説明

画像表示装置、プリンタ、画像表示方法及び画像表示プログラム

【課題】 第二種データが関連付けられている第一種データに対応する識別子であるか否かを画面上で識別できるとともに、第一種データと当該第一種データに関連付けられている第二種データとに基づく画像がどのような画像であるかを印刷することなく確認可能な画像表示装置、プリンタ、画像表示方法及び画像表示プログラムを提供する。
【解決手段】 本発明の画像表示装置は、第二種データが関連付けられている第一種データに対応する識別子と関連付けられていない第一種データに対応する識別子とを識別可能に画面に表示する識別子表示手段と、表示されている識別子の選択を受け付ける選択受付手段と、選択された識別子に対応する第一種データであって第二種データが関連付けられている第一種データと当該第一種データに関連付けられている第二種データとに基づいて前記画面に画像を表示する画像表示手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像表示装置、プリンタ、画像表示方法及び画像表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
第一種データに対応する識別子を画面に表示し、表示している識別子の選択を受け付け、選択された識別子に対応する第一種データに基づいて印刷媒体に画像を印刷する印刷装置が知られている。ここで第一種データとは具体的には例えば画像データである。識別子とは、ユーザがそれを見て第一種データを特定できる情報あるいは第一種データが表す内容を把握できる情報であり、具体的には例えば第一種データが画像データであれば画像データを格納しているファイルのファイル名やパス名、あるいは画像データが表す画像の縮小画像などである。
【0003】
こうした印刷装置の中には、第二種データが関連付けられている第一種データの識別子と第二種データが関連付けられていない第一種データの識別子とを識別可能に表示するものがある。具体的には例えば、第一種データが画像データであり、第二種データが画像データのトリミング領域を指定する処理パラメータであり、印刷装置が画像データを処理パラメータに基づいてトリミングして印刷する場合において、処理パラメータが関連付けられている画像データに対応する識別子にのみ所定のマークを付けて表示するものがある。マークを付けて表示することにより、ユーザは第二種データが関連付けられている第一種データの識別子と第二種データが関連付けられていない第一種データの識別子とを識別することができる。
【0004】
上述した例の場合、ユーザはマークが付されている識別子を選択するとトリミングされた画像が印刷されることを印刷前に知ることができる。このため、例えば画像データが表す画像全体が印刷されるというユーザの予想に反してその一部しか印刷されず、それによりユーザが混乱するなどといったことを防止できる。
【0005】
【特許文献1】国際公開第03/085510号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の印刷装置によると、第二種データが関連付けられている第一種データに対応する識別子であるか否かを画面上で識別できるものの、第一種データと当該第一種データに関連付けられている第二種データとに基づく画像がどのような画像であるかは実際に印刷してみなければ確認できないという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる問題に鑑みて創作されたものであって、第二種データが関連付けられている第一種データに対応する識別子であるか否かを画面上で識別できるとともに、第一種データと当該第一種データに関連付けられている第二種データとに基づく画像がどのような画像であるかを印刷することなく確認可能な画像表示装置、プリンタ、画像表示方法及び画像表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像表示装置は、第二種データが関連付けられている第一種データに対応する識別子と第二種データが関連付けられていない第一種データに対応する識別子とを識別可能に画面に表示する識別子表示手段と、前記識別子表示手段によって表示されている識別子の選択を受け付ける選択受付手段と、前記選択受付手段で選択された識別子に対応する第一種データであって第二種データが関連付けられている第一種データと当該第一種データに関連付けられている第二種データとに基づいて前記画面に画像を表示する画像表示手段と、を備える。この画像表示装置によると、第二種データが関連付けられている第一種データに対応する識別子であるか否かを画面上で識別できる。また、第一種データと当該第一種データに関連付けられている第二種データとに基づく画像が画面に表示されるため、第一種データと当該第一種データに関連付けられている第二種データとに基づく画像がどのような画像であるかを印刷することなく確認できる。
【0009】
さらに本発明に係る画像表示装置では、前記識別子表示手段は、前記第二種データが関連付けられている前記第一種データに対応する識別子にのみ所定のマークを付して表示することにより識別可能に表示する。この画像表示装置によると、第二種データが関連付けられている第一種データに対応する識別子であるか否かをマークにより識別できる。
【0010】
さらに本発明に係る画像表示装置では、前記第一種データは画像データであり、前記第二種データは任意の画像と合成する部品画像を指定するテンプレートデータであり、前記画像表示手段は、画像データが表す画像にテンプレートデータで指定されている部品画像を合成して表示する。この画像表示装置によると、画像データが表す画像にテンプレートデータで指定されている部品画像を合成した画像を表示できる。
【0011】
さらに本発明に係る画像表示装置では、前記識別子は、前記第一種データが表す画像の縮小画像である。識別子として縮小画像を表示すると、ユーザは第一種データが表す画像を把握できるため選択が容易になる。
さらに本発明に係る画像表示装置では、各前記第一種データ及び各前記第二種データはそれぞれ独立したファイルに格納されている。
【0012】
さらに本発明に係る画像表示装置では、前記第一種データが格納されているファイルに前記第二種データが格納されているファイルを特定可能な情報を格納することによって前記第一種データに前記第二種データが関連付けられる。
さらに本発明に係る画像表示装置では、画像を表示する指示を受け付ける第一の指示受付手段を更に備え、前記画像表示手段は、前記選択受付手段で識別子の選択を受け付けた後、前記第一の指示受付手段で画像を表示する指示を受け付けると前記画像を表示する。この画像表示装置によると、ユーザは選択しても気に入らなければ指示を行わないことにより表示しないようにすることができる。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係るプリンタは、請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像表示装置と、前記選択受付手段で選択された前記第一種データであって前記第二種データが関連付けられている前記第一種データと、当該第一種データに関連付けられている第二種データとに基づいて印刷媒体に画像を印刷する画像印刷手段と、を備える。このプリンタによると、第一種データと当該第一種データに関連付けられている第二種データとに基づく画像がどのような画像であるかを印刷することなく確認でき、また当該画像を印刷することができる。
【0014】
さらに本発明に係るプリンタでは、画像を印刷する指示を受け付ける第二の指示受付手段を更に備え、前記画像印刷手段は、前記選択受付手段で識別子の選択を受け付けた後、前記第二の指示受付手段で画像を印刷する指示を受け付けると前記画像を印刷する。このプリンタによると、ユーザは選択しても気に入らなければ指示を行わないことにより印刷しないようにすることができる。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像表示方法は、第二種データが関連付けられている第一種データに対応する識別子と第二種データが関連付けられていない第一種データに対応する識別子とを識別可能に画面に表示する識別子表示段階と、前記識別子表示段階で表示された識別子の選択を受け付ける選択受付段階と、前記選択受付段階で選択された識別子に対応する第一種データであって第二種データが関連付けられている第一種データと当該第一種データに関連付けられている第二種データとに基づいて前記画面に画像を表示する画像表示段階と、を含む。この画像表示方法によると、第一種データと当該第一種データに関連付けられている第二種データとに基づく画像がどのような画像であるかを印刷することなく確認できる。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像表示プログラムは、第二種データが関連付けられている第一種データに対応する識別子と第二種データが関連付けられていない第一種データに対応する識別子とを識別可能に画面に表示する識別子表示手段と、前記識別子表示手段によって表示されている識別子の選択を受け付ける選択受付手段と、前記選択受付手段で選択された識別子に対応する第一種データであって第二種データが関連付けられている第一種データと当該第一種データに関連付けられている第二種データとに基づいて前記画面に画像を表示する画像表示手段としてコンピュータを機能させる。この画像表示プログラムによると、第一種データと当該第一種データに関連付けられている第二種データとに基づく画像がどのような画像であるかを印刷することなく確認できる。
【0017】
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明する。
図2(A)は、本発明の一実施例に係るプリンタ1の外観を示す斜視図である。プリンタ1はパーソナルコンピュータ等による制御を必要とせず、画像データが表す画像を単独で印刷可能な所謂スタンドアロン型プリンタである。図示するようにプリンタ1のハウジング10には操作部11、LCD12a、カードスロット19aなどが設けられている。操作部11には上ボタン、下ボタン、決定ボタン、戻るボタン、印刷ボタン、中止ボタンなどの各種の操作ボタンが設けられている。LCD12aの画面には種々の設定を行うためのメニューが表示され、表示されたメニューは上述した各種の操作ボタンによって操作される。カードスロット19aはハウジング10の内部に設けられたメモリ読み書き部19にリムーバブルメモリ20を接続するための開口である。
【0019】
図2(B)は、プリンタ1のハードウェア構成を示すブロック図である。
制御部15は、CPU16、フラッシュメモリ18、及びワークメモリ17を備える。CPU16はフラッシュメモリ18に記憶されているプログラムを実行してプリンタ1の全体を制御する。また、CPU16はフラッシュメモリ18に記憶されている画像表示プログラムを実行することで識別子表示手段、選択受付手段、画像表示手段、第一の指示受付手段、第二の指示受付手段、及び画像印刷手段としても機能する。特許請求の範囲に記載の画像表示装置は制御部15に相当する。フラッシュメモリ18は各種のプログラムやデータを記憶しているメモリであり、ワークメモリ17は各種のプログラムやデータを一時的に記憶するメモリである。これら各種のプログラムやデータは所定のサーバからネットワークを介してダウンロードして入力してもよいし、リムーバブルメモリ20等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から読み出して入力してもよい。
【0020】
メモリ読み書き部19は、リムーバブルメモリ20が脱着自在に接続される接続端子、メモリコントローラなどを備える。リムーバブルメモリ20は電源が切れても記憶内容が失われないフラッシュメモリなどのような不揮発性メモリである。なお、リムーバブルメモリ20はフレキシブルディスク、CD−ROMなどであってもよい。また、本実施例のプリンタ1はメモリ読み書き部19に接続されたリムーバブルメモリ20を読み書きするが、ネットワークに接続されている外部記憶装置が備えるハードディスクをネットワーク経由で読み書きするようにしてもよい。
【0021】
画像表示手段としての表示部12は、ディスプレイコントローラ、LCD12aなどを備える。ディスプレイコントローラは制御部15によって制御され、LCD12aにメニューやその他各種の情報を表示する。
画像印刷手段としての画像処理部13は、ワークメモリ17に記憶された画像データに基づいて印刷データを作成するASICである。画像処理部13は、具体的には例えばJPEG規格で圧縮されている画像データの伸張、伸張された画像データの色空間の変換、ガンマ補正、カラーバランス調整、シャープネス調整、コントラスト調整、画像データの解像度を印刷解像度に変換する解像度変換、画像データを2値化する2値化処理、2値化された画像データをプリンタエンジン14に転送すべき順序に並べ替えて印刷データを生成するインターレース処理などを制御部15と協働して実行する。尚、これらの処理を制御部15と画像処理部13とのいずれで行うかは適宜選択し得る設計事項である。
【0022】
画像印刷手段としてのプリンタエンジン14は、画像処理部13で生成された印刷データに基づいて紙等の印刷媒体に画像を印刷する。プリンタエンジン14は印字ヘッドを搭載するキャリッジ、キャリッジを往復移動させる駆動機構、印刷媒体を搬送する搬送機構などで構成され、それらは制御部15によって制御される。キャリッジには印字ヘッドの他に印字ヘッドが吐出するインクを蓄える複数のインクタンクが色毎に搭載されている。尚、プリンタエンジン14は例えばレーザ方式やドットインパクト方式で画像を印刷するものであってもよい。
【0023】
次に、第一種データを格納しているファイルについて説明する。本実施例では第一種データとして画像データを例に説明する。
図3は、第一種データとしての画像データを格納しているファイル(以下「画像ファイル」という)のファイル構造を示す模式図である。画像ファイルはヘッダ領域21及び画像データ領域22を含んでいる。ヘッダ領域21は画像データ領域22の先頭アドレスを示すポインタ、第二種データが格納されているファイルを特定可能な情報としてのUUID、その他、作成日付、画像サイズなどのヘッダ情報が記録される領域である。UUIDは重複しないことが保証されている値であるため、UUIDを用いると第二種データが格納されているファイルを一意に特定することが可能になる。なお、ファイル名やパス名で第二種データが格納されているファイルを一意に特定できる場合はUUIDに代えてファイル名やパス名を格納するようにしてもよい。UUIDが格納されていない場合はその画像データには第二種データが関連付けられていないことを意味している。画像データ領域22は画像データが記録される領域である。表示の際にはヘッダ領域21からポインタを読み込むことで画像データ領域22の先頭アドレスを特定でき、それにより画像データを読み込むことができる。画像ファイルのファイル形式はUUIDを格納可能な形式であればよく、例えばTIFF形式やExif形式を画像ファイルのファイル形式として用いることができる。本実施例ではExif形式の画像ファイル(以下「Exifファイル」という)を例に説明する。
【0024】
次に、第二種データを格納しているファイルについて説明する。本実施例では第二種データとしてテンプレートデータを例に説明する。
図4は、第二種データとしてのテンプレートデータを格納しているファイル(以下「テンプレートファイル」という)のファイル構造を示す模式図である。テンプレートファイルは、ヘッダ領域25及びスクリプト領域26を含んでいる。ヘッダ領域25はスクリプト領域26の先頭アドレスを示すポインタ、当該テンプレートファイルに付与されたUUID、その他、作成日付などのヘッダ情報が記録される領域である。スクリプト領域26は、レイアウト定義データや、第二種データとしてのテンプレートデータなどが記録される領域である。テンプレートデータとは任意の画像データが表す画像と合成する部品画像を指定するデータであり、具体的には部品画像を表す部品画像データを格納している部品画像ファイルのファイル名あるいはパス名などである。部品画像ファイルのURLでもよい。レイアウト定義データとは画像データの再生レイアウトを規定するデータであり、具体的には印刷用紙のサイズ(例えば「はがき」)、印刷用紙の向きを規定する情報(例えば「縦長」)、Exifファイルに格納されている画像データが表す画像を配置する枠(画像枠)を規定する情報(例えば枠の右上座標「(x1,y1)」と枠の左下座標「(x2,y2)」)、部品画像ファイルに格納されている部品画像データが表す部品画像を配置する枠(部品画像枠)を規定する情報(例えば枠の右上座標「(x3,y3)」と枠の左下座標「(x4,y4)」)などである。なお、本実施例ではテンプレートファイルにレイアウト定義データも格納しているが、不要であればレイアウト定義データを格納しなくてもよい。
【0025】
テンプレートファイルは例えばディジタルカメラで被写体を撮影する際にユーザによって選択される。ディジタルカメラは被写体を撮影して画像データを作成すると、選択されているテンプレートファイルに格納されているUUIDと作成した画像データとを同一のExifファイルに格納する。それにより画像データにテンプレートデータが関連付けられる。
【0026】
図5(A)はテンプレートファイルを用いた表示/印刷を説明するための模式図であり、図5(B)はその結果を示す模式図である。Exifファイルに格納されている画像データが表す画像と、部品画像ファイルに格納されている部品画像データが表す部品画像とは、テンプレートファイルで規定される再生レイアウトに従って図示するように合成されて表示/印刷される。
【0027】
次に、画像表示プログラムについて説明する。
図6は、画像表示プログラムの論理的な構造を示すブロック図である。画像表示プログラムは、テーブル作成部31、識別子表示・選択受付部32(以下「表示選択部」という)、第一の指示受付部33、画像表示部34、第二の指示受付部35、及び画像印刷部36を備える。
【0028】
テーブル作成部31は、Exifファイルとテンプレートファイルとを対応付けるテーブルを作成する。
図7は、Exifファイルとテンプレートファイルとを対応付けるテーブルの一例を示す模式図である。図示するようにテーブルは画像テーブルGとテンプレートテーブルTとに分割されている。
画像テーブルGは、Exifファイルを一意に特定可能な情報を格納するファイル情報列41a、Exifファイルに含まれているUUIDを格納するUUID列41b、及びテンプレートIDを格納するテンプレートID列41cで構成される。Exifファイルを一意に特定可能な情報とは具体的には例えばExifファイルのファイル名あるいはパス名である。テンプレートIDとは画像テーブルGのレコード(画像レコード)とテンプレートテーブルTのレコード(テンプレートレコード)とを対応付けるためのコードである。メモリ読み書き部19にリムーバブルメモリ20が接続されると、テーブル作成部31は接続されたリムーバブルメモリ20からExifファイルを検索して画像テーブルGを作成する。画像テーブルGを作成しておけばExifファイルが複数あっても各Exifファイルにテンプレートファイルが関連付けられているか否かを短時間で確認できるようになる。
【0029】
テンプレートテーブルTは、テンプレートIDを格納するテンプレートID列42a、テンプレートファイルに含まれているUUIDを格納するUUID列42b、及びテンプレートファイルを一意に特定可能な情報を格納するファイル情報列42cで構成される。テンプレートファイルを一意に特定可能な情報とは、具体的には例えばテンプレートファイルのファイル名あるいはパス名である。テンプレートテーブルTにレコードが追加されると当該レコードを一意に識別するためのテンプレートIDが生成されてテンプレートID列42aに格納される。前述した画像レコードのテンプレートID列41cには、テンプレートテーブルTにおいて当該画像レコードと同じUUIDを有するテンプレートレコードのテンプレートIDが格納される。これにより画像レコードとテンプレートレコードとはテンプレートIDによって対応付けられる。メモリ読み書き部19にリムーバブルメモリ20が接続されると、テーブル作成部31は接続されたリムーバブルメモリ20からテンプレートファイルを検索してテンプレートテーブルTを作成する。テンプレートテーブルTを作成しておけばExifファイルに関連付けられているテンプレートファイルを短時間に特定できるようになる。
【0030】
表示選択部32は、図1に示す画像選択メニュー50をLCD12aに表示して識別子の選択を受け付ける。画像選択メニュー50にはリムーバブルメモリ20に記録されているExifファイルに格納されている画像データが表す画像の縮小画像51が一覧表示される。ここで縮小画像51は特許請求の範囲に記載の識別子に相当する。なお、例えばExifファイルのファイル名やパス名を識別子として表示してもよい。識別子として縮小画像51を表示すると、ユーザは画像データが表す画像を把握できるため選択が容易になる。
【0031】
画像選択メニュー50においてマーク52が表示されている縮小画像51はその縮小画像51に対応する画像データにテンプレートデータが関連付けられていることを示している。逆にマーク52が表示されていない縮小画像51は対応する画像データにテンプレートデータが関連付けられていないことを意味している。表示選択部32は画像選択メニュー50を表示する際に画像テーブルGを参照してどの縮小画像51にマーク52を表示すればよいかを決定する。画像テーブルGを参照することにより、画像選択メニュー50が呼び出されたとき各画像データにテンプレートデータが関連付けられているか否かを短時間で判定でき、画像選択メニュー50を短時間に表示することができる。従ってユーザは画像データが複数あっても各画像データにテンプレートデータが関連付けられているか否かを短時間で確認できる。マーク52を表示するとユーザは各画像データにテンプレートデータが関連付けられているか否かを画面上で識別できる。このため、ユーザの意図に反して合成画像が印刷されてしまったり、逆に合成されていない画像が印刷されてしまったりすることによるユーザの混乱を防止できる。また、テンプレートデータが関連付けられていることをマーク52で示すと処理を簡素にできる。例えば、テンプレートデータが関連付けられている画像データについては実際にテンプレートデータに基づいて合成画像を生成し、生成した合成画像の縮小画像51を表示することでテンプレートデータが関連付けられている画像データであるか否かを識別可能に表示することも可能である。しかしながらその場合は合成画像を生成しなければならないため処理量が増大する。従って、マーク52によって識別するようにすると処理を簡素にできる。このため、CPU16の処理能力が低くても画像選択メニュー50を短時間に表示できる。
【0032】
ユーザが操作部11のボタンを操作してカーソル53の移動方向及び移動量を入力すると、表示選択部32は操作部11からの入力信号を受け付け、受け付けた入力信号に応じてカーソル53を移動させる。移動後のカーソル53によって指示される縮小画像51が選択された縮小画像51である。これによりユーザは目的の縮小画像51を選択できる。「選択を受け付ける」とは、本実施例の場合はカーソル53を移動させるための入力信号を受け付け、受け付けた入力信号に応じた位置にカーソル53を移動させることをいう。なお、本実施例では縮小画像51を一覧表示しているが、所定の操作ボタンが押下される毎に縮小画像51を図1より大きなサイズで一つずつ順に表示し、表示されている縮小画像51を選択された縮小画像51としてもよい。
【0033】
第一の指示受付部33は、画像を表示する指示を受け付ける。具体的には、ユーザは画像選択メニュー50で目的の縮小画像51を選択した状態で操作部11の例えば決定ボタンを押下して表示を指示する。第一の指示受付部33は決定ボタンからの入力信号を受け付けることにより画像を表示する指示を受け付ける。指示を受け付けると第一の指示受付部33は画像表示部34に画像の表示を指示する。
【0034】
画像表示部34は、選択された縮小画像51に対応する画像データに基づいてLCD12aに画像を表示する。具体的には、画像表示部34は第一の指示受付部33から画像の表示を指示されると、対応する画像データにテンプレートデータが関連付けられているか否かを画像テーブルGを参照して判定する。具体的には当該画像データを格納しているExifファイルのファイル名あるいはパス名が画像テーブルGに存在するか否かによって判定する。関連付けられている場合はテンプレートテーブルTから当該画像データを格納しているExifファイルに対応しているテンプレートファイルのファイル名あるいはパス名を取得し、当該画像データと取得したファイル名あるいはパス名で特定されるテンプレートファイルに格納されているテンプレートデータとに基づいて合成画像を生成し、表示部12を制御して図1に示すようにLCD12aに合成画像を表示する。関連付けられていない場合は当該画像データが表す画像のみを表示する。
【0035】
第二の指示受付部35は、画像を印刷する指示を受け付ける。具体的には、ユーザは画像選択メニュー50で縮小画像51を選択した状態で操作部11の例えば印刷ボタンを押下して印刷を指示する。第二の指示受付部35は印刷ボタンからの入力信号を受け付けることにより画像を印刷する指示を受け付ける。指示を受け付けると第二の指示受付部35は画像印刷部36に画像の印刷を指示する。
【0036】
画像印刷部36は、選択された縮小画像51に対応する画像データに基づいて印刷媒体に画像を印刷する。具体的には、画像印刷部36は第二の指示受付部35から画像の印刷を指示されると、画像表示部34と同様に画像データにテンプレートデータが関連付けられているか否かを判定する。関連付けられている場合は画像表示部34と同様に当該画像データと当該画像データに関連付けられているテンプレートデータとに基づいて合成画像を生成し、生成した合成画像に画像処理部13と協同して各種の処理を施し、プリンタエンジン14を制御して印刷媒体に合成画像を印刷する。関連付けられていない場合は当該画像データが表す画像のみを印刷する。
【0037】
次に、プリンタ1の処理の流れについて説明する。
図8は、プリンタ1の処理の流れを示すフローチャートである。
S105では、画像テーブルG及びテンプレートテーブルTを作成する。
S110では、縮小画像51の選択を受け付ける。具体的には、ユーザが所定の操作を行うとプリンタ1はLCD12aに画像選択メニュー50を表示する。ユーザは操作部11を操作して目的の縮小画像51を選択する。
【0038】
S115では、画像を表示する指示、画像を印刷する指示、または処理を終了する指示のいずれかを受け付ける。
S120では、受け付けた指示によって処理を分岐する。具体的には、画像を表示する指示(表示指示)を受け付けた場合はS125に進み、画像を印刷する指示(印刷指示)を受け付けた場合はS130に進む。処理を終了する指示(終了指示)を受け付けた場合は処理を終了する。
【0039】
S125では、画像表示処理を実行する。
S130では、画像印刷処理を実行する。
図9(A)はS125における画像表示処理の流れを示すフローチャートであり、図9(B)はS130における画像印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【0040】
始めに画像表示処理の流れについて説明する。
S205では、図8に示すS110で選択された縮小画像51に対応するExifファイルにテンプレートファイルが関連付けられているか否かを画像テーブルGを参照して判定する。テンプレートファイルが関連付けられていればS210に進み、関連付けられていなければS215に進む。
【0041】
S210では、関連付けられているテンプレートファイルのファイル名あるいはパス名をテンプレートテーブルTから取得する。次に、選択された縮小画像51に対応するExifファイルと当該テンプレートファイルとに基づいてLCD12aに合成画像を表示する。
S215では、選択された縮小画像51に対応するExifファイルに格納されている画像データが表す画像のみをLCD12aに表示する。
【0042】
次に画像印刷処理の流れについて説明する。
S305では、図8に示すS110で選択された縮小画像51に対応するExifファイルにテンプレートファイルが関連付けられているか否かを画像テーブルGを参照して判定する。テンプレートファイルが関連付けられていればS310に進み、関連付けられていなければS315に進む。
【0043】
S310では、関連付けられているテンプレートファイルのファイル名あるいはパス名をテンプレートテーブルTから取得する。次に、選択された縮小画像51に対応するExifファイルと当該テンプレートファイルとに基づいて印刷媒体に合成画像を印刷する。
S315では、選択された縮小画像51に対応するExifファイルに格納されている画像データが表す画像のみを印刷媒体に印刷する。
【0044】
以上説明した本発明の一実施例に係るプリンタ1によると、テンプレートデータが関連付けられている画像データに対応する縮小画像51にはマーク52を付して表示するため、テンプレートデータが関連付けられている画像データに対応する縮小画像51であるか否かをLCD12a上で識別できる。また、マーク52が付されている縮小画像51を選択して表示を指示すると選択した縮小画像51に対応する画像データと当該画像データに関連付けられているテンプレートデータとに基づく画像がLCD12aに表示されるため、ユーザは選択した縮小画像51に対応する画像データと当該画像データに関連付けられているテンプレートデータとに基づく画像がどのような画像であるかを印刷することなく確認できる。このため、表示された画像が気に入らなければ印刷を指示しないようにすることで、印刷媒体やインクが無駄になったり、印刷のために待たされていた時間が結果として無駄になったりするといったことを防止できる。
【0045】
なお、本実施例では第二種データとしてテンプレートデータを例に説明したが、第二種データはレイアウト定義データでもよい。また、第二種データはトリミング領域を指定する処理パラメータや第一種データに対して施すその他各種の画像処理に関する処理パラメータでもよい。処理パラメータの場合は処理内容に応じたマーク52を表示することが望ましい。
【0046】
また、本実施例のテンプレートデータは部品画像ファイルのファイル名やパス名によって部品画像データを指定しているが、テンプレートデータ自体が部品画像データであってもよい。すなわち、部品画像ファイル自体をテンプレートファイルとして扱うようにしてもよい。
また、本実施例では縮小画像51にマーク52を付すことにより識別可能にしているが、例えばテンプレートデータが関連付けられている画像データに対応する縮小画像51を点滅させたり、縮小画像51の周囲に枠を表示したりすることによって識別可能にしてもよい。
【0047】
また、本実施例ではExifファイルにテンプレートファイルのUUIDを格納することによって画像データにテンプレートデータを関連付けているが、画像データとテンプレートデータとはその他の方法で関連付けてもよい。具体的には例えば、Exifファイルとテンプレートファイルとを関連付けるためのファイル(以下「関連付けファイル」という)を別途用意し、関連付けファイルの拡張子を除くファイル名を画像ファイルのファイル名と同じにし、関連付けファイル内にテンプレートファイルのファイル名あるいはパス名を格納するようにしてもよい。このようにすると、縮小画像51を選択したとき、当該縮小画像51に対応する画像データを格納しているExifファイルと同じ名前の関連付けファイルを検索し、検索した関連付けファイルからテンプレートファイルのファイル名あるいはパス名を取得することでテンプレートデータを特定することができる。
【0048】
また、本実施例では画像データとテンプレートデータとをそれぞれ独立したファイルに格納し、テンプレートファイルのUUIDを画像ファイルに格納することにより画像データとテンプレートデータとを関連付ける場合を例に説明したが、画像データとテンプレートデータとを同一のファイルに格納することによって関連付けるようにしてもよい。
また、本実施例ではプリンタ1に画像表示装置を備える場合を例に説明したが、パーソナルコンピュータ、ディジタルカメラ、携帯電話、PDAなどに画像表示装置を備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施例に係る画像選択メニューの模式図。
【図2】(A)は本発明の一実施例に係るプリンタの斜視図、(B)はブロック図。
【図3】本発明の一実施例に係る第一種データを格納しているファイルの模式図。
【図4】本発明の一実施例に係る第二種データを格納しているファイルの模式図。
【図5】(A)は本発明の一実施例に係る印刷を説明するための模式図、(B)は印刷結果を示す模式図。
【図6】本発明の一実施例に係る画像表示プログラムのブロック図。
【図7】本発明の一実施例に係るテーブルの模式図。
【図8】本発明の一実施例に係るフローチャート。
【図9】(A)及び(B)は本発明の一実施例に係るフローチャート。
【符号の説明】
【0050】
1 プリンタ、10 ハウジング、11 操作部、12a LCD(画面)、13 画像処理部(印刷手段)、14 プリンタエンジン(印刷手段)、15 制御部(画像表示装置、識別子表示手段、選択受付手段、画像表示手段、印刷手段)、51 縮小画像(識別子)、52 マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第二種データが関連付けられている第一種データに対応する識別子と第二種データが関連付けられていない第一種データに対応する識別子とを識別可能に画面に表示する識別子表示手段と、
前記識別子表示手段によって表示されている識別子の選択を受け付ける選択受付手段と、
前記選択受付手段で選択された識別子に対応する第一種データであって第二種データが関連付けられている第一種データと、当該第一種データに関連付けられている第二種データとに基づいて前記画面に画像を表示する画像表示手段と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記識別子表示手段は、前記第二種データが関連付けられている前記第一種データに対応する識別子にのみ所定のマークを付して表示することにより識別可能に表示することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記第一種データは画像データであり、
前記第二種データは任意の画像と合成する部品画像を指定するテンプレートデータであり、
前記画像表示手段は、画像データが表す画像にテンプレートデータで指定されている部品画像を合成して表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記識別子は、前記第一種データが表す画像の縮小画像であることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
各前記第一種データ及び各前記第二種データはそれぞれ独立したファイルに格納されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記第一種データが格納されているファイルに前記第二種データが格納されているファイルを特定可能な情報を格納することによって前記第一種データに前記第二種データが関連付けられることを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
画像を表示する指示を受け付ける第一の指示受付手段を更に備え、
前記画像表示手段は、前記選択受付手段で識別子の選択を受け付けた後、前記第一の指示受付手段で画像を表示する指示を受け付けると前記画像を表示することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像表示装置と、
前記選択受付手段で選択された前記第一種データであって前記第二種データが関連付けられている前記第一種データと、当該第一種データに関連付けられている第二種データとに基づいて印刷媒体に画像を印刷する画像印刷手段と、
を備えることを特徴とするプリンタ。
【請求項9】
画像を印刷する指示を受け付ける第二の指示受付手段を更に備え、
前記画像印刷手段は、前記選択受付手段で識別子の選択を受け付けた後、前記第二の指示受付手段で画像を印刷する指示を受け付けると前記画像を印刷することを特徴とする請求項8に記載のプリンタ。
【請求項10】
第二種データが関連付けられている第一種データに対応する識別子と第二種データが関連付けられていない第一種データに対応する識別子とを識別可能に画面に表示する識別子表示段階と、
前記識別子表示段階で表示された識別子の選択を受け付ける選択受付段階と、
前記選択受付段階で選択された識別子に対応する第一種データであって第二種データが関連付けられている第一種データと、当該第一種データに関連付けられている第二種データとに基づいて前記画面に画像を表示する画像表示段階と、
を含むことを特徴とする画像表示方法。
【請求項11】
第二種データが関連付けられている第一種データに対応する識別子と第二種データが関連付けられていない第一種データに対応する識別子とを識別可能に画面に表示する識別子表示手段と、
前記識別子表示手段によって表示されている識別子の選択を受け付ける選択受付手段と、
前記選択受付手段で選択された識別子に対応する第一種データであって第二種データが関連付けられている第一種データと、当該第一種データに関連付けられている第二種データとに基づいて前記画面に画像を表示する画像表示手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする画像表示プログラム。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−42166(P2006−42166A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−221940(P2004−221940)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】