画像形成装置
【課題】安価な構成でジャム処理時の部品の破損を防止できるとともにジャム処理作業性を向上させる。
【解決手段】転写ローラ及び定着手段を用紙搬送ガイドにて保持させ、転写定着ユニット9として一体的に構成する。感光体2と転写ローラ5とが圧接される転写部に用紙(図示せず)が到達した状態で装置が停止した場合、外装カバー11を開放することにより転写定着ユニット9が装置本体の外側及び下方に移動する。これにより、転写ローラ5が感光体2から離間され、転写ニップが解除される。したがって、転写部にある用紙(図示せず)を容易に除去できる。
【解決手段】転写ローラ及び定着手段を用紙搬送ガイドにて保持させ、転写定着ユニット9として一体的に構成する。感光体2と転写ローラ5とが圧接される転写部に用紙(図示せず)が到達した状態で装置が停止した場合、外装カバー11を開放することにより転写定着ユニット9が装置本体の外側及び下方に移動する。これにより、転写ローラ5が感光体2から離間され、転写ニップが解除される。したがって、転写部にある用紙(図示せず)を容易に除去できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、特に用紙のジャム処理に係る技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
用紙が画像形成部の下方を通過して定着手段に達するよう構成された画像形成装置においては、転写部に用紙が到達した状態でジャムが発生した際、定着手段を画像形成装置本体から取り外して用紙を取り除いた(ジャム処理した)後、定着手段を装着するという作業が考えられる。このとき、転写ニップ部に挟まれた用紙を引き抜く作業が発生し、転写ニップを形成している転写ローラや転写ベルト等の転写手段(用紙非画像面側回転体=用紙の画像面側と反対側の面に位置している回転体)と感光体や中間転写ベルト等の像担持体(用紙画像面側回転体=用紙の画像面側に位置している回転体)とに用紙が接した状態で用紙を引き抜くこととなり、像担持体が傷つく可能性がある。また、用紙搬送ガイド上にある用紙は掴みにくく、作業性も悪い。
【0003】
このような問題に対し、たとえば特開平5−197243号公報(特許文献1)には、転写ローラとそのクリーニング手段、転写部を出た用紙の搬送ガイドと定着手段および排出ローラが画像形成装置本体に一体的に着脱可能に転写定着ユニット枠に設けられていて、この転写定着ユニット枠を取り出すことで感光体と転写ローラの接触が開放されてジャムした用紙を取り除くことができる構成が記載されている。
【0004】
また、特開平4−234057号公報(特許文献2)には、転写ドラムと定着手段が転写定着カートリッジとして、画像形成装置本体内に一体的に着脱される構成が記載されている。
【0005】
また、特開2004−53987号公報(特許文献3)には、定着手段を画像形成装置本体に対して着脱可能に構成し、定着手段の着脱方向を被う外装手段を定着手段と一体に定着ユニットとして構成したことを特徴とする画像形成装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のものにおいては、転写定着ユニット枠が新たな部品として必要となり、コストアップの要因となってしまう。また、転写定着ユニット枠の着脱の方向を感光体が転写ローラに対して接離する方向としているため、略水平方向に転写定着ユニット枠を引き出す際、感光体と転写ローラを転写定着ユニット枠の引き出し方向に対して、垂直方向に並んで配置せず、斜めに配置する構成となっており、その分装置が大型化するという問題もある。さらに、転写定着ユニット枠の着脱の方向を感光体が転写ローラに対して接離する方向としたことで、装置の高さを低くする為に、給紙手段から定着手段までの用紙搬送路を略水平にせず、搬送ガイドを複雑な形状にする必要がある為、コストアップの要因となるという問題もある。
【0007】
また、特許文献2に記載のものにおいては、新たな転写定着カートリッジの筐体が設けられており、更に、転写定着カートリッジを引き出す際に使用するスライドレールも設けられている為、コストが増大するという問題がある。また、転写ドラムと定着手段の寿命が等しくなり、交換の際は転写定着カートリッジごと交換すると記載されているが、転写ドラムと定着手段の寿命が全く同時にくるとは考えられず、転写ドラムと定着手段のどちらか一方が故障した場合においても、両方を交換することになるため、正常な部品を無駄にしてしまい、コストがかかるという問題もある。
【0008】
また、特許文献3に記載のものにおいては、装置に異常が発生した際に転写部と定着手段の間に用紙が存在していれば、用紙は定着ユニットを画像形成装置から取り外し、転写部のニップ部で挟んだ状態のまま引き抜かれることになる。このとき、用紙を、転写ローラとニップを形成している像担持体に接した状態で引き抜くことになり、像担持体が傷つく可能性がある。また、用紙搬送ガイド上の用紙は掴みにくく、作業性が悪いという問題もある。更に、定着ユニットは装置本体から完全に取り外す構造のため、取り外した定着ユニットを一時的に退けておくためのスペースが必要であり、取り外した定着ユニットをぶつけて破損させる可能性もある。
【0009】
本発明は、従来の画像形成装置における上述の問題を解決し、安価な構成でジャム処理時の部品の破損を防止できるとともにジャム処理作業性を向上することのできる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題は、本発明により、像担持体と、該像担持体が担持する画像を記録材上に転写させる転写手段と、前記記録材に転写された画像を定着させる定着手段とを有する画像形成装置において、前記転写手段と前記定着手段とを保持部材により保持して転写定着ユニットとして一体的に構成するとともに、該転写定着ユニットを装置本体に対して外側に移動可能に設け、前記転写定着ユニットの装置本体外側への移動に連動して前記像担持体と前記転写手段とが圧接して形成される転写ニップを離間させ、前記転写定着ユニットの装置本体内側への移動に連動して前記像担持体と前記転写手段とを圧接させて転写ニップを形成するよう構成されていることにより解決される。
【0011】
また、当該画像形成装置の外装面の一部を構成する外装手段を前記転写定着ユニットの端部に装着して前記転写定着ユニットと一体的に移動可能に設け、前記外装手段は前記転写定着ユニット引き出し方向において前記定着手段を覆っていると好適である。
【0012】
また、当該画像形成装置の外装面の一部を開閉可能な外装手段を有し、該外装手段と前記転写定着ユニットとが連結され、前記外装手段の開放により前記転写定着ユニットが装置本体の外側に移動するとともに前記転写ニップが離間され、前記外装手段の閉鎖により前記転写定着ユニットが装置本体内側に移動するとともに前記転写ニップが形成されると好適である。
【0013】
また、前記転写定着ユニットを装置本体から引き出した際に前記転写定着ユニットを装置本体に支持させる支持手段を備えると好適である。
また、前記保持部材の一部が、前記転写手段と前記定着手段間の用紙搬送ガイド部材であると好適である。
【0014】
また、前記転写手段及び前記定着手段が前記転写定着ユニットに対して個別に着脱可能であると好適である。
また、前記転写定着ユニットを装置本体から引き出した際に装置本体を支えるための補助部材を、前記転写定着ユニット引き出し方向の装置側面に設けると好適である。
【0015】
また、前記補助部材が装置本体内に格納可能に設けられていると好適である。
また、前記転写定着ユニットのユニット移動方向と直交する方向の両側にユニット移動方向に延設されるガイド部材が突設され、装置本体側に前記ガイド部材を受ける受部材が設けられると好適である。
【0016】
また、前記転写ニップに向けて記録用紙を給送する給紙手段を有し、該給紙手段から前記定着手段までの用紙搬送路が略直線状に形成されていると好適である。
また、用紙を挟持する挟持位置と用紙を挟持しない非挟持位置とに移動可能な用紙ストッパを前記転写ニップの上流側に有し、装置の異常発生時に前記用紙ストッパを前記挟持位置に移動させると好適である。
【0017】
また、前記用紙ストッパと前記転写定着ユニットで用紙を挟持するとともに、前記用紙ストッパが前記転写定着ユニットと一体的に移動可能に設けられていると好適である。
【0018】
また、前記転写ニップに向けて記録用紙を給送する給紙手段を有し、前記用紙ストッパの用紙挟持力が前記給紙手段の用紙挟持力よりも大きいか、前記給紙手段の用紙挟持が解除可能に設けられていると好適である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の画像形成装置によれば、転写定着ユニットを装置本体に対して外側に移動することに連動して転写ニップを離間させ、転写定着ユニットの装置本体内側への移動に連動して転写ニップを形成するので、通常動作時とは異なる負荷を転写手段や像担持体に与えることなくジャム処理を行うができる。すなわち、従来技術で問題となっていたジャム処理の際のユニット引き出しによる像担持体あるいは転写手段の傷付きを防止できるとともに、転写手段と定着手段を別々に着脱するような構成に比べ、簡単な構成とできるため、コストアップの抑制が可能である。
【0020】
請求項2の構成により、外装手段の開閉によって転写定着ユニットの移動を行うことができ、ジャム処理の手順を減らすことができる。また、高温部である定着手段に不用意に触れてしまう危険を防止することができる。
【0021】
請求項3の構成により、外装手段の開放による転写定着ユニットの装置本体外側への移動に連動して転写ニップを離間させ、外装手段の閉鎖による転写定着ユニットの装置本体内側への移動に連動して転写ニップを形成することができる。したがって、通常動作時とは異なる負荷を転写手段や像担持体に与えることなくジャム処理を行うができる。
【0022】
請求項4の構成により、転写定着ユニットを装置本体から取り外さずにジャム処理を行うことができる。また、転写手段や定着手段の破損を防止することができる。高温部の定着手段に触れる危険を低減することができる。
【0023】
請求項5の構成により、転写手段と定着手段間の用紙搬送ガイド部材を別途必要とせず、保持部材がガイド部材を兼ねることができる。したがって、装置構成を簡略化してコストの低減を図れる。
【0024】
請求項6の構成により、呼称や寿命となった部品を個別に修理あるいは交換することができ、資源の無駄を省くとともに、コストを抑制することができる。
請求項7の構成により、転写定着ユニットを装置本体から引き出した際の装置本体の傾きを防止することができる。
【0025】
請求項8の構成により、装置使用時(装置動作時)に補助部材が邪魔になることが無い。
請求項9の構成により、別途にスライドレールを設ける必要が無く、コストアップを抑制することができる。
【0026】
請求項10の構成により、用紙搬送ガイドの形状が複雑とならず、コストを低減することができる。また、搬送路を形成する部品の配置が簡単であり、装置の小型化に寄与することができる。
【0027】
請求項11の構成により、転写部の上流側に用紙ストッパがあるので、装置の異常発生時にストッパを用紙挟持位置に移動させることで、定着手段に到達していない用紙が装置本体内で落下することを防止できる。
【0028】
請求項12の構成により、用紙ストッパと転写定着ユニットとで用紙を挟持し、用紙ストッパが転写定着ユニットと一体的に移動できるので、転写定着ユニットを引き出すことによって用紙を同時に除去することが可能となる。そのため、ジャム紙を容易に除去することができる。
【0029】
請求項13の構成により、ジャム発生により装置が停止したときに用紙後端が給紙手段に挟まれている場合でも、転写定着ユニットの移動によって用紙を同時に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を模式的に示す断面構成図である。
【図2】その画像形成装置の転写定着ユニットを示す斜視図である。
【図3】転写定着ユニットを装置本体から外側に移動させた状態を示す図である。
【図4】転写定着ユニットがスライドレールによって支持される様子を示す図である。
【図5】転写ローラ離間時の問題を説明する模式図である。
【図6】転写ニップを接離させる構成例とその動作を示す図である。
【図7】転写ニップを接離させる別の構成例を示す図である。
【図8】外装カバー開放により転写ローラが感光体から離間された様子を示す図である。
【図9】装置本体を支える補助部材の一例を示す斜視図である。
【図10】装置本体を支える補助部材の別の例を示す斜視図である。
【図11】転写定着ユニットを支持する構成の一例を示す斜視図である。
【図12】転写定着ユニットを支持する構成の一例を示す装置背面から見た図である。
【図13】給紙手段を通過した用紙が転写部に到達し、定着手段には到達していない状態を示す模式図である。
【図14】用紙が装置本体内で落下した様子を示す図である。
【図15】転写部上流側に設けた用紙ストッパで用紙の落下を防止する様子を示す図である。
【図16】用紙ストッパの別構成例を示す図である。
【図17】用紙ストッパと転写定着ユニットで用紙を挟持し、ユニットと一緒に用紙を除去する様子を示す図である。
【図18】昇降可能に設けた給紙手段を示す図である。
【図19】発明をカラー画像形成装置に適用した第2実施形態を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例を模式的に示す断面構成図である。装置本体のほぼ中央部に画像形成部1が配置される。この画像形成部1は像担持体(用紙画像面側回転体)としての感光体ドラム2を有しており、その感光体ドラム2の下には転写ローラ5(用紙非画像面側回転体)を有する転写手段4が設けられている。図示しない露光部によって感光体ドラム1上に静電潜像を形成し、その潜像に図示しない現像装置からトナーを付与して感光体ドラム1上にトナー像を形成する。一方、給紙トレイ8から給紙手段3によって用紙Pが給紙され、感光体ドラム1と転写ローラ5が対向する転写部に向け搬送される。感光体ドラム1上のトナー像は転写ニップにて用紙上に転写され、定着手段6で加熱及び加圧によりトナー像が定着された後、外部に排出される。このように、本実施形態の画像形成装置においては、用紙Pは、画像形成部1の下方を通過して定着手段6に達する。本実施形態において、給紙手段3と転写手段4の間には図示しない用紙搬送ガイドが設けられている。また、図に示すように、転写手段4と定着手段の間には用紙搬送ガイド7が設けられている。なお、図1では用紙搬送ガイド7を薄い板状に図示しているが、図2を参照して後述するように、用紙搬送ガイド7は転写手段4及び定着手段6を保持する保持部材であり、転写手段4と定着手段6の間の部材上面部が搬送ガイド板(ガイド部)となっている。
【0032】
図2に示すように、本実施形態においては、転写手段4及び定着手段6を用紙搬送ガイド7にて保持することにより、転写手段4と定着手段6と用紙搬送ガイド7とを一体的に転写定着ユニット9として構成している。転写手段4の用紙搬送ガイド7への保持は、例えば転写手段4の側面から突出する突出部4aを用紙搬送ガイド7に設けた位置決め部7aに嵌合させることにより行う。また、定着手段6の用紙搬送ガイド7への保持は、例えば定着手段6の側面から突出する突出部6aを用紙搬送ガイド7に設けた切り欠き部である位置決め部7bに嵌合させることにより行う。なお、転写手段4及び定着手段6の突出部4a及び突出部6aは、装置幅方向の左右両側(図には右側のみ示す)に設けられる。転写手段4と定着手段6は、それぞれ用紙搬送ガイド7に対して(転写定着ユニット9に対して)個別に着脱可能である。
【0033】
さて、転写手段4と定着手段6の間に用紙先端が到達した状態でジャムが発生した場合(あるいは異常発生により装置が停止した場合)、図3に示すように、転写定着ユニット9を装置本体から外側(本実施例では後ろ側)に退避するように移動させる。このとき、図示しないロック機構(支持手段)により、装置本体から引き出した転写定着ユニット9は装置本体に支持される。これにより、装置本体から転写定着ユニット9を取り外すことなく、ジャム処理を行うことができる。このとき、転写ローラ5と感光体2のニップ部に挟まった用紙Pが、転写ローラ5とニップを形成していた感光体2から離れるため、用紙Pを装置から取り除く際に感光体2を傷つけてしまうことを防止できる。また、用紙Pは感光体2の上流側(用紙搬送方向の上流側)から垂れ下がる状態となり、掴み易くなる。更に、転写手段4と定着手段6を用紙搬送ガイド7にて保持することにより転写手段4と定着手段6と用紙搬送ガイド7を一体的に構成しているので、転写手段4と定着手段6を設置する為の新たな保持部品が不要となり、コストアップを低減できる。なお、ジャム処理は、図示例では装置の右側面に設けたドア(図示せず)を開放して行うものとする。
【0034】
図4は、転写定着ユニット9の保持手段の具体的な実施例を示すものである。この図に示すように、転写定着ユニット9は、スライドレール10によって装置本体に保持され、装置本体から外側へ移動可能となっている。装置本体から引き出した転写定着ユニット9はスライドレール10によって装置本体に支持される。また、本実施例では、転写定着ユニット9の外側(装置本体の外側)に外装カバー11(外装手段)が装着されており、外装カバー11は転写定着ユニット9と一体的に移動するようになっている。この外装カバー11は、引き出し方向において転写定着ユニット9を覆う大きさを有しており、もちろん、定着手段6を覆っている。そのため、転写定着ユニット9を引き出したときに高温部の定着手段6が外装カバー11によってカバーされ、不用意に定着手段6に触れてしまう危険を防ぐことができる。転写定着ユニット9を装置内部に収めたときには、外装カバー11が装置開口(転写定着ユニット9を退避させるための開口)を閉鎖する。
【0035】
転写手段4と定着手段6の間に用紙先端が到達した状態でジャムが発生した場合、外装カバー11を開くことによって、転写定着ユニット9と外装カバー11が一体的に装置本体に対して外側に移動するため、ユーザーは外装カバー11を開くだけで、装置内のジャム紙を取り除くことができる。また、ジャム紙を取り除いた後は外装カバー11を閉じるだけでよく、ジャム処理の作業手順を減らすことができる。また、定着手段6に触れることなくジャム処理ができる。
【0036】
ところで、図5に転写ローラ5を仮想線で示したように、転写ローラ5には感光体ドラム2に対して押圧する力が加わっているため、転写定着ユニット9を装置本体から引き出す際に、転写ローラ5と感光体ドラム2はすぐに離間されない。
【0037】
そこで、本実施形態では、転写定着ユニット9の挿脱に連動して転写ニップを接離させる構成を設けている。すなわち、図6に示すように、用紙搬送ガイド7の上部(用紙搬送領域外の位置)に凸部7cを設けるとともに、転写定着ユニット9の引き出し方向で上記凸部7cの下流側に付勢ガイド部12が設けてある。この付勢ガイド部12は、下方に向いた凸形状となっており、その頂点部は曲線状に形成されている。なお、付勢ガイド部12は、本体フレームの一部として設けてもよいし、別途付勢するための部品として設けてもよい。
【0038】
図6(a)のように、転写定着ユニット9が装置本体内の作動位置にセットされているとき、用紙搬送ガイド7の凸部7cの位置は付勢ガイド部12の内側に接触しているが、このとき付勢ガイド部12による付勢は行われない。そして、図6(b)に示すように、転写定着ユニット9を装置本体から引き出す際の矢印A方向への移動によって用紙搬送ガイド7の凸部7cが付勢ガイド部12に当接して矢印B方向に付勢される。これによって用紙搬送ガイド7が下方に移動し、転写ローラ5が感光体ドラム2から離間する(転写ニップが解除される)。(b)図の位置からさらに用紙搬送ガイド7が引き出されると、用紙搬送ガイド7は元の高さに(作動位置であれば転写ローラ5が感光体ドラム2に圧接される高さに)戻る(本例では図示しない付勢手段により、転写ローラ5が感光体ドラム2に圧接するように用紙搬送ガイド7が上方に付勢されている)。
【0039】
なお、本例では、上述したように転写定着ユニット9が作動位置にセットされているとき、凸部7cは付勢ガイド部12の内側に(非付勢状態で)接触しているため、用紙搬送ガイド7を引き出す動作によって直ちに付勢ガイド部12による付勢が行われるため、用紙搬送ガイド7を引き出す際にすぐに転写ローラ5と感光体ドラム2の離間が始まる。したがって、転写ローラ5と感光体ドラム2のこすれを防止して、転写ローラ5及び感光体ドラム2の損傷・傷付を効果的に防ぐことができる。
【0040】
そして、引き出した転写定着ユニット9を装置本体内に挿入する際は、付勢ガイド部12に凸部7cが当接することによって用紙搬送ガイド7が下方に移動され、凸部7cが付勢ガイド部12の頂点を通過すると用紙搬送ガイド7が上昇して元の高さに戻る。したがって、転写定着ユニット9が作動位置に戻るときに、転写ローラ5が下方から上昇して感光体ドラム2に圧接されるので、用紙搬送ガイド7の挿入時(セット)時にも転写ローラ5と感光体ドラム2のこすれを防止して、転写ローラ5及び感光体ドラム2の損傷・傷付きを効果的に防ぐことができる。
【0041】
このように、本発明に係る画像形成装置においては、転写定着ユニット9を装置本体に対して外側に移動することに連動して転写ローラ5と感光体ドラム2のニップを離間させ、転写定着ユニット9を装置本体に対して通常使用時の位置まで挿入することに連動して転写手段4の転写ローラ5を感光体2に押圧する方向へ移動させるので、通常動作時とは異なる負荷を転写ローラ5や感光体2に与えることなくジャム処理を行うができる。すなわち、従来技術で問題となっていたジャム処理の際のユニット引き出しによる像担持体あるいは転写手段の傷付きを防止できるとともに、転写手段と定着手段を別々に着脱するような構成に比べ、簡単な構成とできるため、コストアップの抑制が可能である。
【0042】
図7,8は、転写定着ユニット9の挿脱に連動して転写ニップを接離させる構成の別例を示すものである。
図7に示すように、外装カバー11はその下端部で軸13により装置本体のフレームに軸支され、図8に示すように軸13を支点として開放できるようになっている。この外装カバー11には、軸13よりも上方で装置内側に突き出た凸部11aが設けられている。一方、転写定着ユニット9の用紙搬送ガイド7の下端部にはガイド部14が装着されており、このガイド部14の端部と外装カバーの凸部11aとが軸15により連結されている。なお、軸13及び凸部11aならびにガイド部14は装置の左右幅方向(図2参照)の両側に設けられており、幅方向の両側で転写定着ユニット9と外装カバー11とが連結されている。
【0043】
そして、図8に示すように外装カバー11を開放すると、軸15の位置はカバー閉鎖時よりも装置外側に移動するとともにカバー閉鎖時よりも下方に下がり、ガイド部14全体の位置も外側かつ下方に移動するようになっている。これにより、ガイド部14が装着された転写定着ユニット9の位置も装置外側に移動するとともに下方に下がり、感光体ドラム2から転写ローラ5が離間して転写ニップが解除される。また、開放されていた外装カバー11を図7のように閉鎖すると、軸15の位置が上がり、転写定着ユニット9も上昇されて感光体ドラム2に転写ローラ5が圧接されて転写ニップが形成される。
【0044】
このように、本構成例においては、外装カバー11の開放による転写定着ユニット9の装置本体外側への移動に連動して転写ローラ5と感光体ドラム2のニップを離間させ、外装カバー11の閉鎖による転写定着ユニット9の装置本体内側への移動に連動して転写ローラ5と感光体ドラム2のニップを形成する。したがって、通常動作時とは異なる負荷を転写ローラ5や感光体2に与えることなくジャム処理を行うができる。
【0045】
ここで、転写定着ユニット9への転写手段4及び定着手段6の位置決めについて図2を参照して説明する。
図2に示すように、転写手段4及び定着手段6は、共に左右方向の両側に設けた突出部4a,6aを、用紙搬送ガイド7の一部を切り欠いて設けた位置決め部7aに上から挿入することで位置を決める構成となっている。このとき転写定着ユニット9を上から押さえつける図示しない押さえ部材を設けてもかまわない。転写手段4及び定着手段6は各々の突出部4a,6aが、用紙搬送ガイド7の位置決め部7aに嵌合することで前後方向の位置が決まり、自重方向が用紙搬送ガイド7の位置決め部7aによって支えられることで上下方向の位置が決まる。左右方向については、突出部に設けた図示しない溝を用紙搬送ガイドに嵌める構成や、Eリングやストップリング等を用いて位置を決める構成が考えられる。転写手段4と定着手段6をこのように用紙搬送ガイド7に設置することで、転写手段4及び定着手段6は、転写定着ユニット9を装置本体から引き出した後、上方向へ個別に分離可能となり、故障あるいは寿命となったユニットのみを交換することができ、正常なユニットを無駄にすることを防止できる。また、個別で分離可能なため、部分的な修理を行いやすく、持ち運びの負荷も低減できる。
【0046】
ところで、転写定着ユニット9を装置本体から引き出した際に、転写定着ユニット9の重量によって画像形成装置全体が転写定着ユニット9を引き出した方向に傾く可能性がある。そこで、画像形成装置の傾きを防止する(装置本体を支える)補助部材を設けると好適である。
【0047】
図9は、装置本体を支える補助部材の一例を示す斜視図である。この図において、画像形成装置本体20から転写定着ユニット9を引き出す側の装置側面(本例では装置背面)の両側下端部に、画像形成装置を支えるための補助部材16,16が設けられている。補助部材16,16は、側面形状が直角三角形をしており、三角形の底辺が画像形成装置を載置する台や机等に当接し、画像形成装置本体20の傾きを防止する。
【0048】
図10は、装置本体を支える補助部材の別の例を示す斜視図である。この図において、画像形成装置本体20から転写定着ユニット9を引き出す側の装置側面(本例では装置背面)の両側下端部に、画像形成装置を支えるための補助部材17,17が設けられている。補助部材17,17は、側面形状を円弧状又は曲線状に設けられ、装置本体20の内部から引き出し及び本体内に格納可能になっている。転写定着ユニット9を装置本体20から外部に移動させる場合は、図に示すように補助部材17,17を引き出して画像形成装置の傾きを防止する。転写定着ユニット9を装置本体内に挿入した後、補助部材17,17を本体内の収納スペース18,18に収めることによって、装置作動時に補助部材17,17が邪魔になることがない。
【0049】
図11,12は、転写定着ユニット9を支持する構成の一例を示す斜視図及び背面図(装置背面から見た図)である。図4では、転写定着ユニット9を支持する構成の一例としてスライドレールを用いる例を示したが、市販物やスライドレール専用としての別部品を使用するとコストアップの要因となる。そこで、図11,12に示すように、転写定着ユニット9の引き出し方向(装置背面方向)から見て転写定着ユニット9の幅方向両側(転写定着ユニット9の移動方向と直交する方向の両側)に、ユニット移動方向に延設されるスライドガイド21,21(ガイド部材)を突設する。一方、装置本体20側には、スライドガイド21,21を受ける受部材22,22を設ける。
【0050】
上記スライドガイド21は、例えば、用紙搬送ガイド7の材質が樹脂材料であれば、スライドガイド21を含むよう一体成形し、用紙搬送ガイド7が板金材料であれば、曲げ形状にてスライドガイド21を構成するなどが考えられる。また、受部材22は、装置本体のフレーム(この例では左右両側の側板)23,23の一部を受部材22として構成することでコストを抑制することができる。
【0051】
ところで、図1に示すように、給紙手段3から定着手段6までの用紙搬送路(図に一点鎖線で示す)をほぼ直線状(本例では略水平)に延在する搬送路として形成することで、用紙搬送ガイドの形状をシンプルなものすることができ、安価に構成できる。また、搬送路が略水平になることで、搬送路を形成する部品の配置が複雑にならず、装置を小型化することができる。
【0052】
図13は、給紙手段3を通過した用紙Pが転写部(図中2点鎖線で囲んで示す)に到達し、定着手段6には到達していない状態を示している。画像形成装置になんらかの異常が発生し、図13の状態で用紙Pが機内で停止した場合、用紙Pは転写部にのみ挟持されているため、用紙を取り除くために転写定着ユニット9を装置本体の外側に移動すると、用紙Pを挟持する部分がなくなり、図14に示すように用紙Pが装置本体内で落下する可能性がある。
【0053】
そこで、図15に示すように、転写部の上流側に用紙ストッパ25を設けると好適である。この用紙ストッパ25は、図に実線と仮想線で示すように昇降可能に設けられており、通常動作時は実線で示す上昇位置に保持されている。装置本体に異常が発生すると、用紙ストッパ25が仮想線で示す位置に下降され、ここに用紙Pがある場合には用紙ストッパ25と転写部上流側の用紙ガイド24とで用紙を挟持する。図15では、転写定着ユニット9が外側に移動され、下降した用紙ストッパ25(仮想線)と用紙ガイド24とで用紙Pを保持している状態を示している。これにより、転写定着ユニット9を装置本体から引き出した場合の用紙の落下を防止することが可能となる。なお、用紙ストッパ25と用紙ガイド24による用紙の挟持力は、例えば用紙ストッパ25の自重のような、ユーザが用紙Pを引っ張り抜く(除去できる)ことが可能な力に設定されることはもちろんである。
【0054】
図16は、用紙ストッパの別構成例を示すものである。この図に示す用紙ストッパ26は転写定着ユニット9に支持され、図に実線と仮想線で示すように昇降可能に設けられている。通常動作時は実線で示す上昇位置に保持されており、装置本体に異常が発生すると用紙ストッパ26が仮想線で示す位置に下降され、用紙Pがある場合には用紙ストッパ26と転写部上流側まで延長された用紙搬送ガイド27のガイド部27aとで用紙Pを挟持する。用紙ストッパ26で用紙を挟持した状態で用紙搬送ガイド27を図17に示すように装置本体に対して外側に移動させた際に、同時に用紙Pを除去することができる。
【0055】
なお、用紙Pの後端が搬送手段3に挟まれた状態でも用紙Pの除去ができるように、用紙ストッパ26の用紙を挟持する力が給紙手段3の用紙を挟持する力よりも大きくなるように設定されている。あるいは、図18に示すように、給紙手段3を昇降可能に設け、異常発生時には図に破線で示すように給紙手段3による用紙挟持を解除する(用紙Pから離間する)ように制御してもよい。これにより、用紙搬送ガイド27の引き出し時に、用紙ストッパ26で挟持した用紙Pを同時に除去することが可能である。
【0056】
図19は、本発明をカラー画像形成装置に適用した第2実施形態を示すものである。
この図に示すカラー画像形成装置は、タンデム方式を採用してフルカラー画像を形成可能なカラープリンタであり、装置本体内の上部に4つの作像ユニット32Bk,32M,32C,32Yからなるタンデム画像形成部31が配置される。タンデム画像形成部31の下方には中間転写ベルト42が配設されている。この中間転写ベルト42は、各色作像ユニットの感光体33から一次転写されたトナー像を担持する像担持体(用紙画像面側回転体)であり、複数の支持ローラに巻き掛けられて図中反時計回りに走行駆動される。
【0057】
各作像ユニット32(Bk,M,C,Y)は扱うトナーの色が異なるのみで構成は同一であり、代表してブラックユニット32Bkに符号を付して示すように感光体ドラム33を具備している。この感光体ドラム33の周りには、帯電手段34、現像装置35、クリーニング手段37等が配置され、さらに感光体ドラム33に対向するように中間転写ベルト42の内側に一次転写手段としての転写ローラ36が設けられている。さらに、感光体ドラム33の上方には光書込装置38が配置され、感光体ドラム33にレーザ光を照射して光走査を行う。
【0058】
中間転写ベルト30の下方には二次転写手段44が設けられている。二次転写手段44は転写搬送ベルト33(用紙非画像面側回転体)を有しており、その転写搬送ベルト33が掛け渡される一方側の支持ローラが二次転写ローラ45となっている。中間転写ベルト30及び転写搬送ベルト33を挟んで二次転写ローラ45が対向ローラ48に圧接され、二次転写ニップを形成する。
【0059】
上記二次転写手段44の図で右側には定着手段46が配置されている。二次転写手段44と定着手段46は、図示しない保持部材により保持されて一体的に転写定着ユニット49として構成される。この転写定着ユニット49は、上記説明した第1実施形態のモノクロ画像形成装置における転写定着ユニット9と同様に、画像形成装置本体に対して外側(図19では右側)に移動可能に設けられている。
【0060】
装置本体の下部は給紙部39として設けられ、用紙を積載する給紙トレイと、該給紙トレイに積載された用紙を送り出す給紙手段が備えられ、用紙を一枚ずつに分離して給送する。給紙部39から送り出された用紙は、搬送ローラ対40を介してレジストローラ41に送られる。
【0061】
上記のように構成されたタンデム型カラープリンタにおける画像形成動作は周知であるので説明は省略する。
さて、二次転写ニップに用紙が挟持された(二次転写ローラ45と定着手段46の間に用紙先端が到達した)状態でジャムが発生した場合、転写定着ユニット49を画像形成装置本体に対して外側に移動させることにより、装置本体から転写定着ユニット49を取り外すことなく、ジャム処理を行うことができる。
【0062】
このとき、本第2実施形態では、転写定着ユニット49の挿脱に連動して二次転写ニップを接離させる構成を設けている。すなわち、上記第1実施形態において図6〜8で説明したと同様の構成により、転写定着ユニット49を画像形成装置本体に対して外側に移動させる動作に連動して二次転写ニップの圧接を解除し、また、転写定着ユニット49を作動位置に戻す動作に連動して二次転写ニップの圧接を形成するように構成する。これにより、通常動作時とは異なる負荷を像担持体(用紙画像面側回転体)や二次転写手段(用紙非画像面側回転体)に与えることなくジャム処理を行うができる。すなわち、従来技術で問題となっていたジャム処理の際のユニット引き出しによる像担持体あるいは転写手段(二次転写手段)の傷付きを防止できるとともに、転写手段(二次転写手段)と定着手段を別々に着脱するような構成に比べ、簡単な構成とできるため、コストアップの抑制が可能である。
【0063】
なお、転写定着ユニット49を装置本体から引き出した際の画像形成装置の傾きを防止する補助部材を、図9,10で説明した補助部材16,17と同様にして設けると好適である。また、転写定着ユニット49を支持する構成としては、スライドレールあるいは図11,12で説明したスライドガイド21及び受部材22を用いることが可能である。さらに、第1実施形態と同様に用紙ストッパ25,26(図15〜17)を設けてもよい。また、ジャム氏の除去を容易にするため、レジストローラ41を離間可能に設け、異常発生時には用紙挟持を解除するように制御してもよい。
【0064】
以上、本発明を図示例により説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1実施形態では転写手段4及び定着手段6を保持する保持部材を用紙搬送ガイド7として構成したが、用紙の搬送をガイドするガイド部材を保持部材とは別に設けてもよい。また、転写手段4を第2実施形態の二次転写手段44のように転写搬送ベルトとして構成しても良い。また、第2実施形態では二次転写手段44を転写搬送ベルト方式としたが、第1実施形態の転写手段4のように転写ローラ方式としてもよい。その場合、その転写ローラと定着手段を保持する保持部材を、第1実施形態と同様に用紙搬送ガイドとして構成しても良い。
【0065】
転写手段(二次転写手段)及び定着手段を保持部材に保持させる構成も適宜な構成を採用可能である。定着手段はベルト定着方式でもよい。第1実施形態の像担持体(用紙画像面側回転体)はドラム状回転体であったが、ベルト状の像担持態でもよい。また、第2実施形態では像担持体(用紙画像面側回転体)が中間転写ベルトであったが、ドラム状の中間転写体を用いる装置構成も可能である。
【0066】
また、画像形成装置の作像部の構成も任意であり、タンデム式における各色作像ユニットの並び順などは任意である。また、タンデム式に限らず、一つの感光体の周囲に複数の現像装置を配置したものや、リボルバ型現像装置を用いる構成も可能である。また、3色のトナーを用いるフルカラー機や、2色のトナーによる多色機にも本発明を適用することができる。もちろん、画像形成装置としてはプリンタに限らず、複写機やファクシミリ、あるいは複数の機能を備える複合機であっても良い。
【符号の説明】
【0067】
1 画像形成部
2 感光体ドラム(像担持体)
3 給紙手段
4 転写手段
5 転写ローラ
6 定着手段
7 用紙搬送ガイド
9 転写定着ユニット
11 外装カバー(外装手段)
13,15 軸
16,17 補助部材
21 スライドガイド(ガイド部材)
22 受部材
25、26 用紙ストッパ
27 用紙搬送ガイド
31 タンデム画像形成部
42 中間転写ベルト(像担持体)
43 転写搬送ベルト
44 二次転写手段
46 定着手段
49 転写定着ユニット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特開平5−197243号公報
【特許文献2】特開平4−234057号公報
【特許文献3】特開2004−53987号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、特に用紙のジャム処理に係る技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
用紙が画像形成部の下方を通過して定着手段に達するよう構成された画像形成装置においては、転写部に用紙が到達した状態でジャムが発生した際、定着手段を画像形成装置本体から取り外して用紙を取り除いた(ジャム処理した)後、定着手段を装着するという作業が考えられる。このとき、転写ニップ部に挟まれた用紙を引き抜く作業が発生し、転写ニップを形成している転写ローラや転写ベルト等の転写手段(用紙非画像面側回転体=用紙の画像面側と反対側の面に位置している回転体)と感光体や中間転写ベルト等の像担持体(用紙画像面側回転体=用紙の画像面側に位置している回転体)とに用紙が接した状態で用紙を引き抜くこととなり、像担持体が傷つく可能性がある。また、用紙搬送ガイド上にある用紙は掴みにくく、作業性も悪い。
【0003】
このような問題に対し、たとえば特開平5−197243号公報(特許文献1)には、転写ローラとそのクリーニング手段、転写部を出た用紙の搬送ガイドと定着手段および排出ローラが画像形成装置本体に一体的に着脱可能に転写定着ユニット枠に設けられていて、この転写定着ユニット枠を取り出すことで感光体と転写ローラの接触が開放されてジャムした用紙を取り除くことができる構成が記載されている。
【0004】
また、特開平4−234057号公報(特許文献2)には、転写ドラムと定着手段が転写定着カートリッジとして、画像形成装置本体内に一体的に着脱される構成が記載されている。
【0005】
また、特開2004−53987号公報(特許文献3)には、定着手段を画像形成装置本体に対して着脱可能に構成し、定着手段の着脱方向を被う外装手段を定着手段と一体に定着ユニットとして構成したことを特徴とする画像形成装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のものにおいては、転写定着ユニット枠が新たな部品として必要となり、コストアップの要因となってしまう。また、転写定着ユニット枠の着脱の方向を感光体が転写ローラに対して接離する方向としているため、略水平方向に転写定着ユニット枠を引き出す際、感光体と転写ローラを転写定着ユニット枠の引き出し方向に対して、垂直方向に並んで配置せず、斜めに配置する構成となっており、その分装置が大型化するという問題もある。さらに、転写定着ユニット枠の着脱の方向を感光体が転写ローラに対して接離する方向としたことで、装置の高さを低くする為に、給紙手段から定着手段までの用紙搬送路を略水平にせず、搬送ガイドを複雑な形状にする必要がある為、コストアップの要因となるという問題もある。
【0007】
また、特許文献2に記載のものにおいては、新たな転写定着カートリッジの筐体が設けられており、更に、転写定着カートリッジを引き出す際に使用するスライドレールも設けられている為、コストが増大するという問題がある。また、転写ドラムと定着手段の寿命が等しくなり、交換の際は転写定着カートリッジごと交換すると記載されているが、転写ドラムと定着手段の寿命が全く同時にくるとは考えられず、転写ドラムと定着手段のどちらか一方が故障した場合においても、両方を交換することになるため、正常な部品を無駄にしてしまい、コストがかかるという問題もある。
【0008】
また、特許文献3に記載のものにおいては、装置に異常が発生した際に転写部と定着手段の間に用紙が存在していれば、用紙は定着ユニットを画像形成装置から取り外し、転写部のニップ部で挟んだ状態のまま引き抜かれることになる。このとき、用紙を、転写ローラとニップを形成している像担持体に接した状態で引き抜くことになり、像担持体が傷つく可能性がある。また、用紙搬送ガイド上の用紙は掴みにくく、作業性が悪いという問題もある。更に、定着ユニットは装置本体から完全に取り外す構造のため、取り外した定着ユニットを一時的に退けておくためのスペースが必要であり、取り外した定着ユニットをぶつけて破損させる可能性もある。
【0009】
本発明は、従来の画像形成装置における上述の問題を解決し、安価な構成でジャム処理時の部品の破損を防止できるとともにジャム処理作業性を向上することのできる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題は、本発明により、像担持体と、該像担持体が担持する画像を記録材上に転写させる転写手段と、前記記録材に転写された画像を定着させる定着手段とを有する画像形成装置において、前記転写手段と前記定着手段とを保持部材により保持して転写定着ユニットとして一体的に構成するとともに、該転写定着ユニットを装置本体に対して外側に移動可能に設け、前記転写定着ユニットの装置本体外側への移動に連動して前記像担持体と前記転写手段とが圧接して形成される転写ニップを離間させ、前記転写定着ユニットの装置本体内側への移動に連動して前記像担持体と前記転写手段とを圧接させて転写ニップを形成するよう構成されていることにより解決される。
【0011】
また、当該画像形成装置の外装面の一部を構成する外装手段を前記転写定着ユニットの端部に装着して前記転写定着ユニットと一体的に移動可能に設け、前記外装手段は前記転写定着ユニット引き出し方向において前記定着手段を覆っていると好適である。
【0012】
また、当該画像形成装置の外装面の一部を開閉可能な外装手段を有し、該外装手段と前記転写定着ユニットとが連結され、前記外装手段の開放により前記転写定着ユニットが装置本体の外側に移動するとともに前記転写ニップが離間され、前記外装手段の閉鎖により前記転写定着ユニットが装置本体内側に移動するとともに前記転写ニップが形成されると好適である。
【0013】
また、前記転写定着ユニットを装置本体から引き出した際に前記転写定着ユニットを装置本体に支持させる支持手段を備えると好適である。
また、前記保持部材の一部が、前記転写手段と前記定着手段間の用紙搬送ガイド部材であると好適である。
【0014】
また、前記転写手段及び前記定着手段が前記転写定着ユニットに対して個別に着脱可能であると好適である。
また、前記転写定着ユニットを装置本体から引き出した際に装置本体を支えるための補助部材を、前記転写定着ユニット引き出し方向の装置側面に設けると好適である。
【0015】
また、前記補助部材が装置本体内に格納可能に設けられていると好適である。
また、前記転写定着ユニットのユニット移動方向と直交する方向の両側にユニット移動方向に延設されるガイド部材が突設され、装置本体側に前記ガイド部材を受ける受部材が設けられると好適である。
【0016】
また、前記転写ニップに向けて記録用紙を給送する給紙手段を有し、該給紙手段から前記定着手段までの用紙搬送路が略直線状に形成されていると好適である。
また、用紙を挟持する挟持位置と用紙を挟持しない非挟持位置とに移動可能な用紙ストッパを前記転写ニップの上流側に有し、装置の異常発生時に前記用紙ストッパを前記挟持位置に移動させると好適である。
【0017】
また、前記用紙ストッパと前記転写定着ユニットで用紙を挟持するとともに、前記用紙ストッパが前記転写定着ユニットと一体的に移動可能に設けられていると好適である。
【0018】
また、前記転写ニップに向けて記録用紙を給送する給紙手段を有し、前記用紙ストッパの用紙挟持力が前記給紙手段の用紙挟持力よりも大きいか、前記給紙手段の用紙挟持が解除可能に設けられていると好適である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の画像形成装置によれば、転写定着ユニットを装置本体に対して外側に移動することに連動して転写ニップを離間させ、転写定着ユニットの装置本体内側への移動に連動して転写ニップを形成するので、通常動作時とは異なる負荷を転写手段や像担持体に与えることなくジャム処理を行うができる。すなわち、従来技術で問題となっていたジャム処理の際のユニット引き出しによる像担持体あるいは転写手段の傷付きを防止できるとともに、転写手段と定着手段を別々に着脱するような構成に比べ、簡単な構成とできるため、コストアップの抑制が可能である。
【0020】
請求項2の構成により、外装手段の開閉によって転写定着ユニットの移動を行うことができ、ジャム処理の手順を減らすことができる。また、高温部である定着手段に不用意に触れてしまう危険を防止することができる。
【0021】
請求項3の構成により、外装手段の開放による転写定着ユニットの装置本体外側への移動に連動して転写ニップを離間させ、外装手段の閉鎖による転写定着ユニットの装置本体内側への移動に連動して転写ニップを形成することができる。したがって、通常動作時とは異なる負荷を転写手段や像担持体に与えることなくジャム処理を行うができる。
【0022】
請求項4の構成により、転写定着ユニットを装置本体から取り外さずにジャム処理を行うことができる。また、転写手段や定着手段の破損を防止することができる。高温部の定着手段に触れる危険を低減することができる。
【0023】
請求項5の構成により、転写手段と定着手段間の用紙搬送ガイド部材を別途必要とせず、保持部材がガイド部材を兼ねることができる。したがって、装置構成を簡略化してコストの低減を図れる。
【0024】
請求項6の構成により、呼称や寿命となった部品を個別に修理あるいは交換することができ、資源の無駄を省くとともに、コストを抑制することができる。
請求項7の構成により、転写定着ユニットを装置本体から引き出した際の装置本体の傾きを防止することができる。
【0025】
請求項8の構成により、装置使用時(装置動作時)に補助部材が邪魔になることが無い。
請求項9の構成により、別途にスライドレールを設ける必要が無く、コストアップを抑制することができる。
【0026】
請求項10の構成により、用紙搬送ガイドの形状が複雑とならず、コストを低減することができる。また、搬送路を形成する部品の配置が簡単であり、装置の小型化に寄与することができる。
【0027】
請求項11の構成により、転写部の上流側に用紙ストッパがあるので、装置の異常発生時にストッパを用紙挟持位置に移動させることで、定着手段に到達していない用紙が装置本体内で落下することを防止できる。
【0028】
請求項12の構成により、用紙ストッパと転写定着ユニットとで用紙を挟持し、用紙ストッパが転写定着ユニットと一体的に移動できるので、転写定着ユニットを引き出すことによって用紙を同時に除去することが可能となる。そのため、ジャム紙を容易に除去することができる。
【0029】
請求項13の構成により、ジャム発生により装置が停止したときに用紙後端が給紙手段に挟まれている場合でも、転写定着ユニットの移動によって用紙を同時に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を模式的に示す断面構成図である。
【図2】その画像形成装置の転写定着ユニットを示す斜視図である。
【図3】転写定着ユニットを装置本体から外側に移動させた状態を示す図である。
【図4】転写定着ユニットがスライドレールによって支持される様子を示す図である。
【図5】転写ローラ離間時の問題を説明する模式図である。
【図6】転写ニップを接離させる構成例とその動作を示す図である。
【図7】転写ニップを接離させる別の構成例を示す図である。
【図8】外装カバー開放により転写ローラが感光体から離間された様子を示す図である。
【図9】装置本体を支える補助部材の一例を示す斜視図である。
【図10】装置本体を支える補助部材の別の例を示す斜視図である。
【図11】転写定着ユニットを支持する構成の一例を示す斜視図である。
【図12】転写定着ユニットを支持する構成の一例を示す装置背面から見た図である。
【図13】給紙手段を通過した用紙が転写部に到達し、定着手段には到達していない状態を示す模式図である。
【図14】用紙が装置本体内で落下した様子を示す図である。
【図15】転写部上流側に設けた用紙ストッパで用紙の落下を防止する様子を示す図である。
【図16】用紙ストッパの別構成例を示す図である。
【図17】用紙ストッパと転写定着ユニットで用紙を挟持し、ユニットと一緒に用紙を除去する様子を示す図である。
【図18】昇降可能に設けた給紙手段を示す図である。
【図19】発明をカラー画像形成装置に適用した第2実施形態を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例を模式的に示す断面構成図である。装置本体のほぼ中央部に画像形成部1が配置される。この画像形成部1は像担持体(用紙画像面側回転体)としての感光体ドラム2を有しており、その感光体ドラム2の下には転写ローラ5(用紙非画像面側回転体)を有する転写手段4が設けられている。図示しない露光部によって感光体ドラム1上に静電潜像を形成し、その潜像に図示しない現像装置からトナーを付与して感光体ドラム1上にトナー像を形成する。一方、給紙トレイ8から給紙手段3によって用紙Pが給紙され、感光体ドラム1と転写ローラ5が対向する転写部に向け搬送される。感光体ドラム1上のトナー像は転写ニップにて用紙上に転写され、定着手段6で加熱及び加圧によりトナー像が定着された後、外部に排出される。このように、本実施形態の画像形成装置においては、用紙Pは、画像形成部1の下方を通過して定着手段6に達する。本実施形態において、給紙手段3と転写手段4の間には図示しない用紙搬送ガイドが設けられている。また、図に示すように、転写手段4と定着手段の間には用紙搬送ガイド7が設けられている。なお、図1では用紙搬送ガイド7を薄い板状に図示しているが、図2を参照して後述するように、用紙搬送ガイド7は転写手段4及び定着手段6を保持する保持部材であり、転写手段4と定着手段6の間の部材上面部が搬送ガイド板(ガイド部)となっている。
【0032】
図2に示すように、本実施形態においては、転写手段4及び定着手段6を用紙搬送ガイド7にて保持することにより、転写手段4と定着手段6と用紙搬送ガイド7とを一体的に転写定着ユニット9として構成している。転写手段4の用紙搬送ガイド7への保持は、例えば転写手段4の側面から突出する突出部4aを用紙搬送ガイド7に設けた位置決め部7aに嵌合させることにより行う。また、定着手段6の用紙搬送ガイド7への保持は、例えば定着手段6の側面から突出する突出部6aを用紙搬送ガイド7に設けた切り欠き部である位置決め部7bに嵌合させることにより行う。なお、転写手段4及び定着手段6の突出部4a及び突出部6aは、装置幅方向の左右両側(図には右側のみ示す)に設けられる。転写手段4と定着手段6は、それぞれ用紙搬送ガイド7に対して(転写定着ユニット9に対して)個別に着脱可能である。
【0033】
さて、転写手段4と定着手段6の間に用紙先端が到達した状態でジャムが発生した場合(あるいは異常発生により装置が停止した場合)、図3に示すように、転写定着ユニット9を装置本体から外側(本実施例では後ろ側)に退避するように移動させる。このとき、図示しないロック機構(支持手段)により、装置本体から引き出した転写定着ユニット9は装置本体に支持される。これにより、装置本体から転写定着ユニット9を取り外すことなく、ジャム処理を行うことができる。このとき、転写ローラ5と感光体2のニップ部に挟まった用紙Pが、転写ローラ5とニップを形成していた感光体2から離れるため、用紙Pを装置から取り除く際に感光体2を傷つけてしまうことを防止できる。また、用紙Pは感光体2の上流側(用紙搬送方向の上流側)から垂れ下がる状態となり、掴み易くなる。更に、転写手段4と定着手段6を用紙搬送ガイド7にて保持することにより転写手段4と定着手段6と用紙搬送ガイド7を一体的に構成しているので、転写手段4と定着手段6を設置する為の新たな保持部品が不要となり、コストアップを低減できる。なお、ジャム処理は、図示例では装置の右側面に設けたドア(図示せず)を開放して行うものとする。
【0034】
図4は、転写定着ユニット9の保持手段の具体的な実施例を示すものである。この図に示すように、転写定着ユニット9は、スライドレール10によって装置本体に保持され、装置本体から外側へ移動可能となっている。装置本体から引き出した転写定着ユニット9はスライドレール10によって装置本体に支持される。また、本実施例では、転写定着ユニット9の外側(装置本体の外側)に外装カバー11(外装手段)が装着されており、外装カバー11は転写定着ユニット9と一体的に移動するようになっている。この外装カバー11は、引き出し方向において転写定着ユニット9を覆う大きさを有しており、もちろん、定着手段6を覆っている。そのため、転写定着ユニット9を引き出したときに高温部の定着手段6が外装カバー11によってカバーされ、不用意に定着手段6に触れてしまう危険を防ぐことができる。転写定着ユニット9を装置内部に収めたときには、外装カバー11が装置開口(転写定着ユニット9を退避させるための開口)を閉鎖する。
【0035】
転写手段4と定着手段6の間に用紙先端が到達した状態でジャムが発生した場合、外装カバー11を開くことによって、転写定着ユニット9と外装カバー11が一体的に装置本体に対して外側に移動するため、ユーザーは外装カバー11を開くだけで、装置内のジャム紙を取り除くことができる。また、ジャム紙を取り除いた後は外装カバー11を閉じるだけでよく、ジャム処理の作業手順を減らすことができる。また、定着手段6に触れることなくジャム処理ができる。
【0036】
ところで、図5に転写ローラ5を仮想線で示したように、転写ローラ5には感光体ドラム2に対して押圧する力が加わっているため、転写定着ユニット9を装置本体から引き出す際に、転写ローラ5と感光体ドラム2はすぐに離間されない。
【0037】
そこで、本実施形態では、転写定着ユニット9の挿脱に連動して転写ニップを接離させる構成を設けている。すなわち、図6に示すように、用紙搬送ガイド7の上部(用紙搬送領域外の位置)に凸部7cを設けるとともに、転写定着ユニット9の引き出し方向で上記凸部7cの下流側に付勢ガイド部12が設けてある。この付勢ガイド部12は、下方に向いた凸形状となっており、その頂点部は曲線状に形成されている。なお、付勢ガイド部12は、本体フレームの一部として設けてもよいし、別途付勢するための部品として設けてもよい。
【0038】
図6(a)のように、転写定着ユニット9が装置本体内の作動位置にセットされているとき、用紙搬送ガイド7の凸部7cの位置は付勢ガイド部12の内側に接触しているが、このとき付勢ガイド部12による付勢は行われない。そして、図6(b)に示すように、転写定着ユニット9を装置本体から引き出す際の矢印A方向への移動によって用紙搬送ガイド7の凸部7cが付勢ガイド部12に当接して矢印B方向に付勢される。これによって用紙搬送ガイド7が下方に移動し、転写ローラ5が感光体ドラム2から離間する(転写ニップが解除される)。(b)図の位置からさらに用紙搬送ガイド7が引き出されると、用紙搬送ガイド7は元の高さに(作動位置であれば転写ローラ5が感光体ドラム2に圧接される高さに)戻る(本例では図示しない付勢手段により、転写ローラ5が感光体ドラム2に圧接するように用紙搬送ガイド7が上方に付勢されている)。
【0039】
なお、本例では、上述したように転写定着ユニット9が作動位置にセットされているとき、凸部7cは付勢ガイド部12の内側に(非付勢状態で)接触しているため、用紙搬送ガイド7を引き出す動作によって直ちに付勢ガイド部12による付勢が行われるため、用紙搬送ガイド7を引き出す際にすぐに転写ローラ5と感光体ドラム2の離間が始まる。したがって、転写ローラ5と感光体ドラム2のこすれを防止して、転写ローラ5及び感光体ドラム2の損傷・傷付を効果的に防ぐことができる。
【0040】
そして、引き出した転写定着ユニット9を装置本体内に挿入する際は、付勢ガイド部12に凸部7cが当接することによって用紙搬送ガイド7が下方に移動され、凸部7cが付勢ガイド部12の頂点を通過すると用紙搬送ガイド7が上昇して元の高さに戻る。したがって、転写定着ユニット9が作動位置に戻るときに、転写ローラ5が下方から上昇して感光体ドラム2に圧接されるので、用紙搬送ガイド7の挿入時(セット)時にも転写ローラ5と感光体ドラム2のこすれを防止して、転写ローラ5及び感光体ドラム2の損傷・傷付きを効果的に防ぐことができる。
【0041】
このように、本発明に係る画像形成装置においては、転写定着ユニット9を装置本体に対して外側に移動することに連動して転写ローラ5と感光体ドラム2のニップを離間させ、転写定着ユニット9を装置本体に対して通常使用時の位置まで挿入することに連動して転写手段4の転写ローラ5を感光体2に押圧する方向へ移動させるので、通常動作時とは異なる負荷を転写ローラ5や感光体2に与えることなくジャム処理を行うができる。すなわち、従来技術で問題となっていたジャム処理の際のユニット引き出しによる像担持体あるいは転写手段の傷付きを防止できるとともに、転写手段と定着手段を別々に着脱するような構成に比べ、簡単な構成とできるため、コストアップの抑制が可能である。
【0042】
図7,8は、転写定着ユニット9の挿脱に連動して転写ニップを接離させる構成の別例を示すものである。
図7に示すように、外装カバー11はその下端部で軸13により装置本体のフレームに軸支され、図8に示すように軸13を支点として開放できるようになっている。この外装カバー11には、軸13よりも上方で装置内側に突き出た凸部11aが設けられている。一方、転写定着ユニット9の用紙搬送ガイド7の下端部にはガイド部14が装着されており、このガイド部14の端部と外装カバーの凸部11aとが軸15により連結されている。なお、軸13及び凸部11aならびにガイド部14は装置の左右幅方向(図2参照)の両側に設けられており、幅方向の両側で転写定着ユニット9と外装カバー11とが連結されている。
【0043】
そして、図8に示すように外装カバー11を開放すると、軸15の位置はカバー閉鎖時よりも装置外側に移動するとともにカバー閉鎖時よりも下方に下がり、ガイド部14全体の位置も外側かつ下方に移動するようになっている。これにより、ガイド部14が装着された転写定着ユニット9の位置も装置外側に移動するとともに下方に下がり、感光体ドラム2から転写ローラ5が離間して転写ニップが解除される。また、開放されていた外装カバー11を図7のように閉鎖すると、軸15の位置が上がり、転写定着ユニット9も上昇されて感光体ドラム2に転写ローラ5が圧接されて転写ニップが形成される。
【0044】
このように、本構成例においては、外装カバー11の開放による転写定着ユニット9の装置本体外側への移動に連動して転写ローラ5と感光体ドラム2のニップを離間させ、外装カバー11の閉鎖による転写定着ユニット9の装置本体内側への移動に連動して転写ローラ5と感光体ドラム2のニップを形成する。したがって、通常動作時とは異なる負荷を転写ローラ5や感光体2に与えることなくジャム処理を行うができる。
【0045】
ここで、転写定着ユニット9への転写手段4及び定着手段6の位置決めについて図2を参照して説明する。
図2に示すように、転写手段4及び定着手段6は、共に左右方向の両側に設けた突出部4a,6aを、用紙搬送ガイド7の一部を切り欠いて設けた位置決め部7aに上から挿入することで位置を決める構成となっている。このとき転写定着ユニット9を上から押さえつける図示しない押さえ部材を設けてもかまわない。転写手段4及び定着手段6は各々の突出部4a,6aが、用紙搬送ガイド7の位置決め部7aに嵌合することで前後方向の位置が決まり、自重方向が用紙搬送ガイド7の位置決め部7aによって支えられることで上下方向の位置が決まる。左右方向については、突出部に設けた図示しない溝を用紙搬送ガイドに嵌める構成や、Eリングやストップリング等を用いて位置を決める構成が考えられる。転写手段4と定着手段6をこのように用紙搬送ガイド7に設置することで、転写手段4及び定着手段6は、転写定着ユニット9を装置本体から引き出した後、上方向へ個別に分離可能となり、故障あるいは寿命となったユニットのみを交換することができ、正常なユニットを無駄にすることを防止できる。また、個別で分離可能なため、部分的な修理を行いやすく、持ち運びの負荷も低減できる。
【0046】
ところで、転写定着ユニット9を装置本体から引き出した際に、転写定着ユニット9の重量によって画像形成装置全体が転写定着ユニット9を引き出した方向に傾く可能性がある。そこで、画像形成装置の傾きを防止する(装置本体を支える)補助部材を設けると好適である。
【0047】
図9は、装置本体を支える補助部材の一例を示す斜視図である。この図において、画像形成装置本体20から転写定着ユニット9を引き出す側の装置側面(本例では装置背面)の両側下端部に、画像形成装置を支えるための補助部材16,16が設けられている。補助部材16,16は、側面形状が直角三角形をしており、三角形の底辺が画像形成装置を載置する台や机等に当接し、画像形成装置本体20の傾きを防止する。
【0048】
図10は、装置本体を支える補助部材の別の例を示す斜視図である。この図において、画像形成装置本体20から転写定着ユニット9を引き出す側の装置側面(本例では装置背面)の両側下端部に、画像形成装置を支えるための補助部材17,17が設けられている。補助部材17,17は、側面形状を円弧状又は曲線状に設けられ、装置本体20の内部から引き出し及び本体内に格納可能になっている。転写定着ユニット9を装置本体20から外部に移動させる場合は、図に示すように補助部材17,17を引き出して画像形成装置の傾きを防止する。転写定着ユニット9を装置本体内に挿入した後、補助部材17,17を本体内の収納スペース18,18に収めることによって、装置作動時に補助部材17,17が邪魔になることがない。
【0049】
図11,12は、転写定着ユニット9を支持する構成の一例を示す斜視図及び背面図(装置背面から見た図)である。図4では、転写定着ユニット9を支持する構成の一例としてスライドレールを用いる例を示したが、市販物やスライドレール専用としての別部品を使用するとコストアップの要因となる。そこで、図11,12に示すように、転写定着ユニット9の引き出し方向(装置背面方向)から見て転写定着ユニット9の幅方向両側(転写定着ユニット9の移動方向と直交する方向の両側)に、ユニット移動方向に延設されるスライドガイド21,21(ガイド部材)を突設する。一方、装置本体20側には、スライドガイド21,21を受ける受部材22,22を設ける。
【0050】
上記スライドガイド21は、例えば、用紙搬送ガイド7の材質が樹脂材料であれば、スライドガイド21を含むよう一体成形し、用紙搬送ガイド7が板金材料であれば、曲げ形状にてスライドガイド21を構成するなどが考えられる。また、受部材22は、装置本体のフレーム(この例では左右両側の側板)23,23の一部を受部材22として構成することでコストを抑制することができる。
【0051】
ところで、図1に示すように、給紙手段3から定着手段6までの用紙搬送路(図に一点鎖線で示す)をほぼ直線状(本例では略水平)に延在する搬送路として形成することで、用紙搬送ガイドの形状をシンプルなものすることができ、安価に構成できる。また、搬送路が略水平になることで、搬送路を形成する部品の配置が複雑にならず、装置を小型化することができる。
【0052】
図13は、給紙手段3を通過した用紙Pが転写部(図中2点鎖線で囲んで示す)に到達し、定着手段6には到達していない状態を示している。画像形成装置になんらかの異常が発生し、図13の状態で用紙Pが機内で停止した場合、用紙Pは転写部にのみ挟持されているため、用紙を取り除くために転写定着ユニット9を装置本体の外側に移動すると、用紙Pを挟持する部分がなくなり、図14に示すように用紙Pが装置本体内で落下する可能性がある。
【0053】
そこで、図15に示すように、転写部の上流側に用紙ストッパ25を設けると好適である。この用紙ストッパ25は、図に実線と仮想線で示すように昇降可能に設けられており、通常動作時は実線で示す上昇位置に保持されている。装置本体に異常が発生すると、用紙ストッパ25が仮想線で示す位置に下降され、ここに用紙Pがある場合には用紙ストッパ25と転写部上流側の用紙ガイド24とで用紙を挟持する。図15では、転写定着ユニット9が外側に移動され、下降した用紙ストッパ25(仮想線)と用紙ガイド24とで用紙Pを保持している状態を示している。これにより、転写定着ユニット9を装置本体から引き出した場合の用紙の落下を防止することが可能となる。なお、用紙ストッパ25と用紙ガイド24による用紙の挟持力は、例えば用紙ストッパ25の自重のような、ユーザが用紙Pを引っ張り抜く(除去できる)ことが可能な力に設定されることはもちろんである。
【0054】
図16は、用紙ストッパの別構成例を示すものである。この図に示す用紙ストッパ26は転写定着ユニット9に支持され、図に実線と仮想線で示すように昇降可能に設けられている。通常動作時は実線で示す上昇位置に保持されており、装置本体に異常が発生すると用紙ストッパ26が仮想線で示す位置に下降され、用紙Pがある場合には用紙ストッパ26と転写部上流側まで延長された用紙搬送ガイド27のガイド部27aとで用紙Pを挟持する。用紙ストッパ26で用紙を挟持した状態で用紙搬送ガイド27を図17に示すように装置本体に対して外側に移動させた際に、同時に用紙Pを除去することができる。
【0055】
なお、用紙Pの後端が搬送手段3に挟まれた状態でも用紙Pの除去ができるように、用紙ストッパ26の用紙を挟持する力が給紙手段3の用紙を挟持する力よりも大きくなるように設定されている。あるいは、図18に示すように、給紙手段3を昇降可能に設け、異常発生時には図に破線で示すように給紙手段3による用紙挟持を解除する(用紙Pから離間する)ように制御してもよい。これにより、用紙搬送ガイド27の引き出し時に、用紙ストッパ26で挟持した用紙Pを同時に除去することが可能である。
【0056】
図19は、本発明をカラー画像形成装置に適用した第2実施形態を示すものである。
この図に示すカラー画像形成装置は、タンデム方式を採用してフルカラー画像を形成可能なカラープリンタであり、装置本体内の上部に4つの作像ユニット32Bk,32M,32C,32Yからなるタンデム画像形成部31が配置される。タンデム画像形成部31の下方には中間転写ベルト42が配設されている。この中間転写ベルト42は、各色作像ユニットの感光体33から一次転写されたトナー像を担持する像担持体(用紙画像面側回転体)であり、複数の支持ローラに巻き掛けられて図中反時計回りに走行駆動される。
【0057】
各作像ユニット32(Bk,M,C,Y)は扱うトナーの色が異なるのみで構成は同一であり、代表してブラックユニット32Bkに符号を付して示すように感光体ドラム33を具備している。この感光体ドラム33の周りには、帯電手段34、現像装置35、クリーニング手段37等が配置され、さらに感光体ドラム33に対向するように中間転写ベルト42の内側に一次転写手段としての転写ローラ36が設けられている。さらに、感光体ドラム33の上方には光書込装置38が配置され、感光体ドラム33にレーザ光を照射して光走査を行う。
【0058】
中間転写ベルト30の下方には二次転写手段44が設けられている。二次転写手段44は転写搬送ベルト33(用紙非画像面側回転体)を有しており、その転写搬送ベルト33が掛け渡される一方側の支持ローラが二次転写ローラ45となっている。中間転写ベルト30及び転写搬送ベルト33を挟んで二次転写ローラ45が対向ローラ48に圧接され、二次転写ニップを形成する。
【0059】
上記二次転写手段44の図で右側には定着手段46が配置されている。二次転写手段44と定着手段46は、図示しない保持部材により保持されて一体的に転写定着ユニット49として構成される。この転写定着ユニット49は、上記説明した第1実施形態のモノクロ画像形成装置における転写定着ユニット9と同様に、画像形成装置本体に対して外側(図19では右側)に移動可能に設けられている。
【0060】
装置本体の下部は給紙部39として設けられ、用紙を積載する給紙トレイと、該給紙トレイに積載された用紙を送り出す給紙手段が備えられ、用紙を一枚ずつに分離して給送する。給紙部39から送り出された用紙は、搬送ローラ対40を介してレジストローラ41に送られる。
【0061】
上記のように構成されたタンデム型カラープリンタにおける画像形成動作は周知であるので説明は省略する。
さて、二次転写ニップに用紙が挟持された(二次転写ローラ45と定着手段46の間に用紙先端が到達した)状態でジャムが発生した場合、転写定着ユニット49を画像形成装置本体に対して外側に移動させることにより、装置本体から転写定着ユニット49を取り外すことなく、ジャム処理を行うことができる。
【0062】
このとき、本第2実施形態では、転写定着ユニット49の挿脱に連動して二次転写ニップを接離させる構成を設けている。すなわち、上記第1実施形態において図6〜8で説明したと同様の構成により、転写定着ユニット49を画像形成装置本体に対して外側に移動させる動作に連動して二次転写ニップの圧接を解除し、また、転写定着ユニット49を作動位置に戻す動作に連動して二次転写ニップの圧接を形成するように構成する。これにより、通常動作時とは異なる負荷を像担持体(用紙画像面側回転体)や二次転写手段(用紙非画像面側回転体)に与えることなくジャム処理を行うができる。すなわち、従来技術で問題となっていたジャム処理の際のユニット引き出しによる像担持体あるいは転写手段(二次転写手段)の傷付きを防止できるとともに、転写手段(二次転写手段)と定着手段を別々に着脱するような構成に比べ、簡単な構成とできるため、コストアップの抑制が可能である。
【0063】
なお、転写定着ユニット49を装置本体から引き出した際の画像形成装置の傾きを防止する補助部材を、図9,10で説明した補助部材16,17と同様にして設けると好適である。また、転写定着ユニット49を支持する構成としては、スライドレールあるいは図11,12で説明したスライドガイド21及び受部材22を用いることが可能である。さらに、第1実施形態と同様に用紙ストッパ25,26(図15〜17)を設けてもよい。また、ジャム氏の除去を容易にするため、レジストローラ41を離間可能に設け、異常発生時には用紙挟持を解除するように制御してもよい。
【0064】
以上、本発明を図示例により説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1実施形態では転写手段4及び定着手段6を保持する保持部材を用紙搬送ガイド7として構成したが、用紙の搬送をガイドするガイド部材を保持部材とは別に設けてもよい。また、転写手段4を第2実施形態の二次転写手段44のように転写搬送ベルトとして構成しても良い。また、第2実施形態では二次転写手段44を転写搬送ベルト方式としたが、第1実施形態の転写手段4のように転写ローラ方式としてもよい。その場合、その転写ローラと定着手段を保持する保持部材を、第1実施形態と同様に用紙搬送ガイドとして構成しても良い。
【0065】
転写手段(二次転写手段)及び定着手段を保持部材に保持させる構成も適宜な構成を採用可能である。定着手段はベルト定着方式でもよい。第1実施形態の像担持体(用紙画像面側回転体)はドラム状回転体であったが、ベルト状の像担持態でもよい。また、第2実施形態では像担持体(用紙画像面側回転体)が中間転写ベルトであったが、ドラム状の中間転写体を用いる装置構成も可能である。
【0066】
また、画像形成装置の作像部の構成も任意であり、タンデム式における各色作像ユニットの並び順などは任意である。また、タンデム式に限らず、一つの感光体の周囲に複数の現像装置を配置したものや、リボルバ型現像装置を用いる構成も可能である。また、3色のトナーを用いるフルカラー機や、2色のトナーによる多色機にも本発明を適用することができる。もちろん、画像形成装置としてはプリンタに限らず、複写機やファクシミリ、あるいは複数の機能を備える複合機であっても良い。
【符号の説明】
【0067】
1 画像形成部
2 感光体ドラム(像担持体)
3 給紙手段
4 転写手段
5 転写ローラ
6 定着手段
7 用紙搬送ガイド
9 転写定着ユニット
11 外装カバー(外装手段)
13,15 軸
16,17 補助部材
21 スライドガイド(ガイド部材)
22 受部材
25、26 用紙ストッパ
27 用紙搬送ガイド
31 タンデム画像形成部
42 中間転写ベルト(像担持体)
43 転写搬送ベルト
44 二次転写手段
46 定着手段
49 転写定着ユニット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特開平5−197243号公報
【特許文献2】特開平4−234057号公報
【特許文献3】特開2004−53987号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、該像担持体が担持する画像を記録材上に転写させる転写手段と、前記記録材に転写された画像を定着させる定着手段とを有する画像形成装置において、
前記転写手段と前記定着手段とを保持部材により保持して転写定着ユニットとして一体的に構成するとともに、該転写定着ユニットを装置本体に対して外側に移動可能に設け、
前記転写定着ユニットの装置本体外側への移動に連動して前記像担持体と前記転写手段とが圧接して形成される転写ニップを離間させ、前記転写定着ユニットの装置本体内側への移動に連動して前記像担持体と前記転写手段とを圧接させて転写ニップを形成するよう構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
当該画像形成装置の外装面の一部を構成する外装手段を前記転写定着ユニットの端部に装着して前記転写定着ユニットと一体的に移動可能に設け、前記外装手段は前記転写定着ユニット引き出し方向において前記定着手段を覆っていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
当該画像形成装置の外装面の一部を開閉可能な外装手段を有し、該外装手段と前記転写定着ユニットとが連結され、
前記外装手段の開放により前記転写定着ユニットが装置本体の外側に移動するとともに前記転写ニップが離間され、
前記外装手段の閉鎖により前記転写定着ユニットが装置本体内側に移動するとともに前記転写ニップが形成されることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記転写定着ユニットを装置本体から引き出した際に前記転写定着ユニットを装置本体に支持させる支持手段を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記保持部材の一部が、前記転写手段と前記定着手段間の用紙搬送ガイド部材であることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写手段及び前記定着手段が前記転写定着ユニットに対して個別に着脱可能であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記転写定着ユニットを装置本体から引き出した際に装置本体を支えるための補助部材を、前記転写定着ユニット引き出し方向の装置側面に設けたことを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記補助部材が装置本体内に格納可能に設けられていることを特徴とする、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記転写定着ユニットのユニット移動方向と直交する方向の両側にユニット移動方向に延設されるガイド部材が突設され、装置本体側に前記ガイド部材を受ける受部材が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記転写ニップに向けて記録用紙を給送する給紙手段を有し、該給紙手段から前記定着手段までの用紙搬送路が略直線状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
用紙を挟持する挟持位置と用紙を挟持しない非挟持位置とに移動可能な用紙ストッパを前記転写ニップの上流側に有し、装置の異常発生時に前記用紙ストッパを前記挟持位置に移動させることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記用紙ストッパと前記転写定着ユニットで用紙を挟持するとともに、前記用紙ストッパが前記転写定着ユニットと一体的に移動可能に設けられていることを特徴とする、請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記転写ニップに向けて記録用紙を給送する給紙手段を有し、前記用紙ストッパの用紙挟持力が前記給紙手段の用紙挟持力よりも大きいか、前記給紙手段の用紙挟持が解除可能に設けられていることを特徴とする、請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項1】
像担持体と、該像担持体が担持する画像を記録材上に転写させる転写手段と、前記記録材に転写された画像を定着させる定着手段とを有する画像形成装置において、
前記転写手段と前記定着手段とを保持部材により保持して転写定着ユニットとして一体的に構成するとともに、該転写定着ユニットを装置本体に対して外側に移動可能に設け、
前記転写定着ユニットの装置本体外側への移動に連動して前記像担持体と前記転写手段とが圧接して形成される転写ニップを離間させ、前記転写定着ユニットの装置本体内側への移動に連動して前記像担持体と前記転写手段とを圧接させて転写ニップを形成するよう構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
当該画像形成装置の外装面の一部を構成する外装手段を前記転写定着ユニットの端部に装着して前記転写定着ユニットと一体的に移動可能に設け、前記外装手段は前記転写定着ユニット引き出し方向において前記定着手段を覆っていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
当該画像形成装置の外装面の一部を開閉可能な外装手段を有し、該外装手段と前記転写定着ユニットとが連結され、
前記外装手段の開放により前記転写定着ユニットが装置本体の外側に移動するとともに前記転写ニップが離間され、
前記外装手段の閉鎖により前記転写定着ユニットが装置本体内側に移動するとともに前記転写ニップが形成されることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記転写定着ユニットを装置本体から引き出した際に前記転写定着ユニットを装置本体に支持させる支持手段を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記保持部材の一部が、前記転写手段と前記定着手段間の用紙搬送ガイド部材であることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写手段及び前記定着手段が前記転写定着ユニットに対して個別に着脱可能であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記転写定着ユニットを装置本体から引き出した際に装置本体を支えるための補助部材を、前記転写定着ユニット引き出し方向の装置側面に設けたことを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記補助部材が装置本体内に格納可能に設けられていることを特徴とする、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記転写定着ユニットのユニット移動方向と直交する方向の両側にユニット移動方向に延設されるガイド部材が突設され、装置本体側に前記ガイド部材を受ける受部材が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記転写ニップに向けて記録用紙を給送する給紙手段を有し、該給紙手段から前記定着手段までの用紙搬送路が略直線状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
用紙を挟持する挟持位置と用紙を挟持しない非挟持位置とに移動可能な用紙ストッパを前記転写ニップの上流側に有し、装置の異常発生時に前記用紙ストッパを前記挟持位置に移動させることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記用紙ストッパと前記転写定着ユニットで用紙を挟持するとともに、前記用紙ストッパが前記転写定着ユニットと一体的に移動可能に設けられていることを特徴とする、請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記転写ニップに向けて記録用紙を給送する給紙手段を有し、前記用紙ストッパの用紙挟持力が前記給紙手段の用紙挟持力よりも大きいか、前記給紙手段の用紙挟持が解除可能に設けられていることを特徴とする、請求項12に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−107253(P2011−107253A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259891(P2009−259891)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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