説明

画像形成装置

【課題】 読み取りデータまたはコンピュータから送られた出力データを画像形成装置を用いて出力する場合において、出力データが白黒以外のカラーを含む画像データであると識別された場合であって、ユーザによって2色モードが選択された場合には、2色画像データを生成し出力することにより、色合いとして単色よりも識別しやすく、フルカラーモードよりもコスト面で低減することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 ユーザにより2色モードが選択された場合には、出力データから第2の単色カラーと第2の単色カラーとからなる2色画像データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、スキャナ等の画像形成装置、特にカラー画像形成装置を用い、コンピュータからの出力データに基づいて出力を行う画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタは勿論のこと、複写機やファクシミリやスキャナなどの画像形成装置は、コンピュータに接続され、コンピュータからの出力データ(画像情報)に基づいて画像出力(プリント、表示など)を行うことができる。
【0003】
このような画像形成装置において、カラー画像形成が可能なものは、白黒画像形成用の現像装置に加え、シアン、マゼンタ、イエローなどのカラー画像用の現像装置を備えており、白黒画像或いはカラー画像の何れをも出力し得るようになっている。即ち、コンピュータに接続された画像形成装置を用いてプリントする場合、画像形成装置に出力データを送り、この出力データに基づいて画像出力、即ちプリントが行われるが、カラー画像形成装置では、白黒での画像出力、及びカラーでの画像出力の何れをも行い得るようになっているため、ユーザーは、出力データを送るのに先立って、コンピュータ上で白黒モード或いはカラーモードの何れかを選択するようになっている。
【0004】
即ち、予め設定される出力モードにおいて、白黒モードでは、全て白黒で画像出力が行われ、カラーモードでは、出力データ中に少しでもカラー情報が含まれていると、全てカラーで画像出力されるようになっている。従って、出力モードは、通常、カラーモードに設定されており、カラー出力を殆ど行わない場合に限り、白黒モードに設定されるのが通常である。
【0005】
又、複写機等を利用して複写を行う場合に、カラー原稿と白黒原稿が混在している原稿のセットがあっても、原稿毎に、カラーか否かを判断したとしても、その原稿のセットの中で、一枚でも、カラーの原稿があれば、全体全てが、カラー複写となっていまい、その場合不都合があった。
【0006】
さらに、ユーザーにインク種類を選択させて、そのインク選択に応じて印字するインクジェットプリンタが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
しかし、この場合は、元の画像に係わらず、その選択されたインクによる出力をしてしまうが、本願発明は、フルカラー画像データと判別した場合には、この画像からユーザーの出力した2色のカラー画像を出力するものである。
【0008】
階調の高い色や、色数の多いものから、色数の少ない代表色に変換する画像データ処理装置が提案されている(例えば特許文献2参照。)。
【0009】
しかし、これは、単なるフルカラーから、それより少ない色数の画像データを生成しようとするものであり、元のフルカラーデータに近い、少ない色数の画像データを出力するものである。
【0010】
本願発明は、カラー画像であると識別された画像データに対して、ユーザーが選択した2つの単色カラーによるモードに基づき、フルカラー画像データから、2色カラー画像を出力しようとするものである。
【0011】
フルカラーから2色を生成する画像処理システムが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0012】
しかし、これは、読み取られたデータや、コンピュータからのデータが、白黒かそれ以外のデータかの判別を行わず、カラーデータに対して処理することを前提としている。一方、本願発明は、カラーを含む画像と判別しており、ユーザーが選択した場合に、2色データを生成できることを目的としている。
【特許文献1】特開平8−1913778号公報
【特許文献2】特開平6−175633号公報
【特許文献3】特開平11−127360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記のような出力モードの設定では、出力データ中にカラー情報が含まれている場合であっても、2つの単色カラーを用いてプリントを行いたいとき、例えばプリントコストを下げたいときやプリントを短時間で行いたいときには、その都度、設定変更を行わなければならないという問題があった。
【0014】
従って本発明の目的は、カラー画像形成装置を用いて出力を行う場合において、出力データ中にカラー情報が含まれている場合には、ユーザーの好みに応じてフルカラーの画像データより少ないカラーを用いた画像を提供することある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、読取られた画像データを出力する画像形成装置であって、前記画像データが白黒のみの画像データすなわち黒単色のモノクロ画像データであるか、白黒以外のカラーを含む画像データであるかを、操作パネルによる手動設定に基づき判別する画像判別回路と、前記操作パネルからユーザーが第1の単色カラーと第2の単色カラーとを用いた2色モードを選択することにより前記画像判別回路が前記画像データを白黒以外のカラーを含む画像データであると判別している場合には、カラーデータを第1の単色モードにて出力し、白黒データを第2の単色モードにて出力するよう、第1の単色カラーと第2の単色カラーとからなる2色画像データを生成し、前記ユーザーの選択により決定される単色カラー分のトナーを除いて出力する出力制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、前記操作パネルは、前記2色モードにおいて前記2色画像データを構成する前記第1の単色カラーもしくは前記第2の単色カラーを選択もしくは変更するための領域を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置を提供するものである。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、前記操作パネルは、前記領域により選択もしくは変更された前記第1の単色カラーもしくは前記第2の単色カラーをさらに表示することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置を提供するものである。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、各色に対応する現像器毎にトナーの残量を検知するトナー残量検知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置を提供するものである。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、前記操作パネルは、前記2色モードにおいて前記2色画像データを構成する前記第1の単色カラーもしくは前記第2の単色カラーを、前記トナー残量検知手段による検知結果に応じて選択もしくは変更するための領域を表示する請求項4に記載の画像形成装置を提供するものである。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、各色に対応する現像器毎に故障回数を検知する故障回数検知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置を提供するものである。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、前記操作パネルは、前記2色モードにおいて前記2色画像データを構成する前記第1の単色カラーもしくは前記第2の単色カラーを、前記故障回数検知手段による検知結果に応じて選択もしくは変更するための領域を表示する請求項6に記載の画像形成装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0022】
この請求項1記載の発明により、読み取ったカラー画像データから2つの単色カラーからなる画像データを生成することにより、ユーザーとって見やすい画像データを生成することができるという効果がある。
【0023】
この請求項2記載の発明により、第1の単色カラーもしくは第2の単色カラーを選択もしくは変更するための領域を表示することができるという効果がある。
【0024】
この請求項3記載の発明により、選択もしくは変更された第1の単色カラーもしくは第2の単色カラーをさらに表示することができるという効果がある。
【0025】
この請求項4記載の発明により、各色に対応する現像器毎にトナーの残量を検知することができるという効果がある。この請求項5記載の発明により、第1の単色カラーもしくは第2の単色カラーを残量の検知結果に応じて選択もしくは変更するための領域を表示することができるという効果がある。
【0026】
この請求項6記載の発明により、各色に対応する現像器毎に故障回数を検知することができるという効果がある。この請求項7記載の発明により、第1の単色カラーもしくは第2の単色カラーを故障回数の検知結果に応じて選択もしくは変更するための領域を表示することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面に示す具体例に基づいて本発明を説明する。
【0028】
尚、以下の実施形態は本発明を具体化した一例であって本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0029】
図1は、本発明にしたがって、コンピュータに接続された画像形成装置を用いて行われるプリントのフローチャートを示す一例である。
【0030】
図3は、本発明のシステムのブロック図である。
【0031】
スキャナ部106、プリントコントローラ部105、FAX受信部104での画像データは、画像保持部107に保持され、さらに、印字部102にその画像データが送られる。そして、印字される。
【0032】
その場合は、制御部108は、スキャナ部106、プリントコントローラ部105、FAX受信部104、画像保持部107、印字部102、トナー残量検センサ120、現像装置の故障履歴の記憶部121、現像装置の各色毎のコピー単価テータテーブル122を制御する。
【0033】
そして、制御部108は、操作部101にも、信号を送って、例えば、図2のような、表示を行う。
【0034】
タンデム現像方式のカラー画像形成装置としての電子写真式プリンタは、図4に示すように構成される。図4に示すプリンタは、画像形成手段としてのカラー画像形成エンジン1、画像転写ユニット2、画像定着部3、用紙カセット4、用紙排出部13、用紙送出部14、等を有して構成されている。このプリンタでは、画像形成を施されるシートとしての転写紙(シート状媒体)5は、用紙カセット4に収納されており、画像形成時には、用紙送出部14により送り出され、カラー画像形成エンジン1に送り込まれる。カラー画像形成エンジン1でカラー画像の形成が施された転写紙5は、用紙排出部13によって装置外に排出される。
【0035】
また、不図示であるが、転写紙5に対して両面画像形成を施すべく、用紙排出部13側に片面画像形成済の転写紙5を反転して搬送するための反転搬送部と、用紙を一時保管するための中間トレイユニットと、この両面機構部により反転された転写紙5を再度カラー画像形成エンジン1へ送り込むための搬送経路と、を備える構成も知られている。
【0036】
そして、一般に、カラー画像を画像形成するためのカラー画像形成エンジン1は、4つの現像剤像形成手段としての現像ユニット6Y,6M,6C,6Kと、転写紙5に画像を定着する画像定着部3と、転写紙5を搬送するための樹脂製で無端状の画像転写ユニット2(静電吸着ベルト等の搬送ベルト)と、を有している。現像ユニット6Y,6M,6C,6Kは、それぞれイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色のトナー像を現像する。
【0037】
さらに画像転写ユニット2は、各現像ユニット6Y,6M,6C,6Kと対になるように転写手段としての転写ローラ7Y,7M,7C,7Kを有しており、現像ユニット6Y,6M,6C,6Kで形成されたトナー像を転写紙5に吸着転写させる。
【0038】
さらに、転写ユニット2は、転写紙5をベルト上に吸着し、定着部3にまで搬送する役割も担っている。定着部3は、熱,圧力あるいは光等により、転写紙5上のトナー像をその転写紙5に対して定着させるためのものである。このようにタンデム現像方式の電子写真式プリンタは、各現像ユニット6Y,6M,6C,6Kにおいて転写紙5上に異なる色を順次重ね合わせて画像形成することにより、この転写紙5上にカラー画像が形成される。また、複数の各現像ユニット6Y,6M,6C,6Kにより画像形成を行なうことで、画像形成処理枚数の高速化を可能にしている。以上のようにカラー画像形成を高速で行うことを可能にしながらも、実際の使用では、カラー画像と白黒画像とが混在し、どちらかと言うと文字原稿等の白黒原稿の画像形成が多いのが現実である。白黒画像を画像形成する際は現像ユニット6Kのみで画像形成が可能である。
【0039】
しかしながら、上記のような電子写真式プリンタでは、現像ユニット6Kのみを稼動させて転写紙5を搬送することは不可能であり、すべての現像ユニット6Y、6M,6C,6Kが稼動しなければならない。そこで考えられるのは、図5のように白黒画像の画像形成時に画像転写ユニット2を移動させる構成である。
【0040】
図5に示すプリンタでは、画像転写ユニット2が図の右端を中心にある弧を描いて移動が可能な構成となっている。このため以下のような動作が可能である。
【0041】
カラー画像を画像形成する場合は、図4のような状態(第1状態)をとる。白黒画像を画像形成する場合は、図5のように画像転写ユニット2を下に逃がすような状態(第2状態)に移動する。これにより、画像転写ユニット2は、現像ユニット6Kにだけ接し、現像ユニット6Y,6M,6Cから離れる。この場合、現像ユニット6Kのみを稼動させ、現像ユニット6Y,6M,6Cの動作を止めた状態で、画像形成動作が可能となる。すなわち、白黒画像の画像形成の際に使用しない現像ユニット6Y,6M,6Cの動作を止めることで、各現像ユニット6Y,6M,6Cを必要以上に動作させないことが可能である。
【0042】
ここで、カラーデータと白黒データとの識別方法を説明する。
【0043】
図6,7は、本実施の形態の画像形成装置のブロック図である。全体の流れを図に沿って説明する。送信時には301のスキャナ部で原稿を光学的に色分解しつつCCD等の光電変換素子により電気信号に変換し、A/Dコンバータによりアナログ/デジタル変換する。デジタル化された3色の反射原稿信号は光源、光電変換素子のバラツキ等を補正するためのシェーディング回路を通り、例えばNTSCの分光特性にあわせるため入力色修正回路に入り、3×3マトリックス等により色補正される。ここまでは各色信号は多値データ(例えば1色8bitの24bitデータ)であるが伝送路が現状では狭帯域のため伝送時間がかかりすぎるため分解能を400dpiにして2値化データで伝送するのが実用的である。従ってここでも画像データは2値化されたものとしてスキャナ301から出るものとする。従ってスキャナ301の出口では1画素についてNTSC信号のRGB各1bitで、3色合計3bit/pixelで出力されるものとする。
【0044】
スキャナ301からの出力データはコントローラ306内のバッファメモリ311に入る311は数ライン分のデータを格納する部分である。312は原稿が白黒原稿かカラー原稿かを判別する回路であり、白黒原稿とカラー原稿の自動判別の結果又は操作パネル303のカラー/白黒切替えボタンによる手動の設定に基づき、原稿色分解データをカラー圧縮313に流すか白黒圧縮315に流すかを切替えるものである。このカラー/白黒判別部312は図に示すように判定回路201と、その判定結果によって、BF311からのデータをカラー白黒変換部314(A側)又はカラー圧縮部313(B側)のいずれかを選択するセレクタ202、マニュアルでカラー/白黒の設定を行う操作部203により構成される。セレクタ202はカラー/白黒判定回路201の出力が0の場合(白黒)にはA側を、201の出力が1の場合(カラー)にはB側を選択する。またマニュアル設定される場合にはこの判定回路201の判定に優先して操作部203からのマニュアル設定が行われ、セレクタのS0の値にかかわらず、操作部203からの設定がS1=0(白黒)の場合にはA側がS1=1(カラー)の場合にはB側が選択される。
【0045】
314は312の自動又は手動によるカラー/白黒の判別で白黒原稿と判定されたデータを3色カラー信号から白黒信号に変換する回路である。カラー圧縮部313においては、ブロック符号化やベクトル量子化等の圧縮アルゴリズムを用いて、色情報を含む画像データの圧縮が行われる。また、白黒圧縮部315においては、MH,MRなど通常白黒のファクシミリ装置で用いられている圧縮アルゴリズムによりデータ圧縮が行われる。
【0046】
このとき手動又は自動で白黒データになっていれば相手がG3、G4であってもG3,G4の標準圧縮が白黒圧縮部315でなされていれば伝送可能である。G4はISDN用デジタル回線に対しG3は電話回線を利用したアナログ回線のためモデムが必要になる。
【0047】
同様にしてG4,G3から送られた白黒データはハードディスク316に格納され白黒伸長器317を経由して復号化される。このときは黒一色のデータであるから、4色同時記録インクジェットプリンタ302の様な場合にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のデータを印刷しないように、Y=M=C=0とし付加しバッファメモリ323に送る。黒KはK=1−Yeで計算される。
【0048】
Yeについては後述する。これによりカラー記録時と全く同じ扱いができることになる。送られたデータがカラーデータのときはハードディスク316からカラー復号器319を通じNTSC信号からプリンタ302の色材にあわせた320において色修正と黒生成を行う。色修正部320からの出力は多値化されているため濃度保存型の2値化回路321により4色の4bit/pixelデータが出力バッファメモリBUF323に入る。
【0049】
BUF323からのデータは白黒データのときもカラーデータのときも4bit/pixelで出力される。302はカラープリンタ部で例えばインクジェット記録を用いY,M,C,Kの4色のヘッドを4本並べ同時に記録するプリンタである。従ってコントローラ306からのYMCK4bit/pixelデータ308はヘッドのレジストレーション部のバッファリングを行って4色印刷されることになる。白黒の時はY=M=C=0でKの0or1に応じ印刷される。
【0050】
図1を参照して、カラーデータが含まれている場合には、ユーザーによって選択されたモードにしたがって、白黒モードでの出力又はカラーモードでの出力する方法を説明する。
【0051】
先ず、パーソナルコンピュータ等のマシーンから、出力データが画像形成装置に送られる。若しくは、原稿読取で読取る(S101)。
【0052】
同時に、出力データを送付するマシーンに組み込まれたプリンタソフトにより、出力データについての情報判断、即ち、出力データ中にカラー情報があるか否かについての判断が行われる(S102)。これにより、出力データは、白黒データのみであり、カラー情報が含まれていないと断されたとき(S102)は、そのまま、格別の選択要求を行うことなく、白黒モードで画像出力が行われる(S10)。
【0053】
一方、出力データ中にカラー情報が含むと判断された時には、ユーザーに出力モードの選択、即ち、出力方法のユーザーへの問い合わせが行われる(S103)。このような選択は、マシーン中のモニター上に表示されるが、場合によっては、画像形成装置に設けられたディスプレイ上(図2)に、色判別結果一覧200を表示させることもできる(S104)。
【0054】
このような問合わせに応じて、ユーザーは、白黒モードでの出力或いはカラーモードでの出力を選択し、選択したモードに応じて、白黒での画像出力或いはカラーでの画像出力が行われる(S105)。
【0055】
尚、本発明方法においては、通常、出力モードの設定画面において、カラー画像での出力及び白黒モードでの出力に加えて、出力データ毎に出力モードの選択表示の何れかを選択し得るようにしておくのがよく、出力モードの選択表示を選択した時に、上述した本発明にしたがって、画像の出力を行うようにすることが好適である。
【0056】
尚、上記の画像形成装置は、所謂ネットワーク上に置かれ、ネットワーク上の種々のコンピュータからの出力データによって画像出力を行うものであってもよい。
【0057】
カラーデータが含まれていて、ユーザーによってカラーモード以外のモードでの出力が選択された場合は、最も、トナーの残量の多い現像器の単色モードを選択する方法を説明する。
【0058】
その時点で、トナーの残量の多い現像器の単色モードを選択する。具体的には、モード設定時に、現像装置中のシアントナーの残量が多いと判断したら、制御部に、シアントナーでの画像形成プロセスに命令を送信してシアントナーによる単色出力が実施される。又、モード設定時に、現像装置中の黒トナーの残量が多いと判断したら、制御部に、トナーでの画像形成プロセスに命令を送信して黒トナーによる単色出力が実施される。
【0059】
つまり、カラーモード以外のモードであれば、単純に、読めれば、その役割を果すことが、少なくない。
【0060】
最も、トナーの残量の多い現像器の単色モードを選択することによって、各色トナーの残量を平均化できて、メンテナンスサイクルの延命を図ることが、可能となる。
【0061】
ここで、トナーの残量の検出方法であるが、現像器のトナーカートリッジに光学式のセンサ(図3 トナー残量検センサ120)を利用して、検出を行う。
【0062】
また、カラーデータが含まれていて、ユーザーによってカラーモード以外での出力が選択された場合は、最も、使用頻度の少ない現像器の単色モードを選択することも可能である。以下にその方法を説明する。
【0063】
カラーモード以外の場合は、黒色で出力する時点で、最も、使用頻度の少ない現像器の単色モードを選択する。
【0064】
具体的には、モード設定時に、現像装置中のシアントナーが、最も、使用頻度の少ない現像器と判断したら、制御部に、シアントナーでの画像形成プロセスに命令を送信してシアントナーによる単色出力が実施される。又、モード設定時に、黒トナーが、最も、使用頻度の少ない現像器と判断したら、制御部に、黒トナーでの画像形成プロセスに命令を送信して黒トナーによる単色出力が実施される。
【0065】
つまり、そうすることによって、各色の現像器の使用頻度を均一にしていくことができて、複数ある現像器をまんべんなく、使用することが可能となって、メンテナンスサイクルを延ばすことが可能となる。
【0066】
ここで、使用頻度とは、実際のトナー消費量や各色毎の現像器の動作時間とがある。実際のトナー消費量とは、その現像器で、過去にどれだけ累積消費トナーがあったか算出して、実際の累積トナー消費量の少ない現像器を優先して、出力する。
【0067】
例えば、イエローの現像器の累積消費トナー量が、1000g、シアンの現像器の累積消費トナー量が、900g、マゼンタの現像器の累積消費トナー量が、800gであるとすると、制御部は、マゼンタプロセス手段へ動作信号を送り、マゼンタの現像器で、出力を行う。
【0068】
又、累積動作時間とは、実際に、その現像器の駆動時間をいう。
【0069】
例えば、イエローの現像器の累積エイジング時間が、1000時間、シアンの現像器の累積エイジング時間が、900時間、マゼンタの現像器の累積動作時間が、800時間であるとすると、マゼンタの現像器で、出力を行う。
【0070】
また、カラーデータが含まれていて、ユーザーによってカラーモード以外での出力が選択された場合は、最も、コピー単価の廉価な現像器の単色モードを選択することも可能であ以下その方法を説明する。
【0071】
カラーモード以外の場合は、黒色で出力する時点で、最も、コピー単価(現像装置の各色毎のコピー単価テータテーブル122によって算出する。)の廉価な現像器の単色モードを選択する。
【0072】
ここで、各色毎コピー単価データは、制御部に変更可能なデータテーブル122が、あり、工場出荷時、若しくは、サービスマンが、入力する。もしくは、双方向にアクセス可能なネットワークに接続されていれば、そのアクセスした際に、各色毎コピー単価データのデータテーブル122を書き換えてもいい(図2)。
【0073】
例えば、ブラック 1.5円/枚、イエロー 2.2円/枚、シアン 2.0円/枚、マゼンタ 2.3円/枚と各色毎コピー単価データのデータテーブルがあれば、ブラックを除いた中で、一番廉価なシアンの現像器の単色モードで、出力する。
【0074】
つまり、一番廉価なシアンの現像器の単色モードで出力することによって、平均コピーコストを低減することが可能となる。
【0075】
また、カラーデータが含まれていて、ユーザーによってカラーモード以外での出力が選択された場合は、最も、故障の少なかった現像器の単色モードを選択することも可能であり以下にその方法を説明する。
【0076】
カラーモード以外の場合は、黒色で出力する時点で、最も、故障の少なかった(現像装置の故障履歴の記憶部121によって算出する。)現像器の単色モードを選択する。
【0077】
例えば、ブラック 50回、イエロー 20回、シアン 15回、マゼンタ 22回と故障回数であれば、ブラックを除いた中で、一番故障回数の少ないシアンの現像器の単色モードで、出力する。
【0078】
つまり、故障の回数の多いブラック 50回、イエロー 20回で、出力することは、その装置においては、故障する可能性が高いので、一番故障回数の少ない現像器の単色モードで出力することによって、故障の発生を押さえることが可能となり、ユーザーの満足度を高めるとともに、サービスマンの訪問回数を低減できる。
【0079】
また、カラーデータが含まれていないエリアには、第1の単色モードにて出力し、カラーデータが含まれているエリアには、ユーザーによって選択されたモードにしたがって、その選択されたモードは、第2の単色モードで出力することも可能であり以下にその方法を説明する。
【0080】
例えば、第の単色モードは、シアンで、第の単色モードは、マゼンタにする事によって、カラーデータとそれ以外との差を、シアンとマゼンタにする。又は、第の単色モードは、シアンで、第の単色モードは、黒色にする事によって、カラーデータとそれ以外との差を、シアンと黒色にすることにより明確に識別することができる。カラーエリアを、その他の単色モードにするので、コピーコストを低減するとともに、カラーデータを識別することが可能となる。
【0081】
また、中間調画像データが含まれていない場合には、第1の単色モードにて出力し、中間調画像データが含まれている場合には、ユーザーによって選択されたモードにしたがって、第2の単色モードで出力することも可能であり、以下にその方法を説明する。
【0082】
例えば、第の単色モードは、シアンで、第の単色モードは、マゼンタにする事によって、中間調画像データとそれ以外との差を、シアンとマゼンタにする。又は、第の単色モードは、シアンで、第の単色モードは、黒色にする事によって、中間調画像データとそれ以外との差を、シアンと黒色にすることにより明確に識別することができる。中間調画像エリアを、その他の単色モードにするので、コピーコストを低減するとともに、中間調画像データを識別することが可能となる。
【0083】
続いて、本願請求項の発明にかかる実施例としては、第1のモードと第2のモードは、フルカラー出力に対して、単色カラー分を除いて出力することである発明を説明する。
【0084】
つまり、下記の組合せが、考えられる。
【0085】
Y(イエロー)、S(シアン)、M(マゼンタ)、Bk(ブラック)とすると
1)YSM
2)YSBk
3)YMBk
4)SMBk
上記の組合わせにすることによって、色合いとして、単色よりも識別しやすく、フルカラーモードよりも、コスト面でも、低減することができる。
【0086】
より詳細に説明すると、第1の単色カラーと第2の単色カラーの画像データを生成するには、例えば、フルカラー出力の画像データに対して、単色カラー成分を除いて画像データを生成することで実現できる。
【0087】
つまり、下記の組合せが、考えられる。Y(イエロー)、S(シアン)、M(マゼンタ)、Bk(ブラック)とすると、Y、M、Bkを用いて、赤という単色(イエローとマゼンタを重ねることにより)と、黒という単色(そのままブラックを出力)の画像データを出力できる。
【0088】
また、S、M、Bkを用いて、青という単色(シアンとマゼンタを重ねることにより)と、黒という単色(そのままブラックを出力)の画像データを出力できる。
【0089】
さらに、S、Y、Bkを用いて、緑という単色(シアンとイエローを重ねることにより)と、黒という単色(そのままブラックを出力)の画像データを出力できる。
【0090】
この結果、色合いとして、単色よりも識別しやすく、フルカラーモードよりも、コスト面でも、低減することができる。
【0091】
また、別の方法で、第1のモードと第2のモードは、フルカラー出力に対して、単色カラー分を除いて出力することを説明する。
【0092】
つまり、下記の組合せが、考えられる。
【0093】
Y(イエロー)、S(シアン)、M(マゼンタ)、Bk(ブラック)とすると
1)YS
2)YM
3)YBk
4)SM
5)SBk
6)MBk
上記の組合わせにすることによって、色合いとして、単色よりも識別しやすく、フルカラーモードよりも、コスト面でも、単色カラー分少ないので、より低減できる。
【0094】
より詳細に説明すると、第1の単色カラーと第2の単色カラーの画像データを生成するには、第1のモードと第2のモードは、フルカラー出力の画像データに対して、出力する単色カラーの1つを除いて出力することで実現できる。つまり、下記の組合せが、考えられる。Y(イエロー)、S(シアン)、M(マゼンタ)、Bk(ブラック)とすると、(1)YS、(2)YM、(3)YBk、(4)SM、(5)SBk、(6)MBkなどがある。特に(3)のイエローとブラックの組み合わせでは、イエローという単色と、ブラックという単色の画像データを生成して出力することができる。上記の組合わせにすることによって、画像を見た場合は、色合いとして、単色よりも識別しやすく、プリントした場合は、フルカラーモードよりも、コスト面でも、単色カラー分少ないので、より低減できる。
【0095】
また、出力部数が複数である場合は、出力部数毎に所定モードでの出力がすることによって、例えば、必要な部数が、10部の場合、全てカラーで10部でなくて、カラー出力が2部、モノカラー出力が2部、白黒出力が6部と出力し分けることができる。
【0096】
出力し分けることによって、必要な人にのみカラー出力し、あまり必要でない人には、白黒出力するので、全体として、コスト低減することが可能となる。
【0097】
次に、図2を参照して、指示変更可能な色判別結果一覧を表示して、ユーザーによって選択、変更されたモードにしたがって、その一覧表には、選択、変更された結果、課金した合計金額を表示して出力する方法を説明する。
【0098】
図2は、色判別結果一覧表の一実施例を示す図である。
【0099】
そして、頁数は、原稿の頁数であり、この場合は、4頁で、1頁は、カラー原稿、2頁は、白黒原稿、3頁は、カラー原稿、4頁は、カラー原稿である。
【0100】
ここで、ユーザーの変更によって、1頁は、カラー原稿からカラー出力、2頁は、白黒原稿から白黒出力、3頁は、カラー原稿からモノカラー出力、4頁は、カラー原稿から白黒出力になる。
【0101】
さらに、変更後の頁毎コピー料金、課金した現在処理中迄のコピー料金、合計コピー料金が表示される。
【0102】
つまり、ユーザーは、表示された色判別結果一覧にそって、選択、変更をおこなえるので、非常に利便性の高い画像形成装置を提供することが、可能となる。
【0103】
又、その一覧表には、課金した合計金額を表示しているので、コピー合計金額の上限を設定することが可能となるので、ユーザは安心して操作を行う事が、可能となる。
【0104】
さらに、その一覧表には、課金した現在処理中迄の金額を表示するので、現在の金額を把握することができるので、ユーザは安心して操作を行う事が、可能となる。
【0105】
さらに、ユーザーによって、所定の金額を入力された時は、その一覧表には、入力されたその金額以内収まる範囲の複数のモードを表示することができ以下で説明する。
【0106】
例えば、ユーザーによって、指定入力された金額が200円で、複写枚数が6枚とすると、つまり、ユーザーは、200円以内で処理したいとする。
【0107】
1)200円≧50円(フルカラーの1枚当りの単価)×3枚+20円(モノカラーの1枚当りの単価)×2枚+10円(白黒の1枚当りの単価)×1枚=200
2)200円≧50円(フルカラーの1枚当りの単価)×2枚+20円(モノカラーの1枚当りの単価)×3枚+10円(白黒の1枚当りの単価)×1枚=170
3)200円≧50円(フルカラーの1枚当りの単価)×1枚+20円(モノカラーの1枚当りの単価)×4枚+10円(白黒の1枚当りの単価)×1枚=140
4)200円≧50円(フルカラーの1枚当りの単価)×0枚+20円(モノカラーの1枚当りの単価)×6枚+10円(白黒の1枚当りの単価)×0枚=120
5)200円≧50円(フルカラーの1枚当りの単価)×0枚+20円(モノカラーの1枚当りの単価)×5枚+10円(白黒の1枚当りの単価)×1枚=110
等と表示する。
【0108】
つまり、ユーザーの指定金額内の自由な選択を促すことできる。利便性の高い画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】コンピュータに接続されたカラー画像形成装置を用いて行われるプリントのフローチャートを示す図。
【図2】色判別結果一覧表の一実施例を示す図。
【図3】システムのブロック図。
【図4】フルカラープリンタのカラー画像の画像形成を示す構成図。
【図5】フルカラープリンタの白黒画像の画像形成を示す構成図。
【図6】画像形成装置の一例のブロック図。
【図7】システムのカラー判別部のブロック図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取られた画像データを出力する画像形成装置であって、
前記画像データが白黒のみの画像データすなわち黒単色のモノクロ画像データであるか、白黒以外のカラーを含む画像データであるかを、操作パネルによる手動設定に基づき判別する画像判別回路と、
前記操作パネルからユーザーが第1の単色カラーと第2の単色カラーとを用いた2色モードを選択することにより前記画像判別回路が前記画像データを白黒以外のカラーを含む画像データであると判別している場合には、カラーデータを第1の単色モードにて出力し、白黒データを第2の単色モードにて出力するよう、第1の単色カラーと第2の単色カラーとからなる2色画像データを生成し、前記ユーザーの選択により決定される単色カラー分のトナーを除いて出力する出力制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記操作パネルは、前記2色モードにおいて前記2色画像データを構成する前記第1の単色カラーもしくは前記第2の単色カラーを選択もしくは変更するための領域を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記操作パネルは、前記領域により選択もしくは変更された前記第1の単色カラーもしくは前記第2の単色カラーをさらに表示することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
各色に対応する現像器毎にトナーの残量を検知するトナー残量検知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記操作パネルは、前記2色モードにおいて前記2色画像データを構成する前記第1の単色カラーもしくは前記第2の単色カラーを、前記トナー残量検知手段による検知結果に応じて選択もしくは変更するための領域を表示する請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
各色に対応する現像器毎に故障回数を検知する故障回数検知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記操作パネルは、前記2色モードにおいて前記2色画像データを構成する前記第1の単色カラーもしくは前記第2の単色カラーを、前記故障回数検知手段による検知結果に応じて選択もしくは変更するための領域を表示する請求項6に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−236782(P2008−236782A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−112919(P2008−112919)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【分割の表示】特願2007−286644(P2007−286644)の分割
【原出願日】平成12年12月28日(2000.12.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】