説明

画像表示装置

【課題】 実際の教室で行なわれているようなその場に適した視聴楽教材の画像表示を行える画像表示装置を提供する。
【解決手段】 判定部16により、表示部12に表示されたリトミック用データと撮像部14で撮像された撮像画像データとから、体の部位及び動きの方向が判定され、それと共に、該体の部位、動きの方向、さらに動きのタイミングが比較されて、これらが同期しているか否かが判定される。そして指示部18により、少なくとも動きのタイミングが同期すると判定される場合、表示されたリトミック用データの動作内容のプロパティが読み出され、関連性データが参照されて、そのプロパティと動作内容に関連性のある他のリトミック用データについて、次に読み出させて表示させる指示が表示部12に出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体表現を豊かに行わせる画像表示装置及び画像表示用のコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
音楽を感じ身体表現を行なうリトミックが幼児教育に有効であるとの認識が浸透し、全国でリトミック教室が実施されている。リトミック教室では、レッスンを実施する先生がその日のレッスン生(子供)の状態を見ながら、適切な進行、演奏が行なわれている。
【0003】
また、地域によってはリトミック教室が近くにない場合がある。このようにリトミックレッスンを受けたくても受けられない人の為に、ビデオテープやDVDによる映像を通して、家庭で実施できるリトミック教材が提供されている。
【0004】
参考までに、本発明者らによるリトミック関連技術の調査では、後述する特許文献1が調査結果としてあげられたが、例えば教材などを見ている視聴者の様子を何らかの反応が高い場合に撮像手段で撮像し、そのデータを記録媒体に記録することで、視聴者の様子を手軽に見られるようにするものが提案されている程度である。
【特許文献1】特開2006−74622
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ビデオテープやDVDなどの映像によるリトミック教材は再生順序が固定されており、実際の教室で行なわれているようなその場に適した進行、演奏を提供することは出来ないという問題があった。
【0006】
本発明は、以上のような問題に鑑み創案されたもので、実際の教室で行なわれているようなその場に適した視聴楽教材の画像表示を行える装置を提供せんとするものである。
【0007】
併せて、これらの装置をコンピュータ上に実現できる画像表示用のコンピュータ・プログラムについても、提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのため本発明に係る画像表示装置は、
動作内容のプロパティを有する画像データと、内容的に関連のあるプロパティを有する画像データ同士間の関連性を規定した関連性データとを、少なくとも格納しておく格納手段と、
画像データを読み出して表示する表示手段と、
視聴楽対象者の画像を撮像する撮像手段と、
表示された画像データと撮像された画像データとのうち、体の部位及び動きの方向を判定すると共に、該体の部位、動きの方向、さらに動きのタイミングを比較し、これらが同期しているか否かを判定する判定手段と、
少なくとも動きのタイミングが同期すると判定される場合、表示された画像データの動作内容のプロパティを読み出し、上記関連性データを参照して、そのプロパティと動作内容に関連性のある他の画像データにつき、次に読み出させて表示させる指示を上記表示手段に出力する指示手段と
を有することを基本的特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、上記判定手段により、少なくとも動きのタイミングが同期すると判定される場合に、表示された画像データの動作内容のプロパティを読み出し、上記格納手段に格納された関連性データを参照して、上記指示手段により、そのプロパティと動作内容に関連性のある他の画像データについて、次に読み出させて表示させる指示が、上記表示手段に出力されることになる。
【0010】
視聴楽対象者は、表示された画像データの学習教材としての内容に興味が有れば、当然、その表示画像に併せて、同じ動きをするはずであり、すなわち、少なくとも動きのタイミングが同期するはずであり(他の部位は場合により誤認識される場合もあり得る)、その場合に、その表示画像データと内容的に関連性のあるプロパティを有する画像データを表示するための指示を、上記指示手段が、出すことで、次に表示される画像データも、該視聴楽対象者の興味があるものが表示される可能性が高くなり、学習意欲を高めることになり、当然その学習内容の認知度・習熟度は向上する。
【0011】
また、上述のように、視聴楽対象者は、表示された画像データの学習教材としての内容に興味が有れば、当然、その表示画像に併せて、同じ動きをするため、少なくとも動きのタイミングは同期するはずであるが、上記判定手段では、他の部位は、場合によって誤認識される場合もあり得る。その場合、上記判定手段で、少なくとも動きのタイミングが同期すると判定される場合には、撮像された画像データから判定された体の部位及び/又は動きの方向の判定結果を、表示された画像データの体の部位及び/又は動きの方向に合わせて、該判定手段自身で修正するようにすると良い。
【0012】
さらに、そのような誤認識をなくし、表示された画像データと撮像された画像データとの同期がとれているか否かを精度良く判定するため(誤認識による判定精度の低下を防ぐため)に、視聴楽対象者に装着させる身体部位センサをさらに備えることで、上記判定手段における、少なくとも体の部位及び動きの方向の判定処理負荷を軽減すると良い。
【0013】
上記撮像手段で撮像された画像データを、上記表示手段で表示される画像データと共に表示させると、自分達がリアルタイムでどのように動いているかが分かり、学習意欲をより高めることになる。
【0014】
もちろん、上記判定手段では、各部位や動きの方向、動きのタイミングなどが同期していない場合は、視聴楽対象者にとり、表示された画像データの学習教材としての内容に興味がないとして、しばらくしたら、その表示画像データと内容的に関連性のない、或いは関連性の少ないプロパティを有する画像データを表示するための指示を、上記指示手段が出すことになり、次に表示される画像データは、これまで表示された画像データとは内容的に異なるものとなり、そこでまた視聴楽対象者の興味があるものが表示される可能性も出てくる。
【0015】
他方、関連性があるといっても、動作内容に似たようなプロパティを有する画像データばかり流し続けると、視聴楽対象者は飽きてくるので、生成機会(チャンス)と、上記関連性データの関連性とに、ランダム性を与える乱数生成機能を上記指示手段に備え、該指示手段が次の読み出し及び表示に指示を与える画像データとして、不定期に、画像データ同士間の関連性が不連続になるようにすれば、似たような動作内容の画像データばかりが、流れることがなくなり、視聴楽対象者は、益々、興味を感じ、学習意欲が高まって、その学習内容の認知度・習熟度が高くなる。
【0016】
他方、第2の観点に係る発明の画像表示装置の構成は、
動作内容のプロパティを有する画像データと、内容的に関連のあるプロパティを有する画像データ同士間の関連性を規定した関連性データとを、少なくとも格納しておく第1の格納手段と、
画像データを読み出して表示する表示手段と、
視聴楽対象者の画像を撮像する撮像手段と、
撮像された画像データを一時的に記憶しておくバッファと、
撮像された画像データ間を比較し、これらの画像データ間の差異を差異データとして生成する比較手段と、
上記差異データ毎に予め蓄積された視聴楽対象者の予測動作のプロパティを格納しておく第2の格納手段と、
上記比較手段で生成された差異データを元に、該差異データに相当する予測動作プロパティが上記第2の格納手段に存在するか否かを検索すると共に、該予測動作プロパティが存在する場合に、この予測動作プロパティを第1の格納手段の関連性データに突き合わせて、該予測動作プロパティと関連のあるプロパティを有する画像データにつき、第1の格納手段から次に読み出させて表示させる指示を上記表示手段に出力する指示手段と
を有することを特徴としている。
【0017】
上記構成では、比較手段で生成された、撮像された画像データ間の差異データを元に、指示手段によって、該差異データに相当する予測動作プロパティが上記第2の格納手段に存在するか否かを検索すると共に、該予測動作プロパティが存在する場合に、この予測動作プロパティを第1の格納手段の関連性データに突き合わせて、該予測動作プロパティと関連のあるプロパティを有する画像データについて、第1の格納手段から次に読み出させて表示させる指示が、上記表示手段に出力されることになる。
【0018】
上記第2の格納手段に予め蓄積された予測動作プロパティは、差異データに基づく、視聴楽対象者の予測動作の特徴を示すものであるので、常に、撮像された画像データ間の差異データを比較手段で取り続けていれば、自ずと、視聴楽対象者の動作が予測される。例えば、画像データが静止画像であっても、人の輪郭データをデフォルトで持っていれば、それから人物の有無が分かり、また目の位置や口端の位置及び目の周辺の皺などのデータをデフォルトで持っていれば、表情の解析などが可能である。さらに画像データが動画画像であれば、差異データに変化があるか否かによって、画像に変化があるか否かが判定され、変化が有れば、撮像手段の前の視聴楽対象者が動いていると判断できる。変化が少なければ、動きが少ない、又は撮像手段の前に視聴楽対象者がいないといった情報を得ることができる。これらの画像データに所定のパラメータによる重み付けを行って、総合評価を行い、視聴楽対象者の動作を予測するようにしても良い。例えば、笑いながら激しく動いている、楽しそうに画像を見ている、画像を見ないで動いている、撮像手段の前に居ないなどの動作や状態を、上記指示手段において自動的に予測・判定できることになる。
【0019】
さらに、以下に示す第3乃至第4の観点の発明の構成は、上記第1乃至第2の観点の発明の構成を、コンピュータに実行させるために、該コンピュータで実行可能なプログラム自身を規定している。すなわち、上述した課題を解決するための構成として、上記各手段を、コンピュータの構成を利用することで実現する、該コンピュータで読み込まれて実行可能なプログラムである。この場合、コンピュータとは中央演算処理装置の構成を含んだ汎用的なコンピュータの構成の他、特定の処理に向けられた専用機などを含むものであっても良く、中央演算処理装置の構成を伴うものであれば特に限定はない。
【0020】
上記各手段を実現させるためのプログラムが該コンピュータに読み出されると、第1観点の発明の構成として規定された各機能実現手段と同様な機能実現手段が達成されることになる。
【0021】
より具体的構成は、
コンピュータに読み込まれて実行されることで、該コンピュータを、
動作内容のプロパティを有する画像データと、内容的に関連のあるプロパティを有する画像データ同士間の関連性を規定した関連性データとを、少なくとも格納しておく格納手段と、
画像データを読み出して表示する表示手段と、
視聴楽対象者の画像を撮像する撮像手段と、
表示された画像データと撮像された画像データとのうち、体の部位及び動きの方向を判定すると共に、該体の部位、動きの方向、さらに動きのタイミングを比較し、これらが同期しているか否かを判定する判定手段と、
少なくとも動きのタイミングが同期すると判定される場合、表示された画像データの動作内容のプロパティを読み出し、上記関連性データを参照して、そのプロパティと動作内容に関連性のある他の画像データにつき、次に読み出させて表示させる指示を上記表示手段に出力する指示手段と
して機能させることを特徴とする画像表示用プログラムである。
【0022】
もちろん、上記画像表示用プログラムの構成でも、上記判定手段で、少なくとも動きのタイミングが同期すると判定される場合に、撮像された画像データから判定された体の部位及び/又は動きの方向の判定結果を、表示された画像データの体の部位及び/又は動きの方向に合わせて、該判定手段自身で修正するようにプログラムしておくこともできる。
【0023】
また、視聴楽対象者に装着させる身体部位センサを上記コンピュータにさらに接続することで、上記判定手段における、少なくとも体の部位及び動きの方向の判定処理負荷を軽減することもできる。
【0024】
さらに上記撮像手段で撮像された画像データを、上記表示手段で表示される画像データと共に表示させることも可能である。
【0025】
加えて、生成機会と、上記関連性データの関連性とに、ランダム性を与える乱数生成機能を上記指示手段に備え、該指示手段が次の読み出し及び表示に指示を与える画像データとして、不定期に、画像データ同士間の関連性が不連続になるようにすることもできる。
【0026】
さらに、第4の観点の発明の構成は、上記第2の観点の発明の構成を、コンピュータに実行させるために、該コンピュータで実行可能なプログラム自身を規定している。すなわち、コンピュータに上記各手段を実現させるためのプログラムが該コンピュータに読み出されると、第2の観点の発明の構成として規定された各機能実現手段と同様な機能実現手段が達成されることになる。
【0027】
より具体的構成は、
コンピュータに読み込まれて実行されることで、該コンピュータを、
動作内容のプロパティを有する画像データと、内容的に関連のあるプロパティを有する画像データ同士間の関連性を規定した関連性データとを、少なくとも格納しておく第1の格納手段と、
画像データを読み出して表示する表示手段と、
視聴楽対象者の画像を撮像する撮像手段と、
撮像された画像データを一時的に記憶しておくバッファと、
撮像された画像データ間を比較し、これらの画像データ間の差異を差異データとして生成する比較手段と、
上記差異データ毎に予め蓄積された視聴楽対象者の予測動作のプロパティを格納しておく第2の格納手段と、
上記比較手段で生成された差異データを元に、該差異データに相当する予測動作プロパティが上記第2の格納手段に存在するか否かを検索すると共に、該予測動作プロパティが存在する場合に、この予測動作プロパティを第1の格納手段の関連性データに突き合わせて、該予測動作プロパティと関連のあるプロパティを有する画像データにつき、第1の格納手段から次に読み出させて表示させる指示を上記表示手段に出力する指示手段と
として機能させることを特徴とする画像表示用プログラムである。
【発明の効果】
【0028】
本発明の画像表示装置及び画像表示用プログラムによれば、実際の教室で行なわれているようなその場に適した視聴楽教材の画像表示を行えるという優れた効果を奏し得る。
【0029】
特に、第1及び第3の観点の発明構成によれば、視聴楽対象者は、表示された画像データの学習教材としての内容に興味が有れば、当然、その表示画像に併せて、同じ動きをするはずであり、少なくとも動きのタイミングが同期するはずである。その場合に、その表示画像データと内容的に関連性のあるプロパティを有する画像データを表示するための指示を、上記指示手段が、出すことで、次に表示される画像データも、該視聴楽対象者の興味があるものが表示される可能性が高くなり、学習意欲を高めることになり、当然その学習内容の認知度・習熟度は向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【実施例1】
【0031】
図1〜図7は、リトミックプログラムが読み込まれて、パソコン100において実行されることで、構成される、本発明の望ましい実施形態構成を示している。そのうち、図1は、リトミック装置となる本発明に係る画像表示装置の構成が実現されるパソコン100と、その側に立った視聴楽対象者との使用状態を示す説明図である。
【0032】
該パソコン100は、通常の構成からなり、ここでは、Webカメラで構成される撮像部14が設けられると共に、後述する表示部12となるディスプレイの他、パソコン100に通常備えられているDVD−ROMドライブ118、キーボード120、マウス122及びサウンドシステム124のスピーカが示されている。
【0033】
本構成では、パソコン100の後述するDVD−ROMドライブ118に、DVD−ROM118aを入れて、それに読み込ませ、実行された場合に、該パソコン100が、本発明のリトミック装置として利用可能なプログラムが、該DVD−ROM118aに格納されている。従って、このDVD−ROM118aを上記DVD−ROMドライブ118に読み込ませて実行させ、パソコン100上に、本発明のリトミック装置が実現されることになる。
【0034】
図2は、後述するI/Oインターフェース112に、上記Webカメラで構成される撮像部14が接続された状態の、上記パソコン100の回路概要図である。同図に示すように、本パソコン100は、システムバス102を介して、CPU104、ROM106、RAM108、画像制御部110、I/Oインターフェース112及びドライブインターフェース114がつながっており、該システムバス102を介して、夫々のデバイスに制御信号、データの入出力がなされることになる。
【0035】
また上記I/Oインターフェース112を介して、システムバス102に、キーボード120、マウス122、サウンドシステム124及び後述する撮像部14がつながっており、これらのデバイスとシステムバス102との間で、制御信号やデータの入出力がなされることになる。
【0036】
さらに、上記ドライブインターフェース114を介して、システムバス102に、ハードディスクドライブ(HDD)116及びDVD−ROMドライブ118が接続されており、これらのデバイスとシステムバス102との間で、制御信号やデータの入出力がなされることになる。
【0037】
CPU104は、DVD−ROMドライブ118により上記DVD−ROM118aから読み込まれ、ハードディスクドライブ116乃至RAM108に格納される上記リトミックプログラムに基づき、リトミック装置全体の制御を行う中央演算処理装置である。また後述する判定部16及び指示部18の構成は、上記プログラムが稼働した該CPU104によって構成されることになる。
【0038】
ROM106は、本パソコン100のBIOSなどが記憶されている格納領域である。
【0039】
RAM108は、本プログラムの格納エリアの他、ワークエリア、種々の係数、パラメータ等の、一時的な記憶領域等(後述するように、positionFlagやmoveFlag等も設定される)として使用される。後述する撮像部14から送られてくる撮像画像データ乃至その一部を記憶しておく構成としても使用される。
【0040】
画像制御部110は、画像データバッファを有しており(上記RAM108上に設けても良い)、CPU104の指令により、必要な画像処理を行って、その結果をディスプレイたる表示部12に出力する。該表示部12は、CPU104の指令に基づき、該画像制御部110で処理された画像データを、映像情報として表示する。
【0041】
上記デバイスのうち撮像部14は、本実施例構成では、通常Webカメラなどとして使用されるCMOSやCCDなどの撮像素子で映像を捉え電気信号に変換する構成であり、該信号はI/Oインターフェース112を介して、システムバス102に送られる。
【0042】
上述のように、ハードディスクドライブ116は、上記リトミックプログラムの読み込み及びその実行によって、該プログラム自身と必要なデータ等を格納する。該ハードディスクドライブ116に格納される必要なデータは、他に、上記プログラムと共にDVD−ROM118aから読み出される楽音再生のためのリトミック用データ(本実施例では後述するようにリトミック画像データ中に含まれているものとする)や表示部12の動画再生のためのリトミック用データなどがあり、後述するように、該ハードディスクドライブ116は、本実施例の格納部10を構成することになる。
【0043】
上記デバイスのうちDVD−ROMドライブ118は、リトミックプログラムが格納されたDVD−ROM118aから、該プログラムやデータなどを読み出す。そのプログラムやデータなどは、ハードディスクドライブ116に格納され、またメインとなるプログラムは上記RAM108上に格納され、CPU104により実行される。もちろん、DVD−ROM乃至DVD−ROMドライブの組み合わせの構成だけではなく、CD−ROM及びCD−ROMドライブの組み合わせの構成でも良い。
【0044】
また上記サウンドシステム124は、後述するように、リトミック用データ中の楽音再生のためのデータを再生する構成であり、たとえば楽曲データや音声データなどに対し、D/A変換処理などが行われ、さらにアンプ構成が備えられていて増幅処理がなされ、パソコン100に備えられたスピーカ(図1参照)から、そのリトミック用の楽音や音声が再生されることになる。
【0045】
本実施形態に係るリトミックプログラムを、パソコン100(RAM108及びハードディスクドライブ116)に読み込ませて、(CPU104に)実行させることで、図3に示すように、格納部10と、表示部12と、撮像部14と、判定部16と、指示部18とを備えた構成となる。
【0046】
上記格納部10は、上述のように、基本的にハードディスクドライブ116で構成され、動作内容のプロパティを有するリトミック用データ(楽音・音声データを含む)と、内容的に関連のあるプロパティを有する画像データ同士間の関連性を規定した関連性データとが格納される。また、必要に応じてDVD−ROMドライブ118からDVD−ROM118aにアクセスして先読みされた上記種類のデータが、上記ハードディスクドライブ116に格納されることで構成されることもある。
【0047】
上記表示部12は、上述のように、CPU104の指令に基づいて画像制御部110で表示制御がなされて出力するパソコン100のディスプレイで構成されており、CPU104からの読み出しアドレスに基づいて、格納部10から、画像データを読み出して表示する機能を有している。
【0048】
上記撮像部14は、上述のように、撮像素子などを有するWebカメラなどで構成され、リトミック視聴楽対象者の画像を撮像する機能を有している。
【0049】
上記判定部16は、上述のように、CPU104及び該CPU104をリトミック用に作動させる実行中のプログラムで構成されており、上記表示部12で表示された画像データと、上記撮像部14で撮像された画像データとのうち、リトミック表示画像と撮像者画像の、体の部位及び動きの方向を判定する画像解析機能を有すると共に、該体の部位、動きの方向、さらに動きのタイミングを比較し、これらが同期しているか否かを判定するシンクロナイズ判定機能を有している。
【0050】
上記指示部18は、同じく、上記CPU104及び該CPU104をリトミック用に作動させる実行中のプログラムで構成されており、上記判定部16において、少なくとも動きのタイミングが同期すると判定される場合、表示されたリトミック用データの動作内容のプロパティを抽出し、それが上記格納部10に格納された他のリトミック用データ毎のプロパティと同種のものが有るか否かを検索する、すなわち、上記関連性データを参照して、抽出されたプロパティと同種のプロパティを有する(動作内容に関連性のある)他のリトミック用データを検索し、そのようなリトミック用データにつき、その読み出しアドレスを抽出しておいて、現在表示されているリトミック用データの表示終了後、上記表示部12に対し、次にそのデータを読み出させ、表示させる指示を、表示部12に出力する機能を有している。
【0051】
図4は、上記本実施例構成で実施される自動リトミック再生処理のメインフローを示すフローチャートである。リトミックプログラムが読み出されて、パソコン100で実行されると、同図に示すように、まず、パソコン100の各デバイスの初期化処理が実行される(ステップS100)。
【0052】
そして、リトミック用の選択画面が表示部12に表示され(ステップS102)、操作する者が適当なリトミック用データを選択する。すると上記格納部10から、選択されたリトミック用データ(図では表示画像データと記されている)の読み出しアドレスが取得される(ステップS104)。
【0053】
その読み出しアドレスに従って、リトミック用データが読み出され(ステップS106)、表示部12にリトミック画像が表示再生される(ステップS108)と共に、そのデータは、上記判定部16にも送られる。
【0054】
さらに、パソコン100の側に立った視聴楽対象者が、撮像部14により撮像され、撮像画像データが該撮像部14から判定部16に送られる(ステップS110)。
【0055】
判定部16の画像解析機能により、送られてきた表示されたリトミック用データと撮像画像データから、リトミック表示画像と撮像者画像の、体の部位及び動きの方向が認識される(ステップS112)。その認識結果に基づき、判定部16のシンクロナイズ判定機能により、該体の部位、動きの方向、さらに動きのタイミングが比較され、これらが同期しているか否かが判定される(ステップS114)。
【0056】
上記判定部16において、表示リトミック用データと撮像画像データとの上記比較項目が一致しているか否かがチェックされる(ステップS116)。ここでは、後述する図6のフローチャートに示すように、少なくとも動きのタイミングが一致していれば、体の部位の認識や動きの方向の認識が違っている場合も、誤認識があるとして、認識の訂正を行う。
【0057】
そして、表示リトミック用データと撮像画像データとの比較項目が一致していなければ(ステップS116;N)、後述するステップS128に移行し、関連性のない新たな表示画像データのアドレスが取得された(ステップS128)後、これまで表示されているリトミック用データについて、最後の読み出しアドレスまでの再生が終了したか否かがチェックされ(ステップS130)、終了していない場合(ステップS130;N)、上記ステップS108に復帰し、そのリトミック用データの再生処理を行う。
【0058】
反対に最後の読み出しアドレスまでの再生が終了した場合(ステップS130;Y)、上記ステップS106に復帰して、これまでの映像とは関連性のない新たなリトミック用データの読み込み処理に移行する(ステップS106)。
【0059】
一方、上記ステップS116で、表示リトミック用データと撮像画像データとの比較項目が一致していれば(ステップS116;Y)、リトミック用データから動作内容のプロパティ(例えば腕を上に上げる動作など)が読み出され(ステップS118)、上記関連性データを参照して(例えば上記プロパティ中に「腕を上に上げる動作」が含まれているならば、関連性データとしては「体を伸ばす動き」が相当し、この「体を伸ばす動き」の関連性データの元には、「腕を上に上げる動作」の他に、「足を伸ばす動作」、「背骨を伸ばす動作」などが関連性のあるプロパティとして紐づけられている)、上記指示部18により、プロパティにおいて動作内容に関連性のある他のリトミック用データが、格納部10中から検索される(ステップS120)。
【0060】
その検索結果において、関連性のあるリトミック用データが有るか否かがチェックされ(ステップS122)、そのようなデータが有れば(ステップS122;Y)、そのリトミック用データの読み出しアドレスが取得される(ステップS124)。
【0061】
そしてこれまで表示されているリトミック用データについて、最後の読み出しアドレスまでの再生が終了したか否かがチェックされ(ステップS126)、終了していない場合(ステップS126;N)、上記ステップS108に復帰し、そのリトミック用データの再生処理を行う。
【0062】
反対に最後の読み出しアドレスまでの再生が終了した場合(ステップS126;Y)、上記ステップS106に復帰して、リトミック用データの新たな読み出しアドレスに基づき、新たなリトミック用データが読み出される(ステップS106)。以後同様な処理を行う。
【0063】
上記ステップS122に戻って、反対に関連性のあるリトミック用データがなければ(ステップS122;N)、上述のように、関連性のない新たな表示画像データのアドレスが取得された(ステップS128)後、これまで表示されているリトミック用データについて、最後の読み出しアドレスまでの再生が終了したか否かがチェックされ(ステップS130)、終了していない場合(ステップS130;N)、上記ステップS108に復帰し、そのリトミック用データの再生処理を行う。
【0064】
反対に最後の読み出しアドレスまでの再生が終了した場合(ステップS130;Y)、上記ステップS106に復帰して、これまでの映像とは関連性のない新たなリトミック用データの読み込み処理に移行する(ステップS106)。
【0065】
図5は、上記図4のステップS102の選択画面設定において表示される、ステップS116で2つのデータを比較処理する際の動作検出設定画面構成を示しており、また図6は、同じく図4のステップS114に係る両画像データの比較判定処理の処理フローを示すフローチャートである。
【0066】
上述のように、表示されるリトミック用データと撮像画像データとの一致比較判定の際、動作検出に関しては必ず一致するか否かの判定を行っており、図5の動作検出設定画面では、タイミングについては常にONに設定されている。
【0067】
その他の体の部位及び動きの方向の判定については、検出するか否かを、視聴楽対象者が任意に設定できる構成としている。「体の部位」の箇所にチェックが入っていれば、RAM108上に、positionFlagが立ち(=1)、また「動きの方向」の箇所にチェックが入っていれば、RAM108上に、moveFlagが立つ(=1)ことになる。デフォルトでは、2つとも検出しない設定になっている。
【0068】
また、上記体の部位の一致判定と動きの方向の一致判定が行われる場合に、一致しない時は、後述する図6のフローチャートから明らかなように、一致するまで戻ってこれなくなるので、ループの間にタイムアウト処理が入ることになる。
【0069】
図6の比較判定処理フローにつき、従前の両データの体の部位及び動きの方向の認識結果を基に、該体の部位及び動きの方向の如何を問わず、判定部16のシンクロナイズ判定機能により、少なくとも動きのタイミングが一致しているか否かがチェックされる(ステップS200)。
【0070】
動きのタイミングが一致していなければ(ステップS200;N)、両データの判定結果は不一致(fault)として(ステップS220)、処理を終了する。
【0071】
反対に動きのタイミングが一致していれば(ステップS200;Y)、上記RAM108上のpositionFlagが立っているか否かがチェックされ(ステップS202)、positionFlagが立っていなければ(ステップS202;N)、後述するステップS204の体の部位の一致の判定処理はジャンプされ、後述するステップS210の判定処理に移行する。
【0072】
上記フラグチェックで、positionFlagが立っていれば(ステップS202;Y)、両データの体の部位が一致しているか否かが、上記判定部16のシンクロナイズ判定機能により、チェックされる(ステップS204)。
【0073】
両データの体の部位が一致していなければ(ステップS204;N)、判定部16の画像解析機能における体の部位の認識が誤っていたとして、認識の訂正が行われる(ステップS206)。この時、体の部位の一致判定がいつまでも一致しない場合、ループして何度も繰り返され、応答性が悪くなる。従って、上述のように、ループの間にタイムアウト処理を入れ、一定の時間内に体の部位の一致が判定できない場合は、タイムアウト(デフォルトで○○secと設定されている)として(ステップS208;Y)、両データの判定結果は不一致(fault)とし(ステップS220)、処理を終了する。
【0074】
反対にタイムアウトにならない限り(ステップS208;N)、再びステップS204の最初に戻り、両データの体の部位のチェックがなされる(ステップS204)。
【0075】
上記ステップS204において、両データの体の部位が一致していれば(ステップS204;Y)、上記RAM108上のmoveFlagが立っているか否かがチェックされ(ステップS210)、moveFlagが立っていなければ(ステップS210;N)、後述するステップS212の動きの方向の一致の判定処理はジャンプされ、後述するステップS218の判定結果アウトプット処理に移行する。
【0076】
上記フラグチェックで、moveFlagが立っていれば(ステップS210;Y)、次に両データにおけるそれぞれの体の部位の動きの方向が一致しているか否かが、上記判定部16のシンクロナイズ判定機能により、チェックされる(ステップS212)。
【0077】
両データのそれぞれの体の部位の動きの方向が一致していなければ(ステップS212;N)、判定部16の画像解析機能における体の部位の動きの方向の認識が誤っていたとして、認識の訂正が行われる(ステップS214)。
【0078】
この時、動きの方向の一致判定がいつまでも一致しない場合、ループして何度も繰り返され、応答性が悪くなる。従って、上述のように、ループの間にタイムアウト処理を入れ、一定の時間内に体の部位の一致が判定できない場合は、タイムアウトとして(ステップS216;Y)、両データの判定結果は不一致(fault)とし(ステップS220)、処理を終了する。
【0079】
反対にタイムアウトにならない限り(ステップS216;N)、再びステップS212の最初に戻り、両データの動きの方向のチェックがなされる(ステップS212)。
【0080】
上記ステップS212において、両データの動きの方向が一致していれば(ステップS212;Y)、両データの一致(true)とし(ステップS218)、処理を終了する。
【0081】
このように、上記判定部16において、表示リトミック用データと撮像画像データとの上記比較項目が一致しているか否かがチェックされるが、ここでは、少なくとも動きのタイミングが一致していれば、体の部位の認識や動きの方向の認識が違っている場合も、誤認識があるとして、認識の訂正を行っている。
【0082】
以上の実施例構成によれば、上記判定部16により、少なくとも動きのタイミングが同期すると判定される場合に、表示されたリトミック用データの動作内容のプロパティを読み出し、上記格納部10に格納された関連性データを参照して、上記指示部18により、そのプロパティと動作内容に関連性のある他のリトミック用データについて、次に読み出させて表示させる指示が、上記表示部12に出力されることになる。
【0083】
視聴楽対象者は、表示されたリトミック用データの学習教材としての内容に興味が有れば、当然、その表示画像に併せて、同じ動きをするはずであり、すなわち、少なくとも動きのタイミングが同期するはずであり(他の部位は場合により誤認識される場合もあり得る)、その場合に、その表示画像のリトミック用データと内容的に関連性のあるプロパティを有する他のリトミック用データを表示するための指示を、上記指示部18が、出すことで、次に表示されるリトミック用データも、該視聴楽対象者の興味があるものが表示される可能性が高くなり、学習意欲を高めることになり、当然その学習内容の認知度・習熟度は向上する。
【0084】
また、上述のように、視聴楽対象者は、表示されたリトミック用データの学習教材としての内容に興味が有れば、当然、その表示画像に併せて、同じ動きをするため、少なくとも動きのタイミングは同期するはずであるが、上記判定部16では、他の部位は、場合によって誤認識される場合もあり得る。その場合、上記判定部16で、少なくとも動きのタイミングが同期すると判定される場合には、撮像された画像データから判定された体の部位及び/又は動きの方向の判定結果を、表示されたリトミック用データの体の部位及び/又は動きの方向に合わせて、該判定部16自身で修正することができる。
【0085】
さらに、そのような誤認識をなくし、表示されたリトミック用データと撮像された画像データとの同期がとれているか否かを精度良く判定するため(誤認識による判定精度の低下を防ぐため)に、視聴楽対象者に装着させるグローブなどの身体部位センサをさらに備えることで、上記判定部16における、少なくとも体の部位及び動きの方向の判定処理負荷を軽減することもできる。
【0086】
上記撮像部14で撮像された画像データを、図7に示すように、上記表示部12で表示される画像データと共に表示させると、自分達がリアルタイムでどのように動いているかが分かり、学習意欲をより高めることになる。
【0087】
もちろん、上記判定部16では、各部位や動きの方向、動きのタイミングなどが同期していない場合は、視聴楽対象者にとり、表示されたリトミック用データの学習教材としての内容に興味がないとして、しばらくしたら、その表示されたリトミック用データと動きなどにおいて関連性の少ないプロパティを有するリトミック用データを表示するための指示を、上記指示部18が出すことになり、次に表示されるリトミック用データは、これまで表示されたリトミック用データとはリトミックの動きとしては内容的に異なるものとなり、そこでまた視聴楽対象者の興味があるものが表示される可能性も出てくる。
【0088】
他方、関連性があるといっても、動作内容に似たようなプロパティを有するリトミック用データばかり流し続けると、視聴楽対象者は飽きてくるので、生成機会(チャンス)と、上記関連性データの関連性とに、ランダム性を与える乱数生成機能を上記指示部18に備え、該指示部18が次の読み出し及び表示に指示を与えるリトミック用データとして、不定期に、リトミック用データ同士間の関連性が不連続になるようにすれば、似たような動作内容のリトミック用データばかりが、流れることがなくなり、視聴楽対象者は、益々、興味を感じ、学習意欲が高まって、その学習内容の認知度・習熟度が高くなる。
【実施例2】
【0089】
図8及び図9は、リトミックプログラムが読み込まれて、上記実施例1と同じパソコン100において実行されることで、構成される、本発明の望ましい他の実施形態構成を示している。本実施例で使用されるパソコン100の構成は、上記実施例1と同様であるので、その詳細は省略する。
【0090】
本実施形態に係るリトミックプログラムを、パソコン100(RAM108及びハードディスクドライブ116)に読み込ませて、(CPU104に)実行させることで、図7に示すように、第1格納部10と、表示部12と、撮像部14と、バッファ20と、比較部22と、第2格納部24と、指示部18aとを備えた構成となる。
【0091】
上記第1格納部10は、上記実施例1の格納部10と、さらに表示部12と、撮像部14は、同じく実施例1の表示部12と、撮像部14の構成と全く同じであるので、その説明は省略する。
【0092】
上記バッファ20は、上記RAM108で構成されており、撮像された画像データを一時的に記憶しておく機能を有する。これは、後に説明するように、撮像された視聴楽対象者の時系列的な撮像データから、該視聴楽対象者がリトミック運動によって、身体のどこかの部位に変化が起こっているかを、比較部22において、差異データとして生成するためである。
【0093】
上記比較部22は、上記CPU104及び該CPU104をリトミック用に作動させる実行中のプログラムで構成されており、この構成によって、撮像された視聴楽対象者の時系列的な撮像データから、該視聴楽対象者がリトミック運動によって、身体のどこかの部位に変化が起こっているかを、比較部22において、差異データとして生成する機能を有している。
【0094】
上記第2格納部24は、上記第1格納部10と同様、基本的にハードディスクドライブ116で構成され、上記差異データ毎に予め蓄積された視聴楽対象者の予測動作のプロパティを格納しておくものである。
【0095】
この構成は、撮像された視聴楽対象者の時系列的な撮像データから生成される、視聴楽対象者のリトミック運動で身体のどこかの部位に変化が起こっていることを示す、上記差異データと、後述する指示部18aによって、視聴楽対象者の現在行っているリトミック運動に関連の深いリトミック用データを第1格納部10から引き出すための、橋渡しを果たす役目を持つものである。
【0096】
例えば、視聴楽対象者が、手の平を合わせてお祈りをする手や腕の状態から、次に上方へ腕をピンと伸ばす状態へと変化した場合、その間の腕の位置・動作・動作方向が、上記差異データとして生成される。このような差異データに対しては、予め第2格納部24に、予測動作プロパティとして、「腕を上に上げる動作」が対応付けられている。従って、上記差異データが後述する指示部18aに渡された場合、「腕を上に上げる動作」が、予測動作プロパティとして、第2格納部24から、指示部18aによって、検索されることになる。
【0097】
上記指示部18aは、同じく、上記CPU104及び該CPU104をリトミック用に作動させる実行中のプログラムで構成されており、上記比較部22で生成された差異データを元に、該差異データに相当する予測動作プロパティが上記第2格納部24に存在するか否かを検索すると共に、該予測動作プロパティが存在する場合に、この予測動作プロパティが上記第1格納部10に格納された他のリトミック用データ毎のプロパティと同種のものが有るか否かを検索する、すなわち、上記関連性データを参照して、抽出された予測動作プロパティと同種のプロパティを有する(動作内容に関連性のある)他のリトミック用データを検索し、そのようなリトミック用データにつき、その読み出しアドレスを抽出しておいて、現在表示されているリトミック用データの表示終了後、上記表示部12に対し、次にそのデータを読み出させ、表示させる指示を、表示部12に出力する機能を有している。
【0098】
より、具体的に言えば、上記予測動作プロパティ中に「腕を上に上げる動作」が含まれているならば、関連性データとしては「体を伸ばす動き」が相当し、この「体を伸ばす動き」の関連性データの元には、「腕を上に上げる動作」の他に、「足を伸ばす動作」、「背骨を伸ばす動作」などが関連性のあるプロパティとして紐づけられている。従って、指示部18aは、上位概念である「体を伸ばす動き」の関連性データの元に、下位概念として、「足を伸ばす動作」、「背骨を伸ばす動作」などのプロパティを含んでいる他のリトミック用データを検索し、その読み出しアドレスを抽出しておくことになる。
【0099】
図9は、上記本実施例構成で実施される自動リトミック再生処理のメインフローを示すフローチャートである。リトミックプログラムが読み出されて、パソコン100で実行されると、同図に示すように、まず、パソコン100の各デバイスの初期化処理が実行される(ステップS300)。
【0100】
そして、リトミック用の選択画面が表示部12に表示され(ステップS302)、操作する者が適当なリトミック用データを選択する。すると上記第1格納部10から、選択されたリトミック用データ(図では表示画像データと記されている)の読み出しアドレスが取得される(ステップS304)。
【0101】
その読み出しアドレスに従って、リトミック用データが読み出され(ステップS306)、表示部12にリトミック画像が表示再生される(ステップS308)。
【0102】
さらに、パソコン100の側に立った視聴楽対象者が、撮像部14により撮像され、撮像画像データが該撮像部14から、バッファ20を経て、比較部22に送られる(ステップS310)。
【0103】
該比較部22において、撮像画像データ間の差異データが生成される(ステップS312)。
【0104】
そしてこの差異データを受けた指示部18aにより、第2格納部24中から、該差異データに相当する予測動作のプロパティが検索される(ステップS314)。
【0105】
上記指示部18aにより、差異データに相当する予測動作のプロパティが有るか否かがチェックされる(ステップS316)。
【0106】
そして、差異データに相当する予測動作のプロパティが存在しない場合(ステップS316;N)、後述するステップS326に移行し、これまで表示されているリトミック用データについて、最後の読み出しアドレスまでの再生が終了したか否かがチェックされ(ステップS326)、終了していない場合(ステップS326;N)、上記ステップS308に復帰し、そのリトミック用データの再生処理を行う。反対に最後の読み出しアドレスまでの再生が終了した場合(ステップS326;Y)、上記ステップS302に復帰して、新たなリトミック用データの選択画面に移行する。
【0107】
一方、上記ステップS316で、差異データに相当する予測動作のプロパティが存在していれば(ステップS316;Y)、この予測動作プロパティを第1格納部10の関連性データに突き合わせて、上記指示部18aにより、プロパティにおいて動作内容に関連性のある他のリトミック用データが、第1格納部10中から検索される(ステップS318)。
【0108】
その検索結果において、指示部18aにより、関連性のあるリトミック用データが有るか否かがチェックされ(ステップS320)、そのようなデータが有れば(ステップS320;Y)、そのリトミック用データの読み出しアドレスが取得される(ステップS322)。
【0109】
そしてこれまで表示されているリトミック用データについて、最後の読み出しアドレスまでの再生が終了したか否かがチェックされ(ステップS324)、終了していない場合(ステップS324;N)、上記ステップS308に復帰し、そのリトミック用データの再生処理を行う。
【0110】
反対に最後の読み出しアドレスまでの再生が終了した場合(ステップS324;Y)、上記ステップS306に復帰して、リトミック用データの新たな読み出しアドレスに基づき、新たなリトミック用データが読み出される(ステップS306)。以後同様な処理を行う。
【0111】
上記ステップS320に戻って、反対に関連性のあるリトミック用データがなければ(ステップS320;N)、上述のように、関連性のない新たな表示画像データのアドレスが取得された(ステップS326)後、これまで表示されているリトミック用データについて、最後の読み出しアドレスまでの再生が終了したか否かがチェックされ(ステップS328)、終了していない場合(ステップS328;N)、上記ステップS308に復帰し、そのリトミック用データの再生処理を行う。
【0112】
反対に最後の読み出しアドレスまでの再生が終了した場合(ステップS328;Y)、上記ステップS306に復帰して、これまでの映像とは関連性のない新たなリトミック用データの読み込み処理に移行する(ステップS306)。
【0113】
上記実施例構成では、比較部22で生成された、撮像された画像データ間の差異データを元に、指示部18aによって、該差異データに相当する予測動作プロパティが上記第2格納部24に存在するか否かが検索されると共に、該予測動作プロパティが存在する場合に、この予測動作プロパティが第1格納部10の関連性データに突き合わされて、該予測動作プロパティと関連のあるプロパティを有するリトミック用データについて、第1格納部10から次に読み出させて表示させる指示が、上記表示部12に出力されることになる。
【0114】
上記第2格納部24に予め蓄積された予測動作プロパティは、差異データに基づく、視聴楽対象者の予測動作の特徴を示すものであるので、常に、撮像された画像データ間の差異データを比較部22で取り続けていれば、自ずと、視聴楽対象者の動作が予測される。
【0115】
例えば、撮像された画像データが静止画像であっても、人の輪郭データをデフォルトで持っていれば、それから人物の有無が分かり、また目の位置や口端の位置及び目の周辺の皺などのデータをデフォルトで持っていれば、表情の解析などが可能である。さらに撮像画像データが動画画像であれば、差異データに変化があるか否かによって、画像に変化があるか否かが判定され、変化が有れば、撮像部14の前の視聴楽対象者が動いていると判断できる。変化が少なければ、動きが少ない、又は撮像部14の前に視聴楽対象者がいないといった情報を得ることができる。
【0116】
これらの撮像画像データに所定のパラメータによる重み付けを行って、総合評価を行い、視聴楽対象者の動作を予測するようにしても良い。例えば、笑いながら激しく動いている、楽しそうに画像を見ている、画像を見ないで動いている、撮像部14の前に居ないなどの動作や状態を、上記指示部18aにおいて自動的に予測・判定できることになる。
【0117】
尚、本発明の画像表示装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明の画像表示装置は、リトミック学習教材としての利用ばかりではなく、各種運動などのシミュレーション用、例えば、タイミングを検出して、ちゃんとやっているようだと関連性のある映像を繋げて再生し、やっていないようだとストレッチ的な映像に切り替えたり励ましの言葉が入った映像に切り替えるなどのトレーニング映像に使用したり、パソコンなどの入力インターフェース、特に体の様々な部位にハンディキャップのある人のための入力インターフェースとしての利用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明に係る画像表示装置の構成が実現されるパソコン100と、その側に立った視聴楽対象者との使用状態を示す説明図である。
【図2】上記パソコン100の回路構成の概要を示す概略図である。
【図3】実施例1の構成の概要を示す機能ブロック図である。
【図4】実施例1の基本処理フローを示すフローチャートである。
【図5】表示されるリトミック用データと撮像画像データの比較判定処理において、判定対象につき、最初に視聴楽対象者が設定する動作検出設定画面の構成を示す画面構成説明図である。
【図6】上記フローチャートにおけるステップS114の画像データ比較判定処理の処理フローを示すフローチャートである。
【図7】実施例1の表示部12における画像表示例を示す説明図である。
【図8】実施例2の構成の概要を示す機能ブロック図である。
【図9】実施例2の基本処理フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0120】
10 格納部、第1格納部
12 表示部
14 撮像部
16 判定部
18、18a 指示部
20 バッファ
22 比較部
24 第2格納部
100 パソコン
102 システムバス
104 CPU
106 ROM
108 RAM
110 画像制御部
112 I/Oインターフェース
114 ドライブインターフェース
116 ハードディスクドライブ
118 DVD−ROMドライブ
118a DVD−ROM
120 キーボード
122 マウス
124 サウンドシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作内容のプロパティを有する画像データと、内容的に関連のあるプロパティを有する画像データ同士間の関連性を規定した関連性データとを、少なくとも格納しておく格納手段と、
画像データを読み出して表示する表示手段と、
視聴楽対象者の画像を撮像する撮像手段と、
表示された画像データと撮像された画像データとのうち、体の部位及び動きの方向を判定すると共に、該体の部位、動きの方向、さらに動きのタイミングを比較し、これらが同期しているか否かを判定する判定手段と、
少なくとも動きのタイミングが同期すると判定される場合、表示された画像データの動作内容のプロパティを読み出し、上記関連性データを参照して、そのプロパティと動作内容に関連性のある他の画像データにつき、次に読み出させて表示させる指示を上記表示手段に出力する指示手段と
を有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
上記判定手段で、少なくとも動きのタイミングが同期すると判定される場合に、撮像された画像データから判定された体の部位及び/又は動きの方向の判定結果を、表示された画像データの体の部位及び/又は動きの方向に合わせて、該判定手段自身で修正することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
視聴楽対象者に装着させる身体部位センサをさらに備えることで、上記判定手段における、少なくとも体の部位及び動きの方向の判定処理負荷を軽減することを特徴とする請求項1又は2記載の画像表示装置。
【請求項4】
上記撮像手段で撮像された画像データを、上記表示手段で表示される画像データと共に表示させることを特徴とする請求項1〜3いずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項5】
生成機会と、上記関連性データの関連性とに、ランダム性を与える乱数生成機能を上記指示手段に備え、該指示手段が次の読み出し及び表示に指示を与える画像データとして、不定期に、画像データ同士間の関連性が不連続になるようにしたことを特徴とする請求項1〜4いずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項6】
動作内容のプロパティを有する画像データと、内容的に関連のあるプロパティを有する画像データ同士間の関連性を規定した関連性データとを、少なくとも格納しておく第1の格納手段と、
画像データを読み出して表示する表示手段と、
視聴楽対象者の画像を撮像する撮像手段と、
撮像された画像データを一時的に記憶しておくバッファと、
撮像された画像データ間を比較し、これらの画像データ間の差異を差異データとして生成する比較手段と、
上記差異データ毎に予め蓄積された視聴楽対象者の予測動作のプロパティを格納しておく第2の格納手段と、
上記比較手段で生成された差異データを元に、該差異データに相当する予測動作プロパティが上記第2の格納手段に存在するか否かを検索すると共に、該予測動作プロパティが存在する場合に、この予測動作プロパティを第1の格納手段の関連性データに突き合わせて、該予測動作プロパティと関連のあるプロパティを有する画像データにつき、第1の格納手段から次に読み出させて表示させる指示を上記表示手段に出力する指示手段と
を有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項7】
コンピュータに読み込まれて実行されることで、該コンピュータを、
動作内容のプロパティを有する画像データと、内容的に関連のあるプロパティを有する画像データ同士間の関連性を規定した関連性データとを、少なくとも格納しておく格納手段と、
画像データを読み出して表示する表示手段と、
視聴楽対象者の画像を撮像する撮像手段と、
表示された画像データと撮像された画像データとのうち、体の部位及び動きの方向を判定すると共に、該体の部位、動きの方向、さらに動きのタイミングを比較し、これらが同期しているか否かを判定する判定手段と、
少なくとも動きのタイミングが同期すると判定される場合、表示された画像データの動作内容のプロパティを読み出し、上記関連性データを参照して、そのプロパティと動作内容に関連性のある他の画像データにつき、次に読み出させて表示させる指示を上記表示手段に出力する指示手段と
として機能させることを特徴とする画像表示用プログラム。
【請求項8】
上記判定手段で、少なくとも動きのタイミングが同期すると判定される場合に、撮像された画像データから判定された体の部位及び/又は動きの方向の判定結果を、表示された画像データの体の部位及び/又は動きの方向に合わせて、該判定手段自身で修正することを特徴とする請求項7記載の画像表示用プログラム。
【請求項9】
視聴楽対象者に装着させる身体部位センサを上記コンピュータにさらに接続することで、上記判定手段における、少なくとも体の部位及び動きの方向の判定処理負荷を軽減することを特徴とする請求項7又は8記載の画像表示用プログラム。
【請求項10】
上記撮像手段で撮像された画像データを、上記表示手段で表示される画像データと共に表示させることを特徴とする請求項7〜9いずれか1つに記載の画像表示用プログラム。
【請求項11】
生成機会と、上記関連性データの関連性とに、ランダム性を与える乱数生成機能を上記指示手段に備え、該指示手段が次の読み出し及び表示に指示を与える画像データとして、不定期に、画像データ同士間の関連性が不連続になるようにしたことを特徴とする請求項7〜10いずれか1つに記載の画像表示用プログラム。
【請求項12】
コンピュータに読み込まれて実行されることで、該コンピュータを、
動作内容のプロパティを有する画像データと、内容的に関連のあるプロパティを有する画像データ同士間の関連性を規定した関連性データとを、少なくとも格納しておく第1の格納手段と、
画像データを読み出して表示する表示手段と、
視聴楽対象者の画像を撮像する撮像手段と、
撮像された画像データを一時的に記憶しておくバッファと、
撮像された画像データ間を比較し、これらの画像データ間の差異を差異データとして生成する比較手段と、
上記差異データ毎に予め蓄積された視聴楽対象者の予測動作のプロパティを格納しておく第2の格納手段と、
上記比較手段で生成された差異データを元に、該差異データに相当する予測動作プロパティが上記第2の格納手段に存在するか否かを検索すると共に、該予測動作プロパティが存在する場合に、この予測動作プロパティを第1の格納手段の関連性データに突き合わせて、該予測動作プロパティと関連のあるプロパティを有する画像データにつき、第1の格納手段から次に読み出させて表示させる指示を上記表示手段に出力する指示手段と
として機能させることを特徴とする画像表示用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−45245(P2009−45245A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−214383(P2007−214383)
【出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【出願人】(000001410)株式会社河合楽器製作所 (563)
【Fターム(参考)】