説明

疼痛治療用のP2X3受容体アンタゴニスト技術分野

本発明は新規なP2X受容体アンタゴニストに関する。当該アンタゴニストは、P2
受容体サブユニットモジュレーターによって治療可能な痛み、特に末梢性の痛み、炎
症性の痛みあるいは組織傷害性の痛みに関する疾病状態の治療において重要な役割を有し
ている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全体として、モジュレーターとして作用する化合物、例えばP2X受容体ア
ンタゴニスト、組成物及びその治療用途に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンは、細胞外プリン受容体を介して作用し、種々の生理学的及び病理学的役割を有
するものとして意味づけられてきた(バーンストック(Burnstock)、「ドラッ
グ・ディヴェロップメント・リサーチ(Drug Dev.Res.)」、1993年、
第28巻:p.195−206参照)。プリン受容体(P2)は一般的に、代謝型ヌクレ
オチド受容体か細胞外ヌクレオチドのイオンチャネル型受容体のいずれかに分類されてい
る。代謝型ヌクレオチド受容体(通常P2Y又はP2Y(n)と命名され、「n」はサブ
タイプを示す整数の添え字である。)は、異なる基本的手段、即ち膜貫通受容体によるシ
グナル伝達に基づくという点でイオンチャネル型受容体(通常P2X又はP2(n)と命
名される。)と相違する。P2Y受容体はGタンパク質共役系を介して作用するが、一方
P2X受容体はリガンド依存性イオンチャネルである。
【0003】
現在までに、少なくとも7のP2X受容体及びそれをコードするcDNA配列が同定さ
れている。P2XcDNAは、ラットの輸精管平滑筋からクローニングされ(ヴァレラ
ら(Valera et al.)、「ネイチャー(Nature)」、1994年、第
371巻:p.516−519)、P2XcDNAはPC12細胞からクローニングさ
れた(ブレイクら(Brake et al.)、「ネイチャー(Nature)」、1
994年、第371巻:p.519−523)。他の5のP2X受容体は、P2Xおよ
びP2X−P2Xに対する配列の類似性によりcDNAライブラリーで発見された。
:ルイスら(Lewis et al.)、「 ネイチャー(Nature)」、199
5年、第377巻:p.432−435、チェンら(Chen et al.)、「ネイ
チャー(Nature)」、1995年、第377巻:p.428−431;P2X
ブエルら(Buell et al.)、「ザ・イーエムビーオー・ジャーナル(EMB
O J.)」、1996年、第15巻:p.55−62、セゲラら(Seguela e
t al.)、「ザ・ジャーナル・ニューロサイエンス(J. Neurosci.)」
、1996年、第16巻:p.448−455、ボーら(Bo et al.)、「フェ
ブス・レターズ(FEBS Lett.)」、1995年、第375巻:p.129−1
33、ソートーら(Soto et al.)、「プロシーディングス・オブ・ザ・ナシ
ョナル・アカデミー・オブ・サインス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメ
リカ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)」、1996年、第93巻:p
.3684−3688、ワングら(Wang et al.)、「バイオケミカル・アン
ド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochem.Bioph
ys.Res.Commun.)」、1996年、第220巻:p.196−202;P
2X:コロら(Collo et al.)、「ザ・ジャーナル・ニューロサイエンス
(J.Neurosci.)」、1996年、第16巻:p.2495−2507、ガル
シア・グッツマンら(Garcia−Guzman et al.)、「フェブス・レタ
ーズ(FEGS Lett.)」、1996年、第388巻、p.123−127;P2
:コロら(Collo et al.)、「スプラ(supra)」、ソートーら(
Soto et al.)、「バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・
コミュニケーションズ(Biochem.Biophys.Res.Commun.)」
、1996年、第223巻、p.456−
460;P2X:サープレナントら(Surprenant et al.)、「サイ
エンス(Science)」、1996年、第272巻、p.735−738。ラットP
2X受容体のアミノ酸配列の比較のためには、ブエルら(Buell et al.)、
「ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(Eur.J.Neurosc
i.)」、1996年、第8巻:p.2221−2228を参照。
【0004】
プリン作動性受容体、特にP2X受容体は、ホモマルチマーのカチオン透過性イオンチ
ャネルとして機能し、場合によっては、2つの異なるP2X受容体のサブタイプからなる
ヘテロマーのチャネルとして機能することが知られている(ルイスら(Lewis et
al.)、「ネイチャー(Nature)」、1995年、第377巻:p.432−
435、ルら(Le et al.)、「ザ・ジャーナル・ニューロサイエンス(J.N
eurosci.)」、1998年、第18巻:p.7152−7159、トレスら(T
orres et al.)、「モレキュラー・ファルマコロジィー(Mol.Phar
macol.)」、第54巻:p.989−993)。P2X及びP2Xのサブユニ
ットは、単独で発現すると機能的なチャネルを形成し、また共発現すると本来の知覚チャ
ネルに観察される電流に類似する特性を有する機能的なヘテロマルチマーチャネルをも形
成し得る。P2X及びP2XのP2X受容体サブタイプの少なくとも1対は、ラット
の節上神経節で、顕著な薬学的及び電気生理学的な性質を示し、ヘテロマーチャネルとし
て機能する(ルイスら(Lewis et al.)、「スプラ(supra)」、19
95年)。
【0005】
本来のP2X受容体はATPで活性化されると直ちに活性化型非選択的カチオンチャネ
ルを形成することが知られている。P2X受容体によって形成されるチャネルは、一般的
に高いCa2+透過性(P(Ca)/P(Na))を有する。個々の受容体に関しては、
プリン作動性受容体P2X3は、低分子のカチオンに対し選択的透過性であるリガンド依
存性カチオンチャネルである。P2X受容体の既知のリガンドには、天然のヌクレオチド
、例えばATP、UTP、UDP又は合成ヌクレオチド、例えば2−メチルチオATPが
含まれる。ATPは、細胞内エネルギー供与体としてのみならず今や、中枢神経系及び抹
消神経系双方における重要な神経伝達物質あるいは補助伝達物質と認識されている(ラレ
ヴィックら(Ralevic,V.)、「ファルマコロジカル・レヴューズ(Pharm
acol.Rev.)」、1998年、第50巻:p.413−492)。ATPは、刺
激により神経線維を含む種々の細胞型から放出され、プリン受容体(P2受容体)を含む
特異的な膜受容体の活性化により、多くの組織に多様な作用を生じさせる。(バーンスト
ック(Burnstock,G.)、「ファルマコロジカル・レヴューズ(Pharma
col.Rev.)」、1972年、第24巻:p.509−581;バーンストック著
(Burnstock,G.)「薬剤及びホルモンの細胞膜受容体:集学的研究法(Ce
ll Membrane Receptor for drugs and Horom
ones:A Multidisciplinary Approach)」、ストラウ
ブ、ボリッド編集(R.W.Straub and L.Bolid)、レイヴェン社刊
、ニューヨーク(New York:Raven)、1978年、p.107−118参
照)。P2Xプリン作動性受容体に関しては、ATPが脊髄後角及び知覚神経節由来の一
次求心神経性神経において興奮性神経伝達物質として機能し、ホモマー受容体P2X
びヘテロマー受容体P2X/P2Xを活性化することができることをデータが示唆し
ている。知覚神経で観察される性質を有するATP依存性の電流をインビトロで生じさせ
るためには、P2X及びP2Xの受容体サブユニットの共発現が必要である。ルイス
ら(Lews et al.)、「ネイチャー(Nature)」、1995年、第37
7巻:p.432−435参照。
【0006】
ATP、及びより低い程度でアデノシンは、知覚神経終末を刺激することができ、その
結果、激痛及び知覚神経発射の顕著な増加に至る。入手可能なデータによれば、損傷細胞
から放出されるATPは、知覚神経の侵害受容神経終末で発現するホモマー受容体P2X
、又はヘテロマー受容体P2X/P2Xを活性化することによって疼痛を惹起する
ことができる。これは、ヒト発泡膏モデルにおける皮内投与されたATPによる疼痛の誘
発に関する報告;歯髄の侵害受容神経細胞におけるP2X含有受容体の同定;及び動物
モデルでP2Xアンタゴニストは.鎮痛性であるという報告と一致している。今日まで研
究データは、脊髄の後根神経節の神経終末及び脳神経細胞におけるATP誘導性P2Xプ
リン作動性受容体の活性化が痛覚に帰着する機序は、侵害受容のシグナル伝達に関わる重
要な神経伝達物質であるグルタミン酸放出の刺激によるものであると示唆している。
【0007】
また最近、P2X受容体遺伝子破壊により侵害性化学刺激に対する感受性が減少し、
疼痛が軽減することが証明された。又、体外より投与されたATP及びP2X含有受容体
アゴニストの侵害受容作用も実験動物において証明された。ブラント−ワードら(Bla
nd−Ward et al.)、「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ファルマコロ
ジー(Br.J.Pharmacol.)」、1997年、第122巻:p.366−3
71;ハミルトンら(Hamilton et al.)、「ブリティッシュ・ジャーナ
ル・オブ・ファルマコロジー(Br.J.Pharmacol.)」、1999年第12
6巻:p.326−332参照。P2X活性化及び脊髄のP2X含有受容体刺激による末
梢神経の侵害受容作用は、げっ歯類において髄腔内(i.t.)投与されたP2受容体ア
ゴニストが急性及び持続性侵害刺激に対する感受性を亢進し得ることによって示される侵
害受容にも寄与している。ドリーセンら(Driessen et al.)、「ブレイ
ン・リサーチ(Brain Res.)」、1994年、第666巻:p.182−18
8;ツダら(Tsuda et al.)、「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ファ
ルマコロジー(Br.J.Pharmacol.)」、1999年、第128巻:p.1
497−1504参照。慢性絞扼性神経損傷(chronic constrictio
n nerve injury)を随伴するラットで、P2受容体が異所・神経性の易興
奮性の増加に選択的に介在し、この易興奮性の増加が損傷した知覚求心性神経に局在する
ことも最近報告された。チェンら(Chen et al.)、「ニューロ・レポート(
NeuroReport)」、1999年、第10巻:p.2779−2782参照。こ
の疼痛伝達における役割は、ラットP2X受容体発現が、疼痛伝達に関連する知覚神経
節の神経細胞サブセットに主として観察されるという知見と一致する。チェンら(Che
n et al.)、「ネイチャー(Nature)」、1995年、第377巻:p.
428−430;ヴルチャノヴァら(Vlchanova et al.)、「ニューロ
ファルマコロジー(Neuropharmacol.)」、1997年、第36巻、p.
1226−1242参照。US20080004442、US200700409609
、WO2007041087、WO2006119504、WO200112627、W
O2007001973及びWO2007010553をも参照。
【0008】
まとめると、知覚神経細胞におけるP2X含有受容体(P2X及び/又はP2X
/3)の機能的及び免疫組織化学的な局在は、これらのP2X受容体がATPの侵害受容
作用を媒介するうえで重要な役割を有するであろうことを示している。従って、P2X
受容体の活性化をブロック又は阻害する化合物は、疼痛刺激をブロックするのに有用であ
る。更に、P2X受容体及び/又はP2X/P2Xヘテロマーチャネル受容体を通
常は活性化する化合物、例えばATP、に対する受容体アンタゴニストは疼痛伝達を有効
にブロックすることができた。実際に、P2X受容体、例えばP2X受容体のモジュレ
ーターは、鎮痛剤としての利用が見込まれる。
【0009】
そのうえ、P2X受容体の活性化をブロック又は阻害する化合物は、泌尿生殖器、胃
腸及び呼吸器疾患、症状及び障害を治療するのにも有用であり、あるいは、P2X受容
体及び/又はP2X/P2Xヘテロマーチャネルを通常活性化する化合物、例えばA
TP、に対する受容体アンタゴニストは、泌尿生殖器、胃腸及び呼吸器疾患、症状及び障
害を治療するのに有用である。
【0010】
バーンストック(Burnstock)、「ジャーナル・オブ・アナトミー(J.An
atomy)」、1999年、第194巻:p.335−342;及びファーガソンら(
Ferguson et al.)、「ザ・ジャーナル・オブ・フィジオロジー(J.P
hysiol.)」、1997年、第505巻:503−511は、P2X受容体サブユ
ニットがげっ歯類及びヒト膀胱尿路上皮の求心性神経で発見されたことを開示している。
これらのデータは、ATPが膀胱又は他の管腔器官の上皮/内皮細胞から膨満の結果とし
て放出されるかもしれないことを示唆する。このように放出されたATPは、上皮基底層
成分、例えば尿路上皮基底膜に局在する知覚神経細胞に情報を伝達する役割を果たすと考
えられる(ナマシバヤンら(Namasibayam, et al.)、「ブリティッ
シュ・ジャーナル・オブ・ユロロジー・インターナショナル(BJU Intl.)」、
1999年、第84巻:p.854−860)。P2X受容体は、知覚神経細胞、交感神
経細胞、副交感神経細胞、腸間膜細胞及び中枢神経細胞を含む多数の神経細胞において研
究されてきた(ツォングら(Zhong,et al.)、「ブリティッシュ・ジャーナ
ル・オブ・ファルマコロジー(Br.J.Pharmacol.)」、1998年、第1
25巻:p.771−781)。これらの研究は、プリン作動性受容体が膀胱からの求心
性神経細胞への神経伝達において役割をはたしており、P2X受容体のモジュレーターが
尿失禁及び他の泌尿生殖器疾患又は症状等の膀胱障害の治療に潜在的に有用であることを
示している。
【0011】
P2X受容体は、ヒト結腸で発現することが明らかにされており、炎症結腸で正常結
腸よりも高いレベルで発現する(イアンゴウら(Y.Yiangou et al.)、
「ニューロガストロエンテロール・アンド・モティリティー(Neurogastroe
nterol Mot)」、2001年、第13巻:p.365−69)。P2X受容
体は、また腸管内の膨満又は腔内圧の検出及び反射収縮の開始にも関係しており(バイア
ンら(X.Bian et al.)、「ザ・ジャーナル・オブ・フィジオロジー(J.
Physiol)」、2003年、第551巻:p.309−22)、このことを大腸炎
に関連付けている(ワインら(Wynn et al.)、「アメリカン・ジャーナル・
オブ・フィジオロジー−ガストロインテスティナル・アンド・レバー・フィジオロジー(
Am J. Physiol Gastrointest Liver Physol)
」、2004年、第287巻:p.G647−57)。
【0012】
P2X受容体は肺神経上皮体(NEB)でも発現することが明らかにされ、このこと
はこの受容体が肺における疼痛伝達と関連していることを示している(インゲ・ブラウン
ズら(Inge Brouns et al.)、「アメリカン・ジャーナル・オブ・レ
スピレイトリー・セル・アンド・モレキュラー・バイオロジー(Am J. Respi
r Cell Mol Bio)」、2000年、第23巻:p.52061)。更に、
P2X及びP2X受容体は、肺NEBにおいてpO検出と関連していた(ロングら
(W.Rong et al.)、「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(J. N
eurosci)」、2003年、第23巻第36号、p.11315−21)。
【0013】
しかし、入手可能なプリン作動性リガンドを哺乳動物生理における個々の受容体サブタ
イプの役割の評価に利用することは、P2受容体アゴニストの酵素的分解に対する感受性
のために困難であった。そのうえ、個々のP2X受容体の役割に関する研究は、受容体サ
ブタイプに特異的なアゴニスト及びアンタゴニストの欠如により阻止されている。
【0014】
従って、先端技術は、受容体P2X受容体、例えばP2Xを調節又は制御する能力を
提供する方法及び/又は化合物の探索を行っているが、それはこのような受容体は治療を
必要とする患者において疼痛を最小限とする能力を提供するからである。更に、研究及び
治療の双方の目的のために当分野では、各P2X受容体サブタイプの特異的なアゴニスト
及びアンタゴニスト及び特にインビボで有効な医薬品が、プリン作動性受容体に特異的な
アゴニスト及びアンタゴニスト化合物の同定方法と同様に必要とされている。
【0015】
化合物構造に関する先端技術に関しては、WO9824780、US6420385、
US6096753、US6410729、US6649604、US6436972、
US6544986、US6977266及びUS6610698を参照。
【0016】
本発明は、疼痛に付随する疾病状態、特にP2X受容体サブユニットモジュレーター
を使用して治療することが可能である末梢性疼痛、炎症性疼痛又は組織損傷性疼痛を治療
するうえで決定的な役割を果たす、新規P2X受容体アンタゴニストを提供することに
より、上述の障害を克服することを目的とする。
【発明の概要】
【0017】
本発明は構造式Iの新規P2X型受容体アンタゴニスト又はその医薬的に許容し得る
塩ならびに個々のエナンチオマー及びジアステレオマーに関する。
【化1】

【0018】
[式中、
Aは、ピリジニル、ピリミジニル、又はピリジノニルを表し;
W及びZは、独立して存在せず又はC(R)2、−O−、NR、CO又はSO0−2
を表し;
は、H、C1−6アルキル、CF、OH、CHF、又はCHFを表し;
は、CR、(CH)nC3−10シクロアルキル、(CH)nC6−
10アリール、(CH)nC5−10ヘテロシクリルを表し、前記シクロアルキル及び
ヘテロシクリルは任意に1乃至3のR基により置換されており;
又は、R及びRは、任意に1乃至3のR基により置換されるC5−10ヘテロシク
リルを形成するようにそれらが結合される窒素と組み合わせてもよく;
及びRは独立してH、(CH)nOR、CHF、(CH)nCF、(C
)nC5−10ヘテロシクリル、(CH)nC6−10アリール、C3−10シク
ロアルキル、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニル、C(O)1−2又はC1−
アルキルを表し;前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル及びアリールは任意
に1乃至3個のR基で置換されており;
は、水素、OR、−O−、CF、C(ROR、C1−6アルキル、C
−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−10シクロアルキル、(CH)nC6−
10アリール、(CH)nC5−10ヘテロシクリルを表し、前記アルキル、シクロア
ルキル、アリール及びヘテロシクリルは任意に1乃至3のR基で置換されており;
はC1−6アルキル、C3−10シクロアルキル、(CH)nC5−10ヘテロシ
クリル、又は(CH)nC6−10アリールを表し、前記アルキル、シクロアルキル、
ヘテロシクリル及びアリールは任意に1乃至3のR基で置換されており;
はC1−6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、OR(CH)nCF、−O−
、C3−6シクロアルキル、NRC(O)R、C(O)N(R,C(R
OR、C(O)R、NO、CN、N(R、C(O)OR、SO、O
、(CH)nC5−10ヘテロシクリル、又は(CH)nC6−10アリールを
表し、前記ヘテロシクリル及びアリールは任意に1乃至3のC1−6アルキル、ハロゲン
、ヒドロキシル、(CH)CF又はCN基で置換されており;nは0乃至4を表し、
但しAがピリミジニルのときWZRはOHではなく、AがピリジノニルのときWZR
は水素でない。]
本発明は、また本明細書で開示する化合物の使用するための組成物及び方法にも関する
。本明細書のこれら及び他の態様は、本明細書の開示に鑑みて当業者に容易に想到される
であろう。
【0019】
発明の詳細な説明
本発明は疼痛及び疼痛に関連する疾病の治療に有用な構造式Iの新規P2X型受容体
アンタゴニストに関する。
【0020】
式Iの発明の一態様は、Rが任意に1乃至3のR基で置換されるC1−6アルキル
であり及び他の全ての可変要素(variables)が上記の通りであるときに実現される。
【0021】
式Iの発明の他の態様は、Rが任意に1乃至3のR基で置換されるC3−10シク
ロアルキルであり、他の全ての可変要素が上記の通りであるときに実現される。本発明の
一サブ態様は、シクロアルキルがシクロプロピルであるときに実現される。
【0022】
本発明の他の態様は、Rが任意に1乃至3のR基で置換される(CH)nC6−
10アリールであり、他の全ての可変要素が上記の通りであるときに実現される。本発明
の一サブ態様は、アリールがフェニルであるときに実現される。本発明の他のサブ態様は
、nが0であるときに実現される。
【0023】
本発明の他の態様は、Rが任意に置換された(CH)nC5−10ヘテロシクリル
であり、他の全ての可変要素が上記の通りであるときに実現される。本発明の一サブ態様
は、ヘテロシクリルが任意に1乃至3のR基で置換されたピリジニル、モルホリニル、
ピリミジニル、イミダゾリル又はオキサゾリルであるときに実現される。本発明の他のサ
ブ態様は、nが0であるときに実現される。
【0024】
更に本発明の他の態様は、Rが構造式Iaで表されるときに実現される。
【化2】

【0025】
式Ia中、
XはN又はCHであり;及びRは、H、C1−6アルキル、ハロゲン、(CH)nC
、C3−10シクロアルキル、C(R)OH、−O−、CN、(CH)nOR
、(CH)nC5−10ヘテロシクリル、(CH)nC6−10アリール、又はC
−6アルコキシを表し;前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル及びアリールは
、任意に1乃至3のC1−6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、(CH)nCF
はCN基で置換されている。本発明の一サブ態様は、式IaのXがNであり、他の全ての
可変要素が上記の通りであるときに実現される。本発明の他のサブ態様は、式IaのXが
CHであり、他の全ての可変要素が上記の通りであるときに実現される。
【0026】
本発明の他の態様は、式IaがAの炭素原子に結合しており、他の全ての可変要素が上
記の通りであるときに実現される。
【0027】
更に、本発明の他の態様は、式IaがAの窒素原子に結合しており、他の全ての可変要
素が上記の通りであるときに実現される。
【0028】
本発明の他の態様は、Aがピリジルであり、他の全ての可変要素が上記の通りであると
きに実現される。本発明の一サブ態様は、−C(O)NR及び−WZRが独立し
てA上の炭素原子に結合しているときに実現される。
【0029】
本発明の他の態様は、Aがピリジルであり、−C(O)NRがA上の炭素
原子に結合し−WZRがA上の窒素原子に結合しているときに実現される。
【0030】
本発明の他の態様は、Aがピリミジニルであり、他の全ての可変要素が上記の通りであ
るときに実現される。本発明の一サブ態様は、−C(O)NR及び−WZRが独
立してA上の炭素原子に結合しているときに実現される。本発明の他の態様は、Aがピリ
ジノニルであり、他の全ての可変要素が上記の通りであるときに実現される。本発明の一
サブ態様は、−C(O)NR及び−WZRが独立してA上の炭素原子に結合して
いるときに実現される。本発明の他のサブ態様は、−WZRがA上の窒素原子に結合し
−C(O)NRがA上の炭素原子に結合しているときに実現される。そのうえに、
本発明の他の態様は、式IaがA上の炭素原子に結合しているときに実現される。更に、
本発明の他の態様は、式IaがA上の窒素原子に結合しているときに実現される。更に、
本発明の他の態様は、ピリジノニルの=OがAを式Iaに連結する結合とオルトの位置に
あるときに実現される。
【0031】
本発明の他の態様は、W及びZの双方を欠いているときに実現される。更に、本発明の
他の態様は、Rが水素、OR、C1−6アルキル、C3−10シクロアルキル、(C
)nC6−10アリール、(CH)nC5−10ヘテロシクリルであり、当該アル
キル、シクロアルキル、アリール及びヘテロシクリルが任意に1乃至3のR基で置換さ
れるときに実現される。本発明の一サブ態様は、Rが水素、C1−6アルキル、OR
、(CH)nモルホリニル、(CH)nピリジル、(CH)nピペリジニル、(C
)nオキサゾリル、(CH)nイソオキサゾリル、(CH)nフェニル、(CH
)nイミダゾリル、(CH)nピリミジニル、シクロプロピル、シクロブチル、好ま
しくは水素、(CH)nピリジル、(CH)nモルホリニル、(CH)nフェニル
、C1−6アルキル、シクロプロピルであるときに実現され、いずれも任意に1乃至3の
基で置換されている。本発明の更なるサブ態様は、Rが、水素、C1−6アルキル
、OR、(CH)nモルホリニル、(CH)nピリジル、(CH)nフェニル、
又は(CH)nピリミジニルであるときに実現される。
【0032】
本発明の他の態様は、W及びZの双方が存在せずRが環上の窒素に連結した−O−で
あるときに実現される。
【0033】
更に、本発明の他の態様は、W及びZの一つが存在せず他方が−O−又はNRである
ときに実現される。更に、本発明の他の態様は、Rが水素、OR、C1−6アルキル
、C3−10シクロアルキル、(CH)nC6−10アリール、(CH)nC5−1
ヘテロシクリルであり、前記アルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロシクリル
が任意に1乃至3のR基で置換されるときに実現される。本発明の一サブ態様は、R
が水素、C1−6アルキル、OR、(CH)nモルホリニル、(CH)nピリジル
、(CH)nピペリジニル、(CH)nオキサゾリル、(CH)nイソオキサゾリ
ル、(CH)nフェニル、(CH)nイミダゾリル、(CH)nピリミジニル、シ
クロプロピル、シクロブチル、好ましくは水素、(CH)nピリジル、(CH)nモ
ルホリニル、(CH)nフェニル、C1−6アルキル、シクロプロピルであるときに実
現され、そのいずれもが任意に1乃至3のR基で置換されている。
【0034】
本発明の他の態様は、Rが水素であり、他の全ての可変要素が上記の通りであるとき
に実現される。
【0035】
更に、本発明の他の態様は、Rが(CH)nC3−10シクロアルキルであり、他
の全ての可変要素が上記の通りであるときに実現される。
【0036】
更に、本発明の他の態様は、RがCRであり、他の全ての可変要素が上記
の通りであるときに実現される。本発明の一サブ態様は、CRのRが水素で
あるときに実現される。本発明の一サブ態様は、RとRの一つがC1−6アルキル又
は水素であり他方が(CH)nC6−10アリール又は(CH)nC6−10ヘテロ
シクリルであるときに実現され、前記アルキル、アリール及びヘテロシクリルが任意に1
乃至3のR基で置換されている。本発明の更なるサブ態様は、前記アリール及びヘテロ
シクリルが(CH)nフェニル、(CH)nピリジル、(CH)nピリミジニル、
(CH)nトリアゾリル、ピラジニル又は(CH)nオキサジアゾリルであるときに
実現する。
【0037】
本発明の他のサブ態様は、Rが任意に1乃至3のRで置換されているアルキルであ
るCRであり、他の全ての可変要素が上記の通りであるときに実現される。本
発明の一サブ態様は、CRのRが水素であり、R及びRの一つがC1−
アルキル又は水素であり他方が(CH)nC6−10アリール又は(CH)nC
−10ヘテロシクリルであり、前記アルキル、アリール及びヘテロシクリルが任意に1乃
至3のR基で置換されるときに実現される。本発明の他のサブ態様は、CR
のRが水素であり、R及びRの一つがC1−6アルキル又は水素であり他方が(C
)nフェニル、(CH)nピリジル、(CH)nピリミジニル、(CH)nト
リアゾリル、ピラジニル又は(CH)nオキサジアゾリルであり、前記フェニル、ピリ
ジル、ピリミジニル、トリアゾリル、ピラジニル及びオキサジアゾリルが任意に1乃至3
のR基で置換されるときに実現される。更に、本発明の他のサブ態様は、CR
のRが水素であり、R及びRの一つがC1−6アルキル又は水素であり他方が(
CH)nピリジル又は(CH)nオキサジアゾリルであり、前記オキサジアゾリルが
任意に1乃至3のR基で置換されるときに実現される。
本発明の他の態様は、Rが任意に1乃至3のR基で置換される(CH)nC6−
10アリールであるときに実現される。本発明の一サブ態様は、前記アリールが任意にフ
ェニルで置換されるときに実現される。
【0038】
本発明の他の態様は、Rが任意に1乃至3のR基で置換される(CH)nC5−
10ヘテロシクリルであるときに実現される。本発明の一サブ態様は、前記ヘテロシクリ
ルが任意に(CH)nピリジル、(CH)nピリミジニル、(CH)nトリアゾリ
ル、(CH)nオキサジアゾリル又はピラジニルで置換されるときに実現される。本発
明の他のサブ態様は、ヘテロシクリルが(CH)nピリジル又は(CH)nオキサジ
アゾリルで置換されるときに実現する。
【0039】
更に、本発明の他の態様は、RaがC1−6アルキル、ハロゲン(好ましくはクロロ又
はフルオロ)、−O−、OR、CN、CF、(CH)nC5−10ヘテロシクリル
又は(CH)nC6−10アリールであり、前記ヘテロシクリル及びアリールが、任意
に1乃至3のC1−6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、(CH)nCF又はCN
基で置換されるときに実現する。
【0040】
更に、本発明の他の態様は、構造式IIにより実現される。
【化3】

【0041】
式中、
、R、R、W及びZは上記の通りである。式IIの一サブ態様は、W及びZは存
在せず、Rが任意に1乃至3のR基で置換される(CH)nC6−10アリール又
は(CH)nC6−10ヘテロシクリルであり、Rが水素、C1−6アルキル、OR
、(CH)nモルホリニル、(CH)nピリジル、(CH)nピペリジニル、(
CH)nオキサゾリル、(CH)nイソオキサゾリル、(CH)nフェニル、(C
)nピペリジニル、(CH)nイミダゾリル、(CH)nピリミジニル、シクロ
プロピル、シクロブチルであり、いずれも任意に1乃至3のR基で置換され、RがC
であり、そのCRのRが水素であり、R及びRの一つがC
1−6アルキル又は水素であり他方が(CH)nC6−10アリール又は(CH)n
6−10ヘテロシクリルであり、前記アルキル、アリール及びヘテロシクリルが任意に
1乃至3のR基で置換されるときに実現される。式IIの他のサブ態様は、Rが任意
に1乃至3のR基で置換されているフェニル、ピリジニル、モルホリニル、ピリミジニ
ル、イミダゾリル、又はオキサゾリルであるときに実現される。
【0042】
更に、式IIの化合物の他のサブ態様は、構造式IIaにより実現される。
【化4】

【0043】
式中、
、R、R、X、W及びZは上記の通りである。式IIaの一サブ態様は、W及び
Zは存在せず、Rが任意に1乃至3のR基で置換されるC6−10アルキルであり、
XがCHであり、RがH、C1−6アルキル、ハロゲン又は(CH)nCFであり
、RがCRであり、そのCRのRが水素であり、R及びR
の一つがC1−6アルキル又は水素であり他方が(CH)nC6−10アリール又は(
CH)nC6−10ヘテロシクリルであり、前記アルキル、アリール及びヘテロシクリ
ルが任意に1乃至3のR基で置換されるときに実現される。
【0044】
更に、本発明の他の態様は、構造式IIIによって実現される。
【化5】

【0045】
式中、
、R、R、W及びZは上記の通りである。式IIIの一サブ態様は、W及びZは
存在せず、Rが任意に1乃至3のR基で置換された(CH)nC6−10アリール
又は(CH)nC6−10ヘテロシクリルであり、Rが水素、C1−6アルキル、O
、(CH)nモルホリニル、(CH)nピリジル、(CH)nピペリジニル、
(CH)nオキサゾリル、(CH)nイソオキサゾリル、(CH)nフェニル、(
CH)nピペリジニル、(CH)nイミダゾリル、(CH)nピリミジニル、シク
ロプロピル、シクロブチルであり、いずれも任意に1乃至3のR基で置換され、R
CRであり、そのCRのRが水素であり、R及びRの一つが
1−6アルキル又は水素であり他方が(CH)nC6−10アリール又は(CH
nC6−10ヘテロシクリルであり、前記アルキル、アリール及びヘテロシクリルが任意
に1乃至3のR基で置換されるときに実現される。式IIIの他のサブ態様は、R
任意に1乃至3のR基で置換されたフェニル、ピリジニル、モルホリニル、ピリミジニ
ル、イミダゾリル、又はオキサゾリルであるときに実現される。
【0046】
更に、本発明の他の態様は、構造式IVによって実現される。
【化6】

【0047】
式中、
、R、R、W及びZは上記の通りである。式IVの一サブ態様は、W及びZは存
在せず、Rが任意に1乃至3のR基で置換される(CH)nC6−10アリール又
は(CH)nC6−10ヘテロシクリルであり、Rが、いずれも任意に1乃至3のR
基で置換される水素、C1−6アルキル、OR、(CH)nモルホリニル、(CH
)nピリジル、(CH)nピペリジニル、(CH)nオキサゾリル、(CH)n
イソオキサゾリル、(CH)nフェニル、(CH)nピペリジニル、(CH)nイ
ミダゾリル、(CH)nピリミジニル、シクロプロピル、シクロブチルであり、R
CRであり、そのCRのRが水素であり、R及びRの一つが
1−6アルキル又は水素であり他方が(CH)nC6−10アリール又は(CH
nC6−10ヘテロシクリルであり、前記アルキル、アリール及びヘテロシクリルが任意
に1乃至3のR基で置換されるときに実現される。式IVの他のサブ態様は、Rが任
意に1乃至3のR基で置換されるフェニル、ピリジニル、モルホリニル、ピリミジニル
、イミダゾリル、又はオキサゾリルであるときに実現される。
【0048】
更に、本発明の他の態様は、構造式Vによって実現される。
【化7】

【0049】
式中、
、R、R、W及びZは上記の通りであり、環上の「+」電荷は平衡イオン基W、
Z又はRによって平衡されている。式Vの一サブ態様は、W及びZは存在せず、R
任意に1乃至3のR基で置換される(CH)nC6−10アリール又は(CH)n
6−10ヘテロシクリルであり、Rが−O−であり、RがCRであり、
そのCRのRが水素であり、R及びRの一つがC1−6アルキル又は水
素であり他方が(CH)nC6−10アリール又は(CH)nC6−10ヘテロシク
リルであり、前記アルキル、アリール及びヘテロシクリルが任意に1乃至3のR基で置
換されるときに実現される。式Vの他のサブ態様は、Rが任意に1乃至3のR基で置
換されるフェニル、ピリジニル、モルホリニル、ピリミジニル、イミダゾリル、又はオキ
サゾリルであるときに実現される。
【0050】
更に、本発明の他の態様は、構造式VIによって実現される。
【化8】

【0051】
式中、
、R、R、W及びZは上記の通りである。式VIの一サブ態様は、W及びZは存
在せず、Rが任意に1乃至3のR基で置換される(CH)nC6−10アリール又
は(CH)nC6−10ヘテロシクリルであり、Rが、いずれも任意に1乃至3のR
基で置換される水素、C1−6アルキル、OR、(CH)nモルホリニル、(CH
)nピリジル、(CH)nピペリジニル、(CH)nオキサゾリル、(CH)n
イソオキサゾリル、(CH)nフェニル、(CH)nピペリジニル、(CH)nイ
ミダゾリル、(CH)nピリミジニル、シクロプロピル、シクロブチルであり、R
CRであり、そのCRのRが水素であり、R及びRの一つが
1−6アルキル又は水素であり他方が(CH)nC6−10アリール又は(CH
nC6−10ヘテロシクリルであり、前記アルキル、アリール及びヘテロシクリルが任意
に1乃至3のR基で置換されるときに実現される。式VIの他のサブ態様は、Rが任
意に1乃至3のR基で置換されるフェニル、ピリジニル、モルホリニル、ピリミジニル
、イミダゾリル、又はオキサゾリルであり、R中のCRのRが水素であり
、CRのR及びRの一つがC1−6アルキル又は水素であり他方が(CH
)nフェニル、(CH)nピリジル、(CH)nピリミジニル、(CH)nトリ
アゾリル、ピラジニル、(CH)nオキシジアゾリルであり、前記フェニル、ピリジル
、ピリミジニル、トリアゾリル、ピラジニル及びオキシジアゾリルが任意に1乃至3のR
基で置換されるときに実現される。式VIの他のサブ態様は、R中のCR
のRが水素であり、CRのR及びRの一つがC1−6アルキル又は水素
であり他方が(CH)nオキシジアゾリルであり、前記オキシジアゾリルが任意に1乃
至3のR基で置換されるときに実現される。
【表1】




















【表2】



【表3】






【表4】


【表5】





























【0052】
又は、その医薬的に許容し得る塩ならびに個々のエナンチオマー及びジアステレオマーで
ある。
【0053】
いずれかの可変要素(例えば、アリール、ヘテロシクル、R、R等)がある構成要
素に2回以上見出されるときは、それぞれの定義は他のそれぞれの存在とは無関係である
。また、置換基/又は可変要素の組合せは、そのような組合せが結果として安定な化合物
を生じる場合にのみ許容される。
【0054】
又はRが−O−であり炭素に結合しているときは、カルボニル基と呼び、窒素(
例えば、ピリジル基の窒素原子)又は硫黄原子に結合しているときは、それぞれN−オキ
シド基及びスルホキシド基と呼ぶ。
【0055】
本明細書において、「アルキル」とは、例えばアルコキシ、アルカノイル、アルケニル
及びアルキニル等の接頭辞「アルク(alk)」を有する基を包含し、直鎖又は分岐鎖又
はその組合せである炭素鎖を意味する。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル
、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル及
びヘプチルが含まれる。「アルケニル」とは、2乃至10の炭素原子と少なくとも1個の
炭素−炭素二重結合を有する直鎖、分岐鎖又は環状の炭化水素ラジカルを意味する。好ま
しいアルケニル基には、エテニル、プロテニル、ブテニル及びシクロヘキセニルが含まれ
る。好ましくは、アルケニルはC−Cアルケニルである。好ましいアルキニルはC
−Cアルキニルである。
【0056】
「アルケニル」、「アルキニル」及び他の類似する用語は、少なくとも1個の不飽和C
−C結合を有する炭素鎖を包含する。
【0057】
本明細書において、「フルオロアルキル」とは、少なくとも1個フッ素置換基を有する
と本明細書に記載されるアルキル置換基を意味する。
【0058】
用語「シクロアルキル」とは、特定数の炭素原子を有する単環の飽和炭化水素を意味す
る。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシク
ロヘキシルが含まれる。
【0059】
用語「C1−6」には、6、5、4、3、2又は1の炭素原子を有するアルキルが含ま
れる。
【0060】
本明細書において用語「アルコキシ」には、単独又は組合せでの使用にせよ、連結原子
であるオキシに結合したアルキル基が含まれる。用語「アルコキシ」には、アルキルエー
テル基も含まれ、用語「アルキル」は上記に定義したところであり、「エーテル」は間に
酸素原子を介する2個のアルキル基を意味する。適したアルコキシ基の例には、メトキシ
、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブト
キシ、メトキシメタン(別称「ジメチルエーテル」)及びメトキシエタン(別称「エチル
メチルエーテル」)が含まれる。
【0061】
本明細書において、「アリール」とは、各環が7員までの安定な単環系又は二環系炭素
環を意味することを意図しており、少なくとも1個の環が芳香環である。このようなアリ
ールの要素には、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル又はビフェニ
ルが含まれる。
【0062】
本明細書において、用語、複素環、ヘテロシクリル又は複素環系とは、飽和又は不飽和
であり、炭素原子とN、O及びSからなる群から選択される1乃至4個のヘテロ原子から
構成される安定な5乃至7員単環系又は安定な8乃至11員二環系複素環を意味し、上記
に定義した任意の複素環がベンゼン環と縮合した任意の二環系ベンゾヘテロ環を含む。安
定な構造が結果として形成される限り、複素環は任意のヘテロ原子又は炭素原子で結合す
ることができる。用語、複素環又は複素環系には、ヘテロアリール部分が含まれる。この
ような複素環系の要素の例には、限定されないが、アゼピニル、ベンゾイミダゾリル、ベ
ンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベン
ゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、シン
ノリニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニ
ル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、1,3−ジオキソラニル、フリル、イミダゾ
リジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル
、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチア
ゾリジニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル
、オキサゾリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリ
ジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリ
ル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル
、キノキサリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキ
ノリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアゾリル、チアゾリニ
ル、チエノフリル、チエノチエニル及びチエニルが含まれる。このような複素環系の要素
の例の一態様としては、限定されないが、アゼピニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソ
オキサゾリル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル
、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、シンノリニル
、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒ
ドロベンゾチオピラニルスルホン、フリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダ
ゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニ
ル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、モルホリニル、ナフチ
リジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、2−オキソピペラ
ジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル
、ピリジル、2−ピリジノニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピリダジニ
ル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニ
ル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チア
モルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアゾリル、チアゾリニル、チエノフリ
ル、チエノチエニル、チエニル及びトリアゾリルが含まれる。
【0063】
一定の他の態様において、複素環系基はヘテロアリール基である。本明細書において、
用語「ヘテロアリール」とは、5乃至14個、好ましくは5、6、9又は10個の環原子
を有し、環状配列中に6、10又は14個のπ電子を共有しており、炭素原子に加え、N
、O及びSからなる群から選択される1乃至約3個のヘテロ原子を有する基を意味する。
ヘテロアリール基には、限定されないが、チエニル、ベンゾチエニル、フリル、ベンゾフ
リル、ジベンゾフリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、
ピリミジニル、インドリル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、テトラゾリル、
オキサゾリル、チアゾリル及びイソオキサゾリルが含まれる。
【0064】
一定の他の態様において、複素環系基はアリール又はヘテロアリール基と縮合している
。このような縮合複素環の例には、限定されないが、テトラヒドロキノリニルとジヒドロ
ベンゾフラニルが含まれる。
【0065】
本明細書において用語「ヘテロアリール」とは、特に注記しない限り、芳香環を含む安
定5乃至7員単環又は安定な9乃至10員縮合二環系複素環系を意味し、当該複素環系は
芳香環を有し、いずれの環も例えばピペリジニルのように飽和、部分飽和、又は例えばピ
リジニルのように不飽和でもよく、炭素原子と、N、O及びSからなる群から選択される
1乃至4個のヘテロ原子から構成され、窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化されていて
もよく、窒素ヘテロ原子は任意に四級化されていてもよく、上記に定義した複素環のいず
れかがベンゼン環と縮合した任意の二環系基を含む。結果として安定な構造が形成される
限り、複素環は任意のヘテロ原子又は炭素原子と結合することができる。このようなヘテ
ロアリール基の例には、限定されないが、ベンゾイミダゾール、ベンゾイソチアゾール、
ベンゾイソオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾ
トリアゾール、ベンゾオキサゾール、カルボリン、シンノリン、フラン、フラザン、イミ
ダゾール、インダゾール、インドール、インドリジン、イソキノリン、イソチアゾール、
イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、フタラジン、プテ
リジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、
ピロール、キナゾリン、キノリン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チア
ゾール、チオフェン、トリアジン、トリアゾール及びそのN−オキシドが含まれる。
【0066】
ヘテロシクロアルキルの例には、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラ
ジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリニル、ピロリジン−2−オン
、ピペリジン−2−オン及びチオモルホリニルが含まれる。
【0067】
用語「ヘテロ原子」は独立した基準に基づき選択されるO、S又はNを意味する。
【0068】
置換されている部分とは、1又は2個以上の水素が独立して別の化学置換基で置換され
た部分である。非限定的な例として、置換フェニルには、2−フルオロフェニル、3,4
−ジクロロフェニル、3−クロロ−4−フルオロ−フェニル、2,4−フルオロ−3−プ
ロピルフェニルが含まれる。別の非限定的例として、置換n−オクチルには、2,4−ジ
メチル−5−エチルオクチルと3−シクロペンチルオクチルが含まれる。酸素で置換され
、カルボニル(−CO−)を形成するメチレン(−CH2−)もこの定義に含まれる。
【0069】
本明細書においては、他に断らない限り、ある部分(例えばシクロアルキル、ヒドロカ
ルビル、アリール、アルキル、ヘテロアリール、複素環系、尿素等)が「任意に置換され
ている」と記載されるときは、その基が任意に1乃至4個、好ましくは1乃至3個、より
好ましくは1又は2個の水素以外の置換基を有することを意味する。適した置換基には、
限定されないが、ハロ、ヒドロキシ、オキソ(例えばオキソで置換された環状−CH−は
−C(O)−である)、ニトロ、ハロヒドロカルビル、ヒドロカルビル、アリール、アラ
ルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、
アリールカルバモイル、アミノアルキル、アシル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、ア
ルカンスルホニル、アレンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレンスルホンアミド
、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノ及びウレイド
基が含まれる。(明示的に別段の定めがある場合を除く)それ自体がそれ以上更に置換さ
れない好ましい置換基を以下に挙げる:
(a)ハロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、ニトロ、アミノ、アミジノ、グア
ニジノ、及び
(b)C−Cアルキルもしくはアルケニルもしくはアリールアルキルイミノ、カルバ
モイル、アジド、カルボキサミド、メルカプト、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アル
キルアリール、アリールアルキル、C−Cアルキル、SOCF、CF、SO
Me、C−Cアルケニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル
、アリールオキシカルボニル、C−Cアシル、C−Cアシルアミノ、C−C
アルキルチオ、アリールアルキルチオ、アリールチオ、C−Cアルキルスルフィニル
、アリールアルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C−Cアルキルスルホニ
ル、アリールアルキルスルホニル、アリールスルホニル、C−C N−アルキルカル
バモイル、C−C15 N,N−ジアルキルカルバモイル、C−Cシクロアルキル
、アロイル、アリールオキシ、アリールアルキルエーテル、アリール、シクロアルキルも
しくは複素環もしくは別のアリール環に縮合したアリール、C−C複素環、又はシク
ロアルキル、ヘテロシクリルもしくはアリールに縮合もしくはスピロ縮合したこれらの環
のいずれかであり、各々場合により更に上記(a)の1個以上の部分で置換されたもの。
【0070】
「ハロゲン」とはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。
【0071】
用語「哺乳動物(mammal、mammals)」「哺乳動物の(mammalia
n)」には、ヒトと動物(例えばイヌ、ネコ、ウマ、ブタ及びウシ)が含まれる。
【0072】
上記又は下記に引用する全特許、特許出願及び刊行物はその開示内容全体を本明細書に
援用し、技術普及の現状を表すものとみなす。
【0073】
本明細書と添付の特許請求の範囲で使用する単数形の不定冠詞「a」「an」と定冠詞
「the」はそうでないことが内容から明白である場合を除き、複数照応を包含する。従
って、例えば「ア・プライマー(a primer)」との言及には、2個以上のこのよ
うなアミノ酸が含まれ、「アン・アミノ酸(an amno acid)」との言及には
、このようなアミノ酸以上が含まれ、他の用語についても同様である。
【0074】
用語「有効量」又は「治療有効量」は、P2X受容体複合体の作用を阻害又は増強する
ために十分なP2X受容体複合体モジュレーターの濃度を意味する。
【0075】
「疼痛」とは特殊神経終末の刺激に起因する多少なりとも局在化した不快感、苦痛感又
は苦悶感を意味する。疼痛には多くの種類があり、限定されないが、乱切通、幻肢痛、電
撃痛、急性疼痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、複合性局所疼痛、神経痛、神経障害、組織
傷害性疼痛等が含まれる。(「ドーランズ・イラストレイテッド・メディカル・ディクシ
ョナリ(Dorland’s Illustrated Medical Dictio
nary)」、28版、サウンダース会社、フィラデルフィア(W.B.Saunder
s Company、Philadelphia、Pa.)。疼痛治療の目的は治療患者
が知覚する疼痛の程度又は重症度を軽減することである。
【0076】
「治療」即ち疾病状態「の治療」には、1)疾病状態の予防、即ち、疾病状態のリスク
にさらされ又は罹病し易いが、まだ疾病状態の症状が現れていない患者に疾病状態の臨床
症状が生じないようにすること;2)疾病状態の抑制、即ち疾病状態又は臨床症状の発生
を阻止すること;3)疾病状態の緩和、即ち疾病状態又はその臨床症状の一時的又は永久
的恢復、が含まれる。
【0077】
本明細書に記載する化合物は1又は2個以上の二重結合を含み、従ってシス/トランス
異性体及び他の配座異性体となる場合がある。本発明は、別に特記しない限りは、このよ
うな可能な全異性体とこのような異性体の混合物を包含する。
【0078】
本発明の化合物は1又は2個以上の不斉中心を含み、従ってラセミ化合物、ラセミ混合
物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存
在する場合がある。
【0079】
包括的な式Iの化合物においては、原子は天然の同位体存在比を示すが、言い換えれば
、原子の中の1又は2個以上を、同じ原子数を有するが天然に主として見出される原子質
量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を有する特別な同位体を人工的に強化すること
ができる。本発明は、包括的な式Iの化合物の全ての適合する同位体を含んでいることを
意図する。例えば、水素(H)の異なる同位体はプロチウム(1H)及び重水素(2H)
である。プロチウムは、天然で優勢な水素の同位体である。重水素の強化は、インビボで
の半減期の延長、又は必要用量の減少等、一定の治療上の利点を提供し、又生物サンプル
の特性化にとってのスタンダードとして有益な化合物を提供する。包括的な式Iの範囲内
で同位体で強化した化合物は、過度の実験なしで、製薬分野でよく知られている従来の技
術により、本明細書の適した同位体強化試薬及び/又は中間体を使用した、スキームと実
施例で記載した技術に相似するプロセスにより調製することができる。
【0080】
本明細書においては、構造式Iの化合物との表現は、又医薬的に許容し得る塩も、及び
又それらが遊離化合物の前駆体として又は他の合成操作中で使用されるときの医薬的に許
容し得ない塩をも含むことを意味すると了解されたい。
【0081】
本発明の化合物は医薬的に許容し得る塩として投与することができる。用語「医薬的に
許容し得る塩」とは、医薬的に許容し得る無毒性塩基又は酸から調製される塩を意味する
。本発明の化合物が酸性である場合、無機塩基と有機塩基を含む医薬的に許容し得る無毒
性塩基から、その対応する塩を好適に調製することができる。このような無機塩基から誘
導される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(二価及び一価)、三価
鉄、二価鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(三価及び二価)、カリウム、ナトリウ
ム、亜鉛等の塩が含まれる。医薬的に許容し得る無毒性有機塩基から誘導される塩には、
第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、環状アミン及び例えば天然及び合成の置換
アミン等の塩が含まれる。塩を形成することが可能な他の医薬的に許容し得る無毒性有機
塩基には、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエ
チレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノ
エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチル
ピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミ
ン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂
、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロ
ピルアミン及びトロメタミン等のイオン交換樹脂が含まれる。
【0082】
本発明の化合物が塩基性である場合には、無機酸と有機酸を含む医薬的に許容し得る無
毒性酸からその対応する塩を好適に調製することができる。このような酸には、例えば酢
酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン
酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マ
レン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン
酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が含まれる。
【0083】
本発明の医薬組成物は活性成分としての本発明の化合物(又はその医薬的に許容し得る
塩)と、医薬的に許容し得る担体と、任意に1又は2種以上の他の治療剤又はアジュバン
トで構成される。このような付加的な治療薬には、例えばi)オピエートアゴニスト又は
アンタゴニスト、ii)カルシウムチャネルアンタゴニスト、iii)5HT受容体アゴニス
ト又はアンタゴニスト、iv)ナトリウムチャネルアンタゴニスト、v)NMDA受容体ア
ゴニスト又はアンタゴニスト、vi)COX−2選択的阻害剤、vii)NK1アンタゴニス
ト、viii)非ステロイド性抗炎症薬(「NSAID」)、ix)選択的セロトニン再取込み
阻害剤(「SSRI」)及び/又は選択的セロトニン及びノルエピネフリン再取込み阻害
剤(「SSNRI」)、x)三環系抗鬱薬、xi)ノルエピネフリンモジュレーター、x
ii)リチウム、xiii)バルプロ酸塩、xiv)ニューロンチン(ガバペンチン)、
xv)プレガバリン、xviナトリウムチャネル遮断薬並びにxvii)BIBN409
BS(オルセゲパント)、MK−0974(テルカゲパント)等のカルシトニン遺伝子関
連ペプチド(CGRP)アンタゴニスト、及びCGRP8−37及びCL316243等
のベータ−3アドレナリン受容体アゴニスト(β3AR)を含むことができる。本発明の
組成物には、経口、直腸、局所及び非経口(皮下、筋肉内及び静脈内を含む)投与に適し
た組成物が含まれるが、任意の症例における最適な経路は、個々の受容者と活性成分を投
与する容態の種類及び重症度に依存する。医薬組成物は単位用量形態で好適に提供するこ
とができ、製薬分野で周知の任意の方法により調製することができる。
【0084】
本発明の化合物及び組成物は慢性、内臓、炎症性及び神経因性疼痛症候群の治療に有用
である。これらは外傷性神経損傷、神経圧迫又は神経絞扼、帯状疱疹後神経痛、三叉神経
痛、小径線維ニューロパチー及び糖尿病性ニューロパチーに起因する疼痛の治療に有用で
ある。本発明の化合物及び組成物は慢性腰痛、幻肢痛、慢性骨盤痛、神経腫痛、複合性局
所疼痛症候群、偏頭痛、痛性関節炎痛及び関連神経痛、並びに癌、化学療法、HIV及び
HIV治療により誘発される神経障害に伴う疼痛の治療にも有用である。本発明の化合物
は局所麻酔薬として利用することもできる。本発明の化合物は過敏性腸症候群及び関連障
害とクローン病の治療に有用である。
【0085】
本発明の化合物は癲癇と部分性及び全身性強直発作治療の臨床用途を有する。本発明の
化合物は脳卒中又は神経外傷に起因する虚血状態下における神経保護と、多発性硬化症の
治療にも有用である。本発明の化合物は頻脈性不整脈の治療に有用である。更に、本発明
の化合物は精神神経疾患の治療にも有用であり、このような障害には、気分障害、例えば
憂欝症又は特に抑鬱障害(例えば単一エピソード性又は再発性大鬱病性障害及び気分変調
性障害)、又は双極性障害(例えば双極I型障害、双極II型障害及び気分循環性障害))
;不安障害(例えば広場恐怖症を伴うか又は伴わないパニック障害、パニック障害歴を伴
わない広場恐怖症、特定恐怖症(例えば特定動物恐怖症、社会不安障害)、強迫性障害、
ストレス障害(外傷後ストレス障害及び急性ストレス障害を含む)及び全般性不安障害が
含まれる。従って、本発明の別の側面は疼痛及び疼痛に関連する他の疾病の治療用医薬の
製造における式Iの化合物の使用である。
【0086】
式Iの化合物は、疾病、症状又は過活動膀胱、尿失禁、切迫性尿失禁 、尿意切迫等の
障害の治療/予防/抑制または回復において単独又は他の医薬と組み合わせて使用するこ
ともできる。
【0087】
更にヒト等の霊長類に加え、他の各種哺乳動物も本発明の方法により治療することがで
きる。例えば、限定されないが、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、
又は他のウシ種、ヒツジ種、ウマ種、イヌ種、ネコ種、例えばマウス等の齧歯類種等の哺
乳動物を治療することができる。他方、本方法は鳥類(例えばニワトリ)等の他の種で実
施することもできる。
【0088】
本発明の化合物が他の抗鬱剤又は抗不安剤、例えばノルエピネフリン再取込み阻害剤、
選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO
I)、可逆的モノアミンオキシダーゼ阻害剤(RIMA)、セロトニン・ノルアドレナリ
ン再取込み阻害剤(SNRI)、α−アドレナリン受容体アンタゴニスト、非定型抗鬱剤
、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aアゴニスト又はアンタゴニスト、特に5−HT1A
ーシャルアゴニスト、ニューロキニン1受容体アンタゴニスト、コルチコトロピン放出因
子(CRF)アンタゴニスト、及びその医薬的に許容し得る塩等、と併用することができ
ることは理解されることであろう。
【0089】
更に、本発明の化合物は、上記症状及び障害を予防するために、又同様にカルシウムチ
ャネル活動に関連する他の症状及び障害を予防するためにも、予防有効投与量レベルで投
与することができると理解される。
【0090】
本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液剤又は懸濁液剤を局所用途に
利用することができる。本発明の目的ではマウスウォッシュやうがい薬も局所用途の範囲
に含まれる。
【0091】
炎症性及び神経因性疼痛の治療には約0.01mg/kg乃至約140mg/kg体重
/日又は患者一人1日当たり約0.5mg乃至約7gの服用量レベルが有用である。例え
ば、炎症性疼痛は化合物約0.01mg乃至75mg/kg体重/日又は患者一人1日当
たり約0.5mg乃至約3.5gを投与することにより有効に治療することができる。神
経因性疼痛は化合物約0.01mg乃至約125mg/kg体重/日又は患者一人1日当
たり約0.5mg乃至約5.5gを投与することにより有効に治療することができる。
【0092】
単一剤形を製造するために担体材料と配合することができる活性成分の量は、治療する
受容者と個々の投与方法に依存して変動する。例えば、ヒト経口投与用製剤は活性剤約0
.5mg〜約5gを組成物全体の約5乃至約95%の範囲の好適量の担体材料と好適に配
合することができる。単位剤形は一般に活性成分約1mg乃至約1000mg、典型的に
は25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg
、600mg、800mg又は1000mgを含有する。
【0093】
しかし、任意の個々の患者の具体的な服用レベルは種々の因子に依存することは理解さ
れよう。患者関連のこのような因子には、患者の年齢、体重、一般健康状態、性別及び食
生活が含まれる。他の因子には、投与時間及び経路、排泄速度、薬剤併用及び治療する個
々の疾患の重症度が挙げられる。
【0094】
実際には、慣用医薬配合技術により、本発明の化合物又はその医薬的に許容し得る塩を
医薬担体と共に密な混合物の中で活性成分として組み合わせることができる。担体は投与
に、例えば経口又は非経口(静脈内を含む)に、望ましい製剤形態に応じて多様な形態を
とることができる。従って、本発明の医薬組成物は既定量の活性成分を各々含有するカプ
セル剤、カシェ剤又は錠剤等の経口投与に適した個別のユニットの形態とすることができ
る。更に、本発明の組成物は散剤、顆粒剤、溶液剤、水性液体懸濁液剤、非水性液剤、水
中油型エマルション又は油中水型エマルションの形態でもよい。上述の一般剤形に加え、
本発明の化合物又はその医薬的に許容可能な塩は制御放出手段及び/又は送達装置により
投与することもできる。本発明の組成物は任意の製薬法により製造することができる。一
般に、このような方法は、活性成分を1又は2種以上の必須成分を構成する担体と配合す
る段階を含む。一般に、組成物は活性成分を液体担体又は微粉状固体担体又はその両者と
均一に密に混和することにより調製される。その後、生産物を所望形態に好適に成形する
ことができる。
【0095】
従って、本発明の医薬組成物は医薬的に許容し得る担体と、化合物又はその医薬的に許
容し得る塩を含有することができる。本発明の化合物又はその医薬的に許容し得る塩を、
1又は2種以上の治療的に活性な化合物と組み合わせた医薬組成物に含ませることができ
る。
【0096】
使用する医薬担体は、例えば固体、液体又は気体とすることができる。固体担体の例に
は、乳糖、白土、蔗糖、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアガム、ステアリン
酸マグネシウム及びステアリン酸であり得る。液体担体は、糖蜜、落花生油、オリーブ油
及び水である。気体担体の例には、二酸化炭素と窒素が含まれる。上述のように、経口投
与剤形組成物を調製するには、任意の通常の医薬媒体を使用することができる。例えば、
懸濁液剤、エリキシル剤及び溶液剤等の経口液体製剤の場合には、水、グリコール、油類
、アルコール、着香剤、防腐剤、着色剤等を使用することができ、散剤、カプセル剤及び
錠剤等の経口固体製剤の場合には、澱粉、糖類、微結晶セルロース、希釈剤、顆粒化剤、
滑沢剤、結合剤、崩壊剤等の担体を添加することができる。投与し易いという理由から錠
剤とカプセル剤が固体医薬担体を利用する最も有利な単位経口剤形である。必要に応じて
、標準的な水性又は非水性技術により錠剤をコーティングしてもよい。上記の一般剤形に
加え、制御放出手段及び/又は送達装置を使用して本発明の化合物及び組成物を投与する
こともできる。
【0097】
経口剤形用組成物を調製するには、任意の適切な医薬媒体を使用することができる。例
えば、水、グリコール、油類、アルコール、着香剤、防腐剤、着色剤等を使用して懸濁液
剤、エリキシル剤及び溶液剤等の経口液体製剤を形成することができ、澱粉、糖類、微結
晶セルロース、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤等の担体を使用して散剤、
カプセル剤及び錠剤等の経口固体製剤を形成することができる。投与し易いという理由か
ら錠剤とカプセル剤が固体医薬担体を利用する有利な経口投与単位である。標準水性又は
非水性技術により錠剤を任意にコーティングしてもよい。
【0098】
本発明の組成物を含有する錠剤は、任意に1又は2種以上の副成分又はアジュバントと
ともに圧縮又は成形により調製することができる。圧縮錠剤は、活性成分を散剤や顆粒剤
等の自由流動形態で、任意に結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、界面活性剤又は分散剤と混
合し、適切な機械で圧縮することにより調製することができる。成形錠剤は、不活性液体
希釈剤で湿潤させた粉末化合物の混合物を適切な機械で成形することにより調製すること
ができる。各錠剤は、活性成分を約0.1mg乃至約500mg配合すると有利であり、
各カシェ剤又はカプセル剤は、活性成分を約0.1mg〜約500mg配合すると有利で
ある。従って、錠剤、カシェ剤又はカプセル剤1錠に活性成分を0.1mg、1mg、5
mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg又は50
0mg配合すると好適であり、錠剤、カシェ剤又はカプセル剤を1錠又は2錠、1日1回
、2回、又は3回服用することができる。
【0099】
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、活性化合物の水溶液又は水性懸濁液として
調製することができる。例えば、ヒドロキシプロピルセルロース等の適切な界面活性剤を
含むことができる。グリセロール、液体ポリエチレングリコール及びその油中混合物中で
分散液を調製することもできる。更に、有害な微生物の増殖を防ぐために防腐剤を含むこ
とができる。
【0100】
注射用に適した本発明の医薬組成物には、滅菌水溶液又は分散液が含まれる。更に、組
成物はこのような滅菌注射溶液又は分散液用の即時調製滅菌粉末の形態でもよい。いずれ
の場合も、最終注射剤形態は無菌でなければならず、容易な注射針通過性のために効率的
に流動性でなければならない。医薬組成物は製造及び保存条件下で安定でなければならず
、従って細菌や真菌等の微生物の汚染活動に対抗して保存しなければならない。担体は、
例えば、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール及び
液体ポリエチレングリコール)、植物油及び適切なその混合物を含む溶媒又は分散媒とす
ることができる。
【0101】
本発明の医薬組成物は、例えばエアゾール、クリーム、軟膏、ローション及び粉剤等の
局所用に適した形態とすることができる。更に、組成物は経皮装置で使用するのに適した
形態とすることができる。これらの製剤は、本発明の代表的化合物又はその医薬的に許容
し得る塩を使用して慣用加工法により調製することができる。1例として、クリーム又は
軟膏は、親水性材料と水を約5重量%乃至約10重量%の化合物と一緒に混合して望むコ
ンシステンシーをもつクリーム又は軟膏とすることにより調製される。
【0102】
本発明の医薬組成物は、担体を固体とする直腸投与に適した形態とすることができ、例
えば混合物は単位服用量座剤を形成する。適切な担体には、カカオバターや当分野で一般
に使用されている他の材料が挙げられる。座剤は、先ず組成物を軟化又は溶融した担体と
混合し、後に型で冷却成形することにより好適に形成することができる。
【0103】
上述の担体成分に加え、適宜、上記医薬製剤に1種以上の他の担体成分、例えば、希釈
剤、緩衝剤、着香剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、滑沢剤及び防腐剤(酸化防止剤を含
む)等、を添加してもよい。更に、製剤を予定の受容者の血液と等張にするために他のア
ジュバントが含まれてもよい。本発明の化合物又はその医薬的に許容し得る塩を含有する
組成物は、粉末又は濃縮液形態で調製することもできる。
【0104】
更に、上述したように、本発明の化合物は1又は2種以上の治療的に活性な化合物と併
用することができる。特に、本発明の化合物は、i)オピエートアゴニスト又はアンタゴ
ニスト、ii)他のカルシウムチャネルアンタゴニスト、iii)5−HT1Aアゴニスト又
はアンタゴニスト、及び5−HT1A部分的アゴニストを含む5HT受容体アゴニスト又
はアンタゴニスト、iv)ナトリウムチャネルアンタゴニスト、v)N−メチル−D−アス
パラギン酸(NMDA)受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、vi)COX−2選択的阻
害剤、vii)ニューロキニン1受容体(NK1)アンタゴニスト、viii)非ステロイド性
抗炎症薬(NSAID)、ix)選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)及び/又は
選択的セロトニン・ノルエピネフリン再取込み阻害剤(SSNRI)、x)三環系抗鬱薬
、xi)ノルエピネフリンモジュレーター、xii)リチウム、xii)バルプロ酸塩、xiv)ノ
ルエピネフリン再取込み阻害剤、xv)モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、xvi
)可逆的モノアミンオキシダーゼ阻害剤(RIMA)、xvii)α−アドレナリン受容体ア
ンタゴニスト、xviii)非定型抗鬱剤、xix)ベンゾジアゼピン、xx)コルチコトロピン放
出因子(CRF)アンタゴニスト、xxi)ニューロンチン(ガバペンチン)、並びにxxii
)プレガバリンと有利に併用することができる。
【0105】
本明細書で使用する略語は以下の意味である(下記以外の略語は特記しない限りは、そ
れらが通常使用されている通りの意味である):Ac(アセチル)、Bn(ベンジル)、
Boc(第3級ブトキシカルボニル)、Bop試薬(ベンゾトリアゾール−1−イルオキ
シ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、CAMP(環
状アデノシン−3’,5’−一リン酸)、DAST((ジエチルアミノ)サルファートリフ
ルオリド)、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン)、D
IBAL(水素化ジイソブチルアルミニウム)、DIEA(ジイソプロピルエチルアミン
)、DMAP(4−(ジメチルアミノ)ピリジン)、DMF(N,N−ジメチルホルムア
ミド)、DPPF(1,1’−ビスジフェニルホスフィノフェロセン)、EDC(1−(
3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)、EtN(トリエ
チルアミン)、GST(グルタチオントランスフェラーゼ)、HOBt(1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール)、LAH(水素化アルミニウムリチウム)、Ms(メタンスルホニ
ル;メシル;乃至SOMe)、MsO(メタンスルホネート乃至メシレート)、MCP
BA(メタクロロ過安息香酸),NaHMDS(ヘキサメチルジシラザンナトリウム)、
NBS(N−ブロモスクシンイミド)、NCS(N−クロロスクシンイミド)、NSAI
D(非ステロイド性抗炎症薬)、PDE(ホスホジエステラーゼ)、Ph(フェニル)、
r.t.乃至RT(室温)、Rac(ラセミの)、SAM(アミノスルホニル;スルホン
アミド乃至SONH)、SPA(シンチレーション近接アッセイ)、Th(2−又は
3−チエニル),TFA(トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)、Thi
(チオフェンジイル)、TLC(薄層クロマトグラフィー)、TMEDA(N,N,N’
,N’−テトラメチルエチレンジアミン)、TMSI(トリメチルシリルヨージド)、T
r乃至トリチル(N−トリフェニルメチル)、C(アリール、Me(メチル)、E
t(エチル)、n−Pr(ノルマルプロピル)、i−Pr(イソプロピル)、n−Bu(
ノルマルブ(チル)、i−ブチル(イソブチル)、s−Bu(第2級ブチル)、t−Bu
(第3級ブチル)、c−Pr(シクロプロピル)、c−Bu(シクロブチル)、c−Pe
n(シクロペンチル)、c−Hex(シクロヘキシル)。
【0106】
本発明の化合物は実施例に記載する手順に従って調製することができる。以下の実施例
は更に本発明の範囲についても記載するが、これを限定するものではない。
【0107】
特記しない限り、実験手順は以下の条件下で実施した。室温乃至雰囲気温度、即ち18
−25℃の範囲の温度で全操作を実施した。試薬又は中間体が空気及び湿度に感受性の場
合には、不活性ガスによる保護を使用した。溶媒の蒸発は、減圧下(600−4000パ
スカル:4.5−30mmHg)、浴槽温度60℃までロータリーエバポレーターを使用
して実施した。反応経過は、薄層クロマトグラフィー(TLC)又は高圧液体クロマトグ
ラフィー−質量分析法(HPLC−MS)により追跡し、反応時間は、単なる例示として
示す。全ての最終生成物の構造と純度は、TLC、質量分析法、核磁気共鳴(NMR)ス
ペクトロメトリー又は微量分析データの技術のうちの少なくとも1種により確認した。収
率を記載する場合には例示に過ぎない。NMRデータを記載する場合には、主要診断プロ
トンのデルタ(δ)値として示し、示された溶媒を使用して300MHz、400MHz
又は500MHzで測定し、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対する1
00万分率(ppm)で表す。シグナル形状に使用する慣用略語は、s.一重線;d.二
重線;t.三重線;m.多重線;br.広幅等である。更に、「Ar」は芳香族シグナル
を示す。化学記号はその通常通りの意味であり、以下の略語を使用する:v(容量)、w
(重量)、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リットル)、ml(ミリリットル
)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eq
(当量)。
【0108】
化合物合成のために本明細書に記載する手順は、保護基操作段階と、再結晶、蒸留、カ
ラムクロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー(T
LC)、ラジアルクロマトグラフィー及び高速クロマトグラフィー(HPLC)等の精製
段階を1又は2以上の段階を含むことができる。生成物は、化学分野で周知の各種技術、
プロトン及び炭素−13核磁気共鳴法(H及び13CNMR)、赤外及び紫外分光法(
IR及びUV)、X線結晶構造解析、元素分析並びにHPLC−質量分析法(HPLC−
MS)等を使用して特性づけることができる。保護基操作、精製、構造同定及び定量方法
は化学合成分野の当業者に周知である。
【0109】
適切な溶媒は、反応物質の1種又は全部を少なくとも部分的に溶解し、反応物質及び生
成物のどちらとも不利な相互作用を生じない溶媒である。適切な溶媒は、芳香族炭化水素
(例えばトルエン、キシレン)、ハロゲン化溶媒(例えば塩化メチレン、クロロホルム、
四塩化炭素、クロロベンゼン)、エーテル(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエ
ーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジグリム、テトラヒドロフラン、ジオキサン
、アニソール)、ニトリル(例えばアセトニトリル、プロピオニトリル)、ケトン(例え
ば2−ブタノン、ジエチルケトン、tert−ブチルメチルケトン)、アルコール(例え
ばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t
−ブタノール)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(D
MSO)及び水である。2種以上の溶媒の混合物を使用することもできる。適切な塩基は
一般に、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム及
び水酸化カルシウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物;例えば水素
化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム及び水素化カルシウム等のアルカリ金属
水素化物及びアルカリ土類金属水素化物;例えばリチウムアミド、ナトリウムアミド及び
カリウムアミド等のアルカリ金属アミド;例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸セ
シウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素セシウム等のアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ
土類金属炭酸塩;例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムter
t−ブトキシド及びマグネシウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド及びアルカリ
土類金属アルコキシド;例えばメチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリ
チウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム等のアルカリ金属アルキル、アルキルマ
グネシウムハロゲン化物、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピ
ルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、
モルホリン、N−メチルモルホリン、ピリジン、コリジン、ルチジン及び4−ジメチルア
ミノピリジン等の有機塩基;並びに二環系アミン(例えばDBU及びDABCO)である

【0110】
下記実施例に記載する化合物中に存在する官能基は、本発明に記載する目的化合物が得
られるように、当業者に利用可能な標準的な官能基変換技術を使用して適宜更に操作する
ことができることを了解されたい。
【0111】
同様に、本発明の化合物は、単一エナンチオマーもしくはジアステレオマーとして、又
は2個以上のエナンチオマーもしくはジアステレオマーを任意の比率で含む混合物として
調製することができる1又は2個以上の立体中心を含むことも了解されたい。
【0112】
当業者に自明の他の変形又は変更も本発明の範囲と教示に含まれる。本発明は以下の特
許請求の範囲の記載以外には限定されない。
【0113】
本発明の化合物の数種類の調製方法を下記スキーム及び実施例に例示する。出発材料は
当分野で公知の手順又は本明細書に例示する手順に従って調製される。
【0114】
反応スキーム
本発明の化合物は、容易に入手可能な出発材料、試薬及び慣用合成手順を使用し、下記
スキーム及び特定実施例又はその変法に従って容易に調製することができる。これらの反
応では、詳細には記載しないが、当業者にそれ自体周知の変法を利用することも可能であ
る。本発明で請求する化合物の一般調製手順は、当業者が以下のスキームを検討して容易
に理解し認識することができる。
【化9】

【0115】
2−アミノピリジン類似体の合成をスキーム1に示す。モノカップリングした生成物1.
2を得るために、ジクロロピリジン1.1をアリール又はヘテロアリールボロン酸又はエステ
ルとパラジウム触媒下でクロスカップリングする。置換ピペリジン、モルホリン及びピペ
ラジンをN−アリール化しアミノピリジン1.3を産生する。EDCを用いたエステル加水
分解及びアミド結合形成により最終目的物1.4を得る。
【化10】

【0116】
ビアリール置換ピリジンをスキーム2に従って調製する。パラジウム触媒によるクロス
カップリングをピリジンカルボン酸2.1で行う。2回目のクロスカップリングを次に種々
のアリール又はヘテロアリールボロン酸又はエーテルで実施しトリアリール中間体2.3
得る。アミド結合を形成し最終目的物2.4を産生する。
【化11】

【0117】
第三級のヒドロキシル類似体をスキーム3に示す通り調製する。ジクロロピリジン3.1
をイソプロペニルボロン酸エステルで鈴木カップリングし、次に置換アリール又はヘテロ
アリールボロン酸又はエステルを順次添加して二置換ピリジン3.2を得る。コバルト-テト
ラフェニルポルフィリンによる触媒的酸化により第三級アルコール誘導体を産生し、次に
それを酸3.3に加水分解する。アミド結合を形成し最終目的物3.4を得る。
【化12】

【0118】
ピリジンN−オキシドをスキーム4に従って調製することができる。ブロモピリジン4.
1を種々のアリール又はヘテロアリールボロン酸又はエステルとパラジウム触媒下で鈴木
カップリングさせる。次に加水分解し酸4.2を得る。MCPBAによる酸化で対応するピ
リジンN−オキシド4.3を産生し、EDCを用いてアミド結合を形成してアミド4.4を得る

【化13】

【0119】
置換ピリジノンをスキーム5に従って調製する。ブロモピリジノン5.1を種々のアリー
ル又はヘテロアリールボロン酸又はエステルと鈴木カップリングさせ中間体5.2を得る。
炭酸セシウムおよび適切なハロゲン化アルキル又はトシル化物を用いてN−アルキル化を
行う。場合によっては、顕著な量のo−アルキル化が観察される。トランス1,2−シク
ロヘキシルジアミンリガンドと共にヨウ化第一銅を用いてN−アリール化を促進する。加
水分解及びアミド結合形成により最終目的物5.4を得る。
【化14】

【0120】
6.5型の化合物を調製する一般的な合成経路をスキーム6に示す。BocOを用いて
ジクロロピリジン6.1を保護し、続いてビニル化し中間体6.2を得る。酸化、トリフルオロ
メチル基の取り込及び鈴木クロスカップリングにより6.4型の中間体を得る。エステルの
脱保護と最終アミドカップリングにより6.5型の実施例を得る。
【化15】

【0121】
7.5型のアミン中間体をスキーム7に示す数種類の中間体の1つから調製することがで
きる。この方法では、スルフィンアミドのジアステレオマー対を生成するために、ジアス
テレオ選択的なエルマンスルフィニルイミン付加化学作用を利用する。ジアステレオマー
をシリカクロマトグラフィーにより分別し、次に塩酸で脱保護し7.5を得る。基質がRか
Sかにより、エルマン試薬を使用して好ましい立体配置を示す目的のアルファメチルアミ
ノ化合物を得る。
【0122】
中間体及び実施例
本発明がより完全に理解され得るために以下の実施を提示する。これらの実施例は、単
に例示であるに過ぎず、決して発明を限定するものと解釈してはならない。
【化16】

【0123】
(1S)−1−(4H−1,2,4−トリアゾル−3−イル)エタンアミン
ステップA:ベンジル[(1S)−2−アミノ−1−メチル−2−チオキソエチル]カル
バメート
[(1S)−2−アミノ−1−メチル−2−オキソエチル]カルバメート(15.0g
、67.5mmol)を含有するジクロロメタン(337mL)溶液に2,4−ビス−(
4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスヘタン2,4−ジスルフィド
(15.01g、37.1mmol)を添加し混合物を55℃に加熱した。1.5時間後
、反応液を雰囲気温度まで冷却し濃縮した。ジクロロメタンから再結晶し標題の化合物(
13.4g)を得た。MS239.1(M+1)。
【0124】
ステップB:ベンジル[(1S)−1−(4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)
エチル]カルバメート
ベンジル[(1S)−2−アミノ−1−メチル−2−チオキソエチル]カルバメート(
13.4g、56.2mmol)を含有するエタノール溶液(1.125L)にギ酸ヒド
ラジド(20.26g、337mmol)及び塩化水銀(II)(19.85g、73.
1mmol)を添加した。1時間後、反応液をろ過し濃縮した。飽和炭酸ナトリウム及び
酢酸エチル水溶液を添加した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機
抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し、濃縮した。生じた残
渣をエタノール(1.125L)に溶解し、80℃に加熱した。16時間後、反応液を濃
縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→1%水酸化アンモニ
ウム含有90%ジクロロメタン/メタノール)で生成し標題の化合物(8.7g)を得た
。MS247.1(M+1)。
【0125】
ステップC:(1S)−1−(4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)エタンアミ

ベンジル[(1S)−1−(4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)エチル]カ
ルバメート(8.6g、34.9mmol)を含有するエタノール溶液(140mL)に
4M塩酸ジオキサン溶液(43.7mL、175mmol)及び10%パラジウム炭素(
1.858g、1.746mmol)を添加し、混合物を水素下47psiに加圧した。
4時間後、反応液を脱圧しろ過した。濃縮して標題の化合物を塩酸塩(6.6g)として
得た。MS113.0(M+1)。HNMR(500MHz、CDOD):δ 8.
82(s、1H);4.67(q、J=6.9Hz、1H);1.70(dd、J=6.
9、1.0Hz、3H)。
【化17】

【0126】
(1R)−1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エタンアミン
ステップA:2−メチル−N−{(1E)−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジ
ニル]メチレン}−2−プロパンスルフィンアミド
6−(トリフルオロメチル)ニコチンアルデヒド(45.0g、257mmol)を含
有するジクロロエタン溶液(640mL)に(S)−(−)−2−メチル−2−プロパン
スルフィンアミド(34.3g、283mmol)及び無水硫酸銅(II)(82g、5
14mmol)を添加した。混合物を50℃で撹拌した。48時間後、混合物を雰囲気温
度に冷却した。混合物をセライトでろ過した。ろ過ケーキをジクロロメタンで洗浄し、ろ
液を濃縮して標題の化合物(76.8g)を得た。MS223.1(M−tert−ブチ
ル+1)。
【0127】
ステップB:2−メチル−N−{(1R)−1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピ
リジニル]エチル}−2−プロパンスルフィンアミド
2−メチル−N−{(1E)−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]メチ
レン}−2−プロパンスルフィンアミド(76.8g、276mmol)を含有するジク
ロロメタン溶液(920mL)に−45℃でメチルマグネシウムブロミド(3.0MTH
F溶液;184mL、552mmol)を添加した。混合物を−45℃で4時間撹拌した
。反応混合液を−20℃まで加温した。さらにメチルマグネシウムブロミド(3.0MT
HF溶液;276mL、828mmol)を−20℃で添加した。反応混合液を0℃まで
加温し、飽和塩化アンモニウム水溶液(300mL)で反応を停止した。混合液を雰囲気
温度に加温した。有機層を分別し、水層をジクロロメタンで3回抽出した。有機抽出物を
飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し、濃縮した。濃縮液をエタノー
ル(500mL)を用いて再結晶した。白色の固形物をろ過し減圧乾燥した(41.6g
)。MS295.0(M+1)。
【0128】
ステップC:(1R)−1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]エタンア
ミン
2−メチル−N−{(1R)−1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]
エチル}−2−プロパンスルフィンアミド(41.6g、141mmol)を含有するメ
チルアルコール(470mL)溶液に0℃で塩酸(4.0Mジオキサン溶液;106mL
、424mmol)を添加した。30分後、混合物を濃縮し乾燥した。残渣をエチルアル
コール(15mL)とエーテル(40mL)を用いて再結晶した。白色の固形物をろ過し
、減圧下で乾燥して標題の化合物の塩酸塩(26.3g)を得た。MS191.2(M+
1)。HNMR(500MHz、CDOD):δ 8.83(d、J=2.2Hz、
1H);8.17(d、J=8.2Hz、1H);7.93(d、J=8.2Hz、1H
);4.69(q、J=6.9Hz、1H);1.70(d、J=6.9Hz、3H)。
【化18】

【0129】
(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]エタン
アミン
ステップA:tert−ブチル{(1R)−1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピ
リジニル]エチル}カルバメート
(1R)−1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エタンアミン塩酸
塩(0.554g、0.21mmol)を含有するジクロロメタン(7.0mL)に二炭
酸ジ−tert−ブチル(0.506g、2.32mmol)とトリエチルアミン(0.
969mL、6.95mmol)を添加した。混合物を雰囲気温度で4時間撹拌した。飽
和塩化アンモニウム水溶液を添加した。混合液をジクロロメタンで3回抽出した。有機抽
出液を併せて飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮して標題の化合物(
0.626g)を得た。当化合物はステップBにおいて直接使用した。
【0130】
ステップB:tert−ブチル{(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメ
チル)−3−ピリジニル]エチル}カルバメート
tert−ブチル{(1R)−1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]
エチル}カルバメート(0.626g、2.157mmol)を含有するクロロホルム溶
液(10.0mL)に2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(24mg
、0.108mmol)及び3−クロロ過安息香酸(0.665g、2.70mmol)
を添加した。反応混合液を50℃で48時間撹拌した。反応混合液を雰囲気温度に冷却し
た。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液及び 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。混
合液をジクロロメタンで3回抽出した。有機抽出液を併せ飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで脱水し、ろ過し濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィイー(75%ヘキサン
/酢酸エチル→100%酢酸エチル)により精製し標題の化合物(140mg)を得た。
MS307.0(M+1)。
【0131】
ステップC:(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジ
ニル]エタンアミン塩酸塩
tert−ブチル{(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)−3
−ピリジニル]エチル}カルバメート(140mg、0.457mmol)を含有するジ
オキサン溶液(2mL)に塩化水素(4.0Mジオキサン溶液;0.343mL、1.3
71mmol)を添加した。反応混合液を4時間撹拌した。反応混合液を濃縮して乾燥し
標題の化合物の塩酸塩(118mg)を得た。MS207.1(M+1)。
【化19】

【0132】
(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタンアミン
ステップA:tert−ブチル[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジア
ゾール−5−イル)エチル]カルバメート
N−(tert−ブトキシカルボニル)−D−アラニン(20g、106mmol)、
アセトアミドオキシム(17.3g、234mmol)を含有する1,4−ジオキサン1
20mL及びN,N−ジメチルホルムアミド30mLからなる溶液にEDC(44.8g
、234mmol)を添加した。混合液を60℃で4時間加熱し、次に100℃で16時
間加熱した。雰囲気温度に冷却後、酢酸エチル300mLを添加した。混合液は飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液で2回洗浄した。有機抽出液を併せ硫酸マグネシウムで脱水し、ろ
過し濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製しtert−ブチル[(1R
)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]カルバメー
ト(6.0g)を得た。MS172.1((M−t−ブチル+H)+1)。
【0133】
ステップB:(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)
エタンアミン
tert−ブチル[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5
−イル)エチル]カルバメート(6.0g、26.4mmol)を含有するジオキサン溶
液(40mL)に4M塩酸ジオキサン溶液(30mL)を添加した。反応混合液を16時
間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮し乾燥して(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−
オキサジアゾール−5−イル)エタンアミン塩酸塩(5.1g)を得た。HNMR(5
00MHz、CDOD);δ 4.90−4.83(m、1H);2.41(s、3H
);1.72(d、J=7.0Hz、3H)。MS128.2(M+1)。
【化20】

【0134】
(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタンアミン
ステップA:エチル−5−フルオロピリジン−2−カルボキシレート
Parr社のスチール製高温高圧容器中の脱気したエチルアルコール溶液(400mL
)に酢酸エチル(43.3g、528mmol)、2−ブロモ−5−フルオロピリジン(
20g、114mmol)、1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(2.2
7g、4.09mmol)及び酢酸パラジウム(204mg、0.91mmol)を添加
した。容器を窒素化に置き、Parr社製栓で密閉した。雰囲気を一酸化炭素ガスで置換
し、圧力を300psiに調整した。混合物を90℃に加熱した。3時間後、圧力を10
0psi以下に落とした。容器を雰囲気温度に冷却し、反応液を一酸化炭素で再度300
psiに加圧した。容器を90℃で4時間更に加熱した。容器を雰囲気温度に冷却し、残
余した一酸化炭素を蒸散した。混合液を半分の容量に濃縮した。酢酸エチル(500mL
)及び水(300mL)を添加した。有機層を分別し、水層を酢酸エチルで2回抽出した
。有機抽出液を併せ飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し濃縮した。
シリカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン→70%ヘキサン/酢酸エチル)によ
り精製し標題の化合物を得た。MS(M+1)。
【0135】
ステップB:5−フルオロピリジン−2−カルバルデヒド
エチル5−フルオロピリジン−2−カルボキシレート(25g、148mmol)を含
有するテトラヒドロフラン溶液(250mL)に−78℃で水素化ジイソブチルアルミニ
ウム(1.0Mヘキサン溶液;296mL、296mmol)を滴下して添加した。1時
間後、反応をエチルアルコール(10mL)で停止した。飽和酒石酸ナトリウムカリウム
四水和物水溶液(1.3L)を添加し、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機抽出液を
併せ飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水しろ過した。混合溶液(1.4L)を濃
縮せずに次の段階に用いた。MS125.9(M+1)。
【0136】
ステップC:N−[(1E)−(5−フルオロピリジン−2−イル)メチレン]−2−メ
チルプロパン−2−スルフィンアミド
5−フルオロピリジン−2−カルバルデヒド(18.49g、148mmol)を含有
する酢酸エチル(850mL)、THF(250mL)及びヘキサン(300mL)から
なる溶液に(R)−(+)−2−メチル−プロパンスルフィンアミド(19.71g、1
63mmol)及び無水硫酸銅(II)(59.0g、370mmol)を添加した。混
合液を雰囲気温度で撹拌した。18時間後、混合液をセライトでろ過した。ろ過ケーキを
酢酸エチルで洗浄し、ろ液を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロ
ロメタン→98%ジクロロメタン/メタノール)で精製し標題の化合物を得た。
【0137】
ステップD:N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−2−
メチルプロパン−2−スルフィンアミド
N−[(1E)−(5−フルオロピリジン−2−イル)メチレン]−2−メチルプロパ
ン−2−スルフィンアミド(52.12g、228mmol)を含有するジクロロメタン
溶液(1000mL)に−78℃でメチルマグネシウムブロミド(3.0MTHF溶液、
198mL、594mmol)を添加した。混合液を雰囲気温度に放置した。30分後、
混合液を−78℃に冷却し飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)で反応を停止した
。混合液を雰囲気温度に加温した。有機層を分別し、水層をジクロロメタンで3回抽出し
た。有機抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し濃縮した。シリ
カゲルクロマトグラフィー(100%酢酸エチル)で精製し、標題の化合物を得た。MS
245(M+1)。
【0138】
ステップE:(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタンアミン
N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−2−メチルプロ
パン−2−スルフィンアミド(34.4g、140mmol)を含有するメチルアルコー
ル溶液(700mL)に0℃で塩化水素(4.0Mジオキサン溶液;105mL、421
mmol)を添加した。30分後、濃縮し乾燥した。残渣をエチルアルコール(15mL
)及びエーテル(40mL)を用いて再結晶した。白色の固形物をろ過し減圧下で乾燥し
て標題の化合物の塩酸塩を得た。MS141.1(M+1)。
【化21】

【0139】
(1R)−1−(5−フルオロ−1−オキシドピリジン−2−イル)エタンアミン
ステップA:tert−ブチル[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エ
チル]カルバメート
(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタンアミンのトルエンスルホン
酸塩(7.5g、24.0mmol)を含有するジクロロメタン溶液(96mL)に0℃
でトリエチルアミン(7.03mL、50.0mmol)及び二炭酸ジ−tert−ブチ
ル(6.13mL、26.4mmol)を添加した。混合液を雰囲気温度に加温した。1
6時間後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。有機層を分別し、水層をジクロロ
メタンで2回抽出した。有機抽出液を併せ飽和食塩水で仙蔵し、硫酸マグネシウムで脱水
しろ過した。濃縮して標題の化合物(7.72g)を得た。MS241.1(M+1)。
【0140】
ステップB:tert−ブチル[(1R)−1−(5−フルオロ−1−オキシドピリジン
−2−イル)エチル]カルバメート
tert−ブチル[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]カル
バメート(5.77g、24.0mmol)を含有するジクロロメタン溶液(96mL)
に3−クロロ過安息香酸(6.51g、26.4mmol)を添加した。4.5時間後、
過剰の3−クロロ過安息香酸(0.59g、2.6mmol)を添加した。72時間後、
飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を添加した。1時間後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添
加した。有機層を分別し、水層をジクロロメタンで2回抽出した。有機抽出液を併せ飽和
食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し濃縮した。シリカゲルクロマトグラ
フィー(100%ジクロロメタン→90%ジクロロメタン/1%水酸化アンモニウム含有
メタノール)で精製し標題の化合物(5.45g)を得た。MS257.1(M+1)。
【0141】
ステップC:(1R)−1−(5−フルオロ−1−オキシドピリジン−2−イル)エタン
アミン
tert−ブチル[(1R)−1−(5−フルオロ−1−オキシドピリジン−2−イル
)エチル]カルバメート(1.47g、5.74mmol)を含有するジクロロメタン溶
液(28.7mL)に4M塩酸1,4−ジオキサン溶液(43.0mL、172mmol
)を添加した。2時間後、濃縮して標題の化合物の塩酸塩(1.396g)を得た。MS
157.1(M+1)。1HNMR(500MHz、CD3OD):δ 8.55(dd
、J=4.3、2.4Hz、1H);7.70(dd、J=9.0,6.7Hz、1H)
;7.52(ddd、J=9.1、7.1、2.4Hz、1H);4.80(q、J=7
.0Hz、1H);1.74(d、J=7.0Hz、3H)。
【化22】

【0142】
1R)−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタンアミン
ステップA:ベンジル[(1R)−1−シアノエチル]カルバメート
ベンジル[(1R)−2−アミノ−1−メチル−2−オキソエチル]カルバメート(1
0g、45mmol)を含有するN,N−ジメチルホルムアミド溶液50mLに2,4,
6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(4.15g、22.5mmol)を添加した
。2時間後、水100mLを添加し混合液をろ過した。固形物を炭酸水素ナトリウム水溶
液100m理リットルで2回洗浄し、減圧下で乾燥して純粋なベンジル[(1R)−1−
シアノエチル]カルバメート(7.2g)を得た。MS205.2(M+1)。
【0143】
ステップB:ベンジル[(1R,2Z)−2−アミノ−2−(ヒドロキシイミノ)−1−
メチルエチル]カルバメート
ベンジル[(1R)−1−シアノエチル]カルバメート(2.52g、12.3mmo
l)を含有するエタノール溶液(30mL)にヒドロキシルアミン塩酸塩(0.90g、
13.0mmol)及びトリエチルアミン(3.43mL、24.6mmol)を添加し
、混合液を75℃に加熱した。16時間後、溶液を濃縮し、残渣をジクロロメタン200
mLに溶解した。混合液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mLで2回、飽和食塩水
(100ミリリトル)で洗浄した。有機抽出液は併せ硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し濃
縮してベンジル[(1R,2Z)−2−アミノ−2−(ヒドロキシイミノ)−1−メチル
エチル]カルバメート(2.9g)を得た。MS238.2(M+1)。
【0144】
ステップC:ベンジル[(1R)−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−
3−イル)エチル]カルバメート
ベンジル[(1R,2Z)−2−アミノ−2−(ヒドロキシイミノ)−1−メチルエチ
ル]カルバメート(2.25g、9.48mmol)を含有するジオキサン溶液(80m
L)に1−アセチル−1H−イミダゾール(3.13g、28.5mmol)を添加し、
混合液を90℃に加熱した。16時間後、溶液を濃縮し、残渣をジクロロメタン200m
Lに溶解した。混合液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mLで2回及び飽和食塩水
(100mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し濃縮した。残渣を
シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→95%ジクロロメタン/メタ
ノール)で精製し標題の化合物(1.1g)を得た。MS262.1(M+1)。
【0145】
ステップD:(1R)−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)
エタンアミン
ベンジル[(1R)−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)
エチル]カルボメート(1.10g、4.21mmol)を含有するジクロロメタン溶液
(40mL)に1M三塩化ほう素ジクロロメタン溶液(21.1mL、21.1mmol
)を0℃で添加した。反応混合液を4時間かけて0℃から20℃に加温した。溶液を0℃
でメタノール5mLにより反応停止した。雰囲気温度に加温後、混合液を濃縮し、残渣を
ジエチルエーテル100mLで2回洗浄して(1R)−1−(5−メチル−1,2,4−
オキサジアゾール−3−イル)−エタンアミンを固形物(0.84g)として得た。
NMR(500MHz、CDOD):δ 4.70−4.61(m、1H);2.63
(s、3H);1.67(d、J=6.9Hz、3H)。
【化23】

【0146】
1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−]エタンアミン
ステップA:エチル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−カルボキシレート
窒素ガス下、エチル4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−カルボ
キシレート(30.2g、119.0mmol)エタノール溶液(594mL)にパラジ
ウム(10%パラジウム炭素、50%水;2.58g、1.21mmol)及びジイソプ
ロピルエチルアミン(50.0mL、286.0mmol)を添加した。混合液を水素下
(1気圧)で撹拌した。6時間後、混合液をセライトでろ過した。ろ液を濃縮し、酢酸エ
チルを添加した。混合液を飽和NaHCO水溶液(2回)、飽和食塩水で洗浄し、Na
SOで脱水し、ろ過し、濃縮して標題の化合物(25.6g)を得た。MS221.
1(M+1)。
【0147】
ステップB:2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−カルバルデヒド
エチル2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−カルボキシレート(15.5g、
116.0mmol)を含有するジクロロメタン溶液(580mL)に−78℃でDIB
AL−H(1.0M;130.0mL、130.0mmol)をゆっくりと添加した。混
合液を−78℃で撹拌した。2時間後、塩酸(2.0M水溶液)をゆっくり添加して混合
液の反応を停止した。混合液を雰囲気温度に加温放置した。混合液をジエチルエーテルで
3回抽出した。有機抽出液を併せNaSOで脱水し、ろ過し濃縮して標題の化合物(
28.2g)を得た。
【0148】
ステップC:2−メチル−N−{(1Z)−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−
5−イル]メチレン}プロパン−2−スルフィンアミド
2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−カルバルデヒド(27.2g、99mm
ol)を含有するジクロロエタン溶液(250mL)に(R)−(+)−2−メチル−2
−プロパンスルフィンアミド(13.3g、109.0mmol)及び硫酸銅(II)(
31.5g、197.0mmol)を添加した。混合液を50℃に加熱した。18時間後
、混合液を雰囲気温度に冷却し、シリカゲルパッドを通してろ過した。ろ過ケーキをジク
ロロメタンで洗浄し、ろ液を濃縮して標題の化合物(27.3g)を得た。MS224[
(M+1)−56]。
【0149】
ステップD:2−メチル−N−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジ
ン−5−イル]エチル}プロパン−2−スルフィンアミド
2−メチル−N−{(1Z)−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]
メチレン}プロパン−2−スルフィンアミド(14.3g、51.2mmol)を含有す
るトルエン溶液(260mL)に−70℃でメチルリチウム(1.6M;35.0mL、
56.0mmol)を添加した。混合液を−70℃で15分間撹拌した。飽和NHCl
溶液で混合液の反応を停止し、反応液を雰囲気温度に加温し放置した。混合液をジクロロ
メタンで3回抽出した。有機抽出液を併せNaSOで脱水し、ろ過し濃縮した。シリ
カゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン→35%ヘキサン/酢酸エチル、次に10
0%酢酸エチル→94%酢酸エチル/メタノール)で精製し標題の化合物(7.23g)
を得た。MS240.0[(M+1)−56]。
【0150】
ステップE:(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジンー5−イル]エタ
ンアミン
2−メチル−N−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イ
ル]エチル}プロパン−2−スルフィンアミド(7.32g、24.5mmol)を含有
するメタノール溶液(100mL)に塩酸(4.0Mジオキサン溶液;18.5mL、7
4.0mmol)を添加した。混合液を雰囲気温度で撹拌した。1時間後、混合液を濃縮
して標題の化合物(4.6g)を得た。
【化24】

【0151】
2−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)−6−モルホリン−4−イル−N−[(1S
)−1−(4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)エチル]イソニコチンアミド
ステップA:メチル2−クロロ−6−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)イソニコチ
ナート
メチル2,6−ジクロロイソニコチナート(3.34g、16.2mmol)を含有す
るトルエン溶液(100mL)に(2−フルオロ−4−メチルフェニル)ボロン酸(1.
4g、9.09mmol)、(テトラキストリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(
0.94g、0.81mmol)及び炭酸ナトリウム(2.0M水溶液;8.1g、16
.2mmol)を添加した。混合液は窒素で3回脱気し、80℃に加熱した。42時間後
、混合液を雰囲気温度に冷却し、飽和HaHCOを添加した。混合液を酢酸エチルで3
回抽出した。有機抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し濃縮し
た。逆相クロマトグラフィー(C−18、85%水/アセトニトリル→5%水/0.1%
トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル)で精製し標題の化合物(1.07g)を得た。M
S280.0(M+1)。
【0152】
ステップB:メチル2−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)−6−モルホリン−4−
イルイソニコチナート
メチル2−クロロ−6−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)イソニコチナート(0
.26g、0.94mmol)を含有するDMA溶液(4mL)にモルホリン(0.10
mL、1.17mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2
1.4mg、0.02mmol)、2−ジシクルヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’
−トリイソプロピルビフェニル(33.5g、0.07mmol)及び炭酸セシウム(0
.46g、1.41mmol)を添加した。混合液を80℃に加熱した。18時間後、混
合液をろ過した。ろ過ケーキをメタノールで洗浄した。ろ液を濃縮しメタノールを除去し
た。DMA溶液を次の段階に用いた。
【0153】
ステップC:2−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)−6−モルホリン−4−イルニ
コチン酸
メチル2−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)−6−モルホリン−4−イルイソニ
コチナート(0.31g、0.94mmol)を含有するDMA溶液(4mL)に水酸化
ナトリウム(1.0M水溶液;1.87ミリリトル、1.87mmol)を添加した混合
液を雰囲気温度で撹拌した。1時間後、塩酸(1M水溶液;1.87mL、1.87mm
ol)を添加し、混合液を濃縮した。メタノールを添加し、混合液をろ過し、ろ液を濃縮
した。混合液を逆相クロマトグラフィー(C−18、95%水/アセトニトリル→0.1
%トリフルオロ酢酸含有25%水/アセトニトリル)で精製した。HClを添加し、画分
を濃縮して標題の化合物の塩酸塩(129mg)を得た。MS317.0(M+1)。
【0154】
ステップD:2−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)−6−モルホリン−4−イル−
N−[(1S)−1−(4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)エチル]イソニコ
チンアミド
2−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)−6−モルホリン−4−イルニコチン酸の
塩酸塩(50mg、0.14mmol)、含有するDMF溶液(1.5mL)に(1S)
−1−(4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)エタンアミンの塩酸塩(31.5
mg、0.17mmol)、EDC(35.3mg、0.18mmol)、HOBT(2
1.7mg、0.14mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(99.0μL、0.
57mmol)を添加した。混合液を雰囲気温度で撹拌した。72時間後、混合液をろ過
し、ろ液を逆相クロマトグラフィー(C−18、95%水/アセトニトリル→0.1%ト
リフルオロ酢酸含有25%水/アセトニトリル)で精製した。生成物をHCl(2.0M
エーテル溶液)で処理して標題の化合物の塩酸塩(69mg)を得た。HRMS411.
1936(M+1)。HMNRδ(ppm)(CH3 OH−d):9.32(s、
1H)、7.74(t、J=7.97Hz、1H)、7.63(s、1H)、7.50(
s、1H)、7.21(d、J=7.95Hz、1H),7.16(d、J=12.16
Hz、1H)、5.52−5.46(m、1H),3.87(t、J=4.72Hz、4
H)、3.77(t、J=4.67Hz、4H)、2.44(s、3H)、1.78(d
、J=7.05Hz、3H)。
【化25】

【0155】
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−N
−{(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]
エチル}イソニコチンアミド
ステップA:メチル2−(2,4−ジフロロフェニル)−6−イソプロペニルイソニコチ
ン酸
メチル2,6−ジクロロイソニコチン酸(0.1g、0.49mmol)、リン酸三カ
リウム(0.16g、0.73mmol)、酢酸パラジウム(II)(8.72mg、0
.04mmol)及びトリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(27.4mg、0.
08mmol)を含有するTHF(1mL)及び水(0.25mL)からなる溶液に2−
イソプロペニル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(0.
11mL、0.61mmol)を添加した。混合液を65℃に加熱した。4時間後、(2
,4−ジフルオロフェニル)ボロン酸(0.21g、0.73mmol)を含有するTH
F溶液(0.5mL)を添加した。混合液を65℃で撹拌し続けた。18時間後、混合液
を雰囲気温度に冷却した。飽和NaHCOを添加し、混合液を酢酸エチルで3回抽出し
た。有機抽出液を併せ飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し濃縮した
。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン→90%ヘキサン/酢酸エチル)で
精製して標題の化合物(144mg、純度80%)を得た。MS290.1(M+1)。
【0156】
ステップB:2−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(1−ヒドロキシ−1−メチル
エチル)イソニコチン酸
メチル2−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−イソプロペニルイソニコチナート(
0.29g、1.01mmol)を含有するメタノール(5.1mL)及びDME(5.
1mL)からなる溶液にメソテトラフェニルポルフィンコバルト(II)(6.8mg、
10.1mmol)を添加した。混合液を雰囲気温度で撹拌した。18時間後、テトラエ
チルアンモニウムボロヒドリド(73.5mg、0.51mmol)を添加した。15分
後、更にテトラエチルアンモニウムボロヒドリド(0.14g、1.01mmol)を添
加した。1.5時間後、水酸化ナトリウム(1.0M水溶液;2.03mL、2.03m
mol)を添加した。混合液を50℃に加熱した。1時間後、HCl(0.17mL、2
.03mmol)を添加し、混合液を濃縮した。逆相クロマトグラフィー(C−18、9
5%水/アセトニトリル→0.1%トリフルオロ酢酸含有25%水/アセトニトリル)で
精製して標題の化合物(0.22g)を得た。MS294.1(M+1)。
【0157】
ステップC:2−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(1−ヒドロキシ−1−メチル
エチル)−N−{(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)ピリジン
−3−イル]エチル}イソニコチンアミド
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)イ
ソニコチン酸(19.5mg、0.07mmol)を含有するDMF溶液(0.67mL
)に(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]
エタンアミン(24.2mg、0.10mmol)、HATU(0.5M DMA溶液;
0.2mL、0.10mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(46.5μL、0.
27mmol)を添加した。混合液を雰囲気温度で撹拌した。30分後、少量の水とトリ
フルオロ酢酸を添加し、混合液を逆相クロマトグラフィー(C−18、95%水/アセト
ニトリル→0.1%トリフルオロ酢酸含有5%水/アセトニトリル)で精製して標題の化
合物(28mg)を得た。HRMS482.1462(M+1)。HNMR(400M
Hz、CDCl):δ 8.38(s、1H);8.09−8.01(m、1H);7
.94(s、1H);7.73(s、1H);7.67(d、J=8.3Hz、1H);
7.38(d、J=8.3Hz、1H);7.07−6.98(m、1H);6.99−
6.90(m、1H);6.74(d、J=6.9Hz、1H);5.32−5.25(
m、1H);4.38(s、1H);1.67(d、J=7.1Hz、3H);1.62
(s、6H)。
【化26】

【0158】
2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−6−(4−メチルフェニル)−N−[(1
S)−1−(4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)エチル]ピリジン−4−カル
ボキサミド
ステップA:メチル2−(4−メチルフェニル)−6−(プロプ−1−エン−2−イル)
ピリジン−4−カルボキシレート
酢酸パラジウム(II)(21.8mg、0.10mmol)及びトリス(2−メトキ
シフェニル)ホスフィン(68.4mg、0.19mmol)を含有する脱気したTHF
溶液(1mL)にメチル2,6−ジクロロイソニコチネート(250mg、1.21mm
ol)、リン酸三カリウム(386mg、1.82mmol)、及び2−イソプロペニル
−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(0.285mL、1
.52mmol)を含有するTHF(1.5mL)及び水(0.625mL)からなる溶
液を添加した。混合液を63℃に加熱した。4時間後、4−メチルフェニルボロ酸(24
7mg、1.82mmol)THF溶液(1.25mL)を添加した。生じた混合液を6
3℃に加熱した。18時間後、酢酸パラジウム(II)(21.8mg、0.10mmo
l)及びトリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(68.4mg、0.19mmol
)を添加した。生じた混合液を63℃に加熱した。18時間後、混合液を雰囲気温度に冷
却した。飽和NaHCO水溶液を添加し、混合液を酢酸エチルで3回抽出した。有機抽
出液を併せ飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し濃縮した。逆相クロ
マトグラフィー(C−18、80%水/アセトニトリル→0.1%トリフルオロ酢酸含有
5%水/アセトニトリル)で精製して標題の化合物を得た(191mg)。MS268.
1(M+1)。
【0159】
ステップB:メチル2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−6−(4−メチルフェ
ニル)ピリジン−4−カルボキシレート
メチル2−(4−メチルフェニル)−6−(プロプ−1−エン−2−イル)ピリジン−
4−カルボキシレート(191mg、0.71mmol)を含有するメタノール(3.6
mL)及びDME(3.6mL)からなる溶液にメソテトラフェニルポルフィンコバルト
(II)(2.4mg、3.6mmol)を添加した。30分後、テトラエチルアンモニ
ウムボロヒドリド(170mg、1.17mmol)を3部に分けて1時間かけて添加し
た。飽和NaHCO水溶液を添加した。混合液を水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出し
た。有機抽出液を併せ飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し濃縮した
。逆相クロマトグラフィー(C−18、90%水/アセトニトリル→0.1%トリフルオ
ロ酢酸含有5%水/アセトニトリル)で精製して標題の化合物(165mg)を得た。M
S286.1(M+1)。
【0160】
ステップC:2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−6−(4−メチルフェニル)
ピリジン−4−カルボン酸
メチル2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−6−(4−メチルフェニル)ピリ
ジン−4−カルボキシレート(165mg、0.58mmol)を含有するメチルアルコ
ール溶液(5.8mL)に水酸化ナトリウム(1M;1.16mL、1.16
mmol)を添加した。生じた混合液を60℃に加熱した。30分後、混合液を雰囲気温
度に冷却した。塩化水素(96μL、1.16mmol)を添加した。混合液を濃縮して
標題の化合物の塩化ナトリウム水和物を得た。MS272.1(M+1)。
【0161】
ステップD:2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−6−(4−メチルフェニル)
−N−[(1S)−1−(4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)エチル]ピリジ
ン−4−カルボキサミド
2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−6−(4−メチルフェニル)ピリジン−
4−カルボン酸の塩化ナトリウム水和物(224mg、0.58mmol)を含有するD
MF溶液(2.3mL)に(1S)−1−(4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル
)エタンアミンの塩酸塩水和物(160mg、0.87mmol)、HOBT(89mg
、0.58mmol)、トリエチルアミン(322μL、2.31mmol)及びEDC
(139mg、0.72mmol)を添加した。生じた混合液を60℃に加熱した。30
分後、混合液を雰囲気温度に冷却した。少量の水を添加し、混合液を逆相クロマトグラフ
ィー(C−18、95%水/アセトニトリル→0.1%トリフルオロ酢酸含有5%水/ア
セトニトリル)で精製した。2M塩化水素ジエチルエーテル溶液で処理して標題の化合物
を塩酸塩水和物(230mg)として得た。HRMS366.1920(M+1)。
NMR(399MHz、DMSO):δ 9.28(d、J=7.9Hz、1H);8.
38(s、1H);8.18(s、1H);8.07(d、J=8.0Hz、2H);8
.02(d、J=1.3Hz、1H);7.33(d、J=7.9Hz、2H);5.3
7(t、J=7.3Hz,1H);2.38(s、3H);1.59(d、J=7.0H
z、3H);1.52(s、6H)。
【化27】

【0162】
2−(2,4−ジフルオロフェニル−6−(2−メチルピリミジン−5−イル)―N−{
(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エチ
ル}イソニコチンアミド
ステップA:2−クロロ−6−(2,4−ジフルオロフェニル)イソニコチン酸
2,6−ジクロロイソニコチン酸(2.43g、12.67mmol)を含有するDM
F溶液(38mL)に(2,4−ジフルオロフェニル)ボロン酸(2.0g、12.67
mmol)、トリス(m−スルホフェニル)ホスフィン酸ナトリウム水和物(0.54g
、0.95mmol)、酢酸パラジウム(II)(71.0mg、0.32mmol)及
びジイソプロピルアミン(6.3mL、44.3mmol)を添加した。混合液を50℃
に加熱した。2.5時間後、混合液を雰囲気温度に冷却し、18時間撹拌した。HCl(
1.0M水溶液)を添加し、混合液を酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出液を併せ飽和
食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し濃縮した。逆相クロマトグラフィー
(C−18、85%水/アセトニトリル→0.1%トリフルオロ酢酸含有5%水/アセト
ニトリル)で精製して標題の化合物(1.24g)を得た。MS270.0(M+1)。
【0163】
ステップB:2−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メチルピリミジン−5−
イル)イソニコチン酸
2−クロロ−6−(2,4−ジフルオロフェニル)イソニコチン酸(0.10g、0.
37mmol)を含有するDMF(1.9mL)及び水(0.6mL)からなる溶液に(
2−メチルピリミジン−5−イル)ボロン酸(0.31g、2.23mmol)、酢酸パ
ラジウム(II)(12.5mg、0.06mmol)、3,3’,3”−ホスフィニジ
ントリス(ベンゼンスルホン酸)三ナトリウム水和物(95.0mg、0.17mmol)
及びジイソプロピルアミン(0.19mL、1.30mmol)を添加した。混合液を8
0℃に加熱した。2時間後、混合液をろ過し、ろ液を逆相クロマトグラフィー(C−18
、95%水/アセトニトリル→0.1%トリフルオロ酢酸含有25%水/アセトニトリル
)で精製した。生成物画分にHCl(2.0Mエーテル溶液)を添加し、混合液を濃縮し
て標題の化合物の塩酸塩水和物を得た。MS328.1(M+1)。
【0164】
ステップC:2−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メチルピリミジン−5−
イル)−N−{(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−
3−イル]エチル}イソニコチンアミド
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メチルピリミジン−5−イル)イソ
ニコチン酸(21.3mg、0.05mmol)を含有するDMF溶液(0.5mL)に
(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エタ
ンアミン(27.0mg、0.07mmol)、HATU(0.5MDMF溶液;0.1
6mL、0.08mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(65μL、0.37mm
ol)を添加した。混合液を雰囲気温度で撹拌した。25分後、混合液を逆相クロマトグ
ラフィー(C−18、95%水/アセトニトリル→0.1%トリフルオロ酢酸含有25%
水/アセトニトリル)で精製して標題の化合物を得、それを2.0MHCl(31mg)
エーテル溶液を用いて塩酸塩水和物に転換した。HRMS516.1453(M+1)。
HNMR(400MHz、CDCl):δ9.34(s、2H)、8.42(s、1
H)、8.24−8.15(m、1H)、8.09(s、1H)、8.06(s、1H)
、7.68(d、J=8.3Hz、1H)、7.40(d、J=8.4Hz、1H)、7
.11−7.04(m、1H)、6.97(t、J=9.8Hz、1H)、6.85(d
、J=7.0Hz、1H)、5.37−5.30(m、1H)、2,83(s、3H)、
1.69(d、J=7.1Hz、3H)。
【化28】

【0165】
N−{(1R)−1−[6−(1,1−ジフルオロエチル)−1−オキシドピリジン−3
−イル]エチル}−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2,2,2−トリフル
オロ−1−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド
ステップA:tert−ブチル2,6−ジクロロイソニコチネート
2,6−ジクロロイソニコチン酸(10.0g、52.1mmol)を含有するTHF
溶液(200mL)に二炭酸ジ−tert−ブチル(12.5g、57.3mmol)及
びDMAP(1.9g、15.6mmol)を添加した。混合液を雰囲気温度で撹拌した
。72時間後、水を添加し、混合液を酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出液を併せ飽和
食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。
【0166】
ステップB:tert−ブチル2−クロロ−6−ビニルイソニコチネート
tert−ブチル−2,6−ジクロロイソニコチネート(11.0g、44.3mmo
l)を含有するTHF(200mL)にカリウムビニルトリフルオロボラート(7.1g
、53.2mmol)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]
パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(0.97g、1.33mmol)及びトリエ
チルアミン(9.3mL、66.5mmol)を添加した。混合液を65℃に加熱した。
1時間後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、混合液を酢酸エチルで3回抽出した
。有機抽出液を併せ飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し濃縮した。シ
リカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン→90%ヘキサン/酢酸エチル)で精製
したが、目的生成物は分離しなかった。混合液を次段階に用いた。
【0167】
ステップC:tert−ブチル2−クロロ−6−ホルミルイソニコチネート
tert−ブチル2−クロロ−6−ビニルイソニコチネート(9.6g、40.1mm
ol)を含有するTHF(100mL)及び水(100mL)からなる溶液に四酸化オス
ミウム(4%水溶液;6.3mL、0.80mmol)及び過ヨウ素酸ナトリウム(25
.7g、120.0mmol)を添加した。混合液を雰囲気温度で撹拌した。30分後、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、混合液を酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出
液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し濃縮した。
【0168】
ステップD:tert−ブチル2−クロロ−6−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒド
ロキシエチル)イソニコチネート
tert−ブチル2−クロロ−6−ホルミルイソニコチネート(1.5g、6.2mm
ol)を含有するTHF溶液(40mL)に(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(
1.49mL、4.31mmol)及び4Åの粉砕モレキュラーシーブを添加した。混合
液0℃に冷却し、TBAP(1.0MTHF溶液;1.86mL、1.86mmol)を
滴下して添加した。混合液を雰囲気温度に加温した。30分後、更に(トリフルオロメチ
ル)トリメチルシラン(0.5mL、1.44mmol)、TBAP(1.0MTHF溶
液;0.62mL、0.62mmol)及び4Åの粉砕モレキュラーシーブを添加した。
30分後、混合液をセライトでろ過した。1NHCl水溶液をろ液に添加し、ろ液を酢酸
エチルで3回抽出した。有機抽出液を併せ飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し
、ろ過し濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン→95%ヘキサン
/酢酸エチル)で精製して標題の化合物を(1.4g)得た。MS312.2(M+1)

【0169】
ステップE:tert−ブチル2−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2,2,2
−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)イソニコチネート
tert−ブチル2−クロロ−6−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチ
ル)イソニコチネート(0.5g、1.6mmol)を含有するトルエン溶液(15mL
)に(2,4−フルオロフェニル)ボロン酸(0.38g、2.41mmol)、酢酸パ
ラジウム(II)(36.0mg、0.16mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィ
ノ−2’、4’、6’−トリイソプロピルフェニル(76.0mg、0.16mmol)
及びリン酸三カリウム(1.02g、4.81mmol)を添加した。混合液を脱気し、
100℃に加熱した。1時間後、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を添加し、混合液を酢酸
エチルで3回抽出した。有機抽出液を併せ飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し
、ろ過し濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン→80%ヘキサン
/酢酸エチル)で精製して標題の化合物(0.56g)を得た。MS390.3(M+1
)。
【0170】
ステップF:2−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−
1−ヒドロキシエチル)イソニコチン酸
tert−ブチル2−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2,2,2−トリフル
オロ−1−ヒドロキシエチル)イソニコチネート(0.56g、1.44mmol)を含
有するジクロロメタン溶液(3mL)にトリフルオロ酢酸(3mL)を添加した。混合液
を雰囲気温度で撹拌した。18時間後、更にトリフルオロ酢酸(1mL)を添加し、混合
液を雰囲気で1時間撹拌した。混合液を濃縮して乾燥し標題の化合物(0.43g)を得
た。MS334.2(M+1)。
【0171】
ステップG:N−{(1R)−1−[6−(1,1−ジフルオロエチル)−1−オキシド
ピリジン−3−イル]エチル}−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2,2,
2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロ
キシエチル)イソニコチン酸(0.15g、0.45mmol)を含有するDMF(2.
5mL)溶液に(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−
3−イル]エタンアミンの塩酸塩水和物(0.16g、0.59mmol)、EDC(0
.17g、0.90mmol)、HOAT(61.3mg、0.45mmol)及びトリ
エチルアミン(0.38mL、2.7
mmol)を添加した。混合液を60℃で撹拌した。1時間後、混合液を雰囲気温度に冷
却し、飽和NaHCO3水溶液を添加した。混合液を酢酸エチルで3回抽出した。有機抽
出液を併せ飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し濃縮した。混合液をジ
クロロメタンに懸濁し、固形物をろ過した。固形のケーキを冷ジクロロメタンで洗浄し、
高減圧下乾燥した。生成物をHCl(2Mエーテル溶液)で処理して標題の化合物の塩酸
塩水和物(0.18g)を得た。HRMS522.1036(M+1)。HNMR(4
00MHz、CDOD):δ8.48(s、1H);8.17(s、1H);8.09
−7.99(m、2H);7.89(d、J=8.4Hz、1H);7.56(d、J=
8.4Hz、1H);7.10(t、J=9.1Hz、2H);5.28−5.18(m
、2H);1.62(d、J=7.2Hz、3H)。
【化29】

【0172】
6−イソプロピル−5−メチル−N−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)
ピリミジン−5−イル]エチル}−2,2’−ビピリジン−4−カルボキサミド
ステップA:メチル2−クロロ−6−イソプロペニルイソニコチネート
2−クロロ−6−イソプロペニルイソニコチン酸(0.25g、1.27mmol)を
含有するジクロロメタン(4.7mL)及びメタノール(1.6mL)からなる溶液に(
ジアゾメチル)(トリメチル)シラン(0.63mL、1.27mmol)を添加した。
添加後、混合液を濃縮し、次段階に用いた。MS212.0(M+1)。
【0173】
ステップB:メチル6−イソプロペニル−5−メチル−2,2’−ビピリジン−4−カ
ルボキシレート
メチル2−クロロ−6−イソプロペニルイソニコチネート(0.5g、2.36mmo
l)を含有するDMF溶液(12mL)に5−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメ
チル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(1.3g、5.9mmol
)、酢酸パラジウム(II)(26.5mg、0.12mmol)、炭酸セシウム(1,
54g、4.72mmol)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロ
セン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(0.13g、0.24mmol)及び
塩化銅(I)を添加した。混合液をアルゴンパージし、100℃に加熱した。45分後、
飽和NaHCO水溶液を添加した。混合液を酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出液を
併せ水(3回)、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し濃縮した。シリ
カゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン→75%ヘキサン/酢酸エチル)で精製し
て標題の化合物(0.55g)を得た。MS269.1(M+1)。
【0174】
ステップC:メチル6−イソプロピル−5−メチル−2,2’−ビピリジン−4−カル
ボキシレート
メチル6−イソプロペニル−5’−メチル−2,2’−ビピリジン−4−カルボキシレ
ート(0.25g、0.93mmol)を含有するエタノール溶液(9.3mL)にパラ
ジウム(10%パラジウム炭素;49.6mg、0.047mmol)を添加した。混合
液を3回水素パージし、水素(1気圧)下で撹拌した。35分後、混合液をセライトでろ
過し、ろ液を濃縮した。MS271.2(M*1)。
【0175】
ステップD:6−イソプロピル−5−メチル−2,2’−ビピリジン−4−カルボン酸
メチル6−イソプロピル−5’−メチル−2,2’−ビピリジン−4−カルボキシレー
ト(275mg、1.02mmol)を含有するエタノール溶液(10mL)に水酸化ナ
トリウム(1.0M水溶液;2.03mL;2.03mmol)を添加した。混合液を5
0℃に加熱した。45分後、HCl(1.0M水溶液;2.03mL;2.03mmol
)を添加し、混合液を濃縮して標題の化合物の塩化ナトリウム水和物(0.32g)を得
た。MS257.1(M+1)。
【0176】
ステップE:6−イソプロピル−5−メチル−N−{(1R)−1−[2−(トリフル
オロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−2,2’−ビピリジン−4−カルボキサ
ミド
6−イソプロピル−5’−メチル−2,2’−ビピリジン−4−カルボン酸(25.0
mg、0.07mmol)を含有するDMF溶液(0.3mL)に(1R)−1−[2−
(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エタンアミンの塩酸塩水和物(22.1
mg、0.08mmol)、HATU(38.2mg、0.10mmol)及びジイソプ
ロピルエチルアミン(58.5μL、0.34mmol)を添加した。混合液を雰囲気温
度で撹拌した。20分後、混合液を逆相クロマトグラフィー(C−18、95%水/アセ
トニトリル→0.1%トリフルオロ酢酸含有25%水/アセトニトリル)で精製して標題
の化合物(24mg)を得た。HRMS430.1850(M+1)。HNMR(40
0MHz、CDCl):δ8.96(s、2H)、8.48(s、1H)、8.43(
d、J=8.1Hz、1H)、8.37(s、1H)、7.67(d、J=8.2Hz、
1H)、7.63(s、1H)、6.96(d、J=6.7Hz、1H)、5.44−5
.35(m、1H),3.24−3.14(m、1H),2.42(s、3H)、1.7
4(d、J=7.2Hz、3H)、1.37(d、J=6.9Hz、6H)。
【化30】

【0177】
N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル
]−2,6−ビス(4−メチルフェニル)ピリミジン−4−カルボキサミド
ステップA:メチル2,6−ビス(4−メチルフェニル)ピリミジン−4−カルボキシレ
ート
2,6−ジクロロピリミジン−4−カルボキシレート(0.39g、1.87mmol
)を含有するDMF溶液(15mL)に(4−メチルフェニル)ボロン酸(0.84g、
6.17mmol)、リン酸三カリウム(0.79g、3.74mmol)及びジクロロ
[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II) ジクロロ
メタン付加物(0.15g、0.19mmol)を添加した。混合液を80℃に加熱した
。16時間後、混合液を雰囲気温度に冷却した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し
、混合液を酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出液を併せ飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナト
リウムで脱水し、ろ過し濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン→
70%ヘキサン/酢酸エチル)で精製して標題の化合物(0.31g)を得た。MS31
9.2(M+1)。
【0178】
ステップB:2,6−ビス(4−メチルフェニル)ピリミジン−4−カルボン酸
メチル2,6−ビス(4−メチルフェニル)ピリミジン−4−カルボキシレート(0.
31g、0.98mmol)を含有するTHF溶液(10mL)及び水(10mL)から
なる溶液に水酸化ナトリウム(1.0M水溶液;2.05mL、2.05mmol)を添
加した。混合液を雰囲気温度で撹拌した。18時間後、HCl(1.0M水溶液)を添加
し、抽出液をジクロロメタンで3回抽出した。有機抽出液を併せ飽和食塩水で洗浄し、硫
酸ナトリウムで脱水し、ろ過し濃縮した。MS305.1(M+1)。
【0179】
ステップC:N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−
イル)エチル]−2,6−ビス(4−メチルフェニル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2,6−ビス(4−メチルフェニル)ピリミジン−4−カルボン酸(15.0mg、0
.05mmol)を含有するDMF溶液(1mL)に(1R)−1−(3−メチル−1,
2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタンアミンの塩酸塩水和物(14.7mg、0
.07mmol)、EDC(23.8mg、0.15mmol)、HOBT(22.6m
g、0.15mmol)及びジクロロフェニルアミン(34.4μL、0.20mmol
)を添加した。混合液を雰囲気温度で撹拌した。18時間後、混合液を逆相クロマトグラ
フィー(C−18、95%水/アセトニトリル→0.1%トリフルオロ酢酸含有5%水/
アセトニトリル)で精製して標題の化合物のトリフルオロ酢酸塩(33mg)を得た。H
RMS414.1924(M+1)。HNMR(499MHz、DMSO):δ9.8
0(d、J=8.3Hz、1H);8.66(d、J=8.0Hz、2H);8.37−
8.29(m、3H);7.42(t、J=9.1Hz、4H);5.55−5.47(
m、1H);2.43(d、J=3.4Hz、6H);2.35(s、3H);1.73
(d、J=7.1Hz、3H)。
【化31】

【0180】
5−(2,4−ジフルオロフェニル)−N−{(1R)−1−[1−オキシド−6−(ト
リフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エチル}ニコチンアミド
ステップA:5−(2,4−ジフルオロフェニル)ニコチン酸
5−ブロモニコチン酸(0.5g、2.48mmol)を含有するDMF溶液(7.4
mL)及び水(2.5mL)からなる溶液に(2,4−ジフルオロフェニル)ボロン酸(
0.43g、2.72mmol)、酢酸パラジウム(27.8mg、0.12mmol)
、3,3’、3”−ホスフィニジントリス(ベンゼンスルホン酸)ナトリウム(0.21
g、0.37mmol)及びジイソプロピルアミン(1.23mL、8.66mmol)
を添加した。混合液を80℃に加熱した。1.5時間後、混合液を雰囲気温度に冷却しろ
過した。混合液を逆相クロマトグラフィー(C−18、95%水/アセトニトリル→0.
1%トリフルオロ酢酸含有5%水/アセトニトリル)で精製した。HCl(2.0Mエー
テル液)を添加し生成物を塩酸塩水和物に転換し、濃縮して標題の化合物の塩酸塩水和物
(0.65g)を得た。MS236.0(M+1)。
【0181】
ステップB:5−(2,4−ジフルオロフェニル)−N−{(1R)−1−[1−オキシ
ド−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エチル}ニコチンアミド
5−(2,4−ジフルオロフェニル)ニコチン酸(40.0mg、0.15mmol)
を含有するDMF溶液(0.7mL)に(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフル
オロメチル)ピリジン−3−イル]エタンアミンの塩酸塩水和物(49.3mg、0.1
8mmol)、EDC(33.9mg、0.18mmol)、HOBT(22.6mg、
0.15mmol)及びトリエチルアミン(0.10mL、0.74mmol)を添加し
た。混合液を雰囲気温度で18時間撹拌した。混合液を逆相クロマトグラフィー(C−1
8、95%水/アセトニトリル→0.1%トリフルオロ酢酸含有25%水/アセトニトリ
ル)で精製して標題の化合物を得、それを2.0MHCl(47mg)エーテル溶液を用
いて塩酸塩水和物に転換した。HRMS424.1086。HNMR(400MHz、
CDOD):δ9.22(s、1H);9.15(s、1H);9.00(s、1H)
;8.52(s、1H);7.92(d、J=8.4Hz、1H);7.83−7.73
(m、1H);7.70(d、J=8.4Hz、1H);7.31−7.21(m、2H
);5.33−5.25(m、1H);7.1Hz,3H)。
【化32】

【0182】
5−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロポキシル−N−[(1R)−1−(3−メ
チル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]ニコチンアミド(実施例3.
24)及び5−(4−フルオロフェニル)−1−イソプロポキシ−N−[(1R)−1−
(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−6−オキソ−1,
6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド(実施例5.61)
ステップA:メチル5−(4−フルオロフェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリ
ジン−3−カルボキシレート
メチル5−ブロモ−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート(
0.50g、2.16mmol)を含有するDMF(8.1mL)及び水(2.7mL)
からなる溶液に(4−フルオロフェニル)ボロン酸(0.38g、2.69mmol)、
酢酸パラジウム(II)(36.3mg、0.16mmol)、トリス(3−スルホナー
トフェニル)ホスフィン水和物ナトリウム塩(0.31g、0.49mmol)及びジイ
ソプロピルアミン(1.53mL、10.8mmol)を添加した。混合液をマイクロ波
反応器中で125℃15分間加熱した。混合液をろ過し、ろ液に水を添加した。混合液を
酢酸エチルで抽出し、有機層を水(3回)、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水
し、ろ過し濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→70%
ジクロロメタン/酢酸エチル)で精製して標題の化合物(0.35g)を得た。MS24
8.1(M+1)。
【0183】
ステップB:メチル5−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロポキシニコチネート及
びメチル5−(4−フルオロフェニル)−1−イソプロピル−6−オキソ−1,6−ジヒ
ドロピリジン−3−カルボキレート
メチル5−(4−フルオロフェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−
カルボキレート(0.18g、0.72mmol)を含有するDMF溶液(3mL)に2
−ヨードプロパン(0.61g、3.58mmol)及び炭酸セシウム(0.35g、1
.07mmol)を添加した。混合液を雰囲気温度で撹拌した。2時間後、混合液をろ過
し、メタノールで洗浄した。ろ液を濃縮してメタノールを除去した。DMF溶液を次段階
に用いた。
【0184】
ステップC:5−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロポキシニコチン酸及び5−(
4−フルオロフェニル)−1−イソプロピル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−
3−カルボン酸
メチル5−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロポキシニコチネート及びメチル5
−(4−フルオロフェニル)−1−イソプロピル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジ
ン−3−カルボキシレートを含有するDMF(5mL)及び水(2mL)溶液に水酸化ナ
トリウム(1.0M水溶液;1.43mL、1.43mmol)を添加した。混合液を5
0℃で撹拌した。1時間後、更に水酸化ナトリウム(1.0M水溶液;1.43mL、1
.43mmol)を添加した。2時間後、HCl(1.0M水溶液)を添加し、混合液を
ジクロロメタンで3回抽出した。有機抽出液を併せ飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム
で脱水し、ろ過し濃縮した。目的生成物はDMF層に存在したままだった。DMF溶液を
次段階に用いた。
【0185】
ステップD:5−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロポキシ−N−[(1R)−1
−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]ニコチンアミド(
実施例3.24)及び5−(4−フルオロフェニル)−1−イソプロピル−N−[(1R
)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−6−オキ
ソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド(実施例5.61)
5−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロポキシニコチン酸及び5−(4−フルオ
ロフェニル)−1−イソプロピル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボ
ン酸(50mg、0.09mmol)を含有するDMF溶液(0.5mL)に(1R)−
1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタンアミン(21.8
mg、0.11mmol)、HATU(0.5MDMF溶液;0.27mL、0.14m
mol)及びジイソプロピルエチルアミンン(63μL、0.36mmol)を添加した
。混合液を雰囲気温度で撹拌した。10分後、HCl(1.0M)を添加し、混合液を逆
相クロマトグラフィー(C−18、95%水/アセトニトリル→0.1%トリフルオロ酢
酸含有5%水/アセトニトリル)で精製してN−アルキル化生成物である5−(4−フル
オロフェニル)−1−イソプロピル−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−
オキサジアゾール−5−イル)エチル]−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−
カルボキシアミド(実施例5.61)(20.9mg)を得た。HRMS385.168
5。HNMR(400MHz、CDCl):δ8.21(d、J=2.5Hz、1H
);7.69−7.63(m、3H);7.12(t、J=8.5Hz、2H);6.5
2(d、J=7.7Hz、1H);5.60−5.51(m、1H);5.37−5.2
7(m、1H);2.41(s、3H);1.70(d、J=7.1Hz、3H);1.
45(dd、J=6.8、2.2Hz、6H)。アルキル化生成物を逆相クロマトグラフ
ィー(C−18、95%水/アセトニトリル→0.05%水酸化アンモニウム含有5%水
/アセトニトリル)で精製して5−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロポキシ−N
−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]
ニコチンアミド(実施例3.24)(16.1mg)を得た。HRMS385.1679
HNMR(400MHz、CDCl):δ8.59(s、1H);8.01(d、
J=2.3Hz、1H);7.55(dd、J=8.3、5.4Hz、2H);7.16
−7.08(m、2H);6.63(d、J=7.7Hz、1H);5.63−5.55
(m、1H);5.51−5.42(m、1H);2.40(s、3H);1.71(d
、J=7.1Hz、3H);1.35(d、J=6.2Hz、6H)。
【化33】

【0186】
5−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,
2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]ニコチンアミド1−オキシド
ステップA:エチル5−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)ニコチネート
エチル5−ブロモニコチネート(0.58g、2.53mmol)を含有するアセトニ
トリル溶液(15mL)に(2−フルオロ−4−メチルフェニル)ボロン酸(0.47g
、3.04mmol)、3,3’、3”−ホスフィニジントリス(ベンゼンスルホン酸)
ナトリウム(0.22g、0.38mmol)、酢酸パラジウム(II)(28.4g、
0.13mmol)及びジイソプロピルアミン(0.90mL、6.32mmol)を添
加した。混合液を80℃に加熱した。1時間後、混合液を雰囲気温度に冷却し、飽和Na
HCO水溶液を添加した。混合液を酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出液を併せ飽和
食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し濃縮した。シリカゲルクロマトグラフ
ィー(100%ヘキサン→70%ヘキサン/酢酸エチル)で精製して標題の化合物(0.
67g)を得た。MS260.1(M+1)。
【0187】
ステップB:5−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)ニコチン酸
エチル5−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)ニコチネート(0.67g、2.5
8mmol)を含有するメタノール(10mL)、THF(10mL)及び水(5mL)
からなる溶液に水酸化ナトリウム(1.0M水溶液;5.17mL、5.17mmol)
を添加した。混合液を雰囲気温度で撹拌した。40分後、HCl(1.0M水溶液;5.
17mL、5.17mmol)を添加し、混合液を濃縮して標題の化合物の塩化ナトリウ
ム水和物(0.87g)を得た。MS232.1(M+1)。
【0188】
ステップC:5−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)ニコチン酸1−オキシド
5−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)ニコチン酸(0.15g、0.43mmo
l)を含有するジクロロメタン(5mL)及びメタノール(3mL)からなる溶液に3−
クロロ過安息香酸(70%;0.16g、0.65mmol)を添加した。混合液を雰囲
気温度で撹拌した。18時間後、更に3−クロロ過安息香酸(70%;0.19g、0.
86mmol)を添加した。混合液を雰囲気温度で継続して撹拌した。24時間後、更に
3−クロロ過安息香酸(70%;0.19g、0.86mmol)を添加した。18時間
後、混合液を濃縮した。混合液を逆相クロマトグラフィー(C−18、95%水/アセト
ニトリル→0.1%トリフルオロ酢酸含有25%水/アセトニトリル)で精製して標題の
化合物(70mg)を得た。MS248.0(M+1)。
【0189】
ステップD:5−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)―N−[(1R)−1−(3−
メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]ニコチンアミド1−オキシ

5−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)ニコチン酸1−オキシド(22.6mg、
0.09mmol)を含有するDMF溶液(0.5mL)に(1R)−1−(3−メチル
−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタンアミンの塩酸塩水和物(23.8m
g、0.12mmol)、EDC(26.3mg、0.14mmol)、HOBT(15
.4mg、0.10mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(64μL、0.37m
mol)を添加した。混合液を雰囲気温度で撹拌した。72時間後、混合液を逆相クロマ
トグラフィー(C−18、95%水/アセトニトリル→0.1%トリフルオロ酢酸含有2
5%水/アセトニトリル)で精製して標題の化合物(18.4mg)を得た。HRMS3
57.1367(M+1)。HNMR(400MHz、CDCL):δ9.02(s
、1H);8.73(d、J=7.6Hz、1H);8.53(s、1H);7.98(
s、1H);7.32(t、J=8.0Hz、1H);7.08(d、J=8.0Hz、
1H);7.02(d、J=11.8Hz、1H);5.60−5.51(m、1H);
2.42(s、3H);2.29(s,3H);1.80(d、J=7.1Hz,3H)

【化34】

【0190】
3−(4−フルオロフェニル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキ
シジアゾール−5−イル)エチル]−2−オキソ−2H−1,2’−ピリジン−5−カル
ボキサミド
ステップA:メチル5−(4−フルオロフェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリ
ジン−3−カルボキシレート
メチル5−ブロモ−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート(
0.5g、2.16mmol)を含有するDMF(8.1mL)及び水(2.7mL)か
らなる溶液に(4−フルオロフェニル)ボロン酸(0.38g、2.69mmol)、酢
酸パラジウム(II)(36.3mg、0.16mmol)、トリス(3−スルホナート
フェニル)ホスフィン水和物ナトリウム塩(0.31g、0.49mmol)及びジイソ
プロピルアミン(1.54mL、10.77mmol)を添加した。混合液をマイクロ波
反応器中125℃で15分間加熱した。混合液をろ過し、ろ液に水を添加した。混合液を
酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出液を併せ水(3回)、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナ
トリウムで脱水し、ろ過し濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロ
メタン→70%ジクロロメタン/酢酸エチル)で精製して標題の化合物(0.35g)を
得た。MS248.1(M+1)。
【0191】
ステップB:メチル3−(4−フルオロメチル)−2−オキソ−2H−1,2’−ビピリ
ジン−5−カルボキシレート
メチル5−(4−フルオロメチル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カ
ルボキシレート(77.0mg、0.31mmol)を含有するジオキサン溶液(2.1
mL)に2−ブロモピリジン(0.15g、0.92mmol)、トランス−(1R,2
R)−N,N’−ビスメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(17.7mg、0.1
3mmol)及び炭酸カリウム(86.0mg、0.62mmol)を添加した。混合液
をマイクロ波反応器中120℃で1時間加熱し、次に油浴中80℃で8時間加熱した。混
合液を雰囲気温度に冷却し、ジクロロメタンを添加した。混合液を水、飽和NaHCO3
、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し濃縮した。シリカゲルクロマト
グラフィー(100%ジクロロメタン→75%ジクロロメタン/酢酸エチル)で精製して
標題の化合物(94mg)を得た。MS325.1(M+1)。
【0192】
ステップC:3−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2H−1,2’−ビピリジン
−5−カルボン酸
メチル3−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2H−1,2−ビピリジン−5
−カルボン酸(93.0mg、0.29mmol)を含有するジオキサン(4mL)及び
水(2mL)からなる溶液にNaOH(1.0M水溶液;0.36mL、0.36mmo
l)を添加した。混合液を60℃で撹拌した。1.25時間後、混合液を雰囲気温度に冷
却し、HCl(1.0M水溶液;0.36mL、0.36mmol)を添加した。試料を
凍結乾燥して標題の化合物の塩化ナトリウム水和物(111mg)を得た。MS311.
1(M+1)。
【0193】
ステップD:3−(4−フルオロフェニル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,
2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−2−オキソ−2H−1,2’−ビピリ
ジン−5−カルボキサミド
3−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2H−1,2−ビピリジン−5−カル
ボン酸(20.0mg、0.05mmol)を含有するDMF溶液(0.5mL)に(1
R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタンアミン(1
3.6mg、0.07mmol)、HATU(0.5MDMF溶液;0.16mL、0.
08mmol)及びジイソプロピレンアミン(36μL、0.21mmol)を添加した
。混合液を雰囲気温度で撹拌した。30分後、混合液を逆相クロマトグラフィー(C−1
8、95%水/アセトニトリル→0.1%トリフルオロ酢酸含有25%水/アセトニトリ
ル)で精製して標題の化合物(20mg)を得た。HRMS420.1470(M+1)
HNMR(400MHz、CDCL):δ8.62(d、J=4.8Hz、1H)
;8.53(d、J=2.5Hz、1H);7.94−7.83(m、3H);7.70
(dd、J=8.3、5.4Hz、2H);7.41(t、J=5.8Hz、1H);7
.12(t、J=8.5Hz、2H);6.66(d、J=7.7Hz、1H);5.6
0−5.51(m、1H);2.40(s、3H);1.69(d、J=7.1Hz、3
H)。
【化35】

【0194】
5−(4−フルオロフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)
−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチ
ル]−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
ステップA:メチル5−ブロモ−6−オキソ−1−(3−オキソブタン−2−イル)−1
,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート
メチル−5−ブロモ−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート
(10.0g、43.1mmol)及び炭酸セシウム(16.9g、51.7mmol)
を含有するN,N’−ジメチルホルムアミド溶液(144mL)に3−ブロモ−2−ブタ
ノン(7.8g、51.7mmol)を添加した。混合液を雰囲気温度で撹拌した。20
分後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び水を添加した。混合液を酢酸エチルで3回抽出
した。有機抽出液を併せ水(3回)、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、
ろ過し濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→50%ジク
ロロメタン/酢酸エチル)で精製して標題の化合物を得た。MS302.1(M)。
【0195】
ステップB:メチル5−(4−フルオロフェニル)−6−オキソ−1−(3−オキソブタ
ン−2−イル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート
メチル5−ブロモ−6−オキソ−1−(3−オキソブタン−2−イル)−1,6−ジヒ
ドロピリジン−3−カルボキシレート(11.3g、37.4mmol)を含有するN,
N−ジメチルホルムアミド(112mL)及び水(37mL)からなる溶液に4−フルオ
ロフェニルボロン酸(6.28g、44.9mmol)、酢酸パラジウム(0.17g、
0.75mmol)、3,3’,3”−ホスフィニジントリス(ベンゼンスルホン酸)三
ナトリウム水和物(1.28g、2.24mmol)及びジイソプロピルアミン(13.
3mL、94.0mmol)を添加した。反応混合液を80℃に加熱した。30分後、混
合液を雰囲気温度に冷却した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び水を添加した。混合液
を酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出液を併せ水(3回)、飽和食塩水で洗浄し、硫酸
マグネシウムで脱水し、ろ過し濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジク
ロロメタン→80%ジクロロメタン/酢酸エチル)で精製して標題の化合物を得た。MS
318.2(M+1)。
【0196】
ステップC:メチル5−(4−フルオロフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチル
ブタン−2−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート
メチル5−(4−フルオロフェニル)−6−オキソ−1−(3−オキソブタン−2−イ
ル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート(11.1g、35.0mmo
l)を含有するテトラヒドロフラン溶液(175mL)に0℃でメチルマグネシウムブロ
ミド(3.0MTHF溶液;14.0mL、42.0mmol)を添加した。20分後、
混合液の反応を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で停止した。混合液を雰囲気温度に冷却し
、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出液を併せ飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム
で脱水し、ろ過し濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→
80%ジクロロメタン/酢酸エチル)で精製して標題の化合物を得た。MS334.1(
M+1)。
【0197】
ステップD:5−(4−フルオロフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン
−2−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸
メチル5−(4−フルオロフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2
−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート(400mg
、1.20mmol)を含有するテトラヒドロフラン(6mL)及び水(2mL)からな
る溶液に水酸化ナトリウム(55mg、1.38mmol)を添加した。生じた混合液を
50℃に加熱した。140分後、混合液を雰囲気温度に冷却した。塩化水素(0.113
mL、1.38mmol)を添加し、混合液を濃縮して標題の化合物の塩化ナトリウム水
和物を得た。 MD342.2(M+Na)。
【0198】
ステップE:5−(4−フルオロフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン
−2−イル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5
−イル)エチル]−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
5−(4−フルオロフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル
)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸の塩化ナトリウム水和物(
177、mg、046mmol)を含有するN,N−ジメチルホルムアミド溶液(2mL
)に(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタンア
ミンの塩酸塩水和物(110mg、0.55mmol)、EDC(105mg、0.55
mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(6mg、0.05mmol
)及びN−メチルモルホリン(0.121mL,1.10mmol)を添加した。混合液
を雰囲気温度で撹拌した。18時間後、水を添加した。逆相クロマトグラフィー(C−1
8,95%水/アセトニトリル→0.1%トリフルオロ酢酸含有15%水・アセトニトリ
ル)で精製して標題の化合物を得た。HRMS429.1973(M+1)。
【化36】

【0199】
5−(4−フルオロフェニル)−1−[(2R)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−
2−イル]−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−
イル)エチル]−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド及び5−
(4−フルオロフェニル)−1−[(2S)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−
イル]−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル
)エチル]−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
2のジアステレオマーをキラルクロマトグラフィー(Whelk−01、2.1cmx
25cm、60%ヘプタン及び40%イソプロパノール、28mL/min)によって精
製し、表題の化合物を得た。実施例5.135:HRMS429.1928(M+1)。
HNMR(400MHz、DMSO):δ9.05(d、J=7.4Hz、1H);8
.46(s、1H);8.13(s、1H);7.76(t、J=6.9Hz、2H);
7.25(t、J=8.7Hz、2H);5.76(s、1H);5.35(t、J=7
.2Hz、1H);5.15(d、J=8.1Hz、1H);4.95(s、1H);2
.33(s、3H);1.59(d、J=7.2Hz、3H);1.39(d、J=7.
1Hz、3H);1.25(s、3H);0.91(s,3H)。実施例5.136:H
RMS429.1931(M+1)。HNMR(400MHz、DMSO):δ9.0
3(d、J=7.2Hz、1H);8.47(s、1H);8.14(s、1H);7.
76(t、J=6.8Hz、2H);7.25(t、J=8.7Hz、2H);5.35
(t、J=7.2Hz、1H);5.15(d、J=8.1Hz、1H);4.95(s
、1H);2.33(s、3H);1.59(d、J=7.1Hz、3H);1.39(
d、J=7.1Hz、3H);1.25(s、3H);0.91(s,3H)。
【0200】
アッセイ
インビボ内臓痛ラットモデル
実験開始時の体重150〜180g(実験当たりの最大較差=40g)の雄Sprag
ue−Dawleyラット。動物を実験の少なくとも5日前に実験室に送り、その期間中
に動物を実験室条件に馴化させる。ラットを4、5又は6匹の群に分け、木材を敷いたマ
クロロンケージ(41×25×14cm又は44×28×19cm)に収容し、試験まで
(又は別に指定するまで)飼料と水を自由摂取させる。飼育舎を、21±3℃に制御した
雰囲気温度、40−70%に維持した相対湿度で、7.00から19.00までの間(1
2時間)、人工照明下に維持する。いかなる臨床兆候及び死亡率に関連する情報も研究資
料とともに保存記録する。
【0201】
一晩絶食後、雄Sprague−Dawleyラットに軽く麻酔をかけ(イソフルラン)
、長さ5cmのカニューレを用いて1%酢酸(1.5ml)を結腸に注入する。75分間
の回復期間後、ラットに再度軽く麻酔をかけ(イソフルラン)、カテーテルに付けた長さ
1.5cmのラテックスバルーンを肛門を通して下行結腸と直腸に挿入する。その後麻酔
を直ちに中止する。15分後、試験物質を経口投与する。投与60分後、バルーンを水1
.2mlで満たし、腹部収縮回数を10分間計数する。
【0202】
1群当たりラット10匹を試験する。試験は盲検法で実施する。試験物質を三の服用量
で評価し、搬送媒体(vehicle)群と比較する。試験終了時にO/CO(20
%/80%)混合物、続いてCOに暴露してラットを安楽死させる。マン・ホイットニ
ーのU検定を使用して、処置群をビヒクル対照と比較することによりデータを分析する。
【0203】
インビボL5脊髄神経結紮モデル
a.手術及び術後ケア
脊髄神経結紮(SNL)処置のために、イソフラン(1−5%;吸入)を用いて雄Sp
rague Dawleyラット(100−200g;Harlan社)に麻酔をかける
。無菌的な技術を使用して、およそ脊髄神経L3からS2にかけて脊椎正中切開を施す。
鋭的切離と鈍的切離を併用し、L6/S1後部椎間関節突起を露出する。L6横突起を可
視化し除去し、L4及びL5脊髄神経を椎間孔からの突起体の末端に露出させる。次にL
5神経を6−0の絹縫合糸で堅固に結紮する。筋肉を4−0吸収性縫合糸で閉じ、皮膚を
創傷クリップで閉じる。術後モニターを実施し、動物が可能な限り最少量の疼痛に曝され
るように保証する。動物を1対ずつ床敷きを敷いた飼育舎に収容し、起こり得る苦痛の兆
候を、術後、実験動物資源スタッフにより日に2回3日間モニターし、その後研究員によ
って毎日モニターする。
【0204】
b.行動試験
手術前に、一連の較正済のvon Frey式フィラメント(0.25−15g)を後
足に押し付け、ディクソンの「アップダウン」法(チャプランら(Chaplan et
al.)、「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス・メソッズ(J Neurosc
i Meth)」、1994年、第53巻:p.55)を用いて引っ込め閾値の中央地を
求めることにより、術前のラットの機械的後足引っ込め閾値の試験をする。ラットを、個
々のプラスチック製チャンバーの中で、
高架式の網状の亜鉛メッキ・スチール製プラットホーム上に配置し、60分間馴化させる
。術前の機械的後足引っ込め閾値を測定し、閾値が<15gのラットを試験から除外する
。術前の機械的後足引っ込め閾値の測定後、ラットに上記のSNL処置を受けさせる。外
科手術手技後28−35日の間、ラットの術後の機械的後足引っ込め閾値を上記手技を使
用して試験し、後足引っ込め閾値が<4.0gのラットをアロディニア(異痛症)(即ち
機械的痛覚過敏)と判断する。試験化合物のSNL誘発性機械的痛覚過敏に及ぼす効果を
、ビヒクル対照群及び陽性比較のプレガバリン(20mg/kg、経口)を投与した対照
群と共に化合物を投与することによって測定する。SNLモデルにおける効力を、[数1
]を使用して機械的痛覚過敏の回復率%を決定することにより評価する。
【数1】

【0205】
試験の終わりに、全てのラットをCOを使用して安楽死させ、血漿と脳組織を薬剤暴
露に関する生化学分析用に採取する。
【0206】
インビボ完全フロインドアジュバント(CFA)モデル
左後足底面にCFA(200μl、0.5mg/ml)を皮内注射した後、雄Spra
gue Dawleyラット(300−400g;Chaarles River)をケ
ージに戻し、柔らかい床敷上で飼育する。CFA注射72時間後に、ラットをタオルで包
み、後足(左か右)を改良型Randall−Sellito足挟み装置(Stoelt
ing社製、Wood Dale,IL)に配置することによりラットのCFA後機械的
後足引き込め閾値の試験をする。レバーに装着したプラスチック棒を後足の背側に配置し
、ラットが声を出すか又は棒から後足を引き離すまで、後足に増加して行く力を加える。
この時点で、ラットの後足引き込め閾値を記録する。機械的刺激を各後足に2回加え、C
FA後機械的後足引き込め閾値の平均値を左右後足に対し測定する。CFA後引き込め閾
値の測定後、ラットに試験化合物、ビヒクル、又は陽性対照のナプロキセン(30mg/
kg,経口)を投与し、炎症を起こした(CFA)後足の引き込め閾値に及ぼす化合物の
効果を測定する。[数2]を使用して機械的痛覚過敏の回復率%を求めることによりCF
Aモデルの効果を評価する。
【数2】

【0207】
試験の終わりに、全てのラットをCOを使用して安楽死させ、血漿と脳組織を薬剤暴
露に関する生化学分析用に採取する。
【0208】
健常ラットの膀胱内圧測定
体重250−350gの雌Sprague−Dawleyラットを温度と光を制御(1
2時間明暗サイクル)した部屋に収容し、飼料と水を自由に摂取させた。動物にウレタン
(1.0g/kg、腹腔内)で麻酔をかけた。必要に応じてウレタンを補充投与した。下
腹部正中切開をして膀胱を露出させ、膀胱内圧を記録するためにポリエチレンカテーテル
(PE−50)を膀胱穹窿部に挿入し、生理食塩水を0.05ml/minの速度で膀胱
内注入した。圧力変換器を使用して膀胱内圧を測定し、多チャネルデータ収集システム(
Power lab,AD Instruments,Biopac systems,
Colorado Springs,CO)を使用してサンプリングレート10Hzでシ
グナルを記録した。膀胱内注入により排尿間隔及び排尿圧が安定であることを確認した後
、薬剤を静脈内投与した(0.25ml/kg)。排尿間隔(機能的膀胱容量)及び排尿
圧(最大膀胱内圧)をChartプログラム(v5.5.4,AD Instrumen
ts社)を使用して投与前(ベースライン)と投与後5から30分の間の排尿から求め、
ベースラインに対する比を計算した。
【0209】
酢酸誘発性反射亢進ラットモデルにおける膀胱内圧測定
体重250−350gの雌Sprague−Dawleyラットを温度と光を制御(1
2時間明暗サイクル)した部屋に収容し、飼料と水を自由に摂取させた。動物にウレタン
(1.0g/kg、腹腔内)で麻酔をかけた。必要に応じてウレタンを補充投与した。下
腹部正中切開をして膀胱を露出させ、膀胱内圧を記録するためにポリエチレンカテーテル
(PE−50)を膀胱穹窿部に挿入し、0.05ml/minの速度で膀胱内注入した。
圧力変換器を使用して膀胱内圧を測定し、多チャネルデータ収集システム(Power
lab,AD Instruments,Biopac systems,Colora
do Springs,CO)を使用してサンプリングレート10Hzでシグナルを記録
した。生理的食塩水の膀胱内注入により排尿間隔及び排尿圧が安定であることを確認した
後、同じ速度で0.25%酢酸‐生理的食塩水溶液を注入した。30−60分後、注入ポ
ンプを使用して10μl/minの速度で薬剤を静脈内投与した。排尿間隔(機能的膀胱
容量)及び排尿圧(最大膀胱内圧)をChartプログラム(v5.5.4,AD In
struments社)を使用して投与前(ベースライン)と薬剤注入開始後30から4
5分の間の排尿から求め、ベースラインに対する比を計算した。
【0210】
ヒトP2X及びP2X2/3安定細胞株の創製‐ヒトP2X受容体cDNA(受入番
号NM_002559)を5’XhoI及び3’HindIII断片として発現ベクター
pcDNA5/FRT(Invitrogen社)にサブクローニングした。ヒトP2X
受容体cDNA(受入番号NM_174873)を5’EcoRI及び3’NotI断
片として発現ベクターpIRESneo2(BD Biosciences Clont
ech社)にサブクローニングした。製造業者の指示に従い、リポフェクタミン2000
(Invitorgen社)を使用してヒトP2X発現構築物をFlp‐in−293
細胞(Invitorgen社)に形質移入した。ハイグロマイシン150μg/mlを
使用してアカゲザルP2Xのflp組換えに対し陽性の細胞を選抜した。上記の通りリ
ポフェクタミン2000(Invitorgen社)を使用して、安定なヒトP2X
胞株にヒトP2X発現構築物を同時形質移入し、ハイグロマイシン100mg/mlと
1mg/mlのG418を使用して同時形質移入された細胞を選抜した。安定なP2X
細胞株を、10%FBS、ハイグロマイシン100μg/ml、及びペニシリン100単
位/ml及びストレプトマイシン100μg/mlを添加したDMEMで増殖させ、37
℃、湿度95%に維持した。500μg/mlのG418を添加した以外は上記の通り、
安定なP2X2/3細胞株を増殖させた。
【0211】
アンタゴニスト・アフィニティ評価のための細胞内カルシウム測定‐細胞内カルシウムレ
ベルをモニターするために、カルシウムキレート色素Fluo−4(Molecular
Probes)を使用し、蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR;Mole
cular Devices社)を利用した。蛍光をモニターするために使用した励起波
長及び発光波長は、それぞれ488nm及び530nmであった。アッセイ開始の約20
時間前に、ヒトP2X又はヒトP2X2/3のどちらかを発現する細胞を密度20,0
00細胞/ウェル(20μl/ウェル)で384ウェル黒色壁プレートに蒔いた。アッセ
イ当日、20μlのローディングバッファー(ハンクス平衡塩類溶液、2.5mMCaC
l2、20mMHEPES、0.1%BSA、2.5mMプロベネシド、TR−40、F
luo−4、及びNaClに代えて138mMNMDG)を添加し、暗所下室温で60分
間細胞に色素を導入する。アゴニストを添加する10分前にアンタゴニスト10μlを添
加し室温でインキュベートした。この間に蛍光データを3秒間隔、その後10秒間隔で収
集する。アゴニスト、α,β−meATPを6倍濃度で添加する([α,β−meATP]
最終=EC50)。アゴニスト添加後、蛍光を5秒間隔で測定し、基線蛍光に比較したピ
ーク相対蛍光ユニット(RFU)の増加に基づいて分析した。[数3]により各アンタゴニ
スト濃度における阻害効果を定量するためにピーク蛍光を利用した。
【数3】

【0212】
インビトロ電気生理学的アッセイ‐ヒトP2X受容体を発現する細胞をアッセイ前に6
5−85%コンフルエントまで20乃至30時間増殖した。細胞をトリプシンで解離させ
、遠心分離し細胞密度1x10細胞/mlでバス溶液(bath solution)
に再懸濁し、PatchXpressにかけた。バス溶液は、pH7.2で、150mM
NaCl、4mM KCl、2mM CaCl2、1.2mM MgCl2、10mM
HEPES、及び11.1mMグルコースを含有した。また細胞内液は、pH7.2で
、140mMアスパラギン酸カリウム、20mM NaCl、5mM HEPES、10
mM EGTAを含有するか、CsOHでpH7.3として、30mM CsCl、5m
M HEPES、10mM EGTA、120mM CsF、2mM NaF、2mM
MgClを含有するかした。アゴニストストック溶液をHOで調製し、使用前にバス
溶液で希釈した。全てのアゴニストをDSMOの10mMストック溶液として調製し、使
用前にバス溶液で希釈した。全ての実験は、細胞を室温でホールセル・パッチクランプコ
ンフィギュレーション法に基づいて実施した。PatichXpress機器では個々の
16細胞までを同時にパッチクランプすることができた。CTP(100μM;2秒間)
後にCTP非存在下2分間のアゴニストインキュベーションを繰り返すことにより基線応
答を確立した。アンタゴニストプレインキュベーション後に、アンタゴニストの阻害効果
を定量するために、100μM CTPとアンタゴニストを同時投与した。次にアンタゴ
ニストの濃度範囲で同一の細胞についてこれらの段階を繰り返した。全ての個々の細胞に
関して最大5のアンタゴニスト濃度で試験を実施した。対照P2X電流振幅(IP2X
3−(対照))を、アンタゴニストとインキュベーションする前の最後の2回のアゴニス
ト添加由来のピーク電流振幅の平均値としてとらえた。アンタゴニスト存在下のピークP
2X電流振幅(IP2X3−(薬剤))を[数4]に従って各アンタゴニスト濃度におけ
る阻害効果の計算に使用した。
【数4】

【0213】
各アンタゴニスト濃度で少なくとも2の別個の細胞について試験した。P2X電流を
50%阻害するために必要とされる薬剤濃度(IC50)をヒルの式を各濃度の平均阻害
率%データにあてはめて求めた。
【数5】

【0214】
P2X2/3のインビトロ電気生理学的アッセイ‐プロトコルを2か所変更した以外は上
記のようにP2X2/3をアッセイした。即ち、1)アゴニストとして30μMα,β−
meATPを使用し、。2)電流振幅を2秒間のアゴニスト適用の最後に測定した。本明
細書に記載するアッセイを使用して、本発明の化合物がP2X受容体に対し活性である
ことが見出された。式Iの化合物はP2X受容体に対し100μM以下のIC50活性
を有する。本明細書に開示する式Iの化合物の多くは200nM未満のIC50を有する
。例えば、下記化合物は「アンタゴニストアフィニティー評価のための細胞内カルシウム
測定」アッセイでIC50<250nMを有する。特に、化合物1.62はIC50=2
3nM;化合物2.1はIC50=165nM;化合物3.22はIC50=42nM;
そして化合物5.61はIC50=48nMである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式Iの化合物:
【化1】

又はその医薬的に許容し得る塩ならびに個々のエナンチオマー及びジアステレオマー:
[式中、
Aは、ピリジニル、ピリミジニル、又はピリジノニルを表し;
W及びZは独立して存在しないか又はC(R、−O−、NR、CO又はSO0−
を表し;
は、H、C1−6アルキル、CF、OH、CHF、又はCHFを表し;
は、CR、(CH)nC3−10シクロアルキル、(CH)nC6−
10アリール、(CH)nC5−10ヘテロシクリルを表し、前記シクロアルキル及び
ヘテロシクリルは任意に1乃至3のR基により置換されており;
又は、R及びRは、任意に1乃至3のR基により置換されるC5−10ヘテロシク
リルを形成するようにそれらが結合される窒素と組み合わせてもよく;
及びRは独立してH、(CH)nOR、CHF、(CH)nCF、(C
)nC5−10ヘテロシクリル、(CH)nC6−10アリール、C3−10シク
ロアルキル、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニル、C(O)1−2又はC1−
アルキルを表し;前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル及びアリールは任意
に1乃至3個のR基で置換されており;
は、水素、OR、−O−、CF、C(ROR、C1−6アルキル、C
−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−10シクロアルキル、(CH)nC6−
10アリール、(CH)nC5−10ヘテロシクリルを表し、前記アルキル、アリール
及びヘテロシクリルは任意に1乃至3のR基で置換されており;
はC1−6アルキル、C3−10シクロアルキル、(CH)nC5−10ヘテロシ
クリル、又は(CH)nC6−10アリールを表し、前記アルキル、シクロアルキル、
ヘテロシクリル及びアリールは任意に1乃至3のR基で置換されており;
はC1−6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、OR(CH)nCF、−O−
、C3−6シクロアルキル、NRC(O)R、C(O)N(R,C(R
OR、C(O)R、NO、CN、N(R、C(O)OR、SO、O
、(CH)nC5−10ヘテロシクリル、又は(CH)nC6−10アリールを
表し、前記ヘテロシクリル及びアリールは任意に1乃至3のC1−6アルキル、ハロゲン
、ヒドロキシル、(CH)nCF又はCN基で置換されており;nは0乃至4を表す
、但しAがピリミジニルのときはWZRはOHではなく、AがピリジノニルのときはW
ZRは水素でない。]。
【請求項2】
は水素でありRは構造式Iaで表される請求項1記載の化合物:
【化2】

[式Ia中、
XはN又はCHであり;Rは、H、C1−6アルキル、ハロゲン、(CH)nCF
、C3−10シクロアルキル、C(R)OH、−O−、CN、(CH)nOR、(
CH)nC5−10ヘテロシクリル、(CH)nC6−10アリール、又はC1−6
アルコキシを表し;前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル及びアリールは、任
意に1乃至3のC1−6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、(CH)nCF又はC
N基で置換されている。]。
【請求項3】
XがNである請求項2記載の化合物。
【請求項4】
XがCHである請求項2記載の化合物。
【請求項5】
IaがA上の炭素原子に結合している請求項2記載の化合物。
【請求項6】
Aがピリジルである請求項1記載の化合物。
【請求項7】
Aがピリミジニルである請求項1記載の化合物。
【請求項8】
Aがピリジノニルである請求項1記載の化合物。
【請求項9】
構造式IIで表される請求項1記載の化合物;
【化3】

又はその医薬的に許容し得る塩ならびに個々のエナンチオマー及びジアステレオマー:
[式中、
W及びZは存在せず、Rは任意に1乃至3のR基で置換された(CH)nC6−1
アリール又は(CH)nC6−10ヘテロシクリルであり、、Rは、水素、−O−
、C1−6アルキル、OR、(CH)nモルホリニル、(CH)nピリジル、(C
)nピペリジニル、(CH)nオキサゾリル、(CH)nイソオキサゾリル、(
CH)nフェニル、(CH)nピペリジニル、(CH)nイミダゾリル、(CH
)nピリミジニル、シクロプロピル、シクロブチルであり、いずれも任意に1乃至3のR
基で置換され、及びRはCRであり、そのCRのRは水素で
あり、及びR及びRの一つはC1−6アルキル又は水素であり他方は(CH)nC
6−10アリール又は(CH)nC6−10ヘテロシクリルであり、前記アルキル、ア
リール及びヘテロシクリルは任意に1乃至3のR基で置換されている。]。
【請求項10】
構造式IIIで表される請求項1記載の化合物:
【化4】

又はその医薬的に許容し得る塩ならびに個々のエナンチオマー及びジアステレオマー:
[式中、
W及びZは存在せず、Rは(CH)nC6−10アリール又は(CH)nC6−1
ヘテロシクリルであり、当該アリール及びヘテロシクリルは任意に1乃至3のR基で
置換され、Rは、水素、C1−6アルキル、OR、(CH)nモルホリニル、(C
)nピリジル、(CH)nピペリジニル、(CH)nオキサゾリル、(CH
nイソオキサゾリル、(CH)nフェニル、(CH)nピペリジニル、(CH)n
イミダゾリル、(CH)nピリミジニル、シクロプロピル、シクロブチルであり、いず
れも任意に1乃至3のR基で置換され、RはCRであり、そのCR
のRは水素であり、R及びRの一つはC1−6アルキル又は水素であり他方は
(CH)nC6−10アリール又は(CH)nC6−10ヘテロシクリルであり、前
記アルキル、アリール及びヘテロシクリルは任意に1乃至3のR基で置換されている。
]。
【請求項11】
構造式IVにより表される請求項1記載の化合物:
【化5】

又はその医薬的に許容し得る塩ならびに個々のエナンチオマー及びジアステレオマー:
[式中、
W及びZは存在せず、Rは(CH)nC6−10アリール又は(CH)nC6−1
ヘテロシクリルであり、当該アリール及びヘテロシクリルは任意に1乃至3のR基で
置換され、Rは、水素、C1−6アルキル、OR、(CH)nモルホリニル、(C
)nピリジル、(CH)nピペリジニル、(CH)nオキサゾリル、(CH
nイソオキサゾリル、(CH)nフェニル、(CH)nピペリジニル、(CH)n
イミダゾリル、(CH)nピリミジニル、シクロプロピル、シクロブチルであり、いず
れも任意に1乃至3のR基で置換され、RはCRであり、そのCR
のRは水素であり、R及びRの一つはC1−6アルキル又は水素であり他方は
(CH)nC6−10アリール又は(CH)nC6−10ヘテロシクリルであり、前
記アルキル、アリール及びヘテロシクリルは任意に1乃至3のR基で置換される。]。
【請求項12】
構造式Vにより表される請求項1記載の化合物:
【化6】

又はその医薬的に許容し得る塩ならびに個々のエナンチオマー及びジアステレオマー:
[式中、
W及びZは存在せず、Rは任意に1乃至3のR基で置換された(CH)nC6−1
アリール又は(CH)nC6−10ヘテロシクリルであり、Rは−O−であり、R
はCRであり、そのCRのRは水素であり、R及びRの一
つはC1−6アルキル又は水素であり他方は(CH)nC6−10アリール又は(CH
)nC6−10ヘテロシクリルであり、前記アルキル、アリール及びヘテロシクリルは
任意に1乃至3のR基で置換されている。]。
【請求項13】
構造式VIにより表される請求項1記載の化合物:
【化7】

又はその医薬的に許容し得る塩ならびに個々のエナンチオマー及びジアステレオマー:
[式中、
W及びZは存在せず、Rは(CH)nC6−10アリール又は(CH)nC6−1
ヘテロシクリルであり、任意に1乃至3のR基で置換され、Rは、水素、C1−6
アルキル、OR、(CH)nモルホリニル、(CH)nピリジル、(CH)nピ
ペリジニル、(CH)nオキサゾリル、(CH)nイソオキサゾリル、(CH)n
フェニル、(CH)nピペリジニル、(CH)nイミダゾリル、(CH)nピリミ
ジニル、シクロプロピル、シクロブチルであり、いずれも任意に1乃至3のR基で置換
され、RはCRであり、そのCRのRは水素であり、R及び
の一つはC1−6アルキル又は水素であり他方は(CH)nC6−10アリール又
は(CH)nC6−10ヘテロシクリルであり、前記アルキル、アリール及びヘテロシ
クリルは任意に1乃至3のR基で置換されている。]。
【請求項14】
請求項13記載の化合物であって、Rはフェニル、ピリジニル、モルホリニル、ピリ
ミジニル、イミダゾリル、又はオキサゾリルであり、いずれも任意に1乃至3のR基で
置換され、CRのRは水素であり、CRのR及びRの一つは
1−6アルキル又は水素であり他方は(CH)nフェニル、(CH)nピリジル、
(CH)nピリミジニル、(CH)nトリアゾリル、ピラジニル、又は(CH)n
オキシジアゾリルであり、前記フェニル、ピリジル、ピリミジニル、トリアゾリル、ピラ
ジニル及びオキシジアゾリルは任意に1乃至3のR基で置換されている化合物。
【請求項15】
請求項14記載の化合物であって、Rは任意にフェニルで置換され、CR
のRは水素であり、CRのR及びRの一つはC1−6アルキル又は水素
であり他方は任意に(CH)nオキサジアゾリルで置換され、前記オキサジアゾリルは
任意に1乃至3のR基で置換され、Rは任意にC1−6アルキルで置換されている化
合物。
【請求項16】
表1から5に表される化合物又はその医薬的に許容し得る塩ならびに個々のエナンチオ
マー及びジアステレオマー。
【請求項17】
請求項16記載の下記化合物:
2−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)−6−モルホリン−4−イル−N−[(1S
)−1−(4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)エチル]イソニコチンアミド;
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−N
−{(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]
エチル}イソニコチンアミド;
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メチルピリミジン−5−イル)―N−
{(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エ
チル}イソニコチンアミド;
N−{(1R)−1−[6−(1,1−ジフルオロエチル)−1−オキシドピリジン−3
−イル]エチル}−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2,
2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド;
6−イソプロピル−5'−メチル−N−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)
ピリミジン−5−イル]エチル}−2,2’−ビピリジン−4−カルボキサミド;N−[
(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−2
,6−ビス(4−メチルフェニル)ピリミジン−4−カルボキサミド;
5−(2,4−ジフルオロフェニル)−N−{(1R)−1−[1−オキシド−6−(ト
リフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エチル}ニコチンアミド;
5−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロポキシ−N−[(1R)−1−(3−メチ
ル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]ニコチンアミド;
5−(4−フルオロフェニル)−1−イソプロピル−N−[(1R)−1−(3−メチル
−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ
ピリジン−3−カルボキサミド;
5−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,
2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]ニコチンアミド1−オキシド;
3−(4−フルオロフェニル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキ
シジアゾール−5−イル)エチル]−2−オキソ−2H−1,2’−ビピリジン−5−カ
ルボキサミド;5−(4−フルオロフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタ
ン−2−イル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−
5−イル)エチル]−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−(4−フルオロフェニル)−1−[(2R)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−
2−イル]−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−
イル)エチル]−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−(4−フルオロフェニル)−1−[(2S)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−
2−イル]−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−
イル)エチル]−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
又はその医薬的に許容し得る塩ならびに個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項18】
不活性担体及び請求項1記載の有効量の化合物を含む医薬組成物。
【請求項19】
請求項18記載の組成物であって、オピエートアゴニスト又はアンタゴニスト、カルシ
ウムチャネルアンタゴニスト、5HT、5HT1A完全又は部分的受容体アゴニスト又は
アンタゴニスト、ナトリウムチャネルアンタゴニスト、N−メチル−D−アスパラギン酸
(NMDA)受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、COX−2選択的阻害剤、ニューロ
キニン受容体1(NK1)アンタゴニスト、非ステロイド性抗炎症薬(「NSAID」)
、選択的セロトニン再取込み阻害剤(「SSRI」)及び/又は選択的セロトニン及びノ
ルエピネフリン再取込み阻害剤(SSNRI)、三環系抗鬱薬、ノルエピネフリンモジュ
レーター、リチウム、バルプロ酸塩、ノルエピネフリン再取込み阻害剤、モノアミンオキ
シダーゼ阻害剤(MAOI)、可逆的モノアミンオキシダーゼ阻害剤(RIMA)、アル
ファ−アドレナリン受容体アンタゴニスト、非定型抗抑鬱薬、カルシトニン遺伝子関連ペ
プチド(CGRP)アンタゴニスト、ベータ−3アドレナリン受容体アゴニスト(β3A
R)、ベンゾジアゼピン系化合物、副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)アンタゴニ
スト、ニューロンチン(ガバペンチン)及びプレガバリンから構成される群から選択され
る、1又は2種以上の治療上有効な化合物を更に含む組成物。
【請求項20】
慢性または急性の痛みの治療もしくは予防、てんかんの治療もしくは制御または睡眠の
質の改善のための方法であって、それらが必要な哺乳動物患者に治療上有効量の請求項1
に記載の式Iの化合物またはその医薬上許容される塩を投与することを含む前記方法。

【公表番号】特表2012−507533(P2012−507533A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534616(P2011−534616)
【出願日】平成21年10月21日(2009.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/061409
【国際公開番号】WO2010/051188
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】