説明

画像形成装置

【課題】 外径の小さい第1の感光ドラムと外径の大きい第2の感光ドラムのそれぞれを安定的に回転駆動して、第1の感光ドラムと第2の感光ドラムにより形成する画像の高画質化を図る。
【解決手段】 画像形成を行うための第1の感光ドラム101Yと、画像形成を行うための第1の感光ドラムよりも外径の大きい第2の感光ドラム101Kを有する画像形成装置において、第1の感光ドラム101YをDCブラシレスモータ102Yにより回転駆動し、第2の感光ドラム101Kをハイブリッド型ステッピングモータ102Kにより回転駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の感光ドラムと、第1の感光ドラムよりも外径の大きい第2の感光ドラムを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のカラー画像形成装置には、イエロー用、マゼンタ用、シアン用、黒用の感光ドラムを設けたタンデム型のカラー画像形成装置がある。このようなカラー画像形成装置において、各色画像間の位置ずれを抑制するために、複数の感光ドラムを1つのモータで駆動するのではなく、複数の感光ドラムのそれぞれを別々のモータで駆動制御する案がある(特許文献1参照)。複数の感光ドラムのそれぞれを別々のモータで駆動するよう構成し、各感光ドラムの回転速度に応じて各モータを個々に制御することにより、感光ドラム間の回転位相の差を低減でき、各色画像間の位置ずれを抑制し、画質を向上させることができる。
【0003】
ところで、使用頻度の高い黒用感光ドラムの寿命を延ばして、黒用感光ドラムの交換頻度を下げることを目的として、黒用感光ドラムの外径をカラー用感光ドラムの外径よりも大きくする案がある(特許文献1参照)。黒用感光ドラムの外径を大きくすることにより、感光ドラムの周長が長くなり、1枚の記録紙に画像形成を行ったときの感光ドラムの劣化度合が小さくなり、感光ドラムの寿命が長くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−047629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、黒用感光ドラムの外径をカラー用感光ドラムの外径よりも大きくした場合でも、黒用感光ドラムとカラー用感光ドラムの周速を一致させる必要がある。各感光ドラム上に形成されたトナー像を、各感光ドラムに接して設けられた中間転写ベルト上に転写するためには、各感光ドラムの周速を中間転写ベルトの周速と一致させる必要があるからである。従って、黒用感光ドラムの角速度は、カラー用感光ドラムの角速度よりも小さい。また、黒用感光ドラムの駆動トルクは、カラー用感光ドラムの駆動トルクよりも大きい。
【0006】
通常、複数の感光ドラムを別々のモータで駆動する場合、各々の駆動制御が独立していれば十分であるので、モータの種類は問わない。例えば、全ての感光ドラムの駆動にDCブラシレスモータを用いることが考えられる。しかし、DCブラシレスモータは、磁極間の角度が小さくないため、低速領域では回転ムラが現れる欠点があり、外径の大きな黒用感光ドラムをDCブラシレスモータで駆動する場合、回転ムラによる画質の低下が懸念される。
【0007】
逆に、全ての感光ドラムの駆動にステッピングモータを用いることが考えられる。しかし、ステッピングモータは高速領域でのトルク不足やステップ駆動による振動発生という欠点があり、外径の小さなカラー用感光ドラムをステッピングモータで駆動する場合、トルク不足対策や振動対策が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、画像形成を行うための第1の感光ドラムと、画像形成を行うための前記第1の感光ドラムよりも外径の大きい第2の感光ドラムと、前記第1の感光ドラムを回転駆動するDCモータと、前記第2の感光ドラムを回転駆動するステッピングモータと、を有することを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、外径の小さい第1の感光ドラムをDCモータにより回転駆動し、外径の大きい第2の感光ドラムをステッピングモータにより回転駆動するので、第1の感光ドラムと第2の感光ドラムのそれぞれを安定的に回転駆動して、第1の感光ドラムと第2の感光ドラムにより形成する画像の高画質化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の断面図。
【図2】感光ドラム及び中間転写ベルトの駆動構成を示す図。
【図3】1段減速と2段減速の減速機構を示す図。
【図4】1段減速と2段減速における位置ずれ量を示す図。
【図5】各駆動モータの制御ブロック図。
【図6】本発明の別の実施形態に係る画像形成装置の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係るタンデム型中間転写方式のカラー画像形成装置の断面図である。画像形成装置1には、イエロー用、マゼンタ用、シアン用、黒色用の画像形成ステーション10Y、10M、10C、10Kが設けられている。画像形成ステーション10Y、10M、10C、10Kはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)の画像を形成する。各画像形成ステーション10Y、10M、10C、10Kは、それぞれイエロー画像形成用感光ドラム101Y、マゼンタ画像形成用感光ドラム101M、シアン画像形成用感光ドラム101C、黒色画像形成用感光ドラム101Kを備えている。感光ドラム101Y、101M、101Cは第1の感光ドラム、感光ドラム101Kは第2の感光ドラムとする。
【0012】
また、各画像形成ステーション10Y、10M、10C、10Kは、それぞれ露光装置100Y、100M、100C、100K、現像装置107Y、107M、107C、107K、および1次転写装置108Y、108M、108C、108Kを備えている。画像形成ステーションの露光装置100Y、100M、100C、100Kは、感光ドラム101Y、101M、101C、101K上に画像データに応じた潜像を形成する。現像装置107Y、107M、107C、107Kは、感光ドラム101Y、101M、101C、101K上の潜像をそれぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナーで現像する。1次転写装置108Y、108M、108C、108Kは、感光ドラム101Y、101M、101C、101K上のトナー像を中間転写ベルト111上に転写する。これにより、YMCKの画像が中間転写ベルト111上に重ね合わせられる。記録紙カセット15に収納された記録紙Pは、2次転写ローラ121へ搬送される。中間転写ベルト111上に担持されたトナー像は、2次転写ローラ121によって記録紙Pに2次転写される。記録紙P上のトナー像は、定着器9にて加熱及び加圧によりトナー像を定着される。定着器9を抜けた記録紙Pは排紙トレイ23に排出される。
【0013】
図2は、感光ドラム101Y、101M、101C、101K及び中間転写ベルト111の駆動構成を示す図である。感光ドラム101Y、101M、101C、101K及び中間転写ベルト111はそれぞれ別々の駆動モータにより回転駆動される。駆動モータ102Y、102M、102C、102Kはそれぞれ、減速機構104Y、104M、104C、104K、104Bを介して感光ドラム101Y、101M、101C、101Kを回転駆動する。駆動モータ112は、中間転写ベルト111を駆動するための駆動ローラ110を回転駆動する。減速機構104はハスバ歯車の組み合わせで構成されている。感光ドラム101Y、101M、101C、101Kと駆動ローラ110の駆動軸には、これらの角速度の検出を行うためのエンコーダホイール103Y、103M、103C、103K、103Bが設けられている。エンコーダセンサ105Y、105M、105C、105K、105Bは、エンコーダホイール103Y、103M、103C、103K、103Bの周方向に等間隔に設けられたスリットを光学的に検出することにより角速度を検出する。感光ドラム101Y、101M、101C、101Kには、回転速度変動を抑制するためのフライホイール106Y、106M、106C、106Kが駆動軸を介して接続されている。駆動モータ102Y、102M、102C、102Kの回転速度は、エンコーダセンサ105Y、105M、105C、105Kの検出結果に応じて制御部201に制御される。駆動モータ112の回転速度は、エンコーダセンサ105Bの検出結果に応じて制御部201に制御される。なお、駆動モータの回転速度の検出には、タコジェネレータやレゾルバなどを用いてもよい。
【0014】
ここで、各感光ドラム101の外径について説明する。黒色画像形成用感光ドラム(黒用感光ドラム)101Kの外径は、カラー画像形成用感光ドラム(カラー用感光ドラム)101Y、101M、101Cの外径よりも大きくしている。その理由は次のとおりである。一般的に、カラー画像形成よりもモノクロ(白黒)画像形成の頻度が高い。従来のように、黒用感光ドラムとカラー用感光ドラムの外径が同じだと、黒用感光ドラムの劣化が激しく、黒用感光ドラムの交換を頻繁に行わなければならない。そこで、黒用感光ドラムの外径をカラー用感光ドラムの外径よりも大きくする。感光ドラムの外径が大きくなることにより、感光ドラムの周長が長くなり、1枚の記録紙に画像形成を行ったときの感光ドラムの劣化度合が小さくなり、感光ドラムの寿命が長くなる。これにより、黒用感光ドラムの交換頻度を従来よりも減らすことができる。
【0015】
一方、減速機構104は、黒用感光ドラムの減速機構104K、カラー用感光ドラムの減速機構104Y、104M、104C、中間転写ベルトの減速機構104Bのいずれにも1段減速の同一モデル(同一減速比)の減速機構を用いている。その理由は次のとおりである。図3は、1段減速と2段減速の減速機構を示す図である。図3(a)は1段減速の減速機構を示し、図3(b)は2段減速の減速機構を示す。1段減速の構成では、図3(a)に示すように、駆動モータ102は減速機構104を介して感光ドラム101を回転駆動する。2段減速の構成では、図3(b)に示すように、駆動モータ102は1段目の減速機構104−1及び2段目の減速機構104−2を介して感光ドラム101を回転駆動する。図3(b)の駆動モータ102は、図3(a)の駆動モータ102よりも少ない駆動トルクで感光ドラム101を駆動することができる利点がある。しかし、図3(b)の構成における2段減速後の回転角度に対する位置ずれ量は、図3(a)の構成における1段減速後の回転角度に対する位置ずれ量よりも大きくなってしまうという欠点がある。図4は、1段減速と2段減速における位置ずれ量を示す図である。図4(a)は1段減速後の回転角度に対する位置ずれ量を示し、図4(b)は2段減速後の回転角度に対する位置ずれ量を示す。1段減速の場合、図4(a)に示すように、減速機構の歯溝振れ誤差とピッチ誤差が加算された全歯噛合い誤差が位置ずれ量となって現れる。2段減速の場合、図4(b)に示すように、1段減速の全歯噛合い誤差に2段目の減速機構の歯溝振れ誤差とピッチ誤差が加算された全歯噛合い誤差が位置ずれ量となって現れる。このように、2段減速は1段減速よりも位置ずれが大きくなってしまうため、本実施形態では、カラー用感光ドラムよりも外径が大きい黒用感光ドラムの減速機構104Kにもカラー用感光ドラムと同じ1段減速の減速機構を用いる。なお、減速機構を用いずに感光ドラムを駆動する構成も考えられるが、感光ドラムを駆動するのに必要な駆動トルクを持つ駆動モータは高価であるため、1段減速の減速機構を用いる。また、黒用感光ドラム、カラー用感光ドラム、中間転写ベルトの減速機構のいずれにも同一モデルの減速機構を用いるのは、同一モデルの減速機構を多用することによって、コストダウンを図ることができるからである。なお、この減速機構には斜歯ギアが用いられている。
【0016】
次に、各駆動モータの種類について説明する。黒用感光ドラム101Kとカラー用感光ドラム101Y、101M、101Cは中間転写ベルト111に当接しながら回転するため、黒用感光ドラムとカラー用感光ドラムと中間転写ベルトの周速は等しくなければならない。上述したように、黒用感光ドラム101Kの外径は、カラー用感光ドラム101Y、101M、101Cの外径よりも大きい。従って、黒用感光ドラムの回転速度(角速度)はカラー用感光ドラムの回転速度(角速度)よりも低速で安定的に回転する必要がある。また、黒用感光ドラム101Kの減速機構にもカラー用感光ドラム101Y、101M、101Cと同じ1段減速(同じ減速比)の減速機構104Kを用いる。一方、黒用感光ドラム101K及びカラー用感光ドラム101Y、101M、101Cのいずれの表面にもクリーナー等が当接しており、いずれの感光ドラムの表面にも同程度の負荷がかかっている。従って、黒用感光ドラムの駆動トルクはカラー用感光ドラムの駆動トルクよりも大きくなる。そこで、本実施形態では、カラー用感光ドラム101Y、101M、101C及び中間転写ベルト111の駆動モータとして、アウターロータ型DCブラシレスモータを用い、黒用感光ドラム101Kの駆動モータとして、ハイブリッド型のインナーロータ型ステッピングモータを用いる。
【0017】
その理由は次のとおりである。カラー用感光ドラムの外径を30mm、黒用感光ドラムの外径を84mmとすると、カラー用感光ドラムと黒用感光ドラムの周速を一致させるためには、カラー用感光ドラムの単位時間あたりの回転数を1806rpmとすると、黒用感光ドラムの回転数は645rpmとする必要がある。アウターロータ型DCブラシレスモータは、高速領域で安定的回転をする利点があるが、低速領域では安定的回転が難しいという欠点がある。これは、DCブラシレスモータの磁極間の角度が一般的に15度〜30度のため、矩形波でDCブラシレスモータを駆動すると、低速領域では回転ムラとなって現れてしまうからである。一方、ハイブリッド型のインナーロータ型ステッピングモータの1ステップ角は一般的に0.9度〜3.6度のため、低速領域で高トルクの安定的回転を実現できるという利点があるが、高速領域でトルクが低下するという欠点と、DCブラシレスモータに対して電力効率が1/2〜1/3という欠点がある。
【0018】
そこで、本実施形態では、カラー用感光ドラム101Y、101M、101C及び中間転写ベルト111の駆動モータとして、アウターロータ型DCブラシレスモータを用い、黒用感光ドラム101Kの駆動モータとして、ハイブリッド型のインナーロータ型ステッピングモータを用いる。ここで、ステッピングモータ特有のステップ駆動による振動は、外径の大きい黒用感光ドラム101K及びフライホイール106Kの持つ慣性モーメントによるローパスフィルター効果により低減されるため、ステッピングモータの欠点を抑制し、利点を有効活用できる。このように、小径のカラー用感光ドラムの駆動にDCブラシレスモータを用い、大径の黒用感光ドラムの駆動にハイブリッド型ステッピングモータを用いることで、カラー用感光ドラムと黒用感光ドラムのそれぞれを安定的に回転させることが可能となり、画像形成の高画質化を図るとともに電力効率の向上を図ることができる。
【0019】
なお、DCブラシモータの磁極間の角度が一般的に30度〜45度であり、DCブラシレスモータとDCブラシモータを含むDCモータの磁極間の角度は一般的に15度〜45度である。一方、PM型ステッピングモータの1ステップ角は一般的に7.5度〜15度なので、ハイブリッド型ステッピングモータとPM型ステッピングモータを含むステッピングモータの1ステップ角は一般的に0.9度〜15度である。このことからわかるように、DCモータは、DCブラシレスモータでもDCブラシモータでも、高速領域で安定的回転をする利点と、低速領域では安定的回転が難しいといる欠点があり、ステッピングモータは、低速領域で高トルクの安定的回転をする利点と、高速領域ではトルクが低下する欠点がある。従って、小径のカラー用感光ドラムの駆動にDCモータを用い、大径の黒用感光ドラムの駆動にステッピングモータを用いることで、カラー用感光ドラムと黒用感光ドラムのそれぞれを安定的に回転させることが可能となり、画像形成の高画質化を図るとともに電力効率の向上を図ることができる。なお、DCモータは回転安定性の観点からアウターロータ型DCモータが好ましく、ステッピングモータはインナーロータ型ステッピングモータが一般的である。
【0020】
図5は、各駆動モータの制御ブロック図である。図5は、カラー用感光ドラム101Yを駆動する駆動モータ(DCブラシレスモータ)102Yと、黒用感光ドラム101Kを駆動する駆動モータ(ハイブリッド型ステッピングモータ)の制御ブロック図である。
【0021】
DCブラシレスモータの速度制御は、直流電流源とモータの間に設けられたスイッチング素子のオンオフ比(デューティ比)を制御するパルス幅変調制御(PWM制御)により行う。エンコーダセンサ105Yは、感光ドラム101Yの駆動軸に設けられたエンコーダホイール103Yのスリットを検出するごとにパルス信号を速度検出器302へ出力する。速度検出器302は、所定時間内にエンコーダセンサ105Yから出力されるパルス信号の数に基づいて感光ドラム101Yの回転速度を検出する。PI制御器303には、速度指令器301から出力される指令速度に対する速度検出器302から出力される検出速度の誤差が入力される。PI制御器303は、入力された誤差を予め設定された比例ゲインと積分ゲインに基づいて増幅する。積分器304は、PI制御器303により増幅された誤差を積分して位置偏差を得る。PWM制御器305は、積分器304からの出力に基づいてPWM信号を生成する。モータ駆動回路306は、PWM制御器305からのPWM信号に基づいた電圧をDCブラシレスモータ102Yへ供給する。このようにしてDCブラシレスモータ102Yの回転速度と回転位相の制御が行われる。
【0022】
ハイブリッド型ステッピングモータの速度制御は、指令パルスの周波数により行われる。エンコーダセンサ105Kは、感光ドラム101Kの駆動軸に設けられたエンコーダホイール103Kのスリットを検出するごとにパルス信号を速度検出器312へ出力する。速度検出器312は、所定時間内にエンコーダセンサ105Kから出力されるパルス信号の数に基づいて感光ドラム101Kの回転速度を検出する。PI制御器313には、速度指令器311から出力される指令速度に対する速度検出器312から出力される検出速度の誤差が入力される。PI制御器313は、入力された誤差を予め設定された比例ゲインと積分ゲインに基づいて増幅する。積分器314は、PI制御器313により増幅された誤差を積分して位置偏差を得る。発振制御器315は、積分器314からの出力に基づいた周波数のパルス信号を生成する。モータ駆動回路316は、発振制御器315からのパルス信号に基づいてハイブリッド型ステッピングモータ102Kの励磁相へ供給する電流のオン/オフを制御する。このようにしてハイブリッド型ステッピングモータ102Kの回転速度と回転位相の制御が行われる。
【0023】
位置カウンタ321は、エンコーダセンサ105Yから出力されるパルス信号の数をカウントすることにより感光ドラム101Yの回転位置(回転位相)を検出する。位置カウンタ322は、エンコーダセンサ105Kから出力されるパルス信号の数をカウントすることにより感光ドラム101Kの回転位置(回転位相)を検出する。励磁電流補正器323は、位置カウンタ321により検出された回転位相に対する、位置カウンタ322により検出された回転位相の遅れ量を判定し、回転位相の遅れ量に比例した励磁電流をモータ駆動回路316からステッピングモータ102Kに供給させる。ステッピングモータの駆動対象に大きな負荷がかかったときに、ステッピングモータのロータの回転位相がステータの励磁の位相に対して遅れてしまうが、回転位相の遅れに比例した励磁電流をステッピングモータに供給することにより、回転位相の遅れを抑制できる。本実施形態では、感光ドラム101Yに対する感光ドラム101Kの回転位相の遅れに比例して、ステッピングモータ102Kの励磁電流を増加させるので、感光ドラム101Yと感光ドラム101Kの回転位相のずれを抑制することができる。
【0024】
上述した実施形態では、タンデム型中間転写方式のカラー画像形成装置に本発明を適用したが、図6に示すように、タンデム型直接転写方式のカラー画像形成装置に適用してもよい。搬送ベルト211が記録紙Pを搬送し、感光ドラム101上のトナー像が各画像形成ステーション10の転写装置によって搬送ベルト211上の記録紙に転写されること以外は、上述の実施形態と同じである。搬送ベルト211は駆動ローラ110により駆動され、駆動ローラはDCモータ、とりわけDCブラシレスモータにより駆動される。
【符号の説明】
【0025】
101Y、101M、101C カラー用感光ドラム
101K 黒用感光ドラム
111 中間転写ベルト
102Y、102M、102C DCモータ
102K ステッピングモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成を行うための第1の感光ドラムと、
画像形成を行うための前記第1の感光ドラムよりも外径の大きい第2の感光ドラムと、
前記第1の感光ドラムを回転駆動するDCモータと、
前記第2の感光ドラムを回転駆動するステッピングモータと、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の感光ドラムはカラー画像形成用の感光ドラムであり、前記第2の感光ドラムは黒色画像形成用の感光ドラムであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の感光ドラムとして、イエロー画像形成用の感光ドラム、マゼンタ画像形成用の感光ドラム、シアン画像形成用の感光ドラムを有することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記イエロー画像形成用の感光ドラム、前記マゼンタ画像形成用の感光ドラム、前記シアン画像形成用の感光ドラムをそれぞれ別々のDCモータにより回転駆動することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記イエロー画像形成用の感光ドラム、前記マゼンタ画像形成用の感光ドラム、前記シアン画像形成用の感光ドラム、前記黒色画像形成用の感光ドラムのそれぞれに形成された画像が転写され、これらの画像を記録紙に転写する中間転写ベルトと、
前記中間転写ベルトを回転させる駆動ローラと、を有し、
前記駆動ローラをDCモータにより回転駆動することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記DCモータはDCブラシレスモータであり、前記ステッピングモータはハイブリッド型ステッピングモータであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記DCモータはアウターロータ型DCモータであり、前記ステッピングモータはインナーロータ型ステッピングモータであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記DCモータは、1段減速の減速機構を介して前記第1の感光ドラムを回転駆動し、前記ステッピングモータは1段減速の減速機構を介して前記第2の感光ドラムを回転駆動することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1の感光ドラムの減速機構と前記第2の感光ドラムの減速機構は同じ減速比であることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1の感光ドラムの減速機構と前記第2の感光ドラムの減速機構は同一モデルの減速機構であることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1の感光ドラムに対する前記第2の感光ドラムの回転位相の遅れに応じて前記ステッピングモータに供給する励磁電流を増加させる励磁電流補正手段を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−232645(P2011−232645A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104302(P2010−104302)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】