説明

発振器

本発明は、共振器エレメントと、共振器エレメントの共振周波数を種々異なる値に調節する制御エレメントとを有する発振器に関し、ここでこの共振器エレメントは少なくとも1つの共振器から成る。この制御エレメントは、制御層として、音響波の伝播速度を制御するために共振器内に実現される。制御エレメントは、択一的にスイッチエレメントとして構成され、共振器マガジンないし共振器バンクとして構成された共振器エレメントの異なる部分分岐路のスイッチングのために使用される。ここで有利にはトリミングエレメントが設けられており、このトリミングエレメントによって発振器周波数の微調整が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発振器に関し、殊に自身のフィードバック分岐線において共振器を有する発振器に関する。
【0002】
一般的に、誘電性共振器(厚膜振動部または薄膜振動部)を有する発振器が知られている。この発振器の誘電性層ないしピエゾ圧電層は例えば水晶から成る。水晶発振器は、高い程度で安定している周波数を有する信号を生成する。この周波数は10kHz〜200MHzの間である。
【0003】
文献「A 300-μW 1.9-GHz CMOS Oscillator Utilizing Micromachined Resonators(B. OtisおよびJ. Rabaey著, IEEE 2003,1271頁〜)」からトランジスタのフィードバック分岐線内に薄膜共振器が配置されている発振器が公知である。この発振器は、1.9GHzのHF信号(HF=高周波)を生成する。この信号は例えば、変調器の基準周波数として、携帯可能な無線機器内で使用される。
【0004】
発振器は、次のような周波数で振動する。すなわち、共振器の共振周波数と反共振周波数との間の周波数で振動する。この間隔内で、発振器周波数の整合が、例えばトリミング容量によって行われる。中心周波数に関して、共振器周波数と(ピエゾ圧電層の特性によって生じる)反共振周波数の間の差は約1〜3%である。従って発振器周波数を僅かだけ整合させることが可能である。
【0005】
文献「Design Considerations for high-Frequency Crystal Oszillators Digitally Trimmable to Sub-ppm Accuracy(Qiuting Huang および P. Basedeau著,IEEE 1997年,408頁〜,図7)から、デジタルに駆動制御される容量バンクを、CMOSに基づいたピアス発振器のフィードバック分岐線において使用することが公知である。容量バンクは水晶共振器と並列接続可能である。
【0006】
用途に応じて、発振器は、例えば2GHzより大きい他の周波数に対しても必要とされる。詳細には、発振器周波数は例えば、薄膜共振器の共振周波数をピエゾ圧電層の適切な層厚等を用いて設定することによって調整される。しかし、完成した構成部分において周波数を後から整合させることはできない。
【0007】
本発明の課題は、周波数を設計に依存せずに外部から調節することができる、高いQ値を有する発振器を提供することである。
【0008】
本発明によればこの課題は、請求項1の特徴を備えた発振器によって解決される。本発明の有利な実施形態は従属請求項から得られる。
【0009】
本発明は、調節可能な共振周波数を有する共振器エレメントと、この共振器の共振周波数を様々な値に調節する制御エレメントを伴う発振器を提供する。この共振器エレメントは、少なくとも1つの共振器から成る。
【0010】
制御エレメントによって、すなわち共振器エレメントの周波数を制御することによって、個別共振器の共振周波数と反共振周波数の間隔を超える、発振器周波数のシフトが可能になる。これに対してトリミングエレメントは発振器周波数を変える。このときに、共振器エレメントの周波数をシフトさせることはない。すなわち制御エレメント自体は、その電気的値(殊に容量またはインダクタンス等のリアクタンス)が調節可能なトリミングエレメントではない。本発明の意図では、共振器エレメント自体はトリミングエレメントないし(有利には外部から)制御可能な「トリミング共振器」をあらわしている。従って本発明は、発振器周波数を共振器エレメントおよび制御エレメントによって、付加的なトリミングエレメントを用いずに、広い幅の周波数間隔において、高い程度で正確に調節することができるという利点を有している。本発明の発振器は、位相ジッタが少ないことを特徴とする。
【0011】
本発明の発振器は有利には、約1GHzからの周波数を伴う振動を生じさせるために設けられている。この発振器は、少なくとも1つの増幅器エレメントを備えた任意の発振器基本回路(例えばピアス発振器,コルピッツ発振器)を有している。この増幅器エレメントは、CMOS操作増幅器(CMOS = complementary metal-oxide semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)または電界効果トランジスタであってよい。
【0012】
発振器は発振器回路を有する。この発振器回路は増幅器エレメントおよび、共振器エレメントを備えた振動回路を含んでいる。この振動回路は、例えば増幅器エレメントのフィードバック分岐線である分岐路内に配置されている。振動回路が、増幅器エレメントの入力側とアースの間に配置されていてもよい。
【0013】
共振器は基本的には誘電性共振器である。共振器は択一的に、ストリップ線路技術で構成される。共振器はLC共振器であってもよい。共振器をマイクロエレクトロメカニカル技術によって製造されたエレメントとして構成することも可能である。
【0014】
共振器は有利には、電子音響性(すなわち音響波によって作動する)共振器である。電子音響共振器は有利にはピエゾ圧電層を有している。
【0015】
共振器は本発明の別の形態では、薄膜共振器(FBAR=薄膜バルク音響波共振器)であり得る。この共振器は、2つの電極の間に配置された、少なくとも1つのピエゾ圧電層を有している。薄膜共振器は、基板上で中空空間上に配置されたメンブランタイプの共振器であってよい。薄膜共振器は、基板上で音響ミラー上に配置された共振器であってよい。薄膜共振器は、相互に重なって配置された、音響的および/または電気的に相互に結合された(部分)共振器を有する共振器積層体であってよい。結合されたこれらの共振器は、結合層を介して相互に音響的にのみ結合されてよい。
【0016】
別の形態では、共振器は表面波で作動する共振器、例えばDMS共振器(DMS = Double Mode SAW: ダブルモード音響表面波)であってよい。これは相互に縦方向に結合された変換器または1ゲート式共振器を備えている。SAW共振器を薄膜SAW構成素子として構成することができる。ここではピエゾ圧電層は薄膜技術で製造される。
【0017】
発振器の所望の周波数シフトは、共振器ないし共振器エレメントに割り当てられた制御エレメントを相応に駆動制御することによって行われる。制御エレメントは有利には電気的に、有利には制御電圧によって駆動制御される。
【0018】
共振器エレメントは、本発明の第1の有利な形態において、共振器マガジンないし共振器バンクとして構成される。共振器バンクは複数の共振器を有する。異なる共振器は有利には異なる共振周波数を有する。
【0019】
ここでは全体的な、帯域の広い、調整可能な周波数インターバルが、比較的幅の狭い種々の部分領域(周波数領域)に分割される。これは、幅の狭い周波数領域において、位相ジッタが低く保たれるという利点を有している。固有の共振器には各周波数領域が割り当てられている。
【0020】
切換器またはスイッチエレメントは選択的に、(有利には正確に)1つの共振器を、発振器の増幅器エレメントと接続する。切換器ないしスイッチエレメントは制御エレメントをあらわしている。切換器は、2つまたは2つより多い部分経路間の切換に適した、完成された構成部分として使用可能である。
【0021】
共振器は有利には相互に並列接続された、振動回路の部分分岐線内に配置される。この部分分岐線は、振動回路内の相応する制御エレメントによってスイッチオンされる。1つの部分分岐線には有利には1つのスイッチエレメントまたは切換器の接続部が割り当てられている。スイッチエレメントは相応する共振器と有利には電気的に直列接続される。
【0022】
所与の時点ないし特定の周波数領域で、振動回路内で少なくとも1つの共振器(有利には唯一の共振器)がスイッチオンされる。異なる共振器間の切換時には、共振器エレメントの共振周波数が変化し、従って発振器周波数も段階的に変化する。周波数領域内で発振器周波数を微調整するために、有利にはトリミングエレメント(例えばトリミング容量またはトリミングインダクタンス)が設けられる。トリミング容量を、(有利にはデジタル制御されて)スイッチング可能な容量バンクとして構成することが可能である。容量バンクは例えばCMOS容量から成る。トリミング容量を、バラクタまたは「スイッチトキャパシタ」として実現することもできる。さらなるトリミングエレメントも可能である。
【0023】
異なる共振周波数を有する複数の共振器がスイッチオンされる場合には、発振器内で同時に、種々異なる周波数を有する複数の信号が生成される。
【0024】
共振器バンクは個々の共振器から構成されてよい。しかし有利には全ての共振器は1つの共通の基板上に構成される。 共振器バンクをチップとして構成することができる。1つの形態においては、スイッチング可能な共振器バンクを有するチップを構成することが可能である。制御エレメントおよび共振器エレメント、すなわち複数の共振器はこの場合にはスイッチング可能な共振器バンクの構成部分である。チップはさらなるコンポーネント、殊に発振器のコンポーネント(例えば増幅器エレメント、スイッチエレメント、発振器周波数を微調整するためのトリミングエレメント、L, C, R)を含むことができる。択一的に、共振器バンクないしスイッチング可能な共振器バンクを備えたチップを支持基板上に取付ることができる。ここでこの支持基板上には発振器のさらなるコンポーネントが配置されている。ボンディングワイヤによってまたはフリップチップ技術でチップを支持基板と接続することが可能である。制御エレメントを各々で構成しても、またはチップとしてまとめて構成してもよい。
【0025】
支持基板は、垂直な電気的接続によって相互に接続された複数の金属層およびその間に配置された誘電層を有することができる。ここで金属層内に(有利には埋設された金属層内に)、発振器回路の構造体が構成される。
【0026】
部分分岐線内に配置された複数のスイッチエレメントを一緒にチップ内で使用することが可能であり、スイッチバンクを構成することができる。スイッチエレメントを相互に依存しないで構成することも可能である。スイッチエレメントは、半導体エレメントまたはマイクロエレクトロメカニカル技術によって製造されたスイッチ(MEMS)であってよい。
【0027】
本発明の第2の有利な形態では、発振器の振動回路内に配置された共振器エレメントは次のような共振器である。すなわち、その共振周波数が物理的(場合によっては機械的または温度的)作用、例えば押すまたは引くことによって生じるピエゾ圧電層の変形によって調節されるように構成されている共振器である。種々異なる様式の作用(例えば機械的および温度的な作用)を組み合わせることも可能である。
【0028】
この場合には、制御エレメントは有利には機械的に固定して、共振器のピエゾ圧電層と接続されている。制御エレメントを例えば、共振器のピエゾ圧電層内の音響波の伝播速度を制御する制御層として実現することができる。この場合に基本的には、共振器の共振周波数の無段階調整も可能である。
【0029】
制御層を、第1および第2の制御層から成る結合体として構成することができる。第1の制御層は、共振器のピエゾ圧電層と接触接続しており、共振器のピエゾ圧電層内の音響波の伝播速度を変えるのに用いられる。第2の制御層は有利には、第1の制御層内に機械的な応力を生じさせるために用いられる。第2の制御層は有利にはピエゾ圧電層として構成される。
【0030】
第2の有利な形態においても、トリミングエレメントが設けられる。このトリミングエレメントによって、発振器周波数の依存しない(付加的な)微調整が可能である。このような実施形態は、装置の基本面積に関して特に省スペースである。
【0031】
本発明の2つの有利な形態を相互に組み合わせることが可能である。殊に共振器バンクは調整可能な複数の共振器を有することができる。
【0032】
スイッチエレメントとして、電流または電圧によって制御されるスイッチ(例えばGaASスイッチ)を使用することができる。スイッチエレメントは半導体スイッチ、例えばダイオード、トランジスタ(殊に電界効果トランジスタ)またはMEMSスイッチであってよい。異なる様式の上述した構造体を1つのスイッチエレメントないし切換器において組み合わせることも可能である。
【0033】
以下では、本発明を実施例および付属の図面に基づきより詳細に説明する。図面は概略的で縮尺通りではない図に基づいて、本発明の種々の実施例を示している。
同一部分または同機能の部分は、同一の参照記号によって示されている。
【0034】
図1は、増幅器のフィードバック分岐線内に共振器を有する公知のピアス発振器を概略的に示しており、
図2Aは、共振器エレメントとして調整可能な共振器を有する、本発明の発振器をあらわしており、
図2Bは、共振器バンクとしての調整可能な共振器の実施例をあらわしており、この共振器バンクの共振器はそれぞれ、振動回路の部分分岐線内に接続されており、
図2Cは、増幅器エレメントとしての操作増幅器、共振器バンクおよび切換器を有する発振器をあらわしており、
図3Aは、増幅器エレメントとしの電界効果トランジスタ、共振器バンクおよび振動回路の部分分岐線内のスイッチエレメントを有する、本発明の発振器をあらわしており、
図3Bは、複数の部分分岐線を伴う振動回路の部分分岐線をあらわしており、ここでこの部分分岐線はトリミング容量を有しており、
図4は、共振器バンク内の種々異なる共振器の共振曲線をあらわしており、
図5Aは、調整可能な共振器から成る共振器バンクを有する発振器をあらわしており(トリミング容量を有していない)、
図5Bは、調整可能な共振器から成る共振器バンクとトリミング容量を有する発振器をあらわしており、
図6は、音響的に相互に結合された部分共振器を有している調整可能な共振器フィルタを備えた発振器をあらわしており、
図7は図3Aに示された発振器をあらわしており、ここでは制御エレメントは部分分岐線内で電圧によって制御されるスイッチエレメントであり、
図8は、図1に示された発振器をあらわしており、ここではトリミング容量は容量バンクであり、
図9は、制御層を備えた調整可能な薄膜共振器をあらわしており、
図10は、調整可能な薄膜共振器をあらわしており、ここで制御エレメントは2つの制御層を含み、
図11は、共振器エレメントとしての調整可能な表面波フィルタをあらわしており、ここでは1つの制御層が設けられており、
図12、13はそれぞれ、共振器エレメントとしての調整可能な表面波フィルタをあらわしており、ここでは2つの制御層が設けられており、
図14は、共振器エレメントとしての調整可能な共振器フィルタをあらわしており、この共振器フィルタはDMSフィルタとして構成されており、
図15はトランジスタのコレクタ分岐線内の共振器エレメントを有する発振器をあらわしており、
図16はトランジスタのエミッタ分岐線内の共振器エレメントを有する発振器をあらわしており、
図17、18はそれぞれ、振動回路を有する発振器をあらわしており、この振動回路は増幅器エレメントの入力側でアースに対して接続されている。
【0035】
図1は、共振器RE' と増幅器エレメントVEを備えた公知の発振器回路(ピアス発振器)を示している。発振器のフィードバック分岐路内には、共振器RE' の隣にトリミング容量CおよびC(例えばバラクタ)が配置されている。発振器周波数の調節はバラクタCおよびCによって行われる。Uは、増幅器エレメントの動作点を、(増幅器段および抵抗を介して)調節するための制御電圧である。生成された高周波信号は出力側OUTを介して検出される。信号の直流電圧成分は、分断容量Cを介して分断される。
【0036】
図2Aには、本発明の第2の有利な実施形態に従った発振器が示されている。振動回路はこの場合には増幅器エレメントのフィードバック分岐線内に配置されている。共振器エレメントは増幅器エレメントVEのフィードバック分岐線内に配置されており、ここで共振器エレメントは調整可能な共振器から成る。図1との違いは、共振器エレメントRE自体がトリミングエレメントであるということである。ここでは共振周波数が調整可能である。相互に直列接続されており、かつ共振器エレメントと並列接続されている容量CおよびCはこの例では調節可能ではない。本発明の別の形態では、容量CおよびCは調整可能であってもよい。
【0037】
この例においてはここで図示されていない制御エレメントは、例えば共振器エレメントREと接続されている制御層として構成される。図9〜13に対する説明を参照されたい。
【0038】
図2Bは、本発明の第1の有利な実施形態に従った調整可能な共振器エレメントREが、スイッチング可能な共振器バンクT1によって置き換えられることを示している。図2Bでは、フィードバック分岐路内に複数の部分分岐線が設けられている。これらの部分分岐線は電気的に相互に並列に接続されている。共振器エレメントREは、n個の共振器REを有する共振器バンクT1として構成されている。ここでJは1〜nである。共振器REはそれぞれ、自身に割り当てられているスイッチエレメントSと直列接続されている。これらのエレメントの各直接接続は部分分岐線内に配置されている。
【0039】
複数の部分分岐線から、所与の時点で、例えば正確に1つの部分分岐線が、発振器回路内でスイッチオンされる。
【0040】
共振器バンクT1は、外部コンタクトを有するコンパクトな構成エレメントとして使用可能である。しかし本発明の別の形態では、共振器エレメント(ないしは共振器RE)をコンパクトな構成エレメント内に配置することもできる。この構成エレメントはさらに別のコンポーネント、例えばスイッチエレメントSを有している。図2Cでは、個々のスイッチエレメントSが1つの切換部Sによって置き換え可能であることが示唆されている。この切換器はコンパクトな構成部分として提供される。切換器Sは複数のスイッチエレメントSを有していてよい。
【0041】
図2C内で示された例では、増幅器エレメントVEは操作増幅器として構成されている。振動回路は切換器、共振器エレメントRE並びにアースに関してバランスが取られた、トリミング容量CおよびCの直列回路を含む。トリミング容量CおよびCはここで(付加的な)トリミングエレメントを構成する。このトリミングエレメントは共振器エレメントREに対して並列接続されている。
【0042】
図3Aは、増幅器エレメントとしての電界効果トランジスタ、共振器バンクTおよび個々のスイッチエレメントSを備えた発振器のブロック回路図を示している。ここでこれらは振動回路の部分分岐線内に配置されている。この場合にはこれは電圧制御式増幅器エレメントのことである。スイッチエレメントSを択一的に、電流制御式回路エレメント(例えばダイオード)として提供することができる。
【0043】
共振器REは有利には相互に異なる共振周波数fを有する。定められた周波数領域においては振動回路内で有利には共振器が1つだけスイッチオンされる。周波数領域間の切換はスイッチエレメントSによって行われる。このスイッチエレメントは次のように駆動制御される。すなわちこの領域において少なくとも1つのスイッチエレメントが(有利にはスイッチエレメントが1つだけ)導通接続されるように駆動制御される。スイッチエレメントが1つだけ導通接続されている場合には、全ての他のスイッチエレメントは開放状態のままである。
【0044】
所与の周波数領域内では、発振器周波数はトリミング容量CおよびCによって微調整される。
【0045】
図3Bには、複数の部分分岐部を有する振動回路の1つ部分分岐部が示されている。この部分分岐部は共振器REおよびスイッチエレメントSの他に、トリミング容量Cを有している。この例ではこのトリミング容量Cが、各共振器REと直列接続されている。
【0046】
図4は、共振器バンク内に配置されている種々の共振器の共振曲線を示している。共振曲線1は、第1の共振器REに割り当てられている。共振曲線2および3は、第2の共振器REないし第3の共振器REに割り当てられている。第1の共振器から、第2ないし第3の共振器への切換時に、共振曲線1と共振曲線2ないし3の間で移行が行われる。これは矢印によって示されている。
【0047】
図5Aでは、共振器バンクTの共振器REがそれぞれ調整可能であることが示されている。共振器バンク内で唯一の共振器がまたは共振器の一部が調整可能な共振器として構成されることも可能である。
【0048】
この場合には、共振器周波数の微調整が各調整可能な共振器内で実施される。従って、ここではさらなるトリミングエレメントは基本的には必要ない。
【0049】
図5Bでは、それにもかかわらず付加的なトリミング容量を設け得ることが示されている。図3B内に示された部分分岐路内で共振器REが、本発明の第2の実施形態で設けられたように調整可能であってもよい。
【0050】
図6には、増幅器エレメントVEとして操作増幅器を有する発振器が示されている。増幅器エレメントのフィードバック分岐線内には、共振器エレメントREおよび整合回路網AN1およびAN2が配置されている。整合回路網は基本的に振動回路分岐部ないしその部分分岐路内に設けられる。図6に記載された例において、整合回路網AN1、AN2を省くこともできる。
【0051】
ここで共振器エレメントREは、音響的に相互に結合された少なくとも2つの部分共振器(例えば変換器)を備えた調整可能な共振器フィルタとして設けられている。調整可能なこの共振器フィルタを例えば図14に従って、音響表面波で作動するDMSフィルタとして構成することができる。共振器フィルタを、結合された薄膜共振器を有する共振器積層体として構成することができる。
【0052】
部分共振器はこの例では電気的に相互に結合されている。しかし、このように構成された共振器エレメントREの部分共振器を音響的にのみ相互に結合することもできる。共振器積層体の場合には、この音響的な結合は、2つの部分共振器の間に配置された結合層によって実現される。
【0053】
図7に示された例では、スイッチエレメントSは電圧制御式エレメント(電界効果トランジスタ)として構成されている。スイッチエレメントSの駆動制御は制御電圧Uによって行われる。
【0054】
図8では、トリミング容量がトリミングエレメントT2内で、容量バンクC’1ないしC’2として構成可能であることが示唆されている。容量バンクは入力側INを介して有利にはデジタルに駆動制御される。容量バンクはバランスを取るために有利にはそれぞれアース電位におかれる。しかし、容量バンク内に配置された容量がアース電位になくてもよい。
【0055】
図9では、薄膜共振器が横断面図で示されている。共振器はここでは多層構造エレメントとして基板SU上に形成されている。これは、制御層GDEを含む。この制御層を介して狭いコンタクト内にピエゾ圧電層PSが構成される。このピエゾ圧電層には一方ではペアHF電極ES1が音響的なバルク波を励起するために設けられており、他方ではペア制御電圧電極ES2が設けられている。制御層は有利にはいわゆるGDE(GDE = Giant Delta E)層、すなわちGiant Delta E効果を有する層である。
【0056】
GDE材料は次のような材料である。すなわち、機械的な応力のもとで非常に高い弾性率変化を有する材料である。異なる材料クラスから成るこのような材料の配列は近年公知になった。
【0057】
機械的な応力による大きい剛性変化は例えば特定の金属ガラス、いわゆるメットガラスによって得られる。これは主に金属、鉄、ニッケルおよびコバルトから成る。従って例えば、組成Fe81Si3.5B13.5C2, FeCuNbSiB, Fe40Ni40P14B6, Fe55 Co30 B15またはSi および Crを含有する Fe80 を有するメットガラスは強いDelta E効果を有する。このようなメットガラスは例えば、Vakuumschmelzeの商標VITROVAC R 4040またはMetglas R 2605 SC (Fe81 Si3.5 B13.5C2)の名称で知られている。
【0058】
図9に示された有利な構成は、HF電極のトップ電極並びに制御電圧電極のトップ電極を同時に示している。第2のHF電極ないし第2の制御電圧電極は、ピエゾ圧電層PSの隣に、制御層上に配置されている。
【0059】
第2のHF電極ES1を、別の実施形態において、ピエゾ圧電層PSの下に配置することが可能である。電極ペアES2の第2の制御電圧電極は、薄い金属層として、制御層GDEの上または下に位置する。後者の可能性は、図9において、選択的に設けられる金属層MEによって示されている。制御層が、HF電極の1つの電極または制御電圧電極の1つの電極に置き換わることも可能である。さらに制御電圧電極をピエゾ圧電層に対して横向きに配置することができる。
【0060】
ピエゾ圧電層PSの厚さおよび制御層GDEの厚さは次のように選択されている。すなわち、2つの層が音響波の侵入領域内に位置するように選択されている。
【0061】
侵入深さの領域において制御層GDEに対するピエゾ圧電層PSの比率は、本発明による構成素子に対する別の調整可能なパラメータである。侵入深さ内の制御層の割合が大きくなればなるほど、調整領域が大きくなる。この調整領域を介して、フィルタの動作周波数ないし中心周波数がシフトされる。これとは反対に侵入深さ内でのピエゾ圧電層PSのより大きな割合は結合を高め、これによってフィルタの帯域幅を高める。構成素子の所望の特性に依存してこの比率は次のように調節される。すなわち、高い結合かまたは高い調整可能性かまたは、2つの特性に関する適切な最適化が得られるように調節される。
【0062】
構成素子の音響的にアクティブな部分は、基板SUへ向かって、音響ミラーASによって分断されており、この音響ミラーによって、音響波はこの構成素子の音響的にアクティブな部分内へ100%反射して戻る。
【0063】
さらに、制御層は音響ミラーASの部分層であってもよい。この場合には、制御層が、音響波の侵入領域内にあることも重要であり、従って、この実施形態では制御層は殊に、音響ミラーの上方の部分層である。従って制御層を介してより良好な調整可能性が得られる。
【0064】
下方の制御層またはHF電極層が音響ミラーASの部分層であってもよい。
【0065】
制御電極に印加される可変電圧(制御電圧)はフィルタの周波数調整に用いられる。図9の実施例では、上述のピエゾ圧電層PSは2つの機能を、音響的バルク波を励起するための励起層として、および機械的な応力を生成するための調整可能層として担う。この機械的な応力は制御層に伝達され、材料安定性を変える。後者は再び、音響波の伝播速度に影響を与え、従ってフィルタの中心周波数に影響を与える。
【0066】
図10は、調整可能な薄膜共振器の別の有利な実施形態の横断面を示している。ピエゾ圧電励起層PS1は、2つのHF電極ES1の間に位置している。この電極ES1のうちの下方の電極は同時に制御電圧電極ES2である。この下には第1の制御層GDEが配置されている。これは、この第1の制御層GDEが導電性の場合には、別の可能な実施形態において上述した電極に置き換わることができる。層GDEと下方の制御電圧電極ES2の間には第2の制御層PS2(ピエゾ調整層)がある。
【0067】
図11では、概略的な断面図に基づいて、表面波で作動する調整可能な共振器が説明されている。
【0068】
共振器は制御層GDEを含む。この制御層上で狭いコンタクト内にピエゾ圧電層PSが構成される。電極構造体ES1は、このピエゾ圧電層PSの表面上に構成されている。
電極構造体ES1、例えばインターデジタル変換器によって形成された音響波は、約半波長の多層構造体内への侵入深度を有している。ピエゾ圧電層PSの厚さおよび制御層GDEの厚さは次のように選択されている。すなわち、2つの層が音響波の侵入領域内に位置するように選択されている。
【0069】
第1の制御電圧電極ES2は、音響構造体(例えばインターデジタル変換器および共振器)を担うピエゾ圧電層PSの上面に配置されている。第2の制御電極ES2としてこの実施形態では、導電性制御層GDEが用いられる。
【0070】
第2の制御電極を、さらに付加的な金属層として、制御層GDEの上方または下方に配置することができる。
【0071】
図11に示された実施例では、ピエゾ圧電層PSは、機械的な応力を用いた音響波の励起にも、その下に位置する制御層GDEの弾性特性の制御にも用いられる。この機械的な応力は、反転したピエゾ圧電効果の結果として、可変制御電圧の印加時に生じる。
【0072】
図12は、概略的な断面図に基づいて、音響表面波で作動する共振器の別の例を示している。ここで第1の制御層GDEは、ピエゾ圧電励起層PS1とピエゾ圧電調整層PS2(第2の制御層)の間に配置されている。制御電圧電極ES2は、調整層PS2の下方に位置している。第2の制御電極ES2を第1の制御層GDEとしてまたは付加的な金属層として第1の制御層GDEの上方または下方に構成することができる。
【0073】
図13には、支持体基板のない調整可能な表面波フィルタが示されている。音響的な構造体、例えばインターデジタル変換器または共振器はピエゾ圧電励起層PS1の上面に設けられている。第1の制御層GDEは、励起層PS1と第2の制御層PS2の間に配置されている。第2の制御層PS2の両面には制御電圧電極ES2が設けられている。
【0074】
別の変化形態では、上方の制御電圧電極ES2を第1の制御層として構成することが可能である。
【0075】
図14は、(調整可能な)DMSフィルタの構成を概略的に示している。ここで2つの変換器W1、W2は音響的なコイル内に隣り合って配置されており、音響的に相互に結合されている。変換器W1、W2は、2つの共振器構造体の間に配置されている。第1の変換器W1は、第1の信号接続路RF1に接続されている。第2の変換器W2は、共振器フィルタの第2の信号接続路RF2に接続されている。2つの変換器はアース接続されている。
【0076】
図14に示されていない制御層は、図11〜13に示された配置と相応に構成され得る。
【0077】
本発明に相応する発振器のさらなる可能な構成は、図15〜18に示されている。図15では共振器エレメントREが、トランジスタのコレクタ分岐線内に配置されている。図16では共振器エレメントREが、トランジスタのエミッタ分岐線内に配置されている。図17および18では、共振器エレメントREが増幅器エレメントの入力側でアース接続されている。
【0078】
図16には負荷抵抗に対するRが設けられている。共振器エレメントREは、インダクタンスLに対して並列接続されている。調整可能な共振器エレメントREの他に、別のトリミングエレメント(トリミングインダクタンスおよびトリミング容量)が設けられている。
【0079】
本発明は、上述の実施例、発振器のタイプ(例えばピアス発振器、コルピット発振器、クラップ発振器)ないし図示されたエレメントの数に制限されない。共振器(例えばSAW,FBAR)は、周波数安定性を上昇させるために温度補償される。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】増幅器のフィードバック分岐線内に共振器を有する公知のピアス発振器を概略的に示した図
【図2】Aは共振器エレメントとして調整可能な共振器を有する本発明の発振器をあらわす図であり、Bは共振器バンクとしての調整可能な共振器の実施例をあらわす図であり、この共振器バンクの共振器はそれぞれ振動回路の部分分岐線内に接続されており、Cは増幅器エレメントとしての操作増幅器、共振器バンクおよび切換器を有する発振器をあらわす図
【図3】Aは増幅器エレメントとしの電界効果トランジスタ、共振器バンクおよび振動回路の部分分岐線内のスイッチエレメントを有する、本発明の発振器をあらわす図であり、Bは複数の部分分岐線を伴う振動回路の部分分岐線をあらわす図であり、ここでこの部分分岐線はトリミング容量を有している
【図4】共振器バンク内の種々異なる共振器の共振曲線をあらわす図
【図5】Aは調整可能な共振器から成る共振器バンクを有する発振器をあらわしている図(トリミング容量を有していない)であり、Bは調整可能な共振器から成る共振器バンクとトリミング容量を有する発振器をあらわす図
【図6】音響的に相互に結合された部分共振器を有している調整可能な共振器フィルタを備えた発振器をあらわす図
【図7】図3Aに示された発振器をあらわす図であり、ここでは制御エレメントは部分分岐線内で電圧によって制御されるスイッチエレメントである
【図8】図1に示された発振器をあらわす図であり、ここではトリミング容量は容量バンクである
【図9】図9は、制御層を備えた調整可能な薄膜共振器をあらわす図
【図10】調整可能な薄膜共振器をあらわす図であり、ここで制御エレメントは2つの制御層を含む
【図11】共振器エレメントとしての調整可能な表面波フィルタをあらわす図であり、ここでは1つの制御層が設けられている
【図12】共振器エレメントとしての調整可能な表面波フィルタをあらわす図であり、ここでは2つの制御層が設けられている
【図13】共振器エレメントとしての調整可能な表面波フィルタをあらわす図であり、ここでは2つの制御層が設けられている
【図14】共振器エレメントとしての調整可能な共振器フィルタをあらわす図であり、この共振器フィルタはDMSフィルタとして構成されている、
【図15】トランジスタのコレクタ分岐線内の共振器エレメントを有する発振器をあらわす図
【図16】トランジスタのエミッタ分岐線内の共振器エレメントを有する発振器をあらわす図
【図17】振動回路を有する発振器をあらわす図であり、この振動回路は増幅器エレメントの入力側でアースに対して接続されている
【図18】振動回路を有する発振器をあらわす図であり、この振動回路は増幅器エレメントの入力側でアースに対して接続されている
【符号の説明】
【0081】
RE 共振器エレメント、 RE・・・RE 共振器、 U 制御電圧、 U・・・U 制御電圧、 S・・・S スイッチ、 S 切換器、 T1 共振器バンク、 T2 トリミングエレメント、 VE 増幅器エレメント、 R 増幅器エレメントの動作電圧を調節するための抵抗、 C、C 容量、 C' 、C' デジタル駆動制御される容量バンク、 C 分断容量、 1 第1の共振器がスイッチオンされている共振器バンクの共振曲線(アドミタンスの周波数応答)、 2 第2の共振器がスイッチオンされている共振器バンクの共振曲線(アドミタンスの周波数応答)、 3 第3の共振器がスイッチオンされている共振器バンクの共振曲線(アドミタンスの周波数応答)、 AN1、AN2 整合回路網、 OUT 出力側、 RF1、RF2 共振器の接続、 PS、PS1、PS2 ピエゾ圧電層、 PS'、PS’’ 付加的なピエゾ圧電層、 ES1 第1の電極、 ES2 第2の電極、 GDE (第1の)制御層、 ME 金属層、 SU 支持基板、 AS 音響ミラー、 W1 第1の変換器、 W2 第2の変換器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発振器であって、
共振器エレメント(RE)と、当該共振器エレメント(RE)の共振周波数を複数の種々異なる値に調節するための制御エレメント(S)を有しており、ここで前記共振器エレメント(RE)は少なくとも1つの共振器(RE,RE)から成る、
ことを特徴とする発振器。
【請求項2】
増幅器エレメント(VE)と、当該増幅器エレメントに割り当てられている振動回路を有しており、当該振動回路内に前記共振器エレメント(RE)が配置されている、請求項1記載の発振器。
【請求項3】
前記共振器エレメントは、複数の共振器(RE,RE)を有する共振器バンク(T1)であり、
前記振動回路は複数の相互に並列接続されている部分分岐路を有しており、
前記共振器(RE,RE)はそれぞれ部分分岐路内に配置されており、
前記制御エレメントは切換器(S)であり、当該切換器は部分分岐路間を切換える、請求項1または2記載の発振器。
【請求項4】
前記制御エレメントは複数のスイッチ(S,S)を含み、前記相応のスイッチが部分分岐路内に配置されている、請求項3記載の発振器。
【請求項5】
前記共振器(RE,RE)の少なくとも1つは、自身の共振周波数に関して調整可能である、請求項3または4記載の発振器。
【請求項6】
前記全ての共振器(RE,RE)は、自身の共振周波数に関して調整可能である、請求項3から5までのいずれか1項記載の発振器。
【請求項7】
前記種々異なる共振器(RE,RE)は相互に異なる共振周波数を有している、請求項3から6までのいずれか1項記載の発振器。
【請求項8】
前記複数の部分分岐路から、所与の時点で少なくとも1つの部分分岐路が発振器回路内でスイッチオンされている、請求項3から7までいずれか1項記載の発振器。
【請求項9】
前記共振器エレメント(RE)は少なくとも1つの誘電性共振器(RE,RE)を含む、請求項1から8までのいずれか1項記載の発振器。
【請求項10】
前記共振器エレメント(RE)は少なくとも1つのLC共振器またはストリップ線路共振器(RE,RE)を含む、請求項1から9までのいずれか1項記載の発振器。
【請求項11】
前記共振器エレメント(RE)は少なくとも1つの、マイクロメカニカル技術によって製造された共振器(RE,RE)を含む、請求項1から10までのいずれか1項記載の発振器。
【請求項12】
前記共振器エレメント(RE)は少なくとも1つの電子音響共振器(RE,RE)を含む、請求項1から11までのいずれか1項記載の発振器。
【請求項13】
前記共振器は少なくとも1つのピエゾ圧電層(PS,PS)を有しており、
前記制御エレメントは制御層(GDE)の形式で構成されており、
当該制御層は前記ピエゾ圧電層と接触接続しており、
機械的ストレスを受けた前記制御層(GDE)は、ピエゾ圧電層(PS,PS)内での前記音響波の伝播速度に影響を与える、請求項12記載の発振器。
【請求項14】
前記共振器は少なくとも1つのピエゾ圧電層(PS,PS)を有しており、
前記制御エレメントは第1の制御層(GDE)および第2の制御層を有しており、
当該制御層は1つの結合体を構成し、
前記第2の制御層は付加的なピエゾ圧電層(PS',PS'')であり、当該付加的なピエゾ圧電層は機械的なストレスを前記第1の制御層(GDE)内で生成するために用いられ、これによって、前記ピエゾ圧電層(PS,PS)内での音響波の伝播速度が影響される、請求項12記載の発振器。
【請求項15】
前記制御層(GDE)は、機械的なストレスが加わったときにGiant Delta効果を有する、請求項13または14記載の発振器。
【請求項16】
前記機械的なストレスは、前記制御層(GDE)内で制御電圧(U1,U2)によって生成される、請求項13から15までのいずれか1項記載の発振器。
【請求項17】
さらなる制御エレメントが設けられており、当該さらなる制御エレメントは前記部分分岐路間の切り換えのために用いられる、請求項13から16までのいずれか1項記載の発振器。
【請求項18】
前記共振器(RE,RE)は、音響的バルク波によって作動する薄膜共振器である、請求項12から17までのいずれか1項記載の発振器。
【請求項19】
前記共振器(RE,RE)は、相互に重なって配置されている複数の部分共振器を有する共振器積層体である、請求項18記載の発振器。
【請求項20】
前記共振器(RE,RE)は音響表面波によって作動する、請求項12から17までのいずれか1項記載の発振器。
【請求項21】
前記共振器(RE,RE)は、音響コイル内に配置された、音響的に縦方向で相互に結合された複数の変換器を有している、請求項20記載の発振器。
【請求項22】
前記振動回路内にはトリミングエレメント(T2)が配置されている、請求項2から21までのいずれか1項記載の発振器。
【請求項23】
前記トリミングエレメント(T2)は、トリミング容量としてまたはトリミングインダクタンスとして構成されている、請求項22記載の発振器。
【請求項24】
前記トリミングエレメント(T2)は共振器エレメント(RE)に対して並列接続されている、請求項22または23記載の発振器。
【請求項25】
前記トリミングエレメント(T2)は各共振器(RE,RE)と直列接続されている、請求項22から24までのいずれか1項記載の発振器。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2008−502240(P2008−502240A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526225(P2007−526225)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005055
【国際公開番号】WO2005/122390
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(300002160)エプコス アクチエンゲゼルシャフト (318)
【氏名又は名称原語表記】EPCOS  AG
【住所又は居所原語表記】St.−Martin−Strasse 53, D−81669 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】