説明

癌の治療のためのピラゾリルアミノで置換されたキナゾール



本発明は、疾病、特に癌のような増殖性疾病の治療において使用するための、そして増殖性疾病の治療において使用するための医薬の調製において使用するための式:(I)の化合物を提供し;更に、このような化合物の調製のための方法、並びにこれらを活性成分として含有する医薬組成物を提供した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キナゾリン誘導体であって、疾病、特に癌のような増殖性疾病の治療や、増殖性疾病の治療用の医薬の調製において使用されるもの、及びその調製のための方法、並びにこれらを活性成分として含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
癌(及び他の過剰増殖性疾病)は、制御されない細胞増殖によって特徴付けられる。この細胞増殖の正常な調節の喪失は、しばしば細胞周期を経由する進行を制御する、細胞系路への遺伝子的損傷の結果として起こるように見受けられる。
【0003】
真核生物において、タンパク質のリン酸化の規則正しいカスケードが、細胞周期を制御すると考えられる。このカスケードにおいて重要な役割を演じるタンパク質キナーゼのいくつかのファミリーは、いまや同定されている。多くのこれらのキナーゼの活性は、正常な組織と比較した場合、ヒトの腫瘍中で増加する。これは、タンパク質の発現の水準の増加(例えば遺伝子増幅の結果として)、或いは活性化補助因子又は阻害性タンパク質の発現の変化のいずれかによって起こることができる。
【0004】
最初に同定され、そして最も広く研究されたこれらの細胞周期制御因子は、サイクリン依存性キナーゼ(又はCDK)である。特異的時間における特異的CDKの活性は、細胞周期をとおして、開始及び協調された進行の両方において必須である。例えば、CDK4タンパク質は、細胞周期への進入(G0−G1−Sの移行)を、網膜芽細胞腫遺伝子産物pRbをリン酸化することによって制御するように見受けられる。これは、pRbからの転写因子E2Fの放出を刺激し、次いでこれは、S期への進入のために必要な遺伝子の転写を増加するように作用する。CDK4の触媒的活性は、パートナータンパク質、サイクリンDへの結合によって刺激される。癌及び細胞周期間の直接の連結の最初の証明の一つは、多くのヒトの腫瘍中で、サイクリンD1遺伝子が増幅され、そしてサイクリンDタンパク質の濃度が増加した(そして従ってCDK4の活性が増加した)ことの観察により行われた(Sherr,1996,Science 274:1672−1677;Pines,1995,Seminars in Cancer Biology 6:63−72中で概説)。他の研究(Loda et al.,1997,Nature Medicine 3(2):231−234;Gemma et al.,1996,International Journal of Cancer 68(5):605−11;Elledge et al.1996,Trends in Cell Bioligy 6;388−392)は、CDK機能の負の制御因子が、しばしばヒトの腫瘍中で、再びこれらのキナーゼの不適当な活性化に導く下方調節又は除去することを示している。
【0005】
更に最近になって、CDKファミリーとは構造的に異なるタンパク質キナーゼが同定され、これは、細胞周期を調節することにおいて重要な役割を演じ、そしてこれは、更に発癌においても重要であるように見受けられる。これらは、Drosophilaのオーロラ及びS.cerevisiaeのIpl1タンパク質のヒト相同体を含む。これらの遺伝子の三つのヒト相同体、オーロラA、オーロラB及びオーロラC(それぞれオーロラ2、オーロラ1及びオーロラ3としても知られる)は、細胞周期で調節されたセリン−トレオニンタンパク質キナーゼをコードし(Adams et al.,2001,Trends in Cell Biology.11(2):49−54中に要約)、これは、G2及び有糸分裂を通して発現及びキナーゼ活性のピークを示す。
【0006】
いくつかの観察は、癌におけるヒトオーロラタンパク質の関与を結び付けている。第1に、オーロラA遺伝子が、乳房及び大腸腫瘍の両方を含むヒトの腫瘍中でしばしば増幅される領域である染色体20ql3に位置することが知られている。オーロラAは、オーロラAのDNAが増幅され、そしてmRNAが、50%より多い原発性ヒト結腸直腸癌において過剰発現するために、この単位複製配列の主要な標的遺伝子であることができる。これらの腫瘍において、オーロラAタンパク質の濃度は、隣接する正常な組織と比較して非常に上昇しているように見受けられる。更に、ヒトオーロラAによる齧歯類の線維芽細胞の形質移入は、形質転換に導き、軟質寒天中で成長し、そしてヌードマウス中に腫瘍を形成する能力を与える(Bischoff et al.,1998,The EMBO Journal.17(11):3052−3065)。他の研究(Zhou et al.,1998,Nature Genetics.20(2):189−93)は、オーロラAの人工的過剰発現が、癌の発症における事象として知られる、中心体の数の増加及び異数性の増加に導くことを示している。
【0007】
更に、正常な細胞と比較した場合、腫瘍細胞中のオーロラB(Adams et al.,2001,Chromsoma.110(2):65−74)及びオーロラC(Kimura et al.,1999,Journal of Biological Chemitry,274(11):7334−40)の発現の増加があることも示されている。オーロラBは、癌細胞中に過剰発現し、そしてオーロラBの増加した濃度は、結腸直腸癌の進行段階と相関することが示されている(Katayama et al.,(1999)J.Natl.Cancer Inst.91:1160)。更に、一つの報告は、オーロラBの過剰発現が、セリン10におけるヒストンH3のリン酸化の増加によって異数性を誘導し、そしてオーロラBを過剰発現している細胞が、転移を発生する更に攻撃的な腫瘍を形成することを示唆している(Ota,T.et al.,2002,Cancer Res.62:5168−5177)。オーロラBは、少なくとも三つの他のパッセンジャータンパク質、サバイビン、INCENP及びボレアリンとの安定した複合体中に存在する染色体パッセンジャータンパク質である(Carmena M.et al.2003,Nat.Rev.Mol.Cell Biol.4:842−854)。サバイビンは、更に癌においても上方調節され、そしてBIR(バキュロウイルスのアポトーシスタンパク質阻害剤(IAP)繰返し)領域を含有し、そして従って、腫瘍細胞を、アポトーシス及び/又は分裂期細胞死から保護する役割を演じることができる。
【0008】
オーロラCに関して、この発現は、精巣に制限されていると考えられるが、しかし各種の癌の系で過剰発現することが見出されている(Katayama H et al,2003,Cancer and Metastasis Reviews 22:451−464)。
【0009】
重要なことに、ヒト腫瘍細胞系のアンチセンスオリゴヌクレオチド治療によるオーロラAの発現及び機能の抑止(国際特許出願公開WO97/22702及びWO99/37788)が、細胞周期の停止及びこれらの腫瘍細胞系における抗増殖性効果の発揮に導くことが証明されている。更に、オーロラA及びオーロラBの小分子阻害剤が、siRNA治療(Ditchfield et al.,2003,Journal of Cell Biology,161(2):267−280)によるオーロラBの発現のみの選択的抑止を有するために、ヒト腫瘍細胞(Keen et al.2001,Poster #2455,American Association of Cancer research annual meeting)における抗増殖性効果を有することが証明されている。これは、オーロラA及び/又はオーロラBの機能の阻害が、ヒトの腫瘍及び他の過剰増殖性疾病の治療において有用であることができる、抗増殖性効果を有するものであることを示す。一つ又はそれより多いオーロラキナーゼの阻害が、このような疾病の治療法として、細胞周期の上流のシグナル伝達経路(例えば上皮細胞成長因子受容体(EGFR)又は他の受容体のような成長因子受容体型チロシンキナーゼによって活性化されたもの)を標的とすることに対して有意な利益を有すると信じられる。細胞周期が、結局全てのこのような多様なシグナル伝達事象の下流であるために、一つ又はそれより多いオーロラキナーゼの阻害のような細胞周期に向けられた治療は、全ての増殖性腫瘍細胞に対して活性であることが予想され、一方特定のシグナル伝達分子(例えばEGFR)に向けられた方法は、これらの受容体を発現する腫瘍細胞のサブセットにおいてのみ活性であると信じられる。有意な“クロストーク”が、これらのシグナル伝達経路間に存在することは、一つの成分の阻害が、もう一つによって相殺されていることを意味することも更に信じられる。
【0010】
多くのキナゾリン誘導体が、一つ又はそれより多いオーロラキナーゼの阻害における使用のために既に提案されている。WO02/00649は、チアゾールのような5員の複素芳香族環を保有するキナゾリン誘導体を開示している。WO03/55491は、ピラゾール環によって置換されたキナゾリン誘導体を開示している。これらの化合物は、一つ又はそれより多いオーロラキナーゼを阻害し、そしてヒト腫瘍細胞系SW620からの細胞の増殖を阻害することが可能である。このような化合物の例は:
【0011】
【化1】

【0012】
である。
【発明の開示】
【0013】
この活性を有する更なる化合物が必要であるが、このような化合物が、更に、化学療法剤に対して抵抗性であることが知られた細胞において、そして特に薬物排出タンパク質を過剰発現した細胞において活性であるならば、有益であろう。薬物排出タンパク質の例として、p−糖タンパク質(MDR1)、多剤耐性関連タンパク質1、2、3、4及び5、BCRP(MXR)及びBSEP(SPGP)を含む(Gottesman M.et al.2001,Nature Reviews Cancer 2:48−58)が挙げられる。
【0014】
このような化合物が、癌のような過剰増殖性疾病の治療において、これを更に有効に使用することを可能にするより有益な物理的特性を有する場合も、有用であろう。
【0015】
本出願人は、驚くべきことに、化合物の小さい一群である、概して、WO03/55491中に記載されている化合物の選択された一つのサブグループであって、耐性細胞において優れた活性を有し、及び/又は更に有益な物理的特性を有するものを見出した。特に本発明の化合物は、低い血漿タンパク質結合を、そして従って血漿中の高い遊離薬物濃度を示す。従って、化合物は、更に効果的であることが予想される。更に、化合物がより良好な水溶解性を有すると考えられる。
【0016】
化合物は、特にオーロラAキナーゼ及び/又はオーロラBキナーゼの影響を阻害し、そして従って、癌のような増殖性疾病の治療において有用である。特に、化合物は、固形又は血液学的腫瘍を、そして更に特に、結腸直腸、乳房、肺、前立腺、膀胱、腎臓若しくは膵臓癌又は白血病或いはリンパ腫のいずれか一つ又はこれらの組合せを治療するために使用することができる。
【0017】
従って、本発明の一つの側面は、以下の式(I):
【0018】
【化2】

【0019】
[式中
は、水素であるか、又はC1−4アルコキシによって所望により置換されていてもよいC1−4アルコキシであり;
は、以下の式(IA):
【0020】
【化3】

【0021】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
の基であり;
は、水素であるか、又はC1−4アルコキシによって所望により置換されていてもよいC1−4アルキルであり;
或いはR及びRは、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式(IB):
【0022】
【化4】

【0023】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
の環を形成し;
或いはR及びRは、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式(IC):
【0024】
【化5】

【0025】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
の環を形成し、但し、この場合、Rは、C1−4アルコキシによって所望により置換されていてもよいC2−4アルコキシであることを条件とし;
は、1又は2個のハロによって所望により置換されていてもよいフェニルであり;
は、水素であるか、又はC1−4アルコキシによって所望により置換されていてもよいC1−4アルキルであり;
nは、0又は1であり;そして
Xは、CH、NH、N(C1−4アルキル)、O又はSである;]
の化合物、或いはその塩、エステル又はプロドラッグを提供する。
【0026】
更なる側面として、式(I)の化合物又は医薬的に受容可能なその塩が提供される。
【0027】
本発明は、更に以下の式(I’):
【0028】
【化6】

【0029】
[式中
は、水素であるか、又はC1−4アルコキシによって所望により置換されていてもよいC1−4アルコキシであり;
2’は、以下の式(IA’):
【0030】
【化7】

【0031】
[式中、*は、式(I’)への接続点である;]
の基であり;
3’は、水素であるか、又はC1−4アルコキシによって所望により置換されていてもよいC1−4アルキルであり;
或いはR2’及びR3’は、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式(IB’):
【0032】
【化8】

【0033】
[式中、*は、式(I’)への接続点である;]
の環を形成し;
或いはR2’及びR3’は、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式(IC’):
【0034】
【化9】

【0035】
[式中、*は、式(I’)への接続点である;]
の環を形成し、但し、この場合、Rは、C1−4アルコキシによって所望により置換されていてもよいC2−4アルコキシであることを条件とし;
は、1又は2個のハロによって所望により置換されていてもよいフェニルであり;
は、水素であるか、又はC1−4アルコキシによって所望により置換されていてもよいC1−4アルキルであり;
nは、0又は1であり;そして
Xは、CH、NH、N(C1−4アルキル)、O又はSである;]
の化合物、又はその塩を提供する。
【0036】
更なる側面として、式(I’)の化合物又は医薬的に受容可能なその塩が提供される。
【0037】
本明細書において、用語アルキルは、単独で又は接尾辞若しくは接頭辞或いは他の方法のいずれかで使用された場合、炭素及び水素原子を含んでなる、直鎖及び分枝鎖の飽和の構造を含む。プロピルのような個々のアルキル基に対する言及は、直鎖変種のみに対して特定的であり、そしてtert−ブチルのような個々の分枝鎖アルキル基に対する言及は、分枝鎖変種のみに対して特定的である。
【0038】
m−nアルキル及び他の用語中の接頭辞Cm−n(ここでm及びnは整数である)は、基中に存在する炭素原子の範囲を示し、例えばC1−4アルキルは、Cアルキル(メチル)、Cアルキル(エチル)、Cアルキル(プロピル及びイソプロピル)、及びCアルキル(ブチル、sec−ブチル、イソブチル及びtert−ブチル)を含む。
【0039】
用語Cm−nアルコキシは、−O−Cm−nアルキル基からなる。
【0040】
用語ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを含む。
【0041】
ホスホノオキシは、式−OP(O)(OH)の基である。然しながら、用語“ホスホノオキシ”は、更にナトリウム又はカリウムイオンのようなアルカリ金属イオン、又はアルカリ土類金属イオン、例えばカルシウム又はマグネシウムイオンと形成されるもののような、この基の塩を含むこともできる。
【0042】
本明細書は、一つより多い官能基を含んでなる基を記載するために複合用語の使用を行うことができる。このような用語は、当技術において理解されるように翻訳されるべきである。
【0043】
所望による置換基が、1若しくは2個又はそれより多い基或いは置換基から選択される場合、この定義が、規定された基の一つから選択される全ての置換基を含む、即ち全ての置換基が同一であるか、或いは置換基が、規定された基の二つ又はそれより多くから選択される、即ち置換基が同一ではないことは理解されることである。
【0044】
本発明の化合物は、コンピューターソフトウェア(ACD/Name Version 8.0)の援助により命名されている。
【0045】
いずれものR基又はいずれもの部分のために、或いはこのような基の置換基のために適した意義は:
1−4アルキルのために: メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル及びtert−ブチル;
1−4アルコキシのために: メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ及びtert−ブトキシ;
2−4アルコキシのために: エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ及びtert−ブトキシ;
を含む。
【0046】
本発明において、本発明の化合物が、互変異性の現象を示すことができ、そして本明細書内の式の図面が、可能な互変異性の形態の一つのみを表すことができることは理解されることである。本発明が、オーロラキナーゼ阻害活性を、そして特にオーロラA及び/又はオーロラBキナーゼ阻害活性を有するいずれもの互変異性の形態を包含し、そして単に式の図面で使用されたいずれか一つの互変異性の形態に制約されないことは理解されることである。
【0047】
本発明のある種の化合物及びその塩が、例えば水和された形態のような溶媒和された形態で、並びに溶媒和されない形態で存在することができることも更に理解されることである。本発明が、オーロラキナーゼ阻害活性を、そして特にオーロラA及び/又はオーロラBキナーゼ阻害活性を有する全てのこのような溶媒和された形態を包含することは理解されることである。
【0048】
本発明は、本明細書中で定義したとおりの式(I)又は式(I’)の化合物、並びにその塩に関する。医薬組成物中で使用するための塩は、医薬的に受容可能な塩であるものであるが、しかし他の塩は、式(I)又は式(I’)の化合物及びこれらの医薬的に受容可能な塩の製造において有用であることができる。本発明の医薬的に受容可能な塩は、例えば、このような塩を形成するために十分に塩基性である、本明細書中で先に定義したとおりの式(I)又は式(I’)の化合物の酸付加塩を含むことができる。このような酸付加塩は、制約されるものではないが、フマル酸(furmarate)、メタンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、クエン酸及びマレイン酸塩、並びにリン酸及び硫酸と形成された塩を含む。更に、式(I)又は(I’)の化合物が十分に酸性である場合、塩は、塩基塩であり、そして例は、制約されるものではないが、アルカリ金属塩、例えばナトリウム又はカリウム、アルカリ土類金属、例えばカルシウム又はマグネシウム、或いは有機アミン塩、例えばトリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、ジベンジルアミン又はリシンのようなアミノ酸を含む。
【0049】
式(I)の化合物は、更にin vivoで加水分解可能なエステルとしても提供される。ヒドロキシ基を含有する式(I)の化合物の、in vivoで加水分解可能なエステルは、例えばヒト又は動物の体内で開裂して、母体酸又はアルコールを産生する医薬的に受容可能なエステルである。このようなエステルは、例えば試験中の化合物を試験動物に静脈内的に投与し、そしてその後、試験動物の体液を試験することによって同定することができる。式(I’)の化合物は、式(I)の化合物のin vivoで加水分解可能なエステルの例である。
【0050】
ヒドロキシのために適した医薬的に受容可能なエステルは、リン酸エステル(ホスホルアミド酸環式エステルを含む)のような無機エステル及びα−アシルオキシアルキルエーテル、並びにエステル分解のin vivoの加水分解の結果として、母体ヒドロキシ基/複数の基を与える関連する化合物を含む。α−アシルオキシアルキルエーテルの例は、アセトキシメトキシ及び2,2−ジメチルプロピオニルオキシメトキシを含む。ヒドロキシのためのin vivoで加水分解可能なエステル形成基の選択は、C1−10アルカノイル、例えばホルミル、アセチル;ベンゾイル;フェニルアセチル;置換されたベンゾイル及びフェニルアセチル;C1−10アルコキシカルボニル(炭酸アルキルエステルを与える)、例えばエトキシカルボニル;ジ−C1−4アルキルカルバモイル及びN−(ジ−C1−4アルキルアミノエチル)−N−C1−4アルキルカルバモイル(カルバミン酸エステルを与える);ジ−C1−4アルキルアミノアセチル並びにカルボキシアセチルを含む。フェニルアセチル及びベンゾイル上の環の置換基の例は、アミノメチル、C1−4アルキルアミノメチル及びジ−(C1−4アルキル)アミノメチル、並びに環の窒素原子からメチレン連結基を経由して、ベンゾイル環の3−又は4−位に連結されたモルホリノ又はピペラジノを含む。他の関心のあるin vivoで加水分解可能なエステルは、例えば、RC(O)OC1−6アルキル−CO−を含み、ここにおいてRは、例えばベンジルオキシ−C1−4アルキル又はフェニルである。このようなエステル中のフェニル基上の適した置換基は、例えば、4−C1−4ピペラジノ−C1−4アルキル、ピペラジノ−C1−4アルキル及びモルホリノ−C1−4アルキルを含む。
【0051】
式(I)の化合物は、更にヒト又は動物の体内で分解して、式(I)の化合物を与えるプロドラッグの態様で投与することもできる。プロドラッグの例は、式(I)の化合物のin vivoで加水分解可能なエステルを含む。プロドラッグの各種の形態は、当技術において既知である。このようなプロドラッグ誘導体の例として:
a) Desigan of Prodrugs,edited by H.Bundgaard,(Elsevier,1985)and Methods in Enzymology,Vol.42,p.309−396,edited by K.Widder,et al.(Academic Press,1985);
b) A Textbook of Drug Design and Development,edited by Krogsgaard−Larsen and H.Bundgaard,Chapter 5“Design and Application of Prodrugs”,by H.Bundgaard p.113−191(1991);
c) H.Bundgaard,Advanced Drug Delivery Reviews,8,1−38(1992);
d) H.Bundgaard,et al.,Journal of Pharmaceutical Sciences,77,285(1988);及び
e) N.Kakeya,et al.,Chem.Pharm.Bull.,32,692(1984);
を参照されたい。
【0052】
式(I)及び/又は(I’)の化合物のためのR、R、R、n及びXの特別な意義は、以下のとおりである。このような意義は、定義、特許請求の範囲又は本明細書中で定義される態様のいずれにおいても、適宜に使用することができる。
【0053】
本発明の一つの側面において、Rは、メトキシによって所望により置換されていてもよいC1−4アルコキシである。もう一つの側面において、Rは、メトキシ、エトキシ又はメトキシエトキシである。
【0054】
本発明の一つの側面において、Rは、1又は2個のフルオロ或いはクロロによって所望により置換されていてもよいフェニルである。もう一つの側面において、Rは、フェニル、3−フルオロフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2−フルオロ−3−クロロフェニル又は2−フルオロ−4−クロロフェニルである。更なる側面において、Rは、3−フルオロフェニル又は2,3−ジフルオロフェニルである。
【0055】
本発明の一つの側面において、Rは、水素、メチル、エチル又はイソプロピルである。もう一つの側面において、Rは、水素又はメチルである。
【0056】
本発明の一つの側面において、nは、0である。
【0057】
本発明の一つの側面において、Xは、CH、NH又はNMeである。もう一つの側面において、Xは、CHである。
【0058】
式(I)の化合物のためのR及びRの特別な意義は、以下のとおりである。このような意義は、定義、特許請求の範囲又は本明細書中で定義される態様のいずれかおいても、適宜に使用することができる。
【0059】
本発明の一つの側面において、Rは、2−ヒドロキシエチル、(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、(1S)−2−ヒドロキシ−1−エチルエチル、(1S)−2−ヒドロキシ−1−イソプロピルエチル又は(1S)−2−ヒドロキシ−1−(メトキシメチル)エチルである。もう一つの側面において、Rは、2−ヒドロキシエチル又は(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチルである。
【0060】
本発明の一つの側面において、Rは、水素、メチル、エチル又はメトキシエチルである。
【0061】
本発明の一つの側面において、R及びRは、これらが接続している窒素原子といっしょに:
【0062】
【化10】

【0063】
を形成する。
【0064】
もう一つの側面において、R及びRは、これらが接続している窒素原子といっしょに:
【0065】
【化11】

【0066】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成するか;或いは、R及びRは、これらが接続している窒素原子といっしょに:
【0067】
【化12】

【0068】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成し、そして、この場合、Rが、エトキシ又はメトキシエトキシであることを条件とする。
【0069】
もう一つの側面において、R及びRは、これらが接続している窒素原子といっしょに:
【0070】
【化13】

【0071】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成するか;或いは、R及びRは、これらが接続している窒素原子といっしょに:
【0072】
【化14】

【0073】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成し、そして、この場合、Rが、エトキシ又はメトキシエトキシであることを条件とする。
【0074】
更なる側面において、R及びRは、これらが接続している窒素原子といっしょに:
【0075】
【化15】

【0076】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成する。
【0077】
式(I’)の化合物のためのR2’及びR3’の特別な意義は、以下のとおりである。このような意義は、定義、特許請求の範囲又は本明細書中で定義される態様のいずれにおいても、適宜に使用することができる。
【0078】
本発明の一つの側面において、R2’は、2−ホスホノオキシエチル、(1S)−2−ホスホノオキシ−1−メチルエチル、(1S)−2−ホスホノオキシ−1−エチルエチル、(1S)−2−ホスホノオキシ−1−イソプロピルエチル又は(1S)−2−ホスホノオキシ−1−(メトキシメチル)エチルである。もう一つの側面において、R2’は、2−ホスホノオキシエチル又は(1S)−2−ホスホノオキシ−1−メチルエチルである。
【0079】
本発明の一つの側面において、R3’は、水素、メチル、エチル又はメトキシエチルである。
【0080】
本発明の一つの側面において、R2’及びR3’は、これらが接続している窒素原子といっしょに:
【0081】
【化16】

【0082】
を形成する。
【0083】
もう一つの側面において、R2’及びR3’は、これらが接続している窒素原子といっしょに:
【0084】
【化17】

【0085】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成するか;或いは、R2’及びR3’は、これらが接続している窒素原子といっしょに:
【0086】
【化18】

【0087】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成し、そして、この場合、Rが、エトキシ又はメトキシエトキシであることを条件とする。
【0088】
もう一つの側面において、R2’及びR3’は、これらが接続している窒素原子といっしょに:
【0089】
【化19】

【0090】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成するか;或いは、R2’及びR3’は、これらが接続している窒素原子といっしょに:
【0091】
【化20】

【0092】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成し、そして、この場合、Rが、エトキシ又はメトキシエトキシであることを条件とする。
【0093】
更なる側面において、R2’及びR3’は、これらが接続している窒素原子といっしょに:
【0094】
【化21】

【0095】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成する。
【0096】
化合物の特別な群は:
が、メトキシによって所望により置換されていてもよいC1−4アルコキシであり;
は、以下の式(IA):
【0097】
【化22】

【0098】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
の基であり;
は、水素又はC1−4アルコキシによって所望により置換されていてもよいC1−4アルキルであり;
或いはR及びRは、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式(IB):
【0099】
【化23】

【0100】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
の環を形成し;
或いはR及びRは、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式(IC):
【0101】
【化24】

【0102】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
の環を形成し、但しこの場合、Rが、メトキシによって所望により置換されていてもよいC2−4アルコキシであることを条件とし;
は、1又は2個のフルオロ或いはクロロによって所望により置換されていてもよいフェニルであり;
は、水素、メチル、エチル又はイソプロピルであり;
nは、0又は1であり;そして
Xは、CH、NH又はNMeである;
である式(I)のもの、或いはその塩、エステル又はプロドラッグである。
【0103】
化合物の特別な群は:
が、メトキシ、エトキシ又はメトキシエトキシであり;
は、2−ヒドロキシエチル、(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、(1S)−2−ヒドロキシ−1−エチルエチル、(1S)−2−ヒドロキシ−1−イソプロピルエチル又は(1S)−2−ヒドロキシ−1−(メトキシメチル)エチルであり;
は、水素、メチル、エチル又はメトキシエチルであり;
或いはR及びRは、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式:
【0104】
【化25】

【0105】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成し;或いはR及びRは、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式:
【0106】
【化26】

【0107】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成し、そしてこの場合、Rが、エトキシ又はメトキシエトキシであることを条件とし;そして
は、フェニル、3−フルオロフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2−フルオロ−3−クロロフェニル又は2−フルオロ−4−クロロフェニルである;
である式(I)のもの、或いはその塩、エステル又はプロドラッグである。
【0108】
化合物のもう一つの特別な群は:
が、メトキシ、エトキシ又はメトキシエトキシであり;
は、2−ヒドロキシエチル又は(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチルであり;
は、水素、メチル、エチル又はメトキシエチルであり;或いは
及びRは、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式:
【0109】
【化27】

【0110】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成し;そして
は、3−フルオロフェニル又は2,3−ジフルオロフェニルである;
である式(I)のもの、或いはその塩、エステル又はプロドラッグである。
【0111】
化合物の特別な群は:
が、メトキシによって所望により置換されていてもよいC1−4アルコキシであり;
2’は、以下の式(IA):
【0112】
【化28】

【0113】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
の基であり;
3’は、水素又はC1−4アルコキシによって所望により置換されていてもよいC1−4アルキルであり;
或いはR2’及びR3’は、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式(IB):
【0114】
【化29】

【0115】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
の環を形成し;
或いはR2’及びR3’は、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式(IC’):
【0116】
【化30】

【0117】
[式中、*は、式(I’)への接続点である;]
の環を形成し、但しこの場合、Rが、メトキシによって所望により置換されていてもよいC2−4アルコキシであることを条件とし;
は、1又は2個のフルオロ或いはクロロによって所望により置換されていてもよいフェニルであり;
は、水素、メチル、エチル又はイソプロピルであり;
nは、0又は1であり;そして
Xは、CH、NH又はNMeである;
である式(I’)のもの、又はその塩である。
【0118】
化合物のもう一つの特別な群は:
1’が、メトキシ、エトキシ又はメトキシエトキシであり;
2’は、2−ホスホノオキシエチル又は(1S)−2−ホスホノオキシ−1−メチルエチルであり;
3’は、水素、メチル、エチル又はメトキシエチルであり;
或いはR2’及びR3’は、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式:
【0119】
【化31】

【0120】
[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成し;
は、3−フルオロフェニル又は2,3−ジフルオロフェニルである;
である式(I’)のもの、又はその塩である。
【0121】
本発明の特別な態様は、以下の化合物:
N−(3−フルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(3−フルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(3−フルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(3−フルオロフェニル)−2−(3−{[5−(2−{[(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ}エトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチルピペラジン−1−イル]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(7−エトキシ−5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}キナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(7−エトキシ−5−{2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}キナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;及び
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(7−エトキシ−5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}キナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
或いはその塩、エステル又はプロドラッグ、そして更に特別に医薬的に受容可能なその塩のいずれか一つ又はいずれもの組合せである。
【0122】
本発明の更なる特別な態様は、以下の化合物:
N−(3−フルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[7−エトキシ−5−(2−{[(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ}エトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[7−エトキシ−5−(2−{[(1S)−1−(ヒドロキシメチル)プロピル]アミノ}エトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[7−エトキシ−5−(2−{[(1S)−1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル]アミノ}エトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[7−エトキシ−5−(2−{[(1R)−2−ヒドロキシ−1−(メトキシメチル)エチル]アミノ}エトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}−N−フェニルアセトアミド;
N−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2R)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
N−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;又は
N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
或いはその塩、エステル又はプロドラッグ、そして更に特別に医薬的に受容可能なその塩のいずれか一つ又はいずれもの組合せである。
【0123】
本発明の更なる特別な態様は、以下の化合物:
リン酸二水素2−[(2−{[4−[(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−5−イル]オキシ}エチル)(メチル)アミノ]エチル;
リン酸二水素2−[(2−{[4−[(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−5−イル]オキシ}エチル)(エチル)アミノ]エチル;
リン酸二水素[(2S)−1−(2−{[4−[(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−5−イル]オキシ}エチル)ピロリジン−2−イル]メチル;
リン酸二水素2−[[2−({4−[(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−メトキシキナゾリン−5−イル}オキシ)エチル](2−メトキシエチル)アミノ]エチル;
リン二酸水素{(2S)−1−[2−({4−[(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−メトキシキナゾリン−5−イル}オキシ)エチル]ピロリジン−2−イル}メチル;
リン酸二水素2−[[2−({4−[(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−メトキシキナゾリン−5−イル}オキシ)エチル]メチルアミノ]エチル;及び
リン酸二水素(2S)−2−{[2−({4−[(5−{2−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−メトキシキナゾリン−5−イル}オキシ)エチル]アミノ}プロピル;
或いはその塩、エステル又はプロドラッグ、そして更に特別に医薬的に受容可能なその塩のいずれか一つ又はいずれもの組合せである。
【0124】
本発明は、更に式(I)の化合物、或いはその塩、エステル又はプロドラッグの調製のための方法を提供し、この方法は、以下の式(II):
【0125】
【化32】

【0126】
[式中、Lは、ハロ(例えばクロロ)のような脱離基である;]
の化合物を、以下の式(III):
【0127】
【化33】

【0128】
のアミンと反応させ、そしてその後、必要な場合:
i)式(I)の化合物を、もう一つの式(I)の化合物に転換すること;
ii)いずれもの保護基を除去すること;及び/又は
iii)塩、エステル又はプロドラッグを形成すること;
ことを含んでなり、ここで、R、R、R及びRは、本明細書中で定義したとおりである。
【0129】
この方法のために適した反応条件は、式(II)の化合物を、過剰の式(III)のアミンと、ジメチルアセトアミドのような不活性溶媒中で、適した触媒(ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム又はヨウ化カリウム)の添加を伴い、又は伴わずに、50ないし100℃の温度で12ないし72時間加熱することを含む。別の方法として、式(II)中の脱離基Lは、カルボキシアルデヒドであることができ、この場合アミン(III)との反応は、還元的条件下で、水素化シアノホウ素ナトリウムのような還元剤を使用して行うことができる。
【0130】
式(III)のアミンは、当技術において既知であるか、又は当業者によって当技術において既知の方法を使用して調製することができる。
【0131】
この方法は、更に式(II)の化合物の調製のための方法を含んでなり、この方法は、以下の式(IV):
【0132】
【化34】

【0133】
[式中、Lは、ハロ(例えばクロロ)のような脱離基である;]
の化合物の、以下の式(V):
【0134】
【化35】

【0135】
の化合物との反応を含んでなる。
【0136】
この反応は、式(IV)の化合物を、式(V)の化合物と、イソプロパノール又はジメチルアセトアミドのような溶媒中で、塩酸のような酸触媒の存在又は非存在中で、20ないし100℃の温度で2ないし24時間加熱するような、文献中に記載されている範囲の条件下で行うことができる。
【0137】
この方法は、別の方法として、式(II)の化合物の調製のための方法を含んでなることができ、この方法は、以下の式(VI):
【0138】
【化36】

【0139】
の化合物の、以下の式(VII):
【0140】
【化37】

【0141】
[式中、Lは、本明細書中で記載したとおりである;]
の化合物との反応を含んでなる。
【0142】
この反応は、式(VI)の化合物を、式(VII)の化合物と、テトラヒドロフランのような溶媒中で、アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチルのような適したカップリング試薬及びトリフェニルホスフィンのような適したホスフィンの存在中の、20ないし60℃の温度で1ないし5時間カップリングするような、文献中に記載されている範囲の条件下で行うことができる。
【0143】
この方法は、別の方法として、式(II)の化合物の調製のための方法を含んでなることができ、この方法は、以下の式(VIII):
【0144】
【化38】

【0145】
[式中、Lは、本明細書中で先に定義したとおりである;]
の化合物の、以下の式(IX):
【0146】
【化39】

【0147】
の化合物との反応を含んでなる。
【0148】
この反応は、式(VIII)の化合物を、式(IX)の化合物と、ジメチルホルムアミドのような溶媒中で、トリフルオロ酢酸ペンタフルオロフェニルのような適したカップリング試薬及びピリジンの存在中で、0ないし60℃の温度で1ないし24時間カップリングするような、文献中に記載されている範囲の条件下で行うことができる。
【0149】
式(IV)の化合物は、以下の式(X):
【0150】
【化40】

【0151】
の化合物から、オキシ塩化リンのような適した塩素化剤と共に、1,2−ジクロロエタン又はアセトニトリルのような適した溶媒中で、ジ−イソ−プロピルエチルアミンのような適した塩基の存在中で、0ないし80℃の温度で2ないし24時間で調製することができる。
【0152】
式(X)の化合物は、既知の化合物であるか、又はこれらは、慣用的な方法によって調製することができるかのいずれかである。特に、式(X)の化合物は、以下の式(XI):
【0153】
【化41】

【0154】
[式中、PGは、ピバロイルオキシメチルのような適した保護基である;]
の化合物の、以下の式(XII):
【0155】
【化42】

【0156】
[式中、Rは、本明細書中で先に定義したとおりである;]
の化合物との反応;それに続く保護基PGの除去によって調製することができる。
【0157】
この反応は、式(XI)の化合物を、式(XII)の化合物と、テトラヒドロフランのような溶媒中で、アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチルのような適したカップリング試薬及びトリフェニルホスフィンのような適したホスフィンの存在中で、20ないし60℃の温度で1ないし5時間カップリングするような、文献中に記載されている範囲の条件下で行うことができる。
【0158】
式(XI)の化合物は、既知の化合物であるか、又はこれらは、慣用的な方法によって調製することができるかのいずれかである。特に、式(XI)の化合物は、以下の式(XIII):
【0159】
【化43】

【0160】
[式中、PG及びPGは、それぞれピバロイルオキシメチル及びベンジルのような適した保護基である;]
の化合物の、式(VII)の化合物との、テトラヒドロフランのような溶媒中の、アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチルのような適したカップリング試薬及びトリフェニルホスフィンのような適したホスフィンの存在中の、20ないし60℃の温度で1ないし5時間の反応;それに続く保護基PGの除去によって調製することができる。
【0161】
式(XIII)の化合物は、文献によって製造され、そして特に、PGがピバロイルオキシメチルであり、そしてPGが、ベンジルである化合物は、文献中で既知である。
【0162】
この方法は、更に式(VI)の化合物の調製のための方法を含んでなり、この方法は、以下の式(XIV):
【0163】
【化44】

【0164】
の化合物の、ピリジン塩酸塩のような適した脱メチル試薬との、ピリジンのような適した溶媒中の、90ないし100℃の温度における5ないし8時間の反応を含んでなる。
【0165】
式(XIV)の化合物は、以下の式(XV):
【0166】
【化45】

【0167】
[式中、Lは、ハロ(例えばクロロ)のような脱離基である;]
の化合物の、式(V)の化合物との反応によって調製することができる。
【0168】
この反応は、式(XV)の化合物を、式(V)の化合物と、イソプロパノール又はジメチルアセトアミドのような溶媒中で、塩酸のような酸触媒の存在又は非存在中で、20ないし100℃で2ないし24時間加熱するような、文献中に記載されている範囲の条件下で行うことができる。
【0169】
式(XV)の化合物は、既知の化合物であるか、又はこれらは、慣用的な方法によって調製することができるかのいずれかである。特に、式(XV)の化合物は、以下の式(XVI):
【0170】
【化46】

【0171】
の化合物の、オキシ塩化リンのような適した塩素化剤との、1,2−ジクロロエタン又はアセトニトリルのような適した溶媒中の、ジ−イソプロピルエチルアミンのような適した塩基の存在中の、0ないし80℃の温度で2ないし24時間の反応によって調製することができる。
【0172】
式(XVI)の化合物は、既知の化合物であるか、又はこれらは、慣用的な方法によって調製することができるかのいずれかである。特に、式(XVI)の化合物は、以下の式(XVII):
【0173】
【化47】

【0174】
の化合物の、ナトリウムメトキシドとの、ジメチルホルムアミドのような適した溶媒中の、110℃のような温度における12ないし24時間の反応によって調製することができる。
【0175】
式(XVII)の化合物は、既知の化合物であるか、又はこれらは、慣用的な方法によって調製することができるかのいずれかである。特に、式(XV)の化合物は、Rが本明細書中で定義されたとおりである式(XII)の化合物の、5,7−ジフルオロキナゾロンとの、ジメチルホルムアミドのような溶媒中の、90℃のような温度における2ないし12時間の反応によって調製することができる。
【0176】
この方法は、更に式(V)の化合物の調製のための方法を含んでなることができ、この方法は、以下の式(XVIII):
【0177】
【化48】

【0178】
の化合物の、式(IX)の化合物との、トリフルオロ酢酸ペンタフルオロフェニルのようなカップリング試薬及びピリジンの存在中の、ジメチルホルムアミドのような溶媒中の、不活性の、そして無水の条件下の反応を含んでなる。
【0179】
式(XVIII)の化合物は、文献に従って製造される。
【0180】
この方法は、更に式(VIII)の化合物の調製のための方法を含んでなり、この方法は、式(IV)の化合物の、式(XVIII)の化合物との反応を含んでなる。この反応は、式(IV)の化合物を、式(XVIII)の化合物と、イソプロパノール又はジメチルアセトアミドのような溶媒中で、塩酸のような酸触媒の存在又は非存在中で、20ないし100℃の温度で2ないし24時間カップリングするような、文献中に記載されている範囲の条件下で行うことができる。
【0181】
もう一つの側面において、本発明は、式(I’)の化合物又はその塩の調製のための方法を提供し、この方法は、式(I)の化合物を、式(I’)の化合物に、適当なヒドロキシ基のリン酸化によって転換すること、並びにその後、必要な場合:
i)式(I’)の化合物を、もう一つの式(I’)の化合物に転換すること;
ii)いずれもの保護基を除去すること;及び/又は
iii)塩を形成すること;
を含んでなる。
【0182】
リン酸化は、適当には、1−Hテトラゾール(或いはS−エチルテトラゾール又は塩酸ピリジニウムのような適した置換え)及びホスホルアミド酸ジ−tert−ブチルジエチルによる、5ないし35℃における不活性雰囲気下の、30分ないし4時間の処理、それに続くメタ−クロロペル安息香酸(mCPBA)又は過酸化水素の30%水溶液のような酸化剤による−10ないし25℃における2ないし18時間の処理によって行うことができる。リン酸基を得るためのtert−ブチル基の脱保護は、これらの試薬による最終段階として必要であり、そして1,4−ジオキサン中の4.0Nの塩酸による、10ないし35℃で12ないし18時間の処理によって容易に達成することができる。
【0183】
本発明の化合物中の各種の環の置換基のあるものが、標準的な芳香族置換反応によって導入するか、或いは上述の方法の前又は直後のいずれかの慣用的な官能基の改変によって産生することができ、そしてこのようなことは、本発明の方法の側面に含まれることは認識されるものである。このような反応及び改変は、例えば芳香族置換反応による置換基の導入、置換基の還元、置換基のアルキル化及び置換基の酸化を含む。このような方法のための試薬及び反応条件は、化学技術において公知である。芳香族置換反応の特別な例は、濃硝酸を使用するニトロ基の導入、例えばアシルハロゲン化物及びルイス酸(三塩化ナトリウムのような)を使用するフリーデルクラフツ条件下のアシル基の導入;アルキルハロゲン化物及びルイス酸(三塩化ナトリウムのような)を使用するフリーデルクラフツ条件下のアルキル基の導入;及びハロゲン基の導入を含む。改変の特別な例は、例えばニッケル触媒による接触水素化によるニトロ基のアミノ基への還元、又は加熱を伴う塩酸の存在中の鉄による処理;アルキルチオのアルキルスルフィニル又はアルキルスルホニルへの酸化を含む。
【0184】
本明細書中で記述したいくつかの反応において、化合物中のいずれもの感受性の基を保護することが必要/好ましいことであることができることも更に認識されるものである。保護が必要又は好ましいことである事例及び保護のために適した方法は、当業者にとって既知である。慣用的な保護基は、標準的習慣によって使用することができる(例示として、T.W.Green,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley and Sons,1991を参照されたい)。従って、反応物がアミノ、カルボキシ又はヒドロキシのような基を含む場合、本明細書中で記述する反応のいくつかにおいてこれらの基を保護することが好ましいことであることができる。
【0185】
アミノ又はアルキルアミノ基のために適した保護基は、例えば、アシル基、例えばアセチルのようなアルカノイル基、アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル又はtert−ブトキシカルボニル、アリールメトキシカルボニル基、例えばベンゾイルオキシカルボニル基、或いはアロイル基、例えばベンゾイル基である。上記の保護基のための脱保護条件は、保護基の選択のよって、必然的に変化する。従って、例えば、アルカノイル又はアルコキシカルボニルのようなアシル基、或いはアロイル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウム又はナトリウムのような適した塩基による加水分解によって除去することができる。別の方法として、tert−ブトキシカルボニル基のようなアシル基は、例えば、塩酸、硫酸又はリン酸或いはトリフルオロ酢酸のような適した酸による処理によって除去することができ、そしてベンジルオキシカルボニル基のようなアリールメトキシカルボニル基は、例えば、炭素上のパラジウムのような触媒上の水素化によって、或いはルイス酸例えばトリス(トリフルオロ酢酸)ホウ素による処理によって除去することができる。第一アミノ基のための適した別の保護基は、例えばフタロイル基であり、これは、アルキルアミン、例えばジメチルアミノプロピルアミンによる、又はヒドラジンによる処理によって除去することができる。
【0186】
ヒドロキシ基のために適した保護基は、例えば、アシル基、例えばアセチルのようなアルカノイル基、アロイル基、例えばベンゾイル、又はアリールメチル基、例えばベンジルである。上記の保護基のための脱保護条件は、保護基の選択により、必然的に変化するものである。従って、例えば、アルカノイルのようなアシル基又はアロイル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウム又はナトリウムのような適した塩基による加水分解によって除去することができる。別の方法として、ベンジル基のようなアリールメチル基は、例えば、炭素上のパラジウムのような触媒上の水素化によって除去することができる。
【0187】
カルボキシ基のために適した保護基は、例えばエステル化基、例えば、例えば水酸化ナトリウムのような塩基による加水分解によって除去することができる、メチル又はエチル基、或いは例えば、例えば酸、例えばトリフルオロ酢酸のような有機酸による処理によって除去することができる、tert−ブチル基、或いは例えば、例えば炭素上のパラジウムのような触媒上の水素化によって除去することができる、ベンジル基である。
【0188】
保護基は、合成のいずれもの好都合な段階において、化学技術において公知の慣用的な技術を使用して除去することができる。
【0189】
本発明の更なる側面によれば、本明細書中で定義したとおりの式(I)の化合物、或いはその医薬的に受容可能な塩、エステル又はプロドラッグを、医薬的に受容可能な希釈剤又は担体と共に含んでなる医薬組成物が提供される。
【0190】
更に提供されるものは、本明細書中で定義したとおりの式(I’)の化合物、又は医薬的に受容可能なその塩を、医薬的に受容可能な希釈剤又は担体と共に含んでなる医薬組成物である。
【0191】
本発明の組成物は、経口使用(例えば錠剤、ロザンジ、硬質又は軟質カプセル、水性又は油性懸濁液、乳液、分散性粉末又は顆粒、シロップ又はエリキシル)、局所使用(例えばクリーム、軟膏、ゲル、或いは水性又は油性溶液若しくは懸濁液)、吸入による投与(例えば微細に分割された粉末又は液体エアゾール)、注入による投与(例えば微細に分割された粉末)又は非経口投与(例えば静脈内、皮下、筋肉内又は筋肉内投与にための滅菌水性又は油性溶液、或いは直腸投与のための座薬)のために適した形態であることができる。
【0192】
本発明の組成物は、慣用的な方法によって、当技術において公知の慣用的な医薬賦形剤を使用して得ることができる。従って、経口使用を意図した組成物は、例えば一つ又はそれより多い着色剤、甘味剤、芳香剤及び/又は保存剤を含有することができる。
【0193】
錠剤の製剤のために適した医薬的に受容可能な賦形剤は、例えばラクトース、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム又は炭酸カルシウムのような不活性な希釈剤、トウモロコシデンプン又はアルギン酸のような顆粒化及び崩壊剤;デンプンのような結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクのような潤滑剤;−ヒドロキシ安息香酸エチル又はプロピルのような保存剤、並びにアスコルビン酸のような抗酸化剤を含む。錠剤の製剤は、被覆されないか、或いはその崩壊及びその後の胃腸管内の活性成分の吸収を改良するために、又はその安定性及び/又は外観を改良するためにのいずれかのために被覆された形態であることができ、いずれの場合も当技術において公知の慣用的な被覆剤及び方法を使用して被覆される。
【0194】
経口使用のための組成物は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンと混合された硬質ゼラチンカプセル、或いは活性成分が、水或いはピーナッツ油、液体パラフィン、大豆油、ヤシ油、又は好ましくはオリーブ油のような油、或いはいずれもの他の受容可能なベヒクルと混合された軟質ゼラチンカプセルの形態であることができる。
【0195】
水性懸濁液は、一般的に微細に分割された粉末の形態の活性成分を、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴムのような一つより多い懸濁剤;レシチン又はアルキレンオキシドの脂肪酸との縮合生成物(例えばステアリン酸ポリオキシエチレン)のような分散又は湿潤剤、或いはエチレンオキシドの長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、或いはモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールのようなエチレンオキシドの、脂肪酸及びヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物、或いはエチレンオキシドの長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、或いはモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールのようなエチレンオキシドの、脂肪酸及びヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物、或いはエチレンオキシドの、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリエチレンソルビタンといっしょに含有する。水性懸濁液は、更に一つ又はそれより多い保存剤(−ヒドロキシ安息香酸エチル又はプロピルのような)、抗酸化剤(アスコルビン酸のような)、着色剤、芳香剤、及び/又は甘味剤(スクロース、サッカリン又はアスパルタームのような)を含有することもできる。
【0196】
油性懸濁液は、活性成分を、植物油(ピーナッツ油、オリーブ油、ゴマ油又はヤシ油のような)又は鉱物油(液体パラフィンのような)中に懸濁することによって処方することができる。油性懸濁液は、更に蜜蝋、硬質パラフィン又はセチルアルコールのような増粘剤を含有することもできる。先に記載したもののような甘味剤、及び芳香剤を、口当たりのよい経口製剤を得るために加えることができる。これらの組成物は、アスコルビン酸のような抗酸化剤の添加によって保存することができる。
【0197】
水の添加による水性懸濁液又は溶液の調製のために適した分散性或いは凍結乾燥された粉末及び顆粒は、一般的に活性成分を、分散又は湿潤剤、懸濁剤及び一つ又はそれより多い保存剤といっしょに含有する。適した分散又は湿潤剤及び懸濁剤は、既に先に記述したものによって例示されている。甘味剤、芳香剤及び着色剤のような更なる賦形剤も更に存在することができる。
【0198】
本発明の医薬組成物は、更に水中油乳剤の形態であることもできる。油相は、オリーブ油又はピーナッツ油のような植物油、或いは例えば液体パラフィンのような鉱油、或いはこれらのいずれもの混合物であることができる。適した乳化剤は、例えばアラビアゴム又はトラガカントゴムのような天然に存在するゴム、ダイズ、レシチンのような天然に存在するリン脂質、並びに脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導されたエステル又は部分エステル(例えばモノオレイン酸ソルビタン)及びモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンのような、前記の部分エステルのエチレンオキシドとの縮合生成物であることができる。乳剤は、更に甘味剤、芳香剤及び保存剤を含有することもできる。
【0199】
シロップ及びエリキシルは、グリセロール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、アスパルターム又はスクロースのような甘味剤と処方することができ、そして更に粘滑剤、保存剤、芳香剤及び/又は着色剤を含有することもできる。
【0200】
医薬組成物は、更に滅菌注射用水性又は油性懸濁液、溶液、乳剤或いは特別な系の形態であることができ、これらは、既知の方法によって、先に記述した一つ又はそれより多い適当な分散又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して処方することができる。滅菌注射用製剤は、更に非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤又は溶媒中の滅菌注射用溶液或いは懸濁液、例えばポリエチレングリコール中の溶液であることもできる。
【0201】
座薬の製剤は、活性成分を、通常の温度では固体であるが、しかし直腸の温度では液体であり、そして従って直腸で溶融して、薬物を放出するものである適した非刺激性賦形剤と混合することによって調製することができる。適した賦形剤は、例えばココアバター及びポリエチレングリコールを含む。
【0202】
クリーム、軟膏、ゲル及び水性又は油性溶液或いは懸濁液のような局所製剤は、一般的に活性成分を、慣用的な局所的に受容可能なベヒクル又は希釈剤と、当技術において公知の慣用的な方法を使用して処方することによって得ることができる。
【0203】
注入による投与のための組成物は、例えば30μm又はそれより非常に小さい、好ましくは5μm又はそれより小さい、そして更に好ましくは5μmないし1μm間の平均直径の粒子を含有する微細に分割された粉末の形態であることができ、粉末自体は、活性成分を単独で、又は一つ又はそれより多いラクトースのような生理学的に受容可能な担体で希釈されるかのいずれかで含んでなる。次いで、注入のための粉末は、慣用的に、例えば1ないし50mgの活性成分を含有するカプセル中に、既知の薬剤クロモグリク酸ナトリウムの注入のために使用されているようなターボ吸入器で使用するために保持される。
【0204】
吸入による投与のための組成物は、活性成分を微細に分割された固体又は液体の液滴のいずれかとして分配するように配設された慣用的な加圧式エアゾールの形態であることができる。揮発性フッ素化炭化水素又は炭化水素のような慣用的なエアゾール噴射剤を使用することができ、そしてエアゾール装置は、都合よくは計量された量の活性成分が分配されるように配設される。
【0205】
処方に関する更なる情報のために、読者は、Chapter 25.2 in Volume 5 of Comprehensive Medicinal Chemistry(Corwin Hansch;Chairman of Editorial Board),Pergamon Press 1990を参照されたい。
【0206】
従って、本発明の更なる側面において、治療における使用のための、式(I)の化合物、或いはその医薬的に受容可能な塩、エステル又はプロドラッグが提供される。更に、治療における使用のための、式(I’)の化合物又は医薬的に受容可能なその塩が提供される。
【0207】
更に提供されるものは、医薬としての使用のための、式(I)の化合物、或いはその医薬的に受容可能な塩、エステル又はプロドラッグであり、そして更に提供されるものは、医薬としての使用のための、式(I’)の化合物又は医薬的に受容可能なその塩である。本発明のもう一つの側面は、癌のような過剰増殖性疾病の治療のための、そして特に結腸直腸、乳房、肺、前立腺、膀胱、腎臓若しくは膵臓癌又は白血病或いはリンパ腫のいずれか一つ、又はいずれもの組合せの治療のための医薬としての使用のための、式(I)の化合物、或いはその医薬的に受容可能な塩、エステル又はプロドラッグを提供する。更に提供されるものは、癌のような過剰増殖性疾病の治療のための、そして特に結腸直腸、乳房、肺、前立腺、膀胱、腎臓若しくは膵臓癌又は白血病或いはリンパ腫のいずれか一つ、又はいずれもの組合せの治療のための医薬としての使用のための、式(I’)の化合物又は医薬的に受容可能なその塩である。
【0208】
更に、ヒトのような温血動物の療法による治療の方法における使用のために、式(I)の化合物、或いはその医薬的に受容可能な塩、エステル又はプロドラッグが提供される。更に、ヒトのような温血動物の療法による治療の方法における使用のために、式(I’)の化合物、又は医薬的に受容可能なその塩も提供される。本発明のもう一つの側面は、癌のような過剰増殖性疾病の治療のための、そして特に結腸直腸、乳房、肺、前立腺、膀胱、腎臓若しくは膵臓癌又は白血病或いはリンパ腫のいずれか一つ、又はいずれもの組合せの治療の方法における使用のための、式(I)の化合物、或いはその医薬的に受容可能な塩、エステル又はプロドラッグを提供する。更に提供されるものは、癌のような過剰増殖性疾病の治療のための、そして特に結腸直腸、乳房、肺、前立腺、膀胱、腎臓若しくは膵臓癌又は白血病或いはリンパ腫のいずれか一つ、又はいずれもの組合せの治療の方法における使用のための、式(I’)の化合物、又は医薬的に受容可能なその塩である。
【0209】
本発明のもう一つの側面において、一つ又はそれより多いオーロラキナーゼ(単数又は複数)の阻害が有益である疾病の治療のための医薬の調製における、式(I)の化合物、或いはその医薬的に受容可能な塩、エステル又はプロドラッグの使用が提供される。一つ又はそれより多いオーロラキナーゼ(単数又は複数)の阻害が有益である疾病の治療のための医薬の調製における、式(I’)の化合物又は医薬的に受容可能なその塩の使用も、更に提供される。特に、オーロラAキナーゼ及び/又はオーロラBキナーゼの阻害が有益であることができることは構想されている。好ましくは、オーロラBキナーゼの阻害が有益である。本発明のもう一つの側面において、癌のような過剰増殖性疾病の治療のための、そして特に結腸直腸、乳房、肺、前立腺、膀胱、腎臓若しくは膵臓癌又は白血病或いはリンパ腫のいずれか一つ、又はいずれもの組合せの治療のための医薬の調製における、式(I)の化合物或いはその医薬的に受容可能な塩、エステル又はプロドラッグの使用が提供される。更に提供されるものは、癌のような過剰増殖性疾病の治療のための、そして特に結腸直腸、乳房、肺、前立腺、膀胱、腎臓若しくは膵臓癌又は白血病或いはリンパ腫のいずれか一つ、又はいずれもの組合せの治療のための医薬の調製における、式(I’)の化合物又は医薬的に受容可能なその塩の使用である。
【0210】
なおもう一つの側面によれば、一つ又はそれより多いオーロラキナーゼの阻害が有益である疾病に悩むヒトの治療の方法における使用のための、治療的に有効な量の式(I)の化合物、或いはその医薬的に受容可能な塩、エステル又はプロドラッグを、それを必要とするヒトに投与する工程を含んでなる、式(I)の化合物、或いはその医薬的に受容可能な塩、エステル又はプロドラッグが提供される。更に提供されるものは、一つ又はそれより多いオーロラキナーゼの阻害が有益である疾病に悩むヒトの治療の方法における使用のための、治療的に有効な量の式(I’)の化合物又は医薬的に受容可能なその塩を、それを必要とするヒトに投与する工程を含んでなる、式(I’)の化合物又は医薬的に受容可能なその塩が提供される。特にオーロラAキナーゼ及び/又はオーロラBキナーゼの阻害が有益であることができることは構想されている。好ましくは、オーロラBキナーゼの阻害が有益である。更に提供されるものは、癌のような過剰増殖性疾病、そして特に結腸直腸、乳房、肺、前立腺、膀胱、腎臓若しくは膵臓癌又は白血病或いはリンパ腫のいずれか一つ、又はいずれもの組合せに悩むヒトの治療の方法における使用のための、治療的に有効な量の式(I)の化合物或いはその医薬的に受容可能な塩、エステル又はプロドラッグを、それを必要とするヒトに投与する工程を含んでなる、式(I)の化合物、或いはその医薬的に受容可能な塩、エステル又はプロドラッグである。癌のような過剰増殖性疾病、そして特に結腸直腸、乳房、肺、前立腺、膀胱、腎臓若しくは膵臓癌又は白血病或いはリンパ腫のいずれか一つ、又はいずれもの組合せに悩むヒトの治療の方法における使用のための、治療的に有効な量の式(I’)の化合物又は医薬的に受容可能なその塩を、それを必要とするヒトに投与する工程を含んでなる、式(I’)の化合物も、更に提供される。先に記載したヒトを治療するいずれもの方法における、式(I)の化合物、或いはその医薬的に受容可能な塩、エステル又はプロドラッグの使用も、更に本発明の側面を形成する。更に、先に記載したヒトを治療するいずれもの方法における、式(I’)の化合物又は医薬的に受容可能なその塩の使用は、本発明の他の側面を形成する。
【0211】
先に記述した治療的使用のために、投与される投与量は、使用する化合物、投与のモード、所望する治療、指示される疾患並びに動物又は患者の年齢及び性別により変化するものである。従って投与量の大きさは、医学の公知の原理に従って計算されるものである。
【0212】
式(I)又は式(I’)の化合物を、治療的又は予防的目的に使用する場合、これは、一般的に、例えば、0.05mg/kgないし50mg/kg体重の範囲の日量が投与され、必要な場合分割投与で与えられるように投与されるものである。一般的に、非経口経路が使用される場合、より低い投与量が投与されるものである。従って、例えば、静脈内投与のために、例えば0.05mg/kgないし25mg/kg体重(そして特に0.05mg/kgないし15mg/kg体重)の範囲の投与量が一般的に使用されるものである。同様に、吸入による投与のために、例えば、0.05mg/kgないし25mg/kg体重(そして特に0.05mg/kgないし15mg/kg体重)の範囲の投与量が使用されるものである。
【0213】
本明細書中で定義した治療は、単独の療法として適用することができ、或いは本発明の化合物に加えて、慣用的な手術、或いは放射線療法又は化学療法を含むことができる。このような化学療法は、一つ又はそれより多い以下の分類の抗腫瘍剤:−
(i)アルキル化剤(例えばシス−プラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロランブシル、ブスルファン及びニトロソ尿素);代謝拮抗剤(例えば5−フルオロウラシル及びテガフールのようなフルオロピリミジンのような葉酸代謝拮抗剤、ラルチトレキセド、メトトレキセート、シトシンアラビノシド及びヒドロキシ尿素;抗腫瘍性抗生物質(例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシン及びミトラマイシンのようなアントラサイクリン);抗有糸分裂剤(例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン及びビノレルビンのようなビンカアルカロイド並びにタキソール及びタキソテールのようなタキソイド);及びトポイソメラーゼ阻害剤(例えばエトポシド及びテニポシドのようなエピポドフィロトキシン、アムサクリン、トポテカン並びにカンプトテシン)のような、医学の腫瘍学において使用されるような他の抗増殖性/抗悪性腫瘍性薬物及びこれらの組合せ;
(ii)抗エストロゲン剤(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン及びヨードキシフェン(iodoxyfene))、エストロゲン受容体下方制御因子(例えばフルベストラント)、抗アンドロゲン剤(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミド及び酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニスト又はLHRHアゴニスト(例えばゴセレリン、リュープロレリン及びブセレリン)、プロゲストーゲン(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、レトロゾール、ボロゾール(vorazole)及びエキセメスタンとして)及びフィナステリドのような5α−レダクターゼの阻害剤のような細胞分裂停止剤;
(iii)癌細胞の浸潤を阻害する薬剤(例えばマリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤、及びウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子受容体機能の阻害剤);
(iv)成長因子機能の阻害剤、例えば、このような阻害剤は、成長因子抗体及び成長因子受容体抗体(例えば抗erbb2抗体トラスツズマブ[ハーセプチンTM]及び抗erbb1抗体セツキシマブ[C225])、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤及びセリン−トレオニンキナーゼ阻害剤、例えば上皮細胞成長因子ファミリーの阻害剤(例えば、N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、AZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI−774)及び6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI 1033)のようなEGFRファミリーのチロシンキナーゼ阻害剤)、例えば血小板由来成長因子ファミリーの阻害剤、及び例えば肝細胞成長因子ファミリーの阻害剤を含む;
(v)血管内皮増殖因子の影響を阻害するもののような抗血管新生剤(例えば抗血管内皮増殖因子抗体ベバシズマブ[アバスチンTM]、国際特許出願WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856及びWO98/13354中に開示されているもののような化合物)及び他の機構によって作用する化合物(例えばリノミド(linomide)、インテグリンαvβ3機能の阻害剤及びアンジオスタチン);
(vi)コンブレタスタチンA4並びに国際特許出願WO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434及びWO02/08213中に開示されている化合物のような血管損傷剤;
(vii)アンチセンス療法、例えばISIS 2503、抗rasアンチセンス剤のような上記に収載した標的に向けられるもの;
(viii)例えば、異常p53或いは異常BRCA1又はBRCA2のような異常遺伝子を置換えるアプローチ、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼ又は細菌性ニトロレダクターゼ酵素を使用するもののようなGDEPT(遺伝子特異的酵素プロドラッグ療法)アプローチ、及び多剤耐性遺伝子療法のような化学療法又は放射線療法に対する患者の許容性を増加するアプローチを含む遺伝子療法的アプローチ;並びに
(ix)例えば、インターロイキン2、インターロイキン4又は顆粒球マクロファージコロニー刺激因子のようなサイトカインによる形質移入のような患者の腫瘍細胞の免疫原性を増加するためのex−vivo及びin−vivoアプローチ、T細胞アネルギーを減少するアプローチ、サイトカインで形質移入された樹状細胞のような形質移入された免疫細胞を使用するアプローチ、サイトカインで形質移入された腫瘍細胞系を使用するアプローチ及び抗イディオタイプ抗体を使用するアプローチを含む免疫療法的アプローチ;
を含むことができる。
【0214】
更に、本発明の化合物或いはその医薬的に受容可能な塩、エステル又はプロドラッグは、一つ又はそれより多い細胞周期阻害剤との、特にbub1、bubR1又はCDKを阻害する細胞周期阻害剤との。組合せで使用することができる。
【0215】
このような連合治療は、治療の個々の成分の同時、連続又は別個投与によって達成することができる。このような組合せ産物は、本明細書中に記載した範囲の投与量内の本発明の化合物及びその認可された投与量の範囲内の他の医薬的に活性な薬剤を使用する。
【0216】
その治療的医薬における使用に加えて、式(I)の化合物及びその医薬的に受容可能な塩、エステル又はプロドラッグは、更に新しい治療剤の研究の一部としての、ネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラット及びマウスのような実験質動物における細胞周期活性の阻害の効果の評価のためのin vitro及びin vivoの試験系の開発及び標準化における薬理学的道具としても有用である。
【0217】
上記の他の医薬組成物、製法、方法、使用及び医薬製造の特徴において、本明細書中に記載した本発明の化合物の別の好ましい態様も適用される。
【0218】
本発明の化合物は、オーロラキナーゼ、特にオーロラAキナーゼ及び/又はオーロラBキナーゼのセリン−トレオニンキナーゼ活性を阻害し、そして従って細胞周期及び細胞の増殖を阻害する。オーロラBキナーゼを阻害する化合物が、特に関心のあるものである。化合物は、更に抵抗性細胞において活性であり、そして好都合な物理的特性を有する。これらの特性は、例えば一つ又はそれより多い以下に記載される方法を使用して評価することができる。
【0219】
(a)In vitroのオーロラAキナーゼ阻害試験
このアッセイは、セリン−トレオニンキナーゼ活性を阻害する試験化合物の能力を決定する。オーロラをコードするDNAは、全遺伝子合成又はクローニングによって得ることができる。次いでこのDNAを、適した発現系中で発現させて、セリン−トレオニンキナーゼ活性を持つポリペプチドを得ることができる。オーロラAの場合、コード配列をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってcDNAから単離し、そしてバキュロウイルス発現ベクターpFastBacHTc(GibcoBRL/Life Technologies)のBamH1及びNot1制限酵素部位中にクローン化した。5’PCRプライマーは、オーロラAコード配列に対する制限酵素BamH1 5’のための認識配列を含有していた。これは、オーロラA遺伝子の、pFastBacHTcベクターによってコードされた6 ヒスチジン残基、スペーサー領域及びrTEVプロテアーゼ開裂部位を持つフレーム中への挿入を可能にした。3’PCRプライマーは、オーロラA終止コドンを、付加的コード配列、それに続く終止コドン及び制限酵素Not1のための認識配列で置換えた。この付加的コード配列(5’TAC CCA TAC GAT GTT CCA GAT TAC GCT TCT TAA 3’)は、ポリペプチド配列YPYDVPDYASをコードした。インフルエンザ赤血球凝集素(hemagglutin)タンパク質から誘導されたこの配列は、特異的モノクローナル抗体を使用して同定することができる標識エピトープ配列としてしばしば使用される。従って組替えpFastBacベクターは、N−末端的に6 hisで標識され、C末端的にインフルエンザ赤血球凝集素タンパク質でエピトープ標識されたオーロラAタンパク質をコードする。組替えDNA分子の構築のための方法の詳細は、標準的な教本、例えばSambrook et al.1989,Molecular Cloning−A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor Laboratory press及びAusubel et al.1999,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons Inc.中に見出すことができる。
【0220】
組替えウイルスの産生は、製造業者のGibcoBRLからのプロトコルに従って行うことができる。簡単には、オーロラA遺伝子を保持するpFastBac−1ベクターを、バキュロウイルスゲノム(bacmid DNA)を含有するE.coli DH10Bac細胞中に形質転換し、そして細胞中の転置現象によって、ゲンタマイシン抵抗性遺伝子を含有するpFastBacベクターの領域及びバキュロウイルスポリヘドリンプロモーターを含むオーロラA遺伝子を、bacmid DNAに直接転置した。ゲンタマイシン、カナマイシン、テトラサイクリン及びX−galの選択によって、得れれる白色のコロニーは、オーロラAをコードするbacmid DNAを含有する筈である。Bacmid DNAを、いくつかのBH10Bacの白色のコロニーの小規模な培養物から抽出し、そして10%の血清を含有するTC100培地(GibcoBRL)中でCellFECTIN試薬(GibcoBRL)を使用して、製造業者の説明書に従って増殖した、Spodoptera frugiperda Sf21細胞に形質移入した。ウイルス粒子を、細胞培養培地を形質移入の72時間後に収集することによって回収した。0.5mlの培地を、1×10細胞/mlを含有する100mlのSf21の懸濁培養物を感染するために使用した。細胞培養培地を、感染後48時間に回収し、そしてウイルスの力価を、標準的なプラークアッセイ法を使用して決定した。ウイルス原液を、Sf9及び“High 5”細胞を感染するために3の感染多重度(MOI)で使用して、組替えオーロラAタンパク質の発現を確実にした。
【0221】
オーロラAキナーゼ活性の大規模な発現のために、Sf21昆虫細胞を、28℃で、10%の胎児ウシ血清(Viralex)及び0.2%のF68プルロニック(Sigma)で補充されたTC100培地中で、3r.p.m.のWheatonローラーリグ上で増殖した。細胞密度が1.2×10細胞ml−1に達した時点で、これを、プラーク的に純粋なオーロラA組替えウイルスで、1の感染多重度で感染し、そして48時間後に回収した。これ以降の全ての精製工程を4℃で行った。合計2.0×10細胞を含有する冷凍した昆虫細胞のペレットを解凍し、そして溶菌緩衝液(4℃でpH7.4の25mMのHEPES(N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N’−[2−エタンスルホン酸])、100mMのKCl、25mMのNaF、1mMのNaVO、1mMのPMSF(フッ化フェニルメチルスルホニル)、2mMの2−メルカプトエタノール、2mMのイミダゾール、1μg/mlのアプロチニン、1μg/mlのペプスタチン、1μg/mlのロイペプチン)で、3×10細胞当り1.0mlを使用して希釈した。溶菌を、Dounceホモジナイザーを使用して達成し、これに続いて溶菌液を41,000gで35分間遠心した。吸引した上清を、溶菌緩衝液で平衡した500μlのNi NTA(ニトリロ三酢酸)アガロース(Qiagen,製品番号30250)を含有する5mm直径のクロマトグラフィーカラムに給送した。溶出液に対するUV吸光度の基線水準は、カラムを12mlの溶菌緩衝液で、続いて7mlの洗浄緩衝液(4℃でpH7.4の25mMのHEPES、100mMのKCl、20mMのイミダゾール、2mMの2−メルカプトエタノール)により洗浄した後に達した。結合したオーロラAタンパク質を、溶出緩衝液(4℃でpH7.4の25mMのHEPES、100mMのKCl、400mMのイミダゾール、2mMの2−メルカプトエタノール)を使用してカラムから溶出した。UV吸光度のピークに対応する溶出画分(2.5ml)を収集した。活性なオーロラAキナーゼを含有する溶出画分を、透析緩衝液(4℃でpH7.4の25mMのHEPES、45%(容積/容積)のグリセロール、100mMのKCl、0.25%の(容積/容積)ノニデットP40、1mMのジチオトレイトール)に対して徹底的に透析した。
【0222】
オーロラA酵素のそれぞれの新しいバッチを、酵素希釈液(pH7.5の25mMのトリス−HCl、12.5mMのKCl、0.6mMのDTT)による希釈によってアッセイ中で滴定した。典型的なバッチに対して、原液酵素を酵素希釈液で666中の1に希釈し、そして20μlの希釈酵素をそれぞれのアッセイウェルに使用した。試験化合物(ジメチルスルホキシド(DMSO中の10mMで)を、水で希釈し、そして10μlの希釈された化合物をアッセイプレート中のウェルに移した。“全”及び“ブランク”対照ウェルは、化合物の代わりに、2.5%のDMSOを含有していた。20マイクロリットルの新しく希釈した酵素を、“ブランク”ウェル以外の全てのウェルに加えた。20マイクロリットルの酵素希釈液を“ブランク”ウェルに加えた。次いで0.2μCiの[γ33P]ATP(Amersham Pharmacia、比活性≧2500Ci/mmol)を含有する20マイクロリットルの反応混合物(25mMのトリス−HCl、78.4mMのKCl、2.5mMのNaF、0.6mMのジチオトレイトール、6.25mMのMnCl、25mMのATP、7.5μMのペプチド基質[ビオチン−LRRWSLGLRRWSLGLRRWSLGLRRWSLG])を、全ての試験ウェルに加えて、反応を開始した。プレートを室温で60分間インキュベートした。反応を停止するために、100μlの20容量/容量%のオルトリン酸を、全てのウェルに加えた。ペプチド基質を、正に荷電したニトロセルロースP30フィルターマット(Whatman)上に、96ウェルプレート回収機(TomTek)を使用して捕獲し、そして次いで33Pの組込みに対してベータプレートカウンターで分析した。“ブランク”(酵素なし)及び“全”(化合物なし)対照の値を、酵素活性の50%阻害(IC50値)を与える試験化合物の希釈範囲を決定するために使用した。本発明の化合物は、一般的に0.05nMないし10μMのIC50値を与える。
【0223】
(b)In vitroのオーロラBキナーゼ阻害試験
このアッセイは、セリン−トレオニンキナーゼ活性を阻害する試験化合物の能力を決定する。オーロラBをコードするDNAは、全遺伝子合成又はクローニングによって得ることができる。次いでこのDNAを、適した発現系中に発現させて、セリン−トレオニンキナーゼ活性を持つポリペプチドを得ることができる。オーロラBの場合、コード配列をcDNAから、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって単離し、そしてオーロラAのために先に記載したものと同様な方法でpFastBac系中にクローンした(即ち6−ヒスチジンで標識されたオーロラBタンパク質に)。
【0224】
オーロラBキナーゼ活性の大規模な発現のために、Sf21昆虫細胞を、28℃で、10%の胎児ウシ血清(Viralex)及び0.2%のF68プルロニック(Sigma)で補充されたTC100培地中で、3r.p.m.のWheatonローラーリグ上で増殖した。細胞密度が1.2×10細胞ml−1に達した時点で、これを、プラーク的に純粋なオーロラB組替えウイルスで、1の感染多重度で感染し、そして48時間後に回収した。これ以降の全ての精製工程を4℃で行った。合計2.0×10細胞を含有する冷凍した昆虫細胞のペレットを解凍し、そして溶菌緩衝液(4℃でpH7.5の50mMのHEPES(N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N’−[2−エタンスルホン酸])、1mMのNaVO、1mMのPMSF(フッ化フェニルメチルスルホニル)、1mMのジチオトレイトール、1μg/mlのアプロチニン、1μg/mlのペプスタチン、1μg/mlのロイペプチン)で、2×10細胞当り1.0mlを使用して希釈した。溶菌を、超音波処理ホモジナイザーを使用して達成し、これに続いて溶菌液を41,000gで35分間遠心した。吸引した上清を、溶菌緩衝液中で平衡した1.0mlのCMセファロースFast Flow(Amersham Pharmacia Biotech)を含有する5mm直径のクロマトグラフィーカラムに給送した。溶出液に対するUV吸光度の基線水準は、カラムを、12mlの溶菌緩衝液で、続いて7mlの洗浄緩衝液(4℃でpH7.4の50mMのHEPES、1mMのジチオトレイトール)により洗浄した後に達した。結合したオーロラBタンパク質を、溶出緩衝液(4℃でpH7.4の50mMのHEPES、0.6MのNaCl、1mMのジチオトレイトール、15分かけて0%溶出緩衝液から100%溶出緩衝液へ0.5ml/分の流量で)の勾配を使用してカラムから溶出した。UV吸光度のピークに対応する溶出画分(1.0ml)を収集した。溶出画分を、透析緩衝液(4℃でpH7.4の25mMのHEPES、45%(容積/容積)のグリセロール、100mMのKCl、0.05%の(容積/容積)IGEPAL CA630(Sigma Aldrich)、1mMのジチオトレイトール)に対して徹底的に透析した。透析した画分を、オーロラBキナーゼ活性に対して分析した。
【0225】
オーロラB酵素のそれぞれの新しいバッチを、酵素希釈液(pH7.5の25mMのトリス−HCl、12.5mMのKCl、0.6mMのDTT)で希釈することによってアッセイ中で滴定した。典型的なバッチに対して、原液酵素を酵素希釈液で40中の1に希釈し、そして20μlの希釈酵素をそれぞれのアッセイウェルに使用した。試験化合物(ジメチルスルホキシド(DMSO中の10mMで)を、水で希釈し、そして10μlの希釈された化合物をアッセイプレート中のウェルに移した。“全”及び“ブランク”対照ウェルは、化合物の代わりに、2.5%のDMSOを含有していた。20マイクロリットルの新しく希釈した酵素を、“ブランク”ウェル以外の全てのウェルに加えた。20マイクロリットルの酵素希釈液を“ブランク”ウェルに加えた。次いで0.2μCiの[γ33P]ATP(Amersham Pharmacia、比活性≧2500Ci/mmol)を含有する20マイクロリットルの反応混合物(25mMのトリス−HCl、78.4mMのKCl、2.5mMのNaF、0.6mMのジチオトレイトール、6.25mMのMnCl、37.5mMのATP、25μMのペプチド基質[ビオチン−LRRWSLGLRRWSLGLRRWSLGLRRWSLG])を、全ての試験ウェルに加えて、反応を開始した。プレートを室温で60分間インキュベートした。反応を停止するために、100μlの20容量/容量%のオルトリン酸を、全てのウェルに加えた。ペプチド基質を、正に荷電したニトロセルロースP30フィルターマット(Whatman)上に、96ウェルプレート回収機(TomTek)を使用して捕獲し、そして次いで33Pの組込みに対してベータプレートカウンターで分析した。“ブランク”(酵素なし)及び“全”(化合物なし)対照の値を、酵素活性の50%阻害(IC50値)を与える試験化合物の希釈範囲を決定するために使用した。本発明の化合物は、一般的に0.05nMないし10μMのIC50値を与える。
【0226】
(c)In vitroの細胞の発現型及び基質のリン酸化アッセイ
このアッセイは、in vitroのSW620ヒト大腸腫瘍細胞に対する、化合物の、細胞への影響を決定するために使用される。典型的には、化合物は、ホスホヒストン(phosphohistone)H3濃度及び細胞の核の面積の増加の阻害を起こす。
【0227】
ウェル当り10個のSW620細胞を、コスター(costar)96ウェルプレート中の100μlのDMEM培地(10%のFCS及び1%のグルタミンを含有)(DMEMは、ダルベッコ変法イーグル培地(Sigma D6546)である)中のプレートに入れ、そして一晩37℃及び5%のCOで放置して、付着させた。次いで細胞に培地中に希釈した化合物を投与し(それぞれのウェルに50μlを加えて、0.00015μ−1μMの化合物の濃度を得た)、そして化合物による処理の24時間後、細胞を固定した。
【0228】
最初に、細胞を光学顕微鏡で検査し、そして細胞のいずれもの形状の変化を記録した。次いで100μlの3.7%のホルムアルデヒドをそれぞれのウェルに加え、そしてプレートを少なくとも30分間室温で放置した。プレートを、紙タオル上にデカントし、そして軽く叩いて、固定液を除去し、そして次いでPBS(ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水(Sigma D8537))で1回、自動化プレート洗浄器を使用して洗浄した。100μlのPBS及び0.5%のトリトンX−100を加え、そしてプレートを震盪機上に5分間置いた。プレートを100μlのPBS中で洗浄し、そして溶液を傾けて除去した。50μlの一次抗体、1%のBSA(ウシ血清アルブミン)を含むPBS及び0.5%のツイーン中の1:500のウサギ抗ホスホヒストンH3を加えた。抗ホスホヒストンH3ウサギのポリクローナル06−750は、Upstate Biotechnologyから購入した。プレートを、震盪機上で1時間室温で放置した。
【0229】
翌日、抗体を傾けて除去し、そしてプレートをPBSで2回洗浄した。照明のない場所で、50μlの二次抗体、1%BSAを含むPBS、0.5%のツイーン中の1:10,000のHoechst及び1:200のAlex Fluor 488のヤギ抗ウサギIgGA(カタログ番号11008分子プローブ)を加えた。プレートを錫箔で包み、そして1時間室温で震盪した。抗体を傾けて除去し、そしてプレートをPBSで2回洗浄した。200μlのPBSをそれぞれのウェルに加え、そしてプレートを10分間震盪し、PBSを除去した。100μlのPBSをそれぞれのウェルに加え、そしてプレートを分析の準備のために密封した。分析は、ホスホヒストンH3の細胞の濃度及び核面積の変化を測定するArrayscan Target Activationアルゴリズムを使用して行った。結果は、ホスホヒストンH3濃度の50%阻害を、そして同様に細胞の核面積の50%の増加を与えるために必要な有効濃度(EC50値)として報告された。本発明の化合物は、一般的に0.5nMないし1μMのホスホヒストンH3濃度の阻害に対するEC50値を与え、そして特に表2の化合物9は、7.6nMのEC50値を有していた。
【0230】
(d)In vitroの薬物耐性細胞の表現型及び基質のリン酸化アッセイ
このアッセイは、in vitroの薬物耐性MCF7−ADRヒト乳房腫瘍細胞に対する化合物の細胞への影響を決定するために使用される。
【0231】
MCF7細胞を、細胞による薬物耐性タンパク質の過剰発現となる方法である、アドリアマイシン(adriomycin)の多数回投与(Dr.Hickinson,Molecular Oncology lab,ICRF,University of Oxford Institute of Molecular Medicine,Headington,Oxford)で、予備処理した。化合物は、典型的には処理された細胞のホスホヒストンH3濃度及び核面積の増加の阻害を起こす。然しながら、化合物が過剰発現した流出タンパク質の基質である場合、これらは、このアッセイにおいて、先のSW620アッセイにおけるより活性が低いように見受けられるものである。
【0232】
ウェル当り0.8×10個のMCF7ADR細胞を、コスター96ウェルプレート中の100μlのDMEM培地(10%のFCS(胎児ウシ血清)及び1%のグルタミンを含有)中のプレートに入れ、そして一晩37℃及び5%COで放置して、付着させた。
【0233】
全ての他の方法は、SW620細胞を使用する上記のアッセイのためのものと同一である。
【0234】
本発明の化合物は、一般的に、0.5nMないし1μMのホスホヒストンH3濃度の阻害に対するEC50値を有し、特に表2の化合物9は、0.4μMのEC50値を有していた。
【0235】
(e)血漿タンパク質結合アッセイ
このアッセイは、化合物が血漿タンパク質に結合する程度、そして従って血漿中の遊離薬物濃度を決定するために使用される。
【0236】
血漿タンパク質の結合は、平衡透析技術を使用して測定される。化合物をヒトの血漿に20μMまでの濃度で加え、そして等張のリン酸/塩化ナトリウム緩衝液と18時間37℃で透析する。透析膜のそれぞれの側の血漿及び緩衝溶液を、一般的なLCUVMS(Micromass ZQ質量分光計を伴うWaters 2795HPLC)を使用して分析し、そして100%血漿中の遊離化合物のパーセントを決定した。
【0237】
本発明の化合物は、典型的には0.5ないし50%の100%血漿中の遊離化合物のパーセントを有し、そして特に表2の化合物9は、3.9%の値を有していた。
【0238】
本発明は、ここに以下の実施例において例示されるものであり、これらにおいて、当業者にとって既知の標準的技術及びこれらの実施例中に記載されるものと類似の技術を、適宜に使用することができ、そしてこれらの中で、他に記載しない限り:
(i)蒸発は、回転蒸発器によって真空中で行われ、そして仕上げ方法は、乾燥剤のような残留固体の濾過による除去後に行った;
(ii)操作は、周囲温度で、典型的には18−25℃の範囲で、そして記述されない限り、又は当業者が他の方法としてアルゴンのような不活性ガスの雰囲気下で操作するものである場合を除き、空気中で行った;
(iii)カラムクロマトグラフィー(フラッシュ法による)及び中圧液体クロマトグラフィー(MPLC)は、Merck Kieselgelシリカ(Art.9385)で行った;
(iv)収率は、例示のみのために与えられ、そして必ずしも得られる最大ではない;
(v)式(I)の最終生成物の構造は、一般的に核(一般的にプロトン)磁気共鳴(NMR)及び質量スペクトル技術によって確認された;プロトン磁気共鳴の化学シフト値は、ジューテリウム化ジメチルスルホキシド(DMSO d)中で(他に記述しない限り)、デルタ尺度で(テトラメチルシランからのppm間隔)、以下の四つの装置の一つを使用して測定した:
−300MHzの磁場強度で操作されるVarian Gemini 2000分光計
−300MHzの磁場強度で操作されるBruker DPX300分光計
−400MHzの磁場強度で操作されるJEOL EX400分光計
−500MHzの磁場強度で操作されるBruker Avance 500分光計
ピークの多重度は、次のように示す:s、単一線;d、二重線;dd、二重線の二重線;t、三重線;q、四重線;qu、五重線;m、多重線;brs幅広単一線;
(vi)Zymate Master Laboratory Stationによる溶液添加を持ち、そしてStem RS5000 Reacto−Stationにより25℃で撹拌する、Zymate XPロボットを使用したロボット合成を行った;
(vii)ロボット合成からの反応混合物の仕上げ及び精製は、次のように行った:蒸発は、真空中でGenevac HT4を使用して行った;カラムクロマトグラフィーは、Merckシリカ(60μm、25g)で充填された27mm直径のカラムを使用するシリカのAnachem Sympur MPLC装置のいずれかを使用して行った;最終生成物の構造は、Waters 2890/ZMDマイクロマス装置のLCMS(液体クロマトグラフィー質量分光法)によって、以下を使用して確認し、そして保持時間(RT)分で引用されている:
カラム: waters symmetry C18 3.5μm 4.6×50mm
溶媒A: H
溶媒B: CHCN
溶媒C: MeOH+5%HCOOH
流量: 2.5ml/分
操作時間: 4.5分のCの0−100%の勾配を含む5分
波長: 254nm、10nmのバンド幅
質量検出器: ZMDマイクロマス
注入体積: 0.005ml。
【0239】
(viii)ロボット合成によらずに調製された化合物のための分析用LCMSは、Waters Alliance HT装置で、以下を使用して行い、そして保持時間(RT)分として引用されている:
カラム: 2.0mm×5cm Phenomenex Max−PR 80A
溶媒A: 水
溶媒B: アセトニトリル
溶媒C: メタノール/1%ギ酸又は水/1%ギ酸
流量: 1.1ml/分
操作時間: 4.5分のBの0−95%の勾配+5%で一定の溶媒Cを含む5分
波長: 254nm、10nmのバンド幅
質量検出器: ZMDマイクロマス
注入体積: 0.005ml。
【0240】
(ix)分離用高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)は:
−Waters分離用LCMS装置、分で測定される保持時間(RT):
カラム: β−塩基性Hypercil(21×100mm)5μm
溶媒A: 水/0.1%炭酸アンモニウム
溶媒B: アセトニトリル
流量: 25ml/分
操作時間: 7.5分のBの0−100%の勾配を含む10分
波長: 254nm、10nmのバンド幅
注入体積: 1−1.5ml
質量検出器: マイクロマスZMD
−Gilson分離用HPLC装置、分で測定される保持時間(RT):
カラム: 21mm×15cm Phenomenex Luna2 C18
溶媒A: 水+0.1%トリフルオロ酢酸
溶媒B: アセトニトリル+0.1%トリフルオロ酢酸
流量: 21ml/分
操作時間: 10分の変化するBの5−100%の勾配を含む20分
波長: 254nm、10nmのバンド幅
注入体積: 0.1−4.0ml
のいずれかで行われた。
【0241】
(x)中間体は、一般的に完全には特徴づけされず、そして純度は、薄層クロマトグラフィー(TLC)、HPLC、赤外(IR)、MS又はNMR分析によって評価した。
【0242】
【表1】

【0243】
【表2】

【0244】
【表3】

【0245】
【表4】

【0246】
【表5a】

【0247】
【表5b】

【0248】
【表6a】

【0249】
【表6b】

【0250】
実施例1− 表1の化合物1− N−(3−フルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミドの調製
2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(3−フルオロフェニル)アセトアミド(0.201g、0.43mmol)、2−(メチルアミノ)エタノール(0.50ml、6.2mmol)及びヨウ化カリウム(0.141g、0.85mmol)のジメチルアセトアミド(4ml)中の溶液を、85℃で3時間加熱した。混合物をトリフルオロ酢酸の添加によって酸性にし、そして次いでジ−メチルスルホキシド:アセトニトリル:水の7:3:1の混合物(6ml)で希釈し、そして次いで逆相クロマトグラフィーによって、0.2%のトリフルオロ酢酸を含有する水中の0.2%のトリフルオロ酢酸を含有するアセトニトリルの5から50%への勾配で溶出して直接精製した。生成物を含有する画分を混合し、そして炭酸水素ナトリウムの添加によって塩基性にし、そして次いで混合物を真空中で濃縮した。混合物を濾過し、そして残留物を水で、そして次いでジエチルエーテルで洗浄して、表1の化合物1(0.092g、42%収率)を残した:
H−NMR(DMSO d,TFA):10.66(s,1H),10.51(s,1H),9.90(brs,1H),8.91(s,1H),7.65−7.59(m,1H),7.41−7.29(m,2H),7.05(d,1H),6.95(d,1H),6.93−6.87(m,1H),6.77(s,1H),4.81(brs,2H),4.00(s,3H),3.99−3.70(m,6H),3.50−3.28(m,2H),3.00(s,3H)。
MS(+ve ESI):510(M+H)
【0251】
出発物質として使用した2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(3−フルオロフェニル)アセトアミドを、以下のように調製した:
a) 5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(5.0g、24mmol)(合成については:Hennequin,Laurent Francois Andre;Ple,Patrick.Preparation of 4−anilinoquinazoline derivatives for the treatment of tumors.PCT Int.Appl.(2001),WO01/094341を参照)、ジ−イソ−プロピルエチルアミン(13.5ml、77.7mmol)及びオキシ塩化リン(7.24ml、77.7mmol)のアセトニトリル(125ml)中の溶液を、還流下で2時間加熱した。混合物を真空中で蒸発し、そして残留物をジクロロメタン及び炭酸水素ナトリウムの飽和溶液間に分配した。有機層を分離し、そして食塩水の溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして次いで蒸発して、暗褐色の固体を残した。粗製生成物をシリカのフラッシュクロマトグラフィーによって、酢酸エチルで溶出して精製して、4−クロロ−5,7−ジメトキシキナゾリン(2.83g、52%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):8.81(s,1H),7.01(d,1H),6.83(d,1H),3.96(s,3H),3.95(s,3H)。
MS(+ve ESI):225/227(M+H)
【0252】
b) 4−クロロ−5,7−ジメトキシキナゾリン(2.9g、11.9mmol)及び2−(3−アミノ−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(3−フルオロフェニル)アセトアミド(2.72g、11.6mmol)のイソ−プロピルアルコール(75ml)中の混合物を、90℃で2時間加熱した。混合物を室温まで冷却させ、そして次いでジエチルエーテルを加えて、微細な固体を得た。混合物を濾過し、そしてジエチルエーテルで洗浄し、そして次いで空気中で乾燥して、2−{3−[(5,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}−N−(3−フルオロフェニル)アセトアミドを、塩酸塩(4.95g、91%収率)として残した:
H−NMR(DMSO d):10.72(s,1H),10.71(s,1H),8.83(s,1H),7.66−7.61(m,1H),7.40−7.32(m,2H),6.97−6.94(m,2H),6.92−6.86(m,1H),6.71(s,1H),4.16(s,3H),3.97(s,3H),3.84(s,2H)。
MS(+ve ESI):423(M+H)
【0253】
c) 2−{3−[(5,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}−N−(3−フルオロフェニル)アセトアミド塩酸塩(4.95g、10.8mmol)及びピリジン塩酸塩(6.93g、60mmol)のピリジン(60ml)中の混合物を、110℃で6.5時間加熱した。混合物を室温まで冷却させ、そして次いで水(350ml)中に注ぎ、そしてアンモニアの溶液で中和した。得られた懸濁液を濾過し、そして残留物を水、アセトニトリルで、そして最後にジエチルエーテルで洗浄し、そして固体を真空中で乾燥して、N−(3−フルオロフェニル)−2−{3−[(5−ヒドロキシ−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド(3.6g、82%収率)を残した:
H−NMR(DMSO d):10.38(s,1H),8.20(s,1H),7.65−7.58(m,1H),7.39−7.30(m,2H),6.91−6.84(m,1H),6.56(brs,1H),6.10(s,1H),6.05(s,1H),3.73(s,3H),3.69(s,2H)。
MS(+ve ESI):409(M+H)
【0254】
d) アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(1.29g、5.59mmol)を、N−(3−フルオロフェニル)−2−{3−[(5−ヒドロキシ−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド(1.9g、4.7mmol)、トリフェニルホスフィン(1.46g、5.59mmol)及び2−クロロエタノール(0.437ml、6.52mmol)のテトラヒドロフラン(45ml)中の溶液に加えた。混合物を室温で20分間撹拌し、そして次いで更なる部分のトリフェニルホスフィン(1.46g、5.59mmol)及びアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(1.29g、5.59mmol)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、そして次いで更なる部分のトリフェニルホスフィン(1.46g、5.59mmol)及びアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(1.29g、5.59mmol)を加え、そして混合物を室温で1.5時間攪拌した。ジエチルエーテルを加えて、生成物の沈澱を起こした。混合物を濾過し、そして残留物をジエチルエーテルで、続いて水で、そして次いでアセトニトリルで、そして最後に再びジエチルエーテルで洗浄して、2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(3−フルオロフェニル)アセトアミド(1.21g、56%収率)を残した:
MS(+ve ESI):471/473(M+H)
【0255】
2−(3−アミノ−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(3−フルオロフェニル)アセトアミドを、以下のように調製した:
i) トリフルオロ酢酸ペンタフロオロフェニル(48.9ml、284mmol)を、(3−アミノ−1H−ピラゾール−5−イル)酢酸(20.0g、142mmol)及びピリジン(25.3ml、313mmol)のジメチルホルムアミド(200ml)中の溶液に、内部温度を15℃より低く維持しながら40分かけて滴下により加えた。次いで混合物を室温まで温まらせ、そして1.5時間攪拌した。3−フルオロアニリン(31.6g、284mmol)を一度に加え、そして次いで混合物を室温で1.5時間攪拌した。混合物を塩酸の希釈溶液中に注ぎ、そして得られた固体を濾過し、水、そして次いでジエチルエーテルで洗浄して、2,2,2−トリフルオロ−N−(5−{2−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アセトアミド(33.3g、71%収率)を残した。
MS(+ve ESI):331(M+H)
【0256】
ii) メタノール(250ml)中の2,2,2−トリフルオロ−N−(5−{2−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アセトアミド(33.3g、100mmol)及び塩酸(2M、250ml)の混合物を、40℃で2.5時間加熱した。混合物を炭酸水素ナトリウムで中和し、そして次いで混合物を真空中で概略1/3の体積まで濃縮した。得られた沈澱物を濾過し、そして残留物を氷冷した水で注意深く洗浄し、そして次いで空気中で乾燥させて、2−(3−アミノ−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(3−フルオロフェニル)アセトアミド(12.2g、52%収率)を残した:
MS(+ve ESI):235(M+H)
【0257】
実施例2− 表1の化合物2− N−(3−フルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミドの調製
表1の実施例1のために記載したものと類似の方法で、2−[(2−メトキシエチル)アミノ]エタノール(0.252g、2.1mmol)及び2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(3−フルオロフェニル)アセトアミド(0.15g、0.32mmol)を使用して調製して、表1の化合物2(0.080g、45%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):12.4(s,1H),10.18(s,1H),8.42(s,1H),7.60(d,1H),7.35(m,2H),6.89(t,1H),6.78(d,1H),6.71(m,2H),4.32(t,2H),3.89(s,3H),3.71(s,2H),3.50(t,2H),3.32(t,2H),3.10(s,3H),3.05(t,2H),2.75(t,2H),2.69(t,2H)。
MS(+ve ESI):554(M+H)
【0258】
実施例3− 表1の化合物3− N−(3−フルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミドの調製
表1の実施例1のために記載したものと類似の方法で、(2S)−ピロリジン−2−イルメタノール(0.214g、2.1mmol)及び2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(3−フルオロフェニル)アセトアミド(0.15g、0.32mmol)を使用して調製して、表1の化合物3(0.073g、43%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):10.15(s,1H),8.43(s,1H),7.60(d,1H),7.35(m,2H),6.88(t,1H),6.78(s,1H),6.72(m,2H),4.35(m,3H),3.88(s,3H),3.72(s,2H),3.40(m,4H),2.75(m,1H),2.52(m,1H),2.35(m,1H),1.75(m,1H),1.55(m,2H)。
MS(+ve ESI):536(M+H)
【0259】
実施例4− 表1の化合物4− N−(3−フルオロフェニル)−2−(3−{[5−(2−{[(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ}エトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミドの調製
表1の実施例1のために記載したものと類似の方法で、(2S)−2−アミノプロパン−1−オール(0.159g、2.1mmol)及び2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(3−フルオロフェニル)アセトアミド(0.15g、0.32mmol)を使用して調製して、表1の化合物4(0.050g、31%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):12.35(s,1H),10.39(s,1H),10.30(s,1H),8.40(s,1H),7.60(d,1H),7.35(m,2H),6.88(t,1H),6.80(s,1H),6.75(s,1H),6.65(s,1H),4.62(見掛s,1H),4.25(見掛s,2H),3.89(s,3H),3.75(s,2H),3.65(m,2H),3.04(見掛s,2H),1.00(d,3H)。
MS(+ve ESI):510(M+H)
【0260】
実施例5− 表2の化合物5− N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミドの調製
表1の実施例1のために記載したものと類似の方法で、2−[(2−メトキシエチル)アミノ]エタノール(0.305g、2.56mmol)及び2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド(0.25g、0.51mmol)を使用して調製して、表2の化合物5(0.080g、27%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):10.19(s,1H),8.45(s,1H),7.75−7.68(m,1H),7.24−7.14(m,2H),6.79(d,1H),6.80−6.73(m,1H),6.74(d,1H),4.34(t,2H),3.90(s,3H),3.83(s,2H),3.49(t,2H),3.38(t,2H水により部分的に不鮮明),3.35−3.17(水),3.11(s,3H),3.06(t,2H),2.77(t,2H),2.69(t,2H)。
MS(+ve ESI):572(M+H)
【0261】
出発物質として使用した2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミドは、以下のように調製した:
a) 4−クロロ−5,7−ジメトキシキナゾリン(3.0g、13.4mmol)及び2−(3−アミノ−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド(3.20g、12.7mmol)のイソ−プロピルアルコール(80ml)中の混合物を、90℃で30分間加熱した。更なる部分の2−(3−アミノ−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド(約0.3g)を加え、そして混合物を90℃で15分間加熱した。混合物を室温まで冷却させ、そして次いでジエチルエーテルを加えて、微細な固体を得た。混合物を濾過し、そしてジエチルエーテルで洗浄し、そして次いで真空中で乾燥して、N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミドを、塩酸塩(5.79g、96%収率)として残した:
H−NMR(DMSO d):10.67(s,1H),10.33(brs,1H),8.81(s,1H),7.71−7.64(m,1H),7.25−7.14(m,2H),6.98(brs,1H),6.94(d,1H),6.73(s,1H),4.16(s,3H),3.97(s,3H),3.91(s,2H)。
MS(+ve ESI):441(M+H)
【0262】
b) N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド塩酸塩(9.06g、19.0mmol)及びピリジン塩酸塩(12.7g、110mmol)のピリジン(110ml)中の混合物を、110℃で合計8時間加熱した。混合物を室温まで冷却させ、そして次いで重炭酸ナトリウムの飽和溶液(1000ml)中に注いだ。得られた懸濁液を濾過し、そして残留物を水、アセトニトリル、そして最後にジエチルエーテルで洗浄し、そして固体を真空中で乾燥して、N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−ヒドロキシ−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド(6.78g、84%収率)を残した:
H−NMR(DMSO d):10.16(s,1H),8.22(s,1H),7.75−7.68(m,1H),7.23−7.14(m,2H),6.58(brs,1H),6.15(brs,1H),6.11(brs,1H),3.79(s,2H),3.75(s,3H)。
MS(+ve ESI):427(M+H)
【0263】
c) アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(2.79g、12.1mmol)を、N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−ヒドロキシ−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド(4.3g、10.1mmol)、トリフェニルホスフィン(3.17g、12.1mmol)及び2−クロロエタノール(0.944ml、14.1mmol)のテトラヒドロフラン(100ml)中の溶液に加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、そして次いで更なる部分のトリフェニルホスフィン(3.17g、12.1mmol)及びアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(2.79g、12.1mmol)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、そして次いでジエチルエーテルを加えて、生成物の沈澱を起こさせた。混合物を濾過し、そして残留物をジエチルエーテルで、続いて水で、そして次いでアセトニトリルで、そして最後に再びジエチルエーテルで洗浄して、2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド(3.54g、72%収率)を残した:
MS(+ve ESI):489/491(M+H)
【0264】
2−(3−アミノ−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミドは、以下のように調製した:
i) トリフルオロ酢酸ペンタフロオロフェニル(24.4ml、142mmol)を、(3−アミノ−1H−ピラゾール−5−イル)酢酸(10.0g、71mmol)及びピリジン(12.6ml、156mmol)のジメチルホルムアミド(100ml)中の溶液に、内部温度を15℃より低く維持しながら30分かけて滴下により加えた。次いで混合物を室温まで温まらせ、そして30分間攪拌した。2,3−ジフルオロアニリン(18.3g、142mmol)を一度に加え、そして次いで混合物を室温で3時間攪拌した。混合物を90℃で2時間加熱した。混合物を塩酸の希釈溶液中に注ぎ、そして得られた固体を濾過し、水、そして次いでトルエン、そしてイソ−ヘキサンで洗浄して、N−(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(18.0g、74%収率)を残した。
MS(−ve ESI):347(M−H)
【0265】
ii) メタノール(200ml)中のN−(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(25.9g、75.4mmol)及び塩酸(2M、200ml)の混合物を、50℃で3時間加熱した。混合物を炭酸水素ナトリウムで中和し、そして次いで混合物を真空中で概略1/3の体積まで濃縮した。得られた沈澱物を濾過し、そして残留物を氷冷した水で注意深く洗浄し、そして次いで空気中で乾燥して、2−(3−アミノ−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド(14.01g、75%収率)を残した:
MS(+ve ESI):253(M+H)
【0266】
実施例6− 表2の化合物6− N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミドの調製
表2の実施例5のために記載したものと類似の方法で、2−(エチルアミノ)エタノール(0.182g、2.05mmol)及び2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド(0.20g、0.41mmol)を使用して調製して、表2の化合物6(0.093g、42%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):10.23(s,1H),10.18(s,1H),8.45(s,1H),7.75−7.67(m,1H),7.24−7.14(m,2H),6.79(d,1H),6.75(d,1H),4.34(t,2H),3.90(s,3H),3.83(s,2H),3.49(t,2H),2.97(t,2H),2.65(q,2H),2.62(t,2H),0.93(t,3H)。
MS(+ve ESI):542(M+H)
【0267】
実施例7− 表2の化合物7− N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミドの調製
表2の実施例5のために記載したものと類似の方法で、(2S)−ピロリジン−2−イルメタノール(0.156g、1.54mmol)及び2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド(0.25g、0.51mmol)を使用して調製して、表2の化合物7(0.075g、26%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):10.19(s,1H),10.17(s,1H),8.45(s,1H),7.76−7.66(m,1H),7.24−7.14(m,2H),6.79(d,1H),6.81−6.72(m,1H),6.74(d,1H),4.43−4.28(m,2H),3.90(s,3H),3.83(s,2H),3.46−3.25(水の下),3.20−3.12(m,1H),2.80−2.72(m,1H),2.60−2.50(DMSOの下),2.35−2.27(m,1H),1.82−1.71(m,1H),1.65−1.48(m,3H)。
MS(+ve ESI):554(M+H)
【0268】
実施例8− 表2の化合物8− N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチルピペラジン−1−イル]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミドの調製
表2の実施例5のために記載したものと類似の方法で、[(2S)−4−メチルピペラジン−2−イル]メタノール(0.333g、2.56mmol)(Falorni,M;Satta,S;Conti,S;Glacomelli,G,Tetrahedron Asymmetry,1993,4(11),2389−2398を参照)及び2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド(0.25g、0.51mmol)を使用して調製して、表2の化合物8(0.082g、28%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):12.38(s,1H),10.17(s,1H),10.12(s,1H),8.43(s,1H),7.77−7.68(m,1H),7.24−7.14(m,2H),6.83−6.72(m,3H),4.40−4.32(m,2H),3.90(s,3H),3.84(s,2H),3.66−3.58(m,1H),3.53−3.37(m,2H),3.28(s,3H),2.93−2.84(m,1H),2.80−2.66(m,1H),2.53−2.30(m,3H部分的にDMSOの下),2.07−1.93(m,3H)。
MS(+ve ESI):583(M+H)
【0269】
実施例9− 表2の実施例9− N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミドの調製
表2の実施例5のために記載したものと類似の方法で、2−(メチルアミノ)エタノール(0.098g、1.3mmol)及び2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド(0.16g、0.33mmol)を使用して調製して、表2の化合物9(0.102g、59%収率)を得た:
NMR(DMSO d):10.30(s,1H),8.46(s,1H),7.72(m,1H),7.18(m,2H),6.79(s,1H),6.77(s,1H),6.75(m,1H),4.35(m,2H),3.90(s,3H),3.83(s,2H),3.53(m,2H),2.91(m,2H),2.56(m,2H),2.32(s,3H)。
MS(+ve ESI)528(M+H)
【0270】
実施例10− 表3の化合物10− N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミドの調製
2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド(0.569g、1.0mmol)、2−(メチルアミノ)エタノール(0.375g、5.0mmol)及びヨウ化カリウム(0.332g、2.0mmol)のジメチルアセトアミド(4ml)中の溶液を、90℃で6時間加熱した。混合物を室温まで冷却させ、そして次いでジクロロメタン(40ml)で抽出し、そして混合物を室温で30分間攪拌した。混合物を濾過し、そして次いでシリカのフラッシュクロマトグラフィーによって、最初ジクロロメタン:ジメチルアセトアミドの95:5の混合物で、続いてジクロロメタン:メタノールの95:5の混合物で、そして最後にジクロロメタン:メタノール:880のアンモニア水溶液の100:8:1の混合物で抽出して直接精製した。生成物を含有する画分を混合し、そして真空中で蒸発して、表3の化合物10(0.12g、21%収率)を残した:
H−NMR(DMSO d 373°Kにおいて):12.05(brs,1H),10.17(s,1H),9.76(s,1H),8.43(s,1H),7.67(m,1H),7.15(m,2H),6.8(s,1H),6.78(s,1H),4.38(t,2H),4.27(dd,2H),3.82(s,2H),3.73(dd,2H),3.53(t,2H),3.36(s,3H),2.97(t,2H),2.61(t,2H),2.36(s,3H)。
MS(+ve ESI):572(M+H)
【0271】
出発物質として使用した2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミドは、以下のように調製した:
a) ピバル酸[7−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]メチル(15.28g、40mmol)(Hennequin,Laurent Francois Andre;Ple,Patrick.Preparation of 4−anilinoquinazoline derivatives for the teratment of tumors.PCT Int.Appl.WO01/094341を参照)、2−クロロエタノール(3.38g、42mmol)及びトリフェニルホスフィン(12.58g、48mmol)のテトラヒドロフラン(60ml)中の溶液に、アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(11.04g、48mmol)のテトラヒドロフラン(40ml)中の溶液を、内部温度を35℃より低く保ちながら加えた。混合物を室温で1.5時間撹拌し、そして次いで真空中で蒸発した。残留物をエタノール(150ml)で摩砕し、そして次いで濾過した。残留物を冷エタノールで洗浄し、そして次いで一晩放置して、空気中で乾燥して、ピバル酸[7−(ベンジルオキシ)−5−(2−クロロエトキシ)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]メチル(14.15g、80%収率)を残した:
H−NMR(DMSO d):8.32(s,1H),7.53−7.31(m,5H),6.81(d,1H),6.73(d,1H),5.81(s,2H),5.25(s,2H),4.33(t,2H),3.95(t,2H),1.11(s,9H)。
【0272】
b) ピバル酸[7−(ベンジルオキシ)−5−(2−クロロエトキシ)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]メチル(14.1g、31.8mmol)のトリフルオロ酢酸(60ml)中の溶液を、還流下で6時間加熱した。混合物を真空中で蒸発し、そして残留物をトルエンと2回共蒸発した。残留物をフラッシュシリカクロマトグラフィーによって、ジクロロメタン:メタノール:880アンモニア溶液の100:8:1の混合物で溶出して精製して、ピバル酸[5−(2−クロロエトキシ)−7−ヒドロキシ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]メチル(9.54g、85%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):10.61(s,1H),8.25(s,1H),6.54(d,1H),6.49(d,1H),5.79(s,2H),4.28(t,2H),3.95(t,2H),1.11(s,9H)。
MS(+ve ESI):355/357(M+H)
【0273】
c) アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(7.39g、32.1mmol)のテトラヒドロフラン(20ml)中の溶液を、ピバル酸[5−(2−クロロエトキシ)−7−ヒドロキシ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]メチル(9.52g、26.9mmol)、2−メトキシエタノール(2.14g、28.2mmol)及びトリフェニルホスフィン(8.43g、32.2mmol)のテトラヒドロフラン(120ml)中の懸濁液に滴下により加えた。得られた溶液を室温で2時間攪拌した。混合物を真空中で蒸発し、そして残留物をエタノール(200ml)で摩砕し、そして一晩放置して、空気中で乾燥して、ピバル酸[5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]メチル(5.33g、48%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):8.32(s,1H),6.72(m,1H),6.65(m,1H),5.81(s,2H),4.34(t,2H),4.23(t,2H),3.95(t,2H),3.68(t,2H),3.31(s,3H),1.11(s,9H)。
MS(+ve ESI):413/415(M+H)
【0274】
d) ピバル酸[5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]メチル(6.31g、15.3mmol)のメタノール中のアンモニアの溶液(7M、160ml)中の懸濁液を、40℃で5.5時間攪拌した。混合物を室温まで冷却させ、そして次いで一晩攪拌した。混合物を真空中で蒸発し、そして残留物を、フラッシュシリカクロマトグラフィーによって、ジクロロメタン:メタノールの9:1の混合物で溶出して精製して、5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4(3H)−オン(4.26g、93%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):11.71(s,1H),7.89(d,1H),6.69(d,1H),6.58(d,1H),4.32(t,2H),4.2(m 2H),3.93(t,2H),3.68(m,2H),3.31(s,3H)。
MS(+ve ESI):299/301(M+H)
【0275】
e) オキシ塩化リン(7.48g、48.8mmol)を、5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4(3H)−オン(4.24g、14.2mmol)及びジ−イソ−プロピルエチルアミン(12.6g、97.7mmol)の1,2−ジクロロエタン(225ml)中の氷浴中で冷却された懸濁液に加えた。混合物を0℃で15分間撹拌し、そして次いで80℃で6時間加熱した。混合物を室温まで冷却させ、そして次いで一晩攪拌した。混合物を真空中で蒸発し、そして残留物をジクロロメタン(175ml)中に溶解し、そして2−(3−アミノ−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド(3.6g、14.3mmol)を、続いてジオキサン中の塩化水素の溶液(4M、7.1ml)を加えた。混合物を還流下で1時間加熱し、そして次いで室温まで冷却させた。混合物を濾過し、そして残留物をジクロロメタンで、そして次いでアセトンで洗浄して、2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミドを、塩酸塩(4.92g、2工程で61%収率)として得た:
H−NMR(DMSO d):10.78(s,1H),10.36(s,1H),8.88(s,1H),7.65(m,1H),7.19(m,2H),7.07(dd,2H),6.79(s,1H),4.7(t,2H),4.3(t,2H),4.17(t,2H),3.91(s,2H),3.73(t,2H),3.32(s,3H)。
MS(+ve ESI):533/535(M+H)
【0276】
実施例11− 表3の化合物11− N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミドの調製
表3の実施例10のために記載したものと類似の方法で、2−(エチルアミノ)エタノール(0.391g、4.4mmol)及び2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド(0.50g、0.88mmol)を使用し、反応が完了した後、混合物をジクロロメタンで希釈し、そして混合物をフラッシュクロマトグラフィーによって直接精製して調製して、表3の化合物11(0.21g、41%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d,373°Kにおいて):12.1(brs,1H),10.07(brs,1H),9.75(s,1H),8.45(s,1H),7.67(m,1H),7.15(m,2H),6.8(s,1H),6.75(s,1H),4.39(t,2H),4.27(dt,2H),3.82(s,2H),3.73(m,2H),3.53(t,2H),3.35(s,3H),3.07(t,2H),2.72(m,4H),1.0(t,3H)。
MS(+ve ESI):586(M+H)
【0277】
実施例12− 表3の化合物12− N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミドの調製
表3の実施例11のために記載したものと類似の方法で、(2S)−ピロリジン−2−イルメタノール(0.889g、8.8mmol)及び2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド(1.0g、1.8mmol)を使用して調製して、クロマトグラフィーの後、次いで粗製生成物をアセトニトリルで摩砕して、表3の化合物12(0.49g、46%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d,373°Kにおいて):10.05(brs,1H),9.77(s,1H),8.44(s,1H),7.67(t,1H),7.14(m,2H),6.8(s,1H),6.76(s,1H),6.72−6.86(m,1H),4.43(m,2H),4.28(dd,2H),3.82(s,2H),3.72(dd,2H),3.37−3.48(m,3H),3.37(s,3H),3.2(m,1H),2.7(幅広,1H),1.82(m,1H),1.65(m,2H),1.57(m,1H)。
MS(+ve ESI):598(M+H)
【0278】
実施例13− 表4の化合物13− N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(7−エトキシ−5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}キナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミドの調製
2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−エトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド(0.20g、0.40mmol)、2−メチルアミノエタノール(0.119g、1.59mmol)及びヨウ化カリウム(0.132g、0.80mmol)のジメチルアセトアミド(2ml)中の混合物を、90℃で3時間加熱した。混合物を室温に冷却し、そして次いで水(10ml)中に注いだ。得られた固体を濾過し、そして水で洗浄し、そして空気中で乾燥した。粗製生成物を分離用HPLC(C18シリカカラム)によって、水(0.2%トリフルオロ酢酸)中のアセトニトリル(0.2%トリフルオロ酢酸)の勾配で溶出して精製した。生成物を含有する画分を混合し、そして固体の炭酸水素ナトリウムの添加によって塩基性にし、そして次いで真空中で濃縮した。残った混合物をジクロロメタン中のイソ−プロピルアルコール(10%)の溶液で抽出した。抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発した。残留物をジエチルエーテルで摩砕し、そして空気中で乾燥して、表4の化合物13(0.111g、52%収率)を得た:
NMR(DMSO d):12.44(brs,1H),10.35(s,1H),10.26(brs,1H),8.51(s,1H),7.78(m,1H),7.25(m,2H),6.91(brs,1H),6.82(s,1H),6.78(s,1H),4.69(brs,1H),4.40(m,2H),4.24(q,2H),3.88(s,2H),3.58(m,2H),2.96(m,2H),2.62(m,2H),2.37(s,3H),1.44(t,3H)。
MS(+ve ESI)542(M+H)
【0279】
出発物質として使用した2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−エトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミドは、以下のように調製した:
a) 5,7−ジフルオロキナゾリン−4(3H)−オン(2.0g、11.0mmol)(Hennequin,Laurent Francois Andre;Ple,Patrick.Preparation of 4−anilinoquinazoline derivatives for the treatment of tumors.PCT Int.Appl.WO01/094341を参照)及びナトリウムエトキシド(3.7g、54.4mmol)のジメチルホルムアミド中の溶液を、90℃で6時間加熱した。混合物を室温まで冷却させ、そして次いで塩化アンモニウムの溶液(100ml)中に注いだ。得られた沈澱物を濾過し、水で洗浄し、そして次いで高真空下で乾燥して、5,7−ジエトキシキナゾリン−4(3H)−オン(1.36g、53%収率)を得た:
MS(+ve ESI)235(M+H)
【0280】
b) 5,7−ジエトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.700g、2.99mmol)及びナトリウムメトキシド(メタノール中の28重量/容量%溶液の2.66ml、13.8mmol)のジメチルホルムアミド(7ml)中の溶液を、110℃で18時間加熱した。混合物を室温まで冷却させ、そして次いで濃塩酸の添加によって酸性にし、そして次いで分離用HPLC(C18シリカカラム)によって、水(0.2%トリフルオロ酢酸)中のアセトニトリル(0.2%トリフルオロ酢酸)の勾配で溶出して精製した。生成物を含有する画分を混合し、そして固体の炭酸水素ナトリウムの添加によって塩基性にし、そして次いで真空中で濃縮した。得られた沈澱物を濾過し、そして水、続いてアセトニトリル、そして次いでジエチルエーテルで洗浄し、そして最後に空気中で乾燥して、7−エトキシ−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.198g、30%収率)を得た:
NMR(DMSO d):7.94(s,1H),6.64(s,1H),6.53(s,1H),4.15(q,2H),3.83(s,3H),1.37(t,3H)。
MS(+ve ESI)221(M+H)
【0281】
c) オキシ塩化リン(4.76g、31.0mmol)を、7−エトキシ−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン(2.0g、9.1mmol)及びジ−イソ−プロピルエチルアミン(4.26g、33.0mmol)の1,2−ジクロロエタン(50ml)中の混合物に加えた。混合物を80℃で6時間加熱した。混合物を室温まで冷却させ、そして次いで真空中で濃縮した。残留物をジクロロメタン及び炭酸水素ナトリウムの飽和溶液間に分配した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして次いで真空中で蒸発した。粗製生成物をシリカのフラッシュクロマトグラフィーによって、酢酸エチルで溶出して精製して、4−クロロ−7−エトキシ−5−メトキシキナゾリン(2.0g、92%収率)を得た:
MS(+ve ESI)239/241(M+H)
【0282】
d) 4−クロロ−7−エトキシ−5−メトキシキナゾリン(2.0g、8.4mmol)及び2−(3−アミノ−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド(2.05g、8.13mmol)のイソ−プロピルアルコール(40ml)中の混合物を、90℃で1時間加熱した。混合物を室温まで冷却させ、そして次いでジエチルエーテル(40ml)で希釈した。混合物を濾過し、そして残留物をジエチルエーテルで洗浄し、そして次いで空気中で乾燥させて、N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(7−エトキシ−5−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド(3.76g、91%収率)を得た:
NMR(DMSO d):10.71(s,1H),10.36(s,1H),8.83(s,1H),7.69(m,1H),7.20(m,2H),7.01(s,1H),6.93(s,1H),6.72(s,1H),4.24(q,2H),4.16(s,3H),3.92(s,2H),1.42(t,3H)。
MS(+ve ESI)455(M+H)
【0283】
e) N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(7−エトキシ−5−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド(3.60g、7.34mmol)及びピリジン塩酸塩(5.2g、45.0mmol)のピリジン(45ml)中の混合物を、110℃で5時間加熱した。混合物を室温まで冷却させ、そして次いで炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(150ml)中に注いだ。得られた固体を濾過し、そして水で洗浄し、そして次いで高真空下で乾燥して、N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(7−エトキシ−5−ヒドロキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド(2.48g、77%収率)を得た:
MS(+ve ESI)441(M+H)
【0284】
f) アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(0.502g、2.18mmol)を、N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(7−エトキシ−5−ヒドロキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド(0.80g、1.82mmol)、2−クロロエタノール(0.205g、2.55mmol)及びトリフェニルホスフィン(0.572g、2.18mmol)のテトラヒドロフラン(20ml)中の懸濁液に一度に加えた。混合物を1時間室温で撹拌し、そして次いで更なる部分のトリフェニルホスフィン(0.572g、2.18mmol)及びアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(0.502g、2.18mmol)を加えた。混合物を2時間撹拌し、そして次いでメチルtert−ブチルエーテル(20ml)で希釈し、そして次いで濾過した。残留物をメチルtert−ブチルエーテルで洗浄し、そして次いで空気中で乾燥して、2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−エトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド(0.66g、72%収率)を得た:
MS(+ve ESI)503(M+H)
【0285】
実施例14− 表4の化合物14− N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(7−エトキシ−5−{2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}キナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミドの調製
表4の実施例13のために記載したものと類似の方法で、(2S)−ピロリジン−2−イルメタノール(0.161g、1.59mmol)及び2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−エトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド(0.20g、0.40mmol)を使用して調製して、表4の化合物14(0.161g、71%収率)を得た:
NMR(DMSO d):12.38(s,1H),10.17(s,2H),8.44(s,1H),7.72(m,1H),7.20(m,2H),6.83(s,1H),6.77(s,1H),6.73(s,1H),4.65(brs,1H),4.39(m,1H),4.34(m,1H),4.18(q,2H),3.84(s,2H),3.39(m,2H),3.34(m,1H),3.17(m,1H),2.76(m,1H),2.56(m,1H),2.32(m,1H),1.77(m,1H),1.58(m,3H),1.39(t,3H)。
MS(+ve ESI)568(M+H)
【0286】
実施例15− 表4の化合物15− N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(7−エトキシ−5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}キナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミドの調製
表4の実施例13のために記載したものと類似の方法で、2−[(2−メトキシエチル)アミノ]エタノール(0.190g、1.60mmol)及び2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−エトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド(0.20g、0.40mmol)を使用して調製して、表4の化合物15(0.127g、54%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):12.37(s,1H),10.18(s,2H),8.44(s,1H),7.72(m,1H),7.18(m,2H),6.83(s,1H),6.76(s,1H),6.73(s,1H),4.61(brs,1H),4.34(t,2H),4.18(q,2H),3.84(s,2H),3.49(m,2H),3.38(m,2H),3.11(s,3H),3.05(t,2H),2.77(t,2H),2.69(t,2H),1.39(t,3H)。
MS(+ve ESI)586(M+H)
【0287】
実施例16− 表5の化合物16− リン酸二水素2−[(2−{[4−[(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−5−イル]オキシ}エチル)(メチル)アミノ]エチルの調製
テトラゾール(0.092g、1.3mmol)を、N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド(0.275g、0.44mmol)のジメチルアセトアミド(4ml)中の溶液に加え、そして混合物を室温で30秒間攪拌した。ジエチルホスホルアミド酸ジ−tert−ブチル(0.436g、1.75mmol)を滴下により加え、そして混合物を室温で90分間攪拌した。混合物を氷浴中で冷却し、そして次いで過酸化水素の水溶液(30%、2mmol)を加えた。混合物を室温まで温まらせ、そして2時間攪拌した。混合物を氷浴中で冷却し、そしてメタ重亜硫酸ナトリウムの水溶液(10%、2.2mmol)を加えている間、内部温度を20℃より低く維持した。混合物を5分間撹拌し、そして次いで炭酸水素ナトリウムの20%水溶液の添加によって塩基性にした。混合物をジクロロメタンで抽出し、有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして次いで真空中で蒸発した。残留物をフラッシュシリカクロマトグラフィーによって、ジクロロメタン:メタノール:880アンモニア水溶液の100:5:0.5から100:15:1への混合物の勾配で溶出して精製した。生成物を含有する画分を混合し、そして真空中で蒸発して、リン酸ジ−tert−ブチル2−[(2−{[4−[(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−5−イル]オキシ}エチル)(メチル)アミノ]エチルを得た。この中間体をジオキサン(8ml)中に溶解し、そして次いでジオキサン中の塩化水素の溶液(4M、0.66ml、2.6mmol)を加え、そして混合物を18時間室温で攪拌した。混合物を濾過し、そして残留物をジオキサンで、そして次いでジエチルエーテルで洗浄し、固体を窒素の雰囲気下で、そして次いで60℃の真空下で一晩乾燥して、表5の化合物16を、二塩酸塩(0.285g、86%収率)として得た:
H−NMR(DMSO−d):10.34(s,1H),8.79(s,1H),7.67(m,1H),7.19(m,2H),7.01(s,2H),6.77(s,1H),4.82(m,2H),4.31(m,2H),4.26(m,2H),3.91(s,2H),3.79(m,2H),3.74(m,2H),3.55(m,2H),3.34(s,3H),2.99(s,3H)。
MS(+ve ESI):652(M+H)
【0288】
実施例17− 表5の化合物17− リン酸二水素2−[(2−{[4−[(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−5−イル]オキシ}エチル)(エチル)アミノ]エチルの調製
実施例16に記載したものと類似の反応で、しかしN−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド(0.59g、1.0mmol)から出発して、表5の化合物17(0.25g、32%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):10.35(brs,1H),10.3(s,1H),8.95(brs,1H),8.65(s,1H),7.67(m,1H),7.16(m,2H),6.92(dd,2H),6.73(s,1H),4.73(t,2H),4.23(m,2H),4.18(m,2H),4.07(m,1H),3.87(s,2H),3.7(m,4H),3.5(t,2H),3.3(s,3H),3.1(t,1H),1.26(t,3H)。
MS(+ve ESI):666(M+H)
【0289】
実施例18− 表5の化合物18− リン酸二水素[(2S)−1−(2−{[4−[(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−5−イル]オキシ}エチル)ピロリジン−2−イル]メチルの調製
実施例16に記載したものと類似の反応で、しかしN−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド(0.49g、0.82mmol)から出発して、表5の化合物18(0.305g、47%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):10.65(brs,1H),10.38(s,1H),8.88(s,1H),7.66(t,1H),7.18(m,2H),7.0(dd,2H),6.72(s,1H),4.75−4.9(m,2H),4.15−4.3(m,4H),3.7−4.05(m,8H),3.3(s,3H),2.2(m,1H),1.75−2.1(m,3H)。
MS(+ve ESI):678(M+H)
【0290】
実施例19− 表5の化合物19− リン酸二水素2−[[2−({4−[(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−メトキシキナゾリン−5−イル}オキシ)エチル](2−メトキシエチル)アミノ]エチルの調製
実施例16に記載したものと類似の反応で、しかしN−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド(0.35g、0.61mmol)から出発して、表5の化合物19(0.36g、78%収率)を得た:
NMR(DMSO d):10.70(brs,1H),10.40(s,1H),8.88(s,1H),7.67(m,1H),7.21(m,2H),7.12(s,1H),7.05(s,1H),6.75(s,1H),4.86(m,2H),4.31(m,2H),3.99(s,3H),3.94(s,2H),3.89(m,2H),3.80(m,2H),3.65(m,2H),3.60(m,2H),3.27(s,3H)。
MS(+ve ESI)652(M+H)
【0291】
実施例20− 表5の化合物20− リン二酸水素{(2S)−1−[2−({4−[(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−メトキシキナゾリン−5−イル}オキシ)エチル]ピロリジン−2−イル}メチルの調製
実施例16に記載したものと類似の反応で、しかしN−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド(0.35g、0.63mmol)から出発して、表5の化合物20(0.382g、82%収率)を得た:
NMR(DMSO d):10.69(brs,1H),10.40(s,1H),8.88(s,1H),7.66(m,1H),7.19(m,2H),7.10(s,1H),7.06(s,1H),6.75(s,1H),4.91(m,1H),4.86(m,1H),4.34(m,1H),4.25(m,1H),4.02(m,1H),3.99(s,3H),3.93(s,2H),3.86(m,4H),2.22(m,1H),2.04(m,1H),1.96(m,1H),1.83(m,1H)。
MS(+ve ESI)634(M+H)
【0292】
実施例21− 表5の化合物21− リン酸二水素2−[[2−({4−[(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−メトキシキナゾリン−5−イル}オキシ)エチル](メチル)アミノ]エチルの調製
実施例16に記載したものと類似の反応で、しかしN−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド(0.38g、0.72mmol)から出発して、表5の化合物21(0.32g、62%収率)を得た:
NMR(DMSO d):10.67(brs,1H),10.36(s,1H),8.87(s,1H),7.67(m,1H),7.19(m,2H),7.06(s,1H),7.03(s,1H),6.76(s,1H),4.85(m,2H),4.28(m,2H),3.99(s,3H),3.93(s,2H),3.82(m,2H),3.58(m,2H),3.01(s,3H)。
【0293】
実施例22− 表5の化合物22− リン酸二水素(2S)−2−{[2−({4−[(5−{2−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−メトキシキナゾリン−5−イル}オキシ)エチル]アミノ}プロピルの調製
実施例16に記載したものと類似の反応で、しかしN−(3−フルオロフェニル)−2−(3−{[5−(2−{[(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ}エトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド(0.48g、0.94mmol)から出発して、表5の化合物22(0.556g、85%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d+CDCOOD):8.87(s,1H),7.64(m,1H),7.34(m,2H),7.05(s,2H),6.87(m,1H),6.74 (s,1H);4.78(m,2H),4.12(m,2H),4.26(m,2H),3.98(s,3H);3.86(s,2H),3.79(m,2H),3.66(m,1H),3.56(m,2H),1.35(d,3H)。
MS(+ve ESI):590(M+H)
【0294】
実施例23− 表6の化合物23− N−(3−フルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミドの調製
2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(3−フルオロフェニル)アセトアミド(185mg、0.36mmol)、2−(メチルアミノ)エタノール(108mg、1.44mmol)及びヨウ化カリウム(120mg、0.72mmol)のジメチルアセトアミド(2ml)中の混合物を、撹拌し、そして90℃で4時間加熱した。混合物を室温まで冷却させ、そして次いでC18シリカのHPLCによって、水/アセトニトリル/TFAの勾配を使用して直接精製して、表6の化合物23(113mg、57%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):12.38(s,1H),10.41(s,1H),10.29(s,1H),8.45(s,1H),7.61(d,1H),7.39−7.31(m,2H),6.91−6.85(m,2H),6.77(d,2H),4.65(s,1H),4.36(t,2H),4.25(m,2H),3.75−3.71(m,4H),3.52(m,2H),3.34(s,3H),2.91(t,2H),2.56(t,2H),2.32(s,3H)。
MS(+ESI):554(M+H)。
【0295】
出発物質として使用した2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(3−フルオロフェニル)アセトアミドは、以下のように調製した:
a) 塩化ホスホリル(532μl、5.70mmol)を、5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4(3H)−オン(500mg、1.68mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(992μl、5.70mmol)の1,2−ジクロロエタン(12ml)中の撹拌された混合物に室温で滴下により加えた。得られた橙色の溶液を撹拌し、そして80℃で6.5時間加熱し、そして次いで1,2−ジクロロエタンの大部分を蒸発した。残留物をジクロロメタン中に取込み、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして橙色のゴム状物まで蒸発した。ゴム状物をシリカのクロマトグラフィーによって、酢酸エチルを溶出剤として使用して精製して、4−クロロ−5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン(402mg、76%収率)を、淡黄色の固体として得た。
MS(+ESI):317(M+H)。
【0296】
b) 4−クロロ−5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン(2.01g、6.34mmol)、(3−アミノ−1H−ピラゾール−5−イル)酢酸(0.89g、6.31mmol)及び塩化水素(1,4−ジオキサン中の4Mの溶液の1.6ml、6.4mmol)のジメチルアセトアミド(2ml)中の混合物を、室温で4時間攪拌した。得られた濃厚な懸濁液を水(100ml)に加え、次いで水酸化ナトリウムの40%水溶液をpH12まで加えた。次いで2Nの塩酸を加えて、pHを8.4に再調節した。得られた淡橙色の固体を濾過し、水で洗浄し、そして五酸化リンで高真空下で乾燥して、(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)酢酸(2.45g、92%)収率を得た。
MS(+ESI):422(M+H)。
【0297】
c) トリフルオロ酢酸ペンタフルオロフェニル(212mg、0.76mmol)を、(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)酢酸(160mg、0.38mmol)及びピリジン(61μl、0.76mmol)のDMF(1.5ml)中の撹拌された懸濁液に、室温で滴下により加えた。得られた溶液を15分間撹拌し、そして次いで3−フルオロアニリン(73μl、0.76mmol)を加えた。反応混合物を室温で90分間撹拌し、そして次いで90℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、混合物をジエチルエーテル(15ml)に加えた。得られた淡褐色の固体を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、そして次いで乾燥して、2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(3−フルオロフェニル)アセトアミド(185mg、95%収率)を残した。
MS(+ESI):515(M+H)。
【0298】
実施例24− 表6の化合物24− N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[7−エトキシ−5−(2−{[(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ}エトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミドの調製
2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−エトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド(0.25g、0.50mmol)、(2S)−2−アミノプロパン−1−オール(0.15g、2.0mmol)及びヨウ化カリウム(0.165g、1.0mmol)のジメチルアセトアミド(2.5ml)中の混合物を、90℃で4時間加熱した。混合物を室温まで冷却させ、そして次いで水中に注いだ。得られた沈澱物を分離用HPLCによって、水(0.2%のトリフルオロ酢酸を含有)中のアセトニトリル(0.2%のトリフルオロ酢酸を含有)の勾配で溶出して精製した。生成物を含有する画分を混合し、重炭酸ナトリウムで塩基性化し、そして次いで真空中で濃縮した。混合物をジクロロメタン中の10%のイソ−プロパノールの混合物で抽出し、そして抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥した。抽出物を蒸発し、そして残留物をジエチルエーテルで摩砕して、表6の化合物24(0.111g、52%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):12.36(s,1H),10.24(s,1H),10.18(s,1H),8.45(s,1H),7.75−7.68(m,1H),7.24−7.14(m,2H),6.84(s,1H),6.76(s,1H),6.70(s,1H),4.61(s,1H),4.37−4.28(m,2H),4.18(q,2H) 3.84(s,2H),約3.4−約3.3(m,ピークはDMSOの下),3.18−3.05(m,2H),2.82−2.71(m,1H),1.39(t,3H),0.98(d,3H)。
MS(+ESI):542(M+H)。
【0299】
実施例25− 表6の化合物25− N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[7−エトキシ−5−(2−{[(1S)−1−(ヒドロキシメチル)プロピル]アミノ}エトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミドの調製
表6の実施例24に記載したものと類似の方法で、(2S)−2−アミノブタン−1−オール(0.142g、1.6mmol)を使用して調製して、表6の化合物25(0.133g、60%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):12.36(brs,1H),10.27(brs,1H),10.17(s,1H),8.45(s,1H),7.75−7.68(m,1H),7.24−7.14(m,2H),6.85(brs,1H),6.76(s,1H),6.70(s,1H),4.55(brs,1H),4.34−4.27(m,2H),4.18(q,2H),3.84(brs,2H),3.47−3.89(m,1H),約3.4−約3.3(m,ピークはDMSOの下),3.18−3.07(m,2H),1.39(t,3H),0.87−0.77(m,2H)。
MS(+ESI):556(M+H)。
【0300】
実施例26− 表6の化合物26− N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[7−エトキシ−5−(2−{[(1S)−1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル]アミノ}エトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミドの調製
表6の実施例24に記載したものと類似の方法で、(2S)−2−アミノ−3−メチルブタン−1−オール(0.164g、1.6mmol)を使用して調製して、表6の化合物26(0.148g、65%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):12.35(brs,1H),10.26(brs,1H),10.17(brs,1H),8.45(s,1H),7.76−7.67(m,1H),7.24−7.14(m,2H),6.86(brs,1H),6.76(s,1H),6.70(s,1H),4.51(brs,1H),4.34−4.25(m,2H),4.18(q,2H),3.84(brs,2H),3.52−3.43(m,1H),3.40−約3.3(m,1H ピークは一部DMSOの下),3.23−3.14(m,1H),3.13−3.05(m,1H),2.40−2.31(m,1H),1.81−1.70(m,1H),1.39(t,3H),0.82(d,6H)。
MS(+ESI):570(M+H)。
【0301】
実施例27− 表6の化合物27− N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[7−エトキシ−5−(2−{[(1R)−2−ヒドロキシ−1−(メトキシメチル)エチル]アミノ}エトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミドの調製
表6の実施例24に記載したものと類似の方法で、(2R)−2−アミノ−3−メトキシプロパン−1−オール[Meyers,A.I.;Schmidt,Wolfgang;McKennon,Marc J.Asymmetric addition to chiral aromatic and unsaturated oxazolines using a novel chiral auxiliary.Synthesis(1993),(2),250−62](0.167g、1.6mmol)を使用して調製して、表6の化合物27(0.124g、55%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):12.36(brs,1H),10.26(brs,1H),10.18(brs,1H),8.44(s,1H),7.77−7.67(m,1H),7.24−7.14(m,2H),6.84(brs,1H),6.76(s,1H),6.70(s,1H),4.65−4.56(m,1H),4.35−4.26(m,2H),4.18(q,2H),3.84(brs,2H),3.50−約3.3(m,2Hピークは一部DMSOの下),3.22−3.10(m,5H),2.82−2.74(m,1H),2.51(t,3H)。
MS(+ESI):572(M+H)。
【0302】
実施例28− 表6の化合物28− 2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}−N−フェニルアセトアミドの調製
2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−フェニルアセトアミド、2−[(2−メトキシエチル)アミノ]エタノール(0.21g、1.8mmol)及びヨウ化カリウム(0.14g、0.84mmol)のジメチルアセトアミド(2ml)中の混合物を、90℃で4時間加熱した。混合物を室温まで冷却させ、そして次いで分離用HPLCによって、水(0.2%のトリフルオロ酢酸を含有)中のアセトニトリル(0.2%のトリフルオロ酢酸を含有)の勾配で溶出して直接精製した。生成物を含有する画分を混合し、重炭酸ナトリウムで塩基性化し、そして次いでジクロロメタンで抽出した。抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして次いで蒸発した。残留物をジエチルエーテルで摩砕して、表6の化合物28(0.118g、52%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):12.38(brs,1H),10.19(brs,1H),8.45(brs,1H),7.61(d,2H),7.36−7.28(m,2H),7.10−7.02(m,1H),6.82(brs,1H),6.79(s,1H),6.74(s,1H),4.62(brs,1H),4.37−4.30(m,2H),3.90(s,3H),3.74(brs,2H),3.53−3.46(m,2H),3.41−3.34(m,2H),3.11(s,2H),3.06(t,2H),2.77(t,2H),2.69(t,2H)。
MS(+ESI):536(M+H)。
【0303】
出発物質として使用した2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−フェニルアセトアミドは、以下のように調製した:
a) アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(3.08g、13.4mmol)のテトラヒドロフラン(10ml)中の溶液を、ピバル酸[5−(2−クロロエトキシ)−7−ヒドロキシ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]メチル(3.96g、11.2mmol)、メタノール(0.39g、12.2mmol)及びトリフェニルホスフィン(3.50g、13.4mmol)のテトラヒドロフラン(25ml)中の溶液に滴下により加え、そして混合物を室温で75分間攪拌した。更なる部分のトリフェニルホスフィン(3.50g、13.4mmol)を、続いてアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(3.08g、13.4mmol)のテトラヒドロフラン(10ml)中の溶液を加え、そして混合物を室温で90分間攪拌した。更なる部分のトリフェニルホスフィン(3.5g、13.4mmol)を、続いてアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(3.08g、13.4mmol)のテトラヒドロフラン(10ml)中の溶液を加え、そして混合物を室温で60分間攪拌した。混合物を蒸発し、そして残留物を酢酸エチル(50ml)中に取込み、そして次いで塩酸(4N)で処理した。得られた沈澱物を濾過し、そして酢酸エチルで洗浄した。残留物をメタノール中に溶解し、そして次いで混合物を蒸発した。残留物をジクロロメタン及び重炭酸ナトリウムの飽和溶液間に分配した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発した。残留物をジエチルエーテルで摩砕して、ピバル酸[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]メチル(3.0g、75%収率)を残し、これを更なる精製なしに次の工程で使用した:
MS(+ESI):369(M+H)。
【0304】
b) ピバル酸[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]メチル(3.0g、8.14mmol)のメタノール中のアンモニアの溶液(7N、60ml)中の混合物を、50℃に温めて、透明な溶液を得て、そして次いで室温で24時間攪拌させた。混合物をメチルtert−ブチルエーテル(60ml)で希釈し、そして次いで濾過した。残留物をメチルtert−ブチルエーテルで洗浄し、そして次いで乾燥して、5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン(1.62g、78%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):11.73(brs,1H),7.92(s,1H),6.71(d,1H),6.58(d,1H),4.32(t,2H),3.95(t,2H),3.87(s,3H)。
MS(+ESI):255/257(M+H)。
【0305】
c) オキシ塩化リン(0.819g、5.34mmol)を、5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.40g、1.57mmol)及びN,N−ジ−イソ−プロピルエチルアミン(0.689g、5.34mmol)の1,2−ジクロロエタン(10ml)中の撹拌された溶液に滴下により加えた。混合物を80℃で5時間加熱した。混合物を蒸発し、そして残留物をジクロロメタン中に取込み、そして次いで重炭酸ナトリウムの飽和溶液で洗浄した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発した。残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって、酢酸エチルで溶出して精製して、4−クロロ−5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン(0.30g、70%収率)を得た:
MS(+ESI):273/275/277(M+H)。
【0306】
d) ジオキサン中の塩化水素の溶液(4N、0.27mmol)を、4−クロロ−5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン(0.30g、1.1mmol)及び(3−アミノ−1H−ピラゾール−5−イル)酢酸(0.155g、1.1mmol)のジメチルアセトアミド(3ml)中の混合物に加え、そして混合物を室温で5時間攪拌した。混合物を水(15ml)中に注ぎ、そして混合物を40%の水酸化ナトリウム溶液の添加により塩基性(pH12)にした。透明な溶液を希塩酸の添加によってpH4.8にした。得られた沈澱物を濾過し、そして残留物を水で洗浄し、そして次いで五塩化リンで高真空下で乾燥して、(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)酢酸(0.362g、87%収率)を得た:
MS(+ESI):378/380(M+H)。
【0307】
e) トリフルオロ酢酸ペンタフルオロフェニル(0.237g、0.84mmol)を、(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)酢酸(0.16g、0.42mmol)及びピリジン(0.067g、0.84mmol)のジメチルホルムアミド(1.5ml)中の撹拌された懸濁液に滴下により加えた。混合物を室温で15分間撹拌し、そして次いでアニリン(0.079g、0.84mmol)を加えた。混合物を室温で45分間撹拌し、そして次いで更なる部分のアニリン(0.01ml)を加え、そして次いで混合物を90℃で3時間加熱した。混合物を室温まで冷却させ、そして次いでジエチルエーテル(15ml)で希釈した。得られた沈澱物をジエチルエーテルで摩砕し、そして空気中で乾燥して、2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−フェニルアセトアミド(0.193g、100%収率)を得て、これを更なる精製なしに次の工程で使用した:
MS(+ESI):453/455(M+H)。
【0308】
実施例29− 表6の化合物29− N−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミドの調製
表6の実施例28に記載したものと類似の方法で、2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,4−ジフルオロフェニル)アセトアミド(0.15g、0.31mmol)を使用して調製して、表6の化合物29(0.068g、39%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):12.37(brs,1H),10.18 s,1H),9.99(brs,1H),8.45(s,1H),7.90−7.82(m,1H),7.37−7.28(m,1H),7.10−7.03(m,1H),6.83(brs,1H),6.79(s,1H),6.75(s,1H),4.61(brs,1H),4.37−4.30(m,2H),3.90(s,3H),3.81(brs,2H),3.53−3.45(m,2H),3.41−3.34(m,2H),3.11(s,3H),3.08−3.02(m,2H),2.77(t,2H),2.69(t,2H)。
MS(+ESI):572(M+H)。
【0309】
出発物質として使用した2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,4−ジフルオロフェニル)アセトアミドは、以下のように調製した:
a) 表6の実施例28(e)に記載したものと類似の方法で、2,4−ジフルオロアニリン(0.137g、1.1mmol)を使用して調製して、2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,4−ジフルオロフェニル)アセトアミド(0.15g、72%収率)を得た:
MS(+ESI):489/491(M+H)。
【0310】
実施例30− 表6の化合物30− N−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミドの調製
表6の実施例28に記載したものと類似の方法で、2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(3,5−ジフルオロフェニル)アセトアミド(0.15g、0.31mmol)を使用して調製して、表6の化合物30(0.072g、41%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):12.40(brs,1H),10.59(s,1H),10.19(s,1H),8.45(s,1H),7.38−7.30(m,2H),6.96−6.87(m,1H),6.83(brs,1H),6.79(s,1H),6.74(s,1H),4.64−4.58(m,1H),4.38−4.30(m,2H),3.90(s,3H),3.77(brs,2H),3.52−3.45(m,2H),3.41−3.34(m,2H),3.11(s,3H),3.08−3.02(m,2H),2.77(t,2H),2.69(t,2H)。
MS(+ESI):572(M+H)。
【0311】
出発物質として使用した2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(3,5−ジフルオロフェニル)アセトアミドは、以下のように調製した:
a) 表6の実施例28(e)に記載したものと類似の方法で、3,5−ジフルオロアニリン(0.137g、1.1mmol)を使用して調製して、2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(3,5−ジフルオロフェニル)アセトアミド(0.15g、72%収率)を得た:
MS(+ESI):489/491(M+H)。
【0312】
実施例31− 表6の化合物31− N−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミドの調製
表6の実施例28に記載したものと類似の方法で、2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,5−ジフルオロフェニル)アセトアミド(0.18g、0.37mmol)を使用して調製して、表6の化合物31(0.048g、23%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):12.37(brs,1H),10.19(brs,2H),8.45(s,1H),7.96−7.88(m,1H),7.38−7.29(m,1H),7.03−6.94(m,1H),6.83(brs,1H),6.79(s,1H),6.75(s,1H),4.61(brs,1H),4.34(t,2H),3.90(s,3H),3.89−3.82(m,2H),3.53−3.46(m,2H),3.41−3.34(m,2H),3.11(s,3H),3.06(t,2H),2.77(t,2H),2.69(t,2H)。
MS(+ESI):572(M+H)。
【0313】
出発物質として使用した2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,5−ジフルオロフェニル)アセトアミドは、以下のように調製した:
a) 表6の実施例28(e)に記載したものと類似の方法で、2,5−ジフルオロアニリン(0.137g、1.1mmol)を使用して調製して、2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(2,5−ジフルオロフェニル)アセトアミド(0.18g、87%収率)を得た:
MS(+ESI):489/491(M+H)。
【0314】
実施例32− 表6の化合物32− N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2R)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミドの調製
表3の実施例10に記載したものと類似の方法で、(2R)−ピロリジン−2−イルメタノール(0.296g、2.93mmol)を使用して調製して、表6の化合物32(0.243g、10%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):12.1−12.0(brs,1H),10.08(s,1H),9.75(s,1H),8.42(s,1H),7.70−7.66(m,1H),7.20−7.10(m,2H),6.85−6.76(m,3H),4.45−4.33(m,2H),4.29−4.26(m,2H),4.18−4.08(brs,1H),3.86−3.78(brs,1H),3.76−3.73(m,2H),3.38(s,3H),3.43−3.32(m,3H),3.19−3.14(m,1H),2.89−2.84(m,1H),2.68−2.60(m,1H),2.45−2.39(m,1H),1.85−1.77(m,1H),1.68−1.60(m,2H),1.60−1.50(m,1H)。
MS(+ESI):598(M+H)。
【0315】
実施例33− 表6の化合物33− N−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミドの調製
表6の実施例23に記載したものと類似の方法で、2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)アセトアミド(0.19g、0.35mmol)及び2−(メチルアミノ)エタノール(0.104g、1.39mmol)を使用して調製して、表6の化合物33(0.102g、50%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):12.36(s,1H),10.28(s,1H),10.09(brs,1H),8.44(s,1H),8.1−7.92(m,1H),7.53−7.45(m,1H),7.30−7.23(m,1H),6.85(brs,1H),6.78(s,1H),6.76(s,1H),4.68−4.61(m,1H),4.40−4.31(m,2H),4.28−4.22(m,2H),3.83(brs,2H),3.74−3.69(m,2H),3.56−3.49(m,2H),3.34(s,3H),2.94−2.88(m,2H),2.56(t,2H),2.32(s,3H)。
MS(+ESI):588/590(M+H)。
【0316】
出発物質として使用した2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)アセトアミドは、以下のように調製した:
a) 実施例23(c)に記載したものと類似の方法で、4−クロロ−2−フルオロアニリン(0.110g、0.76mmol)を使用して調製して、2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)アセトアミド(0.19g、91%収率)を得た:
MS(+ESI):549(m+H)
実施例34− 表6の化合物34− N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミドの調製
表6の実施例23に記載したものと類似の方法で、2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)アセトアミド(0.20g、0.36mmol)及び2−(メチルアミノ)エタノール(0.109g、1.45mmol)を使用して調製して、表6の化合物34(0.108g、50%収率)を得た:
H−NMR(DMSO d):12.37(s,1H),10.29(s,1H),10.16(brs,1H),8.45(s,1H),7.88(t,1H),7.35(t,1H),7.20(t,1H),6.86(brs,1H),6.79(s,1H),6.77(s,1H),4.69−4.61(m,1H),4.39−4.32(m,2H),4.28−4.22(m,2H),3.84(brs,2H),3.75−3.69(m,2H),3.56−3.49(m,2H),3.34(s,3H),2.91(t,2H),2.57(t,2H),2.32(s,3H)。
MS(+ESI):588/590(M+H)。
【0317】
出発物質として使用した2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)アセトアミドは、以下のように調製した:
a) 実施例23(c)に記載したものと類似の方法で、3−クロロ−2−フルオロアニリン(0.110g、0.76mmol)を使用して調製して、2−(3−{[5−(2−クロロエトキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)アセトアミド(0.20g、96%収率)を得た:
MS(+ESI):549(M+H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I):
【化1】

[式中
は、水素又はC1−4アルコキシによって所望により置換されていてもよいC1−4アルコキシであり;
は、以下の式(IA):
【化2】

[式中、*は、式(I)への接続点である;]
の基であり;
は、水素又はC1−4アルコキシによって所望により置換されていてもよいC1−4アルキルであり;
或いはR及びRは、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式(IB):
【化3】

[式中、*は、式(I)への接続点である;]
の環を形成し;
或いはR及びRは、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式(IC):
【化4】

[式中、*は、式(I)への接続点である;]
の環を形成し、但し、この場合、Rは、C1−4アルコキシによって所望により置換されていてもよいC2−4アルコキシであることを条件とし;
は、1又は2個のハロによって所望により置換されていてもよいフェニルであり;
は、水素又はC1−4アルコキシによって所望により置換されていてもよいC1−4アルキルであり;
nは、0又は1であり;そして
Xは、CH、NH、N(C1−4アルキル)、O又はSである;]
の化合物、或いはその塩、エステル又はプロドラッグ。
【請求項2】
が、2−ヒドロキシエチル、(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、(1S)−2−ヒドロキシ−1−エチルエチル、(1S)−2−ヒドロキシ−1−イソプロピルエチル又は(1S)−2−ヒドロキシ−1−(メトキシメチル)エチルである、請求項1に記載の化合物、或いはその塩、エステル又はプロドラッグ。
【請求項3】
が、2−ヒドロキシエチル又は(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチルである、請求項2に記載の化合物、或いはその塩、エステル又はプロドラッグ。
【請求項4】
が、水素、メチル、エチル又はメトキシエチルである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化合物、或いはその塩、エステル又はプロドラッグ。
【請求項5】
及びRが、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式:
【化5】

[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成するか;或いはR及びRが、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式:
【化6】

[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成し、そしてこの場合、Rがエトキシ又はメトキシエトキシであることを条件とする、請求項1に記載の化合物、或いはその塩、エステル又はプロドラッグ。
【請求項6】
及びRが、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式:
【化7】

[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成するか;或いはR及びRが、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式:
【化8】

[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成し、そしてこの場合、Rがエトキシ又はメトキシエトキシであることを条件とする、請求項5に記載の化合物、或いはその塩、エステル又はプロドラッグ。
【請求項7】
及びRが、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式:
【化9】

[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成する、請求項6に記載の化合物、或いはその塩、エステル又はプロドラッグ。
【請求項8】
以下の式(I’):
【化10】

[式中
は、水素又はC1−4アルコキシによって所望により置換されていてもよいC1−4アルコキシであり;
2’は、以下の式(IA’):
【化11】

[式中、*は、式(I’)への接続点である;]
の基であり;
3’は、水素又はC1−4アルコキシによって所望により置換されていてもよいC1−4アルキルであり;
或いはR2’及びR3’は、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式(IB’):
【化12】

[式中、*は、式(I’)への接続点である;]
の環を形成し;
或いはR2’及びR3’は、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式(IC’):
【化13】

[式中、*は、式(I’)への接続点である;]
の環を形成し、但し、この場合、Rは、C1−4アルコキシによって所望により置換されていてもよいC2−4アルコキシであることを条件とし;
は、1又は2個のハロによって所望により置換されていてもよいフェニルであり;
は、水素又はC1−4アルコキシによって所望により置換されていてもよいC1−4アルキルであり;
nは、0又は1であり;そして
Xは、CH、NH、N(C1−4アルキル)、O又はSである;]
の請求項1に記載の化合物、又はその塩。
【請求項9】
2’が、2−ホスホノオキシエチル、(1S)−2−ホスホノオキシ−1−メチルエチル、(1S)−2−ホスホノオキシ−1−エチルエチル、(1S)−2−ホスホノオキシ−1−イソプロピルエチル又は(1S)−2−ホスホノオキシ−1−(メトキシメチル)エチルである、請求項8に記載の化合物、又はその塩。
【請求項10】
2’が、2−ホスホノオキシエチル又は(1S)−2−ホスホノオキシ−1−メチルエチルである、請求項9に記載の化合物、又はその塩。
【請求項11】
が、水素、メチル、エチル又はメトキシエチルである、請求項8ないし10のいずれか1項に記載の化合物、又はその塩。
【請求項12】
2’及びR3’が、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式:
【化14】

[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成するか;或いはR2’及びR3’が、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式:
【化15】

[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成し、そしてこの場合、Rがエトキシ又はメトキシエトキシであることを条件とする、請求項8に記載の化合物、又はその塩。
【請求項13】
2’及びR3’が、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式:
【化16】

[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成するか;或いはR2’及びR3’が、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式:
【化17】

[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成し、そしてこの場合、Rがエトキシ又はメトキシエトキシであることを条件とする、請求項12に記載の化合物、又はその塩。
【請求項14】
2’及びR3’が、これらが接続している窒素原子といっしょに、以下の式:
【化18】

[式中、*は、式(I)への接続点である;]
を形成する、請求項13に記載の化合物、又はその塩。
【請求項15】
が、メトキシによって所望により置換されていてもよいC1−4アルコキシである、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の化合物、或いはその塩、エステル又はプロドラッグ。
【請求項16】
が、メトキシ、エトキシ又はメトキシエトキシである、請求項15に記載の化合物、或いはその塩、エステル又はプロドラッグ。
【請求項17】
が、1又は2個のフルオロ若しくはクロロによって所望により置換されていてもよいフェニルである、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の化合物、或いはその塩、エステル又はプロドラッグ。
【請求項18】
が、フェニル、3−フルオロフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2−フルオロ−3−クロロフェニル又は2−フルオロ−4−クロロフェニルである、請求項17に記載の化合物、或いはその塩、エステル又はプロドラッグ。
【請求項19】
が、3−フルオロフェニル又は2,3−ジフルオロフェニルである、請求項18に記載の化合物、或いはその塩、エステル又はプロドラッグ。
【請求項20】
N−(3−フルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(3−フルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(3−フルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(3−フルオロフェニル)−2−(3−{[5−(2−{[(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ}エトキシ)−7−メトキシキナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチルピペラジン−1−イル]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(7−エトキシ−5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}キナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(7−エトキシ−5−{2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}キナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(7−エトキシ−5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}キナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(3−フルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[7−エトキシ−5−(2−{[(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ}エトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[7−エトキシ−5−(2−{[(1S)−1−(ヒドロキシメチル)プロピル]アミノ}エトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[7−エトキシ−5−(2−{[(1S)−1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル]アミノ}エトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[7−エトキシ−5−(2−{[(1R)−2−ヒドロキシ−1−(メトキシメチル)エチル]アミノ}エトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}−N−フェニルアセトアミド;
N−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−{3−[(5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}−7−メトキシキナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}アセトアミド;
N−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2R)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
N−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;又は
N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−(3−{[5−{2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
リン酸二水素2−[(2−{[4−[(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−5−イル]オキシ}エチル)(メチル)アミノ]エチル;
リン酸二水素2−[(2−{[4−[(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−5−イル]オキシ}エチル)(エチル)アミノ]エチル;
リン酸二水素[(2S)−1−(2−{[4−[(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−5−イル]オキシ}エチル)ピロリジン−2−イル]メチル;
リン酸二水素2−[[2−({4−[(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−メトキシキナゾリン−5−イル}オキシ)エチル](2−メトキシエチル)アミノ]エチル;
リン二酸水素{(2S)−1−[2−({4−[(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−メトキシキナゾリン−5−イル}オキシ)エチル]ピロリジン−2−イル}メチル;
リン酸二水素2−[[2−({4−[(5−{2−[(2,3−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−メトキシキナゾリン−5−イル}オキシ)エチル](メチル)アミノ]エチル;及び
リン酸二水素(2S)−2−{[2−({4−[(5−{2−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−7−メトキシキナゾリン−5−イル}オキシ)エチル]アミノ}プロピル;
から選択される、請求項1に記載の化合物、又は医薬的に受容可能なその塩。
【請求項21】
請求項1ないし20のいずれか1項において定義したとおりの式(I)の化合物、或いは医薬的に受容可能なその塩、エステル又はプロドラッグを、医薬的に受容可能な希釈剤又は担体と共に含んでなる医薬組成物。
【請求項22】
医薬として使用するための、請求項1ないし20のいずれか1項において定義したとおりの式(I)の化合物、或いは医薬的に受容可能なその塩、エステル又はプロドラッグ。
【請求項23】
癌のような過剰増殖性疾病の治療のための医薬として使用するための、請求項22に記載の化合物、或いは医薬的に受容可能なその塩、エステル又はプロドラッグ。
【請求項24】
過剰増殖性疾病の治療のための医薬の調製における、請求項1ないし20のいずれか1項において定義したとおりの式(I)の化合物、或いは医薬的に受容可能なその塩、エステル又はプロドラッグの使用。
【請求項25】
前記過剰増殖性疾病が、結腸直腸、乳房、肺、前立腺、膀胱、腎臓若しくは膵臓癌又は白血病或いはリンパ腫のいずれか一つである、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
一つ又はそれより多いオーロラキナーゼの阻害が有益である疾病に悩むヒトを治療する、治療的に有効な量の請求項1ないし20のいずれか1項において定義したとおりの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩を、それを必要とするヒトに投与する工程を含んでなる方法。
【請求項27】
結腸直腸、乳房、肺、前立腺、膵臓若しくは膀胱及び腎臓癌又は白血病或いはリンパ腫に悩むヒトを治療する、治療的に有効な量の請求項1ないし20のいずれか1項において定義したとおりの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩を、それを必要とするヒトに投与する工程を含んでなる方法。
【請求項28】
式(I)の化合物、或いはその塩、エステル又はプロドラッグの調製のための方法であって:
以下の式(II):
【化19】

[式中、Lは、脱離基である;]
の化合物を、以下の式(III):
【化20】

のアミンと反応させ;そしてその後、必要な場合:
i)式(I)の化合物をもう一つの式(I)の化合物に転換すること;
ii)いずれもの保護基を除去すること;及び/又は
iii)塩、エステル又はプロドラッグを形成すること;
を含んでなり、式中、R、R、R及びRは、請求項1において定義したとおりである、前記方法。
【請求項29】
式(I’)の化合物、又はその塩の調製のための方法であって:
請求項1において定義したとおりの式(I)の化合物のリン酸化、そしてその後、必要な場合:
i)式(I’)の化合物をもう一つの式(I’)の化合物に転換すること;
ii)いずれもの保護基を除去すること;及び/又は
iii)塩、エステル又はプロドラッグを形成すること;
を含んでなる、前記方法。

【公表番号】特表2008−524315(P2008−524315A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547616(P2007−547616)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【国際出願番号】PCT/GB2005/004872
【国際公開番号】WO2006/067391
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】