発光式の視線誘導標
【課題】寒冷地や豪雪地において、吹雪や濃霧が発生し、視界が悪い場合や、夜間等の暗い場合であっても、ドライバーが視認することができる視線誘導標を提供する。
【解決手段】下向き傾斜状に発光する第一のLED13aと略鉛直方向に向けて発光する第三のLED13cを供えた標示装置で視線誘導標2を構成し、視界不良である場合は昼夜問わず第三のLED13cを点灯し、視界がよく、夜間である場合は第一のLED13aを点灯するよう、視線誘導標2の周囲の視界状況や明るさによって点灯するLEDの点灯を制御することで、LEDの光を目標物として安全に運転できるように構成した。
【解決手段】下向き傾斜状に発光する第一のLED13aと略鉛直方向に向けて発光する第三のLED13cを供えた標示装置で視線誘導標2を構成し、視界不良である場合は昼夜問わず第三のLED13cを点灯し、視界がよく、夜間である場合は第一のLED13aを点灯するよう、視線誘導標2の周囲の視界状況や明るさによって点灯するLEDの点灯を制御することで、LEDの光を目標物として安全に運転できるように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積雪した道路の車道左端縁の位置を標示したり、吹雪や濃霧等の視界不良時において視認性を高めた状態で標示したりすることのできる発光式の視線誘導標の技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
豪雪地帯等の積雪した道路において、車道と路肩との境界線である外側線や縁石等が設けられる車道左端縁の位置を標示する視線誘導標として、矢羽根を下垂させて該矢羽根の先端が該左端縁を示すようにしたものが知られている。
しかし、この種の視線誘導標は、昼間の好天時に視認することは容易であるが、夜間や、昼夜間問わず霧や吹雪等の視界不良時において、視線誘導標を視認することができないことがあり、このような場合、車道左端縁の位置が分からなくなってしまい、運転しづらいといった問題がある。
【0003】
そこで、矢羽根形状の視線誘導標の表面(路上走行中の運転手が視認できる側の面)であって、路上走行中の運転手の斜め上を向く視線に対して正面位置に位置する面にLED(発光ダイオード)を配設し、視界不良時に該LEDを点灯(連続点灯や点滅点灯等)させることで、視線誘導標の視認性を高めるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。ところがこのものは、視線誘導標そのものにLEDが組み込まれたものであるため、既設の視線誘導標が発光体を備えないものである場合、視線誘導標全体を交換しなければならないという問題がある。
これを解決するため、発光式の発光体を既存の視線誘導標に後付けできるようにしたものも知られている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−302055号公報
【特許文献2】特許第3874977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら前記特許文献1、2に記載されるものは、何れも視線誘導標の表面であって、路上走行中の運転手の斜め上を向く視線に対して正面位置に位置する面のみにLEDを配設しているため、激しい吹雪や濃霧が発生している場合や、さらには所謂ホワイトアウト現象の発生等により視界が著しく悪い場合においては、LEDの光が遮られてしまって視線誘導標からの光を視認できず、その結果、車道左端縁の認識が困難になってしまうという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、発光体が設けられた標示装置で発光式の視線誘導標を構成するにあたり、該標示装置は、該視線誘導標が道路に取付けられた状態で、車両走行方向に対して上端側が上手側に偏倚し下端側が下手側に偏倚するよう傾斜する正面側面部と、該正面側面部の下側に位置していて路面と対向して略水平方向を向く下側面部とを備えて構成され、前記発光体は、正面側面部に設けられ、左右間隔が下側ほど順次狭くなるよう略V字形に配されていて光軸が車両の走行方向上手方向に向けて下向き傾斜方向を向く正面側面部発光体と、下側面部に設けられ、光軸が下方の車道左端縁を指す方向を向く下側面部発光体とを備えて構成され、これら発光体の点灯制御する点灯制御部は、視界不良状態であるか否かの検知をする天候検知センサと昼夜間の検知をする昼夜間検知センサとが接続されていて、天候検知センサが視界不良状態を検知したときには昼夜間検知に拘わらず少なくとも下側面部発光体の点灯をし、天候検知センサが視界不良状態でなく昼夜間検知センサが夜間であることの検知をしたときには下側面部発光体は消灯するが正面側面部発光体は点灯をし、天候検知センサが視界不良状態でなく昼夜間検知センサが昼間であることの検知をしたときには正面側面部発光体および下側面部発光体の消灯をするよう制御するよう設定されていることを特徴とする発光式の視線誘導標である。
請求項2の発明は、正面側面部の上側には、該視線誘導標が道路に取付けられた状態で、略鉛直方向を向く上側面部が設けられ、該上側面部には、光軸が正面側面部発光体よりも上側を向く上側面部発光体が設けられ、点灯制御部は、正面側面部発光体の点灯に合わせて上側面部発光体の点灯制御をするよう設定されていることを特徴とする請求項1記載の発光式の視線誘導標である。
請求項3の発明は、点灯制御部は、天候検知センサが視界不良状態を検知したときには下側面部発光体の点灯に合わせて正面側面部発光体の点灯制御をする請求項1または2記載の発光式の視線誘導標である。
請求項4の発明は、点灯制御部は、天候検知センサが視界不良状態を検知したときには下側面部発光体のみの点灯制御をする請求項1または2記載の発光式の視線誘導標である。
請求項5の発明は、標示装置は、上下方向長尺状のシャフト部と、逆三角形状をした矢羽根部とを供えて構成される非発光式の視線誘導標の前記矢羽根部部分に着脱自在に取付けられるものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一記載の発光式の視線誘導標である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明とすることにより、複数の方向へ発光体の光を送ることができるだけでなく、視線誘導標の周囲の視界状況や明るさによって、点灯する発光体の制御ができ、適切な発光体を点灯させることができ、特に吹雪や濃霧のように視界不良時には、昼夜間に拘わらず点灯する下側面部発光体の光軸が下方の車道左端縁を指す方向を向くことになって、この光を目標物として安全に運転することができる。
請求項2の発明とすることにより、より遠くから視線誘導標を認識することができる。
請求項3の発明とすることにより、複数方向へ発せられる発光体の光を適宜認識することができて、より安全に運転することができる。
請求項4の発明とすることにより、必要な発光体のみを点灯させることができる。
請求項5の発明とすることにより、既設の非発光式の視線誘導標に発光体を備えた標示装置を後付けすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】発光式の視線誘導標の使用状態を示す正面図である。
【図2】視線誘導標に標示装置を取付けた状態を示す正面図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】図2の背面図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ、図2の平面図、底面図である。
【図6】(A)、(B)はそれぞれ、標示装置の正面図、背面図である。
【図7】(A)、(B)はそれぞれ、標示装置の側面図、断面図である。
【図8】発光式の視線誘導標の使用状態を示す側面図である。
【図9】点灯制御部のブロック図である。
【図10】第一の実施の形態におけるLEDの点灯制御を示すフローチャート図である。
【図11】第二の実施の形態におけるLEDの点灯制御を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の第一の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は道路脇に設置される逆L字形状をした支柱であり、該支柱1の先端には、矢羽根(矢印)形状をした視線誘導標(スノーポール)2が後述するようにして固着されている。
前記視線誘導標2は、上下方向に長い長尺状の平板であって、該平板の左右中央部位が表面側(路上走行中の運転手が視認できる側の面)へ折り曲げられて上下方向に長い尾根部3cを形成する平面視山形状をしたシャフト部3と、該シャフト部3の下端に一体的に取付けられる下向き三角形をし、同じく左右中央部位が表面側へ折り曲げられて上下方向に長い尾根部4bを形成する平面視山形状の矢羽根部4とで下向き矢印(下向き矢羽根)形状をしている。そして、該視線誘導標2は、車道と路肩との境界線である外側線や縁石等が設けられる車道左端縁を矢羽根部4の先端が指し示すように支柱1に固着されている。
さらに視線誘導標2の表面は、シャフト部3と矢羽根部4の表面全体に亘って例えば赤白が交互に配色されたような反射面3a、4aとなっていて、夜間走行する車両のヘッドライトの光を反射し、運転手(ドライバー)が視認しやすいようになっている。なお、図2において、反射面3a、4aについて、赤色の配色部分を斜線で、白色の配色部分を白抜きで表した。
【0010】
シャフト部3の裏面(路上走行中の運転手が視認できない側の面)には、平面視したときに蟻溝状の取付け溝3bが設けられており、視線誘導標2は、該取付け溝3bに頭部5aが回り止め状に嵌め込まれたボルト5を、支柱1の先端部に嵌め込んだ略Ω形状の取付け金具6を貫通させナット7で緊締することで支柱1に固着されるようになっている。このとき、視線誘導標2の表面が、路上走行中の運転手の斜め上を向く視線に対して正面位置に位置するよう、鉛直方向に対して10度〜15度程斜め下を向くように傾斜する状態、つまり視線誘導標2は、車両走行方向を一つの流れの方向として見立てたとき、該車両走行方向に対して上端側が上手側(上流側)に偏倚し下端側が下手側(下流側)に偏倚するように傾斜する状態で支柱1に固着されており、これによって、運転中の運転手が視線誘導標2をより視認しやすいように取付けられている。
【0011】
このシャフト部3と矢羽根部4から成る視線誘導標2は、昼間の視界が良い時においては視認することが容易であることは勿論、夜間においても車両のヘッドライトが反射面3a、4aに当たって光が反射するため視認することが容易である。しかし、吹雪や霧等が発生して視界が悪い時には昼夜間を問わず、該視線誘導標2を視認することができなくなって、車道左端縁の位置を認識することができず、運転をすることが難しくなってしまうという惧れがある。しかしながら、このような場合であっても確実に車道左端縁の位置を認識できるように、後述するように、本発明が実施された発光式の標示装置8を前記視線誘導標2に着脱自在に組み付けることで発光式の視線誘導標となり、視界不良時においても車道左端縁の位置を認識することができるように構成されている。
尚、本発明は、本実施の形態のように標示装置8を別付けするものに限定されるものでないことは勿論であって、視線誘導標の矢羽根部4自体にLEDが予め組み込まれた一体型のものにしてもよいことはいうまでもない。
【0012】
前記発光式の標示装置8は、正面視において略逆三角形状をしていて、後述するように、反射面8a、発光体(LED)13を取付ける本体部9と、該本体部9を視線誘導標2に取付けるための取付け部10とを備えて構成されている。
前記本体部9は、正面視において逆台形形状をしていて、左右幅が矢羽根部4よりは幅狭に設定される正面側の面部である正面側面部9aと、該正面側面部9aの上端から例えば5〜15度(後述するように本体部9を視線誘導標2に取付けたときに垂直を向く角度から正面側面部9aよりは垂直に近い角度)ほど正面側面部9aに対して斜め上方向に傾斜していて、その上端縁が矢羽根部4の上端と略一致するまで上方に向けて延長した上側の面部である上側面部9bと、正面側面部9aとは同一面となる状態で矢羽根部4の下端部よりも僅か上位置に至るまで正面側面部9aの下端から下方に向けて延長する面部である延長面部9cと、延長面部9cの下端から前記正面側面部9aに対して例えば70〜80度(本体部9を視線誘導標2に取付けたときに水平を向く角度から延長面部側縁がやや上側に傾斜した角度)ほど延長面部9cに対して斜め下方向に傾斜した状態で裏面側に向けて延長されていて矢羽根部4の尾根部4bに当接する状態で折曲した下側の面部である下側面部9dとを備えて構成されている。
そして、該上側面部9b、正面側面部9a、延長部9c、下側面部9dは、表面全体に亘って、例えば矢羽根部4と同色の反射面8aとなっていて、視線誘導標2の反射面3a、4aと共に、夜間走行する車両のヘッドライトの光を反射し、運転手が目視しやすいようになっている。なお、本実施の形態では反射面8aは矢羽根部4の反射面4aと同色である赤色で構成されており、図2において、該反射面8aを斜線で表した。
【0013】
さらに正面側面部9a、上側面部9b、延長部9cの左右両側縁には、左右側片部9eが裏面側に向けて折曲形成されていて、後述するように標示装置8を視線誘導標2に取付けた場合、左右側片部9eの正面側面部9aと延長部9cから折曲した部位は矢羽根部4の表面からは離間しているが、上側面部9bから折曲した部位は矢羽根部4の表面に当接すると共に、矢羽根部4の上端に係脱自在に係止するフック部9fが左右側片部9eの上端に形成されている。また上側面部9bの上端縁には、裏面側に向けて折曲した上側片部9gが形成されているが、該上側片部9gは、標示装置8を視線誘導標2に取付けた場合に後端縁が矢羽根部4の表面に当接するようV字形になっている。
【0014】
前記取付け部10は、上下方向に長い板材で構成され、下端部が支軸11を介して左右側片部9eの下端部に前後方向揺動自在に軸支されている一方、取付け部10の上端部には、上側片部9gよりも上側に位置して貫通孔10aが穿設され、該貫通孔10aにボルト12が遊嵌状に貫通するようになっている。
【0015】
そして標示装置8を既設の視線誘導標2に取付けるには、フック部9fを矢羽根部4の上端部に上側から係止した仮保持状態にして本体部9を矢羽根部4の表面に当てがう。ボルト12のボルト頭12aは、前記取付け溝3bに回り止めされる状態で上下方向移動自在に遊嵌する設定であって、該ボルト頭12aを取付け溝3bに下側から遊嵌し、上動した取付け部10の貫通孔10aに貫通させ、貫通端側からナット12bを用いて緊締することで標示装置8が視線誘導標2の表面に取付けられるようになっている。そして、このようにして取付けると、標示装置8の正面側面部9aは、視線誘導標2の表面と同角度で傾斜した状態、つまり、車両走行方向に対して上端側が上手側に偏倚し下端側が下手側に偏倚するよう斜め下方向に傾斜した状態となり、上側面部9bの表面は略鉛直方向か正面側面部9aよりは垂直に近い角度に傾斜する方向を向き、下側面部9dの表面は路面と対向して略水平方向か僅かに走行上手側に偏倚するように傾斜する方向を向くように取付けられることになる。
【0016】
次に、標示装置8(本体部9)の表面に取付けるLED(発光体)13について説明する。なお、本体部9の裏面側には、LED13を本体部9に取付けた後に該LED13を覆うカバー9hが設けられている。
また、前記LED13は、濃霧や吹雪等で視界不良状態である場合であってもドライバーが視認しやすい色であることが好ましく、本実施の形態においては、車両のライトの色としては一般に用いられない色である緑色のLEDを用いたが、周囲環境に応じて赤色や黄色等、必要において適宜の色のものを選択することができる。
本体部9の正面側面部9aの表面には、逆台形状をした正面側面部9aの形状に沿って、左右間隔が下側ほど順次狭くなるよう略V字形に配される複数個(本実施の形態においては12個)の第一のLED(本発明の「正面側面部発光体」に相当する)13aが取付けられている。さらに、上側面部9bの表面には、前記第一のLED13aの隣接する2個のLED同士よりも広い間隔を有した複数個(本実施の形態では2個)の第二のLED13b(本発明の「上側面部発光体」に相当する)が左右に並んだ状態で取付けられている。
該第一、第二のLED13a、13bは、主に夜間に点灯させるものであって、車両のヘッドライトが反射面8aに当たりにくいような場合であっても、これらLED13a、13bが発光することで、視線誘導標2を認識することができる。
そして、第一のLED13aは、前述したように緩やかな角度で上側ほど車両走行方向上手側に偏倚するよう斜め下方向に傾斜した状態で取付けられる正面側面部9aに設けられているため、該第一のLED13aの光軸は、比較的近傍に位置するドライバーの斜め上を向く視線に対して正面位置に届くように構成されている。また、第二のLED13bは、垂直になっているか正面側面部9aよりは垂直に近い角度に傾斜する上側面部9bに設けられているため、該第二のLED13bの光軸は前記第一のLED13aの光軸よりも上側を向き、より緩やかで水平か水平に近い僅かに下向き傾斜方向を向くように設定されていて、第一のLEDの光を認識できるよりも遠くにいるドライバーが該第二のLED13bの光を認識できるようになっている。
なお、第二のLED13bに、第一のLED13aよりも高輝度のものを採用することで、遠くのドライバーへ光をより確実に届けることができる。
【0017】
一方、本体部9の下側面部9dの表面(下面)には、前記第一のLED13aの隣接する2個のLED同士よりも狭い間隔を有した2個の第三のLED13c(本発明の「下側面部発光体」に相当する)が左右に並んで配置されている。
該第三のLED13cは、後述するように、吹雪や濃霧等の悪天候が発生して視界が著しく悪く、前記第一、第二のLED13a、13bからの光を認識しにくいような場合には、昼夜間を問わず点灯する設定になっている。そして、該第三のLED13cは前述したように水平か延長面部9c側縁がやや上側に傾斜した角度に取付けられる下側面部9dに配され、該第三のLED13cの光軸は、視線誘導標2の下方の車道左端縁を指す方向、より好ましくは略鉛直方向から僅かに走行上手側に偏倚するように傾斜する方向を向いた状態で直接車道左端縁を指し示すように設定されている。この場合に、第三のLED13cから発せられる光は地面に向けて下方に進むことになるが、この光は、吹雪や濃霧等の悪天候になった場合に空中に飛散する水滴や雪に当って反射拡散するため、ドライバーにとっては車道左端縁を指す柱状の光となって認識され、これを目標物として走行することができることになる。
なお、本実施の形態では、第三のLED13cは、夜間、第一、第二LED13a、13bと共に点灯する設定となっている。
【0018】
また、これらLED13a、13b、13cは、連続点灯だけでなく点滅点灯させてもよく、さらには第一のLED13aについては、上から下へ流れるように点灯させることもでき、これらを適宜選択、組み合わせることで、設置場所等の環境に応じた点灯方式を採用することができる。
【0019】
このように設けられた各LED13a、13b、13cの点灯、消灯制御について、図9のブロック図及び図10のフローチャートをもとに説明する。
図9のブロック図に示すとおり、支柱1には、蓄電池14と、太陽電池15と、気温、風速、湿度等の各種の天候(気象)条件の少なくとも一つの天候条件から天候不良であって視界が悪い状態(視界不良か否か)であるか否かを判別する天候(視界)検知センサ16と、昼夜間のいずれであるかを検知する昼夜間検知センサ17とが備えられた点灯制御部18が設けられている。そして、後述するように、視界の良好な昼間はLED13を消灯させて、前記太陽電池15で発電した電気を蓄電池14に蓄電し、濃霧や吹雪が発生した視界不良時や夜間に、前記蓄電された電気を使ってLED13の必要な点灯制御をするように構成されている。
さらに、前記点灯制御部18にはGPS(グローバル・ポジショニング・システム、全地球測位システム)受信機19が接続され、道路に所定間隔を存して複数設置されている標示装置8付きの視線誘導標2について、各標示装置8のLED13を例えば同時に点滅点灯させたり、走行方向上手側から下手側へ流れるように点滅点灯させたりする同期点灯制御ができるように構成することができる。なお、GPS受信機19の代わりに、標準時の受信機を用いて同様の同期点灯制御をするように構成してもよい。
【0020】
次に、点灯制御の手順の例について図10のフローチャートに基づいて説明する。まずシステムスタートをし、初期設定がなされると、視界不良であるか否かを天候検知センサ16に基づいて判断する(S1)。そして、視界不良であるとしてYesの判断がなされた場合、つまり、濃霧や吹雪等が発生して視界不良である場合には、第一、第二のLED13a、13bを消灯し、第三のLED13cを点灯する(S2)。そしてこの第三のLED13cの点灯は、後述するように、昼夜間に関係なく視界不良状態が解消されるまで続く設定になっている。
一方、視界不良でないとしてNoの判断がなされた場合、つまり濃霧や吹雪等が発生せず、視界不良でない場合には、昼間(日中)であるか(例えば太陽電池15の発電量が所定量以上であるか)否かを昼夜間検知センサ17に基づいて判断する(S3)。そして、昼間であるとしてYesの判断がなされた場合、つまり、昼間である場合には、すべてのLED13a、13b、13cを消灯するのに対し、夜間であるとしてNoの判断がなされた場合、つまり夜間である場合には、すべてのLED13a、13b、13cを点灯するように制御する。
【0021】
このように構成することで、濃霧や吹雪の発生により視界不良である間は、昼夜間を問わず第三のLED13cの点灯がなされるのに対し、視界不良でない場合には、昼間であれば全てのLED13a、13b、13cを消灯し、夜間であれば全てのLED13a、13b、13cを点灯することになる。そして、これによって、天候状態が視界不良である場合には昼夜間を問わず第三のLED13cが点灯して車道左端縁を指す柱状の光となって走行のための目標物とすることができ、また視界不良でないときには、周囲の明るさ(昼間か夜間か)に応じてLED13の消灯、点灯の切替えができるため、視線誘導標2の周囲の天候の変化に応じた適切なLED13の点灯制御ができるだけでなく、点灯不要なときにはLED13を消灯制御できるため、蓄電池15の電気を無駄遣いせず、有効に使うことができる設定になっている。
【0022】
叙述の如く構成された第一の実施の形態において、支柱1に固定された非発光式の視線誘導標2に取付けられる標示装置8は、車両走行方向に対して上端側が上手側に偏倚し下端側が下手側に偏倚するよう斜め下方向に傾斜する正面側面部9aと、該正面側面部9aの上側に位置して路面に対して略鉛直方向を向く上側面部9bと、該正面側面部9aの下側に位置して路面と対向する下側面部9dとを備えて構成されていて、前記正面側面部9a、上側面部9b、下側面部9cに設けられる第一、第二、第三のLED13a、13b、13cを、天候検知センサ16、昼夜間検知センサ17による検知に基づいて点灯制御するように構成されることになるが、特に、濃霧や吹雪等が発生して視界が悪く、非発光式の視線誘導標2自体だけでなく、車両走行方向上手側に向けて発光する第一、第二のLED13a、13bの光を視認することが難しいような場合において、第三のLED13cが昼夜間を問わず車道左端縁に向けて下方に発光して車道左端縁を指し示す柱状の光となってドライバーが認識しやすいものになって、いわゆるホワイトアウト現象が発生しているような場合であっても、この第三のLED13cの光を頼りに、これを目標物として運転することができることになり、車両走行を援助することになる。
しかもこのものでは、濃霧や吹雪によって光が散乱してしまい、認識することが難しい第一、第二のLED13a、13bが消灯するので、電力消費量を抑えることができ、視界不良状態が長時間続いた場合であっても、第三のLED13cを長時間に亘って点灯し続けることができる。
さらに、第一のLED13aは、左右間隔が下側ほど順次狭くなるよう略V字形に配されていて、矢印の指す先端が分かりやすいように構成されている。
【0023】
一方、視界状態が不良でない場合、昼間であれば、LED13を点灯するまでもなく視線誘導標2を視認することができるため、全てのLED13a、13b、13cを消灯し、夜間であれば、全てのLED13a、13b、13cを点灯することでドライバーが各LED13a、13b、13cの光をもとに、容易に視線誘導標2及び該視線誘導標2が指し示す車道左端縁の位置を認識しながら運転することができる。
この場合において、視界の良い夜間において、運転手は車道左端縁を指し示す視線誘導標2の各LED13a、13b、13cからの光を車両と視線誘導標2の位置に応じて適宜視認することで、支障なく運転することができる。しかも、特に略水平方向に進む該第二のLED13bの光はより遠くから認識することができるため、より遠方から車道左端縁の位置を一つのラインとして認識し、これを目標物として運転できることになって運転しやすいものとなる。
【0024】
さらに、本実施の形態の標示装置8は、既設の視線誘導標2の矢羽根4部分に後付けできる構成となっているが、視線誘導標2の矢羽根部4の上端部にフック部9fを係合させた後、シャフト部3の下端付近と取付け部10とを緊締するだけで、視線誘導標2の表面に標示装置8を取付けられることになって、高所であっても取付け作業が容易なものとすることができる。
【0025】
なお、本実施の形態において、冬季以外の積雪のない季節においては、夜間であっても車両のヘッドライトによって外側線や縁石等の車道左端縁を直接視認することができてLED13を点灯する必要がないため、昼夜間検知センサ17による昼間か否かの判断に拠らず、天候検知センサ16による視界不良であるか否かの判断にのみ基づいて、濃霧や大雨等で視界が不良であると判断された場合に第三のLED13cを点灯する構成にしてもよい。
【0026】
本発明は、前記第一の実施の形態に限定されるものではないことは言うまでもなく、以下に述べる実施の形態のようにすることもできる。
なお、視線誘導標2、標示装置8等の構成については、第一の実施の形態と同じであるので説明は省略する。
【0027】
図11に示す第二の実施の形態のものは、天候検知センサ16が視界不良状態であると判断した場合は、第一の実施の形態と同様、昼夜間を問わず第三のLED13cを点灯し、第一、第二のLED13a、13bは消灯するように点灯制御されている。一方、視界状態が不良でない場合、昼間であれば、LED13を点灯するまでもなく視線誘導標2を視認することができるため、全てのLED13a、13b、13cを消灯するが、夜間であれば、第一、第二のLED13a、13bのみを点灯し、第三のLED13cは消灯するように点灯制御されている。
そしてこのように構成することで、比較的遠方まで視認することができる視界の良い夜間においては、第一、第二のLED13a、13bのみを点灯すれば近傍からも遠方からも視線誘導標2を十分に視認することができるため、第三のLED13cを消灯するように制御することで電力消費を抑えることができる。
また第三のLED13cに、第一のLED13aよりも高輝度のものを採用することで、視界が著しく不良な場合であっても、該第三のLED13cの光がより認識しやすくなる。
【0028】
さらにまた、本発明が実施された標示装置は、シャフト部3と矢羽根部4とで構成される非発光式の視線誘導標2の矢羽根部4部分に取付けることに限定されるものでなく、例えば道路標識や街灯等が取付けられる支柱や歩道橋、あるいは路上を横切る橋等、標示装置8が取付け可能な部位に直接取付けるようにしてもよいことは勿論である。
そして、例えば街灯に取付けられる支柱に標示装置8を取付けた場合、電源として太陽電池15ではなく、該街灯が使用している外部電源を使用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、車道左端縁の位置を標示する視線誘導標について、濃霧や吹雪による視界不良時や夜間等の暗い場合であっても、発光体を適宜点灯することで認識することができるように構成された発光式の視線誘導標の技術分野に利用できる。
【符号の説明】
【0030】
1 支柱
2 視線誘導標
3 シャフト部
4 矢羽根部
8 標示装置
9a 正面側面部
9b 上側面部
9d 下側面部
13a 第一のLED
13b 第二のLED
13c 第三のLED
16 天候検知センサ
17 昼夜間検知センサ
18 点灯制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、積雪した道路の車道左端縁の位置を標示したり、吹雪や濃霧等の視界不良時において視認性を高めた状態で標示したりすることのできる発光式の視線誘導標の技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
豪雪地帯等の積雪した道路において、車道と路肩との境界線である外側線や縁石等が設けられる車道左端縁の位置を標示する視線誘導標として、矢羽根を下垂させて該矢羽根の先端が該左端縁を示すようにしたものが知られている。
しかし、この種の視線誘導標は、昼間の好天時に視認することは容易であるが、夜間や、昼夜間問わず霧や吹雪等の視界不良時において、視線誘導標を視認することができないことがあり、このような場合、車道左端縁の位置が分からなくなってしまい、運転しづらいといった問題がある。
【0003】
そこで、矢羽根形状の視線誘導標の表面(路上走行中の運転手が視認できる側の面)であって、路上走行中の運転手の斜め上を向く視線に対して正面位置に位置する面にLED(発光ダイオード)を配設し、視界不良時に該LEDを点灯(連続点灯や点滅点灯等)させることで、視線誘導標の視認性を高めるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。ところがこのものは、視線誘導標そのものにLEDが組み込まれたものであるため、既設の視線誘導標が発光体を備えないものである場合、視線誘導標全体を交換しなければならないという問題がある。
これを解決するため、発光式の発光体を既存の視線誘導標に後付けできるようにしたものも知られている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−302055号公報
【特許文献2】特許第3874977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら前記特許文献1、2に記載されるものは、何れも視線誘導標の表面であって、路上走行中の運転手の斜め上を向く視線に対して正面位置に位置する面のみにLEDを配設しているため、激しい吹雪や濃霧が発生している場合や、さらには所謂ホワイトアウト現象の発生等により視界が著しく悪い場合においては、LEDの光が遮られてしまって視線誘導標からの光を視認できず、その結果、車道左端縁の認識が困難になってしまうという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、発光体が設けられた標示装置で発光式の視線誘導標を構成するにあたり、該標示装置は、該視線誘導標が道路に取付けられた状態で、車両走行方向に対して上端側が上手側に偏倚し下端側が下手側に偏倚するよう傾斜する正面側面部と、該正面側面部の下側に位置していて路面と対向して略水平方向を向く下側面部とを備えて構成され、前記発光体は、正面側面部に設けられ、左右間隔が下側ほど順次狭くなるよう略V字形に配されていて光軸が車両の走行方向上手方向に向けて下向き傾斜方向を向く正面側面部発光体と、下側面部に設けられ、光軸が下方の車道左端縁を指す方向を向く下側面部発光体とを備えて構成され、これら発光体の点灯制御する点灯制御部は、視界不良状態であるか否かの検知をする天候検知センサと昼夜間の検知をする昼夜間検知センサとが接続されていて、天候検知センサが視界不良状態を検知したときには昼夜間検知に拘わらず少なくとも下側面部発光体の点灯をし、天候検知センサが視界不良状態でなく昼夜間検知センサが夜間であることの検知をしたときには下側面部発光体は消灯するが正面側面部発光体は点灯をし、天候検知センサが視界不良状態でなく昼夜間検知センサが昼間であることの検知をしたときには正面側面部発光体および下側面部発光体の消灯をするよう制御するよう設定されていることを特徴とする発光式の視線誘導標である。
請求項2の発明は、正面側面部の上側には、該視線誘導標が道路に取付けられた状態で、略鉛直方向を向く上側面部が設けられ、該上側面部には、光軸が正面側面部発光体よりも上側を向く上側面部発光体が設けられ、点灯制御部は、正面側面部発光体の点灯に合わせて上側面部発光体の点灯制御をするよう設定されていることを特徴とする請求項1記載の発光式の視線誘導標である。
請求項3の発明は、点灯制御部は、天候検知センサが視界不良状態を検知したときには下側面部発光体の点灯に合わせて正面側面部発光体の点灯制御をする請求項1または2記載の発光式の視線誘導標である。
請求項4の発明は、点灯制御部は、天候検知センサが視界不良状態を検知したときには下側面部発光体のみの点灯制御をする請求項1または2記載の発光式の視線誘導標である。
請求項5の発明は、標示装置は、上下方向長尺状のシャフト部と、逆三角形状をした矢羽根部とを供えて構成される非発光式の視線誘導標の前記矢羽根部部分に着脱自在に取付けられるものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一記載の発光式の視線誘導標である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明とすることにより、複数の方向へ発光体の光を送ることができるだけでなく、視線誘導標の周囲の視界状況や明るさによって、点灯する発光体の制御ができ、適切な発光体を点灯させることができ、特に吹雪や濃霧のように視界不良時には、昼夜間に拘わらず点灯する下側面部発光体の光軸が下方の車道左端縁を指す方向を向くことになって、この光を目標物として安全に運転することができる。
請求項2の発明とすることにより、より遠くから視線誘導標を認識することができる。
請求項3の発明とすることにより、複数方向へ発せられる発光体の光を適宜認識することができて、より安全に運転することができる。
請求項4の発明とすることにより、必要な発光体のみを点灯させることができる。
請求項5の発明とすることにより、既設の非発光式の視線誘導標に発光体を備えた標示装置を後付けすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】発光式の視線誘導標の使用状態を示す正面図である。
【図2】視線誘導標に標示装置を取付けた状態を示す正面図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】図2の背面図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ、図2の平面図、底面図である。
【図6】(A)、(B)はそれぞれ、標示装置の正面図、背面図である。
【図7】(A)、(B)はそれぞれ、標示装置の側面図、断面図である。
【図8】発光式の視線誘導標の使用状態を示す側面図である。
【図9】点灯制御部のブロック図である。
【図10】第一の実施の形態におけるLEDの点灯制御を示すフローチャート図である。
【図11】第二の実施の形態におけるLEDの点灯制御を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の第一の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は道路脇に設置される逆L字形状をした支柱であり、該支柱1の先端には、矢羽根(矢印)形状をした視線誘導標(スノーポール)2が後述するようにして固着されている。
前記視線誘導標2は、上下方向に長い長尺状の平板であって、該平板の左右中央部位が表面側(路上走行中の運転手が視認できる側の面)へ折り曲げられて上下方向に長い尾根部3cを形成する平面視山形状をしたシャフト部3と、該シャフト部3の下端に一体的に取付けられる下向き三角形をし、同じく左右中央部位が表面側へ折り曲げられて上下方向に長い尾根部4bを形成する平面視山形状の矢羽根部4とで下向き矢印(下向き矢羽根)形状をしている。そして、該視線誘導標2は、車道と路肩との境界線である外側線や縁石等が設けられる車道左端縁を矢羽根部4の先端が指し示すように支柱1に固着されている。
さらに視線誘導標2の表面は、シャフト部3と矢羽根部4の表面全体に亘って例えば赤白が交互に配色されたような反射面3a、4aとなっていて、夜間走行する車両のヘッドライトの光を反射し、運転手(ドライバー)が視認しやすいようになっている。なお、図2において、反射面3a、4aについて、赤色の配色部分を斜線で、白色の配色部分を白抜きで表した。
【0010】
シャフト部3の裏面(路上走行中の運転手が視認できない側の面)には、平面視したときに蟻溝状の取付け溝3bが設けられており、視線誘導標2は、該取付け溝3bに頭部5aが回り止め状に嵌め込まれたボルト5を、支柱1の先端部に嵌め込んだ略Ω形状の取付け金具6を貫通させナット7で緊締することで支柱1に固着されるようになっている。このとき、視線誘導標2の表面が、路上走行中の運転手の斜め上を向く視線に対して正面位置に位置するよう、鉛直方向に対して10度〜15度程斜め下を向くように傾斜する状態、つまり視線誘導標2は、車両走行方向を一つの流れの方向として見立てたとき、該車両走行方向に対して上端側が上手側(上流側)に偏倚し下端側が下手側(下流側)に偏倚するように傾斜する状態で支柱1に固着されており、これによって、運転中の運転手が視線誘導標2をより視認しやすいように取付けられている。
【0011】
このシャフト部3と矢羽根部4から成る視線誘導標2は、昼間の視界が良い時においては視認することが容易であることは勿論、夜間においても車両のヘッドライトが反射面3a、4aに当たって光が反射するため視認することが容易である。しかし、吹雪や霧等が発生して視界が悪い時には昼夜間を問わず、該視線誘導標2を視認することができなくなって、車道左端縁の位置を認識することができず、運転をすることが難しくなってしまうという惧れがある。しかしながら、このような場合であっても確実に車道左端縁の位置を認識できるように、後述するように、本発明が実施された発光式の標示装置8を前記視線誘導標2に着脱自在に組み付けることで発光式の視線誘導標となり、視界不良時においても車道左端縁の位置を認識することができるように構成されている。
尚、本発明は、本実施の形態のように標示装置8を別付けするものに限定されるものでないことは勿論であって、視線誘導標の矢羽根部4自体にLEDが予め組み込まれた一体型のものにしてもよいことはいうまでもない。
【0012】
前記発光式の標示装置8は、正面視において略逆三角形状をしていて、後述するように、反射面8a、発光体(LED)13を取付ける本体部9と、該本体部9を視線誘導標2に取付けるための取付け部10とを備えて構成されている。
前記本体部9は、正面視において逆台形形状をしていて、左右幅が矢羽根部4よりは幅狭に設定される正面側の面部である正面側面部9aと、該正面側面部9aの上端から例えば5〜15度(後述するように本体部9を視線誘導標2に取付けたときに垂直を向く角度から正面側面部9aよりは垂直に近い角度)ほど正面側面部9aに対して斜め上方向に傾斜していて、その上端縁が矢羽根部4の上端と略一致するまで上方に向けて延長した上側の面部である上側面部9bと、正面側面部9aとは同一面となる状態で矢羽根部4の下端部よりも僅か上位置に至るまで正面側面部9aの下端から下方に向けて延長する面部である延長面部9cと、延長面部9cの下端から前記正面側面部9aに対して例えば70〜80度(本体部9を視線誘導標2に取付けたときに水平を向く角度から延長面部側縁がやや上側に傾斜した角度)ほど延長面部9cに対して斜め下方向に傾斜した状態で裏面側に向けて延長されていて矢羽根部4の尾根部4bに当接する状態で折曲した下側の面部である下側面部9dとを備えて構成されている。
そして、該上側面部9b、正面側面部9a、延長部9c、下側面部9dは、表面全体に亘って、例えば矢羽根部4と同色の反射面8aとなっていて、視線誘導標2の反射面3a、4aと共に、夜間走行する車両のヘッドライトの光を反射し、運転手が目視しやすいようになっている。なお、本実施の形態では反射面8aは矢羽根部4の反射面4aと同色である赤色で構成されており、図2において、該反射面8aを斜線で表した。
【0013】
さらに正面側面部9a、上側面部9b、延長部9cの左右両側縁には、左右側片部9eが裏面側に向けて折曲形成されていて、後述するように標示装置8を視線誘導標2に取付けた場合、左右側片部9eの正面側面部9aと延長部9cから折曲した部位は矢羽根部4の表面からは離間しているが、上側面部9bから折曲した部位は矢羽根部4の表面に当接すると共に、矢羽根部4の上端に係脱自在に係止するフック部9fが左右側片部9eの上端に形成されている。また上側面部9bの上端縁には、裏面側に向けて折曲した上側片部9gが形成されているが、該上側片部9gは、標示装置8を視線誘導標2に取付けた場合に後端縁が矢羽根部4の表面に当接するようV字形になっている。
【0014】
前記取付け部10は、上下方向に長い板材で構成され、下端部が支軸11を介して左右側片部9eの下端部に前後方向揺動自在に軸支されている一方、取付け部10の上端部には、上側片部9gよりも上側に位置して貫通孔10aが穿設され、該貫通孔10aにボルト12が遊嵌状に貫通するようになっている。
【0015】
そして標示装置8を既設の視線誘導標2に取付けるには、フック部9fを矢羽根部4の上端部に上側から係止した仮保持状態にして本体部9を矢羽根部4の表面に当てがう。ボルト12のボルト頭12aは、前記取付け溝3bに回り止めされる状態で上下方向移動自在に遊嵌する設定であって、該ボルト頭12aを取付け溝3bに下側から遊嵌し、上動した取付け部10の貫通孔10aに貫通させ、貫通端側からナット12bを用いて緊締することで標示装置8が視線誘導標2の表面に取付けられるようになっている。そして、このようにして取付けると、標示装置8の正面側面部9aは、視線誘導標2の表面と同角度で傾斜した状態、つまり、車両走行方向に対して上端側が上手側に偏倚し下端側が下手側に偏倚するよう斜め下方向に傾斜した状態となり、上側面部9bの表面は略鉛直方向か正面側面部9aよりは垂直に近い角度に傾斜する方向を向き、下側面部9dの表面は路面と対向して略水平方向か僅かに走行上手側に偏倚するように傾斜する方向を向くように取付けられることになる。
【0016】
次に、標示装置8(本体部9)の表面に取付けるLED(発光体)13について説明する。なお、本体部9の裏面側には、LED13を本体部9に取付けた後に該LED13を覆うカバー9hが設けられている。
また、前記LED13は、濃霧や吹雪等で視界不良状態である場合であってもドライバーが視認しやすい色であることが好ましく、本実施の形態においては、車両のライトの色としては一般に用いられない色である緑色のLEDを用いたが、周囲環境に応じて赤色や黄色等、必要において適宜の色のものを選択することができる。
本体部9の正面側面部9aの表面には、逆台形状をした正面側面部9aの形状に沿って、左右間隔が下側ほど順次狭くなるよう略V字形に配される複数個(本実施の形態においては12個)の第一のLED(本発明の「正面側面部発光体」に相当する)13aが取付けられている。さらに、上側面部9bの表面には、前記第一のLED13aの隣接する2個のLED同士よりも広い間隔を有した複数個(本実施の形態では2個)の第二のLED13b(本発明の「上側面部発光体」に相当する)が左右に並んだ状態で取付けられている。
該第一、第二のLED13a、13bは、主に夜間に点灯させるものであって、車両のヘッドライトが反射面8aに当たりにくいような場合であっても、これらLED13a、13bが発光することで、視線誘導標2を認識することができる。
そして、第一のLED13aは、前述したように緩やかな角度で上側ほど車両走行方向上手側に偏倚するよう斜め下方向に傾斜した状態で取付けられる正面側面部9aに設けられているため、該第一のLED13aの光軸は、比較的近傍に位置するドライバーの斜め上を向く視線に対して正面位置に届くように構成されている。また、第二のLED13bは、垂直になっているか正面側面部9aよりは垂直に近い角度に傾斜する上側面部9bに設けられているため、該第二のLED13bの光軸は前記第一のLED13aの光軸よりも上側を向き、より緩やかで水平か水平に近い僅かに下向き傾斜方向を向くように設定されていて、第一のLEDの光を認識できるよりも遠くにいるドライバーが該第二のLED13bの光を認識できるようになっている。
なお、第二のLED13bに、第一のLED13aよりも高輝度のものを採用することで、遠くのドライバーへ光をより確実に届けることができる。
【0017】
一方、本体部9の下側面部9dの表面(下面)には、前記第一のLED13aの隣接する2個のLED同士よりも狭い間隔を有した2個の第三のLED13c(本発明の「下側面部発光体」に相当する)が左右に並んで配置されている。
該第三のLED13cは、後述するように、吹雪や濃霧等の悪天候が発生して視界が著しく悪く、前記第一、第二のLED13a、13bからの光を認識しにくいような場合には、昼夜間を問わず点灯する設定になっている。そして、該第三のLED13cは前述したように水平か延長面部9c側縁がやや上側に傾斜した角度に取付けられる下側面部9dに配され、該第三のLED13cの光軸は、視線誘導標2の下方の車道左端縁を指す方向、より好ましくは略鉛直方向から僅かに走行上手側に偏倚するように傾斜する方向を向いた状態で直接車道左端縁を指し示すように設定されている。この場合に、第三のLED13cから発せられる光は地面に向けて下方に進むことになるが、この光は、吹雪や濃霧等の悪天候になった場合に空中に飛散する水滴や雪に当って反射拡散するため、ドライバーにとっては車道左端縁を指す柱状の光となって認識され、これを目標物として走行することができることになる。
なお、本実施の形態では、第三のLED13cは、夜間、第一、第二LED13a、13bと共に点灯する設定となっている。
【0018】
また、これらLED13a、13b、13cは、連続点灯だけでなく点滅点灯させてもよく、さらには第一のLED13aについては、上から下へ流れるように点灯させることもでき、これらを適宜選択、組み合わせることで、設置場所等の環境に応じた点灯方式を採用することができる。
【0019】
このように設けられた各LED13a、13b、13cの点灯、消灯制御について、図9のブロック図及び図10のフローチャートをもとに説明する。
図9のブロック図に示すとおり、支柱1には、蓄電池14と、太陽電池15と、気温、風速、湿度等の各種の天候(気象)条件の少なくとも一つの天候条件から天候不良であって視界が悪い状態(視界不良か否か)であるか否かを判別する天候(視界)検知センサ16と、昼夜間のいずれであるかを検知する昼夜間検知センサ17とが備えられた点灯制御部18が設けられている。そして、後述するように、視界の良好な昼間はLED13を消灯させて、前記太陽電池15で発電した電気を蓄電池14に蓄電し、濃霧や吹雪が発生した視界不良時や夜間に、前記蓄電された電気を使ってLED13の必要な点灯制御をするように構成されている。
さらに、前記点灯制御部18にはGPS(グローバル・ポジショニング・システム、全地球測位システム)受信機19が接続され、道路に所定間隔を存して複数設置されている標示装置8付きの視線誘導標2について、各標示装置8のLED13を例えば同時に点滅点灯させたり、走行方向上手側から下手側へ流れるように点滅点灯させたりする同期点灯制御ができるように構成することができる。なお、GPS受信機19の代わりに、標準時の受信機を用いて同様の同期点灯制御をするように構成してもよい。
【0020】
次に、点灯制御の手順の例について図10のフローチャートに基づいて説明する。まずシステムスタートをし、初期設定がなされると、視界不良であるか否かを天候検知センサ16に基づいて判断する(S1)。そして、視界不良であるとしてYesの判断がなされた場合、つまり、濃霧や吹雪等が発生して視界不良である場合には、第一、第二のLED13a、13bを消灯し、第三のLED13cを点灯する(S2)。そしてこの第三のLED13cの点灯は、後述するように、昼夜間に関係なく視界不良状態が解消されるまで続く設定になっている。
一方、視界不良でないとしてNoの判断がなされた場合、つまり濃霧や吹雪等が発生せず、視界不良でない場合には、昼間(日中)であるか(例えば太陽電池15の発電量が所定量以上であるか)否かを昼夜間検知センサ17に基づいて判断する(S3)。そして、昼間であるとしてYesの判断がなされた場合、つまり、昼間である場合には、すべてのLED13a、13b、13cを消灯するのに対し、夜間であるとしてNoの判断がなされた場合、つまり夜間である場合には、すべてのLED13a、13b、13cを点灯するように制御する。
【0021】
このように構成することで、濃霧や吹雪の発生により視界不良である間は、昼夜間を問わず第三のLED13cの点灯がなされるのに対し、視界不良でない場合には、昼間であれば全てのLED13a、13b、13cを消灯し、夜間であれば全てのLED13a、13b、13cを点灯することになる。そして、これによって、天候状態が視界不良である場合には昼夜間を問わず第三のLED13cが点灯して車道左端縁を指す柱状の光となって走行のための目標物とすることができ、また視界不良でないときには、周囲の明るさ(昼間か夜間か)に応じてLED13の消灯、点灯の切替えができるため、視線誘導標2の周囲の天候の変化に応じた適切なLED13の点灯制御ができるだけでなく、点灯不要なときにはLED13を消灯制御できるため、蓄電池15の電気を無駄遣いせず、有効に使うことができる設定になっている。
【0022】
叙述の如く構成された第一の実施の形態において、支柱1に固定された非発光式の視線誘導標2に取付けられる標示装置8は、車両走行方向に対して上端側が上手側に偏倚し下端側が下手側に偏倚するよう斜め下方向に傾斜する正面側面部9aと、該正面側面部9aの上側に位置して路面に対して略鉛直方向を向く上側面部9bと、該正面側面部9aの下側に位置して路面と対向する下側面部9dとを備えて構成されていて、前記正面側面部9a、上側面部9b、下側面部9cに設けられる第一、第二、第三のLED13a、13b、13cを、天候検知センサ16、昼夜間検知センサ17による検知に基づいて点灯制御するように構成されることになるが、特に、濃霧や吹雪等が発生して視界が悪く、非発光式の視線誘導標2自体だけでなく、車両走行方向上手側に向けて発光する第一、第二のLED13a、13bの光を視認することが難しいような場合において、第三のLED13cが昼夜間を問わず車道左端縁に向けて下方に発光して車道左端縁を指し示す柱状の光となってドライバーが認識しやすいものになって、いわゆるホワイトアウト現象が発生しているような場合であっても、この第三のLED13cの光を頼りに、これを目標物として運転することができることになり、車両走行を援助することになる。
しかもこのものでは、濃霧や吹雪によって光が散乱してしまい、認識することが難しい第一、第二のLED13a、13bが消灯するので、電力消費量を抑えることができ、視界不良状態が長時間続いた場合であっても、第三のLED13cを長時間に亘って点灯し続けることができる。
さらに、第一のLED13aは、左右間隔が下側ほど順次狭くなるよう略V字形に配されていて、矢印の指す先端が分かりやすいように構成されている。
【0023】
一方、視界状態が不良でない場合、昼間であれば、LED13を点灯するまでもなく視線誘導標2を視認することができるため、全てのLED13a、13b、13cを消灯し、夜間であれば、全てのLED13a、13b、13cを点灯することでドライバーが各LED13a、13b、13cの光をもとに、容易に視線誘導標2及び該視線誘導標2が指し示す車道左端縁の位置を認識しながら運転することができる。
この場合において、視界の良い夜間において、運転手は車道左端縁を指し示す視線誘導標2の各LED13a、13b、13cからの光を車両と視線誘導標2の位置に応じて適宜視認することで、支障なく運転することができる。しかも、特に略水平方向に進む該第二のLED13bの光はより遠くから認識することができるため、より遠方から車道左端縁の位置を一つのラインとして認識し、これを目標物として運転できることになって運転しやすいものとなる。
【0024】
さらに、本実施の形態の標示装置8は、既設の視線誘導標2の矢羽根4部分に後付けできる構成となっているが、視線誘導標2の矢羽根部4の上端部にフック部9fを係合させた後、シャフト部3の下端付近と取付け部10とを緊締するだけで、視線誘導標2の表面に標示装置8を取付けられることになって、高所であっても取付け作業が容易なものとすることができる。
【0025】
なお、本実施の形態において、冬季以外の積雪のない季節においては、夜間であっても車両のヘッドライトによって外側線や縁石等の車道左端縁を直接視認することができてLED13を点灯する必要がないため、昼夜間検知センサ17による昼間か否かの判断に拠らず、天候検知センサ16による視界不良であるか否かの判断にのみ基づいて、濃霧や大雨等で視界が不良であると判断された場合に第三のLED13cを点灯する構成にしてもよい。
【0026】
本発明は、前記第一の実施の形態に限定されるものではないことは言うまでもなく、以下に述べる実施の形態のようにすることもできる。
なお、視線誘導標2、標示装置8等の構成については、第一の実施の形態と同じであるので説明は省略する。
【0027】
図11に示す第二の実施の形態のものは、天候検知センサ16が視界不良状態であると判断した場合は、第一の実施の形態と同様、昼夜間を問わず第三のLED13cを点灯し、第一、第二のLED13a、13bは消灯するように点灯制御されている。一方、視界状態が不良でない場合、昼間であれば、LED13を点灯するまでもなく視線誘導標2を視認することができるため、全てのLED13a、13b、13cを消灯するが、夜間であれば、第一、第二のLED13a、13bのみを点灯し、第三のLED13cは消灯するように点灯制御されている。
そしてこのように構成することで、比較的遠方まで視認することができる視界の良い夜間においては、第一、第二のLED13a、13bのみを点灯すれば近傍からも遠方からも視線誘導標2を十分に視認することができるため、第三のLED13cを消灯するように制御することで電力消費を抑えることができる。
また第三のLED13cに、第一のLED13aよりも高輝度のものを採用することで、視界が著しく不良な場合であっても、該第三のLED13cの光がより認識しやすくなる。
【0028】
さらにまた、本発明が実施された標示装置は、シャフト部3と矢羽根部4とで構成される非発光式の視線誘導標2の矢羽根部4部分に取付けることに限定されるものでなく、例えば道路標識や街灯等が取付けられる支柱や歩道橋、あるいは路上を横切る橋等、標示装置8が取付け可能な部位に直接取付けるようにしてもよいことは勿論である。
そして、例えば街灯に取付けられる支柱に標示装置8を取付けた場合、電源として太陽電池15ではなく、該街灯が使用している外部電源を使用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、車道左端縁の位置を標示する視線誘導標について、濃霧や吹雪による視界不良時や夜間等の暗い場合であっても、発光体を適宜点灯することで認識することができるように構成された発光式の視線誘導標の技術分野に利用できる。
【符号の説明】
【0030】
1 支柱
2 視線誘導標
3 シャフト部
4 矢羽根部
8 標示装置
9a 正面側面部
9b 上側面部
9d 下側面部
13a 第一のLED
13b 第二のLED
13c 第三のLED
16 天候検知センサ
17 昼夜間検知センサ
18 点灯制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光体が設けられた標示装置で発光式の視線誘導標を構成するにあたり、該標示装置は、該視線誘導標が道路に取付けられた状態で、車両走行方向に対して上端側が上手側に偏倚し下端側が下手側に偏倚するよう傾斜する正面側面部と、該正面側面部の下側に位置していて路面と対向して略水平方向を向く下側面部とを備えて構成され、前記発光体は、正面側面部に設けられ、左右間隔が下側ほど順次狭くなるよう略V字形に配されていて光軸が車両の走行方向上手方向に向けて下向き傾斜方向を向く正面側面部発光体と、下側面部に設けられ、光軸が下方の車道左端縁を指す方向を向く下側面部発光体とを備えて構成され、これら発光体の点灯制御する点灯制御部は、視界不良状態であるか否かの検知をする天候検知センサと昼夜間の検知をする昼夜間検知センサとが接続されていて、天候検知センサが視界不良状態を検知したときには昼夜間検知に拘わらず少なくとも下側面部発光体の点灯をし、天候検知センサが視界不良状態でなく昼夜間検知センサが夜間であることの検知をしたときには下側面部発光体は消灯するが正面側面部発光体は点灯をし、天候検知センサが視界不良状態でなく昼夜間検知センサが昼間であることの検知をしたときには正面側面部発光体および下側面部発光体の消灯をするよう制御するよう設定されていることを特徴とする発光式の視線誘導標。
【請求項2】
正面側面部の上側には、該視線誘導標が道路に取付けられた状態で、略鉛直方向を向く上側面部が設けられ、該上側面部には、光軸が正面側面部発光体よりも上側を向く上側面部発光体が設けられ、点灯制御部は、正面側面部発光体の点灯に合わせて上側面部発光体の点灯制御をするよう設定されていることを特徴とする請求項1記載の発光式の視線誘導標。
【請求項3】
点灯制御部は、天候検知センサが視界不良状態を検知したときには下側面部発光体の点灯に合わせて正面側面部発光体の点灯制御をする請求項1または2記載の発光式の視線誘導標。
【請求項4】
点灯制御部は、天候検知センサが視界不良状態を検知したときには下側面部発光体のみの点灯制御をする請求項1または2記載の発光式の視線誘導標。
【請求項5】
標示装置は、上下方向長尺状のシャフト部と、逆三角形状をした矢羽根部とを供えて構成される非発光式の視線誘導標の前記矢羽根部部分に着脱自在に取付けられるものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一記載の発光式の視線誘導標。
【請求項1】
発光体が設けられた標示装置で発光式の視線誘導標を構成するにあたり、該標示装置は、該視線誘導標が道路に取付けられた状態で、車両走行方向に対して上端側が上手側に偏倚し下端側が下手側に偏倚するよう傾斜する正面側面部と、該正面側面部の下側に位置していて路面と対向して略水平方向を向く下側面部とを備えて構成され、前記発光体は、正面側面部に設けられ、左右間隔が下側ほど順次狭くなるよう略V字形に配されていて光軸が車両の走行方向上手方向に向けて下向き傾斜方向を向く正面側面部発光体と、下側面部に設けられ、光軸が下方の車道左端縁を指す方向を向く下側面部発光体とを備えて構成され、これら発光体の点灯制御する点灯制御部は、視界不良状態であるか否かの検知をする天候検知センサと昼夜間の検知をする昼夜間検知センサとが接続されていて、天候検知センサが視界不良状態を検知したときには昼夜間検知に拘わらず少なくとも下側面部発光体の点灯をし、天候検知センサが視界不良状態でなく昼夜間検知センサが夜間であることの検知をしたときには下側面部発光体は消灯するが正面側面部発光体は点灯をし、天候検知センサが視界不良状態でなく昼夜間検知センサが昼間であることの検知をしたときには正面側面部発光体および下側面部発光体の消灯をするよう制御するよう設定されていることを特徴とする発光式の視線誘導標。
【請求項2】
正面側面部の上側には、該視線誘導標が道路に取付けられた状態で、略鉛直方向を向く上側面部が設けられ、該上側面部には、光軸が正面側面部発光体よりも上側を向く上側面部発光体が設けられ、点灯制御部は、正面側面部発光体の点灯に合わせて上側面部発光体の点灯制御をするよう設定されていることを特徴とする請求項1記載の発光式の視線誘導標。
【請求項3】
点灯制御部は、天候検知センサが視界不良状態を検知したときには下側面部発光体の点灯に合わせて正面側面部発光体の点灯制御をする請求項1または2記載の発光式の視線誘導標。
【請求項4】
点灯制御部は、天候検知センサが視界不良状態を検知したときには下側面部発光体のみの点灯制御をする請求項1または2記載の発光式の視線誘導標。
【請求項5】
標示装置は、上下方向長尺状のシャフト部と、逆三角形状をした矢羽根部とを供えて構成される非発光式の視線誘導標の前記矢羽根部部分に着脱自在に取付けられるものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一記載の発光式の視線誘導標。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−67962(P2013−67962A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205797(P2011−205797)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【特許番号】特許第4865106号(P4865106)
【特許公報発行日】平成24年2月1日(2012.2.1)
【出願人】(391013531)株式会社吾妻製作所 (18)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【特許番号】特許第4865106号(P4865106)
【特許公報発行日】平成24年2月1日(2012.2.1)
【出願人】(391013531)株式会社吾妻製作所 (18)
【Fターム(参考)】
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