説明

画像形成装置

【課題】像担持体と転写ベルトを正確に同期回転させて画像ズレの発生を防ぐことができる画像形成装置を提供することに。
【解決手段】駆動源によって回転駆動される感光ドラム(像担持体)2a〜2dと転写ローラ5a〜5dとの間に介在する中間転写ベルト7を走行させ、前記感光ドラム2a〜2d上に形成されたトナー像を前記転写ローラ5a〜5dによって前記中間転写ベルト7上に転写する画像形成装置(カラーレーザープリンタ)において、前記中間転写ベルト7を前記感光ドラム2a〜2dによって駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体上のトナー像を転写ベルトに転写する方式を採用する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式によって用紙にカラー画像を形成するカラー画像形成装置は、4つの感光ドラムとこれらに中間転写ベルトを挟んで対向する4つの転写ローラをタンデムに並設し、各感光ドラム上に形成されたマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各トナー像を中間転写ベルト上に一次転写して重ね合わせることによってフルカラーのトナー像を形成し、このトナー像を記録材である用紙に一括二次転写してフルカラー画像を形成する方式を採用している。
【0003】
斯かるカラー画像形成装置においては、各感光ドラムと中間転写ベルトは各々独立のモータ及び減速機構等の動力伝達機構によって同期回転するよう構成されていたが、このような構成ではモータの数が増えるばかりか、各モータの回転ムラ、動力伝達機構の組立誤差、中間転写ベルトの伸び、感光ドラムと中間転写ベルト間に介在するトナー量による動摩擦及び静摩擦の変化等に起因して感光ドラムと中間転写ベルトの線速度に差が生じ、両者が正確に同期回転しなくなる可能性がある。このように感光ドラムと中間転写ベルトが正確に同期回転しない場合には、カラー画像に色ズレが発生するという問題がある。
【0004】
そこで、特許文献1には、フリー回転自在に軸支された複数の感光体を中間転写ベルトによって従動回転させるようにした画像構成装置が提案されている。
【0005】
又、特許文献2には、隣り合う転写区間のそれぞれにおけるベルト移動方向の上流端の、ベルトの外周面に沿った距離を駆動ローラが1回転することによりベルトが移動する距離を整数倍とすることによって、感光ドラムからそれぞれ転写されて重ね合わされる現像剤像の色ずれの発生を抑制する画像形成装置が提案されている。
【特許文献1】特開2001−134108号公報
【特許文献2】特開2007−093682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に記載された構成では、中間転写ベルトで複数の感光体を従動回転させるため、中間転写ベルトを駆動するモータ等の駆動源として大容量のものが必要となるとともに、中間転写ベルトに大きな負荷が作用するために該中間転写ベルトが伸び、感光体と中間転写ベルトが正確に同期回転しない可能性がある。
【0007】
又、特許文献2に記載された構成では、感光ドラムとベルトを各々独立の駆動源と動力伝達機構によって駆動する方式が採用されているため、前述のように感光ドラムとベルトを正確に同期回転させることができないという問題が発生する可能性がある。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、像担持体と転写ベルトを正確に同期回転させて画像ズレの発生を防ぐことができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、駆動源によって回転駆動される像担持体と転写ローラとの間に介在する転写ベルトを走行させ、前記像担持体上に形成されたトナー像を前記転写ローラによって前記転写ベルト上に転写する画像形成装置において、前記転写ベルトを前記像担持体によって駆動することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、複数の像担持体の各々を独立に回転駆動する複数のモータと、各モータの回転変動を検知する回転検知センサ又は前記転写ベルトの速度変動を検知するIDセンサを備え、前記回転センサによって検知された前記各モータの回転変動又は前記IDセンサによって検知された前記転写ベルトの速度変動に基づいて前記各モータをフィードバック制御することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、複数の像担持体を増減速機構を介して単一のモータで回転駆動するとともに、前記増減速機構の増減速比を整数比に設定したことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記中間転写ベルトをゴム層を含む多層構造としたことを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記転写ローラ近傍に、前記転写ベルトを前記像担持体側に押圧する補助ローラを設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の発明において、前記転写ローラの軸方向両端にプーリを自由回転可能に設け、該プーリを前記転写ベルトを介して前記像担持体の軸方向両端の非画像域に押圧したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、転写ベルトを像担持体によって駆動するようにしたため、転写ベルトは像担持体との間に発生する静摩擦によって滑ることなく確実に駆動され、両者の線速差が小さく抑えられる。このため、転写ベルトと像担持体とを正確に同期回転させることができ、両者の線速差に伴う画像ズレの発生を抑えて高質画像を安定的に得ることができる。又、転写ベルトの駆動源が不要となるため、構造の単純化とコストダウンを図ることができる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、回転センサによって検知された各モータの回転変動又はIDセンサによって検知された転写ベルトの速度変動に基づいて各モータをフィードバック制御するようにしたため、各モータ又は転写ベルトの速度変動が抑えられ、これらの速度変動に伴う像担持体と転写ベルトとの線速差が限りなく0となって両者を正確に同期回転させることができる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、複数の像担持体を増減速機構を介して単一のモータで回転駆動するとともに、前記増減速機構の増減速比を整数比に設定したため、各像担持体の回転変動が同期し、単一のモータの回転を制御することによって各像担持体の回転変動を抑えて転写ベルトを一定の速度で駆動することができる。又、モータの数を削減して更なる構造単純化とコストダウンを図ることができる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、転写ベルトをゴム層を含む多層構造としたため、摩擦係数の大きなゴム層を像担持体に接触させることによって転写ベルトを像担持体によって滑りなく確実に駆動することができ、転写ベルトと像担持体を正確に同期回転させて両者の線速差を小さく抑えることができる。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、転写ローラ近傍に設けられた補助ローラによって転写ベルトと像担持体のニップ量を増やすことができ、両者間の静摩擦力を高めて像担持体によって転写ベルトを一層確実に駆動することができる。このため、像担持体と転写ベルトとの線速差を限りなく0と近づけて両者を正確に同期回転させることができ、転写ベルトと像担持体との線速差に伴う画像ズレの発生を抑えて高質画像を安定的に得ることができる。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、転写ローラの軸方向両端に自由回転可能に設けられたプーリによって転写ベルトを内側から像担持体に押圧することができるため、像担持体の搬送力を高めることができ、該像担持体によって転写ベルトを滑りなく一層確実に駆動することができる。この場合、プーリは像担持体の軸方向両端の非画像域に押圧されるため、像担持体の寿命や画像品質に影響を及ぼすことがない。又、プーリは転写ローラと同軸で自由回転可能に支持されているため、該プーリの転写ベルトに対する負荷が軽減されるとともに、転写ギャップの調整が可能となる。更に、プーリの電気抵抗を転写ベルトのそれよりも高く設定し、或はプーリを絶縁体で構成することによって、該プーリへの余分な電流のリークを防ぐことができる。
【0021】
又、転写ベルトに取り付けられた蛇行防止リブをプーリの幅方向内側に配することによって、プーリを蛇行防止リブのガイドとして機能させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は本発明に係るカラー画像形成装置の一形態としてのカラーレーザープリンタの断面図、図2は同カラーレーザープリンタの画像形成部の拡大断面図であり、図示のカラーレーザープリンタはタンデム型であって、その本体100内の中央部には、マゼンタ画像形成ユニット1M、シアン画像形成ユニット1C、イエロー画像形成ユニット1Y及びブラック画像形成ユニット1Kが一定の間隔でタンデムに配置されている。
【0024】
上記各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1Kには、像担持体である感光ドラム2a,2b,2c,2dがそれぞれ配置されており、各感光ドラム2a〜2dの周囲には、帯電ローラ3a,3b,3c,3d、現像装置4a,4b,4c,4d、一次転写手段である転写ローラ5a,5b,5c,5d及びドラムクリーニング装置6a,6b,6c,6dがそれぞれ配置されている。
【0025】
ここで、前記感光ドラム2a〜2dは、ドラム状の感光体であって、これらは不図示のモータから動力伝達機構を介して伝達される駆動力によって図示矢印方向(時計方向)に所定のプロセススピードで回転駆動される。尚、各感光ドラム2a〜2dの配設ピッチは、各感光ドラム2a〜2dの回転周期の整数倍に設定されている。又、本実施の形態では、各感光ドラム2a〜2dの回転位置を検知する不図示のセンサが設けられている。
【0026】
又、前記帯電ローラ3a〜3dは、不図示の帯電バイアス電源から印加される帯電バイアスによって感光ドラム2a〜2dの表面を所定の電位に均一に帯電させるものである。
【0027】
更に、前記現像装置4a〜4dは、マゼンタ(M)トナー、シアン(C)トナー、イエロー(Y)トナー、ブラック(K)トナーをそれぞれ収容しており、各感光ドラム2a〜2d上に形成された各静電潜像に各色のトナーを付着させて各静電潜像を各色のトナー像として可視像化するものである。
【0028】
又、前記転写ローラ5a〜5dは、各一次転写部にて中間転写体である無端状の中間転写ベルト7を介して各感光ドラム2a〜2dに当接可能に配置されている。ここで、中間転写ベルト7は、ゴム層を含む多層構造として構成された無端ベルトであって、その最外層であるゴム層が感光ドラム2a〜2dに接触している。そして、この中間転写ベルト7は、自由回転可能に支持されたローラ8,9の間に張設されて各感光ドラム2a〜2dの上面側に走行可能に配置されている。ここで、前記ローラ8,9は共に転がり軸受によって自由回転可能に支持されており、一方のローラ8は、二次転写部において中間転写ベルト7を介して二次転写ローラ10に当接可能に配置されており、他方のローラ9の近傍にはベルトクリーニング装置11が設けられている。
【0029】
ところで、装置本体100内の各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1Kの上方には、前記各現像装置4a〜4dにトナーを補給するためのトナーコンテナ12a,12b,12c,12dが一列に並設されている。
【0030】
又、装置本体100内の各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1Kの下方にはレーザースキャナユニット(LSU)13が配置され、その下方の本体100の底部には給紙カセット14が着脱可能に設置されている。そして、給紙カセット14には複数枚の不図示の用紙が積層収容されており、この給紙カセット14の近傍には、給紙カセット14から用紙を1枚ずつ取り出すピックアップローラ15と、取り出された用紙を搬送パスLへと送り出すフィードローラ16とリタードローラ17が設けられている。
【0031】
更に、装置本体100の側部を上下方向に延びる前記搬送パスLには、用紙を搬送する搬送ローラ対18と、用紙を一時待機させた後に所定のタイミングで前記駆動ローラ8と二次転写ローラ10との当接部である二次転写部へと供給するレジストローラ対19が設けられている。尚、搬送パスLの横には、用紙の両面に画像を形成する場合に使用される別の搬送パスL’が形成されており、この搬送パスL’には複数の搬送ローラ対20が適当な間隔で設けられている。
【0032】
ところで、装置本体100内の一側部に縦方向に配置された前記搬送パスLは、装置本体100の上面に設けられた排紙トレイ21まで延びており、その途中には定着装置22と排紙ローラ対23が設けられている。
【0033】
次に、以上の構成を有するカラーレーザープリンタによる画像形成動作について説明する。
【0034】
画像形成開始信号が発せられると、各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1Kにおいて各感光ドラム2a〜2dが不図示のモータによって図1の矢印方向(時計方向)に所定のプロセススピードでそれぞれ回転駆動され、これらの感光ドラム2a〜2dは、帯電ローラ3a〜3dによって一様に帯電される。又、レーザースキャナユニット13は、各色毎のカラー画像信号によって変調されたレーザー光を出射し、そのレーザー光を各感光ドラム2a〜2dの表面に照射し、各感光ドラム2a〜2d上に各色のカラー画像信号に対応した静電潜像をそれぞれ形成する。
【0035】
そして、先ず、マゼンタ画像形成ユニット1Mの感光ドラム2a上に形成された静電潜像に、該感光ドラム2aの帯電極性と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4aによってマゼンタトナーを付着させ、該静電潜像をマゼンタトナー像として可視像化する。このマゼンタトナー像は、感光ドラム2aと転写ローラ5aとの間の一次転写部(転写ニップ部)において、転写ローラ5aによって中間転写ベルト7にトナーと逆極性の一次転写バイアスが印加されることによって、図1の矢印方向に回転駆動されている中間転写ベルト7上に一次転写される。
【0036】
ここで、本実施の形態では、中間転写ベルト7はローラ8,9によって自由回転可能に支持されており、該中間転写ベルト7は感光ドラム2a〜2dによって駆動される構成が採用されている。この場合、感光ドラム2a〜2dの各々を独立に回転駆動する4つのモータの回転変動を検知する不図示の回転検知センサ又は中間転写ベルト7の速度変動を検知する不図示のIDセンサが設けられており、各モータは、回転センサによって検知された各モータの回転変動又はIDセンサによって検知された中間転写ベルト7の速度変動に基づいて各モータをフィードバック制御される。
【0037】
而して、前述のようにしてマゼンタトナー像が一次転写された中間転写ベルト7は、次のシアン画像形成ユニット1Cへと移動する。そして、シアン画像形成ユニット1Cにおいても、前記と同様にして、感光ドラム2b上に形成されたシアントナー像が一次転写部において中間転写ベルト7上のマゼンタトナー像に重ねて転写される。
【0038】
以下同様にして、中間転写ベルト7上に重畳転写されたマゼンタ及びシアントナー像の上に、イエロー及びブラック画像形成ユニット1Y,1Kの各感光ドラム2c,2d上にそれぞれ形成されたイエロー及びブラックトナー像が各一次転写部において順次重ね合わせられ、中間転写ベルト7上にはフルカラーのトナー像が形成される。尚、中間転写ベルト7上に転写されないで各感光ドラム2a〜2d上に残留する転写残トナーは、各ドラムクリーニング装置6a〜6dによって除去され、各感光ドラム2a〜2dは次の画像形成に備えられる。
【0039】
他方、中間転写ベルト7上のフルカラートナー像の先端がローラ8と二次転写ローラ10間の二次転写部(転写ニップ部)に達するタイミングに合わせて、給紙カセット14からピックアップローラ15とフィードローラ16及びリタードローラ17によって搬送パスLへと送り出された用紙がレジストローラ対19によって二次転写部へと搬送される。そして、二次転写部に搬送された用紙に、トナーと逆極性の二次転写バイアスが印加された二次転写ローラ10によってフルカラーのトナー像が中間転写ベルト7から一括して二次転写される。
【0040】
而して、フルカラーのトナー像が転写された用紙は、定着装置22へと搬送され、フルカラーのトナー像が加熱及び加圧されて用紙の表面に熱定着され、トナー像が定着された用紙は、排紙ローラ対23によって排紙トレイ21上に排出されて一連の画像形成動作が完了する。尚、用紙上に転写されないで中間転写ベルト7上に残留する転写残トナーは、前記ベルトクリーニング装置11によって除去され、中間転写ベルト7は次の画像形成に備えられる。
【0041】
以上において、本実施の形態では、前述のように中間転写ベルト7を感光ドラム2a〜2dによって駆動するようにしたため、該中間転写ベルト7は感光ドラム7a〜7dとの間に発生する静摩擦によって滑ることなく確実に駆動され、両者の線速差が小さく抑えられる。このため、中間転写ベルト7と感光ドラム2a〜2dとを正確に同期回転させることができ、両者の線速差に伴うフルカラー画像の色ズレの発生を抑えて高質画像を安定的に得ることができる。又、本実施の形態では、中間転写ベルト7の駆動源が不要となるため、構造の単純化とコストダウンを図ることができる。
【0042】
特に、本実施の形態では、中間転写ベルト7をゴム層を含む多層構造としたため、摩擦係数の大きなゴム層を感光ドラム2a〜2dに接触させることによって中間転写ベルト7を感光ドラム2a〜2dによって滑りなく確実に駆動することができ、中間転写ベルト7と感光ドラム2a〜2dを正確に同期回転させて両者の線速差を小さく抑えることができる。
【0043】
又、本実施の形態では、回転センサによって検知された各モータの回転変動又はIDセンサによって検知された中間転写ベルト7の速度変動に基づいて各モータをフィードバック制御するようにしたため、各モータ又は中間転写ベルト7の速度変動が抑えられ、これらの速度変動に伴う感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト7との線速差が限りなく0となって両者を正確に同期回転させることができる。
【0044】
ところで、本実施の形態では、4つの感光ドラム2a〜2dを4つの独立のモータによって各々回転駆動する構成を採用したが、4つの感光ドラム2a〜2dを増減速機構を介して単一のモータで回転駆動するとともに、前記増減速機構の増減速比を整数比に設定する構成を採用すれば、各感光ドラム2a〜2dの回転変動が同期し、単一のモータの回転を制御することによって各感光ドラム2a〜2dの回転変動を抑えて中間転写ベルト7を一定の速度で駆動することができる。又、モータの数を削減して更なる構造単純化とコストダウンを図ることができる。
【0045】
又、図3に示すように、各転写ローラ5a〜5dの両側に補助ローラ24,25をそれぞれ設け、これらの補助ローラ24,25によって中間転写ベルト7を各感光ドラム2a〜2d側に押圧する構成を採用すれば、補助ローラ24,25によって中間転写ベルト7と各感光ドラム2a〜2dのニップ量を増やすことができ、両者間の静摩擦力を高めて感光ドラム2a〜2dによって中間転写ベルト7を一層確実に駆動することができる。このため、感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト7との線速差を限りなく0と近づけて両者を正確に同期回転させることができ、中間転写ベルト7と感光ドラム2a〜2dとの線速差に伴う画像ズレの発生を抑えて高質画像を安定的に得ることができる。尚、補助ローラ24,25は一方(特に上流側の補助ローラ24)のみ設けても前記効果が得られる。
【0046】
更に、図示しないが、各転写ローラ5a〜5dの軸方向両端にプーリを自由回転可能に設け、該プーリを中間転写ベルト7を介して各感光ドラム2a〜2dの軸方向両端の非画像域に押圧する構成を採用しても良い。
【0047】
上記構成を採用すると、転写ローラ5a〜5dの軸方向両端に自由回転可能に設けられたプーリによって中間転写ベルト7を内側から感光ドラム2a〜2dに押圧することができるため、感光ドラム2a〜2dの搬送力を高めることができ、該感光ドラム2a〜2dによって中間転写ベルト7を滑りなく一層確実に駆動することができる。この場合、プーリは感光ドラム2a〜2dの軸方向両端の非画像域に押圧されるため、感光ドラム2a〜2dの寿命や画像品質に影響を及ぼすことがない。又、プーリは転写ローラ5a〜5dと同軸で自由回転可能に支持されているため、該プーリの中間転写ベルト7に対する負荷が軽減されるとともに、転写ギャップの調整が可能となる。
【0048】
更に、プーリの電気抵抗を中間転写ベルト7のそれよりも高く設定し、或はプーリを絶縁体で構成することによって、該プーリへの余分な電流のリークを防ぐことができる。又、中間転写ベルト7に取り付けられた不図示の蛇行防止リブをプーリの幅方向内側に配することによって、プーリを蛇行防止リブのガイドとして機能させることができる。
【0049】
尚、以上は本発明をカラーレーザープリンタに適用した形態について説明したが、本発明は、プリンタの他、転写ベルトを使用する複写機やファクシミリ、複合機等の他の任意の画像形成装置に対しても同様に適用可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係るカラーレーザープリンタの断面図である。
【図2】本発明に係るカラーレーザープリンタの画像形成部の拡大断面図である。
【図3】本発明の別形態を示すカラーレーザープリンタ要部の断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1M マゼンタ画像形成ユニット
1C シアン画像形成ユニット
1Y イエロー画像形成ユニット
1K ブラック画像形成ユニット
2a〜2d 感光ドラム(像担持体)
3a〜3d 帯電ローラ
4a〜4d 現像装置
5a〜5d 転写ローラ
6a〜6d ドラムクリーニング装置
7 中間転写ベルト(転写ベルト)
8,9 ローラ
10 二次転写ローラ
11 ベルトクリーニング装置
12a〜12d トナーコンテナ
13 レーザースキャナユニット(LSU)
14 給紙カセット
15 ピックアップローラ
16 フィードローラ
17 リタードローラ
18 搬送ローラ対
19 レジストローラ対
20 搬送ローラ対
21 排紙トレイ
22 定着装置
23 排紙ローラ対
24,25 補助ローラ
100 画像形成装置本体
L,L’ 搬送パス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源によって回転駆動される像担持体と転写ローラとの間に介在する転写ベルトを走行させ、前記像担持体上に形成されたトナー像を前記転写ローラによって前記転写ベルト上に転写する画像形成装置において、
前記転写ベルトを前記像担持体によって駆動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数の像担持体の各々を独立に回転駆動する複数のモータと、各モータの回転変動を検知する回転検知センサ又は前記転写ベルトの速度変動を検知するIDセンサを備え、前記回転センサによって検知された前記各モータの回転変動又は前記IDセンサによって検知された前記転写ベルトの速度変動に基づいて前記各モータをフィードバック制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
複数の像担持体を増減速機構を介して単一のモータで回転駆動するとともに、前記増減速機構の増減速比を整数比に設定したことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記中間転写ベルトをゴム層を含む多層構造としたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記転写ローラ近傍に、前記転写ベルトを前記像担持体側に押圧する補助ローラを設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写ローラの軸方向両端にプーリを自由回転可能に設け、該プーリを前記転写ベルトを介して前記像担持体の軸方向両端の非画像域に押圧したことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−91889(P2010−91889A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263342(P2008−263342)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】