説明

画像形成装置

【課題】転写工程後の転写材の帯電量に拘わらず、静電オフセットやトナー飛び散り等の画像不良を効果的に抑制する。
【解決手段】像担持体1dと、転写材Pにトナー像を転写させる転写手段56dと、バイアスを転写手段Tdに出力する転写バイアス出力手段G1dと、転写材Pの移動方向の転写部より下流側で転写材Pにトナー像を定着させる定着手段9と、定着手段9にバイアスを出力する定着バイアス出力手段G3とを有する画像形成装置において、転写材Pの移動方向において転写部より下流側且つ定着部より上流側で転写材Pの移動経路に隣接して配置されアースされた検出部材110と、検出部材110とアースとの間に流れる電流を検知する検知手段140とを有し、定着部に進入前の転写材Pが検出部材110との隣接位置を通過する際に、検知手段140により上記電流を検知し、定着バイアス出力手段G3の出力バイアスを制御する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式或いは静電記録方式を用いて形成したトナー像を転写材に転写した後定着して画像を形成する、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば電子写真方式の画像形成装置では、像担持体として一般的にドラム型とされる電子写真感光体上に形成された静電像がトナーによりトナー像として現像され、このトナー像が最終的に記録用紙等の転写材に静電的に転写される。その後、転写材上のトナー像は、典型的には加熱・加圧することにより転写材上に定着される。
【0003】
斯かる画像形成装置において、例えば低湿環境下で画像形成を行う場合、トナーを転写する転写材を過帯電させてしまう場合がある。
【0004】
例えば、反転現像方式を採用し、トナーとして負帯電性トナーを用いる画像形成装置を例にして以下説明すると、この場合、トナーを転写材上に転写させる転写工程で、転写材は感光体ドラムからのマイナス電荷の放電を受ける。そして、転写材のトナー担持面がマイナスに過帯電する。このマイナス電荷とトナーとが同極性であるため、これらは反発を起こして、定着工程にて静電オフセットやトナー飛び散りなどの画像不良を起こすことがある。静電オフセットは、転写材のトナー保持力が弱まり、トナーが転写材に定着されずに静電的に定着部材に転移して付着する現象である。これにより、定着部材の1回転後に、定着部材に付着していたトナーが転写材に定着されることがある。トナーの飛び散りは、トナーの転写材への拘束力の低下により、転写材上のトナーが乱れて、飛び散ったようになる現象である。
【0005】
又、電子写真方式のカラー画像形成装置として、複数の感光体ドラム上に形成されたトナーを、転写ベルトによって搬送される転写材上に転写することで多色画像を形成する、直接転写方式の画像形成装置がある。このような直接転写方式の多色画像形成装置では、転写材に対して複数回(通常、4回)の転写工程が行われるため、転写材は更に大きな電位に帯電し易い。そのため、上述のような静電オフセットやトナー飛び散りなどの画像不良が悪化し易い。
【0006】
上述のような静電オフセットやトナー飛び散りなどを抑制する手段として、転写工程後の転写材をコロナ放電により除電する方法がある(特許文献1参照)。或いは、定着工程を構成する定着部材、具体的には加熱部材及び/又は加圧部材にバイアスを印加することにより、トナー像を転写材に拘束する電界を形成させる方法がある(特許文献2参照)。又、定着部材に印加するバイアスを、定着部材間、又は定着部材とは別に転写材に当接可能に配置された電極と定着部材との間に流れる電流に応じて変更する方法がある(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2004−4334号公報
【特許文献2】特開平3−217885号公報
【特許文献3】特開2000−221819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
画像形成装置の使用条件や転写材の種類・状態によって、転写材の帯電量が異なるため、転写材を除電するとき、或いは定着部材にバイアスを印加するときに、放電或いはバイアスが過剰になったり不足したりする。このため、所期の画像不良の抑制効果が得られない場合がある。極端な場合には、逆にトナーの飛び散り等を誘起することがある。
【0008】
即ち、転写材の除電を行う方法の場合、転写材がマイナスに過帯電しているときには、転写材のトナー担持面へプラスのコロナ放電を行うことにより転写材を除電することが効果的である。しかし、プラスのコロナ放電が過剰であると、転写材の裏面にマイナスの電荷が誘起される。このため、トナーの転写材への拘束力が低下し、トナー飛び散りとなることがある。又、プラスのコロナ放電が不足した場合には、転写材の除電不良となり、上述のような静電オフセットやトナー飛び散りが発生することがある。
【0009】
又、定着部材にバイアスを印加する方法の場合、転写材のトナー担持面に接触する加熱部材にバイアスを印加するときには、転写材上へトナー像を拘束するためにマイナスのバイアスを印加する。この場合、このマイナスのバイアスが過剰であると、トナーと同極性であるため、加熱部材と加圧部材により形成される定着ニップへ転写材が突入する前に、転写材上でトナーが後方に飛び散ることがある。又、転写材のトナー非担持面に接触する加圧部材にバイアスを印加するときには、転写材上のトナー像の保持力を増加するためにプラスのバイアスを印加する。この場合、このプラスバイアスが過剰であると、転写材トナー担持面にマイナスの電荷を誘起させ、トナーを飛び散らせることがある。一方、定着部材に印加されるバイアスが不足の場合には、転写材上にトナーを拘束・保持する電界が小さくなり、上述のような静電オフセットやトナー飛び散りが発生することがある。
【0010】
ここで、上記特許文献3に開示される技術によれば、定着ニップを実際に流れる電流に基づいて定着部材に印加するバイアスを変更する。これにより、定着部材の製造上のバラツキ、紙種による転写材の抵抗値変化、環境による定着部材や転写材の抵抗値変化に応じたバイアスを定着部材に印加することが可能となる。
【0011】
しかしながら、上記特許文献3に記載される技術では、定着ニップに転写材が進入するまでバイアスの調整を行うことはできない。従って、例えば定着部材に印加するバイアスが過剰である場合に、定着ニップへ転写材が突入する前に転写材上でトナーが後方に飛び散ることを抑制することはできない。
【0012】
従って、本発明の目的は、転写工程後の転写材の帯電量に拘わらず、静電オフセットやトナー飛び散り等の画像不良を効果的に抑制することのできる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、第1の本発明は、トナー像を担持する像担持体と、転写部において前記像担持体から転写材にトナー像を転写させる転写手段と、前記転写のためのバイアスを前記転写手段に対して出力する転写バイアス出力手段と、転写材の移動方向において前記転写部より下流側の定着部において転写材にトナー像を定着させる定着手段と、前記定着手段に対してバイアスを出力する定着バイアス出力手段と、を有する画像形成装置において、転写材の移動方向において前記転写部より下流側且つ前記定着部より上流側で転写材の移動経路に隣接して配置されアースされた検出部材と、前記検出部材とアースとの間に流れる電流を検知する検知手段と、を有し、前記定着部に進入する前の転写材が前記検出部材との隣接位置を通過する際に、前記検知手段により前記電流を検知し、その検知結果に基づいて、前記定着バイアス出力手段により出力されるバイアスを制御することを特徴とする画像形成装置である。
【0014】
第2の本発明によれば、トナー像を担持する像担持体と、転写部において前記像担持体から転写材にトナー像を転写させる転写手段と、前記転写のためのバイアスを前記転写手段に対して出力する転写バイアス出力手段と、転写材の移動方向において前記転写部より下流側の定着部において転写材にトナー像を定着させる定着手段と、転写材の移動方向において前記転写部よりも下流側且つ前記定着部より上流側の除電部において転写材上の電荷を除去する除電手段と、前記除電手段に対してバイアスを出力する除電バイアス出力手段と、を有する画像形成装置において、転写材の移動方向において前記転写部より下流側且つ前記定着部より上流側で転写材の移動経路に隣接して配置されアースされた検出部材と、前記検出部材とアースとの間に流れる電流を検知する検知手段と、を有し、前記定着部に進入する前の転写材が前記検出部材との隣接位置を通過する際に、前記検知手段により前記電流を検知し、その検知結果に基づいて、前記除電バイアス出力手段により出力されるバイアスを制御することを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0015】
第3の本発明によれば、トナー像を担持する像担持体と、転写部において前記像担持体から転写材にトナー像を転写させる転写手段と、前記転写のためのバイアスを前記転写手段に対して出力する転写バイアス出力手段と、転写材の移動方向において前記転写部より下流側の定着部において転写材にトナー像を定着させる定着手段と、前記定着手段に対してバイアスを出力する定着バイアス出力手段と、を有する画像形成装置において、転写材の移動方向において前記転写部より下流側且つ前記定着部より上流側で転写材の移動経路に隣接して配置されアースされた検出部材を有し、前記定着部に進入する前の転写材が前記検出部材との隣接位置を通過する際に前記検出部材とアースとの間に流れる電流の値が第1の値の時と第2の値の時とで、前記定着バイアス出力手段により出力されるバイアスの値が異なることを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0016】
第4の本発明によれば、トナー像を担持する像担持体と、転写部において前記像担持体から転写材にトナー像を転写させる転写手段と、前記転写のためのバイアスを前記転写手段に対して出力する転写バイアス出力手段と、転写材の移動方向において前記転写部より下流側の定着部において転写材にトナー像を定着させる定着手段と、転写材の移動方向において前記転写部よりも下流側且つ前記定着部より上流側の除電部において転写材の電荷を除去する除電手段と、前記除電手段に対してバイアスを出力する除電バイアス出力手段と、を有する画像形成装置において、転写材の移動方向において前記転写部より下流側且つ前記定着部より上流側で転写材の移動経路に隣接して配置されアースされた検出部材を有し、前記定着部に進入する前の転写材が前記検出部材との隣接位置を通過する際に前記検出部材とアースとの間に流れる電流の値が第1の値の時と第2の値の時とで、前記除電バイアス出力手段により出力されるバイアスの値が異なることを特徴とする画像形成装置が提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、転写工程後の転写材の帯電量に拘わらず、静電オフセットやトナー飛び散り等の画像不良を効果的に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0019】
実施例1
[画像形成装置の全体構成]
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略断面を示す。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を利用して、転写材(記録媒体)P、例えば、記録用紙、OHPシート等に、画像情報信号に応じたフルカラー画像を形成することのできるフルカラーレーザービームプリンタである。又、本実施例の画像形成装置100は、当業者には周知のタンデム方式、反転現像方式、直接転写方式、加熱・加圧定着方式等を採用している。
【0020】
画像形成装置100は、4個の画像形成手段、即ち、第1〜第4のステーションSa、Sb、Sc、Sdを有する。各ステーションSa、Sb、Sc、Sdは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像を形成するためのものである。尚、本実施例では、各ステーションSa〜Sdの構成及び動作は、使用するトナーの色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために符号に与えた添え字a、b、c、dを省略し、総括的に説明する。
【0021】
ステーションSは、トナー像を担持する像担持体としての円筒型の電子写真感光体、即ち、感光体ドラム1を備えている。感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に、帯電手段2、露光手段3、現像手段4、転写手段56、クリーニング手段6等が配設されて画像形成手段が構成されている。
【0022】
帯電手段としての帯電ローラ2は、感光体ドラム1の表面を均一に帯電させる。露光手段としてのレーザースキャナー3は、画像情報に基づいてレーザービームを照射し、感光体ドラム1上に静電像(潜像)を形成する。現像手段としての現像器4は、感光体ドラム1上の静電像にトナーを付着させてトナー像として顕像化する。転写ユニット5に設けられた転写手段としての転写ローラ56は、感光体ドラム1上のトナー像を転写材Pに転写させる。転写ユニット5には更に、転写材担持体としての無端移動する転写ベルト51が設けられている。クリーニング手段としてのクリーナ6は、転写工程後に感光体ドラム1の表面に残ったトナーを回収する。
【0023】
ここで、本実施例では、感光体ドラム1と、感光体ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段6と、は一体的にカートリッジ化されプロセスカートリッジ7を形成している。又、各ステーションSのレーザースキャナー3及びプロセスカートリッジ7と、転写ユニット5とで、画像形成部が構成される。
【0024】
又、画像形成装置100は、転写材Pを画像形成部に供給するための給送部8を有する。給送部8から給送された転写材Pは、転写ユニット5の転写ベルト51によって、各ステーションSにおいて感光体ドラム1と転写ベルト1とが接触して形成された転写部(転写ニップ)Tへ搬送される。
【0025】
例えば、フルカラー画像形成時には、各転写部Tにおいて、各色のトナー像が、転写ベルト51上の転写材Pに順次に転写される。各色トナー像が順次転写されてカラートナー像が形成された転写材Pは、その後、定着手段としての定着装置9へと搬送される。転写材P上の未定着トナー像は、定着装置9において転写材P上に定着される。その後、転写材Pは、排出ローラ18対によって排出部19へ排出される。
【0026】
又、両面印字の際は、定着装置9でトナー像が定着された転写材Pは、排出ローラ対18によって排出される前に、排出ローラ18が逆転することにより、両面搬送経路15に搬送される。両面搬送経路15に搬送された転写材Pは、装置本体正面にある斜送ローラ16を通過し、Uターンローラ17まで垂直下方向に搬送される。その後、Uターンローラ17及びレジストローラ84によって画像形成部まで搬送される。
【0027】
次に、画像形成装置100の各部の構成についてより詳しく説明する。
【0028】
給送部8は、給送カセット81、マルチ給送装置であるマルチ給送トレイ82、マルチ給送部83及びレジストローラ84を有する。給送カセット81は、複数枚の転写材Pを収納し、装置本体内底部に装填される。給送カセット81からの転写材Pに画像を形成する時には、カセットピックアップローラ85によって一枚ずつ転写材Pが分離搬送され、カセット搬送ローラ86及びレジストローラ84によって画像形成部まで搬送される。
【0029】
マルチ給送トレイ82は、通常は装置本体正面に格納されている。マルチ給送トレイ82は、使用時に装置本体から回動して開かれ、例えば複数枚の転写材Pがセットされる。マルチ給送トレイ82からの画像形成時には、マルチピックアップローラ87によって一枚ずつ転写材Pが分離搬送され、マルチ搬送ローラ88及びレジストローラ84によって画像形成部まで搬送される。
【0030】
給送カセット81、マルチ給送部83における転写材Pの分離や搬送は、給送部にある給送モータによりギア駆動列を介して行われる。
【0031】
像担持体としての感光体ドラム1は、アルミニウム製シリンダの外周面に有機光導伝体層(OPC)を塗布して構成される。感光体ドラム1は、その両端部をフランジによって回転自在に支持されており、一方の端部に駆動モータから駆動力が伝達されることにより、図1中矢印方向(反時計回り)に回転駆動される。
【0032】
帯電手段としての帯電ローラ2は、ローラ状に形成された導電性部材(導電性ローラ)である。帯電ローラ2は、感光体ドラム1の表面に当接すると共に、帯電バイアス出力手段としての帯電バイアス電源(図示せず)によって出力された帯電バイアス電圧が印加される。これにより、帯電ローラ2は、感光体ドラム1の表面を一様に帯電させる。
【0033】
露光手段としてのレーザースキャナー3は、ポリゴンミラー、レーザーダイオード等を有する。レーザーダイオードからの画像信号に対応する画像光がポリゴンミラーに照射される。そして、ポリゴンミラーは、感光体ドラム1上をこの画像光によって走査露光する。
【0034】
現像手段としての現像器4は、トナーを収納したトナー収納部、現像剤担持体としての現像ローラ等を有する。本実施例では、負帯電性のトナーを用いる。現像ローラは、感光体ドラム1の表面に隣接して配置され、駆動部により回転駆動される。又、現像工程時に、現像ローラには、現像バイアス出力手段としての現像バイアス電源(図示せず)により出力された現像バイアス電圧が印加される。
【0035】
又、転写ユニット5が備える転写ベルト51の内側には、4個の感光体ドラム1a、1b、1c、1dのそれぞれに対向して、転写ベルト51に当接する転写ローラ56a、56b、56c、56dが設けられている。各転写ローラ56は、転写バイアス出力手段としての転写バイアス電源G1(図2)に接続されている。転写工程時には、転写バイアス電源G1より出力された転写バイアスが転写ローラ56に印加される。本実施例では、トナーの正規の帯電極性とは反対極性である正極性の電荷が、転写ローラ56から転写ベルト51を介して転写材Pに印加される。この電界により、感光体ドラム1に接触中の転写材Pに、感光体ドラム1上の負極性のトナー像が転写される。
【0036】
転写材Pは、給送部8から転写ユニット5が備える転写材担持体としての転写ベルト51によって画像形成部に搬送される。転写材Pの搬送手段を構成する転写材担持体としての転写ベルト51は、駆動ローラ52と、従動ローラ53、54、55の4本のローラに張架されて回転可能に支持されている。転写ベルト51は、すべての感光体ドラム1に対向して配設されている。転写材Pは、駆動ローラ52に回転駆動力が伝達されることにより、転写ベルト51上を転写部(転写位置)Tまで搬送される。そして、転写部Tにおいて、感光体ドラム1上のトナー像が、転写ベルト51上の転写材Pに転写される。
【0037】
転写ベルト51を形成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などの誘電体樹脂を好ましく用いることができる。又、転写ベルト51の体積抵抗率は、転写部間(例えば、第1、第2のステーションSa、Sbの転写ローラ56a、56b間)で電気的な干渉が発生しないように、1×109Ω・cm以上1×1018Ω・cm以下であることが好ましい。
【0038】
又、記録材Pの移動方向において転写ベルト51の最上流位置、即ち、第1ステーションSaの転写部Taよりも上流側の位置には、転写ベルト51と共に転写材Pを挟持し、且つ、転写材Pを転写ベルト51に吸着させる吸着ローラ58が配設されている。本実施例では、吸着ローラ58に、吸着バイアス出力手段としての吸着バイアス電源(図示せず)が接続されている。転写材Pの搬送に際しては、吸着ローラ58に吸着バイアス電源より出力された吸着バイアス電圧を印加し、吸着ローラ58に対向している接地された従動ローラ55との間に電界を形成する。これにより、転写ベルト51と転写材Pとの間に誘電分極を発生させて、両者に静電吸着力を生じさせる。
【0039】
定着手段としての定着装置9は、転写材P上に形成した画像に熱及び圧力を加えて定着させる。定着装置9は、定着部材として、加熱手段92が内側に配置された定着ベルト(加熱部材)91と、加圧ローラ(加圧部材)93と、を有する。本実施例では、定着ベルト91が転写材Pのトナー担持面に接触する。又、加圧ローラ93が転写材のトナー非担持面に接触する。尚、トナー担持面、トナー非担持面とは、転写材Pに対する転写工程後に未定着のトナーが載っている面、その反対側の面をそれぞれ意味する。
【0040】
定着ベルト91は、電磁誘導発熱層を有する円筒状のベルト部材である。定着ベルト91は、加熱手段として励磁コイルとT型の磁性コアとから成る磁場発生手段を内蔵したベルトガイド部材92にガイドされている。加圧ローラ93は、弾性ローラで構成され、定着ベルト91を挟んでベルトガイド部材92に対して所定の圧接力をもって圧接されている。これにより、定着ベルト91と加圧ローラ93との間に所定幅の定着部(定着ニップ)Nが形成される。
【0041】
加圧ローラ93が駆動手段により回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト91が回転し、励磁回路から定着ガイド92の励磁コイルへ給電されることにより定着ベルト91の電磁誘導発熱がなされる。
【0042】
定着部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態において、画像形成部から搬送されてきた未定着トナー像を担持する転写材Pが定着部Nに導入される。この時、転写材P上のトナー担持面(画像面)が定着ベルト91側、転写材Pの反対面が加圧ローラ93側に向く。そして、定着部Nにおいてトナー担持面が定着ベルト91の外面に密着して、転写材Pは定着ベルト91と一緒に定着部Nを挟持搬送されていく。この過程において、転写材P上の未定着トナー像は定着ベルト91で加熱され、転写材P上に定着される。
【0043】
[転写部−定着部間の構成]
図2は、本実施例の画像形成装置100における、第4のステーションSdの転写部Tdにおける転写材Pへの転写工程終了後、から定着部Nに至るまでの構成を拡大して示す。第4のステーションSdの転写部Tdは、転写材Pの移動方向において最下流の転写部であり、この転写部Tdにて転写材Pに対するトナー像の転写工程が終了する。
【0044】
第4のステーションSdにおいて転写工程を終えた転写材Pは、転写ベルト51に吸着されたまま搬送され、駆動ローラ52の位置にて転写ベルト51より分離される。本実施例では、転写材Pは、駆動ローラ52の曲率を利用して転写ベルト51から分離(曲率分離)される。その後、転写材Pは、搬送ガイド110及び定着入り口ガイド120に案内されて定着部Nに導入される。
【0045】
本実施例の画像形成装置100では、第4のステーションSdの転写部Tdより下流側において、搬送ガイド110から定着入り口ガイド120までの間に、除電手段としてのコロナ除電器130が設けられている。コロナ除電器130は、転写材Pのトナー担持面に向けて配置されている。即ち、コロナ除電器130は、転写材Pの移動方向において転写部Tdより下流側且つ定着部Nより上流側の除電部Qにおいて転写材P上の電荷を除去する。
【0046】
本実施例では、コロナ除電器130は、転写工程においてマイナスに過帯電した転写材Pを、プラスのコロナ放電にて除電する。コロナ除電器130は、除電針131と、シールド132とを有する。除電針131は、除電バイアス出力手段としての除電バイアス電源G2に接続されている。そして、除電針131から、アースに接続されたシールド132に対してコロナ放電を行う。即ち、本実施例では、転写材Pのトナー担持面に対向するように配置された除電針131に対して、除電バイアス電源G2より、トナーの正規の帯電極性とは反対極性のバイアスが出力される。
【0047】
又、本実施例の画像形成装置100では、第4のステーションSdの転写部Tdから定着部Nまでの間の転写材Pの搬送路に隣接して、電気的に接地された検出部材が配置されている。即ち、検出部材は、転写材Pの移動方向において転写部Tdより下流側且つ定着部Nより上流側で転写材Pの移動経路に隣接して配置され、アースされている。特に、本実施例では、検出部材は、転写材Pの移動方向において転写部Tdより下流側且つ除電部Qよりも上流側で転写材Pの移動経路に隣接して配置されている。
【0048】
検出部材は、転写材Pに対し直接又は間接的に接触する部材、又は非接触である部材であってよい。ここで、転写材Pに接触して、又は転写材Pに接触する部材に接触して配置された検出部材を、接触型の検出部材という。一方、詳しくは後述の実施例3にて説明するが、転写材P及び転写材Pに接触する部材に対して非接触に配置された検出部材を、非接触型の検出部材という。
【0049】
接触型の検出部材としては、最終の転写工程を終えた後の位置に配置された転写ベルト51の張架ローラ(本実施例においては駆動ローラ53)、搬送ガイド110、定着入り口ガイド120などを用いることができる。勿論、別途特別の検出部材を設けてもよい。接触型の検出部材は、転写材Pのトナー非担持面側に配置される。
【0050】
非接触型の検出部材としては、実施例3にて説明する電極160(図6)などを設けることができる。非接触型の検出部材であれば、原理的には転写材Pのトナー担持面側に設けることも可能である。しかし、トナーによる電極の汚損の虞があるので、転写材Pのトナー非担持面側に設けることが好ましい。
【0051】
本実施例では、転写材Pに接触可能な搬送ガイド110が検出部材の機能を兼ねる。
【0052】
更に、この検出部材110とアースとの間に流れる電流を検知するための検知手段として、電流計140が検出部材110とアースとの間に介装されている。又、電流計140には、制御手段としてのコントローラ150が接続されている。電流計140は、測定した電流値に応じた信号をコントローラ150に対して出力する。電流計140は、検出部材110の位置を転写材Pが通過する際に、検出部材110からアースに流れる電流I1を測定し、コントローラ150に対して出力する。即ち、定着部Nに進入する前の転写材Pが検出部材110との隣接位置を通過する際に、電流計140により検出部材110とアースとの間に流れる電流I1が検知される。特に、本実施例では、除電部Qに進入する前の転写材Pが検出部材110との隣接位置を通過する際に、電流計140により検出部材110とアースとの間に流れる電流I1が検知される。
【0053】
そして、コントローラ150は、上記電流I1の検知結果に基づいて、除電バイアス電源G2により出力されるバイアス値を制御し、コロナ除電器130に通電する電流値を制御する。
【0054】
即ち、転写材Pの移動方向において最下流の転写部Tdと定着部Nとの間において、転写材Pの通過時における、アースへ接続された部材からの漏れ電流を検知する。そして、その検知結果から転写材Pの帯電量を推定し、その電流値に基づいて、転写材Pの除電を行う。これにより、転写材Pの帯電量に対し過不足のない除電の効果が得られ、静電オフセットやトナー飛び散りの発生を抑制することができる。
【0055】
ここで、転写材Pの表面電位について説明する。例えば、厚さ100μm程度の紙について、転写材Pのトナー担持面とトナー非担持面との間には、典型的には1000〜3000V相当の電位差が形成される。この電位差の値は、以下に述べる実験から得られた結果に基づいているが、勿論、転写材の表裏面の電位差はこの範囲の値と常に一致しているとは限らない。但し、画像形成装置の使用条件や転写材の種類・状態等の条件によって、転写材Pの帯電量が異なることは確かである。
【0056】
転写材Pの表面と裏面との間の電位差は、例えば、次のようにして測定することができる。定着装置を外した画像形成装置から、トナー像が転写された後であって、そのトナー像が未定着状態である転写材Pを、絶縁部材で把持して取り出す。そして、図7に示すように、この転写材Pを接地されたアース板の上に放置する。このとき、転写材Pのアース板側とは反対側の面より、表面電位計にて転写材Pの表面電位を測定する。転写材Pをアース板に放置するのは、転写材Pの非測定面の電荷の影響を除くためである。
【0057】
表1に、本実施例の画像形成装置100に転写材Pとして記録用紙を通紙した際の、駆動ローラ52から定着部Nまでの間での転写材Pの帯電電位の測定結果と、画像の評価結果とを示す。尚、転写材Pとしては、登録商標オフィスプランナー(キヤノン販売)で市販されている記録用紙を用いた。又、評価環境(温度/湿度)は15℃/10%RHである。
【0058】
【表1】

【0059】
通常、転写材Pは、包装紙を開封した直後よりも、環境中に放置した後の方が乾燥する傾向にある。又、環境に放置した転写材Pは、片面に印字した場合よりも、両面に印字した場合の方が乾燥する。表1に示すように、転写材Pの乾燥が進むにつれ、転写材Pの帯電電位が大きくなる。又、転写材Pのトナー担持面とトナー非担持面との間の電位差の絶対値も、転写材Pの乾燥が進むにつれて大きくなり、転写材Pの全体としてはマイナス電位が優勢となる。このため、静電オフセットのレベルが悪化すると考えられる。
【0060】
表1から分かるように、転写材Pの乾燥が進むにつれて転写材Pの帯電電位が大きくなるので、この電位とアースとの間の電位差、即ち、転写材Pからアースに流れる電流I1を検知することにより、転写材Pの帯電量を推測することができる。
【0061】
次に、上記電流I1を測定することにより転写材Pの帯電量を推定するメカニズムを説明する。図3は、このメカニズムを説明するための模式図であり、転写材P及び検出部材110を電気抵抗・コンデンサーモデルに置き換えたものである。
【0062】
本実施例のように検出部材110が転写材Pに接触する場合(図3(a))、転写材Pのトナー非担持面のプラス電荷が、検出部材110の抵抗成分を介してアースに流れる。電流計140によりこの電流値I1を検知する。
【0063】
尚、別法として、検出部材として転写ベルト51の転写材担持面とは反対側の面に接触する駆動ローラ52を用いる場合(図3(b))には、転写材Pのトナー非担持面のプラス電荷が、転写ベルト51を挟んで検出部材52の抵抗成分を通じてアースに流れる。電流計140によりこの電流値I1を検知する。
【0064】
ここで、接触型の検出部材の体積抵抗率は、1×107Ωcm以上1×1014Ωcm以下であることが望ましい。1×107Ωcm未満であると、転写材Pのトナー非担持面のプラス電荷が大きく失われ、トナー像を乱す虞がある。一方、1×1014Ωcmを越えると、検出部材からアースへ流れる電流I1が微小となって、電流I1の検知精度を悪化させる虞がある。本実施例では、検出部材である搬送ガイド110の体積抵抗率を、5.2×1010Ωcmとした。
【0065】
又、検出部材の形状は、特に制限されるものではないが、転写材Pに対して平行に設けられた平板であることが好ましい。針形状・のこぎり形状の検出部材を用いても、上述のような電流I1の検知は可能であるが、鋭利な形状部分対して電荷集中による放電を起こすので、転写材P上のトナー像に放電跡を発生させることが考えられる。
【0066】
本実施例では、コントローラ150が、検出部材110を用いた上記電流I1の検知結果に基づき、除電バイアス電源G2から除電針131に通電する電流値を制御する。制御方法としては、例えば、表2に示すようなテーブルをコントローラ150内の記憶部に記憶させて、検知電流I1毎にコロナ除電器130に通電する電流値I2を設定すればよい。
【0067】
【表2】

【0068】
即ち、本実施例では、定着部Nに進入する前の転写材Pが検出部材110との隣接位置を通過する際に検出部材110とアースとの間に流れる電流I1の値が第1の値の時と第2の値の時とで、除電バイアス電源G2により出力されるバイアスの値が異なる。そして、上記電流I1の値が第1の値よりも大きい第2の値である時、除電バイアス電源G2により出力されるバイアスの値は、上記電流I2の値が第1の値である時よりも大きい。
【0069】
このように、本実施例では、検出部材110からアースに流れる電流I1を検知することにより、転写材Pの帯電量を予測し、それに基づいて、コロナ除電器130の放電量を制御する。このため、転写材Pの電位を最適な範囲に保つことができる。
【0070】
即ち、前述のように、転写材Pの帯電量に対しコロナ除電器130の放電量が大きい場合、転写材Pのトナー非担持面にマイナスの電荷が誘起される。このため、トナーの転写材Pへの拘束力が低下し、トナー飛び散りとなることがある。一方、転写材Pの帯電量に対しコロナ除電器130の放電量が小さい場合には、転写材Pの除電効果が小さくなり、静電オフセットやトナー飛び散りが発生することがある。
【0071】
これに対して、本実施例によれば、コロナ除電器130の放電量を最適の範囲に選ぶことができる。又、本実施例では、定着部Nに進入する前の転写材Pが検出部材110との隣接位置を通過する際に、電流計140により検出部材110とアースとの間に流れる電流が検知される。このため、少なくとも転写材Pが定着部Nに導入される際には既に、最適化されたコロナ除電器130の放電量にて転写材Pが除電された状態とすることができる。従って、コロナ帯電器130の放電量が不足することで定着部Nにて定着部Nにて静電オフセットが発生することを効果的に防止することができる。又、コロナ帯電器130の放電量が過剰となることで、トナーの転写材Pへの拘束力が低下し、定着部Nにてトナー飛び散りが発生することを効果的に抑制することができる。
【0072】
又、本実施例では、特に、除電部Qに進入する前の転写材Pが検出部材110との隣接位置を通過する際に、電流計140により検出部材110とアースとの間に流れる電流が検知される。このため、転写材Pが除電部Qに導入される際に既に、コロナ除電器130の放電量が最適化された状態とすることができる。従って、転写材Pの移動方向先端から確実に、最適化された放電量にて転写材Pを除電することができる。このため、定着部Nにおける静電オフセットやトナー飛び散りをより確実に抑制できると共に、コロナ除電器130の放電量が過剰であることにより除電部Qにて発生することが考えられるトナーの飛び散りをも効果的に抑制することができる。
【0073】
表3は、本実施例の画像形成装置100において、表1に示す各条件の転写材Pを用いて画像評価を行った結果を示す。又、比較例1として、コロナ除電器130への通電電流I2を30μAに一定とした場合の画像評価結果を併記する。
【0074】
【表3】

【0075】
表3に示すように、本実施例の画像形成装置100においては、転写材Pの状態に合わせてコロナ除電器130への通電電流が変化するため、転写材Pの状態に拘わらず画像不良が発生することはなかった。
【0076】
一方、比較例1の画像形成装置では、コロナ除電器130の放電量が転写材Pの帯電量に対して過剰となることで、包装紙より開封直後・片面印字の転写材Pでトナーの後方への飛び散りが発生した。又、コロナ除電器130の放電量が転写材Pの帯電量に対して不足することにより、環境放置紙・両面印字の転写材Pで静電オフセットが発生した。
【0077】
以上説明したように、本実施例によれば、転写材Pの移動方向において最下流の転写部Tdと定着部Nとの間に設けた検出部材としての搬送ガイド110からアースへ流れる電流を検知する。そして、その検知結果に基づいてコロナ除電器130への通電電流量を制御する。これにより、画像形成装置100の使用環境や、転写材Pの種類・状態に拘わらず、転写材Pに対する最適な除電を行うことができる。従って、本実施例によれば、転写材Pの帯電量に拘わらず、静電オフセットやトナー飛び散りといった画像不良の発生を効果的に抑制することができる。
【0078】
実施例2
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、実施例1のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略し、本実施例にて特徴的な点について以下説明する。
【0079】
本実施例では、コロナ除電器を用いず、定着装置9の加熱部材又は加圧部材にバイアスを印加する例について説明する。
【0080】
コロナ除電器は、転写材Pのトナー担持面側からコロナ放電により除電を行うが、トナー担持面側に位置することから、除電器がトナーにより汚損され、放電量が低下する場合がある。
【0081】
そこで、本実施例では、転写工程後に転写材Pを除電せず、定着部材にバイアスを印加して、定着部N近傍にトナー像を転写材P上に拘束する電界を形成する。これにより、静電オフセットやトナー飛び散りといった画像不良の発生を抑制する。
【0082】
即ち、転写材Pの移動方向において最下流の転写部Tdと定着部Nとの間において、転写材Pの通過時における、アースへ接続された部材からの漏れ電流を検知する。そして、その検知結果から転写材Pの帯電量を推定し、その電流値に基づいて、定着部材へバイアスを印加する。これにより、転写材Pの帯電量に対し過不足のない定着部材へのバイアス印加の効果が得られ、静電オフセットやトナー飛び散りの発生を抑制することができる。
【0083】
定着部材に対して印加されるバイアスの極性は、次のように設定される。負帯電性のトナーを用いる場合、加熱部材、即ち、転写材Pのトナー担持面に接触する定着部材であれば、マイナスのバイアスを印加する。一方、加圧部材、即ち、転写材Pのトナー非担持面に接触する定着部材であれば、プラスのバイアスを印加する。
【0084】
それぞれのバイアス印加方法で、その効果に差はなく、装置の特性に合わせて選択すればよい。又、加熱部材と加圧部材との両者に同時にバイアスを印加することもできる。
【0085】
本実施例では、定着装置9は電磁誘導発熱方式を採用しており、定着ベルト91にバイアスを印加し難い構成である。そのため、加圧ローラ93に対してプラスのバイアスを印加する。即ち、本実施例では、加圧ローラ93は、定着バイアス出力手段としての定着バイアス電源G3に接続されており、定着バイアス電源G3よりトナーの正規の帯電極性と反対極性の定着バイアスが加圧ローラ93に対して出力される。
【0086】
尚、定着部Nにて転写材Pを挟持する部材の片方にバイアスを印加する場合には、電界形成のため、バイアスを印加しない方の部材はアースに接地する。
【0087】
本実施例では、実施例1と同様に、第4のステーションSdの転写部Tdから定着部Nまでの間の転写材Pの搬送路に隣接して、アースされた検出部材が設けられている。即ち、本実施例では、検出部材は、転写材Pの移動方向において転写部Tdより下流側且つ定着部Nより上流側で転写材Pの移動経路に隣接して配置され、アースされている。本実施例では、実施例1と同様、検知部材として搬送ガイド110を用いる。
【0088】
又、本実施例では、実施例1と同様に、電流計140が、検出部材110の位置を転写材Pが通過する際に、検出部材110からアースに流れる電流I1を測定し、その測定結果に係る信号をコントローラ150に対して出力する。そして、コントローラ150は、その検知結果に基づいて、定着バイアス電源G3により出力されるバイアス値を制御する。検出部材110を用いた電流検知方法は実施例1と同様である。
【0089】
ここで、加熱部材にバイアスを印加するときには、印加するバイアスはトナー同極性である。そのため、このバイアスが過剰であると、加熱部材と加圧部材により形成される定着部Nへ転写材Pが突入する前に、転写材P上でトナーが後方に飛び散ることがある。
【0090】
又、加圧部材にバイアスを印加するときには、転写材P上のトナー像の保持力を増加するために、トナーとは反対極性のバイアスを印加する。そのため、このバイアスが過剰であると、転写材Pのトナー担持面にマイナスの電荷を誘起させ、トナーを飛び散らせることがある。
【0091】
一方、定着部材に印加されるバイアスが不足する場合には、転写材P上にトナーを拘束する電界が小さくなり、静電オフセットやトナー飛び散りが発生することがある。
【0092】
これに対して、本実施例によれば、検出部材110からアースに流れる電流I1を検知することにより、転写材Pの帯電量を予測し、それに基づいて、定着部材に印加するバイアスの値を制御する。これにより、転写材Pの電位量に合わせた電界を定着部Nの近傍に形成することができる。
【0093】
又、本実施例では、コントローラ150は、定着部Nに進入する前の転写材Pが検出部材110との隣接位置を通過する際に、電流計140により、検出部材110とアースとの間に流れる電流を検知する。このため、転写材Pが定着部Nに導入される際には既に、最適化された値のバイアスが加圧ローラ93に印加された状態とすることができる。従って、加圧ローラ93に印加するバイアスが不足することで定着部Nにて静電オフセットが発生することを効果的に防止することができる。又、加圧ローラ93に印加するバイアスが過剰となることで、定着部Nにてトナー飛び散りが発生することを効果的に抑制することができる。
【0094】
制御方法としては、例えば、表4に示すようなテーブルをコントローラ150内の記憶部に記憶させ、検知電流I1毎に定着部材に印加するバイアス値V1を設定すればよい。ここでは、加圧ローラ93に印加するバイアスを設定するテーブルを示す。
【0095】
【表4】

【0096】
即ち、本実施例では、定着部Nに進入する前の転写材Pが検出部材110との隣接位置を通過する際に検出部材110とアースとの間に流れる電流I1の値が第1の値の時と第2の値の時とで、定着バイアス電源G3により出力されるバイアスの値が異なる。そして、上記電流I1の値が第1の値よりも大きい第2の値である時、定着バイアス電源G3により出力されるバイアスの値は、上記電流I1の値が第1の値である時よりも大きい。
【0097】
表5は、本実施例の画像形成装置100において、表1に示す各条件の転写部材Pを用いて画像評価を行った結果を示す。又、比較例2として、加圧ローラ93に印加するバイアスを500Vに一定とした場合の画像評価結果を併記する。
【0098】
【表5】

【0099】
表5に示すように、本実施例の画像形成装置100においては、転写材Pの状態に合わせて加圧ローラ93に印加されるバイアス値が変化するため、転写材Pの状態に拘わらず画像不良が発生することはなかった。
【0100】
一方、比較例2の画像形成装置では、加圧ローラ93に印加するバイアス値が転写材Pの帯電量に対して過剰となることで、包装紙より開封直後・片面印字の転写材Pでトナー飛び散りが発生した。又、加圧ローラ93に印加するバイアス値が転写材Pの帯電量に対して不足することにより、環境放置紙・両面印字の転写材Pで静電オフセットが発生した。
【0101】
以上説明したように、本実施例によれば、転写材Pの移動方向において最下流の転写部Tdと定着部Nとの間に設けた検出部材110からアースへ流れる電流を検知する。そして、その検知結果に基づいて定着部材(本実施例では加圧ローラ93)へのバイアス印加量を制御する。これにより、画像形成装置100の使用環境や、転写材Pの種類・状態に拘わらず、定着部Nにおける転写材Pに対するトナーの拘束力を最適にすることができる。
【0102】
実施例3
次に、本発明の更に他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。従って、実施例1のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略し、本実施例にて特徴的な点について以下説明する。
【0103】
本実施例では、非接触型の検出部材として、転写材Pに対して非接触、且つ、直接対面するように設けられた電極160を用いる。即ち、電極160は、転写材Pの移動方向において転写部Tdより下流側且つ定着部Nより上流側で転写材Pの移動経路に隣接して配置され、アースされている。電極160は、転写材Pの移動方向において転写部Tdより下流側で除電部Qより上流側に配置することができる。
【0104】
実施例1においては、検出部材は転写材Pに対して接触する搬送ガイド110とした。しかし、検出部材に転写材Pが接触する場合、次のような不具合が考えられる。(1)転写材Pと検出部材との接触が、転写材Pの種類・厚み・環境下での放置状態に影響されて、安定的に毎回行なわれず、電流検知が不安定となる。(2)検出部材の抵抗変動の影響を受けやすい。(3)検出部材と転写材Pとの不安定な接触や、検出部材の部材内の抵抗ムラなどにより、転写材P内で電荷ムラを起こし、未定着トナー像に画像不良を発生させる。
【0105】
本実施例では、検出部材は転写材Pに対して非接触に設置されるので、上記(1)〜(3)のような不具合を防止することができる。
【0106】
ここで、非接触型の検出部材を用いて転写材Pの帯電量を推定するメカニズムを説明する。図6は、このメカニズムを説明するための模式図であり、転写材P及び検出部材としての電極160、更にそれらの間に形成される空気層を電気抵抗・コンデンサーモデルに置き換えたものである。
【0107】
電極160が転写材Pに非接触の場合、転写材Pのトナー非担持面のプラス電荷が、コンデンサー成分となる空気層を挟み、電極160の抵抗成分を通じてアースに流れる。電流計140により、この電流値I1を検知する。
【0108】
尚、非接触型の検出部材は、転写ベルト51の内周面に対向するように配置してもよい。即ち、非接触型の検出部材は、転写材Pに接触する部材に非接触に対向配置することができる。
【0109】
非接触型の検出部材の体積低効率は、1×107Ωcm以下であることが望ましい。これは実施例1、2にて説明した接触型の検出部材の場合と異なり、空気層が電気抵抗となるためである。1×107Ωcmを超えると、検出部材からアースへ流れる電流が微小となって、電流の検知精度を悪化させるので好ましくない。又、この体積抵抗率は小さければ小さいほどよく、下限は設ける必要はない。本実施例では、検出部材としての電極160をアルミ製の平板とし、転写材Pのトナー非担持面から10mmはなれた場所に設置した。
【0110】
表6は、本実施例の画像形成装置100において、25℃/60%RH環境下で、下記の各条件の転写材Pを100枚連続通紙した際の、トナー飛び散りの発生頻度を調べた結果を示す。又、実施例1の画像形成装置100にて同様の評価を行なった際の結果を併記する。尚、転写材Pとしては、登録商標オフィスプランナー(キヤノン販売)にて市販されている記録用紙を用いた。
【0111】
【表6】

【0112】
表6に示すように、本実施例の画像形成装置100においては、転写材Pの状態に拘わらず画像不良は発生しなかった。一方、実施例1の画像形成装置100では、環境下に放置された転写材Pでトナー飛び散りが発生することがあった。
【0113】
以上説明したように、本実施例によれば、検出部材として転写材Pに対して非接触の電極160とする。これにより、接触型の検出部材を用いる場合に発生することのある不具合を抑制すると共に、検出部材とアースとの間に流れる電流を検知して、より効果的に静電オフセットやトナー飛び散りを抑制することができる。
【0114】
尚、実施例2にて説明したように定着部材にバイアスを印加する場合に、非接触型の検出部材を用いることも当然可能である。
【0115】
以上、本発明を具体的な実施例に則して説明したが、本発明は上記各実施例の態様に限定されるものではないことを理解されたい。例えば、上記各実施例では、画像形成装置は、タンデム方式・直接転写方式を採用した画像形成装置であるものとして説明した。このような画像形成装置では、前述のように転写材が過帯電し易いため、本発明が極めて有効に作用する。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0116】
例えば、本発明は中間転写方式の画像形成装置にも適用することができる。中間転写方式の画像形成装置は、単一又は複数の像担持体から中間転写体(中間転写ベルト等)に一次転写された単色又は複数色のトナー像を、転写材に二次転写した後、このトナー像を転写材に定着させる。図8は、斯かる中間転写方式の画像形成装置の一例の概略断面構成を示す。尚、図8の画像形成装置200において、図1の画像形成装置100のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0117】
図8に示す画像形成装置200は、中間転写体として無端移動する中間転写ベルト201を有する。各ステーションSa〜Sdの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像は、一次転写部T1a〜T1dにおいて、一次転写手段としての一次転写ローラ201によって順次に中間転写ベルト201に一次転写される。次いで、中間転写ベルト201上のトナー像は、二次転写部T2において、二次転写手段としての二次転写ローラ203によって、転写材Pに一括して二次転写される。このとき、二次転写ローラ203には、二次転写バイアス出力手段としての二次転写バイアス電源204により出力された二次転写バイアスが印加される。その後、転写材Pは、定着装置9へと搬送され、ここでトナー像が転写材Pに定着される。
【0118】
斯かる中間転写方式の画像形成装置200の場合、二次転写部T2と定着部Nとの間の構成に関して、本発明を適用することができる。図8に示す例では、実施例2と同様に、定着装置9の加圧ローラに定着バイアス電源G3から定着バイアスを印加する構成において、搬送ガイド110が検出部材としての機能を兼ねている。
【0119】
又、本発明は、転写部を一つだけ有する単色の画像形成装置においても等しく適用し得るものである。更に、単一の像担持体に対して複数の現像器を有し、像担持体に順次に形成したトナー像を、転写材担持体上の転写材に直接、又は中間転写体に一旦転写した後に転写材に転写し、その後このトナー像を定着する画像形成装置がある。本発明は、このような画像形成装置においても等しく適用することができる。像担持体から直接転写材上にトナー像を転写する場合には、像担持体から転写材へのトナー像の転写部と定着部との間の構成に関して、本発明を適用することができる。又、中間転写体を介して転写材にトナー像を転写する場合には、上記同様、二次転写部と定着部との間の構成に関して、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略断面図である。
【図2】本発明の一実施例における転写部から定着部に至るまでの転写材の搬送経路の概略断面構成図である。
【図3】検出部材からアースへの導通経路の一例のモデル図である。
【図4】本発明の他の実施例における転写部から定着部に至るまでの転写材の搬送経路の概略断面構成図である。
【図5】本発明の更に他の実施例における転写部から定着部に至るまでの転写材の搬送経路の概略断面構成図である。
【図6】検出部材からアースへの導通経路の他の例のモデル図である。
【図7】転写材の帯電量の測定方法を説明するための模式図である。
【図8】本発明を適用し得る画像形成装置の他の例の概略断面構成図である。
【符号の説明】
【0121】
1 感光体ドラム(像担持体)
5 転写ユニット
9 定着装置(定着手段)
51 転写ベルト
52 駆動ローラ
56 転写ローラ(転写手段)
91 定着ベルト(定着部材、加熱部材)
93 加圧ローラ(定着部材、加圧部材)
110 搬送ガイド(検出部材)
120 定着入り口ガイド
130 コロナ除電器(除電手段)
G1 転写バイアス電源(転写バイアス出力手段)
G2 除電バイアス電源(除電バイアス出力手段)
G3 定着バイアス電源(定着バイアス出力手段)
N 定着部
T 転写部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する像担持体と、転写部において前記像担持体から転写材にトナー像を転写させる転写手段と、前記転写のためのバイアスを前記転写手段に対して出力する転写バイアス出力手段と、転写材の移動方向において前記転写部より下流側の定着部において転写材にトナー像を定着させる定着手段と、前記定着手段に対してバイアスを出力する定着バイアス出力手段と、を有する画像形成装置において、
転写材の移動方向において前記転写部より下流側且つ前記定着部より上流側で転写材の移動経路に隣接して配置されアースされた検出部材と、前記検出部材とアースとの間に流れる電流を検知する検知手段と、を有し、前記定着部に進入する前の転写材が前記検出部材との隣接位置を通過する際に、前記検知手段により前記電流を検知し、その検知結果に基づいて、前記定着バイアス出力手段により出力されるバイアスを制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
トナー像を担持する像担持体と、転写部において前記像担持体から転写材にトナー像を転写させる転写手段と、前記転写のためのバイアスを前記転写手段に対して出力する転写バイアス出力手段と、転写材の移動方向において前記転写部より下流側の定着部において転写材にトナー像を定着させる定着手段と、転写材の移動方向において前記転写部よりも下流側且つ前記定着部より上流側の除電部において転写材上の電荷を除去する除電手段と、前記除電手段に対してバイアスを出力する除電バイアス出力手段と、を有する画像形成装置において、
転写材の移動方向において前記転写部より下流側且つ前記定着部より上流側で転写材の移動経路に隣接して配置されアースされた検出部材と、前記検出部材とアースとの間に流れる電流を検知する検知手段と、を有し、前記定着部に進入する前の転写材が前記検出部材との隣接位置を通過する際に、前記検知手段により前記電流を検知し、その検知結果に基づいて、前記除電バイアス出力手段により出力されるバイアスを制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記検出部材は、転写材の移動方向において前記転写部より下流側且つ前記除電部より上流側で転写材の移動経路に隣接して配置されており、前記電流は、前記除電部に進入する前の転写材が前記検出部との隣接位置を通過する際に前記検知手段により検知することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
トナー像を担持する像担持体と、転写部において前記像担持体から転写材にトナー像を転写させる転写手段と、前記転写のためのバイアスを前記転写手段に対して出力する転写バイアス出力手段と、転写材の移動方向において前記転写部より下流側の定着部において転写材にトナー像を定着させる定着手段と、前記定着手段に対してバイアスを出力する定着バイアス出力手段と、を有する画像形成装置において、
転写材の移動方向において前記転写部より下流側且つ前記定着部より上流側で転写材の移動経路に隣接して配置されアースされた検出部材を有し、前記定着部に進入する前の転写材が前記検出部材との隣接位置を通過する際に前記検出部材とアースとの間に流れる電流の値が第1の値の時と第2の値の時とで、前記定着バイアス出力手段により出力されるバイアスの値が異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記電流の値が前記第1の値よりも大きい前記第2の値である時、前記定着バイアス出力手段により出力されるバイアスの値は、前記電流の値が前記第1の値である時よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
トナー像を担持する像担持体と、転写部において前記像担持体から転写材にトナー像を転写させる転写手段と、前記転写のためのバイアスを前記転写手段に対して出力する転写バイアス出力手段と、転写材の移動方向において前記転写部より下流側の定着部において転写材にトナー像を定着させる定着手段と、転写材の移動方向において前記転写部よりも下流側且つ前記定着部より上流側の除電部において転写材の電荷を除去する除電手段と、前記除電手段に対してバイアスを出力する除電バイアス出力手段と、を有する画像形成装置において、
転写材の移動方向において前記転写部より下流側且つ前記定着部より上流側で転写材の移動経路に隣接して配置されアースされた検出部材を有し、前記定着部に進入する前の転写材が前記検出部材との隣接位置を通過する際に前記検出部材とアースとの間に流れる電流の値が第1の値の時と第2の値の時とで、前記除電バイアス出力手段により出力されるバイアスの値が異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記電流の値が前記第1の値よりも大きい前記第2の値である時、前記除電バイアス出力手段により出力されるバイアスの値は、前記電流の値が前記第1の値である時よりも大きいことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記検出部材は、転写材の移動方向において前記転写部より下流側且つ前記除電部より上流側で転写材の移動経路に隣接して配置されており、前記第1の値及び前記第2の値は、前記除電部に進入する前の転写材が前記検出部との隣接位置を通過する際に前記検出部材とアースとの間に流れる電流の値であることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記検出部材は、転写材に接触して、又は転写材に接触する部材に接触して配置されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記検出部材は、転写材を担持して搬送する転写材担持体の転写材担持面とは反対側の面に接触することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記検出部材は、転写材を担持して搬送するベルト状の前記転写材担持体が張架されたローラであることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記検出部材は、前記転写部から前記定着部に向けて転写材を案内するガイドであることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記検出部材の体積抵抗率は、1×107Ωcm以上1×1014Ωcm以下であることを特徴とする請求項9〜12のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記検出部材は、転写材及び転写材に接触する部材に対して非接触に配置されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記検出部材は、転写材に直接対面する位置に配置されることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記検出部材の体積抵抗率は、1×107Ωcm以下であることを特徴とする請求項14又は15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記像担持体及び前記転写手段を転写材の移動方向に沿って複数有し、前記転写部が転写材の移動方向に沿って複数形成されており、前記検出部材は、該複数の転写部のうち前記転写材の移動方向において最下流の転写部より下流側に配置されていることを特徴とする請求項1〜16のいずれかの項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−171540(P2007−171540A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−368897(P2005−368897)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】