説明

画像形成装置

【課題】本体フレームの所定位置に対する中間転写ユニットの着脱を、簡単な構成で、かつ簡単な動作で行う。
【解決手段】中間転写ユニット31Aの装着に際し、ユーザは、中間転写ユニット31A全体を持って、まず、中間転写ユニット31Aの第1ガイドボス87a,87bを、本体フレーム6の左傾斜ガイド82a,右傾斜ガイド82bに沿って移動させることで、本体フレーム6の左揺動ガイド90a,右揺動ガイド90bに中間転写ユニット31Aの第2ガイドボス93a,93bを係合させ、つづいて係合状態の第2ガイドボス93a,93bを基準として中間転写ユニット31A全体を揺動させて位置決めする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中間転写ベルトを他部材とともにユニット化し、中間転写ユニットとして本体フレームに着脱する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ,複写機等の画像形成装置において、駆動ローラ、従動ローラ、これらに張設された中間転写ベルト等を転写フレームに一体的に組み込んでユニット化し、中間転写ユニットとして本体フレーム(装置本体)に着脱するように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このものは、感光ドラム(像担持体)を有する複数のプロセスユニットが左右方向に並設されていて、各プロセスユニットは、前後方向に着脱できるようになっている。また、中間転写ベルトを有する中間転写ユニットは、プロセスユニットの着脱方向が前後方向であるのに対して、直交する方向に着脱することができ、装着後には、プロセスカートリッジの下方に位置するようになっている。
【特許文献1】特開2003−167411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1によると、本体フレームにプロセスユニットが装着された状態で、中間転写ユニットを装着して位置決めする場合、ユーザは、まず、左右方向を向いたガイドレールに沿って、中間転写ユニットを本体フレームの外側から内側に移動させて、プロセスユニットの下方に装着する。その後、ユーザは、昇降機構によって、中間転写ユニットを所定位置に位置決めする。昇降機構は、転写フレームに設けられた偏心カム受け部と、本体フレーム側に設けられた偏心カム、当接離間レバー等を有していて、ユーザがこの当接離間レバーを180度回転させることで、偏心カムが回転し、この回転によって、偏心カム受け部を上方に押し上げ、これにより、中間転写ユニットを上昇させて、中間転写ベルトを感光ドラムに当接させる。このとき、本体フレーム側に設けてある位置決め凹部に、中間転写ユニット側の位置決め凸部が係合されて、中間転写ユニットは、所定位置に位置決めされるようになっている。
【0005】
このように、特許文献1では、中間転写ユニットを本体フレームの所定位置に位置決めするための構造が複雑で、また、位置決めするためのユーザの動作が煩雑であるという問題があった。すなわち、中間転写ユニットを位置決めするための構造として、ガイドレール、昇降機構(偏心カム受け部、当接離間レバー、偏心カム)、位置決め凹部・凸部等が設けられている。また、ユーザは、本体フレームに対する中間転写ユニットの位置決めが終了するまでに、まず、中間転写ユニットをガイドレールに沿って左右方向に移動させて、プロセスユニットの下方に装着し、次に、当接離間レバーを180度回転させて、偏心カム等を介して中間転写ユニットを上昇させ、位置決め凹部に位置決め凸部を係合させることで、位置決めを行うことができる。つまり、装着動作と位置決め動作とをそれぞれ個別に行う必要があり、その作業が繁雑なものとなっていた。なお、本体フレームの所定位置に位置決めされている中間転写ユニットを、本体フレームから取り出す際には、上述と逆の作業をたどることになり、その作業も繁雑である。
【0006】
そこで、本発明は、本体フレームの所定位置に対して中間転写ユニットを装着し位置決めするための構成が簡単で、しかも、ユーザによる、所定位置に対する中間転写ユニットの着脱動作が単純で、簡単になるようにした画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、上部に開口部を有する本体フレームと、前記開口部を介して上方から前記本体フレームの所定位置に装着されて位置決めされる着脱可能な中間転写ユニットとを備え、前記中間転写ユニットが転写フレームと前記転写フレームによって回動自在に支持された第1ローラ及び第2ローラと前記第1ローラ及び前記第2ローラに無端状に張設された中間転写ベルトとを有する画像形成装置に関する。この発明に係る画像形成装置は、前記転写フレームは、装着時に先端側となる前記第1ローラ近傍において前記中間転写ベルトのベルト幅方向に突設されたスライドボスと、前記転写フレームから外側に向けて突設されて前記第1ローラの同軸上に配置された揺動ボスとを有し、前記本体フレームは、装着後の前記本体フレームの先端側に対応する一端部近傍に配置された傾斜ガイド及び揺動ガイドを有し、前記傾斜ガイドは、前記中間転写ユニットの装着方向下流側が下方に傾斜していて前記スライドボスを下方から支持して前記揺動ボスを前記揺動ガイドに向けてガイドして係合させ、前記揺動ガイドは、係合された前記揺動ボスを基準として前記中間転写ユニット全体の揺動動作をガイドして前記所定位置に配置する、ことを特徴としている。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る画像形成装置において、前記傾斜ガイドは、装着時の前記中間転写ユニットの前記揺動ボスが前記揺動ガイドに係合される以前に前記スライドボスが下方へ移動することを許容する切欠部を有する、ことを特徴としている。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る画像形成装置において、前記中間転写ユニットは、前記所定位置に配置された際に前記中間転写ベルトを裏面側から付勢して前記中間転写ベルトの表面側を前記本体フレーム側に配置されている感光ドラムに当接させる1次転写ローラを有する、ことを特徴としている。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る画像形成装置において、前記第1ローラは、前記中間転写ユニットが前記所定位置に配置された際に、前記本体フレーム側に配置されている2次転写ローラとの間に前記中間転写ベルトを挟持する2次転写ローラ対向ローラである、ことを特徴としている。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項4に係る画像形成装置において、前記中間転写ユニットは、前記1次転写ローラと導通された第1接点を有し、前記本体フレームは、前記中間転写ユニットが前記所定位置に配置された際に前記第1接点に接触する位置に、前記本体フレーム側に配置された電源に接続された第2接点が配置されている、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、中間転写ユニットを、そのスライドボスが本体フレーム側の傾斜ガイドに沿うように移動させて揺動ボスを揺動ガイドに係合させる。その後、揺動ガイドに係合された状態で揺動ボスを基準として中間転写ユニットを揺動させることで、所定位置に位置決め配置することができる。このように、中間転写ユニットを本体フレームに装着して位置決めするための構成としては、中間転写ユニット側にスライドボスと揺動ボスを設け、一方、本体フレーム側には、傾斜ガイドと揺動ガイドを設ける、といった簡単な構成ですますことができる。また、揺動ガイド及び揺動ボスが、装着のためのガイドと位置決めのためのガイドとを兼用することになるので、従来技術とは異なり、別個に位置決めのための部材を設ける必要がなく、その分、構成を簡略化することができる。さらに、ユーザ等による装着・位置決め動作としては、ユーザは、中間転写ユニット全体を持って、まず、中間転写ユニットのスライドボスを、本体フレームのスライドガイドに沿って移動させることで、本体フレームの揺動ガイドに中間転写ユニットの揺動ボスを係合させることができ、つづいて係合状態の揺動ボスを基準として中間転写ユニット全体を揺動させることで、装着動作が終了するのと同時に、位置決め動作を終了することができる。すなわち、装着動作の後に、位置決め動作が必要な従来とは異なり、装着動作と位置決め動作とを区分することなく一連の動作として行うことができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、スライドガイドに沿ってスライドボスを移動させると、揺動ボスが揺動ガイドに係合される以前(例えば、直前)に揺動ボスがスライドガイドの切欠部に達して下方への移動が共用されるので、揺動ボスが揺動ガイドに係合されたときには、中間転写ユニットは揺動ボスを基準としての下方への揺動動作が自然に可能となる。
【0014】
請求項3の発明によれば、本体フレームの所定位置の中間転写ユニットが配置されることにより、1次転写ローラが感光ドラムとの間に中間転写ベルトを挟持する位置に配置される。これにより、中間転写ベルトと感光ドラムとの間に形成されるニップ(1次転写ニップ)を高い精度で確保することができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、第1ローラが2次転写対向ローラであり、中間転写ユニットは、本体フレームに対してこの2次転写対向ローラを基準として装着されるので、中間転写ベルトと2次転写ローラとの間に形成されるニップ(2次転写ニップ)を高い精度で確保することができる。
【0016】
請求項5の発明によれば、本体フレームの所定位置に中間転写ユニットを装着し位置決めすることで、本体フレーム側の第2接点に中間転写ユニット側の第1接点を接触させることができ、これらを介して、本体フレーム側の電源と、中間転写ユニット側の1次転写ローラとの電気的な接続を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づき詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同じ構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
【0018】
<実施形態1>
図1〜図34を参照して、本発明に係る画像形成装置1について説明する。なお、これらの図においては、画像形成装置1やその構成要素(各部材,装置等)における前後左右上下を、適宜、矢印で示している。図1〜図34のうち、図1は、画像形成装置1の全体を、その前側の左斜め上方から見た斜視図である。図2は、画像形成装置1の全体を、その左側の後斜め上方から見た斜視図である。図3は、左側から見た画像形成装置1の内部の構造を模式的に示す図である。図4(a),(b)は、前面カバー3及び搬送ユニット73の閉鎖位置A1,B1、開放位置A2,B2を説明する模式図である。なお、図5〜図34については、適宜説明する。
【0019】
ここで、画像形成装置1としては、プリンタ,複写機,ファクシミリ,及びこれらの複合機等があげられるが、以下の説明では、画像形成装置1がプリンタである場合を例に説明する。図1〜図4に示す画像形成装置1は、電子写真方式、中間転写方式、タンデム方式を採用した、4色フルカラーの画像形成装置1である。
【0020】
図1,図2を主に、図3,図4を適宜に参照しながら、画像形成装置1の全体を外側から見た構成について説明する。画像形成装置1は、ほぼ箱型(直方体状)の画像形成装置本体2と、この画像形成装置本体2によって開閉自在に支持された前面カバー3とを備えている。
【0021】
画像形成装置本体2は、前面が、前面カバー3によって覆われ、左側面及び右側面が合成樹脂製の左外装パネル4及び右外装パネル5によって覆われている。画像形成装置本体2の後面は、構造物としての本体フレーム6の一部を構成する後側板7が露出されている。画像形成装置本体2の上面は、排紙トレイ8を兼ねるトップカバー(カバー部材)10によって覆われている。
【0022】
前面カバー3は、上端側に、操作パネル12が配設され、前面側には、開閉自在な手差しトレイ13が配設されている。操作パネル12には、タッチパネル式の液晶表示部や、各種ボタンが配置されていて、操作者は、画像形成装置1の正面側に立った状態で、この操作パネル12により画像形成装置1の全体を操作することができるようになっている。手差しトレイ13は、下端13a側が前面カバー3によって揺動自在に支持されており、図3に実線で示す起立姿勢の収納位置C1から、上端13b側を手前側(矢印R13方向)に引き出して二点鎖線で示す傾斜姿勢の給紙位置C2に配置することにより、その上面を手差し用給紙台のシート積載面13cとして使用することができる。前面カバー3全体は、その下端3a側が画像形成装置本体2によって揺動自在に支持されており、図1〜図3,図4(a)に示す閉鎖位置A1と、図4(b)に示す開放位置A2との間を移動することができるようになっている。図2に示すように、前面カバー3の上端側でかつ背面側には、左右両端近傍にそれぞれボタン14のついた解除レバー15が配設されている。解除レバー15には、連結部材(不図示)を介してフック部材(不図示)が連結されている。フック部材は、前面カバー3側に配設されていて、前面カバー3の閉鎖時には、画像形成装置本体2側の係止部材(不図示)に係合されて前面カバー3をロックしている。前面カバー3を開放する際には、ボタン14を手前に引くと、連結部材を介してフック部材が揺動されて係止部材から外れることでロックが解除される。この状態で、前面カバー3の上端側を手前側(図4中の矢印R3a方向)に引くことで開放することができるようになっている。
【0023】
排紙トレイ8は、後端側が高く位置するように緩く傾斜した傾斜面とこの傾斜面の後端に続く平面とによって構成されていて、後述するように画像形成後にシート排出口11から後方に向けて排出されたシートを下方から支持するようになっている。トップカバー10は、図1,図2,図3に示すように、後端側に、画像形成装置本体2によって揺動自在に支持された揺動中心10aを有していて、前端側が開閉可能となっている。トップカバー10は、図3に実線で示す閉鎖位置D1においては、排紙トレイ8を構成する一方、図3に示す矢印R10方向に開放されて、二点鎖線で示す開放位置D2に配置されたときには、ほぼ直立した起立姿勢をとって画像形成装置本体2の本体フレーム6の上部の開口部6aを上方に向かって大きく開口するようになっている。後述する現像ユニット40A、ドラムユニット36A、中間転写ユニット31A、各色のトナーコンテナ47,48,49,50等は、この開口部6aを介して、上方から着脱されるようになっている。
【0024】
以上で、画像形成装置1の全体を外側から見た構成についての説明を終了する。
【0025】
次に、図3を参照して、画像形成装置1の内部の構造について説明する。画像形成装置1には、画像形成装置本体2の下側から上側かけて順に、シート収納部20、基板収納部21、画像形成部22、トナー補給部23、シート排出部としてのトップカバー10が設けられている。また、画像形成装置本体2の前側と、前面カバー3との間には、シート搬送部24が設けられている。
【0026】
シート収納部20には、給紙カセット25が配設されている。給紙カセット25は、複数枚のシートを積層状態で収納しており、底部に配設されたリフト板26によって積層状態のシートの先端側(同図中の右側)を上方に付勢している。これにより、給紙カセット25内の最上位のシートが、後述するシート搬送部24のピックアップローラ27によって給紙され、さらに給送ローラ28、リタードローラ30によって重送が防止されて1枚だけ下流側に給送される。この給紙カセット25は、画像形成装置1の正面側(前側)から抜差し(着脱)できるようになっている。給紙カセット25の上方には基板収納部21が配設されている。
【0027】
基板収納部21には、画像形成装置1の全体を制御する基板や電装品等(不図示)が配設されている。基板収納部21の上方には、画像形成部22が配設されている。
【0028】
画像形成部22には、中間転写ベルト31と、この中間転写ベルト31の回転方向(矢印R31方向)に沿って整列された4個(4色)の画像形成ステーション、すなわち,マゼンタ(M),シアン(C),イエロー(Y),ブラック(K)の各色のトナーでトナー像を形成する画像形成ステーション32,33,34,35が配設されている。なお、4色の画像形成ステーション32〜35は、同様の構成であるので、以下ではマゼンタの画像形成ステーション32について説明し、残りの3色の画像形成ステーション33〜35についての説明は適宜省略する。
【0029】
中間転写ベルト31は、無端状に形成されていて、駆動ローラ(第1ローラ)43と従動ローラ(第2ローラ)44との間に張架されている。なお、駆動ローラ43は、後述する2次転写ローラ45に対向されて2次転写ローラ45との間に中間転写ベルト31を興じするいわゆる2次転写対向ローラとなる。中間転写ベルト31は、駆動ローラ43の矢印方向の回転により、矢印R31方向に回転する。駆動ローラ43,従動ローラ44は、ほぼ長方形の板状に形成された合成樹脂製の転写フレーム39によって回転自在に支持されている。この転写フレーム39の上面は、後述するトナーコンテナ47,48,49,50の底部の形状に倣って波形に形成されている。本実施形態においては、転写フレーム39に対して、駆動ローラ43、従動ローラ44、中間転写ベルト31、後述の4本の1次転写ローラ41、ベルトクリーナ46等が一体的に組み込まれて全体として中間転写ユニット31Aを構成している。この中間転写ユニット31Aは、後述するように、画像形成装置本体2に対して簡単に着脱することができるようになっている。
【0030】
マゼンタの画像形成ステーション32は、感光ドラム36と、感光ドラム36の周囲にその回転方向(矢印方向)に沿ってほぼ順に配設された、帯電装置37、露光装置38、現像装置40、1次転写ローラ41、ドラムクリーナ42等を有している。
【0031】
感光ドラム36は矢印方向に所定のプロセススピードで回転駆動される。本実施形態では、感光ドラム36としては、a−Si(アモルファスシリコン)感光ドラムを使用している。
【0032】
帯電装置37は、感光ドラム36の表面を所定の極性・電位に均一(一様)に帯電する。
【0033】
露光装置38は、例えば、レーザスキャナによって構成されている。露光装置38は、レーザ発振器(不図示)、ポリゴンミラー38a、レンズ38b,38c、反射ミラー38d,38e,38f等を有していて、これらが一体に組み込まれて露光ユニット38Aを構成している。露光装置38は、パーソナルコンピュータ(不図示)等から送られてきた画像情報に基づいてレーザ発振器(不図示)から発光されたレーザ光Lを、高速回転するポリゴンミラー38aで反射し、レンズ38b,38c、反射ミラー38d,38e,38f等を介して、均一帯電後の感光ドラム36の表面に導く。感光ドラム36の表面は、レーザ光Lの露光により、露光部分の電荷が除去されて、静電潜像が形成される。
【0034】
現像装置40は、静電潜像を現像する。現像装置40は、現像剤が収納された現像容器40a、現像スリーブ40b、現像剤撹拌部材40c,40d等を有していて、これらが一体となって現像ユニット40Aを構成している。現像スリーブ40bの表面に担持された現像剤は、現像スリーブ40bと感光ドラム36との間に現像バイアスが印加されることで、感光ドラム36の表面の静電潜像に選択的に付着されてこれをトナー像として現像する。なお、本実施形態では、現像剤は、トナーとキャリヤとを主成分とする2成分現像剤が使用されている。
【0035】
1次転写ローラ41は、感光ドラム36の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト31に転写させる。1次転写ローラ41は、中間転写ベルト31の裏面側を押圧して中間転写ベルト31の表面を感光ドラム36の表面に当接させている。これにより、中間転写ベルト31の表面と感光ドラム36の表面との間には、1次転写ニップT1が構成される。感光ドラム36の表面に形成されたトナー像は、感光ドラム36の矢印方向の回転に伴って1次転写ニップT1に搬送される。このとき、1次転写ローラ31に、1次転写バイアスを印加されることで、感光ドラム36の表面のマゼンタのトナー像は、中間転写ベルト31の表面に1次転写される。
【0036】
ドラムクリーナ42は、上述の1次転写において、中間転写ベルト31に転写されないで感光ドラム36の表面に残ったトナー(1次転写残トナー)を除去するものである。なお、本実施形態では、感光ドラム36、帯電装置37、ドラムクリーナ42等が一体に構成されてドラムユニット36Aを構成している。
【0037】
以上のようにして、マゼンタの画像形成ステーション32において、感光ドラム36の表面に形成されたマゼンタのトナー像は、中間転写ベルト31の表面に1次転写される。残りの3色(シアン,イエロー,ブラック)の画像形成ステーション33,34,35においても、同様にして、各感光ドラム36の表面に、それぞれシアン,イエロー,ブラックのトナー像が形成され、これらのトナー像は、1次転写ローラ41によって順次に中間転写ベルト31に1次転写されて重ね合わされる。これら4色のトナー像は、後述するように、2次転写ニップT2において、2次転写ローラ45に2次転写バイアスが印加されることにより、一括でシート上に2次転写される。トナー像の2次転写後に中間転写ベルト31の表面に残ったトナー(2次転写残トナー)は、従動ローラ44の近傍に配置されたベルトクリーナ46によって除去される。画像形成部22の上方には、トナー補給部23が設けられている。
【0038】
トナー補給部23には、各色のトナーをそれぞれ個別に収納した4個のトナーコンテナ(トナー容器)、すなわちマゼンタ,シアン,イエロー,ブラックのトナーコンテナ47,48,49,50が配設されている。このうちブラックのトナーコンテナ50は、一般に、ブラックのトナーが他の色のトナーと比較して消費量が多いため、他の色のトナーコンテナ47〜49よりも容量が多くなるように大型に形成されている。上述の各色の画像形成ステーション32〜35の現像装置40には、現像剤の残量を検知するための残量センサ(不図示)が配設されていて、この残量センサが、現像装置40内の現像剤量が所定値よりも少なくなったことを検知したときに、各色のトナーコンテナ47〜50から各色の現像装置40にトナーが補給されるようになっている。トナー補給部23の上方には、上述の、後端側の揺動中心10aを基準として開閉自在なトップカバー10が配設されている。
【0039】
シート搬送部24は、本実施形態においては、画像形成装置本体2の前側と前面カバー3との間に設けられていて、下方から上方に向かうシートをガイドするシート搬送路52と、このシート搬送路52よりも前側に配設されて、上方から下方に向かうシートをガイドするシート再搬送路53とを有しており、さらに、手差し給送部54を有している。
【0040】
シート搬送路52は、上述の給送ローラ28の近傍から上方に立ち上がり、後方に凸状にゆるく湾曲しながら上方に延び、2次転写ニップT2の近傍で湾曲方向を前方に変えて上方に延び、後方に向けて斜め上方に延びて、シート排出口55に至る。シート搬送路52は、相互に対面する後側ガイド52aと前側ガイド52bとによって構成されており、前側ガイド52bの一部が後述する搬送ユニット73に形成されている。シート搬送路52には、下方から順に、ピックアップローラ27、給送ローラ28、リタードローラ30、搬送ローラ対56、レジストローラ対57、中間転写ベルト31を駆動ローラ43との間に挟みこむ2次転写ローラ45、定着装置(定着部)58、搬送ローラ対60、切り換えフラッパ61、排紙ローラ対62等が配設されている。上述の定着装置58は、加熱部材(不図示)を内蔵した定着ローラ(定着部材)63とこれに圧接されて定着ニップNを構成する加圧ローラ(加圧部材)64とを有している。
【0041】
上述の給紙カセット25からピックアップローラ27、給送ローラ28、リタードローラ30によって1枚だけ給送されたシートは、搬送ローラ対56、レジストローラ対57によって搬送され、2次転写ニップT2において、中間転写ベルト31の表面の4色のトナー像が一括で2次転写され、定着ニップNを通過する際に加熱・加圧されて表面に4色のトナー像が定着される。トナー像定着後のシートは、搬送ローラ対60によって切り換えフラッパ61の下面にガイドされて排紙ローラ対62に搬送され、排紙ローラ対62によって、背面側を向いたシート排出口11から後方に向けて排出されて、排紙トレイ8上に積載させる。なお、同図では、排紙ローラ対62のすぐ下流側に配置された排紙センサのセンサフラグ65が、排出中のシートPによって動作している状態を示している。
【0042】
シート再搬送路53は、上述のシート排出口11の少し上から前側に向かって傾斜して延び、緩やかに湾曲しながら、急勾配で後側に傾斜して延び、下端部において下方に凸状に湾曲しながら、上述のシート搬送路52に合流する。シート再搬送路53は相互に対面する後側ガイド53aと前側ガイド53bとによって構成されている。後側ガイド53aの一部は、後述する搬送ユニット73に形成されている。また、前側ガイド53bは、そのほとんどが前面カバー3の内側(後端側)に組み込まれている。シート再搬送路53には、シートの再搬送時に上流側となる上方から順に、反転ローラ対66、切り換えフラッパ61、第1,第2,第3,第4の再搬送ローラ対67,68,70,71が配設されている。
【0043】
シートの両面に画像を形成する場合には、切り換えフラッパ61が二点鎖線で示す位置に切り換えられ、表面にトナー像が定着されたシートは、搬送ローラ対60に搬送されて、切り換えフラッパ61の上面に沿って搬送され、さらに反転ローラ対66によって後方に向けて搬送される。そして、シートの後端が搬送ローラ対60を抜けて、反転ローラ対66を抜ける前に反転ローラ対66が逆回転され、第1〜第4の再搬送ローラ対67,68,70,71によって下方に搬送され、シート搬送路52に搬送される。そして、シートはその裏面に、表面のときと同じようにしてトナー像が転写され、定着され、シート排出口11から後方に向けて排出されて、排紙トレイ8に積載される。なお、シート搬送部24における搬送ローラ対56のすぐ前側には、手差し給送ローラ72が配設されている。この手差し給送ローラ72は、図3中の給紙位置C2に配置された手差しトレイ13のシート積載面13cにセットされたシートを、搬送ローラ対56側に向けて給紙するものである。
【0044】
図3に示すように、上述のシート搬送部24には、開閉自在な搬送ユニット73が配設されている。搬送ユニット73は、シート搬送路52とシート再搬送路53との間に配置されていて、シート搬送路52における前側ガイド52bの一部と、シート再搬送路53における後側ガイド53aの一部と、レジストローラ対57の一方のローラ57a、2次転写ローラ45、第3,第4の再搬送ローラ対70,71のそれぞれの一方のローラ70a,71aとが一体に組み込まれて構成されている。この搬送ユニット73は、図4(a),(b)に示すように、下端73a側に揺動中心を有していて、画像形成装置本体2によって揺動自在(開閉自在)に支持されている。
【0045】
搬送ユニット73は、前面カバー3の開閉動作に連動して、開閉される。前面カバー3は、図4(a),(b)に示すように、下端に揺動中心76を有していて、この揺動中心76が画像形成装置本体2によって揺動自在に支持されている。画像形成装置本体2は、本体フレーム6のうちの、左側板(側板)74及び右側板75(側板)を、前側に延ばして上述の前面カバー3の左側面及び右側面の一部及び搬送ユニット73の左側面及び右側面を覆うようになっている。これら左側板74及び右側板75の前端側の下端には内側に向けて軸77が突設されていて、上述の前面カバー3の揺動中心76は、この軸77によって揺動自在に支持されている。これにより、前面カバー3は、図4(a)に示す閉鎖位置A1と、図4(b)に示す開放位置A2とをとることができる。上述の搬送ユニット73も、下端73a側に揺動中心(不図示)を有していて、画像形成装置本体2側の左側板74及び右側板75から内側に向けて突設された軸(不図示)によって揺動自在に支持されている。これにより、搬送ユニット73は、図4(a)に示す閉鎖位置B1と図4(b)に示す開放位置B2とをとることができるようになっている。なお、搬送ユニット73は、操作者が特に意図的に開閉することなく、前面カバー3の開閉動作に連動して開閉されるようになっている。また、前面カバー3及び搬送ユニット73は、開放時には、鎖やリンク等のストッパ(不図示)によって、図4(b)に示す開放位置A2,B2に保持されるようになっている。
【0046】
上述の画像形成装置1において、画像形成時には、前面カバー3側のフック部材が画像形成装置本体2側の係止部材に係合されることで、前面カバー3及び搬送ユニット73がそれぞれ図4(a)に示す閉鎖位置A1,B1に配置される。これにより、シート搬送路52及びシート再搬送路53が構成されるとともに、各ローラ対間にニップが構成されて、シートを搬送することできるようになる。
【0047】
ここで、画像形成中のジャム等が発生した場合には、前面カバー3の上部の背面側のボタン(図2参照)を操作して、前面カバー3を図4(a)中の矢印R3a方向に開放すると、これに連動して搬送ユニット73も開放される。これにより、図4(b)に示すように、前面カバー3及び搬送ユニット73がそれぞれ開放位置A2,B2に配置される。この状態では、シート搬送路52及びシート再搬送路53が大きく開放されて露出されるので、ジャム紙の発見及びその除去を簡単に行うことができる。ジャム処理後、前面カバー3を図4(b)中の矢印R3b方向に移動させると、これに連動して搬送ユニット73もほぼ同方向に移動し、前面カバー3及び搬送ユニット73は、閉鎖位置A1,B1に配置される。これにより、画像形成の再開が可能となる。
【0048】
以上で、画像形成装置1の内部の構造についての説明を終える。
【0049】
上述の画像形成装置においては、図3に示す現像ユニット40A、ドラムユニット36A、中間転写ユニット31A、トナーコンテナ47〜50を、画像形成装置本体2の本体フレーム6の上部の開口部6aを介して上方から装着したり、取り外したりすることができるようになっている。以下、この点について詳述する。
【0050】
図9は、図1,図2に示す画像形成装置本体2から前面カバー3,左外装パネル4,右外装パネル5,トップカバー10等を取り外して、本体フレーム6を露出された状態を、前側左斜め上方から見た斜視図である。なお、同図では、後端側のマゼンタ用の現像ユニット40Aを上方から装着する途中の状態を示している。同図に示すように、本体フレーム6は、前後左右にそれぞれ配設された4つの壁状の部材、すなわちシート搬送路52の後側ガイド52a、後側板7、左側板74、右側板75を有していて、これらに囲まれた内側には、直方体状の収納空区間80が構成されている。この収納空間80の底部に相当する部分には、図3に示す露光ユニット38Aが配設されている。一方、収納空間80の上端、つまり本体フレーム6の上部には、長方形状の開口部6aが形成されている。
【0051】
図5は左側板74を内側から見た斜視図であり、図6は左側板74を内側からまっすぐ見た図である。また、図7は右側板75を内側から見た斜視図であり、図8は右側板75を内側からまっすぐ見た図である。なお、これらの図においては、図3に示す基板収納部21に対応する部分を含む、これよりも下側の部分は図示を省略している。これらの図に示すように、左側板74及び右側板75は、下方から順に下部74a,75a、中間部74b,75b、上部74c,75cに分かれていて、下部74a,75aは露光ユニット38aに対応し、中間部74b,75bは現像ユニット40A及びドラムユニット36aに対応する現像・ドラム対応部であり、上部74c,75cは中間転写ユニット31A及びトナーコンテナ47〜50に対応する中間転写ユニット対応部及びコンテナ対応部である。また、下部74a,75aと中間部74b,75bとの間には段部74d,75dが形成され、中間部74b,75bと上部74c,75cとの間には段部74e,75eが形成されている。これらの段部により、下部74a,75aよりも中間部74b,75bの方が外側に位置し、さらにこの中間部74b,75bよりも上部74c,75cの方が外側に位置するように構成されている。つまり、中間部74bの内面と中間部75の内面との間の幅よりも、上部74cの内面と上部75cの内面との間の幅の方が広く設定されていて、現像ユニット40A及びドラムユニット36Aの装着時に、これらが上部74c,75c間を容易に通過することできるようになっている。
【0052】
ここで、下部74a,75a及び中間部74b,75bは、板金で形成されていて、この板金には、表裏方向に貫通する透孔や溝等の比較的単純な形状で、かつ高い精度が要求される加工が施されている。これに対して、上部74c,75cは、合成樹脂によって形成されていて、凹凸やガイド溝等の複雑な形状で、比較的精度の緩いもの形成されている。
【0053】
上述の下部74a,75aのうち、図7に示すように、右側板75の下部75aには、上述の段部75dよりも低い位置に別の段部75fが設けてあり、この段部には、現像ユニット40Aと画像形成装置本体2側とを電気的に接続するためのコネクタが配設される4個の長方形の透孔a1、及び同様にドラムユニット36Aと画像形成装置本体2側とを電気的に接続するためのコネクタが配設される4個の長方形の透孔a2が穿設されている。
【0054】
図5,図6に示すように、左側板74の中間部74bには、段部74eから続いて下方に延びる4個の長いガイド溝(現像ガイド)b1が穿設され、また、それぞれのガイド溝b1の前側には、同じく段部74eから続いて下方に延びる短いガイド溝(ドラムガイド)b2が穿設されている。また、それぞれのガイド溝b2の前側には、段部74eから続いて斜め前側下方に延びる大きい窓部b3が穿設されている。上述のガイド溝b1は、現像ユニット40Aの左端側をガイドするものであり、ガイド溝b2は、ドラムユニット36Aの左端側をガイドするものであり、窓部b3は、ドラムユニット36Aの左端側を露出させるためのものである。
【0055】
左側板74の上部74cにおけるほぼ下半部には、上述のガイド溝b1,b2、窓部b3のそれぞれに対応する位置にガイド溝c1,c2,c3が各4個ずつ形成されている。各ガイド溝c1は、上下方向に形成されていて、その下端が上述のガイド溝b1の上端に連結されている。4個のガイド溝c2のうち、1番前側に位置するものは、上述のガイド溝b2に連続する直線部分とこの直線部分の上端に連続して斜め後方に長く延びる緩やかな傾斜部とを有している。前から2番目と3番目とに位置するガイド溝c2は、上述のガイド溝b2に対して上下方向にまっすぐ接続されている。前から4番目のガイド溝c2は、上述のガイド溝b2に連続する直線部分とこの直線部分の上端に連続して斜め前方に短く延びる傾斜部とを有している。4個のガイド溝c3のうち、1番前側に位置するものは、上述の窓部b3に連続する直線部分とこの直線部分の上端に連続して斜め後方に長く延びる緩やかな傾斜部とを有している。前から2番目と3番目とに位置するガイド溝c3は、上述の窓部b3に対して上下方向にまっすぐ接続されている。前から4番目のガイド溝c3は、上述のガイド溝b2に斜め前方に短く延びる傾斜部を有している。左側板74の上部74cにおける上半部には、トナーコンテナ47〜50の左端側の2箇所を上下方向にガイドする二股状のガイド溝(コンテナガイド)c4が4個形成されている。
【0056】
上述の左側板74の中間部74bに形成されたガイド溝b1,b2,及び窓部b3は、いずれも上部74cに形成されたガイド溝c1,c2,c3よりも内側に位置しており、また、これらはすべて傾斜部を含めて上方から下方に向かうように形成されている。
【0057】
図7,図8に示すように、右側板75には、上述の左側板74の各ガイド溝b1,b2、窓部b3に対応する位置にそれぞれガイド溝b5,b6,透孔b7が形成され、ガイド溝c2に対応する位置にガイド溝c6が形成されている。すなわち、右側板75の中間部75bには、段部75eから続いて下方に延びる4個の長いガイド溝(現像ガイド)b5が穿設され、また、それぞれのガイド溝5の前側には、同じく段部75eから続いて下方に延びる短いガイド溝(ドラムガイド)b6が穿設されている。また、それぞれのガイド溝b6の前側には、円形の透孔b7が穿設されている。上述のガイド溝b5は、現像ユニット40Aの右端側をガイドするものであり、ガイド溝b6は、ドラムユニット36Aの右端側をガイドするものであり、透孔b7は、ドラムユニット36Aの右端側を露出させるためのものである。
【0058】
右側板75の上部75cにおけるほぼ下半部には、上述のそれぞれのガイド溝b6に対応する位置にガイド溝c6が形成されている。4個のガイド溝c6のうち、1番前側に位置するものは、上述のガイド溝b6に連続する直線部分とこの直線部分の上端に連続して斜め後方に緩い傾斜で延びて途中で傾斜がきつくなる傾斜部とこの傾斜部の上端から上方に延びる直線部分とを有している。前から2番目に位置するガイド溝c6は、上述のガイド溝b6に対して上下方向にまっすぐ接続されている。前から3番目のガイド溝c6は、ガイド溝b6に連続する長い直線部分とこの直線部分の上端から斜め前方に短く延びる傾斜部とこの傾斜部からまっすぐ上の延びる直線部分とを有している。前から4番目のガイド溝c6は、ガイド溝b6に連続する短い直線部分とこの直線部分の上端から斜め前方に長く延びる傾斜部とこの傾斜部からまっすぐ上の延びる直線部分とを有している。各ガイド溝c6の近傍には、それぞれ台座c7が設けてある。この台座c7は、外側の面に、トナーコンテナ47〜50(図3参照)の搬送スクリュー(不図示)を駆動するためのモータ(不図示)が取り付けられるようになっている。また各台座c7のすぐ後方にはトナーコンテナ47,48,49,50の右端側をガイドするガイド溝(コンテナガイド)c8が設けてある。
【0059】
上述の右側板75の中間部75bに形成されたガイド溝b5,b6,及び透孔b7は、いずれも上部75cに形成されたガイド溝c6よりも内側に位置しており、また、これらはすべて傾斜部を含めて上方から下方に向かうように形成されている。
【0060】
図9,図10,図11を参照して、後端側のマゼンタの現像ユニット40Aを画像形成装置本体2の所定位置に装着する動作を説明する。現像ユニット40Aは、図9に示すように、長手方向を左右方向に向けた水平な姿勢で、本体フレーム6の開口部6aの上方から開口部6aを通過させて下方に装着する。図10に示すように、本体フレーム6の左側板74の上部74cと右側板75の上部75cとの距離が、現像ユニット40Aの左右方向の寸法よりも大きく設定されているので、現像ユニット40Aは、上部74c,75cの間を通過する際には、どこにも干渉することなく通過することができる。現像ユニット40Aをさらに下降させると、現像ユニット40Aは、その左端が左側板74の下部74aのガイド溝b1にガイドされ、一方、右端が右側板75の下部75aのガイド溝b5にガイドされながら下降する。そして、現像ユニット40Aは、ガイド溝b1,b5の下端に当接することで上下方向に位置決めがなされ、また、底部に配置されている位置決め凸部(不図示)が右側板75の下部75aの位置決め凹部a3に係合され流ことで、前後左右方向の位置決めがなされて所定位置に配置されるとともに、底部から突出されている電極(不図示)が透孔a1に配置されているコネクタ(不図示)に差し込まれることで導通が図られる。他の色の現像ユニット40Aについても上述のマゼンタの現像ユニット40Aと同様にして所定位置に位置決め配置することができる。なお、所定位置から現像ユニット40Aを取り外す際には、上述とは逆に、画像形成装置本体2の所定位置に位置決め配置されている現像ユニット40Aを、そのまま上方に持ち上げて、ガイド溝b1,b5から外し、さらに持ち上げて、上部74c,75cを通過させ、開口部6aを介して上方に取り出すようにすればよい。
【0061】
次に、図12,図13,図14,図15を参照して、後端側のマゼンタのドラムユニット36Aを画像形成装置本体2の所定位置に装着する動作を説明する。ドラムユニット36Aの場合は、すでに上述の現像ユニット40Aが所定位置に装着された状態で、この現像ユニット40Aの前側に装着することになる。このため、上述の現像ユニット40Aの場合とは異なり、左側板74及び右側板75のガイド溝c2,c6からガイドを開始して、現像ユニット40Aに対して不要に接触しないようにしている。すなわち、本体フレーム6の開口部6aを上方から通過したドラムユニット36Aは、その左端側及び右端側が、左側板74及び右側板75の上部74c,75cの上半部をガイドされることなく通過した後、下半部に形成されたガイド溝c2,c6にガイドされながら下降し、続いて、中間部74b,75bに形成されたガイド溝b2,b6にガイドされてまっすぐ下降する。そして、ドラムユニット36Aは、ガイド溝b2,b6の下端に当接することで上下方向の位置決めがなされ、また、底部に配置されている位置決め凸部(不図示)が右側板75の下部75aの位置決め凹部a4に係合されて前後左右方向の位置決めがなされて、所定位置に配置される。このとき、ドラムユニット36Aは、底部から突出されている電極(不図示)が透孔a2に配置されているコネクタ(不図示)に差し込まれることで導通が図られる。他の色のドラムユニット36Aについても上述のマゼンタのドラムユニット36Aと同様にして所定位置に位置決め配置することができる。なお、所定位置からドラムユニット36Aを取り外す際には、上述とは逆に、画像形成装置本体2の所定位置に位置決め配置されているドラムユニット36Aを、そのまま上方に持ち上げて、ガイド溝b2,b6から外し、さらに持ち上げて、上部74c,75cを通過させ、開口部6aを介して上方に取り出すようにすればよい。
【0062】
次に、中間転写ユニット31Aを画像形成装置本体2の所定の位置に装着して位置決めする。図16,図17,図18,図19に、装着時の中間転写ユニット31Aの全体の動作(姿勢)を示す。また、図20,図21,図22,図23のそれぞれの(a)には、装着時の中間転写ユニット31Aの先端部の左端側のガイド状態を示し、図20,図21,図22,図23のそれぞれの(b)には、先端部の右端側のガイド状態を示す。
【0063】
図16に示すように、本体フレーム6は、上述のように前後左右に、それぞれシート搬送路52の後側ガイド52a、後側板7、左側板74、右側板75を有していて、さらに後側ガイド52aの上方に、左右方向に長い排紙フレーム81を有している。この排紙フレーム81には、図3に示す排紙ローラ対62等が配設されている。排紙フレーム81は、左支持部81aと右支持部81bとこれらの間に左右方向に配設された連結部81cとを有している。
【0064】
この左支持部81aの下端には、図20(a)に示すように、左傾斜ガイド(傾斜ガイド)82aが形成されている。この左傾斜ガイド82aは、前側が下方に傾斜した上下一対の傾斜板83a,84aによって形成されている。このうち下側の傾斜板84aは、上側の傾斜板83aよりも先端側が短く形成されていて、後述するように、中間転写ユニット31Aの第1ガイドボス(スライドボス)87aが下方に移動することを許容する切欠部85aとなっている。この左傾斜ガイド82aは、中間転写ユニット31Aの先端側でかつ左端側において上方に突設された突板86aから内側(右側)に向けて突設された第1ガイドボス87aの移動をガイドするものである。左傾斜ガイド82aの少し前側の下方には、左揺動ガイド(揺動ガイド)90aが形成されている。この左揺動ガイド90aは、左側板74の前端側で、かつ板金で構成された中間部74bが樹脂で構成された上部74cに突設されている部分である凸部74gに形成されている。左揺動ガイド90aは、前端側にほぼ半円の円弧部91aを有し、後端側には、下端縁がほぼ水平で上端縁が前が低く傾斜した開口部92aを有している。この左揺動ガイド90aは、中間転写ユニット31Aの先端側でかつ左端側から外側(左側)に向けて突設された第2ガイドボス(揺動ボス)93aをガイドするものである。この第2ガイドボス93aは、上述の駆動ローラ43と同軸に配置されている。左揺動ガイド90aは、中間転写ユニット31A側の第2ガイドボス93aが第1ガイドボス87aよりも外側(左側)に配置されているのに対応して、左傾斜ガイド82aよりも少し外側(左側)に配置されている。
【0065】
上述の左支持部81aの下端近傍に配置された、左傾斜ガイド82a、左揺動ガイド90a、及びこれらに対応する第1ガイドボス87a,第2ガイドボス90aとほぼ同様のものが、右支持部81bの下端近傍に設けられている。すなわち、右支持部81bの下端には、図20(b)に示すように、右傾斜ガイド(傾斜ガイド)82bが形成されている。この右傾斜ガイド82bは、前側が下方に傾斜した上下一対の傾斜板83b,84bによって形成されている。このうち下側の傾斜板84bは、上側の傾斜板83bよりも先端側が短く形成されていて、後述するように、中間転写ユニット31Aの第1ガイドボス(スライドボス)87bが下方に移動することを許容する切欠部85bとなっている。この右傾斜ガイド82bは、中間転写ユニット31Aの先端側でかつ右端側において上方に突設された突部86bから内側(左側)に向けて突設された第1ガイドボス87bの移動をガイドするものである。右傾斜ガイド82bの少し前側の下方には、右揺動ガイド(揺動ガイド)90bが形成されている。この右揺動ガイド90bは、右側板75の前端側で、かつ板金で構成された中間部75bが樹脂で構成された上部75cに突設されている部分である凸部75gに形成されている。凸部75gは、内側に位置する前板75hとこれよりも少し外側に位置する後板75iとが段部によって接続されており、右揺動ガイド90bは、この段部に跨って穿設されている。右揺動ガイド90bは、前端側にほぼ半円の円弧部91bを有し、後端側が円弧部91bよりも外側に配置されている。右揺動ガイド90bのうち、前板75hに形成されている部分は、下端縁がほぼ水平で上端縁が後が高くなるように傾斜している。この右揺動ガイド90bは、中間転写ユニット31Aの先端側でかつ右端側から外側(右側)に向けて突設された第2ガイドボス(揺動ボス)93bをガイドするものである。この第2ガイドボス93bは、上述の駆動ローラ43及び左側の第2ボス93aと同軸に配置されている。右揺動ガイド90bは、中間転写ユニット31A側の第2ガイドボス93bが第1ガイドボス87bよりも外側(右側)に配置されているのに対応して、右傾斜ガイド82bよりも少し外側(右側)に配置されている。
【0066】
上述のように、画像形成装置本体2側の本体フレーム6には、前端側における左側に左傾斜ガイド82a、左揺動ガイド90aが配置され、右側にはこれらと対応する位置に右傾斜ガイド82b、右揺動ガイド90bが配置されている。一方、中間転写ユニット31A側には、前端側における左側に第1ガイドボス87a、第2ガイドボス90a配置され、右側には第1ガイドボス87b、第2ガイドボス90bが配置されている。これらにより、中間転写ユニット31Aは、次に説明するように傾斜状態でスライドするようにガイドされ、その後、揺動するようにガイドされる。
【0067】
中間転写ユニット31Aを画像形成装置本体2に装着するには、図16に示すように、前端側を低く、後端側を高く傾斜させた姿勢で保持し、図17、図20(a),(b)に示すように、左傾斜ガイド82a及び右傾斜ガイド82bの傾斜板84a,84bの後端側に、中間転写ユニット31Aの第1ガイドボス87a,87bをそれぞれ乗せる。図21(a),(b)に示すように、傾斜姿勢を維持しつつ、中間転写ユニット31Aを前方に押して左傾斜ガイド82a,右傾斜ガイド82bに沿って第1ガイドボス87a,87bを移動させる。中間転写ユニット31Aを押し続けると、第2ガイドボス90a,90bが、左揺動ガイド90a,右揺動ガイド90bに進入し、図18、図22(a),(b)に示すように、第2ガイドボス90a,90bが、円弧部91a,92bに当接する直前に、第1ガイドボス87a,87bが、傾斜板84a,84bから外れて、切欠部85a,85bに達する。これにより、中間転写ユニット31Aの後端側を下方に揺動させることが可能となる。さらに中間転写ユニット31Aを押して第2ガイドボス90a,90bを円弧部91a,91bに当接させ、第2ガイドボス90a,90bを基準として、中間転写ユニット31Aの後端側を下方に揺動させて、図19、図23(a),(b)に示すように、中間転写ユニット31の後端側が本体フレーム6の一部に当接して、全体がほぼ水平になるようにする。
【0068】
以上のように、中間転写ユニット31Aを本体フレーム6に装着して位置決めするための構成を従来と比較して簡略化することができる。すなわち、中間転写ユニット31A側に第1ガイドボス87a,87bと第2ガイドボス93a,93bを設け、一方、本体フレーム6側には、左傾斜ガイド82a、右傾斜ガイド82b、左揺動ガイド90a、右揺動ガイド90bを設ける、といった簡単な構成ですますことができる。また、左揺動ガイド90a,右揺動ガイド90b、及び第2ガイドボス93a,93bが、中間転写ユニット31Aの装着のためのガイドと位置決めのためのガイドとを兼用することになるので、従来技術とは異なり、別個に位置決めのための部材を設ける必要がなく、その分、構成を簡略化することができる。さらに、ユーザ等による装着・位置決め動作としては、ユーザは、中間転写ユニット31A全体を持って、まず、中間転写ユニット31Aの第1ガイドボス87a,87bを、本体フレーム6の左傾斜ガイド82a,右傾斜ガイド82bに沿って移動させることで、本体フレーム6の左揺動ガイド90a,右揺動ガイド90bに中間転写ユニット31Aの第2ガイドボス93a,93bを係合させることができ、つづいて係合状態の第2ガイドボス93a,93bを基準として中間転写ユニット31A全体を揺動させることで、装着動作が終了するのと同時に、位置決め動作を終了することができる。つまり、装着動作の後に、位置決め動作が必要な従来とは異なり、装着動作と位置決め動作とを区分することなく一連の動作として行うことができる。
【0069】
以上により、中間転写ユニット31Aを画像形成装置本体2に対して所定位置に高い精度で簡単に装着して位置決めすることができる。この状態で中間転写ユニット31Aは、中間転写ベルト31を、感光ドラム36と1次転写ローラ41との間に適宜な挟持圧を持って挟み込むことになる。なお、中間転写ユニット31Aの転写フレーム39の後端側を本体フレーム6の一部にねじ止めするようにすれば、位置決め後の中間転写ユニット31Aが不要に移動することがなくなる。
【0070】
次に、図24,図25,図26を参照して、後端側のマゼンタのトナーコンテナ47を画像形成装置本体2の所定位置に装着する動作を説明する。トナーコンテナ47をその長手方向が左右を向くようにして、開口部6aのから収納空間80に向けて下降させる。トナーコンテナ47は、その左端側が左側板74のガイド溝c4によってガイドされ、右端側が右側板75のガイド溝c8によってガイドされて、所定の位置に位置決め配置される。同様にして、シアン,イエロー,ブラックのトナーコンテナ48,49,50を画像形成装置本体2の所定位置に装着する。
【0071】
本実施形態によると、上述のように、現像ユニット40A、ドラムユニット36A、中間転写ユニット31A、トナーコンテナ47〜50をこの順に、トップカバー10を開放して本体フレーム6の上端の開口部6aを上方に向けて開口させ、この開口部6aを介して、上方から画像形成装置本体2の所定位置に位置決めして装着し、また、逆に取り出すことができる。また、これらが装着される収納空間80には、シート搬送部24が構成されていないので、例えば、ジャム紙を除去するためにこれらを取り出す必要がない。ジャム紙の除去は、上述のように前面カバー3を開放することにより、画像形成装置1の正面側から行うことができる。すなわち、本実施形態では、シートに対して画像を形成する部分と、シートを搬送する部分とがはっきりとした形で区分されているので、それぞれを個別に処理することが可能となる。
【0072】
上述の中間転写ユニット31Aには、4本の1次転写ローラ41が配設されていて、これら1次転写ローラ41には、各感光ドラム36上に形成した各色のトナー像を中間転写ベルト31に1次転写する際に、高圧の1次転写バイアスを印加する必要がある。そこで、本実施形態では、中間転写ユニット31Aを画像形成装置本体2の所定位置に位置決め配置したときに、画像形成装置本体2側の高圧電源(不図示)と、中間転写ユニット31A側の1次転写ローラ41とが電気的に接続されるようになっている。以下この点を説明する。
【0073】
図27に示すように、本体フレーム6の右側板75には、4個の台座c7の近傍に接点ばね(第2接点)94の一部が三角形状に内側に突出されている。なお、実際には、基板保持部材110が図27に示す待避位置に配置された場合には、これに連動して、接点ばね94も待避するようになっているが、同図では説明の便宜上、内側に突出された状態を図示している。図28に示すように、基板保持部材110が図28に示す作動位置に配置された場合に、接点ばね94は、同図のように突出される。これら接点ばね94の高さ位置は、所定位置に装着された状態の中間転写ユニット31Aに対応している。
【0074】
中間転写ユニット31A側における、上述の本体フレーム6側の4個の接点ばね94に対応する位置には、それぞれ、後述する捩りコイルばね95が配設されている。図29〜図34を参照して、捩りコイルばね95について説明する。このうち、図29は、中間転写ユニット31Aの転写フレーム39を斜め下方から見た斜視図である。図30は、転写フレーム39の下面に配設された1次転写ローラ41を示す斜視図である。図31は、1次転写ローラ39を外した状態の軸受ガイド101近傍を示す斜視図である。図32は、図31の状態から軸受102を取り外した状態を示す斜視図である。図33は図32と同じ状態を、異なる角度から見た斜視図である。図34は、図32の状態からさらに押圧ばね103を取り外して捩りコイルばね95を示す斜視図である。
【0075】
図29に示すように、転写フレーム39の裏面側には、左端側及び右端側に、相互に対向する前後方向に長い壁部96,97が形成されている。左側の壁部96には、前後方向の異なる位置に4個の軸受ガイド100が形成されており、右側の壁部97には、これら軸受ガイド100のそれぞれに対応する位置に軸受ガイド101が形成されている。図30に示すように、転写フレーム39の裏面には、1次転写ローラ41が配設されていて、その中心には、金属製の軸41aが長手方向に貫通されている。この軸41aは、その左右両端が、軸受ガイド100,101にそれぞれ配設された同様の軸受102によって回転自在に支持されている。図31に示すように、軸受ガイド101には、軸受102,押圧ばね103,台座104,コイルばね95等が配設されている。軸受ガイド101の内側には、軸受102の上下方向の移動をガイドするT溝101aが形成されており、T溝101aの上端には、台座104が配設されている。台座104の中央には、上下方向に透孔104aが貫通されていて、この透孔104aには後述する軸受102のロッド部102bが貫通されるようになっている。台座104の裏面には、後述の捩りコイルばね95の基端部95bを挟み込んで位置決めする一対の凸部104bが形成されている。
【0076】
図31に示すように、軸受102は、1次転写ローラ41の軸41aを回転自在に支持する軸受部102aと、軸受部102aの上面から上方に延びて台座104の透孔104aに挿入されるロッド部102bと、軸受ガイド101の一部101bに係合することで、軸受ガイド101から軸受102が脱落することを防止する係止部102cとを有している。台座104と軸受部102aとの間には、圧縮ばね103が介装されていて、圧縮ばね103の内側を上述のロッド部102bが貫通している。軸受102によって回転自在に支持された1次転写ローラ41は、上述のように、圧縮ばね103によって付勢されて中間転写ベルト31の裏面を押圧し、中間転写ベルト31の表面を感光ドラム36に当接させている。上述の軸受部102a,ロッド部102b,係合部102cからなる軸受102、及び圧縮ばね103は、いずれも導電性部材によって形成されている。一方、軸受ガイド101、台座104は、絶縁性の部材によって形成されている。
【0077】
捩りコイルばね95は、ばね鋼によって形成されていて、右側の軸受ガイド101に配設されている。コイルばね95は、円筒状のばね本体95aと基端部95bと先端部95c(図33参照)とによって構成されていて、ばね本体95aは、中間が軸受ガイド101に穿設された透孔(不図示)に係合されて、基端部95bが軸受ガイド101のT溝101a側に配置され、先端部95cが軸受ガイド101の外側に突き出されるように配置されている。捩りコイルばね95の基端部95bは、図34に示すように、台座104の裏面に突設された一対の凸部104に係合されて、台座104の透孔104aの周縁部に接するように配置されている。捩りコイルばね95の基端部95bは、図31,図32に示すように、圧縮ばね103の上端と、台座104の裏面との間に挟み込まれるようになっている。コイルばね95の先端部95cは、図33に示すように、右側の壁部97の外側に配置されている。先端部95cは、ばね本体95aのうちの壁部97に位置する部分から壁部97の外面に沿って後方に延びた後、向きを変えて外側に延び、さらに向きを変えて後方に延びるように配置されていて、この後方に延びる部分が接触部(第1接点)95dとなっている。壁部97から外側に延びる保持部材105は、壁部97の外面側から外側に向かって延びる一対の柱状部105aとこれらを連結する板状の連結部105bとを有している。柱状部105の先端には、前後方向に向けて保持溝105cが形成されていて、この保持溝105cには、上述のコイルばね95の接触部95dが保持されている。接触部95dは、連結部105bの裏面における先端に対応する部分に配置されていて、他の部材等に当接したときに不要に変形することが防止されているが、接触部95dのうちの中間に位置する部分、つまり実質的に画像形成装置本体2側の接点ばね94(図27,図28参照)に接触する部分は、連結部105bの先端に形成されたぬすみ部105dに対応していて、接点ばね94が接触しやすくなっている。
【0078】
上述のようにして、画像形成装置本体2の所定位置に中間転写ユニット31Aを装着すると、図27に示す、本体フレーム6の右側板75の内面から内側に突出された接点ばね94に、中間転写ユニット31側の捩りコイルばね95の接触部95dが接触する。これにより、画像形成装置本体2側の高圧電源(不図示)で発生された1次転写バイアスは、画像形成装置本体2側の接点ばね94から、中間転写ユニット31側の捩りコイルばね95、押圧ばね103、軸受102、軸41aを介して1次転写ローラ41に印加されるようになっている。
【0079】
以上の実施形態では、本体フレーム6の所定位置に対して、現像ユニット40Aを装着した後、ドラムユニット36Aを装着する場合を例に説明したが、ドラムユニット36Aを先に装着し、その後、現像ユニット40Aを装着する場合にも適用することができる。
【0080】
また、以上の実施形態では、現像ユニット40Aとドラムユニット36Aとが別個に構成されている場合を説明したが、現像ユニット40Aとドラムユニット36aとが一体に構成されている場合でも、同様に適用することができる。
【0081】
また、以上の実施形態では、中間転写ユニット31Aにおいて、中間転写ベルト31が駆動ローラ43と従動ローラ44との2本のローラに張設される場合を例に説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、2本のローラにテンションローラ(不図示)を加えた3本以上のローラに張設される場合についてもほぼ同様に適用することができ、この場合には、同様の効果をそうすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、画像形成装置に限らず、箱状の本体フレームの内側に、中間転写ユニットと同形のものを装着して位置決めするような一般的な装置に対しても適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】画像形成装置の全体を、その前側の左斜め上方から見た斜視図である。
【図2】画像形成装置の全体を、その左側の後斜め上方から見た斜視図である。
【図3】左側から見た画像形成装置の内部の構造を模式的に示す図である。
【図4】(a),(b)は前面カバー及び搬送ユニットの閉鎖位置,開放位置を説明する模式図である。
【図5】左側板を内側から見た斜視図である。
【図6】左側板を内側からまっすぐ見た図である
【図7】右側板を内側から見た斜視図である。
【図8】右側板を内側からまっすぐ見た図である。
【図9】現像ユニットの装着動作を説明する斜視図である。
【図10】現像ユニットの装着動作を説明する斜視図である。
【図11】現像ユニットの装着動作を説明する斜視図である。
【図12】ドラムユニットの装着動作を説明する斜視図である。
【図13】ドラムユニットの装着動作を説明する斜視図である。
【図14】ドラムユニットの装着動作を説明する斜視図である。
【図15】ドラムユニットの装着動作を説明する斜視図である。
【図16】中間転写ユニットの装着動作を説明する斜視図である。
【図17】中間転写ユニットの装着動作を説明する斜視図である。
【図18】中間転写ユニットの装着動作を説明する斜視図である。
【図19】中間転写ユニットの装着動作を説明する斜視図である。
【図20】(a)は装着時の中間転写ユニットにおける、先端部の左端側の動きを説明する斜視図であり、(b)は装着時の中間転写ユニットにおける、先端部の右端側の動きを説明する斜視図である。
【図21】(a)は装着時の中間転写ユニットにおける、先端部の左端側の動きを説明する斜視図であり、(b)は装着時の中間転写ユニットにおける、先端部の右端側の動きを説明する斜視図である。
【図22】(a)は装着時の中間転写ユニットにおける、先端部の左端側の動きを説明する斜視図であり、(b)は装着時の中間転写ユニットにおける、先端部の右端側の動きを説明する斜視図である。
【図23】(a)は装着時の中間転写ユニットにおける、先端部の左端側の動きを説明する斜視図であり、(b)は装着時の中間転写ユニットにおける、先端部の右端側の動きを説明する斜視図である。
【図24】トナーコンテナの装着動作を説明する斜視図である。
【図25】トナーコンテナの装着動作を説明する斜視図である。
【図26】トナーコンテナの装着動作を説明する斜視図である。
【図27】基板保持部材が退避位置に配置され、接点ばねが右側板の内面側から内側に突設された状態を説明する斜視図である。
【図28】基板保持部材が動作位置に配置され、接点ばねが右側板の内面側から内側に突設された状態を説明する斜視図である。
【図29】中間転写ユニットの転写フレームを斜め下方から見た斜視図である。
【図30】転写フレームの下面に配設された1次転写ローラを示す斜視図である。
【図31】1次転写ローラを外した状態の軸受ガイド近傍を示す斜視図である。
【図32】図31の状態から軸受を取り外した状態を示す斜視図である。
【図33】図32と同じ状態を、異なる角度から見た斜視図である。
【図34】図32の状態からさらに押圧ばねを取り外して捩りコイルばね95を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0084】
1……画像形成装置、2……画像形成装置本体、6……本体フレーム、6a……開口部、10……トップカバー(カバー部材)、31……中間転写ベルト、31A……中間転写ユニット、36……感光ドラム、39……転写フレーム、41……1次転写ローラ、43……駆動ローラ(第1ローラ,2次転写対向ローラ)、44……従動ローラ(第2ローラ)、82a……左傾斜ガイド(傾斜ガイド),82b……右傾斜ガイド(傾斜ガイド)、85a,85b……切欠部、87a,87b……第1ガイドボス(スライドボス)、90a……左揺動ガイド(揺動ガイド)、90b……右揺動ガイド(揺動ガイド)、93a,93b……第2ガイドボス(揺動ボス)、94……接点ばね(第2接点)、95d……接触部(第1接点)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口部を有する本体フレームと、前記開口部を介して上方から前記本体フレームの所定位置に装着されて位置決めされる着脱可能な中間転写ユニットとを備え、前記中間転写ユニットが転写フレームと前記転写フレームによって回動自在に支持された第1ローラ及び第2ローラと前記第1ローラ及び前記第2ローラに無端状に張設された中間転写ベルトとを有する画像形成装置において、
前記転写フレームは、装着時に先端側となる前記第1ローラ近傍において前記中間転写ベルトのベルト幅方向に突設されたスライドボスと、前記転写フレームから外側に向けて突設されて前記第1ローラの同軸上に配置された揺動ボスとを有し、
前記本体フレームは、装着後の前記本体フレームの先端側に対応する一端部近傍に配置された傾斜ガイド及び揺動ガイドを有し、
前記傾斜ガイドは、前記中間転写ユニットの装着方向下流側が下方に傾斜していて前記スライドボスを下方から支持して前記揺動ボスを前記揺動ガイドに向けてガイドして係合させ、
前記揺動ガイドは、係合された前記揺動ボスを基準として前記中間転写ユニット全体の揺動動作をガイドして前記所定位置に配置する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記傾斜ガイドは、装着時の前記中間転写ユニットの前記揺動ボスが前記揺動ガイドに係合される以前に前記スライドボスが下方へ移動することを許容する切欠部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記中間転写ユニットは、前記所定位置に配置された際に前記中間転写ベルトを裏面側から付勢して前記中間転写ベルトの表面側を前記本体フレーム側に配置されている感光ドラムに当接させる1次転写ローラを有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1ローラは、前記中間転写ユニットが前記所定位置に配置された際に、前記本体フレーム側に配置されている2次転写ローラとの間に前記中間転写ベルトを挟持する2次転写ローラ対向ローラである、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記中間転写ユニットは、前記1次転写ローラと導通された第1接点を有し、
前記本体フレームは、前記中間転写ユニットが前記所定位置に配置された際に前記第1接点に接触する位置に、前記本体フレーム側に配置された電源に接続された第2接点が配置されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2009−15153(P2009−15153A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−178687(P2007−178687)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】