説明

画像形成装置

【課題】 現像装置内において劣化した現像剤を新しい現像剤に交換する場合等に、交換前の現像剤中におけるトナーを簡単に回収できるようにすると共に、多くのトナーが回収された際にも、回収されたトナーが詰まったりすることなく、適切に回収されて収容されるようにする。
【解決手段】 トナーとキャリアを含む現像剤Dを用いた現像装置10によって像担持体1にトナー像を形成し、このトナー像を転写体に転写させた後、像担持体に残留するトナーをトナー回収装置20により回収し、回収したトナーを戻し機構50により現像装置に戻す画像形成装置において、トナー回収装置によって回収したトナーを収容させる回収トナー貯蔵槽60を戻し機構とは別に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機,プリンタ,ファクシミリ及びこれらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置であって、トナーとキャリアを含む現像剤を現像剤担持体により像担持体に導いて現像剤中のトナーを像担持体に供給し、像担持体にトナー像を形成する現像装置と、像担持体に形成されたトナー像を転写体に転写させる転写装置と、トナー像を転写させた後の像担持体の表面に残留するトナーを回収するトナー回収装置と、このトナー回収装置内において回収されたトナーを搬送させる回収トナー搬送部材と、回収トナー搬送部材によって搬送されたトナーを現像装置に戻す戻し搬送機構と、を備えた画像形成装置に関するものである。特に、上記のような画像形成装置において、現像装置内における現像剤中のキャリアが劣化して、現像剤を新しい現像剤に交換する場合等に、交換前の現像剤中におけるトナーを簡単に回収できるようにすると共に、多くのトナーが回収された際にも、回収されたトナーがトナー回収装置や戻し搬送機構に詰まったりすることなく適切に回収されるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機,プリンタ,ファクシミリ及びこれらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置においては、一般に、静電潜像が形成された像担持体に現像装置からトナーを供給して、像担持体の表面に静電潜像に対応したトナー像を形成するようにしている。
【0003】
ここで、上記の現像装置としては、現像剤にトナーだけを使用した一成分現像方式の現像装置と、トナーとキャリアを含む現像剤を使用した二成分現像方式の現像装置とが知られており、トナーを速やかに適切に帯電させて高速の画像形成を行う点からは、トナーとキャリアを含む現像剤を使用した二成分現像方式の現像装置が優れている。
【0004】
そして、上記の二成分現像方式の現像装置において、像担持体に形成された静電潜像にトナーを供給して現像を行うにあたっては、一般に、トナーとキャリアを含む現像剤を混合攪拌させて、キャリアとの接触により現像剤中のトナーを帯電させ、このようにトナーが帯電された現像剤を現像剤担持体に保持させて像担持体と対向する現像位置に導き、この現像剤担持体に保持された現像剤中のトナーを像担持体に供給し、像担持体の表面に静電潜像に対応したトナー像を形成するようにしている。
【0005】
また、上記のようにして現像剤中のトナーを像担持体に供給した結果、現像剤中におけるトナーの量が減少した場合には、トナー補給機構によってトナーを現像装置に補給させるようにする。
【0006】
そして、このように現像装置からトナーを供給して、像担持体の表面に静電潜像に対応したトナー像を形成した後は、像担持体に形成されたトナー像を転写装置により記録媒体や中間転写ベルト等の転写体に転写させ、トナー像が転写された後の像担持体の表面に残留するトナーを、トナー回収装置によって像担持体の表面から回収するようにしている。
【0007】
また、近年においては、このようにトナー回収装置によって回収されたトナーを有効に利用するため、トナー回収装置により回収されたトナーをトナー回収装置内に設けられた回収トナー搬送部材により搬送させて戻し搬送機構に導き、この戻し搬送機構によって回収されたトナーを現像装置に戻すようにしたものが提案されている。
【0008】
例えば、特許文献1に示されるように、トナー回収装置によって回収されたトナーを搬送手段により回収トナー収容部に搬送して収容させ、この回収トナー収容部と、新たなトナーが収容された新トナー収容部とから、回収されたトナーと新たなトナーとを適当な割合で現像装置に供給して現像に使用するようにしたものが提案されている。また、この特許文献1のものにおいては、この回収トナー収容部に回収されたトナーの量が所定容量を超えた場合には、回収されたトナーを搬送させる経路を回収トナー収容部から新たなトナーが収容された新トナー収容部に切り換え、回収トナー収容部に回収されたトナーに圧力などが加わって、回収されたトナーが凝集したりするのを防止することが提案されている。
【0009】
また、上記のような二成分現像方式の現像装置において、長期にわたって現像剤を使用すると、現像剤中におけるキャリアが次第に劣化してトナーを適切に帯電させることができなくなり、適切な画像形成が行えなくなるという問題が生じた。
【0010】
このため、近年においては、上記のようにキャリアが劣化した現像装置内における現像剤を新しい現像剤に交換したり、現像装置自体を新しい現像装置に交換することが行われている。
【0011】
しかし、このようにキャリアが劣化した現像装置内における現像剤を新しい現像剤に交換したり、現像装置自体を新しい現像装置に交換したりする場合、交換前の現像剤中にはまだ使用できるトナーが多く残っており、このように交換前の現像剤中に残っているトナーが無駄になるという問題があった。
【0012】
このため、特許文献2に示されるように、上記のような現像装置に、回収する現像剤からトナーを分離させる分離手段として、現像剤回収部とトナー回収部とを設け、現像剤回収スリーブにトナーと逆極性の電荷を印加させて、回収する現像剤からトナーを分離させ、分離させたトナーをリサイクルさせるようにしたものが提案されている。
【0013】
しかし、このように回収する現像剤からトナーを分離させる分離手段として、現像装置に現像剤回収部とトナー回収部とを設け、現像剤回収スリーブにトナーと逆極性の電荷を印加させて、回収する現像剤からトナーを分離させるようにする場合、現像装置に多くの設備が必要になってコストが高くつくと共に、現像装置が大型化するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許第3352399号公報
【特許文献2】特許第3581720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、現像装置内におけるトナーとキャリアを含む現像剤を現像剤担持体により像担持体に導き、この現像剤担持体から現像剤中のトナーを像担持体に供給してトナー像を形成し、このトナー像を転写体に転写させた後、像担持体の表面に残留するトナーをトナー回収装置により回収し、回収されたトナーを戻し搬送機構により搬送させて現像装置に戻すようにした画像形成装置における上記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0016】
すなわち、本発明は、上記のような画像形成装置において、現像装置内における現像剤中のキャリアが劣化して、現像剤を新しい現像剤に交換する場合等に、交換前の現像剤中におけるトナーを簡単に回収できるようにすると共に、多くのトナーが回収された際にも、回収されたトナーがトナー回収装置や戻し搬送機構に詰まったりすることなく、適切に回収されて収容されるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明においては、上記のような課題を解決するため、トナーとキャリアを含む現像剤を現像剤担持体により像担持体に導いて現像剤中のトナーを像担持体に供給し、像担持体にトナー像を形成する現像装置と、像担持体に形成されたトナー像を転写体に転写させる転写装置と、トナー像を転写させた後の像担持体の表面に残留するトナーを回収するトナー回収装置と、回収されたトナーをこのトナー回収装置内において搬送させる回収トナー搬送部材と、回収トナー搬送部材により搬送されたトナーを現像装置に戻す戻し搬送機構と、を備えた画像形成装置において、上記の戻し搬送機構と別に、上記の回収トナー搬送部材によって搬送されるトナーを収容させる回収トナー貯蔵槽を設けた。
【0018】
そして、この画像形成装置においては、例えば、現像装置内における現像剤を交換する前又は現像装置自体を交換する前に、現像剤担持体から像担持体に供給されたトナーを転写体に転写させないようにしてトナー回収装置により回収し、回収されたトナーを回収トナー搬送部材により戻し搬送機構とは別に設けられた回収トナー貯蔵槽に搬送させて収容させ、現像装置内における現像剤中のトナーを回収トナー貯蔵槽に回収せるトナー回収動作を行うことができる。
【0019】
ここで、トナー回収装置によって回収されたトナーを搬送させる回収トナー搬送部材としては、回転して回収されたトナーを搬送させる回収トナー搬送スクリュウを用いることができ、この回収トナー搬送スクリュウの回転方向を切り換えて、トナー回収装置によって回収されたトナーを上記の戻し搬送機構と回収トナー貯蔵槽との何れに搬送させるかを切り換えることができる。
【0020】
また、この画像形成装置においては、現像装置にトナーを補給させるトナー補給機構を設け、上記の回収トナー貯蔵槽に収容されたトナーを、回収トナー供給機構により上記のトナー補給機構に供給させるようにすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明における画像形成装置においては、トナー回収装置によってトナー像を転写させた後の像担持体の表面から回収したトナーを回収トナー搬送部材により搬送させるにあたり、回収したトナーを現像装置に戻す戻し搬送機構に導く他に、回収トナー貯蔵槽に導くようにした。
【0022】
このため、現像装置内における現像剤中のキャリアが劣化し、現像装置内における現像剤を新しい現像剤に交換したり、現像装置自体を交換したりする場合等においては、現像剤担持体から像担持体に供給されたトナーを転写体に転写させないようにして、像担持体の表面からトナー回収装置によってトナーを回収し、回収したトナーを、上記の回収トナー搬送部材により戻し搬送機構とは別に設けられた回収トナー貯蔵槽に導き、この回収トナー貯蔵槽に収容させることができる。
【0023】
この結果、キャリアが劣化した交換前の現像剤中におけるトナーが、現像装置内からこの回収トナー貯蔵槽に適切に回収されて収容され、現像装置内における交換前の現像剤中のトナーが次第に減少し、現像剤を新しい現像剤に交換する場合等に、特別な装置を設けなくても、交換前の現像剤中におけるトナーを効率よく回収して、トナーが無駄に廃棄されるのを簡単に防止できるようになると共に、トナー回収装置によって回収されたトナーが、トナー回収装置や戻し搬送機構に溜まって詰まるということもなくなる。
【0024】
また、現像装置にトナーを補給させるトナー補給機構を設け、上記の回収トナー貯蔵槽に収容されたトナーを、回収トナー供給機構によってトナー補給機構に供給させるようにすると、回収トナー貯蔵槽に収容されたトナーがトナー補給機構を通して現像装置に供給されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、像担持体に形成されたトナー像を転写体に転写させて画像形成を行い、トナー回収装置によって回収されたトナーを戻し搬送機構により現像装置に戻す状態を示した概略説明図である。
【図2】上記の実施形態の画像形成装置において、トナー回収装置によって回収されたトナーを、回収トナー搬送スクリュウにより戻し搬送機構における戻し搬送路に導く状態を示した部分断面説明図である。
【図3】上記の実施形態の画像形成装置において、像担持体に供給されたトナーを転写体に転写させないようにしてトナー回収装置によって回収し、トナー回収装置によって回収されたトナーを回収トナー貯蔵槽に収容させる状態を示した概略説明図である。
【図4】上記の実施形態の画像形成装置において、トナー回収装置によって回収されたトナーを、回収トナー搬送スクリュウにより戻し搬送機構と反対側に搬送して回収トナー貯蔵槽に収容させる状態を示した部分断面説明図である。
【図5】上記の実施形態の画像形成装置において、像担持体に形成されたトナー像を転写体に転写させて画像形成を行うと共に、回収トナー貯蔵槽に収容されたトナーを、回収トナー供給機構によりトナー補給機構に供給する状態を示した概略説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
ここで、本発明の実施形態に係る画像形成装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る画像形成装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0027】
この実施形態の画像形成装置においては、図1に示すように、回転する感光体ドラムからなる像担持体1の表面を帯電装置2によって帯電させた後、この像担持体1の表面にレーザ等を用いた潜像形成装置3により画像情報に応じた露光を行い、この像担持体1の表面に静電潜像を形成するようにしている。
【0028】
そして、トナーとキャリアとを含む現像剤Dを収容させた現像装置10から現像剤D中のトナーを、上記の像担持体1の表面に形成された静電潜像の部分に供給して、像担持体1の表面に静電潜像に対応するトナー像を形成するようにしている。
【0029】
次いで、このように像担持体1の表面に形成されたトナー像を、ローラ状になった転写装置4と対向する位置に導くと共に、この像担持体1と転写装置4との間に記録シートや中間転写ベルト等の転写体5を導き、像担持体1の表面に形成されたトナー像を転写装置4により転写体5に転写させるようにしている。
【0030】
そして、転写後における像担持体1の表面に、トナー回収装置20に設けられたクリーニング部材21の端部を圧接させ、像担持体1の表面に残留しているトナーを、このクリーニング部材21によって像担持体1の表面から除去してトナー回収装置20内に回収するようにしている。
【0031】
また、このようにトナー回収装置20内に回収されたトナーを、このトナー回収装置20内に設けられた回収トナー搬送スクリュウ(回収トナー搬送部材)22を回転させて搬送させるようにしている。
【0032】
ここで、上記の現像装置10においては、回転するローラ状になったる現像剤担持体11を、上記の像担持体1と対向するようにして回転可能に設けると共に、この現像装置10の内部に現像剤担持体11の軸方向に沿った隔壁12を設け、この隔壁12により第1現像剤搬送部13と第2現像剤搬送部14とに分離させ、この第1現像剤搬送部13と第2現像剤搬送部14とに、現像剤Dを混合攪拌させながら搬送させる第1攪拌搬送部材13aと第2攪拌搬送部材14aを設けている。
【0033】
そして、上記の第1攪拌搬送部材13aと第2攪拌搬送部材14aとを回転させ、第1現像剤搬送部13においては、現像剤Dを現像剤担持体11に沿って搬送させると共に現像剤担持体11に現像剤Dを供給する一方、第2現像剤搬送部14においては、現像剤Dを第1現像剤搬送部13と逆方向に搬送させ、上記の隔壁12の両端に設けられた循環口(図示せず)を通して、現像剤Dを上記の第1現像剤搬送部13との間で循環させるようにしている。
【0034】
ここで、この現像装置10において、上記のように現像剤D中のトナーを像担持体1の表面に形成された静電潜像の部分に供給して、像担持体1の表面に静電潜像に対応するトナー像を形成するにあたっては、現像剤担持体11を回転させて、保持された現像剤Dを像担持体1に向けて搬送させると共に、このように現像剤担持体11に保持されて像担持体1に搬送される現像剤Dの量を、現像剤担持体11と所要間隔を介して対向するように設けられた規制部材15により規制するようにしている。
【0035】
そして、このように規制された現像剤Dを現像剤担持体11によって像担持体1と対向する位置に導くと共に、制御装置30により、バイアス電源16から現像剤担持体11と像担持体1との間に適切な現像バイアス電圧を印加させて、現像剤D中のトナーを、像担持体1の表面に形成された静電潜像の部分に供給し、像担持体1の表面に静電潜像に対応するトナー像を形成するようにしている。
【0036】
また、この現像装置10においては、上記の第2現像剤搬送部14に現像剤D中におけるトナーの量を検知するトナー濃度センサー17を設けており、上記のように像担持体1の表面に現像剤D中のトナーを供給した結果、現像剤D中におけるトナーの量が減少した場合には、これをトナー濃度センサー17によって検知し、この検知結果を制御装置30に出力するようにしている。
【0037】
そして、現像剤D中におけるトナーの量が所定量以下になった場合には、この制御装置30によりトナー補給機構40を作動させ、新しいトナーが収容されたトナーカートリッジ41から新しいトナーをトナー補給搬送路42に供給し、このトナー補給搬送路42内に設けられたスクリュウ部材からなるトナー搬送部材43を回転装置44により回転させて、トナー補給搬送路42内に補給されたトナーを搬送させ、このトナーをトナー補給搬送路42と上記の第2現像剤搬送部14との間に設けられたトナー補給口45に導き、このトナー補給口45を通して新しいトナーを現像装置10内に補給させるようにしている。
【0038】
また、上記のようにトナー回収装置20内に回収されたトナーを、戻し搬送機構50により現像装置10に戻すにあたっては、図1及び図2に示すように、トナー回収装置20内に設けられた上記の回収トナー搬送スクリュウ22を所定の回転方向に回転させて、トナー回収装置20内に回収されたトナーを戻し搬送機構50における戻し搬送路51に向けて搬送させ、回収されたトナーを上記の回収トナー搬送スクリュウ22に設けられた送り羽根23により戻し搬送路51内に導くようにする。
【0039】
そして、この戻し搬送路51内に設けられた戻しスクリュウ部材52を回転させて、戻し搬送路51内に導かれた上記のトナーを、この戻しスクリュウ部材52により戻し搬送路51内を搬送させ、前記のトナー補給搬送路42との間に設けられた回収トナー導入口53に導き、この回収トナー導入口53を通して、回収されたトナーをトナー補給搬送路42に導くようにする。
【0040】
そして、このように戻し搬送路51からトナー補給搬送路42に導かれた上記のトナーを、トナーカートリッジ41から補給された新しいトナーと同様に、トナー補給搬送路42内に設けられたトナー搬送部材43により搬送させ、このトナーをトナー補給搬送路42と上記の第2現像剤搬送部14との間に設けられたトナー補給口45を通して、現像装置10内に戻すようにしている。
【0041】
ここで、上記のようにして現像装置10により現像を続けて行うと、現像剤Dが上記の第1攪拌搬送部材13aや第2攪拌搬送部材14aにより混合攪拌されて、この現像剤D中のキャリアが次第に劣化し、現像剤D中のトナーが適切に帯電されなくなったりして、適切な画像形成が行えなくなるため、現像剤D中のキャリアが劣化した場合には、現像装置10内における現像剤Dを新しい現像剤Dに交換させたり、現像装置10自体を新しい現像装置10に交換するようにしている。
【0042】
そして、この実施形態の画像形成装置においては、上記のように現像装置10内における現像剤Dを新しい現像剤Dに交換したり、現像装置10自体を新しい現像装置10に交換したりする前に、現像装置10内におけるキャリアが劣化した現像剤D中のトナーを上記のトナー回収装置20によって回収するトナー回収動作を行うようにしている。
【0043】
ここで、この実施形態の画像形成装置において、現像装置10内における現像剤D中のトナーを回収するトナー回収動作を行うにあたっては、図3に示すように、上記のように像担持体1の表面を帯電装置2によって帯電させた後、この像担持体1の表面に潜像形成装置3により露光を行い、この像担持体1の表面にトナーが多く供給されるベタ画像等の静電潜像を形成する。
【0044】
そして、このように像担持体1の表面に形成された静電潜像に、上記の現像装置10から現像剤D中のトナーを供給するにあたっては、像担持体1の表面に現像剤D中のトナーが効率よく供給されるように、この実施形態においては、バイアス電源16から現像剤担持体11と像担持体1との間に印加させる現像バイアス電圧を上記の制御装置30によって制御し、通常の画像形成時における現像バイアス電圧よりもトナーを像担持体1に供給する方向に高くなった現像バイアス電圧を印加させるようにしている。
【0045】
また、上記のように像担持体1の表面にトナーを供給した後は、図3に示すように、トナーが供給された像担持体1と転写装置4との間に転写体5を導かないようにして、像担持体1と転写装置4とを離間させ、像担持体1の表面に供給されたトナーを、転写体5に転写させずにトナー回収装置20に導くようにする。
【0046】
そして、このトナー回収装置20において、上記のように像担持体1の表面に供給されたトナーをクリーニング部材21によって像担持体1の表面から回収すると共に、図3及び図4に示すように、このトナー回収装置20内に設けられた上記の回収トナー搬送スクリュウ22を、上記の画像形成時とは逆方向に回転させて、トナー回収装置20内に回収されたトナーを、この回収トナー搬送スクリュウ22により戻し搬送路51とは逆方向に向けて搬送させて回収トナー貯蔵槽60に導き、この回収トナー貯蔵槽60内に回収されたトナーを収容させるようにする。
【0047】
このようにすると、現像装置10内に収容された現像剤D中のトナーが順々に像担持体1に供給されてトナー回収装置20により回収され、このトナーが回収トナー貯蔵槽60内に収容されて、現像装置10内に収容された現像剤D中のトナーが次第に減少するようになる。
【0048】
そして、このように現像剤D中に残存するトナーの量が減少し、前記のトナー濃度センサー17によって検知された現像剤D中にトナー濃度が所定濃度以下になった場合には、この検知結果を制御装置30に出力し、この状態で、現像装置10内における現像剤Dを新しい現像剤Dに交換させたり、現像装置10自体を新しい現像装置10に交換させるようにする。このようにすると、交換前の現像剤D中におけるトナーの量が減少して、無駄に廃棄されるトナーの量が非常に少なくなる。
【0049】
また、上記のように現像装置10内における現像剤Dを新しい現像剤Dに交換したり、現像装置10自体を新しい現像装置10に交換した後は、上記の回収トナー貯蔵槽60内に収容されたトナーを、回転するスクリュウ部材(図示せず)等が設けられた回収トナー供給機構61により前記のトナーカートリッジ41に供給し、このトナーカートリッジ41に収容された新しいトナーと一緒に前記のトナー補給搬送路42を通して現像装置10に供給させるようにする。このようにすると、前記のようにトナー回収装置20により回収されて回収トナー貯蔵槽60内に収容された交換前の現像剤D中に残存するトナーが有効に利用されるようになる。
【0050】
なお、この実施形態においては、回収トナー貯蔵槽60内に収容されたトナーを、回収トナー供給機構61によりトナーカートリッジ41に供給するようにしたが、回収トナー貯蔵槽60内に収容されたトナーを、回収トナー供給機構61によりトナー補給搬送路42に直接供給させるようにすることもできる。
【符号の説明】
【0051】
1 像担持体
2 帯電装置
3 潜像形成装置
4 転写装置
5 転写体
10 現像装置
11 現像剤担持体
12 隔壁
13 第1現像剤搬送部
13a 第1攪拌搬送部材
14 第2現像剤搬送部
14a 第2攪拌搬送部材
15 規制部材
16 バイアス電源
17 トナー濃度センサー
20 トナー回収装置
21 クリーニング部材
22 回収トナー搬送スクリュウ(回収トナー搬送部材)
23 送り羽根
30 制御装置
40 トナー補給機構
41 トナーカートリッジ
42 トナー補給搬送路
43 トナー搬送部材
44 回転装置
45 トナー補給口
50 戻し搬送機構
51 戻し搬送路
52 戻しスクリュウ部材
53 回収トナー導入口
60 回収トナー貯蔵槽
61 回収トナー供給機構
D 現像剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーとキャリアを含む現像剤を現像剤担持体により像担持体に導いて現像剤中のトナーを像担持体に供給し、像担持体にトナー像を形成する現像装置と、像担持体に形成されたトナー像を転写体に転写させる転写装置と、トナー像を転写させた後の像担持体の表面に残留するトナーを回収するトナー回収装置と、回収されたトナーをこのトナー回収装置内において搬送させる回収トナー搬送部材と、回収トナー搬送部材により搬送されたトナーを現像装置に戻す戻し搬送機構と、を備えた画像形成装置において、上記の戻し搬送機構とは別に、上記の回収トナー搬送部材によって搬送されるトナーを収容させる回収トナー貯蔵槽を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、現像剤担持体から像担持体に供給されたトナーを転写体に転写させないようにしてトナー回収装置により回収し、回収されたトナーを回収トナー搬送部材により戻し搬送機構とは別に設けられた回収トナー貯蔵槽に搬送させて収容させ、現像装置内における現像剤中のトナーを回収トナー貯蔵槽に回収せるトナー回収動作を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、上記のトナー回収動作を、現像装置内における現像剤を交換する前又は現像装置自体を交換する前に行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置において、上記の回収トナー搬送部材に、回転して回収されたトナーを搬送させる回収トナー搬送スクリュウを用い、この回収トナー搬送スクリュウの回転方向を切り換えて、トナー回収装置によって回収されたトナーを上記の戻し搬送機構と回収トナー貯蔵槽との何れに搬送させるかを切り換えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の画像形成装置において、上記の現像装置にトナーを補給させるトナー補給機構が設けられ、上記の回収トナー貯蔵槽に収容されたトナーを、このトナー補給機構に供給する回収トナー供給機構を設けたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−168360(P2012−168360A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29480(P2011−29480)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】