説明

画像形成装置

【課題】いかなる状態においても常に良好な画像を得るとともに、ユニット交換性、メンテナンス性に優れた画像形成装置を提供する。
【解決手段】1つの面板が前記筐体に回動可能に設けられ、保持機構が前記感光体ユニットおよび前記光走査装置と前記面板との間に設けられ、かつ、前記面板が、前記感光体ユニットおよび前記光走査装置が前記保持機構により位置決めされて保持される保持位置と、該保持が解除されて前記感光体ユニットおよび前記光走査装置が前記筐体から脱着可能となる脱着位置と、の間で回動可能となっている画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の静電複写プロセスによる画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置においては、一般的に、感光体等の潜像担持体に対し、レーザ光を光走査するレーザ書込装置などの潜像書込装置によって潜像を書き込む構成が広く採用されている。
【0003】
このような画像形成装置において、感光体等の潜像担持体と、光走査装置の相互の位置関係とがきわめて重要であり、所望の画像品質、特性を得るためには、これらのユニットを、常に所定の位置に位置決めし、保持させる必要がある。
【0004】
感光体ユニットと光走査装置の相互の位置関係が所望の状態からずれてしまうと、画像上のスキューや、画像位置のずれが生じるだけでなく、光走査装置によって露光走査される光ビームの結像特性も悪化してしまい、著しい画像劣化や、画像不良を引き起こしてしまう。
【0005】
ここで、所望の位置関係は、初期状態はもとより、感光体ユニットや、光走査装置を交換したあとであっても、常に、維持される必要がある。
【0006】
また、画像形成装置では、装置内に備える感光体ユニットや、光走査装置は、装置自体の寿命に到達する前に、交換が必要であり、そのときのユニット交換や装置の交換は容易であることが当然求められる。
【0007】
ここで、特開2007−164128公報(特許文献1)では、感光体ユニットやその周囲装置のメンテナンス性を向上させつつ、光書込ユニット(光走査装置)の書き込み位置精度の低下を抑制させる技術が提案されている。しかしながら、この技術では光走査装置と感光体ユニットの間の寸法公差の積みあがりが多くなってしまうと云う問題があった。
【0008】
また、特開2007−140041公報(特許文献2)では複数の感光体ユニットの配列方向における位置決めと、その配列方向に直行する直行方向における位置決めとを、それぞれ設計上で要求される位置決め精度に合わせた材料からなる位置決め部で行う技術が提案されている。しかしながら、この技術では光走査装置と感光体ユニットの間の寸法公差の積みあがりが多くなってしまうと云う問題があった。
【0009】
さらに、特開2006−150836公報(特許文献3)では画像形成装置の本体シャーシの歪みが光学ハウジングに伝わらないようにし、光学部材等の相対位置や角度に大きな変化が生じないようにして色ずれの発生を防止する技術が提案されている。しかしながら、この技術では光走査装置と感光体ユニットの間の寸法公差の積みあがりが多くなってしまうと云う問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−164128公報
【特許文献2】特開2007−140041公報
【特許文献3】特開2007−164128公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、いかなる状態においても常に良好な画像を得るとともに、ユニット交換性、メンテナンス性に優れた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の画像形成装置は、上記課題を解決するために、請求項1に記載の通り、感光体ユニット、前記感光体ユニットに対して露光走査を行う脱着可能な光走査装置、および、前記感光体ユニット上に形成された潜像を現像するための現像ユニットを、それぞれ筐体内に備えた画像形成装置において、1つの面板が前記筐体に回動可能に設けられ、保持機構が前記感光体ユニットおよび前記光走査装置と前記面板との間に設けられ、かつ、前記面板が、前記感光体ユニットおよび前記光走査装置が前記保持機構により位置決めされて保持される保持位置と、該保持が解除されて前記感光体ユニットおよび前記光走査装置が前記筐体から脱着可能となる脱着位置と、の間で回動可能となっていることを特徴とする画像形成装置である。
【0013】
また、本発明の画像形成装置は、請求項2に記載の通り、請求項1に記載の画像形成装置において、前記面板を回動可能に保持するヒンジ部が、前記画像形成装置の操作面側から前方にスライドするスライド部に設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の画像形成装置は、請求項3に記載の通り、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、前記保持機構が、前記感光体ユニットおよび前記光走査装置と前記面板とに設けられたピンと該ピンに対応する孔とから構成されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の画像形成装置は、請求項4に記載の通り、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記感光体ユニットが、前記筐体内部から前記筐体の操作面側へ脱着されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の画像形成装置は、請求項5に記載の通り、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記光走査装置が、前記筐体内部から前記筐体の側面側へ脱着されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の画像形成装置は、請求項6に記載の通り、請求項5に記載の光走査装置において、前記光走査装置と前記面板との間の前記保持機構が、該面板に備えられたピンと、前記光走査装置に備えられた該ピンに対応する孔と、によって、構成されていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の画像形成装置は、請求項7に記載の通り、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記面板が、前記感光体ユニットと光走査装置との間の空間を冷却するためのファンモータを備えていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の画像形成装置は、請求項8に記載の通り、請求項7に記載の画像形成装置において、前記ファンモータが、前記面板の回動動作に連動して、該面板が前記保持位置にあるときにのみ動作することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の画像形成装置は、請求項9に記載の通り、前記請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置が、タンデム式カラー画像形成装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の画像形成装置によれば、1つの面板が前記筐体に回動可能に設けられ、保持機構が前記感光体ユニットおよび前記光走査装置と前記面板との間に設けられ、かつ、前記面板が、前記感光体ユニットおよび前記光走査装置が前記保持機構により位置決めされて保持される保持位置と、該保持が解除されて前記感光体ユニットおよび前記光走査装置が前記筐体から脱着可能となる脱着位置と、の間で回動可能となっているために、感光体ユニットと光走査装置とが、同一部材である1つの面板により位置決め、保持されるために、装置・ユニット間の寸法公差の積みあがりによる理想状態からのずれを最小限に抑えることができ、装置・ユニット間それぞれの相互の位置関係を常に良好な状態で維持することができる。その結果、感光体ユニット上に露光される、光ビーム特性を常に良好な状態に保つことができ、結果として、良好な画像を得ることができる。
【0022】
また、請求項2に係る画像形成装置は、前記面板を回動可能に保持するヒンジ部が、前記画像形成装置の操作面側から前方にスライドするスライド部に設けられていることにより、面板の大きさを最小限に抑えることができ、装置を構成する部品の小型化、低コスト化が可能となる。また、開閉動作に必要な力を少なくすることができると云った、装操作性の向上をも図ることができる。
【0023】
また、請求項3に係る画像形成装置では、前記保持機構が、前記感光体ユニットおよび前記光走査装置と前記面板とに設けられたピンと該ピンに対応する孔とから構成されているために、交換ユニットの位置決め、保持を、面板の開閉動作のみによって、行うことが可能となり、締結ネジ等を不要とすることができるので、交換作業における、操作性の向上を図ることができる。
【0024】
ここで、感光体ユニットは、感光剤を塗布された、回転体によって構成されるが、この感光剤の経時的な疲労や、不意に生じた感光体表面へのキズなどの損傷により、定期的、あるいは、随意に交換する必要がある。このような感光体ユニットの交換サイクルは、装置寿命に対して短いので、容易に交換可能な構成とすることが望まれる。
【0025】
また、請求項4に係る画像形成装置では、前記感光体ユニットが、前記筐体内部から前記筐体の操作面側へ脱着されるために、感光体ユニットの筐体からの脱着は、機械前面(操作側)から操作されるために、作業者によるアクセスを容易にし、作業性を向上することができる。
【0026】
また、請求項5に係る画像形成装置では、前記光走査装置が、前記筐体内部から前記筐体の側面側へ脱着されるために、筐体の強度を保ち、筐体内に実装される、各装置およびユニット間の取り付け精度の低下を防ぐことができ、結果として、良好な画像を得ることができる。
【0027】
すなわち、光走査装置については、感光体ユニットに比べ、それほど交換頻度が多くはないものの、例えば、光走査装置内に実装されている、ポリゴンモータの交換などによって、しばしば、筐体から取り外す必要が生じる。
【0028】
上記請求項4記載の発明においては、感光体ユニットの筐体からの脱着は、機械前面から操作されるとしているが、同様に、光走査装置の筐体からの脱着する構成であった場合、筐体を構成する前面側のフレーム(側板)に対して、感光体ユニット、および光走査装置の双方を引き抜くようにするとその開口部が大きなものとなってしまう。このとき、側板に対する開口部の領域が大きくなってしまうために、側板の強度そのものを低下してしまい、結果、筐体自体の剛性が低下してしまい、結果として筐体に取り付ける各装置およびユニット間の取り付け精度低下に繋がってしまう。光走査装置の筐体からの脱着は、機械前面からではなく、機械側面から操作されることにより、筐体の開口部を最小のものとすることができ、そのとき、筐体の強度を充分なレベルに確保することができる。
【0029】
また、請求項6に係る画像形成装置では、前記光走査装置と前記面板との間の前記保持機構が、該面板に備えられたピンと、該ピンに対応する前記光走査装置に備えられた孔と、によって、構成されているために、光走査装置側にはピンの突出がなく、筐体を構成する側板間に容易に収まるので、ピンを光走査装置側に有し、孔を面板側に有した場合に生じる光走査装置の画像形成装置側面からの脱着において、筐体とピンとの干渉がなく、そのために、筐体からの脱着の交換作業をより向上させることができる。
【0030】
また、請求項7に係る画像形成装置では、前記面板が、前記感光体ユニットと光走査装置との間の空間を冷却するためのファンモータを備えているために、ファンモータの設置スペースを画像形成装置内に個別に設ける必要がなく、装置の小型化、省スペース化を図ることができる。
【0031】
ここで、光走査装置は、内部に高速回転を行う、偏向機(ポリゴンモータ)を備えている場合が多く、このようなポリゴンモータから発生する発熱は、光走査装置内部のみならず、装置内の温度上昇にも影響を及ぼしてしまう。
【0032】
このような高温となったとき、感光体において、近傍の雰囲気の温度上昇に伴い、隣接する現像ユニットへの温度伝播が生じ、トナー固着等が生じてしまう、最悪の場合は装置自体の故障等を引き起こす可能性がある。
【0033】
このように、装置内における、感光体、および光走査装置周辺における、温度上昇低減は、非常に重要であり、機内冷却を効率よく行うことが求められるが上記構成により、効率的な冷却が可能となる。
【0034】
また、請求項8に係る画像形成装置では、前記ファンモータが、前記面板の回動動作に連動して該面板が前記保持位置にあるときにのみ動作するために、面板が保持位置にないとき、すなわち、ユニット交換時にはファン動作が停止しているために、ファンモータ作動による紐状物や作業員の髪の毛などの絡みつき等の、事故を未然に防止することができる。
【0035】
また、請求項9に係る画像形成装置は、複数の感光体上に同時に露光走査を可能とするとともに、それぞれ異なる色の画像を形成することが可能な、タンデム式カラー画像形成装置に応用しているため、品質の安定性に優れ、かつ、装置のメンテナンス性、ユニット交換の作業における操作性を向上し、優れたフルカラー画像形成装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】(a)本発明に係る画像形成装置Aの側面のモデル図、(b)本発明に係る画像形成装置Aの正面のモデル図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の例Bにおける面板付近のモデル部分図である。
【図3】(a)本発明に係る画像形成装置Bのモデル斜視図である。(b)本発明に係る画像形成装置B’のモデル斜視図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置B’の画像形成部の詳細を示す垂直断面モデル図である。
【図5】本発明に係る画像形成装置Cの面板6付近のモデル図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
【0038】
図1(a)に本発明に係る画像形成装置Aの側面のモデル図、図1(b)に正面(前側、操作側から見た)のモデル図をそれぞれ示す。
【0039】
この画像形成装置Aは感光体ユニット4、感光体ユニット4に対して露光走査を行う脱着可能な光走査装置5、および、感光体ユニット4上に形成された潜像を現像するための現像ユニット(図示しない)を、それぞれ、側板(前側、操作側)1、側板2(後側)、これらをつなぐステー3aおよび3bから形成(構成)されている筐体内に備えた画像形成装置であって、1つの面板6がこの筐体(の操作側の側板1)に回動可能に設けられ、保持機構が感光体ユニット4および光走査装置5と前記面板6との間に設けられ、かつ、面板6が、感光体ユニット4および光走査装置5が前記保持機構により位置決めされて保持される保持位置(実線)と、該保持が解除されて感光体ユニット4および光走査装置5が前記筐体から脱着可能となる脱着位置(破線)と、の間で回動可能となっている。
【0040】
すなわち、保持位置(実線)と脱着位置(破線)との間を両矢印方向に回動可能な1つの面板6が筐体にヒンジ7を介して設けられ、感光体ユニット4と面板6とにはそれぞれ互いに対応する感光体ユニット保持ピン4a、および、面板保持孔6bとが前記保持機構として設けられ、光走査装置5と面板6とにはそれぞれ互いに対応する光走査装置保持孔5aおよび面板保持ピン6aとが前記保持機構として設けられており、面板6が保持位置にあるときには、これらピンと孔とが嵌合していて、感光体ユニット4および光走査装置5が、これら保持機構により位置決めされて保持される。
【0041】
さらに、感光体ユニット4、光走査装置5は、面板6が破線で示された脱着位置へ回動されることにより上記保持が解除されて筐体から脱着可能となる。なおこの例では面板6が約90°回動する位置に脱着位置が示されているが、これは一例であり、この角度に限定されることはなく、たとえば感光体ユニット4が筐体から脱着される程度に回動すれば充分である場合もある。
【0042】
この例Aでは、光走査装置保持孔5aから面板保持ピン6aが無理なく抜けるようにするために、面板6の大きさが大きくなっているために、操作性の悪化を招くとともに、部品の大型化、コストアップを引き起こす懸念がある。
【0043】
このような問題が懸念される場合には、図2に面板付近の部分図をモデル的に示すような本発明に係る画像形成装置の例Bによって解決することができる。すなわち、画像形成装置Bの操作面側から前方にスライドするスライド部8を設け、このスライド部8に面板6を回動可能に保持するヒンジ部を設けることにより、まず、スライド部8によって面板6を操作面側から前方にスライドさせた後に回動させる、あるいは、スライドさせながら回動させることにより、光走査装置保持孔5aから面板保持ピン6aが無理なく抜けるとともに面板6の大きさを小さくすることができる。
【0044】
本発明の画像形成装置において、感光体ユニットは、筐体内部から筐体の操作面側へ脱着されるようにすることで、感光体ユニットの筐体からの脱着は、機械前面(操作側)から操作されるために、作業者によるアクセスを容易にし、作業性を向上することができる。ここで、上記画像形成装置Bは感光体ユニットが、前記筐体内部から前記筐体の操作面側へ脱着される画像形成装置である。
【0045】
図3(a)に本発明に係る画像形成装置Bのモデル斜視図を示す。
【0046】
図3(a)では、スライド部8は画像形成装置Bの操作面側から前方にスライドされた状態であり、かつ、面板6は脱着位置となっている。感光体ユニット4を画像形成装置Bにセットするには、感光体ユニット4を操作側の側板1に設けられた感光体ユニット挿入口1aから装置内部に挿入し、後側の側板2の感光体ユニットセット部2aにセットし、次いで面板6を保持位置に移動し回動することにより、感光体ユニット保持ピン4aを図示しない面板保持孔6bに嵌合して感光体ユニット4は画像形成装置B内部で位置決めされて保持される。
【0047】
一方、光走査装置5が、筐体内部から前記筐体の側面側へ脱着され、筐体の側面側から筐体内部へ装着される。すなわち画像形成装置B左側面より光走査装置5は、面板6の面板保持ピン6aが、装置内へ装着後に操作側の側板1に設けられたピン挿入1bを通って、光走査装置保持孔5a内に挿入されて、面板6が保持位置にあるときに、これら面板保持ピン6aと光走査装置保持孔5aとの嵌合によって位置決めされて保持される。
【0048】
ここで図3(b)にモデル的に示した、本発明のタンデム式カラー画像形成装置への応用例である画像形成装置B’の場合では、感光体ユニット4が4つあるために、操作側からの脱着装着操作によるより高い効率化効果が得られる。この装置の場合、感光体ユニット4の画像形成装置B’へのセットが4回繰り返される以外の操作は画像形成装置Bの場合と全く同じである。
【0049】
図4は上記タンデム式の画像形成装置B’の画像形成部の詳細を示す垂直断面モデル図である。画像形成装置B’は、筐体42と、給紙装置3と、レジストローラ対44と、転写ユニット45と、定着装置46と、光走査装置5と、第1〜第4のプロセスカートリッジ8Y、8C、8M、8BKと、排紙部49とを少なくとも備えている。なお、以下の説明では、画像形成装置B’の4つの感光体ユニット4は、カラートナー4色に対応し、16Y、16C、16Mおよび16BKとしてそれぞれ分けて説明されている。
【0050】
装置本体42は、例えば箱状に形成され、フロア上等に設置される。装置本体42は、給紙装置43と、レジストローラ対44と、転写ユニット45と、定着装置46と、光走査装置5と、第1〜第4のプロセスカートリッジ8Y、8C、8M、8BKとを内部に収容する。
【0051】
給紙装置43は、装置本体42の下部に配され、給紙カセット10と、給紙ローラ11とを備えている。給紙カセット10は、記録媒体Pを重ねて収容する。給紙カセット10は、装置本体2に出し入れ自在に、装置本体42の水平方向に配されている。給紙ローラ11は給紙カセット10内の最上位の記録媒体Pに押し当てられ、給紙ローラ11の回転によって該最上位の記録媒体Pが矢印k方向に送り出される。
【0052】
レジストローラ対44は、給紙装置43から転写ユニット45に搬送される記録媒体Pの搬送経路に設けられており、互いの間に記録媒体Pを挟み込む。レジストローラ対44は、該記録媒体Pを、所定のタイミングで転写ユニット45に給送する。
【0053】
転写ユニット45は、給紙装置3の上方に設けられている。転写ユニット45は、複数の支持ローラ12a、12b、12cと、中間転写ベルト13とを備えている。複数の支持ローラ12a、12b、12cは、装置本体42に回転自在に支持され、少なくとも一つが図示しない駆動手段によって回転駆動されている。中間転写ベルト13は、無端環状に形成され、支持ローラ12a、12b、12cに巻き掛けられてプロセスカートリッジ8Y、8C、8M、8BKの上方かつ近傍に配されている。中間転写ベルト13は、支持ローラ12a、12b、12c(のいずれか)が回転駆動されることで、図4中の矢印m方向に循環(無端走行)する。
【0054】
転写ユニット45は、さらに、一次転写ローラ14と、二次転写ローラ15とを備えている。一次転写ローラ14と二次転写ローラ15とは、中間転写ベルト13の近傍に配され、図示しない電源装置によって所定の転写電圧が印加される。
【0055】
二次転写ローラ15は、支持ローラ12aと対向配置されている。レジストローラ対44から給送された記録媒体Pは、支持ローラ12aに支持された中間転写ベルト13と二次転写ローラ15との間に給送されて、後述するように中間転写ベルト13上に一次転写された合成トナー像を二次転写される。
【0056】
定着装置46は、互いの間に記録媒体Pを挟む加熱ローラと加圧ローラとを備えている。合成トナー像を二次転写された記録媒体Pは、さらに上方に搬送されて定着装置46を通り、加熱ローラと加圧ローラとの間で押圧加熱されて、記録媒体P上に二次転写された合成トナー像が該記録媒体P上に定着される。
【0057】
光走査装置5は、給紙装置43と中間転写ベルト13との間に配されている。光走査装置5は、第1〜第4のプロセスカートリッジ8Y、8C、8M、8BKの後述する帯電部材23により一様に帯電された像担持体すなわち感光体ユニット16Y、16C、16M、16BKの外周面にレーザ光Lを照射して、静電潜像を形成する。光走査装置7は、例えば回転多面鏡の回転による走査により、感光体ユニット16Y、16C、16M、16BKの外周面に画像記録を行う(静電潜像を形成する)。
【0058】
感光体ユニット上に形成された潜像を現像するための現像ユニットである第1〜第4のプロセスカートリッジ8Y、8C、8M、8BKは、それぞれ異なった色のトナー像が形成されるドラム状の感光体としての感光体ユニット16Y、16C、16M、16BKを備えている。これら感光体ユニット16Y、16C、16M、16BK上に異なった色のトナー像がそれぞれ形成され、その各トナー像が中間転写ベルト13上に重ねられて一次転写される。トナー像転写後の中間転写ベルト13上に付着する転写残トナーはクリーニング装置27によって除去される。中間転写ベルト13は、感光体ユニット16Y、16C、16M、16BKに形成されたトナー像が転写される転写材の一例を構成するものである。
【0059】
本発明に係る画像形成装置において、面板に感光体ユニットと光走査装置との間の空間を冷却するためのファンモータを備えていることが好ましい。このような例として、本発明に係る画像形成装置Cの面板6付近のモデル図を図5に示す。画像形成装置Cは面板に感光体ユニットと光走査装置との間の空間を冷却するためのファンモータ9が面板6に設けられていることのみ異なる。このファンモータ9は面板6の動きに連動して、図示しない接触式スイッチにより、面板6の回動動作に連動して面板6が保持位置にあるときにのみ動作するようになっているために、面板が保持位置にないとき、すなわち、ユニット交換時にはファン動作が停止するので、ファンモータ作動による紐状物や作業者の髪の毛などの絡みつき等の、事故を未然に防止することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 側板(前側、操作側)
2 側板(後側)
3a、3b ステー
4 感光体ユニット
4a 感光体ユニット保持ピン
5 光走査装置
5a 光走査装置保持孔
6 面板
6a 面板保持ピン
6b 面板保持孔
7 ヒンジ
8 スライド部
9 ファンモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ユニット、前記感光体ユニットに対して露光走査を行う脱着可能な光走査装置、および、前記感光体ユニット上に形成された潜像を現像するための現像ユニットを、それぞれ筐体内に備えた画像形成装置において、
1つの面板が前記筐体に回動可能に設けられ、
保持機構が前記感光体ユニットおよび前記光走査装置と前記面板との間に設けられ、かつ、
前記面板が、前記感光体ユニットおよび前記光走査装置が前記保持機構により位置決めされて保持される保持位置と、該保持が解除されて前記感光体ユニットおよび前記光走査装置が前記筐体から脱着可能となる脱着位置と、の間で回動可能となっている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記面板を回動可能に保持するヒンジ部が、前記画像形成装置の操作面側から前方にスライドするスライド部に設けられていることを特徴とする請求項1記載に画像形成装置。
【請求項3】
前記保持機構が、前記感光体ユニットおよび前記光走査装置と前記面板とに設けられたピンと該ピンに対応する孔とから構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記感光体ユニットが、前記筐体内部から前記筐体の操作面側へ脱着されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記光走査装置が、前記筐体内部から前記筐体の側面側へ脱着されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記光走査装置と前記面板との間の前記保持機構が、該面板に備えられたピンと、前記光走査装置に備えられた該ピンに対応する孔と、によって、構成されていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記面板が、前記感光体ユニットと光走査装置との間の空間を冷却するためのファンモータを備えていることを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ファンモータが、前記面板の回動動作に連動して該面板が前記保持位置にあるときにのみ動作することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置が、タンデム式カラー画像形成装置であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−204530(P2010−204530A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51841(P2009−51841)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】