発光装置
【課題】光取出効率を高めることができる発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置1は、素子搭載基板20と、素子搭載基板20に搭載されたLED素子21と、LED素子21を封止する封止部材22と、LED素子21から発せられる光を受けて励起されることにより波長変換光を発する蛍光体層23とを有する発光部2を備え、発光部2は、蛍光体層23が封止部材22の外部であって、LED素子21の発光面に対向する面内に外部領域側の蛍光体層230として配置されている。
【解決手段】発光装置1は、素子搭載基板20と、素子搭載基板20に搭載されたLED素子21と、LED素子21を封止する封止部材22と、LED素子21から発せられる光を受けて励起されることにより波長変換光を発する蛍光体層23とを有する発光部2を備え、発光部2は、蛍光体層23が封止部材22の外部であって、LED素子21の発光面に対向する面内に外部領域側の蛍光体層230として配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばガラスからなる封止部材によって封止された発光素子を備えた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)素子から発せられる光と、この光で蛍光体が励起されて発する波長変換光との混合により白色光を得ることができる発光装置が実用化されている。
【0003】
従来、この種の発光装置には、蛍光体含有のガラスからなる封止部材と、この封止部材によって封止されたLED素子とを備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
このような発光装置においては、例えばLED素子として青色光を発する青色LED素子であるとともに、蛍光体として青色光で励起されて黄色光を発する黄色蛍光体であると、LED素子から発せられる青色光とこの青色光で蛍光体が励起されて発する黄色の波長変換光との混合により白色光が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−71837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示す発光装置によると、封止部材に含有される蛍光体の容積濃度が高く、このためLED素子から発せられる多くの光が蛍光体での反射によってLED素子に戻り、外部に出射される光が少なくなり、光取出効率が低下するという問題があった。
【0007】
従って、本発明の目的は、光取出効率を高めることができる発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、(1)〜(14)の発光装置を提供する。
【0009】
(1)素子搭載基板と、前記素子搭載基板に搭載された発光素子と、前記発光素子を封止する封止部材と、前記発光素子から発せられる光を受けて励起されることにより波長変換光を発する蛍光体層とを有する発光部を備え、前記発光部は、前記蛍光体層が前記封止部材の外部であって、前記発光素子の発光面に対向する面内に外部領域側の蛍光体層として配置されている発光装置。
【0010】
(2)上記(1)に記載の発光部と、前記発光部を実装する実装部と、前記発光部を収容する収容孔を有する導光部とを備え、前記導光部は、その厚さ方向と略平行な領域を含む内面を前記収容孔が有するとともに、前記実装部側の端面から他方側の端面に向かって開口し、前記発光部は、前記導光部の厚さ方向に平行な光軸を有し、前記素子搭載基板を前記実装部側に向けて配置され、前記収容孔の前記内面側に光を放射する発光装置。
【0011】
(3)上記(2)に記載の発光装置において、前記導光部は、前記実装部側の端面に対する前記収容孔の前記内面の角度をαとし、屈折率をnとしたとき、90°−sin−1[{sin(90°−α)}/n1]+α≧sin−1(1/n1)の式を満たす発光装置。
【0012】
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の発光装置において、前記発光部は、前記外部領域側の蛍光体層の外側に光反射層が配置されている。
【0013】
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の発光装置において、前記発光部は、前記封止部材が光拡散性を有しない透明材料によって形成されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発光装置。
【0014】
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の発光装置において、前記発光部は前記封止部材が柱形状である。
【0015】
(7)上記(6)に記載の発光装置において、前記発光部は、前記封止部材の側面の発光面積が前記封止部材の前記他方側の端面の面積の2倍以上である。
【0016】
(8)上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の発光装置において、前記発光部は、前記蛍光体層が前記外部領域側の蛍光体層を含む複数の蛍光体層を含む複数の蛍光体層からなり、前記複数の蛍光体層が互いに平行な層として配置されている。
【0017】
(9)上記(8)に記載の発光装置において、前記発光部は、前記複数の蛍光体層に前記発光素子と前記外部領域側の蛍光体層との間に介在する内部領域側の蛍光体層が含まれている。
【0018】
(10)上記(8)又は(9)に記載の発光装置において、前記発光部は、前記複数の蛍光体層に前記素子搭載基板に形成された素子側の蛍光体層が含まれている。
【0019】
(11)上記(8)乃至(10)のいずれかに記載の発光装置において、前記発光部は、前記複数の蛍光体層のうち少なくとも1つの蛍光体層に蛍光体の存在しない領域が形成されている。
【0020】
(12)上記(2)に記載の発光装置において、前記導光部は、前記外部領域側の蛍光体層を含む透明部材を有し、前記透明部材が前記外部領域側の蛍光体層の外側層面を覆い前記収容孔の開口側端面に配置されている。
【0021】
(13)上記(2)に記載の発光装置において、前記導光部は、前記蛍光体層を含む透明部材を有し、前記透明部材が前記蛍光体層の内側層面を覆い前記収容孔の開口側端面に配置されている。
【0022】
(14)上記(2),(12)又は(13)に記載の発光装置において、前記導光部は、前記実装部側に光反射部が配置されている。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、光取出効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置の外観を示す斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置を示す断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部の実装状態を示す断面図。
【図4】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部の回路パターンを説明するために模式化して示す下面図。(a)は表面パターンを、また(b)は裏面パターンをそれぞれ示す。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置の発光素子を示す断面図。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部から光を発した場合のその進行を説明するために模式化して示す平面図。(a)は本実施例を、また(b)及び(c)は比較例をそれぞれ示す。
【図7A】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部の製造方法を説明するために示す断面図。(a)は封止前ガラスの形成工程を、(b)は外部領域側の蛍光体層の形成工程を、(c)は素子搭載基板の形成工程を、また(d)素子側の蛍光体層の形成工程をそれぞれ示す。
【図7B】(e)〜(h)は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部の製造方法を説明するために示す断面図。(e)はLED素子の搭載工程を、(f)及び(g)はLED素子の封止工程を、また(h)は発光部集合体の切断工程をそれぞれ示す。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部の変形例を示す断面図。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部の他の配置例(1)を示す平面図。
【図10】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部の他の配置例(2)を示す平面図とB−B断面図とC−C断面図。(a)は平面図を、(b)はB−B断面図を、また(c)はC−C断面図をそれぞれ示す。
【図11】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部の他の配置例(3)を示す平面図とE−E断面図。(a)は平面図を、また(b)はE−E断面図をそれぞれ示す。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部の他の配置例(4)を示す平面図。
【図13】(a)及び(b)は、図11の発光装置における実装基板を示す平面図と断面図。(a)は平面図を、また(b)は断面図をそれぞれ示す。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置に放熱機能を備えた場合について説明するために示す断面図。
【図15】(a)〜(c)は、図14の放熱パターン層を説明するために示す平面図。(a)及び(b)は放熱パターン層の形状を、また(c)は素子搭載基板をそれぞれ示す。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における導光部の変形例を説明するために示す断面図。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係る発光装置を示す断面図。
【図18】(a)及び(b)は、本実施例及び他の実施例における図17のF−F断面図。(a)は本実施例を、また(b)は他の実施例をそれぞれ示す。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係る発光装置の変形例を示す断面図。
【図20】本発明の第3の実施の形態に係る発光装置を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置につき、図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
(発光装置の全体構成)
図1は発光装置の全体を示す。図1に示すように、発光装置1は、直線方向に等間隔をもって並列する複数の発光部2と、複数の発光部2の光を所定の方向に導く導光部3と、複数の発光部2を実装する実装部4から大略構成されている。
【0027】
(発光部2の構成)
図2は発光部の収容状態を示す。図3は発光部の実装状態を示す。図4(a)及び(b)は素子搭載基板の回路パターンを示す。図5は発光素子を示す。図6(a)〜(c)は発光素子からの光の進行パターン例を示す。図2及び図3に示すように、発光部2は、素子搭載基板20と、素子搭載基板20に搭載された発光素子としてのLED素子21と、LED素子21を封止する封止部材22と、LED素子21から発せられる光を受けて励起されることにより波長変換光を発する蛍光体層23とを有し、実装部4の実装面4aに実装されている。
【0028】
また、発光部2は、実装部4の実装面4aに対して垂直な光軸をもち、この光軸に対して略30°〜45°傾斜した方向で光強度が最大となる配光特性を有する。そして、発光部2は、電圧の印加によってLED素子21から青色光を発し、一部を蛍光体層23によって波長変換光としての黄色光に変換した後、青色光と黄色光との混合によって得られた白色光を青色光及び黄色光と共に封止部材22の側面22Bから封止部材22外に放射するように構成されている。
【0029】
素子搭載基板20は、熱膨張率を例えば7×10−6/℃とする酸化アルミニウム(Al2O3)のセラミックス材料からなる平面略正方形状の板部材によって形成されている。素子搭載基板20の材料としては、Al2O3の他に、シリコン(Si)や窒化アルミニウム(AlN)あるいは白色樹脂が用いられる。素子搭載基板20の厚さは例えば約0.25mmに、また一辺が例えば約0.7mmにそれぞれ設定されている。
【0030】
素子搭載基板20の素子搭載面(表面)20aには、図3及び図4に示すように、LED素子21のp側パッド電極210a(後述)に接続する表面パターン200、及びn側電極211(後述)に接続する表面パターン201が設けられている。素子搭載基板20の実装側面(裏面)20bには、LED素子21に対して電源電圧を供給するための裏面パターン202,203が設けられている。
【0031】
表面パターン200と裏面パターン202とは素子搭載基板20を貫通するビアホール204内に充填されたビアパターン205により、また表面パターン201と裏面パターン203とは素子搭載基板20を貫通するビアホール206内に充填されたビアパターン207によりそれぞれ電気的に接続されている。表面パターン200及び裏面パターン202はビアパターン205に、また表面パターン201及び裏面パターン203はビアパターン207にそれぞれ例えばタングステン(W),モリブデン(Mo)等の高融点金属によって一体に形成されている。
【0032】
なお、表面パターン200,201及び裏面パターン202,203の表面には、ニッケル(Ni),アルミニウム(Al),白金(Pt),チタン(Ti),金(Au),銀(Ag),銅(Cu)などの材料による単数又は複数の金属層あるいは半田材料による金属層が必要に応じて形成される。
【0033】
図4及び図5に示すように、LED素子21は、p側電極210及びn側電極211を有し、p側電極210(p側パッド電極210a)を表面パターン200に、またn側電極211を表面パターン201にそれぞれバンプ212を介してフリップチップ接続することにより素子搭載基板20における素子搭載面20aの略中央部に搭載されている。LED素子21としては、熱膨張率を例えば7×10−6/℃とする平面略正方形状の青色LED素子が用いられる。LED素子21の厚さは例えば約0.1mmに、また一辺は例えば約0.34mmにそれぞれ設定されている。
【0034】
そして、LED素子21は、サファイア(Al2O3)からなる基板213の表面にIII族窒化物系半導体を例えば700℃の温度でエピタキシャル成長させることにより、バッファ層214,n型半導体層215,発光層としてのMQW(Multiple Quantum Well:重量子井戸)層216,及びp型半導体層217が順次形成され、発光面218からピーク発光波長が例えば460nm〜463nmである青色光を発するように構成されている。LED素子21は、その耐熱温度は600℃以上であり、後述する低融点のガラスを用いた素子封止加工における加工温度に対して安定である。
【0035】
p側電極210は、p側パッド電極210aを有し、p型半導体層217の裏面に設けられている。n側電極211は、p型半導体層217からMQW層216及びn型半導体層215にわたってその一部にエッチング処理を施すことにより露出した部位(n型半導体層215)に設けられている。p側電極210の材料としては例えばITO(Indium Tin Oxide)等の酸化物からなる透明導電性材が、またp側パッド電極210a及びn側電極211の材料としては例えばNi/Au,Al等の金属がそれぞれ用いられる。
【0036】
封止部材22は、平面(端面22A)を略正方形とするとともに、側面を長方形とする直方体状の透明ガラスからなり、各側面22Bが素子搭載基板20の側面と同一面上に配置され、かつ素子搭載基板20の素子搭載面20aに熱融着されている。封止部材22の厚さは例えば0.6mmに、また一辺は0.7mmに設定されている。
【0037】
封止部材22の材料としては、ゾルゲル反応を利用して形成されたガラスと異なり、例えば屈折率nをn=1.7とするZnO−B2O3−SiO2系熱融着ガラスが用いられる。熱融着ガラスとしては例えば屈折率が1.7のZnO−B2O3−SiO2−Nb2O5−Na2O−Li2O系でもよい。熱融着ガラスの組成は、Li2OあるいはNa2Oの成分を含有しない組成でもよく、ZrO2,TiO2の成分を含有する組成でもよい。
【0038】
また、封止部材22の材料としては、例えば熱膨張率を6×10−6/℃とし、素子搭載基板20及びLED素子21の熱膨張率の2倍よりも小さい熱膨張率をもつ材料であることが望ましい。これは、封止部材22の熱膨張率が素子搭載基板20及びLED素子21の熱膨張率の2倍を超えると、封止部材22の剥離,クラック等が生じ易くなることから、封止部材22の熱膨張率を素子搭載基板20及びLED素子21の熱膨張率の2倍よりも小さくし、封止部材22の剥離,クラック等の発生を抑制するためである。
【0039】
上記した封止部材22は、素子搭載基板20と平行な平面を略正方形とする場合について説明したが、LED素子から封止部材界面へ至る光が全反射を生じない屈折率や形状とすることが望ましく、四角形以上の多角形である平面六角形,平面五角形あるいは平面円形とすることが望ましい。これは、図6(a)に示す平面六角形状の封止部材22である場合、及び図6(b)に示す平面五角形状の封止部材22である場合に、図6(c)に示す平面正方形状の封止部材22である場合と比べて封止部材22の内部で反射される光の割合が低くなり、LED素子21の光を封止部材22から効率よく出射させることができるからである。
【0040】
この場合、図6(a)及び(b)に示すように、封止部材22の端面(熱融着側端面と反対側の端面)22Aが六角形,五角形であると、その頂面付近に進んだ光の入射角α,βの最大値が端面22Aを四角形とする場合と比べて小さくなる。(a)の正六角形では、LED素子から封止部材界面への入射角は30°以内となる。封止部材の屈折率が2.0のときの空気への臨界角が30°であり、封止部材の屈折率が2.0未満であれば素子搭載基板20と平行な面方向では閉込モード光を生じないものとできる。(b)は右半分が正六角形、左半分が正方形の五角形であり、この形状では右半分は(a)と同じで、LED素子から左方向へ反射された光は一部が全反射し、右方向へ外部反射される。これは、特定の方向の導光部の照度を高めた場合や図11のように導光部の端部に発光部を備える場合に適する。これに対して、図6(c)に示すように、封止部材22の端面22Aが正方形であると、屈折率が1.5のとき空気の臨界角が45°となるので、封止部材の屈折率がこれ以上のときには、その頂点に近い方向に進んだ光は側面22Bで内部反射する割合が高く、側面22Bで内部反射した光はさらに別の側面22Bで内部反射し、蛍光体や素子搭載基板20で散乱反射しなければ外部へ放出されない閉込モード光となり、封止部材22の外部に出射するまでに内部で複数回の反射を繰り返すことがある。
【0041】
蛍光体層23は、図3に示すように、外部領域側の蛍光体層230及び素子側の蛍光体層231を有し、LED素子21から発せられる光の波長を変換する蛍光体を含有する。蛍光体としては、例えばYAG(Yttrium Aluminum Garnet)蛍光体,珪酸塩蛍光体,窒化物蛍光体あるいは硫化物蛍光体等を用いることができる。本実施の形態では、LED素子21が青色光を発し、この青色光によって励起された蛍光体層23の蛍光体が黄色光を発し、これら青色光と黄色光との混色によって白色光を得ている。
【0042】
なお、紫外光を発するLED素子と、紫外光によって励起される赤色蛍光体,緑色蛍光体,及び青色蛍光体との組み合わせにより白色光を得るようにしてもよい。
【0043】
外部領域側の蛍光体層230は、封止部材22の外部であって、LED素子21の発光面218(図5に示す)に対向する面内に配置され、かつ封止部材22の端面22Aに例えばSiO2系のコーティング材料に分散し、このコーティング材料によってガラスに接着されている。そして、外部領域側の蛍光体層230は、封止部材22の外部領域側でLED素子21の青色光を受けて励起されることにより黄色光を発し、封止部材22内に放射するように構成されている。外部領域側の蛍光体層230において、LED素子21からの光をできるだけ反射するには、その母材として封止部材22の屈折率よりも小さい屈折率をもつ材料であることが望ましい。一方、反射させずにLED素子21の光の蛍光体層230への到達の確率を高めるために、封止部材22の屈折率よりも小さい屈折率のSiO2系のコーティング材料に代えて例えば封止部材22と同等の屈折率のAl2O3系,封止部材22よりも大きな屈折率のTiO2系のコーティング材料を用いてもよい。
【0044】
素子側の蛍光体層231は、素子搭載基板20の素子搭載側領域であって、素子搭載部(バンプ212の形成領域)を除く領域を素子搭載基板20の素子搭載面20a上で覆う位置に配置され、かつ素子搭載基板20の素子搭載面20aに例えばスクリーン印刷等によって形成されている。そして、素子側の蛍光体層231は、素子側でLED素子21の青色光を受けて励起されることにより黄色光を発し、封止部材22内に放射するように構成されている。
【0045】
次に、本実施の形態に示す発光部2を製造する方法につき、図7A(a)〜(d)及び図7B(e)〜(h)を用いて説明する。図7A(a)〜(d)及び図7B(e)〜(h)は発光部の製造手順を示す。
【0046】
本実施の形態に示す発光部2の製造方法は、「封止前ガラスの形成」,「外部領域側の蛍光体層の形成」,「素子搭載基板の形成」,「素子側の蛍光体層の接着」,「LDE素子の搭載」,「LED素子の封止」及び「発光部集合体の切断」の各工程が順次実施されるため、これら各工程を順次説明する。なお、本製造方法は一例であり、各工程の順序についても適宜変更することが可能である。
【0047】
「封止前ガラスの形成」
先ず、封止部材22(図3に示す)となるガラスの成分である酸化物粉末を1200℃に加熱して溶融し、この溶融状態で攪拌する。次いで、溶融状態の酸化物粉末を固化する。しかる後、図7A(a)に示すように、封止部材22の厚さに対応する厚さに切断して封止前ガラス220を形成してから、LED素子21(図2に示す)のサイズに対応する空間サイズをもつ凹部220aを封止前ガラス220に形成する。
【0048】
「外部領域側の蛍光体層の形成」
図7A(b)に示すように、封止前ガラス220の端面220b(凹部220a側の端面と反対側の端面)全体に蛍光体を分散させたSiO2系のコーティング材料によって外部領域側の蛍光体層230を形成する。蛍光体層230のコーティング材料としては、SiO2系のコーティング材料に代えてセルロース系の材料を用いてもよい。セルロースは高温で分解し消失するため、蛍光体層は母材なしで形成されることとなり、蛍光体粒子の凹凸が露出することになり、蛍光体からの外部反射がされやすくなる。本発明のように導光部の側面入射面への光照射効率が高い方がいい場合は、発光部の側面からの放射が多い、あるいは導光部の側面の入射方向へ光放射されやすいよう、蛍光体粒子はコーティング材料内に埋っている方が望ましい。
【0049】
「素子搭載基板の形成」
図7A(c)に示すように、ホール付き基板用素材20Aに回路パターン(表面パターン200・201,裏面パターン202・203及びビアパターン205・207)を形成して素子搭載基板20(図2に示す)となる基板集合体20Bを形成する。回路パターンの形成は、ホール付き基板用素材20Aにペースト状の金属をスクリーン印刷し、これらに所定の温度(例えば1000℃以上)で熱処理することによりペースト状の金属を焼き付けた後、この金属に他の金属によるめっき処理を施すことにより行われる。
【0050】
「素子側の蛍光体層の形成」
図7A(d)に示すように、LED素子21の素子搭載部を除き、スクリーン印刷等を用いて基板集合体20Bの素子搭載面に素子側の蛍光体層231を形成する。
【0051】
「LED素子の搭載」
図7B(e)に示すように、基板集合体20Bの各素子搭載部にLED素子21をバンプ212によって搭載する。この場合、p側パッド電極210aが表面パターン200に、またn側電極211が表面パターン201にそれぞれバンプ212を介してフリップチップ接続される。
【0052】
「LED素子の封止」
先ず、図7B(f)に示すように、LED素子21が搭載された基板集合体20Bを下側金型Aに配置する。次いで、図7B(g)に示すように、LED素子21に凹部220aを対向させて封止前ガラス220を上側金型Bと下側金型Aとの間に配置する。しかる後、窒素雰囲気中において所定の温度条件下で型閉めを実行して封止前ガラス220を加圧・加熱する。この場合、例えば加熱温度が600℃に、また加圧力が25kgf/cm2にそれぞれ設定される。これにより、LED素子21が封止部材22で封止された発光部集合体(図示せず)が形成される。
【0053】
「発光部集合体の切断」
型開き後にダイシング装置(図示せず)内に発光部集合体を配置してダイシングブレード(図示せず)で切断し、図7B(h)に示すように素子搭載基板20の素子搭載面20a上で封止部材22によってLED素子21が封止された複数の発光部2に分割する。
【0054】
(導光部3の構成)
図2に示すように、導光部3は、複数の収容孔3aを有し、全体が例えばアクリル樹脂等の透明材料からなる矩形板によって形成されている。そして、導光部3は、複数の収容孔3aにおける内面30aから入射した光(青色成分の多い光、黄色成分の多い光及び白色光)を一方側端面3b及び他方側端面3cで反射させ、これら光の混合を促進させるように構成されている。
【0055】
複数の収容孔3aは、直線方向(LED素子21の並列方向)に所定の間隔をもって並列し、導光部3の片側側縁に配置されている。また、複数の収容孔3aは、導光部3の一方側端面3bから他方側端面3cに開口する例えば深さ3mm,内径2mmの円形開口をもつ貫通孔によって形成されている。そして、複数の収容孔3aは、その内面30aが発光部2からの入射光を導光部3の一方側端面3b又は他方側端面3cに接近する方向に導光部3内で屈折させるように構成されている。複数の収容孔3a内には、それぞれ発光部2がその光軸を軸線Lに一致させて収容されている。
【0056】
ここで、導光部3の収容孔3aと発光部2との関係について説明する。発光部2は、前述したように、その光軸を導光部3の厚さ方向に平行な収容孔3aの軸線Lに一致させ、全体(高さ0.85mm,縦横サイズ1.0mm角)が収容孔3a(直径2mm,深さ3mm)内に収容され、かつ実装部4の実装面4a(基板本体40)に実装されている。
【0057】
これにより、発光部2の端面22Aの中心部に対する収容孔3aの内面30aの立体角の割合は、上側半球の2πsteradianに対して90%(5.65steradian)となる。そして、発光部2の側面22Bの中心部に対する収容孔3aの内面30aの立体角の割合(側面22Bの半球の上側のπsteradianが対象)は、発光部2の端面22Aの中心部に対する収容孔3aの内面30aの立体角の割合よりも大きくなるため、発光部2全体としてみれば、立体角の割合は少なくとも90%以上であるといえる。また、発光部2の光強度が最大となる方向は約45°であるが、この方向に収容孔3aの内面30aが存在することとなる。
【0058】
このような関係を導光部3(収容孔3a)と発光部2との間にもつ発光装置1によれば、発光部2から発せられる光の少なくとも90%以上は収容孔3aの内面30aに入射する。この入射時には、入射光が導光部3の一方側端面3b及び他方側端面3cに対して平行に近づく方向へ屈折することから、収容孔3aの内面30aに対する入射光の殆どを導光部3内の伝搬光として利用することができる。導光部3の屈折率は1.41以上であると、臨界角を45°以下にできるので好ましい。すなわち、収容孔3aの軸線Lに略平行(内面30aの法線方向に対して略90°)で入射した光でも屈折し、内面30aの法線方向に対して略45°以内の光となる。そして、導光部3の一方側端面3b及び他方側端面3cは、内面30aに対して90°であるため、内面30aに対する入射光につき一方側端面3b及び他方側端面3cでは全反射の条件が成立することとなり、入射光の全てが導光部3内での伝搬光となる。
【0059】
これにより、発光部2の光軸が導光部3の厚さ方向に平行であるにもかかわらず、発光部2の端面22Aから発せられた光を導光部3内に導くための特殊な光学的制御部を発光装置1に備えることなく、導光部3内に光を的確に入射させて導光部3内での伝搬光とすることができるという、いわゆる技術常識に反した作用効果を得ることができる。
【0060】
従って、本実施の形態においては、上記光学的制御部を省略して部品点数を削減することができるとともに、発光装置1の製造を簡単に行うことができ、コストの低廉化を図ることができる。
【0061】
(実装部4の構成)
図2及び図3に示すように、実装部4は、基板本体40,絶縁層41,回路パターン層42a,42b及び白色レジスト層43を有し、複数の収容孔3aの片側開口部(端面3c側の開口部)を閉塞して発光部2の実装側に配置され、発光部2及び導光部3を実装する実装基板として機能するように構成されている。
【0062】
基板本体40は、実装部4のベースとして機能し、全体が例えばAl等の金属によって形成されている。これにより、実装部4の剛性が高められる。
【0063】
絶縁層41は、基板本体40と回路パターン層42a,42bとの間に介在して配置され、全体が例えばポリイミド樹脂,エポキシ樹脂等の絶縁材によって形成されている。
【0064】
回路パターン層42a,42bは、発光部2(素子搭載基板20の裏面パターン202,203)に電気的接続され、かつ絶縁層41上に配置され、例えばAuめっき処理が表面に施された銅等の金属によって形成されている。一方の回路パターン層42aは裏面パターン202に、また他方の回路パターン層42bは裏面パターン203にそれぞれ接続されている。
【0065】
白色レジスト層43は、回路パターン層42a,42bに配置され、全体が例えば酸化チタンのフィラーを混入してなるエポキシ樹脂によって形成されている。これにより、実装部4の反射率が高められる。
【0066】
このように構成された発光装置1においては、LED素子21に電圧が印加されると、LED素子21から青色光が発せられる。
【0067】
そして、LED素子21から発せられた青色光は、一部が外部領域側の蛍光体層230及び素子側の蛍光体層231により黄色光に変換された後、これら青色光,黄色光及びこれら光の混色によって得られた白色光が封止部材22の側面22Bを通じて導光部3の収容孔3a内に放射される。
【0068】
この場合、収容孔3a内に放射される光には、LED素子21から発せられる光の一部を外部領域側の蛍光体層230で散乱反射した後、封止部材22の側面22Bを通じて端面22Aよりも下方に向かって導光部3の収容孔3a内を進む光aと、LED素子21からの光の一部を外部領域側の蛍光体層230で散乱反射し、さらに素子側の蛍光体層231で散乱反射した後、封止部材22の側面22Bを通じて端面22Aよりも上方に向かって導光部3の収容孔3a内に進む光bと、LED素子21からの光の一部を外部領域側の蛍光体層230及び素子側の蛍光体層231で散乱反射せず、導光部3の収容孔3a内に進む光c等とが含まれる。このため、LED素子21から発せられる多くの光が収容孔3a内に放射される。
【0069】
この後、発光部2(封止部材22)からの放射光が収容孔3aの内面30aに入射すると、この内面30a(収容孔3aの空間と導光部3との界面)で屈折して導光部3の一方側端面3b又は他方側端面3cに接近する方向に導光部3内を進む。この屈折光が導光部3の一方側端面3b及び他方側端面3cで繰り返して反射されながら導光部3内を収容孔3aの径方向に伝搬する。
【0070】
この場合、導光部3において、収容孔3aの内面30aに入射した光のうち青色成分の多い光及び黄色成分の多い光が一方側端面3bと他方側端面3cとで繰り返して反射されるため、これら光の混合が促進される。また、屈折光の反射は、導光部3において収容孔3aの近傍から離間する部位のみならず、収容孔3aの近傍の部位でも行われる。このため、導光部3の一方側端面3b及び他方側端面3cにおいては色度及び輝度にむらが生じることはない。
【0071】
従って、本実施の形態においては、発光部2から放射される光が導光部3内を全体にわたって伝搬し、均一な色度及び輝度による面発光が実現される。
【0072】
なお、本実施の形態においては、封止部材22内に蛍光体を含有しない発光部2である場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、図8(変形例)に示すように封止部材22内に蛍光体23aを分散して含有する発光部2であってもよい。この変形例においては、外部領域側の蛍光体層230及び素子側の蛍光体層231を備えているため、従来の発光装置の蛍光体層における蛍光体の容積濃度に比べて蛍光体23aの容積濃度を低くしても、LED素子21,外部領域側の蛍光体層230及び素子側の蛍光体層231からの光を蛍光体23aで散乱反射して封止部材22外に放射し、全体として光取出効率を高めることができる。また、蛍光体層は外部領域側、素子搭載基板上の素子側に備えるものとして説明したが、素子側の蛍光体層を備えないものとしてもよい。
【0073】
次に、本実施の形態に示す発光装置1における発光部2の配置例(1)〜(4)につき、図9〜図13を用いて説明する。図9は配置例(1)を、図10(a)〜(c)は配置例(2)を、図11(a)及び(b)は配置例(3)を、また図12及び図13(a)及び(b)は配置例(4)をそれぞれ示す。なお、図9〜図13において、図1〜図5と同一又は同等の部材については同一の符号を付す。
(1)図9に示すように、発光装置1は、複数の発光部2が導光部3の両側縁に配置されている。導光部3の両側縁には、直線方向に等間隔をもって並列し、かつ複数の発光部2をそれぞれ収容する複数の収容孔3aが設けられている。
(2)図10(a)〜(c)に示すように、発光装置1は、発光部2,導光部3及び実装部4の他にケース部5を備えている。
【0074】
導光部3は、その幅方向中央部に長手方向に沿って並列する複数の収容孔3aを有する単一の導光板からなり、ケース部5内に収容されている。導光部3には、一方側面(実装部4側の面)が実装部4に対向して発光部2からの熱を吸収する熱吸収面30として、また他方側面(実装部4側の面と反対側の面)が収容孔3aの内面30aから入射した熱を放散する熱放散面31としてそれぞれ形成されている。
【0075】
実装部4は、幅寸法が導光部3の幅寸法よりも小さい寸法に、また長さ寸法が導光部3の長さ寸法に対応する寸法にそれぞれ設定されている。そして、実装部4は、収容孔3aの素子実装側開口部を閉塞してケース部5の凹部5c内に収容されている。
【0076】
ケース部5は、底部5a,側壁部5b及び凹部5cを有し、全体が例えばAl等の金属又は合成樹脂によって形成されている。この場合、ケース部5の材料としては、放熱性や軽量性を考慮して例えばAlを用いることが望ましい。
【0077】
なお、上記配置例では、導光部3が単一の導光板からなる場合について説明したが、これに限定されず、一対の導光板を互いに突き合わせてなる導光部であってもよい。この場合、導光部における収容孔の形成は、一対の導光板にそれぞれ凹部を設け、これら両凹部を突き合わせて行われる。
(3)図11(a)及び(b)に示すように、発光装置1は、発光部2,導光部3及び実装部4の他にケース部6を備えている。
【0078】
導光部3は、その両側縁に沿って並列する複数の収容孔3aを有する単一の導光板からなり、ケース部6内に収容されている。収容孔3aは、導光部3の側縁を切り欠くことにより、半円と矩形との組み合わせによる開口面をもつ凹部で形成されている。導光部3には、一方側面(実装部4側の面)が実装部4の実装面に対向して発光部2からの熱を吸収する熱吸収面30として、また他方側面(実装部4側の面と反対側の面)が収容孔3aの内面30aから入射した発光部2の熱を外部に放散する熱放散面31としてそれぞれ形成されている。
【0079】
ケース部6は、底部6a及び側壁部6bを有し、全体が例えば100W/m・K以上の熱伝導率をもつAl合金からなる高熱伝導材料によって形成されている。
(4)図12に示すように、発光装置1は、平面縦横方向に等間隔をもって並列する複数の収容孔3aを有する導光部3を備えている。
【0080】
導光部3は、複数の収容孔3aが略正方形状の開口面をもつ貫通孔によって形成されている。具体的には、複数の収容孔3aは、その角部内面が所定の曲率をもつ曲率面で形成されている。
【0081】
実装部4は、図13(a)及び(b)に示すように、回路パターン層42が熱伝導率100W/(m・k)を超える高熱伝導部材のアルミニウムからできている基板本体40の略全面にわたって形成されている。回路パターン層42の形成は、例えば基板本体40の平面サイズと略同一の平面サイズをもつ銅箔(厚さ70μm)に格子状の抜き部を形成することにより行われる。これにより、発光部2で発せられる熱は、回路パターン層42によって拡散され、絶縁層41を介して基板本体40の略全域に伝達される。このため、絶縁層41の熱抵抗を大幅に低減し、発光部2(図12に示す)の温度上昇を抑制することができる。図12(a)において、発光部2はその搭載位置を斜線Cで示し、また白色レジスト層43の図示を省略する。
【0082】
これによって、図11及び図13において、発光部2が発した熱は基板本体40の全体に拡がり、基板本体40の熱の局在を防いで外部への放熱を促進することができる。この際、導光部3に沿った本体基板40が放熱機能を持ちながら、面状の発光装置1のデザイン性を損なう程度に厚くなるような形状の影響が生じないようにすることができる。また、導光部3の少なくとも一側面部近傍の裏面部に側面部と平行な軸線をもつ円柱状の貫通孔または凹部からなる入射部を複数列設し、これら入射部に発光部2を配置すると、発光部2が局在することとなり、十分な放熱対策を行わない場合に、熱の局在により導光部3が撓むという問題点がある。これに対し、本実施形態の発光装置1では、発光部2が分散配置されていることと、各発光部2の熱を面状の基板本体40に分散して大きな面積から外部放熱が可能となるので、熱による導光部3の撓みを抑制することができる。
【0083】
次に、本実施の形態に示す発光装置1に放熱機能を備えた他の例につき、図14及び図15(a)〜(c)を用いて説明する。図14は発光装置を、図15(a)〜(c)は放熱パターン層,素子搭載基板をそれぞれ示す。図14及び図15(a)〜(c)において、図1〜図5と同一又は同等の部材については同一の符号を付す。
【0084】
図14に示すように、発光装置1は、等間隔をもって並列する複数(本実施の形態では3個)のLED素子21、及び放熱パターン層208を実装側面20bに形成してなる素子搭載基板20を有する複数の発光部2を備えている。複数の発光部2のうち4個の発光部2が回路パターン層42c(図15(a)に示す)によって直列接続されている。
【0085】
また、発光装置1は、図15(a)〜(c)に示すように、発光部2の放熱パターン層208に対向する放熱パターン層44を有する実装部4(図14に示す)を備えている。
【0086】
図15(a)に示すように、放熱パターン層44は、その中央部に位置するパターン基部44a、及びパターン基部44aを介して並列する一対のパターン延出部44b,44cを有し、回路パターン層42a〜42cと電気的に絶縁されている。
【0087】
図15(b)に示すように、放熱パターン層44の幅は、パターン基部44aが最も小さい寸法に、またパターン延出部44b,44cがパターン基部44aよりも大きい寸法にそれぞれ設定されている。
【0088】
放熱パターン層44におけるパターン基部44aの長手方向の幅L11は、放熱パターン層208(図15(c)に示す)の長手方向の幅L12に対応する幅である。本実施の形態では、幅L11と幅L12とが同一の寸法に設定されている。
【0089】
放熱パターン層44における露出部の短手方向(長手方向と垂直な方向)の幅L21は、放熱パターン層208における短手方向の幅L22(図15(c)に示す)に対応する幅である。本実施の形態では、幅L21と幅L22とが同一の寸法に設定されている。
【0090】
図15(c)に示すように、発光部2の放熱パターン層208は、LED素子21の搭載領域に対応する実装側面(素子非搭載面)20b側の領域を少なくとも一部を含む部位に形成されている。
【0091】
[第1の実施の形態の効果]
以上説明した第1の実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
【0092】
(1)外部領域側の蛍光体層230及び素子側の蛍光体層231によってLED素子21から発せられる多くの光が収容孔3a内に放射され、光取出効率を高めることができる。
【0093】
(2)封止部材22内に蛍光体を均一分散させない場合には特殊な製造が不要となり、コストの低廉化を図ることができる。
【0094】
(3)発光装置1から発する光の発光位置やこの位置から離れた位置で色むらがあった場合でも、導光部3内にて光が混合されることにより、色むらを解消することができる。
【0095】
(4)常識では、発光部は、光出射エリアを狭くする、導光部への入射角範囲を狭くするための光学系を用いて、導光部との結合を図る。しかし、本実施形態では、発光部2は量産のため、LED素子21がその中心軸に沿った側面に取り囲まれた形状とされ、光出射エリアを狭める光学系を備えていない。なお、反射枠は高反射率部材を選択されるものの完全に光吸収のないものでない限り、光学損出が生じるので、本実施形態の発光部では高効率化、さらに小型化の効果もある。また、本実施形態の発光部2では、LED素子21の中心軸に沿った側面に取り囲まれた形状で、LED素子21から発し、この側面に至った光は、LED素子21の中心軸方向に近づく方向に屈折する。そして、LED素子21から発する光の光量うち、LED素子21の中心軸に対し大きな角度方向へ放射される光量は、この方向の立体角が大きいため、LED素子21の配光特性にもよるが、例えば全光量に対し50%以上の大きな割合がある。すなわち、導光部3への入射角は、むしろ広がる角度となる。しかも、封止部材22の屈折率はLED素子21からの光取出しを促進するため、シリコーン樹脂(屈折率:1.4〜1.5程度)やエポキシ樹脂(1.5〜1.6程度)よりも屈折率の大きい、屈折率1.6以上の部材を選択できる。この際、LED素子21の中心軸方向に近づく方向に屈折する程度は、さらに大きいものとなる。また、LED素子21から発し、蛍光体で励起される光や散乱する光のうち、側面に至る光も同様にLED素子21の中心軸方向に近づく方向に屈折する。にもかかわらず、導光部3の厚さ方向に平行な軸線をもつ収容孔3aを形成した導光部3と本実施の形態の発光部2とを組み合わせ、導光部3への入射面となる収容孔3aでの入射時の屈折と、導光部3の入射面とは直交する面となる導光部3の上下面(一方側端面3b,他方側端面3c)での全反射が生じる屈折率の導光部3により、発光部2と導光部3とを高効率で結合でき、かつ部品点数の削減および簡単な製造が可能となる。
【0096】
図2において、導光部3の他方側端面3cに対する収容孔3aの内面30aの角度をαとし、導光部3の屈折率をn1としたとき、
90°−sin−1[{sin(90°−α)}/n1]+α≧sin−1(1/n1)
…(1)
の式を満たすようにすると、導光部3の厚さ方向へ進む光につき、内面30aから導光部3内へ入射した全ての光が導光部3内の伝搬光となる。本実施形態においては、α=90°でありn1=1.5であることから、上記式(1)の条件を満たす。
【0097】
これに加え、
α≦90°−2×sin−1[sin{(90°−α)/n1}]…(2)
の式を満たすようにすると、導光部3の内面30aに沿って進む光につき、内面30aから導光部3内へ入射した全ての光が導光部3内の伝搬光となる。本実施形態においては、α1=90°でありn1=1.5であることから、上記式(2)の条件を満たす。
【0098】
(5)本実施の形態においては、導光板部3の両面に特に加工を施していないが、必要に応じて任意の加工を施してもよいことは勿論である。例えば、導光部3の少なくとも一方の面に反射加工を施してよい。発光装置1では、他方側端面3cに円形状の複数の反射部を形成し、導光部2内の光が反射部にて反射して一方側端面3bから取り出されるようにする。この場合、各反射部を発光部2と近いほど小さくし遠ざかるほど大きくすると、一方側端面3bから取り出される光の量を発光部2からの距離にかかわらず均一とすることができる。
【0099】
この場合、反射部は、スクリーン印刷,インクジェット印刷,レーザー加工,金型を利用した熱転写等により形成することができる。特に、インクジェット印刷,レーザー加工等の場合、スクリーン印刷等で用いる版が不要となり、例えば実際に製造された発光装置の発光特性に応じて反射部の加工を行うことができる。さらに、インクジェット印刷の場合、ノズルを導光部3上に全面的に配置することにより、広範囲の加工を同時に行うことができ、作業性に優れるという利点がある。
【0100】
また、本実施の形態においては、導光部3が平板状に形成されたものを示したが、収容孔3aから入射した光を導くものであれば、導光部3の形状を適宜変更してもよいことは勿論である。例えば、図16に示すように、他方側端面3cを発光部3から遠ざかるにつれて一方側端面3bと近接するように湾曲して形成してもよい。この発光装置1によっても、一方側端面3bから取り出される光の均一化を図ることができる。また、発光部2は光学系を備えず小型であるため、多くの発光部2を密に配列して、高輝度の導光部3とすることができる。一方、各発光部3の間隔を比較的広くして配列した場合も、面方向360ーに光が放射されるため、各発光部3の間の輝度の低下を防止できる。さらに、隣接する収容孔3aの間隔が広くなって導光部3の本体部分の領域が大きくなるため、図16で発光部2の光の左側に出射された光を発光部2の右側へ伝えやすくすることができる。
【0101】
(6)本実施の形態においては、LED素子21をガラスにより封止した発光部2を示したが、LED素子21が素子搭載基板20に対してフリップチップ接続であり、平面視にて封止部材22の枠部分が存在しない発光装置であれば、封止部材22を変更しても差し支えない。
【0102】
発光部2は、封止部材が熱融着ガラスであるため、柱状形状とし高さ方向の形成が容易である。封止部材22と素子搭載基板20とは熱膨張率が同等であり、かつ接合力が大きいので、これら両部材の接合面積を小さくすることができる。そして、封止部材22は、側面放射面を含む直方体形状としてあるので、側面22Bの合計面積を端面22Aに対して2倍以上、好ましくは4倍以上とすることによって、横方向の配光を広くすることができ導光部への光結合効率を高めることができるので望ましい。なお、例えば、LED素子21をシリコーン樹脂,エポキシ樹脂等の封止部材22で封止してもよい。
【0103】
また、例えばLED素子21を所定厚さの無機ペーストで封止してもよい。無機ペーストとしては、例えばSiO2系,Al2O3系,TiO2系等の材料を用いることができる。
【0104】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2実施の形態に係る発光装置につき、図17及び図18を用いて説明する。図17は発光装置を示す。図18(a)及び(b)は蛍光体層におけるパターン例を示す。図19は変形例を示す。図17〜図19において、図1〜図5と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0105】
図17に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る発光装置100は、LED素子21と外部領域側の蛍光体層230との間に介在する内部領域側の蛍光体層102を有する発光部101を備えた点に特徴がある。
【0106】
このため、発光部101は、光軸方向に隣接する第1の封止部材103aと第2の封止部材103bとを一体化してなる封止部材103を有し、封止部材103内に内部領域側の蛍光体層102が配置されている。
【0107】
第1の封止部材103aは封止部材103の一方側(LED素子21に近い側)に、また第2の封止部材103bは封止部材103の他方側(LED素子21から遠い側)にそれぞれ配置されている。
【0108】
第1の封止部材103aと第2の封止部材103bとの一体化は、例えばホットプレス加工等を用いて行われる。すなわち、第1の封止前ガラスを素子搭載基板20にホットプレス加工で接合して第1の封止部材103aを形成した後、この第1の封止部材103aに第2の封止前ガラスをホットプレス加工で接合して第2の封止部材103bを形成することにより行われる。この場合、第1の封止前ガラスには例えばスクリーン印刷によって内部領域側の蛍光体層102が、第2の封止前ガラスには外部領域側の蛍光体層230が例えばSiO2系の接着剤等によって、また素子搭載基板20には例えばスクリーン印刷等によって素子側の蛍光体層231がそれぞれ予め形成されている。
【0109】
内部領域側の蛍光体層102は、LED素子21の発光面218(図5に示す)に対向する面(素子搭載基板20の素子搭載面20a)内に配置されている。例えば、図18(a)に示すように平面六角形状の蛍光体層102が、また図18(b)に示すようにドット状の封止部材(蛍光体のない微小エリア)103がそれぞれ素子搭載基板20(図17に示す)の面内で縦横方向に並列して配置されている。これにより、内部領域側の蛍光体層102には、蛍光体の存在しない領域が形成されるため、封止部材103の形成時に第1の封止前ガラスと第2の封止前ガラスとの接合度を高めることができる。また、LED素子21の光を内部領域側の蛍光体層102が外部領域側の蛍光体層230との間へ至らせ易くする効果もある。なお、内部領域側の蛍光体層102は、素子搭載基板20の素子搭載面20aに対向する面内で全体にわたって形成してもよい。
【0110】
このように構成された発光装置100においては、LED素子21から発せられる光の一部を内部領域側の蛍光体層102で散乱反射し、封止部材22の側面22Bを通じて内部領域側の蛍光体層102よりも下方に向かって導光部3の収容孔3a内を進む光と、LED素子21からの光の一部を外部領域側の蛍光体層230で散乱反射し、さらに内部領域側の蛍光体層231で散乱反射した後、封止部材22の側面22Bを通じて端面22Aよりも上方に向かって導光部3の収容孔3a内に進む光と、同じくLED素子21からの光の一部を内部領域側の蛍光体層102で散乱反射し、さらに素子側の蛍光体層231で散乱反射した後、封止部材22の側面22Bを通じて内部領域側の蛍光体層102よりも上方に向かって導光部3の収容孔3a内に進む光と、LED素子21からの光の一部を外部領域側の蛍光体層230,素子側の蛍光体層231及び内部領域側の蛍光体層102で散乱反射せず、導光部3の収容孔3a内に進む光等とが含まれる。このため、第1の実施の形態に示す発光装置1と比べてLED素子21から発せられる多くの光が収容孔3a内に放射される。
【0111】
[第2の実施の形態の効果]
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果と同様の効果が得られる。この場合、外部領域側の蛍光体層230,素子側の蛍光体層231及び内部領域側の蛍光体層102による散乱反射によってLED素子21から発せられる光が収容孔3a内に放射されるため、光取出効率を効果的に高めることができる。特に、内部領域側の蛍光体層231と外部領域側の蛍光体層230との間では、光吸収損失の要因となるLED素子21や素子搭載基板20へ至るその厚さ方向(上下方向)の光は、各蛍光体層で散乱光となり、光の上下方向成分が減じられ、光の横方向成分が増すことになり、このためLED素子21や素子搭載基板20で吸収される光が減じられ、封止部材22の側面22Bからの光の外部への放射が促進される。これにより、光取出効率が高められる。また、蛍光体形成面積が広い場合にも蛍光体形成エリア内で封止部材103aと103bとの接合がなされるので、蛍光体層の浮きが生じることを防ぐことができる。尚、素子側の蛍光体層にも、蛍光体の存在しない領域を形成して、封止部材と素子搭載基板との接合強度を高めてもよい。
【0112】
なお、本実施の形態においては、第2の封止部材103bに外部領域側の蛍光体層230が形成されている場合について説明したが、本発明これに限定されず、図19に示すように第2の封止部材103bに外部領域側の蛍光体層230のさらに上へ例えばTiO2等の微粒子を分散させたSiO2系のコーティング材料薄膜層104を形成してもよい。この場合、薄膜層104の母材となるコーティング材料は屈折率が比較的小さいため、全反射を生じさせ易く、また全反射が生ぜずコーティング材料内へ入射した光は屈折率が比較的高いTiO2の微粒子による拡散が生じるので、薄膜層104を透過し難く、外部領域側の蛍光体層230を透過した光を散乱させて薄膜層104の側方に放射することができる。つまり、薄膜層は反射層として機能する。そして、導光部への光結合効率を高めることができる。また、内部領域側の蛍光体層は、1層に限らず複数層備えたものでもよい。この際、複数層の蛍光体層は一体になったものでも、各層の間に封止部材があるものでもよい。
【0113】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3実施の形態に係る発光装置につき、図20を用いて説明する。図20は発光装置を示す。図20において、図1〜図5と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0114】
図20に示すように、本発明の第3の実施の形態に係る発光装置500は、発光部2,導光部3及び実装部4の他にカバー部7を備えている点に特徴がある。
【0115】
このため、カバー部7は、発光装置1の表面部を構成する例えばアクリル樹脂等の透明部材からなり、複数の収容孔3aの開口部を閉塞して導光部3の一方側端面3b(収容孔3aの開口側端面)に配置されている。そして、カバー部7は、外部領域側の蛍光体層230の外側層面230aを覆うように構成されている。
【0116】
カバー部7の裏面には、複数の収容孔3aに対応する位置で発光部2から発せられる光を受けて励起されることにより波長変換光を発するカバー側の蛍光体層70が形成されている。カバー側の蛍光体層70には、その発光色が外部領域側の蛍光体層230の発光色と異なる蛍光体が含有されている。これにより、発光装置500としての演色性を高めることができるとともに、外部領域側の蛍光体層230との間での光の吸収損失を低減することができる。また、LED素子21からの光が発光部2とは異なる部位(カバー側の蛍光体層70)から導光部3内に放射されるため、この光dが他の光a〜c等と導光部3内で混合され、発光装置500における色むらの発生を抑制することができる。
【0117】
このように構成された発光装置500においては、LED素子21から発せられる光の一部を発光部2から放射し、カバー側の蛍光体層70で散乱反射し、カバー側の蛍光体層70よりも下方に向かって導光部3に進む光が多く含まれる。このため、第1の実施の形態に示す発光装置1及び第2の実施の形態に示す発光装置100は、発光部の封止部材に蛍光体が均一分散され、封止部材上面に蛍光体層を有さないものに比べ、下方に向かって導光部3に進む光が多く含まれるが、さらに、第1の実施の形態に示す発光装置1及び第2の実施の形態に示す発光装置100と比べてLED素子21から発せられる多くの光が図20の下方向成分をもって導光部3における収容孔3aの内面30aから入射し、発光装置1近傍の導光部3の底面(実装部4側の面)に放射される。
【0118】
[第3の実施の形態の効果]
以上説明した第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果と同様の効果が得られる。この場合、外部領域側の蛍光体層230,素子側の蛍光体層231及び内部領域側の蛍光体層102によって、さらにはカバー側の蛍光体層70による散乱反射によってLED素子21から発せられる光が収容孔3a内に放射されるため、光取出効率を一層効果的に高めることができる。また、発光装置1近傍における導光部3の底面への放射光が増すため、照射光が乏しくなる傾向がある。この部位の輝度を高め、導光部3の発光輝度むらが生じることを防ぐことができる。
【0119】
なお、本実施の形態では、カバー部7の裏面にカバー側の蛍光体層70が、また封止部材22の外部露出面(端面22A)に外部領域側の蛍光体層230がそれぞれ形成されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、外部領域側の蛍光体層230及びカバー側の蛍光体層70のうちいずれか一方の蛍光体層が無くても差し支えない。この他、図19に示す発光部2において、カバー側の蛍光体層70に代えて発光部2から発せられる光を反射する白色反射層をカバー部7の裏面に形成してもよい。カバー部を備えたものに限らず、導光部の収納孔を塞ぐサイズの蛍光体シートを収納孔上部に備えるものでもよいし、導光部の収納孔が貫通孔ではなく、開口していないものとし、閉塞部に蛍光体層を形成してもよい。また、導光部の発光部収容孔の実装部側でない側に蛍光体層を設けた第3の実施の形態では、必ずしも、発光部に蛍光体層を有したものでなくてもよく、発光部の封止部材が蛍光体を均一分散したもの、あるいは蛍光体を含まないものであってもかまわない。カバー側の蛍光体層など、導光部の上面の蛍光体層によって、封止部材の蛍光体濃度を減じる、あるいは、蛍光体を含まないものとしても所定の色度とすることができ、光取出効率を向上させることができる。
【0120】
以上、本発明の発光装置を上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
【符号の説明】
【0121】
1…発光装置、2…発光部、20…素子搭載基板、20a…素子搭載面、20b…実装側面、200,201…表面パターン、202,203…裏面パターン、204…ビアホール、205…ビアパターン、206…ビアホール、207…ビアパターン、208…放熱パターン層、20A…ホール付き基板用素材、20B…基板集合体、21…LED素子、210…p側電極、210a…p側パッド電極、211…n側電極、212…バンプ、213…基板、214…バッファ層、215…n型半導体層、216…MQW層、217…p型半導体層、218…発光面、22…封止部材、22A…端面、22B…側面、220…封止前ガラス、220a…凹部、220b…端面、23…蛍光体層、23a…蛍光体、230a…外側層面、230…外部領域側の蛍光体層、231…素子側の蛍光体層、3…導光部、3a…収容孔、30a…内面、3b…一方側端面、3c…他方側端面、30…熱吸収面、31…熱放散面、4…実装部、4a…実装面、40…基板本体、41…絶縁層、42,42a,42b,42c…回路パターン層、43…白色レジスト層、44…放熱パターン層、44a…パターン基部、44b,44c…パターン延出部、5,6…ケース部、5a,6a…底部、5b,6b…側壁部、5c…凹部、7…カバー部、70…カバー側の蛍光体層、100…発光装置、101…発光部、102…蛍光体層、103…封止部材、103a…第1の封止部材、103b…第2の封止部材、104…薄膜層、500…発光装置、A…下側金型、B…上側金型、C…斜線、L…軸線、a,b,c,d…光
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばガラスからなる封止部材によって封止された発光素子を備えた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)素子から発せられる光と、この光で蛍光体が励起されて発する波長変換光との混合により白色光を得ることができる発光装置が実用化されている。
【0003】
従来、この種の発光装置には、蛍光体含有のガラスからなる封止部材と、この封止部材によって封止されたLED素子とを備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
このような発光装置においては、例えばLED素子として青色光を発する青色LED素子であるとともに、蛍光体として青色光で励起されて黄色光を発する黄色蛍光体であると、LED素子から発せられる青色光とこの青色光で蛍光体が励起されて発する黄色の波長変換光との混合により白色光が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−71837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示す発光装置によると、封止部材に含有される蛍光体の容積濃度が高く、このためLED素子から発せられる多くの光が蛍光体での反射によってLED素子に戻り、外部に出射される光が少なくなり、光取出効率が低下するという問題があった。
【0007】
従って、本発明の目的は、光取出効率を高めることができる発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、(1)〜(14)の発光装置を提供する。
【0009】
(1)素子搭載基板と、前記素子搭載基板に搭載された発光素子と、前記発光素子を封止する封止部材と、前記発光素子から発せられる光を受けて励起されることにより波長変換光を発する蛍光体層とを有する発光部を備え、前記発光部は、前記蛍光体層が前記封止部材の外部であって、前記発光素子の発光面に対向する面内に外部領域側の蛍光体層として配置されている発光装置。
【0010】
(2)上記(1)に記載の発光部と、前記発光部を実装する実装部と、前記発光部を収容する収容孔を有する導光部とを備え、前記導光部は、その厚さ方向と略平行な領域を含む内面を前記収容孔が有するとともに、前記実装部側の端面から他方側の端面に向かって開口し、前記発光部は、前記導光部の厚さ方向に平行な光軸を有し、前記素子搭載基板を前記実装部側に向けて配置され、前記収容孔の前記内面側に光を放射する発光装置。
【0011】
(3)上記(2)に記載の発光装置において、前記導光部は、前記実装部側の端面に対する前記収容孔の前記内面の角度をαとし、屈折率をnとしたとき、90°−sin−1[{sin(90°−α)}/n1]+α≧sin−1(1/n1)の式を満たす発光装置。
【0012】
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の発光装置において、前記発光部は、前記外部領域側の蛍光体層の外側に光反射層が配置されている。
【0013】
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の発光装置において、前記発光部は、前記封止部材が光拡散性を有しない透明材料によって形成されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発光装置。
【0014】
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の発光装置において、前記発光部は前記封止部材が柱形状である。
【0015】
(7)上記(6)に記載の発光装置において、前記発光部は、前記封止部材の側面の発光面積が前記封止部材の前記他方側の端面の面積の2倍以上である。
【0016】
(8)上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の発光装置において、前記発光部は、前記蛍光体層が前記外部領域側の蛍光体層を含む複数の蛍光体層を含む複数の蛍光体層からなり、前記複数の蛍光体層が互いに平行な層として配置されている。
【0017】
(9)上記(8)に記載の発光装置において、前記発光部は、前記複数の蛍光体層に前記発光素子と前記外部領域側の蛍光体層との間に介在する内部領域側の蛍光体層が含まれている。
【0018】
(10)上記(8)又は(9)に記載の発光装置において、前記発光部は、前記複数の蛍光体層に前記素子搭載基板に形成された素子側の蛍光体層が含まれている。
【0019】
(11)上記(8)乃至(10)のいずれかに記載の発光装置において、前記発光部は、前記複数の蛍光体層のうち少なくとも1つの蛍光体層に蛍光体の存在しない領域が形成されている。
【0020】
(12)上記(2)に記載の発光装置において、前記導光部は、前記外部領域側の蛍光体層を含む透明部材を有し、前記透明部材が前記外部領域側の蛍光体層の外側層面を覆い前記収容孔の開口側端面に配置されている。
【0021】
(13)上記(2)に記載の発光装置において、前記導光部は、前記蛍光体層を含む透明部材を有し、前記透明部材が前記蛍光体層の内側層面を覆い前記収容孔の開口側端面に配置されている。
【0022】
(14)上記(2),(12)又は(13)に記載の発光装置において、前記導光部は、前記実装部側に光反射部が配置されている。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、光取出効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置の外観を示す斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置を示す断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部の実装状態を示す断面図。
【図4】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部の回路パターンを説明するために模式化して示す下面図。(a)は表面パターンを、また(b)は裏面パターンをそれぞれ示す。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置の発光素子を示す断面図。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部から光を発した場合のその進行を説明するために模式化して示す平面図。(a)は本実施例を、また(b)及び(c)は比較例をそれぞれ示す。
【図7A】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部の製造方法を説明するために示す断面図。(a)は封止前ガラスの形成工程を、(b)は外部領域側の蛍光体層の形成工程を、(c)は素子搭載基板の形成工程を、また(d)素子側の蛍光体層の形成工程をそれぞれ示す。
【図7B】(e)〜(h)は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部の製造方法を説明するために示す断面図。(e)はLED素子の搭載工程を、(f)及び(g)はLED素子の封止工程を、また(h)は発光部集合体の切断工程をそれぞれ示す。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部の変形例を示す断面図。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部の他の配置例(1)を示す平面図。
【図10】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部の他の配置例(2)を示す平面図とB−B断面図とC−C断面図。(a)は平面図を、(b)はB−B断面図を、また(c)はC−C断面図をそれぞれ示す。
【図11】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部の他の配置例(3)を示す平面図とE−E断面図。(a)は平面図を、また(b)はE−E断面図をそれぞれ示す。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における発光部の他の配置例(4)を示す平面図。
【図13】(a)及び(b)は、図11の発光装置における実装基板を示す平面図と断面図。(a)は平面図を、また(b)は断面図をそれぞれ示す。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置に放熱機能を備えた場合について説明するために示す断面図。
【図15】(a)〜(c)は、図14の放熱パターン層を説明するために示す平面図。(a)及び(b)は放熱パターン層の形状を、また(c)は素子搭載基板をそれぞれ示す。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置における導光部の変形例を説明するために示す断面図。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係る発光装置を示す断面図。
【図18】(a)及び(b)は、本実施例及び他の実施例における図17のF−F断面図。(a)は本実施例を、また(b)は他の実施例をそれぞれ示す。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係る発光装置の変形例を示す断面図。
【図20】本発明の第3の実施の形態に係る発光装置を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置につき、図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
(発光装置の全体構成)
図1は発光装置の全体を示す。図1に示すように、発光装置1は、直線方向に等間隔をもって並列する複数の発光部2と、複数の発光部2の光を所定の方向に導く導光部3と、複数の発光部2を実装する実装部4から大略構成されている。
【0027】
(発光部2の構成)
図2は発光部の収容状態を示す。図3は発光部の実装状態を示す。図4(a)及び(b)は素子搭載基板の回路パターンを示す。図5は発光素子を示す。図6(a)〜(c)は発光素子からの光の進行パターン例を示す。図2及び図3に示すように、発光部2は、素子搭載基板20と、素子搭載基板20に搭載された発光素子としてのLED素子21と、LED素子21を封止する封止部材22と、LED素子21から発せられる光を受けて励起されることにより波長変換光を発する蛍光体層23とを有し、実装部4の実装面4aに実装されている。
【0028】
また、発光部2は、実装部4の実装面4aに対して垂直な光軸をもち、この光軸に対して略30°〜45°傾斜した方向で光強度が最大となる配光特性を有する。そして、発光部2は、電圧の印加によってLED素子21から青色光を発し、一部を蛍光体層23によって波長変換光としての黄色光に変換した後、青色光と黄色光との混合によって得られた白色光を青色光及び黄色光と共に封止部材22の側面22Bから封止部材22外に放射するように構成されている。
【0029】
素子搭載基板20は、熱膨張率を例えば7×10−6/℃とする酸化アルミニウム(Al2O3)のセラミックス材料からなる平面略正方形状の板部材によって形成されている。素子搭載基板20の材料としては、Al2O3の他に、シリコン(Si)や窒化アルミニウム(AlN)あるいは白色樹脂が用いられる。素子搭載基板20の厚さは例えば約0.25mmに、また一辺が例えば約0.7mmにそれぞれ設定されている。
【0030】
素子搭載基板20の素子搭載面(表面)20aには、図3及び図4に示すように、LED素子21のp側パッド電極210a(後述)に接続する表面パターン200、及びn側電極211(後述)に接続する表面パターン201が設けられている。素子搭載基板20の実装側面(裏面)20bには、LED素子21に対して電源電圧を供給するための裏面パターン202,203が設けられている。
【0031】
表面パターン200と裏面パターン202とは素子搭載基板20を貫通するビアホール204内に充填されたビアパターン205により、また表面パターン201と裏面パターン203とは素子搭載基板20を貫通するビアホール206内に充填されたビアパターン207によりそれぞれ電気的に接続されている。表面パターン200及び裏面パターン202はビアパターン205に、また表面パターン201及び裏面パターン203はビアパターン207にそれぞれ例えばタングステン(W),モリブデン(Mo)等の高融点金属によって一体に形成されている。
【0032】
なお、表面パターン200,201及び裏面パターン202,203の表面には、ニッケル(Ni),アルミニウム(Al),白金(Pt),チタン(Ti),金(Au),銀(Ag),銅(Cu)などの材料による単数又は複数の金属層あるいは半田材料による金属層が必要に応じて形成される。
【0033】
図4及び図5に示すように、LED素子21は、p側電極210及びn側電極211を有し、p側電極210(p側パッド電極210a)を表面パターン200に、またn側電極211を表面パターン201にそれぞれバンプ212を介してフリップチップ接続することにより素子搭載基板20における素子搭載面20aの略中央部に搭載されている。LED素子21としては、熱膨張率を例えば7×10−6/℃とする平面略正方形状の青色LED素子が用いられる。LED素子21の厚さは例えば約0.1mmに、また一辺は例えば約0.34mmにそれぞれ設定されている。
【0034】
そして、LED素子21は、サファイア(Al2O3)からなる基板213の表面にIII族窒化物系半導体を例えば700℃の温度でエピタキシャル成長させることにより、バッファ層214,n型半導体層215,発光層としてのMQW(Multiple Quantum Well:重量子井戸)層216,及びp型半導体層217が順次形成され、発光面218からピーク発光波長が例えば460nm〜463nmである青色光を発するように構成されている。LED素子21は、その耐熱温度は600℃以上であり、後述する低融点のガラスを用いた素子封止加工における加工温度に対して安定である。
【0035】
p側電極210は、p側パッド電極210aを有し、p型半導体層217の裏面に設けられている。n側電極211は、p型半導体層217からMQW層216及びn型半導体層215にわたってその一部にエッチング処理を施すことにより露出した部位(n型半導体層215)に設けられている。p側電極210の材料としては例えばITO(Indium Tin Oxide)等の酸化物からなる透明導電性材が、またp側パッド電極210a及びn側電極211の材料としては例えばNi/Au,Al等の金属がそれぞれ用いられる。
【0036】
封止部材22は、平面(端面22A)を略正方形とするとともに、側面を長方形とする直方体状の透明ガラスからなり、各側面22Bが素子搭載基板20の側面と同一面上に配置され、かつ素子搭載基板20の素子搭載面20aに熱融着されている。封止部材22の厚さは例えば0.6mmに、また一辺は0.7mmに設定されている。
【0037】
封止部材22の材料としては、ゾルゲル反応を利用して形成されたガラスと異なり、例えば屈折率nをn=1.7とするZnO−B2O3−SiO2系熱融着ガラスが用いられる。熱融着ガラスとしては例えば屈折率が1.7のZnO−B2O3−SiO2−Nb2O5−Na2O−Li2O系でもよい。熱融着ガラスの組成は、Li2OあるいはNa2Oの成分を含有しない組成でもよく、ZrO2,TiO2の成分を含有する組成でもよい。
【0038】
また、封止部材22の材料としては、例えば熱膨張率を6×10−6/℃とし、素子搭載基板20及びLED素子21の熱膨張率の2倍よりも小さい熱膨張率をもつ材料であることが望ましい。これは、封止部材22の熱膨張率が素子搭載基板20及びLED素子21の熱膨張率の2倍を超えると、封止部材22の剥離,クラック等が生じ易くなることから、封止部材22の熱膨張率を素子搭載基板20及びLED素子21の熱膨張率の2倍よりも小さくし、封止部材22の剥離,クラック等の発生を抑制するためである。
【0039】
上記した封止部材22は、素子搭載基板20と平行な平面を略正方形とする場合について説明したが、LED素子から封止部材界面へ至る光が全反射を生じない屈折率や形状とすることが望ましく、四角形以上の多角形である平面六角形,平面五角形あるいは平面円形とすることが望ましい。これは、図6(a)に示す平面六角形状の封止部材22である場合、及び図6(b)に示す平面五角形状の封止部材22である場合に、図6(c)に示す平面正方形状の封止部材22である場合と比べて封止部材22の内部で反射される光の割合が低くなり、LED素子21の光を封止部材22から効率よく出射させることができるからである。
【0040】
この場合、図6(a)及び(b)に示すように、封止部材22の端面(熱融着側端面と反対側の端面)22Aが六角形,五角形であると、その頂面付近に進んだ光の入射角α,βの最大値が端面22Aを四角形とする場合と比べて小さくなる。(a)の正六角形では、LED素子から封止部材界面への入射角は30°以内となる。封止部材の屈折率が2.0のときの空気への臨界角が30°であり、封止部材の屈折率が2.0未満であれば素子搭載基板20と平行な面方向では閉込モード光を生じないものとできる。(b)は右半分が正六角形、左半分が正方形の五角形であり、この形状では右半分は(a)と同じで、LED素子から左方向へ反射された光は一部が全反射し、右方向へ外部反射される。これは、特定の方向の導光部の照度を高めた場合や図11のように導光部の端部に発光部を備える場合に適する。これに対して、図6(c)に示すように、封止部材22の端面22Aが正方形であると、屈折率が1.5のとき空気の臨界角が45°となるので、封止部材の屈折率がこれ以上のときには、その頂点に近い方向に進んだ光は側面22Bで内部反射する割合が高く、側面22Bで内部反射した光はさらに別の側面22Bで内部反射し、蛍光体や素子搭載基板20で散乱反射しなければ外部へ放出されない閉込モード光となり、封止部材22の外部に出射するまでに内部で複数回の反射を繰り返すことがある。
【0041】
蛍光体層23は、図3に示すように、外部領域側の蛍光体層230及び素子側の蛍光体層231を有し、LED素子21から発せられる光の波長を変換する蛍光体を含有する。蛍光体としては、例えばYAG(Yttrium Aluminum Garnet)蛍光体,珪酸塩蛍光体,窒化物蛍光体あるいは硫化物蛍光体等を用いることができる。本実施の形態では、LED素子21が青色光を発し、この青色光によって励起された蛍光体層23の蛍光体が黄色光を発し、これら青色光と黄色光との混色によって白色光を得ている。
【0042】
なお、紫外光を発するLED素子と、紫外光によって励起される赤色蛍光体,緑色蛍光体,及び青色蛍光体との組み合わせにより白色光を得るようにしてもよい。
【0043】
外部領域側の蛍光体層230は、封止部材22の外部であって、LED素子21の発光面218(図5に示す)に対向する面内に配置され、かつ封止部材22の端面22Aに例えばSiO2系のコーティング材料に分散し、このコーティング材料によってガラスに接着されている。そして、外部領域側の蛍光体層230は、封止部材22の外部領域側でLED素子21の青色光を受けて励起されることにより黄色光を発し、封止部材22内に放射するように構成されている。外部領域側の蛍光体層230において、LED素子21からの光をできるだけ反射するには、その母材として封止部材22の屈折率よりも小さい屈折率をもつ材料であることが望ましい。一方、反射させずにLED素子21の光の蛍光体層230への到達の確率を高めるために、封止部材22の屈折率よりも小さい屈折率のSiO2系のコーティング材料に代えて例えば封止部材22と同等の屈折率のAl2O3系,封止部材22よりも大きな屈折率のTiO2系のコーティング材料を用いてもよい。
【0044】
素子側の蛍光体層231は、素子搭載基板20の素子搭載側領域であって、素子搭載部(バンプ212の形成領域)を除く領域を素子搭載基板20の素子搭載面20a上で覆う位置に配置され、かつ素子搭載基板20の素子搭載面20aに例えばスクリーン印刷等によって形成されている。そして、素子側の蛍光体層231は、素子側でLED素子21の青色光を受けて励起されることにより黄色光を発し、封止部材22内に放射するように構成されている。
【0045】
次に、本実施の形態に示す発光部2を製造する方法につき、図7A(a)〜(d)及び図7B(e)〜(h)を用いて説明する。図7A(a)〜(d)及び図7B(e)〜(h)は発光部の製造手順を示す。
【0046】
本実施の形態に示す発光部2の製造方法は、「封止前ガラスの形成」,「外部領域側の蛍光体層の形成」,「素子搭載基板の形成」,「素子側の蛍光体層の接着」,「LDE素子の搭載」,「LED素子の封止」及び「発光部集合体の切断」の各工程が順次実施されるため、これら各工程を順次説明する。なお、本製造方法は一例であり、各工程の順序についても適宜変更することが可能である。
【0047】
「封止前ガラスの形成」
先ず、封止部材22(図3に示す)となるガラスの成分である酸化物粉末を1200℃に加熱して溶融し、この溶融状態で攪拌する。次いで、溶融状態の酸化物粉末を固化する。しかる後、図7A(a)に示すように、封止部材22の厚さに対応する厚さに切断して封止前ガラス220を形成してから、LED素子21(図2に示す)のサイズに対応する空間サイズをもつ凹部220aを封止前ガラス220に形成する。
【0048】
「外部領域側の蛍光体層の形成」
図7A(b)に示すように、封止前ガラス220の端面220b(凹部220a側の端面と反対側の端面)全体に蛍光体を分散させたSiO2系のコーティング材料によって外部領域側の蛍光体層230を形成する。蛍光体層230のコーティング材料としては、SiO2系のコーティング材料に代えてセルロース系の材料を用いてもよい。セルロースは高温で分解し消失するため、蛍光体層は母材なしで形成されることとなり、蛍光体粒子の凹凸が露出することになり、蛍光体からの外部反射がされやすくなる。本発明のように導光部の側面入射面への光照射効率が高い方がいい場合は、発光部の側面からの放射が多い、あるいは導光部の側面の入射方向へ光放射されやすいよう、蛍光体粒子はコーティング材料内に埋っている方が望ましい。
【0049】
「素子搭載基板の形成」
図7A(c)に示すように、ホール付き基板用素材20Aに回路パターン(表面パターン200・201,裏面パターン202・203及びビアパターン205・207)を形成して素子搭載基板20(図2に示す)となる基板集合体20Bを形成する。回路パターンの形成は、ホール付き基板用素材20Aにペースト状の金属をスクリーン印刷し、これらに所定の温度(例えば1000℃以上)で熱処理することによりペースト状の金属を焼き付けた後、この金属に他の金属によるめっき処理を施すことにより行われる。
【0050】
「素子側の蛍光体層の形成」
図7A(d)に示すように、LED素子21の素子搭載部を除き、スクリーン印刷等を用いて基板集合体20Bの素子搭載面に素子側の蛍光体層231を形成する。
【0051】
「LED素子の搭載」
図7B(e)に示すように、基板集合体20Bの各素子搭載部にLED素子21をバンプ212によって搭載する。この場合、p側パッド電極210aが表面パターン200に、またn側電極211が表面パターン201にそれぞれバンプ212を介してフリップチップ接続される。
【0052】
「LED素子の封止」
先ず、図7B(f)に示すように、LED素子21が搭載された基板集合体20Bを下側金型Aに配置する。次いで、図7B(g)に示すように、LED素子21に凹部220aを対向させて封止前ガラス220を上側金型Bと下側金型Aとの間に配置する。しかる後、窒素雰囲気中において所定の温度条件下で型閉めを実行して封止前ガラス220を加圧・加熱する。この場合、例えば加熱温度が600℃に、また加圧力が25kgf/cm2にそれぞれ設定される。これにより、LED素子21が封止部材22で封止された発光部集合体(図示せず)が形成される。
【0053】
「発光部集合体の切断」
型開き後にダイシング装置(図示せず)内に発光部集合体を配置してダイシングブレード(図示せず)で切断し、図7B(h)に示すように素子搭載基板20の素子搭載面20a上で封止部材22によってLED素子21が封止された複数の発光部2に分割する。
【0054】
(導光部3の構成)
図2に示すように、導光部3は、複数の収容孔3aを有し、全体が例えばアクリル樹脂等の透明材料からなる矩形板によって形成されている。そして、導光部3は、複数の収容孔3aにおける内面30aから入射した光(青色成分の多い光、黄色成分の多い光及び白色光)を一方側端面3b及び他方側端面3cで反射させ、これら光の混合を促進させるように構成されている。
【0055】
複数の収容孔3aは、直線方向(LED素子21の並列方向)に所定の間隔をもって並列し、導光部3の片側側縁に配置されている。また、複数の収容孔3aは、導光部3の一方側端面3bから他方側端面3cに開口する例えば深さ3mm,内径2mmの円形開口をもつ貫通孔によって形成されている。そして、複数の収容孔3aは、その内面30aが発光部2からの入射光を導光部3の一方側端面3b又は他方側端面3cに接近する方向に導光部3内で屈折させるように構成されている。複数の収容孔3a内には、それぞれ発光部2がその光軸を軸線Lに一致させて収容されている。
【0056】
ここで、導光部3の収容孔3aと発光部2との関係について説明する。発光部2は、前述したように、その光軸を導光部3の厚さ方向に平行な収容孔3aの軸線Lに一致させ、全体(高さ0.85mm,縦横サイズ1.0mm角)が収容孔3a(直径2mm,深さ3mm)内に収容され、かつ実装部4の実装面4a(基板本体40)に実装されている。
【0057】
これにより、発光部2の端面22Aの中心部に対する収容孔3aの内面30aの立体角の割合は、上側半球の2πsteradianに対して90%(5.65steradian)となる。そして、発光部2の側面22Bの中心部に対する収容孔3aの内面30aの立体角の割合(側面22Bの半球の上側のπsteradianが対象)は、発光部2の端面22Aの中心部に対する収容孔3aの内面30aの立体角の割合よりも大きくなるため、発光部2全体としてみれば、立体角の割合は少なくとも90%以上であるといえる。また、発光部2の光強度が最大となる方向は約45°であるが、この方向に収容孔3aの内面30aが存在することとなる。
【0058】
このような関係を導光部3(収容孔3a)と発光部2との間にもつ発光装置1によれば、発光部2から発せられる光の少なくとも90%以上は収容孔3aの内面30aに入射する。この入射時には、入射光が導光部3の一方側端面3b及び他方側端面3cに対して平行に近づく方向へ屈折することから、収容孔3aの内面30aに対する入射光の殆どを導光部3内の伝搬光として利用することができる。導光部3の屈折率は1.41以上であると、臨界角を45°以下にできるので好ましい。すなわち、収容孔3aの軸線Lに略平行(内面30aの法線方向に対して略90°)で入射した光でも屈折し、内面30aの法線方向に対して略45°以内の光となる。そして、導光部3の一方側端面3b及び他方側端面3cは、内面30aに対して90°であるため、内面30aに対する入射光につき一方側端面3b及び他方側端面3cでは全反射の条件が成立することとなり、入射光の全てが導光部3内での伝搬光となる。
【0059】
これにより、発光部2の光軸が導光部3の厚さ方向に平行であるにもかかわらず、発光部2の端面22Aから発せられた光を導光部3内に導くための特殊な光学的制御部を発光装置1に備えることなく、導光部3内に光を的確に入射させて導光部3内での伝搬光とすることができるという、いわゆる技術常識に反した作用効果を得ることができる。
【0060】
従って、本実施の形態においては、上記光学的制御部を省略して部品点数を削減することができるとともに、発光装置1の製造を簡単に行うことができ、コストの低廉化を図ることができる。
【0061】
(実装部4の構成)
図2及び図3に示すように、実装部4は、基板本体40,絶縁層41,回路パターン層42a,42b及び白色レジスト層43を有し、複数の収容孔3aの片側開口部(端面3c側の開口部)を閉塞して発光部2の実装側に配置され、発光部2及び導光部3を実装する実装基板として機能するように構成されている。
【0062】
基板本体40は、実装部4のベースとして機能し、全体が例えばAl等の金属によって形成されている。これにより、実装部4の剛性が高められる。
【0063】
絶縁層41は、基板本体40と回路パターン層42a,42bとの間に介在して配置され、全体が例えばポリイミド樹脂,エポキシ樹脂等の絶縁材によって形成されている。
【0064】
回路パターン層42a,42bは、発光部2(素子搭載基板20の裏面パターン202,203)に電気的接続され、かつ絶縁層41上に配置され、例えばAuめっき処理が表面に施された銅等の金属によって形成されている。一方の回路パターン層42aは裏面パターン202に、また他方の回路パターン層42bは裏面パターン203にそれぞれ接続されている。
【0065】
白色レジスト層43は、回路パターン層42a,42bに配置され、全体が例えば酸化チタンのフィラーを混入してなるエポキシ樹脂によって形成されている。これにより、実装部4の反射率が高められる。
【0066】
このように構成された発光装置1においては、LED素子21に電圧が印加されると、LED素子21から青色光が発せられる。
【0067】
そして、LED素子21から発せられた青色光は、一部が外部領域側の蛍光体層230及び素子側の蛍光体層231により黄色光に変換された後、これら青色光,黄色光及びこれら光の混色によって得られた白色光が封止部材22の側面22Bを通じて導光部3の収容孔3a内に放射される。
【0068】
この場合、収容孔3a内に放射される光には、LED素子21から発せられる光の一部を外部領域側の蛍光体層230で散乱反射した後、封止部材22の側面22Bを通じて端面22Aよりも下方に向かって導光部3の収容孔3a内を進む光aと、LED素子21からの光の一部を外部領域側の蛍光体層230で散乱反射し、さらに素子側の蛍光体層231で散乱反射した後、封止部材22の側面22Bを通じて端面22Aよりも上方に向かって導光部3の収容孔3a内に進む光bと、LED素子21からの光の一部を外部領域側の蛍光体層230及び素子側の蛍光体層231で散乱反射せず、導光部3の収容孔3a内に進む光c等とが含まれる。このため、LED素子21から発せられる多くの光が収容孔3a内に放射される。
【0069】
この後、発光部2(封止部材22)からの放射光が収容孔3aの内面30aに入射すると、この内面30a(収容孔3aの空間と導光部3との界面)で屈折して導光部3の一方側端面3b又は他方側端面3cに接近する方向に導光部3内を進む。この屈折光が導光部3の一方側端面3b及び他方側端面3cで繰り返して反射されながら導光部3内を収容孔3aの径方向に伝搬する。
【0070】
この場合、導光部3において、収容孔3aの内面30aに入射した光のうち青色成分の多い光及び黄色成分の多い光が一方側端面3bと他方側端面3cとで繰り返して反射されるため、これら光の混合が促進される。また、屈折光の反射は、導光部3において収容孔3aの近傍から離間する部位のみならず、収容孔3aの近傍の部位でも行われる。このため、導光部3の一方側端面3b及び他方側端面3cにおいては色度及び輝度にむらが生じることはない。
【0071】
従って、本実施の形態においては、発光部2から放射される光が導光部3内を全体にわたって伝搬し、均一な色度及び輝度による面発光が実現される。
【0072】
なお、本実施の形態においては、封止部材22内に蛍光体を含有しない発光部2である場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、図8(変形例)に示すように封止部材22内に蛍光体23aを分散して含有する発光部2であってもよい。この変形例においては、外部領域側の蛍光体層230及び素子側の蛍光体層231を備えているため、従来の発光装置の蛍光体層における蛍光体の容積濃度に比べて蛍光体23aの容積濃度を低くしても、LED素子21,外部領域側の蛍光体層230及び素子側の蛍光体層231からの光を蛍光体23aで散乱反射して封止部材22外に放射し、全体として光取出効率を高めることができる。また、蛍光体層は外部領域側、素子搭載基板上の素子側に備えるものとして説明したが、素子側の蛍光体層を備えないものとしてもよい。
【0073】
次に、本実施の形態に示す発光装置1における発光部2の配置例(1)〜(4)につき、図9〜図13を用いて説明する。図9は配置例(1)を、図10(a)〜(c)は配置例(2)を、図11(a)及び(b)は配置例(3)を、また図12及び図13(a)及び(b)は配置例(4)をそれぞれ示す。なお、図9〜図13において、図1〜図5と同一又は同等の部材については同一の符号を付す。
(1)図9に示すように、発光装置1は、複数の発光部2が導光部3の両側縁に配置されている。導光部3の両側縁には、直線方向に等間隔をもって並列し、かつ複数の発光部2をそれぞれ収容する複数の収容孔3aが設けられている。
(2)図10(a)〜(c)に示すように、発光装置1は、発光部2,導光部3及び実装部4の他にケース部5を備えている。
【0074】
導光部3は、その幅方向中央部に長手方向に沿って並列する複数の収容孔3aを有する単一の導光板からなり、ケース部5内に収容されている。導光部3には、一方側面(実装部4側の面)が実装部4に対向して発光部2からの熱を吸収する熱吸収面30として、また他方側面(実装部4側の面と反対側の面)が収容孔3aの内面30aから入射した熱を放散する熱放散面31としてそれぞれ形成されている。
【0075】
実装部4は、幅寸法が導光部3の幅寸法よりも小さい寸法に、また長さ寸法が導光部3の長さ寸法に対応する寸法にそれぞれ設定されている。そして、実装部4は、収容孔3aの素子実装側開口部を閉塞してケース部5の凹部5c内に収容されている。
【0076】
ケース部5は、底部5a,側壁部5b及び凹部5cを有し、全体が例えばAl等の金属又は合成樹脂によって形成されている。この場合、ケース部5の材料としては、放熱性や軽量性を考慮して例えばAlを用いることが望ましい。
【0077】
なお、上記配置例では、導光部3が単一の導光板からなる場合について説明したが、これに限定されず、一対の導光板を互いに突き合わせてなる導光部であってもよい。この場合、導光部における収容孔の形成は、一対の導光板にそれぞれ凹部を設け、これら両凹部を突き合わせて行われる。
(3)図11(a)及び(b)に示すように、発光装置1は、発光部2,導光部3及び実装部4の他にケース部6を備えている。
【0078】
導光部3は、その両側縁に沿って並列する複数の収容孔3aを有する単一の導光板からなり、ケース部6内に収容されている。収容孔3aは、導光部3の側縁を切り欠くことにより、半円と矩形との組み合わせによる開口面をもつ凹部で形成されている。導光部3には、一方側面(実装部4側の面)が実装部4の実装面に対向して発光部2からの熱を吸収する熱吸収面30として、また他方側面(実装部4側の面と反対側の面)が収容孔3aの内面30aから入射した発光部2の熱を外部に放散する熱放散面31としてそれぞれ形成されている。
【0079】
ケース部6は、底部6a及び側壁部6bを有し、全体が例えば100W/m・K以上の熱伝導率をもつAl合金からなる高熱伝導材料によって形成されている。
(4)図12に示すように、発光装置1は、平面縦横方向に等間隔をもって並列する複数の収容孔3aを有する導光部3を備えている。
【0080】
導光部3は、複数の収容孔3aが略正方形状の開口面をもつ貫通孔によって形成されている。具体的には、複数の収容孔3aは、その角部内面が所定の曲率をもつ曲率面で形成されている。
【0081】
実装部4は、図13(a)及び(b)に示すように、回路パターン層42が熱伝導率100W/(m・k)を超える高熱伝導部材のアルミニウムからできている基板本体40の略全面にわたって形成されている。回路パターン層42の形成は、例えば基板本体40の平面サイズと略同一の平面サイズをもつ銅箔(厚さ70μm)に格子状の抜き部を形成することにより行われる。これにより、発光部2で発せられる熱は、回路パターン層42によって拡散され、絶縁層41を介して基板本体40の略全域に伝達される。このため、絶縁層41の熱抵抗を大幅に低減し、発光部2(図12に示す)の温度上昇を抑制することができる。図12(a)において、発光部2はその搭載位置を斜線Cで示し、また白色レジスト層43の図示を省略する。
【0082】
これによって、図11及び図13において、発光部2が発した熱は基板本体40の全体に拡がり、基板本体40の熱の局在を防いで外部への放熱を促進することができる。この際、導光部3に沿った本体基板40が放熱機能を持ちながら、面状の発光装置1のデザイン性を損なう程度に厚くなるような形状の影響が生じないようにすることができる。また、導光部3の少なくとも一側面部近傍の裏面部に側面部と平行な軸線をもつ円柱状の貫通孔または凹部からなる入射部を複数列設し、これら入射部に発光部2を配置すると、発光部2が局在することとなり、十分な放熱対策を行わない場合に、熱の局在により導光部3が撓むという問題点がある。これに対し、本実施形態の発光装置1では、発光部2が分散配置されていることと、各発光部2の熱を面状の基板本体40に分散して大きな面積から外部放熱が可能となるので、熱による導光部3の撓みを抑制することができる。
【0083】
次に、本実施の形態に示す発光装置1に放熱機能を備えた他の例につき、図14及び図15(a)〜(c)を用いて説明する。図14は発光装置を、図15(a)〜(c)は放熱パターン層,素子搭載基板をそれぞれ示す。図14及び図15(a)〜(c)において、図1〜図5と同一又は同等の部材については同一の符号を付す。
【0084】
図14に示すように、発光装置1は、等間隔をもって並列する複数(本実施の形態では3個)のLED素子21、及び放熱パターン層208を実装側面20bに形成してなる素子搭載基板20を有する複数の発光部2を備えている。複数の発光部2のうち4個の発光部2が回路パターン層42c(図15(a)に示す)によって直列接続されている。
【0085】
また、発光装置1は、図15(a)〜(c)に示すように、発光部2の放熱パターン層208に対向する放熱パターン層44を有する実装部4(図14に示す)を備えている。
【0086】
図15(a)に示すように、放熱パターン層44は、その中央部に位置するパターン基部44a、及びパターン基部44aを介して並列する一対のパターン延出部44b,44cを有し、回路パターン層42a〜42cと電気的に絶縁されている。
【0087】
図15(b)に示すように、放熱パターン層44の幅は、パターン基部44aが最も小さい寸法に、またパターン延出部44b,44cがパターン基部44aよりも大きい寸法にそれぞれ設定されている。
【0088】
放熱パターン層44におけるパターン基部44aの長手方向の幅L11は、放熱パターン層208(図15(c)に示す)の長手方向の幅L12に対応する幅である。本実施の形態では、幅L11と幅L12とが同一の寸法に設定されている。
【0089】
放熱パターン層44における露出部の短手方向(長手方向と垂直な方向)の幅L21は、放熱パターン層208における短手方向の幅L22(図15(c)に示す)に対応する幅である。本実施の形態では、幅L21と幅L22とが同一の寸法に設定されている。
【0090】
図15(c)に示すように、発光部2の放熱パターン層208は、LED素子21の搭載領域に対応する実装側面(素子非搭載面)20b側の領域を少なくとも一部を含む部位に形成されている。
【0091】
[第1の実施の形態の効果]
以上説明した第1の実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
【0092】
(1)外部領域側の蛍光体層230及び素子側の蛍光体層231によってLED素子21から発せられる多くの光が収容孔3a内に放射され、光取出効率を高めることができる。
【0093】
(2)封止部材22内に蛍光体を均一分散させない場合には特殊な製造が不要となり、コストの低廉化を図ることができる。
【0094】
(3)発光装置1から発する光の発光位置やこの位置から離れた位置で色むらがあった場合でも、導光部3内にて光が混合されることにより、色むらを解消することができる。
【0095】
(4)常識では、発光部は、光出射エリアを狭くする、導光部への入射角範囲を狭くするための光学系を用いて、導光部との結合を図る。しかし、本実施形態では、発光部2は量産のため、LED素子21がその中心軸に沿った側面に取り囲まれた形状とされ、光出射エリアを狭める光学系を備えていない。なお、反射枠は高反射率部材を選択されるものの完全に光吸収のないものでない限り、光学損出が生じるので、本実施形態の発光部では高効率化、さらに小型化の効果もある。また、本実施形態の発光部2では、LED素子21の中心軸に沿った側面に取り囲まれた形状で、LED素子21から発し、この側面に至った光は、LED素子21の中心軸方向に近づく方向に屈折する。そして、LED素子21から発する光の光量うち、LED素子21の中心軸に対し大きな角度方向へ放射される光量は、この方向の立体角が大きいため、LED素子21の配光特性にもよるが、例えば全光量に対し50%以上の大きな割合がある。すなわち、導光部3への入射角は、むしろ広がる角度となる。しかも、封止部材22の屈折率はLED素子21からの光取出しを促進するため、シリコーン樹脂(屈折率:1.4〜1.5程度)やエポキシ樹脂(1.5〜1.6程度)よりも屈折率の大きい、屈折率1.6以上の部材を選択できる。この際、LED素子21の中心軸方向に近づく方向に屈折する程度は、さらに大きいものとなる。また、LED素子21から発し、蛍光体で励起される光や散乱する光のうち、側面に至る光も同様にLED素子21の中心軸方向に近づく方向に屈折する。にもかかわらず、導光部3の厚さ方向に平行な軸線をもつ収容孔3aを形成した導光部3と本実施の形態の発光部2とを組み合わせ、導光部3への入射面となる収容孔3aでの入射時の屈折と、導光部3の入射面とは直交する面となる導光部3の上下面(一方側端面3b,他方側端面3c)での全反射が生じる屈折率の導光部3により、発光部2と導光部3とを高効率で結合でき、かつ部品点数の削減および簡単な製造が可能となる。
【0096】
図2において、導光部3の他方側端面3cに対する収容孔3aの内面30aの角度をαとし、導光部3の屈折率をn1としたとき、
90°−sin−1[{sin(90°−α)}/n1]+α≧sin−1(1/n1)
…(1)
の式を満たすようにすると、導光部3の厚さ方向へ進む光につき、内面30aから導光部3内へ入射した全ての光が導光部3内の伝搬光となる。本実施形態においては、α=90°でありn1=1.5であることから、上記式(1)の条件を満たす。
【0097】
これに加え、
α≦90°−2×sin−1[sin{(90°−α)/n1}]…(2)
の式を満たすようにすると、導光部3の内面30aに沿って進む光につき、内面30aから導光部3内へ入射した全ての光が導光部3内の伝搬光となる。本実施形態においては、α1=90°でありn1=1.5であることから、上記式(2)の条件を満たす。
【0098】
(5)本実施の形態においては、導光板部3の両面に特に加工を施していないが、必要に応じて任意の加工を施してもよいことは勿論である。例えば、導光部3の少なくとも一方の面に反射加工を施してよい。発光装置1では、他方側端面3cに円形状の複数の反射部を形成し、導光部2内の光が反射部にて反射して一方側端面3bから取り出されるようにする。この場合、各反射部を発光部2と近いほど小さくし遠ざかるほど大きくすると、一方側端面3bから取り出される光の量を発光部2からの距離にかかわらず均一とすることができる。
【0099】
この場合、反射部は、スクリーン印刷,インクジェット印刷,レーザー加工,金型を利用した熱転写等により形成することができる。特に、インクジェット印刷,レーザー加工等の場合、スクリーン印刷等で用いる版が不要となり、例えば実際に製造された発光装置の発光特性に応じて反射部の加工を行うことができる。さらに、インクジェット印刷の場合、ノズルを導光部3上に全面的に配置することにより、広範囲の加工を同時に行うことができ、作業性に優れるという利点がある。
【0100】
また、本実施の形態においては、導光部3が平板状に形成されたものを示したが、収容孔3aから入射した光を導くものであれば、導光部3の形状を適宜変更してもよいことは勿論である。例えば、図16に示すように、他方側端面3cを発光部3から遠ざかるにつれて一方側端面3bと近接するように湾曲して形成してもよい。この発光装置1によっても、一方側端面3bから取り出される光の均一化を図ることができる。また、発光部2は光学系を備えず小型であるため、多くの発光部2を密に配列して、高輝度の導光部3とすることができる。一方、各発光部3の間隔を比較的広くして配列した場合も、面方向360ーに光が放射されるため、各発光部3の間の輝度の低下を防止できる。さらに、隣接する収容孔3aの間隔が広くなって導光部3の本体部分の領域が大きくなるため、図16で発光部2の光の左側に出射された光を発光部2の右側へ伝えやすくすることができる。
【0101】
(6)本実施の形態においては、LED素子21をガラスにより封止した発光部2を示したが、LED素子21が素子搭載基板20に対してフリップチップ接続であり、平面視にて封止部材22の枠部分が存在しない発光装置であれば、封止部材22を変更しても差し支えない。
【0102】
発光部2は、封止部材が熱融着ガラスであるため、柱状形状とし高さ方向の形成が容易である。封止部材22と素子搭載基板20とは熱膨張率が同等であり、かつ接合力が大きいので、これら両部材の接合面積を小さくすることができる。そして、封止部材22は、側面放射面を含む直方体形状としてあるので、側面22Bの合計面積を端面22Aに対して2倍以上、好ましくは4倍以上とすることによって、横方向の配光を広くすることができ導光部への光結合効率を高めることができるので望ましい。なお、例えば、LED素子21をシリコーン樹脂,エポキシ樹脂等の封止部材22で封止してもよい。
【0103】
また、例えばLED素子21を所定厚さの無機ペーストで封止してもよい。無機ペーストとしては、例えばSiO2系,Al2O3系,TiO2系等の材料を用いることができる。
【0104】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2実施の形態に係る発光装置につき、図17及び図18を用いて説明する。図17は発光装置を示す。図18(a)及び(b)は蛍光体層におけるパターン例を示す。図19は変形例を示す。図17〜図19において、図1〜図5と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0105】
図17に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る発光装置100は、LED素子21と外部領域側の蛍光体層230との間に介在する内部領域側の蛍光体層102を有する発光部101を備えた点に特徴がある。
【0106】
このため、発光部101は、光軸方向に隣接する第1の封止部材103aと第2の封止部材103bとを一体化してなる封止部材103を有し、封止部材103内に内部領域側の蛍光体層102が配置されている。
【0107】
第1の封止部材103aは封止部材103の一方側(LED素子21に近い側)に、また第2の封止部材103bは封止部材103の他方側(LED素子21から遠い側)にそれぞれ配置されている。
【0108】
第1の封止部材103aと第2の封止部材103bとの一体化は、例えばホットプレス加工等を用いて行われる。すなわち、第1の封止前ガラスを素子搭載基板20にホットプレス加工で接合して第1の封止部材103aを形成した後、この第1の封止部材103aに第2の封止前ガラスをホットプレス加工で接合して第2の封止部材103bを形成することにより行われる。この場合、第1の封止前ガラスには例えばスクリーン印刷によって内部領域側の蛍光体層102が、第2の封止前ガラスには外部領域側の蛍光体層230が例えばSiO2系の接着剤等によって、また素子搭載基板20には例えばスクリーン印刷等によって素子側の蛍光体層231がそれぞれ予め形成されている。
【0109】
内部領域側の蛍光体層102は、LED素子21の発光面218(図5に示す)に対向する面(素子搭載基板20の素子搭載面20a)内に配置されている。例えば、図18(a)に示すように平面六角形状の蛍光体層102が、また図18(b)に示すようにドット状の封止部材(蛍光体のない微小エリア)103がそれぞれ素子搭載基板20(図17に示す)の面内で縦横方向に並列して配置されている。これにより、内部領域側の蛍光体層102には、蛍光体の存在しない領域が形成されるため、封止部材103の形成時に第1の封止前ガラスと第2の封止前ガラスとの接合度を高めることができる。また、LED素子21の光を内部領域側の蛍光体層102が外部領域側の蛍光体層230との間へ至らせ易くする効果もある。なお、内部領域側の蛍光体層102は、素子搭載基板20の素子搭載面20aに対向する面内で全体にわたって形成してもよい。
【0110】
このように構成された発光装置100においては、LED素子21から発せられる光の一部を内部領域側の蛍光体層102で散乱反射し、封止部材22の側面22Bを通じて内部領域側の蛍光体層102よりも下方に向かって導光部3の収容孔3a内を進む光と、LED素子21からの光の一部を外部領域側の蛍光体層230で散乱反射し、さらに内部領域側の蛍光体層231で散乱反射した後、封止部材22の側面22Bを通じて端面22Aよりも上方に向かって導光部3の収容孔3a内に進む光と、同じくLED素子21からの光の一部を内部領域側の蛍光体層102で散乱反射し、さらに素子側の蛍光体層231で散乱反射した後、封止部材22の側面22Bを通じて内部領域側の蛍光体層102よりも上方に向かって導光部3の収容孔3a内に進む光と、LED素子21からの光の一部を外部領域側の蛍光体層230,素子側の蛍光体層231及び内部領域側の蛍光体層102で散乱反射せず、導光部3の収容孔3a内に進む光等とが含まれる。このため、第1の実施の形態に示す発光装置1と比べてLED素子21から発せられる多くの光が収容孔3a内に放射される。
【0111】
[第2の実施の形態の効果]
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果と同様の効果が得られる。この場合、外部領域側の蛍光体層230,素子側の蛍光体層231及び内部領域側の蛍光体層102による散乱反射によってLED素子21から発せられる光が収容孔3a内に放射されるため、光取出効率を効果的に高めることができる。特に、内部領域側の蛍光体層231と外部領域側の蛍光体層230との間では、光吸収損失の要因となるLED素子21や素子搭載基板20へ至るその厚さ方向(上下方向)の光は、各蛍光体層で散乱光となり、光の上下方向成分が減じられ、光の横方向成分が増すことになり、このためLED素子21や素子搭載基板20で吸収される光が減じられ、封止部材22の側面22Bからの光の外部への放射が促進される。これにより、光取出効率が高められる。また、蛍光体形成面積が広い場合にも蛍光体形成エリア内で封止部材103aと103bとの接合がなされるので、蛍光体層の浮きが生じることを防ぐことができる。尚、素子側の蛍光体層にも、蛍光体の存在しない領域を形成して、封止部材と素子搭載基板との接合強度を高めてもよい。
【0112】
なお、本実施の形態においては、第2の封止部材103bに外部領域側の蛍光体層230が形成されている場合について説明したが、本発明これに限定されず、図19に示すように第2の封止部材103bに外部領域側の蛍光体層230のさらに上へ例えばTiO2等の微粒子を分散させたSiO2系のコーティング材料薄膜層104を形成してもよい。この場合、薄膜層104の母材となるコーティング材料は屈折率が比較的小さいため、全反射を生じさせ易く、また全反射が生ぜずコーティング材料内へ入射した光は屈折率が比較的高いTiO2の微粒子による拡散が生じるので、薄膜層104を透過し難く、外部領域側の蛍光体層230を透過した光を散乱させて薄膜層104の側方に放射することができる。つまり、薄膜層は反射層として機能する。そして、導光部への光結合効率を高めることができる。また、内部領域側の蛍光体層は、1層に限らず複数層備えたものでもよい。この際、複数層の蛍光体層は一体になったものでも、各層の間に封止部材があるものでもよい。
【0113】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3実施の形態に係る発光装置につき、図20を用いて説明する。図20は発光装置を示す。図20において、図1〜図5と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0114】
図20に示すように、本発明の第3の実施の形態に係る発光装置500は、発光部2,導光部3及び実装部4の他にカバー部7を備えている点に特徴がある。
【0115】
このため、カバー部7は、発光装置1の表面部を構成する例えばアクリル樹脂等の透明部材からなり、複数の収容孔3aの開口部を閉塞して導光部3の一方側端面3b(収容孔3aの開口側端面)に配置されている。そして、カバー部7は、外部領域側の蛍光体層230の外側層面230aを覆うように構成されている。
【0116】
カバー部7の裏面には、複数の収容孔3aに対応する位置で発光部2から発せられる光を受けて励起されることにより波長変換光を発するカバー側の蛍光体層70が形成されている。カバー側の蛍光体層70には、その発光色が外部領域側の蛍光体層230の発光色と異なる蛍光体が含有されている。これにより、発光装置500としての演色性を高めることができるとともに、外部領域側の蛍光体層230との間での光の吸収損失を低減することができる。また、LED素子21からの光が発光部2とは異なる部位(カバー側の蛍光体層70)から導光部3内に放射されるため、この光dが他の光a〜c等と導光部3内で混合され、発光装置500における色むらの発生を抑制することができる。
【0117】
このように構成された発光装置500においては、LED素子21から発せられる光の一部を発光部2から放射し、カバー側の蛍光体層70で散乱反射し、カバー側の蛍光体層70よりも下方に向かって導光部3に進む光が多く含まれる。このため、第1の実施の形態に示す発光装置1及び第2の実施の形態に示す発光装置100は、発光部の封止部材に蛍光体が均一分散され、封止部材上面に蛍光体層を有さないものに比べ、下方に向かって導光部3に進む光が多く含まれるが、さらに、第1の実施の形態に示す発光装置1及び第2の実施の形態に示す発光装置100と比べてLED素子21から発せられる多くの光が図20の下方向成分をもって導光部3における収容孔3aの内面30aから入射し、発光装置1近傍の導光部3の底面(実装部4側の面)に放射される。
【0118】
[第3の実施の形態の効果]
以上説明した第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果と同様の効果が得られる。この場合、外部領域側の蛍光体層230,素子側の蛍光体層231及び内部領域側の蛍光体層102によって、さらにはカバー側の蛍光体層70による散乱反射によってLED素子21から発せられる光が収容孔3a内に放射されるため、光取出効率を一層効果的に高めることができる。また、発光装置1近傍における導光部3の底面への放射光が増すため、照射光が乏しくなる傾向がある。この部位の輝度を高め、導光部3の発光輝度むらが生じることを防ぐことができる。
【0119】
なお、本実施の形態では、カバー部7の裏面にカバー側の蛍光体層70が、また封止部材22の外部露出面(端面22A)に外部領域側の蛍光体層230がそれぞれ形成されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、外部領域側の蛍光体層230及びカバー側の蛍光体層70のうちいずれか一方の蛍光体層が無くても差し支えない。この他、図19に示す発光部2において、カバー側の蛍光体層70に代えて発光部2から発せられる光を反射する白色反射層をカバー部7の裏面に形成してもよい。カバー部を備えたものに限らず、導光部の収納孔を塞ぐサイズの蛍光体シートを収納孔上部に備えるものでもよいし、導光部の収納孔が貫通孔ではなく、開口していないものとし、閉塞部に蛍光体層を形成してもよい。また、導光部の発光部収容孔の実装部側でない側に蛍光体層を設けた第3の実施の形態では、必ずしも、発光部に蛍光体層を有したものでなくてもよく、発光部の封止部材が蛍光体を均一分散したもの、あるいは蛍光体を含まないものであってもかまわない。カバー側の蛍光体層など、導光部の上面の蛍光体層によって、封止部材の蛍光体濃度を減じる、あるいは、蛍光体を含まないものとしても所定の色度とすることができ、光取出効率を向上させることができる。
【0120】
以上、本発明の発光装置を上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
【符号の説明】
【0121】
1…発光装置、2…発光部、20…素子搭載基板、20a…素子搭載面、20b…実装側面、200,201…表面パターン、202,203…裏面パターン、204…ビアホール、205…ビアパターン、206…ビアホール、207…ビアパターン、208…放熱パターン層、20A…ホール付き基板用素材、20B…基板集合体、21…LED素子、210…p側電極、210a…p側パッド電極、211…n側電極、212…バンプ、213…基板、214…バッファ層、215…n型半導体層、216…MQW層、217…p型半導体層、218…発光面、22…封止部材、22A…端面、22B…側面、220…封止前ガラス、220a…凹部、220b…端面、23…蛍光体層、23a…蛍光体、230a…外側層面、230…外部領域側の蛍光体層、231…素子側の蛍光体層、3…導光部、3a…収容孔、30a…内面、3b…一方側端面、3c…他方側端面、30…熱吸収面、31…熱放散面、4…実装部、4a…実装面、40…基板本体、41…絶縁層、42,42a,42b,42c…回路パターン層、43…白色レジスト層、44…放熱パターン層、44a…パターン基部、44b,44c…パターン延出部、5,6…ケース部、5a,6a…底部、5b,6b…側壁部、5c…凹部、7…カバー部、70…カバー側の蛍光体層、100…発光装置、101…発光部、102…蛍光体層、103…封止部材、103a…第1の封止部材、103b…第2の封止部材、104…薄膜層、500…発光装置、A…下側金型、B…上側金型、C…斜線、L…軸線、a,b,c,d…光
【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子搭載基板と、前記素子搭載基板に搭載された発光素子と、前記発光素子を封止する封止部材と、前記発光素子から発せられる光を受けて励起されることにより波長変換光を発する蛍光体層とを有する発光部を備え、
前記発光部は、前記蛍光体層が前記封止部材の外部であって、前記発光素子の発光面に対向する面内に外部領域側の蛍光体層として配置されている
発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光部と、
前記発光部を実装する実装部と、
前記発光部を収容する収容孔を有する導光部とを備え、
前記導光部は、その厚さ方向と略平行な領域を含む内面を前記収容孔が有するとともに、前記実装部側の端面から他方側の端面に向かって開口し、
前記発光部は、前記導光部の厚さ方向に平行な光軸を有し、前記素子搭載基板を前記実装部側に向けて配置され、前記収容孔の前記内面側に光を放射する
発光装置。
【請求項3】
前記導光部は、前記実装部側の端面に対する前記収容孔の前記内面の角度をαとし、屈折率をnとしたとき、
90°−sin−1[{sin(90°−α)}/n1]+α≧sin−1(1/n1)の式を満たす
請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記発光部は、前記外部領域側の蛍光体層の外側に光反射層が配置されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記発光部は、前記封止部材が光拡散性を有しない透明材料によって形成されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記発光部は前記封止部材が柱形状である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記発光部は、前記封止部材の側面の発光面積が前記封止部材の前記他方側の端面の面積の2倍以上である請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記発光部は、前記蛍光体層が前記外部領域側の蛍光体層を含む複数の蛍光体層を含む複数の蛍光体層からなり、前記複数の蛍光体層が互いに平行な層として配置されている請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項9】
前記発光部は、前記複数の蛍光体層に前記発光素子と前記外部領域側の蛍光体層との間に介在する内部領域側の蛍光体層が含まれている請求項7に記載の発光装置。
【請求項10】
前記発光部は、前記複数の蛍光体層に前記素子搭載基板に形成された素子側の蛍光体層が含まれている請求項8又は9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記発光部は、前記複数の蛍光体層のうち少なくとも1つの蛍光体層に蛍光体の存在しない領域が形成されている請求項8乃至10のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項12】
前記導光部は、前記外部領域側の蛍光体層を含む透明部材を有し、前記透明部材が前記外部領域側の蛍光体層の外側層面を覆い前記収容孔の開口側端面に配置されている請求項2に記載の発光装置。
【請求項13】
前記導光部は、前記蛍光体層を含む透明部材を有し、前記透明部材が前記蛍光体層の内側層面を覆い前記収容孔の開口側端面に配置されている請求項2に記載の発光装置。
【請求項14】
前記導光部は、前記実装部側に光反射部が配置されている請求項2,12又は13に記載の発光装置。
【請求項1】
素子搭載基板と、前記素子搭載基板に搭載された発光素子と、前記発光素子を封止する封止部材と、前記発光素子から発せられる光を受けて励起されることにより波長変換光を発する蛍光体層とを有する発光部を備え、
前記発光部は、前記蛍光体層が前記封止部材の外部であって、前記発光素子の発光面に対向する面内に外部領域側の蛍光体層として配置されている
発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光部と、
前記発光部を実装する実装部と、
前記発光部を収容する収容孔を有する導光部とを備え、
前記導光部は、その厚さ方向と略平行な領域を含む内面を前記収容孔が有するとともに、前記実装部側の端面から他方側の端面に向かって開口し、
前記発光部は、前記導光部の厚さ方向に平行な光軸を有し、前記素子搭載基板を前記実装部側に向けて配置され、前記収容孔の前記内面側に光を放射する
発光装置。
【請求項3】
前記導光部は、前記実装部側の端面に対する前記収容孔の前記内面の角度をαとし、屈折率をnとしたとき、
90°−sin−1[{sin(90°−α)}/n1]+α≧sin−1(1/n1)の式を満たす
請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記発光部は、前記外部領域側の蛍光体層の外側に光反射層が配置されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記発光部は、前記封止部材が光拡散性を有しない透明材料によって形成されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記発光部は前記封止部材が柱形状である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記発光部は、前記封止部材の側面の発光面積が前記封止部材の前記他方側の端面の面積の2倍以上である請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記発光部は、前記蛍光体層が前記外部領域側の蛍光体層を含む複数の蛍光体層を含む複数の蛍光体層からなり、前記複数の蛍光体層が互いに平行な層として配置されている請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項9】
前記発光部は、前記複数の蛍光体層に前記発光素子と前記外部領域側の蛍光体層との間に介在する内部領域側の蛍光体層が含まれている請求項7に記載の発光装置。
【請求項10】
前記発光部は、前記複数の蛍光体層に前記素子搭載基板に形成された素子側の蛍光体層が含まれている請求項8又は9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記発光部は、前記複数の蛍光体層のうち少なくとも1つの蛍光体層に蛍光体の存在しない領域が形成されている請求項8乃至10のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項12】
前記導光部は、前記外部領域側の蛍光体層を含む透明部材を有し、前記透明部材が前記外部領域側の蛍光体層の外側層面を覆い前記収容孔の開口側端面に配置されている請求項2に記載の発光装置。
【請求項13】
前記導光部は、前記蛍光体層を含む透明部材を有し、前記透明部材が前記蛍光体層の内側層面を覆い前記収容孔の開口側端面に配置されている請求項2に記載の発光装置。
【請求項14】
前記導光部は、前記実装部側に光反射部が配置されている請求項2,12又は13に記載の発光装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−12607(P2013−12607A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144760(P2011−144760)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】
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