説明

画像形成装置

【課題】適正に画像形成可能であってランニングコストが低く、かつ、ユーザが容易に部材の交換を行うことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置のプロセスユニットは、感光体ユニット310と、感光体36に接触する帯電ローラ331を保持する帯電ユニット330と、現像ユニット350と、押圧レバー370とを有している。感光体ユニット310の着脱時に帯電ユニット330を支える押圧レバー370がレバー支点371を中心に回転すると、帯電ローラ331が、支点軸337が支点長穴335に貫入した状態で感光体36の表面の法線方向に変位し、感光体36から離れる。その後、押圧レバー370の回転に伴い、帯電ユニット330が支点軸337を中心に回転し、帯電ローラ331が、清掃ローラ333により清掃されながら感光体36から離れ、帯電ユニット330が水平姿勢となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関し、特に、感光体を有する感光体ユニットと現像ローラを有する現像ユニットとが分割されている電子写真式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式の画像形成装置(スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなど)としては、感光体を有する感光体ユニットと、感光体上に画像を現像するための現像ローラを有する現像ユニットとが分割されているものがある。このような複数の機能部品を集合させたユニット化が行われた画像形成装置では、ユーザは、必要に応じてユニットの交換作業を行うことで、容易に、部分的な部品の交換作業を行うことができる。すなわち、画像形成装置は、メンテナンス時における操作性や部品の交換性が高いものとなる。
【0003】
上記のような画像形成装置では、上述のような高い操作性や交換性が確保されていることに加え、画像形成装置のトータルコストが低いこと及び部品の交換サイクルの最適化が可能であることが要求されている。例えば、感光体ユニットと現像ユニットとが分割されている場合、感光体と現像ローラとを別々のタイミングで交換できる。すなわち、このとき、感光体と現像ローラとが単一のユニットに設けられている場合と比較して、感光体の交換サイクルと現像ローラの交換サイクルとをそれぞれ最適化できる。
【0004】
下記特許文献1には、感光体ドラムと帯電ローラとをユニットケースに装着してユニット化した画像形成装置が開示されている。現像器は、感光体ドラム及び帯電ローラのユニットとは別に設けられている。この画像形成装置では、装置本体の作動時に装置本体側に設けられているカム機構が動作することで、感光体ドラムと帯電ローラとが接離する。
【0005】
下記特許文献2には、感光体ドラムと帯電ローラとがドラムユニットとしてユニット化されている画像形成装置が開示されている。この画像形成装置では、ドラムユニットが取り外されている状態においては帯電ローラが感光体ドラムから離れている。ドラムユニットが装置本体に装着されて感光体ユニットに光書込みヘッドが係合すると、帯電ローラがその自重により感光体ドラムに当接する。これにより、帯電ローラの変形が防止されている。
【0006】
下記特許文献3には、感光体ドラムと帯電ローラとがドラムユニットとしてユニット化されている画像形成装置が開示されている。ドラムユニットには、感光体ドラムを変位可能に支持する支持部材が設けられており、装置本体には、感光体ドラムの回転軸を案内するレールが設けられている。レールに感光体ドラムの回転軸が案内されることにより、ドラムユニットが装置本体に装着された装着位置にあるときには帯電ローラに感光体ドラムが当接し、取り出し位置にあるときには、帯電ローラと感光体ドラムとが離間する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−76667号公報
【特許文献2】特開2001−22251号公報
【特許文献3】特開2008−3340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記の特許文献1に記載の画像形成装置では、感光体と帯電ローラとが同一のユニットとしてユニット化されており、帯電ローラを交換する際の交換性は確保されている。しかしながら、このように帯電ローラが感光体や現像器などと同一のユニットにある場合、画像形成装置のランニングコストが高くなるという問題がある。
【0009】
すなわち、一般には、帯電ローラの寿命は感光体の寿命より長いことが多い。感光体又は帯電ローラのいずれかを交換するには、ユニット毎の交換が必要であるとすると、感光体の寿命が到来したとき、帯電ローラの寿命半ばで帯電ローラも交換されることになり、その分コストがかかる。また、特許文献1に記載されているように、ユニットから感光体と帯電ローラとを別々に取り外すことができるとしても、その作業を行うためのコストが必要になる。
【0010】
上記特許文献2又は3に記載の画像形成装置でも、感光体と帯電ローラとが同一のユニットに含まれており、上述と同様の問題がある。
【0011】
上述の問題に対して、帯電ローラを感光体ユニットとは別の帯電ユニットとして、ユニットを分割することが考えられる。しかしながら、この場合、帯電ローラや感光体に汚れが付着したり傷が入ったりすることなどに起因して、その後形成される画像にノイズが入る可能性があるなど、別の問題が生じる。
【0012】
すなわち、感光体ユニットと帯電ユニットとの着脱時に、帯電ローラにトナーなどが付着して、帯電ローラが汚れることがある。帯電ローラが汚れると、感光体を均一に帯電させることができなくなるなどし、形成される画像に影響が及ぶことがある。また、感光体ユニットと帯電ユニットとの着脱時に、帯電ローラと感光体とが互いに接触したり他の部材に接触したりし、帯電ローラや感光体の表面が損傷することがある。帯電ローラや感光体の表面が損傷すると、画像を正常に形成できなくなることがある。
【0013】
この発明はそのような問題点を解決するためになされたものであり、適正に画像形成可能であってランニングコストが低く、かつ、ユーザが容易に部材の交換を行うことができる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、画像形成装置は、感光体と、その表面が感光体に接触することで感光体を帯電させる接触帯電処理を行う帯電部材と、帯電部材の表面を清掃する清掃部材と、帯電部材と清掃部材とを保持する帯電ユニットと、帯電ユニットを変位させて感光体に帯電部材を接離する接離機構とを備え、接離機構は、帯電部材が感光体に接触している状態で、帯電部材を感光体の表面から離れる方向に変位させ、その後、帯電ユニットを回転軸を中心に回転させて帯電部材を感光体から退避させ、帯電部材が感光体から退避している状態で、帯電ユニットを回転軸を中心に回転させて帯電部材を感光体に近づけ、その後、帯電部材を感光体の表面に近接する方向に変位させ、帯電部材を感光体に接触させる。
【0015】
好ましくは清掃部材は、接離機構により帯電ユニットが変位して帯電部材が感光体から離れているときに帯電部材の表面の清掃を行う。
【0016】
好ましくは画像形成装置は、回転軸に略同軸に設けられた不動ギアと、帯電部材に連動するように帯電ユニットに保持された従動ギアとをさらに備え、従動ギアは、帯電部材が感光体から離れているとき、不動ギアに噛み合い、帯電ユニットが接離機構により回転するとき、従動ギアが不動ギアの周上を転動しながら帯電ユニットに対し回転し、それに帯電部材が連動することに伴い、清掃部材が帯電部材の表面の清掃を行う。
【0017】
好ましくは帯電部材は、帯電ユニット外部に設けられた駆動源からの駆動力により駆動され、清掃部材は、帯電部材が駆動源により駆動されるのに伴い、帯電部材の表面の清掃を行う。
【0018】
好ましくは帯電ユニットは、帯電ユニット及び画像形成装置本体のうち一方に設けられた支点軸が他方に形成された長穴形状の軸受部により支持されていることにより、支点軸を回転軸として回転する。
【0019】
好ましくは帯電ユニットは、帯電ユニットが回転軸を中心に回転して帯電部材が感光体から退避しているときに感光体を画像形成装置本体に着脱するためのレールとなる外側面を有する。
【発明の効果】
【0020】
これらの発明に従うと、帯電部材は、感光体の表面から離れる方向や感光体の表面に近づく方向に変位することで、感光体から接離され、帯電ユニットが回転軸を中心に回転することで、感光体から退避され、また感光体に近接する。したがって、適正に画像形成可能であってランニングコストが低く、かつ、ユーザが容易に部材の交換を行うことができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成を示す側面図である。
【図2】画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】プロセスユニットを示す側面図である。
【図4】本体装着状態の帯電ユニットを示す側面図である。
【図5】圧接解除状態のプロセスユニットを示す側面図である。
【図6】圧接解除状態の帯電ユニットを示す側面図である。
【図7】回転離間状態のプロセスユニットを示す側面図である。
【図8】回転離間状態の帯電ユニットを示す側面図である。
【図9】感光体ユニットが取り外されているときのプロセスユニットを示す側面図である。
【図10】第2の実施の形態における帯電ユニットを示す側面図である。
【図11】圧接解除状態における帯電ユニットを示す側面図である。
【図12】本体装着状態における帯電ユニットを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態における画像形成装置について説明する。
【0023】
画像形成装置は、用紙などをローラにより搬送しその用紙などに電子写真方式により印刷(プリント)を行うプリント機能や、文書データなどをHDD(Hard Disk Drive)などに保存するサーバ機能などを有している。画像形成装置は、感光体ユニットなど、画像を形成するための部品がユニット化されたプロセスユニットを有している。プロセスユニットを交換することにより、ユーザは、容易に部品交換を行うことができる。
【0024】
画像形成装置は、操作性や部品の交換性を十分に確保した上で、交換サイクルを最適化できるようなプロセスユニットの構成を採用しており、ランニングコストを含むトータルコストが低くなっている。すなわち、画像形成装置のプロセスユニットにおいて、感光体ユニットと、感光体を現像するための現像ユニットとが分割されている。また、感光体ユニットから、感光体を帯電させる接触帯電処理を行うための帯電ユニットが分割されている。感光体ユニット、現像ユニット、及び帯電ユニットがそれぞれ互いに分割されているので、各ユニットに含まれる部品を他のユニットに含まれる部品とは独立して容易に交換することができる。したがって、部品の交換サイクルを最適化できる。
【0025】
[第1の実施の形態]
【0026】
まず、本実施の形態に係る画像形成装置の全体の構成について説明する。
[画像形成装置の全体の構成]
【0027】
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成を示す側面図である。
【0028】
図を参照して画像形成装置1は、給紙カセット3と、排紙トレイ5と、プリント部30とを備える。
【0029】
給紙カセット3は、画像形成装置1の下部に、画像形成装置1の筐体に抜き差し可能に配置されている。各給紙カセット3に装てんされた用紙は、印字時に、1枚ずつ給紙カセット3から給紙され、プリント部30に送られる。給紙カセット3の数は1つに限られず、それより多くてもよい。
【0030】
排紙トレイ5は、画像形成装置1の筐体の上方に配置されている。排紙トレイ5には、プリント部30により画像が形成された用紙が筐体の内部から排紙される。
【0031】
プリント部30は、画像形成装置1の筐体の内部に配置されている。プリント部30は、おおまかに、用紙搬送部200と、トナー像形成部30aと、定着装置400と、駆動部(図2に図示)500とを有している。プリント部30は、いわゆるタンデム方式でCMYKの4色の画像を合成し、用紙にカラー画像を形成可能に構成されている。
【0032】
用紙搬送部200は、給紙ローラ210、搬送ローラ220、排紙ローラ230などで構成されている。給紙ローラ210、搬送ローラ220、及び排紙ローラ230は、それぞれ、例えば対向する2つのローラで用紙を挟みながらそのローラを回転させて用紙を搬送する。給紙ローラ210は、給紙カセット3から用紙を1枚ずつ給紙する。給紙ローラ210により、用紙が画像形成装置1の筐体の内部に給紙される。搬送ローラ220は、給紙ローラ210により給紙された用紙をトナー像形成部30aに搬送する。また、搬送ローラ220は、定着装置400を経由した用紙を排紙ローラ230に搬送する。排紙ローラ230は、搬送ローラ220により搬送された用紙を画像形成装置1の筐体の外部に排出する。用紙搬送部200は、これら以外にも用紙を搬送するためなどに用いられるローラを有していてもよい。
【0033】
トナー像形成部30aは、4色のトナーボトル31Y,31M,31C,31K(以下、これらをまとめてトナーボトル31と呼ぶことがある)と、中間転写ベルト32と、転写ローラ33と、4組のプロセスユニット35Y,35M,35C,35K(以下、これらをまとめてプロセスユニット35と呼ぶことがある)と、レーザスキャンユニット34などで構成されている。
【0034】
イエロートナーボトル31Y、マゼンタトナーボトル31M、シアントナーボトル31C、ブラックトナーボトル31Kは、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)のCMYK各色のトナーを貯蔵する。
【0035】
中間転写ベルト32は、環状であり、2つのローラ間に架けわたされている。中間転写ベルト32は、用紙搬送部200と連動して回転する。転写ローラ33は、中間転写ベルト32のうち一方のローラに接触している部分に対向するように配置されている。用紙は、中間転写ベルト32と転写ローラ33との間で挟持されながら搬送される。
【0036】
プロセスユニット35は、後述するように、感光体36(プロセスユニット毎に感光体36Y,36M,36C,36Kが設けられる。)、現像ユニット350(図3に示す。)、クリーナ、及び帯電ユニット330(図3に示す)などを含んでいる。すなわち、ユーザは、プロセスユニット35を交換することで、これらの部品を容易に交換可能である。イエロープロセスユニット35Y,マゼンタプロセスユニット35M,シアンプロセスユニット35C,ブラックプロセスユニット35Kは、それぞれY、M、C、Kの画像を形成するために配置されている。プロセスユニット35は、中間転写ベルト32の直下に並置されている。レーザスキャンユニット34は、各感光体36上にレーザ光を走査可能に配置されている。
【0037】
トナー像形成部30aにおいて、レーザスキャンユニット34は、YMCKの各色別の画像データに基づいて、帯電ユニット330の作用により一様に帯電した感光体36上に、潜像を形成する。現像ユニット350は、各感光体36に各色別のトナー像を形成する。各感光体36は、トナー像を中間転写ベルト32に転写し、その中間転写ベルト32上に、用紙に形成するトナー像の鏡像を形成する(1次転写)。その後、高電圧が印加された転写ローラ33により、中間転写ベルト32に形成されたトナー像が用紙に転写され、用紙上にトナー像が形成される(2次転写)。
【0038】
画像形成によりプロセスユニット35内のトナーが少なくなると、各色のトナーボトル31内に保管されたトナーがプロセスユニットに供給される。
【0039】
定着装置400は、ヒータにより加熱される加熱ローラ401及び加圧ローラ403を有している。定着装置400は、加熱ローラ401と加圧ローラ403とでトナー像が形成された用紙を挟持しながら搬送し、その用紙に加熱及び加圧を行う。これにより、定着装置400は、トナー像形成部30aにより形成されたトナー像を溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。すなわち、定着装置400は、ヒータが発生する熱を用いてトナー像を用紙に定着させる。定着装置400を経由した用紙は、排紙ローラ230により、画像形成装置1の筐体から排紙トレイ5に排出される。
【0040】
駆動部500は、例えば、メインモータ501、定着モータ502、黒現像モータ503、カラー現像モータ504、及びカラー感光体モータ505を有している(以下、これらのモータについて単にモータ501〜505などと称することがある。)。駆動部500は、後述するCPU21(図2に示す。)の制御の下で駆動される。メインモータ501は、給紙工程から転写工程までの用紙搬送と、中間転写ベルト32及び黒感光体36Kの駆動とを行う。定着モータ502は、定着装置400の駆動を行う。黒現像モータ503は、ブラックプロセスユニット35Kの駆動を行う。カラー現像モータ504は、イエロー・マゼンタ・シアンのプロセスユニット35Y,35M,35Cの駆動を行う。カラー感光体モータ505は、イエロー・マゼンタ・シアンの感光体36Y,36M,36Cの駆動を行う。
【0041】
画像形成装置1に印字が指示されると、給紙カセット3に格納された用紙は、給紙ローラ210により1枚ずつ取り出される。用紙は、給紙ローラ210、搬送ローラ220により搬送される。給紙と並行して、帯電された各色の感光体36Y,36M,36C,36Kが、レーザスキャンユニット34により画像データに基づき露光される。感光体36上には、各色のプロセスユニット35Y,35M,35C,35K内のトナーで現像されることで、トナー画像が形成される。各色の感光体36上に形成されたトナー画像は中間転写ベルト32上に転写され、中間転写ベルト32上に4色分のトナー画像が形成される。次に、転写ローラ33に電圧が印加されることで、中間転写ベルト32上に形成されたトナー画像が搬送された用紙に転写される。用紙上に形成されたトナー画像は、用紙が定着装置400を通過し熱と圧力が加えられることで、用紙に定着される。トナー画像が定着された用紙は、排紙ローラ230により排紙トレイ3に排出される。
【0042】
図2は、画像形成装置1の構成を示すブロック図である。
【0043】
図を参照して、画像形成装置1は、さらに、操作部11と、制御部(CPU部)20と、不揮発性メモリ27と、インターフェイス部29と、電源装置600とを備えている。
【0044】
操作部11は、画像形成装置1の筐体に、ユーザにより操作可能に配置されている。操作部11には、表示パネル13が配置されている。表示パネル13は、例えば、タッチパネルを備えたLCD(Liquid Crystal Display)である。表示パネル13は、ユーザに案内画面を表示したり、操作ボタンを表示してユーザからのタッチ操作を受け付けたりする。表示パネル13は、制御部20のCPU21により制御されて表示を行う。操作部11は、表示パネル13や操作ボタン(図示せず)などがユーザにより操作されると、その操作に応じた操作信号又は所定のコマンドをCPU21に送信する。すなわち、ユーザは、操作部11に操作を行うことにより、画像形成装置1に種々の動作を実行させることができる。
【0045】
制御部20は、CPU21と、ROM(Read Only Memory)23と、RAM(Random Access Memory)25などを有している。制御部20は、操作部11、不揮発性メモリ27、インターフェイス部29、及び電源装置600などと共にシステムバスに接続されている。これにより、制御部20と画像形成装置1の各部とが、信号を送受可能に接続されている。
【0046】
CPU21は、ROM23、RAM25、又は不揮発性メモリ27などに記憶された制御プログラム23aなどを実行することにより、画像形成装置1の種々の動作を制御する。CPU21は、操作部11から操作信号が送られたり、クライアントPCなどから操作コマンドが送信されたりすると、それらに応じた制御プログラム23aを実行する。これにより、ユーザによる操作部11の操作などに応じて、画像形成装置1の動作が行われる。
【0047】
ROM23は、例えばフラッシュROM(Flash Memory)である。ROM23には、画像形成装置1の動作を行うために用いられるデータが記憶されている。また、ROM23には、画像形成装置1の種々の動作を行うための制御プログラム(プログラム)23aが記憶されている。そのほか、ROM23には、画像形成装置1の機能設定データなどが記憶されていてもよい。CPU21は、所定の処理を行うことにより、ROM23からのデータの読み込みや、ROM23へのデータの書き込みを行う。ROM23は、書換え不可能なものであってもよい。
【0048】
RAM25は、CPU21のメインメモリである。RAM25は、CPU21が制御プログラム23aを実行するときに必要なデータを記憶するのに用いられる。
【0049】
不揮発性メモリ27は、例えばプリント枚数などの寿命状態に関する情報など、画像形成装置1の電源オフ後も維持が必要な情報を記憶する。また、不揮発性メモリ27は、例えば、インターフェイス部29を介して外部から送られたジョブのデータなどを記憶する。不揮発性メモリ27は、画像形成装置1の設定情報や、画像形成装置1の種々の動作を行うための制御プログラムなどを記憶するように構成されていてもよい。不揮発性メモリ27は、1つのクライアントPC又は複数のクライアントPCなどから送信された複数のジョブを記憶可能である。不揮発性メモリ27は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュROMなどで構成される。
【0050】
インターフェイス部29は、例えば、NIC(Network Interface Card)などのハードウェア部と、所定の通信プロトコルで通信を行うソフトウェア部とが組み合わされて構成されている。インターフェイス部29は、画像形成装置1をLANなどの外部ネットワークに接続する。これにより、画像形成装置1は、外部ネットワークに接続されているクライアントPCなどの外部装置と通信可能になる。画像形成装置1は、クライアントPCからジョブを受信可能である。また、画像形成装置1は、画像データを、クライアントPCに送信したり、メールサーバなどを介してE−mailにより送信したりすることができる。
【0051】
インターフェイス部29は、無線通信により外部ネットワークに接続可能に構成されていてもよい。インターフェイス部29は、例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェイスであってもよい。この場合、インターフェイス部29は、通信ケーブルを介して接続された外部装置と画像形成装置1とを通信可能にする。
【0052】
電源装置600は、画像形成装置1の筐体の内部に設けられている。電源装置600は、商用電源に接続され、商用電源をもとに画像形成装置1の各部に電力を供給する。
【0053】
プロセスユニット35Y,35M,35C,35Kには、それぞれ、不揮発性メモリ38Y,38M,38C,38Kが設けられている。また、トナーボトル31Y,31M,31C,31Kには、それぞれ、不揮発性メモリ37Y,37M,37C,37Kが設けられている。
【0054】
プロセスユニット35に含まれる感光体36などは、プリントを繰り返すにつれて劣化するため、プロセスユニット35には寿命がある。また、プリントを繰り返すにつれトナーボトル31に貯蔵されるトナーが少なくなるため、トナーボトル31には寿命がある。すなわち、プロセスユニット35やトナーボトル31は、消耗品である。CPU21は、それぞれの消耗品に関する寿命状態などの情報を、これらの不揮発性メモリ38Y〜38K,37Y〜37Kに格納する。これにより、各消耗品を取り外して、別の画像形成装置に装着した場合であっても、その消耗品の寿命状態を、その移行先の画像形成装置に反映させることができる。したがって、各消耗品の寿命管理を確実に行い、適正に画像をプリント可能にすることができる。
【0055】
[プロセスユニット35の構成]
【0056】
図3は、プロセスユニット35を示す側面図である。
【0057】
次に、プロセスユニット35の構成について説明する。図を参照して、プロセスユニット35は、感光体ユニット310と、帯電ユニット330と、現像ユニット350と、押圧レバー(接離機構の一例)370とを有している。すなわち、プロセスユニット35は、3つのユニットに分割されている。各ユニットは、それぞれ独立して交換可能である。
【0058】
感光体ユニット310は、感光体36と、クリーニングブレード313と、廃トナースクリュー315などとを保持している。クリーニングブレード313は、感光体36の表面の残留トナーを感光体36の表面から取り除き、感光体36の表面を清掃する。廃トナースクリュー315は、感光体36から取り除かれた残留トナーを、感光体ユニット310から排出する。
【0059】
帯電ユニット330は、帯電ローラ(帯電部材の一例)331と清掃ローラ(清掃部材の一例)333とを保持する。帯電ユニット330は、感光体ユニット310の下方に配置されている。
【0060】
帯電ローラ331は、画像形成装置1の使用状態においてその表面が感光体36に接触するように配置されている。帯電ローラ331は、感光体36に接触することで感光体36を帯電させる接触帯電処理を行う。帯電ローラ331は、感光体36の真下から若干その回転方向上流側にずれた部位すなわち感光体36の表面のうちクリーニングブレード313が接触している部分よりも回転方向下流側の部位に接触している。
【0061】
清掃ローラ333は、帯電ローラ331の表面に接触するように、帯電ローラ331の下方に配置されている。清掃ローラ333は、帯電ローラ331に対して従動回転する。
【0062】
帯電ローラ331は、感光体36の回転に伴い回転しながら、感光体36を帯電させる。清掃ローラ333は、帯電ローラ331の回転に伴い回転しながら、帯電ローラ331の表面に付着したトナーなど異物を除去し、帯電ローラ331の表面を清掃する。
【0063】
帯電ユニット330には、支点長穴(軸受部の一例)335が形成されている。支点長穴335には、感光体ユニット310とは独立して画像形成装置1の筐体に設けられている支点軸337が貫入している。帯電ユニット330は、支点軸337により画像形成装置1の筐体に支持されている。帯電ユニット330は、支点軸337が支点長穴335により支持されていることにより、支点軸337を回転軸として回転可能である。
【0064】
現像ユニット350は、現像ローラ351と、供給ローラ353と、攪拌ローラ355と、規制ブレード357などとを有している。現像ユニット350は、図において感光体ユニット310の左方に配置されている。
【0065】
現像ユニット350には、トナーボトル31からトナーが供給される。トナーは、攪拌ローラ355により均一に攪拌されて、供給ローラ353により現像ローラ351に供給される。現像ローラ351は、感光体36の表面に接触している。感光体36の表面に形成された潜像に応じて現像ローラ351から感光体36の表面にトナーが付着することで、感光体36の表面にトナー像が形成される。
【0066】
現像ユニット350は、感光体36の下方にある支点軸359において、支点軸359を中心に回転可能に配置されている。
【0067】
押圧レバー370は、帯電ユニット330及び現像ユニット350の下方に配置されている。押圧レバー370は、その図において右側の一端部に設けられたレバー支点371に軸支されている。押圧レバー370は、画像形成装置1の使用時すなわち感光体ユニット310などが本体に装着されている状態(以下、この状態を本体装着状態と称することがある。)において、レバー支点371から図において左側すなわち現像ユニット350側に略水平に伸びるように配置されている。押圧レバー370は、図に示すような本体装着状態において帯電ユニット330の下部に当接するように上方に突出する帯電ユニット押圧部373と、本体装着状態において現像ユニット350の下方の部位に当接するように突出する現像ユニット押圧部375とを有している。
【0068】
図4は、本体装着状態の帯電ユニット330を示す側面図である。
【0069】
図を参照して、帯電ユニット330は、ボディ330aに対して回転自在に配置された帯電ローラ331及び清掃ローラ333を有している。帯電ユニット330は、本体装着状態において、図に示すような立姿勢になっている。
【0070】
帯電ユニット330が立姿勢であるとき、ボディ330aは、側面視で縦が長辺となるような略長方形形状を有している。ボディ330aの現像ユニット350に近い側の下方の角部には、丸面取部330bが形成されている。支点長穴335は、ボディ330aのうち現像ユニット350から遠い側の下方の角部近傍部位に形成されている。支点長穴335は、その長手方向がボディ330aの長辺と略平行な方向になるように形成されている。
【0071】
帯電ユニット330には、さらに、帯電ローラギア341と、アイドルギア(従動ギアの一例)343とが設けられている。支点軸337には、それと略同軸な不動ギア347が設けられている。
【0072】
帯電ローラギア341は、帯電ローラ331と略同軸に設けられている。アイドルギア343は、帯電ローラギア341の下方に、帯電ローラギア341に常時噛み合うように配置されている。すなわち、アイドルギア343は、帯電ローラ331に連動するように、帯電ユニット330のボディ330aに回転自在に保持されている。
【0073】
不動ギア347は、アイドルギア343よりも下方に位置している。図に示すように、帯電ユニット330が立姿勢であるときには、アイドルギア343と不動ギア347とは互いに噛み合わない位置にある。そのため、感光体36が回転すると、それに伴い帯電ローラ331が回転することで、清掃ローラ333及びアイドルギア343が回転する。
【0074】
[帯電ローラ331の接離機構の説明]
【0075】
帯電ローラ331は、例えば感光体ユニット310の着脱時において、感光体36に接離される。本実施の形態において、押圧レバー370は、帯電ユニット330を変位させて感光体36に帯電ローラ331を接離する。帯電ユニット330は、押圧レバー370により感光体36に対して所定の位置に移動され固定される。
【0076】
帯電ユニット330が立姿勢であるとき、すなわち本体装着状態であるときには、帯電ローラ331は、感光体36に接触している。このとき、図3に示すように、帯電ユニット330の下部に押圧レバー370の帯電ユニット押圧部373が当接していることにより、帯電ユニット330は上方に押し上げられている。支点軸337は、支点長穴335のうち下方に位置している。すなわち、帯電ユニット330が立姿勢であるときには、帯電ユニット330は、変位可能な範囲で上方に位置していることにより、帯電ローラ331を感光体36に圧接させている。
【0077】
ここで、感光体ユニット310が取り外されるとき、押圧レバー370が、レバー支点371を中心に回転する。押圧レバー370は、例えば、モータ501〜505や、その他のモータなどにより駆動されて回転される。なお、押圧レバー370は、画像形成装置1の筐体に開閉可能に設けられたメンテナンス扉や、プロセスユニット35の着脱操作などを行うための操作レバーなどに連動して回転するように構成されていてもよい。
【0078】
押圧レバー370が回転すると、帯電ユニット330は、帯電ローラ331が感光体36から離間した状態(この状態を圧接解除状態と称することがある。)になり、その後、帯電ユニット330が画像形成装置1の筐体に対して回転した状態(この状態を回転離間状態と称することがある。)になる。
【0079】
図5は、圧接解除状態のプロセスユニット35を示す側面図である。
【0080】
図を参照して、感光体ユニット310が取り外されるときには、矢印R1で示すように、押圧レバー370が、略水平である姿勢から現像ユニット押圧部375が下方に変位する方向に、レバー支点371を中心に回転する。これにより、帯電ユニット330の下面から帯電ユニット押圧部373が離れる。また、現像ユニット350の下方の部位から現像ユニット押圧部375が離れる。
【0081】
帯電ユニット330は、その下面から帯電ユニット押圧部373が離れることにより、図に矢印T1で示すように、下方に変位する。帯電ユニット330は、支点軸337が支点長穴335に貫入した状態で変位可能な範囲で、その自重により、下方に変位する。すなわち、このとき帯電ユニット330が変位する範囲は、支点長穴335の寸法により規定されている。このように帯電ユニット330が感光体36に対し下方に変位することにより、帯電ローラ331と感光体36とが離間する。押圧レバー370は、このように帯電ユニット330を変位させることにより、帯電ローラ331を感光体36から感光体36の表面の略法線方向、すなわち感光体36の表面から離れる方向に変位させる。ここで、感光体36の表面から離れる方向とは、感光体36の表面の法線方向成分を含む方向を含む。すなわち、感光体36の表面から離れる方向とは、感光体36から帯電ローラ331が離れるとき、感光体36の表面や帯電ローラ331の表面が傷付かないような方向をいい、感光体36の表面の法線方向に厳密に限られるものではない。
【0082】
現像ユニット350は、その下部から現像ユニット押圧部375が離れることにより、図に矢印Sで示すように、図において時計の針の回転方向とは逆方向に、支点軸359を中心に回転する。これにより、現像ローラ351と感光体36とが離間する。
【0083】
図6は、圧接解除状態の帯電ユニット330を示す側面図である。
【0084】
図を参照して、本体装着状態から圧接解除状態になり、帯電ユニット330が下方に変位すると、それに伴い、アイドルギア343が下方に変位する。本実施の形態において、アイドルギア343は、帯電ユニット330が支点長穴335のうち上方に支点軸337が位置するように変位して圧接解除状態になったときに、不動ギア347に噛み合う。すなわち、この状態において、アイドルギア343を介して、不動ギア347と、帯電ローラギア341及び帯電ローラ331とが連結されている。
【0085】
図7は、回転離間状態のプロセスユニット35を示す側面図である。
【0086】
帯電ユニット330は、圧接解除状態になった後、支点軸337を中心に帯電ローラ331が現像ユニット350側に近づく方向(図において矢印T2方向)に回転して(回転離間動作)、水平姿勢になる(回転離間状態)。換言すると、押圧レバー370は、押圧レバー370が回転することにより、帯電ユニット330を圧接解除状態とし、その後、支点軸337を回転軸として回転させて帯電ローラ331を感光体36から退避させる。
【0087】
帯電ユニット330は、例えば、その重心が支点軸337に対し水平方向にオフセットしていることにより、その自重により、支点軸337に対して回転する。画像形成装置1の筐体には、帯電ユニット330が水平姿勢になったときにボディ330aなどに当接し帯電ユニット330の回転範囲を規制するストッパ(図示せず)などが設けられている。なお、ストッパは、帯電ユニット330が立姿勢であるときの位置を規制するような位置にも設けられていてもよい。
【0088】
図8は、回転離間状態の帯電ユニット330を示す側面図である。
【0089】
本実施の形態において、帯電ユニット330が回転するとき、帯電ローラ331が清掃ローラ333により清掃される。清掃ローラ333は、押圧レバー370が回転して帯電ユニット330が変位しているときに帯電ローラ331の表面の清掃を行う。すなわち、圧接解除状態になったとき、アイドルギア343が不動ギア347に噛み合っている。この状態で、帯電ユニット330が支点軸337を中心に回転すると、帯電ユニット330の回転に伴い、アイドルギア343が、不動ギア347の周上を転動する。アイドルギア343は、帯電ユニット330に対して回転し、それに連動して帯電ローラ331と清掃ローラ333とが回転する。これにより、清掃ローラ333により、帯電ローラ331の表面の清掃が行われる。
【0090】
図9は、感光体ユニット310が取り外されているときのプロセスユニット35を示す側面図である。
【0091】
帯電ユニット330が水平姿勢になると、ユーザは、感光体ユニット310を取り外すことができる。ここで、本実施の形態において、図を参照して、帯電ユニット330が水平姿勢であるとき、ボディ330aの上面は、略平坦である。そのため、ユーザは、感光体ユニット310を取り外す際、例えば帯電ユニット330のボディ330aの上面に感光体ユニット310の一部を摺接させるようにして、ボディ330aをレールとして感光体ユニット310をスライドさせ、感光体ユニット310を取り外すことができる。このように、帯電ユニット330のボディ330aが、回転離間状態において感光体ユニット310すなわち感光体36を画像形成装置1の本体に着脱するためのレールとなる外側面を有することにより、ユーザは、感光体ユニット310の着脱を容易に行うことができる。
【0092】
なお、感光体ユニット310は、取り外すときとは逆の手順で、画像形成装置1の本体に取り付けて、画像形成装置1を印刷可能な状態にすることができる。すなわち、まず、ボディ330aの外側面をレールとして利用しながら、感光体ユニット310を取り付ける。そして、押圧レバー370を上述とは逆の方向に回転させ、帯電ローラ331が感光体36から退避している回転離間状態から、帯電ローラ331を感光体36に近づけて、圧接解除状態に状態を変化させる。このとき、押圧レバー370を回転させると、帯電ユニット押圧部373がボディ330aの下面側に接触し、帯電ユニット330を押し上げる。これにより、帯電ユニット330が支点軸337を中心に回転し、帯電ユニット330が立姿勢になる。ここで、ボディ330aには丸面取部330bが形成されているので、帯電ユニット330が水平姿勢から立姿勢になるとき、帯電ユニット押圧部373がボディ330aの外側面に摺接しながら、スムーズに、帯電ユニット330が立姿勢になる。
【0093】
帯電ユニット330が立姿勢になると、さらに押圧レバー370が回転することにより、支点長穴335に支点軸337が貫入している範囲内で、帯電ユニット330が上方に変位する。これにより、帯電ローラ331が感光体36の表面に近接する方向に変位して感光体36に近接し、帯電ローラ331と感光体36とが接触する。押圧レバー370が略水平状態に戻り、現像ユニット350が元の位置に戻ることにより、画像を形成可能な本体装着状態になる。なお、感光体36の表面に近接する方向とは、感光体36の表面の法線方向成分を含む方向を含む。すなわち、感光体36の表面に近接する方向とは、感光体36に帯電ローラ331が近づくとき、感光体36の表面や帯電ローラ331の表面が傷付かないような方向をいい、感光体36の表面の法線方向に厳密に限られるものではない。
【0094】
本実施の形態においては、このように、プロセスユニット35が感光体ユニット310、帯電ユニット330、及び現像ユニット350に分割されているので、感光体36、帯電ローラ331、及び現像ローラ351などの各部品を、適切な交換サイクルで、かつ容易に交換することができる。したがって、画像形成装置1のランニングコストを含むトータルコストを低くすることができる。
【0095】
感光体ユニット310の着脱時において帯電ローラ331が感光体36にその表面の略法線方向に接離するので、感光体36や帯電ローラ331が傷まない。したがって、適正に画像形成可能な状態を容易に維持することができる。
【0096】
感光体ユニット310を着脱するときに、帯電ローラ331の表面が清掃ローラ333により自動的に清掃されるので、感光体36や帯電ローラ331の表面に汚れがない状態が維持される。したがって、適正に画像形成可能な状態を維持することができる。
【0097】
なお、不動ギア347、アイドルギア343、及び帯電ローラギア341は、帯電ユニット330が立姿勢から水平姿勢になるまでに帯電ローラ331が360度以上回転するようなギア比に設定されていることが望ましい。これにより、感光体ユニット310が着脱されるとき、確実に帯電ローラ331の全表面が清掃されるので、適正に画像形成可能な状態をより確実に維持することができる。
【0098】
[第2の実施の形態]
【0099】
第2の実施の形態における画像形成装置の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第2の実施の形態においては、駆動源により帯電ローラを駆動可能な帯電ユニットを有している点が第1の実施の形態とは異なる。すなわち、帯電ローラは、帯電ユニットの外部に設けられた駆動源からの駆動力により駆動される。清掃ローラは、帯電ローラが駆動源により駆動されるのに伴い、帯電部材の表面の清掃を行う。以下の説明において、第1の実施の形態と同様の部材にはそれと同一の符号を付し、上述とは異なる点について説明する。
【0100】
図10は、第2の実施の形態における帯電ユニット380を示す側面図である。
【0101】
図を参照して、帯電ユニット380は、回転離間状態であって、水平姿勢になっている。帯電ユニット380は、上述の帯電ユニット330の不動ギア347に代えて、駆動ギア381を有している。また、帯電ユニット380は、駆動ギア381を駆動する駆動源385を有している。駆動源385は、上述のモータ501〜505のいずれかの駆動力を利用するものでもあっても良いし、それとは別のモータなどの駆動力を発生する部材であってもよい。
【0102】
駆動ギア381は、支点軸337と同軸に設けられており、画像形成装置1の筐体に対して回転可能である。駆動ギア381は、制御部20の制御により駆動源385が出力する駆動力を用いて回転する。
【0103】
回転離間状態において、駆動ギア381は、アイドルギア343に噛み合っている。したがって、回転離間状態において駆動ギア381が駆動され回転すると、それに伴い帯電ローラ331及び清掃ローラ333が回転する。
【0104】
第2の実施の形態においても、例えば押圧レバー370が回転して、帯電ユニット380が支点軸337を中心に回転したり上下に変位することで、帯電ローラ331が感光体36に接離される。
【0105】
図11は、圧接解除状態における帯電ユニット380を示す側面図である。
【0106】
図に示すように、圧接解除状態においても、駆動ギア381は、アイドルギア343に噛み合っており、駆動ギア381の回転に伴い、帯電ローラ331及び清掃ローラ333が回転する。
【0107】
第2の実施の形態において、帯電ユニット380が回転離間状態又は圧接解除状態にあるときに、制御部20は、駆動ギア381を回転させる。これにより、帯電ローラ331及び清掃ローラ333が回転し、帯電ローラ331の表面が清掃ローラ333により清掃される。制御部20は、少なくとも帯電ローラ331の全周が清掃されるまで駆動ギア381を回転させることで、感光体ユニット310の着脱時に、帯電ローラ331の表面が汚れた状態にならないように維持することができる。したがって、より確実に、画像を適正可能な状態を維持することができる。
【0108】
図12は、本体装着状態における帯電ユニット380を示す側面図である。
【0109】
図に示すように、本体装着状態においては、帯電ユニット380が圧接解除状態から上方に変位することにより、駆動ギア381とアイドルギア343から離れている。このように、画像形成時に帯電ローラ331及び清掃ローラ333が感光体36と共に回転する本体装着状態においては、帯電ローラ331及び清掃ローラ333は駆動ギア381とは独立して回転可能である。したがって、本体装着状態において、帯電ローラ331及び清掃ローラ333の回転時の抵抗は小さくなり、確実に画像形成動作が行われる。
【0110】
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。すなわち、画像形成装置1は、感光体ユニット310の着脱時において、帯電ローラ331を感光体36に所定の方向から接離させることができ、また、帯電ローラ331の清掃を確実に行うことができるので、適正に画像形成可能である。また、感光体ユニット310と、現像ユニット350と、帯電ユニット380とが分割されているので、画像形成装置1のランニングコストは低く、かつ、ユーザは、容易に部材の交換を行うことができる。
【0111】
[実施の形態における効果]
【0112】
以上のように構成された画像形成装置では、感光体ユニット等のプロセスユニットの交換時において、帯電ユニットを退避させたり再圧接させたりするときに感光体の表面や帯電ローラの表面にダメージが生じることを防止することができる。したがって、感光体の表面や帯電ローラの表面に生じたダメージに起因する画像ノイズの発生を防止し、適正に画像形成可能な状態を維持したままで、プロセスユニットを容易に着脱可能である。
【0113】
感光体ユニットや現像ユニットの着脱時において、トナー落下などにより帯電ローラの表面が汚れてしまっても、感光体ユニットや現像ユニットの着脱時に帯電ローラの表面が清掃ローラにより清掃される。帯電ユニットが所定位置に固定された本体装着状態においては、帯電ローラの表面は清掃ローラに清掃された状態が保たれるので、適正に画像形成可能な状態をより確実に維持することができる。
【0114】
[その他]
【0115】
帯電ユニットは、回転離間状態で、帯電ユニットの側面又は裏面が上方を向いた状態で停止するようにすればよい。
【0116】
感光体ユニットが取り外されるときに、例えばユーザの操作により現像ユニットが変位し、それに伴い押圧レバーの現像ユニット押圧部が下方に押し込まれることにより、押圧レバーが変位するようにしてもよい。
【0117】
帯電ユニットは、帯電ユニット側に設けられた支点軸が、画像形成装置の本体側に形成された長穴形状の軸受部により支持されていることにより、支点軸を回転軸として回転可能に支持されていてもよい。
【0118】
画像形成装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などいずれであってもよい。また、画像形成装置は、スキャナ機能、複写機能、プリンタとしての機能、ファクシミリ機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)であってもよい。スキャナ機能では、セットされた原稿の画像を読み取ってそれをHDD等に蓄積する。複写機能では、さらにそれを用紙等に印刷(プリント)する。プリンタとしての機能では、PC等の外部端末から印刷指示を受けるとその指示に基づいて用紙に印刷を行う。ファクシミリ機能では、外部のファクシミリ装置等からファクシミリデータを受信してそれをHDD等に蓄積する。データ通信機能では、接続された外部機器との間でデータを送受信する。サーバ機能では、複数のユーザでHDD等に記憶したデータなどを共有可能にする。
【0119】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0120】
1 画像形成装置
36 感光体
330 帯電ユニット
331 帯電ローラ(帯電部材の一例)
333 清掃ローラ(清掃部材の一例)
335 支点長穴(軸受部の一例)
337 支点軸
343 アイドルギア(従動ギアの一例)
347 不動ギア
370 押圧レバー(接離機構の一例)
381 駆動ギア
385 駆動源


【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と、
その表面が前記感光体に接触することで前記感光体を帯電させる接触帯電処理を行う帯電部材と、
前記帯電部材の表面を清掃する清掃部材と、
前記帯電部材と前記清掃部材とを保持する帯電ユニットと、
前記帯電ユニットを変位させて前記感光体に前記帯電部材を接離する接離機構とを備え、
前記接離機構は、
前記帯電部材が前記感光体に接触している状態で、前記帯電部材を前記感光体の表面から離れる方向に変位させ、その後、前記帯電ユニットを回転軸を中心に回転させて前記帯電部材を前記感光体から退避させ、
前記帯電部材が前記感光体から前記退避している状態で、前記帯電ユニットを前記回転軸を中心に回転させて前記帯電部材を前記感光体に近づけ、その後、前記帯電部材を前記感光体の表面に近接する方向に変位させ、前記帯電部材を前記感光体に接触させる、画像形成装置。
【請求項2】
前記清掃部材は、前記接離機構により前記帯電ユニットが変位して前記帯電部材が前記感光体から離れているときに前記帯電部材の表面の清掃を行う、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記回転軸に略同軸に設けられた不動ギアと、
前記帯電部材に連動するように前記帯電ユニットに保持された従動ギアとをさらに備え、
前記従動ギアは、前記帯電部材が前記感光体から離れているとき、前記不動ギアに噛み合い、
前記帯電ユニットが前記接離機構により回転するとき、前記従動ギアが前記不動ギアの周上を転動しながら前記帯電ユニットに対し回転し、それに前記帯電部材が連動することに伴い、前記清掃部材が前記帯電部材の表面の清掃を行う、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記帯電部材は、前記帯電ユニット外部に設けられた駆動源からの駆動力により駆動され、
前記清掃部材は、前記帯電部材が前記駆動源により駆動されるのに伴い、前記帯電部材の表面の清掃を行う、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記帯電ユニットは、前記帯電ユニット及び前記画像形成装置本体のうち一方に設けられた支点軸が他方に形成された長穴形状の軸受部により支持されていることにより、前記支点軸を前記回転軸として回転する、請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記帯電ユニットは、前記帯電ユニットが前記回転軸を中心に回転して前記帯電部材が前記感光体から退避しているときに前記感光体を前記画像形成装置本体に着脱するためのレールとなる外側面を有する、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−253119(P2011−253119A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128146(P2010−128146)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】