発光装置、発光モジュール、発光装置の製造方法
【課題】小型且つ安価な発光装置、発光モジュール、発光装置の製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、発光装置は、半導体層と、p側電極と、n側電極と、第1の絶縁層と、p側配線層と、n側配線層と、第2の絶縁層とを備えている。p側配線層は、第1の絶縁層における半導体層に対する反対側に形成された配線面、および第1の面及び第2の面と異なる面方位の第3の面に沿う形状に設けられ断面がL字状の部分を有する第2のp側配線層を有する。第2のp側配線層は、第3の面で第1の絶縁層及び第2の絶縁層から露出されたp側外部端子を有する。n側配線層は、第1の絶縁層の配線面および第3の面に沿う形状に設けられ断面がL字状の部分を有する第2のn側配線層を有する。第2のn側配線層は、第3の面で第1の絶縁層及び第2の絶縁層から露出されたn側外部端子を有する。
【解決手段】実施形態によれば、発光装置は、半導体層と、p側電極と、n側電極と、第1の絶縁層と、p側配線層と、n側配線層と、第2の絶縁層とを備えている。p側配線層は、第1の絶縁層における半導体層に対する反対側に形成された配線面、および第1の面及び第2の面と異なる面方位の第3の面に沿う形状に設けられ断面がL字状の部分を有する第2のp側配線層を有する。第2のp側配線層は、第3の面で第1の絶縁層及び第2の絶縁層から露出されたp側外部端子を有する。n側配線層は、第1の絶縁層の配線面および第3の面に沿う形状に設けられ断面がL字状の部分を有する第2のn側配線層を有する。第2のn側配線層は、第3の面で第1の絶縁層及び第2の絶縁層から露出されたn側外部端子を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、発光装置、発光モジュール、発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
可視光や白色光を放出可能な半導体発光装置の用途は、照明装置、液晶表示装置のバックライト光源、表示装置などに拡大している。これらの用途では小型化の要求がますます強まっており、さらに半導体発光装置の量産性を高め価格を低減することが要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0148198号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
小型且つ安価な発光装置、発光モジュール、発光装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、発光装置は、半導体層と、p側電極と、n側電極と、第1の絶縁層と、p側配線層と、n側配線層と、第2の絶縁層と、を備えている。前記半導体層は、第1の面と、その反対側に形成された第2の面と、発光層とを含む。前記p側電極は、前記第2の面における前記発光層を有する領域に設けられている。前記n側電極は、前記第2の面における前記発光層を含まない領域に設けられている。前記第1の絶縁層は、前記第2の面側に設けられ、前記第p側電極に通じる第1のビアと、前記n側電極に通じる第2のビアとを有する。前記p側配線層は、前記第1のビアを通じて前記p側電極と電気的に接続される第1のp側配線層と、前記第1のp側配線層に電気的に接続され、前記第1の絶縁層における前記半導体層に対する反対側に形成された配線面、および前記第1の面及び前記第2の面と異なる面方位の第3の面に沿う形状に設けられ断面がL字状の部分を有する第2のp側配線層と、を有する。前記第2のp側配線層の断面がL字状の部分は、前記第3の面で前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層から露出されたp側外部端子を有する。前記n側配線層は、前記第2のビアを通じて前記n側電極と電気的に接続される第1のn側配線層と、前記第1のn側配線層に電気的に接続され、前記p側配線層に対して離間して、前記配線面および前記第3の面に沿う形状に設けられ断面がL字状の部分を有する第2のn側配線層と、を有する。前記第2のn側配線層の断面がL字状の部分は、前記第3の面で前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層から露出されたn側外部端子を有する。前記第2の絶縁層は、前記p側配線層と前記n側配線層との間に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1実施形態の発光装置の模式図。
【図2】第1実施形態の発光モジュールの模式断面図。
【図3】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図4】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図5】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図6】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図7】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図8】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図9】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図10】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図11】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図12】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図13】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図14】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図15】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図16】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図17】第1実施形態の発光モジュールの変形例の模式断面図。
【図18】第2実施形態の発光装置の模式斜視図。
【図19】第2実施形態の発光装置の模式断面図。
【図20】第2実施形態の発光モジュールの模式断面図。
【図21】第2実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図22】第2実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図23】第2実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図24】第3実施形態の発光装置の模式図。
【図25】第3実施形態の発光モジュールの模式断面図。
【図26】第4実施形態の発光装置の模式図。
【図27】第4実施形態の発光モジュールの模式断面図。
【図28】第4実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図29】第4実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図30】(a)は比較例の発光モジュールを用いた照明装置の模式図であり、(b)は実施形態の発光モジュールを用いた照明装置の模式図。
【図31】第1のp側配線層及び第1のn側配線層の平面レイアウトの他の具体例を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。各図面中、同じ要素には同じ符号を付している。なお、製造工程を表す図面においては、複数の半導体層15(チップ)を含むウェーハの一部の領域を表している。
【0008】
(第1実施形態)
図1(a)は、第1実施形態の発光装置10aの模式斜視図である。図1(b)は、図1(a)におけるA−A断面図である。図1(c)は、図1(a)におけるB−B断面図である。
【0009】
発光装置10aは半導体層15を有する。半導体層15は、第1の面15aと、その反対側に形成された第2の面を有する。第2の面側に後述する電極及び配線層が設けられ、その反対側の第1の面15aから主として光が外部に放出される。
【0010】
半導体層15は、第1の半導体層11と第2の半導体層12を有する。第1の半導体層11及び第2の半導体層12は、いずれも例えば窒化物半導体を含む。第1の半導体層11は、例えば下地バッファ層、n型層などを含み、n型層は電流の横方向経路として機能する。第2の半導体層12は、発光層(活性層)13を、n型層とp型層とで挟んだ積層構造を有する。
【0011】
半導体層15の第2の面側は凹凸形状に加工されている。その第2の面側に形成された凸部は発光層13を含む。その凸部の表面である第2の半導体層12の表面には、p側電極16が設けられている。p側電極16は、発光層13を有する領域に設けられている。
【0012】
半導体層15の第2の面側において凸部の横には、第2の半導体層12がない領域が設けられ、その領域の第1の半導体層11の表面に、n側電極17が設けられている。すなわち、n側電極17は、発光層13を含まない領域に設けられている。
【0013】
図5(b)に示すように、半導体層15の第2の面側において、発光層13を含む第2の半導体層12の面積は、発光層13を含まない第1の半導体層11の面積よりも広い。
【0014】
また、図6(b)に示すように、ひとつの半導体層15において、発光層13を含む領域に設けられたp側電極16の方が、発光層13を含まないn側電極17よりも面積が広い。これにより、広い発光領域が得られる。なお、図6(b)に示すp側電極16及びn側電極17のレイアウトは一例であって、これに限らない。
【0015】
半導体層15の第2の面側には、第1の絶縁層(以下、単に絶縁層と言う)18が設けられている。絶縁層18は、半導体層15、p側電極16及びn側電極17を覆っている。また、絶縁層18と半導体層15との間に別の絶縁膜(例えばシリコン酸化膜)が設けられることもある。絶縁層18は、例えば、微細開口のパターニング性に優れたポリイミド等の樹脂である。あるいは、絶縁層18としてシリコン酸化物やシリコン窒化物等の無機物を用いてもよい。
【0016】
絶縁層18は、半導体層15に対する反対側に配線面18cを有する。その配線面18cには、第1のp側配線層(内側p側配線層)21と、第1のn側配線層(内側n側配線層)22とが互いに離間して設けられている。
【0017】
第1のp側配線層21は、p側電極16に達して絶縁層18に形成された第1のビア18a内にも設けられ、p側電極16と電気的に接続されている。なお、第1のp側配線層21は必ずしも絶縁層18の下面上に形成されなくてもよい。例えば、p側電極16上にだけ第1のp側配線層21が設けられ、絶縁層18の第1のビア18aの外には第1のp側配線層21が設けられていない構造であってもよい。
【0018】
第1のn側配線層22は、n側電極17に達して絶縁層18に形成された第2のビア18b内にも設けられ、n側電極17と電気的に接続されている。
【0019】
第1のp側配線層21においてp側電極16に対する反対側の面には、第2のp側配線層23が設けられている。第1のp側配線層21及び第2のp側配線層23は、本実施形態におけるp側配線層を構成する。
【0020】
そのp側配線層は、絶縁層18の配線面18cに沿う形状に設けられた部分と、第1の面15a及び第2の面と異なる面方位の第3の面30に沿う形状に設けられた部分とを有する。p側配線層において、配線面18cに沿って設けられた部分から第3の面30に沿って設けられた部分は、図1(c)に示すように、例えば断面がL字状に形成されている。
【0021】
第1のp側配線層21は、配線面18c上に配線面18cに沿って設けられている。第2のp側配線層23は、p側接続部23bとp側外部端子23aとを有する。
【0022】
p側接続部23bは、第1のp側配線層21上に配線面18cに沿って設けられている。図1(c)に示すように、p側接続部23bとp側外部端子23aとにより、断面がL字状の部分が形成される。すなわち、第2のp側配線層23は、断面がL字状の部分を有し、その一部(p側外部端子23a)が、外部端子となる。
【0023】
そして、第2のp側配線層23は、p側接続部23bを底部とした凹形状に形成されている。p側外部端子23aは、その凹形状(U字状)の側壁の一部を構成する。つまり、図1(c)に示すように、第2のp側配線層23はU字状の断面形状を有し、そのU字状の一部がL字状となっている。
【0024】
図1(c)に示すような、第3の面30に対して垂直な面かつ配線面18cと交差する面における断面において、第2のp側配線層23はU字状の断面形状を有している。また、図1(b)に示すように、第3の面30に対して平行な面における断面においても、第2のp側配線層23はU字状の断面を有している。後述するように、第2のp側配線層23は、カップ状であるので、図1(b)及び(c)に示す断面図では、U字状の断面形状を有する。
【0025】
第1のn側配線層22においてn側電極17に対する反対側の面には、第2のn側配線層24が設けられている。第1のn側配線層22及び第2のn側配線層24は、本実施形態におけるn側配線層を構成する。
【0026】
そのn側配線層は、絶縁層18の配線面18cに沿う形状に設けられた部分と、第1の面15a及び第2の面と異なる面方位の第3の面30に沿う形状に設けられた部分とを有する。n側配線層において、配線面18cに沿って設けられた部分から第3の面30に沿って設けられた部分は、例えばL字状に形成されている。
【0027】
第1のn側配線層22は、配線面18c上に配線面18cに沿って設けられている。第2のn側配線層24は、n側接続部24bとn側外部端子24aとを有する。
【0028】
n側接続部24bは、第1のn側配線層22上に配線面18cに沿って設けられている。図1(c)に示す断面と平行な断面図では、n側接続部24bとn側外部端子24aとにより、断面がL字状の部分が形成される。すなわち、第2のn側配線層24は、断面がL字状の部分を有し、その一部(n側外部端子24a)が、外部端子となる。
【0029】
そして、第2のn側配線層24は、n側接続部24bを底部とした凹形状に形成されている。n側外部端子24aは、その凹形状(U字状)の側壁の一部を構成する。つまり、第2のn側配線層24は、U字状の断面形状を有し、そのU字状の一部がL字状となっている。
【0030】
図1(c)に示す断面図と平行な断面図であり、第3の面30に対して垂直な面であり、かつ配線面18cと交差する面における断面図において、第2のn側配線層24は、U字状の断面形状を有している。また、図1(b)に示すように、第3の面30に平行な面における断面図でも、第2のn側配線層24は、U字状の断面を有している。後述するように、第2のn側配線層24は、カップ状であるので、図1(b)に示す断面図および図1(c)に示す断面図に平行な断面での断面図では、U字状の断面形状を有する。
【0031】
絶縁層18の配線面18c上には、第2の絶縁層として樹脂層25が設けられている。樹脂層25は、第1のp側配線層21及び第1のn側配線層22を覆っている。ただし、図1(a)に示すように、第1のp側配線層21の一部の側面21aと、第1のn側配線層22の一部の側面22aは、樹脂層25及び絶縁層18で覆われずに、それらから露出している。
【0032】
樹脂層25は、第2のp側配線層23と第2のn側配線層24との間に充填されている。第2のp側配線層23におけるp側外部端子23a以外の側壁は樹脂層25で覆われている。第2のn側配線層24におけるn側外部端子24a以外の側壁は樹脂層25で覆われている。
【0033】
また、第2のp側配線層23における第1のp側配線層21に対する反対側の端部も樹脂層25で覆われている。同様に、第2のn側配線層24における第1のn側配線層22に対する反対側の端部も樹脂層25で覆われている。
【0034】
凹形状(U字状)の第2のp側配線層23の内側及び同じく凹形状(U字状)の第2のn側配線層24の内側には、第3の絶縁層として樹脂層35が埋め込まれている。
【0035】
樹脂層35における第1のp側配線層21に対する反対側の端部は樹脂層25で覆われている。したがって、第2のp側配線層23の内側に設けられた樹脂層35は、第2のp側配線層23及び樹脂層25に囲まれている。同様に、第2のn側配線層24の内側に設けられた樹脂層35は、第2のn側配線層24及び樹脂層25に囲まれている。第2のp側配線層23及び第2のn側配線層24は、樹脂層25及び樹脂層35に覆われている。
【0036】
図1(a)〜(c)に示す発光装置10aは、図2に示すように、第3の面30が実装面(実装する基板と対向する面)となるように、実装される。その際、p側外部端子23a、第1のp側配線層21の露出面21aおよびそれらの間の金属膜20が、p側の外部端子となる。
【0037】
金属膜20の膜厚は数nm程度であり、金属膜20が第3の面30で露出する面積は第1のp側配線層21の露出面21aに比べて小さい。また、第1のp側配線層21の露出面21aは、p側外部端子23aに比べて、図1(b)及び(c)における高さ方向の厚みが小さい。このため、第1のp側配線層21の露出面21aが第3の面30で露出する面積は、p側外部端子23aに比べて小さい。
【0038】
n側も同様であり、金属膜20、第1のn側配線層22の露出面22a、n側外部端子24aの順に、第3の面30で露出する面積は大きい。
【0039】
図1(a)及び(c)に示すように、第2のp側配線層23の一部の側面は、半導体層15の第1の面15a及び第2の面と異なる面方位の第3の面30で、絶縁層18及び樹脂層25から露出している。その露出された面は、外部の実装基板に実装するためのp側外部端子23aとして機能する。p側外部端子23aは、p側接続部23bの一端部から第3の面30に沿って広がって形成されている。
【0040】
ここで、第3の面30は、第1の面15a及び第2の面に対して略垂直な面である。樹脂層25は、例えば矩形状の4つの側面を有し、そのうちの相対的に長辺を有する側面のひとつが第3の面30となっている。
【0041】
その同じ第3の面30で、第2のn側配線層24の一部の側面が絶縁層18及び樹脂層25から露出している。その露出された面は、外部の実装基板に実装するためのn側外部端子24aとして機能する。n側外部端子24aは、n側接続部24bの一端部から第3の面30に沿って広がって形成されている。
【0042】
また、図1(a)に示すように、第1のp側配線層21の一部の側面21aも、第3の面30で絶縁層18及び樹脂層25から露出され、p側外部端子として機能する。同様に、第1のn側配線層22の一部の側面22aも、第3の面30で絶縁層18及び樹脂層25から露出され、n側外部端子として機能する。
【0043】
第1のp側配線層21と第2のp側配線層23とを含むp側配線層において、第3の面30で露出している部分21a、23a以外の部分は、絶縁層18または樹脂層25で覆われている。第1のn側配線層22と第2のn側配線層24とを含むn側配線層において、第3の面30で露出している部分22a、24a以外の部分は、絶縁層18または樹脂層25で覆われている。なお、本実施形態の構造は一例であって、p側配線層とn側配線層を、第3の面30以外においても一部露出させてもかまわない。
【0044】
図8(b)に示すように、第1のp側配線層21における第3の面30で露出する側面21aと、第1のn側配線層22における第3の面30で露出する側面22aとの間の距離は、絶縁層18の配線面18c上での第1のp側配線層21と第1のn側配線層22との間の距離よりも大きい。
【0045】
絶縁層18の配線面18c上で樹脂層25に覆われた第1のp側配線層21と第1のn側配線層22との間の距離を小さくすることで、第1のp側配線層21の面積の拡大を図れる。第1のp側配線層21の平面サイズは、第2のp側配線層23におけるp側接続部23bの平面サイズよりも大きい。第1のp側配線層21は、例えば銅などの低抵抗金属を用いて形成することができる。このため、第1のp側配線層21の面積が広いほど発光層13を含む第2の半導体層12に対して、より均一な分布で電流を供給することが可能となる。さらに、第1のp側配線層21の熱伝導率も高くすることができ、第2の半導体層12で発生した熱を効率的に逃がすことも可能となる。
【0046】
p側電極16は、発光層13を含む領域に広がっている。したがって、複数の第1のビア18aを介して第1のp側配線層21とp側電極16とを接続することで、発光層13への電流分布が向上し、且つ発光層13で発生した熱の放熱性も向上できる。
【0047】
第1のp側配線層21における第3の面30で露出する側面21aと、第1のn側配線層22における第3の面30で露出する側面22aとは、実装基板への実装時にはんだ等の接合剤によって相互に短絡しない距離を隔てて離れている。
【0048】
第1のn側配線層22と第2のn側配線層24のn側接続部24bとが接触する面積は、第1のn側配線層22とn側電極17とが接触する面積より大きい。また、第1のn側配線層22の一部は、絶縁層18の配線面18c上を、発光層13の下に重なる位置まで延在している。
【0049】
これにより、広い領域にわたって形成された発光層13によって高い光出力を得つつ、発光層13を含まない狭い領域に設けられたn側電極17から、第1のn側配線層22を介して、より広い引き出し電極を形成できる。
【0050】
第1のp側配線層21と第2のp側配線層23のp側接続部23bとが接触する面積は、第1のp側配線層21とp側電極16とが接触する面積より大きい場合もあるし、小さい場合もある。
【0051】
第1の半導体層11は、n側電極17及び第1のn側配線層22を介して、n側外部端子24aを有する第2のn側配線層24と電気的に接続されている。発光層13を含む第2の半導体層12は、p側電極16及び第1のp側配線層21を介して、p側外部端子23aを有する第2のp側配線層23と電気的に接続されている。
【0052】
樹脂層25は、第1のp側配線層21、第2のp側配線層23およびその内側に設けられた樹脂層35を含むp側配線構造部の厚み(高さ)よりも厚い。同様に、樹脂層25は、第1のn側配線層22、第2のn側配線層24およびその内側に設けられた樹脂層35を含むn側配線構造部の厚み(高さ)よりも厚い。また、p側配線構造部及びn側配線構造部は、半導体層15よりも厚い。このため、半導体層15を支持する基板がなくても、p側配線構造部、n側配線構造部および樹脂層25によって、発光装置10aの機械的強度を高めることができる。
【0053】
第1のp側配線層21、第1のn側配線層22、第2のp側配線層23、および第2のn側配線層24の材料としては、銅、金、ニッケル、銀などを用いることができる。これらのうち、銅を用いると、良好な熱伝導性、高いマイグレーション耐性及び絶縁材料との優れた密着性が得られる。
【0054】
樹脂層25は、前述したp側配線構造部及びn側配線構造部を補強する。樹脂層25は、実装基板と熱膨張率が同じもしくは近いものを用いるのが好ましい。そのような樹脂層25として、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などを一例として挙げることができる。また、樹脂層35も実装基板と熱膨張率が同じもしくは近いものを用いるのが好ましく、樹脂層25と同じ材料を用いることができる。
【0055】
半導体層15の第1の面15a上には、発光層13からの放出光に対して透明な透明体として、レンズ26及び蛍光体層27が設けられている。レンズ26は第1の面15a上に設けられ、そのレンズ26を覆うように蛍光体層27が設けられている。
【0056】
半導体層15の第2の面側に設けられた前述した各要素を含む積層体の平面サイズと、蛍光体層27の平面サイズとは略同じである。レンズ26及び蛍光体層27は、第3の面30側に出っ張っていないため、図2に示す発光装置10aの実装基板100上への実装を阻害しない。
【0057】
蛍光体層27は、透明樹脂と、透明樹脂に分散された蛍光体とを含む。蛍光体層27は、発光層13からの放出光を吸収し波長変換光を放出可能である。このため、発光装置10aは、発光層13からの光と、蛍光体層27における波長変換光との混合光を放出可能である。
【0058】
例えば、発光層13が窒化物半導体、蛍光体が黄色光を発光する黄色蛍光体とすると、発光層13からの青色光と、蛍光体層27における波長変換光である黄色光との混合色として、白色または電球色などを得ることができる。なお、蛍光体層27は、複数種の蛍光体(例えば、赤色光を発光する赤色蛍光体と、緑色光を発光する緑色蛍光体)を含む構成であってもよい。
【0059】
発光層13から発光された光は、主に、第1の半導体層11、第1の面15a、レンズ26および蛍光体層27を進んで、外部に放出される。なお、蛍光体層27の上にレンズ26を設けてもよい。
【0060】
図2は、前述した発光装置10aを実装基板100上に実装した構成を有する発光モジュールの模式断面図である。
【0061】
実装基板100上に実装される発光装置10aの数は任意であり、単数でも複数でもよい。また、複数の発光装置10aが、ある一方向に沿って配列されて線状光源を構成してもよい。
【0062】
発光装置10aは、第3の面30を実装基板100の実装面103に向けた姿勢で実装される。第3の面30で露出しているp側外部端子23a及びn側外部端子24aは、それぞれ、実装面103に形成されたパッド101に対してはんだ102を介して接合されている。実装基板100の実装面103には配線パターンも形成されており、パッド101はその配線パターンに接続されている。なお、はんだ102の代わりとして、はんだ以外の他の金属あるいは導電性材料を用いてもよい。
【0063】
第3の面30は、光の主な放出面である第1の面15aに対して略垂直である。したがって、第3の面30を下方の実装面103側に向けた姿勢で、第1の面15aは実装面103の上方ではなく、横方向を向く。すなわち、実装面103を水平面とした場合に横方向に光が放出される、いわゆるサイドビュータイプの発光装置10a及び発光モジュールが得られる。
【0064】
本実施形態では、発光装置10aを実装基板100に実装した状態で、はんだ102を介して半導体層15に加わる応力を、第2のp側配線層23の内側および第2のn側配線層24の内側に充填された樹脂層35が吸収することで緩和することができる。樹脂層35は、金属に比べて柔軟性があり、高い応力緩和効果が得られる。
【0065】
なお、第2のp側配線層23の内側及び第2のn側配線層24の内側には、樹脂に限らず、第2のp側配線層23及び第2のn側配線層24と異なる材料の絶縁体または金属を埋め込んでも良い。第2のp側配線層23の内側及び第2のn側配線層24の内側に埋め込まれる材料は、それらに比べて柔軟性がある材料であればよい。
第2のp側配線層23の内側及び第2のn側配線層24の内側に埋め込む材料として、例えば、それらに比べて柔軟性がある金属を選択すれば、前述した応力緩和効果は得られる。第2のp側配線層23及び第2のn側配線層24として、コンフォーマル(conformal)な膜を成膜しやすい金属膜を選択し、樹脂層35の代わりに、埋め込みやすい金属を形成することも可能である。
応力緩和、生産性、コストの観点からは、第2のp側配線層23の内側及び第2のn側配線層24の内側に、樹脂を埋め込むことが望ましい。
【0066】
実施形態の発光装置10aは、第1の面15aに対して垂直な方向から見て長方形状の平面形状を有し、第3の面30は、その長方形状の長辺を含む面である。
【0067】
次に、図3(a)〜図16(b)を参照して、本実施形態の発光装置10aの製造方法について説明する。工程を表す図面においては、ウェーハ状態における一部の領域を表す。
【0068】
図3(a)は、基板5の主面上に、第1の半導体層11及び第2の半導体層12を形成した積層体を示す。図3(b)は、図3(a)における下面図に対応する。
【0069】
基板5の主面上に第1の半導体層11が形成され、その上に発光層13を含む第2の半導体層12が形成される。第1の半導体層11及び第2の半導体層12が例えば窒化物系半導体の場合、それらは例えばサファイア基板上にMOCVD(metal organic chemical vapor deposition)法で結晶成長させることができる。
【0070】
例えば、第1の半導体層11は、下地バッファ層、n型GaN層を含む。第2の半導体層12は、発光層(活性層)13、p型GaN層を含む。発光層13は、青、紫、青紫、紫外光などを発光するものを用いることができる。
【0071】
第1の半導体層11における基板5に接する面が、半導体層15の第1の面15aであり、第2の半導体層12の表面が半導体層15の第2の面15bである。
【0072】
次に、図示しないレジストを用いた例えばRIE(Reactive Ion Etching)法で、図4(a)及びその下面図である図4(b)に示すように、ダイシング領域d1、d2に、半導体層15を貫通して基板5に達する溝を形成する。ダイシング領域d1、d2は、ウェーハ状態の基板5上で例えば格子状に形成される。ダイシング領域d1、d2に形成された溝も格子状に形成され、半導体層15を複数のチップに分離する。
【0073】
なお、半導体層15を複数に分離する工程は、後述する第2の半導体層12の選択的除去後、あるいは電極の形成後に行ってもよい。
【0074】
次に、図示しないレジストを用いた例えばRIE法で、図5(a)及びその下面図である図5(b)に示すように、第2の半導体層12の一部を除去して、第1の半導体層11の一部を露出させる。第1の半導体層11が露出された領域は、発光層13を含まない。
分割された1つの第1の半導体層11、第2の半導体層12および発光層(活性層)13からなる半導体層15を、1つの発光素子とすると、図5(b)には、左右方向にダイシング領域d1で分割された4つの発光素子が、上下方向にダイシング領域d2で分割された2つの発光素子が並んでいる。
【0075】
次に、図6(a)及びその下面図である図6(b)に示すように、第2の面にp側電極16とn側電極17を形成する。p側電極16は、第2の半導体層12の表面に形成される。n側電極17は、第1の半導体層11の露出面に形成される。
【0076】
p側電極16及びn側電極17は、例えば、スパッタ法、蒸着法等で形成される。p側電極16とn側電極17は、どちらを先に形成してもよいし、同じ材料で同時に形成してもよい。
【0077】
p側電極16は、発光層13からの放出光に対して反射性を有する、例えば、銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金等を含む。また、p側電極16の硫化、酸化防止のため、金属保護膜を含む構成であってもよい。
【0078】
また、p側電極16とn側電極17との間や、発光層13の端面(側面)にパッシベーション膜として、例えばシリコン窒化膜やシリコン酸化膜をCVD(chemical vapor deposition)法で形成してもよい。また、各電極と半導体層とのオーミックコンタクトをとるための活性化アニールなどは必要に応じて実施される。
【0079】
次に、図7(a)に示すように、基板5の主面上の露出している部分すべてを絶縁層18で覆った後、例えばウェットエッチングにより絶縁層18をパターニングし、絶縁層18に選択的に第1のビア18aと第2のビア18bを形成する。第1のビア18aは、p側電極16に達する。第2のビア18bは、n側電極17に達する。
【0080】
絶縁層18としては、例えば、感光性ポリイミド、ベンゾシクロブテン(Benzocyclobutene)などの有機材料を用いることができる。この場合、レジストを使わずに、絶縁層18に対して直接露光及び現像が可能である。あるいは、シリコン窒化膜やシリコン酸化膜などの無機膜を絶縁層18として使用してもよい。無機膜の場合、レジストをパターニングした後のエッチングによって第1のビア18a及び第2のビア18bが形成される。
【0081】
次に、絶縁層18における半導体層15に対する反対側の面である配線面18c(図7(a)において下面)に、図7(b)に示すように、後述するメッキ時のシードメタルとして機能する金属膜19を形成する。金属膜19は、第1のビア18aの内壁及び底部と、第2のビア18bの内壁及び底部にも形成される。
【0082】
金属膜19は、例えばスパッタ法で形成される。金属膜19は、例えば、絶縁層18側から順に積層されたチタン(Ti)と銅(Cu)との積層膜を含む。
【0083】
次に、図7(c)に示すように、金属膜19上に選択的にレジスト41を形成した後、金属膜19を電流経路としたCu電解メッキを行う。
【0084】
これにより、図8(a)及びその下面図である図8(b)に示すように、絶縁層18の配線面18c上に、選択的に第1のp側配線層21と第1のn側配線層22が形成される。第1のp側配線層21及び第1のn側配線層22はメッキ法により同時に形成される例えば銅材料からなる。
【0085】
第1のp側配線層21は、第1のビア18a内にも形成され、金属膜19を介してp側電極16と電気的に接続される。第1のn側配線層22は、第2のビア18b内にも形成され、金属膜19を介してn側電極17と電気的に接続される。
【0086】
第1のp側配線層21及び第1のn側配線層22のメッキに使ったレジスト41は、溶剤もしくは酸素プラズマを使って、除去される(図9(a))。
【0087】
次に、図9(b)に示すように、絶縁層18の配線面18c側にレジスト42を形成する。レジスト42は、前述のレジスト41よりも厚い。なお、前の工程でレジスト41は除去せずに残し、そのレジスト41にレジスト42を重ねて形成してもよい。レジスト42には、凹部42aと凹部42bが形成されている。
【0088】
次に、レジスト42の表面、凹部42aに露出する第1のp側配線層21の表面および凹部42bに露出する第1のn側配線層22の表面を含む凹部42a、42bの内壁に、メッキ時のシードメタルとして機能する金属膜20を形成する。金属膜20は、例えば銅を含む。
【0089】
そして、その金属膜20を電流経路としたCu電解メッキを行う。これにより、図10(a)及びその下面図である図10(b)に示すように、金属膜20上に金属膜50が形成される。
図10(b)において破線は、レジスト42に形成された凹部42a、42bの縁を表す。凹部42aには平面視で一部のコーナー部に切欠きが形成され、その切欠きの下の絶縁層18上には金属膜20及び金属膜50は形成されない。このため、図12(b)を参照して後述するように、第2のp側配線層23の一部のコーナー部に切欠き90が形成される。
【0090】
このメッキは、下地であるレジスト42及び金属膜20の凹凸形状に沿ってほぼ均一な速度でCuが析出するコンフォーマルメッキである。したがって、金属膜50は下地の凹凸形状に沿って形成され、凹部42a及び凹部42bは金属膜50で埋まらない。したがって、凹部42a及び凹部42bを金属で埋める場合に比べて、メッキ時間の短縮およびコスト低減を図れる。
【0091】
金属膜50は、第1のp側配線層21上(凹部42aの底部)、第1のn側配線層22上(凹部42bの底部)、凹部42aの側壁、および凹部42bの側壁の各部分で、ほぼ同じ膜厚で形成される。
【0092】
また、図10(b)に示すように、金属膜50は凹部42aの側壁に沿って形成され、凹部42aの中心側を閉じたパターンで囲む。同様に、金属膜50は凹部42bの側壁に沿って形成され、凹部42bの中心側を閉じたパターンで囲む。
【0093】
次に、図11(a)及びその下面図である図11(b)に示すように、凹部42a内、凹部42b内およびレジスト42上に、例えば印刷法、モールド法などで、樹脂層35を形成する。凹部42a内及び凹部42b内は、樹脂層35で埋まる。
【0094】
樹脂層35は、絶縁性を有する。また、樹脂層35に、例えばカーボンブラックを含有させて、発光層からの放出光に対して遮光性を付与させてもよい。また、樹脂層35に、発光層からの放出光に対する反射性を有する粉末を含有させてもよい。
【0095】
次に、樹脂層35の表面側(図11(a)における下面側)を研削して、凹部42a及び凹部42bの側壁に形成された金属膜50の端部を露出させる。その状態を、図12(a)及びその下面図である図12(b)に示す。
【0096】
これにより、金属膜50において凹部42a内の部分と凹部42b内の部分とが分断される。凹部42a内に残された金属膜50は第2のp側配線層23となる。凹部42b内に残された金属膜50は第2のn側配線層24となる。
【0097】
第2のp側配線層23は、金属膜20を介して第1のp側配線層21と接続されている。あるいは、金属膜20も含めて、本実施形態における「第2のp側配線層」が構成される。
【0098】
第2のn側配線層24は、金属膜20を介して第1のn側配線層22と接続されている。あるいは、金属膜20も含めて、本実施形態における「第2のn側配線層」が構成される。
【0099】
第2のp側配線層23の一部の側壁は、ダイシング後に第3の面30に露出されるp側外部端子23aとなる。第2のn側配線層24の一部の側壁は、ダイシング後に第3の面30に露出されるn側外部端子24aとなる。
【0100】
本実施形態では、図12(b)に示すように、p側外部端子23a及びn側外部端子24aを、前述した第3の面30に沿った方向に延びるダイシング領域d2上に張り出させてレイアウトしている。図12(b)における1点鎖線e1及びe2のそれぞれは、ダイシングブレードの両エッジを表す。
【0101】
第2のp側配線層23における第2のn側配線層24側の一部のコーナー部には、切欠き90が形成されている。切欠き90は、p側外部端子23aとn側外部端子24aとの間に存在する。このため、ダイシング後に外部に露出されるp側外部端子23aとn側外部端子24aとの間の離間距離を、実装時のはんだ等による短絡を回避するのに十分な距離にすることができる。
【0102】
切欠き90が形成されていない部分では、第2のp側配線層23は、プロセス上の限界まで、第2のn側配線層24に近づけることができ、第2のp側配線層23の面積を広くできる。この結果、電流分布及び放熱性を向上できる。
【0103】
p側外部端子23a及びn側外部端子24aは、ダイシング領域d2の幅方向の一方側に偏って存在せず、ダイシング領域d2の幅方向の両側に存在する。すなわち、いずれもメタルであるp側外部端子23a及びn側外部端子24aは、ダイシングブレードの幅方向の一方のエッジ側に偏って存在していない。
【0104】
図12(b)に示すようなレイアウトを有するウェーハに対して、左から右へダイシング領域d2をブレードにより分割する場合について説明する。
【0105】
1つの第2のp側配線層23と1つの第2のn側配線層24とのペアを1つの発光素子とすると、図12(b)には、左右方向に4つ、上下方向に2つの発光素子が並んでいる。
【0106】
図12(b)における一番左の上の発光素子と、右から2番目の上の発光素子は、第2のp側配線層23の一部(下側)および第2のn側配線層24の一部(下側)がダイシング領域d2に存在する。図12(b)における一番右の下の発光素子と、左から2番目の下の発光素子は、第2のp側配線層23の一部(上側)および第2のn側配線層24の一部(上側)がダイシング領域d2に存在する。
【0107】
そのため、左から右へダイシング領域d2をブレードにより分割する場合において、一番左の上下の発光素子の間を切断するときは、ブレードの図12(b)において上側の方が下側よりも金属と接触する割合が多く、左から2番目の上下の発光素子の間を切断するときは、一番左とは逆になり、ブレードの図12(b)において下側の方が上側よりも金属と接触する割合が多くなる。このため、ダイシング時にダイシングブレードの幅方向の一方のエッジに過度な負荷がかかり目詰まりや破損等が生じることを抑制することができる。
【0108】
なお、図12(b)では、エッジe1側に存在するp側外部端子23a及びn側外部端子24aと、エッジe2側に存在するp側外部端子23a及びn側外部端子24aとが、ダイシング領域d2が延びる方向に見て交互に並んでいるが、このようなレイアウトに限らない。p側外部端子23a及びn側外部端子24aが、エッジe1及びエッジe2のいずれか一方側に偏って存在していなければよい。
【0109】
なお、p側外部端子23a及びn側外部端子24aが、エッジe1及びエッジe2のいずれか一方側に偏って存在していたとしても、ダイシングする際に、ブレードを交換する頻度を上げるなどの方法により、ブレードの目詰まりや破損等を抑制できる。
【0110】
また、第2のp側配線層23の図12(a)における下側の端部と、第2のn側配線層24の図12(a)における下側の端部を露出させることで、極性の異なるそれらのそれぞれに測定子を接触させて電流を供給することで、発光装置を発光させて、各種検査を行うことができる。取り扱いが容易なウェーハレベルで検査を行える。
【0111】
次に、レジスト42が、例えば溶剤もしくは酸素プラズマを用いて除去される(図13(a))。第2のp側配線層23に囲まれた樹脂層35および第2のn側配線層24に囲まれた樹脂層34は残る。
【0112】
この後、第1のp側配線層21、第2のp側配線層23及び樹脂層35を含むp側配線構造部と、第1のn側配線層22、第2のn側配線層24及び樹脂層35を含むn側配線構造部をマスクにして、配線面18cに形成された金属膜19の露出している部分をウェットエッチングにより除去する。これにより、図13(b)に示すように、第1のp側配線層21と第1のn側配線層22との金属膜19を介した電気的接続が分断される。
【0113】
次に、図14(a)に示すように、絶縁層18に対して樹脂層25を積層させる。樹脂層25は、前述したp側配線構造部及びn側配線構造部を覆う。
【0114】
樹脂層25は、絶縁性を有する。また、樹脂層25に、例えばカーボンブラックを含有させて、発光層からの放出光に対して遮光性を付与させてもよい。また、樹脂層25に、発光層からの放出光に対する反射性を有する粉末を含有させてもよい。また、樹脂層25と樹脂層35とを同じ材料にすれば、それらの密着力を高めて信頼性を高くできる。
【0115】
次に、図14(b)に示すように、基板5を除去する。基板5は、例えばレーザーリフトオフ法によって除去される。具体的には、基板5の裏面側から第1の半導体層11に向けてレーザ光が照射される。レーザ光は、基板5に対して透過性を有し、第1の半導体層11に対しては吸収領域となる波長を有する。
【0116】
レーザ光が基板5と第1の半導体層11との界面に到達すると、その界面付近の第1の半導体層11はレーザ光のエネルギーを吸収して分解する。例えば、第1の半導体層11がGaNの場合、ガリウム(Ga)と窒素ガスに分解する。この分解反応により、基板5と第1の半導体層11との間に微小な隙間が形成され、基板5と第1の半導体層11とが分離する。
【0117】
レーザ光の照射を、設定された領域ごとに複数回に分けてウェーハ全体にわたって行い、基板5を除去する。第1の面15a上から基板5が除去されることで、光取り出し効率の向上を図れる。
【0118】
基板5の主面上に形成された前述した積層体は、厚い樹脂層25によって補強されているため、基板5がなくなっても、ウェーハ状態を保つことが可能である。また、樹脂層25、35、および配線層を構成する金属は、半導体層15に比べて柔軟な材料である。そのため、基板5上に半導体層15を形成するエピタキシャル工程で発生した大きな内部応力が、基板5の剥離時に一気に開放されても、デバイスが破壊されることを回避できる。
【0119】
基板5が除去された半導体層15の第1の面15aは洗浄される。例えば、塩酸等で、第1の面15aに付着したガリウム(Ga)を除去する。
【0120】
また、例えば、KOH(水酸化カリウム)水溶液やTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)等で、第1の面15aをエッチングする(フロスト処理)。これにより、結晶面方位に依存したエッチング速度の違いによって、第1の面15aに凹凸が形成される(図15(a))。あるいは、レジストでパターニングした後にエッチングを行って、第1の面15aに凹凸を形成してもよい。第1の面15aに凹凸が形成されることで、光取り出し効率を向上できる。
【0121】
次に、図15(b)に示すように、第1の面15a上にレンズ26を形成する。レンズ26は、発光層からの放出光に対して透明であり、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ガラスなどを用いることができる。レンズ26は、例えば、グレースケールマスクを用いたエッチングや、インプリント法によって形成することができる。
【0122】
次に、レンズ26を覆うように、第1の面15a上および隣り合う半導体層15間で露出している絶縁層18上に、蛍光体層27を形成する。例えば、蛍光体粒子が分散された液状の透明樹脂を、印刷、ポッティング、モールド、圧縮成形などの方法によって供給した後、熱硬化させる。透明樹脂は、発光層からの放出光及び蛍光体が発する光に対する透過性を有し、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、液状ガラスなどの材料を用いることができる。
【0123】
次に、図16(a)及びその下面図である図16(b)に示すように、格子状に形成されたダイシング領域d1、d2の位置で、蛍光体層27、絶縁層18及び樹脂層25を切断し、複数の発光装置10aに個片化する。例えば、ダイシングブレードを用いて切断する。あるいは、レーザ照射によって、切断してもよい。
【0124】
このとき、第2のp側配線層23及び第2のn側配線層24において、第3の面30に沿った方向に延びるダイシング領域d2に張り出した部分が切断される。これにより、第3の面30に、p側外部端子23a及びn側外部端子24aが露出する。
【0125】
なお、前述したメッキ時のシードメタルとして使った金属膜20は薄いため、p側外部端子23a及びn側外部端子24aに形成されていた金属膜20はダイシング時に除去される。
【0126】
同様に、第1のp側配線層21及び第1のn側配線層22についてもその一部をダイシング領域d2に張り出させておけば、そのダイシング領域d2に張り出した部分が切断される。これにより、第3の面30に、第1のp側配線層21の側面21aおよび第1のn側配線層22の側面22aも露出される。
【0127】
あるいは、第1のp側配線層21の膜厚及び第1のn側配線層22の膜厚は薄いため、第3の面30における露出面積は、p側外部端子23a及びn側外部端子24aに比べて非常に小さい。したがって、第1のp側配線層21及び第1のn側配線層22は第3の面30に露出させなくてもよい。p側外部端子23a及びn側外部端子24aだけで外部端子としての機能は十分担える。
【0128】
第1のp側配線層21の一部及び第1のn側配線層22の一部を第3の面30に露出させる場合、図31に示すレイアウトが好ましい。
【0129】
図31におけるダイシング領域d2は、第3の面30に露出される第1のp側配線層21の側面21aおよび第1のn側配線層22の側面22aに沿った方向(図31において横方向)に延びている。そして、側面21a及び側面22aを、そのダイシング領域d2上に張り出させる。なお、図31における1点鎖線e1及びe2のそれぞれは、ダイシングブレードの両エッジを表す。
【0130】
第1のp側配線層21における第1のn側配線層22側であって且つ側面21a側の部分には、切欠き21bが形成されている。切欠き21bは、側面21aと側面22aとの間に存在する。このため、ダイシング後に外部に露出される側面21aと側面22aとの間の離間距離を、実装時のはんだ等による短絡を回避するのに十分な距離にすることができる。
【0131】
切欠き21bが形成されていない部分では、第1のp側配線層21は、プロセス上の限界まで、第1のn側配線層22に近づけることができ、第1のp側配線層21の面積を広くできる。この結果、第1のp側配線層21とp側電極16とを複数の第1のビア18aを通じて接続させることができ、電流分布及び放熱性を向上できる。
【0132】
側面21a及び側面22aは、ダイシング領域d2の幅方向の一方側に偏って存在せず、ダイシング領域d2の幅方向の両側に存在する。すなわち、いずれもメタルである側面21a及び側面22aは、ダイシングブレードの幅方向の一方のエッジ側に偏って存在していない。このため、ダイシング時にダイシングブレードの幅方向の一方のエッジに過度な負荷がかかり目詰まりや破損等が生じることを抑制することができる。
【0133】
なお、図31では、エッジe1側に存在する側面21a及び側面22aと、エッジe2側に存在する側面21a及び側面22aとが、ダイシング領域d2が延びる方向に見て交互に並んでいるが、このようなレイアウトに限らない。側面21a及び側面22aが、エッジe1及びエッジe2のいずれか一方側に偏って存在していなければよい。
【0134】
なお、側面21a及び側面22aが、エッジe1及びエッジe2のいずれか一方側に偏って存在していたとしても、ダイシングする際に、ブレードを交換する頻度を上げるなどの方法により、ブレードの目詰まりや破損等を抑制できる。
【0135】
ダイシング時、基板5はすでに除去されている。さらに、ダイシング領域d1、d2には、半導体層15は存在しないため、ダイシング時に半導体層15が受けるダメージを回避することができる。また、個片化後に、半導体層15の端部(側面)が樹脂で覆われて保護された構造が得られる。
【0136】
なお、個片化された発光装置10aは、ひとつの半導体層15を含むシングルチップ構造でも、複数の半導体層15を含むマルチチップ構造であってもよい。
【0137】
ダイシングされる前までの前述した各工程は、ウェーハ状態で一括して行われるため、個片化された個々のデバイスごとに、配線及びパッケージングを行う必要がなく、大幅な生産コストの低減が可能になる。すなわち、個片化された状態で、すでに配線及びパッケージングが済んでいる。このため、生産性を高めることができ、その結果として価格低減が容易となる。
【0138】
なお、図17(a)に示す発光装置10bのように、第1の面15a側にレンズを設けない構造であってもよい。
【0139】
また、図17(b)に示す発光装置10cのように、第1の面15aに基板5を薄く残してもよい。例えば、半導体ウェーハ裏面研削用のグラインダーなどを用いて基板5を研削することができる。
【0140】
基板5は、例えばサファイア基板であり、窒化物半導体系の発光層から放出される光に対して透過性を有する。この場合、蛍光体層がないため、発光層からの放出光と同じ波長の光が、発光装置10cから外部へと放出される。もちろん、基板5上に蛍光体層を形成してもかまわない。基板5を残すことで、機械的強度を高めることができ、信頼性の高い構造とすることができる。
【0141】
ダイシングする際には、樹脂層25側からダイシングブレードでハーフカットした後、基板5をレーザ照射によって分割することができる。あるいは、すべての部分をレーザ照射によって切断してもよい。
【0142】
(第2実施形態)
図18(a)は、第2実施形態の発光装置10dにおける第3の面30側から見た模式斜視図である。
図18(b)は、同発光装置10dにおける光放出面側から見た模式斜視図である。
図19(a)は、図18(a)におけるA−A断面図である。
図19(b)は、図18(a)におけるB−B断面図である。
【0143】
本実施形態の発光装置10dは、反射膜51を有する点で、前記第1実施形態の発光装置10aと異なる。
【0144】
反射膜51は、発光層からの放出光および蛍光体が発する光に対して反射性を有し、例えば金属膜である。反射膜51は、蛍光体層27の側面及び絶縁層18の側面に形成されている。蛍光体層27において、第1の面15aの反対側の面には反射膜51は形成されていない。
【0145】
図20は、本実施形態の発光装置10dを実装基板100上に実装した構成を有する発光モジュールの模式断面図である。
【0146】
第1実施形態と同様、発光装置10dは、第3の面30を実装基板100の実装面103に向けた姿勢で実装されている。第3の面30で露出しているp側外部端子23a及びn側外部端子24aは、それぞれ、実装面103に形成されたパッド101に対してはんだ102等を介して接合されている。
【0147】
第3の面30は、光の主な放出面である第1の面15aに対して略垂直である。したがって、第3の面30を下方の実装面103側に向けた姿勢で、第1の面15aは実装面103の上方ではなく、横方向を向く。すなわち、実装面103を水平面とした場合に横方向に光が放出される、いわゆるサイドビュータイプの発光装置10d及び発光モジュールが得られる。
【0148】
絶縁層18及び蛍光体層27の側面が反射膜51で被覆されているため、光は横方向に集光されて放出される。
【0149】
次に、図21(a)〜図23(b)を参照して、本実施形態の発光装置10dの製造方法について説明する。
【0150】
図21(a)は、基板5が除去され、第1の面15a上に蛍光体層27が形成された状態を表す。この工程までは、前述した第1実施形態と同様に進められる。
【0151】
そして、図21(a)に示す積層体を、蛍光体層27側からハーフカットダイシングする。具体的には、ダイシング領域d1、d2の位置で、蛍光体層27及び絶縁層18を切断する。例えば、ダイシングブレードあるいはレーザ照射により切断する。これにより、ダイシング領域d1、d2に溝52(図21(b))が形成される。
【0152】
次に、露出面に対して、例えばスパッタ法により反射膜51を形成する。図22(a)に示すように、反射膜51は、蛍光体層27の上面、溝52の底部及び内壁に形成される。
【0153】
反射膜51として、例えば、銀、アルミニウム、金、シリコン、誘電体多層膜などを用いることができる。あるいは、反射粉末を含む樹脂を反射膜51として用いてもよい。
【0154】
次に、図22(b)に示すように、蛍光体層27の上面に形成された反射膜51を研削して除去する。例えば、半導体ウェーハ裏面研削用のグラインダーなどを用いることができる。あるいは、RIE法により蛍光体層27の上面に形成された反射膜51を除去してもよい。蛍光体層27の側面及び絶縁層18の側面には、反射膜51が残される。
【0155】
次に、図23(a)及びその下面図である図23(b)に示すように、溝52の下の樹脂層25を切断する。例えば、ダイシングブレードを用いて切断する。あるいは、レーザ照射によって、切断してもよい。これにより、複数の発光装置10dに個片化される。
【0156】
このときも、第1実施形態と同様、第2のp側配線層23及び第2のn側配線層24において、第3の面30に沿った方向に延びるダイシング領域d2に張り出した部分が切断される。これにより、第3の面30に、p側外部端子23a及びn側外部端子24aが露出する。
【0157】
本実施形態においても、樹脂を切断するので容易にダイシングでき生産性を向上できる。また、半導体層15を切断しないため、ダイシング時に半導体層15が受けるダメージを回避することができる。
【0158】
(第3実施形態)
図24(a)は、第3実施形態の発光装置10eの模式斜視図である。図24(b)は、図24(a)におけるA−A断面図である。図24(c)は、図24(a)におけるB−B断面図である。
【0159】
本実施形態の発光装置10eでは、上記実施形態における第1のp側配線層21を設けずに、第2のp側配線層23の一部が第1のビア18a内に設けられている。また、第1のn側配線層22を設けずに、第2のn側配線層24の一部が第2のビア18b内に設けられている。すなわち、p側配線層は第2のp側配線層23から構成され、n側配線層は第2のn側配線層24から構成される。
【0160】
第1のp側配線層21及び第1のn側配線層22を設けないことで、工程削減を図れ、コスト低減を図れる。
【0161】
図25は、本実施形態の発光装置10eを実装基板100上に実装した構成を有する発光モジュールの模式断面図である。
【0162】
本実施形態においても、発光装置10eは、第3の面30を実装基板100の実装面103に向けた姿勢で実装されている。そして、第3の面30で露出しているp側外部端子23a及びn側外部端子24aは、それぞれ、実装面103に形成されたパッド101に対してはんだ102等を介して接合されている。
【0163】
第3の面30は、光の主な放出面である第1の面15aに対して略垂直である。したがって、第3の面30を下方の実装面103側に向けた姿勢で、第1の面15aは実装面103の上方ではなく、横方向を向く。すなわち、実装面103を水平面とした場合に横方向に光が放出される、いわゆるサイドビュータイプの発光装置10e及び発光モジュールが得られる。
【0164】
(第4実施形態)
図26(a)は、第4実施形態の発光装置10fの模式斜視図である。図26(b)は、図26(a)におけるA−A断面図である。図26(c)は、図26(a)におけるB−B断面図である。
【0165】
本実施形態の発光装置10fにおける第3の面30は、第1の面15aに対して垂直でも平行でもなく、傾いている。
【0166】
図26(a)におけるB−B断面に対応する図26(c)の断面において、樹脂層25の外形が逆台形状になるように、第3の面30が傾いている。
【0167】
第3の面30に露出する第2のp側配線層23のp側外部端子23a、第2のn側配線層24のn側外部端子24a、第1のp側配線層21の側面21a、および第1のn側配線層22の側面22aも、第3の面30の傾斜に沿って傾いている。
【0168】
図27は、本実施形態の発光装置10fを実装基板100上に実装した構成を有する発光モジュールの模式断面図である。
【0169】
発光装置10fは、第3の面30を実装基板100の実装面103に向けた姿勢で実装されている。第3の面30で露出しているp側外部端子23a及びn側外部端子24aは、それぞれ、実装面103に形成されたパッド101に対してはんだ102等を介して接合されている。
【0170】
本実施形態においても、第1の面15a及びその反対側の第2の面と異なる面方位の第3の面30に、p側外部端子23a及びn側外部端子24aが露出している。このため、実装面を下にした状態で横方向に光が放出されるサイドビュータイプの発光装置10f及び発光モジュールが得られる。
【0171】
さらに、第3の面30は第1の面15aに対して傾いていることから、第3の面30を下方の実装面103側に向けた姿勢で、第1の面15aは斜め上方を向く。すなわち、実装面103を水平面とした場合に斜め上方に光が放出される。
【0172】
次に、図28(a)〜図29(b)を参照して、本実施形態の発光装置10fの製造方法について説明する。
【0173】
図28(b)は図28(a)におけるA−A断面に対応し、図29(b)は図29(a)におけるA−A断面に対応する。
【0174】
図28(a)に示すように、蛍光体層27を形成する工程までは、第1実施形態と同様に進められる。
【0175】
次に、例えば幅方向の両側面にテーパーが形成されたブレードを用いて、前述した図12(b)に示すダイシング領域d2の位置で、樹脂層25を切断する。これにより、図28(b)に示すように、ダイシング領域d2の下に溝55が形成される。溝55は、樹脂層25を貫通して絶縁層18に達する。溝55は、絶縁層18側から遠ざかるにしたがって漸次幅が広くなっている。
【0176】
本実施形態においても、p側外部端子23a及びn側外部端子24aがダイシング領域d2に張り出している。したがって、p側外部端子23a及びn側外部端子24aが、溝55に露出する。
【0177】
次に、ダイシング領域d2に沿って、溝55の上の絶縁層18及び蛍光体層27を切断する。さらに、ダイシング領域d2に対して直交するダイシング領域d1に沿って、蛍光体層27、絶縁層18及び樹脂層25を切断する。これにより、図29(a)及び(b)に示すように、複数の発光装置10fに個片化される。
【0178】
なお、樹脂層25において、ダイシング領域d1に沿った方向についても、幅方向の両側面にテーパーが形成されたブレードを用いてダイシングし、図29(a)に表される樹脂層25の側面を傾斜させてもよい。
【0179】
図30(b)は、実施形態の発光モジュールを、例えば液晶表示装置のバックライトとして用いた具体例の模式図を表す。
【0180】
ここで、実装基板100上に実装された発光装置10は、前述した実施形態のいずれか1つの発光装置を代表して表す。
【0181】
実装基板100は、フレーム151上に設けられている。発光装置10は、サイドビュータイプであるため、実装基板100を下にした状態で、図において白抜き矢印で表すように横方向に光が放出される。
【0182】
実装基板100は、例えば、紙面奥行き方向に延びる矩形板状に形成され、その長手方向に、複数の発光装置10が実装されている。
【0183】
発光モジュールの横には導光板201が設けられている。導光板201は、発光装置10からの放出光に対して透過性を有し、例えば樹脂材料からなる。発光装置10の光放出面は、導光板201の光入射面201aに対向している。
【0184】
導光板201の下方には反射材153が設けられ、導光板201の上方には液晶パネル202が設けられている。また、発光装置10の上方には反射材154が設けられている。反射材153及び154は、発光装置10からの放出光に対する反射性を有する。
【0185】
発光装置10から横方向に放出された光は、導光板201の光入射面201aに入射する。光入射面201aから導光板201に入射した光は、導光板201の面方向に広がり、液晶パネル202に入射する。導光板201から液晶パネル202の反対側に出射した光は、反射材153で反射されて液晶パネル202へと導かれる。
【0186】
ここで、図30(a)は、比較例の発光モジュールを、光源として用いたバックライトの模式図である。
【0187】
この比較例の発光モジュールにおける発光装置300は、いわゆるトップビュータイプである。すなわち、実装基板100の実装面の上方に光が放出される。したがって、発光装置300の光放出面を導光板201の光入射面201aに対向させるには、実装基板100を、光入射面201aに対向して設けられたフレーム152に支持させる。
【0188】
このため、実装面を光入射面201aに向けた姿勢で、矩形板状の実装基板100を立てて配置することになり、導光板201の厚み、ひいていはバックライトユニット全体の厚みの増大をまねく。
【0189】
これに対して、図30(b)に示す実施形態では、実装基板100を導光板201の光入射面201aに向き合わせて立てなくてよいので、導光板201ひいてはバックライトユニット全体の薄型化を図れる。
【0190】
前述した蛍光体層としては、以下に例示する赤色蛍光体層、黄色蛍光体層、緑色蛍光体層、青色蛍光体層を用いることができる。
【0191】
赤色蛍光体層は、例えば、窒化物系蛍光体CaAlSiN3:Euやサイアロン系蛍光体を含有することができる。
【0192】
サイアロン系蛍光体を用いる場合、特に、
(M1−x,Rx)a1AlSib1Oc1Nd1・・・組成式(1)
(MはSi及びAlを除く少なくとも1種の金属元素であり、特に、Ca若しくはSrの少なくとも一方が望ましい。Rは発光中心元素であり、特に、Euが望ましい。x、a1、b1、c1、d1は、次の関係を満たす。0<x≦1、0.6<a1<0.95、2<b1<3.9、0.25<c1<0.45、4<d1<5.7)を用いることができる。
【0193】
組成式(1)で表されるサイアロン系蛍光体を用いることで、波長変換効率の温度特性が向上し、大電流密度領域での効率をさらに向上させることができる。
【0194】
黄色蛍光体層は、例えば、シリケート系蛍光体(Sr,Ca,Ba)2SiO4:Euを含有することができる。
【0195】
緑色蛍光体層は、例えば、ハロ燐酸系蛍光体(Ba,Ca,Mg)10(PO4)6・Cl2:Euやサイアロン系蛍光体を含有することができる。
【0196】
サイアロン系蛍光体を用いる場合、特に、
(M1−x,Rx)a2AlSib2Oc2Nd2・・・組成式(2)
(MはSi及びAlを除く少なくとも1種の金属元素であり、特に、Ca若しくはSrの少なくとも一方が望ましい。Rは発光中心元素であり、特に、Euが望ましい。x、a2、b2、c2、d2は、次の関係を満たす。0<x≦1、0.93<a2<1.3、4.0<b2<5.8、0.6<c2<1、6<d2<11)を用いることができる。
【0197】
組成式(2)で表されるサイアロン系蛍光体を用いることで、波長変換効率の温度特性が向上し、大電流密度領域での効率をさらに向上させることができる。
【0198】
青色蛍光体層は、例えば、酸化物系蛍光体BaMgAl10O17:Euを含有することができる。
【0199】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0200】
5…基板、10,10a〜10f…発光装置、13…発光層、15…半導体層、15a…第1の面、16…p側電極、17…n側電極、18…絶縁層(第1の絶縁層)、18a…第1のビア、18b…第2のビア、18c…配線面、21…第1のp側配線層、22…第1のn側配線層、23…第2のp側配線層、23a…p側外部端子、23b…p側接続部、24…第2のn側配線層、24a…n側外部端子、24b…n側接続部、25…樹脂層(第2の絶縁層)、27…蛍光体層、30…第3の面、35…絶縁層(第3の絶縁層)、51…反射膜、52…溝、100…実装基板、101…パッド、103…実装面、201…導光板、202…液晶パネル、d1,d2…ダイシング領域
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、発光装置、発光モジュール、発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
可視光や白色光を放出可能な半導体発光装置の用途は、照明装置、液晶表示装置のバックライト光源、表示装置などに拡大している。これらの用途では小型化の要求がますます強まっており、さらに半導体発光装置の量産性を高め価格を低減することが要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0148198号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
小型且つ安価な発光装置、発光モジュール、発光装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、発光装置は、半導体層と、p側電極と、n側電極と、第1の絶縁層と、p側配線層と、n側配線層と、第2の絶縁層と、を備えている。前記半導体層は、第1の面と、その反対側に形成された第2の面と、発光層とを含む。前記p側電極は、前記第2の面における前記発光層を有する領域に設けられている。前記n側電極は、前記第2の面における前記発光層を含まない領域に設けられている。前記第1の絶縁層は、前記第2の面側に設けられ、前記第p側電極に通じる第1のビアと、前記n側電極に通じる第2のビアとを有する。前記p側配線層は、前記第1のビアを通じて前記p側電極と電気的に接続される第1のp側配線層と、前記第1のp側配線層に電気的に接続され、前記第1の絶縁層における前記半導体層に対する反対側に形成された配線面、および前記第1の面及び前記第2の面と異なる面方位の第3の面に沿う形状に設けられ断面がL字状の部分を有する第2のp側配線層と、を有する。前記第2のp側配線層の断面がL字状の部分は、前記第3の面で前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層から露出されたp側外部端子を有する。前記n側配線層は、前記第2のビアを通じて前記n側電極と電気的に接続される第1のn側配線層と、前記第1のn側配線層に電気的に接続され、前記p側配線層に対して離間して、前記配線面および前記第3の面に沿う形状に設けられ断面がL字状の部分を有する第2のn側配線層と、を有する。前記第2のn側配線層の断面がL字状の部分は、前記第3の面で前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層から露出されたn側外部端子を有する。前記第2の絶縁層は、前記p側配線層と前記n側配線層との間に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1実施形態の発光装置の模式図。
【図2】第1実施形態の発光モジュールの模式断面図。
【図3】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図4】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図5】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図6】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図7】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図8】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図9】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図10】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図11】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図12】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図13】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図14】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図15】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図16】第1実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図17】第1実施形態の発光モジュールの変形例の模式断面図。
【図18】第2実施形態の発光装置の模式斜視図。
【図19】第2実施形態の発光装置の模式断面図。
【図20】第2実施形態の発光モジュールの模式断面図。
【図21】第2実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図22】第2実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図23】第2実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図24】第3実施形態の発光装置の模式図。
【図25】第3実施形態の発光モジュールの模式断面図。
【図26】第4実施形態の発光装置の模式図。
【図27】第4実施形態の発光モジュールの模式断面図。
【図28】第4実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図29】第4実施形態の発光装置の製造方法を示す模式図。
【図30】(a)は比較例の発光モジュールを用いた照明装置の模式図であり、(b)は実施形態の発光モジュールを用いた照明装置の模式図。
【図31】第1のp側配線層及び第1のn側配線層の平面レイアウトの他の具体例を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。各図面中、同じ要素には同じ符号を付している。なお、製造工程を表す図面においては、複数の半導体層15(チップ)を含むウェーハの一部の領域を表している。
【0008】
(第1実施形態)
図1(a)は、第1実施形態の発光装置10aの模式斜視図である。図1(b)は、図1(a)におけるA−A断面図である。図1(c)は、図1(a)におけるB−B断面図である。
【0009】
発光装置10aは半導体層15を有する。半導体層15は、第1の面15aと、その反対側に形成された第2の面を有する。第2の面側に後述する電極及び配線層が設けられ、その反対側の第1の面15aから主として光が外部に放出される。
【0010】
半導体層15は、第1の半導体層11と第2の半導体層12を有する。第1の半導体層11及び第2の半導体層12は、いずれも例えば窒化物半導体を含む。第1の半導体層11は、例えば下地バッファ層、n型層などを含み、n型層は電流の横方向経路として機能する。第2の半導体層12は、発光層(活性層)13を、n型層とp型層とで挟んだ積層構造を有する。
【0011】
半導体層15の第2の面側は凹凸形状に加工されている。その第2の面側に形成された凸部は発光層13を含む。その凸部の表面である第2の半導体層12の表面には、p側電極16が設けられている。p側電極16は、発光層13を有する領域に設けられている。
【0012】
半導体層15の第2の面側において凸部の横には、第2の半導体層12がない領域が設けられ、その領域の第1の半導体層11の表面に、n側電極17が設けられている。すなわち、n側電極17は、発光層13を含まない領域に設けられている。
【0013】
図5(b)に示すように、半導体層15の第2の面側において、発光層13を含む第2の半導体層12の面積は、発光層13を含まない第1の半導体層11の面積よりも広い。
【0014】
また、図6(b)に示すように、ひとつの半導体層15において、発光層13を含む領域に設けられたp側電極16の方が、発光層13を含まないn側電極17よりも面積が広い。これにより、広い発光領域が得られる。なお、図6(b)に示すp側電極16及びn側電極17のレイアウトは一例であって、これに限らない。
【0015】
半導体層15の第2の面側には、第1の絶縁層(以下、単に絶縁層と言う)18が設けられている。絶縁層18は、半導体層15、p側電極16及びn側電極17を覆っている。また、絶縁層18と半導体層15との間に別の絶縁膜(例えばシリコン酸化膜)が設けられることもある。絶縁層18は、例えば、微細開口のパターニング性に優れたポリイミド等の樹脂である。あるいは、絶縁層18としてシリコン酸化物やシリコン窒化物等の無機物を用いてもよい。
【0016】
絶縁層18は、半導体層15に対する反対側に配線面18cを有する。その配線面18cには、第1のp側配線層(内側p側配線層)21と、第1のn側配線層(内側n側配線層)22とが互いに離間して設けられている。
【0017】
第1のp側配線層21は、p側電極16に達して絶縁層18に形成された第1のビア18a内にも設けられ、p側電極16と電気的に接続されている。なお、第1のp側配線層21は必ずしも絶縁層18の下面上に形成されなくてもよい。例えば、p側電極16上にだけ第1のp側配線層21が設けられ、絶縁層18の第1のビア18aの外には第1のp側配線層21が設けられていない構造であってもよい。
【0018】
第1のn側配線層22は、n側電極17に達して絶縁層18に形成された第2のビア18b内にも設けられ、n側電極17と電気的に接続されている。
【0019】
第1のp側配線層21においてp側電極16に対する反対側の面には、第2のp側配線層23が設けられている。第1のp側配線層21及び第2のp側配線層23は、本実施形態におけるp側配線層を構成する。
【0020】
そのp側配線層は、絶縁層18の配線面18cに沿う形状に設けられた部分と、第1の面15a及び第2の面と異なる面方位の第3の面30に沿う形状に設けられた部分とを有する。p側配線層において、配線面18cに沿って設けられた部分から第3の面30に沿って設けられた部分は、図1(c)に示すように、例えば断面がL字状に形成されている。
【0021】
第1のp側配線層21は、配線面18c上に配線面18cに沿って設けられている。第2のp側配線層23は、p側接続部23bとp側外部端子23aとを有する。
【0022】
p側接続部23bは、第1のp側配線層21上に配線面18cに沿って設けられている。図1(c)に示すように、p側接続部23bとp側外部端子23aとにより、断面がL字状の部分が形成される。すなわち、第2のp側配線層23は、断面がL字状の部分を有し、その一部(p側外部端子23a)が、外部端子となる。
【0023】
そして、第2のp側配線層23は、p側接続部23bを底部とした凹形状に形成されている。p側外部端子23aは、その凹形状(U字状)の側壁の一部を構成する。つまり、図1(c)に示すように、第2のp側配線層23はU字状の断面形状を有し、そのU字状の一部がL字状となっている。
【0024】
図1(c)に示すような、第3の面30に対して垂直な面かつ配線面18cと交差する面における断面において、第2のp側配線層23はU字状の断面形状を有している。また、図1(b)に示すように、第3の面30に対して平行な面における断面においても、第2のp側配線層23はU字状の断面を有している。後述するように、第2のp側配線層23は、カップ状であるので、図1(b)及び(c)に示す断面図では、U字状の断面形状を有する。
【0025】
第1のn側配線層22においてn側電極17に対する反対側の面には、第2のn側配線層24が設けられている。第1のn側配線層22及び第2のn側配線層24は、本実施形態におけるn側配線層を構成する。
【0026】
そのn側配線層は、絶縁層18の配線面18cに沿う形状に設けられた部分と、第1の面15a及び第2の面と異なる面方位の第3の面30に沿う形状に設けられた部分とを有する。n側配線層において、配線面18cに沿って設けられた部分から第3の面30に沿って設けられた部分は、例えばL字状に形成されている。
【0027】
第1のn側配線層22は、配線面18c上に配線面18cに沿って設けられている。第2のn側配線層24は、n側接続部24bとn側外部端子24aとを有する。
【0028】
n側接続部24bは、第1のn側配線層22上に配線面18cに沿って設けられている。図1(c)に示す断面と平行な断面図では、n側接続部24bとn側外部端子24aとにより、断面がL字状の部分が形成される。すなわち、第2のn側配線層24は、断面がL字状の部分を有し、その一部(n側外部端子24a)が、外部端子となる。
【0029】
そして、第2のn側配線層24は、n側接続部24bを底部とした凹形状に形成されている。n側外部端子24aは、その凹形状(U字状)の側壁の一部を構成する。つまり、第2のn側配線層24は、U字状の断面形状を有し、そのU字状の一部がL字状となっている。
【0030】
図1(c)に示す断面図と平行な断面図であり、第3の面30に対して垂直な面であり、かつ配線面18cと交差する面における断面図において、第2のn側配線層24は、U字状の断面形状を有している。また、図1(b)に示すように、第3の面30に平行な面における断面図でも、第2のn側配線層24は、U字状の断面を有している。後述するように、第2のn側配線層24は、カップ状であるので、図1(b)に示す断面図および図1(c)に示す断面図に平行な断面での断面図では、U字状の断面形状を有する。
【0031】
絶縁層18の配線面18c上には、第2の絶縁層として樹脂層25が設けられている。樹脂層25は、第1のp側配線層21及び第1のn側配線層22を覆っている。ただし、図1(a)に示すように、第1のp側配線層21の一部の側面21aと、第1のn側配線層22の一部の側面22aは、樹脂層25及び絶縁層18で覆われずに、それらから露出している。
【0032】
樹脂層25は、第2のp側配線層23と第2のn側配線層24との間に充填されている。第2のp側配線層23におけるp側外部端子23a以外の側壁は樹脂層25で覆われている。第2のn側配線層24におけるn側外部端子24a以外の側壁は樹脂層25で覆われている。
【0033】
また、第2のp側配線層23における第1のp側配線層21に対する反対側の端部も樹脂層25で覆われている。同様に、第2のn側配線層24における第1のn側配線層22に対する反対側の端部も樹脂層25で覆われている。
【0034】
凹形状(U字状)の第2のp側配線層23の内側及び同じく凹形状(U字状)の第2のn側配線層24の内側には、第3の絶縁層として樹脂層35が埋め込まれている。
【0035】
樹脂層35における第1のp側配線層21に対する反対側の端部は樹脂層25で覆われている。したがって、第2のp側配線層23の内側に設けられた樹脂層35は、第2のp側配線層23及び樹脂層25に囲まれている。同様に、第2のn側配線層24の内側に設けられた樹脂層35は、第2のn側配線層24及び樹脂層25に囲まれている。第2のp側配線層23及び第2のn側配線層24は、樹脂層25及び樹脂層35に覆われている。
【0036】
図1(a)〜(c)に示す発光装置10aは、図2に示すように、第3の面30が実装面(実装する基板と対向する面)となるように、実装される。その際、p側外部端子23a、第1のp側配線層21の露出面21aおよびそれらの間の金属膜20が、p側の外部端子となる。
【0037】
金属膜20の膜厚は数nm程度であり、金属膜20が第3の面30で露出する面積は第1のp側配線層21の露出面21aに比べて小さい。また、第1のp側配線層21の露出面21aは、p側外部端子23aに比べて、図1(b)及び(c)における高さ方向の厚みが小さい。このため、第1のp側配線層21の露出面21aが第3の面30で露出する面積は、p側外部端子23aに比べて小さい。
【0038】
n側も同様であり、金属膜20、第1のn側配線層22の露出面22a、n側外部端子24aの順に、第3の面30で露出する面積は大きい。
【0039】
図1(a)及び(c)に示すように、第2のp側配線層23の一部の側面は、半導体層15の第1の面15a及び第2の面と異なる面方位の第3の面30で、絶縁層18及び樹脂層25から露出している。その露出された面は、外部の実装基板に実装するためのp側外部端子23aとして機能する。p側外部端子23aは、p側接続部23bの一端部から第3の面30に沿って広がって形成されている。
【0040】
ここで、第3の面30は、第1の面15a及び第2の面に対して略垂直な面である。樹脂層25は、例えば矩形状の4つの側面を有し、そのうちの相対的に長辺を有する側面のひとつが第3の面30となっている。
【0041】
その同じ第3の面30で、第2のn側配線層24の一部の側面が絶縁層18及び樹脂層25から露出している。その露出された面は、外部の実装基板に実装するためのn側外部端子24aとして機能する。n側外部端子24aは、n側接続部24bの一端部から第3の面30に沿って広がって形成されている。
【0042】
また、図1(a)に示すように、第1のp側配線層21の一部の側面21aも、第3の面30で絶縁層18及び樹脂層25から露出され、p側外部端子として機能する。同様に、第1のn側配線層22の一部の側面22aも、第3の面30で絶縁層18及び樹脂層25から露出され、n側外部端子として機能する。
【0043】
第1のp側配線層21と第2のp側配線層23とを含むp側配線層において、第3の面30で露出している部分21a、23a以外の部分は、絶縁層18または樹脂層25で覆われている。第1のn側配線層22と第2のn側配線層24とを含むn側配線層において、第3の面30で露出している部分22a、24a以外の部分は、絶縁層18または樹脂層25で覆われている。なお、本実施形態の構造は一例であって、p側配線層とn側配線層を、第3の面30以外においても一部露出させてもかまわない。
【0044】
図8(b)に示すように、第1のp側配線層21における第3の面30で露出する側面21aと、第1のn側配線層22における第3の面30で露出する側面22aとの間の距離は、絶縁層18の配線面18c上での第1のp側配線層21と第1のn側配線層22との間の距離よりも大きい。
【0045】
絶縁層18の配線面18c上で樹脂層25に覆われた第1のp側配線層21と第1のn側配線層22との間の距離を小さくすることで、第1のp側配線層21の面積の拡大を図れる。第1のp側配線層21の平面サイズは、第2のp側配線層23におけるp側接続部23bの平面サイズよりも大きい。第1のp側配線層21は、例えば銅などの低抵抗金属を用いて形成することができる。このため、第1のp側配線層21の面積が広いほど発光層13を含む第2の半導体層12に対して、より均一な分布で電流を供給することが可能となる。さらに、第1のp側配線層21の熱伝導率も高くすることができ、第2の半導体層12で発生した熱を効率的に逃がすことも可能となる。
【0046】
p側電極16は、発光層13を含む領域に広がっている。したがって、複数の第1のビア18aを介して第1のp側配線層21とp側電極16とを接続することで、発光層13への電流分布が向上し、且つ発光層13で発生した熱の放熱性も向上できる。
【0047】
第1のp側配線層21における第3の面30で露出する側面21aと、第1のn側配線層22における第3の面30で露出する側面22aとは、実装基板への実装時にはんだ等の接合剤によって相互に短絡しない距離を隔てて離れている。
【0048】
第1のn側配線層22と第2のn側配線層24のn側接続部24bとが接触する面積は、第1のn側配線層22とn側電極17とが接触する面積より大きい。また、第1のn側配線層22の一部は、絶縁層18の配線面18c上を、発光層13の下に重なる位置まで延在している。
【0049】
これにより、広い領域にわたって形成された発光層13によって高い光出力を得つつ、発光層13を含まない狭い領域に設けられたn側電極17から、第1のn側配線層22を介して、より広い引き出し電極を形成できる。
【0050】
第1のp側配線層21と第2のp側配線層23のp側接続部23bとが接触する面積は、第1のp側配線層21とp側電極16とが接触する面積より大きい場合もあるし、小さい場合もある。
【0051】
第1の半導体層11は、n側電極17及び第1のn側配線層22を介して、n側外部端子24aを有する第2のn側配線層24と電気的に接続されている。発光層13を含む第2の半導体層12は、p側電極16及び第1のp側配線層21を介して、p側外部端子23aを有する第2のp側配線層23と電気的に接続されている。
【0052】
樹脂層25は、第1のp側配線層21、第2のp側配線層23およびその内側に設けられた樹脂層35を含むp側配線構造部の厚み(高さ)よりも厚い。同様に、樹脂層25は、第1のn側配線層22、第2のn側配線層24およびその内側に設けられた樹脂層35を含むn側配線構造部の厚み(高さ)よりも厚い。また、p側配線構造部及びn側配線構造部は、半導体層15よりも厚い。このため、半導体層15を支持する基板がなくても、p側配線構造部、n側配線構造部および樹脂層25によって、発光装置10aの機械的強度を高めることができる。
【0053】
第1のp側配線層21、第1のn側配線層22、第2のp側配線層23、および第2のn側配線層24の材料としては、銅、金、ニッケル、銀などを用いることができる。これらのうち、銅を用いると、良好な熱伝導性、高いマイグレーション耐性及び絶縁材料との優れた密着性が得られる。
【0054】
樹脂層25は、前述したp側配線構造部及びn側配線構造部を補強する。樹脂層25は、実装基板と熱膨張率が同じもしくは近いものを用いるのが好ましい。そのような樹脂層25として、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などを一例として挙げることができる。また、樹脂層35も実装基板と熱膨張率が同じもしくは近いものを用いるのが好ましく、樹脂層25と同じ材料を用いることができる。
【0055】
半導体層15の第1の面15a上には、発光層13からの放出光に対して透明な透明体として、レンズ26及び蛍光体層27が設けられている。レンズ26は第1の面15a上に設けられ、そのレンズ26を覆うように蛍光体層27が設けられている。
【0056】
半導体層15の第2の面側に設けられた前述した各要素を含む積層体の平面サイズと、蛍光体層27の平面サイズとは略同じである。レンズ26及び蛍光体層27は、第3の面30側に出っ張っていないため、図2に示す発光装置10aの実装基板100上への実装を阻害しない。
【0057】
蛍光体層27は、透明樹脂と、透明樹脂に分散された蛍光体とを含む。蛍光体層27は、発光層13からの放出光を吸収し波長変換光を放出可能である。このため、発光装置10aは、発光層13からの光と、蛍光体層27における波長変換光との混合光を放出可能である。
【0058】
例えば、発光層13が窒化物半導体、蛍光体が黄色光を発光する黄色蛍光体とすると、発光層13からの青色光と、蛍光体層27における波長変換光である黄色光との混合色として、白色または電球色などを得ることができる。なお、蛍光体層27は、複数種の蛍光体(例えば、赤色光を発光する赤色蛍光体と、緑色光を発光する緑色蛍光体)を含む構成であってもよい。
【0059】
発光層13から発光された光は、主に、第1の半導体層11、第1の面15a、レンズ26および蛍光体層27を進んで、外部に放出される。なお、蛍光体層27の上にレンズ26を設けてもよい。
【0060】
図2は、前述した発光装置10aを実装基板100上に実装した構成を有する発光モジュールの模式断面図である。
【0061】
実装基板100上に実装される発光装置10aの数は任意であり、単数でも複数でもよい。また、複数の発光装置10aが、ある一方向に沿って配列されて線状光源を構成してもよい。
【0062】
発光装置10aは、第3の面30を実装基板100の実装面103に向けた姿勢で実装される。第3の面30で露出しているp側外部端子23a及びn側外部端子24aは、それぞれ、実装面103に形成されたパッド101に対してはんだ102を介して接合されている。実装基板100の実装面103には配線パターンも形成されており、パッド101はその配線パターンに接続されている。なお、はんだ102の代わりとして、はんだ以外の他の金属あるいは導電性材料を用いてもよい。
【0063】
第3の面30は、光の主な放出面である第1の面15aに対して略垂直である。したがって、第3の面30を下方の実装面103側に向けた姿勢で、第1の面15aは実装面103の上方ではなく、横方向を向く。すなわち、実装面103を水平面とした場合に横方向に光が放出される、いわゆるサイドビュータイプの発光装置10a及び発光モジュールが得られる。
【0064】
本実施形態では、発光装置10aを実装基板100に実装した状態で、はんだ102を介して半導体層15に加わる応力を、第2のp側配線層23の内側および第2のn側配線層24の内側に充填された樹脂層35が吸収することで緩和することができる。樹脂層35は、金属に比べて柔軟性があり、高い応力緩和効果が得られる。
【0065】
なお、第2のp側配線層23の内側及び第2のn側配線層24の内側には、樹脂に限らず、第2のp側配線層23及び第2のn側配線層24と異なる材料の絶縁体または金属を埋め込んでも良い。第2のp側配線層23の内側及び第2のn側配線層24の内側に埋め込まれる材料は、それらに比べて柔軟性がある材料であればよい。
第2のp側配線層23の内側及び第2のn側配線層24の内側に埋め込む材料として、例えば、それらに比べて柔軟性がある金属を選択すれば、前述した応力緩和効果は得られる。第2のp側配線層23及び第2のn側配線層24として、コンフォーマル(conformal)な膜を成膜しやすい金属膜を選択し、樹脂層35の代わりに、埋め込みやすい金属を形成することも可能である。
応力緩和、生産性、コストの観点からは、第2のp側配線層23の内側及び第2のn側配線層24の内側に、樹脂を埋め込むことが望ましい。
【0066】
実施形態の発光装置10aは、第1の面15aに対して垂直な方向から見て長方形状の平面形状を有し、第3の面30は、その長方形状の長辺を含む面である。
【0067】
次に、図3(a)〜図16(b)を参照して、本実施形態の発光装置10aの製造方法について説明する。工程を表す図面においては、ウェーハ状態における一部の領域を表す。
【0068】
図3(a)は、基板5の主面上に、第1の半導体層11及び第2の半導体層12を形成した積層体を示す。図3(b)は、図3(a)における下面図に対応する。
【0069】
基板5の主面上に第1の半導体層11が形成され、その上に発光層13を含む第2の半導体層12が形成される。第1の半導体層11及び第2の半導体層12が例えば窒化物系半導体の場合、それらは例えばサファイア基板上にMOCVD(metal organic chemical vapor deposition)法で結晶成長させることができる。
【0070】
例えば、第1の半導体層11は、下地バッファ層、n型GaN層を含む。第2の半導体層12は、発光層(活性層)13、p型GaN層を含む。発光層13は、青、紫、青紫、紫外光などを発光するものを用いることができる。
【0071】
第1の半導体層11における基板5に接する面が、半導体層15の第1の面15aであり、第2の半導体層12の表面が半導体層15の第2の面15bである。
【0072】
次に、図示しないレジストを用いた例えばRIE(Reactive Ion Etching)法で、図4(a)及びその下面図である図4(b)に示すように、ダイシング領域d1、d2に、半導体層15を貫通して基板5に達する溝を形成する。ダイシング領域d1、d2は、ウェーハ状態の基板5上で例えば格子状に形成される。ダイシング領域d1、d2に形成された溝も格子状に形成され、半導体層15を複数のチップに分離する。
【0073】
なお、半導体層15を複数に分離する工程は、後述する第2の半導体層12の選択的除去後、あるいは電極の形成後に行ってもよい。
【0074】
次に、図示しないレジストを用いた例えばRIE法で、図5(a)及びその下面図である図5(b)に示すように、第2の半導体層12の一部を除去して、第1の半導体層11の一部を露出させる。第1の半導体層11が露出された領域は、発光層13を含まない。
分割された1つの第1の半導体層11、第2の半導体層12および発光層(活性層)13からなる半導体層15を、1つの発光素子とすると、図5(b)には、左右方向にダイシング領域d1で分割された4つの発光素子が、上下方向にダイシング領域d2で分割された2つの発光素子が並んでいる。
【0075】
次に、図6(a)及びその下面図である図6(b)に示すように、第2の面にp側電極16とn側電極17を形成する。p側電極16は、第2の半導体層12の表面に形成される。n側電極17は、第1の半導体層11の露出面に形成される。
【0076】
p側電極16及びn側電極17は、例えば、スパッタ法、蒸着法等で形成される。p側電極16とn側電極17は、どちらを先に形成してもよいし、同じ材料で同時に形成してもよい。
【0077】
p側電極16は、発光層13からの放出光に対して反射性を有する、例えば、銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金等を含む。また、p側電極16の硫化、酸化防止のため、金属保護膜を含む構成であってもよい。
【0078】
また、p側電極16とn側電極17との間や、発光層13の端面(側面)にパッシベーション膜として、例えばシリコン窒化膜やシリコン酸化膜をCVD(chemical vapor deposition)法で形成してもよい。また、各電極と半導体層とのオーミックコンタクトをとるための活性化アニールなどは必要に応じて実施される。
【0079】
次に、図7(a)に示すように、基板5の主面上の露出している部分すべてを絶縁層18で覆った後、例えばウェットエッチングにより絶縁層18をパターニングし、絶縁層18に選択的に第1のビア18aと第2のビア18bを形成する。第1のビア18aは、p側電極16に達する。第2のビア18bは、n側電極17に達する。
【0080】
絶縁層18としては、例えば、感光性ポリイミド、ベンゾシクロブテン(Benzocyclobutene)などの有機材料を用いることができる。この場合、レジストを使わずに、絶縁層18に対して直接露光及び現像が可能である。あるいは、シリコン窒化膜やシリコン酸化膜などの無機膜を絶縁層18として使用してもよい。無機膜の場合、レジストをパターニングした後のエッチングによって第1のビア18a及び第2のビア18bが形成される。
【0081】
次に、絶縁層18における半導体層15に対する反対側の面である配線面18c(図7(a)において下面)に、図7(b)に示すように、後述するメッキ時のシードメタルとして機能する金属膜19を形成する。金属膜19は、第1のビア18aの内壁及び底部と、第2のビア18bの内壁及び底部にも形成される。
【0082】
金属膜19は、例えばスパッタ法で形成される。金属膜19は、例えば、絶縁層18側から順に積層されたチタン(Ti)と銅(Cu)との積層膜を含む。
【0083】
次に、図7(c)に示すように、金属膜19上に選択的にレジスト41を形成した後、金属膜19を電流経路としたCu電解メッキを行う。
【0084】
これにより、図8(a)及びその下面図である図8(b)に示すように、絶縁層18の配線面18c上に、選択的に第1のp側配線層21と第1のn側配線層22が形成される。第1のp側配線層21及び第1のn側配線層22はメッキ法により同時に形成される例えば銅材料からなる。
【0085】
第1のp側配線層21は、第1のビア18a内にも形成され、金属膜19を介してp側電極16と電気的に接続される。第1のn側配線層22は、第2のビア18b内にも形成され、金属膜19を介してn側電極17と電気的に接続される。
【0086】
第1のp側配線層21及び第1のn側配線層22のメッキに使ったレジスト41は、溶剤もしくは酸素プラズマを使って、除去される(図9(a))。
【0087】
次に、図9(b)に示すように、絶縁層18の配線面18c側にレジスト42を形成する。レジスト42は、前述のレジスト41よりも厚い。なお、前の工程でレジスト41は除去せずに残し、そのレジスト41にレジスト42を重ねて形成してもよい。レジスト42には、凹部42aと凹部42bが形成されている。
【0088】
次に、レジスト42の表面、凹部42aに露出する第1のp側配線層21の表面および凹部42bに露出する第1のn側配線層22の表面を含む凹部42a、42bの内壁に、メッキ時のシードメタルとして機能する金属膜20を形成する。金属膜20は、例えば銅を含む。
【0089】
そして、その金属膜20を電流経路としたCu電解メッキを行う。これにより、図10(a)及びその下面図である図10(b)に示すように、金属膜20上に金属膜50が形成される。
図10(b)において破線は、レジスト42に形成された凹部42a、42bの縁を表す。凹部42aには平面視で一部のコーナー部に切欠きが形成され、その切欠きの下の絶縁層18上には金属膜20及び金属膜50は形成されない。このため、図12(b)を参照して後述するように、第2のp側配線層23の一部のコーナー部に切欠き90が形成される。
【0090】
このメッキは、下地であるレジスト42及び金属膜20の凹凸形状に沿ってほぼ均一な速度でCuが析出するコンフォーマルメッキである。したがって、金属膜50は下地の凹凸形状に沿って形成され、凹部42a及び凹部42bは金属膜50で埋まらない。したがって、凹部42a及び凹部42bを金属で埋める場合に比べて、メッキ時間の短縮およびコスト低減を図れる。
【0091】
金属膜50は、第1のp側配線層21上(凹部42aの底部)、第1のn側配線層22上(凹部42bの底部)、凹部42aの側壁、および凹部42bの側壁の各部分で、ほぼ同じ膜厚で形成される。
【0092】
また、図10(b)に示すように、金属膜50は凹部42aの側壁に沿って形成され、凹部42aの中心側を閉じたパターンで囲む。同様に、金属膜50は凹部42bの側壁に沿って形成され、凹部42bの中心側を閉じたパターンで囲む。
【0093】
次に、図11(a)及びその下面図である図11(b)に示すように、凹部42a内、凹部42b内およびレジスト42上に、例えば印刷法、モールド法などで、樹脂層35を形成する。凹部42a内及び凹部42b内は、樹脂層35で埋まる。
【0094】
樹脂層35は、絶縁性を有する。また、樹脂層35に、例えばカーボンブラックを含有させて、発光層からの放出光に対して遮光性を付与させてもよい。また、樹脂層35に、発光層からの放出光に対する反射性を有する粉末を含有させてもよい。
【0095】
次に、樹脂層35の表面側(図11(a)における下面側)を研削して、凹部42a及び凹部42bの側壁に形成された金属膜50の端部を露出させる。その状態を、図12(a)及びその下面図である図12(b)に示す。
【0096】
これにより、金属膜50において凹部42a内の部分と凹部42b内の部分とが分断される。凹部42a内に残された金属膜50は第2のp側配線層23となる。凹部42b内に残された金属膜50は第2のn側配線層24となる。
【0097】
第2のp側配線層23は、金属膜20を介して第1のp側配線層21と接続されている。あるいは、金属膜20も含めて、本実施形態における「第2のp側配線層」が構成される。
【0098】
第2のn側配線層24は、金属膜20を介して第1のn側配線層22と接続されている。あるいは、金属膜20も含めて、本実施形態における「第2のn側配線層」が構成される。
【0099】
第2のp側配線層23の一部の側壁は、ダイシング後に第3の面30に露出されるp側外部端子23aとなる。第2のn側配線層24の一部の側壁は、ダイシング後に第3の面30に露出されるn側外部端子24aとなる。
【0100】
本実施形態では、図12(b)に示すように、p側外部端子23a及びn側外部端子24aを、前述した第3の面30に沿った方向に延びるダイシング領域d2上に張り出させてレイアウトしている。図12(b)における1点鎖線e1及びe2のそれぞれは、ダイシングブレードの両エッジを表す。
【0101】
第2のp側配線層23における第2のn側配線層24側の一部のコーナー部には、切欠き90が形成されている。切欠き90は、p側外部端子23aとn側外部端子24aとの間に存在する。このため、ダイシング後に外部に露出されるp側外部端子23aとn側外部端子24aとの間の離間距離を、実装時のはんだ等による短絡を回避するのに十分な距離にすることができる。
【0102】
切欠き90が形成されていない部分では、第2のp側配線層23は、プロセス上の限界まで、第2のn側配線層24に近づけることができ、第2のp側配線層23の面積を広くできる。この結果、電流分布及び放熱性を向上できる。
【0103】
p側外部端子23a及びn側外部端子24aは、ダイシング領域d2の幅方向の一方側に偏って存在せず、ダイシング領域d2の幅方向の両側に存在する。すなわち、いずれもメタルであるp側外部端子23a及びn側外部端子24aは、ダイシングブレードの幅方向の一方のエッジ側に偏って存在していない。
【0104】
図12(b)に示すようなレイアウトを有するウェーハに対して、左から右へダイシング領域d2をブレードにより分割する場合について説明する。
【0105】
1つの第2のp側配線層23と1つの第2のn側配線層24とのペアを1つの発光素子とすると、図12(b)には、左右方向に4つ、上下方向に2つの発光素子が並んでいる。
【0106】
図12(b)における一番左の上の発光素子と、右から2番目の上の発光素子は、第2のp側配線層23の一部(下側)および第2のn側配線層24の一部(下側)がダイシング領域d2に存在する。図12(b)における一番右の下の発光素子と、左から2番目の下の発光素子は、第2のp側配線層23の一部(上側)および第2のn側配線層24の一部(上側)がダイシング領域d2に存在する。
【0107】
そのため、左から右へダイシング領域d2をブレードにより分割する場合において、一番左の上下の発光素子の間を切断するときは、ブレードの図12(b)において上側の方が下側よりも金属と接触する割合が多く、左から2番目の上下の発光素子の間を切断するときは、一番左とは逆になり、ブレードの図12(b)において下側の方が上側よりも金属と接触する割合が多くなる。このため、ダイシング時にダイシングブレードの幅方向の一方のエッジに過度な負荷がかかり目詰まりや破損等が生じることを抑制することができる。
【0108】
なお、図12(b)では、エッジe1側に存在するp側外部端子23a及びn側外部端子24aと、エッジe2側に存在するp側外部端子23a及びn側外部端子24aとが、ダイシング領域d2が延びる方向に見て交互に並んでいるが、このようなレイアウトに限らない。p側外部端子23a及びn側外部端子24aが、エッジe1及びエッジe2のいずれか一方側に偏って存在していなければよい。
【0109】
なお、p側外部端子23a及びn側外部端子24aが、エッジe1及びエッジe2のいずれか一方側に偏って存在していたとしても、ダイシングする際に、ブレードを交換する頻度を上げるなどの方法により、ブレードの目詰まりや破損等を抑制できる。
【0110】
また、第2のp側配線層23の図12(a)における下側の端部と、第2のn側配線層24の図12(a)における下側の端部を露出させることで、極性の異なるそれらのそれぞれに測定子を接触させて電流を供給することで、発光装置を発光させて、各種検査を行うことができる。取り扱いが容易なウェーハレベルで検査を行える。
【0111】
次に、レジスト42が、例えば溶剤もしくは酸素プラズマを用いて除去される(図13(a))。第2のp側配線層23に囲まれた樹脂層35および第2のn側配線層24に囲まれた樹脂層34は残る。
【0112】
この後、第1のp側配線層21、第2のp側配線層23及び樹脂層35を含むp側配線構造部と、第1のn側配線層22、第2のn側配線層24及び樹脂層35を含むn側配線構造部をマスクにして、配線面18cに形成された金属膜19の露出している部分をウェットエッチングにより除去する。これにより、図13(b)に示すように、第1のp側配線層21と第1のn側配線層22との金属膜19を介した電気的接続が分断される。
【0113】
次に、図14(a)に示すように、絶縁層18に対して樹脂層25を積層させる。樹脂層25は、前述したp側配線構造部及びn側配線構造部を覆う。
【0114】
樹脂層25は、絶縁性を有する。また、樹脂層25に、例えばカーボンブラックを含有させて、発光層からの放出光に対して遮光性を付与させてもよい。また、樹脂層25に、発光層からの放出光に対する反射性を有する粉末を含有させてもよい。また、樹脂層25と樹脂層35とを同じ材料にすれば、それらの密着力を高めて信頼性を高くできる。
【0115】
次に、図14(b)に示すように、基板5を除去する。基板5は、例えばレーザーリフトオフ法によって除去される。具体的には、基板5の裏面側から第1の半導体層11に向けてレーザ光が照射される。レーザ光は、基板5に対して透過性を有し、第1の半導体層11に対しては吸収領域となる波長を有する。
【0116】
レーザ光が基板5と第1の半導体層11との界面に到達すると、その界面付近の第1の半導体層11はレーザ光のエネルギーを吸収して分解する。例えば、第1の半導体層11がGaNの場合、ガリウム(Ga)と窒素ガスに分解する。この分解反応により、基板5と第1の半導体層11との間に微小な隙間が形成され、基板5と第1の半導体層11とが分離する。
【0117】
レーザ光の照射を、設定された領域ごとに複数回に分けてウェーハ全体にわたって行い、基板5を除去する。第1の面15a上から基板5が除去されることで、光取り出し効率の向上を図れる。
【0118】
基板5の主面上に形成された前述した積層体は、厚い樹脂層25によって補強されているため、基板5がなくなっても、ウェーハ状態を保つことが可能である。また、樹脂層25、35、および配線層を構成する金属は、半導体層15に比べて柔軟な材料である。そのため、基板5上に半導体層15を形成するエピタキシャル工程で発生した大きな内部応力が、基板5の剥離時に一気に開放されても、デバイスが破壊されることを回避できる。
【0119】
基板5が除去された半導体層15の第1の面15aは洗浄される。例えば、塩酸等で、第1の面15aに付着したガリウム(Ga)を除去する。
【0120】
また、例えば、KOH(水酸化カリウム)水溶液やTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)等で、第1の面15aをエッチングする(フロスト処理)。これにより、結晶面方位に依存したエッチング速度の違いによって、第1の面15aに凹凸が形成される(図15(a))。あるいは、レジストでパターニングした後にエッチングを行って、第1の面15aに凹凸を形成してもよい。第1の面15aに凹凸が形成されることで、光取り出し効率を向上できる。
【0121】
次に、図15(b)に示すように、第1の面15a上にレンズ26を形成する。レンズ26は、発光層からの放出光に対して透明であり、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ガラスなどを用いることができる。レンズ26は、例えば、グレースケールマスクを用いたエッチングや、インプリント法によって形成することができる。
【0122】
次に、レンズ26を覆うように、第1の面15a上および隣り合う半導体層15間で露出している絶縁層18上に、蛍光体層27を形成する。例えば、蛍光体粒子が分散された液状の透明樹脂を、印刷、ポッティング、モールド、圧縮成形などの方法によって供給した後、熱硬化させる。透明樹脂は、発光層からの放出光及び蛍光体が発する光に対する透過性を有し、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、液状ガラスなどの材料を用いることができる。
【0123】
次に、図16(a)及びその下面図である図16(b)に示すように、格子状に形成されたダイシング領域d1、d2の位置で、蛍光体層27、絶縁層18及び樹脂層25を切断し、複数の発光装置10aに個片化する。例えば、ダイシングブレードを用いて切断する。あるいは、レーザ照射によって、切断してもよい。
【0124】
このとき、第2のp側配線層23及び第2のn側配線層24において、第3の面30に沿った方向に延びるダイシング領域d2に張り出した部分が切断される。これにより、第3の面30に、p側外部端子23a及びn側外部端子24aが露出する。
【0125】
なお、前述したメッキ時のシードメタルとして使った金属膜20は薄いため、p側外部端子23a及びn側外部端子24aに形成されていた金属膜20はダイシング時に除去される。
【0126】
同様に、第1のp側配線層21及び第1のn側配線層22についてもその一部をダイシング領域d2に張り出させておけば、そのダイシング領域d2に張り出した部分が切断される。これにより、第3の面30に、第1のp側配線層21の側面21aおよび第1のn側配線層22の側面22aも露出される。
【0127】
あるいは、第1のp側配線層21の膜厚及び第1のn側配線層22の膜厚は薄いため、第3の面30における露出面積は、p側外部端子23a及びn側外部端子24aに比べて非常に小さい。したがって、第1のp側配線層21及び第1のn側配線層22は第3の面30に露出させなくてもよい。p側外部端子23a及びn側外部端子24aだけで外部端子としての機能は十分担える。
【0128】
第1のp側配線層21の一部及び第1のn側配線層22の一部を第3の面30に露出させる場合、図31に示すレイアウトが好ましい。
【0129】
図31におけるダイシング領域d2は、第3の面30に露出される第1のp側配線層21の側面21aおよび第1のn側配線層22の側面22aに沿った方向(図31において横方向)に延びている。そして、側面21a及び側面22aを、そのダイシング領域d2上に張り出させる。なお、図31における1点鎖線e1及びe2のそれぞれは、ダイシングブレードの両エッジを表す。
【0130】
第1のp側配線層21における第1のn側配線層22側であって且つ側面21a側の部分には、切欠き21bが形成されている。切欠き21bは、側面21aと側面22aとの間に存在する。このため、ダイシング後に外部に露出される側面21aと側面22aとの間の離間距離を、実装時のはんだ等による短絡を回避するのに十分な距離にすることができる。
【0131】
切欠き21bが形成されていない部分では、第1のp側配線層21は、プロセス上の限界まで、第1のn側配線層22に近づけることができ、第1のp側配線層21の面積を広くできる。この結果、第1のp側配線層21とp側電極16とを複数の第1のビア18aを通じて接続させることができ、電流分布及び放熱性を向上できる。
【0132】
側面21a及び側面22aは、ダイシング領域d2の幅方向の一方側に偏って存在せず、ダイシング領域d2の幅方向の両側に存在する。すなわち、いずれもメタルである側面21a及び側面22aは、ダイシングブレードの幅方向の一方のエッジ側に偏って存在していない。このため、ダイシング時にダイシングブレードの幅方向の一方のエッジに過度な負荷がかかり目詰まりや破損等が生じることを抑制することができる。
【0133】
なお、図31では、エッジe1側に存在する側面21a及び側面22aと、エッジe2側に存在する側面21a及び側面22aとが、ダイシング領域d2が延びる方向に見て交互に並んでいるが、このようなレイアウトに限らない。側面21a及び側面22aが、エッジe1及びエッジe2のいずれか一方側に偏って存在していなければよい。
【0134】
なお、側面21a及び側面22aが、エッジe1及びエッジe2のいずれか一方側に偏って存在していたとしても、ダイシングする際に、ブレードを交換する頻度を上げるなどの方法により、ブレードの目詰まりや破損等を抑制できる。
【0135】
ダイシング時、基板5はすでに除去されている。さらに、ダイシング領域d1、d2には、半導体層15は存在しないため、ダイシング時に半導体層15が受けるダメージを回避することができる。また、個片化後に、半導体層15の端部(側面)が樹脂で覆われて保護された構造が得られる。
【0136】
なお、個片化された発光装置10aは、ひとつの半導体層15を含むシングルチップ構造でも、複数の半導体層15を含むマルチチップ構造であってもよい。
【0137】
ダイシングされる前までの前述した各工程は、ウェーハ状態で一括して行われるため、個片化された個々のデバイスごとに、配線及びパッケージングを行う必要がなく、大幅な生産コストの低減が可能になる。すなわち、個片化された状態で、すでに配線及びパッケージングが済んでいる。このため、生産性を高めることができ、その結果として価格低減が容易となる。
【0138】
なお、図17(a)に示す発光装置10bのように、第1の面15a側にレンズを設けない構造であってもよい。
【0139】
また、図17(b)に示す発光装置10cのように、第1の面15aに基板5を薄く残してもよい。例えば、半導体ウェーハ裏面研削用のグラインダーなどを用いて基板5を研削することができる。
【0140】
基板5は、例えばサファイア基板であり、窒化物半導体系の発光層から放出される光に対して透過性を有する。この場合、蛍光体層がないため、発光層からの放出光と同じ波長の光が、発光装置10cから外部へと放出される。もちろん、基板5上に蛍光体層を形成してもかまわない。基板5を残すことで、機械的強度を高めることができ、信頼性の高い構造とすることができる。
【0141】
ダイシングする際には、樹脂層25側からダイシングブレードでハーフカットした後、基板5をレーザ照射によって分割することができる。あるいは、すべての部分をレーザ照射によって切断してもよい。
【0142】
(第2実施形態)
図18(a)は、第2実施形態の発光装置10dにおける第3の面30側から見た模式斜視図である。
図18(b)は、同発光装置10dにおける光放出面側から見た模式斜視図である。
図19(a)は、図18(a)におけるA−A断面図である。
図19(b)は、図18(a)におけるB−B断面図である。
【0143】
本実施形態の発光装置10dは、反射膜51を有する点で、前記第1実施形態の発光装置10aと異なる。
【0144】
反射膜51は、発光層からの放出光および蛍光体が発する光に対して反射性を有し、例えば金属膜である。反射膜51は、蛍光体層27の側面及び絶縁層18の側面に形成されている。蛍光体層27において、第1の面15aの反対側の面には反射膜51は形成されていない。
【0145】
図20は、本実施形態の発光装置10dを実装基板100上に実装した構成を有する発光モジュールの模式断面図である。
【0146】
第1実施形態と同様、発光装置10dは、第3の面30を実装基板100の実装面103に向けた姿勢で実装されている。第3の面30で露出しているp側外部端子23a及びn側外部端子24aは、それぞれ、実装面103に形成されたパッド101に対してはんだ102等を介して接合されている。
【0147】
第3の面30は、光の主な放出面である第1の面15aに対して略垂直である。したがって、第3の面30を下方の実装面103側に向けた姿勢で、第1の面15aは実装面103の上方ではなく、横方向を向く。すなわち、実装面103を水平面とした場合に横方向に光が放出される、いわゆるサイドビュータイプの発光装置10d及び発光モジュールが得られる。
【0148】
絶縁層18及び蛍光体層27の側面が反射膜51で被覆されているため、光は横方向に集光されて放出される。
【0149】
次に、図21(a)〜図23(b)を参照して、本実施形態の発光装置10dの製造方法について説明する。
【0150】
図21(a)は、基板5が除去され、第1の面15a上に蛍光体層27が形成された状態を表す。この工程までは、前述した第1実施形態と同様に進められる。
【0151】
そして、図21(a)に示す積層体を、蛍光体層27側からハーフカットダイシングする。具体的には、ダイシング領域d1、d2の位置で、蛍光体層27及び絶縁層18を切断する。例えば、ダイシングブレードあるいはレーザ照射により切断する。これにより、ダイシング領域d1、d2に溝52(図21(b))が形成される。
【0152】
次に、露出面に対して、例えばスパッタ法により反射膜51を形成する。図22(a)に示すように、反射膜51は、蛍光体層27の上面、溝52の底部及び内壁に形成される。
【0153】
反射膜51として、例えば、銀、アルミニウム、金、シリコン、誘電体多層膜などを用いることができる。あるいは、反射粉末を含む樹脂を反射膜51として用いてもよい。
【0154】
次に、図22(b)に示すように、蛍光体層27の上面に形成された反射膜51を研削して除去する。例えば、半導体ウェーハ裏面研削用のグラインダーなどを用いることができる。あるいは、RIE法により蛍光体層27の上面に形成された反射膜51を除去してもよい。蛍光体層27の側面及び絶縁層18の側面には、反射膜51が残される。
【0155】
次に、図23(a)及びその下面図である図23(b)に示すように、溝52の下の樹脂層25を切断する。例えば、ダイシングブレードを用いて切断する。あるいは、レーザ照射によって、切断してもよい。これにより、複数の発光装置10dに個片化される。
【0156】
このときも、第1実施形態と同様、第2のp側配線層23及び第2のn側配線層24において、第3の面30に沿った方向に延びるダイシング領域d2に張り出した部分が切断される。これにより、第3の面30に、p側外部端子23a及びn側外部端子24aが露出する。
【0157】
本実施形態においても、樹脂を切断するので容易にダイシングでき生産性を向上できる。また、半導体層15を切断しないため、ダイシング時に半導体層15が受けるダメージを回避することができる。
【0158】
(第3実施形態)
図24(a)は、第3実施形態の発光装置10eの模式斜視図である。図24(b)は、図24(a)におけるA−A断面図である。図24(c)は、図24(a)におけるB−B断面図である。
【0159】
本実施形態の発光装置10eでは、上記実施形態における第1のp側配線層21を設けずに、第2のp側配線層23の一部が第1のビア18a内に設けられている。また、第1のn側配線層22を設けずに、第2のn側配線層24の一部が第2のビア18b内に設けられている。すなわち、p側配線層は第2のp側配線層23から構成され、n側配線層は第2のn側配線層24から構成される。
【0160】
第1のp側配線層21及び第1のn側配線層22を設けないことで、工程削減を図れ、コスト低減を図れる。
【0161】
図25は、本実施形態の発光装置10eを実装基板100上に実装した構成を有する発光モジュールの模式断面図である。
【0162】
本実施形態においても、発光装置10eは、第3の面30を実装基板100の実装面103に向けた姿勢で実装されている。そして、第3の面30で露出しているp側外部端子23a及びn側外部端子24aは、それぞれ、実装面103に形成されたパッド101に対してはんだ102等を介して接合されている。
【0163】
第3の面30は、光の主な放出面である第1の面15aに対して略垂直である。したがって、第3の面30を下方の実装面103側に向けた姿勢で、第1の面15aは実装面103の上方ではなく、横方向を向く。すなわち、実装面103を水平面とした場合に横方向に光が放出される、いわゆるサイドビュータイプの発光装置10e及び発光モジュールが得られる。
【0164】
(第4実施形態)
図26(a)は、第4実施形態の発光装置10fの模式斜視図である。図26(b)は、図26(a)におけるA−A断面図である。図26(c)は、図26(a)におけるB−B断面図である。
【0165】
本実施形態の発光装置10fにおける第3の面30は、第1の面15aに対して垂直でも平行でもなく、傾いている。
【0166】
図26(a)におけるB−B断面に対応する図26(c)の断面において、樹脂層25の外形が逆台形状になるように、第3の面30が傾いている。
【0167】
第3の面30に露出する第2のp側配線層23のp側外部端子23a、第2のn側配線層24のn側外部端子24a、第1のp側配線層21の側面21a、および第1のn側配線層22の側面22aも、第3の面30の傾斜に沿って傾いている。
【0168】
図27は、本実施形態の発光装置10fを実装基板100上に実装した構成を有する発光モジュールの模式断面図である。
【0169】
発光装置10fは、第3の面30を実装基板100の実装面103に向けた姿勢で実装されている。第3の面30で露出しているp側外部端子23a及びn側外部端子24aは、それぞれ、実装面103に形成されたパッド101に対してはんだ102等を介して接合されている。
【0170】
本実施形態においても、第1の面15a及びその反対側の第2の面と異なる面方位の第3の面30に、p側外部端子23a及びn側外部端子24aが露出している。このため、実装面を下にした状態で横方向に光が放出されるサイドビュータイプの発光装置10f及び発光モジュールが得られる。
【0171】
さらに、第3の面30は第1の面15aに対して傾いていることから、第3の面30を下方の実装面103側に向けた姿勢で、第1の面15aは斜め上方を向く。すなわち、実装面103を水平面とした場合に斜め上方に光が放出される。
【0172】
次に、図28(a)〜図29(b)を参照して、本実施形態の発光装置10fの製造方法について説明する。
【0173】
図28(b)は図28(a)におけるA−A断面に対応し、図29(b)は図29(a)におけるA−A断面に対応する。
【0174】
図28(a)に示すように、蛍光体層27を形成する工程までは、第1実施形態と同様に進められる。
【0175】
次に、例えば幅方向の両側面にテーパーが形成されたブレードを用いて、前述した図12(b)に示すダイシング領域d2の位置で、樹脂層25を切断する。これにより、図28(b)に示すように、ダイシング領域d2の下に溝55が形成される。溝55は、樹脂層25を貫通して絶縁層18に達する。溝55は、絶縁層18側から遠ざかるにしたがって漸次幅が広くなっている。
【0176】
本実施形態においても、p側外部端子23a及びn側外部端子24aがダイシング領域d2に張り出している。したがって、p側外部端子23a及びn側外部端子24aが、溝55に露出する。
【0177】
次に、ダイシング領域d2に沿って、溝55の上の絶縁層18及び蛍光体層27を切断する。さらに、ダイシング領域d2に対して直交するダイシング領域d1に沿って、蛍光体層27、絶縁層18及び樹脂層25を切断する。これにより、図29(a)及び(b)に示すように、複数の発光装置10fに個片化される。
【0178】
なお、樹脂層25において、ダイシング領域d1に沿った方向についても、幅方向の両側面にテーパーが形成されたブレードを用いてダイシングし、図29(a)に表される樹脂層25の側面を傾斜させてもよい。
【0179】
図30(b)は、実施形態の発光モジュールを、例えば液晶表示装置のバックライトとして用いた具体例の模式図を表す。
【0180】
ここで、実装基板100上に実装された発光装置10は、前述した実施形態のいずれか1つの発光装置を代表して表す。
【0181】
実装基板100は、フレーム151上に設けられている。発光装置10は、サイドビュータイプであるため、実装基板100を下にした状態で、図において白抜き矢印で表すように横方向に光が放出される。
【0182】
実装基板100は、例えば、紙面奥行き方向に延びる矩形板状に形成され、その長手方向に、複数の発光装置10が実装されている。
【0183】
発光モジュールの横には導光板201が設けられている。導光板201は、発光装置10からの放出光に対して透過性を有し、例えば樹脂材料からなる。発光装置10の光放出面は、導光板201の光入射面201aに対向している。
【0184】
導光板201の下方には反射材153が設けられ、導光板201の上方には液晶パネル202が設けられている。また、発光装置10の上方には反射材154が設けられている。反射材153及び154は、発光装置10からの放出光に対する反射性を有する。
【0185】
発光装置10から横方向に放出された光は、導光板201の光入射面201aに入射する。光入射面201aから導光板201に入射した光は、導光板201の面方向に広がり、液晶パネル202に入射する。導光板201から液晶パネル202の反対側に出射した光は、反射材153で反射されて液晶パネル202へと導かれる。
【0186】
ここで、図30(a)は、比較例の発光モジュールを、光源として用いたバックライトの模式図である。
【0187】
この比較例の発光モジュールにおける発光装置300は、いわゆるトップビュータイプである。すなわち、実装基板100の実装面の上方に光が放出される。したがって、発光装置300の光放出面を導光板201の光入射面201aに対向させるには、実装基板100を、光入射面201aに対向して設けられたフレーム152に支持させる。
【0188】
このため、実装面を光入射面201aに向けた姿勢で、矩形板状の実装基板100を立てて配置することになり、導光板201の厚み、ひいていはバックライトユニット全体の厚みの増大をまねく。
【0189】
これに対して、図30(b)に示す実施形態では、実装基板100を導光板201の光入射面201aに向き合わせて立てなくてよいので、導光板201ひいてはバックライトユニット全体の薄型化を図れる。
【0190】
前述した蛍光体層としては、以下に例示する赤色蛍光体層、黄色蛍光体層、緑色蛍光体層、青色蛍光体層を用いることができる。
【0191】
赤色蛍光体層は、例えば、窒化物系蛍光体CaAlSiN3:Euやサイアロン系蛍光体を含有することができる。
【0192】
サイアロン系蛍光体を用いる場合、特に、
(M1−x,Rx)a1AlSib1Oc1Nd1・・・組成式(1)
(MはSi及びAlを除く少なくとも1種の金属元素であり、特に、Ca若しくはSrの少なくとも一方が望ましい。Rは発光中心元素であり、特に、Euが望ましい。x、a1、b1、c1、d1は、次の関係を満たす。0<x≦1、0.6<a1<0.95、2<b1<3.9、0.25<c1<0.45、4<d1<5.7)を用いることができる。
【0193】
組成式(1)で表されるサイアロン系蛍光体を用いることで、波長変換効率の温度特性が向上し、大電流密度領域での効率をさらに向上させることができる。
【0194】
黄色蛍光体層は、例えば、シリケート系蛍光体(Sr,Ca,Ba)2SiO4:Euを含有することができる。
【0195】
緑色蛍光体層は、例えば、ハロ燐酸系蛍光体(Ba,Ca,Mg)10(PO4)6・Cl2:Euやサイアロン系蛍光体を含有することができる。
【0196】
サイアロン系蛍光体を用いる場合、特に、
(M1−x,Rx)a2AlSib2Oc2Nd2・・・組成式(2)
(MはSi及びAlを除く少なくとも1種の金属元素であり、特に、Ca若しくはSrの少なくとも一方が望ましい。Rは発光中心元素であり、特に、Euが望ましい。x、a2、b2、c2、d2は、次の関係を満たす。0<x≦1、0.93<a2<1.3、4.0<b2<5.8、0.6<c2<1、6<d2<11)を用いることができる。
【0197】
組成式(2)で表されるサイアロン系蛍光体を用いることで、波長変換効率の温度特性が向上し、大電流密度領域での効率をさらに向上させることができる。
【0198】
青色蛍光体層は、例えば、酸化物系蛍光体BaMgAl10O17:Euを含有することができる。
【0199】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0200】
5…基板、10,10a〜10f…発光装置、13…発光層、15…半導体層、15a…第1の面、16…p側電極、17…n側電極、18…絶縁層(第1の絶縁層)、18a…第1のビア、18b…第2のビア、18c…配線面、21…第1のp側配線層、22…第1のn側配線層、23…第2のp側配線層、23a…p側外部端子、23b…p側接続部、24…第2のn側配線層、24a…n側外部端子、24b…n側接続部、25…樹脂層(第2の絶縁層)、27…蛍光体層、30…第3の面、35…絶縁層(第3の絶縁層)、51…反射膜、52…溝、100…実装基板、101…パッド、103…実装面、201…導光板、202…液晶パネル、d1,d2…ダイシング領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と、その反対側に形成された第2の面と、発光層とを含む半導体層と、
前記第2の面における前記発光層を有する領域に設けられたp側電極と、
前記第2の面における前記発光層を含まない領域に設けられたn側電極と、
前記第2の面側に設けられ、前記第p側電極に通じる第1のビアと、前記n側電極に通じる第2のビアとを有する第1の絶縁層と、
前記第1のビアを通じて前記p側電極と電気的に接続される第1のp側配線層と、前記第1のp側配線層に電気的に接続され、前記第1の絶縁層における前記半導体層に対する反対側に形成された配線面、および前記第1の面及び前記第2の面と異なる面方位の第3の面に沿う形状に設けられ断面がL字状の部分を有する第2のp側配線層と、を有するp側配線層と、
前記第2のビアを通じて前記n側電極と電気的に接続される第1のn側配線層と、前記第1のn側配線層に電気的に接続され、前記p側配線層に対して離間して、前記配線面および前記第3の面に沿う形状に設けられ断面がL字状の部分を有する第2のn側配線層と、を有するn側配線層と、
前記p側配線層と前記n側配線層との間に設けられた第2の絶縁層と、
を備え、
前記第2のp側配線層の断面がL字状の部分は、前記第3の面で前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層から露出されたp側外部端子を有し、
前記第2のn側配線層の断面がL字状の部分は、前記第3の面で前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層から露出されたn側外部端子を有することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記断面がL字状の部分を有する前記第2のp側配線層は、当該断面においてU字状であり、
前記断面がL字状の部分を有する前記第2のn側配線層は、当該断面においてU字状であることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記第2のp側配線層のU字状の内側及び前記第2のn側配線層のU字状の内側に設けられた第3の絶縁層をさらに備えたことを特徴とする請求項2記載の発光装置。
【請求項4】
前記第2の絶縁層と前記第3の絶縁層とは、同じ樹脂材料であることを特徴とする請求項3記載の発光装置。
【請求項5】
前記第3の面で露出する前記p側外部端子と前記n側外部端子との間の距離は、前記配線面上での前記第1のp側配線層と前記第1のn側再線層との間の距離よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1のp側配線層の平面サイズは、前記第2のp側配線層における前記第1のp側配線層上に設けられた部分の平面サイズよりも大きいことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項7】
前記第1のp側配線層は、複数の前記第1のビアを介して、前記p側電極と接続されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項8】
前記第1の面上に設けられ、前記発光層からの放出光に対して透明な透明体をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項9】
前記透明体は、透明樹脂と、前記透明樹脂に分散された蛍光体とを含むことを特徴とする請求項8記載の発光装置。
【請求項10】
前記透明体の側面に設けられ、前記発光層からの放出光に対して反射性を有する反射膜をさらに備えたことを特徴とする請求項8または9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記反射膜は、前記第1の絶縁層の側面にも設けられたことを特徴とする請求項10記載の発光装置。
【請求項12】
前記第3の面は、前記第1の面に対して垂直であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項13】
前記第3の面は、前記第1の面に対して傾いていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項14】
前記発光装置は、前記第1の面に対して垂直な方向から見て、長方形状の平面形状を有し、
前記第3の面は、前記長方形状の長辺を含む面であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項15】
実装面にパッドを有する実装基板と、
前記p側外部端子及び前記n側外部端子を前記パッドに接合させて、前記実装面に実装された請求項1〜14のいずれか1つに記載の発光装置と、
を備え、
前記第3の面を下に向けた姿勢で、前記発光装置の前記第1の面は横方向を向くことを特徴とする発光モジュール。
【請求項16】
第1の面とその反対側に形成された第2の面と発光層とをそれぞれが含み、ダイシング領域を隔てて分断された複数の半導体層と、前記第2の面における前記発光層を有する領域に設けられたp側電極と、前記第2の面における前記発光層を含まない領域に設けられたn側電極と、前記第2の面側に設けられ、前記第p側電極に通じる第1のビアと前記n側電極に通じる第2のビアと、前記半導体層に対する反対側に形成された配線面とを有する第1の絶縁層と、を有する積層体の前記配線面上に、p側配線層を形成する工程と、
前記p側配線層に対して離間させて、前記配線面上にn側配線層を形成する工程と、
前記p側配線層と前記n側配線層との間に第2の絶縁層を形成する工程と、
前記ダイシング領域で、前記第2の絶縁層と、前記p側配線層の一部と、前記n側配線層の一部とを含む領域を切断し、前記第1の面及び前記第2の面と異なる面方位の第3の面に前記p側配線層の一部及び前記n側配線層の一部を露出させる工程と、
を備え、
前記p側配線層を形成する工程は、
前記第1のビア内及び前記配線面上に、第1のp側配線層を形成する工程と、
前記第1のp側配線層上に、凹形状の第2のp側配線層を形成する工程と、
を有し、
前記n側配線層を形成する工程は、
前記第2のビア内及び前記配線面上に、第1のn側配線層を形成する工程と、
前記第1のn側配線層上に、凹形状の第2のn側配線層を形成する工程と、
を有することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項17】
前記第2のp側配線層の内側および前記第2のn側配線層の内側に、第3の絶縁層を埋め込む工程をさらに備えたことを特徴とする請求項16記載の発光装置の製造方法。
【請求項18】
前記p側配線層の一部及び前記n側配線層の一部を、前記第3の面に沿った方向に延びる前記ダイシング領域上に張り出させて形成することを特徴とする請求項16または17に記載の発光装置の製造方法。
【請求項19】
前記第3の面に沿った方向に延びる前記ダイシング領域の幅方向の両側に、前記p側配線層及び前記n側配線層の張り出した部分が存在することを特徴とする請求項18記載の発光装置の製造方法。
【請求項20】
前記第2のp側配線層の内側および前記第2のn側配線層の内側に、第3の絶縁層を埋め込む工程をさらに備えたことを特徴とする請求項19記載の発光装置の製造方法。
【請求項1】
第1の面と、その反対側に形成された第2の面と、発光層とを含む半導体層と、
前記第2の面における前記発光層を有する領域に設けられたp側電極と、
前記第2の面における前記発光層を含まない領域に設けられたn側電極と、
前記第2の面側に設けられ、前記第p側電極に通じる第1のビアと、前記n側電極に通じる第2のビアとを有する第1の絶縁層と、
前記第1のビアを通じて前記p側電極と電気的に接続される第1のp側配線層と、前記第1のp側配線層に電気的に接続され、前記第1の絶縁層における前記半導体層に対する反対側に形成された配線面、および前記第1の面及び前記第2の面と異なる面方位の第3の面に沿う形状に設けられ断面がL字状の部分を有する第2のp側配線層と、を有するp側配線層と、
前記第2のビアを通じて前記n側電極と電気的に接続される第1のn側配線層と、前記第1のn側配線層に電気的に接続され、前記p側配線層に対して離間して、前記配線面および前記第3の面に沿う形状に設けられ断面がL字状の部分を有する第2のn側配線層と、を有するn側配線層と、
前記p側配線層と前記n側配線層との間に設けられた第2の絶縁層と、
を備え、
前記第2のp側配線層の断面がL字状の部分は、前記第3の面で前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層から露出されたp側外部端子を有し、
前記第2のn側配線層の断面がL字状の部分は、前記第3の面で前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層から露出されたn側外部端子を有することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記断面がL字状の部分を有する前記第2のp側配線層は、当該断面においてU字状であり、
前記断面がL字状の部分を有する前記第2のn側配線層は、当該断面においてU字状であることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記第2のp側配線層のU字状の内側及び前記第2のn側配線層のU字状の内側に設けられた第3の絶縁層をさらに備えたことを特徴とする請求項2記載の発光装置。
【請求項4】
前記第2の絶縁層と前記第3の絶縁層とは、同じ樹脂材料であることを特徴とする請求項3記載の発光装置。
【請求項5】
前記第3の面で露出する前記p側外部端子と前記n側外部端子との間の距離は、前記配線面上での前記第1のp側配線層と前記第1のn側再線層との間の距離よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1のp側配線層の平面サイズは、前記第2のp側配線層における前記第1のp側配線層上に設けられた部分の平面サイズよりも大きいことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項7】
前記第1のp側配線層は、複数の前記第1のビアを介して、前記p側電極と接続されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項8】
前記第1の面上に設けられ、前記発光層からの放出光に対して透明な透明体をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項9】
前記透明体は、透明樹脂と、前記透明樹脂に分散された蛍光体とを含むことを特徴とする請求項8記載の発光装置。
【請求項10】
前記透明体の側面に設けられ、前記発光層からの放出光に対して反射性を有する反射膜をさらに備えたことを特徴とする請求項8または9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記反射膜は、前記第1の絶縁層の側面にも設けられたことを特徴とする請求項10記載の発光装置。
【請求項12】
前記第3の面は、前記第1の面に対して垂直であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項13】
前記第3の面は、前記第1の面に対して傾いていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項14】
前記発光装置は、前記第1の面に対して垂直な方向から見て、長方形状の平面形状を有し、
前記第3の面は、前記長方形状の長辺を含む面であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項15】
実装面にパッドを有する実装基板と、
前記p側外部端子及び前記n側外部端子を前記パッドに接合させて、前記実装面に実装された請求項1〜14のいずれか1つに記載の発光装置と、
を備え、
前記第3の面を下に向けた姿勢で、前記発光装置の前記第1の面は横方向を向くことを特徴とする発光モジュール。
【請求項16】
第1の面とその反対側に形成された第2の面と発光層とをそれぞれが含み、ダイシング領域を隔てて分断された複数の半導体層と、前記第2の面における前記発光層を有する領域に設けられたp側電極と、前記第2の面における前記発光層を含まない領域に設けられたn側電極と、前記第2の面側に設けられ、前記第p側電極に通じる第1のビアと前記n側電極に通じる第2のビアと、前記半導体層に対する反対側に形成された配線面とを有する第1の絶縁層と、を有する積層体の前記配線面上に、p側配線層を形成する工程と、
前記p側配線層に対して離間させて、前記配線面上にn側配線層を形成する工程と、
前記p側配線層と前記n側配線層との間に第2の絶縁層を形成する工程と、
前記ダイシング領域で、前記第2の絶縁層と、前記p側配線層の一部と、前記n側配線層の一部とを含む領域を切断し、前記第1の面及び前記第2の面と異なる面方位の第3の面に前記p側配線層の一部及び前記n側配線層の一部を露出させる工程と、
を備え、
前記p側配線層を形成する工程は、
前記第1のビア内及び前記配線面上に、第1のp側配線層を形成する工程と、
前記第1のp側配線層上に、凹形状の第2のp側配線層を形成する工程と、
を有し、
前記n側配線層を形成する工程は、
前記第2のビア内及び前記配線面上に、第1のn側配線層を形成する工程と、
前記第1のn側配線層上に、凹形状の第2のn側配線層を形成する工程と、
を有することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項17】
前記第2のp側配線層の内側および前記第2のn側配線層の内側に、第3の絶縁層を埋め込む工程をさらに備えたことを特徴とする請求項16記載の発光装置の製造方法。
【請求項18】
前記p側配線層の一部及び前記n側配線層の一部を、前記第3の面に沿った方向に延びる前記ダイシング領域上に張り出させて形成することを特徴とする請求項16または17に記載の発光装置の製造方法。
【請求項19】
前記第3の面に沿った方向に延びる前記ダイシング領域の幅方向の両側に、前記p側配線層及び前記n側配線層の張り出した部分が存在することを特徴とする請求項18記載の発光装置の製造方法。
【請求項20】
前記第2のp側配線層の内側および前記第2のn側配線層の内側に、第3の絶縁層を埋め込む工程をさらに備えたことを特徴とする請求項19記載の発光装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図18】
【公開番号】特開2012−204614(P2012−204614A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67906(P2011−67906)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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