画像読取装置、画像形成装置、画像読取装置の画像読取方法、および画像読取プログラム
【課題】読取位置に存在するゴミや汚れ等の異常部位を高精度に検知可能な画像読取装置、画像形成装置、画像読取装置の画像読取方法、および画像読取プログラムを提供する。
【解決手段】第2読取部25による原稿の読取動作が行われる前に、メモリB403に記憶された異常部位検知用シェーディングデータを更新することにより、第2読取部25の光源から照射される光の光量が低下した後はゴミのゴミや汚れなどの異常部位を正しく検知することができるので、第2読取部25に存在する異常部位を高精度に検知することができる。
【解決手段】第2読取部25による原稿の読取動作が行われる前に、メモリB403に記憶された異常部位検知用シェーディングデータを更新することにより、第2読取部25の光源から照射される光の光量が低下した後はゴミのゴミや汚れなどの異常部位を正しく検知することができるので、第2読取部25に存在する異常部位を高精度に検知することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナ装置、デジタル複合機などに用いられる画像読取装置、画像形成装置、画像読取装置の画像読取方法、および画像読取プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル複写機、ファクシミリ装置、およびスキャナ装置などにおける画像形成過程では、原稿台または原稿送り装置等に原稿を装着し、光源から原稿に光が照射され、その反射光が画像情報としてCCD(Charge Coupled Device)等の光学読取素子(入力素子)により読み取られる。この画像情報は、通常、主走査方向の1ラインごとに読み取られる。したがって、原稿が原稿台に固定された場合には、光源と原稿と入力素子との間の光路を順次移動しながら原稿の読取動作が行われ、原稿送り装置等によって原稿を移動させる場合には、光源と原稿と入力素子との間の光路を固定し、原稿を移動させながら原稿の読取動作が行われる。即ち、主走査方向の画像情報のライン数は入力素子の素子数によって決定され、主走査方向に直交する副走査方向の画像情報のライン数は入力素子の読取タイミングと原稿の送りによって決定される。
【0003】
このような原稿の画像情報を読み取るための光学系には、縮小光学系と等倍光学系の2種類がある。縮小光学系を用いた装置では、シェーディング補正処理に用いる白基準データ(シェーディングデータ)を生成するための白基準部材が、原稿を搭載するコンタクトガラスに貼り付けてあることが多いが、この場合、白基準部材と入力端子との間の光路は閉空間内にある。従って、白基準部材に汚れやゴミなどが付着する心配がないため、装置の電源投入時等の適当なタイミングで、入力端子ごとの調整や白基準部材を読み取る副走査方向への位置(参照位置)の変更が可能であり、さらに、通常、複数ラインのシェーディングデータを平均化するため、安定したシェーディングデータを生成することができる。一方、等倍光学系を用いた装置では、白基準部材が、読取位置に対向して固定状態に設けられている。従って、白基準部材を読み取る参照位置は常に同じである。
【0004】
ところで、等倍光学系を用いた装置では、コンタクトガラスに接触させた状態で原稿を搬送しつつ、搬送される原稿に光源からコンタクトガラスを通して光を照射し、原稿で反射される原稿の画像情報を含む反射光を、再度コンタクトガラスを通して光電変換素子(例えば、CCD)に入射して、当該光電変換素子で光電変換することで原稿の画像情報を読み取っている。そして、このような等倍光学系を用いた装置においては、光源(例えば、希ガスキセノンランプ)の光量の変動および各画素の光電変換素子の感度バラツキ等を補正するために、原稿の読取動作前に白基準部材を読み取って、当該白基準部材を読み取って得られたデータをシェーディングデータとして用いて、原稿の画像情報に対してシェーディング補正処理を行っている。
【0005】
しかし、等倍光学系を用いた装置では、上述したように原稿をコンタクトガラスに接触させた状態で搬送しつつ原稿の読取を行っているため、原稿に付着したゴミ、トナー、紙紛などがコンタクトガラスや白基準部材の表面に付着し易く、これらのゴミ等がコンタクトガラスや白基準部材等の光学経路に付着すると、ゴミ等の付着部位の画像に白スジや黒スジが現れ、画質を低下させる、という問題がある。
【0006】
そこで、特許文献1に記載の原稿読取装置では、読取位置が汚れていない状態において読み取られた基準濃度面の読取データと、原稿の読み取りに先立って読み取った基準濃度面の読取データと、を比較し、読取位置の汚れの有無を判別している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、読取手段に用いられる光源の光量は、経時的に低下していくことが知られており、また光量の低下は主走査方向の全域において一定比率で低下するとは限らない。したがって、光量の低下前の初期状態において読取位置が汚れていない状態で読み取られた基準濃度面の読取データを用いて読取位置の汚れの有無を判別する場合、初期状態においては正しくゴミの有無を判別することができるが、光量が低下後はゴミの有無を正しく判別することが出来ない可能性があり、その判別精度に課題がある。なお、上記特許文献1には、読取位置が汚れていない状態で読み取られた基準濃度面の読取データの更新については何ら言及されておらず、初期状態の読取データを継続的に使用している。
【0008】
ここで、図14および図15を用いて、上述の課題について詳細に説明する。図14および図15は、シェーディング補正前およびシェーディング補正後の主走査方向に隣接する画素の出力レベルを示す図である。なお、ゴミの検知方法としては種々の演算方法が考えられるが、ここでは代表的な方法として、主走査方向に隣接する画素の出力レベルの差を検出し、出力レベルの差が所定の閾値を超える画素が存在する場合に、ゴミが有ると判定する方法について説明する。
【0009】
図14の左図は、シェーディング補正前の出力レベルである。なお、図14のD1で示すデータは初期状態においてゴミや汚れの無い状態で白基準部材を読み取ったときの出力レベルであり、図14のD2で示すデータは光源の劣化前において原稿の読取に先立って行われたるゴミ検知時に読み取ったときの出力レベルである。図14の右図は、図14のD1で示すデータを用いて、図14のD2に示すデータに対してシェーディング補正を行った後の出力レベルである。図14の右図の出力レベルに示すように、光源の劣化前においては、ゴミがある場所以外はフラットな出力が得られるため、図14のD1で示すデータを用いてゴミの検知を行えば容易にゴミを検知することができる。
【0010】
図15の左図は、シェーディング補正前の出力レベルである。なお、図15のD1で示すデータは初期状態においてゴミや汚れの無い状態で白基準部材を読み取ったときの出力レベルであり、図15のD2で示すデータは光源が劣化して光量が低下した場合において原稿の読取に先立って行われたるゴミ検知時に読み取ったときの出力レベルである。図15の右図は、図15のD1で示すデータを用いて、図15のD2に示すデータに対してシェーディング補正を行った後の出力レベルである。図15の右図の出力レベルに示すように、光量が低下した場合においては、主走査方向に隣接する画素の出力レベルにレベル差が発生してしまうため、仮にゴミや汚れが無くても出力レベルのレベル差によりゴミや汚れがあると誤検知する可能性がある。また、このような誤検知を回避すべく閾値自体を、主走査方向に隣接する画素の出力レベルのレベル差を考慮した値にする方法もあるが、検知精度が低下してしまう。
【0011】
このように、従来のゴミの検知方法においては、上述したゴミの検知方法に限らず、光源の経時的な劣化は、ゴミの検知精度の低下させる要因となっている。
【0012】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、読取位置に存在するゴミや汚れ等の異常部位を高精度に検知可能な画像読取装置、画像形成装置、画像読取装置の画像読取方法、および画像読取プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、読取手段により原稿面を読み取って得られた画像データに対して、読取位置に配置される白基準部材を読み取って得られた白基準部材データを用いてシェーディング補正処理を行う画像読取装置であって、前記白基準部材データに対して、前記読取位置に異常部位が無い状態で前記白基準部材を読み取って得られた異常部位検知用シェーディングデータを用いてシェーディング補正処理を行う補正手段と、シェーディング補正処理を行った前記白基準部材データから、前記読取位置の異常部位を検知する検知手段と、前記読取位置の異常部位が検知されなかった場合、前記白基準部材データにより前記異常部位検知用シェーディングデータを更新する更新手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、請求項1から8のいずれか一に記載の画像読取装置を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、読取手段により原稿面を読み取って得られた画像データに対して、読取位置に配置される白基準部材を読み取って得られた白基準部材データを用いてシェーディング補正処理を行う画像読取装置の画像読取方法であって、補正手段が、前記白基準部材データに対して、前記読取位置に異常部位が無い状態で前記白基準部材を読み取って得られた異常部位検知用シェーディングデータを用いてシェーディング補正処理を行う補正工程と、検知手段が、シェーディング補正処理を行った前記白基準部材データから、前記読取位置の異常部位を検知する検知工程と、更新手段が、前記読取位置の異常部位が検知されなかった場合、前記白基準部材データにより前記異常部位検知用シェーディングデータを更新する更新工程と、を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、読取手段により原稿面を読み取って得られた画像データに対して、読取位置に配置される白基準部材を読み取って得られた白基準部材データを用いてシェーディング補正処理を行う画像読取装置を制御するためのプログラムであって、コンピュータを、前記白基準部材データに対して、前記読取位置に異常部位が無い状態で前記白基準部材を読み取って得られた異常部位検知用シェーディングデータを用いてシェーディング補正処理を行う補正手段と、シェーディング補正処理を行った前記白基準部材データから、前記読取位置の異常部位を検知する検知手段と、前記読取位置の異常部位が検知されなかった場合、前記白基準部材データにより前記異常部位検知用シェーディングデータを更新する更新手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、読取手段の光量が低下した後もゴミの有無を正しく検知することができるので、読取位置に存在するゴミや汚れ等の異常部位を高精度に検知することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、第1実施の形態にかかるADFの断面図である。
【図2】図2は、第1実施の形態にかかる複合機の制御ブロック図である。
【図3】図3は、第2読取部の電気回路の要部を示すブロック図である。
【図4】図4は、画像処理部およびコントローラの特徴的な構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、異常部位の検知を通知するメッセージおよび清掃を促すメッセージの表示例を示す図である。
【図7】図7は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】図8は、画像処理部およびコントローラの特徴的な構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、点灯時間の経過に伴う光量の低下を示す図である。
【図10】図10は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】図11は、画像処理部およびコントローラの特徴的な構成を示すブロック図である。
【図12】図12は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図13は、異常部位の検知を通知するメッセージおよび清掃を促すメッセージの表示例を示す図である。
【図14】図14は、シェーディング補正前およびシェーディング補正後の主走査方向に隣接する画素の出力レベルを示す図である。
【図15】図15は、シェーディング補正前およびシェーディング補正後の主走査方向に隣接する画素の出力レベルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像読取装置、画像形成装置、画像読取装置の画像読取方法、および画像読取プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有し、かつ固定の読取部に被読取原稿を所定の速度で搬送しながら読み取りを行う、被読取原稿処理装置(以下、ADF:Auto Document Feederとする)を備えた複合機に適用した例について説明するが、画像読取装置を備えるものであれば、これに限定するものではなく、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置にも適用することができる。
【0020】
(第1実施の形態)
図1は、第1実施の形態にかかるADFの断面図である。図2は、第1実施の形態にかかる複合機の制御ブロック図である。本実施の形態にかかるADF1000は、読取を行う原稿束1をセットする原稿セット部A、原稿セット部Aにセットされた原稿束1から一枚毎に原稿を分離して給送する分離給送部B、給送された原稿を一次突き当てて整合し、整合後の原稿を引き出し搬送する働きのレジスト部C、搬送される原稿をターンさせて、原稿面を読み取り側(下方)に向けて搬送するターン部D、原稿の表面の画像をコンタクトガラス(図示しない)の下方より読み取りを行わせる第1読取搬送部E、原稿の裏面の画像の読み取りを行わせる第2読取搬送部F、表面および裏面の画像の読み取りが完了した原稿を機外に排出する排紙部G、読取完了後の原稿を積載保持するスタック部H、これらの搬送動作の駆動を行う101〜105、および一連の動作を制御するコントローラ100を備えて構成されている。
【0021】
次に、上述した各部の詳細な動作について説明する。まず、読取を行う原稿束1は、原稿面を上向きの状態で、可動原稿テーブル3を含む原稿テーブル2上にセットされる。さらに、図示しないサイドガイドによって、原稿束1の巾方向であって、原稿の搬送方向と直交する方向の位置決めを行う。
【0022】
コントローラ100は、セットフィラー4および原稿セットセンサ5により原稿テーブル2上にセットされた原稿束1を検知し、I/F107を介して、その検知結果を、複合機2000本体を制御する本体制御部111に送信する。さらに、原稿テーブル2上にセットされた原稿束1は、原稿テーブル2面に設けられた原稿長さ検知センサ30,31により、原稿の搬送方向の長さの概略が検知される。具体的には、原稿長さ検知センサ30,31は、少なくとも原稿の縦か横かを検知可能なセンサが配置される。なお、原稿長さ検知センサ30,31には、反射型センサ、または原稿1枚でも検知可能なアクチュエーター・タイプのセンサが用いられるものとする。
【0023】
可動原稿テーブル3は、底板上昇モータ105によりa方向またはb方向に上下動可能な構成になっている。コントローラ100は、セットフィラー4およびセットセンサ5により原稿束1がセットされたことが検知されると、底板上昇モータ105を正転させて原稿束1の最上面がピックアップローラ7と接触するように上昇させる。
【0024】
ピックアップローラ7は、ピックアップモータ101によりカム機構でc方向またはd方向に動作する。テーブル給紙適正位置センサ8は、可動原稿テーブル3が上昇して当該可動原稿テーブル3上の原稿束1の上面によりピックアップローラ7がc方向に上昇すると、可動原稿テーブル3上にセットされた原稿束1の上限を検知する。
【0025】
また、複合機2000を操作するための操作部108が備えるコピー乃至スキャンキー(図示しない)が押下され、本体制御部111からI/F107を介してコントローラ100に対して、原稿の給紙を要求する原稿給紙信号が送信されると、コントローラ100は、給紙モータ102の正転によりピックアップローラ7を回転駆動させて、可動原稿テーブル3上の数枚(理想的には1枚)の原稿をピックアップする。なお、ピックアップローラ7の回転方向は、最上位の原稿の搬送方向である。可動原稿テーブル3の原稿がピックアップされると、コントローラ100は、底板上昇モータ105を逆転させて、底面HP(Home Position)センサ6により可動原稿テーブル3が検知されるまで、可動原稿テーブル3を下降させる。
【0026】
給紙ベルト9は、給紙モータ102の正転によりe方向に回転駆動し、リバースローラ10は、e方向とは逆方向のf方向に回転駆動する。これにより、可動原稿テーブル3上にセットされた最上位の原稿が、その下の原稿から分離され、最上位の原稿のみが給紙できる構成となっている。詳細には、給紙ベルト9と所定の圧力で接し、給紙ベルト9と直接接している状態または原稿1枚を介して接している状態においては、リバースローラ10は、給紙ベルト9の回転につられてf方向につれ回りする。なお、万が一2枚以上の原稿が給紙ベルト9とリバースローラ10との間に侵入した場合には、リバースローラ10のつれ回り力が、図示しないトルクリミッターのトルクよりも低くなるように設定されているものとする。これにより、リバースローラ10は本来の駆動方向である時計回りに回転し、余分な原稿を押し戻す働きをして、2枚以上の原稿が搬送されることを防止する。
【0027】
給紙ベルト9とリバースローラ10の作用により1枚に分離された原稿は給紙ベルト9によりさらに搬送され、突き当てセンサ11によりその先端が検知される。突き当てセンサ11により先端が検知された原稿は、さらに搬送されて停止しているプルアウトローラ12に突き当たる。その後、給紙ベルト9により搬送される原稿は、さらに、突き当てセンサ11により検知されてから所定の距離、搬送される。そして、コントローラ100は、原稿がプルアウトローラ12に対して所定量の撓みをもって押し当てられた状態で給紙モータ102が停止することにより、給紙ベルト9の駆動を停止させる。
【0028】
それに伴い、コントローラ100は、ピックアップモータ101を正転させることによりピックアップローラ7を可動原稿テーブル3上にセットされた原稿束1の上面から退避させ、給紙ベルト9の搬送力のみで原稿を搬送する。これにより、原稿の先端が、プルアウトローラ12が備える上下のローラ対のニップに進入し、原稿の先端の整合(スキュー補正)が行われる。プルアウトローラ12は、スキュー補正機能を有するとともに、スキュー補正した原稿を中間ローラ14まで搬送するためのローラであり、給紙モータ102の逆転により回転駆動する。なお、給紙モータ102が逆転している間、プリアウトローラ12と中間ローラ14は回転駆動するが、ピックアップローラ7と給紙ベルト9は回転駆動されていない。
【0029】
原稿幅センサ13は、原稿の搬送方向に直交する方向である奥行き方向に向って複数個並べられ、プルアウトローラ12により搬送された原稿の搬送方向に直交する幅方向のサイズを検知する。また、原稿の搬送方向への長さは、突き当てセンサ11による原稿の先端および後端の検知結果と給紙モータ102のモータパルスとから求める。なお、プルアウトローラ12および中間ローラ14の駆動によりレジスト部Cからターン部Dに原稿が搬送される際には、レジスト部Cでの原稿の搬送速度を第1読取搬送部Eでの搬送速度よりも高速に設定して、原稿を読取部に送り込むための処理時間の短縮を図っている。
【0030】
原稿の先端が読取入口センサ15により検出されると、コントローラ100は、読取入口ローラ16が備える上下のローラ対のニップに原稿の先端が進入する前に、原稿の搬送速度を原稿の読取時の搬送速度と同速にするために、プルアウトローラ12および中間ローラ14による原稿の搬送速度を減速する。それと同時に、コントローラ100は、読取モータ103を正転させて、読取入口ローラ16、読取出口ローラ23、およびCIS(Contact Image Sensor)出口ローラ27を回転駆動する。
【0031】
そして、原稿の先端がレジストセンサ17により検知されると、コントローラ100は、読取入口ローラ16、読取出口ローラ12、およびCIS出口ローラ27による原稿の搬送速度を減速し、第1読取部20の手前で原稿の搬送を一時停止するとともに、I/F107を介して本体制御部111にレジスト停止信号を送信する。
【0032】
続いて、コントローラ100は、I/F107を介して本体制御部111から読取開始信号を受信すると、読取入口ローラ16、読取出口ローラ12、およびCIS出口ローラ27を回転駆動させて、第1読取部20の手前で停止している原稿を、第1読取部20に原稿の先端が到達するまでに所定の搬送速度になるように増即しながら搬送する。そして、コントローラ100は、読取モータ103のモータパルスをカウントすることにより検出した原稿の先端が第1読取部20に到達するタイミングで、原稿の表面である第1面の副走査方向に対する有効画像領域を示すゲート信号の送信を開始し、原稿の後端が第1読取部20を抜けるまで送信される。
【0033】
第1読取ローラ19は、第1読取部20における原稿の浮きを抑えると同時に、第1読取部20におけるシェーディングデータを取得するための白基準部材を兼ねるものである。
【0034】
片面読取の場合、第1読取搬送部Eを通過した原稿は、第2読取部25を経て排紙部Gに搬送される。この際、排紙センサ24により原稿の先端が検知されると、コントローラ100は、排紙モータ104を正転させて排紙ローラ28を反時計回りに回転駆動させる。また、コントローラ100は、排紙センサ24により原稿の先端が検知されてからカウントした排紙モータ104のモータパルスのカウント結果に従って、原稿の後端が排紙ローラ28のローラ対のニップから抜ける直前に排紙モータ104の回転速度を減速させる。これにより、排紙トレイ29に排出される原稿が排紙トレイ29から飛び出さないように制御される。
【0035】
一方、両面読取の場合、コントローラ100は、排紙センサ24にて原稿の先端が検知されてから読取モータ103のモータパルスをカウントすることにより検出した原稿の先端が第2読取部25に到達するタイミングで、原稿の裏面である第2面の副走査方向に対する有効画像領域を示すゲート信号の送信を開始し、原稿の後端が第2読取部25を抜けるまで送信する。
【0036】
第2読取ローラ26は、第2読取部25における原稿の浮きを抑えると同時に、第2読取部25におけるシェーディングデータを取得するための白基準部材を兼ねるものである。
【0037】
次に、図3を用いて、第2読取部25の電気回路について説明する。図3は、第2読取部の電気回路の要部を示すブロック図である。なお、本実施の形態では、第2読取部25の電気回路について説明し、第1読取部20の電気回路についての説明を省略するが、第1読取部20も同様の構成を有しているものとする。
【0038】
第2読取部25は、図3に示すように、コントローラ100からの点灯信号に従って点灯するものであって、LED(Light Emitting Diode)アレイ、蛍光灯、または冷陰極管などからなる光源部200、CIS(等倍密着イメージセンサ)と称される光電変換素子と集光レンズとを具備するものであって、主走査方向(原稿の幅方向に対応する方向)に並ぶ複数のセンサチップ201、それぞれのセンサチップ201に個別に接続された複数のアンプ回路202、それぞれのアンプ回路202に個別に接続された複数のA(Analog)/D(Digital)コンバータ203、A/Dコンバータ203によりデジタルデータに変換された画像データに画像処理を施す画像処理部204、画像処理部204により画像処理が行われた画像データを一時記憶するフレームメモリ205、およびコントローラ100からタイミング信号に従ってフレームメモリ205に記憶された画像データを、I/F回路207を介して本体制御部111に出力する出力制御回路206を備えて構成される。
【0039】
コントローラ100は、第2読取部25の読取位置への原稿の進入に先立って、光源部200に点灯信号を送信する。これにより、光源部200が点灯し、その光が原稿の第2面に照射される。原稿の第2面で反射した反射光は、複数のセンサチップ201が具備する集光レンズによって光電変換素子に集光されて画像データとして読み取られる。それぞれのセンサチップ201で読み取られた画像データは、アンプ回路202によって増幅された後、A/Dコンバータ203によってデジタルデータに変換された画像データに変換される。これらのデジタルデータの画像データは、画像処理部204に入力されてシェーディング補正処理などが施された後、フレームメモリ205に一時記憶される。その後、出力制御部206は、フレームメモリ205に記憶された画像データを本体制御部111により受入可能なデータ形式に変換し、コントローラ100からの信号であって、原稿の先端が第2読取部25の読取位置に到達するタイミングを知らせるためのタイミング信号に従って、I/F回路207を介して本体制御部111に出力する。なお、コントローラ100からは、第2読取部25への電源の供給等も行われるものとする。
【0040】
次に、図4および図5を用いて、画像処理部204およびコントローラ100の特徴的な構成について説明する。図4は、画像処理部およびコントローラの特徴的な構成を示すブロック図である。図5は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れを示すフローチャートである。
【0041】
まず、画像処理部204の特徴的な構成について説明する。画像処理部204は、A/Dコンバータ203によってデジタルデータに変換された画像データまたはシェーディングデータに対してシェーディング補正処理を行うシェーディング(SH)補正回路401、画像データに対するシェーディング補正処理に用いるデータであって、第2読取部25の読取位置に対向して配置された第2読取ローラ26を読み取って得られたシェーディングデータ(白基準部材データ)を記憶する揮発性のメモリA402、シェーディングデータに対するシェーディング補正処理に用いるデータであって、第2読取部25の読取位置にゴミや汚れなどの異常部位が無い状態で第2読取ローラ26を読み取って得られた異常部位検知用シェーディングデータを記憶する不揮発性のメモリB403、シェーディング補正処理を行う際に用いるデータを、メモリA402に記憶されたシェーディングデータまたはメモリB403に記憶された異常部位検知用シェーディングデータに切り替えるスイッチ407、メモリA402またはメモリB403に記憶させるシェーディングデータまたは異常部位検知用シェーディングデータを生成するシェーディング(SH)データ生成回路406、シェーディング補正回路401にてシェーディング補正処理が行われた画像データが入力され、種々の画像処理を実行する画像処理回路404、およびシェーディング補正回路401にてシェーディング補正処理が行われたシェーディングデータが入力され、入力されたシェーディングデータからゴミや汚れなどの異常部位を検知する異常部位検知回路405を備えて構成される。
【0042】
ここで、画像データに対するシェーディング補正処理に用いるシェーディングデータと異常部位検知用シェーディングとを別々のメモリ(記憶手段)に記憶させているのは、1つのメモリに上述の2つのデータを記憶させた場合、異常部位検知動作後にメモリの書換処理を行わなければならず、生産性の低下を招くため、2つのメモリを用いている。
【0043】
なお、第2読取部25は、第2読取ローラ26を回転させて主走査方向の複数ライン分のシェーディングデータ(または異常部位検知用シェーディングデータ)を取得するものとする。そして、シェーディングデータ生成回路406は、取得した各ラインのシェーディングデータ(または異常部位検知用シェーディングデータ)を画素単位で平均化して、メモリA402に記憶させる。平均化するライン数は、システムに合せて決定すれば良いが、ライン数が多いほど第2読取ローラ26の異常部位を高精度に検知することができる。
【0044】
次に、図4および図5を用いて、コントローラ100および画像処理部204により実行される異常部位検知用シェーディンデータの更新処理の流れについて説明する。まず、コントローラ100は、操作部108が備える読取開始ボタン(図示しない)が押下され、I/F部207を介して本体制御部111から読取開始信号を受信すると(ステップS501:Yes)、スイッチ407を制御してメモリB403を選択して、シェーディング補正処理を行う際に用いるデータを、メモリB403に記憶された異常部位検知用シェーディングデータに切り替える(ステップS502)。さらに、コントローラ100は、第2読取部25により第2読取ローラ26を読み取って得られた複数ライン分のシェーディングデータ(白基準部材データ)を取得する(ステップS503)。そして、取得した白基準部材データは、シェーディング補正回路401およびシェーディングデータ生成回路406に入力される。
【0045】
次に、シェーディング補正回路401は、入力された白基準部材データに対して、メモリB403に記憶された異常部位検知用シェーディングデータを用いてシェーディング補正処理を行い、シェーディング補正処理を行った白基準部材データを異常部位検知回路405に出力する(ステップS504)。
【0046】
本実施の形態では、シェーディング補正回路401は、以下に示す演算式を用いてシェーディング補正処理を行うものとする。
Dout=Din/Dsh(2n―1)
Dout:シェーディング補正処理後の白基準部材データ(または画像データ)
Dsh:シェーディングデータ
Din:シェーディング補正処理前の白基準部材データ(または画像データ)
n:出力ビット数
【0047】
なお、図示しないが、シェーディングデータ生成回路406は、ステップS504とは別に、入力された複数ラインの白基準部材データを画素単位で平均化して、メモリA402に記憶させる。
【0048】
異常部位検知回路405は、シェーディング補正回路401から出力された白基準部材データから、第2読取部25に付着したゴミや汚れなどの異常部位を検知する(ステップS505)。なお、異常部位の検知方法については、特に限定されるものではなく、システムの仕様に合せて最適な方法を選択するのが好ましい。
【0049】
第2読取部25の異常部位が検知されなかった場合(ステップS505:No)、コントローラ(更新手段)100は、原稿の読取動作が開始される前に、メモリA402に記憶されたシェーディングデータを読み出し、読み出したシェーディングデータをメモリB403に記憶させることにより、メモリB403に記憶される異常部位検知用シェーディングデータを更新する(ステップS506)。なお、読取動作が開始される前に更新処理を行っているのは、1ジョブごとに異常部位検知用シェーディングデータの更新処理を行うことにより、安定して高精度な異常部位の検知処理を実現するためである。
【0050】
一方、第2読取部25に付着した異常部位が検知された場合(ステップS505:Yes)、コントローラ100(表示手段)は、I/F部107を介して、その検知結果を本体制御部111に通知して、図6に示すように、第2読取部25に付着したゴミや汚れなどの異常部位の検知を通知するメッセージ、および第2読取部25または第2読取ローラ26の清掃を促すメッセージを操作部108に表示させる(ステップS507)。図6は、異常部位の検知を通知するメッセージおよび清掃を促すメッセージの表示例を示す図である。これにより、オペレータは原稿の読取動作が開始される前に、ゴミや汚れの清掃を行うことができるので、ゴミや汚れなどによる読み取った画像に含まれる異常画像の発生を未然に防止することができる。
【0051】
上述した一連の処理が終了すると(異常部位検知用シェーディングが更新された後)、コントローラ100は、スイッチ407を制御してメモリA402を選択して、シェーディング補正処理を行う際に用いるデータを、メモリA402に記憶されたシェーディングデータに切り替えるとともに(ステップS508)、原稿の読取動作を開始する(ステップS509)。
【0052】
なお、複合機の2000の初期状態(工場出荷時)には、異常部位検知用シェーディングデータがメモリB403に予め記憶されているものとする。例えば、工場出荷時に、出荷する装置毎に異常部位検知用シェーディングデータの更新処理を実行することにより、装置毎に異なる白基準部材の濃度のばらつき、光源部200の光量のばらつき等、種々のばらつきの要因に左右されない安定した異常部位検知用シェーディングデータをメモリB403に記憶させることができる。
【0053】
このように本実施の形態にかかる複合機2000によれば、メモリB403に記憶された異常部位検知用シェーディングデータを更新することにより、第2読取部25の光源から照射される光の光量が低下した後はゴミのゴミや汚れなどの異常部位を正しく検知することができるので、第2読取部25に存在する異常部位を高精度に検知することができる。
【0054】
(第2実施の形態)
本実施の形態は、電源がオフされる際または省電力モードへ移行する際に、異常部位検知処理を実行するものである。なお、以下の説明では、第1実施の形態にかかる複合機2000と同様の箇所については説明を省略し、第1実施の形態にかかる複合機2000と異なる箇所についてのみ説明する。
【0055】
図7を用いて、コントローラ100および画像処理部204により実行される異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れについて説明する。図7は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れを示すフローチャートである。
【0056】
まず、コントローラ100は、操作部108が備える複合機100の電源をオン/オフするボタンが操作されて、複合機100の電源がオフされた場合、または操作部108が備える省電力モードへの移行させるためのボタンされた場合(ステップS701:Yes)、ステップS702〜ステップS705に示す処理へと移行する。なお、ステップS702〜ステップS705に示す処理は、図5に示すステップS502〜ステップS505に示す処理と同様である。
【0057】
第2読取部25の異常部位が検知されなかった場合(ステップS705:No)、コントローラ(更新手段)100は、複合機2000の電源がオフされる前または省電力モードへ移行する前に、メモリA402に記憶されたシェーディングデータを読み出し、読み出したシェーディングデータをメモリB403に記憶させることにより、メモリB403に記憶される異常部位検知用シェーディングデータを更新する(ステップS706)。
【0058】
そして、第2読取部25の異常部位が検知された場合(ステップS705:Yes)、コントローラ100は、第2読取部25に異常検知フラグを立てる(ステップS707)。その後、コントローラ(表示手段)100は、複合機100の電源がオンされた場合または省電力モードから復帰した場合に、I/F部107を介して、その検知結果を本体制御部111に通知して、図6に示すように、第2読取部25に付着したゴミや汚れなどの異常部位の検知を通知するメッセージ、および第2読取部25または第2読取ローラ26の清掃を促すメッセージを操作部108に表示させる。
【0059】
上述した一連の処理が終了すると(異常部位検知用シェーディングデータが更新された後)、コントローラ100は、複合機2000の電源のオフ処理または省電力モードへの移行処理を実行する(ステップS708)。
【0060】
このように本実施の形態にかかる複合機2000によれば、電源がオフされる前または省電力モードに移行する前に、異常部位検知用シェーディングデータを更新することにより、1ジョブごとに異常部位検知用シェーディングデータの更新が行われることによるオペレータの待ち時間を無くすことができるので、オペレータに不快感を与えることを回避できる。
【0061】
(第3実施の形態)
本実施の形態は、光源の点灯時間が所定時間に到達した場合に、異常部位検知用シェーディングデータを更新するものである。なお、以下の説明では、上述した実施の形態にかかる複合機2000と同様の箇所については説明を省略し、上述した実施の形態にかかる複合機2000と異なる箇所についてのみ説明する。
【0062】
まず、図8を用いて、画像処理部204およびコントローラ1100の特徴的な構成について説明する。図8は、画像処理部およびコントローラの特徴的な構成を示すブロック図である。
【0063】
コントローラ800は、光源部200の点灯時間を計測するタイマ(計測手段)801、および異常部位検知用シェーディングデータを更新する所定のタイミング(所定時間)が記憶されたレジスタ802を備えて構成される。
【0064】
タイマ801は、コントローラ800から光源部200に対して点灯信号がアサートされている期間のみ点灯時間を計測する。したがって、あるジョブの中で計測された点灯時間がレジスタ802に記憶された所定のタイミングに達した場合、そのジョブの終了後に異常部位検知用シェーディングデータの更新処理が行われる。
【0065】
レジスタ802は、システムで使用する光源部200の性能に応じて、最適なタイミングTth(n)が複数記憶される。図9は、点灯時間の経過に伴う光量の低下を示す図である。例えば、図9に示すように、光量が低下する割合が使用とともに低下していく光源部200を備える複合機200の場合には、Tth(1)=3時間後、Tth(2)=6時間後、Tth(3)=10時間後、Tth(4)=15時間後、Tth(5)=25時間後などのように、光源部200の使用時間に応じた複数のタイミングTth(n)がレジスタ802に記憶される。
【0066】
次に、図10を用いて、コントローラ800および画像処理部204により実行される異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れについて説明する。図10は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れを示すフローチャートである。なお、ステップS1002〜ステップS1006,ステップS1009に示す処理は、図5に示すステップS502〜ステップS506,ステップS508に示す処理と同様である。
【0067】
コントローラ800は、原稿の読取動作が行われている間、タイマ801により計測された点灯時間がレジスタ802に記憶された所定のタイミングTth(n)に到達したか否かを監視する。そして、コントローラ800は、タイマ801により計測された点灯時間が所定のタイミングTth(n)に到達した場合、原稿の読取動作の終了を待つ(ステップS1001:No)。そして、コントローラ800(更新手段)は、原稿の読取動作が終了すると(ステップS1001:Yes)、ステップS1002〜ステップS1006に示す処理へと移行する。
【0068】
第2読取部25の異常部位が検知された場合(ステップS1005:Yes)、コントローラ800は、第2読取部25に異常検知フラグを立てる(ステップS1007)。さらに、コントローラ(表示手段)800は、I/F部107を介して、その検知結果を本体制御部111に通知して、図6に示すように、第2読取部25に付着したゴミや汚れなどの異常部位の検知を通知するメッセージ、および第2読取部25または第2読取ローラ26の清掃を促すメッセージを操作部108に表示させ(ステップS1008)、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理を行わない。ただし、そのまま更新処理を行わずに原稿の読取動作を続けていくと、異常部位の検知精度の低下を招いてしまうため、次回の読取動作以降は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理が完了するまで、ジョブごとに(つまり、原稿の読取動作が行われる前に)、図5に示す異常部位検知用シェーディングデータの更新処理を行うものとする。そして、異常部位検知用シェーディングデータの更新が完了した時点で、ジョブごとの更新処理を中止し(異常検知フラグを消去)、所定のタイミングに到達するまで更新処理を行わないものとする。
【0069】
このように本実施の形態にかかる複合機2000によれば、光源部200の点灯時間が所定のタイミングに到達した場合に、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理を行うことにより、1ジョブの先頭での異常部位検知用シェーディングデータの更新ではなく、適切なタイミングで異常部位検知用シェーディングデータを更新することができるので、タイマ801やレジスタ802などの安価な構成部品の追加のみで、読取動作が行われる際の更新処理の待ち時間によるオペレータへの不快感を与えず、高精度に異常部位を検知することができる。
【0070】
(第4実施の形態)
本実施の形態は、原稿の読取枚数が所定枚数に到達した場合に、異常部位検知用シェーディングデータを更新するものである。なお、以下の説明では、上述した実施の形態にかかる複合機2000と同様の箇所については説明を省略し、上述した実施の形態にかかる複合機2000と異なる箇所についてのみ説明する。
【0071】
まず、図11を用いて、画像処理部204およびコントローラ1100の特徴的な構成について説明する。図11は、画像処理部およびコントローラの特徴的な構成を示すブロック図である。
【0072】
コントローラ1100は、第2読取部25により読み取りを行った原稿の枚数をカウントするカウンタ1101、および異常部位検知用シェーディングデータを更新する所定の原稿の枚数を記憶するレジスタ1102を備えて構成される。
【0073】
カウンタ1101は、コントローラ1100から第2読取部25にゲート信号がアサートされた回数をカウントすることにより、第2読取部25により読み取りが行われた原稿の枚数をカウントするものとする。したがって、あるジョブの中でカウントされた原稿の枚数がレジスタ1102に記憶された所定の枚数に到達した場合、そのジョブの終了後に異常部位検知用シェーディングデータの更新処理が行われる。
【0074】
レジスタ1102には、システムで使用する光源200の性能に応じて、最適なタイミングで異常部位検知用シェーディングデータの更新を行うための原稿の枚数Nth(n)が記憶されるものとする。
【0075】
なお、コントローラ1100および画像処理部204により実行される異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れは、図10に示す異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れとほぼ同じである。
【0076】
具体的には、コントローラ1100は、原稿の読取動作が行われている間、カウンタ1101によりカウントされた枚数がレジスタ1102に記憶された所定の枚数Nth(n)に到達したか否かを監視する。そして、コントローラ1100は、カウンタ1102によりカウントされた枚数が所定の枚数Nth(n)に到達した場合、原稿の読取動作の終了を待つ。そして、コントローラ(更新手段)1100は、原稿の読取動作が終了すると、ステップS1002〜ステップS1009に示す処理へと移行する。
【0077】
第2読取部25の異常部位が検知された場合、コントローラ1100は、第2読取部25に異常検知フラグを立てる。さらに、コントローラ(表示手段)1100は、I/F部107を介して、その検知結果を本体制御部111に通知して、図6に示すように、第2読取部25に付着したゴミや汚れなどの異常部位の検知を通知するメッセージ、および第2読取部25または第2読取ローラ26の清掃を促すメッセージを操作部108に表示させ、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理を行わない。ただし、そのまま更新処理を行わずに原稿の読取動作を続けていくと、異常部位の検知精度の低下を招いてしまうため、次回の読取動作以降は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理が完了するまで、ジョブごとに(つまり、原稿の読取動作が行われる前に)、図5に示す異常部位検知用シェーディングデータの更新処理を行うものとする。そして、異常部位検知用シェーディングデータの更新が完了した時点で、ジョブごとの更新処理を中止し(異常検知フラグを消去)、所定のタイミングに到達するまで更新処理を行わないものとする。
【0078】
このように本実施の形態にかかる複合機2000によれば、第2読取部25により読み取りを行った原稿の枚数が所定の枚数に到達した場合に、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理を行うことにより、1ジョブの先頭での異常部位検知用シェーディングデータの更新ではなく、適切なタイミングで異常部位検知用シェーディングデータを更新することができるので、タイマ1101やレジスタ1102などの安価な構成部品の追加のみで、読取動作が行われる際の更新処理の待ち時間によるオペレータへの不快感を与えず、高精度に異常部位を検知することができる。
【0079】
(第5実施の形態)
本実施の形態は、異常部位が検知され、かつ当該異常部位により画像データに画質が大きく劣化すると判定した場合に、ゴミや汚れなどの異常部位の検知を通知するメッセージ、および読取位置の清掃を促すメッセージを表示する。なお、以下の説明では、上述した実施の形態にかかる複合機2000と同様の箇所については説明を省略し、上述した実施の形態にかかる複合機2000と異なる箇所についてのみ説明する。
【0080】
図12を用いて、コントローラ100および画像処理部204により実行される異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れについて説明する。図12は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れを示すフローチャートである。なお、ステップS1201〜ステップS1208に示す処理は、図5に示すステップS501〜ステップS506,ステップS508,およびステップS509に示す処理と同様である。
【0081】
第2読取部25の異常部位が検知された場合(ステップS1205:Yes)、コントローラ100は、検知された異常部位の主走査方向への領域などで表すレベルNthが、主走査方向の全域を表す最大検知レベルNmaxより低いか否かを判断する(ステップS1209)。
【0082】
そして、レベルNthが最大検知レベルNmaxより低い場合(ステップS1209:Yes)、コントローラ(表示手段)100は、検知されたゴミや汚れなどの異常部位が画像データの画質を著しく低下させるものと判断して、I/F部107を介して、その検知結果を本体制御部111に通知して、図13に示すように、第2読取部25に付着したゴミや汚れなどの異常部位の検知を通知するメッセージ、および第2読取部25または第2読取ローラ26の清掃を促すメッセージを操作部108に表示させる(ステップS1210)。図13は、異常部位の検知を通知するメッセージおよび清掃を促すメッセージの表示例を示す図である。なお、操作部108に表示するメッセージは、図13に示すように、このまま原稿の読取動作を開始するか否かを選択させるメッセージとしても良い。
【0083】
一方、レベルNthが最大検知レベルNmax以上である場合(ステップS1209:No)、コントローラ100は、図13に示すように、第2読取部25に付着したゴミや汚れなどの異常部位の検知を通知するメッセージ、および第2読取部25または第2読取ローラ26の清掃を促すメッセージを操作部108に表示させるとともに、第2読取部25による原稿の読取動作を、一旦停止させる(ステップS1211)。
【0084】
このように本実施の形態にかかる複合機2000によれば、ゴミや汚れなどの異常部位が画像データの画質を著しく低下させるものであると判断した場合に、異常部位の検知を通知するメッセージや清掃を促すメッセージを表示したり、第2読取部25による読取動作を停止したり、することにより、縦スジ等の劣悪な画像データの発生を未然に防止することができる。
【0085】
なお、本実施の形態の複合機2000で実行される画像読取プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0086】
本実施の形態の複合機2000で実行される画像読取プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0087】
さらに、本実施の形態の複合機2000で実行される画像読取プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の複合機2000で実行される画像読取プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0088】
本実施の形態の複合機2000で実行される画像読取プログラムは、上述したコントローラ100,800,1100を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから画像読取プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、コントローラ100,800,1100が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0089】
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0090】
100,800,1100 コントローラ
25 第2読取部
401 SH補正回路
405 異常部位検知回路
801 タイマ
802,1102 レジスタ
1000 ADF
1101 カウンタ
2000 複合機
【先行技術文献】
【特許文献】
【0091】
【特許文献1】特開2004−350245号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナ装置、デジタル複合機などに用いられる画像読取装置、画像形成装置、画像読取装置の画像読取方法、および画像読取プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル複写機、ファクシミリ装置、およびスキャナ装置などにおける画像形成過程では、原稿台または原稿送り装置等に原稿を装着し、光源から原稿に光が照射され、その反射光が画像情報としてCCD(Charge Coupled Device)等の光学読取素子(入力素子)により読み取られる。この画像情報は、通常、主走査方向の1ラインごとに読み取られる。したがって、原稿が原稿台に固定された場合には、光源と原稿と入力素子との間の光路を順次移動しながら原稿の読取動作が行われ、原稿送り装置等によって原稿を移動させる場合には、光源と原稿と入力素子との間の光路を固定し、原稿を移動させながら原稿の読取動作が行われる。即ち、主走査方向の画像情報のライン数は入力素子の素子数によって決定され、主走査方向に直交する副走査方向の画像情報のライン数は入力素子の読取タイミングと原稿の送りによって決定される。
【0003】
このような原稿の画像情報を読み取るための光学系には、縮小光学系と等倍光学系の2種類がある。縮小光学系を用いた装置では、シェーディング補正処理に用いる白基準データ(シェーディングデータ)を生成するための白基準部材が、原稿を搭載するコンタクトガラスに貼り付けてあることが多いが、この場合、白基準部材と入力端子との間の光路は閉空間内にある。従って、白基準部材に汚れやゴミなどが付着する心配がないため、装置の電源投入時等の適当なタイミングで、入力端子ごとの調整や白基準部材を読み取る副走査方向への位置(参照位置)の変更が可能であり、さらに、通常、複数ラインのシェーディングデータを平均化するため、安定したシェーディングデータを生成することができる。一方、等倍光学系を用いた装置では、白基準部材が、読取位置に対向して固定状態に設けられている。従って、白基準部材を読み取る参照位置は常に同じである。
【0004】
ところで、等倍光学系を用いた装置では、コンタクトガラスに接触させた状態で原稿を搬送しつつ、搬送される原稿に光源からコンタクトガラスを通して光を照射し、原稿で反射される原稿の画像情報を含む反射光を、再度コンタクトガラスを通して光電変換素子(例えば、CCD)に入射して、当該光電変換素子で光電変換することで原稿の画像情報を読み取っている。そして、このような等倍光学系を用いた装置においては、光源(例えば、希ガスキセノンランプ)の光量の変動および各画素の光電変換素子の感度バラツキ等を補正するために、原稿の読取動作前に白基準部材を読み取って、当該白基準部材を読み取って得られたデータをシェーディングデータとして用いて、原稿の画像情報に対してシェーディング補正処理を行っている。
【0005】
しかし、等倍光学系を用いた装置では、上述したように原稿をコンタクトガラスに接触させた状態で搬送しつつ原稿の読取を行っているため、原稿に付着したゴミ、トナー、紙紛などがコンタクトガラスや白基準部材の表面に付着し易く、これらのゴミ等がコンタクトガラスや白基準部材等の光学経路に付着すると、ゴミ等の付着部位の画像に白スジや黒スジが現れ、画質を低下させる、という問題がある。
【0006】
そこで、特許文献1に記載の原稿読取装置では、読取位置が汚れていない状態において読み取られた基準濃度面の読取データと、原稿の読み取りに先立って読み取った基準濃度面の読取データと、を比較し、読取位置の汚れの有無を判別している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、読取手段に用いられる光源の光量は、経時的に低下していくことが知られており、また光量の低下は主走査方向の全域において一定比率で低下するとは限らない。したがって、光量の低下前の初期状態において読取位置が汚れていない状態で読み取られた基準濃度面の読取データを用いて読取位置の汚れの有無を判別する場合、初期状態においては正しくゴミの有無を判別することができるが、光量が低下後はゴミの有無を正しく判別することが出来ない可能性があり、その判別精度に課題がある。なお、上記特許文献1には、読取位置が汚れていない状態で読み取られた基準濃度面の読取データの更新については何ら言及されておらず、初期状態の読取データを継続的に使用している。
【0008】
ここで、図14および図15を用いて、上述の課題について詳細に説明する。図14および図15は、シェーディング補正前およびシェーディング補正後の主走査方向に隣接する画素の出力レベルを示す図である。なお、ゴミの検知方法としては種々の演算方法が考えられるが、ここでは代表的な方法として、主走査方向に隣接する画素の出力レベルの差を検出し、出力レベルの差が所定の閾値を超える画素が存在する場合に、ゴミが有ると判定する方法について説明する。
【0009】
図14の左図は、シェーディング補正前の出力レベルである。なお、図14のD1で示すデータは初期状態においてゴミや汚れの無い状態で白基準部材を読み取ったときの出力レベルであり、図14のD2で示すデータは光源の劣化前において原稿の読取に先立って行われたるゴミ検知時に読み取ったときの出力レベルである。図14の右図は、図14のD1で示すデータを用いて、図14のD2に示すデータに対してシェーディング補正を行った後の出力レベルである。図14の右図の出力レベルに示すように、光源の劣化前においては、ゴミがある場所以外はフラットな出力が得られるため、図14のD1で示すデータを用いてゴミの検知を行えば容易にゴミを検知することができる。
【0010】
図15の左図は、シェーディング補正前の出力レベルである。なお、図15のD1で示すデータは初期状態においてゴミや汚れの無い状態で白基準部材を読み取ったときの出力レベルであり、図15のD2で示すデータは光源が劣化して光量が低下した場合において原稿の読取に先立って行われたるゴミ検知時に読み取ったときの出力レベルである。図15の右図は、図15のD1で示すデータを用いて、図15のD2に示すデータに対してシェーディング補正を行った後の出力レベルである。図15の右図の出力レベルに示すように、光量が低下した場合においては、主走査方向に隣接する画素の出力レベルにレベル差が発生してしまうため、仮にゴミや汚れが無くても出力レベルのレベル差によりゴミや汚れがあると誤検知する可能性がある。また、このような誤検知を回避すべく閾値自体を、主走査方向に隣接する画素の出力レベルのレベル差を考慮した値にする方法もあるが、検知精度が低下してしまう。
【0011】
このように、従来のゴミの検知方法においては、上述したゴミの検知方法に限らず、光源の経時的な劣化は、ゴミの検知精度の低下させる要因となっている。
【0012】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、読取位置に存在するゴミや汚れ等の異常部位を高精度に検知可能な画像読取装置、画像形成装置、画像読取装置の画像読取方法、および画像読取プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、読取手段により原稿面を読み取って得られた画像データに対して、読取位置に配置される白基準部材を読み取って得られた白基準部材データを用いてシェーディング補正処理を行う画像読取装置であって、前記白基準部材データに対して、前記読取位置に異常部位が無い状態で前記白基準部材を読み取って得られた異常部位検知用シェーディングデータを用いてシェーディング補正処理を行う補正手段と、シェーディング補正処理を行った前記白基準部材データから、前記読取位置の異常部位を検知する検知手段と、前記読取位置の異常部位が検知されなかった場合、前記白基準部材データにより前記異常部位検知用シェーディングデータを更新する更新手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、請求項1から8のいずれか一に記載の画像読取装置を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、読取手段により原稿面を読み取って得られた画像データに対して、読取位置に配置される白基準部材を読み取って得られた白基準部材データを用いてシェーディング補正処理を行う画像読取装置の画像読取方法であって、補正手段が、前記白基準部材データに対して、前記読取位置に異常部位が無い状態で前記白基準部材を読み取って得られた異常部位検知用シェーディングデータを用いてシェーディング補正処理を行う補正工程と、検知手段が、シェーディング補正処理を行った前記白基準部材データから、前記読取位置の異常部位を検知する検知工程と、更新手段が、前記読取位置の異常部位が検知されなかった場合、前記白基準部材データにより前記異常部位検知用シェーディングデータを更新する更新工程と、を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、読取手段により原稿面を読み取って得られた画像データに対して、読取位置に配置される白基準部材を読み取って得られた白基準部材データを用いてシェーディング補正処理を行う画像読取装置を制御するためのプログラムであって、コンピュータを、前記白基準部材データに対して、前記読取位置に異常部位が無い状態で前記白基準部材を読み取って得られた異常部位検知用シェーディングデータを用いてシェーディング補正処理を行う補正手段と、シェーディング補正処理を行った前記白基準部材データから、前記読取位置の異常部位を検知する検知手段と、前記読取位置の異常部位が検知されなかった場合、前記白基準部材データにより前記異常部位検知用シェーディングデータを更新する更新手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、読取手段の光量が低下した後もゴミの有無を正しく検知することができるので、読取位置に存在するゴミや汚れ等の異常部位を高精度に検知することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、第1実施の形態にかかるADFの断面図である。
【図2】図2は、第1実施の形態にかかる複合機の制御ブロック図である。
【図3】図3は、第2読取部の電気回路の要部を示すブロック図である。
【図4】図4は、画像処理部およびコントローラの特徴的な構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、異常部位の検知を通知するメッセージおよび清掃を促すメッセージの表示例を示す図である。
【図7】図7は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】図8は、画像処理部およびコントローラの特徴的な構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、点灯時間の経過に伴う光量の低下を示す図である。
【図10】図10は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】図11は、画像処理部およびコントローラの特徴的な構成を示すブロック図である。
【図12】図12は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図13は、異常部位の検知を通知するメッセージおよび清掃を促すメッセージの表示例を示す図である。
【図14】図14は、シェーディング補正前およびシェーディング補正後の主走査方向に隣接する画素の出力レベルを示す図である。
【図15】図15は、シェーディング補正前およびシェーディング補正後の主走査方向に隣接する画素の出力レベルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像読取装置、画像形成装置、画像読取装置の画像読取方法、および画像読取プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有し、かつ固定の読取部に被読取原稿を所定の速度で搬送しながら読み取りを行う、被読取原稿処理装置(以下、ADF:Auto Document Feederとする)を備えた複合機に適用した例について説明するが、画像読取装置を備えるものであれば、これに限定するものではなく、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置にも適用することができる。
【0020】
(第1実施の形態)
図1は、第1実施の形態にかかるADFの断面図である。図2は、第1実施の形態にかかる複合機の制御ブロック図である。本実施の形態にかかるADF1000は、読取を行う原稿束1をセットする原稿セット部A、原稿セット部Aにセットされた原稿束1から一枚毎に原稿を分離して給送する分離給送部B、給送された原稿を一次突き当てて整合し、整合後の原稿を引き出し搬送する働きのレジスト部C、搬送される原稿をターンさせて、原稿面を読み取り側(下方)に向けて搬送するターン部D、原稿の表面の画像をコンタクトガラス(図示しない)の下方より読み取りを行わせる第1読取搬送部E、原稿の裏面の画像の読み取りを行わせる第2読取搬送部F、表面および裏面の画像の読み取りが完了した原稿を機外に排出する排紙部G、読取完了後の原稿を積載保持するスタック部H、これらの搬送動作の駆動を行う101〜105、および一連の動作を制御するコントローラ100を備えて構成されている。
【0021】
次に、上述した各部の詳細な動作について説明する。まず、読取を行う原稿束1は、原稿面を上向きの状態で、可動原稿テーブル3を含む原稿テーブル2上にセットされる。さらに、図示しないサイドガイドによって、原稿束1の巾方向であって、原稿の搬送方向と直交する方向の位置決めを行う。
【0022】
コントローラ100は、セットフィラー4および原稿セットセンサ5により原稿テーブル2上にセットされた原稿束1を検知し、I/F107を介して、その検知結果を、複合機2000本体を制御する本体制御部111に送信する。さらに、原稿テーブル2上にセットされた原稿束1は、原稿テーブル2面に設けられた原稿長さ検知センサ30,31により、原稿の搬送方向の長さの概略が検知される。具体的には、原稿長さ検知センサ30,31は、少なくとも原稿の縦か横かを検知可能なセンサが配置される。なお、原稿長さ検知センサ30,31には、反射型センサ、または原稿1枚でも検知可能なアクチュエーター・タイプのセンサが用いられるものとする。
【0023】
可動原稿テーブル3は、底板上昇モータ105によりa方向またはb方向に上下動可能な構成になっている。コントローラ100は、セットフィラー4およびセットセンサ5により原稿束1がセットされたことが検知されると、底板上昇モータ105を正転させて原稿束1の最上面がピックアップローラ7と接触するように上昇させる。
【0024】
ピックアップローラ7は、ピックアップモータ101によりカム機構でc方向またはd方向に動作する。テーブル給紙適正位置センサ8は、可動原稿テーブル3が上昇して当該可動原稿テーブル3上の原稿束1の上面によりピックアップローラ7がc方向に上昇すると、可動原稿テーブル3上にセットされた原稿束1の上限を検知する。
【0025】
また、複合機2000を操作するための操作部108が備えるコピー乃至スキャンキー(図示しない)が押下され、本体制御部111からI/F107を介してコントローラ100に対して、原稿の給紙を要求する原稿給紙信号が送信されると、コントローラ100は、給紙モータ102の正転によりピックアップローラ7を回転駆動させて、可動原稿テーブル3上の数枚(理想的には1枚)の原稿をピックアップする。なお、ピックアップローラ7の回転方向は、最上位の原稿の搬送方向である。可動原稿テーブル3の原稿がピックアップされると、コントローラ100は、底板上昇モータ105を逆転させて、底面HP(Home Position)センサ6により可動原稿テーブル3が検知されるまで、可動原稿テーブル3を下降させる。
【0026】
給紙ベルト9は、給紙モータ102の正転によりe方向に回転駆動し、リバースローラ10は、e方向とは逆方向のf方向に回転駆動する。これにより、可動原稿テーブル3上にセットされた最上位の原稿が、その下の原稿から分離され、最上位の原稿のみが給紙できる構成となっている。詳細には、給紙ベルト9と所定の圧力で接し、給紙ベルト9と直接接している状態または原稿1枚を介して接している状態においては、リバースローラ10は、給紙ベルト9の回転につられてf方向につれ回りする。なお、万が一2枚以上の原稿が給紙ベルト9とリバースローラ10との間に侵入した場合には、リバースローラ10のつれ回り力が、図示しないトルクリミッターのトルクよりも低くなるように設定されているものとする。これにより、リバースローラ10は本来の駆動方向である時計回りに回転し、余分な原稿を押し戻す働きをして、2枚以上の原稿が搬送されることを防止する。
【0027】
給紙ベルト9とリバースローラ10の作用により1枚に分離された原稿は給紙ベルト9によりさらに搬送され、突き当てセンサ11によりその先端が検知される。突き当てセンサ11により先端が検知された原稿は、さらに搬送されて停止しているプルアウトローラ12に突き当たる。その後、給紙ベルト9により搬送される原稿は、さらに、突き当てセンサ11により検知されてから所定の距離、搬送される。そして、コントローラ100は、原稿がプルアウトローラ12に対して所定量の撓みをもって押し当てられた状態で給紙モータ102が停止することにより、給紙ベルト9の駆動を停止させる。
【0028】
それに伴い、コントローラ100は、ピックアップモータ101を正転させることによりピックアップローラ7を可動原稿テーブル3上にセットされた原稿束1の上面から退避させ、給紙ベルト9の搬送力のみで原稿を搬送する。これにより、原稿の先端が、プルアウトローラ12が備える上下のローラ対のニップに進入し、原稿の先端の整合(スキュー補正)が行われる。プルアウトローラ12は、スキュー補正機能を有するとともに、スキュー補正した原稿を中間ローラ14まで搬送するためのローラであり、給紙モータ102の逆転により回転駆動する。なお、給紙モータ102が逆転している間、プリアウトローラ12と中間ローラ14は回転駆動するが、ピックアップローラ7と給紙ベルト9は回転駆動されていない。
【0029】
原稿幅センサ13は、原稿の搬送方向に直交する方向である奥行き方向に向って複数個並べられ、プルアウトローラ12により搬送された原稿の搬送方向に直交する幅方向のサイズを検知する。また、原稿の搬送方向への長さは、突き当てセンサ11による原稿の先端および後端の検知結果と給紙モータ102のモータパルスとから求める。なお、プルアウトローラ12および中間ローラ14の駆動によりレジスト部Cからターン部Dに原稿が搬送される際には、レジスト部Cでの原稿の搬送速度を第1読取搬送部Eでの搬送速度よりも高速に設定して、原稿を読取部に送り込むための処理時間の短縮を図っている。
【0030】
原稿の先端が読取入口センサ15により検出されると、コントローラ100は、読取入口ローラ16が備える上下のローラ対のニップに原稿の先端が進入する前に、原稿の搬送速度を原稿の読取時の搬送速度と同速にするために、プルアウトローラ12および中間ローラ14による原稿の搬送速度を減速する。それと同時に、コントローラ100は、読取モータ103を正転させて、読取入口ローラ16、読取出口ローラ23、およびCIS(Contact Image Sensor)出口ローラ27を回転駆動する。
【0031】
そして、原稿の先端がレジストセンサ17により検知されると、コントローラ100は、読取入口ローラ16、読取出口ローラ12、およびCIS出口ローラ27による原稿の搬送速度を減速し、第1読取部20の手前で原稿の搬送を一時停止するとともに、I/F107を介して本体制御部111にレジスト停止信号を送信する。
【0032】
続いて、コントローラ100は、I/F107を介して本体制御部111から読取開始信号を受信すると、読取入口ローラ16、読取出口ローラ12、およびCIS出口ローラ27を回転駆動させて、第1読取部20の手前で停止している原稿を、第1読取部20に原稿の先端が到達するまでに所定の搬送速度になるように増即しながら搬送する。そして、コントローラ100は、読取モータ103のモータパルスをカウントすることにより検出した原稿の先端が第1読取部20に到達するタイミングで、原稿の表面である第1面の副走査方向に対する有効画像領域を示すゲート信号の送信を開始し、原稿の後端が第1読取部20を抜けるまで送信される。
【0033】
第1読取ローラ19は、第1読取部20における原稿の浮きを抑えると同時に、第1読取部20におけるシェーディングデータを取得するための白基準部材を兼ねるものである。
【0034】
片面読取の場合、第1読取搬送部Eを通過した原稿は、第2読取部25を経て排紙部Gに搬送される。この際、排紙センサ24により原稿の先端が検知されると、コントローラ100は、排紙モータ104を正転させて排紙ローラ28を反時計回りに回転駆動させる。また、コントローラ100は、排紙センサ24により原稿の先端が検知されてからカウントした排紙モータ104のモータパルスのカウント結果に従って、原稿の後端が排紙ローラ28のローラ対のニップから抜ける直前に排紙モータ104の回転速度を減速させる。これにより、排紙トレイ29に排出される原稿が排紙トレイ29から飛び出さないように制御される。
【0035】
一方、両面読取の場合、コントローラ100は、排紙センサ24にて原稿の先端が検知されてから読取モータ103のモータパルスをカウントすることにより検出した原稿の先端が第2読取部25に到達するタイミングで、原稿の裏面である第2面の副走査方向に対する有効画像領域を示すゲート信号の送信を開始し、原稿の後端が第2読取部25を抜けるまで送信する。
【0036】
第2読取ローラ26は、第2読取部25における原稿の浮きを抑えると同時に、第2読取部25におけるシェーディングデータを取得するための白基準部材を兼ねるものである。
【0037】
次に、図3を用いて、第2読取部25の電気回路について説明する。図3は、第2読取部の電気回路の要部を示すブロック図である。なお、本実施の形態では、第2読取部25の電気回路について説明し、第1読取部20の電気回路についての説明を省略するが、第1読取部20も同様の構成を有しているものとする。
【0038】
第2読取部25は、図3に示すように、コントローラ100からの点灯信号に従って点灯するものであって、LED(Light Emitting Diode)アレイ、蛍光灯、または冷陰極管などからなる光源部200、CIS(等倍密着イメージセンサ)と称される光電変換素子と集光レンズとを具備するものであって、主走査方向(原稿の幅方向に対応する方向)に並ぶ複数のセンサチップ201、それぞれのセンサチップ201に個別に接続された複数のアンプ回路202、それぞれのアンプ回路202に個別に接続された複数のA(Analog)/D(Digital)コンバータ203、A/Dコンバータ203によりデジタルデータに変換された画像データに画像処理を施す画像処理部204、画像処理部204により画像処理が行われた画像データを一時記憶するフレームメモリ205、およびコントローラ100からタイミング信号に従ってフレームメモリ205に記憶された画像データを、I/F回路207を介して本体制御部111に出力する出力制御回路206を備えて構成される。
【0039】
コントローラ100は、第2読取部25の読取位置への原稿の進入に先立って、光源部200に点灯信号を送信する。これにより、光源部200が点灯し、その光が原稿の第2面に照射される。原稿の第2面で反射した反射光は、複数のセンサチップ201が具備する集光レンズによって光電変換素子に集光されて画像データとして読み取られる。それぞれのセンサチップ201で読み取られた画像データは、アンプ回路202によって増幅された後、A/Dコンバータ203によってデジタルデータに変換された画像データに変換される。これらのデジタルデータの画像データは、画像処理部204に入力されてシェーディング補正処理などが施された後、フレームメモリ205に一時記憶される。その後、出力制御部206は、フレームメモリ205に記憶された画像データを本体制御部111により受入可能なデータ形式に変換し、コントローラ100からの信号であって、原稿の先端が第2読取部25の読取位置に到達するタイミングを知らせるためのタイミング信号に従って、I/F回路207を介して本体制御部111に出力する。なお、コントローラ100からは、第2読取部25への電源の供給等も行われるものとする。
【0040】
次に、図4および図5を用いて、画像処理部204およびコントローラ100の特徴的な構成について説明する。図4は、画像処理部およびコントローラの特徴的な構成を示すブロック図である。図5は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れを示すフローチャートである。
【0041】
まず、画像処理部204の特徴的な構成について説明する。画像処理部204は、A/Dコンバータ203によってデジタルデータに変換された画像データまたはシェーディングデータに対してシェーディング補正処理を行うシェーディング(SH)補正回路401、画像データに対するシェーディング補正処理に用いるデータであって、第2読取部25の読取位置に対向して配置された第2読取ローラ26を読み取って得られたシェーディングデータ(白基準部材データ)を記憶する揮発性のメモリA402、シェーディングデータに対するシェーディング補正処理に用いるデータであって、第2読取部25の読取位置にゴミや汚れなどの異常部位が無い状態で第2読取ローラ26を読み取って得られた異常部位検知用シェーディングデータを記憶する不揮発性のメモリB403、シェーディング補正処理を行う際に用いるデータを、メモリA402に記憶されたシェーディングデータまたはメモリB403に記憶された異常部位検知用シェーディングデータに切り替えるスイッチ407、メモリA402またはメモリB403に記憶させるシェーディングデータまたは異常部位検知用シェーディングデータを生成するシェーディング(SH)データ生成回路406、シェーディング補正回路401にてシェーディング補正処理が行われた画像データが入力され、種々の画像処理を実行する画像処理回路404、およびシェーディング補正回路401にてシェーディング補正処理が行われたシェーディングデータが入力され、入力されたシェーディングデータからゴミや汚れなどの異常部位を検知する異常部位検知回路405を備えて構成される。
【0042】
ここで、画像データに対するシェーディング補正処理に用いるシェーディングデータと異常部位検知用シェーディングとを別々のメモリ(記憶手段)に記憶させているのは、1つのメモリに上述の2つのデータを記憶させた場合、異常部位検知動作後にメモリの書換処理を行わなければならず、生産性の低下を招くため、2つのメモリを用いている。
【0043】
なお、第2読取部25は、第2読取ローラ26を回転させて主走査方向の複数ライン分のシェーディングデータ(または異常部位検知用シェーディングデータ)を取得するものとする。そして、シェーディングデータ生成回路406は、取得した各ラインのシェーディングデータ(または異常部位検知用シェーディングデータ)を画素単位で平均化して、メモリA402に記憶させる。平均化するライン数は、システムに合せて決定すれば良いが、ライン数が多いほど第2読取ローラ26の異常部位を高精度に検知することができる。
【0044】
次に、図4および図5を用いて、コントローラ100および画像処理部204により実行される異常部位検知用シェーディンデータの更新処理の流れについて説明する。まず、コントローラ100は、操作部108が備える読取開始ボタン(図示しない)が押下され、I/F部207を介して本体制御部111から読取開始信号を受信すると(ステップS501:Yes)、スイッチ407を制御してメモリB403を選択して、シェーディング補正処理を行う際に用いるデータを、メモリB403に記憶された異常部位検知用シェーディングデータに切り替える(ステップS502)。さらに、コントローラ100は、第2読取部25により第2読取ローラ26を読み取って得られた複数ライン分のシェーディングデータ(白基準部材データ)を取得する(ステップS503)。そして、取得した白基準部材データは、シェーディング補正回路401およびシェーディングデータ生成回路406に入力される。
【0045】
次に、シェーディング補正回路401は、入力された白基準部材データに対して、メモリB403に記憶された異常部位検知用シェーディングデータを用いてシェーディング補正処理を行い、シェーディング補正処理を行った白基準部材データを異常部位検知回路405に出力する(ステップS504)。
【0046】
本実施の形態では、シェーディング補正回路401は、以下に示す演算式を用いてシェーディング補正処理を行うものとする。
Dout=Din/Dsh(2n―1)
Dout:シェーディング補正処理後の白基準部材データ(または画像データ)
Dsh:シェーディングデータ
Din:シェーディング補正処理前の白基準部材データ(または画像データ)
n:出力ビット数
【0047】
なお、図示しないが、シェーディングデータ生成回路406は、ステップS504とは別に、入力された複数ラインの白基準部材データを画素単位で平均化して、メモリA402に記憶させる。
【0048】
異常部位検知回路405は、シェーディング補正回路401から出力された白基準部材データから、第2読取部25に付着したゴミや汚れなどの異常部位を検知する(ステップS505)。なお、異常部位の検知方法については、特に限定されるものではなく、システムの仕様に合せて最適な方法を選択するのが好ましい。
【0049】
第2読取部25の異常部位が検知されなかった場合(ステップS505:No)、コントローラ(更新手段)100は、原稿の読取動作が開始される前に、メモリA402に記憶されたシェーディングデータを読み出し、読み出したシェーディングデータをメモリB403に記憶させることにより、メモリB403に記憶される異常部位検知用シェーディングデータを更新する(ステップS506)。なお、読取動作が開始される前に更新処理を行っているのは、1ジョブごとに異常部位検知用シェーディングデータの更新処理を行うことにより、安定して高精度な異常部位の検知処理を実現するためである。
【0050】
一方、第2読取部25に付着した異常部位が検知された場合(ステップS505:Yes)、コントローラ100(表示手段)は、I/F部107を介して、その検知結果を本体制御部111に通知して、図6に示すように、第2読取部25に付着したゴミや汚れなどの異常部位の検知を通知するメッセージ、および第2読取部25または第2読取ローラ26の清掃を促すメッセージを操作部108に表示させる(ステップS507)。図6は、異常部位の検知を通知するメッセージおよび清掃を促すメッセージの表示例を示す図である。これにより、オペレータは原稿の読取動作が開始される前に、ゴミや汚れの清掃を行うことができるので、ゴミや汚れなどによる読み取った画像に含まれる異常画像の発生を未然に防止することができる。
【0051】
上述した一連の処理が終了すると(異常部位検知用シェーディングが更新された後)、コントローラ100は、スイッチ407を制御してメモリA402を選択して、シェーディング補正処理を行う際に用いるデータを、メモリA402に記憶されたシェーディングデータに切り替えるとともに(ステップS508)、原稿の読取動作を開始する(ステップS509)。
【0052】
なお、複合機の2000の初期状態(工場出荷時)には、異常部位検知用シェーディングデータがメモリB403に予め記憶されているものとする。例えば、工場出荷時に、出荷する装置毎に異常部位検知用シェーディングデータの更新処理を実行することにより、装置毎に異なる白基準部材の濃度のばらつき、光源部200の光量のばらつき等、種々のばらつきの要因に左右されない安定した異常部位検知用シェーディングデータをメモリB403に記憶させることができる。
【0053】
このように本実施の形態にかかる複合機2000によれば、メモリB403に記憶された異常部位検知用シェーディングデータを更新することにより、第2読取部25の光源から照射される光の光量が低下した後はゴミのゴミや汚れなどの異常部位を正しく検知することができるので、第2読取部25に存在する異常部位を高精度に検知することができる。
【0054】
(第2実施の形態)
本実施の形態は、電源がオフされる際または省電力モードへ移行する際に、異常部位検知処理を実行するものである。なお、以下の説明では、第1実施の形態にかかる複合機2000と同様の箇所については説明を省略し、第1実施の形態にかかる複合機2000と異なる箇所についてのみ説明する。
【0055】
図7を用いて、コントローラ100および画像処理部204により実行される異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れについて説明する。図7は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れを示すフローチャートである。
【0056】
まず、コントローラ100は、操作部108が備える複合機100の電源をオン/オフするボタンが操作されて、複合機100の電源がオフされた場合、または操作部108が備える省電力モードへの移行させるためのボタンされた場合(ステップS701:Yes)、ステップS702〜ステップS705に示す処理へと移行する。なお、ステップS702〜ステップS705に示す処理は、図5に示すステップS502〜ステップS505に示す処理と同様である。
【0057】
第2読取部25の異常部位が検知されなかった場合(ステップS705:No)、コントローラ(更新手段)100は、複合機2000の電源がオフされる前または省電力モードへ移行する前に、メモリA402に記憶されたシェーディングデータを読み出し、読み出したシェーディングデータをメモリB403に記憶させることにより、メモリB403に記憶される異常部位検知用シェーディングデータを更新する(ステップS706)。
【0058】
そして、第2読取部25の異常部位が検知された場合(ステップS705:Yes)、コントローラ100は、第2読取部25に異常検知フラグを立てる(ステップS707)。その後、コントローラ(表示手段)100は、複合機100の電源がオンされた場合または省電力モードから復帰した場合に、I/F部107を介して、その検知結果を本体制御部111に通知して、図6に示すように、第2読取部25に付着したゴミや汚れなどの異常部位の検知を通知するメッセージ、および第2読取部25または第2読取ローラ26の清掃を促すメッセージを操作部108に表示させる。
【0059】
上述した一連の処理が終了すると(異常部位検知用シェーディングデータが更新された後)、コントローラ100は、複合機2000の電源のオフ処理または省電力モードへの移行処理を実行する(ステップS708)。
【0060】
このように本実施の形態にかかる複合機2000によれば、電源がオフされる前または省電力モードに移行する前に、異常部位検知用シェーディングデータを更新することにより、1ジョブごとに異常部位検知用シェーディングデータの更新が行われることによるオペレータの待ち時間を無くすことができるので、オペレータに不快感を与えることを回避できる。
【0061】
(第3実施の形態)
本実施の形態は、光源の点灯時間が所定時間に到達した場合に、異常部位検知用シェーディングデータを更新するものである。なお、以下の説明では、上述した実施の形態にかかる複合機2000と同様の箇所については説明を省略し、上述した実施の形態にかかる複合機2000と異なる箇所についてのみ説明する。
【0062】
まず、図8を用いて、画像処理部204およびコントローラ1100の特徴的な構成について説明する。図8は、画像処理部およびコントローラの特徴的な構成を示すブロック図である。
【0063】
コントローラ800は、光源部200の点灯時間を計測するタイマ(計測手段)801、および異常部位検知用シェーディングデータを更新する所定のタイミング(所定時間)が記憶されたレジスタ802を備えて構成される。
【0064】
タイマ801は、コントローラ800から光源部200に対して点灯信号がアサートされている期間のみ点灯時間を計測する。したがって、あるジョブの中で計測された点灯時間がレジスタ802に記憶された所定のタイミングに達した場合、そのジョブの終了後に異常部位検知用シェーディングデータの更新処理が行われる。
【0065】
レジスタ802は、システムで使用する光源部200の性能に応じて、最適なタイミングTth(n)が複数記憶される。図9は、点灯時間の経過に伴う光量の低下を示す図である。例えば、図9に示すように、光量が低下する割合が使用とともに低下していく光源部200を備える複合機200の場合には、Tth(1)=3時間後、Tth(2)=6時間後、Tth(3)=10時間後、Tth(4)=15時間後、Tth(5)=25時間後などのように、光源部200の使用時間に応じた複数のタイミングTth(n)がレジスタ802に記憶される。
【0066】
次に、図10を用いて、コントローラ800および画像処理部204により実行される異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れについて説明する。図10は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れを示すフローチャートである。なお、ステップS1002〜ステップS1006,ステップS1009に示す処理は、図5に示すステップS502〜ステップS506,ステップS508に示す処理と同様である。
【0067】
コントローラ800は、原稿の読取動作が行われている間、タイマ801により計測された点灯時間がレジスタ802に記憶された所定のタイミングTth(n)に到達したか否かを監視する。そして、コントローラ800は、タイマ801により計測された点灯時間が所定のタイミングTth(n)に到達した場合、原稿の読取動作の終了を待つ(ステップS1001:No)。そして、コントローラ800(更新手段)は、原稿の読取動作が終了すると(ステップS1001:Yes)、ステップS1002〜ステップS1006に示す処理へと移行する。
【0068】
第2読取部25の異常部位が検知された場合(ステップS1005:Yes)、コントローラ800は、第2読取部25に異常検知フラグを立てる(ステップS1007)。さらに、コントローラ(表示手段)800は、I/F部107を介して、その検知結果を本体制御部111に通知して、図6に示すように、第2読取部25に付着したゴミや汚れなどの異常部位の検知を通知するメッセージ、および第2読取部25または第2読取ローラ26の清掃を促すメッセージを操作部108に表示させ(ステップS1008)、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理を行わない。ただし、そのまま更新処理を行わずに原稿の読取動作を続けていくと、異常部位の検知精度の低下を招いてしまうため、次回の読取動作以降は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理が完了するまで、ジョブごとに(つまり、原稿の読取動作が行われる前に)、図5に示す異常部位検知用シェーディングデータの更新処理を行うものとする。そして、異常部位検知用シェーディングデータの更新が完了した時点で、ジョブごとの更新処理を中止し(異常検知フラグを消去)、所定のタイミングに到達するまで更新処理を行わないものとする。
【0069】
このように本実施の形態にかかる複合機2000によれば、光源部200の点灯時間が所定のタイミングに到達した場合に、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理を行うことにより、1ジョブの先頭での異常部位検知用シェーディングデータの更新ではなく、適切なタイミングで異常部位検知用シェーディングデータを更新することができるので、タイマ801やレジスタ802などの安価な構成部品の追加のみで、読取動作が行われる際の更新処理の待ち時間によるオペレータへの不快感を与えず、高精度に異常部位を検知することができる。
【0070】
(第4実施の形態)
本実施の形態は、原稿の読取枚数が所定枚数に到達した場合に、異常部位検知用シェーディングデータを更新するものである。なお、以下の説明では、上述した実施の形態にかかる複合機2000と同様の箇所については説明を省略し、上述した実施の形態にかかる複合機2000と異なる箇所についてのみ説明する。
【0071】
まず、図11を用いて、画像処理部204およびコントローラ1100の特徴的な構成について説明する。図11は、画像処理部およびコントローラの特徴的な構成を示すブロック図である。
【0072】
コントローラ1100は、第2読取部25により読み取りを行った原稿の枚数をカウントするカウンタ1101、および異常部位検知用シェーディングデータを更新する所定の原稿の枚数を記憶するレジスタ1102を備えて構成される。
【0073】
カウンタ1101は、コントローラ1100から第2読取部25にゲート信号がアサートされた回数をカウントすることにより、第2読取部25により読み取りが行われた原稿の枚数をカウントするものとする。したがって、あるジョブの中でカウントされた原稿の枚数がレジスタ1102に記憶された所定の枚数に到達した場合、そのジョブの終了後に異常部位検知用シェーディングデータの更新処理が行われる。
【0074】
レジスタ1102には、システムで使用する光源200の性能に応じて、最適なタイミングで異常部位検知用シェーディングデータの更新を行うための原稿の枚数Nth(n)が記憶されるものとする。
【0075】
なお、コントローラ1100および画像処理部204により実行される異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れは、図10に示す異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れとほぼ同じである。
【0076】
具体的には、コントローラ1100は、原稿の読取動作が行われている間、カウンタ1101によりカウントされた枚数がレジスタ1102に記憶された所定の枚数Nth(n)に到達したか否かを監視する。そして、コントローラ1100は、カウンタ1102によりカウントされた枚数が所定の枚数Nth(n)に到達した場合、原稿の読取動作の終了を待つ。そして、コントローラ(更新手段)1100は、原稿の読取動作が終了すると、ステップS1002〜ステップS1009に示す処理へと移行する。
【0077】
第2読取部25の異常部位が検知された場合、コントローラ1100は、第2読取部25に異常検知フラグを立てる。さらに、コントローラ(表示手段)1100は、I/F部107を介して、その検知結果を本体制御部111に通知して、図6に示すように、第2読取部25に付着したゴミや汚れなどの異常部位の検知を通知するメッセージ、および第2読取部25または第2読取ローラ26の清掃を促すメッセージを操作部108に表示させ、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理を行わない。ただし、そのまま更新処理を行わずに原稿の読取動作を続けていくと、異常部位の検知精度の低下を招いてしまうため、次回の読取動作以降は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理が完了するまで、ジョブごとに(つまり、原稿の読取動作が行われる前に)、図5に示す異常部位検知用シェーディングデータの更新処理を行うものとする。そして、異常部位検知用シェーディングデータの更新が完了した時点で、ジョブごとの更新処理を中止し(異常検知フラグを消去)、所定のタイミングに到達するまで更新処理を行わないものとする。
【0078】
このように本実施の形態にかかる複合機2000によれば、第2読取部25により読み取りを行った原稿の枚数が所定の枚数に到達した場合に、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理を行うことにより、1ジョブの先頭での異常部位検知用シェーディングデータの更新ではなく、適切なタイミングで異常部位検知用シェーディングデータを更新することができるので、タイマ1101やレジスタ1102などの安価な構成部品の追加のみで、読取動作が行われる際の更新処理の待ち時間によるオペレータへの不快感を与えず、高精度に異常部位を検知することができる。
【0079】
(第5実施の形態)
本実施の形態は、異常部位が検知され、かつ当該異常部位により画像データに画質が大きく劣化すると判定した場合に、ゴミや汚れなどの異常部位の検知を通知するメッセージ、および読取位置の清掃を促すメッセージを表示する。なお、以下の説明では、上述した実施の形態にかかる複合機2000と同様の箇所については説明を省略し、上述した実施の形態にかかる複合機2000と異なる箇所についてのみ説明する。
【0080】
図12を用いて、コントローラ100および画像処理部204により実行される異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れについて説明する。図12は、異常部位検知用シェーディングデータの更新処理の流れを示すフローチャートである。なお、ステップS1201〜ステップS1208に示す処理は、図5に示すステップS501〜ステップS506,ステップS508,およびステップS509に示す処理と同様である。
【0081】
第2読取部25の異常部位が検知された場合(ステップS1205:Yes)、コントローラ100は、検知された異常部位の主走査方向への領域などで表すレベルNthが、主走査方向の全域を表す最大検知レベルNmaxより低いか否かを判断する(ステップS1209)。
【0082】
そして、レベルNthが最大検知レベルNmaxより低い場合(ステップS1209:Yes)、コントローラ(表示手段)100は、検知されたゴミや汚れなどの異常部位が画像データの画質を著しく低下させるものと判断して、I/F部107を介して、その検知結果を本体制御部111に通知して、図13に示すように、第2読取部25に付着したゴミや汚れなどの異常部位の検知を通知するメッセージ、および第2読取部25または第2読取ローラ26の清掃を促すメッセージを操作部108に表示させる(ステップS1210)。図13は、異常部位の検知を通知するメッセージおよび清掃を促すメッセージの表示例を示す図である。なお、操作部108に表示するメッセージは、図13に示すように、このまま原稿の読取動作を開始するか否かを選択させるメッセージとしても良い。
【0083】
一方、レベルNthが最大検知レベルNmax以上である場合(ステップS1209:No)、コントローラ100は、図13に示すように、第2読取部25に付着したゴミや汚れなどの異常部位の検知を通知するメッセージ、および第2読取部25または第2読取ローラ26の清掃を促すメッセージを操作部108に表示させるとともに、第2読取部25による原稿の読取動作を、一旦停止させる(ステップS1211)。
【0084】
このように本実施の形態にかかる複合機2000によれば、ゴミや汚れなどの異常部位が画像データの画質を著しく低下させるものであると判断した場合に、異常部位の検知を通知するメッセージや清掃を促すメッセージを表示したり、第2読取部25による読取動作を停止したり、することにより、縦スジ等の劣悪な画像データの発生を未然に防止することができる。
【0085】
なお、本実施の形態の複合機2000で実行される画像読取プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0086】
本実施の形態の複合機2000で実行される画像読取プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0087】
さらに、本実施の形態の複合機2000で実行される画像読取プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の複合機2000で実行される画像読取プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0088】
本実施の形態の複合機2000で実行される画像読取プログラムは、上述したコントローラ100,800,1100を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから画像読取プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、コントローラ100,800,1100が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0089】
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0090】
100,800,1100 コントローラ
25 第2読取部
401 SH補正回路
405 異常部位検知回路
801 タイマ
802,1102 レジスタ
1000 ADF
1101 カウンタ
2000 複合機
【先行技術文献】
【特許文献】
【0091】
【特許文献1】特開2004−350245号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取手段により原稿面を読み取って得られた画像データに対して、読取位置に配置される白基準部材を読み取って得られた白基準部材データを用いてシェーディング補正処理を行う画像読取装置であって、
前記白基準部材データに対して、前記読取位置に異常部位が無い状態で前記白基準部材を読み取って得られた異常部位検知用シェーディングデータを用いてシェーディング補正処理を行う補正手段と、
シェーディング補正処理を行った前記白基準部材データから、前記読取位置の異常部位を検知する検知手段と、
前記読取位置の異常部位が検知されなかった場合、前記白基準部材データにより前記異常部位検知用シェーディングデータを更新する更新手段と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記白基準部材データを記憶する第1記憶手段と、
前記異常部位検知用シェーディングデータを記憶する第2記憶手段と、をさらに備え、
前記補正手段は、前記画像データに対してシェーディング補正処理を行う場合には前記第1記憶手段に記憶した前記白基準部材データを用い、前記白基準部材データに対してシェーディング補正処理を行う場合には前記第2記憶手段に記憶した前記異常部位検知用シェーディングデータを用いることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記読取位置の異常部位が検知された場合に、前記読取位置の異常部位の検知を表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記更新手段は、前記読取手段による原稿面の読取を開始前に、前記異常部位検知用シェーディングデータを更新することを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記更新手段は、電源のオフまたは省電力モードへの移行を行う前に、前記異常部位検知用シェーディングデータを更新することを特徴とする請求項1から4のいずれか一に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記読取手段の光源の点灯時間を計測する計測手段をさらに備え、
前記更新手段は、計測された点灯時間が所定時間に到達した場合に、前記異常部位検知用シェーディングデータを更新することを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記読取手段により読み取りを行った原稿の枚数をカウントするカウント手段をさらに備え、
前記更新手段は、カウントした原稿の枚数が所定の枚数に到達した場合に、前記異常部位検知用シェーディングデータを更新することを特徴とする請求項1から6のいずれか一に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記読取位置の異常部位が検知され、かつ前記読取位置の異常部位により前記画像データの画質が大きく劣化すると判定した場合、前記読取手段の読取機能を停止する停止手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれか一に記載の画像読取装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一に記載の画像読取装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
読取手段により原稿面を読み取って得られた画像データに対して、読取位置に配置される白基準部材を読み取って得られた白基準部材データを用いてシェーディング補正処理を行う画像読取装置の画像読取方法であって、
補正手段が、前記白基準部材データに対して、前記読取位置に異常部位が無い状態で前記白基準部材を読み取って得られた異常部位検知用シェーディングデータを用いてシェーディング補正処理を行う補正工程と、
検知手段が、シェーディング補正処理を行った前記白基準部材データから、前記読取位置の異常部位を検知する検知工程と、
更新手段が、前記読取位置の異常部位が検知されなかった場合、前記白基準部材データにより前記異常部位検知用シェーディングデータを更新する更新工程と、
を有することを特徴とする画像読取装置の画像読取方法。
【請求項11】
読取手段により原稿面を読み取って得られた画像データに対して、読取位置に配置される白基準部材を読み取って得られた白基準部材データを用いてシェーディング補正処理を行う画像読取装置を制御するための画像読取プログラムであって、
コンピュータを、
前記白基準部材データに対して、前記読取位置に異常部位が無い状態で前記白基準部材を読み取って得られた異常部位検知用シェーディングデータを用いてシェーディング補正処理を行う補正手段と、
シェーディング補正処理を行った前記白基準部材データから、前記読取位置の異常部位を検知する検知手段と、
前記読取位置の異常部位が検知されなかった場合、前記白基準部材データにより前記異常部位検知用シェーディングデータを更新する更新手段と、
として機能させるための画像読取プログラム。
【請求項1】
読取手段により原稿面を読み取って得られた画像データに対して、読取位置に配置される白基準部材を読み取って得られた白基準部材データを用いてシェーディング補正処理を行う画像読取装置であって、
前記白基準部材データに対して、前記読取位置に異常部位が無い状態で前記白基準部材を読み取って得られた異常部位検知用シェーディングデータを用いてシェーディング補正処理を行う補正手段と、
シェーディング補正処理を行った前記白基準部材データから、前記読取位置の異常部位を検知する検知手段と、
前記読取位置の異常部位が検知されなかった場合、前記白基準部材データにより前記異常部位検知用シェーディングデータを更新する更新手段と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記白基準部材データを記憶する第1記憶手段と、
前記異常部位検知用シェーディングデータを記憶する第2記憶手段と、をさらに備え、
前記補正手段は、前記画像データに対してシェーディング補正処理を行う場合には前記第1記憶手段に記憶した前記白基準部材データを用い、前記白基準部材データに対してシェーディング補正処理を行う場合には前記第2記憶手段に記憶した前記異常部位検知用シェーディングデータを用いることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記読取位置の異常部位が検知された場合に、前記読取位置の異常部位の検知を表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記更新手段は、前記読取手段による原稿面の読取を開始前に、前記異常部位検知用シェーディングデータを更新することを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記更新手段は、電源のオフまたは省電力モードへの移行を行う前に、前記異常部位検知用シェーディングデータを更新することを特徴とする請求項1から4のいずれか一に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記読取手段の光源の点灯時間を計測する計測手段をさらに備え、
前記更新手段は、計測された点灯時間が所定時間に到達した場合に、前記異常部位検知用シェーディングデータを更新することを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記読取手段により読み取りを行った原稿の枚数をカウントするカウント手段をさらに備え、
前記更新手段は、カウントした原稿の枚数が所定の枚数に到達した場合に、前記異常部位検知用シェーディングデータを更新することを特徴とする請求項1から6のいずれか一に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記読取位置の異常部位が検知され、かつ前記読取位置の異常部位により前記画像データの画質が大きく劣化すると判定した場合、前記読取手段の読取機能を停止する停止手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれか一に記載の画像読取装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一に記載の画像読取装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
読取手段により原稿面を読み取って得られた画像データに対して、読取位置に配置される白基準部材を読み取って得られた白基準部材データを用いてシェーディング補正処理を行う画像読取装置の画像読取方法であって、
補正手段が、前記白基準部材データに対して、前記読取位置に異常部位が無い状態で前記白基準部材を読み取って得られた異常部位検知用シェーディングデータを用いてシェーディング補正処理を行う補正工程と、
検知手段が、シェーディング補正処理を行った前記白基準部材データから、前記読取位置の異常部位を検知する検知工程と、
更新手段が、前記読取位置の異常部位が検知されなかった場合、前記白基準部材データにより前記異常部位検知用シェーディングデータを更新する更新工程と、
を有することを特徴とする画像読取装置の画像読取方法。
【請求項11】
読取手段により原稿面を読み取って得られた画像データに対して、読取位置に配置される白基準部材を読み取って得られた白基準部材データを用いてシェーディング補正処理を行う画像読取装置を制御するための画像読取プログラムであって、
コンピュータを、
前記白基準部材データに対して、前記読取位置に異常部位が無い状態で前記白基準部材を読み取って得られた異常部位検知用シェーディングデータを用いてシェーディング補正処理を行う補正手段と、
シェーディング補正処理を行った前記白基準部材データから、前記読取位置の異常部位を検知する検知手段と、
前記読取位置の異常部位が検知されなかった場合、前記白基準部材データにより前記異常部位検知用シェーディングデータを更新する更新手段と、
として機能させるための画像読取プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−220115(P2010−220115A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−67032(P2009−67032)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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