説明

画像形成装置

【課題】 発生したエラーを適切な解決手段で解決できる処理媒体搬送装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】 レーザプリンタのエラー判定処理では、まず、EEP−ROMの搬送経路テーブル記憶エリアに記憶された搬送経路テーブルからを搬送経路を一つ選択し(S11)、選択された搬送経路について装置状態によるエラーを判定し、搬送経路と共に記憶する(S12)。そして、エラーの解決方法の手数を合計し、搬送経路と共に記憶する(S13)。その後、他に搬送経路があるか否かを判断する(S14)。他に搬送経路があれば(S14:YES)、再びステップ11に戻って搬送経路を一つ選択し、他に搬送経路がなければ(S14:NO)、S13で合計した手数に基づいて記憶した搬送経路を、そのエラーを解決するための解決方法の手数が少ない順に整列する(S15)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、詳しくは、処理媒体の処理もしくは搬送に対して、発生したエラーの解決方法を提供できる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置の給紙から排紙に至る処理媒体搬送装置において、使用者からの印刷要求を完全に満たすことができない場合、印刷動作を停止して、表示パネルなどを用いてエラーを使用者に通知していた。この際に、エラー原因を通知するだけではなく、エラーを解除し求める印刷結果を得るための解決方法も同時に使用者に通知することが一般的に行なわれていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開昭63−217370号公報(第4頁右上欄第11行〜同頁左下欄第3行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の上記の特許文献1に記載の発明では、複数のエラー原因があったり、複数の解決方法が有る場合でも、1つのエラー解決方法しか提示できず、また、その提示された解決方法が使用者にとって手数のかかる解決方法であったり、提示されたエラー解決方法を実行しても、さらに別のエラーが発生するような解決方法を提示し、必ずしも使用者にとって適切な解決手段の提示ができないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、発生したエラーを適切な解決手段で解決できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための請求項1に係る発明の画像形成装置は、
処理媒体に印刷を行う印刷部と、前記処理媒体を前記印刷部に供給する供給部と、前記印刷部で印刷された前記処理媒体の排出部とを含む処理部と、
その処理部の各間で処理媒体の搬送を行う複数の通過部と、
前記処理部と前記通過部との組み合わせからなる複数の処理経路と、前記処理媒体の特性との少なくとも1つからなる処理条件を指定する処理条件指定手段と、
前記処理部もしくは前記通過部のエラーを検出するエラー検出手段と、
エラーの各々に対して解決方法を予め記憶した解決方法記憶手段と、
前記複数の処理経路の内、前記処理条件指定手段によって指定される処理条件に基づいて選択された前記処理経路の各々について記憶する処理経路記憶手段と、
前記処理経路記憶手段に記憶された前記処理経路上に存在する前記エラー検出手段により検出されたエラーと、前記解決方法記憶手段に記憶された解決方法とに基づいて総合解決方法を作成し、表示手段に表示させる総合解決方法表示制御手段と
を備え、
前記総合解決方法表示制御手段は、前記処理経路記憶手段に記憶された前記処理経路の少なくとも1つについて、該処理経路上に存在する前記エラー検出手段により検出されたエラーの解決方法を前記解決方法記憶手段から抽出して総合解決方法とし、当該総合解決方法を前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る発明の画像形成装置は、
処理媒体に印刷を行う印刷部と、前記処理媒体を前記印刷部に供給する供給部と、前記印刷部で印刷された前記処理媒体の排出部とを含む処理部と、
その処理部の各間で処理媒体の搬送を行う複数の通過部と、
前記処理部と前記通過部との組み合わせからなる複数の処理経路と、前記処理媒体の特性との少なくとも1つからなる処理条件を指定する処理条件指定手段と、
前記処理部もしくは前記通過部のエラーを検出するエラー検出手段と、
エラーの各々に対して解決方法を予め記憶した解決方法記憶手段と、
前記複数の処理経路の内、前記処理条件指定手段によって指定される処理条件に基づいて選択された前記処理経路の各々について記憶する処理経路記憶手段と、
前記処理経路記憶手段に記憶された前記処理経路上に存在する前記エラー検出手段により検出されたエラーと、前記解決方法記憶手段に記憶された解決方法とに基づいて総合解決方法を作成し、表示手段に表示させる総合解決方法表示制御手段と
を備え、
前記総合解決方法表示制御手段は、前記処理経路記憶手段に記憶された複数の前記処理経路について、該各処理経路上に存在する前記エラー検出手段により検出されたエラーの内、少なくとも1つのエラーについての解決方法を前記解決方法記憶手段から抽出して総合解決方法とし、当該総合解決方法を前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る発明の画像形成装置では、請求項1又は2に記載の画像形成装置の構成に加えて、前記総合解決方法は、1つの処理経路について前記検出された全てのエラーの各々についての解決方法の組み合わせからなる完全解決方法と、全てのエラーから所定基準に従って一部のエラーを未解決エラーとして除外したものについての解決方法の組み合わせからなる限定解決方法とを含むことを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る発明の画像形成装置では、請求項3に記載の画像形成装置の構成に加えて、前記総合解決方法表示制御手段は、前記完全解決方法の優先度を前記限定解決方法の優先度よりも高くして、前記完全解決方法を前記限定解決方法よりも優先して表示手段に表示させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る発明の画像形成装置では、請求項3又は4に記載の画像形成装置の構成に加えて、前記総合解決方法表示制御手段は、前記限定解決方法の内、前記未解決エラーの数が少ない前記限定解決方法の優先度を、前記未解決エラーの数が多い前記限定解決方法の優先度よりも高くして、前記未解決エラーの数が少ない前記限定解決方法を、前記未解決エラーの数が多い前記限定解決方法よりも優先して表示手段に表示させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る発明の画像形成装置では、請求項3乃至5の何れかに記載の画像形成装置の構成に加えて、全てのエラーから一部のエラーを前記未解決エラーとして除外するための前記所定基準を変更するエラー許容基準変更手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に係る発明の画像形成装置では、請求項3乃至6の何れかに記載の画像形成装置の構成に加えて、前記所定基準は、前記未解決エラーとして除外してもよいエラーの数の最大数であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項8に係る発明の画像形成装置では、請求項3乃至7の何れかに記載の画像形成装置の構成に加えて、前記所定基準は、前記未解決エラーとして除外してもよいエラーの種類であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明の画像形成装置では、総合解決方法表示制御手段は、処理条件指定手段によって指定される処理条件に基づいて選択された処理経路の少なくとも1つについて、該処理経路上に存在するエラー検出手段により検出されたエラーの解決方法を解決方法記憶手段から抽出して総合解決方法とし、総合解決方法を表示手段に表示させることができる。従って、ユーザは、表示された総合解決方法を参照して容易にエラーを回復することができる。
【0015】
また、請求項2に係る発明の画像形成装置では、請求項1に記載の発明の効果に加えて、総合解決方法表示制御手段は、処理条件指定手段によって指定される処理条件に基づいて選択された処理経路について、エラー検出手段により検出されたエラーの内、少なくとも1つのエラーについての解決方法を解決方法記憶手段から抽出して総合解決方法とし、当該総合解決方法を表示手段に表示させることができる。従って、ユーザは、表示手段に複数表示された総合解決方法の中から最適な総合解決方法を選択することができる。
【0016】
また、請求項3に係る発明の画像形成装置では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、総合解決方法は、完全解決方法と限定解決方法との双方を含み、完全解決方法は、1つの処理経路について検出されたエラーの各々についての解決方法の組み合わせからなっており、限定解決方法は、全てのエラーから所定基準に従って一部のエラーを未解決エラーとして除外したものについての解決方法の組み合わせからなっているので、完全にエラーを解決できなくて良い場合に限定解決方法に従って、エラーを解決できる。
【0017】
また、請求項4に係る発明の画像形成装置では、請求項3に記載の発明の効果に加えて、総合解決方法表示制御手段は、完全解決方法の優先度を限定解決方法の優先度よりも高くして、完全解決方法を限定解決方法よりも優先して表示手段に表示させることができる。従って、ユーザは、完全解決方法を優先して先に見ることができる。
【0018】
また、請求項5に係る発明の画像形成装置では、請求項3又は4に記載の発明の効果に加えて、総合解決方法表示制御手段は、限定解決方法の内、未解決エラーの数が少ない限定解決方法の優先度を、未解決エラーの数が多い限定解決方法の優先度よりも高くして、未解決エラーの数が少ない限定解決方法を、未解決エラーの数が多い限定解決方法よりも優先して表示手段に表示させることができる。従って、ユーザは、未解決エラーの数が少ない限定解決方法から容易に見ることができる。
【0019】
また、請求項6に係る発明の画像形成装置では、請求項3乃至5の何れかに記載の発明の効果に加えて、エラー許容基準変更手段によって、全てのエラーから一部のエラーを未解決エラーとして除外するための所定基準を変更することができる。従って、ユーザに提供する限定解決方法を制限することができる。
【0020】
また、請求項7に係る発明の画像形成装置では、請求項3乃至6の何れかに記載の発明の効果に加えて、未解決エラーとして除外してもよいエラーの数の最大数によって、ユーザに提供する限定解決方法を制限することができる。
【0021】
また、請求項8に係る発明の画像形成装置では、請求項3乃至7の何れかに記載の発明の効果に加えて、未解決エラーとして除外してもよいエラーの種類によって、ユーザに提供する限定解決方法を制限することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した一実施の形態について図面に沿って説明する。本実施の形態では、印刷が行われる処理媒体(記録媒体)を搬送可能で、その媒体の種類に応じた複数の給紙トレイ及び排紙トレイと両面印刷機能とを有した処理媒体搬送装置を備えた画像形成装置の一種であるレーザプリンタを例に挙げて説明する。
【0023】
また、印刷部で印刷が行われる処理媒体(記録媒体)の一例として、紙等の用紙を用いて説明する。尚、処理媒体としては、用紙に限られず、透過シート、布、コンパクトディスク等の各種の表面に印刷を行うことができる各種の記録媒体を用いることができる。尚、処理媒体の特性としては、前記用紙、透過シート、布、コンパクトディスク等の幅、高さ、厚さ、材質、重量、固さ、溶融温度、色、透過度、反射度、平滑度、摩擦係数などが考えられるが、本実施の形態では、処理媒体の特性の一例として、用紙のサイズ及び材質等の用紙の種類を用いて説明する。
【0024】
ここで、図1は、レーザプリンタ1の全体の構成を示す概略図であり、図2は、レーザプリンタ1に設けられた操作パネル75を示す平面図である。図1に示すように、レーザプリンタ1は、印字が行われる用紙を蓄えた第1乃至第4の計4つの給紙トレイ11〜14と、図示外の用紙を搬送する複数の搬送ローラ15と、トナーカートリッジ16と、レーザを出射するスキャナユニット17と、帯電ローラ等の帯電器(図示外)によって帯電する感光ドラム18と、当該感光ドラム18と対向して用紙にトナーを転写する転写ローラ19と、加熱ローラ20及び加圧ローラ21を備えた定着器22等を備えた本体部1aを備えている。
【0025】
また、図1に示すように、本体部1aの右側面には、用紙の両面に印刷をするための開閉可能なカバー型の両面印刷ユニット25が設けられ、本体部1aの左側面には、印字が行われた用紙をピン等でまとめることができるステープラー35が設けられ、フィニッシャー装置36の左側面には、第2の排紙トレイ31が設けられている。また、本体部1aの上面には、第1の排紙トレイ30が設けられている。第1乃至第4の給紙トレイ11〜14には、用紙のサイズ及び材質等の用紙の種類と用紙の量とを検出するセンサVSが設けられており、レーザプリンタ1の第1乃至第4の給紙トレイ11〜14が装着される箇所には、各給紙トレイが装着されたか否かを検出するセンサKSが設けられている。
【0026】
また、搬送ローラ15の近傍には、用紙が通過したか否か、また紙詰まり等が発生していないかを検出するセンサHSが設けられ、両面印刷ユニット25の用紙供給部と排出部とのそれぞれの近傍には、用紙が通過したか否か、また紙詰まり等が発生していないかを検出するセンサTSが設けられている。さらに、カバー型の両面印刷ユニット25が閉じられたか否かを検出するセンサCSが設けられている。尚、このセンサCSが両面印刷ユニット25が開放されていることを検出すると、搬送経路の状態エラーとなる。また、第1及び第2の排紙トレイ30,31の手前の用紙の搬送経路にも、用紙が通過したか否か、また紙詰まり等が発生していないかを検出するそれぞれ用紙の種類及び用紙の量を検出するセンサJSが設けられている。さらに、第1及び第2の排紙トレイ30,31には、各々排出された用紙が満杯か否かを検出するセンサMSが設けられ、また、図1に示すように、本体部1aの左側面のフィニッシャー装置36の取り付け部には、フィニッシャー装置36の着脱を検出するセンサFSが設けられている。
【0027】
また、図1に示す第1乃至第4の給紙トレイ11〜14には、それぞれ各トレイ対応した種類の用紙が蓄えられるようになっており、また第1及び第2の排紙トレイ30,31には、それぞれ第1乃至第4の給紙トレイ11〜14の何れかから搬送された用紙が排出されるようになっている。
【0028】
また、図1には図示しないが、本体部1aの上面には、図2に示すように、操作パネル75が設けられている。操作パネル75は、レーザプリンタ1の動作状況等を示す略長方形の表示部76を備え、この表示部76の右側には、メニューボタン77、スクロールボタン78、再印刷ボタン79、印刷中止ボタン80等の複数のボタンが設けられている。操作パネル75には、さらに、表示部76に後述する制限が表示された場合に、そのまま印刷を続ける際に押されるGoボタン81が設けられている。これらボタンの内、メニューボタン77によって、給紙トレイから供給される用紙のサイズ等の種類の選択、用紙の両面に印刷するか否かの選択等ができるようになっている。尚、メニューボタン77によって、用紙の材質も設定できるようになっている。また、スクロールボタン78で、表示部76に表示された文字等を上下方向にスクロールできるようになっている。また、操作パネル75からは、後述するエラー原因が他を包括する搬送経路を除外するか否かの設定等の各種の設定等も行うことができる。
【0029】
次に、図3を参照して、レーザプリンタ1の電気的構成を説明する。図3は、レーザプリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。レーザプリンタ1は、操作パネル75と、プリンタ制御基板40と、エンジン基板41とから構成されている。操作パネル75は、プリンタ制御基板40に接続されており、プリンタ制御基板40は、エンジン基板41に接続されている。プリンタ制御基板40は、レーザプリンタ1の制御を司るCPU50と、操作パネル75を介してユーザから入力されたデータ等のデータを一時的に記憶するRAM51と、CPU50で実行される制御プログラム等を記憶したROM52と、付加プログラム及び各種のテーブルを記憶したEEP−ROM53とから構成されている。
【0030】
また、エンジン基板41には、電源43と、用紙を搬送するための搬送ローラ、給紙ローラ及び排紙ローラを駆動するモータ等(図示外)のモータMと、第1乃至第4の給紙トレイ11,12,13,14と第1及び第2の排紙トレイ30,31と、用紙のサイズ及び材質等の用紙の種類と用紙の量とを検出するセンサVS、給紙トレイが装着されたか否かを検出するセンサKS、用紙が通過したか否か、また紙詰まり等が発生していないかを検出するセンサHS、TS、JS、カバー型の両面印刷ユニット25が閉じられたか否かを検出するセンサCS、用紙の種類及び用紙の量を検出するセンサJS、第1及び第2の排紙トレイ30,31に各々排出された用紙が満杯か否かを検出するセンサMS、フィニッシャー装置36の着脱を検出するセンサFSとが接続されている。
【0031】
レーザプリンタ1では、ユーザが操作パネル75を操作して、印刷を行う媒体のサイズ及び種類等、用紙をどの給紙トレイから搬送するか、またどの排紙トレイから排出するかを選択し、また用紙に両面印刷するのか否かを選択すると、ユーザの要求に応じて、指定の給紙トレイから搬送ローラを介して用紙が印刷部(スキャナユニット17、感光ドラム18、転写ローラ19及び定着器22等が設けられ、用紙に印字が行われる部分)へ搬送され、印字が行われた後、指定の排紙トレイから排出されることになる。このとき、請求項に言う処理部に相当するのは、上記の印刷部、第1の給紙トレイ11、第2の給紙トレイ12、第3の給紙トレイ13、第4の給紙トレイ14、第1の排紙トレイ30及び第2の排紙トレイ31であり、請求項に言う通過部に相当するのは、両面印刷ユニット25であり、請求項に言う処理経路に該当するのは、上記の処理部と通過部、即ち、第1の給紙トレイ11、第2の給紙トレイ12、第3の給紙トレイ13、第4の給紙トレイ14、印刷部、第1の排紙トレイ30及び第2の排紙トレイ31、両面印刷ユニット25を処理媒体である用紙が経由する経路のことである。
【0032】
給紙トレイ、排紙トレイ、各トレイ及び両面印刷ユニット25の状態を該当する各センサVS、KS、HS、TS、CS、JS、FS、MSで検出し、その状態に基づき、プリンタ制御基板40のCPU50は、ユーザが指定した条件を満たす搬送経路の各々で用紙の搬送が可能かどうかを判断できる。即ち、CPU50で、ユーザの要求を実行する際に発生する全てのエラーを検出し、後述する処理を実行することができる。
【0033】
次に、図4を参照して、EEP−ROM53の記憶エリアについて説明する。図4は、EEP−ROM53の記憶エリアの概念図である。図4に示すように、EEP−ROM53には、後述する用紙のサイズの制約テーブル100を記憶するサイズの制約テーブル記憶エリア53bと、後述する用紙のタイプの制約テーブル110を記憶する用紙のタイプの制約テーブル記憶エリア53cと、後述する搬送路の制約テーブル120を記憶する搬送路の制約テーブル記憶エリア53dと、後述する解決手段ごとのユーザの手数テーブル130を記憶する解決手段ごとのユーザの手数テーブル記憶エリア53eと、後述する搬送経路テーブル190,200を記憶する搬送経路テーブル記憶エリア53f等が設けられている。
【0034】
次に、図5を参照して、RAM51の記憶エリアについて説明する。図5は、RAM51の記憶エリアの概念図である。図5に示すように、RAM51には、
後述するユーザの指定印刷条件テーブル140を記憶する指定印刷条件テーブル記憶エリア51aと、後述する給紙トレイの状態テーブル150を記憶する給紙トレイの状態テーブル記憶エリア51bと、後述する排紙トレイの状態テーブル160を記憶する排紙トレイの状態テーブル記憶エリア51cと、後述する両面印刷ユニットのカバーの開閉状態テーブル170を記憶する両面印刷ユニットのカバーの開閉状態テーブル記憶エリア51dと、後述するステープラー35の針有無状態テーブル180を記憶する針有無状態テーブル記憶エリア51eと、各種データを一時的に記憶するワーキングエリア51fと、後述するエラーテーブル210を記憶するエラーテーブル記憶エリア51g等が設けられている。
【0035】
次に、図6を参照して、用紙のサイズの制約テーブル100について説明する。図6は、レーザプリンタ1で使用できる用紙のサイズの制限を記憶した用紙のサイズの制約テーブル100の概念図である。図6に示す用紙のサイズの制約テーブル100では、A3、B4、リーガルサイズ、A4、レターサイズ、B5等の用紙サイズに対応して、第1乃至第4の給紙トレイ11〜14が使用可能か否か、両面印刷ユニット25が使用可能か否か、第1の排紙トレイ30及び第2の排紙トレイ31が使用可能か否か、フィニッシャー装置36で針を打つことが可能か否かを記憶している。尚、可能な場合は丸印、否の場合は、バツ印で示している。
【0036】
図6に示す用紙のサイズの制約テーブル100にあるように、A3サイズの用紙には、第1乃至第4の給紙トレイ11〜14と第1の排紙トレイ30とが対応しており、第2の排紙トレイ31は対応しておらず、針は打てない。また、B4サイズ、B5サイズ及びリーガルサイズの用紙には、用紙がA3サイズの場合と同様に、第1乃至第4の給紙トレイ11〜14と第1の排紙トレイ30とが対応しており、第2の排紙トレイ31は対応していないが、針は打てる。また、A4サイズの用紙には、全ての給紙トレイ11〜14及び排紙トレイ30,31が対応しており、針は打てる。レターサイズの用紙にも、全ての給紙トレイ11〜14及び排紙トレイ30,31が対応しており、針は打てる。尚、上述した何れのサイズの用紙も、図1に示す両面印刷ユニット25に対応しており、両面への印刷が可能となっている。
【0037】
次に、図7を参照して、用紙のタイプの制約テーブル110について説明する。図7は、レーザプリンタ1で使用できる用紙のタイプの制限を記憶した用紙のタイプの制約テーブル110の概念図である。図7に示すように、用紙のタイプの制約テーブル110では、普通紙、厚紙、透過シート等の用紙のタイプに応じて、第1乃至第4の給紙トレイ11〜14が使用可能か否か、両面印刷ユニット25が使用可能か否か、第1の排紙トレイ30及び第2の排紙トレイ31が使用可能か否か、フィニッシャー装置36で針を打つことが可能か否かを記憶している。尚、可能な場合は丸印、否の場合は、バツ印で示している。
【0038】
図7に示すように、普通紙には、第1乃至第4の給紙トレイ11〜14と、両面印刷ユニット25と、第1の排紙トレイ30と、第2の排紙トレイ31とが対応しており、針は打てる。また、厚紙には、第1及び第2の給紙トレイ11,12と、両面印刷ユニット25と、第1の排紙トレイ30とが対応しており、針は打てない。また、透過シートには、第1の給紙トレイ11と、第1の排紙トレイ30とが対応しており、両面印刷ユニット25は使用できず、針は打てない。
【0039】
次に、図8を参照して、搬送路の制約テーブル120について説明する。図8は、用紙の搬送元である第1乃至第4の給紙トレイ11〜14又は両面印刷ユニット25から、搬送先である第1及び第2の排紙トレイ30,31又は両面印刷ユニット25へ搬送され得る搬送経路の制約を記憶した搬送路の制約テーブル120を示す概念図である。
【0040】
図8に示すように、搬送路の制約テーブル120では、搬送元が第1の給紙トレイ11の場合には、搬送先が、両面印刷ユニット25、第1及び第2の排紙トレイ30,31、及びステープラー35の何れでも可能である。また、搬送元が第2の給紙トレイ12の場合には、搬送先が、両面印刷ユニット25、第1及び第2の排紙トレイ30,31、及びステープラー35の何れでも可能である。また、搬送元が第3の給紙トレイ13の場合には、搬送先が、第1の排紙トレイ30、第2の排紙トレイ31、ステープラー35の何れでも可能である。また、搬送元が第4の給紙トレイ14の場合には、搬送先が、第1の排紙トレイ30のみ可能である。また、搬送元が両面印字ユニット25の場合には、搬送先が、第1及び第2の排紙トレイ30,31、及びステープラー35の何れでも可能である。また、搬送元がステープラー35の場合には、搬送先が、第2の排紙トレイ3のみ可能である。
【0041】
従って、図8に示す搬送路の制約テーブル120から分かるように、第1の給紙トレイ11及び第2の給紙トレイ12及び第3の排紙トレイ13から搬送された用紙は、両面印刷ユニット25を通過することができ、第1及び第2の排紙トレイ30,31の何れにも搬送されることができる。また、第4の給紙トレイ14から搬送された用紙は、両面印刷ユニット25を通過できず、第1の排紙トレイ30にのみ搬送されることができる。両面印刷ユニット25から搬送された用紙は、自身を通過できず、第1及び第2の排紙トレイ30,31の何れにも搬送されることができる。
【0042】
次に、図9を参照して、解決手段ごとのユーザの手数テーブル130について説明する。図9に示す解決手段ごとのユーザの手数テーブル130には、エラーの原因に応じてその解決方法を実行するに要する手数がエラー番号と共に記憶されている。詳細には、解決方法の手数とは、ユーザの要求に対してエラーが発生した際に、ユーザがエラーを解決するために必要とする動作の回数(工数)である。第1の排紙トレイ30及び第2の排紙トレイ31が満杯の場合は、ユーザが、トレイ上の用紙を取り除く動作を行うことによりエラーは解決される。このときのエラーを解決するための解決方法の手数は1である。また、第1乃至第4の何れかの給紙トレイ11〜14に用紙が蓄えられていない場合は、ユーザが、給紙トレイを引き出し、用紙を補充した後に給紙トレイを閉めるという動作を行うことによりエラーは解決される。このときのエラーを解決するための解決方法の手数は3である。
【0043】
また、第1乃至第4の何れかの給紙トレイ11〜14に蓄えられた用紙のタイプが不一致(サイズは一致)である場合は、ユーザが、給紙トレイを引き出し、タイプの異なった用紙を取り出して、タイプが一致した用紙を補充した後に給紙トレイを閉めるという動作を行うことによりエラーは解決される。このときのエラーを解決するための解決方法の手数は4である。さらに、第1乃至第4の何れかの給紙トレイ11〜14に蓄えられた用紙のサイズが不一致(タイプは一致)である場合は、ユーザが、給紙トレイを引き出し、サイズの異なった用紙を取り出して、給紙トレイに設けられた記録媒体のガイド部材等を移動させることにより、要求に沿う(一致した)サイズの記録媒体が補充されるべき状態にして、サイズが一致した用紙を補充した後に給紙トレイを閉めるという動作を行うことによりエラーは解決される。このときのエラーを解決するための解決方法の手数は5である。また、ステープラー35で、針が切れたときには、針を補充するという動作を行うことによりエラーは解決される。このときのエラーを解決するための解決方法の手数は6である。
【0044】
次に、図15を参照して、搬送経路テーブル記憶エリア53fに記憶された搬送経路テーブル190について説明する。搬送経路テーブル190は、各給紙トレイ11〜14と、両面印刷ユニット25と、ステープラー35と、第1及び第2の排紙トレイ30,31との組み合わせを記憶したテーブルであり、搬送経路の番号1番から16番までが記憶されている。
【0045】
次に、図16を参照して、搬送経路テーブル記憶エリア53fに記憶された搬送経路テーブル200について説明する。搬送経路テーブル200は、搬送経路テーブル190と異なり、フィニッシャー装置36を取り去った場合(使用しない場合)の各給紙トレイ11〜14と、両面印刷ユニット25と、ステープラー35と、第1の排紙トレイ30との組み合わせを記憶したテーブルであり、搬送経路の番号1番、3番、5番、7番、9番、11番が記憶されている。
【0046】
次に、図10を参照して、RAM51の指定印刷条件テーブル記憶エリア51aに記憶されたユーザの指定印刷条件テーブル140について説明する。図10は、ユーザの指定印刷条件テーブル140の概念図である。ユーザの指定印刷条件テーブル140には、レーザプリンタ1の操作パネル75を操作して、ユーザーが指定した指定印刷条件が記憶されている。例えば、指定印刷条件が例1の場合には、給紙トレイの指定が無く、用紙のサイズはB5であり、用紙のタイプは普通紙であり、片面印刷希望であり、針は打たず用紙を綴じない設定で、排紙トレイの指定は無い。また、例えば、指定印刷条件が例2の場合には、給紙トレイの指定が無く、用紙のサイズはB5であり、用紙のタイプは普通紙であり、両面印刷希望であり、針は打って用紙を綴じる設定で、排紙トレイの指定は無い。
【0047】
次に、図11を参照して、RAM51の給紙トレイの状態テーブル記憶エリア51bに記憶された給紙トレイの状態テーブル150について説明する。図11は、レーザープリンタ1のその時点での各給紙トレイの状態を記憶した給紙トレイの状態テーブル150の概念図である。各給紙トレイの状態は、用紙のサイズ及び材質等の用紙の種類と用紙の量とを検出するセンサVSからの入力により、CPU50への所定の割り込みタイミング毎に書き換えられるようになっている。図11に示す給紙トレイの状態テーブル150では、第1の給紙トレイ11は用紙サイズがB5であり、用紙タイプが透過シートであり、現在用紙は有ることが記憶されている。また、第2の給紙トレイ12は用紙サイズがA4であり、用紙タイプが普通紙であり、現在用紙は有ることが記憶されている。また、第3の給紙トレイ13は用紙サイズがB5であり、用紙タイプが普通紙であり、現在用紙は無いことが記憶されている。また、第4の給紙トレイ14は用紙サイズがB5であり、用紙タイプが普通紙であり、現在用紙は有ることが記憶されている。
【0048】
次に、図12を参照して、RAM51の排紙トレイの状態テーブル記憶エリア51cに記憶された排紙トレイの状態テーブル160について説明する。図12は、レーザープリンタ1のその時点での各排紙トレイの状態を記憶した排紙トレイの状態テーブル160の概念図である。尚、各排紙トレイの状態は、第1及び第2の排紙トレイ30,31に各々設けられたMSからの入力により、CPU50への所定の割り込みタイミング毎に書き換えられるようになっている。図12に示す排紙トレイの状態テーブル160では、第1の排紙トレイ30は満杯であり、第2の排紙トレイ31は空きであることが記憶されている。
【0049】
次に、図13を参照して、RAM51の両面印刷ユニットのカバーの開閉状態テーブル記憶エリア51dに記憶された両面印刷ユニットのカバーの開閉状態テーブル170について説明する。図13は、レーザープリンタ1のその時点での両面印刷ユニットのカバーの開閉状態を記憶した両面印刷ユニットのカバーの開閉状態テーブル170の概念図である。尚、両面印刷ユニット25のカバーの開閉状態は、両面印刷ユニット25が閉じられたか否かを検出するセンサCSからの入力により、CPU50への所定の割り込みタイミング毎に書き換えられるようになっている。図13に示す両面印刷ユニットのカバーの開閉状態テーブル170では、両面印刷ユニット25のカバーは閉じられていることが記憶されている。
【0050】
次に、図14を参照して、RAM51の針有無状態テーブル記憶エリア51eに記憶されたステープラー35の針有無状態テーブル180について説明する。図14は、レーザープリンタ1のその時点でのステープラー35の針の有無を記憶したステープラー35の針有無状態テーブル180の概念図である。尚、針の有無の状態は、針の有無を検出する図示外のセンサからの入力により、CPU50への所定の割り込みタイミング毎に書き換えられるようになっている。図14に示す針有無状態テーブル180では、針が有ることが、記憶されている。
【0051】
次に、図21を参照して、RAM51のエラーテーブル記憶エリア51gに記憶されたエラーテーブル210について説明する。図21は、エラーテーブル210の一例を示す概念図である。図21に示すように、エラーテーブル210には、ユーザが指定した印刷条件のうち、装置の能力によって充足不能な印刷条件と充足不能な印刷条件数と、装置の状態によるエラーと、エラー番号と、手数の合計とが記憶されている。
【0052】
次に、上記のように構成された、本実施の形態のレーザプリンタ1の動作について図17乃至19に示すフローチャートに基づいて説明する。図17は、レーザプリンタ1の印刷処理のフローチャートであり、図18は、エラー判定処理のフローチャートであり、図19は、重複除外処理のサブルーチンのフローチャートである。
【0053】
図17に示す印刷処理のフローチャートにあるように、まず、ユーザが、レーザプリンタ1の操作パネル75を操作して印刷条件を入力すると(S1)、その印刷条件は、図10に示すRAM51の指定印刷条件テーブル記憶エリア51aのユーザの指定印刷条件テーブル140に記憶される(S2)。例えば、ユーザが、給紙トレイ及び排紙トレイを指定せずに、B5サイズの普通紙に片面印刷をし、ステープラーの針で綴じないという要求をした場合には(S1)、その要求が、図10(a)に示すRAM51の指定印刷条件テーブル記憶エリア51aに記憶されたユーザの指定印刷条件テーブル140に例1のように記憶される(S2)。また、ユーザが、レーザプリンタ1の操作パネル75を操作して、給紙トレイ及び排紙トレイを指定せずに、B5サイズの普通紙に両面印刷をし、ステープラーの針で綴じるという要求をした場合には(S1)、その要求が、図10(b)に示すRAM51の指定印刷条件テーブル記憶エリア51aに記憶されたユーザの指定印刷条件テーブル140に例2のように記憶される(S2)。
【0054】
S2の処理に続いて、ユーザの指定印刷条件テーブル140に記憶されたユーザの指定印刷条件が読み出される(S3)。次いで、ユーザの要求に対して、現在の装置状態のままユーザ指定を充足して印刷可能な搬送経路があるか否かを判断する(S4)。この判断は、図6に示す用紙のサイズの制約テーブル100と、図7に示す用紙のタイプの制約テーブル110と、図8に示す搬送路の制約テーブル120と、図11に示す給紙トレイの状態テーブル150と、図12に示す排紙トレイの状態テーブル160と、図13に示す両面印刷ユニットのカバーの開閉状態テーブル170と、図14に示すステープラー35の針有無状態テーブル180とを参照して、各制約テーブルの制約に該当するか否かと、各状態テーブルの各状態とに基づいて決定される。従って、各制約テーブルの制約に該当せず、使用する給紙トレイ11〜14、排紙トレイ30,31や、両面印刷ユニット25が使用可能な搬送経路がある場合には、ユーザ指定を充足して印刷可能な搬送経路があり(S4:YES)と判断され、そのまま印刷を行って(S5)、処理を終了する。また、各制約テーブルの何れかの制約に該当するか、使用する給紙トレイ11〜14、排紙トレイ30,31や、両面印刷ユニット25が使用不可能な搬送経路しかない場合には、ユーザ指定を充足して印刷可能な搬送経路がない(S4:NO)と判断されることになる。
【0055】
ここで、現在の装置状態のままユーザ指定を充足して印刷可能な搬送経路が存在していない場合には(S4:NO)、図18に示すフローチャートのエラー判定処理に進む(S6)。
【0056】
次に、図18を参照して、エラー判定処理について説明する。図18は、エラー判定処理のフローチャートである。ここでは、フィニッシャー装置36が装着されており、充足不能でも継続可能な印刷条件の最大数の設定が「1」の場合で、充足不能でも継続可能な印刷条件の設定が「印刷面指定」の場合で、図10に示す指定印刷条件テーブル140のユーザ設定が例2(給紙トレイの指定が無く、サイズ指定がB5で、タイプ指定が普通紙で、印刷面指定が両面で、綴じ指定が綴じるで、排紙トレイ指定が指定無し)の場合について、図18のフローチャートを参照して説明する。
【0057】
図18に示すように、エラー判定処理では、搬送経路テーブル記憶エリア53fに記憶された図15に示す搬送経路テーブル190から搬送経路を一つ選択する(S11)。まず、搬送経路テーブル190の搬送経路1を選択する。この搬送経路1では、第1の給紙トレイ11(給紙トレイ「1」)から給紙され、両面印刷ユニット25が使用され、ステープラー35は使用されず、第1の排紙トレイ30(排紙トレイ「1」)に排紙される。この選択した搬送経路1について充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーがあるか否かを判断する(S12)。搬送経路1の場合には、ステープラー35が使用できず、ユーザ設定の例2の「綴じ指定」を実行できない。充足不能でも継続可能な印刷条件の設定は「印刷面指定」なので、充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーは有りと判断され(S12:YES)、S11に戻り、図15に示す搬送経路テーブル190から次の搬送経路2を選択する(S11)。
【0058】
この搬送経路2では、第1の給紙トレイ11(給紙トレイ「1」)から給紙され、両面印刷ユニット25が使用され、ステープラー35は使用されず、第2の排紙トレイ31(排紙トレイ「2」)に排紙される。この選択した搬送経路2について充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーがあるか否かを判断する(S12)。搬送経路2の場合には、ステープラー35が使用できず、ユーザ設定の例2の「綴じ指定」を充足できない。充足不能でも継続可能な印刷条件の設定は「印刷面指定」なので、充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーは有りと判断され(S12:YES)、S11に戻り、図15に示す搬送経路テーブル190から次の搬送経路3を選択する(S11)。
【0059】
この搬送経路3では、第2の給紙トレイ12(給紙トレイ「2」)から給紙され、両面印刷ユニット25が使用され、ステープラー35は使用されず、第1の排紙トレイ30(排紙トレイ「1」)に排紙される。この選択した搬送経路3について充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーがあるか否かを判断する(S12)。搬送経路3の場合には、ステープラー35が使用できず、ユーザ設定の例2の「綴じ指定」を充足できない。充足不能でも継続可能な印刷条件の設定は「印刷面指定」なので、充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーは有りと判断され(S12:YES)、S11に戻り、図15に示す搬送経路テーブル190から次の搬送経路4を選択する(S11)。
【0060】
この搬送経路4では、第2の給紙トレイ12(給紙トレイ「2」)から給紙され、両面印刷ユニット25が使用され、ステープラー35は使用されず、第2の排紙トレイ31(排紙トレイ「2」)に排紙される。この選択した搬送経路4について充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーがあるか否かを判断する(S12)。搬送経路4の場合には、ステープラー35が使用できず、ユーザ設定の例2の「綴じ指定」を充足できない。充足不能でも継続可能な印刷条件の設定は「印刷面指定」なので、充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーは有りと判断され(S12:YES)、S11に戻り、図15に示す搬送経路テーブル190から次の搬送経路5を選択する(S11)。
【0061】
この搬送経路5では、第1の給紙トレイ11(給紙トレイ「1」)から給紙され、両面印刷ユニット25が使用されず、ステープラー35も使用されず、第1の排紙トレイ30(排紙トレイ「1」)に排紙される。この選択した搬送経路5について充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーがあるか否かを判断する(S12)。搬送経路5の場合には、両面印刷ユニット25及びステープラー35が使用できず、ユーザ設定の例2の「印刷面指定」及び「綴じ指定」を充足できない。充足不能でも継続可能な印刷条件の設定は「印刷面指定」なので、充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーである「綴じ指定」のエラーが有りと判断され(S12:YES)、S11に戻り、図15に示す搬送経路テーブル190から次の搬送経路6を選択する(S11)。
【0062】
この搬送経路6では、第1の給紙トレイ11(給紙トレイ「1」)から給紙され、両面印刷ユニット25が使用されず、ステープラー35も使用されず、第2の排紙トレイ31(排紙トレイ「2」)に排紙される。この選択した搬送経路6について充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーがあるか否かを判断する(S12)。搬送経路6の場合には、両面印刷ユニット25及びステープラー35が使用できず、ユーザ設定の例2の「印刷面指定」及び「綴じ指定」を充足できない。充足不能でも継続可能な印刷条件の設定は「印刷面指定」なので、充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーである「綴じ指定」のエラーが有りと判断され(S12:YES)、S11に戻り、図15に示す搬送経路テーブル190から次の搬送経路7を選択する(S11)。
【0063】
この搬送経路7では、第2の給紙トレイ12(給紙トレイ「2」)から給紙され、両面印刷ユニット25が使用されず、ステープラー35も使用されず、第1の排紙トレイ30(排紙トレイ「1」)に排紙される。この選択した搬送経路7について充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーがあるか否かを判断する(S12)。搬送経路7の場合には、両面印刷ユニット25及びステープラー35が使用できず、ユーザ設定の例2の「印刷面指定」及び「綴じ指定」を充足できない。充足不能でも継続可能な印刷条件の設定は「印刷面指定」なので、充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーである「綴じ指定」のエラーが有りと判断され(S12:YES)、S11に戻り、図15に示す搬送経路テーブル190から次の搬送経路8を選択する(S11)。
【0064】
この搬送経路8では、第2の給紙トレイ12(給紙トレイ「2」)から給紙され、両面印刷ユニット25が使用されず、ステープラー35も使用されず、第2の排紙トレイ31(排紙トレイ「2」)に排紙される。この選択した搬送経路8について充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーがあるか否かを判断する(S12)。搬送経路8の場合には、両面印刷ユニット25及びステープラー35が使用できず、ユーザ設定の例2の「印刷面指定」及び「綴じ指定」を充足できない。充足不能でも継続可能な印刷条件の設定は「印刷面指定」なので、充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーである「綴じ指定」のエラーが有りと判断され(S12:YES)、S11に戻り、図15に示す搬送経路テーブル190から次の搬送経路9を選択する(S11)。
【0065】
この搬送経路9では、第3の給紙トレイ13(給紙トレイ「3」)から給紙され、両面印刷ユニット25が使用されず、ステープラー35も使用されず、第1の排紙トレイ30(排紙トレイ「1」)に排紙される。この選択した搬送経路9について充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーがあるか否かを判断する(S12)。搬送経路9の場合には、両面印刷ユニット25及びステープラー35が使用できず、ユーザ設定の例2の「印刷面指定」及び「綴じ指定」を充足できない。充足不能でも継続可能な印刷条件の設定は「印刷面指定」なので、充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーである「綴じ指定」のエラーが有りと判断され(S12:YES)、S11に戻り、図15に示す搬送経路テーブル190から次の搬送経路10を選択する(S11)。
【0066】
この搬送経路10では、第3の給紙トレイ13(給紙トレイ「3」)から給紙され、両面印刷ユニット25が使用されず、ステープラー35も使用されず、第2の排紙トレイ31(排紙トレイ「2」)に排紙される。この選択した搬送経路10について充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーがあるか否かを判断する(S12)。搬送経路10の場合には、両面印刷ユニット25及びステープラー35が使用できず、ユーザ設定の例2の「印刷面指定」及び「綴じ指定」を充足できない。充足不能でも継続可能な印刷条件の設定は「印刷面指定」なので、充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーである「綴じ指定」のエラーが有りと判断され(S12:YES)、S11に戻り、図15に示す搬送経路テーブル190から次の搬送経路11を選択する(S11)。
【0067】
この搬送経路11では、第4の給紙トレイ14(給紙トレイ「4」)から給紙され、両面印刷ユニット25が使用されず、ステープラー35も使用されず、第1の排紙トレイ30(排紙トレイ「1」)に排紙される。この選択した搬送経路11について充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーがあるか否かを判断する(S12)。搬送経路11の場合には、両面印刷ユニット25及びステープラー35が使用できず、ユーザ設定の例2の「印刷面指定」及び「綴じ指定」を充足できない。充足不能でも継続可能な印刷条件の設定は「印刷面指定」なので、充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーである「綴じ指定」のエラーが有りと判断され(S12:YES)、S11に戻り、図15に示す搬送経路テーブル190から次の搬送経路12を選択する(S11)。
【0068】
この搬送経路12では、第1の給紙トレイ11(給紙トレイ「1」)から給紙され、両面印刷ユニット25が使用され、ステープラー35も使用され、第2の排紙トレイ31(排紙トレイ「2」)に排紙される。この選択した搬送経路12について充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーがあるか否かを判断する(S12)。搬送経路12の場合には、両面印刷ユニット25及びステープラー35が使用されるので、ユーザ設定の例2の「印刷面指定」及び「綴じ指定」を充足できる。したがって、充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーが無しと判断される(S12:NO)。次いで、充足不能な条件数が、充足不能でも実行を継続可能な条件数の最大値を越えるか否かを判断する(S13)。搬送経路12の場合には、充足不能な条件数が「0」で、充足不能でも実行を継続可能な条件数の最大値「1」を越えないので(S13:NO)、充足不能な条件数と印刷条件とを搬送経路とともにRAM51のエラーテーブル記憶エリア51gに記憶する(S14)。
【0069】
次いで、搬送経路12について、装置状態によるエラーを判定する(S15)。搬送経路12の場合には、第1の給紙トレイ11から給紙されるが、第1の給紙トレイ11は、図11に示す給紙トレイの状態テーブル150を参照すると、用紙サイズは「B5」であるが、用紙タイプが透過シートであり、ユーザ設定の例2の「普通紙」を満たすことができず、搬送経路と共に装置状態によるエラーのエラー番号「7」(第1の給紙トレイ11タイプ不一致(図9参照))をRAM51のエラーテーブル記憶エリア51gに記憶する(S15)。次いで、図9に示す解決手段ごとのユーザの手数テーブル130を参照して、エラー番号「7」を解決するための手数を読出す。他に装置状態によるエラーはないので、エラーを解決するための手数の合計は4となる。を合計し、その手数の合計「4」と、当該手数の合計に対応する搬送経路(搬送経路12)とをRAM51のエラーテーブル記憶エリア51gに記憶する(S16)。次いで、まだ、他に搬送経路はあるので(S17:YES)、S11に戻り、図15に示す搬送経路テーブル190から次の搬送経路13を選択する(S11)。
【0070】
この搬送経路13では、第2の給紙トレイ12(給紙トレイ「2」)から給紙され、両面印刷ユニット25が使用され、ステープラー35も使用され、第2の排紙トレイ31(排紙トレイ「2」)に排紙される。この選択した搬送経路13について充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーがあるか否かを判断する(S12)。搬送経路13の場合には、両面印刷ユニット25及びステープラー35が使用されるので、ユーザ設定の例2の「印刷面指定」及び「綴じ指定」を充足できる。したがって、充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーが無しと判断される(S12:NO)。次いで、充足不能な条件数が、充足不能でも実行を継続可能な条件数の最大値を越えるか否かを判断する(S13)。搬送経路13の場合には、充足不能な条件数が「0」で、充足不能でも実行を継続可能な条件数の最大値「1」を越えないので(S13:NO)、充足不能な条件数と印刷条件とを搬送経路とともにRAM51のエラーテーブル記憶エリア51gに記憶する(S14)。
【0071】
次いで、搬送経路13について、装置状態によるエラーを判定する(S15)。搬送経路13の場合には、第2の給紙トレイ12から給紙されるが、第2の給紙トレイ12は、図11に示す給紙トレイの状態テーブル150を参照すると、用紙サイズは「A4」であり、ユーザ設定の例2の「B5」を満たすことができず、搬送経路と共に装置状態によるエラーのエラー番号「12」(第2の給紙トレイ12サイズ不一致(図9参照))をRAM51のエラーテーブル記憶エリア51gに記憶する(S15)。次いで、図9に示す解決手段ごとのユーザの手数テーブル130を参照して、エラー番号「12」を解決するための手数を読出す。他に装置状態によるエラーはないので、エラーを解決するための手数の合計は5となる。その手数の合計「5」と、当該手数の合計に対応する搬送経路(搬送経路13)とをRAM51のエラーテーブル記憶エリア51gに記憶する(S16)。次いで、まだ、他に搬送経路はあるので(S17:YES)、S11に戻り、図15に示す搬送経路テーブル190から次の搬送経路14を選択する(S11)。
【0072】
この搬送経路14では、第1の給紙トレイ11(給紙トレイ「1」)から給紙され、両面印刷ユニット25が使用されず、ステープラー35は使用され、第2の排紙トレイ31(排紙トレイ「2」)に排紙される。この選択した搬送経路14について充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーがあるか否かを判断する(S12)。搬送経路14の場合には、両面印刷ユニット25が使用されず、ステープラー35が使用されるので、ユーザ設定の例2の「印刷面指定」を充足せず、「綴じ指定」を充足する。ここで、充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として「印刷面指定」が設定されているので、充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている。印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーが無しと判断される(S12:NO)。次いで、充足不能な条件数が、充足不能でも実行を継続可能な条件数の最大値を越えるか否かを判断する(S13)。搬送経路14の場合には、充足不能な条件数が「1」で、充足不能でも実行を継続可能な条件数の最大値「1」を越えないので(S13:NO)、充足不能な条件数と印刷条件とを搬送経路とともにRAM51のエラーテーブル記憶エリア51gに記憶する(S14)。
【0073】
次いで、搬送経路14について、装置状態によるエラーを判定する(S15)。搬送経路14の場合には、第1の給紙トレイ11から給紙されるが、第1の給紙トレイ11は、図11に示す給紙トレイの状態テーブル150を参照すると、用紙サイズは「B5」であるが、用紙タイプが透過シートであり、ユーザ設定の例2の「普通紙」を満たすことができず、搬送経路と共に装置状態によるエラーのエラー番号「7」(第1の給紙トレイ11タイプ不一致(図9参照))をRAM51のエラーテーブル記憶エリア51gに記憶する(S15)。次いで、図9に示す解決手段ごとのユーザの手数テーブル130を参照して、エラー番号「7」を解決するための手数を読出す。他に装置状態によるエラーはないので、エラーを解決するための手数の合計は4となる。その手数の合計「4」と、当該手数の合計に対応する搬送経路(搬送経路14)とをRAM51のエラーテーブル記憶エリア51gに記憶する(S16)。次いで、まだ、他に搬送経路はあるので(S17:YES)、S11に戻り、図15に示す搬送経路テーブル190から次の搬送経路15を選択する(S11)。
【0074】
この搬送経路15では、第2の給紙トレイ12(給紙トレイ「2」)から給紙され、両面印刷ユニット25が使用されず、ステープラー35は使用され、第2の排紙トレイ31(排紙トレイ「2」)に排紙される。この選択した搬送経路15について充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーがあるか否かを判断する(S12)。搬送経路15の場合には、両面印刷ユニット25が使用されず、ステープラー35が使用されるので、ユーザ設定の例2の「印刷面指定」を充足せず、「綴じ指定」を充足する。ここで、充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として「印刷面指定」が設定されているので、充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている。印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーが無しと判断される(S12:NO)。次いで、充足不能な条件数が、充足不能でも実行を継続可能な条件数の最大値を越えるか否かを判断する(S13)。搬送経路15の場合には、充足不能な条件数が「1」で、充足不能でも実行を継続可能な条件数の最大値「1」を越えないので(S13:NO)、充足不能な条件数と印刷条件とを搬送経路とともにRAM51のエラーテーブル記憶エリア51gに記憶する(S14)。
【0075】
次いで、搬送経路15について、装置状態によるエラーを判定する(S15)。搬送経路15の場合には、第2の給紙トレイ12から給紙されるが、第2の給紙トレイ12は、図11に示す給紙トレイの状態テーブル150を参照すると、用紙サイズは「A4」であり、ユーザ設定の例2の「B5」を満たすことができず、搬送経路と共に装置状態によるエラーのエラー番号「12」(第2の給紙トレイ12サイズ不一致(図9参照))をRAM51のエラーテーブル記憶エリア51gに記憶する(S15)。次いで、図9に示す解決手段ごとのユーザの手数テーブル130を参照して、エラー番号「12」を解決するための手数を読出す。他に装置状態によるエラーはないので、エラーを解決するための手数の合計は5となる。その手数の合計「5」と、当該手数の合計に対応する搬送経路(搬送経路15)とをRAM51のエラーテーブル記憶エリア51gに記憶する(S16)。次いで、まだ、他に搬送経路はあるので(S17:YES)、S11に戻り、図15に示す搬送経路テーブル190から次の搬送経路16を選択する(S11)。
【0076】
この搬送経路16では、第3の給紙トレイ13(給紙トレイ「3」)から給紙され、両面印刷ユニット25が使用されず、ステープラー35は使用され、第2の排紙トレイ31(排紙トレイ「2」)に排紙される。この選択した搬送経路16について充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーがあるか否かを判断する(S12)。搬送経路16の場合には、両面印刷ユニット25が使用されず、ステープラー35が使用されるので、ユーザ設定の例2の「印刷面指定」を充足せず、「綴じ指定」を充足する。ここで、充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として「印刷面指定」が設定されているので、充足不能でも実行を継続可能な印刷条件として設定されている。印刷条件についてのエラー以外の装置能力によるエラーが無しと判断される(S12:NO)。次いで、充足不能な条件数が、充足不能でも実行を継続可能な条件数の最大値を越えるか否かを判断する(S13)。搬送経路16の場合には、充足不能な条件数が「1」で、充足不能でも実行を継続可能な条件数の最大値「1」を越えないので(S13:NO)、充足不能な条件数と印刷条件とを搬送経路とともにRAM51のエラーテーブル記憶エリア51gに記憶する(S14)。
【0077】
次いで、搬送経路16について、装置状態によるエラーを判定する(S15)。搬送経路16の場合には、第3の給紙トレイ13から給紙されるが、第3の給紙トレイ13は、図11に示す給紙トレイの状態テーブル150を参照すると、用紙サイズは「B5」であり、用紙タイプは「普通紙」で、ユーザ設定の例2の「B5」及び「普通紙」を満たすが、用紙が無いので、搬送経路と共に装置状態によるエラーのエラー番号「5」(第3の給紙トレイ13紙無し(図9参照))をRAM51のエラーテーブル記憶エリア51gに記憶する(S15)。次いで、図9に示す解決手段ごとのユーザの手数テーブル130を参照して、エラー番号「5」を解決するための手数を読出す。他に装置状態によるエラーはないので、エラーを解決するための手数の合計は5となる。その手数の合計「3」と、当該手数の合計に対応する搬送経路(搬送経路16)とをRAM51のエラーテーブル記憶エリア51gに記憶する(S16)。他に搬送経路は無いので(S17:NO)、S18に移行する。
【0078】
S18の処理では、充足不能条件数に基づいて昇順で整列する(S18)。このとき、同じ充足不能条件数の搬送経路については、さらに手数の合計に基づいて昇順で整列する。尚、手数の合計が同じ場合のものは搬送経路番号の昇順に整列される(S18)。以上の整列によりエラーテーブルに記憶された解決方法を提供する搬送経路の優先度が決定される。整列後エラーテーブルの上位にある搬送経路ほど優先度が高い。
【0079】
そして、エラー原因が他を包括する搬送経路を除外する設定が予めなされている場合には(S19:YES)、エラー原因が他を包括する搬送経路を除外する重複除外処理を行う(S20)。この重複除外処理(S20)について、図19に示す重複除外処理のサブルーチンのフローチャートを参照して説明する。
【0080】
図19に示すフローチャートのように、この重複除外処理(S20)では、まず、Current=2番目に優先度の高い搬送経路として、2番目に優先度の高い搬送経路に着目する(S201)。次いで、Currentとした搬送経路が空か否かを判断する(S202)。Currentとした搬送経路が空ならば(S202:YES)、図18に示すフローチャートにリターンし、S21に進む。Currentとした搬送経路が空でなければ(S202:NO)、temp=最も優先度の高い搬送経路とする(S203)。次いで、tempとした搬送経路の優先度がCurrentの搬送経路の優先度よりも高いか否かを判断する(S204)。tempの搬送経路の優先度がCurrentの搬送経路の優先度よりも高い場合には(S204:YES)、tempの搬送経路のエラー番号をCurrentの搬送経路のエラー番号が全て含むか否かを判断する(S205)。
【0081】
tempの搬送経路のエラー番号をCurrentの搬送経路のエラー番号が全て含む場合には(S205:YES)、Currentの搬送経路を図21に示すエラーテーブル210から除外する。その後、Currentを次に優先度が高い搬送経路に設定し(S208)、S202の判断処理に戻る。また、tempの搬送経路のエラー番号をCurrentの搬送経路のエラー番号が全て含まない場合には(S205:NO)、tempを次に優先度が高い搬送経路に設定し(S207)、S204に戻る。tempの搬送経路の優先度がCurrentの搬送経路の優先度よりも高くない場合には(S204:NO)、S208に進み、tempの搬送経路の優先度がCurrentの搬送経路の優先度よりも高い場合にはS205に進む。以後、前記同様の処理を繰り返す。
【0082】
上記のように重複するものを除外する場合に(S19:YES)、上記の重複除外処理(S20)が終了した場合(S20)、また、重複するものを除外しない場合(S19:NO)には、表示部76に搬送経路をエラーの原因、解決方法とともに表示する(S21)。尚、S21の処理が終了すると、図17に示すS7に移行し、レーザプリンタ1の状態が変化した場合には(S7:YES)、S4に戻り、ユーザ指定を充足して印刷可能な搬送経路が有れば(S4:YES)、印刷を行い(S5)、処理を終了する。尚、上記の例では、S20の重複除外処理が終了すると、図25に示すエラーテーブル210dが作成されることになる。
【0083】
以下に、上記のエラー判定処理を行った場合のエラーテーブル210の例及び表示部76への表示例を図21乃至図45を参照して、場合分けして説明する。
(場合1)
フィニッシャー装置36が装着されており、充足不能でも継続可能な印刷条件の最大数印刷条件の最大数の設定が「0」の場合で、充足不能でも継続可能な印刷条件の設定が「無し」の場合で、図10に示す指定印刷条件テーブル140のユーザ設定が例1の場合に、図18に示すフローチャートのエラー判定処理のS17までの処理が終了した場合には、図21に示すエラーテーブル210が作成される。次いで、図18に示すフローチャートのエラー判定処理のS18の処理の整列を行うと、図21に示すエラーテーブル210は充足不能な印刷条件数は何れも「0」なので、手数の合計の昇順に整列を行い、手数の合計が同じものは、搬送経路番号(左端のNo.)の昇順に整列を行うと、図22に示すエラーテーブル210bが作成される。このエラーテーブル210bに対して、図18に示すフローチャートの重複除外処理S20を行うと、搬送経路番号9,5,7が削除されて、図23に示すように、搬送経路番号11,10,6,8の順に整列されたエラーテーブル210cが作成される。
【0084】
このエラーテーブル210cに基づいて、表示部76に、図24に示すような表示が行われる。図24に示す表示例では、表示部76に、上から、『「解決手段1:第1の排紙トレイの用紙を取り除いてください。」、「原因:排紙トレイが満杯です。」、「経路:第4の給紙トレイ−第1の排紙トレイ」、「手数:1」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りに、第1の排紙トレイ30の用紙を取り除く手数1の動作をするのみで、エラーを解決することができる。即ち、最上段に表示された指示が、ユーザにとって最も手数がかからない解決方法である。
【0085】
また、図24に示す表示例では、解決手段1の次に『「解決手段2:第3の給紙トレイに紙を補充してください。」、「原因:給紙トレイに用紙がありません。」、「経路:第3の給紙トレイ−第2の排紙トレイ」、「手数:3」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りに、第3の給紙トレイ13に用紙補充する手数3の動作をすると、エラーを解決することができる。
【0086】
また、図24に示す表示例では、解決手段2の次に『「解決手段3:第1の給紙トレイの用紙を普通紙に入れ替えてください。」、「原因:給紙トレイの用紙タイプが一致しません。」、「経路:第1の給紙トレイ−第2の排紙トレイ」、「手数:4」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りに、第1の給紙トレイの用紙を普通紙に入れ替える手数4の動作をすると、エラーを解決することができる。
【0087】
また、図24に示す表示例では、解決手段3の次に『「解決手段4:給紙トレイ2の用紙をB5サイズに入れ替えてください。」、「原因:給紙トレイの用紙サイズが一致しません。」、「経路:第2の給紙トレイ−第2の排紙トレイ」、「手数:5」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りに、第2の給紙トレイの用紙をB5サイズに入れ替える手数4の動作をすると、エラーを解決することができる。
(場合2)
フィニッシャー装置36が装着されており、充足不能でも継続可能な印刷条件の最大数印刷条件の最大数の設定が「1」の場合で、充足不能でも継続可能な印刷条件の設定が「印刷面指定」の場合で、図10に示す指定印刷条件テーブル140のユーザ設定が例2の場合に、図18に示すフローチャートのエラー判定処理のS17までの処理が終了した場合には、図25に示すエラーテーブル210dが作成される。次いで、図18に示すフローチャートのエラー判定処理のS18の処理の整列を行うと、図25に示すエラーテーブル210dの充足不能な印刷条件数の「0」のものを「1」のものに優先して、手数の合計の昇順に整列を行い、手数の合計が同じものは、搬送経路番号(左端のNo.)の昇順に整列を行うと、図26に示すエラーテーブル210eが作成される。このエラーテーブル210eに対して、図18に示すフローチャートの重複除外処理S20を行うと、搬送経路番号14,15が削除されて、図27に示すように、搬送経路番号12,13,16の順に整列されたエラーテーブル210fが作成される。
【0088】
このエラーテーブル210fに基づいて、表示部76に、図28に示すような表示が行われる。図28に示す表示例では、表示部76に、上から、『「解決手段1:第1の給紙トレイの用紙を普通紙に入れ替えてください。」、「原因:給紙トレイの用紙タイプが一致しません。」、「経路:第1の給紙トレイ−両面ユニット−ステープラー−第2の排紙トレイ」、「手数:4」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りに、第1の給紙トレイの用紙を普通紙に入れ替える手数4の動作をするのみで、エラーを解決することができる。
【0089】
また、図28に示す表示例では、解決手段1の次に『「解決手段2:第2の給紙トレイの用紙をB5サイズに入れ替えてください。」、「原因:給紙トレイの用紙サイズが一致しません。」、「経路:第2の給紙トレイ−両面ユニット−ステープラー−第2の排紙トレイ」、「手数:5」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りに、第2の給紙トレイの用紙をB5サイズに入れ替える手数5の動作をすると、エラーを解決することができる。
【0090】
また、図28に示す表示例では、解決手段2の次に『「解決手段3:第3の給紙トレイに用紙を補充してください。」、「原因:給紙トレイに用紙がありません。」、「制限:両面印刷はできません。」「経路:第3の給紙トレイ−ステープラー−排紙トレイ2」、「手数:3」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りに、第3の給紙トレイに用紙を補充すると、エラーを解決することができる。但し、両面印刷はできない。
(場合3)
フィニッシャー装置36が装着されており、充足不能でも継続可能な印刷条件の最大数印刷条件の最大数の設定が「2」の場合で、充足不能でも継続可能な印刷条件の設定が「印刷面指示、綴じ指示」の場合で、図10に示す指定印刷条件テーブル140のユーザ設定が例2の場合に、図18に示すフローチャートのエラー判定処理のS17までの処理が終了した場合には、図29に示すエラーテーブル210gが作成される。次いで、図18に示すフローチャートのエラー判定処理のS18の処理の整列を行うと、図29に示すエラーテーブル210gの充足不能な印刷条件数の「0」、「1」、「2」の順に、手数の合計の昇順に整列を行い、手数の合計が同じものは、搬送経路番号(左端のNo.)の昇順に整列を行うと、図30に示すエラーテーブル210hが作成される。このエラーテーブル210hに対して、図18に示すフローチャートの重複除外処理S20を行うと、搬送経路番号2,14,1,4,15,3,10,6,9,5,8,7が削除されて、図31に示すように、搬送経路番号12,13,16,11の順に整列されたエラーテーブル210iが作成される。
【0091】
このエラーテーブル210iに基づいて、表示部76に、図32に示すような表示が行われる。図32に示す表示例では、表示部76に、上から、『「解決手段1:第1の給紙トレイの用紙を普通紙に入れ替えてください。」、「原因:給紙トレイの用紙タイプが一致しません。」、「経路:第1の給紙トレイ−両面ユニット−ステープラー−第2の排紙トレイ」、「手数:4」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りに、第1の給紙トレイの用紙を普通紙に入れ替える手数4の動作を行うだけで、エラーを解決することができる。
【0092】
また、図32に示す表示例では、解決手段1の次に『「解決手段2:第2の給紙トレイの用紙をB5サイズに入れ替えてください。」、「原因:給紙トレイの用紙サイズが一致しません。」、「経路:第2の給紙トレイ−両面ユニット−ステープラー−第2の排紙トレイ」、「手数:5」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りに、第2の給紙トレイの用紙をB5サイズに入れ替える手数5の動作を行うと、エラーを解決することができる。
【0093】
また、図32に示す表示例では、解決手段2の次に『「解決手段3:第3の給紙トレイの用紙を補充してください。」、「原因:給紙トレイに用紙がありません。」、「制限:両面印刷はできません。」、「経路:第3の給紙トレイ−ステープラー−第2の排紙トレイ」、「手数:3」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りに、第3の給紙トレイの用紙を補充する手数3の動作を行うと、エラーを解決することができる。但し、両面印刷はできない。
【0094】
また、図32に示す表示例では、解決手段3の次に『「解決手段4:第1の排紙トレイ1の用紙を取り除いてください。」、「原因:排紙トレイが満杯です。」、「制限:両面印刷はできません。綴じることはできません。」、「経路:第4の給紙トレイ−第1の排紙トレイ」、「手数:1」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りに、第1の排紙トレイ1の用紙を取り除く手数4の動作を行うと、エラーを解決することができる。但し、両面印刷はできず、綴じることもできない。
【0095】
ここで、装置能力の変更があった場合の処理を図20に示す装置能力変更処理について説明する。図20は、装置能力変更処理のフローチャートである。例えば、フィニッシャー装置36が取り外された場合には、装置能力に変更が有ったので(S41:YES)、EEP−ROM53に記憶している用紙サイズの制約テーブル100と、用紙タイプの制約テーブル110と、搬送路の制約テーブル120とを更新して、ステープル許可欄を削除する(S42)。その後、装置能力変更処理を終了する。尚、EEP−ROM53に記憶している各テーブルの更新処理は、変更された装置に応じて行われる。以下に、フィニッシャー装置36が未装着となった場合の例を説明する。
(場合4)
フィニッシャー装置36が未装着で、充足不能でも継続可能な印刷条件の最大数印刷条件の最大数の設定が「0」の場合で、充足不能でも継続可能な印刷条件の設定が「無し」の場合で、図10に示す指定印刷条件テーブル140のユーザ設定が例1の場合に、図18に示すフローチャートのエラー判定処理のS17までの処理が終了した場合には、図33に示すエラーテーブル210jが作成される。次いで、図18に示すフローチャートのエラー判定処理のS18の処理の整列を行うと、図33に示すエラーテーブル210fの充足不能な印刷条件数は「0」なので、手数の合計の昇順に整列を行と、図34に示すエラーテーブル210kが作成される。このエラーテーブル210kに対して、図18に示すフローチャートの重複除外処理S20を行うと、搬送経路番号9,5,7が削除されて、図35に示すように、搬送経路番号11のみのエラーテーブル210mが作成される。
【0096】
このエラーテーブル210mに基づいて、表示部76に、図36に示すような表示が行われる。図36に示す表示例では、表示部76に、上から、『「解決手段1:第1の排紙トレイの用紙を取り除いてください。」、「原因:排紙トレイが満杯です。」、「経路:第4の給紙トレイ−第1の排紙トレイ」、「手数:1」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りに、第1の排紙トレイの用紙を取り除く手数1の動作を行うだけで、エラーを解決することができる。
【0097】
また、重複除外処理S20を行わない場合には(図18のS19:NO)、図34に示すエラーテーブル210kに基づいて、表示部76に、図37に示すような表示が行われる。図37に示す表示例では、表示部76に、上から、『「解決手段1:第1の排紙トレイの用紙を取り除いてください。」、「原因:排紙トレイが満杯です。」、「経路:第4の給紙トレイ−第1の排紙トレイ」、「手数:1」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りに、第1の排紙トレイの用紙を取り除く手数1の動作を行うだけで、エラーを解決することができる。
【0098】
また、図37に示す表示例では、解決手段1の次に『「解決手段2:第1の排紙トレイの用紙を取り除いてください。第3の給紙トレイに用紙を補充してください。」、「原因:排紙トレイが満杯です。給紙トレイに用紙がありません。」、「経路:第3給紙トレイ−第1の排紙トレイ」、「手数:4」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りに、第1の排紙トレイの用紙を取り除き、第3の給紙トレイに用紙を補充する手数4の動作を行うと、エラーを解決することができる。
【0099】
また、図37に示す表示例では、解決手段2の次に『「解決手段3:第1の排紙トレイの用紙を取り除いてください。第1の給紙トレイの用紙を普通紙に入れ替えてください。」、「原因:排紙トレイが満杯です。給紙トレイの用紙タイプが一致しません。」、「経路:第1の給紙トレイ−第1の排紙トレイ」、「手数:5」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りに、第1の排紙トレイの用紙を取り除き、第1の給紙トレイの用紙を普通紙に入れ替える手数5の動作を行うと、エラーを解決することができる。
【0100】
また、図37に示す表示例では、解決手段3の次に『「解決手段4:第1の排紙トレイの用紙を取り除いてください。第2の給紙トレイの用紙をB5サイズに入れ替えてください。」、「原因:排紙トレイが満杯です。給紙トレイの用紙サイズが一致しません。」、「経路:第2の給紙トレイ−第1の排紙トレイ」、「手数:6」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りに、第1の排紙トレイの用紙を取り除き、第2の給紙トレイの用紙をB5サイズに入れ替える手数6の動作を行うと、エラーを解決することができる。
(場合5)
フィニッシャー装置36が未装着で、充足不能でも継続可能な印刷条件の最大数印刷条件の最大数の設定が「0」の場合で、充足不能でも継続可能な印刷条件の設定が「無し」の場合で、図10に示す指定印刷条件テーブル140のユーザ設定が例2の場合に、図18に示すフローチャートのエラー判定処理のS17までの処理が終了した場合には、図38に示す何も解決手段の無いエラーテーブル210nが作成される。次いで、図18に示すフローチャートのエラー判定処理のS18の処理の整列を行うと、図39に示す何も解決手段の無いエラーテーブル210oとなる。このエラーテーブル210oに対して、図18に示すフローチャートの重複除外処理S20を行うと、図40に示す何も解決手段の無いエラーテーブル210pとなる。
【0101】
このエラーテーブル210pに基づいて、表示部76に、図41に示すような表示が行われる。図41に示す表示例では、表示部76に、『「解決手段1:キャンセルキーを押してください。」、「原因:解決方法がありません。」』と表示される。この場合には、総合解決方法が何もないことになる。
(場合6)
次に、場合6について図42乃至図45を参照して説明する。この場合6は場合3において、図32に示す表示例の解決手段4の第1の排紙トレイの用紙を取り除いた場合の例である。第1の排紙トレイの用紙を取り除いた場合には、エラーの状況が変化し、図18に示すフローチャートのエラー判定処理のS17までの処理が終了した場合には、図42に示すエラーテーブル210qが作成される。次いで、図18に示すフローチャートのエラー判定処理のS18の処理の整列を行うと、図42に示すエラーテーブル210qの充足不能な印刷条件数の「0」、「1」、「2」の順に、手数の合計の昇順に整列を行い、手数の合計が同じものは、搬送経路番号(左端のNo.)の昇順に整列を行うと、図43に示すエラーテーブル210rが作成される。このエラーテーブル210rに対して、図18に示すフローチャートの重複除外処理S20を行うと、搬送経路番号1,2,14,3,4,15,9,10,5,6,7,8が削除されて、図44に示すように、搬送経路番号12,13,16,11の順に整列されたエラーテーブル210sが作成される。
【0102】
このエラーテーブル210sに基づいて、表示部76に、図45に示すような表示が行われる。図45に示す表示例では、表示部76に、上から、『「解決手段1:第1の給紙トレイの用紙を普通紙に入れ替えてください。」、「原因:給紙トレイの用紙タイプが一致しません。」、「経路:第1の給紙トレイ−両面ユニット−ステープラー−第2の排紙トレイ」、「手数:4」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りに、第1の給紙トレイの用紙を普通紙に入れ替える手数4の動作を行うだけで、エラーを解決することができる。
【0103】
また、図45に示す表示例では、解決手段1の次に『「解決手段2:第2の給紙トレイの用紙をB5サイズに入れ替えてください。」、「原因:給紙トレイの用紙サイズが一致しません。」、「経路:第2の給紙トレイ−両面ユニット−ステープラー−第2の排紙トレイ」、「手数:5」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りに、第2の給紙トレイの用紙をB5サイズに入れ替える手数5の動作を行うと、エラーを解決することができる。
【0104】
また、図45に示す表示例では、解決手段2の次に『「解決手段3:第3の給紙トレイの用紙を補充してください。」、「原因:給紙トレイに用紙がありません。」、「制限:両面印刷はできません。」、「経路:第3の給紙トレイ−ステープラー−第2の排紙トレイ」、「手数:3」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りに、第3の給紙トレイの用紙を補充する手数3の動作を行うと、エラーを解決することができる。但し、両面印刷はできない。
【0105】
また、図45に示す表示例では、解決手段3の次に『「解決手段4:Goキーを押してください。」、「原因:装置に問題はありません。」、「制限:両面印刷はできません。綴じることはできません。」、「経路:第4の給紙トレイ−第1の排紙トレイ」、「手数:0」』と表示される。この場合ユーザは、指示通りにGoキーを押す手数0の動作を行うと、エラーを解決することができる。但し、両面印刷はできず、綴じることもできない。
【0106】
以上説明したように、本実施の形態のレーザプリンタ1では、ユーザが、操作パネル75を介して用紙のサイズ及びタイプ、給紙トレイ、両面印刷ユニット25及び排紙トレイ等に対して所定の要求をした場合に、レーザプリンタ1側に記憶された各搬送経路についてエラーを検出し、そのエラーを搬送経路と共に記憶することができる。さらに、そのエラーを解決するための解決手段の手数も併せて記憶することができ、手数の少ないものから順に表示部に表示するので、ユーザは、自らの要求を満足すべく、最も手数の少ない最良の解決方法を選択して実行することができる。従って、何度も同じエラーが表示されることがなく、エラーを解決するのにユーザの手を煩わせることもない。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】図1は、レーザプリンタ1の全体の構成を示す概略図である。
【図2】図2は、操作パネル75を示す平面図である。
【図3】図3は、レーザプリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、EEP−ROMの記憶エリアの模式図である。
【図5】図5は、RAMの記憶エリアの模式図である。
【図6】図6は、用紙のサイズの制約テーブル100の概念図である。
【図7】図7は、用紙のタイプの制約テーブル110の概念図である。
【図8】図8は、搬送路の制約テーブル120の概念図である。
【図9】図9は、解決手段ごとのユーザの手数テーブル130の概念図である。
【図10】図10は、ユーザの指定印刷条件テーブル140の概念図である。
【図11】図11は、給紙トレイの状態テーブル150の概念図である。
【図12】図12は、排紙トレイの状態テーブル160の概念図である。
【図13】図13は、両面印刷ユニットのカバーの開閉状態テーブル170の概念図である。
【図14】図14は、ステープラー35の針有無状態テーブル180の概念図である。
【図15】図15は、搬送経路テーブル190の概念図である。
【図16】図16は、搬送経路テーブル200の概念図である。
【図17】図17は、レーザプリンタのメインルーチンのフローチャートである。
【図18】図18は、エラー判定処理のフローチャートである。
【図19】図19は、重複除外処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図20】図20は、装置能力更新処理のフロートである。
【図21】図21は、エラーテーブル210の概念図である。
【図22】図22は、エラーテーブル210bの概念図である。
【図23】図23は、エラーテーブル210cの概念図である。
【図24】図24は、表示部76のエラー表示例を示す図である。
【図25】図25は、エラーテーブル210dの概念図である。
【図26】図26は、エラーテーブル210eの概念図である。
【図27】図27は、エラーテーブル210fの概念図である。
【図28】図28は、表示部76のエラー表示例を示す図である。
【図29】図29は、エラーテーブル210gの概念図である。
【図30】図30は、エラーテーブル210hの概念図である。
【図31】図31は、エラーテーブル210iの概念図である。
【図32】図32は、表示部76のエラー表示例を示す図である。
【図33】図33は、エラーテーブル210jの概念図である。
【図34】図34は、エラーテーブル210kの概念図である。
【図35】図35は、エラーテーブル210mの概念図である。
【図36】図36は、表示部76のエラー表示例を示す図である。
【図37】図37は、表示部76のエラー表示例を示す図である。
【図38】図38は、エラーテーブル210nの概念図である。
【図39】図39は、エラーテーブル210oの概念図である。
【図40】図40は、エラーテーブル210pの概念図である。
【図41】図41は、表示部76のエラー表示例を示す図である。
【図42】図42は、エラーテーブル210qの概念図である。
【図43】図43は、エラーテーブル210rの概念図である。
【図44】図44は、エラーテーブル210sの概念図である。
【図45】図45は、表示部76のエラー表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0108】
1 レーザプリンタ
11 第1の給紙トレイ
12 第2の給紙トレイ
13 第3の給紙トレイ
14 第4の給紙トレイ
15 排紙ローラ
25 両面印刷ユニット
30 第1の排紙トレイ
31 第2の排紙トレイ
50 CPU
51 RAM
52 ROM
53 EEP−ROM
75 操作パネル
76 表示部
CS センサ
FS センサ
HS センサ
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VS センサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理媒体に印刷を行う印刷部と、前記処理媒体を前記印刷部に供給する供給部と、前記印刷部で印刷された前記処理媒体の排出部とを含む処理部と、
その処理部の各間で処理媒体の搬送を行う複数の通過部と、
前記処理部と前記通過部との組み合わせからなる複数の処理経路と、前記処理媒体の特性との少なくとも1つからなる処理条件を指定する処理条件指定手段と、
前記処理部もしくは前記通過部のエラーを検出するエラー検出手段と、
エラーの各々に対して解決方法を予め記憶した解決方法記憶手段と、
前記複数の処理経路の内、前記処理条件指定手段によって指定される処理条件に基づいて選択された前記処理経路の各々について記憶する処理経路記憶手段と、
前記処理経路記憶手段に記憶された前記処理経路上に存在する前記エラー検出手段により検出されたエラーと、前記解決方法記憶手段に記憶された解決方法とに基づいて総合解決方法を作成し、表示手段に表示させる総合解決方法表示制御手段と
を備え、
前記総合解決方法表示制御手段は、前記処理経路記憶手段に記憶された前記処理経路の少なくとも1つについて、該処理経路上に存在する前記エラー検出手段により検出されたエラーの解決方法を前記解決方法記憶手段から抽出して総合解決方法とし、当該総合解決方法を前記表示手段に表示させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
処理媒体に印刷を行う印刷部と、前記処理媒体を前記印刷部に供給する供給部と、前記印刷部で印刷された前記処理媒体の排出部とを含む処理部と、
その処理部の各間で処理媒体の搬送を行う複数の通過部と、
前記処理部と前記通過部との組み合わせからなる複数の処理経路と、前記処理媒体の特性との少なくとも1つからなる処理条件を指定する処理条件指定手段と、
前記処理部もしくは前記通過部のエラーを検出するエラー検出手段と、
エラーの各々に対して解決方法を予め記憶した解決方法記憶手段と、
前記複数の処理経路の内、前記処理条件指定手段によって指定される処理条件に基づいて選択された前記処理経路の各々について記憶する処理経路記憶手段と、
前記処理経路記憶手段に記憶された前記処理経路上に存在する前記エラー検出手段により検出されたエラーと、前記解決方法記憶手段に記憶された解決方法とに基づいて総合解決方法を作成し、表示手段に表示させる総合解決方法表示制御手段と
を備え、
前記総合解決方法表示制御手段は、前記処理経路記憶手段に記憶された複数の前記処理経路について、該各処理経路上に存在する前記エラー検出手段により検出されたエラーの内、少なくとも1つのエラーについての解決方法を前記解決方法記憶手段から抽出して総合解決方法とし、当該総合解決方法を前記表示手段に表示させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記総合解決方法は、1つの処理経路について前記検出された全てのエラーの各々についての解決方法の組み合わせからなる完全解決方法と、全てのエラーから所定基準に従って一部のエラーを未解決エラーとして除外したものについての解決方法の組み合わせからなる限定解決方法とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記総合解決方法表示制御手段は、前記完全解決方法の優先度を前記限定解決方法の優先度よりも高くして、前記完全解決方法を前記限定解決方法よりも優先して前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記総合解決方法表示制御手段は、前記限定解決方法の内、前記未解決エラーの数が少ない前記限定解決方法の優先度を、前記未解決エラーの数が多い前記限定解決方法の優先度よりも高くして、前記未解決エラーの数が少ない前記限定解決方法を、前記未解決エラーの数が多い前記限定解決方法よりも優先して前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
全てのエラーから一部のエラーを未解決エラーとして除外するための前記所定基準を変更するエラー許容基準変更手段を備えたことを特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記所定基準は、前記未解決エラーとして除外してもよいエラーの数の最大数であることを特徴とする請求項3乃至6の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記所定基準は、前記未解決エラーとして除外してもよいエラーの種類であることを特徴とする請求項3乃至7の何れかに記載の画像形成装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【公開番号】特開2007−31159(P2007−31159A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−222971(P2006−222971)
【出願日】平成18年8月18日(2006.8.18)
【分割の表示】特願2002−281936(P2002−281936)の分割
【原出願日】平成14年9月26日(2002.9.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】