、転写材の両面に複数色のトナーによりカラー画像を形成する画像形成装置において、転写材の第1の面に画像形成を行うために少なくとも感光体1、中間転写体1および二次転写装置1からなる第1の画像形成部と、転写材の第2の面に画像形成を行うために少なくとも感光体2、中間転写体2および二次転写装置2からなる第2の画像形成部とを有する。さらに、転写材を搬送する給紙手段および搬送手段と、転写材に転写されたトナーを定着する定着手段を有する。ここで、前記第1と第2の画像形成部は互いに略対向する位置に配置されるとともに、複数色の現像装置が円環状に配置されたロータリー型現像装置のうち任意の2色に対して感光体1および感光体2がそれぞれ現像位置を形成する。これにより、第1および第2の画像形成動作を略並行して行い、前記搬送手段により搬送される転写材の第1および第2の面に対して、1回の搬送過程にて転写および定着を完了する画像形成装置である。
【0017】
また、本発明における第2の手段は、転写材の両面に複数色のトナーによりカラー画像を形成する画像形成装置において、転写材の第1の面に画像形成を行うために少なくとも感光体1、中間転写体1および二次転写装置1からなる第1の画像形成部と、転写材の第2の面に画像形成を行うために少なくとも感光体2、中間転者体2および二次転写装置2からなる第2の画像形成部とを有する。さらに、転写材を略主走査方向に給紙する給紙手段と、二次転写前に転写材の搬送方向を副走査方向に切り換える搬送方向切換え手段と、転写材に転写されたトナーを定着する定着手段を有する。ここで、前記第1と第2の画像形成部は互いに略対向する位置に配置されるとともに、複数色の現像装置が円環状に配置されたロータリー型現像装置のうち任意の2色に対して感光体1および感光体2がそれぞれ現像位置を形成する。これにより、第1および第2の画像形成動作を略並行して行い、前記搬送手段により搬送される転写材の第1および第2の面に対して、1回の搬送過程にて転写および定着を完了する画像形成装置である。
【0018】
さらに、本発明における第3の手段は、前記第2の手段において、前記搬送方向切換え手段が略主走査方向に給紙される転写材の主走査方向の位置および姿勢を補正する補正手段を有することとした画像形成装置である。
【0019】
さらに、本発明における第4の手段は、前記第1〜第3の手段において、前記第1および第2の画像形成部における2つの二次転写の間隔を、前記第2の画像形成部における一次転写部から二次転写部までの前記中間転写体2の移動時間に等しく、かつ前記ロータリー型現像装置の1色分の移動周期であることとした画像形成装置である。
【0020】
さらに、本発明における第5の手段は、前記第1〜第4の手段において、少なくとも前記第2の画像形成部における二次転写装置2を、コロナ放電を利用して前記中間転写体2上のトナー像を静電的に転写材上へと転写する方式とした画像形成装置である。
【0021】
また、本発明における第6の手段は、前記第1〜第4の手段において、少なくとも前記第2の画像形成部における二次転写装置2を、転写同時定着方式とした画像形成装置である。
【0022】
さらに、本発明における第7の手段は、前記第1〜第6の手段において、前記定着手段が転写材の第1の面および第2の面の両方向から加熱する熱源を有していることとした画像形成装置である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば以下の効果が得られる。
【0024】
本発明の第1の手段によれば、転写材の表裏画像形成に際して転写材を反転させる必要がないため、短パス・小型化が実現できる上、主走査および副走査の両方向における基準を不変とすることができる。さらに、表裏画像形成におけるトナーの色順も同一とすることができる。その結果、表裏画像間でのズレや画質差がない、高画質・高印字精度の画像形成装置を実現できる。
【0025】
本発明の第2の手段によれば、大容量の給紙手段を設けることが可能となるため、高生産性の画像形成装置を実現できる。
【0026】
本発明の第3の手段によれば、略主走査方向に給紙される転写材の斜行や斜送を転写直前に一旦キャンセルすることができる。その結果、表裏画像の相対ズレだけでなく、絶対的な画像位置ズレも補正できるため、余白等の面内位置精度を向上させることができる。
【0027】
本発明の第4の手段によれば、第1と第2の画像形成部における画像形成開始タイミングのズレを第1と第2の二次転写位置にて吸収することができる。その結果、ロータリー型現像装置を第1と第2の画像形成装置で共有するコンパクトな構成で、ワンパス両面が実現できる。
【0028】
本発明の第5の手段によれば、第2の二次転写方式が非接触方式で行われるため、既に転写材上に転写された表面の未定着トナー画像が裏面画像の二次転写時に伴い乱されることがないため、画像劣化を防止することができる。
【0029】
本発明の第6の手段によれば、第2の二次転写方式が接触方式であっても、転写と同時に未定着トナーが定着されるため、画像劣化を防止することができる。また、定着手段を別途設ける場合に比べてスペース的にも有利となり、画像形成装置のコンパクト化が図れる。
【0030】
本発明の第7の手段によれば、転写材の表裏に転写された未定着トナー像に対して等しく熱量を与えることができる。その結果、1回の通過にて表裏画像間で定着性および発色性に差がない定着画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明に関して図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0032】
図1は本発明に係る画像形成装置の実施例1について説明する断面図である。図1に示す画像形成装置1は、第1の像担持体たる感光体2、該感光体2に対して一次転写ローラ6が対向することで一次転写位置を形成している第1の中間転写体100を有する。ここで、該中間転写体100は前記一次転写ローラ6、駆動ローラ7、二次転写内ローラ8等により中間転写ベルト4が張架され、適切なテンションを与えられている。なお、図1では3本のローラによる張架としたが、ローラの本数はこの限りではなく、また専用のテンションローラ等を設ける方法でも構わない。さらに、前記二次転写内ローラ8は対向する二次転写外ローラ12により適切な加圧力が与えられることで第1の二次転写位置を形成する。以上説明した、前記感光体2および前記中間転写体100を中心とする第1の画像形成部に対して、実施例1における画像形成装置1ではさらにもう1つの画像形成部、すなわち第2の画像形成部が略対向する位置に配置されている。具体的には、第2の像担持体たる感光体3、一次転写ローラ9、駆動ローラ10、二次転写内ローラ11等により中間転写ベルト5が張架される第2の中間転写体101、前記二次転写内ローラ11と二次転写装置13により形成される第2の二次転写位置を有している。ここで、該第2の二次転写装置13はコロナ帯電器からなり、その位置は前記第1の二次転写位置の下流にTずらした位置に配置される。
【0033】
さらに、実施例1における画像形成装置1は、前記第1の感光体2と前記第2の感光体3に対して共通のロータリー型現像装置17を有する。図1では該ロータリー型現像装置17はイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック(以下Y、M、CおよびKと呼ぶ)の4色の現像装置をそれぞれ円環状に保持し、4色のうちの任意の2色に対して前記第1の感光体2および前記第2の感光体3が対向するように配置されている。すなわち、各色の現像装置は磁性体である現像スリーブ16Y〜16Kをそれぞれ有し、任意の2色の現像スリーブ(図1の状態では16Yと16K)が前記第1の感光体2および前記第2の感光体3に対してそれぞれ対向することで現像位置を形成している。なお、図1における画像形成装置1では、前記ロータリー型現像装置17を4色としたが、色数はこの限りではない。また、各色の現像装置に関しては現像スリーブ16Y〜16Kのみを図示したが、従来の画像形成装置において知られている現像構成を有するものとし、ここでは詳細な説明は省略する。
【0034】
次に、図1における画像形成装置1によるプリント動作について説明する。画像形成装置1では、最終的な定着画像において最適な画質、色合いを得るためにY、M、C、Kの順番に現像するプロセスをとるものとする。従って、作像開始時の初期状態は常に図1に示すように、前記第1の感光体2に対してYの現像スリーブ16Yが対向する状態をとる。該初期状態から、前記第1の感光体2上に不図示の帯電手段、露光手段等によって転写材Sの表面画像に相当する静電潜像が形成され、前記現像スリーブ16Yによって形成される現像位置において該静電潜像はYのトナー像となる。このようにして現像されたYのトナー像は矢印D2方向に回転する前記第1の感光体2により循環し、前記一次転写ローラ6によって前記中間転写ベルト4上に一次転写され、矢印D4方向に循環する。この間に、前記ロータリー型現像装置17は矢印D1方向に回転することで対向する現像色をYからMに切換え、2色目であるMの現像プロセスに備える。同時に、このとき前記第2の感光ドラム3は転写材Sの裏面画像に相当する静電潜像に対して、1色目であるYの現像プロセスに入ることができるようになる。以降、M、C、Kに対してもYと同様のプロセスを順次行い、前記中間転写ベルト4上に順次重ね合わされた表面画像の4色トナー像は、前記第1の二次転写位置(前記二次転写内ローラ8と前記二次転写外ローラ12による転写ニップ)へと向かう。一方、該表面画像が前記第1の二次転写位置に到達するタイミングに合わせて、給紙収納庫18に収納される転写材Sのうち1枚が給紙ローラ等の給紙手段19によって矢印D7方向に給紙される。該タイミングは、例えば前記感光体2への露光タイミングや前記中間転写体4上の目印(パッチ画像)等を基準に算出するものとする。
【0035】
以上のように、前記第1の画像形成部によって表面画像の画像形成プロセスが完了した時点で、もう一方の前記第2の画像形成部による裏面画像の画像形成プロセスはY、M、Cの3色の画像形成が完了した状態にある。従って、前記ロータリー型現像装置17が矢印D1方向にもう1回切り替わり、初期状態に戻ると前記第2の感光体3は前記現像スリーブ16Kにより4色目のKのトナー現像が行われる。このようにして、裏面画像も4色全てが前記中間転写ベルト5上に順次重ね合わされて、前記第2の二次転写位置(前記二次転写内ローラ11と前記二次転写装置13による転写部)へと向かう。
【0036】
ここで、前述のようにタイミングを合わせて給紙された転写材Sの表面には所定の先端余白で表面画像が前記中間転写ベルト4上から二次転写されながら、下流へと搬送される。続いて、転写材Sは前記第2の二次転写位置にて、裏面に前記中間転写ベルト5上から裏面画像が二次転写される。その後、定着装置14へと搬送された転写材Sは互いに対向および加圧するローラ等に内蔵された熱源15aおよび15bにより定着されながら排紙される。このように、上下から前記熱源15aおよび15bにより加熱することで、表裏画像に対して均一かつ同時に熱を与えることができるため、画質や発色性等における表裏差を解消できる。
【0037】
ここで、転写材S上に転写された表面画像の先端に対する裏面画像の先端位置合わせについて説明する。図1における画像形成装置1では、既に先述したように前記第1と第2の二次転写位置がTだけずれて配置されている。このTは、前記第2の中間転写ベルト5が前記一次転写ローラ9による一次転写位置から前記二次転写内ローラ11および前記二次転写外装置13による二次転写位置まで移動するのに要する時間と一致するように設定してある。また同時にTは、前記ロータリー型現像装置17の1色分の移動周期(図1の場合であれば4分の1回転)に相当する。つまり、前記ロータリー型現像装置17を前記感光体2と前記感光体3で共有することにより発生する、表裏画像形成のタイムラグを2つの二次転写位置のオフセット量Tによって吸収することができる。
【0038】
以上の説明した画像形成装置1によれば、転写材Sの1回の搬送過程(ワンパス)で表裏画像を略並行して転写することができるため、表裏画像で転写材Sの基準が主走査および副走査とも不変となり、転写材S自身が有するサイズのバラツキ等の影響を受けない。さらに、表裏の画像形成に際して、トナーの色順も不変とすることができる。また、定着工程に関しても1回で済むため、定着に伴う水分量、伸縮、カール、波打ち等の影響が表裏の画像形成に及ぶことがない。その結果、高画質・高印字精度を実現できる画像形成装置を提供できる。
【0039】
さらに、スペース的な観点でも、スイッチバック反転やスパイラル反転に要する空間が不要となるため、紙パスの短縮・簡略化や装置の小型化が図れる。特に、画像形成装置1では、前記ロータリー型現像装置17の共通化と、中間転写ベルトの張架の自由度を組み合わせることで、さらなる装置のコンパクト化を図っている。例えば、スモールサイズの転写材が主流となる小型プリンタ等であれば、図1のように給紙収納庫18を配置することでコンパクトかつ高画質・高印字精度な画像形成装置が実現できる。また、図1では前記定着装置14を別途設ける構成としたが、前記第2の二次転写装置13と前記定着装置14を一体化した転写同時定着方式とすることで、さらなるコンパクト化を図ることも可能である。
【0040】
なお、図1に示す画像形成装置1では、各色の現像装置につき1本の現像スリーブ16Y〜16Kを有する構成とし、各現像スリーブの回転方向は矢印D6方向とした。従って、前記第1の感光体2に対しては順方向(矢印D2およびD6方向)となるが、前記第2の感光体3に対しては逆方向(矢印D3およびD6方向)となる。画像形成プロセスの観点から、感光ドラムと現像スリーブの回転方向はどちらであっても可能であるが、表裏の画像形成プロセスで全ての条件を統一することでより画像の表裏差を解消したい場合には、次に説明する実施例2のような構成が挙げられる。
【実施例2】
【0041】
図2は本発明に係る画像形成装置の実施例2について説明する断面図である。図2に示す画像形成装置200は、実施例1で説明した画像形成装置1(図1参照)と現像装置以外は基本的に同様の構成を有するため、異なる部分に関してのみ説明する。また、実施例1と同一の部分については共通の符号を用いて説明する。実施例2における画像形成装置200は、第1の感光体2と第2の感光体3に対して共通のロータリー型現像装置17を有する。図2では該ロータリー型現像装置17はイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック(以下Y、M、CおよびKと呼ぶ)の4色の現像装置をそれぞれ円環状に保持し、4色のうちの任意の2色に対して前記第1の感光体2および前記第2の感光体3が対向するように配置されている。ここで、各色の現像装置は磁性体である現像スリーブ20Y〜20Kおよび21Y〜21Kのそれぞれ2本ずつを有し、互いに逆回転(図中矢印D6およびD8)に回転する。また、これら2本の現像スリーブは揺動機構を有しており、感光体に対して任意のいずれか一方の現像スリーブを選択的に対向させて現像位置を形成することができる。例えば、感光体と現像スリーブの回転方向が互いに順方向となるように現像プロセスが設計されている場合であれば、図2に示すように、前記感光体2に対しては現像スリーブ21Yを退避、20Yを対向させる位置に切換え、順方向(図中矢印D2およびD6)にて現像が開始される。次に、前記ロータリー型現像装置17を矢印D1方向に切換えて、前記感光体3にYの現像装置が対向したときには、逆に現像スリーブ20Yを退避、21Yを対向させる位置に切換えて、順方向(図中矢印D3およびD8)にて現像が開始される。なお、図2における画像形成装置200では、前記ロータリー型現像装置17を4色としたが、色数はこの限りではない。また、各色の現像装置に関しては現像スリーブ20Y〜20K、21Y〜21Kのみを図示したが、従来の画像形成装置において知られている現像構成(トナーの搬送機構や攪拌機構等)は勿論有するものとし、ここでは詳細な説明は省略する。
【0042】
以上説明した画像形成装置200によれば、実施例1で説明した画像形成装置の効果に加えて、表裏の画像形成に伴う全ての条件を同一に揃えることができることから、画質等における表裏差をより一層解消することができる。なお、実施例1同様、第2の二次転写方式は前記第2の二次転写装置13と前記定着装置14を一体化した転写同時定着方式とすることも可能である。
【0043】
次に、表裏の画像形成に際しての条件を同一にするだけでなく、さらなる画質向上を実現したい場合には、実施例3のような構成が挙げられる。
【実施例3】
【0044】
図3は本発明に係る画像形成装置の実施例3について説明する断面図である。図3に示す画像形成装置300は、実施例1および実施例2で説明した画像形成装置1および画像形成装置200(図1および図2参照)と現像装置以外は基本的に同様の構成を有するため、異なる部分に関してのみ説明する。また、実施例1および実施例2と同一の部分については共通の符号を用いて説明する。実施例3における画像形成装置300は、第1の感光体2と第2の感光体3に対して共通のロータリー型現像装置17を有する。図3では該ロータリー型現像装置17はイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック(以下Y、M、CおよびKと呼ぶ)の4色の現像装置をそれぞれ円環状に保持し、4色のうちの任意の2色に対して前記第1の感光体2および前記第2の感光体3が対向するように配置されている。ここで、各色の現像装置は磁性体である現像スリーブ20Y〜20Kおよび21Y〜21Kのそれぞれ2本ずつを有し、互いに逆回転(図中矢印D6およびD8)に回転する。これら2本の現像スリーブは、実施例2とは異なり揺動機構を有しておらず、感光体に対して2本の現像スリーブが対向することで2つの現像位置を形成する所謂ツインスリーブ構成の現像装置である。ツインスリーブ構成には、2つの現像スリーブが同一方向に回転するものと、逆方向に回転するものが考えられるが、図3は後者の方式をとっている。トナーおよび現像剤が図中矢印D6およびD8方向に回転する2つの現像スリーブ20および21(いずれもY〜Kまであり)の間から矢印Hのような補給動作がなされる。このようにして、前記感光体2および3上の静電潜像が2段階にわたって現像されるため、より確実で安定した現像プロセスが実現できる。また、実施例2のように2つの現像スリーブを選択的に切換える機構も不要となるため、構成が簡略化される。なお、図3における画像形成装置300では、前記ロータリー型現像装置17を4色としたが、色数はこの限りではない。また、各色の現像装置に関しては現像スリーブ20Y〜20K、21Y〜21Kのみを図示したが、従来の画像形成装置において知られている現像構成(トナーの搬送機構や攪拌機構等)は勿論有するものとし、ここでは詳細な説明は省略する。
【0045】
以上説明した画像形成装置300によれば、実施例1および実施例2で説明した画像形成装置の効果に加えて、現像性能の向上と安定化が図れるため、より一層の高画質化が実現できる。なお、実施例1および2同様、第2の二次転写方式は、前記第2の二次転写装置13と前記定着装置14を一体化した転写同時定着方式でも構わない。
【実施例4】
【0046】
図4は本発明に係る画像形成装置の実施例4について説明する図である。図4に示す画像形成装置400は、実施例1で説明した画像形成装置1(図1参照)と基本的に同様の構成を有するため、異なる部分に関してのみ説明する。また、実施例1と同一の部分については共通の符号を用いて説明する。実施例4における画像形成装置400は、第1の感光体2と第2の感光体3に対して共通のロータリー型現像装置17を有する。図2では該ロータリー型現像装置17はイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック(以下Y、M、CおよびKと呼ぶ)の4色の現像装置をそれぞれ円環状に保持し、4色のうちの任意の2色に対して前記第1の感光体2および前記第2の感光体3が対向するように配置されている。ここで、前記ロータリー型現像装置17の詳細構成について図6を用いて説明する。前記ロータリー型現像装置17は各色の現像装置を保持するためのフレーム60を有し、図6のように2つのT字型のフレームを背中合わせにしたような形状をしている。該T字型の2つのフレーム60は隙間40を形成した状態でフランジ61および62により両端を固定されている。前記2つのフレーム60と該フランジ61および62により仕切られる4つの略扇形の空間にY、M、CおよびKの各色の現像装置が収納される。このとき、図6に示すように、YおよびKが同一のフレームに、MおよびCがもう一方の同一のフレームに保持されるようになっている。また、前記フランジ61および62はそれぞれ中心に位置決めピン63および64を有しており、前後側板67および68に設けられた軸受け65および66等により回転自在に保持される。なお、前記ロータリー型現像装置17は、前記位置決めピン63または64等に連結される不図示の駆動装置により駆動されるものとする。
【0047】
再度、図4を用いて画像形成装置400の動作について説明をする。図4に示す状態は前記第1の感光体2に対して現像スリーブ16Kが対向した状態であり、すなわち図1に示したような初期状態から画像形成が開始されて第4色目の現像プロセスに入った状態を表している。このとき、既に図6で説明した前記ロータリー型現像装置17のフレーム60が有する隙間40は図4のように略水平に位置する。該隙間40の入口に対して、Uターン状の搬送ガイドおよび搬送ローラ等からなる搬送パス41が設けられており、さらにその最上流には転写材Sの収納庫18および給紙手段19等からなる給紙装置が設けられている。すなわち、第1の画像形成部において4色全てのトナー像が現像される時点で、前記隙間40によって前記ロータリー型現像装置17の内部を通過する搬送パスが形成され、前記第1の二次転写位置での表面画像の転写タイミングに合わせた給紙動作が可能となる。その後、前記第1の二次転写位置での挟持搬送により、転写材Sの後端が前記隙間40から抜けると、前記ロータリー型現像装置17は矢印D1方向に切換えられて初期状態に戻るとともに裏面画像の最終現像プロセスに入る。以降の裏面画像の二次転写および定着工程については、基本的に実施例1で説明したとおりであるが、図4では転写同時定着装置42による方式を用いている。これにより、第2の二次転写部が接触式であっても、同時に定着されるため表面の画像が劣化する心配がなく、また省スペース化も図れる。勿論、実施例1〜3で説明したような前記二次転写装置13と前記定着装置14をそれぞれ設ける構成であっても問題ない。
【0048】
以上説明した画像形成装置400によれば、前記給紙収納庫を前記第1および第2の画像形成部により囲まれたスペース外に配置することができるため、転写材Sのサイズおよび容量に余裕が生まれる。従って、小型プリンタ向けに対しては実施例1の構成が、より生産性を望まれる中型以上のプリンタ向けに対しては実施例4の構成がそれぞれ適している。なお、図4では現像スリーブの構成を実施例1と同様にしたが、既に実施例2および3でも説明しているような構成とすることも勿論可能である。また、図4では前記給紙収納庫18からの搬送パス41をUターン状の屈曲パスとしたが、特にこれに限定されるものではなく、例えばストレートパスで連結しても同様の効果が得られる。
【実施例5】
【0049】
図7は本発明に係る画像形成装置の実施例5について説明する図である。図7に示す画像形成装置700は、実施例1で説明した画像形成装置1(図1参照)および実施例4で説明した画像形成装置400と基本的に同様の構成を有するため、異なる部分に関してのみ説明する。また、実施例1および実施例4と同一の部分については共通の符号を用いて説明する。実施例5における画像形成装置700は、第1の感光体2と第2の感光体3に対して共通のロータリー型現像装置17を有する。図2では該ロータリー型現像装置17はイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック(以下Y、M、CおよびKと呼ぶ)の4色の現像装置をそれぞれ円環状に保持し、4色のうちの任意の2色に対して前記第1の感光体2および前記第2の感光体3が対向するように配置されている。図7に示す画像形成装置700は、前記第1および第2の画像形成部の周回方向(例えば図中矢印D4方向やD7方向)に対して略垂直方向、すなわち略主走査方向(図中矢印D9方向)に対して転写材Sを給紙する給紙装置(給紙収納庫18および給紙手段19)を有している。従って、画像形成装置700は前記矢印D9方向に給紙された転写材Sを受け取った後、一旦図中矢印D7方向に変換するための搬送方向切換え装置70を有している。
【0050】
図8を用いて、該搬送方向切換え装置70の詳細について説明する。図8(a)は前記給紙装置から前記矢印D9方向に転写材Sが給紙されてきた状態を示し、図8(b)は搬送方向切換え装置70により前記矢印D7方向に転写材Sが搬送されている状態を示す。搬送方向切換え装置70は略コの字型をしたガイド部材80を有し、該ガイド部材80の上側には駆動モ−タM1〜M3により駆動される斜送ローラ85が設けられる。一方、該斜送ローラ85に対向する前記ガイド部材80の下側には従動ローラ81が設けられる。また、前記ガイド部材80の下側には転写材Sの紙端部を検知するためのセンサ83および87が設けられている。また、前記斜送ローラ85により搬送される下流側には前記二次転写内ローラ8および前記二次転写外ローラ12に受け渡すためのレジストローラ対86が設けられている。まず、図8(a)において、給紙搬送ローラ対84によって前記矢印D9方向に転写材が入ってきた時点では、前記従動ローラ81は不図示の解除機構により前記ガイド部材80に設けられた穴82から退避した状態にある。その後、転写材Sの先端が前記センサ83によって検知される位置まで搬送されると、図8(b)に示すように前記給紙搬送ローラ対84は離間するとともに、前記従動ローラ81が加圧される。その結果、転写材Sは前記斜送ローラ85の搬送力により、斜めの搬送速度Vが与えられる。該搬送速度Vのうち、主走査方向の成分V2は転写材Sを前記ガイド部材80が有する壁面Wに対して突き当てる効果を生むため、転写材Sの斜行補正ができるだけでなく、画像に対する横レジ(主走査方向レジ)を合わせ込むことができる。このように斜行および横レジの補正を受けながら転写材Sは副走査方向の速度成分V1により前記レジストローラ対86へと受け渡される。このとき、前記センサ87による検知信号を基準に前記従動ローラ81を再び離間させ、搬送力の安定した前記レジストローラ対86により前記第1の二次転写位置へと搬送する。以降の二次転写および定着工程に関しては、実施例1および実施例4で既に説明したので省略する。
【0051】
以上説明した画像形成装置700によれば、転写材Sに表裏画像を二次転写する直前に斜行および横レジ等の姿勢を補正することができるため、表裏画像の相対的なズレだけでなく、余白等の面内位置精度に代表される絶対的な印字精度に関しても優れた画像形成装置を提供できる。また、転写材Sの給紙方向を略主走査方向とすることで、大容量の給紙オプションデッキ等とのインターフェースにもなるため、高生産性を要求される場合にも対応できる。
【0052】
なお、図7では現像スリーブの構成を実施例1と同様にしたが、既に実施例2および3でも説明しているような構成とすることも勿論可能である。また、図8では前記駆動モ−タM1〜M3、前記斜送ローラ85および前記従動ローラ81の数をそれぞれ3つとしたが、特に数はこの限りではない。また、図8では第2の二次転写方式を転写同時定着方式としたが、定着装置を第2の二次転写装置の下流に別途設ける構成であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施例1について説明する断面図である。
【図2】本発明の実施例2について説明する断面図である。
【図3】本発明の実施例3について説明する断面図である。
【図4】本発明の実施例4について説明する断面図である。
【図5】スイッチバック反転方式の画像形成装置について説明する断面図である。
【図6】本発明の実施例4におけるロータリー型現像装置について説明する斜視図である。
【図7】本発明の実施例5について説明する断面図である。
【図8】本発明の実施例5における搬送方向切換え装置について説明する斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
2 第1の感光体
3 第2の感光体
4 第1の中間転写ベルト
5 第2の中間転写ベルト
12 第1の二次転写装置
13 第2の二次転写装置
14 定着装置
16,20,21(Y〜M) 現像スリーブ
17 ロータリー型現像装置
18 給紙収納庫
19 給紙手段
40 隙間
41 搬送パス
42 転写同時定着装置
60 フレーム
61,62 フランジ
63,64 位置決めピン
65,66 軸受け
69(Y〜M) 現像装置
70 搬送方向切換え装置
80 ガイド部材
83,87 センサ
85 斜送ローラ
86 レジストローラ対
S 転写材
M1〜M3 駆動モータ
W 壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写材の両面に複数色のトナーによりカラー画像を形成する画像形成装置において、
転写材の第1の面に画像形成を行うために少なくとも感光体1、中間転写体1および二次転写装置1からなる第1の画像形成部と、転写材の第2の面に画像形成を行うために少なくとも感光体2、中間転写体2および二次転写装置2からなる第2の画像形成部と、転写材を搬送する給紙手段および搬送手段と、転写材に転写されたトナーを定着する定着手段とを有し、前記第1と第2の画像形成部は互いに略対向する位置に配置されるとともに、複数色の現像装置が円環状に配置されたロータリー型現像装置のうち任意の2色に対して感光体1および感光体2がそれぞれ現像位置を形成することにより、第1および第2の画像形成動作を略並行して行い、前記搬送手段により搬送される転写材の第1および第2の面に対する転写および定着を1回の搬送過程で完了することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
転写材の両面に複数色のトナーによりカラー画像を形成する画像形成装置において、
転写材の第1の面に画像形成を行うために少なくとも感光体1、中間転写体1および二次転写装置1からなる第1の画像形成部と、転写材の第2の面に画像形成を行うために少なくとも感光体2、中間転者体2および二次転写装置2からなる第2の画像形成部と、転写材を略主走査方向に給紙する給紙手段と、二次転写前に転写材の搬送方向を副走査方向に切り換える搬送方向切換え手段と、転写材に転写されたトナーを定着する定着手段とを有し、前記第1と第2の画像形成部は互いに略対向する位置に配置されるとともに、複数色の現像装置が円環状に配置されたロータリー型現像装置のうち任意の2色に対して感光体1および感光体2がそれぞれ現像位置を形成することにより、第1および第2の画像形成動作を略並行して行い、前記搬送手段により搬送される転写材の第1および第2の面に対する転写および定着を1回の搬送過程で完了することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記搬送方向切換え手段は略主走査方向に給紙される転写材の主走査方向の位置および姿勢を補正する補正手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記第1の画像形成部又は、第2の画像形成部における2つの二次転写の間隔は、前記第2の画像形成部における一次転写部から二次転写部までの前記中間転写体2の移動時間に等しく、かつ前記ロータリー型現像装置の1色分の移動周期であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記第2の画像形成部における二次転写装置2は、コロナ放電を利用して前記中間転写体2上のトナー像を静電的に転写材上へと転写する方式であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記第2の画像形成部における二次転写装置2は、転写同時定着方式であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記定着手段は転写材の第1の面および第2の面の両方向から加熱する熱源を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−114299(P2007−114299A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−303225(P2005−303225)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】