画像形成装置
【課題】薄板部材を簡易に取り出せ、且つ取り出し忘れを低減すること。
【解決手段】像保持体(Pk,Py,Pm,Pc,Pk′)と転写手段(T1k,T1y,T1m,T1c,T1k′)を有する画像形成装置本体(U1,U1′)と、画像形成装置本体(U1,U1′)に対して着脱可能に支持された給紙手段(TR1,TR1′)と、転写領域(Q3,Q3′)に挟まれた薄板部材(Se,Sp,Se′,Sp′)であって、画像形成装置本体(U1,U1′)と給紙手段(TR1,TR1′)との隙間(6,6′)を介して、抜き取り可能な薄板部材(Se,Sp,Se′,Sp′)と、を備えたことを特徴とする画像形成装置(U,U′)。
【解決手段】像保持体(Pk,Py,Pm,Pc,Pk′)と転写手段(T1k,T1y,T1m,T1c,T1k′)を有する画像形成装置本体(U1,U1′)と、画像形成装置本体(U1,U1′)に対して着脱可能に支持された給紙手段(TR1,TR1′)と、転写領域(Q3,Q3′)に挟まれた薄板部材(Se,Sp,Se′,Sp′)であって、画像形成装置本体(U1,U1′)と給紙手段(TR1,TR1′)との隙間(6,6′)を介して、抜き取り可能な薄板部材(Se,Sp,Se′,Sp′)と、を備えたことを特徴とする画像形成装置(U,U′)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、運搬時や保管時に、内部に配置された部材同士の接触による汚損や光劣化しやすい感光体のような部材を光などから保護する技術として、特許文献1〜4に記載の技術が知られている。
特許文献1としての特開2006−259625号公報には、上下方向に直線状に並設された4個の電子写真感光体ドラム(1C,1Y,1M,1Bk)と、前記感光体ドラム(1)に対向して並設された転写ローラ(8C,8Y,8M,8Bk)とを有するカラー画像形成装置(100)が記載されており、前記カラー画像形成装置(100)には、感光体ドラム(1)と転写ローラ(8)の間の転写位置に、転写材(S)を搬送する転写材搬送ベルト(2)が配置されている。特許文献1に記載の技術では、感光体保護シート(40)を、カラー画像形成装置(100)の内部である、感光体ドラム(1)と転写材搬送ベルト(2)の間に挟みこんで、カラー画像形成装置(100)の運搬の際の、感光体ドラム(1)と転写材搬送ベルト(2)との摺擦を低減させて保護し、使用時には感光体保護シート(40)を、転写材搬送ベルト(2)等で排出トレイ(17)に排出することで、内部から自動で排出させるか、メンテナンスドアを開けて内部から手動で取り出している。
【0003】
特許文献2としての特開平6−148965号公報には、感光ドラム(7)その他を有し、感光ドラム(7)が露出している現像プロセスユニット(13)が記載されている。特許文献2の技術では、現像プロセスユニット(13)の感光ドラム(7)の露出部に、保護カバー(13)を取り付け、感光ドラム(7)を接触などから保護している。そして、特許文献2の技術では、画像形成装置に装着されて使用される際には、モータ(37)の駆動により用紙搬送路(6)の搬送系が駆動し、プロセスユニット(13)から保護カバー(22)が剥がされ、画像形成装置の内部から排紙部(5)に自動的に排出されている。
【0004】
特許文献3としての特開2005−300849号公報には、感光体(50)と中間転写体(64)その他を有し、画像形成装置本体に装着される像形成ユニット(96)が記載されている。特許文献3の技術では、新品の像形成ユニット(96)に、感光体(50)と中間転写体(64)の露出部を覆う保護紙(101)を取り付け、感光体(50)と中間転写体(64)を接触などから保護している。そして、特許文献3の技術では、像形成ユニット(96)が画像形成装置本体(12)に装着された後に、開閉カバー(16)が開いた状態で、像形成ユニット(13)から保護紙(22)を、ユーザーが抜き取っている。
【0005】
特許文献4としての特開2006−285091号公報には、感光体ドラム(1)その他を一体化したプロセスカートリッジ(26)が、着脱可能に装着される画像形成装置が記載されている。特許文献4に記載の技術では、画像形成装置本体とプロセスカートリッジ(26)の間に保護シート(40)を挟み、プロセスカートリッジ(26)自体を運搬時の振動から保護し、使用時にはドアを開き、ユーザーが画像形成装置内部から取り除いている。
【0006】
【特許文献1】特開2006−259625号公報(「0010」〜「0017」、「0033」〜「0034」、「0050」〜「0054」)
【特許文献2】特開平6−148965号公報(「0023」〜「0024」、「0028」〜「0030」、図1、図2)
【特許文献3】特開2005−300849号公報(「0090」〜「0097」、図14、図15)
【特許文献4】特開2006−285091号公報(「0014」〜「0017」、「0027」、「0029」、図1、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、薄板部材を簡易に取り出せ、且つ取り出し忘れを低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
表面に像を保持する像保持体と、前記像保持体に対向して配置され、前記像保持体表面の像を媒体に転写する転写手段と、を有する画像形成装置本体と、
前記像保持体と前記転写手段とが対向する転写領域に搬送される媒体が収容されると共に、前記画像形成装置本体に対して着脱可能に支持された給紙手段と、
前記転写領域に挟まれた薄板状の薄板部材であって、前記画像形成装置本体と前記給紙手段との隙間を介して前記画像形成装置本体外部に導出された導出部を有し、前記導出部を引っ張ることで前記薄板部材を前記画像形成装置本体から抜き取り可能な前記薄板部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
複数の前記像保持体と、前記各像保持体に対向して配置された複数の前記転写手段と、前記複数の転写手段に支持され且つ前記転写手段と前記像保持体との間に挟まれた状態で配置されて表面に前記媒体をのせて搬送する無端帯状の転写搬送部材と、を有する前記画像形成装置本体と、
前記複数の像保持体と、前記転写搬送部材を介して前記転写手段との間に挟まれた前記薄板部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記複数の転写手段を前記複数の像保持体側に付勢する複数の付勢部材であって、媒体搬送方向に沿って下流側にいくにつれて前記付勢部材による付勢力が大きく設定された前記付勢部材と、
前記媒体搬送方向上流端の前記転写手段よりも上流側に設けられた前記導出部を有する前記薄板部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記薄板部材に関する情報が記憶された情報記憶部材を有する前記薄板部材と、
前記情報記憶部材の情報を読みとる情報読取り装置と、前記情報読取り装置で読み取られた情報に基づいて前記薄板部材が前記画像形成装置本体内部にあるか否かを判別する薄板部材有無判別手段と、前記薄板部材が前記画像形成装置本体内部にあると判別された場合に前記画像形成装置本体の作動を停止する作動停止制御手段と、を有する前記画像形成装置本体と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、
導電性の導電紙により構成された前記薄板部材、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記転写領域の上流側に隣接して配置されて前記転写領域に媒体を搬送する時期を調整する媒体搬送時期調整部材、を有する前記画像形成装置本体と、
前記媒体搬送時期調整部材を避けて配置された前記薄板部材と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1、2に記載の発明によれば、薄板部材によって、像保持体や転写手段などが、運搬、保管の際、直接接触して擦られることを防ぐと共に、本発明の構成を有しない場合に比べて、使用の際には、給紙手段近傍の導出部を引くことで、画像形成装置本体から簡易に取り出すことができると共に、取り忘れを低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、像保持体と転写手段の間を通過する薄板部材を引き出すにつれて、引き出す際の抵抗が小さくなり、本発明の構成を有しない場合に比べて、弱い力で簡易に薄板部材を引き出すことができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、薄板部材を取り除く前に、画像形成装置本体が誤動作しないようにすることができる。
請求項5に記載の発明によれば、像保持体に接触する薄板部材が抜き出される際に、像保持体に摩擦帯電による影響が発生しにくく、画質の劣化を低減することができる。
請求項6に記載の発明によれば、薄板部材が媒体搬送時期調整部材に接触せず、薄板部材との接触に伴う媒体搬送時期調整部材の破損などを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0017】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の斜視説明図である。
図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図3は本発明の実施例1の画像形成装置のサイドカバーが開放された状態の斜視説明図である。
図1〜3において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUは、画像が記録される媒体の一例としての記録媒体Sが収容される給紙手段の一例としての給紙容器TR1が下部に収容されており、前記給紙容器TR1の前面には、記録媒体Sを手差しで供給する手差し供給部TR11が設けられている。また、前記プリンタUの上面には媒体排出部TRhが設けられている。さらに、プリンタUの上部にはボタン入力等の各種操作を行うための操作部UIが設けられている。
【0018】
実施例1のプリンタUは、画像形成装置本体U1と、画像形成装置本体U1の前側に設けられた開閉可能な開閉部の一例としてのフロントカバーU2と、前記画像形成装置U1の側面に設けられた開閉可能な開閉部の一例としてのサイドカバーU3と、を有する。前記フロントカバーU2は、像保持体カートリッジ、現像装置、故障した部材等の交換、清掃保守や紙詰まりした記録媒体Sを除去するために画像形成装置本体U1の内部を開放する際に開放され、前記サイドカバーU3は、現像剤補給容器、いわゆるトナーカートリッジの交換を行う際に開放される。
図3において、プリンタUのサイドカバーU3を開放位置に移動させると、プリンタUのサイドが開放され、現像剤補給容器の一例としてのトナーカートリッジTCy,TCm,TCc,TCkが取り扱い可能となる。実施例1では、前記トナーカートリッジTCy〜TCkは、下から順に、トナーカートリッジTCy、トナーカートリッジTCm、トナーカートリッジTCc、トナーカートリッジTCk、の順に着脱可能に装着されている。前記トナーカートリッジTCy,TCm,TCc,TCkは、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(黒)の色の現像剤をそれぞれ収容しており、画像形成装置本体U1に各色の現像剤を補給している。
【0019】
図2において、プリンタUは、プリンタUの各種制御を行う制御部Cと、制御部Cにより作動を制御される画像処理部IPS、像書込装置駆動回路DL、および電源装置E等を有している。電源装置Eは、後述の帯電器の一例としての帯電ロールCRy,CRm,CRc,CRk、現像剤保持体の一例としての現像ローラおよび転写手段の一例としての転写ロールT1y,T1m,T1c,T1k等に電圧を印加する。
前記画像処理部IPSは、外部の画像情報送信装置等から入力された印刷情報を、K(黒),Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)の4色の画像に対応した潜像形成用の画像情報に変換して、所定のタイミングで像書込装置駆動回路DLに出力する。像書込装置駆動回路DLは、入力された各色の画像情報に応じて駆動信号を潜像書込装置ROSに出力する。前記潜像書込装置ROSは、駆動信号に応じて、各色の画像書き込み用の画像書込光の一例としてのレーザビームLy,Lm,Lc,Lkを出射する。
【0020】
図2において、前記潜像書込装置ROSの前方にはY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(黒)の各色の可視像の一例としてのトナー像を形成する可視像形成装置UY,UM,UC,UKが配置されている。
K(黒)の可視像形成装置UKは回転する像保持体の一例としての感光体Pkを有する。前記感光体Pkの周囲には、帯電器の一例としての帯電ロールCRk、感光体表面の静電潜像を可視像に現像する現像装置Gk、感光体Pk表面に残留した現像剤を除去する像保持体清掃器の一例としての感光体クリーナCLk等が配置されている。
【0021】
前記感光体Pkは、帯電ロールCRkと対向する帯電領域で帯電ロールCRkにより表面を一様に帯電された後、潜像形成領域でレーザビームLkにより潜像が書き込まれる。書き込まれた静電潜像は現像装置Gkと対向する現像領域において静電潜像が可視像化される。
実施例1の黒色の可視像形成装置UKは、感光体Pk、帯電ロールCRk、感光体クリーナCLkが一体的に構成されて交換可能な像保持体カートリッジと、現像装置Gkにより構成された交換可能な現像カートリッジと、により構成されている。
他の色の可視像形成装置UY,UM,UCも、黒色の可視像形成装置UKと同様に、画像形成装置本体U1に対して着脱可能な像保持体カートリッジと現像カートリッジとにより構成されている。なお、実施例1では、前記4つの可視像形成装置UY〜UKは、着脱可能な枠体Ut、いわゆる交換フレームUtに支持されており、4つの可視像形成装置UY〜UKが画像形成装置本体U1に対して一体的に交換可能に構成されている。
【0022】
図2において、前記感光体Py〜Pkの前方には、フロントカバーU2に支持された記録媒体搬送装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、転写搬送部材の一例としての媒体搬送ベルトBと、媒体搬送ベルトBを支持する駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、従動部材の一例としての従動ロールRjを含む保持搬送部材支持系の一例としてのベルト支持ロール(Rd+Rj)と、各感光体Py,Pm,Pc,Pkに対向して配置された転写手段の一例としての転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kと、転写搬送部材清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbとを有する。前記媒体搬送ベルトBは、前記ベルト支持ロール(Rd+Rj)により回転可能に支持されている。
【0023】
また、前記転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kは、付勢部材の一例としての圧縮バネSPy,SPm,SPc,SPkにより、前記感光体Py,Pm,Pc,Pk側に付勢されており、媒体搬送ベルトBは感光体Py〜Pk側に所定の接触圧で接触する。ここで、前記圧縮バネSPy〜SPkによる付勢力は、感光体Py、感光体Pm、感光体Pc、搬感光体Pk、の順に搬送方向下流側に行くほど強くなるように設定されている。実施例1では、圧縮バネSPyによる付勢力は170gwに、圧縮バネSPmによる付勢力は180gwに、圧縮バネSPcによる付勢力は190gwに、圧縮バネSPkによる付勢力は200gwに設定されている。
【0024】
なお、前記画像濃度センサSN1は、所定の時期に、制御部Cの図示しない画像濃度調整手段により形成される濃度検出用の画像、いわゆるパッチ画像の濃度を検出するためのものであり、画像濃度調整手段は、前記画像濃度検出部材で検出された画像濃度に基づいて、帯電ロールCRy〜CRkや現像装置Gy〜Gk、転写ロールT1y〜T1kへ印加する電圧の調整、潜像書込光Ly〜Lkの強度の調整を行うことにより、画像濃度の調整や補正、いわゆる、プロセスコントロールを行う。
【0025】
媒体搬送ベルトBの下方に配置された給紙容器TR1の記録媒体Sは、給紙部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、さばき部材の一例としてのさばきロールRsにより一枚ずつにさばかれ、記録媒体搬送路SHに搬送される。
記録媒体搬送路SHの記録媒体Sは、媒体搬送時期調整部材の一例としてのレジロールRrに送られる。前記レジロールRrは、所定のタイミングで、転写領域Q3yに前記記録媒体Sを搬送する。なお、実施例1のレジロールRrは、媒体搬送時期調整ユニットの一例としてのレジロールユニットURrにより構成されている。そして、前記レジロールユニットURrは、画像形成装置本体U1に、レジロールRrの汚損時などに一体的に交換可能に支持されている。
【0026】
一方、前記手差し供給部TR11から供給される記録媒体Sは、利用者により、記録媒体Sの前端がレジロールRrに到達するまで挿入され、レジロールRrにより所定のタイミングで転写領域Q3yに搬送される。
【0027】
前記媒体搬送ベルトBにより、記録媒体Sは、前記感光体Py〜Pkと接触する前記転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kを順次通過する。
前記転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて媒体搬送ベルトBの裏面側に配置された転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから所定のタイミングでトナーの帯電極性と逆極性の転写電圧が印加される。
多色画像の場合、前記各感光体Py〜Pk上のトナー像は前記転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより媒体搬送ベルトB上の記録媒体Sに重ねて転写される。また、単色画像、いわゆる、モノクロ画像の場合、感光体Pk上にK(黒)のトナー像のみが形成され、このK(黒)のトナー像のみが転写ロールT1kにより記録媒体Sに転写される。
トナー像転写後の感光体Py〜Pkは、感光体クリーナCLy〜CLkにより表面に残留したトナーが回収されて清掃され、再び帯電ロールCRy〜CRkにより帯電される。
【0028】
前記トナー像が転写された記録媒体Sは、定着器の一例としての定着装置Fの加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとが圧接して形成する定着領域Q5で定着される。画像が定着された記録媒体Sは、媒体排出部材の一例としての排出ロールRhから媒体排出部TRhに排出される。
記録媒体Sが離隔した後の前記媒体搬送ベルトBは、前記ベルトクリーナCLbにより清掃される。
【0029】
(手差し供給路等について)
図4は本発明の実施例1の要部拡大図である。
図4において、前記給紙トレイTR1には、前記手差し供給部TR11の手差し供給口TR11aから延びる上側手差し案内部1が形成されている。また、前記給紙トレイTR1には、前記上側手差し案内部1に対向する下側手差し案内部2が形成されている。前記下側手差し案内部2の外端は、滑らかに下方に湾曲する弧状の面により構成されている。前記画像形成装置本体U1には、前記上側手差し案内部1から前記レジロールRrに延びる上側本体側案内部3が形成され、さらに、前記下側手差し案内部2からレジロールRrまで延びる下側本体側案内部4が形成されている。
前記上側手差し案内部1、下側手差し案内部2、上側本体側案内部3及び下側本体側案内部4により、手差し供給路SH11が構成されている。なお、前記手差し供給路SH11において、上側手差し案内部1と上側本体側案内部3との間には、薄板部材通過隙間6が形成されている。
【0030】
前記上側本体側案内部3及び下側本体側案内部4の上方には、前記レジロールユニットURrが配置されている。前記レジロールユニットURrの上面と前記ベルトモジュールBMの下端部における媒体搬送ベルトBの下端との間には、媒体幅方向に幅が広い隙間である本体側薄板部材通過隙間の一例としてのベルトレジ間隙間7が形成されている。また、レジロールユニットURrとフロントカバーU2の間には、媒体幅方向に幅が広い薄板部材通過空間8が形成されている。前記薄板部材通過空間8の下方は、前記薄板部材通過隙間6と繋がっている。また、前記薄板部材通過空間8の上方は、ベルトレジ間隙間7と繋がっている。前記薄板部材通過隙間6、ベルトレジ間隙間7及び薄板部材通過空間8により薄板部材通過部6+7+8が構成される。前記レジロールユニットURrの上方で、ベルトモジュールBMの従動ロールRjの後方には、情報読取り装置11が配置されている。
【0031】
図5は薄板部材が装着された画像形成装置の斜視図である。
図6は薄板部材が装着された画像形成装置の要部拡大図である。
図7は、薄板部材の説明図であり、図7A、図7Bは情報記憶部材を有さない場合の説明図、図7Cは情報記憶部材を有した場合の説明図である。
図5〜7において、薄板部材の一例としての導電紙Seは、長方形状で薄板状の、いわゆるシート形状をしている。前記導電紙Seは、実施例1の画像形成装置U1における、手差し供給口TR11aと、薄板部材通過部6+7+8と、搬送ベルトBと感光体Py〜Pkの間と、を通る経路長よりも抜出方向の長さが長い。実施例1においては、導電紙Seの抜出方向の長さは、一端が上端の感光体Pkと媒体搬送ベルトBの接触部により挟まれた状態で、他端が手差し供給口TR11aから外方に導出され且つ、利用者が前記導電紙Seの他端部を摘んで抜出が可能な長さに設定されている。なお、実施例1では、前記導電紙Seの幅は、感光体Py〜Pk、転写ロールT1y〜T1kの左右方向の長さよりも長い。
【0032】
図7A、図7Bにおいて、前記導電紙Seは、他端側に導出部Se1を有している。前記導出部Se1には、利用者に画像形成装置本体U1から前記導電紙Se1を抜き取らせる指示表示21が記載されている。図7Aに示す実施例1の導電紙Seでは、前記指示表示21の一例として、記載された薄板部材Seを引っ張る旨の注意書き21aが記載されている。また、図7Bに示す他の例としての導電紙Seには、指示表示21の他の一例として、引っ張る方向の矢印21bが記載されている。前記指示表示21は、図5、図6に示すように、導電紙Seの他端部である導出部Se1が手差し供給口TR11aから外方に導出される際に、利用者に視認されるように、導電紙SeがプリンタUに装着される。
【0033】
図7Cにおいて、プリンタUには、前記導電紙Seに替えて、薄板部材の他の一例としての保護シートSpの装着が可能である。前記保護シートSpは、前記導電紙Seと同様の形状をしており、導出部Sp1を有し、前記導出部Sp1には、指示表示21が記載されている。また、前記保護シートSpには、図5、図6のように保護シートSpをプリンタUに装着したときに、前記情報読取り装置11と対応する位置に、情報記憶部材22が配置されている。なお、実施例1の情報記憶部材22では、非接触で情報の送受信が可能な技術、例えばRFID(Radio Frequency Identification)技術が採用されている。これにより、画像形成装置本体U1の電源がオンの状態では、前記情報記憶部材22の情報が、情報読取り装置11により読取られ、前記情報に基づいて前記制御部Cの薄板部材有無判別手段C1により、保護シートSpが画像形成装置本体U1内部にあるか否か判別される。実施例1では、前記情報記憶部材22から情報が読取られた場合、薄板部材有無判別手段C1は、保護シートSpが画像形成装置本体U1内部にあると判別する。前記薄板部材有無判別手段C1により、保護シートSpが画像形成装置本体U1内部にあると判別された場合、前記制御部Cの作動停止制御手段C2は、画像形成装置本体U1の作動を停止する。すなわち、画像形成装置本体U1の電源がオンの状態で、保護シートSpが画像形成装置本体U1の内部から取り除かれる前に、外部の画像情報送信装置等から印刷情報が画像形成装置本体U1に送られる事などがあっても、画像形成装置本体U1の媒体搬送ベルトB等は駆動せず、薄板部材である前記保護シートSpが搬送路SH1に詰まることなどは防止される。
【0034】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUにおいて、前記薄板部材Se,Spを装着する際、前記フロントカバーU2を開放位置に移動させた状態で、薄板部材Se,Spを感光体Py〜Pkと、媒体搬送ベルトBとの間に配置し、前記薄板部材Se,Spの導出部Se1,Sp1を、レジストロールRrを迂回した薄板部材通過部6+7+8を通過させ、手差し供給部TR11から外方に導出させ、給紙トレイTR1の前面に配置する。そして、フロントカバーU2を通常位置に移動させると、前記薄板部材Se,Spは、図5、図6に示すように画像形成装置本体U1に装着され、前記転写ロールT1y〜T1kの圧縮バネSPy〜SPkにより、感光体Py〜Pkと媒体搬送ベルトBの間に、挟持された状態で保持される。なお、保護シートSpが装着される場合、情報記憶部材22が情報読取り装置11の読取り位置に来るように装着されている。
したがって、前記感光体Py〜Pkと、媒体搬送ベルトBや転写ロールT1y〜T1kとの接触や磨耗から保護され、プリンタUは運搬、保管、設置される。また、前記プリンタUを設置して使用する際に、前記給紙容器TR1、手差し供給部TR11の前面に導出された導出部Se1,Sp1が視認される。
【0035】
プリンタUが設置されて、使用が開始される際に、前記導出部Se1,Sp1の指示表示21を視認した利用者は、前記指示表示21の指示に従って、前記導出部Se1,Sp1を引っ張る。前記薄板部材Se,Spは、画像形成装置本体U1から引き出される。この際に、前記薄板部材Se,Spは、手差し供給部TR11における湾曲形状の下側手差し案内部2により、薄板部材Se,Spに無理な力が掛かって途中で切断されることなく引っ張られる。また、前記薄板部材Se,Spは、レジストロールRrを迂回した薄板部材貫通部6+7+8を通過し、レジストロールRrを擦って損傷させることもなく、レジストロールRrの挟持力に伴う抵抗を受けることもなく引っ張られる。そして、前記薄板部材Se,Spの一端側が、付勢力がSPk,SPc,SPm,SPyの順に弱い圧縮バネSPy〜SPkにより、上流側になるほど接触圧が弱くなる感光体Py〜Pkと媒体搬送ベルトBの間を通過し、薄板部材Se,Spが画像形成装置本体U1から引き出されるほど、抵抗が小さくなり、小さい力で引き出される。したがって、前記フロントカバーU2を開放させることなく、給紙容器TR1の近傍の導出部Se1,Sp1を引くことで、簡易に画像形成装置本体U1から薄板部材Se,Spを取り出せ、また、取り忘れも少ない。なお、導電紙Seが装着される場合、導電紙Seが、感光体Py〜Pkに触れながら移動しても、その導電性により、摩擦帯電による感光体Py〜Pkの汚損の発生が低減された状態で引き出される。また、感光体Py〜Pkで摩擦帯電による影響が発生しにくく、記録媒体Sに転写される画質の劣化が低減される。
【0036】
前記プリンタUに保護シートSpが装着される場合、保護シートSpを取り抜かずにプリンタUの電源をオンにしても、情報記憶部材22の情報が情報読取り装置11により読取られ、プリンタUが作動しない。すなわち、前記保護シートSpを取り出す前に、プリンタUの電源がオンの状態で、誤ってプリンタUを作動させるような操作、例えば、外部の情報出力装置から印刷情報をプリンタUに送ってしまう操作などが行われても、画像形成装置本体U1の画像形成動作は行われず、保護シートSpが画像形成装置本体U1の内部に引き込まれて、詰まるなどということが防止される。また、途中まで抜き出されて、情報記憶部材22と情報読取り装置11の位置がずれた状態で、プリンタUが作動しても、保護シートSpが媒体搬送ベルトBにより引き込まれる途中で、情報記憶部材22が情報読取り装置11の位置に到達し、薄板部材有無判別手段C1と作動停止制御手段C2により、プリンタUの作動が停止される。
【実施例2】
【0037】
図8は実施例2の画像形成装置の全体説明図である。
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同様の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0038】
(プリンタU′)
図8において、実施例2のプリンタU′は、画像形成装置本体U1′と、画像形成装置本体U1′の前側のフロントカバーU2′と、画像形成装置本体U1′の下方の給紙容器TR1′等を有する。前記フロントカバーU2′は、後述するプロセスユニットPUや、故障した部材等の交換、清掃保守や紙詰まりした記録媒体Sを除去するために画像形成装置本体U1′の内部を開放する際に開放される。また、前記フロントカバーU2′は、手差しにより記録媒体Sを供給する際に開放される。
前記画像形成装置本体U1′は、制御部C′、画像処理部IPS′、像書込装置駆動回路DL′等を有しており、前記制御部C′は、薄板部材有無判別手段C1′と作動停止制御手段C2′を有している。
前記画像処理部IPS′は、外部の画像情報送信装置等から入力された印刷情報を、K(黒)の画像に対応した潜像形成用の画像情報に変換して、所定のタイミングで像書込装置駆動回路DL′に出力する。前記像書込装置駆動回路DL′は、入力された画像情報に応じて駆動信号を潜像書込装置ROS′に出力する。前記潜像書込装置ROS′は、駆動信号に応じて、レーザビームLk′を出射する。
【0039】
前記潜像書込装置ROS′の下方には、可視像形成装置の一例としてのプロセスユニットUPが着脱可能に装着されている。前記プロセスユニットUPは、像保持体ユニットの一例としての感光体ユニットUP1を有している。前記感光体ユニットUP1は、感光体Pk′と、前記感光体Pk′の周囲の帯電ロールCRk′、感光体クリーナCLk′等を有している。
前記感光体ユニットUP1の上側前方には、現像ユニットUP2が支持されている。前記現像ユニットUP2は、現像剤収容容器TCk′、現像装置Gk′等を有している。
前記感光体ユニットUP1と現像ユニットUP2により、実施例2のプロセスユニットUPが構成されている。なお、前記プロセスユニットUPの前記感光体ユニットUP1と現像ユニットUP2の間には、画像書込光通過孔UPaが形成されており、前記画像書込光通過孔UPaをレーザビームLk′が通過し、感光体Pk′に潜像が書き込まれる。
【0040】
前記プロセスユニットUPの下方には、転写ユニットUTが配置されている。前記転写ユニットUTは、上側前方に転写部材の一例としての転写ロールT1k′を有し、前記転写ロールT1k′の下側後方に媒体案内部材の一例としての転写後シートガイドSGT等を有している。前記転写ロールT1k′は、前記感光体Pk′との接触領域により転写領域Q3′を形成し、感光体Pk′上のトナー像を記録媒体Sに転写する。
【0041】
前記給紙容器TR1′の前方上方には、ピックアップローラRp′が配置されている。前記ピックアップローラRp′の前方には、さばきローラRs′が設けられている。給紙容器TR1′に収容されている記録媒体Sは、ピックアップローラRp′、さばきローラRs′により、上方の媒体搬送路SH1′に搬送される。そして、媒体搬送路SH1′に配置された搬送ローラRa′、レジストローラRr′により、転写領域Q3′に搬送される。
一方、手差しにより記録媒体Sが供給される場合、前記フロントカバーU2′が開放され、給紙容器TR1′の上方に形成された手差し供給路SH2′に記録媒体Sが供給される。前記手差し供給路SH2′には、搬入部材の一例としての搬入ロールRn′が設けられている。前記搬入ロールRn′により記録媒体Sは、媒体搬送路SH1′の搬送ローラRa′に搬送され、搬送ローラRa′、レジストローラRr′により、転写領域Q3′に搬送される。
【0042】
転写領域Q3′において画像が記録された記録媒体Sは、前記転写後シートガイドSGTに案内されて、転写ユニットUTの後方に配置された定着装置F′に搬送される。前記定着装置F′において、加圧ロールFp′及び加熱ロールFh′の接触領域である定着領域Q5′を通過した記録媒体Sは、記録媒体Sの搬送方向を切り替える切替部材の一例としての切替ゲートGTにより排出路SH3′に案内される。そして、排出部材の一例としての排出ロールRh′により排出トレイTRh′に排出される。なお、排出路SH3′の前記切替ゲートGT′が配置されている位置から、給紙容器TR1′まで反転路SH4′が延びている。これにより、両面印刷時には、一度、排出路SH3′に搬送された記録媒体Sが、排出方向とは逆に搬送される。そして、前記記録媒体Sは、切替ゲートGTにより反転路SH4′に案内されて、表裏逆転した状態で給紙容器TR1′に収容され、もう一度画像形成動作が行われ、もう一面にも画像が記録される。
【0043】
図9は実施例2の画像形成装置本体に薄板部材が装着された状態の要部拡大図である。
図9において、一対の前記さばきロールRs′の前側は、給紙容器TR1′の上部に支持されている。また、前記さばきロールRs′の後側は、画像形成装置本体U1′の媒体搬送路SH1′の上流端に支持されている。前記給紙容器TR1′がプリンタU′に装着されると、前記前側及び後側のさばきロールRs′が接触し、記録媒体Sが供給されると記録媒体Sをさばく。
給紙容器TR1′が装着されたプリンタU′には、前記さばきロールRs′の前方で、給紙容器TR1′と画像形成装置本体U1′の間に、薄板部材通過隙間6′が形成されている。
前記さばきロールRs′の上方には、情報読取り装置11′が配置されており、保護シートSp′の情報記憶装置22′の情報を読取る。
【0044】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2のプリンタU′では、前記薄板部材Se′,Sp′の一端側は、前記転写ロールT1k′上方を覆うように配置され、他端側である導出部Se1′,Sp1′が、媒体搬送路SH1′を通過して、外方に導出された状態で画像形成装置本体U1′に配置される。すなわち、図9に示すように、前記薄板部材Se′,Sp′は、感光体Pk′と転写ロールT1k′とにより挟まれ、薄板部材通過隙間6′を介して、導出部Se1′,Sp1′が利用者に視認される状態で装着される。したがって、実施例1と同様に、プリンタU′は、前記感光体Pk′と転写ロールT1k′との接触や磨耗等から保護された状態で、運搬、保管、設置され、使用に際して、薄板部材Se′,Sp′が、簡易且つほぼ確実に画像形成装置本体U1′から抜き取られる。
【実施例3】
【0045】
図10は実施例3の薄板部材が装着された画像形成装置の要部拡大図であり、図6に対応する図である。
図11は実施例3の薄板部材の説明図であり図7に対応する図であって、図11Aは薄板部材の表面の図、図11Bは薄板部材の裏面の図である。
次に本発明の実施例3の説明をするが、この実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同様の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0046】
図11において、実施例3の導電紙Seでは、実施例1の導電紙Seが片面にのみ指示表示21が記載されていたのに替えて、導電紙Seの表面Se2と裏面Se3の両面に指示表示21が記載されている。実施例3では、前記指示表示21の一例として、引っ張る方向の矢印21cと、利用者がすべき操作を表した説明図からなる指示図21dが記載されている。
【0047】
図10において、実施例1の導出部Se1が手差し供給口TR11aから外方に導出されるのみであったのに替えて、実施例3では、手差し供給口TR11aから外方に導出される導出部Se1が上方に持ち上げられ、貼付部材の一例としてのテープ23により、導出部Se1がプリンタUに貼付されている。
【0048】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3のプリンタUにおいて、導電紙Seを装着する際、実施例1では導出部Se1を手差し供給部TR11から外方に導出させたのみであったが、実施例3では導出部Se1が手差し供給部TR11から外方に導出されて、さらに、上方に折り曲げ、テープ23で導出部Se1がプリンタUに貼付される。これにより、テープ23で貼付しない場合にくらべ、運搬、保管、設置の際に、導電紙Seの脱落が防止されると共に、プリンタUに対する装着状態がずれにくくなっている。そして、利用者がテープ23を剥がし導電紙Seを画像形成装置本体U1から引き出す際に、利用者の引き出し操作に伴い導出部Se1の視認される面が変わっても、両面に指示表示21が記載されており、指示表示21は視認され続け、画像形成装置本体U1から抜き出される。
【実施例4】
【0049】
図12は実施例4の薄板部材が装着された画像形成装置の要部拡大図であり、図9に対応する図である。
次に本発明の実施例4の説明をするが、この実施例4の説明において、前記実施例2の構成要素に対応する構成要素には同様の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例2と相違しているが、他の点では前記実施例2と同様に構成される。
【0050】
実施例4の導電紙Se′では、実施例2の導電紙Se′が片面にのみ指示表示21が記載されていたのに替えて、実施例3の導電紙Seと同様に両面に指示表示21が記載されている。
実施例2の画像形成装置本体U1′に装着される導電紙Se′は、薄板部材通過隙間6′を介して外方に導出されるのみであったが、実施例4の画像形成装置本体U1′に装着される導電紙Se′は、実施例3と同様に、外方に導出された導出部Se1′が、上方に折り曲げられ、テープ23によりプリンタU′に貼付されている。
【0051】
(実施例4の作用)
前記構成を備えた実施例4のプリンタU′において、導電紙Se′がプリンタU′に貼付されており、実施例3と同様に、導電紙Se′の脱落が防止されると共に、プリンタU′に対する装着された状態がずれにくく、また、導出部Se1′の視認される面が変わっても、利用者に指示表示21が視認されながら抜き出される。
【0052】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H05)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置の一例としてプリンタU,U′を例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。
【0053】
(H02)前記各実施例において、薄板部材Se,Sp,Se′,Sp′の導出部Se1,Sp1,Se1′,Sp1′には、指示表示21が記載されていることが望ましいが、これを省略することも可能である。
(H03)前記各実施例において、薄板部材として、導電紙Se,Se′または保護シートSp,Sp′を例示したが、これに限定されず、例えば、摩擦帯電の影響を受け易い像保持体などの保護部分には導電紙が配置され、情報読取り装置の読取り位置には保護シートの情報記憶部材が配置されるような、薄板部材の部分部分で特性の違う薄板部材の使用が可能である。
【0054】
(H04)前記各実施例において、導電紙Se,Se′には、情報記憶部材22,22′が設けられていなかったが、例えば、装着される導電紙Se,Se′の情報読取り装置11,11′側に、情報記憶部材22,22′を設けることが可能である。
(H05)前記実施例3,4において、薄板部材の一例としての導電紙Se,Se′を用いて、導電紙Se,Se′がテープ23により貼付される構成を例示したが、これに限定されず、他の薄板部材、例えば、保護シートSp,Sp′を用いて、保護シートSp,Sp′がテープ23により貼付される構成にすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の斜視説明図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の画像形成装置のサイドカバーが開放された状態の斜視説明図である。
【図4】図4は本発明の実施例1の要部拡大図である。
【図5】図5は薄板部材が装着された画像形成装置の斜視図である。
【図6】図6は薄板部材が装着された画像形成装置の要部拡大図である。
【図7】図7は、薄板部材の説明図であり、図7A、図7Bは情報記憶部材を有さない場合の説明図、図7Cは情報記憶部材を有した場合の説明図である。
【図8】図8は実施例2の画像形成装置の全体説明図である。
【図9】図9は実施例2の画像形成装置本体に薄板部材が装着された状態の要部拡大図である。
【図10】図10は実施例3の薄板部材が装着された画像形成装置の要部拡大図であり、図6に対応する図である。
【図11】図11は実施例3の薄板部材の説明図であり図7に対応する図であって、図11Aは薄板部材の表面の図、図11Bは薄板部材の裏面の図である。
【図12】図12は実施例4の薄板部材が装着された画像形成装置の要部拡大図であり、図9に対応する図である。
【符号の説明】
【0056】
6,6′…隙間、
11,11′…情報読取り装置、
22,22′…情報記憶部材、
B…転写搬送部材、
C1,C1′…薄板部材有無判別手段、
C2,C2′…作動停止制御手段、
Pk,Py,Pm,Pc,Pk′…像保持体、
Q3,Q3′…転写領域、
Rr,Rr′…媒体時期調整部材、
S…媒体、
Se,Se′…薄板部材、導電紙、
Sp,Sp′…薄板部材、
SPk,SPy,SPm,SPc…付勢部材、
Se1,Sp1,Se1′,Sp1′…導出部、
T1k,T1y,T1m,T1c,T1k′…転写手段、
TR1,TR1′…給紙手段、
U,U′…画像形成装置、
U1,U1′…画像形成装置本体。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、運搬時や保管時に、内部に配置された部材同士の接触による汚損や光劣化しやすい感光体のような部材を光などから保護する技術として、特許文献1〜4に記載の技術が知られている。
特許文献1としての特開2006−259625号公報には、上下方向に直線状に並設された4個の電子写真感光体ドラム(1C,1Y,1M,1Bk)と、前記感光体ドラム(1)に対向して並設された転写ローラ(8C,8Y,8M,8Bk)とを有するカラー画像形成装置(100)が記載されており、前記カラー画像形成装置(100)には、感光体ドラム(1)と転写ローラ(8)の間の転写位置に、転写材(S)を搬送する転写材搬送ベルト(2)が配置されている。特許文献1に記載の技術では、感光体保護シート(40)を、カラー画像形成装置(100)の内部である、感光体ドラム(1)と転写材搬送ベルト(2)の間に挟みこんで、カラー画像形成装置(100)の運搬の際の、感光体ドラム(1)と転写材搬送ベルト(2)との摺擦を低減させて保護し、使用時には感光体保護シート(40)を、転写材搬送ベルト(2)等で排出トレイ(17)に排出することで、内部から自動で排出させるか、メンテナンスドアを開けて内部から手動で取り出している。
【0003】
特許文献2としての特開平6−148965号公報には、感光ドラム(7)その他を有し、感光ドラム(7)が露出している現像プロセスユニット(13)が記載されている。特許文献2の技術では、現像プロセスユニット(13)の感光ドラム(7)の露出部に、保護カバー(13)を取り付け、感光ドラム(7)を接触などから保護している。そして、特許文献2の技術では、画像形成装置に装着されて使用される際には、モータ(37)の駆動により用紙搬送路(6)の搬送系が駆動し、プロセスユニット(13)から保護カバー(22)が剥がされ、画像形成装置の内部から排紙部(5)に自動的に排出されている。
【0004】
特許文献3としての特開2005−300849号公報には、感光体(50)と中間転写体(64)その他を有し、画像形成装置本体に装着される像形成ユニット(96)が記載されている。特許文献3の技術では、新品の像形成ユニット(96)に、感光体(50)と中間転写体(64)の露出部を覆う保護紙(101)を取り付け、感光体(50)と中間転写体(64)を接触などから保護している。そして、特許文献3の技術では、像形成ユニット(96)が画像形成装置本体(12)に装着された後に、開閉カバー(16)が開いた状態で、像形成ユニット(13)から保護紙(22)を、ユーザーが抜き取っている。
【0005】
特許文献4としての特開2006−285091号公報には、感光体ドラム(1)その他を一体化したプロセスカートリッジ(26)が、着脱可能に装着される画像形成装置が記載されている。特許文献4に記載の技術では、画像形成装置本体とプロセスカートリッジ(26)の間に保護シート(40)を挟み、プロセスカートリッジ(26)自体を運搬時の振動から保護し、使用時にはドアを開き、ユーザーが画像形成装置内部から取り除いている。
【0006】
【特許文献1】特開2006−259625号公報(「0010」〜「0017」、「0033」〜「0034」、「0050」〜「0054」)
【特許文献2】特開平6−148965号公報(「0023」〜「0024」、「0028」〜「0030」、図1、図2)
【特許文献3】特開2005−300849号公報(「0090」〜「0097」、図14、図15)
【特許文献4】特開2006−285091号公報(「0014」〜「0017」、「0027」、「0029」、図1、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、薄板部材を簡易に取り出せ、且つ取り出し忘れを低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
表面に像を保持する像保持体と、前記像保持体に対向して配置され、前記像保持体表面の像を媒体に転写する転写手段と、を有する画像形成装置本体と、
前記像保持体と前記転写手段とが対向する転写領域に搬送される媒体が収容されると共に、前記画像形成装置本体に対して着脱可能に支持された給紙手段と、
前記転写領域に挟まれた薄板状の薄板部材であって、前記画像形成装置本体と前記給紙手段との隙間を介して前記画像形成装置本体外部に導出された導出部を有し、前記導出部を引っ張ることで前記薄板部材を前記画像形成装置本体から抜き取り可能な前記薄板部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
複数の前記像保持体と、前記各像保持体に対向して配置された複数の前記転写手段と、前記複数の転写手段に支持され且つ前記転写手段と前記像保持体との間に挟まれた状態で配置されて表面に前記媒体をのせて搬送する無端帯状の転写搬送部材と、を有する前記画像形成装置本体と、
前記複数の像保持体と、前記転写搬送部材を介して前記転写手段との間に挟まれた前記薄板部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記複数の転写手段を前記複数の像保持体側に付勢する複数の付勢部材であって、媒体搬送方向に沿って下流側にいくにつれて前記付勢部材による付勢力が大きく設定された前記付勢部材と、
前記媒体搬送方向上流端の前記転写手段よりも上流側に設けられた前記導出部を有する前記薄板部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記薄板部材に関する情報が記憶された情報記憶部材を有する前記薄板部材と、
前記情報記憶部材の情報を読みとる情報読取り装置と、前記情報読取り装置で読み取られた情報に基づいて前記薄板部材が前記画像形成装置本体内部にあるか否かを判別する薄板部材有無判別手段と、前記薄板部材が前記画像形成装置本体内部にあると判別された場合に前記画像形成装置本体の作動を停止する作動停止制御手段と、を有する前記画像形成装置本体と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、
導電性の導電紙により構成された前記薄板部材、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記転写領域の上流側に隣接して配置されて前記転写領域に媒体を搬送する時期を調整する媒体搬送時期調整部材、を有する前記画像形成装置本体と、
前記媒体搬送時期調整部材を避けて配置された前記薄板部材と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1、2に記載の発明によれば、薄板部材によって、像保持体や転写手段などが、運搬、保管の際、直接接触して擦られることを防ぐと共に、本発明の構成を有しない場合に比べて、使用の際には、給紙手段近傍の導出部を引くことで、画像形成装置本体から簡易に取り出すことができると共に、取り忘れを低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、像保持体と転写手段の間を通過する薄板部材を引き出すにつれて、引き出す際の抵抗が小さくなり、本発明の構成を有しない場合に比べて、弱い力で簡易に薄板部材を引き出すことができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、薄板部材を取り除く前に、画像形成装置本体が誤動作しないようにすることができる。
請求項5に記載の発明によれば、像保持体に接触する薄板部材が抜き出される際に、像保持体に摩擦帯電による影響が発生しにくく、画質の劣化を低減することができる。
請求項6に記載の発明によれば、薄板部材が媒体搬送時期調整部材に接触せず、薄板部材との接触に伴う媒体搬送時期調整部材の破損などを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0017】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の斜視説明図である。
図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図3は本発明の実施例1の画像形成装置のサイドカバーが開放された状態の斜視説明図である。
図1〜3において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUは、画像が記録される媒体の一例としての記録媒体Sが収容される給紙手段の一例としての給紙容器TR1が下部に収容されており、前記給紙容器TR1の前面には、記録媒体Sを手差しで供給する手差し供給部TR11が設けられている。また、前記プリンタUの上面には媒体排出部TRhが設けられている。さらに、プリンタUの上部にはボタン入力等の各種操作を行うための操作部UIが設けられている。
【0018】
実施例1のプリンタUは、画像形成装置本体U1と、画像形成装置本体U1の前側に設けられた開閉可能な開閉部の一例としてのフロントカバーU2と、前記画像形成装置U1の側面に設けられた開閉可能な開閉部の一例としてのサイドカバーU3と、を有する。前記フロントカバーU2は、像保持体カートリッジ、現像装置、故障した部材等の交換、清掃保守や紙詰まりした記録媒体Sを除去するために画像形成装置本体U1の内部を開放する際に開放され、前記サイドカバーU3は、現像剤補給容器、いわゆるトナーカートリッジの交換を行う際に開放される。
図3において、プリンタUのサイドカバーU3を開放位置に移動させると、プリンタUのサイドが開放され、現像剤補給容器の一例としてのトナーカートリッジTCy,TCm,TCc,TCkが取り扱い可能となる。実施例1では、前記トナーカートリッジTCy〜TCkは、下から順に、トナーカートリッジTCy、トナーカートリッジTCm、トナーカートリッジTCc、トナーカートリッジTCk、の順に着脱可能に装着されている。前記トナーカートリッジTCy,TCm,TCc,TCkは、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(黒)の色の現像剤をそれぞれ収容しており、画像形成装置本体U1に各色の現像剤を補給している。
【0019】
図2において、プリンタUは、プリンタUの各種制御を行う制御部Cと、制御部Cにより作動を制御される画像処理部IPS、像書込装置駆動回路DL、および電源装置E等を有している。電源装置Eは、後述の帯電器の一例としての帯電ロールCRy,CRm,CRc,CRk、現像剤保持体の一例としての現像ローラおよび転写手段の一例としての転写ロールT1y,T1m,T1c,T1k等に電圧を印加する。
前記画像処理部IPSは、外部の画像情報送信装置等から入力された印刷情報を、K(黒),Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)の4色の画像に対応した潜像形成用の画像情報に変換して、所定のタイミングで像書込装置駆動回路DLに出力する。像書込装置駆動回路DLは、入力された各色の画像情報に応じて駆動信号を潜像書込装置ROSに出力する。前記潜像書込装置ROSは、駆動信号に応じて、各色の画像書き込み用の画像書込光の一例としてのレーザビームLy,Lm,Lc,Lkを出射する。
【0020】
図2において、前記潜像書込装置ROSの前方にはY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(黒)の各色の可視像の一例としてのトナー像を形成する可視像形成装置UY,UM,UC,UKが配置されている。
K(黒)の可視像形成装置UKは回転する像保持体の一例としての感光体Pkを有する。前記感光体Pkの周囲には、帯電器の一例としての帯電ロールCRk、感光体表面の静電潜像を可視像に現像する現像装置Gk、感光体Pk表面に残留した現像剤を除去する像保持体清掃器の一例としての感光体クリーナCLk等が配置されている。
【0021】
前記感光体Pkは、帯電ロールCRkと対向する帯電領域で帯電ロールCRkにより表面を一様に帯電された後、潜像形成領域でレーザビームLkにより潜像が書き込まれる。書き込まれた静電潜像は現像装置Gkと対向する現像領域において静電潜像が可視像化される。
実施例1の黒色の可視像形成装置UKは、感光体Pk、帯電ロールCRk、感光体クリーナCLkが一体的に構成されて交換可能な像保持体カートリッジと、現像装置Gkにより構成された交換可能な現像カートリッジと、により構成されている。
他の色の可視像形成装置UY,UM,UCも、黒色の可視像形成装置UKと同様に、画像形成装置本体U1に対して着脱可能な像保持体カートリッジと現像カートリッジとにより構成されている。なお、実施例1では、前記4つの可視像形成装置UY〜UKは、着脱可能な枠体Ut、いわゆる交換フレームUtに支持されており、4つの可視像形成装置UY〜UKが画像形成装置本体U1に対して一体的に交換可能に構成されている。
【0022】
図2において、前記感光体Py〜Pkの前方には、フロントカバーU2に支持された記録媒体搬送装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、転写搬送部材の一例としての媒体搬送ベルトBと、媒体搬送ベルトBを支持する駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、従動部材の一例としての従動ロールRjを含む保持搬送部材支持系の一例としてのベルト支持ロール(Rd+Rj)と、各感光体Py,Pm,Pc,Pkに対向して配置された転写手段の一例としての転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kと、転写搬送部材清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbとを有する。前記媒体搬送ベルトBは、前記ベルト支持ロール(Rd+Rj)により回転可能に支持されている。
【0023】
また、前記転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kは、付勢部材の一例としての圧縮バネSPy,SPm,SPc,SPkにより、前記感光体Py,Pm,Pc,Pk側に付勢されており、媒体搬送ベルトBは感光体Py〜Pk側に所定の接触圧で接触する。ここで、前記圧縮バネSPy〜SPkによる付勢力は、感光体Py、感光体Pm、感光体Pc、搬感光体Pk、の順に搬送方向下流側に行くほど強くなるように設定されている。実施例1では、圧縮バネSPyによる付勢力は170gwに、圧縮バネSPmによる付勢力は180gwに、圧縮バネSPcによる付勢力は190gwに、圧縮バネSPkによる付勢力は200gwに設定されている。
【0024】
なお、前記画像濃度センサSN1は、所定の時期に、制御部Cの図示しない画像濃度調整手段により形成される濃度検出用の画像、いわゆるパッチ画像の濃度を検出するためのものであり、画像濃度調整手段は、前記画像濃度検出部材で検出された画像濃度に基づいて、帯電ロールCRy〜CRkや現像装置Gy〜Gk、転写ロールT1y〜T1kへ印加する電圧の調整、潜像書込光Ly〜Lkの強度の調整を行うことにより、画像濃度の調整や補正、いわゆる、プロセスコントロールを行う。
【0025】
媒体搬送ベルトBの下方に配置された給紙容器TR1の記録媒体Sは、給紙部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、さばき部材の一例としてのさばきロールRsにより一枚ずつにさばかれ、記録媒体搬送路SHに搬送される。
記録媒体搬送路SHの記録媒体Sは、媒体搬送時期調整部材の一例としてのレジロールRrに送られる。前記レジロールRrは、所定のタイミングで、転写領域Q3yに前記記録媒体Sを搬送する。なお、実施例1のレジロールRrは、媒体搬送時期調整ユニットの一例としてのレジロールユニットURrにより構成されている。そして、前記レジロールユニットURrは、画像形成装置本体U1に、レジロールRrの汚損時などに一体的に交換可能に支持されている。
【0026】
一方、前記手差し供給部TR11から供給される記録媒体Sは、利用者により、記録媒体Sの前端がレジロールRrに到達するまで挿入され、レジロールRrにより所定のタイミングで転写領域Q3yに搬送される。
【0027】
前記媒体搬送ベルトBにより、記録媒体Sは、前記感光体Py〜Pkと接触する前記転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kを順次通過する。
前記転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて媒体搬送ベルトBの裏面側に配置された転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから所定のタイミングでトナーの帯電極性と逆極性の転写電圧が印加される。
多色画像の場合、前記各感光体Py〜Pk上のトナー像は前記転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより媒体搬送ベルトB上の記録媒体Sに重ねて転写される。また、単色画像、いわゆる、モノクロ画像の場合、感光体Pk上にK(黒)のトナー像のみが形成され、このK(黒)のトナー像のみが転写ロールT1kにより記録媒体Sに転写される。
トナー像転写後の感光体Py〜Pkは、感光体クリーナCLy〜CLkにより表面に残留したトナーが回収されて清掃され、再び帯電ロールCRy〜CRkにより帯電される。
【0028】
前記トナー像が転写された記録媒体Sは、定着器の一例としての定着装置Fの加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとが圧接して形成する定着領域Q5で定着される。画像が定着された記録媒体Sは、媒体排出部材の一例としての排出ロールRhから媒体排出部TRhに排出される。
記録媒体Sが離隔した後の前記媒体搬送ベルトBは、前記ベルトクリーナCLbにより清掃される。
【0029】
(手差し供給路等について)
図4は本発明の実施例1の要部拡大図である。
図4において、前記給紙トレイTR1には、前記手差し供給部TR11の手差し供給口TR11aから延びる上側手差し案内部1が形成されている。また、前記給紙トレイTR1には、前記上側手差し案内部1に対向する下側手差し案内部2が形成されている。前記下側手差し案内部2の外端は、滑らかに下方に湾曲する弧状の面により構成されている。前記画像形成装置本体U1には、前記上側手差し案内部1から前記レジロールRrに延びる上側本体側案内部3が形成され、さらに、前記下側手差し案内部2からレジロールRrまで延びる下側本体側案内部4が形成されている。
前記上側手差し案内部1、下側手差し案内部2、上側本体側案内部3及び下側本体側案内部4により、手差し供給路SH11が構成されている。なお、前記手差し供給路SH11において、上側手差し案内部1と上側本体側案内部3との間には、薄板部材通過隙間6が形成されている。
【0030】
前記上側本体側案内部3及び下側本体側案内部4の上方には、前記レジロールユニットURrが配置されている。前記レジロールユニットURrの上面と前記ベルトモジュールBMの下端部における媒体搬送ベルトBの下端との間には、媒体幅方向に幅が広い隙間である本体側薄板部材通過隙間の一例としてのベルトレジ間隙間7が形成されている。また、レジロールユニットURrとフロントカバーU2の間には、媒体幅方向に幅が広い薄板部材通過空間8が形成されている。前記薄板部材通過空間8の下方は、前記薄板部材通過隙間6と繋がっている。また、前記薄板部材通過空間8の上方は、ベルトレジ間隙間7と繋がっている。前記薄板部材通過隙間6、ベルトレジ間隙間7及び薄板部材通過空間8により薄板部材通過部6+7+8が構成される。前記レジロールユニットURrの上方で、ベルトモジュールBMの従動ロールRjの後方には、情報読取り装置11が配置されている。
【0031】
図5は薄板部材が装着された画像形成装置の斜視図である。
図6は薄板部材が装着された画像形成装置の要部拡大図である。
図7は、薄板部材の説明図であり、図7A、図7Bは情報記憶部材を有さない場合の説明図、図7Cは情報記憶部材を有した場合の説明図である。
図5〜7において、薄板部材の一例としての導電紙Seは、長方形状で薄板状の、いわゆるシート形状をしている。前記導電紙Seは、実施例1の画像形成装置U1における、手差し供給口TR11aと、薄板部材通過部6+7+8と、搬送ベルトBと感光体Py〜Pkの間と、を通る経路長よりも抜出方向の長さが長い。実施例1においては、導電紙Seの抜出方向の長さは、一端が上端の感光体Pkと媒体搬送ベルトBの接触部により挟まれた状態で、他端が手差し供給口TR11aから外方に導出され且つ、利用者が前記導電紙Seの他端部を摘んで抜出が可能な長さに設定されている。なお、実施例1では、前記導電紙Seの幅は、感光体Py〜Pk、転写ロールT1y〜T1kの左右方向の長さよりも長い。
【0032】
図7A、図7Bにおいて、前記導電紙Seは、他端側に導出部Se1を有している。前記導出部Se1には、利用者に画像形成装置本体U1から前記導電紙Se1を抜き取らせる指示表示21が記載されている。図7Aに示す実施例1の導電紙Seでは、前記指示表示21の一例として、記載された薄板部材Seを引っ張る旨の注意書き21aが記載されている。また、図7Bに示す他の例としての導電紙Seには、指示表示21の他の一例として、引っ張る方向の矢印21bが記載されている。前記指示表示21は、図5、図6に示すように、導電紙Seの他端部である導出部Se1が手差し供給口TR11aから外方に導出される際に、利用者に視認されるように、導電紙SeがプリンタUに装着される。
【0033】
図7Cにおいて、プリンタUには、前記導電紙Seに替えて、薄板部材の他の一例としての保護シートSpの装着が可能である。前記保護シートSpは、前記導電紙Seと同様の形状をしており、導出部Sp1を有し、前記導出部Sp1には、指示表示21が記載されている。また、前記保護シートSpには、図5、図6のように保護シートSpをプリンタUに装着したときに、前記情報読取り装置11と対応する位置に、情報記憶部材22が配置されている。なお、実施例1の情報記憶部材22では、非接触で情報の送受信が可能な技術、例えばRFID(Radio Frequency Identification)技術が採用されている。これにより、画像形成装置本体U1の電源がオンの状態では、前記情報記憶部材22の情報が、情報読取り装置11により読取られ、前記情報に基づいて前記制御部Cの薄板部材有無判別手段C1により、保護シートSpが画像形成装置本体U1内部にあるか否か判別される。実施例1では、前記情報記憶部材22から情報が読取られた場合、薄板部材有無判別手段C1は、保護シートSpが画像形成装置本体U1内部にあると判別する。前記薄板部材有無判別手段C1により、保護シートSpが画像形成装置本体U1内部にあると判別された場合、前記制御部Cの作動停止制御手段C2は、画像形成装置本体U1の作動を停止する。すなわち、画像形成装置本体U1の電源がオンの状態で、保護シートSpが画像形成装置本体U1の内部から取り除かれる前に、外部の画像情報送信装置等から印刷情報が画像形成装置本体U1に送られる事などがあっても、画像形成装置本体U1の媒体搬送ベルトB等は駆動せず、薄板部材である前記保護シートSpが搬送路SH1に詰まることなどは防止される。
【0034】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUにおいて、前記薄板部材Se,Spを装着する際、前記フロントカバーU2を開放位置に移動させた状態で、薄板部材Se,Spを感光体Py〜Pkと、媒体搬送ベルトBとの間に配置し、前記薄板部材Se,Spの導出部Se1,Sp1を、レジストロールRrを迂回した薄板部材通過部6+7+8を通過させ、手差し供給部TR11から外方に導出させ、給紙トレイTR1の前面に配置する。そして、フロントカバーU2を通常位置に移動させると、前記薄板部材Se,Spは、図5、図6に示すように画像形成装置本体U1に装着され、前記転写ロールT1y〜T1kの圧縮バネSPy〜SPkにより、感光体Py〜Pkと媒体搬送ベルトBの間に、挟持された状態で保持される。なお、保護シートSpが装着される場合、情報記憶部材22が情報読取り装置11の読取り位置に来るように装着されている。
したがって、前記感光体Py〜Pkと、媒体搬送ベルトBや転写ロールT1y〜T1kとの接触や磨耗から保護され、プリンタUは運搬、保管、設置される。また、前記プリンタUを設置して使用する際に、前記給紙容器TR1、手差し供給部TR11の前面に導出された導出部Se1,Sp1が視認される。
【0035】
プリンタUが設置されて、使用が開始される際に、前記導出部Se1,Sp1の指示表示21を視認した利用者は、前記指示表示21の指示に従って、前記導出部Se1,Sp1を引っ張る。前記薄板部材Se,Spは、画像形成装置本体U1から引き出される。この際に、前記薄板部材Se,Spは、手差し供給部TR11における湾曲形状の下側手差し案内部2により、薄板部材Se,Spに無理な力が掛かって途中で切断されることなく引っ張られる。また、前記薄板部材Se,Spは、レジストロールRrを迂回した薄板部材貫通部6+7+8を通過し、レジストロールRrを擦って損傷させることもなく、レジストロールRrの挟持力に伴う抵抗を受けることもなく引っ張られる。そして、前記薄板部材Se,Spの一端側が、付勢力がSPk,SPc,SPm,SPyの順に弱い圧縮バネSPy〜SPkにより、上流側になるほど接触圧が弱くなる感光体Py〜Pkと媒体搬送ベルトBの間を通過し、薄板部材Se,Spが画像形成装置本体U1から引き出されるほど、抵抗が小さくなり、小さい力で引き出される。したがって、前記フロントカバーU2を開放させることなく、給紙容器TR1の近傍の導出部Se1,Sp1を引くことで、簡易に画像形成装置本体U1から薄板部材Se,Spを取り出せ、また、取り忘れも少ない。なお、導電紙Seが装着される場合、導電紙Seが、感光体Py〜Pkに触れながら移動しても、その導電性により、摩擦帯電による感光体Py〜Pkの汚損の発生が低減された状態で引き出される。また、感光体Py〜Pkで摩擦帯電による影響が発生しにくく、記録媒体Sに転写される画質の劣化が低減される。
【0036】
前記プリンタUに保護シートSpが装着される場合、保護シートSpを取り抜かずにプリンタUの電源をオンにしても、情報記憶部材22の情報が情報読取り装置11により読取られ、プリンタUが作動しない。すなわち、前記保護シートSpを取り出す前に、プリンタUの電源がオンの状態で、誤ってプリンタUを作動させるような操作、例えば、外部の情報出力装置から印刷情報をプリンタUに送ってしまう操作などが行われても、画像形成装置本体U1の画像形成動作は行われず、保護シートSpが画像形成装置本体U1の内部に引き込まれて、詰まるなどということが防止される。また、途中まで抜き出されて、情報記憶部材22と情報読取り装置11の位置がずれた状態で、プリンタUが作動しても、保護シートSpが媒体搬送ベルトBにより引き込まれる途中で、情報記憶部材22が情報読取り装置11の位置に到達し、薄板部材有無判別手段C1と作動停止制御手段C2により、プリンタUの作動が停止される。
【実施例2】
【0037】
図8は実施例2の画像形成装置の全体説明図である。
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同様の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0038】
(プリンタU′)
図8において、実施例2のプリンタU′は、画像形成装置本体U1′と、画像形成装置本体U1′の前側のフロントカバーU2′と、画像形成装置本体U1′の下方の給紙容器TR1′等を有する。前記フロントカバーU2′は、後述するプロセスユニットPUや、故障した部材等の交換、清掃保守や紙詰まりした記録媒体Sを除去するために画像形成装置本体U1′の内部を開放する際に開放される。また、前記フロントカバーU2′は、手差しにより記録媒体Sを供給する際に開放される。
前記画像形成装置本体U1′は、制御部C′、画像処理部IPS′、像書込装置駆動回路DL′等を有しており、前記制御部C′は、薄板部材有無判別手段C1′と作動停止制御手段C2′を有している。
前記画像処理部IPS′は、外部の画像情報送信装置等から入力された印刷情報を、K(黒)の画像に対応した潜像形成用の画像情報に変換して、所定のタイミングで像書込装置駆動回路DL′に出力する。前記像書込装置駆動回路DL′は、入力された画像情報に応じて駆動信号を潜像書込装置ROS′に出力する。前記潜像書込装置ROS′は、駆動信号に応じて、レーザビームLk′を出射する。
【0039】
前記潜像書込装置ROS′の下方には、可視像形成装置の一例としてのプロセスユニットUPが着脱可能に装着されている。前記プロセスユニットUPは、像保持体ユニットの一例としての感光体ユニットUP1を有している。前記感光体ユニットUP1は、感光体Pk′と、前記感光体Pk′の周囲の帯電ロールCRk′、感光体クリーナCLk′等を有している。
前記感光体ユニットUP1の上側前方には、現像ユニットUP2が支持されている。前記現像ユニットUP2は、現像剤収容容器TCk′、現像装置Gk′等を有している。
前記感光体ユニットUP1と現像ユニットUP2により、実施例2のプロセスユニットUPが構成されている。なお、前記プロセスユニットUPの前記感光体ユニットUP1と現像ユニットUP2の間には、画像書込光通過孔UPaが形成されており、前記画像書込光通過孔UPaをレーザビームLk′が通過し、感光体Pk′に潜像が書き込まれる。
【0040】
前記プロセスユニットUPの下方には、転写ユニットUTが配置されている。前記転写ユニットUTは、上側前方に転写部材の一例としての転写ロールT1k′を有し、前記転写ロールT1k′の下側後方に媒体案内部材の一例としての転写後シートガイドSGT等を有している。前記転写ロールT1k′は、前記感光体Pk′との接触領域により転写領域Q3′を形成し、感光体Pk′上のトナー像を記録媒体Sに転写する。
【0041】
前記給紙容器TR1′の前方上方には、ピックアップローラRp′が配置されている。前記ピックアップローラRp′の前方には、さばきローラRs′が設けられている。給紙容器TR1′に収容されている記録媒体Sは、ピックアップローラRp′、さばきローラRs′により、上方の媒体搬送路SH1′に搬送される。そして、媒体搬送路SH1′に配置された搬送ローラRa′、レジストローラRr′により、転写領域Q3′に搬送される。
一方、手差しにより記録媒体Sが供給される場合、前記フロントカバーU2′が開放され、給紙容器TR1′の上方に形成された手差し供給路SH2′に記録媒体Sが供給される。前記手差し供給路SH2′には、搬入部材の一例としての搬入ロールRn′が設けられている。前記搬入ロールRn′により記録媒体Sは、媒体搬送路SH1′の搬送ローラRa′に搬送され、搬送ローラRa′、レジストローラRr′により、転写領域Q3′に搬送される。
【0042】
転写領域Q3′において画像が記録された記録媒体Sは、前記転写後シートガイドSGTに案内されて、転写ユニットUTの後方に配置された定着装置F′に搬送される。前記定着装置F′において、加圧ロールFp′及び加熱ロールFh′の接触領域である定着領域Q5′を通過した記録媒体Sは、記録媒体Sの搬送方向を切り替える切替部材の一例としての切替ゲートGTにより排出路SH3′に案内される。そして、排出部材の一例としての排出ロールRh′により排出トレイTRh′に排出される。なお、排出路SH3′の前記切替ゲートGT′が配置されている位置から、給紙容器TR1′まで反転路SH4′が延びている。これにより、両面印刷時には、一度、排出路SH3′に搬送された記録媒体Sが、排出方向とは逆に搬送される。そして、前記記録媒体Sは、切替ゲートGTにより反転路SH4′に案内されて、表裏逆転した状態で給紙容器TR1′に収容され、もう一度画像形成動作が行われ、もう一面にも画像が記録される。
【0043】
図9は実施例2の画像形成装置本体に薄板部材が装着された状態の要部拡大図である。
図9において、一対の前記さばきロールRs′の前側は、給紙容器TR1′の上部に支持されている。また、前記さばきロールRs′の後側は、画像形成装置本体U1′の媒体搬送路SH1′の上流端に支持されている。前記給紙容器TR1′がプリンタU′に装着されると、前記前側及び後側のさばきロールRs′が接触し、記録媒体Sが供給されると記録媒体Sをさばく。
給紙容器TR1′が装着されたプリンタU′には、前記さばきロールRs′の前方で、給紙容器TR1′と画像形成装置本体U1′の間に、薄板部材通過隙間6′が形成されている。
前記さばきロールRs′の上方には、情報読取り装置11′が配置されており、保護シートSp′の情報記憶装置22′の情報を読取る。
【0044】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2のプリンタU′では、前記薄板部材Se′,Sp′の一端側は、前記転写ロールT1k′上方を覆うように配置され、他端側である導出部Se1′,Sp1′が、媒体搬送路SH1′を通過して、外方に導出された状態で画像形成装置本体U1′に配置される。すなわち、図9に示すように、前記薄板部材Se′,Sp′は、感光体Pk′と転写ロールT1k′とにより挟まれ、薄板部材通過隙間6′を介して、導出部Se1′,Sp1′が利用者に視認される状態で装着される。したがって、実施例1と同様に、プリンタU′は、前記感光体Pk′と転写ロールT1k′との接触や磨耗等から保護された状態で、運搬、保管、設置され、使用に際して、薄板部材Se′,Sp′が、簡易且つほぼ確実に画像形成装置本体U1′から抜き取られる。
【実施例3】
【0045】
図10は実施例3の薄板部材が装着された画像形成装置の要部拡大図であり、図6に対応する図である。
図11は実施例3の薄板部材の説明図であり図7に対応する図であって、図11Aは薄板部材の表面の図、図11Bは薄板部材の裏面の図である。
次に本発明の実施例3の説明をするが、この実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同様の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0046】
図11において、実施例3の導電紙Seでは、実施例1の導電紙Seが片面にのみ指示表示21が記載されていたのに替えて、導電紙Seの表面Se2と裏面Se3の両面に指示表示21が記載されている。実施例3では、前記指示表示21の一例として、引っ張る方向の矢印21cと、利用者がすべき操作を表した説明図からなる指示図21dが記載されている。
【0047】
図10において、実施例1の導出部Se1が手差し供給口TR11aから外方に導出されるのみであったのに替えて、実施例3では、手差し供給口TR11aから外方に導出される導出部Se1が上方に持ち上げられ、貼付部材の一例としてのテープ23により、導出部Se1がプリンタUに貼付されている。
【0048】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3のプリンタUにおいて、導電紙Seを装着する際、実施例1では導出部Se1を手差し供給部TR11から外方に導出させたのみであったが、実施例3では導出部Se1が手差し供給部TR11から外方に導出されて、さらに、上方に折り曲げ、テープ23で導出部Se1がプリンタUに貼付される。これにより、テープ23で貼付しない場合にくらべ、運搬、保管、設置の際に、導電紙Seの脱落が防止されると共に、プリンタUに対する装着状態がずれにくくなっている。そして、利用者がテープ23を剥がし導電紙Seを画像形成装置本体U1から引き出す際に、利用者の引き出し操作に伴い導出部Se1の視認される面が変わっても、両面に指示表示21が記載されており、指示表示21は視認され続け、画像形成装置本体U1から抜き出される。
【実施例4】
【0049】
図12は実施例4の薄板部材が装着された画像形成装置の要部拡大図であり、図9に対応する図である。
次に本発明の実施例4の説明をするが、この実施例4の説明において、前記実施例2の構成要素に対応する構成要素には同様の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例2と相違しているが、他の点では前記実施例2と同様に構成される。
【0050】
実施例4の導電紙Se′では、実施例2の導電紙Se′が片面にのみ指示表示21が記載されていたのに替えて、実施例3の導電紙Seと同様に両面に指示表示21が記載されている。
実施例2の画像形成装置本体U1′に装着される導電紙Se′は、薄板部材通過隙間6′を介して外方に導出されるのみであったが、実施例4の画像形成装置本体U1′に装着される導電紙Se′は、実施例3と同様に、外方に導出された導出部Se1′が、上方に折り曲げられ、テープ23によりプリンタU′に貼付されている。
【0051】
(実施例4の作用)
前記構成を備えた実施例4のプリンタU′において、導電紙Se′がプリンタU′に貼付されており、実施例3と同様に、導電紙Se′の脱落が防止されると共に、プリンタU′に対する装着された状態がずれにくく、また、導出部Se1′の視認される面が変わっても、利用者に指示表示21が視認されながら抜き出される。
【0052】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H05)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置の一例としてプリンタU,U′を例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。
【0053】
(H02)前記各実施例において、薄板部材Se,Sp,Se′,Sp′の導出部Se1,Sp1,Se1′,Sp1′には、指示表示21が記載されていることが望ましいが、これを省略することも可能である。
(H03)前記各実施例において、薄板部材として、導電紙Se,Se′または保護シートSp,Sp′を例示したが、これに限定されず、例えば、摩擦帯電の影響を受け易い像保持体などの保護部分には導電紙が配置され、情報読取り装置の読取り位置には保護シートの情報記憶部材が配置されるような、薄板部材の部分部分で特性の違う薄板部材の使用が可能である。
【0054】
(H04)前記各実施例において、導電紙Se,Se′には、情報記憶部材22,22′が設けられていなかったが、例えば、装着される導電紙Se,Se′の情報読取り装置11,11′側に、情報記憶部材22,22′を設けることが可能である。
(H05)前記実施例3,4において、薄板部材の一例としての導電紙Se,Se′を用いて、導電紙Se,Se′がテープ23により貼付される構成を例示したが、これに限定されず、他の薄板部材、例えば、保護シートSp,Sp′を用いて、保護シートSp,Sp′がテープ23により貼付される構成にすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の斜視説明図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の画像形成装置のサイドカバーが開放された状態の斜視説明図である。
【図4】図4は本発明の実施例1の要部拡大図である。
【図5】図5は薄板部材が装着された画像形成装置の斜視図である。
【図6】図6は薄板部材が装着された画像形成装置の要部拡大図である。
【図7】図7は、薄板部材の説明図であり、図7A、図7Bは情報記憶部材を有さない場合の説明図、図7Cは情報記憶部材を有した場合の説明図である。
【図8】図8は実施例2の画像形成装置の全体説明図である。
【図9】図9は実施例2の画像形成装置本体に薄板部材が装着された状態の要部拡大図である。
【図10】図10は実施例3の薄板部材が装着された画像形成装置の要部拡大図であり、図6に対応する図である。
【図11】図11は実施例3の薄板部材の説明図であり図7に対応する図であって、図11Aは薄板部材の表面の図、図11Bは薄板部材の裏面の図である。
【図12】図12は実施例4の薄板部材が装着された画像形成装置の要部拡大図であり、図9に対応する図である。
【符号の説明】
【0056】
6,6′…隙間、
11,11′…情報読取り装置、
22,22′…情報記憶部材、
B…転写搬送部材、
C1,C1′…薄板部材有無判別手段、
C2,C2′…作動停止制御手段、
Pk,Py,Pm,Pc,Pk′…像保持体、
Q3,Q3′…転写領域、
Rr,Rr′…媒体時期調整部材、
S…媒体、
Se,Se′…薄板部材、導電紙、
Sp,Sp′…薄板部材、
SPk,SPy,SPm,SPc…付勢部材、
Se1,Sp1,Se1′,Sp1′…導出部、
T1k,T1y,T1m,T1c,T1k′…転写手段、
TR1,TR1′…給紙手段、
U,U′…画像形成装置、
U1,U1′…画像形成装置本体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に像を保持する像保持体と、前記像保持体に対向して配置され、前記像保持体表面の像を媒体に転写する転写手段と、を有する画像形成装置本体と、
前記像保持体と前記転写手段とが対向する転写領域に搬送される媒体が収容されると共に、前記画像形成装置本体に対して着脱可能に支持された給紙手段と、
前記転写領域に挟まれた薄板状の薄板部材であって、前記画像形成装置本体と前記給紙手段との隙間を介して前記画像形成装置本体外部に導出された導出部を有し、前記導出部を引っ張ることで前記薄板部材を前記画像形成装置本体から抜き取り可能な前記薄板部材と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数の前記像保持体と、前記各像保持体に対向して配置された複数の前記転写手段と、前記複数の転写手段に支持され且つ前記転写手段と前記像保持体との間に挟まれた状態で配置されて表面に前記媒体をのせて搬送する無端帯状の転写搬送部材と、を有する前記画像形成装置本体と、
前記複数の像保持体と、前記転写搬送部材を介して前記転写手段との間に挟まれた前記薄板部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の転写手段を前記複数の像保持体側に付勢する複数の付勢部材であって、媒体搬送方向に沿って下流側にいくにつれて前記付勢部材による付勢力が大きく設定された前記付勢部材と、
前記媒体搬送方向上流端の前記転写手段よりも上流側に設けられた前記導出部を有する前記薄板部材と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記薄板部材に関する情報が記憶された情報記憶部材を有する前記薄板部材と、
前記情報記憶部材の情報を読みとる情報読取り装置と、前記情報読取り装置で読み取られた情報に基づいて前記薄板部材が前記画像形成装置本体内部にあるか否かを判別する薄板部材有無判別手段と、前記薄板部材が前記画像形成装置本体内部にあると判別された場合に前記画像形成装置本体の作動を停止する作動停止制御手段と、を有する前記画像形成装置本体と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
導電性の導電紙により構成された前記薄板部材、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写領域の上流側に隣接して配置されて前記転写領域に媒体を搬送する時期を調整する媒体搬送時期調整部材、を有する前記画像形成装置本体と、
前記媒体搬送時期調整部材を避けて配置された前記薄板部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項1】
表面に像を保持する像保持体と、前記像保持体に対向して配置され、前記像保持体表面の像を媒体に転写する転写手段と、を有する画像形成装置本体と、
前記像保持体と前記転写手段とが対向する転写領域に搬送される媒体が収容されると共に、前記画像形成装置本体に対して着脱可能に支持された給紙手段と、
前記転写領域に挟まれた薄板状の薄板部材であって、前記画像形成装置本体と前記給紙手段との隙間を介して前記画像形成装置本体外部に導出された導出部を有し、前記導出部を引っ張ることで前記薄板部材を前記画像形成装置本体から抜き取り可能な前記薄板部材と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数の前記像保持体と、前記各像保持体に対向して配置された複数の前記転写手段と、前記複数の転写手段に支持され且つ前記転写手段と前記像保持体との間に挟まれた状態で配置されて表面に前記媒体をのせて搬送する無端帯状の転写搬送部材と、を有する前記画像形成装置本体と、
前記複数の像保持体と、前記転写搬送部材を介して前記転写手段との間に挟まれた前記薄板部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の転写手段を前記複数の像保持体側に付勢する複数の付勢部材であって、媒体搬送方向に沿って下流側にいくにつれて前記付勢部材による付勢力が大きく設定された前記付勢部材と、
前記媒体搬送方向上流端の前記転写手段よりも上流側に設けられた前記導出部を有する前記薄板部材と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記薄板部材に関する情報が記憶された情報記憶部材を有する前記薄板部材と、
前記情報記憶部材の情報を読みとる情報読取り装置と、前記情報読取り装置で読み取られた情報に基づいて前記薄板部材が前記画像形成装置本体内部にあるか否かを判別する薄板部材有無判別手段と、前記薄板部材が前記画像形成装置本体内部にあると判別された場合に前記画像形成装置本体の作動を停止する作動停止制御手段と、を有する前記画像形成装置本体と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
導電性の導電紙により構成された前記薄板部材、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写領域の上流側に隣接して配置されて前記転写領域に媒体を搬送する時期を調整する媒体搬送時期調整部材、を有する前記画像形成装置本体と、
前記媒体搬送時期調整部材を避けて配置された前記薄板部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−265344(P2009−265344A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−114426(P2008−114426)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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