説明

画像形成装置

【課題】画像形成ユニット側の第2ギヤ部を装置本体側の第1ギヤ部に確実かつ円滑に係合させる。
【解決手段】画像形成装置は、第1ギヤは、第1ギヤ部の回転方向の回転位置を検知するための被検知体を有し、被検知体を検知するための位置検出センサを装置本体側に有し、第1ギヤ部の歯部を構成する複数の歯部の内の一歯は、他の歯部よりも長く、第1ギヤ部の軸の端部まで延在しており、画像形成ユニットを装置本体に対して装着する際、位置検出センサによる被検知体の検知によって、一歯は、複数の歯部の内で上部の位置に停止され、第2ギヤ部は、第2ギヤ部の軸が第1ギヤ部の軸に対して上向きの角度をなして第1ギヤ部の軸の端部まで到達したとき、第1ギヤ部の一歯と第2ギヤ部が連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタまたはファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機、プリンタまたはファクシミリ等の画像形成装置において、高画質化・高速化に伴って、感光体、現像装置または転写装置に含まれる回転体の回転精度が一層厳しく要求されるようになっている。一方で、作像装置は寿命や交換容易性の観点から、装置本体に対して脱着可能である必要がある。このような要求に応え得る回転駆動伝達方法として、外歯車と内歯車である継手が結合して回転を伝達する駆動伝達方法が提案されている。
【0003】
外歯車と内歯車である継手の結合を円滑に行うための手段も盛んに発明されている。特許文献1は、第1ギヤ部と第2ギヤ部が相互に同位相になっていた場合でも全ての歯部同士が当接するのを防ぐため、第1ギヤ部の歯部において、他の歯部の長さよりも長い歯部を形成し、この長い歯部の先端だけを第2ギヤ部の歯部の先端と当接させ、その後先端同士をずらして位相をずらすことで全ての歯部におけるギヤ結合を行っている。
【0004】
また、多色の画像形成装置では、各色の感光体ドラムの回転位置検知手段としての検知体が設けられている。特許文献2は、各色の感光体ドラムの回転位置の検出のために、ドラム駆動ギヤの軸に対する鉛直方向の重心が感光体ドラムの軸心に一致するように検知体(フィラー)を設けることによって、検知体に起因するドラム駆動ギヤの重心バランスの偏りによって生じうる感光体ドラムの速度変動を抑制し、この速度変動による色ずれを低減することを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、製品の高寿命化が求められており、摩耗等の寿命が懸念される箇所を含むユニットを着脱できるようにして、定期的に画像形成ユニットの交換を行う必要がある。交換性を高めるという観点から、画像形成装置の各ユニットを分離・着脱可能にすることが求められる。画像形成ユニットは、組み付け間違いを防止するため、画像形成ユニット側のギヤ部と画像形成装置本体側のギヤ部の噛合いの前に、本体側に画像形成ユニットを一旦引っ掛けるための突起部等を利用して仮位置決めを行うと好ましい。
【0006】
画像形成ユニットは、回転可能に設けられた像担持体としての感光体ドラム、感光体ドラムを帯電させる帯電ローラ、感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーにより顕像化する現像ローラ等を備えたプロセスカートリッジであり、画像形成装置本体に装着されるユニットである。画像形成ユニットには、あらゆる動力伝達部材等が備わっているためその質量が大きく、画像形成ユニットの取付け時には、ユニット質量の重力により作業者から見て、左右方向(水平方向)よりも上下方向(垂直方向)の位置決めを行うことが困難である。そのため、図14,15に示すように、装置本体300側に設けられた突起部301と、画像形成ユニット302側に設けられた間違い防止取り付け箇所である係合穴303とを係合させる仮位置決めにより画像形成ユニット302の左右方向の位置決めを行い、その後、図16,17に示すように、画像形成ユニット302内の第2ギヤ305が装置本体300側の第1ギヤ304に噛み合うように、画像形成ユニット302を上下方向および手前奥方向に微小移動させて装置本体300に装着させると好ましい。
【0007】
また、図18に示すように、装置本体300側に設けられた係合穴303と画像形成ユニット302側に設けられた突起部301を係合させて仮位置決めを行ってもよい。この場合、画像形成ユニット側に設けられた突起部301の先端は、下側に延在するように構成することで、重い画像形成ユニットを装置本体にうまくひっかけて仮位置決めすることができる。他の部分の構成や挿入順序は前記の例と同様である。
【0008】
画像形成ユニットとしては、図19に示すようなイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの4色のカートリッジが一体となった4連タンデムタイプや、図20に示すような色毎に分離した単色カートリッジタイプの画像形成ユニット302があり、これらには、突起部301を係合させるための係合穴303が備わっている。4連タンデムタイプおよび単色カートリッジタイプおける画像形成ユニット302の着脱は、交換容易性のために単純に実現されることが求められる。ここで、画像形成ユニット302の着脱時に上下方向に加えて左右方向の動作を可能にすると、斜め方向への動作も可能となってしまい、ユーザーによって作業のばらつきが生じてしまう。そこで、画像形成ユニット302の左右方向の動作を固定して制限したうえで上下方向に限定すると好ましい。
【0009】
また、図16,17に示すような画像形成ユニット302と画像形成装置本体300の位置関係において、水平面に対する画像形成ユニット302の傾きをθとすると、近年の装置本体の小型化によりユニット配置スペースも限定され、またプロセスカートリッジのスロットやその他のユニットによる制限もあり、θは0°から10°程度の間に限定される。
【0010】
特許文献1では、第1ギヤ部を構成する一部の歯部の軸方向の長さを他の歯部の軸方向の長さと異ならせ、さらに歯先形状を先細りにしているが、第2ギヤ部の歯部は第1ギヤ部にある程度挿入されてから長い歯部に当接することになるため、歯部同士がぶつかる恐れがある。歯面同士でぶつかれば、歯部の駆動伝達を行なう噛み合い面を傷付けたり破損させたりする恐れがあり、この噛み合い面の破損は画像形成ユニット内の回転体の回転ムラ(回転速度変動)を生じさせ、画像形成ユニットが感光体等を含むプロセスカートリッジである場合は、この回転ムラによって画像にドットずれが生じ、肉眼で認識できる帯状の色の濃淡である色ムラが生じることになる。
【0011】
また、画像形成ユニットの仮位置決め後は、装置本体側の第1ギヤ部に画像形成ユニット側の第2ギヤ部を係合させるが、図9,10に示すように、第1ギヤ部の軸方向と第2ギヤ部の軸方向とが同軸上になく、第2ギヤ部の挿入軌跡が、水平な第1ギヤ部の軸心よりも上方向に角度θだけ傾いた状態からギヤ結合を行うとき、第2ギヤ部の上部の歯部が第1ギヤ部の軸にぶつかったり(図10)、第2ギヤ部の下部の歯部が第1ギヤ部の軸にぶつかったりして(図9)、ギヤ部を円滑に噛み合わせることは困難である。
【0012】
そこで、本発明は、前記のような不具合がないように、画像形成ユニット側の第2ギヤ部を装置本体側の第1ギヤ部に確実かつ円滑に係合させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明では、本体側の第1ギヤ部に設けた他のギヤ部よりも長い一歯の回転方向の位置を制御して、装着時に一歯と第2ギヤ部が最初に噛み合うように一歯を最適な位置に停止させ、よって他の全ての歯部もスムーズに噛み合うようにしている。
本発明によれば、画像形成装置は、装置本体側に設けられた駆動源からの駆動力を伝達する第1ギヤおよびこれに形成された第1ギヤ部と、装置本体から着脱される画像形成ユニットに設けられ、第1ギヤ部に対して着脱可能な第2ギヤおよびこれに形成された第2ギヤ部とを有し、第1ギヤ部の歯部と第2ギヤ部の歯部との連結により、駆動源から画像形成ユニットへ駆動力を伝達する装置であって、第1ギヤは、第1ギヤ部の回転方向の回転位置を検知するための被検知体を有し、被検知体を検知するための位置検出センサが装置本体側に設けられ、第1ギヤ部の歯部を構成する複数の歯部の内の一歯は、他の歯部よりも長く、第1ギヤ部の軸の端部まで延在しており、画像形成ユニットを装置本体に対して装着する際、位置検出センサによる被検知体の検知によって、一歯は、複数の歯部の内で上部若しくは下部の位置に停止され、第2ギヤ部は、第2ギヤ部の軸心が第1ギヤ部の軸心に対して上向き若しくは下向きの角度をなして第1ギヤ部の軸の端部まで到達したとき、第1ギヤ部の一歯と第2ギヤ部が連結される。
【0014】
また、一歯が停止される上部若しくは下部の位置は、第1ギヤの面と平行な第1ギヤ部の断面で見て、最上部若しくは最下部に位置した一歯の歯山とこれに隣り合う歯部の歯山とが第1ギヤ部の軸心に対して形成する角度をφとして±φの角度範囲であると好ましい。
【0015】
また、被検知体は、第1ギヤに形成された突出部であり、突出部の両端部と一歯とが第1ギヤの延在する平面で見て鉛直方向の直線上に位置すると好ましい。
また、被検知体は、第1ギヤ部の軸心と同心に180°の角度にわたって延在している一部品であると好ましい。
【0016】
また、位置検出センサは光学センサであり、被検知体が位置検出センサからの光を遮ることで被検知体が検知されると好ましい。
また、第1ギヤ部の軸の先端に傾きが付けられていると好ましい。
【0017】
また、一歯と、第1ギヤ部の軸の長さが最も短い箇所とが隣接し、これらが第1ギヤの面と平行な第1ギヤ部の断面で見て第1ギヤ部の軸心を通る直線上に位置すると好ましい。
また、第1ギヤ部または第2ギヤ部の歯部の先端部が先細りになっていると好ましい。
【0018】
また、第1ギヤ部の軸の内側に面取り部が設けられると好ましい。
また、画像形成ユニットは、回転可能に設けられた像担持体としての感光体ドラム、感光体ドラムを帯電させる帯電ローラ、および感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーにより顕像化する現像ローラを備えたプロセスカートリッジであり、感光体ドラムの第2ギヤ部が、装置本体に設けられた駆動軸であって、感光体ドラムにギヤ結合により駆動力を伝達する第1ギヤ部としての感光体駆動軸に対して着脱されると好ましい。
【0019】
また、プロセスカートリッジは、4色のカートリッジが一体となった4連タンデムタイプであると好ましい。
また、プロセスカートリッジは、色毎に分離した単色カートリッジタイプであると好ましい。これにより、プロセスカートリッジの設計変更や故障時における交換を容易且つ円滑に行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、噛合うギヤ同士の着脱を行うとき、装置本体内の第1ギヤ部と画像形成ユニット側の第2ギヤ部の歯部同士がぶつかることを極力避けるために、画像形成ユニットを装置本体に対して上側または下側から装着させる際、第1ギヤ部の一部の歯部のみが最初に噛合うように、一部の歯部の停止位置を制御する。これにより、他の全ての歯部の挿入時の接触が回避され、歯部の破損を極力小さくすることができる。従って、ギヤ部の寿命が長くなり、歯部の破損による画像形成ユニット内の回転体の回転速度変動および画像品質低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に従う画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】感光体ドラム側と感光体駆動軸側とのギヤ結合を示す斜視図である。
【図3】従来技術における画像形成装置の感光体駆動軸側の第1ギヤ部を示す斜視図である。
【図4】画像形成装置の感光体駆動軸側の第1ギヤ部を示す斜視図である。
【図5】本発明に従う感光体駆動軸側の第1ギヤ部と検知体の位置関係を示す概略図である。
【図6】本発明に従う感光体駆動軸側の第1ギヤ部と検知体の位置関係を示す側面図である。
【図7】感光体ドラム側の第2ギヤ部を上側から係合させる場合における、感光体駆動軸側の第1ギヤ部の掬いの一歯の最適な停止位置を示す概略図である。
【図8】感光体ドラム側の第2ギヤ部を下側から係合させる場合における、感光体駆動軸側の第1ギヤ部の掬いの一歯の最適な停止位置を示す概略図である。
【図9】感光体ドラム側の第2ギヤ部を上側から係合させる場合において、第2ギヤ部が第1ギヤ部の軸の下側に接触している様子を示す概略図とその部分拡大図である。
【図10】感光体ドラム側の第2ギヤ部を上側から係合させる場合において、第2ギヤ部が第1ギヤ部の軸の上側に接触している様子を示す概略図とその部分拡大図である。
【図11】本発明に従い図10における第2ギヤ部の挿入経路が修正された様子を示す概略図とその部分拡大図である。
【図12】本発明に従う軸先端の傾きの形状および当該傾きと掬いの一歯との位置関係を示す概略図である。
【図13】本発明に従い図9における第2ギヤ部の挿入経路が修正された様子を示す概略図とその部分拡大図である。
【図14】画像形成装置本体および画像形成ユニットの全体を示す概略側面図とその部分拡大図である。
【図15】画像形成装置本体の突起部と画像形成ユニットの係合穴が係合した様子を示す概略側面図である。
【図16】画像形成装置本体に対して画像形成ユニットが上方向から進入する様子を示す概略側面図とその部分拡大図である。
【図17】画像形成装置本体に対して画像形成ユニットが下方向から進入する様子を示す概略側面図とその部分拡大図である。
【図18】別な実施形態としての画像形成装置本体および画像形成ユニットの全体を示す概略側面図とその部分拡大図である。
【図19】4連タンデムタイプの画像形成ユニットを示す概略図である。
【図20】単色カートリッジタイプの画像形成ユニットを示す概略図である。
【図21】第2ギヤを第1ギヤへ挿入する過程を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明に従う画像形成装置の実施例を画面を参照して説明する。
本発明を適用した画像形成装置1として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図のプリンタは、トナー像形成手段たる画像形成ユニット(プロセスカートリッジ)として、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)(以下、Y、C、M、Kと記す)用の4つの画像形成ユニット1Y、C、M、Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY、C、M、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。Yトナー像を生成するための画像形成ユニット1Yを例にすると、これは感光体ユニットと現像ユニット7Yとを有している。これら感光体ユニットおよび現像ユニット7Yは、画像形成ユニット1Yとして一体的にプリンタ本体に対して着脱される。但し、プリンタ本体から取り外した状態では、現像ユニット7Yを図示しない感光体ユニットに対して着脱することができる。
【0023】
感光体ユニットは、ドラム状の感光体3Y、ドラムクリーニング装置、図示しない除電装置、帯電装置5Yなどを有している。
帯電装置5Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動せしめられる感光体3Yの表面を一様帯電せしめる。同図においては、図示しない電源によって帯電バイアスが印加されながら、図中反時計回りに回転駆動される帯電ローラを感光体3Yに近接させることで、感光体3Yを一様帯電せしめる方式の帯電装置5Yを示した。帯電ローラの代わりに、帯電ブラシを当接させるものを用いてもよい。また、スコロトロンチャージャーのように、チャージャー方式によって感光体3Yを一様帯電せしめるものを用いてもよい。帯電装置5Yによって一様帯電せしめられた感光体3Yの表面は、後述する光書込ユニット20から発せられるレーザー光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。
【0024】
像担持体であり且つ潜像担持体である感光体3Y上に形成されたYトナー像は、後述する中間転写ベルトに中間転写される。感光体ユニットのドラムクリーニング装置は、中間転写工程を経た後の感光体3Y表面に残留したトナーを除去する。これによってクリーニング処理が施された感光体3Y表面は、図示しない除電装置によって除電される。この除電により、感光体3Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。先に示した図1において、他色用の画像形成ユニット1C、M、Kにおいても、同様にして感光体3C、M、K上にC、M、Kトナー像が形成されて、無端移動体たる中間転写ベルト上に中間転写される。
【0025】
画像形成ユニット1Y、C、M、Kの図中下方には、光書込ユニット20が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット20は、画像情報に基づいて発したレーザー光Lを、各画像形成ユニット1Y、C、M、Kの感光体3Y、C、M、Kに照射する。これにより、感光体3Y、C、M、K上にY、C、M、K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット20は、光源から発したレーザー光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー21によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y、C、M、Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LEDアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
【0026】
光書込ユニット20の下方には、第1給紙カセット31、第2給紙カセット32が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録部材たる記録紙Pが複数枚重ねられた記録紙束の状態で収容されており、一番上の記録紙Pには、第1給紙ローラ31a、第2給紙ローラ32aがそれぞれ当接している。第1給紙ローラ31aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第1給紙カセット31内の一番上の記録紙Pが、カセットの図中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路33に向けて排出される。また、第2給紙ローラ32aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第2給紙カセット32内の一番上の記録紙Pが、給紙路33に向けて排出される。給紙路33内には、複数の搬送ローラ対34が配設されており、給紙路33に送り込まれた記録紙Pは、これら搬送ローラ対34のローラ間に挟み込まれながら、給紙路33内を図中下側から上側に向けて搬送される。
【0027】
給紙路33の末端には、レジストローラ対35が配設されている。レジストローラ対35は、記録紙Pを搬送ローラ対34から送られてくる記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
【0028】
各画像形成ユニット1Y、C、M、Kの図中上方には、無端移動体たる中間転写ベルト41を張架しながら図中反時計回りに無端移動せしめる転写ユニット40が配設されている。中間転写ベルト41は、この内部のローラに張架されながら、駆動ローラ47の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。4つの1次転写ローラ45Y、C、M、Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト41を感光体3Y、C、M、Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト41の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト41は、その無端移動に伴ってY、C、M、K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体3Y、C、M、K上のY、C、M、Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト41上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
【0029】
2次転写バックアップローラ46は、中間転写ベルト41のループ外側に配設された2次転写ローラ50との間に中間転写ベルト41を挟み込んで2次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対35は、ローラ間に挟み込んだ記録紙Pを、中間転写ベルト41上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、2次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト41上の4色トナー像は、2次転写バイアスが印加される2次転写ローラ50と2次転写バックアップローラ46との間に形成される2次転写電界や、ニップ圧の影響により、2次転写ニップ内で記録紙Pに一括2次転写される。そして、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
【0030】
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト41には、記録紙Pに転写されなかつた転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット42によってクリーニングされる。
【0031】
2次転写ニップの図中上方には、定着ユニット60が配設されている。この定着ユニット60は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ61と、定着ベルトユニット62とを備えている。定着ベルトユニット62は、定着部材たる定着ベルト64、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ63、テンションローラ65、駆動ローラ66、図示しない温度センサ等を有している。そして、無端状の定着ベルト64を加熱ローラ63、テンションローラ65および駆動ローラ66によって張架しながら、図中反時計回り方向に無端移動せしめる。この無端移動の過程で、定着ベルト64は加熱ローラ63によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト64の加熱ローラ63掛け回し箇所には、図中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ61がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ61と定着ベルト64とが当接する定着ニップが形成されている。
【0032】
定着ベルト64のループ外側には、図示しない温度センサが定着ベルト64のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト64の表面温度を検知する。この検知結果は、図示しない定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ63に内包される発熱源や、加圧加熱ローラ61に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。これにより、定着ベルト64の表面温度が約140℃に維持される。
【0033】
図1において、2次転写ニップを通過した記録紙Pは、中間転写ベルト41から分離した後、定着ユニット60内に送られる。そして、定着ユニット60内の定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト64によって加熱されたり、押圧されたりして、フルカラートナー像が定着せしめられる。
このようにして定着処理が施された記録紙Pは、排紙ローラ対67のローラ間を経た後、機外へと排出される。プリンタ本体の筺体の上面には、スタック部68が形成されており、排紙ローラ対67によって機外に排出された記録紙Pは、このスタック部68に順次スタックされる。
【0034】
転写ユニット40の上方には、Y、C、M、Kトナーを収容する4つのトナーカートリッジ100Y、C、M、Kが配設されている。トナーカートリッジ100Y、C、M、K内のY、C、M、Kトナーは、画像形成ユニット1Y、C、M、Kの現像ユニット7Y、C、M、Kに適宜供給される。これらトナーカートリッジ100Y、C、M、Kは、画像形成ユニット1Y、C、M、Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
以上の基本的な構成を備える本プリンタにおいては、各色の画像形成ユニット1Y、C、M、Kや光書込ユニット20が、像担持体たる各色の感光体3Y、C、M、Kに可視像たるY、C、M、Kトナー像を形成する可視像形成手段として機能している。
【0035】
次に、各感光体ドラム3Y、3C、3Mおよび3Kとこれを駆動する感光体駆動軸103とのギヤ結合について説明する。以下では、画像形成ユニット1Yや感光体ドラム3Yを例に説明するが、他の画像形成ユニット1C、1Mおよび1K、感光体ドラム3C、3Mおよび3Kについても同様である。
【0036】
図2は、ギヤ結合を使用した回転駆動伝達装置の概略構成を示す斜視図である。像担持体である感光体ドラム3Yは、感光体軸102によって軸支され、感光体軸102の一端は回転伝達される感光体側継手103となっている。このような構成の回転駆動伝達装置では、例えばDCサーボモータやステッピングモータからなる感光体駆動モータ106からの動力が、第1ギヤ107と感光体駆動軸105を介して駆動側継手104に伝達され、駆動側継手104と係合した感光体側継手103に動力が伝達されることで感光体ドラムが回転する。
【0037】
図3は、第1ギヤ107の概略構成と、駆動側歯車を内歯車として構成された感光体駆動軸105の部分を示す拡大図であり、第1ギヤ107の感光体駆動軸105(駆動側継手104)の内周には、軸方向に延びる複数の歯部110aを有する第1ギヤ部110が形成されている。一方、図示しないが、感光体ドラム3Yの一方端側の、従動側歯車を外歯車として構成された感光体軸102(感光体側継手103)の外周には、第1ギヤ部110と噛み合う第2ギヤ部が形成されている。そして、第1ギヤ部110と第2ギヤ部の歯部が交互に噛み合うことで、感光体駆動軸105と感光体ドラム3Yとが相互に同軸上でギヤ結合される。
【0038】
しかしながら、感光体ドラム3Yを含む画像形成ユニット(着脱ユニット)1Yを装着する際、感光体駆動軸105側の第1ギヤ部110と、感光体ドラム3Y側の第2ギヤ部とが同位相になっていると、両者の歯部の先端同士が当接するため、感光体駆動軸105に感光体ドラム3Yが入らなくなってしまう。
【0039】
そこで、特許文献1では、図4に示すように、第1ギヤ部120と第2ギヤ部が相互に同位相になっていた場合でも全ての歯部同士が当接するのを防ぐため、第1ギヤ部120の歯部120aにおいて、他の歯部の長さよりも長い一つの歯部120bを形成し、この歯部120bの先端だけを第2ギヤ部の歯部の先端と当接させ、その後先端同士をずらして位相をずらすことで全ての歯部におけるギヤ結合を行っている。しかし、歯部の先端同士がぶつかるため、前記のような不具合が生じうる。
【0040】
また、第1ギヤ部と第2ギヤ部の円滑なギヤ結合のためには、他の歯部の長さよりも長い一つの歯部の位置を検知・制御する必要があり、このためにフィラーと呼ばれるセンサ用の突出部がしばしば用いられる。
【0041】
そこで、本発明では図5,6に示すように、第1ギヤ部200の歯部201において他の歯部よりも長い歯部であって、軸の端部まで延在している一つの歯部202(以下、「掬いの一歯」という)を形成し、さらにフィラーとしての突出部203を、第1ギヤ部200が形成された面と反対側の面に形成する。図示のように、フィラーは第1ギヤ部200の軸心と同心に180°の角度にわたって延在している一部品である。このとき、フィラー203の両端部と掬いの一歯202とが第1ギヤ205の延在する平面で見て直線204上に位置するように、フィラー203を固定する。また、特許文献2などの従来から知られているフィラー用の位置検出センサー(図示せず)をフィラー203を跨ぐようにして装置本体側に固定して設ける。これにより、フィラーの両端部の位置を検知することで、掬いの一歯202の位置を容易に検知・制御することができる。
【0042】
位置検出センサとしては、画像形成時の電磁気的な作動条件にその検知動作が影響を与えない、光学素子を用いた一般的な透過型の光学センサを用いることができる。位置検出センサは、発光部と受光部とが、その発光方向および受光方向を互いに向き合わせ、所定の間隔を確保して構成される。そして、位置検出センサは、発光部からの射出光が受光部に到達するまでの光路がフィラー203の軌跡と交差するように、装置本体側に固定されて配置される。
【0043】
従って、プリント動作時などには、駆動手段である感光体駆動モータ106からの回転出力により感光体ドラム3Yが回転駆動され、この感光体ドラム3Yの回転と共にフィラー203も回転方向に移動し、感光体ドラム3Yの1回転につき1回、フィラー203が位置検出センサを通過する。そして、フィラー203が位置検出センサの検知範囲に進入して光を遮ると、または遮られていた光が再び受光部で検知されると、位置検出センサから、フィラー203を検知したまたは検知しないことを表わす信号レベルの検知信号が出力されるとともに、その瞬間にフィラー203の両端部と掬いの一歯202とが第1ギヤ205の延在する平面で見て直線上に位置していることが分かる。このようにして掬いの一歯202の位置を検知することができるため、位置検出センサを所望の位置に設けて、フィラー203が位置検出センサの検知範囲に進入して光を遮った瞬間または遮られていた光が再び受光部で検知された瞬間に第1ギヤ205を停止させることで、掬いの一歯202を所望の位置に停止させることができる。
【0044】
好ましくは、位置検出センサを鉛直方向の上部または下部に設けることで、掬いの一歯202を鉛直方向の上部または下部の位置に停止させる。これにより、第1ギヤ部200と第2ギヤ部との着脱を行う際、第1ギヤ部200の軸と第2ギヤ部の軸とが同軸上ではなく、ある角度を持ってギヤ結合を行う場合において、掬いの一歯202と第2ギヤの歯部とが常に最初に噛み合う最適位置に停止するように第1ギヤ部200の位置を制御することができる。すなわち、図7に示すように、挿入する画像形成ユニット側の第2ギヤ210の第2ギヤ部211が装置本体側の第1ギヤ部200の軸心に対して上向きの角度を持って挿入される場合は、掬いの一歯202の停止位置を鉛直方向の最上部の位置に制御し、図8に示すように、挿入する画像形成ユニット側の第2ギヤ部211が装置本体側の第1ギヤ部200の軸心に対して下向きの角度を持って挿入される場合は、掬いの一歯202の停止位置を鉛直方向の最下部の位置に制御することができる。
【0045】
これにより、ある角度を持って第1ギヤ部200と第2ギヤ部211のギヤ結合を行う場合において、掬いの一歯202が第2ギヤ部200に最も入りやすい位置に来るように、掬いの一歯202をCPUタイマを使用することなく正確に制御することができ、この最適な位置にギヤを停止するまでの時間を短縮することができる。また、位置検出センサで検知した瞬間にギヤを停止させることで掬いの一歯202の停止位置を決定できるので、CPUタイマを使用することによる誤差は生じない。
【0046】
しかしながら、画像形成ユニット側の第2ギヤ部211と装置本体側の第1ギヤ部200をある角度を持って手動にてギヤ結合を行う場合、図9に示すように、最適な位置に第1ギヤの掬いの一歯202を停止させても、手動のために第2ギヤ部211の挿入経路に誤差が生じ、互いのギヤ部が噛み合わず、第2ギヤ210の第2ギヤ部211が第1ギヤ部200の軸と接触してしまうことがある。また、図10に示すように、手動のために挿入経路の誤差が生じて、第2ギヤ210の第2ギヤ部211が第1ギヤ部200を有する軸の部分に接触してしまうことがある。このような手動により発生する挿入経路の誤差により、画像形成ユニット側の第1ギヤ部200と装置本体側の第2ギヤ部211との着脱に時間がかかってしまう。ここで、挿入経路212は、第2ギヤ部の歯部が第1ギヤ部に差し掛かったときの、図11などにおける第2ギヤ部の中央の(軸心上の)歯部先端を通る水平線である。
【0047】
そこで、本発明では、図11に示すように、挿入する画像形成ユニット側の第2ギヤ部211の軸心が装置本体側の第1ギヤ部200の軸心206に対して上向きの角度θをなし、さらに第2ギヤ部211の挿入経路212が第1ギヤ部200の軸心206よりも上方向にずれた状態でギヤ結合を行うとき、軸の内側に歯部を有する内歯車として構成された第1ギヤ部200に掬いの一歯202を設け、掬いの一歯202を上側に位置させ、また歯部の歯先を先細りにし、さらに第1ギヤ部200を有する軸先端の内側に面取り部207を設けて、第2ギヤ210を第1ギヤ205に近づける。これにより、常に最初に掬いの一歯202から第1ギヤと第2ギヤを噛み合わせることができ、さらに面取り部207によって、第2ギヤ部211の歯部が第1ギヤ部200の軸に当たることなく(図11の下図)、図10に示すような手動による微小な挿入経路の誤差も吸収することができる。ここで、ギヤ同士が同位相になったときにも噛み合い易いように、これらの歯部形状を、C面のテーパ形状や三角歯形状としもよい。
【0048】
また、図11,12,13に示すように、掬いの一歯202と、第1ギヤ部200の軸の長さが最も短い箇所とが隣接し、これらが第1ギヤ205の面と平行な第1ギヤ部200の断面で見てその軸心206を通る直線上に位置するように、第1ギヤ部200の軸に傾き208を付ける。これにより、傾き208によって軸の先端長さが異なる場合でも、掬いの一歯202が常に軸先端に最も近くなるため、第2ギヤ部と最初に接触し、第2ギヤ部は掬いの一歯を支点に回動することができる。さらには、手動により理想の挿入経路から外れても、第2ギヤ部211が第1ギヤ部200の軸の内側に接触することになり、ギヤ同士の噛合い前において挿入経路を修正することができ、図9に示すような第2ギヤ部211の歯部と第1ギヤ部200の軸との接触を回避し、ギヤ部同士の接触である掬いの一歯202の噛み合いまでの時間を更に短縮することができる。
【0049】
ところで、位置検出センサでフィラーを検知することによって、掬いの一歯202を所望の位置に停止させるが、その停止位置は、検知誤差または停止させるまでの時間誤差により最上部または最下部からずれる場合がある。しかし、第1ギヤ205の面と平行な第1ギヤ部200の断面図である図11の右図が示すように、第1ギヤ部における掬いの一歯202を最上部に停止させるときに、掬いの一歯202の歯山と隣り合う歯部209の歯山が軸心206に対して形成する角度をφとすると、掬いの一歯202は最上部から±φの角度範囲において停止されてもよい。この±φの上部の角度範囲であれば、装着時に掬いの一歯202と第2ギヤ部を最初に噛み合わせることができ、また、歯部の歯先が先細りになっているため、掬いの一歯202と第2ギヤ部211の歯部同士が面と面で接触することなく滑らかにガイドされる。同様に、第1ギヤ部における掬いの一歯202を最下部に停止させるときに、掬いの一歯202の歯山と隣り合う歯部209の歯山が軸心206に対して形成する角度をφとすると、掬いの一歯202は最下部から±φの角度範囲において停止されてもよい。
【0050】
このように、図11,21に示すように、第1ギヤ205に対して第2ギヤ210を上部から挿入させる場合、掬いの一歯202を上部にて停止させ、これと第2ギヤ部211の歯部を最初に接触させた後、第2ギヤ部211は掬いの一歯202を支点にして下方向に、すなわち第1ギヤの軸心に対する第2ギヤの軸心の挿入角度θが0°になる回転方向に回動を行う。また、図11,13に示すように、第1ギヤの軸の傾斜角度がθとなるように第1ギヤの軸に傾斜部208をつけることで、図13に示すように第1ギヤの軸の内側に第2ギヤの歯部が接触するため、第2ギヤを回動し過ぎないようにすることができる。ここで、第2ギヤの挿入角度θ=0°〜10°程度であることを考慮し、第1ギヤの軸の傾斜部208の傾斜角度θ=0°〜10°程度とし、第2ギヤの軸心の方向と第1ギヤの傾斜部を通る平面とが垂直になると好ましい。
【0051】
このように、第1ギヤの掬いの一歯と第2ギヤの歯部が接した後、第2ギヤは掬いの一歯を支点に回動を行い、例えば挿入角度θ=10°の状態からθ=0°の状態に到達する。挿入角度θ=0°の状態では、図21(iii)に示すように、第1ギヤ205の軸と第2ギヤ210の軸が一直線上に位置するため、第2ギヤを第1ギヤに押し込むことで、円滑にこれらの噛合いを行うことができる。
【0052】
図8に示すように、挿入する画像形成ユニット側の第2ギヤ部211が装置本体側の第1ギヤ部200の軸心に対して下向きの角度を持って挿入される場合においても、第1ギヤ205に対して第2ギヤ210を上部から挿入する場合と同様である。これにより、第1ギヤ部200の軸方向と第2ギヤ部211の軸方向とが同軸上ではなく、ある角度を持って手動でギヤ結合を行うとき、感光体側とこれを駆動する感光体駆動軸側とのギヤ結合を時間のバラツキなく円滑に行うことが可能になる。
【0053】
以上のように、画像形成ユニットの取付け時には、装置本体側に組み付けられた、掬いの一歯を有する第1ギヤの停止位置制御を行い、掬いの一歯を理想の着脱位置に配置後、画像形成ユニットを組み付ける。画像形成ユニットの再取付け後には、装置本体内部の制御により、再位相合わせ調整を行う。また、画像形成ユニットの取り外し時には掬いの一歯を有する第1ギヤの停止位置制御を行う必要はないが、取り外し後には第1ギヤの位置を制御して画像形成ユニットの再取付けに備える。
【0054】
以上、感光体ドラム側とこれを駆動する感光体駆動軸側とのギヤ結合に着目して本発明を説明したが、本発明はこれに限られず、装置本体に着脱可能な中間転写ユニットや、感光体ユニットに対して着脱可能な現像ユニットなどの他のユニットにおけるギヤ結合に適用してもよい。
【符号の説明】
【0055】
200 感光体駆動軸側の第1ギヤ部
201 歯部
202 他の歯部よりも長い歯部であって、軸の端部まで延在している一つの歯部(掬いの一歯)
203 フィラー
205 第1ギヤ
210 第2ギヤ
211 画像形成ユニット側の第2ギヤ部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【特許文献1】特開2004−94204号明細書
【特許文献2】特開2006−208916号明細書

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体側に設けられた駆動源からの駆動力を伝達する第1ギヤおよびこれに形成された第1ギヤ部と、
装置本体から着脱される画像形成ユニットに設けられ、当該第1ギヤ部に対して着脱可能な第2ギヤおよびこれに形成された第2ギヤ部とを有し、
前記第1ギヤ部の歯部と前記第2ギヤ部の歯部との連結により、前記駆動源から前記画像形成ユニットへ駆動力を伝達する画像形成装置において、
前記第1ギヤは、前記第1ギヤ部の回転方向の回転位置を検知するための被検知体を有し、
前記被検知体を検知するための位置検出センサが装置本体側に設けられ、
前記第1ギヤ部の歯部を構成する複数の歯部の内の一歯は、他の歯部よりも長く、当該第1ギヤ部の軸の端部まで延在しており、
前記画像形成ユニットを装置本体に対して装着する際、前記位置検出センサによる前記被検知体の検知によって、前記一歯は、前記複数の歯部の内で上部の位置に停止され、前記第2ギヤ部は、当該第2ギヤ部の軸心が前記第1ギヤ部の軸心に対して上向きの角度をなして前記第1ギヤ部の軸の端部まで到達したとき、前記第1ギヤ部の前記一歯と前記第2ギヤ部が連結されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
画像形成装置本体側に設けられた駆動源からの駆動力を伝達する第1ギヤおよびこれに形成された第1ギヤ部と、
装置本体から着脱される画像形成ユニットに設けられ、当該第1ギヤ部に対して着脱可能な第2ギヤおよびこれに形成された第2ギヤ部とを有し、
前記第1ギヤ部の歯部と前記第2ギヤ部の歯部との連結により、前記駆動源から前記画像形成ユニットへ駆動力を伝達する画像形成装置において、
前記第1ギヤは、前記第1ギヤ部の回転方向の回転位置を検知するための被検知体を有し、
前記被検知体を検知するための位置検出センサが装置本体側に設けられ、
前記第1ギヤ部の歯部を構成する複数の歯部の内の一歯は、他の歯部よりも長く、当該第1ギヤ部の軸の端部まで延在しており、
前記画像形成ユニットを装置本体に対して装着する際、前記位置検出センサによる前記被検知体の検知によって、前記一歯は、前記複数の歯部の内で下部の位置に停止され、前記第2ギヤ部は、当該第2ギヤ部の軸心が前記第1ギヤ部の軸心に対して下向きの角度をなして前記第1ギヤ部の軸の端部まで到達したとき、前記第1ギヤ部の前記一歯と前記第2ギヤ部が連結されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記一歯が停止される前記上部の位置は、前記第1ギヤの面と平行な前記第1ギヤ部の断面で見て、最上部に位置した前記一歯の歯山とこれに隣り合う歯部の歯山とが前記第1ギヤ部の軸心に対して形成する角度をφとして±φの角度範囲であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記一歯が停止される前記下部の位置は、前記第1ギヤの面と平行な前記第1ギヤ部の断面で見て、最下部に位置した前記一歯の歯山とこれに隣り合う歯部の歯山とが前記第1ギヤ部の軸心に対して形成する角度をφとして±φの角度範囲であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記被検知体は、前記第1ギヤに形成された突出部であり、当該突出部の両端部と前記一歯とが前記第1ギヤの延在する平面で見て鉛直方向の直線上に位置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記被検知体は、前記第1ギヤ部の軸心と同心に180°の角度にわたって延在している一部品であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記位置検出センサは光学センサであり、前記被検知体が前記位置検出センサからの光を遮ることで被検知体が検知されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1ギヤ部の軸の先端に傾きが付けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記一歯と、前記第1ギヤ部の軸の長さが最も短い箇所とが隣接し、これらが前記第1ギヤの面と平行な前記第1ギヤ部の断面で見て前記第1ギヤ部の軸心を通る直線上に位置することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1ギヤ部または前記第2ギヤ部の歯部の先端部が先細りになっていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1ギヤ部の軸の内側に面取り部が設けられることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記画像形成ユニットは、回転可能に設けられた像担持体としての感光体ドラム、当該感光体ドラムを帯電させる帯電ローラ、および当該感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーにより顕像化する現像ローラを備えたプロセスカートリッジであり、当該感光体ドラムの第2ギヤ部が、装置本体に設けられた駆動軸であって、前記感光体ドラムにギヤ結合により駆動力を伝達する第1ギヤ部としての感光体駆動軸に対して着脱されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記プロセスカートリッジは、4色のカートリッジが一体となった4連タンデムタイプであることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記プロセスカートリッジは、色毎に分離した単色カートリッジタイプであることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−59241(P2011−59241A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−206904(P2009−206904)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】