説明

発電プラントの過速度保護システムを試験する方法及びシステム

【課題】トリップの可能性を低減する過速度保護システムの試験方法を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態は、発電プラント(100)の複数の発電プラント機械に関連する過速度保護システムを自動的に試験する技術的作用を有する。本発明の実施形態は、発電プラント機械の少なくとも1つが運転停止プロセス(300)にある間に過速度保護システムを自動的に試験することができる。本発明の別の実施形態は、発電プラント機械(105、160)の少なくとも1つが全速無負荷(FSNL)で運転している間にシャフト(137)の速度を調整することによって過速度保護システムを自動的に試験することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、発電プラントの保護システムに関し、より詳細には、少なくとも1つのシャフトによって統合された複数の発電プラント機械を備えた発電プラントに対する自動過速度保護の方法及びシステムに関する。本出願は、同一出願人により2006年10月10日に出願された米国特許出願番号11/584,095、及び2006年10月30日に出願された米国特許出願番号11/589,579の関連出願である。
【背景技術】
【0002】
一部の発電プラントは、限定ではないが、回転シャフトを備えたターボ機械及びその他などの複数の発電プラント機械で構成される。発電プラント構成は、限定ではないが、単一シャフトによって統合された蒸気タービン及びガスタービン(一般に単一シャフトSTAGと呼ばれる)、又は複数のシャフトにより統合された複数のタービンを含むことができる。
【0003】
過速度状態は、発電プラント機械のシャフトの速度が指定範囲を超過した後に生じる。この過速度状態中、発電プラント機械は通常、壊滅的故障を引き起こす可能性がある厳しい機械的及び熱的応力を受ける。
【0004】
一般に、発電プラント機械は、過速度状態の影響を低減しようとする保護システムを備える。ガバナシステムは一般に、保護システムの一次系統として機能する。過速度状態を検出すると、ガバナは、シャフト速度を減少させようとする。また、二次的な又は独立した保護系統、すなわち過速度保護システムが存在することができる。通常、過速度保護システムは、発電プラント機械を守る機械、電気、及びソフトウェア構成要素を含む。過速度保護システムは、過速度事象中に緊急運転停止(一般にトリップと呼ばれる)を開始することにより発電プラント機械を保護する。
【0005】
発電プラントオペレータは、過速度保護システムを定期的に試験し、該システムが適正に機能しているか否かを判定する。過速度保護システムを試験する前に、発電プラント機械は、通例的には全速無負荷(FSNL)状態で運転されている。FSNLは、発電プラント機械が正常運転速度にあり、負荷にエネルギーを送出していないときの状態である。過速度試験は典型的には、正常運転範囲を超えてシャフトの速度を手動で上昇させることを含む。例えば、限定ではないが、過速度試験中にオペレータは、シャフトの速度を正常運転速度の110%にまで上昇させることができ、従って、過速度保護システムが発電プラント機械をトリップすべきである。
【0006】
現行の過速度試験の方法には幾つかの問題点がある。シャフト速度を手動で調整することは、高い熱過渡応答を引き起こす可能性がある。正常運転速度付近又はそれよりも高い速度でのトリップは、発電プラント機械の構成要素に対して大きな機械的、電気的、及び熱的応力を生じる可能性がある。これらの応力はメインテナンスの間隔を短くする。更に、トリップ後には、発電プラント機械の再起動が必要となり、エネルギー送出が遅延する。加えて、現行の過速度試験方法は通常、発電プラント機械のFSNLでの運転を必要とする。これは、収益をもたらすことなく燃料及び電気を消費する。これらの問題により、発電プラント機械のオペレータは、手動での速度調整、トリップ、FSNL運転、及び過速度試験を回避する傾向になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007−0013365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の理由により、トリップの可能性を低減する過速度保護システムの試験方法に対する必要性がある。本方法は、限定ではないが、単一シャフトSTAGなど、幅広い発電プラントに適用可能とすべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの実施形態によれば、発電プラントの過速度保護システムを試験する方法であって、該方法は、複数の発電プラント機械を備え、該複数の発電プラント機械が作動中に回転するシャフトによって作動可能に統合される発電プラントを提供する段階と、シャフトに関連する過速度事象を検出するよう構成された過速度保護システムを提供する段階と、過速度保護システムを試験するための手法を選択する段階と、を含み、該手法は、複数の発電プラント機械が運転停止モード又は運転モードの何れで作動しているかを判定し、本方法が更に、複数の発電プラント機械が運転停止モードにある場合、シャフトの速度が過速度事象を表す運転停止値を超えるか否かを判定する段階と、複数の発電プラント機械が運転モードにある場合、シャフトの速度が過速度事象を表す過速度トリップ値を超えるか否かを判定する段階と、過速度トリップ値を変える段階と、過速度保護システムが複数の発電プラント機械をトリップするよう作動するか否かを判定する段階と、を含み、本方法は、過速度保護システムの試験中に生じるトリップの可能性を低下させる。
【0010】
本方法において、複数の発電プラント機械は、ガスタービン及び蒸気タービンを備え、シャフトがガスタービン及び蒸気タービンを統合し、蒸気及びガスパワートレイン(STAG)を形成する。手法は、運転停止モード用に構成された運転停止モード手順と、運転モード用に構成された運転モード手順とを含む。
【0011】
運転停止モード手順は、試験許容条件が満たされたか否かを判定する段階と、燃焼運転停止過速度試験を開始する段階と、シャフトの速度がフレームアウト速度を超えない場合に燃焼運転停止過速度試験を中断する段階と、過速度トリップ設定点を燃焼運転停止トリップ設定点に変更する段階と、を実施する。
【0012】
本方法において、エネルギー保護システムは、ガスタービン及び蒸気タービンに関連するガバナシステムを制御し、該ガバナシステムは、シャフトの速度及び加速を部分的に制御する。
【0013】
本方法は更に、試験許容条件が維持されない場合に、燃焼運転停止過速度試験を中断する段階を更に含む。
【0014】
本方法は更に、エネルギー保護システムがガスタービン及び蒸気タービンの作動を制御するか否かを判定する段階を含む。
【0015】
運転モード手順が、シャフトの速度をほぼ過速度トリップ値に自動的に調整する段階と、シャフトの速度がほぼ過速度トリップ値であるか否かを判定する段階と、シャフトの速度がほぼ過速度トリップ値であるか否かを判定した後に、シャフトの速度をほぼ運転速度に自動的に調整する段階と、を実施する。
【0016】
本方法は更に、過速度試験を開始する段階と、安定許容条件が満たされたか否かを判定し、該安定許容条件が満たされない場合に過速度試験を中断する段階と、シャフトの速度を自動的に調整する段階と、シャフトの速度が過速度トリップ値を超えたか否かを判定する段階と、シャフト速度指令が過速度トリップ値を超えたか否かを判定する段階と、シャフト速度指令が過速度トリップ値を超えると共に、シャフトの速度が過速度トリップ値を下回る場合に過速度試験を中断する段階と、シャフトの速度の自動調整を自動的に無効にする段階と、を含む。ここで、過速度試験を中断する段階は、シャフトの速度をほぼ運転速度に調整する。
【0017】
本発明の代替の実施形態によれば、発電プラントの過速度保護システムを試験する方法であって、ガスタービン及び蒸気タービンを備え、シャフトが前記ガスタービン及び蒸気タービンを統合して蒸気及びガスパワートレイン(STAG)を形成する発電プラントを提供する段階と、シャフトに関連する過速度事象を検出するよう構成された過速度保護システムを提供する段階と、過速度保護システムを試験するための手法を選択する段階と、
を含み、該手法は、STAGが運転停止モード又は運転モードの何れで作動しているかを判定し、本方法が更に、STAGが運転停止モードにある場合、シャフトの速度が過速度事象を表す運転停止値を超えるか否かを判定する段階と、STAGが運転モードにある場合、シャフトの速度が過速度事象を表す過速度トリップ値を超えるか否かを判定する段階と、過速度トリップ値を変える段階と、過速度保護システムがSTAGをトリップするよう作動するか否かを判定する段階と、を含み、本方法は、過速度保護システムの試験中にSTAGトリップの可能性を低下させる。
【0018】
本発明の別の代替の実施形態によれば、発電プラントの過速度保護システムを試験するよう構成されたシステムであって、本システムは;ガスタービン、蒸気タービン、及びシャフトを備えて該シャフトが複数の構成要素を含み且つガスタービン及び蒸気タービンを統合して蒸気及びガスパワートレイン(STAG)を形成する発電プラントと;過速度保護システムを含み且つシャフトに関連する過速度事象を検出するよう構成された制御システムと;を備え、該制御システムが、a)過速度保護システムを試験するための手法を選択する段階を実施し、該手法が、STAGが運転停止モード又は運転モードの何れで作動しているかを判定し、且つ運転停止モード用に構成された運転停止モード手順と運転モード用に構成された運転モード手順とを含み、該制御システムが更に、b)STAGが運転停止モードにある場合にシャフトの速度が過速度事象を表す運転停止値を超えるか否かを判定する段階と、c)STAGが運転モードにある場合にシャフトの速度が過速度事象を表す過速度トリップ値を超えるか否かを判定する段階と、d)過速度トリップ値を変える段階と、e)過速度保護システムがSTAGをトリップするよう作動するか否かを判定する段階と、を実施し、該手法は、過速度保護システムの試験中にSTAGトリップの可能性を低下させる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の1つの実施形態が動作する環境を示す概略図。
【図2】本発明の1つの実施形態による過速度保護システムを試験する方法を示す概略図。
【図3】本発明の1つの実施形態による、図2の運転停止シーケンス中に過速度保護システムを試験する方法の実施例を示すフロー図。
【図4】本発明の1つの実施形態による、図2及び3の方法を示す概略図。
【図5】本発明の1つの実施形態による、図2の過速度保護システムを試験する第2の方法の実施例を示すフロー図。
【図6】本発明の1つの実施形態による、使用時における図2及び5の方法を示す概略図。
【図7】本発明の実施形態による、過速度保護システムを試験するための例示的なシステムのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本方法は、発電プラントの複数の発電プラント機械に関連する過速度保護システムを自動的に試験する技術的作用を有する。本発明の1つの実施形態は、発電プラント機械の少なくとも1つが運転停止している間に過速度保護システムを自動的に試験することができる。本発明の別の実施形態は、発電プラント機械の少なくとも1つがFSNLで運転している間にシャフトの速度を調整することによって過速度保護システムを自動的に試験することができる。
【0021】
本明細書では詳細な例示的実施形態が開示される。しかしながら、本明細書で開示される特定の構造及び機能上の詳細事項は、単に例示的な実施形態を説明する目的で提示されるに過ぎない。但し、例示的な実施形態は、多くの代替形態で具現化することができ、本明細書で記載される実施形態のみに限定されるものと解釈すべきではない。
【0022】
従って、例示的な実施形態は、種々の修正形態及び代替形態が可能であるが、図面において例証として示されており、本明細書において詳細に説明する。しかしながら、例示的な実施形態は、開示される特定の形態に限定することを意図するものではなく、逆に、例示的な実施形態は、その範囲内にある修正形態、均等形態、及び代替形態全てを対象とするものである点は理解されたい。
【0023】
第1、第2、及び他の用語は、本明細書で様々な要素を説明するのに用いることができるが、この要素はこれらの用語によって限定されるべきではない点は理解されるであろう。これらの用語は、単に、ある要素を別の要素と区別するのに使用される。例えば、例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素は第2の要素と呼ぶことができ、同様に第2の要素は第1の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用される用語「及び/又は」とは、関連する記載品目の1つ又はそれ以上の何れか及び全ての組み合わせを含む。
【0024】
本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものであり、例示的な実施形態の限定を意図するものではない。本明細書で使用される単数形態は、前後関係から明らかに別の意味を示さない限り複数形態も含む。更に、本明細書内で使用する場合、用語「備える」、「備えている」、「含む」、及び/又は「含んでいる」は、そこに述べた特徴部、完全体、ステップ、動作、要素及び/又は構成部品の存在を明示しているが、1つ又はそれ以上の他の特徴部、完全体、ステップ、動作、要素、構成部品及び/又はこれらの群の存在もしくは付加を排除するものではない点は理解されるであろう。
【0025】
幾つかの代替の実施においては、記載される機能/動作は、図に記載された順序とは異なる順序で行うことができる点に留意されたい。例えば、連続して示す2つの図は、実質的に同時に実行することもでき、或いは、含まれる機能/動作に応じて逆の順序で実行してもよい場合がある。
【0026】
本発明は、1つには、シャフトを回転することによりエネルギーを伝達する機械とみなされる、多くの形態の発電プラント機械に適用することができる。シャフトは複数の発電プラント機械を統合し、各発電プラント機械はシャフトを回転させるトルクに寄与することができる。
【0027】
本発明の実施形態は、限定ではないが、オープン及び/又はクローズシステムにおいて半径方向、軸方向、遠心機械など、回転機械の形態を有する幅広い種類の発電プラント機械に適用することができる。これは、限定ではないが、軸方向タービン、軸方向圧縮機、遠心圧縮機、ヘリカルスクリュー圧縮機、半径流タービン、トルクコンバータ、ポンプ、ファン、ブロア、油圧タービン、船舶用プロペラ、風力タービン、又はこれらの何れかの組み合わせを含むことができる。
【0028】
発電プラント機械はまた、出力の生成及び/又は出力の消費用に構成されたターボ機械の形態を有することができる。これらのターボ機械は、限定ではないが、燃焼タービン及び蒸気タービンを含むことができる。これらのターボ機械は、主として、作動流体の圧力を高めるよう機能することができる。作動流体の非限定的な実施例には、空気、水、ガス、物質、又はこれらの何れかの組み合わせが含まれる。これらのターボ機械は、限定ではないが、ガス、液体燃料、空気、水、蒸気、風、電気、熱、水蒸気、又はこれらの何れかの組み合わせなど、幅広い種類のエネルギー源を消費することができる。
【0029】
本発明の実施形態は、限定ではないが、航空宇宙、自動車、冷房、暖房、工業、発電、船舶、化学、農業、石油化学、機械駆動、ポンプ、ファンブロア、圧縮機、及び同様のものを含む幅広い種類の用途における発電プラント機械の運転に適用することができる。
【0030】
次に、幾つかの図全体を通して様々な参照符号が同様の要素を表す図面を参照すると、図1は、本発明の1つの実施形態が作動することができる環境を示す概略図である。図1は、ガスタービン105及び蒸気タービン160を有する複合サイクル構成における発電プラント100を示している。シャフト137は、ガス及び蒸気タービン105、160を統合する。この構成は、単一シャフトSTAGパワートレインと考えられる。但し、本発明の実施形態は、本明細書において単一シャフトSTAG用途に関して記載しているが、本発明は、単一のシャフト137により統合されている場合と、統合されていない場合がある複数の発電プラント機械を有する他の発電プラント構成にも適用することができる。
【0031】
既に述べたように、過速度保護システムは、過速度事象中の第2の防御系統として機能し、発電プラント機械を守るために機械、電気、及びソフトウェア構成要素を含む。過速度保護システムは、停止/速度割当バルブ152及び蒸気バルブ162を含むことができ、これらは第2の防御系統として機能する。
【0032】
ガスタービン105は、一般に、圧縮機セクション110、燃焼システム120、タービンセクション125、及び排気セクション130を備える。一般に、圧縮機110は、図1において矢印で示された入口空気を吸い込んで加圧する。加圧空気は、下流側の燃焼システム120に流れることができ、ここで加圧空気は、限定ではないが、ガス燃料システム150から受け取った天然ガスなどの燃料と混合された後、燃焼する。限定ではないが、発電機167の負荷は、シャフト137を介してガスタービン105に結合することができる。ここで、タービンセクション125において発生した機械的トルクが発電機167を駆動する。
【0033】
ガスタービン105の作動中に発生する排出ガス135は、排出ガスセクション130を通って下流側に流れることができ、熱回収蒸気発生器(HRSG)140により受けることができる。HRSG140は、熱回収プロセスを利用して、排出ガス135内の熱の一部を凝縮物又は送給水147に伝達し、蒸気を生成する。蒸気145は、蒸気バルブ162を通り、シャフト137を介してガスタービン105に結合された蒸気タービン160へ下流側に流れることができる。蒸気145は、蒸気バルブ162及び蒸気タービン160を通って流れた後、凝縮器165において凝縮されて凝縮物147を形成することができる。次に、凝縮物又は送給水147ポンプ(図示せず)は、凝縮物又は送給水147をHRSG140に供給し、ここで上述のプロセスを繰り返すことができる。排出ガス135は、HRSG140を通った後、スタック(図示せず)に流れることができる。蒸気145が蒸気タービン160を通って流れると、蒸気145のエネルギーは、シャフト137を駆動する機械的トルクに移転される。
【0034】
制御システム170は、発電プラント100の作動の監視及び制御を行うことができる。本発明の実施形態によれば、制御システム170は、以下で説明するように過速度試験システムを実施することができる。
【0035】
理解されるように、本発明は、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として具現化することができる。従って、本発明は、完全ハードウェア実施形態、完全ソフトウェア実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード、その他を含む)、或いはソフトウェア及びハードウェア態様を組合せた実施形態の形態をとることができ、本明細書ではこれら全てを総称して「回路」、「モジュール」又は「システム」と呼ぶ。更に、本発明は、媒体内に具現化されたコンピュータ使用可能プログラムコードを有するコンピュータ使用可能記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。本明細書で使用される用語「ソフトウェア」及び「ハードウェア」は同義的であり、プロセッサが実行するため、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、及び不揮発性RAM(NVRAM)メモリを含むメモリ内に記憶されるあらゆるコンピュータプログラムを含む。上記のメモリタイプは例証に過ぎず、従って、コンピュータプログラムの記憶に使用可能なメモリのタイプに関し限定するものではない。あらゆる好適なコンピュータ読取り可能媒体を利用することができる。
【0036】
コンピュータ使用可能又はコンピュータ読取り可能媒体は、限定ではないが、例えば電子、磁気、光学、電磁、赤外線又は半導体のシステム、装置、デバイス或いは伝播媒体とすることができる。コンピュータ読取り可能媒体のより具体的な実施例(非網羅的リスト)には、1つ又はそれ以上のワイヤを有する電気的接続部、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能・プログラム可能読出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読出し専用メモリ(CD−ROM)、光学記憶装置、インターネット又はイントラネットをサポートするものなどの伝送媒体、或いは磁気記憶装置が含まれることになる。プログラムは、例えば紙又は他の媒体を光学的にスキャンすることにより電子的に取り込み、次いで必要に応じて適切な方法でコンパイルし、解釈し、又は他の方法で処理し、その後コンピュータメモリ内に記憶させることができるので、コンピュータ使用可能又はコンピュータ読取り可能媒体は、プログラムを印刷する紙又は他の好適な媒体であってもよい点に留意されたい。本明細書の文脈に照らして、コンピュータ使用可能又はコンピュータ読取り可能媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスによって或いはこれらと関連して使用するためのプログラムを収容、記憶、通信、伝播、又は移送することができるあらゆる媒体とすることができる。
【0037】
本明細書で使用される場合、用語「プロセッサ」とは、中央処理ユニット、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、縮小命令セット回路(RISC)、特定用途集積回路(ASIC)、ロジック回路、及び本明細書で説明される機能を実行することができる他の何らかの回路又はプロセッサを意味する。
【0038】
本発明の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(商標)7、Smalltalk又はC++、或いは同様のものなどの、オブジェクト指向プログラミング言語で記述することができる。しかしながら、本発明の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードはまた、「C」プログラミング言語又は同様の言語のような、従来の手続き形プログラミング言語で記述することができる。プログラムコードは、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして全体的にユーザコンピュータ上で、部分的にユーザコンピュータ上で、或いは、部分的にユーザコンピュータ上で且つ部分的にリモートコンピュータ上で、又は全体的にリモートコンピュータ上で実行することができる。後者の場合には、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を介してユーザコンピュータに接続することができ、或いは外部コンピュータに対して接続することができる(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)。
【0039】
以下では、本発明の実施形態による方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照しながら本発明を説明する。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート図及び/又はブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実施することができる点は理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供されてマシンを形成し、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実施する手段をもたらすようにすることができる。
【0040】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ読取り可能メモリ内に記憶させることができる。これらの命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置に命令して特定の方式で機能させることができる。このことは、コンピュータ読取り可能メモリ内に記憶された命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実施する命令手段を含む製品をもたらすようなものである。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置上にロードすることができる。これらの命令により、一連の動作ステップをコンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置上で実行させ、コンピュータに実装されるプロセスを生成することができる。ここで、コンピュータ又は他のプログラム可能装置上で実行される命令は、フローチャート及び/又はブロック図のブロックにおいて指定された機能/動作を実施するステップを提供する。
【0041】
図2を参照すると、図2は、本発明の1つの実施形態による過速度保護システムを試験する方法200を概略的に示している。本発明の1つの実施形態において、オペレータは、制御システム170を用いてグラフィカルユーザインタフェース(GUI)又は同様のものを介して方法200の作動を監視及び/又は制御することができる。
【0042】
ステップ205において、発電プラント100は運転モード状態である。ここで発電プラント100は、FSNL、送出出力、又は同様の運転モード状態にあるものとすることができる。
【0043】
ステップ210において、方法200は、過速度保護システムの試験が望ましいか否かを判定することができる。ここで、オペレータは、GUIを用いて過速度保護システムの試験が望ましいことを示すことができる。過速度保護システムの試験が望ましい場合、方法200はステップ215に進むことができ、そうでない場合には、方法200はステップ205に戻ることができる。
【0044】
ステップ215において、方法200は、発電プラント過速度試験手法を選択することができる。本発明の有意な利点は、2つの手法によって過速度保護システムを試験できることである。運転停止手法により、ユーザは、発電プラント機械が運転停止プロセスの状態にある間に過速度保護システムを試験することができる。運転手法により、ユーザは、発電プラントがFSNLで運転中に過速度保護システムを試験することができる。各手法の特徴及び利点を以下で検討する。発電プラントが運転停止している場合、方法200はステップ220に進むことができる。発電プラントのシャフトの速度が正常運転速度前後である場合、方法200はステップ230に進むことができる。
【0045】
ステップ220において、方法200は、発電プラントが運転停止プロセスを開始していることを判定することができる。
【0046】
ステップ225において、方法200は、発電プラントが運転停止している間、過速度保護システムの試験を開始することができる。図3及び4は、発電プラントが運転停止している間の過速度保護システムの試験に関連したステップを説明し示している。
【0047】
ステップ230において、方法200は、発電プラントのシャフト速度が正常速度範囲内で作動していることを判定することができる。
【0048】
ステップ235において、方法200は、発電プラントがFSNL状態にあることができる間、過速度保護システムの試験を開始することができる。図5及び6は、発電プラントがFSNLで運転することができる間、過速度保護システムの試験に関連したステップを説明し示している。
【0049】
ここで図3A及び3B(総称して図3)を参照すると、本発明の1つの実施形態による、運転停止シーケンス中の過速度保護システムを試験する方法300を示すフロー図である。ステップ305において、ガスタービン105の燃焼運転停止が開始される。燃焼運転停止は、オペレータにより手動で、又は必要な特別認可を有する制御システムにより自動的に開始することができる。
【0050】
ステップ310において、方法300は、少なくとも1つの燃焼運転停止の過速度試験許容条件が満たされるかどうかを判定する。ユーザは、試験に対する必要条件である複数の許容条件を構成することができる。これらの許容条件は、試験を行う前に特定の運転状態を確保するのに用いることができる。例えば、限定ではないが、ユーザは、ガスタービン105が試験を開始する前にFSNL状態又はその近傍で運転していることを選ぶことができる。必要とされる許容条件が満たされない場合、方法300はステップ335に進むことができ、そうでない場合には、ステップ315に進むことができる。
【0051】
ステップ315において、燃焼運転停止過速度試験が選択される。ユーザは、方法300がステップ310を満たした後、自動的に試験を選択するよう構成することができる。ユーザは、ガスタービン105の運転が遠隔に行われる場合にこの選択肢を望むことができる。代替として、ユーザは、試験を主導的に選択することができ、これは、タービン運転が局所的に行われる場合に望ましいとすることができる。
【0052】
次に、方法300はステップ320に進むことができ、ここでは、実際のシャフト137の速度がフレームアウト速度を超えるかどうかを判定することができる。実速度がフレームアウト速度を超えた場合には、方法300はステップ325に進むことができ、そうでない場合、ステップ335に進むことができる。本発明は、ユーザが決定するためのパラメータを構成することを可能にする。例えば、ユーザは、制御定数として燃焼器フレームアウト速度を設定することができる。或いは、本発明は、燃焼器フレームアウト速度を試験中に自動的に決定される変数にすることができる。
【0053】
方法300は、ステップ325において、ステップ310の試験許容条件が維持されるか否かを判定する。運転事象により、試験許容条件が状態を変化させるようにする可能性がある。例えば、燃料システム問題は、早期フレームアウト及び試験許容条件の喪失につながる可能性がある。試験許容条件が維持されない場合、方法300はステップ335に進むことができ、方法300はステップ330に進むことができる。
【0054】
ステップ330において、ユーザは、手動で試験を中断することができる。ユーザは、試験が中断される原因を作動的に又は他の方法で発見することができる。例えば、ユーザは、火炎検出器が火炎ステータスの信頼性のある指標を提供していないことを発見することができ、従って、火炎ステータスは重要な試験要件とすることができる。ユーザが試験を中断した場合、方法300はステップ335に進むことができ、そうでない場合には、方法300はステップ340に進むことができる。
【0055】
ステップ335において、方法300は試験を中断する。試験が中断された後、ガスタービン105の運転は、前の燃焼運転停止シーケンスに戻る。ユーザは、方法300が試験の中断を通知するよう構成することができる。通知は、限定ではないが、音響信号、グラフィック、又はテキストメッセージなど様々な形態のアラームとすることができる。
【0056】
図3Bに示すステップ340において、過速度トリップ設定点は、燃焼運転停止トリップ設定点に変更される。燃焼運転停止トリップ設定点の値は、様々な機械的要因、運転上の要因、及び信頼性要因による影響を受ける可能性がある。これらの要因は、発電プラントタイプ、燃焼システム、作動上の条件、燃料タイプ、その他によって変わる可能性がある。設定点の値は通常、特定の燃焼システムの固有フレームアウト速度付近に設定され、これによりトリップに伴う熱過渡状態を最小限にする。本発明の1つの実施形態により、ユーザは、燃焼運転停止トリップ設定点の値を入力することができ、これにより特定条件のための調整手段を提供する。或いは、本発明は、燃焼運転停止トリップ設定点の値を自動的に生成し入力するよう構成することもできる。
【0057】
燃焼運転停止トリップ設定点が変わった後、方法300はステップ345に進むことができる。ここで、ガスタービン105は、燃焼運転停止過速度トリップを生じることができる。トリップは、ガスタービン105の実速度が燃焼運転停止過速度設定点に近づいた後に生じる可能性がある。
【0058】
次いで、方法300は、ステップ350において、緊急保護システムが適正に機能したか否かを判定することができる。ガスタービン105において、緊急保護システムは一般に、燃焼システムへの燃料流を迅速に停止するよう作動し、これにより燃焼が消火する。蒸気タービン160では、緊急保護システムは一般に、蒸気バルブ162を閉鎖することにより蒸気を迅速に停止するよう作動する。これは、シャフト137に対して蒸気タービン160により生成されるトルク量を最小限にする。データ記録手段は通常、緊急保護システムの構成要素が適正に作動したかを検証するのに使用される。緊急保護システムが適正に機能した場合、方法300はステップ355に進むことができ、燃焼運転停止試験は成功であり、そうでない場合、方法300はステップ360に進むことができ、燃焼運転停止試験は不成功である。本発明は、緊急保護システムが適正に機能したか否かをユーザに通知するアラームシステムと統合することができる。
【0059】
図4A〜4C(総称して図4)は、本発明の1つの実施形態による、使用時における図2及び3の方法を概略的に示している。図4は、図1に示す発電プラント100のガスタービン105及び蒸気タービン160を示す。図4はまた、ガスタービン105及び蒸気タービン160の関連の動作パラメータを示す。これらのパラメータは、タービン実速度410(正常運転速度に対する割合として)、過速度トリップ設定点(正常運転速度に対する割合として)420、及び燃焼システム120の火炎検出器を含む。図4はまた、停止/速度比バルブ152、複数のガス制御バルブ154、及び蒸気バルブ162を備えたガス燃料システム150を示す。
【0060】
図4Aを具体的に参照すると、タービン実速度410が100%であり、過速度トリップ設定点420は110%であり、火炎検出器が火炎を表示している。これらのパラメータは、タービン100がFSNL条件で運転していることを示唆している。
【0061】
燃焼運転停止が開始され、試験許容条件が満たされた後、ユーザは燃焼運転停止過速度試験を始めることができる。図4Bは、ガスタービン105が50%のタービン実速度410の燃焼運転停止を生じ、火炎検出器が火炎を表示していることを示す。本発明によりユーザは、手動で試験を中断し、これによりガスタービン105の燃焼運転停止を再開することができる。
【0062】
燃焼運転停止過速度試験は、過速度トリップ設定点420をタービン100のフレームアウト速度付近の値に自動的に調整する。ここで設定点420は48%まで低下する。
【0063】
設定点420が変更された直後に、過速度保護システムは、図4Cに示すようにガスタービン105及び蒸気タービン160をトリップすべきである。ガスタービン105及び蒸気タービン160のトリップは、シャフト137へのトルク移転を迅速に最小限にする。ここで燃焼火炎は消火され、蒸気バルブ162が閉鎖される。図4Cは、燃焼システム120の火炎検出器が火炎の存在を表示していないことを示している。ガスタービン105及び蒸気タービン160のトリップの後、過速度トリップ設定点420は、デフォルト値に自動的にリセットされる。
【0064】
次に、図5A及び5B(総称して図5)を参照すると、ガスタービン105がFSNLで最初に運転している間にタービンの過速度保護システムを試験する方法500の各ステップを示すフロー図である。本発明の1つの実施形態において、オペレータは、制御システム170を用いてグラフィカルユーザインタフェース(GUI)又は同様のものを介して方法500の作動を監視及び/又は制御することができる。
【0065】
方法500は、過速度保護システムトリップ及びエネルギー保護システムトリップのデフォルト設定点を調整するバイアスシステム又は同様のものを含むことができる。バイアスシステムは、STAGをトリップすることなくシャフト137の速度を過速度トリップ設定点のデフォルト設定にまで増大させることを可能にすることができる。これにより過速度保護システムが過速度トリップ設定点のデフォルト設定で試験されるのを確保することができる。更に、方法500の1つの実施形態は、過速度保護システム又はエネルギー保護システムを無効にすることができない。例えば、限定ではないが、試験中にバイアスシステムは、エネルギートリップ設定点を110%から111%に、保護トリップ設定点を113%から114%に増大させることができる。従って、本発明が機能不全になった場合、独立保護系統がSTAGを保護することができる。
【0066】
本発明は、過速度試験の開始前にガスタービン105及び蒸気タービン160の両方により少なくとも1つの試験許容条件が満たされ維持されることを必要とする。これらの許容条件は、主保護トリップ状態、発電機/駆動負荷ステータス、入口ガイドベーン位置、及び許容条件(安定許容条件)を含むことができる。更に、各許容条件は、過速度試験の異なる期間に必要とされる可能性がある。例えば、動作許容条件は、試験開始前に必要とされ、他方、安定許容条件は試験中に必要とされる可能性がある。
【0067】
ステップ505では、ガスタービン105及び蒸気タービン160は、FSNLで作動することができ、過速度試験に対して望ましい開始条件とすることができる。通常、ガスタービン105及び蒸気タービン160は、外部負荷への送出エネルギーがないときにFSNLで運転する。例えば、発電機167を送電網と同期させる前に、ガスタービン105及び蒸気タービン160はFSNLで運転する。
【0068】
ステップ510において、方法500は、動作許容条件が満たされたか否かを判定する。本発明の1つの実施形態は、ユーザが少なくとも1つの動作許容条件を構成可能にすることができる。動作許容条件は、FSNL、ソーク時間、又は同様の要件での連続運転を含むことができる。例えば、許容条件は、新規のシャフトに対してより長い運転期間を必要とする可能性がある。動作許容条件が満たされた場合、方法500はステップ515に進むことができ、そうでない場合には、方法500はステップ505に戻ることができる。
【0069】
ステップ515では、方法500は、少なくとも1つの過速度試験許容条件が満たされたか否かを判定する。ステップ510と同様にして、本発明の1つの実施形態は、ユーザが過速度試験許容条件を定義し、又は複数の過速度試験許容条件を定義可能にすることができる。例えば、限定ではないが、過速度試験許容条件は、入口ガイドベーン位置、圧縮機保護システムステータス、及び入口空気システムステータス、入口ブリード熱、又は同様のものを含むことができる。過速度試験許容条件が満たされない場合、方法500はステップ530に進むことができ、そうでない場合、方法500はステップ520に進むことができる。
【0070】
ステップ530において、方法500は過速度試験を自動的に中断することができる。試験が中断された後、ガスタービン105及び蒸気タービン160の運転は自動的にFSNLに戻る。ユーザは、試験が中断されたことを通知するよう方法500を構成することができる。通知は、限定ではないが、音響信号、グラフィック、又はテキストメッセージなどの様々な形態のアラームとすることができる。
【0071】
方法500はステップ520に進むことができ、ここで過速度試験が開始される。ユーザは、ステップ515が満たされた後に過速度試験を自動的に開始するよう方法500を予め構成することができる。ユーザは、例えば、ガスタービン105及び蒸気タービン160の運転が遠隔に行われている場合にこの選択肢を要求することができる。或いは、方法500は、過速度試験を開始するユーザ動作を必要とするよう予め構成することができる。ユーザ動作は、限定ではないが、タービン105、160が局所的に制御されるディスプレイ上で「過速度試験の開始」ボタンなどを選択することとすることができる。
【0072】
ステップ525では、方法500は、安定許容条件が満たされたか否かを判定することができる。安定許容条件は、ガスタービン105が最少の熱過渡特性で熱的に定常状態付近で運転するのを確保することができる。安定許容条件は、ガスタービン105の運転時間をカウントするタイマー又は同様のものの形態とすることができる。ステップ510及び515と同様に、本発明の1つの実施形態は、ユーザが安定許容条件又は複数の安定許容条件を定義可能にすることができる。更に、安定許容条件は、ガスタービン105のタイプ及び/又は種類によって異なることができる。安定試験許容条件が満たされない場合、方法500はステップ530に進むことができ、そうでない場合、方法500はステップ535に進むことができる。
【0073】
ステップ535では、方法500は、自動速度増大を選択することができる。本発明の1つの実施形態は、方法500が自動増大する状態になったことをユーザに通知することができる。この通知は、限定ではないが、自動速度増大に進むためにユーザに要求するアラーム及び/又はプロンプトとすることができる。或いは、本発明の1つの実施形態は、自動速度増大を自動的に選択するよう予め構成することができる。
【0074】
ステップ540において、方法500は、ガスタービン105及び蒸気タービン160を統合するシャフト137の速度を自動的に増大することができる。本発明の1つの実施形態は、速度が増大する変化率を変えることができ、これによりユーザは、一般的に速度増大と関連付けられる熱過渡応答を最小限にすることができる。変化率は、タービンの種類及び作動環境に応じて変わることができる。例えば、本発明の1つの実施形態はまた、ユーザが過速度試験中に変化率を変更し、シャフト及び他の機械的構成要素に関連する運動量を考慮可能にすることができる。更に、より低速時であるほど相対的により高速な変化率を使用し、タービンが過速度トリップ設定点に接近するとより遅い変化率を使用することができる。
【0075】
自動速度増大が始まった後、方法500は、ステップ545において、ユーザが手動で過速度試験を中断することを決定するか否かを判定することができる。過速度試験の中断理由は、限定ではないが、運転上の問題を含むことができる。例えば、より高いシャフト速度は振動問題を引き起こし、ユーザが試験を中断することが必要となる可能性がある。ユーザが過速度試験を中断した場合、方法500はステップ550に進むことができ、そうでない場合、方法500はステップ555に進むことができる。
【0076】
ステップ550では、方法500は試験を中断する。ステップ530と同様に、過速度試験が中断された後、ガスタービン105及び蒸気タービン160の作動はFSNLに戻ることができる。ユーザは、過速度試験がステップ545の間に中断されたことを通知するよう方法500を構成することができる。この通知は、限定ではないが、音響信号、グラフィック、又はテキストメッセージなどの様々な形態のアラームとすることができる。
【0077】
本発明は、タービン105、160を作動させる制御システム、タービンコントローラ、又は同様のものを含むことができる。タービンコントローラは、一般にコアと呼ばれる少なくとも1つの処理システムを含むことができ、タービン105、160の速度を登録することができる。本発明の1つの実施形態は、少なくとも2つのコア、すなわち作動コア、又は同様のもの保護コア又は同様のものを有するタービンコントローラを含むことができる。方法500は、ステップ555において、ユーザが各コアにガスタービン105及び蒸気タービン160の速度を登録するよう予め構成することができる。このことは、ガスタービン105及び蒸気タービンが各々過速度状態を受けることを検証する機能を果たす。
【0078】
ガスタービン105は、一般に燃焼システムへの燃料流を迅速にストップし、これにより燃焼を消火するよう作動する保護システムを含むことができる。蒸気タービン160では、エネルギー保護システムは一般に、蒸気バルブ162を閉鎖することによって蒸気流を迅速にストップするよう作動する。これにより、蒸気タービン160によって生成されるシャフト137用のトルク量が最小限になる。データ記録手段は通常、保護システム構成要素が過速度試験中に適正に作動したことを検証するのに使用される。本発明は、実際に過速度状態が生じたときに保護システムが適正に作動したか否かをユーザに通知するアラームシステムと統合することができる。
【0079】
ステップ555において、方法500は、シャフト速度が過速度トリップ設定点を超えたか否かを判定することができる。本発明の1つの実施形態において、シャフト速度が過速度トリップ設定点を超えたことを作動コア及び保護コアが登録していない場合、方法500はステップ560に進むことができ、そうでない場合、方法500はステップ570に進むことができる。
【0080】
本発明の1つの実施形態は、最初に速度指令を増大することによってシャフトの速度を増大することができる。速度指令は、燃料ストローク指令又は同様のものに変換され、最終的にはシャフト速度を増大させる。ステップ560において、方法500は、タービンコントローラが過速度トリップ設定点よりも大きい速度指令を開始しているか否かを判定する。速度指令が過速度トリップ設定点よりも大きくない場合、方法500はステップ540に戻ることができる。或いは、速度指令が過速度トリップ設定点よりも大きい場合には、方法500はステップ565に進むことができる。
【0081】
ステップ565において、様々な原因によって引き起こされる可能性があるトリップ又は突発的故障を回避するために過速度試験が中断される。突発的故障の1つの原因は、回転タービン構成要素と固定タービン構成要素との間の熱膨張率が異なることを含む。一般に、シャフト速度が増大すると、構成要素の熱膨張が増大する。更に、回転タービン構成要素と固定タービン構成要素との間のクリアランスは比較的狭く、これらの構成要素は異なる材料から作られることが多い。過速度試験中に回転タービン構成要素及び固定タービン構成要素は膨張するので、これらのクリアランスが更に狭くなる可能性がある。これを踏まえて、回転タービン構成要素及び固定タービン構成要素の間の接触により生じる突発的故障を回避するために、方法500は、ステップ565において、タービン速度が過速度トリップ設定点を下回って登録されていても、速度指令が過速度トリップ設定点を超えた場合には過速度試験を中断することができる。
【0082】
ステップ570において、シャフト速度を自動的に低下させる。ステップ540と同様に、本発明の1つの実施形態は、速度を低下させる変化率を変えることができ、これによりユーザは、速度減少に一般に伴う熱過渡特性を最小限にすることができる。例えば、限定ではないが、変化率に関しては、タービンの種類及び作動環境に応じて変えることができる。本発明の1つの実施形態はまた、ユーザが速度減少の変化率を変えることができる。例えば、より高速のシャフト速度時であるほど相対的により高速な変化率を使用し、シャフト速度が正常運転速度に接近するとより遅い変化率を使用することができる。
【0083】
本発明の過速度試験は、シャフト速度が正常運転速度前後に復帰したときに完了したと考えることができる。ステップ575では、方法500は、シャフト速度がFSNL前後に復帰した後に自動速度変更を無効にすることができる。
【0084】
ここで図6A〜6E(総称して図6)を参照すると、方法500の1つの実施形態が作動することができる環境を示す概略図である。図6は、本発明の1つの実施形態による、過速度保護システムの試験を行っているガスタービン105及び蒸気タービン160を示す。図6はまた、ガスタービン105及び蒸気タービン160の動作パラメータを示す。これらのパラメータは、タービン実速度610(正常運転速度に対する割合として)、過速度トリップ設定点(正常運転速度に対する割合として)620、及び燃焼システム120の火炎検出器を含む。図6はまた、停止/速度比バルブ152、複数のガス制御バルブ154、及び蒸気バルブ162を備えたガス燃料システム150を示す。
【0085】
図6Aを具体的に参照すると、タービン実速度610が100%であり、過速度トリップ設定点620は110%であり、火炎検出器が火炎を表示している。これらのパラメータは、ガスタービン105及び蒸気タービン160がFSNL条件で運転していることを示唆している。試験許容条件が満たされた後、ユーザは過速度試験を始めることができる。
【0086】
図6Bは、過速度試験を始めた後、タービン実速度610が103%まで増大し、過速度トリップ設定点620が111%までバイアスされることを示している。本発明は、過速度試験中にシャフト137の速度を自動的に調整する。
【0087】
図6Cは、シャフト137の実速度が過速度トリップ設定のデフォルト値に等しい110%になっていることを示している。上述のように、過速度トリップ設定点620は111%にバイアスされている。本発明は、過速度試験中に過速度状態に達したときには、ガスタービン105又は蒸気タービン160をトリップすることはない。本発明の1つの実施形態は、ユーザに過速度状態を通知することができる。図6Dに示すように、本発明は、過速度状態に達した後にシャフト137の速度を自動的に低下させる。ここでは、実速度610は、108%にまで自動的に低下している。更に、本発明は、実速度が過速度トリップ設定のデフォルト値に達した後には過速度トリップのバイアスを除去することができる。ここでは、過速度トリップ設定点620は110%のデフォルト値に戻る。図6Eに示すように、本発明の1つの実施形態は、FSNLに達するまで継続してシャフト137の速度調整を自動的に行い、これにより試験を完了することができる。その後、ユーザは、発電プラント100の正常運転に復帰することができる。
【0088】
図7は、本発明の実施形態による、過速度保護システムを自動的に試験するための例示的なシステム700のステップ図である。方法300、500の要素は、システム700ンにおいて具現化し且つ該システム700によって実行することができる。システム700は、1つ又はそれ以上のユーザ又はクライアント通信デバイス702、或いは同様のシステム又はデバイス(図7には2つが示されている)を含むことができる。各通信デバイス702は、電子メッセージを送受信することができるコンピュータシステム、パーソナルデジタル端末、携帯電話又は同様のデバイスとすることができる。
【0089】
通信デバイス702は、システムメモリ704又はローカルファイルシステムを含むことができる。システムメモリ704は、読出し専用メモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)を含むことができる。ROMは、基本入出力システム(BIOS)を含むことができる。BIOSは、通信デバイス702の要素又は構成要素間での情報転送を助ける基本ル−チンを含むことができる。システムメモリ704は、通信デバイス702の動作全体を制御するオペレーティングシステム706を含むことができる。システムメモリ704はまた、ブラウザ708又はウエブブラウザを含むことができる。システムメモリ704はまた、過速度保護システムを自動的に試験するデータ構造710又はコンピュータ実行可能コードを含むことができ、これらのデータ構造又はコードは、方法300、500と同様にすることができ、或いは方法300、500の要素を含むことができる。システムメモリ704は更に、テンプレートキャッシュメモリ712を含むことができ、このキャッシュメモリは、最新の試験からのデータを自動的に記憶するために方法300、500と共に使用することができる。
【0090】
通信デバイス702はまた、該通信デバイス702の他の構成要素の動作を制御するプロセッサ又は処理ユニット714を含むことができる。オペレーティングシステム706、ブラウザ708及びデータ構造710は、プロセッサ714上で動作可能とすることができる。プロセッサ714は、システムバス716によって通信デバイス702のメモリシステム304及び他の構成要素に結合することができる。
【0091】
通信デバイス702はまた、複数の入力デバイス、出力デバイス又は組合せ入出力デバイス718を含むことができる。各入出力デバイス718は、入出力インタフェース(図3には図示せず)によってシステムバス716に結合することができる。入力及び出力デバイス又は組合せ入出力(I/O)デバイス718は、ユーザが通信デバイス702を動作させて該通信デバイス702とインタフェース接続することを可能にし、またブラウザ708及びデータ構造710の動作を制御して、過速度保護システムを自動的に試験するソフトウェアにアクセスし、これを動作させ且つ制御することを可能にする。I/Oデバイス718は、本明細書に記載した動作を行うキーボード及びコンピュータポインティングデバイス又はこれと同様のものを含むことができる。
【0092】
I/Oデバイス718はまた、ディスクドライブ、光学的又は機械的又は磁気的又は赤外線入出力デバイス、モデム、或いはこれらと同様のものを含むことができる。I/Oデバイス718を用いて、媒体720にアクセスすることができる。媒体720は、通信デバイス702のようなシステムによって使用するため又は該システムと共に使用するためのコンピュータ読取り可能又はコンピュータ実行可能命令もしくは他の情報を収納、記憶、通信又は転送することができる。
【0093】
通信デバイス702はまた、ディスプレイ又はモニタ722のような他のデバイスを含むか、又はそのような他のデバイスに接続することができる。モニタ722は、ユーザが通信デバイス702とインタフェース接続することを可能にするのに使用することができる。モニタ722は、過速度保護システムを自動的に試験するために画像、グラフィック又は同様のものを提示し、これらはデータ構造710によって生成することができる。
【0094】
通信デバイス702はまた、ハードディスクドライブ724を含むことができる。ハードドライブ724は、ハードドライブインタフェース(図7には図示せず)によってシステムバス716に結合することができる。ハードドライブ724はまた、ローカルファイルシステム又はシステムメモリ704の一部を形成することができる。プログラム、ソフトウェア及びデータは、通信デバイス702を動作させるために、システムメモリ704とハードドライブ724との間で転送及び交換することができる。
【0095】
通信デバイス702は、遠隔サーバ726と通信することができ、ネットワーク728を介して他のサーバ又は通信デバイス702と同様の他の通信デバイスにアクセスすることができる。システムバス716は、ネットワークインタフェース730によってネットワーク728に結合することができる。ネットワークインタフェース730は、ネットワーク728に結合するためのモデム、イーサネット(商標)カード、ルータ、ゲートウエイ又は同様のものとすることができる。結合は、ワイヤ接続又は無線とすることができる。ネットワーク728は、インターネット、プライベートネットワーク、イントラネット又は同様のものとすることができる。
【0096】
サーバ726はまた、システムメモリ732を含むこともでき、該システムメモリ732は、ファイルシステム、ROM、RAM及び同様のものを含むことができる。システムメモリ732は、通信デバイス702内のオペレーティングシステム706と同様のオペレーティングシステム734を含むことができる。システムメモリ732はまた、過速度保護システムを自動的に試験するデータ構造736を含むことができる。データ構造736は、過速度保護システムを自動的に試験するための方法300、500に関して説明したものと同様のオペレーションを含むことができる。サーバシステムメモリ732はまた、他のファイル738、アプリケーション、モジュール及び同様のものを含むことができる。
【0097】
サーバ726はまた、該サーバ726内の他のデバイスの動作を制御するプロセッサ742又は処理ユニットを含むことができる。サーバ726はまた、I/Oデバイス744を含むことができる。I/Oデバイス744は、通信デバイス702のI/Oデバイス718と同様のものとすることができる。サーバ726は更に、I/Oデバイス744と共にサーバ726に対するインタフェースを提供するモニタ又は同様のもののような他のデバイス746を含むことができる。サーバ726はまた、ハードディスクドライブ748を含むことができる。システムバス750は、サーバ726の様々な構成要素に接続することができる。ネットワークインタフェース752は、システムバス750を介してサーバ726をネットワーク728に結合することができる。
【0098】
図面におけるフロー図及びステップ図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の実施可能な実施形態のアーキテクチャ、機能性及び動作を示している。この点に関して、フロー図又はステップ図における各ステップは、指定した論理機能を実行するための1つ又はそれ以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメント又はコードの一部分を表すことができる。また、幾つかの別の実施形態では、ステップ内に記載した機能は、図に記載した順序とは異なる順序で行うことができる点に留意されたい。例えば、連続して示した2つのステップは、実際には、これらに含まれる機能に応じて、実質的に同時に実行することができ、或いは、場合によってはこれらのステップは逆の順序で実行することができる。また、ブロック図及び/又はフロー図の各ステップ並びにブロック図及び/又はフロー図におけるステップの組合せは、指定した機能又は動作を行う専用ハードウェアベースのシステム、或いは専用ハードウェア及びコンピュータ命令の組合せによって実行できる点も留意されたい。
【0099】
当業者であれば理解されるように、幾つかの例示的な実施形態に関して上述された多くの様々な特徴及び構成は、本発明の他の実施可能な実施形態を形成するよう更に選択的に適用することができる。更に、実施可能な繰り返しの全てが本明細書で詳細には提供され又は説明されるとは限らないが、添付の複数の請求項又はその他によって包含される全ての組み合わせ及び可能な実施形態は、本出願の一部をなすことを当業者であれば理解されるであろう。加えて、本発明の複数の例示的な実施形態の上記の説明から、当業者であれば、改善、変更、及び修正を理解するであろう。当該技術分野内でのこのような改善、変更、及び修正はまた、添付の請求項により保護されるものとする。更に、上記のことは、本出願の実施形態にのみに関連しているが、添付の請求項及びその均等物によって定められる本出願の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって多くの変更及び修正を本明細書において行うことができる点を理解されたい。
【符号の説明】
【0100】
100 発電プラント
105 ガスタービン
110 圧縮機セクション
120 燃焼システム
125 タービンセクション
130 排気セクション
135 排気ガス
137 シャフト
140 HRSG
145 蒸気
147 凝縮物/給水
150 ガス燃料システム
152 停止/速度比バルブ
154 複数のガス制御バルブ
160 蒸気タービン
162 蒸気バルブ
165 凝縮器
167 発電機
170 制御システム
410 実タービン速度
420 過速度トリップ設定点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電プラント(100)の過速度保護システムを試験する方法(200)であって、本方法が、
複数の発電プラント機械を備え、該複数の発電プラント機械が作動中に回転するシャフト(137)によって作動可能に統合される発電プラント(100)を提供する段階と、
前記シャフト(137)に関連する過速度事象を検出するよう構成された過速度保護システム(170)を提供する段階と、
前記過速度保護システム(170)を試験するための手法(300、500)を選択する段階と、
を含み、
前記手法(300、500)は、前記複数の発電プラント機械が運転停止モード又は運転モードの何れで作動しているかを判定し、
前記方法が更に、
前記複数の発電プラント機械が運転停止モードにある場合、前記シャフト(137)の速度が前記過速度事象を表す運転停止値を超えるか否かを判定する段階と、
前記複数の発電プラント機械が運転モードにある場合、前記シャフト(137)の速度が前記過速度事象を表す過速度トリップ値を超えるか否かを判定する段階と、
前記過速度トリップ値を変える段階と、
前記過速度保護システム(170)が前記複数の発電プラント機械をトリップするよう作動するか否かを判定する段階と、
を含み、
前記方法(200)は、前記過速度保護システム(170)の試験中に生じるトリップの可能性を低下させる方法(200)。
【請求項2】
前記複数の発電プラント機械が、ガスタービン(105)及び蒸気タービン(145)を備え、前記シャフト(137)が、前記ガスタービン(105)及び蒸気タービン(145)を統合し、蒸気及びガスパワートレイン(STAG)を形成する、
請求項1に記載の方法(200)。
【請求項3】
前記手法が、前記運転停止モード用に構成された運転停止モード手順(300)と、前記運転モード用に構成された運転モード手順(500)とを含む、
請求項2に記載の方法(200)。
【請求項4】
前記運転停止モード手順(300)が、
a)試験許容条件が満たされたか否かを判定する段階と、
b)燃焼運転停止過速度試験を開始する段階と、
c)前記シャフト(137)の速度がフレームアウト速度を超えない場合に前記燃焼運転停止過速度試験を中断する段階と、
d)過速度トリップ設定点を燃焼運転停止トリップ設定点に変更する段階と、
を実施する、
請求項3に記載の方法(300)。
【請求項5】
エネルギー保護システム(350)が、前記ガスタービン(105)及び蒸気タービン(145)に関連するガバナシステム(152、154、162)を制御し、該ガバナシステム(152、154、162)は前記シャフト(137)の速度及び加速を部分的に制御する、
請求項4に記載の方法(300)。
【請求項6】
前記試験許容条件が維持されない場合に、前記燃焼運転停止過速度試験を中断する段階を更に含む、
請求項5に記載の方法(300)。
【請求項7】
前記エネルギー保護システムが前記ガスタービン(105)及び蒸気タービン(160)の作動を制御するか否かを判定する段階を更に含む、
請求項6に記載の方法(300)。
【請求項8】
前記運転モード手順(500)が、
a)前記シャフト(137)の速度をほぼ過速度トリップ値に自動的に調整する段階と、
b)前記シャフト(137)の速度がほぼ過速度トリップ値であるか否かを判定する段階と、
c)前記シャフト(137)の速度がほぼ過速度トリップ値であるか否かを判定した後に、前記シャフト(137)の速度をほぼ運転速度に自動的に調整する段階と、
を実施する、
請求項3に記載の方法(500)。
【請求項9】
a)過速度試験を開始する段階と、
b)安定許容条件が満たされたか否かを判定し、該安定許容条件が満たされない場合に前記過速度試験を中断する段階と、
c)前記シャフト(137)の速度を自動的に調整する段階と、
d)前記シャフト(137)の速度が過速度トリップ値を超えたか否かを判定する段階と、
e)シャフト速度指令が前記過速度トリップ値を超えたか否かを判定する段階と、
f)前記シャフト速度指令が前記過速度トリップ値を超えると共に、前記シャフト(137)の速度が前記過速度トリップ値を下回る場合に前記過速度試験を中断する段階と、
g)前記シャフト(137)の速度の自動調整を自動的に無効にする段階と、
を更に含む、
請求項8に記載の(500)。
【請求項10】
前記過速度試験を中断する段階が、前記シャフト(137)の速度をほぼ運転速度に調整する、
請求項9に記載の(200)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−196380(P2011−196380A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62671(P2011−62671)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】