説明

界面活性剤組成物、その製造方法およびその組成物を含む美容用品

ベタイングリシンのエステル基またはアミド基よりなる界面活性剤複合体であって、グリシンベタインとスルホン酸およびアルコールまたは植物油から抽出された脂肪酸アミンを反応させて精製するものである。さらに、界面活性剤複合体を含む美容用品であって、特に、液体石鹸、バスフォーム、シャワージェルまたはシャンプーに係るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、界面活性剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
洗剤から美容用品まで、乳化を介して、界面活性剤化学は、今日、極めて様々な範囲で我々の日常生活に不可欠な製品を供給している。陽イオン性両親媒性物質のマーケットは、陰イオン性両親媒性物質または非イオン性両親媒性物質のマーケットより量的には小さく、世界的な生産は10%に満たないにもかかわらず、非常に広範囲に及び、多数の用途をカバーしている。
【0003】
その有毒性のために、大部分の繊維用コンディショナーに入っているジメチルジアルキルアンモニウムの塩等の特定の界面活性剤は、使用に制限があり、ドイツおよびオランダ等のいくつかのヨーロッパの国では、廃棄されている場合もある。環境への配慮というプレッシャーを受け、界面活性剤の製造メーカは、これらの新しい要求に適合させる方法だけではなく、より生分解性が高く、考えうる環境汚染を最小にする低汚染性製品を提案しなければならない状況にある。環境による制約の他にも、「自然」なものを使用するという重要な商業面での意見も加わる。消費者の要求に応えるために、そして「グリーンイメージ」を有する製品を見出すため、努力を重ねながら、製造メーカは、現在、新しい取組みを模索しており、農業起源の原料の使用へと自然に移行してきている。
【0004】
これらの分子の親油性部分に関して、石油化学物質と油脂化学物質との間の競合が充分に確立しているなら、これらの分子の親水性部分に関する限り、これらの分子は、まだ本当に使用されていない。リシノール酸トリグリセロール(米国特許第4857310号(ジレット社)参照)等の天然トリグリセリドを直接使用することで、陽イオン性両親媒性化合物へのアクセスを容易にすることが可能となる。しかし、構造の多様化は、極性頭部の修飾によっても起こされる。特にグルクロン酸およびガラクツロン酸から得られた陽イオン性界面活性剤(ドイツ国特許第19539845号(Henkel社)参照)、またはアルキルポリグリコシド(APG)から得られた糖類要素を含むデンプン基剤を有する陽イオン性界面活性剤(国際公開9015809号(Henkel社)参照)が提案されている。別のタイプの界面活性剤も現われている。この物質は、脂肪鎖と塩化アンモニウム等の第四級アンモニウム官能基との間にケン化性のエステル官能基を有する分子を含んでいる(米国特許第5527477号(Lever Brother社)参照)。容易に加水分解するため、ベタインエステルもまた、現在強い関心が寄せられている。繊維用コンディショナー等の用途を意図とした種々の誘導体が、合成されている(米国特許第5527477号および国際公開9609276号(プロクターアンドギャンブル社)参照)。
【0005】
安価な天然物質であるベタイングリシンは、界面活性剤の製造のために最適な原料を形成する。ショ糖の抽出の後に得られるサトウダイコン糖蜜の27重量%は、現在、砂糖製造業では副産物とされたままである。ベタイングリシン上に脂肪アルコールおよび脂肪酸をグラフトすること(米国特許第2888383号(International Minerals And Chemical社)および欧州特許第0750904号A1(Wella社)参照)により、一般に有毒であるメチル化剤を使った第三アミンの四級化という従来の工程なしに両親媒性陽イオン性分子を得ることが可能となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、反応原料の形で得られた、または有機溶媒でその反応原料を洗滌することにより得られたベタイングリシンのエステルもしくはアミドの基剤を有する完全に規定された組成物の混合物を迅速に得る手段を提案することである。用いられる合成法は、簡潔で、効率的であり、溶媒もしくは汚染物質の排出がなく環境に配慮したものである。そして、この合成法は、工業規模に転換することが容易であって、砂糖製造業の副産物および国内産の植物油(例えば、菜種またはヒマワリ)の価値を高めることを可能とする。この国内産の植物油は、高い炭素濃度を有する脂肪鎖(ステアリン酸鎖、オレイン酸鎖、リノール酸鎖、リノレン酸鎖、アラキジン酸鎖、ガドレイン(gadolic)酸鎖、ベヘン酸鎖、エルカ酸鎖)に富んでおり、カプリル酸鎖、カプリル酸鎖、ラウリン酸鎖、ミリスチン酸鎖またはパルミチン酸鎖に富んでいる熱帯産の油脂性資源(例えば、ヤシ、キャベツの木またはコプラ)と比較して、ほんの少ししか再利用されない。
【0007】
国内の植物油から得られた炭素18原子の脂肪鎖は、その乳化特性で知られている。そして、本発明の組成物は、乳化反応の分野だけでなく、石油業、鉱業、塗料、顔料、色素およびニス関連産業または建築業および土木業において、広い範囲の可能性がある用途をカバーする。
【0008】
本発明はまた、美容分野における用途のための洗滌剤、乳化剤もしくは発泡剤の目的で、上記混合物を使用することにも関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は特に、以下のものを含む界面活性剤組成物に関する:
少なくとも1つの式(1)の化合物
(CH−CH−CO−Z−R (1)
ならびに式(2)、(3)および(4)の化合物から選択される少なくとも1つの化合物
RZH (2)
XH (3)
(CH−CH−CO−OH(4)
Xは、スルホネートラジカルであり、
Rは、2n個の炭素原子およびm個の二重結合を含む式C2n2(2n−m)+1の一価ラジカルであり、ここで9≦n≦11であり、n=9の場合は0≦m≦3、n>9の場合は0≦m≦1であり、そして
Zは酸素原子および−NH基から選択され、式XHの化合物は、必要な場合には、少なくとも1つの式RNHの化合物と結合し、少なくとも1つの式XRNの化合物を形成する。
【0010】
有利には、本発明の組成物は、事実上、上記の式(1)、(2)、(3)および(4)の化合物のみを含んでいる。
【0011】
本発明の必要に応じた追加または代わりの特徴は、以下に示される。
【0012】
・m=0の場合に、組成物を形成する化合物は次の通りであり、重量%で示される。
【0013】
(CH−CH−CO−O−R 50±10
ROH 19±10
XH 23±10
(CH−CH−CO−OH0〜18
・m=0の場合に、組成物を形成する化合物は次の通りであり、重量%で示される。
【0014】
(CH−CH−CO−O−R 72±10
ROH 0〜20
XH 0〜18
(CH−CH−CO−OH0〜20
・m=0の場合に、組成物を形成する化合物は次の通りであり、重量%で示される。
【0015】
(CH−CH−CO−O−R 80±10
ROH 20±10
・m=0の場合に、組成物を形成する化合物は次の通りであり、重量%で示される。
【0016】
(CH−CH−CO−O−R 70±10
ROH 26±10
XH 0〜14
・m>0の場合に、組成物を形成する化合物は次の通りであり、重量%で示される。
【0017】
(CH−CH−CO−O−R 48±10
ROH 36±10
XH 14±10
(CH−CH−CO−OH0〜12
・m=0の場合に、組成物を形成する化合物は次の通りであり、重量%で示される。
【0018】
(CH−CH−CO−NH−R 58±10
RN 35±10
(CH−CH−CO−OH0〜20
・m>0の場合に、組成物を形成する化合物は次の通りであり、重量%で示される。
【0019】
(CH−CH−CO−NH−R 56±10
RN 31±10
RNH 0〜18
(CH−CH−CO−OH0〜15
・Xは、メタンスルホネート、パラトルエンスルホネートおよびカンファスルホネートのラジカルから選択される。
【0020】
本発明はまた、ベタイングリシンが、他の溶媒がない状態でスルホン酸および式ROHの化合物と反応する上記で規定された組成物を調製する方法という目的も有する。ここで、ベタイングリシンに対するスルホン酸のモル比は2〜3の間に含まれ、そしてベタイングリシンに対する化合物ROHのモル比は1〜1.5の間に含まれる。
【0021】
本発明の方法は、以下の特徴の内の少なくともいくつかを含んでいる。
【0022】
・反応は、130〜140℃の間の温度において6〜8時間行われる。
【0023】
・反応は、減圧下で、好ましくは50〜100mbarの間において行われる。
【0024】
・m=0で、反応混合物は、好ましくは、その中に含まれる
(CH−CH−CO−O−R以外の化合物を溶かすことが可能な有機溶媒で処理され、それにより、X(CH−CH−CO−O−Rを多量に有する沈殿が得られる。
【0025】
・有機溶媒は、ジエチルエーテル、エタノールおよびn−ブタノールから選択される。
【0026】
・ベタイングリシンは、他の溶媒がない状態でスルホン酸およびn−ブタノールと反応する。ここで、ベタイングリシンに対するスルホン酸のモル比は、1〜1.3の間であり、そしてベタイングリシンに対するn−ブタノールのモル比は、2〜4の間であり、その結果として、水、ならびに水およびn−ブタノールを除去した後に式RNHの化合物と反応するベタイングリシンのn−ブチルエステルスルホネートを形成し、ここで、ベタイングリシンに対するこの化合物のモル比は、1〜1.2の間である。
【0027】
・ベタイングリシンとスルホン酸およびn−ブタノールとの反応は、130〜140℃の間の温度において、n−ブタノールを還流させながら大気圧下で3〜5時間行われ、それにより、水の共沸除去が実現される。
【0028】
・式RNHの化合物を加える前に、強く妨害性のある(encumbered)有機塩基、特にブチルアミンを加え、ベタイングリシンに対する上記塩基のモル比は、0.1〜0.4の間である。
【0029】
・m=0で、反応混合物は、好ましくは、化合物RNHを溶かすことが可能な有機溶媒で処理され、それにより、X(CH−CH−CO−NH−Rを多量に有する沈殿が得られる。
【0030】
・有機溶媒は、ジエチルエーテルである。
【0031】
・スルホン酸は、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸およびカンファスルホン酸から選択される。
【0032】
本発明はまた、美容用品、特に液体石鹸、入浴フォーム、シャワージェルまたはシャンプーおよび特に酸性シャンプーであって、0.2〜60重量%、好ましくは10〜45重量%の上記で規定された組成物および99.8〜40重量%、好ましくは90〜55重量%の美容に関して適切な賦形剤を含んでいる美容用品を目的とする。
【0033】
本発明の美容用品において、賦形剤は、増粘剤、テクスチャライザー、コンディショニング剤、柔軟剤、錯化剤、香水、パーライジング剤、保存料、酸性化剤および精製水をから都合よく選択され、テクスチャライザーとして脂肪酸のジエタノールアミド(diethylanolamides)、特にコプラのジエタノールアミドを、当該美容用品の10重量%を超えない内容量で含んでいる。
【0034】
本発明の組成物の第一のタイプは、ベタイングリシンの脂肪エステルの基剤を有する。
【0035】
これらの混合物を調製する方法は、ベタイングリシンと、2〜3モル当量のスルホン酸および1〜1.5モル当量のタイプC18:0、C20:0もしくはC22:0の飽和脂肪アルコールまたはC18:1、C18:2、C18:3、C20:1もしくはC22:1の不飽和脂肪アルコールとが反応することが本質とされる。記号「:」の前後にある数字は、各々炭素原子の数および炭素−炭素の二重結合の数を表している。両性イオン型にあるベタイングリシンのエステル化反応は、カルボキシレート基を予めプロトン化することを必要とする。ベタインの酸は、過剰の酸の存在下で脂肪アルコールと反応し、対応するエステルを生じさせる。この反応は、いかなる溶媒も存在しない状態で行われ、使われる脂肪アルコールは、試薬および溶媒の両方を形成する。
【0036】
好ましくは、反応は、130〜140℃の間の温度において6〜8時間行われる。反応の間に形成された水は、減圧下で、好ましくは50〜100mbarの間において連続的に除去される。
【0037】
記載された方法を実行して得られた反応原料により、ベタイングリシンの脂肪エステル、残留脂肪アルコール、残留スルホン酸およびプロトン化型で存在する残留ベタイングリシンから形成される混合物を得ることが可能となる。これらの成分は、各々係数a、b、cおよびdを有し、その値は、RMNHの分光法により決定される。
【0038】
飽和脂肪アルコールが反応で使われる場合、脂肪アルコールと合成されたエステルとの間の溶解度の差に基づく迅速な部分的精製は、反応の終点においてジエチルエーテル、エタノールまたはn−ブタノール等の有機溶媒により反応原料を回収することが本質とされる。ジエチルエーテルもしくはエタノール等の溶媒に不溶性であるか、またはブタノールに部分的に溶けるエステルは沈殿し、そして脂肪アルコールは、部分的に溶解する。ろ過により、粉末が得られる。その粉末は、質量による組成がRMNHの分光法により決定され得るエステルから主に形成される。
【0039】
反応原料を洗滌するのに使われる有機溶媒に従って、係数a、b、cおよびdは変化する。短い炭素鎖を有するアルコールを使用することで、係数cおよびdがほぼゼロに等しい混合物を得ることが可能となる。ジエチルエーテルを使用することで、低い残存率の飽和脂肪アルコール(b)を有する混合物を得ることが可能となる。有機溶媒への不飽和脂肪アルコールおよびその対応するエステルの溶解度が優れている場合には、上記の方法を適用することができず、得ることができる唯一の物は、反応原料の形での混合物である。
【0040】
酢酸エチル/プロパノール/水のタイプの三成分極性溶離液によりシリカゲルカラム上で本発明の混合物をクロマトグラフィーにかけることよって、ベタイングリシンの脂肪エステルを精製することが可能である。
【0041】
ベタイングリシンの脂肪エステルは、脂肪鎖と第四級アンモニウムとの間に加水分解基を有する。水性溶媒中でのベタイングリシンの脂肪エステルの性質の研究により、それらの生分解性に関する重要な事実を得ることが可能である。その誘導体の安定性は、pH価が様々な値に設定されている水性緩衝溶液中における加水分解反応の間に生成された脂肪アルコールを測定することにより、気相クロマトグラフィーでテストされる。
【0042】
表面張力および臨界ミセル濃度の測定により、合成された誘導体が、界面活性剤として(特に乳化剤として)示される混合物を使うことを可能とする両親媒性特性を有することが証明される。
【0043】
本発明の混合物の他の群は、ベタイングリシンのアミドの基剤を有する。
【0044】
第一の例におけるこれらの混合物を調製する方法では、ベタイングリシンと、1〜1.3モル当量のスルホン酸ならびに2〜4モル当量の試薬および溶媒の両方を形成するn−ブタノールとの反応が使われ、中間体スルホネートの形でn−ブチルエステルを生じさせる。好ましくは、第一工程は、130〜140℃の間の温度において、n−ブタノールを還流させながら大気圧下で3〜5時間行われる。N−ブタノールをゆっくり蒸留することで、反応の間に形成した水を共沸させて除去することが可能となる。次いで、室温まで冷却した反応物に、1〜1.2モル当量のタイプC18:0、C20:0もしくはC22:0の飽和脂肪アミンまたはタイプC18:1、C18:2、C18:3、C20:1もしくはC22:1の不飽和脂肪アミンを加える。反応溶媒を減圧下で加熱し、n−ブタノールを除去する。そしてアミノ分解を、130℃で50〜100mbarの間において2〜4時間行う。
【0045】
過剰の酸によるアミンのプロトン化から得られた脂肪アミンの塩の形成は、脂肪アミンの前に加えられるジブチルアミン等の強く妨害性のある0.1〜0.4モル当量の有機塩基の使用により制限されることがあり得る。
【0046】
記載された方法を実行して得られた反応原料により、ベタイングリシンの脂肪アミド、アミノ分解の間で使われた脂肪アミノのスルホネート、わずかに残存している脂肪酸、およびプロトン化型で存在する残留ベタイングリシンから形成される混合物を得ることが可能となる。これらの成分は、各々係数e、f、gおよびhを有し、その値は、RMNHの分光法により決定される。
【0047】
飽和脂肪アミンが反応で使われる場合、脂肪アミンと合成されたアミドとの間の溶解度の差に基づく迅速な部分的精製は、反応の終点においてジエチルエーテルにより反応原料を回収することが本質とされる。その溶媒に不溶性であるアミドおよび脂肪アミン塩は沈殿し、そして脂肪アミンは溶解する。ろ過により、粉末が得られる。その粉末は、質量による組成がRMNHの分光法により決定され得るアミドから主に形成される。ジエチルエーテルを使用することで、ほぼゼロに等しい低い残存率の飽和脂肪アミン(g)を有する混合物を得ることが可能となる。エタノールまたはn−ブタノール等の短い炭素鎖を有するアルコールにより反応原料を回収することで、残余しているものを溶解させる。
【0048】
有機溶媒への不飽和脂肪アミンおよび対応するアミドの溶解度が優れている場合には、上記の方法を適用することができず、得ることができる唯一の物は、反応原料の形での混合物である。
【0049】
酢酸エチル/イソプロパノール/水のタイプの三成分極性溶離液によりシリカゲルカラム上で本発明の混合物をクロマトグラフィーにかけることよって、ベタイングリシンの脂肪アミドを精製することが可能である。
【0050】
表面張力および臨界ミセル濃度の測定により、合成されたアミド誘導体もまた、界面活性剤として(特に乳化剤として)示される混合物を使うことを可能とする両親媒性特性を有することが証明される。
【発明の効果】
【0051】
ベタイングリシンのエステル誘導体およびアミド誘導体は、表面張力および臨界ミセル濃度が比較的低い良好な界面活性剤特性を有する。本発明のこれらの誘導体は、アルキルポリグルコシドまたは工業で広く使われるドデシルスルホン酸ナトリウム(登録商標SDSによって知られる)等の基準となる界面活性剤と同程度の表面張力を有する。これらの市販の誘導体と比較して、より低い臨界ミセル濃度が得られ、そのことが重要な利点となる。実際には、より少量の製品しか、ミセル溶液を得るために必要とされない。
【0052】
水の存在下において、これらの誘導体は、鎖中の炭素濃度に従って様々な程度に水和する。そのため、親水性(界面活性剤/水)および親油性(界面活性剤/油脂)の両方の相互作用に対して作用する水−油脂混合物を均質化することが可能である。これらの誘導体は、低濃度の界面活性剤、水/界面活性剤/オイルの可変的な比率および異なったタイプの油脂(特に脂肪酸メチルエステル)に対することを含めて、非常に安定性がある乳濁液を形成することができる。
【0053】
これらの単鎖界面活性剤は、それらの発泡能力および形成された泡の安定性から非常に有利であることが判明している。その理由は、それらは、SDS(登録商標)と同程度の効果を有し、そのためシャンプー、液体石鹸、シャワージェルおよびバスフォーム等の発泡製品の調合物において用いられるからである。
【0054】
したがって、本発明は、0.2〜60重量%、好ましくは10〜45重量%の本発明の界面活性剤組成物および99.8〜40重量%、好ましくは90〜55重量%の賦形剤を含んでいる美容用品を提供する。
【0055】
このような美容用品は、液体石鹸、バスフォーム、シャワージェルもしくはシャンプー、特に、ユーザの毛髪にボリュ−ムを与える優れたボリューマイジング特性と共に優れた起泡性を有している酸性シャンプーであり得る。酸性シャンプーは、例えば、ベタイングリシンの脂肪エステルの基剤を有する10〜45重量%の本発明の界面活性剤組成物および90〜55重量%の添加剤で構成される。その添加剤は、増粘剤、脂肪酸のジエタノールアミド等のテクスチャライザー(特に、調合物中において0〜10重量%の含有量で組み込まれるコプラのジエタノールアミド)、コンディショニング剤、柔軟剤、錯化剤ならびに最終的に香水、パーライジング剤、防腐剤、十分な量の酸性化剤および精製水であり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
本発明は、以下の実施例により、さらに説明される。
【実施例1】
【0057】
オクタデシルベタインメシラートの合成および対応する混合物の調製
ベタイングリシン(25g、0.213mole)のメタンスルホン酸(53.3g、0.555mole)懸濁液にオクタデカノール(69.3g、0.256mole)を加える。そうして得られた混合物を減圧下(50〜60mbar)で130℃まで徐々に加熱し、エステル化反応の間に形成された水を除去する。この混合物は、同じ温度で1〜2時間攪拌した終点において均一になる。7時間後に、溶媒を室温まで冷却する。
【0058】
方法A:得られた反応原料(143g)は、本発明の第一組成物を形成する。
【0059】
方法B:得られた反応原料を、残余物が完全に回収されるまでジエチルエーテル(600ml)で洗滌する。次いで、得られた沈殿をブフナー(Buchner)で濾過し、そして同じ溶媒(2□.200ml)で数回濯ぐ。生成物を真空中で乾燥し、最終的に96gの白い粉末を得る。
【0060】
方法C: 得られた反応原料を残余物が完全に回収されるまでエタノール(800ml)で洗滌する。次いで、得られた沈殿をブフナーで濾過し、そして同じ溶媒(2□.200ml)で数回濯ぐ。生成物を真空中で乾燥し、最終的に87gの白い粉末を得る。
【0061】
方法D: 得られた反応原料を残余物が完全に回収されるまでn−ブタノール(900ml)で洗滌する。次いで、得られた沈殿をブフナーで濾過し、そして同じ溶媒(2□.200ml)で数回濯ぐ。生成物を真空中で乾燥し、最終的に42gの薄い灰色の粉末を得る。
【0062】
各混合物の組成を、種々の成分の間での積分比を測定することにより、陽子のRMNを使って評価する。RMNスペクトルをBruker ARX400装置に記録する。RMN Hスペクトルを400MHzにおいて得る(s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、m=マルチプレット、l=ワイド)。RMN13Cを陽子のデカップリングモードで100MHzにおいて得る。化学シフトは、内部のTMS(δスケール)および単位Hzのカップリング定数(J)に対してppm単位で与えられる。
【0063】
反応原料のRMNH(CDCl+CDOD,1/1):
δ0.84(t,CHエステル+CHアルコール,J6.7Hz),1.22(sl,(CH15CHエステル+(CH15CHアルコール),1.51(m,CHCHOアルコール),1.65(m,CHCHOエステル),2.73(s,CHSOエステル+CHSO酸+CHSOベタイングリシン),3.29(s,(CHエステル+(CHベタイングリシン),3.51(t,CHCHOアルコール,J6.7Hz),4.20(t,CHCHOエステル,J6.8Hz),4.25(s,CHCOベタイングリシン),4.33(s,CHCOエステル)。
【0064】
混合物の組成
【0065】
【表1】

a、b、cおよびdは、質量%として表される。
【0066】
反応原料または処理Bの方法により得られた生成物を、シリカゲルカラム上でクロマトグラフィー(酢酸エチル−イソプロパノール−水(6.2:3:0.8))にかけて、70gのオクタデシルベタインメシラートを得る。
【0067】
【化1】

2451NOS;M=465.74g/mole
白色固体;収率≒70%
CCM:Rf0.39(酢酸エチル−イソプロパノール−水(6:3:1)))
IR(ヌジョール法)v(cm−1):1755(C=O)
RMNH(CDCl+CDOD,1/1):
δ0.83(t,3H,CHJ6/7Hz),1.22(sl,30H,(CH15CH),1.65(m,2H,CHCHO),2.70(s,3H,CHSO),3.29(s,9H,(CH),4.20(t,2H,CHCHO,J6.7Hz),4.34(s,2H,CHCO)。
【0068】
RMN13C(CDCl+CDOD,1/1):
δ14.33(CH),23.17,26.22,28.82,29.71,29.88,30.02,30.08,30.19,32.45
(CHaliph.),39.50(CHSO),54.18((CH),63.46(CHCHO),67.27(CO),165.24(CHO)。
【実施例2】
【0069】
9−オクタデセニルベタインメシラートの合成および対応する混合物の調製
ベタイングリシン(30g、0.256mole)のメタンスルホン酸(61.523g、0.64mole)懸濁液にオレインアルコール(96.25g、0.359mole)を加える。そうして得られた混合物を減圧下(50〜100mbar)で130℃まで徐々に加熱し、エステル化反応の間に形成された水を除去する。この混合物は、同じ温度で1〜2時間攪拌した終点において均一になる。7時間後に、溶媒を室温まで冷却する。得られた反応原料(210g)は、本発明の組成物を形成する。
【0070】
反応原料のRMNH(CDCl):
δ0.83(t,CHエステル+CHアルコール,J6.8Hz),1.22(sl,CHCHCHCH=CHCHCHCHCHOエステル+アルコール),1.50(m,CHCHOアルコール),1.64(m,CHCHOエステル),1.94(m,CHCH=CHCHエステル+CHCH=CHCHアルコール),2.74(s,CHSOエステル+CHSO酸+CHSOベタイングリシン),3.30(s,(CHエステル+(CHベタイングリシン),3.51(t.CHCHOアルコール,J6.7Hz),4.19(t,CHCHOエステル,J6.8Hz),4.24(s,CHCOベタイングリシン),4.32(s,CHCOエステル),5.30(m,CHCHCHCHエステル+CHCHCHCHアルコール)。
【0071】
混合物の組成
【0072】
【表2】

a、b、cおよびdは、質量%として表される。
【0073】
反応原料を、シリカゲルカラム上でクロマトグラフィー(酢酸エチル−イソプロパノール−水(6.2:3:0.8次いで6:3:1))にかけて、100gの9−オクタデセニルベタインメシラートを得る。
【0074】
【化2】

2449NOS;M=463.72g/mol
黄色粘性オイル;収率≒85%
CCM:Rf0.39(酢酸エチル−イソプロパノール−水(6:3:1)))
IR(ヌジョール法)v(cm−1):1755(C=O);1650(C=C)
RMNH(CDCl):
δ0.83(t,3H,CHJ6.8Hz),1.22(sl,22H,CHCHCHCH=CHCHCHCHCHO),1.64(m,2H,CHCHO),1.94(m,4H,CHCH=CHCH),2.71(s,3H,CHSO),3.30(s,9H,(CH),4.19(t,2H,CHCHO,J6.8Hz),4.32(s,2H,CHCO),5.31(m,2H,CHCHCHCH)。
【0075】
RMN13C(CDCl):
δ14.21(CH),22.90,25.89,27.40,28.49,29.38,29.52,29.62,29.73,29.86,29.91,29.96,32.13,32.81(CHaliph.),39.27(CHSO),54.09((CH),63.22(CHO),67.09(CO),129.93,130.24(CHH=HCH),164.88(CHCO)。
【実施例3】
【0076】
ベタイニルアミノオクタデカンメシラートの合成および対応する混合物の調製
ベタイングリシン(25g、0.213mole)のn−ブタノール(59ml、0.64mole)懸濁液をメタンスルホン酸(22.56g、0.235mole)の存在下において形成した。反応混合物を140℃におけるn−ブタノールの還流点に持ってくる。溶媒は、3〜4時間攪拌した終点において均一になる。室温に冷却された混合物にジブチルアミン(8.27g、0.064mole)を加え、そしてこの媒体を約15分間攪拌する。次いで、オクタデシルアミン(69g、0.256mole)を加え、その後n−ブタノールを減圧下で除去する。アミノ分解を減圧下(50〜100mbar)で130℃において行う。3時間後、溶媒を室温まで冷却する。得られた反応原料を残留物が完全に回収されるまでジエチルエーテル(1600ml)で洗滌する。次いで、得られた沈殿をブフナーで濾過し、そして同じ溶媒(2□.200ml)で数回濯ぐ。生成物を真空中で乾燥し、最終的に、本発明の界面活性剤組成物を有する98gの白色粉末を得る。
【0077】
得られた混合物のRMNH(CDCl+CDOD,1/1):
δ0.90(t,CHアミド+CHアミン塩,J6.7Hz),1.29(sl,(CH15CHアミド+(CH15CHアミン塩),1.56(m,CHCHNHアミド),1.67(m,CHCHNHアミン塩),2.78(s,CHSOアミド+CHSOアミン塩+CHSOベタイングリシン),2.91(m,CHCHNHアミン塩),3.26(m,CHCHNHアミド),3.30(s,(CHベタイングリシン),3.35(s,(CHアミド),3.82(s,CHCOベタイングリシン),4.10(s.CHCOアミド)。
【0078】
混合物の組成
【0079】
【表3】

e、f、gおよびhは、混合物の質量%として表される。
【0080】
処理の方法Bにより得られた生成物を、シリカゲルカラム上でクロマトグラフィー(酢酸エチル−イソプロパノール−水(6:3:1次いで5:3:2))にかけて、58gのベタイニルアミノオクタデカンメシラートを得る。
【0081】
【化3】

2452S;M=464.75g/mol
白色固体;収率≒60%
CCM:Rf0.5(酢酸エチル−イソプロパノール−水(5:3:2))
IR(ヌジョール法)v(cm−1):1680(アミドI);1578(アミドII)
RMNH(DMSO):
δ0.86(t,3H,CHJ6.8Hz),1.25(sl,30H,(CH15CH),1.45(m,2H,CHCHNH),2.37(s,3H,CHSO),3.10(m,2H,CHCHNH),3.21(s,9H,(CH),4.05(s,2H,CHCO),8.64(s,1H,NH)。
【0082】
RMN13C(DMSO):
δ13.40(CH),21.63,24.22,26.01,28.27,28.59,30.88 (CHaliph.),38.50(CHNH),39.42(CHSO),53.35((CH),64.24(CHCO),162.66(CHO)。
【実施例4】
【0083】
ベタイニルアミノオクタデカセニルメシラートの合成および対応する混合物の調製
ベタイングリシン(25g、0.213mole)のn−ブタノール(59ml、0.64mole)懸濁液をメタンスルホン酸(22.56g、0.235mole)の存在下において形成した。反応混合物を140℃におけるn−ブタノールの還流点に持ってくる。溶媒は、3〜4時間攪拌した終点において均一になる。室温に冷却された混合物にオレインアミン(68.5g、0.256mole)を加え、次いで、n−ブタノールを減圧下で除去する。アミノ分解を減圧下(50〜100mbar)で130〜140℃において行う。3時間後、溶媒を室温まで冷却する。得られた反応原料(114g)は、本発明の界面活性剤組成物を形成する。
【0084】
反応原料のRMNH(CDCl):
δ0.86(t,CHアミド+CHアミン塩+CHアミン,J6.7Hz),1.29(sl,CHCHCHCH=CHCHCHCHCHNアミド+アミン塩+アミン+CHCHNHアミン塩),1.52(m,CHCHNHアミド),1.61(m,CHCHNHアミン塩),1.98(m,CHCH=CHCHアミド+アミン塩+アミン),2.67(t,CHCHNHアミン,J6.8Hz),2.73(s,CHSOアミド+CHSOアミン塩+CHSOベタイングリシン),2.87(m,CHCHNHアミン塩),3.21(m,CHCHNHアミド),3.27(s,(CHベタイングリシン),3.31(s,(CHアミド),3.77(s,CHCOベタイングリシン),4.08(s.CHCOアミド),5.30(m,CHCHCHCHアミド+アミン塩+アミン)。
【0085】
混合物の組成
【0086】
【表4】

e、f、gおよびhは、混合物の質量%として表される。
【0087】
反応原料を、シリカゲルカラム上でクロマトグラフィー(酢酸エチル−イソプロパノール−水(6:3:1次いで5:3:2))にかけて、64gのベタイニルアミノオクタデセニルメシラートを得る。
【0088】
【化4】

2450S;M=462.74g/mol
白色固体;収率≒65%
CCM:Rf0.52(酢酸エチル−イソプロパノール−水(5:3:2)))
IR(ヌジョール法)v(cm−1):1678(アミドI);1576(アミドII);1640(C=C)
RMNH(DMSO):
δ0.84(t,3H,CHJ6.7Hz),1.23(sl,22H,CHCHCHCH=CHCHCHCHCHNH),1.40(m,2H,CHCHNH),1.97(m,4H,CHCH=CHCH),2.33(s,3H,CHSO),3.08(m,2H,CHCHNH),3.20(s,9H,(CH),4.07(s,2H,CHCO),5.31(m,2H,CHCHCHCH),8.61(s,1H,NH)。
【0089】
RMN13C(DMSO):
δ14.08(CH),22.20,26.43,26.65,26.69,28.69,28.73,28.80,28.92,29.96,29.17,29.22,31.38,32.04(CHaliph.),38.66(CHNH),39.78(CHSO),53.25((CH),63.86(CHCO),129.74,129.75(CHH=HCH),163.19(CHO)。
【0090】
本発明による特定の誘導体の物理化学特性を以下に示す。
【0091】
表面張力と臨界ミセル濃度の測定
張力測定を、ライジングドロップ法により操作してドロップテンシオメータで行った(TRACKERテンシオメーター、I.T.CONCEPT)。
【0092】
【表5】

水性溶媒中のベタイングリシンの脂肪エステルの安定性
オクタデシルベタインメシラートの安定性を、そのpH価が3〜9の間の種々の値に固定された緩衝水溶液中で観察する。緩衝液サンプル中での界面活性剤の最初の濃度は、3.4.10−2Mole/lである。加水分解反応の間に放出された脂肪族アルコールをジエチルエーテルによって抽出する。各々の抽出の後に、形成された乳濁液を「壊す」ためにサンプルを遠心分離機(10,000rpm、10分)にかける。次いで、エーテル化された溶液を、n−ドデカノールを内標準として使用することによって、気相における無極性カラムAT1(ポリジメチルシロキサン)上でのクロマトグラフィーにより分析する。適用される条件は、以下である:インジェクター320℃、検出器330℃および加熱炉中での温度勾配;200℃(3分)、30℃/分(4分)、320℃(5分)。唯一の図は、得られた結果を示す。
【実施例5】
【0093】
9−オクタデセニルベタインメシラートの基剤との混合物を使った酸性シャンプーの処方
実施例2で得られた混合物 32
コプラのジエタノールアミド(diethylanolamide) 4
メチルパラベン 0.1
プロピルパラベン 0.1
ペールモロッコローズ(rosa centifolia) 0.5
蒸留水 qsp 100
クエン酸 qsp pH 5
【実施例6】
【0094】
オクタデシルベタインメシラートの基剤との混合物を使った酸性シャンプーの処方
実施例1、処理Cで得られた混合物 18.75
コプラのジエタノールアミド(diethylanolamide) 4
メチルパラベン 0.1
プロピルパラベン 0.1
ペールモロッコローズ(rosa centifolia) 0.5
蒸留水 qsp 100
クエン酸 qsp pH 5
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明によるオクタデシルベタインメシラートの安定性の観察実験を行った結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤組成物であって:
少なくとも1つの式(1)の化合物
(CH−CH−CO−Z−R (1)
ならびに式(2)、(3)および(4)の化合物から選択される少なくとも1つの化合物
RZH (2)
XH (3)
(CH−CH−CO−OH(4)
を含み、
ここで、
Xは、スルホネートラジカルであり、
Rは、2n個の炭素原子およびm個の二重結合を含む式C2n2(2n−m)+1の一価ラジカルであり、式中で9≦n≦11であり、n=9の場合は0≦m≦3、n>9の場合は0≦m≦1であり、そして
Zは酸素原子および−NH基から選択され、式XHの化合物は、必要な場合には、少なくとも1つの式RNHの化合物と結合し、少なくとも1つの式XRNの化合物を形成する、
界面活性剤組成物。
【請求項2】
事実上、上記の式(1)、(2)、(3)および(4)の化合物のみを含んでいる、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
m=0であり、前記組成物を形成する前記化合物が、以下に重量%で示される、請求項1または2のいずれかに記載の組成物:
(CH−CH−CO−O−R 50±10
ROH 19±10
XH 23±10
(CH−CH−CO−OH0〜18。
【請求項4】
m=0であり、前記組成物を形成する前記化合物が、以下に重量%で示される、請求項1または2のいずれかに記載の組成物:
(CH−CH−CO−O−R 72±10
ROH 0〜20
XH 0〜18
(CH−CH−CO−OH0〜20。
【請求項5】
m=0であり、前記組成物を形成する前記化合物が、以下に重量%で示される、請求項1または2のいずれかに記載の組成物:
(CH−CH−CO−O−R 80±10
ROH 20±10。
【請求項6】
m=0であり、前記組成物を形成する前記化合物が、以下に重量%で示される、請求項1または2のいずれかに記載の組成物:
(CH−CH−CO−O−R 70±10
ROH 26±10
XH 0〜14。
【請求項7】
m>0であり、前記組成物を形成する前記化合物が、以下に重量%で示される、請求項1または2のいずれかに記載の組成物:
(CH−CH−CO−O−R 48±10
ROH 36±10
XH 14±10
(CH−CH−CO−OH0〜12。
【請求項8】
m=0であり、前記組成物を形成する前記化合物が、以下に重量%で示される、請求項1または2のいずれかに記載の組成物:
(CH−CH−CO−NH−R 58±10
RN 35±10
(CH−CH−CO−OH0〜20。
【請求項9】
m>0であり、前記組成物を形成する前記化合物が、以下に重量%で示される、請求項1または2のいずれかに記載の組成物:
(CH−CH−CO−NH−R 56±10
RN 31±10
RNH 0〜18
(CH−CH−CO−OH0〜15。
【請求項10】
Xが、メタンスルホネートラジカル、パラトルエンスルホネートラジカルおよびカンファスルホネートラジカルから選択される、上記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
ベタイングリシンが、他の溶媒がない状態でスルホン酸および式ROHの化合物と反応し、ベタイングリシンに対するスルホン酸のモル比は2〜3の間に含まれ、そしてベタイングリシンに対する化合物ROHのモル比は1〜1.5の間に含まれる、請求項1または2のいずれかに記載の組成物を調製する方法。
【請求項12】
前記反応が、130〜140℃の間の温度において6〜8時間行われる、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記反応が、減圧下で、好ましくは50〜100mbarの間において行われる、請求項11または12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
m=0であり、そして反応混合物が、好ましくは、その中に含まれる
(CH−CH−CO−O−R以外の化合物を溶かすことが可能な有機溶媒で処理され、それにより、X(CH−CH−CO−O−Rを多量に有する沈殿を得る、請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記有機溶媒が、ジエチルエーテル、エタノールおよびn−ブタノールから選択される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
ベタイングリシンが、他の溶媒がない状態でスルホン酸およびn−ブタノールと反応し、ベタイングリシンに対するスルホン酸のモル比が、1〜1.3の間であり、そしてベタイングリシンに対するn−ブタノールのモル比が、2〜4の間であり、その結果として、水、ならびに水およびn−ブタノールを除去した後に式RNHの化合物と反応するn−ブチルエステルスルホネートを形成させ、ベタイングリシンに対する該化合物のモル比が1〜1.2の間である、請求項1または2のいずれかに記載の組成物を調製する組成物の製造方法。
【請求項17】
前記ベタイングリシンと前記スルホン酸および前記n−ブタノールとの反応が、130〜140℃の間の温度において、n−ブタノールを還流させながら大気圧下で3〜5時間行われ、それにより、水を共沸除去する、請求項16記載の方法。
【請求項18】
式RNH2の前記化合物を加える前に、強く妨害性のある(encumbered)有機塩基、特にジブチルアミンを加え、前記ベタイングリシンに対する該塩基のモル比が、0.1〜0.4の間である、請求項16または17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
m=0であり、前記反応混合物が、好ましくは、前記化合物RNHを溶かすことが可能な有機溶媒で処理され、それにより、X(CH−CH−CO−NH−Rを多量に有する沈殿を得る、請求項16〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記有機溶媒がジエチルエーテルである、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記スルホン酸が、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸およびカンファスルホン酸から選択される、請求項11から20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
美容用品、特に液体石鹸、バスフォーム、シャワージェルまたはシャンプーならびに特に酸性シャンプーであって、0.2〜60重量%、好ましくは10〜45重量%の請求項1〜10のいずれか1項に記載された組成物、および99.8〜40重量%、好ましくは90〜55重量%の美容に関して適切な賦形剤を含む美容用品。
【請求項23】
前記賦形剤が、増粘剤、テクスチャライザー、コンディショニング剤、柔軟剤、錯化剤、香水、パーライジング剤、保存料、酸性化剤および精製水から選択される、請求項22記載の美容用品。
【請求項24】
前記賦形剤が、テクスチャライザーとして脂肪酸のジエタノールアミド、特にコプラのジエタノールアミドを前記美容用品の10重量%を超えない内容量で含んでいる、請求項23記載の美容用品。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2007−536424(P2007−536424A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512259(P2007−512259)
【出願日】平成17年5月3日(2005.5.3)
【国際出願番号】PCT/FR2005/001103
【国際公開番号】WO2005/121291
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(506370847)エコール・ナショナル・スゥペリエール・ドゥ・シミ・ドゥ・レンヌ (1)
【氏名又は名称原語表記】ECOLE NATIONALE SUPERIEURE DE CHIMIE DE RENNES
【Fターム(参考)】