異常診断装置、画像形成装置およびプログラム
【課題】製造コストを上昇させずに、モータやモータに接続された負荷(例えば、トナー補給機構など)の劣化や異常発生を早急に検知し、二次的な破損が発生する前にモータを停止させることができる異常診断装置を提供する。
【解決手段】モータMの起動時に、回転速度のフィードバック制御を行うための回転速度検出部21から出力される回転速度検出信号を用いてモータMの回転速度(モータMの駆動にかかる制御信号のパルス幅)を基に異常診断部25で異常診断を行うようにする。これにより、モータMの起動時において、モータMやモータMに接続された負荷の劣化や異常発生による負荷トルクの変動があった場合におけるわずかな劣化や異常発生を検知することができるようになるので、モータMの回転開始直後に異常発生判定を行うことができ、二次的な破損が発生する前にモータMを停止させることができる。
【解決手段】モータMの起動時に、回転速度のフィードバック制御を行うための回転速度検出部21から出力される回転速度検出信号を用いてモータMの回転速度(モータMの駆動にかかる制御信号のパルス幅)を基に異常診断部25で異常診断を行うようにする。これにより、モータMの起動時において、モータMやモータMに接続された負荷の劣化や異常発生による負荷トルクの変動があった場合におけるわずかな劣化や異常発生を検知することができるようになるので、モータMの回転開始直後に異常発生判定を行うことができ、二次的な破損が発生する前にモータMを停止させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常診断装置、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MFP(多機能周辺装置:Multifunction Peripheral)などの画像形成装置においては、動作不良を検出するセンサを各動作部に個別に設けることにより、各動作部の異常診断を行っている。
【0003】
しかしながら、センサを各動作部に個別に設けて異常診断を行う手法によれば、装置が複雑になり部品点数が増加するほどに専用センサの点数が増えることになるので、製造コストが上昇するという問題がある。
【0004】
また、センサを各動作部に個別に設けて異常診断を行う手法によれば、検出対象である動作部に問題がない場合であってもセンサが故障してしまった場合には動作部の異常として認識されてしまう、という問題もある。
【0005】
そこで、特許文献1では、モータに流れる電流値を使用し、正常状態とのずれの程度に基づいて異常診断を行う技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−033559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に開示されているモータの電流値を使用した異常診断技術においては、モータやモータに接続された負荷(例えば、現像ユニットのトナー補給機構など)に劣化や異常が発生して負荷トルクが急激に変化した場合であっても、モータ巻線はインダクタンス成分を持っているために電流値が変化するまでには時間がかかってしまう。そのため、特許文献1に開示されているモータの電流値を使用した異常診断技術においては、電流の一時的な変化を検知することが難しく、例えばギアの噛み合い不良などの異常を見逃す恐れがある、という問題がある。
【0008】
また、特許文献1に開示されているモータの電流値を使用した異常診断技術によれば、モータの巻線抵抗や電流検出抵抗のばらつきや温度変化により、電流値のわずかな変化を検出することができない、という問題がある。
【0009】
すなわち、特許文献1に開示されているモータの電流値を使用した異常診断技術によれば、画像形成装置の他のユニットまで破損させてしまうような致命的な異常が発生しても、電流値が変化するまでに時間がかかることから異常と判断されるまでに時間がかかり、二次的な破損を止めることができない可能性がある。
【0010】
加えて、起動直後においてはモータに流れる電流が多くなることから、特許文献1に開示されているモータの電流値を使用した異常診断技術によれば、常に異常が検出されてしまうため、モータの起動直後の異常診断には適さない。すなわち、起動直後においては異常診断を行うことができないため、起動直後にモータに異常が生じた場合にも、二次的な破損を止めることができない可能性がある。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、製造コストを上昇させずに、モータやモータに接続された負荷(例えば、トナー補給機構など)の劣化や異常発生を早急に検知し、二次的な破損が発生する前にモータを停止させることができる異常診断装置、画像形成装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明の異常診断装置は、モータの駆動にかかる制御信号の入力を受け付ける信号入力手段と、入力された前記制御信号のパルス幅に基づいて前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項2にかかる発明の異常診断装置は、モータの回転速度を示す回転速度検出信号の入力を受け付ける信号入力手段と、入力された前記回転速度検出信号から所定周期の時間を計測する周期計測手段と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記回転速度検出信号から前記周期計測手段により計測された所定周期の時間を含む一定の範囲である基準時間範囲を記憶する基準時間記憶手段と、前記基準時間記憶手段に記憶されている前記基準時間範囲と前記周期計測手段により計測された所定周期の時間とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項3にかかる発明は、請求項2記載の異常診断装置において、前記周期計測手段は、前記モータの回転開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、ことを特徴とする。
【0015】
また、請求項4にかかる発明は、請求項2記載の異常診断装置において、前記周期計測手段は、前記モータの停止開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、ことを特徴とする。
【0016】
また、請求項5にかかる発明の異常診断装置は、モータに印加する電圧を設定するスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力手段と、入力された前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測手段と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶手段と、前記基準値記憶手段に記憶されている前記基準値と前記レベル幅計測手段により計測された前記スイッチング信号のレベルの幅とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、請求項6にかかる発明の異常診断装置は、モータに印加する電圧を設定するスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力手段と、入力された前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測手段と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅についての最大値および最小値を逐次記憶更新するレベル幅記憶手段と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅の最小値と最大値との差を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶手段と、前記基準値記憶手段に記憶されている前記基準値と前記レベル幅記憶手段により記憶されているレベルの幅の最小値と最大値との差とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0018】
また、請求項7にかかる発明は、請求項5または6記載の異常診断装置において、前記レベル幅計測手段は、前記モータが定常速度で駆動している場合に、前記スイッチング信号のレベルの幅の計測を開始する、ことを特徴とする。
【0019】
また、請求項8にかかる発明の画像形成装置は、モータの回転速度を示す回転速度検出信号を検出し、検出された前記回転速度検出信号に基づいて前記モータの回転速度についてのフィードバック制御を行う画像形成装置において、前記回転速度検出信号から所定周期の時間を計測する周期計測手段と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記回転速度検出信号から前記周期計測手段により計測された所定周期の時間を含む一定の範囲である基準時間範囲を記憶する基準時間記憶手段と、前記基準時間記憶手段に記憶されている前記基準時間範囲と前記周期計測手段により計測された所定周期の時間とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
また、請求項9にかかる発明は、請求項8記載の画像形成装置において、前記周期計測手段は、前記モータの回転開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、ことを特徴とする。
【0021】
また、請求項10にかかる発明は、請求項8記載の画像形成装置において、前記周期計測手段は、前記モータの停止開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、ことを特徴とする。
【0022】
また、請求項11にかかる発明の画像形成装置は、モータの回転速度を示す回転速度検出信号に基づいて前記モータの回転速度についてのフィードバック制御を行う際に、モータドライバが有しているトランジスタのON/OFFを制御するスイッチング信号を生成する画像形成装置において、前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測手段と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶手段と、前記基準値記憶手段に記憶されている前記基準値と前記レベル幅計測手段により計測された前記スイッチング信号のレベルの幅とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0023】
また、請求項12にかかる発明の画像形成装置は、モータの回転速度を示す回転速度検出信号に基づいて前記モータの回転速度についてのフィードバック制御を行う際に、モータドライバが有しているトランジスタのON/OFFを制御するスイッチング信号を生成する画像形成装置において、前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測手段と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅についての最大値および最小値を逐次記憶更新するレベル幅記憶手段と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅の最小値と最大値との差を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶手段と、前記基準値記憶手段に記憶されている前記基準値と前記レベル幅記憶手段により記憶されているレベルの幅の最小値と最大値との差とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0024】
また、請求項13にかかる発明は、請求項11または12記載の画像形成装置において、前記レベル幅計測手段は、前記モータが定常速度で駆動している場合に、前記スイッチング信号のレベルの幅の計測を開始する、ことを特徴とする。
【0025】
また、請求項14にかかる発明のプログラムは、モータの駆動にかかる制御信号の入力を受け付ける信号入力機能と、入力された前記制御信号のパルス幅に基づいて前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定機能と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0026】
また、請求項15にかかる発明のプログラムは、モータの回転速度を示す回転速度検出信号の入力を受け付ける信号入力機能と、入力された前記回転速度検出信号から所定周期の時間を計測する周期計測機能と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記回転速度検出信号から前記周期計測機能により計測された所定周期の時間を含む一定の範囲である基準時間範囲を記憶する基準時間記憶機能と、前記基準時間記憶機能に記憶されている前記基準時間範囲と前記周期計測機能により計測された所定周期の時間とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定機能と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0027】
また、請求項16にかかる発明は、請求項15記載のプログラムにおいて、前記周期計測機能は、前記モータの回転開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、ことを特徴とする。
【0028】
また、請求項17にかかる発明は、請求項15記載のプログラムにおいて、前記周期計測機能は、前記モータの停止開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、ことを特徴とする。
【0029】
また、請求項18にかかる発明のプログラムは、モータに印加する電圧を設定するスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力機能と、入力された前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測機能と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測機能により計測されたレベルの幅を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶機能と、前記基準値記憶機能に記憶されている前記基準値と前記レベル幅計測機能により計測された前記スイッチング信号のレベルの幅とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定機能と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0030】
また、請求項19にかかる発明のプログラムは、モータに印加する電圧を設定するスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力機能と、入力された前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測機能と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測機能により計測されたレベルの幅についての最大値および最小値を逐次記憶更新するレベル幅記憶機能と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測機能により計測されたレベルの幅の最小値と最大値との差を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶機能と、前記基準値記憶機能に記憶されている前記基準値と前記レベル幅記憶機能により記憶されているレベルの幅の最小値と最大値との差とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定機能と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0031】
また、請求項20にかかる発明は、請求項18または19記載のプログラムにおいて、前記レベル幅計測機能は、前記モータが定常速度で駆動している場合に、前記スイッチング信号のレベルの幅の計測を開始する、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、製造コストを上昇させずに、モータやモータに接続された負荷(例えば、トナー補給機構など)の劣化や異常発生を早急に検知し、二次的な破損が発生する前にモータを停止させることができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる異常診断装置、画像形成装置およびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0034】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図6に基づいて説明する。本実施の形態は画像形成装置として、コピー機能、ファクシミリ(FAX)機能、プリント機能、スキャナ機能および入力画像(スキャナ機能による読み取り原稿画像やプリンタあるいはFAX機能により入力された画像)を配信する機能等を複合したいわゆるMFP(Multi Function Peripheral)と称されるデジタル複合機を適用した例である。
【0035】
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるデジタル複合機1000を概略的に示す構成図である。本実施の形態にかかるデジタル複合機1000は、後処理装置であるフィニシャ100と画像読取装置であるスキャナ部200と画像印刷装置であるプリンタ部300とで構成されている。
【0036】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1000は、操作部400(図2参照)のアプリケーション切り替えキーにより、複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となっており、複写機能の選択時には複写モードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。ここでは、複写モードにおける画像形成の流れを例に挙げ、図1を参照して説明する。
【0037】
まず、デジタル複合機1000のスキャナ部200について説明する。スキャナ部200は、概略的には、自動原稿送り装置(以後、ADF(Auto Document Feeder)という。)1と読み取りユニット50とで構成されている。
【0038】
ADF1の原稿台2に原稿の画像面を上にして置かれた原稿束は、操作部400上のプリントキー(図示せず)が押下されると、一番下の原稿から給送ローラ3、給送ベルト4によってコンタクトガラス6上の所定の位置に給送される。なお、デジタル複合機1000は、1枚の原稿をコンタクトガラス6上の所定の位置に給送完了する毎に原稿枚数をカウントアップするカウント機能を有している。
【0039】
コンタクトガラス6上の所定の位置に給送された原稿は、読み取りユニット50によって画像データを読み取られる。
【0040】
ここで、読み取りユニット50について詳述する。読み取りユニット50は、原稿を載置するコンタクトガラス6と光学走査系で構成されている。光学走査系は、照明手段である露光ランプ51、第1ミラー52、レンズ53、CCDイメージセンサ54等で構成されている。露光ランプ51および第1ミラー52は、図示しない第1キャリッジ上に固定され、第2ミラー55および第3ミラー56は、図示しない第1キャリッジ上に固定されている。この光学走査系は、スキャナ駆動モータM1(図3参照)にて駆動される。本実施の読み取りユニット50は、コンタクトガラス6上に原稿が搭載された場合に、露光ランプ51を点灯し、走行体である第1キャリッジおよび第2キャリッジをスキャナ駆動モータM1により右方向に移動走査して原稿を読み取る読み取り方式と、露光ランプ51を点灯し、第1キャリッジおよび第2キャリッジは停止した状態のまま、ADF1によって搬送される原稿を読み取る読み取り方式が選択可能である。第1キャリッジおよび第2キャリッジをスキャナ駆動モータM1により右方向に移動走査して原稿を読み取る読み取り方式の場合には、原稿像を読み取るときには、光路長が変わらないように、第1キャリッジと第2キャリッジとが2対1の相対速度で副走査方向に機械的に走査される。原稿画像は、CCDイメージセンサ54によって読み取られ、電気信号に変換されて出力される。CCDイメージセンサ54からの出力信号は、ADコンバータによりデジタルデータ(画像データ)に変換される。
【0041】
デジタルデータに変換された原稿画像情報は、例えばプリンタ部300に送られてプリント出力として画像情報の出力が行なわれる場合や、あるいは記憶装置に送られて入力画像情報の記憶が行なわれる場合等、種々あり、各々のスキャナ部200の情報として使用されている。
【0042】
読み取りユニット50によって画像データの読み取りが終了した原稿は、給送ベルト4および排送ローラ5によって排出される。
【0043】
さらに、原稿セット検知7にて原稿台2に次の原稿が有ることを検知した場合、前原稿と同様に、次の原稿がコンタクトガラス6上に給送される。
【0044】
上述した給送ローラ3、給送ベルト4、排送ローラ5は、それぞれ搬送モータM2(図3参照)によって駆動される。
【0045】
次に、デジタル複合機1000のプリンタ部300について説明する。プリンタ部300は、概略的には、作像ステーション70と定着ユニット17と給紙部80と両面給紙ユニット111とで構成されている。
【0046】
作像ステーション70は、電子写真方式で作像するものであり、書き込みユニット57と感光体15と現像ユニット19と転写部としても機能する搬送ベルト16とを主体として構成されている。
【0047】
給紙部80は、第1トレイ8と第2トレイ9と第3トレイ10と第1給紙装置11と第2給紙装置12と第3給紙装置13と縦搬送ユニット14とにより構成されている。第1トレイ8、第2トレイ9、第3トレイ10に積載された転写紙Pは、各々第1給紙装置11、第2給紙装置12、第3給紙装置13によって給紙され、縦搬送ユニット14によって感光体15に当接する位置まで搬送される。
【0048】
読み取りユニット50にて読み込まれた画像データは、書き込みユニット57から出力されるレーザビームによって感光体15に書き込まれ、現像ユニット19を通過することによってトナー像が形成される。書き込みユニット57は、レーザ出力ユニット58、結像レンズ59、ミラー60で構成され、レーザ出力ユニット58の内部には、レーザ光源であるレーザダイオードおよびモータによって高速で定速回転する多角形ミラー(ポリゴンミラー)が備わっている。なお、特に図示しないが、感光体15の一端近傍のレーザビームを照射される位置に、主走査同期信号を発生するビームセンサが配置されている。
【0049】
感光体15上のトナー像は、感光体15の回転と等速で搬送ベルト16によって搬送される転写紙Pに転写される。その後、定着ユニット17に搬送されて画像を定着された転写紙Pは、排紙ユニット18によって後処理装置であるフィニシャ100に排出される。
【0050】
後処理装置のフィニシャ100は、排紙ユニット18の排紙ローラ18aによって搬送された転写紙Pを、通常排紙ローラ102方向とステープル処理部方向へと切り替えて導くことができる。より詳細には、後処理装置であるフィニシャ100は、切り替え板101を上に切り替えることにより、搬送ローラ103を経由して通常の排紙トレイ104側に転写紙Pを排紙することができ、切り替え板101を下方向に切り替えることで、搬送ローラ105、107を経由して、ステープル台108に転写紙Pを搬送することができる。
【0051】
ステープル台108に積載された転写紙Pは、一枚排紙されるごとに紙揃え用のジョガー109によって、紙端面が揃えられ、一部のコピー完了と共にステープラ106によって綴じられる。ステープラ106で綴じられた転写紙P群は、自重によってステープル完了排紙トレイ110に収納される。
【0052】
一方、フィニシャ100の通常の排紙トレイ104は、前後に移動可能な排紙トレイである。前後に移動可能な排紙トレイ104は、原稿毎、あるいは、画像メモリによってソーティングされたコピー部毎に、前後に移動し、簡易的に排出されてくるコピー紙を仕分けるものである。
【0053】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1000は、転写紙Pの両面に画像を作像可能である。転写紙Pの両面に画像を作像する場合は、各給紙トレイ8〜10から給紙され作像された転写紙Pを排紙トレイ104側に導かないで、排紙ユニット18の経路切り替えの為の分岐爪112を上側にセットすることで、一旦両面給紙ユニット111にストックする。その後、両面給紙ユニット111にストックされた転写紙Pは、再び感光体15に作像されたトナー画像を転写するために、反転された状態で両面給紙ユニット111から再給紙され、下側にセットされた分岐爪112を介して排紙トレイ104に導かれる。このように、転写紙Pの両面に画像を作成する場合に両面給紙ユニット111は使用される。また、画像の載った転写紙Pの裏面に印字を行なう際にも両面給紙ユニット111を用いて転写紙Pの裏表を変えることができる。
【0054】
なお、上述した感光体15、搬送ベルト16、定着ユニット17、排紙ユニット18、現像ユニット19、フィニシャ100は、メインモータM3(図3参照)によって駆動され、各給紙装置11〜13はメインモータM3の駆動を各々給紙クラッチ(図示せず)によって伝達駆動される。縦搬送ユニット14は、メインモータM3の駆動を中間クラッチ(図示せず)によって伝達駆動される。
【0055】
図2は、デジタル複合機1000のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、このデジタル複合機1000は、コントローラ1101とプリンタ部300及びスキャナ部200とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ1101は、デジタル複合機1000全体の制御と描画、通信、操作部400からの入力を制御するコントローラである。なお、プリンタ部300又はスキャナ部200には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0056】
コントローラ1101は、コンピュータの主要部であるCPU(Central Processing Unit)1111と、システムメモリ(MEM−P)1112と、ノースブリッジ(NB)1113と、サウスブリッジ(SB)1114と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)1116と、ローカルメモリ(MEM−C)1117と、ハードディスクドライブ(HDD)1118とを有し、NB1113とASIC1116との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス1115で接続した構成となる。また、MEM−P1112は、ROM(Read Only Memory)1112aと、RAM(Random Access Memory)1112bとをさらに有する。
【0057】
CPU1111は、デジタル複合機1000の全体制御を行うものであり、NB1113、MEM−P1112およびSB1114からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0058】
NB1113は、CPU1111とMEM−P1112、SB1114、AGPバス1115とを接続するためのブリッジであり、MEM−P1112に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0059】
MEM−P1112は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM1112aとRAM1112bとからなる。ROM1112aは、CPU1111の動作を制御するプログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM1112bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0060】
SB1114は、NB1113とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB1114は、PCIバスを介してNB1113と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインタフェース(I/F)部1104なども接続される。
【0061】
ASIC1116は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス1115、PCIバス、HDD1118およびMEM−C1117をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC1116は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC1116の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C1117を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、プリンタ部300やスキャナ部200との間でPCIバスを介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。このASIC1116には、PCIバスを介してFCU(Fax Control Unit)1121、USB(Universal Serial Bus)1122、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インタフェース1123が接続される。
【0062】
MEM−C1117は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD1118は、画像データの蓄積、CPU1111の動作を制御するプログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0063】
AGPバス1115は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM−P1112に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にするものである。
【0064】
次に、モータ駆動系の構成について説明する。
【0065】
ここで、図3はモータ駆動系の構成を示すブロック図である。図3に示すモータMを駆動するモータ駆動装置20は、コントローラ1101により構成されており、回転速度検出部21、制御部22、PWM(パルス幅変調)信号生成部23、モータドライバ24、異常診断装置である異常診断部25を備えていて、回転速度のフィードバック制御を行うことが可能な構成となっている。なお、モータMは、上述したスキャナ駆動モータM1、搬送モータM2、メインモータM3の総称であり、何れを適用しても良い。このようなモータMは、ブラシレスDCモータである。
【0066】
回転速度検出部21は、モータMの回転速度に応じたパルス状の波形を生成し、このパルス状の波形を回転速度検出信号として出力する。なお、回転速度検出部21は、モータM内に備えられるものであっても良いし、モータM外に備えられるものであっても良い。
【0067】
制御部22は、目標速度(CLK)と回転速度検出部21で出力した回転速度検出信号の周波数や位相とを比較する。そして、制御部22は、目標速度に対して回転速度が遅い場合には正、目標速度に対して回転速度が速い場合には負として、速度差が大きいほど絶対値が大きくなるアナログ信号をPWM信号生成部23に対して出力する。
【0068】
PWM信号生成部23は、内部で三角波の基準波形を生成し、制御部22から出力されたアナログ信号と基準波形を比較して、デジタル化されたスイッチング信号(トランジスタのON信号)を出力する。
【0069】
モータドライバ24は、モータMの各相に対して上下2つのトランジスタを有しており、PWM信号生成部23によって生成されたスイッチング信号(トランジスタのON信号)にあわせて、これらのトランジスタがONとOFFを繰り返し、モータMに電圧を供給する。
【0070】
異常診断部25は、モータMの起動時(すなわち、モータMの速度が速くなりつつある場合)に、モータMの回転速度を基に異常診断を行う。一般に、モータMやモータMに接続される負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)に劣化や異常が発生していない場合には、モータM(メインモータM3)が回転を開始してから定常速度に到達するまでにかかる時間はほぼ一定である。ところが、モータMやモータMに接続された負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)に劣化や異常が発生して負荷トルクが急激に変化した場合には、モータM(メインモータM3)が回転を開始してから定常速度に到達するまでにかかる時間も変動する(一般には、定常速度に到達するまでにかかる時間が長くなる)。そこで、本実施の形態においては、モータMの起動時(すなわち、モータMの速度が速くなりつつある場合)に、モータMの回転速度を基に異常診断を行うようにしたものである。より詳細には、異常診断部25は、回転速度検出部21で出力した回転速度検出信号の入力を受け付ける信号入力手段として機能する信号入力部29と、基準時間範囲を予め記憶する基準時間記憶手段として機能する基準時間記憶部26と、信号入力部29で入力を受け付けた回転速度検出信号から1周期の時間を計測する周期計測手段として機能する周期計測部27と、基準時間範囲および1周期の時間に基づいてモータMやモータMに接続された負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)に異常が生じているかどうかを判定する異常判定手段として機能する異常判定部28と、を備えている。
【0071】
ここで、図4は回転速度検出部21で出力した回転速度検出信号の一例を示すタイミングチャート、図5は周期計測部27において回転速度検出信号から1周期の時間を計測する例を示すタイミングチャートである。
【0072】
図4に示すように、モータMにスタート信号が供給されると、回転速度検出部21によって回転速度検出信号が発生する。この信号は、モータMの回転速度が遅いときには周期が長く、回転速度が速い時には周期が短い信号であるため、図4に示すように、スタート直後は周期が長く、徐々に周期が減少し、モータMの回転速度が定常状態となると一定の周期の信号となる。そこで、異常診断部25では、モータMやモータMに接続された負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)が正常な状態での、モータMの回転開始から一定時間経過後の1周期の時間を含む一定の範囲である基準時間範囲を基準時間記憶部26に記憶させておく。
【0073】
図5に示すように、異常診断部25の周期計測部27は、モータMが起動する度に、回転開始から一定時間経過後の回転速度検出信号の立上がり(立下がり)エッジを検出し、そのエッジから1周期の時間をカウントする。
【0074】
ここで、図6は異常診断処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すように、モータMが起動したことを認識し(ステップS1)、モータMの起動からの時間が一定時間を経過した後に(ステップS2のYes)、回転速度検出信号の立上がり(立下がり)エッジを検出した場合には(ステップS3のYes)、異常診断部25の周期計測部27は回転速度信号の1周期をカウントする(ステップS4)。
【0075】
続くステップS5では、ステップS4でカウントしたカウント値Xが基準時間記憶部26に記憶されている基準時間範囲内であるか否かを異常判定部28において判定する。カウント値Xが基準時間範囲内である場合には(ステップS5のYes)、正常な状態であると判定して、そのまま処理を終了する。一方、カウント値Xが基準時間範囲外である場合には(ステップS5のNo)、異常な状態であると判定して、モータMを停止させるなどの異常発生時の対応処理を実行し(ステップS6)、処理を終了する。
【0076】
このように本実施の形態によれば、モータの起動時(すなわち、モータの速度が速くなりつつある場合)にモータの回転速度(モータの駆動にかかる制御信号のパルス幅)を基に異常診断を行うようにすることにより、モータの起動時において、モータやモータに接続された負荷の劣化や異常発生による負荷トルクの変動があった場合におけるわずかな劣化や異常発生を検知することができるようになるので、モータの回転開始直後に異常発生判定を行うことができ、二次的な破損が発生する前にモータを停止させることができる。
【0077】
また、本実施の形態によれば、回転速度のフィードバック制御を行うための回転速度検出部21から出力される回転速度検出信号を用いるようにしたことにより、従来のようにモータの巻線電流を検出するための装置を設ける必要がなくなるので、製造コストを上昇させずに異常を早急に発見することができる。
【0078】
なお、本実施の形態においては、周期計測部27は回転速度信号の1周期をカウントし、異常判定部28はカウントしたカウント値Xが基準時間記憶部26に記憶されている基準時間範囲内であるか否かを判定するものとしたが、周期計測部27が計測する周期は1周期に限らなくとも良い。
【0079】
また、本実施の形態においては、モータMの回転開始から一定時間経過後に、回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始するようにしたが、これに限るものではなく、モータMの停止開始から一定時間経過後に、回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始するようにしても良い。
【0080】
なお、モータMに接続された負荷が交換部品もしくは着脱可能部品である場合において、交換部品の交換後または着脱可能部品の交換後に、モータMやモータMに接続された負荷の異常もしくは劣化と判定された場合には、交換部品もしくは着脱可能部品の連結異常として、操作部400に表示、もしくは、ネットワークインタフェース(I/F)部1104を介した遠隔診断保守機能により通報するようにしても良い。
【0081】
また、モータMに接続された負荷が交換部品もしくは着脱可能部品である場合において、交換部品の交換後以外または着脱可能部品の交換後以外に、モータMやモータMに接続された負荷の異常もしくは劣化と判定された場合には、交換部品もしくは着脱可能部品の交換時期であることを操作部400に表示、もしくは、ネットワークインタフェース(I/F)部1104を介した遠隔診断保守機能により通報するようにしても良い。
【0082】
さらに、モータMに接続された負荷(現像ユニット19のトナー補給機構)について異常もしくは劣化と判定された場合には、トナーの過補給として、トナー補給動作を停止させる、もしくは、トナー補給量を減少させるようにしても良い。
【0083】
さらにまた、モータMに接続された負荷(現像ユニット19のトナー補給機構)について異常もしくは劣化と判定された場合には、トナー補給ユニットの交換時期であることを操作部400に表示、もしくは、ネットワークインタフェース(I/F)部1104を介した遠隔診断保守機能により通報するようにしても良い。
【0084】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を図7ないし図9に基づいて説明する。なお、前述した第1の実施の形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。
【0085】
第1の実施の形態では、モータMの起動時(すなわち、モータMの速度が速くなりつつある場合)におけるモータMやモータMに接続された負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)の異常診断処理について説明した。本実施の形態は、モータMの回転速度が定常状態となった後におけるモータMやモータMに接続された負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)の異常診断処理について示すものである。そのため、第1の実施の形態と本実施の形態とでは、異常診断部25の構成が異なるものとなっている。
【0086】
図7は、本発明の第2の実施の形態にかかるモータ駆動系の構成を示すブロック図である。図7に示すように、本実施の形態のモータ駆動装置20の異常診断部25は、概略的には、モータドライバ24に入力されるPWM信号生成部23からのスイッチング信号(トランジスタのON信号)を基に異常診断を行うようにしたものである。
【0087】
ここで、図8は負荷トルクとPWM信号の関係を示すタイミングチャートである。スイッチング信号は、モータMに印加する電圧を設定する信号であり、図8に示すように、負荷トルクが一定で動作している場合には、スイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅は一定である。ところが、負荷トルクが変化した場合には、図8に示すように、モータMの回転速度を一定に保つためにスイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅が変化することになる。つまり、スイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅の変化を確認すると、モータMの回転速度が目標速度に対してどの程度ずれていたのかを確認することができる。そこで、本実施の形態のモータ駆動装置20の異常診断部25は、スイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅の変化により、異常を診断するようにしたものである。より詳細には、異常診断部25は、PWM信号生成部23から出力されたスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力手段として機能する信号入力部34と、スイッチング信号のHレベル(Lレベル)の基準幅を基準値として予め記憶する基準値記憶手段として機能する基準値記憶部31と、スイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅を計測するレベル幅計測手段として機能するレベル幅計測部32と、基準値およびスイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅に基づいてモータMやモータMに接続された負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)に異常が生じているかどうかを判定する異常判定手段として機能する異常判定部33と、を備えている。なお、基準値記憶部31に記憶される基準値(基準幅)は、通常時(出荷前、部品交換時などのモータMおよびモータMに接続される負荷が正常な状態)においてPWM信号生成部23から出力されるスイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅を含む一定の範囲である。
【0088】
ここで、図9は異常診断処理の流れを示すフローチャートである。図9に示すように、モータMが起動したことを認識し(ステップS11)、モータMの回転速度が定常状態となった後に(ステップS12のYes)、スイッチング信号の立上がりエッジを検出した場合には(ステップS13のYes)、カウント値Xを“0”に初期化し(ステップS14)、スイッチング信号の立下がりエッジを検出するまで(ステップS15のYes)、カウント値Xを順次“1”インクリメントする(ステップS16)。
【0089】
なお、モータMの回転速度が定常状態となったか否かの判断は、モータMの回転速度が一定値を超えたかどうかによって判断する。
【0090】
スイッチング信号の立下がりエッジを検出した場合であって(ステップS15のYes)、モータMにブレーキまたは停止の信号が送られていない場合には(ステップS17のNo)、カウント値Xが基準値記憶部31に記憶される基準値Y(基準幅)内であるか否かを異常判定部33において判定する(ステップS18)。
【0091】
カウント値Xが基準値Y(基準幅)内である場合には(ステップS18のYes)、正常な状態であると判定して、ステップS13に戻り、次のスイッチング信号の立上がりエッジの検出に待機する。一方、カウント値Xが基準値Y(基準幅)外である場合には(ステップS18のNo)、異常な状態であると判定して、モータMを停止させるなどの異常発生時の対応処理を実行し(ステップS19)、処理を終了する。
【0092】
すなわち、モータMやモータMに接続された負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)の劣化や異常発生による負荷トルクの変動があった場合にはスイッチング信号のHレベル(Lレベル)幅が増加することから、予め異常診断部25内にHレベル(Lレベル)の基準幅を記憶させておき、計測したHレベル(Lレベル)幅と比較することによって、劣化もしくは異常の判断を行うことができる。
【0093】
このように本実施の形態によれば、PWM信号生成部23から出力されるスイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅(モータの駆動にかかる制御信号のパルス幅)の変化により、モータやモータに接続された負荷(例えば、トナー補給機構など)の劣化や異常発生を診断するようにしたことにより、わずかな異常も検出可能となり、二次的な破損が発生する前にモータを停止させることができる。
【0094】
また、本実施の形態によれば、モータMに印加する電圧を設定するためのPWM信号生成部23から出力されるスイッチング信号を用いるようにしたことにより、従来のようにモータの巻線電流を検出するための装置を設ける必要がなくなるので、製造コストを上昇させずに異常を早急に発見することができる。
【0095】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態を図10および図11に基づいて説明する。なお、前述した第1の実施の形態または第2の実施の形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。
【0096】
第2の実施の形態においては、カウント値Xが基準値記憶部31に記憶される基準値Y(基準幅)外である場合に、モータMやモータMに接続された負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)が異常な状態であると判定して、モータMを停止させるなどの異常発生時の対応処理を実行するようにした。本実施の形態においては、モータMの定常回転中のスイッチング信号のHレベル(Lレベル)幅の最大値と最小値を記憶させ、その差が一定以上になった際に異常な状態であると判定して、モータMを停止させるなどの異常発生時の対応処理を実行するようにした。そのため、第2の実施の形態と本実施の形態とでは、異常診断部25の構成が異なるものとなっている。
【0097】
図10は、本発明の第3の実施の形態にかかるモータ駆動系の構成を示すブロック図である。図10に示すように、本実施の形態のモータ駆動装置20の異常診断部25は、概略的には、スイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅の変化により、異常を診断するようにしたものである。より詳細には、異常診断部25は、PWM信号生成部23から出力されたスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力手段として機能する信号入力部45と、スイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅を計測するレベル幅計測手段として機能するレベル幅計測部41と、レベル幅計測部41で計測したスイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅を最小値および最大値として記憶するレベル幅記憶手段として機能するレベル幅記憶部42と、スイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅の最小値と最大値との差の基準値を予め記憶する基準値記憶手段として機能する基準値記憶部43と、基準値記憶部43に記憶されている基準値とレベル幅記憶部42に記憶されているHレベル(Lレベル)の幅の最小値と最大値との差とに基づいてモータMやモータMに接続された負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)に異常が生じているかどうかを判定する異常判定手段として機能する異常判定部44と、を備えている。なお、基準値記憶部43に記憶される基準値は、通常時(出荷前、部品交換時などのモータMおよびモータMに接続される負荷が正常な状態)においてPWM信号生成部23から出力されるスイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅の最小値と最大値との差を含む一定の範囲である。
【0098】
ここで、図11は異常診断処理の流れを示すフローチャートである。図11に示すように、モータMが起動したことを認識し(ステップS21)、モータMの回転速度が定常状態となった後に(ステップS22のYes)、スイッチング信号の立上がりエッジを検出した場合には(ステップS23のYes)、カウント値Xを“0”に初期化し(ステップS24)、スイッチング信号の立下がりエッジを検出するまで(ステップS25のYes)、カウント値Xを順次“1”インクリメントする(ステップS26)。
【0099】
なお、モータMの回転速度が定常状態となったか否かの判断は、モータMの回転速度が一定値を超えたかどうかによって判断する。
【0100】
スイッチング信号の立下がりエッジを検出した場合であって(ステップS25のYes)、カウント値Xがレベル幅記憶部42に記憶されているHレベル(Lレベル)の幅の最大値よりも大きいと判定した場合には(ステップS27のYes)、レベル幅記憶部42の最大値をカウント値Xに更新し(ステップS28)、カウント値Xがレベル幅記憶部42に記憶されているHレベル(Lレベル)の幅の最小値よりも小さいと判定した場合には(ステップS29のYes)、レベル幅記憶部42の最小値をカウント値Xに更新する(ステップS30)。
【0101】
その後、レベル幅記憶部42に記憶されているHレベル(Lレベル)の幅の最小値と最大値との差が基準値記憶部43に記憶されている基準値よりも大きいか否かを異常判定部44において判定する(ステップS31)。
【0102】
レベル幅記憶部42に記憶されているHレベル(Lレベル)の幅の最小値と最大値との差が基準値記憶部43に記憶されている基準値Y内である場合には(ステップS31のYes)、正常な状態であると判定して、ステップS23に戻り、次のスイッチング信号の立上がりエッジの検出に待機する。一方、レベル幅記憶部42に記憶されているHレベル(Lレベル)の幅の最小値と最大値との差が基準値記憶部43に記憶されている基準値Y外である場合には(ステップS31のNo)、異常な状態であると判定して、ステップS32に進む。
【0103】
モータMにブレーキまたは停止の信号が送られていない場合には(ステップS32のNo)、モータMを停止させるなどの異常発生時の対応処理を実行し(ステップS33)、処理を終了する。
【0104】
すなわち、負荷トルクの変動によりスイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅が変化するため、モータMの回転速度が定常状態になった直後のHレベル(Lレベル)の幅の最小値および最大値をレベル幅記憶部42に記憶させておくとともに、Hレベル(Lレベル)の幅を逐次測定していき、最大値よりも大きいカウント値が得られれば最大値として更新し、最小値よりも小さいカウント値が得られれば最小値として更新することを繰り返し、最大値と最小値との差が基準値記憶部43に記憶されている基準値Y外になった場合には、劣化もしくは異常と判定することにより、モータMが定常回転をしている際にHレベル(Lレベル)の幅が大きく変化することは、負荷トルクが大きく変化しているということになるので、劣化もしくは異常の判断を行うことができる。
【0105】
このように本実施の形態によれば、PWM信号生成部23から出力されるスイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅(モータの駆動にかかる制御信号のパルス幅)の変化により、モータやモータに接続された負荷(例えば、トナー補給機構など)の劣化や異常発生を診断するようにしたことにより、わずかな異常も検出可能となり、二次的な破損が発生する前にモータを停止させることができる。
【0106】
また、本実施の形態によれば、モータMに印加する電圧を設定するためのPWM信号生成部23から出力されるスイッチング信号を用いるようにしたことにより、従来のようにモータの巻線電流を検出するための装置を設ける必要がなくなるので、製造コストを上昇させずに異常を早急に発見することができる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるデジタル複合機を概略的に示す構成図である。
【図2】デジタル複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】モータ駆動系の構成を示すブロック図である。
【図4】回転速度検出信号の一例を示すタイミングチャートである。
【図5】回転速度検出信号から1周期の時間を計測する例を示すタイミングチャートである。
【図6】異常診断処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態にかかるモータ駆動系の構成を示すブロック図である。
【図8】負荷トルクとPWM信号の関係を示すタイミングチャートである。
【図9】異常診断処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】本発明の第3の実施の形態にかかるモータ駆動系の構成を示すブロック図である。
【図11】異常診断処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0108】
25 異常診断装置
26 基準時間記憶部
27 周期計測部
28 異常判定部
29 信号入力部
31 基準値記憶部
32 レベル幅計測部
33 異常判定部
34 信号入力部
41 レベル幅計測部
42 レベル幅記憶部
43 基準値記憶部
44 異常判定部
45 信号入力部
1000 画像形成装置
M モータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常診断装置、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MFP(多機能周辺装置:Multifunction Peripheral)などの画像形成装置においては、動作不良を検出するセンサを各動作部に個別に設けることにより、各動作部の異常診断を行っている。
【0003】
しかしながら、センサを各動作部に個別に設けて異常診断を行う手法によれば、装置が複雑になり部品点数が増加するほどに専用センサの点数が増えることになるので、製造コストが上昇するという問題がある。
【0004】
また、センサを各動作部に個別に設けて異常診断を行う手法によれば、検出対象である動作部に問題がない場合であってもセンサが故障してしまった場合には動作部の異常として認識されてしまう、という問題もある。
【0005】
そこで、特許文献1では、モータに流れる電流値を使用し、正常状態とのずれの程度に基づいて異常診断を行う技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−033559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に開示されているモータの電流値を使用した異常診断技術においては、モータやモータに接続された負荷(例えば、現像ユニットのトナー補給機構など)に劣化や異常が発生して負荷トルクが急激に変化した場合であっても、モータ巻線はインダクタンス成分を持っているために電流値が変化するまでには時間がかかってしまう。そのため、特許文献1に開示されているモータの電流値を使用した異常診断技術においては、電流の一時的な変化を検知することが難しく、例えばギアの噛み合い不良などの異常を見逃す恐れがある、という問題がある。
【0008】
また、特許文献1に開示されているモータの電流値を使用した異常診断技術によれば、モータの巻線抵抗や電流検出抵抗のばらつきや温度変化により、電流値のわずかな変化を検出することができない、という問題がある。
【0009】
すなわち、特許文献1に開示されているモータの電流値を使用した異常診断技術によれば、画像形成装置の他のユニットまで破損させてしまうような致命的な異常が発生しても、電流値が変化するまでに時間がかかることから異常と判断されるまでに時間がかかり、二次的な破損を止めることができない可能性がある。
【0010】
加えて、起動直後においてはモータに流れる電流が多くなることから、特許文献1に開示されているモータの電流値を使用した異常診断技術によれば、常に異常が検出されてしまうため、モータの起動直後の異常診断には適さない。すなわち、起動直後においては異常診断を行うことができないため、起動直後にモータに異常が生じた場合にも、二次的な破損を止めることができない可能性がある。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、製造コストを上昇させずに、モータやモータに接続された負荷(例えば、トナー補給機構など)の劣化や異常発生を早急に検知し、二次的な破損が発生する前にモータを停止させることができる異常診断装置、画像形成装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明の異常診断装置は、モータの駆動にかかる制御信号の入力を受け付ける信号入力手段と、入力された前記制御信号のパルス幅に基づいて前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項2にかかる発明の異常診断装置は、モータの回転速度を示す回転速度検出信号の入力を受け付ける信号入力手段と、入力された前記回転速度検出信号から所定周期の時間を計測する周期計測手段と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記回転速度検出信号から前記周期計測手段により計測された所定周期の時間を含む一定の範囲である基準時間範囲を記憶する基準時間記憶手段と、前記基準時間記憶手段に記憶されている前記基準時間範囲と前記周期計測手段により計測された所定周期の時間とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項3にかかる発明は、請求項2記載の異常診断装置において、前記周期計測手段は、前記モータの回転開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、ことを特徴とする。
【0015】
また、請求項4にかかる発明は、請求項2記載の異常診断装置において、前記周期計測手段は、前記モータの停止開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、ことを特徴とする。
【0016】
また、請求項5にかかる発明の異常診断装置は、モータに印加する電圧を設定するスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力手段と、入力された前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測手段と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶手段と、前記基準値記憶手段に記憶されている前記基準値と前記レベル幅計測手段により計測された前記スイッチング信号のレベルの幅とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、請求項6にかかる発明の異常診断装置は、モータに印加する電圧を設定するスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力手段と、入力された前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測手段と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅についての最大値および最小値を逐次記憶更新するレベル幅記憶手段と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅の最小値と最大値との差を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶手段と、前記基準値記憶手段に記憶されている前記基準値と前記レベル幅記憶手段により記憶されているレベルの幅の最小値と最大値との差とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0018】
また、請求項7にかかる発明は、請求項5または6記載の異常診断装置において、前記レベル幅計測手段は、前記モータが定常速度で駆動している場合に、前記スイッチング信号のレベルの幅の計測を開始する、ことを特徴とする。
【0019】
また、請求項8にかかる発明の画像形成装置は、モータの回転速度を示す回転速度検出信号を検出し、検出された前記回転速度検出信号に基づいて前記モータの回転速度についてのフィードバック制御を行う画像形成装置において、前記回転速度検出信号から所定周期の時間を計測する周期計測手段と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記回転速度検出信号から前記周期計測手段により計測された所定周期の時間を含む一定の範囲である基準時間範囲を記憶する基準時間記憶手段と、前記基準時間記憶手段に記憶されている前記基準時間範囲と前記周期計測手段により計測された所定周期の時間とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
また、請求項9にかかる発明は、請求項8記載の画像形成装置において、前記周期計測手段は、前記モータの回転開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、ことを特徴とする。
【0021】
また、請求項10にかかる発明は、請求項8記載の画像形成装置において、前記周期計測手段は、前記モータの停止開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、ことを特徴とする。
【0022】
また、請求項11にかかる発明の画像形成装置は、モータの回転速度を示す回転速度検出信号に基づいて前記モータの回転速度についてのフィードバック制御を行う際に、モータドライバが有しているトランジスタのON/OFFを制御するスイッチング信号を生成する画像形成装置において、前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測手段と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶手段と、前記基準値記憶手段に記憶されている前記基準値と前記レベル幅計測手段により計測された前記スイッチング信号のレベルの幅とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0023】
また、請求項12にかかる発明の画像形成装置は、モータの回転速度を示す回転速度検出信号に基づいて前記モータの回転速度についてのフィードバック制御を行う際に、モータドライバが有しているトランジスタのON/OFFを制御するスイッチング信号を生成する画像形成装置において、前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測手段と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅についての最大値および最小値を逐次記憶更新するレベル幅記憶手段と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅の最小値と最大値との差を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶手段と、前記基準値記憶手段に記憶されている前記基準値と前記レベル幅記憶手段により記憶されているレベルの幅の最小値と最大値との差とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0024】
また、請求項13にかかる発明は、請求項11または12記載の画像形成装置において、前記レベル幅計測手段は、前記モータが定常速度で駆動している場合に、前記スイッチング信号のレベルの幅の計測を開始する、ことを特徴とする。
【0025】
また、請求項14にかかる発明のプログラムは、モータの駆動にかかる制御信号の入力を受け付ける信号入力機能と、入力された前記制御信号のパルス幅に基づいて前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定機能と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0026】
また、請求項15にかかる発明のプログラムは、モータの回転速度を示す回転速度検出信号の入力を受け付ける信号入力機能と、入力された前記回転速度検出信号から所定周期の時間を計測する周期計測機能と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記回転速度検出信号から前記周期計測機能により計測された所定周期の時間を含む一定の範囲である基準時間範囲を記憶する基準時間記憶機能と、前記基準時間記憶機能に記憶されている前記基準時間範囲と前記周期計測機能により計測された所定周期の時間とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定機能と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0027】
また、請求項16にかかる発明は、請求項15記載のプログラムにおいて、前記周期計測機能は、前記モータの回転開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、ことを特徴とする。
【0028】
また、請求項17にかかる発明は、請求項15記載のプログラムにおいて、前記周期計測機能は、前記モータの停止開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、ことを特徴とする。
【0029】
また、請求項18にかかる発明のプログラムは、モータに印加する電圧を設定するスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力機能と、入力された前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測機能と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測機能により計測されたレベルの幅を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶機能と、前記基準値記憶機能に記憶されている前記基準値と前記レベル幅計測機能により計測された前記スイッチング信号のレベルの幅とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定機能と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0030】
また、請求項19にかかる発明のプログラムは、モータに印加する電圧を設定するスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力機能と、入力された前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測機能と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測機能により計測されたレベルの幅についての最大値および最小値を逐次記憶更新するレベル幅記憶機能と、前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測機能により計測されたレベルの幅の最小値と最大値との差を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶機能と、前記基準値記憶機能に記憶されている前記基準値と前記レベル幅記憶機能により記憶されているレベルの幅の最小値と最大値との差とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定機能と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0031】
また、請求項20にかかる発明は、請求項18または19記載のプログラムにおいて、前記レベル幅計測機能は、前記モータが定常速度で駆動している場合に、前記スイッチング信号のレベルの幅の計測を開始する、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、製造コストを上昇させずに、モータやモータに接続された負荷(例えば、トナー補給機構など)の劣化や異常発生を早急に検知し、二次的な破損が発生する前にモータを停止させることができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる異常診断装置、画像形成装置およびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0034】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図6に基づいて説明する。本実施の形態は画像形成装置として、コピー機能、ファクシミリ(FAX)機能、プリント機能、スキャナ機能および入力画像(スキャナ機能による読み取り原稿画像やプリンタあるいはFAX機能により入力された画像)を配信する機能等を複合したいわゆるMFP(Multi Function Peripheral)と称されるデジタル複合機を適用した例である。
【0035】
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるデジタル複合機1000を概略的に示す構成図である。本実施の形態にかかるデジタル複合機1000は、後処理装置であるフィニシャ100と画像読取装置であるスキャナ部200と画像印刷装置であるプリンタ部300とで構成されている。
【0036】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1000は、操作部400(図2参照)のアプリケーション切り替えキーにより、複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となっており、複写機能の選択時には複写モードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。ここでは、複写モードにおける画像形成の流れを例に挙げ、図1を参照して説明する。
【0037】
まず、デジタル複合機1000のスキャナ部200について説明する。スキャナ部200は、概略的には、自動原稿送り装置(以後、ADF(Auto Document Feeder)という。)1と読み取りユニット50とで構成されている。
【0038】
ADF1の原稿台2に原稿の画像面を上にして置かれた原稿束は、操作部400上のプリントキー(図示せず)が押下されると、一番下の原稿から給送ローラ3、給送ベルト4によってコンタクトガラス6上の所定の位置に給送される。なお、デジタル複合機1000は、1枚の原稿をコンタクトガラス6上の所定の位置に給送完了する毎に原稿枚数をカウントアップするカウント機能を有している。
【0039】
コンタクトガラス6上の所定の位置に給送された原稿は、読み取りユニット50によって画像データを読み取られる。
【0040】
ここで、読み取りユニット50について詳述する。読み取りユニット50は、原稿を載置するコンタクトガラス6と光学走査系で構成されている。光学走査系は、照明手段である露光ランプ51、第1ミラー52、レンズ53、CCDイメージセンサ54等で構成されている。露光ランプ51および第1ミラー52は、図示しない第1キャリッジ上に固定され、第2ミラー55および第3ミラー56は、図示しない第1キャリッジ上に固定されている。この光学走査系は、スキャナ駆動モータM1(図3参照)にて駆動される。本実施の読み取りユニット50は、コンタクトガラス6上に原稿が搭載された場合に、露光ランプ51を点灯し、走行体である第1キャリッジおよび第2キャリッジをスキャナ駆動モータM1により右方向に移動走査して原稿を読み取る読み取り方式と、露光ランプ51を点灯し、第1キャリッジおよび第2キャリッジは停止した状態のまま、ADF1によって搬送される原稿を読み取る読み取り方式が選択可能である。第1キャリッジおよび第2キャリッジをスキャナ駆動モータM1により右方向に移動走査して原稿を読み取る読み取り方式の場合には、原稿像を読み取るときには、光路長が変わらないように、第1キャリッジと第2キャリッジとが2対1の相対速度で副走査方向に機械的に走査される。原稿画像は、CCDイメージセンサ54によって読み取られ、電気信号に変換されて出力される。CCDイメージセンサ54からの出力信号は、ADコンバータによりデジタルデータ(画像データ)に変換される。
【0041】
デジタルデータに変換された原稿画像情報は、例えばプリンタ部300に送られてプリント出力として画像情報の出力が行なわれる場合や、あるいは記憶装置に送られて入力画像情報の記憶が行なわれる場合等、種々あり、各々のスキャナ部200の情報として使用されている。
【0042】
読み取りユニット50によって画像データの読み取りが終了した原稿は、給送ベルト4および排送ローラ5によって排出される。
【0043】
さらに、原稿セット検知7にて原稿台2に次の原稿が有ることを検知した場合、前原稿と同様に、次の原稿がコンタクトガラス6上に給送される。
【0044】
上述した給送ローラ3、給送ベルト4、排送ローラ5は、それぞれ搬送モータM2(図3参照)によって駆動される。
【0045】
次に、デジタル複合機1000のプリンタ部300について説明する。プリンタ部300は、概略的には、作像ステーション70と定着ユニット17と給紙部80と両面給紙ユニット111とで構成されている。
【0046】
作像ステーション70は、電子写真方式で作像するものであり、書き込みユニット57と感光体15と現像ユニット19と転写部としても機能する搬送ベルト16とを主体として構成されている。
【0047】
給紙部80は、第1トレイ8と第2トレイ9と第3トレイ10と第1給紙装置11と第2給紙装置12と第3給紙装置13と縦搬送ユニット14とにより構成されている。第1トレイ8、第2トレイ9、第3トレイ10に積載された転写紙Pは、各々第1給紙装置11、第2給紙装置12、第3給紙装置13によって給紙され、縦搬送ユニット14によって感光体15に当接する位置まで搬送される。
【0048】
読み取りユニット50にて読み込まれた画像データは、書き込みユニット57から出力されるレーザビームによって感光体15に書き込まれ、現像ユニット19を通過することによってトナー像が形成される。書き込みユニット57は、レーザ出力ユニット58、結像レンズ59、ミラー60で構成され、レーザ出力ユニット58の内部には、レーザ光源であるレーザダイオードおよびモータによって高速で定速回転する多角形ミラー(ポリゴンミラー)が備わっている。なお、特に図示しないが、感光体15の一端近傍のレーザビームを照射される位置に、主走査同期信号を発生するビームセンサが配置されている。
【0049】
感光体15上のトナー像は、感光体15の回転と等速で搬送ベルト16によって搬送される転写紙Pに転写される。その後、定着ユニット17に搬送されて画像を定着された転写紙Pは、排紙ユニット18によって後処理装置であるフィニシャ100に排出される。
【0050】
後処理装置のフィニシャ100は、排紙ユニット18の排紙ローラ18aによって搬送された転写紙Pを、通常排紙ローラ102方向とステープル処理部方向へと切り替えて導くことができる。より詳細には、後処理装置であるフィニシャ100は、切り替え板101を上に切り替えることにより、搬送ローラ103を経由して通常の排紙トレイ104側に転写紙Pを排紙することができ、切り替え板101を下方向に切り替えることで、搬送ローラ105、107を経由して、ステープル台108に転写紙Pを搬送することができる。
【0051】
ステープル台108に積載された転写紙Pは、一枚排紙されるごとに紙揃え用のジョガー109によって、紙端面が揃えられ、一部のコピー完了と共にステープラ106によって綴じられる。ステープラ106で綴じられた転写紙P群は、自重によってステープル完了排紙トレイ110に収納される。
【0052】
一方、フィニシャ100の通常の排紙トレイ104は、前後に移動可能な排紙トレイである。前後に移動可能な排紙トレイ104は、原稿毎、あるいは、画像メモリによってソーティングされたコピー部毎に、前後に移動し、簡易的に排出されてくるコピー紙を仕分けるものである。
【0053】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1000は、転写紙Pの両面に画像を作像可能である。転写紙Pの両面に画像を作像する場合は、各給紙トレイ8〜10から給紙され作像された転写紙Pを排紙トレイ104側に導かないで、排紙ユニット18の経路切り替えの為の分岐爪112を上側にセットすることで、一旦両面給紙ユニット111にストックする。その後、両面給紙ユニット111にストックされた転写紙Pは、再び感光体15に作像されたトナー画像を転写するために、反転された状態で両面給紙ユニット111から再給紙され、下側にセットされた分岐爪112を介して排紙トレイ104に導かれる。このように、転写紙Pの両面に画像を作成する場合に両面給紙ユニット111は使用される。また、画像の載った転写紙Pの裏面に印字を行なう際にも両面給紙ユニット111を用いて転写紙Pの裏表を変えることができる。
【0054】
なお、上述した感光体15、搬送ベルト16、定着ユニット17、排紙ユニット18、現像ユニット19、フィニシャ100は、メインモータM3(図3参照)によって駆動され、各給紙装置11〜13はメインモータM3の駆動を各々給紙クラッチ(図示せず)によって伝達駆動される。縦搬送ユニット14は、メインモータM3の駆動を中間クラッチ(図示せず)によって伝達駆動される。
【0055】
図2は、デジタル複合機1000のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、このデジタル複合機1000は、コントローラ1101とプリンタ部300及びスキャナ部200とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ1101は、デジタル複合機1000全体の制御と描画、通信、操作部400からの入力を制御するコントローラである。なお、プリンタ部300又はスキャナ部200には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0056】
コントローラ1101は、コンピュータの主要部であるCPU(Central Processing Unit)1111と、システムメモリ(MEM−P)1112と、ノースブリッジ(NB)1113と、サウスブリッジ(SB)1114と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)1116と、ローカルメモリ(MEM−C)1117と、ハードディスクドライブ(HDD)1118とを有し、NB1113とASIC1116との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス1115で接続した構成となる。また、MEM−P1112は、ROM(Read Only Memory)1112aと、RAM(Random Access Memory)1112bとをさらに有する。
【0057】
CPU1111は、デジタル複合機1000の全体制御を行うものであり、NB1113、MEM−P1112およびSB1114からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0058】
NB1113は、CPU1111とMEM−P1112、SB1114、AGPバス1115とを接続するためのブリッジであり、MEM−P1112に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0059】
MEM−P1112は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM1112aとRAM1112bとからなる。ROM1112aは、CPU1111の動作を制御するプログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM1112bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0060】
SB1114は、NB1113とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB1114は、PCIバスを介してNB1113と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインタフェース(I/F)部1104なども接続される。
【0061】
ASIC1116は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス1115、PCIバス、HDD1118およびMEM−C1117をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC1116は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC1116の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C1117を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、プリンタ部300やスキャナ部200との間でPCIバスを介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。このASIC1116には、PCIバスを介してFCU(Fax Control Unit)1121、USB(Universal Serial Bus)1122、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インタフェース1123が接続される。
【0062】
MEM−C1117は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD1118は、画像データの蓄積、CPU1111の動作を制御するプログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0063】
AGPバス1115は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM−P1112に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にするものである。
【0064】
次に、モータ駆動系の構成について説明する。
【0065】
ここで、図3はモータ駆動系の構成を示すブロック図である。図3に示すモータMを駆動するモータ駆動装置20は、コントローラ1101により構成されており、回転速度検出部21、制御部22、PWM(パルス幅変調)信号生成部23、モータドライバ24、異常診断装置である異常診断部25を備えていて、回転速度のフィードバック制御を行うことが可能な構成となっている。なお、モータMは、上述したスキャナ駆動モータM1、搬送モータM2、メインモータM3の総称であり、何れを適用しても良い。このようなモータMは、ブラシレスDCモータである。
【0066】
回転速度検出部21は、モータMの回転速度に応じたパルス状の波形を生成し、このパルス状の波形を回転速度検出信号として出力する。なお、回転速度検出部21は、モータM内に備えられるものであっても良いし、モータM外に備えられるものであっても良い。
【0067】
制御部22は、目標速度(CLK)と回転速度検出部21で出力した回転速度検出信号の周波数や位相とを比較する。そして、制御部22は、目標速度に対して回転速度が遅い場合には正、目標速度に対して回転速度が速い場合には負として、速度差が大きいほど絶対値が大きくなるアナログ信号をPWM信号生成部23に対して出力する。
【0068】
PWM信号生成部23は、内部で三角波の基準波形を生成し、制御部22から出力されたアナログ信号と基準波形を比較して、デジタル化されたスイッチング信号(トランジスタのON信号)を出力する。
【0069】
モータドライバ24は、モータMの各相に対して上下2つのトランジスタを有しており、PWM信号生成部23によって生成されたスイッチング信号(トランジスタのON信号)にあわせて、これらのトランジスタがONとOFFを繰り返し、モータMに電圧を供給する。
【0070】
異常診断部25は、モータMの起動時(すなわち、モータMの速度が速くなりつつある場合)に、モータMの回転速度を基に異常診断を行う。一般に、モータMやモータMに接続される負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)に劣化や異常が発生していない場合には、モータM(メインモータM3)が回転を開始してから定常速度に到達するまでにかかる時間はほぼ一定である。ところが、モータMやモータMに接続された負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)に劣化や異常が発生して負荷トルクが急激に変化した場合には、モータM(メインモータM3)が回転を開始してから定常速度に到達するまでにかかる時間も変動する(一般には、定常速度に到達するまでにかかる時間が長くなる)。そこで、本実施の形態においては、モータMの起動時(すなわち、モータMの速度が速くなりつつある場合)に、モータMの回転速度を基に異常診断を行うようにしたものである。より詳細には、異常診断部25は、回転速度検出部21で出力した回転速度検出信号の入力を受け付ける信号入力手段として機能する信号入力部29と、基準時間範囲を予め記憶する基準時間記憶手段として機能する基準時間記憶部26と、信号入力部29で入力を受け付けた回転速度検出信号から1周期の時間を計測する周期計測手段として機能する周期計測部27と、基準時間範囲および1周期の時間に基づいてモータMやモータMに接続された負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)に異常が生じているかどうかを判定する異常判定手段として機能する異常判定部28と、を備えている。
【0071】
ここで、図4は回転速度検出部21で出力した回転速度検出信号の一例を示すタイミングチャート、図5は周期計測部27において回転速度検出信号から1周期の時間を計測する例を示すタイミングチャートである。
【0072】
図4に示すように、モータMにスタート信号が供給されると、回転速度検出部21によって回転速度検出信号が発生する。この信号は、モータMの回転速度が遅いときには周期が長く、回転速度が速い時には周期が短い信号であるため、図4に示すように、スタート直後は周期が長く、徐々に周期が減少し、モータMの回転速度が定常状態となると一定の周期の信号となる。そこで、異常診断部25では、モータMやモータMに接続された負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)が正常な状態での、モータMの回転開始から一定時間経過後の1周期の時間を含む一定の範囲である基準時間範囲を基準時間記憶部26に記憶させておく。
【0073】
図5に示すように、異常診断部25の周期計測部27は、モータMが起動する度に、回転開始から一定時間経過後の回転速度検出信号の立上がり(立下がり)エッジを検出し、そのエッジから1周期の時間をカウントする。
【0074】
ここで、図6は異常診断処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すように、モータMが起動したことを認識し(ステップS1)、モータMの起動からの時間が一定時間を経過した後に(ステップS2のYes)、回転速度検出信号の立上がり(立下がり)エッジを検出した場合には(ステップS3のYes)、異常診断部25の周期計測部27は回転速度信号の1周期をカウントする(ステップS4)。
【0075】
続くステップS5では、ステップS4でカウントしたカウント値Xが基準時間記憶部26に記憶されている基準時間範囲内であるか否かを異常判定部28において判定する。カウント値Xが基準時間範囲内である場合には(ステップS5のYes)、正常な状態であると判定して、そのまま処理を終了する。一方、カウント値Xが基準時間範囲外である場合には(ステップS5のNo)、異常な状態であると判定して、モータMを停止させるなどの異常発生時の対応処理を実行し(ステップS6)、処理を終了する。
【0076】
このように本実施の形態によれば、モータの起動時(すなわち、モータの速度が速くなりつつある場合)にモータの回転速度(モータの駆動にかかる制御信号のパルス幅)を基に異常診断を行うようにすることにより、モータの起動時において、モータやモータに接続された負荷の劣化や異常発生による負荷トルクの変動があった場合におけるわずかな劣化や異常発生を検知することができるようになるので、モータの回転開始直後に異常発生判定を行うことができ、二次的な破損が発生する前にモータを停止させることができる。
【0077】
また、本実施の形態によれば、回転速度のフィードバック制御を行うための回転速度検出部21から出力される回転速度検出信号を用いるようにしたことにより、従来のようにモータの巻線電流を検出するための装置を設ける必要がなくなるので、製造コストを上昇させずに異常を早急に発見することができる。
【0078】
なお、本実施の形態においては、周期計測部27は回転速度信号の1周期をカウントし、異常判定部28はカウントしたカウント値Xが基準時間記憶部26に記憶されている基準時間範囲内であるか否かを判定するものとしたが、周期計測部27が計測する周期は1周期に限らなくとも良い。
【0079】
また、本実施の形態においては、モータMの回転開始から一定時間経過後に、回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始するようにしたが、これに限るものではなく、モータMの停止開始から一定時間経過後に、回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始するようにしても良い。
【0080】
なお、モータMに接続された負荷が交換部品もしくは着脱可能部品である場合において、交換部品の交換後または着脱可能部品の交換後に、モータMやモータMに接続された負荷の異常もしくは劣化と判定された場合には、交換部品もしくは着脱可能部品の連結異常として、操作部400に表示、もしくは、ネットワークインタフェース(I/F)部1104を介した遠隔診断保守機能により通報するようにしても良い。
【0081】
また、モータMに接続された負荷が交換部品もしくは着脱可能部品である場合において、交換部品の交換後以外または着脱可能部品の交換後以外に、モータMやモータMに接続された負荷の異常もしくは劣化と判定された場合には、交換部品もしくは着脱可能部品の交換時期であることを操作部400に表示、もしくは、ネットワークインタフェース(I/F)部1104を介した遠隔診断保守機能により通報するようにしても良い。
【0082】
さらに、モータMに接続された負荷(現像ユニット19のトナー補給機構)について異常もしくは劣化と判定された場合には、トナーの過補給として、トナー補給動作を停止させる、もしくは、トナー補給量を減少させるようにしても良い。
【0083】
さらにまた、モータMに接続された負荷(現像ユニット19のトナー補給機構)について異常もしくは劣化と判定された場合には、トナー補給ユニットの交換時期であることを操作部400に表示、もしくは、ネットワークインタフェース(I/F)部1104を介した遠隔診断保守機能により通報するようにしても良い。
【0084】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を図7ないし図9に基づいて説明する。なお、前述した第1の実施の形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。
【0085】
第1の実施の形態では、モータMの起動時(すなわち、モータMの速度が速くなりつつある場合)におけるモータMやモータMに接続された負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)の異常診断処理について説明した。本実施の形態は、モータMの回転速度が定常状態となった後におけるモータMやモータMに接続された負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)の異常診断処理について示すものである。そのため、第1の実施の形態と本実施の形態とでは、異常診断部25の構成が異なるものとなっている。
【0086】
図7は、本発明の第2の実施の形態にかかるモータ駆動系の構成を示すブロック図である。図7に示すように、本実施の形態のモータ駆動装置20の異常診断部25は、概略的には、モータドライバ24に入力されるPWM信号生成部23からのスイッチング信号(トランジスタのON信号)を基に異常診断を行うようにしたものである。
【0087】
ここで、図8は負荷トルクとPWM信号の関係を示すタイミングチャートである。スイッチング信号は、モータMに印加する電圧を設定する信号であり、図8に示すように、負荷トルクが一定で動作している場合には、スイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅は一定である。ところが、負荷トルクが変化した場合には、図8に示すように、モータMの回転速度を一定に保つためにスイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅が変化することになる。つまり、スイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅の変化を確認すると、モータMの回転速度が目標速度に対してどの程度ずれていたのかを確認することができる。そこで、本実施の形態のモータ駆動装置20の異常診断部25は、スイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅の変化により、異常を診断するようにしたものである。より詳細には、異常診断部25は、PWM信号生成部23から出力されたスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力手段として機能する信号入力部34と、スイッチング信号のHレベル(Lレベル)の基準幅を基準値として予め記憶する基準値記憶手段として機能する基準値記憶部31と、スイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅を計測するレベル幅計測手段として機能するレベル幅計測部32と、基準値およびスイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅に基づいてモータMやモータMに接続された負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)に異常が生じているかどうかを判定する異常判定手段として機能する異常判定部33と、を備えている。なお、基準値記憶部31に記憶される基準値(基準幅)は、通常時(出荷前、部品交換時などのモータMおよびモータMに接続される負荷が正常な状態)においてPWM信号生成部23から出力されるスイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅を含む一定の範囲である。
【0088】
ここで、図9は異常診断処理の流れを示すフローチャートである。図9に示すように、モータMが起動したことを認識し(ステップS11)、モータMの回転速度が定常状態となった後に(ステップS12のYes)、スイッチング信号の立上がりエッジを検出した場合には(ステップS13のYes)、カウント値Xを“0”に初期化し(ステップS14)、スイッチング信号の立下がりエッジを検出するまで(ステップS15のYes)、カウント値Xを順次“1”インクリメントする(ステップS16)。
【0089】
なお、モータMの回転速度が定常状態となったか否かの判断は、モータMの回転速度が一定値を超えたかどうかによって判断する。
【0090】
スイッチング信号の立下がりエッジを検出した場合であって(ステップS15のYes)、モータMにブレーキまたは停止の信号が送られていない場合には(ステップS17のNo)、カウント値Xが基準値記憶部31に記憶される基準値Y(基準幅)内であるか否かを異常判定部33において判定する(ステップS18)。
【0091】
カウント値Xが基準値Y(基準幅)内である場合には(ステップS18のYes)、正常な状態であると判定して、ステップS13に戻り、次のスイッチング信号の立上がりエッジの検出に待機する。一方、カウント値Xが基準値Y(基準幅)外である場合には(ステップS18のNo)、異常な状態であると判定して、モータMを停止させるなどの異常発生時の対応処理を実行し(ステップS19)、処理を終了する。
【0092】
すなわち、モータMやモータMに接続された負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)の劣化や異常発生による負荷トルクの変動があった場合にはスイッチング信号のHレベル(Lレベル)幅が増加することから、予め異常診断部25内にHレベル(Lレベル)の基準幅を記憶させておき、計測したHレベル(Lレベル)幅と比較することによって、劣化もしくは異常の判断を行うことができる。
【0093】
このように本実施の形態によれば、PWM信号生成部23から出力されるスイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅(モータの駆動にかかる制御信号のパルス幅)の変化により、モータやモータに接続された負荷(例えば、トナー補給機構など)の劣化や異常発生を診断するようにしたことにより、わずかな異常も検出可能となり、二次的な破損が発生する前にモータを停止させることができる。
【0094】
また、本実施の形態によれば、モータMに印加する電圧を設定するためのPWM信号生成部23から出力されるスイッチング信号を用いるようにしたことにより、従来のようにモータの巻線電流を検出するための装置を設ける必要がなくなるので、製造コストを上昇させずに異常を早急に発見することができる。
【0095】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態を図10および図11に基づいて説明する。なお、前述した第1の実施の形態または第2の実施の形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。
【0096】
第2の実施の形態においては、カウント値Xが基準値記憶部31に記憶される基準値Y(基準幅)外である場合に、モータMやモータMに接続された負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)が異常な状態であると判定して、モータMを停止させるなどの異常発生時の対応処理を実行するようにした。本実施の形態においては、モータMの定常回転中のスイッチング信号のHレベル(Lレベル)幅の最大値と最小値を記憶させ、その差が一定以上になった際に異常な状態であると判定して、モータMを停止させるなどの異常発生時の対応処理を実行するようにした。そのため、第2の実施の形態と本実施の形態とでは、異常診断部25の構成が異なるものとなっている。
【0097】
図10は、本発明の第3の実施の形態にかかるモータ駆動系の構成を示すブロック図である。図10に示すように、本実施の形態のモータ駆動装置20の異常診断部25は、概略的には、スイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅の変化により、異常を診断するようにしたものである。より詳細には、異常診断部25は、PWM信号生成部23から出力されたスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力手段として機能する信号入力部45と、スイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅を計測するレベル幅計測手段として機能するレベル幅計測部41と、レベル幅計測部41で計測したスイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅を最小値および最大値として記憶するレベル幅記憶手段として機能するレベル幅記憶部42と、スイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅の最小値と最大値との差の基準値を予め記憶する基準値記憶手段として機能する基準値記憶部43と、基準値記憶部43に記憶されている基準値とレベル幅記憶部42に記憶されているHレベル(Lレベル)の幅の最小値と最大値との差とに基づいてモータMやモータMに接続された負荷(例えば、現像ユニット19のトナー補給機構など)に異常が生じているかどうかを判定する異常判定手段として機能する異常判定部44と、を備えている。なお、基準値記憶部43に記憶される基準値は、通常時(出荷前、部品交換時などのモータMおよびモータMに接続される負荷が正常な状態)においてPWM信号生成部23から出力されるスイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅の最小値と最大値との差を含む一定の範囲である。
【0098】
ここで、図11は異常診断処理の流れを示すフローチャートである。図11に示すように、モータMが起動したことを認識し(ステップS21)、モータMの回転速度が定常状態となった後に(ステップS22のYes)、スイッチング信号の立上がりエッジを検出した場合には(ステップS23のYes)、カウント値Xを“0”に初期化し(ステップS24)、スイッチング信号の立下がりエッジを検出するまで(ステップS25のYes)、カウント値Xを順次“1”インクリメントする(ステップS26)。
【0099】
なお、モータMの回転速度が定常状態となったか否かの判断は、モータMの回転速度が一定値を超えたかどうかによって判断する。
【0100】
スイッチング信号の立下がりエッジを検出した場合であって(ステップS25のYes)、カウント値Xがレベル幅記憶部42に記憶されているHレベル(Lレベル)の幅の最大値よりも大きいと判定した場合には(ステップS27のYes)、レベル幅記憶部42の最大値をカウント値Xに更新し(ステップS28)、カウント値Xがレベル幅記憶部42に記憶されているHレベル(Lレベル)の幅の最小値よりも小さいと判定した場合には(ステップS29のYes)、レベル幅記憶部42の最小値をカウント値Xに更新する(ステップS30)。
【0101】
その後、レベル幅記憶部42に記憶されているHレベル(Lレベル)の幅の最小値と最大値との差が基準値記憶部43に記憶されている基準値よりも大きいか否かを異常判定部44において判定する(ステップS31)。
【0102】
レベル幅記憶部42に記憶されているHレベル(Lレベル)の幅の最小値と最大値との差が基準値記憶部43に記憶されている基準値Y内である場合には(ステップS31のYes)、正常な状態であると判定して、ステップS23に戻り、次のスイッチング信号の立上がりエッジの検出に待機する。一方、レベル幅記憶部42に記憶されているHレベル(Lレベル)の幅の最小値と最大値との差が基準値記憶部43に記憶されている基準値Y外である場合には(ステップS31のNo)、異常な状態であると判定して、ステップS32に進む。
【0103】
モータMにブレーキまたは停止の信号が送られていない場合には(ステップS32のNo)、モータMを停止させるなどの異常発生時の対応処理を実行し(ステップS33)、処理を終了する。
【0104】
すなわち、負荷トルクの変動によりスイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅が変化するため、モータMの回転速度が定常状態になった直後のHレベル(Lレベル)の幅の最小値および最大値をレベル幅記憶部42に記憶させておくとともに、Hレベル(Lレベル)の幅を逐次測定していき、最大値よりも大きいカウント値が得られれば最大値として更新し、最小値よりも小さいカウント値が得られれば最小値として更新することを繰り返し、最大値と最小値との差が基準値記憶部43に記憶されている基準値Y外になった場合には、劣化もしくは異常と判定することにより、モータMが定常回転をしている際にHレベル(Lレベル)の幅が大きく変化することは、負荷トルクが大きく変化しているということになるので、劣化もしくは異常の判断を行うことができる。
【0105】
このように本実施の形態によれば、PWM信号生成部23から出力されるスイッチング信号のHレベル(Lレベル)の幅(モータの駆動にかかる制御信号のパルス幅)の変化により、モータやモータに接続された負荷(例えば、トナー補給機構など)の劣化や異常発生を診断するようにしたことにより、わずかな異常も検出可能となり、二次的な破損が発生する前にモータを停止させることができる。
【0106】
また、本実施の形態によれば、モータMに印加する電圧を設定するためのPWM信号生成部23から出力されるスイッチング信号を用いるようにしたことにより、従来のようにモータの巻線電流を検出するための装置を設ける必要がなくなるので、製造コストを上昇させずに異常を早急に発見することができる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるデジタル複合機を概略的に示す構成図である。
【図2】デジタル複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】モータ駆動系の構成を示すブロック図である。
【図4】回転速度検出信号の一例を示すタイミングチャートである。
【図5】回転速度検出信号から1周期の時間を計測する例を示すタイミングチャートである。
【図6】異常診断処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態にかかるモータ駆動系の構成を示すブロック図である。
【図8】負荷トルクとPWM信号の関係を示すタイミングチャートである。
【図9】異常診断処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】本発明の第3の実施の形態にかかるモータ駆動系の構成を示すブロック図である。
【図11】異常診断処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0108】
25 異常診断装置
26 基準時間記憶部
27 周期計測部
28 異常判定部
29 信号入力部
31 基準値記憶部
32 レベル幅計測部
33 異常判定部
34 信号入力部
41 レベル幅計測部
42 レベル幅記憶部
43 基準値記憶部
44 異常判定部
45 信号入力部
1000 画像形成装置
M モータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの駆動にかかる制御信号の入力を受け付ける信号入力手段と、
入力された前記制御信号のパルス幅に基づいて前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、
を備えることを特徴とする異常診断装置。
【請求項2】
モータの回転速度を示す回転速度検出信号の入力を受け付ける信号入力手段と、
入力された前記回転速度検出信号から所定周期の時間を計測する周期計測手段と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記回転速度検出信号から前記周期計測手段により計測された所定周期の時間を含む一定の範囲である基準時間範囲を記憶する基準時間記憶手段と、
前記基準時間記憶手段に記憶されている前記基準時間範囲と前記周期計測手段により計測された所定周期の時間とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、
を備えることを特徴とする異常診断装置。
【請求項3】
前記周期計測手段は、前記モータの回転開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、
ことを特徴とする請求項2記載の異常診断装置。
【請求項4】
前記周期計測手段は、前記モータの停止開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、
ことを特徴とする請求項2記載の異常診断装置。
【請求項5】
モータに印加する電圧を設定するスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力手段と、
入力された前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測手段と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶手段と、
前記基準値記憶手段に記憶されている前記基準値と前記レベル幅計測手段により計測された前記スイッチング信号のレベルの幅とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、
を備えることを特徴とする異常診断装置。
【請求項6】
モータに印加する電圧を設定するスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力手段と、
入力された前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測手段と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅についての最大値および最小値を逐次記憶更新するレベル幅記憶手段と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅の最小値と最大値との差を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶手段と、
前記基準値記憶手段に記憶されている前記基準値と前記レベル幅記憶手段により記憶されているレベルの幅の最小値と最大値との差とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、
を備えることを特徴とする異常診断装置。
【請求項7】
前記レベル幅計測手段は、前記モータが定常速度で駆動している場合に、前記スイッチング信号のレベルの幅の計測を開始する、
ことを特徴とする請求項5または6記載の異常診断装置。
【請求項8】
モータの回転速度を示す回転速度検出信号を検出し、検出された前記回転速度検出信号に基づいて前記モータの回転速度についてのフィードバック制御を行う画像形成装置において、
前記回転速度検出信号から所定周期の時間を計測する周期計測手段と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記回転速度検出信号から前記周期計測手段により計測された所定周期の時間を含む一定の範囲である基準時間範囲を記憶する基準時間記憶手段と、
前記基準時間記憶手段に記憶されている前記基準時間範囲と前記周期計測手段により計測された所定周期の時間とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記周期計測手段は、前記モータの回転開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、
ことを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記周期計測手段は、前記モータの停止開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、
ことを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項11】
モータの回転速度を示す回転速度検出信号に基づいて前記モータの回転速度についてのフィードバック制御を行う際に、モータドライバが有しているトランジスタのON/OFFを制御するスイッチング信号を生成する画像形成装置において、
前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測手段と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶手段と、
前記基準値記憶手段に記憶されている前記基準値と前記レベル幅計測手段により計測された前記スイッチング信号のレベルの幅とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
モータの回転速度を示す回転速度検出信号に基づいて前記モータの回転速度についてのフィードバック制御を行う際に、モータドライバが有しているトランジスタのON/OFFを制御するスイッチング信号を生成する画像形成装置において、
前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測手段と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅についての最大値および最小値を逐次記憶更新するレベル幅記憶手段と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅の最小値と最大値との差を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶手段と、
前記基準値記憶手段に記憶されている前記基準値と前記レベル幅記憶手段により記憶されているレベルの幅の最小値と最大値との差とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
前記レベル幅計測手段は、前記モータが定常速度で駆動している場合に、前記スイッチング信号のレベルの幅の計測を開始する、
ことを特徴とする請求項11または12記載の画像形成装置。
【請求項14】
モータの駆動にかかる制御信号の入力を受け付ける信号入力機能と、
入力された前記制御信号のパルス幅に基づいて前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定機能と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項15】
モータの回転速度を示す回転速度検出信号の入力を受け付ける信号入力機能と、
入力された前記回転速度検出信号から所定周期の時間を計測する周期計測機能と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記回転速度検出信号から前記周期計測機能により計測された所定周期の時間を含む一定の範囲である基準時間範囲を記憶する基準時間記憶機能と、
前記基準時間記憶機能に記憶されている前記基準時間範囲と前記周期計測機能により計測された所定周期の時間とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定機能と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
前記周期計測機能は、前記モータの回転開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、
ことを特徴とする請求項15記載のプログラム。
【請求項17】
前記周期計測機能は、前記モータの停止開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、
ことを特徴とする請求項15記載のプログラム。
【請求項18】
モータに印加する電圧を設定するスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力機能と、
入力された前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測機能と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測機能により計測されたレベルの幅を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶機能と、
前記基準値記憶機能に記憶されている前記基準値と前記レベル幅計測機能により計測された前記スイッチング信号のレベルの幅とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定機能と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項19】
モータに印加する電圧を設定するスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力機能と、
入力された前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測機能と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測機能により計測されたレベルの幅についての最大値および最小値を逐次記憶更新するレベル幅記憶機能と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測機能により計測されたレベルの幅の最小値と最大値との差を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶機能と、
前記基準値記憶機能に記憶されている前記基準値と前記レベル幅記憶機能により記憶されているレベルの幅の最小値と最大値との差とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定機能と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項20】
前記レベル幅計測機能は、前記モータが定常速度で駆動している場合に、前記スイッチング信号のレベルの幅の計測を開始する、
を備えることを特徴とする請求項18または19記載のプログラム。
【請求項1】
モータの駆動にかかる制御信号の入力を受け付ける信号入力手段と、
入力された前記制御信号のパルス幅に基づいて前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、
を備えることを特徴とする異常診断装置。
【請求項2】
モータの回転速度を示す回転速度検出信号の入力を受け付ける信号入力手段と、
入力された前記回転速度検出信号から所定周期の時間を計測する周期計測手段と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記回転速度検出信号から前記周期計測手段により計測された所定周期の時間を含む一定の範囲である基準時間範囲を記憶する基準時間記憶手段と、
前記基準時間記憶手段に記憶されている前記基準時間範囲と前記周期計測手段により計測された所定周期の時間とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、
を備えることを特徴とする異常診断装置。
【請求項3】
前記周期計測手段は、前記モータの回転開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、
ことを特徴とする請求項2記載の異常診断装置。
【請求項4】
前記周期計測手段は、前記モータの停止開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、
ことを特徴とする請求項2記載の異常診断装置。
【請求項5】
モータに印加する電圧を設定するスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力手段と、
入力された前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測手段と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶手段と、
前記基準値記憶手段に記憶されている前記基準値と前記レベル幅計測手段により計測された前記スイッチング信号のレベルの幅とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、
を備えることを特徴とする異常診断装置。
【請求項6】
モータに印加する電圧を設定するスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力手段と、
入力された前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測手段と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅についての最大値および最小値を逐次記憶更新するレベル幅記憶手段と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅の最小値と最大値との差を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶手段と、
前記基準値記憶手段に記憶されている前記基準値と前記レベル幅記憶手段により記憶されているレベルの幅の最小値と最大値との差とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、
を備えることを特徴とする異常診断装置。
【請求項7】
前記レベル幅計測手段は、前記モータが定常速度で駆動している場合に、前記スイッチング信号のレベルの幅の計測を開始する、
ことを特徴とする請求項5または6記載の異常診断装置。
【請求項8】
モータの回転速度を示す回転速度検出信号を検出し、検出された前記回転速度検出信号に基づいて前記モータの回転速度についてのフィードバック制御を行う画像形成装置において、
前記回転速度検出信号から所定周期の時間を計測する周期計測手段と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記回転速度検出信号から前記周期計測手段により計測された所定周期の時間を含む一定の範囲である基準時間範囲を記憶する基準時間記憶手段と、
前記基準時間記憶手段に記憶されている前記基準時間範囲と前記周期計測手段により計測された所定周期の時間とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記周期計測手段は、前記モータの回転開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、
ことを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記周期計測手段は、前記モータの停止開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、
ことを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項11】
モータの回転速度を示す回転速度検出信号に基づいて前記モータの回転速度についてのフィードバック制御を行う際に、モータドライバが有しているトランジスタのON/OFFを制御するスイッチング信号を生成する画像形成装置において、
前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測手段と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶手段と、
前記基準値記憶手段に記憶されている前記基準値と前記レベル幅計測手段により計測された前記スイッチング信号のレベルの幅とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
モータの回転速度を示す回転速度検出信号に基づいて前記モータの回転速度についてのフィードバック制御を行う際に、モータドライバが有しているトランジスタのON/OFFを制御するスイッチング信号を生成する画像形成装置において、
前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測手段と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅についての最大値および最小値を逐次記憶更新するレベル幅記憶手段と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測手段により計測されたレベルの幅の最小値と最大値との差を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶手段と、
前記基準値記憶手段に記憶されている前記基準値と前記レベル幅記憶手段により記憶されているレベルの幅の最小値と最大値との差とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
前記レベル幅計測手段は、前記モータが定常速度で駆動している場合に、前記スイッチング信号のレベルの幅の計測を開始する、
ことを特徴とする請求項11または12記載の画像形成装置。
【請求項14】
モータの駆動にかかる制御信号の入力を受け付ける信号入力機能と、
入力された前記制御信号のパルス幅に基づいて前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定機能と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項15】
モータの回転速度を示す回転速度検出信号の入力を受け付ける信号入力機能と、
入力された前記回転速度検出信号から所定周期の時間を計測する周期計測機能と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記回転速度検出信号から前記周期計測機能により計測された所定周期の時間を含む一定の範囲である基準時間範囲を記憶する基準時間記憶機能と、
前記基準時間記憶機能に記憶されている前記基準時間範囲と前記周期計測機能により計測された所定周期の時間とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定機能と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
前記周期計測機能は、前記モータの回転開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、
ことを特徴とする請求項15記載のプログラム。
【請求項17】
前記周期計測機能は、前記モータの停止開始から一定時間経過後に、前記回転速度検出信号からの所定周期の時間の計測を開始する、
ことを特徴とする請求項15記載のプログラム。
【請求項18】
モータに印加する電圧を設定するスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力機能と、
入力された前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測機能と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測機能により計測されたレベルの幅を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶機能と、
前記基準値記憶機能に記憶されている前記基準値と前記レベル幅計測機能により計測された前記スイッチング信号のレベルの幅とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定機能と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項19】
モータに印加する電圧を設定するスイッチング信号の入力を受け付ける信号入力機能と、
入力された前記スイッチング信号のレベルの幅を計測するレベル幅計測機能と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測機能により計測されたレベルの幅についての最大値および最小値を逐次記憶更新するレベル幅記憶機能と、
前記モータおよび前記モータに接続される負荷が正常な状態における前記スイッチング信号から前記レベル幅計測機能により計測されたレベルの幅の最小値と最大値との差を含む一定の範囲である基準値を記憶する基準値記憶機能と、
前記基準値記憶機能に記憶されている前記基準値と前記レベル幅記憶機能により記憶されているレベルの幅の最小値と最大値との差とを比較して前記モータおよび前記モータに接続される負荷の異常もしくは劣化を判定する異常判定機能と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項20】
前記レベル幅計測機能は、前記モータが定常速度で駆動している場合に、前記スイッチング信号のレベルの幅の計測を開始する、
を備えることを特徴とする請求項18または19記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−185820(P2008−185820A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−19773(P2007−19773)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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