説明

監視制御装置および方法、プログラム、並びに記録媒体

【課題】より確実であり、かつユーザにとって利便性の高い盗難防止処置を講じることができるようにする。
【解決手段】携帯機認識部151は、携帯機10と通信し、車両状態認識部152は、例えば、自動車のエンジンが停止され、かつドアがロックされた状態を検知する。メッセージ処理部153は、その状態が検知された場合、携帯機10が自動車1の近くにあると判定され、かつ所定の時間が経過したとき、ユーザからの応答を促すメッセージに対応する信号を生成し、携帯機10に対してそのメッセージを送信するように、通信制御部104を制御し、さらにユーザ設定認識部156により認識された通信設定の内容に基づいてネットワーク通信部による通信を行わせる。処理判定部154は、ユーザ設定認識部156により認識されたセキュリティ設定の内容に基づく、携帯機10からの応答の有無に対応した、警戒モードの設定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視制御装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関し、特に、より確実であり、かつユーザにとって利便性の高い盗難防止処置を講じることができるようにする監視制御装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、車両のエントリーシステムとしては、ハンズフリーでドアの施錠や開錠を自動的に行ういわゆるスマートエントリーシステム(キーレスエントリーシステムの発展型)が実用化されており、将来の普及が見込まれている(例えば、特許文献1参照)。これは、使用者が携帯可能な携帯機と、車両側に設置された本体機(この場合、車載機)とを有し、これらの間の双方向無線通信により認証コード(IDコード、又は鍵コードなどとも呼ばれる)の照合確認を自動的に行い、この照合結果が一致であることを必要条件として、前記本体機の制御により車両ドアの施錠機構の動作(解錠動作や施錠動作)を自動的に実現するものである。
【0003】
すなわち、所定の携帯機を携帯したユーザが車両に接近して本体機との通信可能エリアに入り、携帯機と本体機との通信が成立して上述した照合確認(即ち、所定の携帯機であることの確認)がなされると、施錠状態にあるドアが自動開錠される。また、所定の携帯機を携帯したユーザが車両から離れ、本体機との通信可能エリアから出て本体機との通信が成立しなくなると、開錠状態にあるドアが自動施錠されるようになっている。
【0004】
また、近年、高級車を中心とした自動車の盗難が相次いで発生しており、自動車の盗難を未然に防止するためのシステムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
このシステムでは、自動車に、異常を検知するセキュリティ装置と、レスポンスセンタとの間で無線通信を行うための緊急通信サービス装置とが搭載されており、例えば、エンジンが停止された後、自動的にセキュリティモードがONに設定され、セキュリティモードがONの状態のとき、セキュリティ装置が、例えば車のドアの開放という異常を検知すると、そのことが緊急通信サービス装置を介してレスポンスセンタに通知される。このようなシステムにおいて、上述したスマートエントリーシステムの仕組みを適用し、ユーザが車両から離れると、セキュリティモードがONに設定されるようにすることも可能である。
【0006】
また、自動車の盗難などをさらに確実に防止するために、マイクロ波を送波し対象物からの反射波の周波数やエネルギー等の変化を測定することで、移動している物体を検知することができるドップラーセンサにより自動車内に侵入した不審者を検知する技術も提案されている(例えば、特許文献3参照)。例えば、車内の運転席付近にドップラーセンサを取り付けて、警戒モード(セキュリティモードON)時にドップラーセンサが移動する物体を検知すると、ブザーの鳴動、LEDの発光動作などの威嚇処理が実行され周囲の人間に対しても異常発生が知らされるようにすることができる。
【0007】
【特許文献1】特開2003−269023号公報
【0008】
【特許文献2】特開2000−52932号公報
【0009】
【特許文献3】特開2005−259065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上述したスマートエントリーシステムで用いられる携帯機は、1台とは限らず、例えば、家族で携帯機を複数台所有していることもある。このような場合、携帯機を所有するユーザのうちの1人が車両から離れ、そのユーザの携帯機と本体機との通信が成立しなくなっても、他のユーザが車内に残っておりそのユーザの携帯機と本体機との通信が成立していれば、ドアロックや警戒モードの設定などは行われないことになる。
【0011】
しかしながら、携帯機を所有するユーザの1人が携帯機を車内に置き忘れることも考えられる。このような場合、置き忘れられた携帯機と本体機との通信が成立するからといって警戒モードの設定が行われないようにすると、かえって盗難の危険性が高まることになってしまう。一方で、携帯機を所有するユーザが車内に残っているにも係らず、警戒モードの設定が行われると、車内のユーザを検知して威嚇処理が実行されてしまい、ユーザは甚だ不快な体験をすることになってしまう。
【0012】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より確実であり、かつユーザにとって利便性の高い盗難防止処置を講じることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による監視制御装置は、予め登録された情報を有する携帯機を所有するユーザのみが操作することが可能な監視対象物に取り付けられ、監視対象物の内部または監視対象物から所定の距離の範囲内において移動するものを検知するセンサによりものが検知された場合、予め定められた所定の処理を実行する所定処理実行モードと、所定の処理が実行されない通常モードで動作する監視制御装置であって、予め定められた距離の範囲内において携帯機との通信を行う携帯機通信手段と、通常モードで動作しているときに、監視対象物の状態の変化を表す信号を取得する信号取得部から所定の条件を満たす信号が出力されたか否かを判定する条件判定手段と、条件判定手段により監視対象物から所定の条件を満たす信号が出力された場合、携帯機との通信が可能か否かを判定する通信判定手段と、通信判定手段により携帯機との通信が可能であると判定された場合、条件判定手段により信号が出力されたと判定された時刻から所定の時間が経過したとき、予め設定された通信方式により携帯機に対して所定のメッセージに対応する信号を送信するメッセージ送信手段と、メッセージに対応するユーザの応答を、携帯機から受信したか否かを判定する応答判定手段と、応答判定手段の判定結果と、予め設定された設定方式とに基づいて自分を所定処理実行モードで動作させるモード設定手段とを備える監視制御装置である。
【0014】
本発明の監視制御装置においては、予め定められた距離の範囲内において携帯機との通信が行われ、通常モードで動作しているときに、監視対象物の状態の変化を表す信号を取得する信号取得部から所定の条件を満たす信号が出力されたか否かが判定され、監視対象物から所定の条件を満たす信号が出力された場合、携帯機との通信が可能か否かが判定され、携帯機との通信が可能であると判定された場合、信号が出力されたと判定された時刻から所定の時間が経過したとき、予め設定された通信方式により携帯機に対して所定のメッセージに対応する信号が送信され、メッセージに対応するユーザの応答を、携帯機から受信したか否かが判定され、判定結果と、予め設定された設定方式とに基づいて自分が所定処理実行モードで動作させられる。
【0015】
したがって、携帯機の置き忘れのときは警戒モードの設定が行われ、置き忘れでないときは、警戒モードの設定が行われないようにすることができる。
【0016】
ネットワークを介して携帯機との通信を行うネットワーク通信手段をさらに備え、メッセージ送信手段の通信方式として、ネットワーク通信手段を介した通信を用いるか否かがユーザにより選択されて設定されるようにすることができる。
【0017】
前記ネットワーク通信手段を介した通信は、課金が発生する通信であるようにすることができる。
【0018】
したがって、メッセージの送信に伴う費用についてユーザが選択することができる。
【0019】
前記モード設定手段の設定方式として、第1の設定方式と第2の設定方式がユーザにより選択可能とされ、モード設定手段は、第1の設定方式においては、応答判定手段により応答を受信しなかったと判定された場合、自分を所定処理実行モードで動作させ、第2の設定方式においては、応答判定手段により応答を受信したと判定された場合、自分を所定処理実行モードで動作させるようにすることができる。
【0020】
したがって、携帯機を置き忘れた可能性が高い場合、積極的に警戒モードの設定を行うか、慎重に警戒モードの設定を行うかについてユーザが選択することができる。
【0021】
前記携帯機が、ユーザを生体認証により認証し、携帯機によりユーザが認証されてから所定の時間の間だけ、携帯機との通信が可能となるようにすることができる。
【0022】
したがって簡単かつ確実に不審者を検知することができる。
【0023】
前記監視対象物を操作できる複数のユーザがそれぞれ複数の携帯機を所有し、携帯機通信手段は、複数の携帯機のそれぞれと通信を行うようにすることができる。
【0024】
前記監視対象物が自動車であり、センサは、自動車の車内にいる人物を検知するようにすることができる。
【0025】
前記携帯機通信手段は、携帯機と無線通信を行うようにすることができる。
【0026】
前記所定処理実行モードで動作しているとき、携帯機から送信される情報を受信することにより通常モードで動作するようにすることができる。
【0027】
本発明による監視制御方法は、予め登録された情報を有する携帯機を所有するユーザのみが操作することが可能な監視対象物に取り付けられ、監視対象物の内部または監視対象物から所定の距離の範囲内において移動するものを検知するセンサによりものが検知された場合、予め定められた所定の処理を実行する所定処理実行モードと、所定の処理が実行されない通常モードで動作する監視制御装置の監視制御方法であって、通常モードで動作しているときに、監視対象物の状態の変化を表す信号を取得する信号取得部から所定の条件を満たす信号が出力されたか否かを判定し、監視対象物から所定の条件を満たす信号が出力された場合、予め定められた距離の範囲内において携帯機との通信を行う通信部による携帯機との通信が可能か否かを判定し、携帯機との通信が可能であると判定された場合、条件を満たす信号が出力されたと判定された時刻から所定の時間が経過したとき、予め設定された通信方式により携帯機に対して所定のメッセージに対応する信号を送信し、送信されたメッセージに対応するユーザの応答を、携帯機から受信したか否かを判定し、応答の受信の判定結果と、予め設定された設定方式とに基づいて自分を所定処理実行モードで動作させるステップを含む監視制御方法である。
【0028】
本発明によるプログラムは、予め登録された情報を有する携帯機を所有するユーザのみが操作することが可能な監視対象物に取り付けられ、監視対象物の内部または監視対象物から所定の距離の範囲内において移動するものを検知するセンサによりものが検知された場合、予め定められた所定の処理を実行する所定処理実行モードと、所定の処理が実行されない通常モードで動作する監視制御装置に監視制御処理を実行させるプログラムであって、通常モードで動作しているときに、監視対象物の状態の変化を表す信号を取得する信号取得部から所定の条件を満たす信号が出力されたか否かの判定を制御し、監視対象物から所定の条件を満たす信号が出力された場合、予め定められた距離の範囲内において携帯機との通信を行う通信部による携帯機との通信が可能か否かの判定を制御し、携帯機との通信が可能であると判定された場合、条件を満たす信号が出力されたと判定された時刻から所定の時間が経過したとき、予め設定された通信方式により携帯機に対して所定のメッセージに対応する信号の送信を制御し、送信されたメッセージに対応するユーザの応答を、携帯機から受信したか否かの判定を制御し、応答の受信の判定結果と、予め設定された設定方式とに基づいて自分を所定処理実行モードで動作させるように制御するステップを含むコンピュータが読み取り可能なプログラムである。
【0029】
本発明による記録媒体は、予め登録された情報を有する携帯機を所有するユーザのみが操作することが可能な監視対象物に取り付けられ、監視対象物の内部または監視対象物から所定の距離の範囲内において移動するものを検知するセンサによりものが検知された場合、予め定められた所定の処理を実行する所定処理実行モードと、所定の処理が実行されない通常モードで動作する監視制御装置に監視制御処理を実行させるプログラムであって、通常モードで動作しているときに、監視対象物の状態の変化を表す信号を取得する信号取得部から所定の条件を満たす信号が出力されたか否かの判定を制御し、監視対象物から所定の条件を満たす信号が出力された場合、予め定められた距離の範囲内において携帯機との通信を行う通信部による携帯機との通信が可能か否かの判定を制御し、携帯機との通信が可能であると判定された場合、条件を満たす信号が出力されたと判定された時刻から所定の時間が経過したとき、予め設定された通信方式により携帯機に対して所定のメッセージに対応する信号の送信を制御し、送信されたメッセージに対応するユーザの応答を、携帯機から受信したか否かの判定を制御し、応答の受信の判定結果と、予め設定された設定方式とに基づいて自分を所定処理実行モードで動作させるように制御するステップを含むコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体である。
【0030】
本発明の監視制御方法、およびプログラムにおいては、通常モードで動作しているときに、監視対象物の状態の変化を表す信号を取得する信号取得部から所定の条件を満たす信号が出力されたか否かが判定され、監視対象物から所定の条件を満たす信号が出力された場合、予め定められた距離の範囲内において携帯機との通信を行う通信部による携帯機との通信が可能か否かが判定され、携帯機との通信が可能であると判定された場合、条件を満たす信号が出力されたと判定された時刻から所定の時間が経過したとき、予め設定された通信方式により携帯機に対して所定のメッセージに対応する信号が送信され、送信されたメッセージに対応するユーザの応答を、携帯機から受信したか否かが判定され、応答の受信の判定結果と、予め設定された設定方式とに基づいて自分が所定処理実行モードで動作させられる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、より確実であり、かつユーザにとって利便性の高い盗難防止処置を講じることができるようにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0033】
図1は、本発明の盗難防止システムの一実施の形態に係る構成例を示す図である。同図は、本発明の盗難防止システム50を、4ドアタイプの自動車1のスマートエントリーシステムに適用した例である。盗難防止システム50は、携帯機10と、車両1に搭載された本体機20により構成されている。
【0034】
本体機20のアンテナとしては、各ドアのドアノブに設置されたドアノブアンテナ22と、トランクのノブに設置されたトランクアンテナ23と、車室内の前部(運転席と助手席の間)と後部(後部座席中央)に設置された車室内アンテナ24とが設けられている。ここでは、例えば、本体機20から携帯機10への通信にはLF帯の低周波が使用され、携帯機10から本体機20への通信にはUHF帯の高周波が使用される方式(LF−UHF相互通信方式)が採用されているものとする。
【0035】
携帯機10は、本体機20への無線通信のための手段としてUHF波(300〜3000MHz)を送受信する図示せぬUHF通信部(内蔵アンテナや送信回路よりなるもの)を有するとともに、本体機20からの無線通信のための手段としてLF波(例えば、100〜200KHz)を送受信する図示せぬLF通信部(内蔵アンテナや受信回路よりなるもの)を有する。また携帯機10は、内部に携帯機全体の制御処理を実現するマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)を含む制御回路と、内蔵電池など有しており、携帯機10の操作表面には、例えば押しボタン式の操作部であるスイッチなど(図示省略)が設けられている。
【0036】
ここで、携帯機10の制御回路は、例えば、認証コード等を記憶するためのEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などを有しており、本体機20から無線送信されるリクエスト信号(いわゆるチャレンジングコードを含む信号)を受信すると、登録された認証コードを含むアンサー信号をUHF通信部またはLF通信部により送信する機能を有する。また、携帯機10は、スイッチが操作されると、認証コードと所定の指令を含む信号を含む信号をUHF波またはLF波により送信する機能も有している。
【0037】
また、携帯機10を、携帯電話機などと一体として構成することも可能である。携帯機10が携帯電話機と一体として構成される場合、携帯機10は、例えば、インターネットに接続されたり、電子メールを送受信したりすることも可能となる。
【0038】
本体機20は、図1に示すように、コントロールユニット21と、上述したドアノブアンテナ22、トランクアンテナ23、及び車室内アンテナ24、並びにセンサ30とを備えている。ここで、ドアノブアンテナ22とトランクアンテナ23は、携帯機10との間でLF波を送受信するアンテナであり、その通信可能エリアALは各アンテナから例えば1〜2mの距離範囲となっている。また、車室内アンテナ24は、携帯機10との間でUHF波を送受信するアンテナであり、その通信可能エリアAUは車両1の中央から例えば5〜6mの距離範囲となっている。なお、通信可能エリアALまたはAUにおいて行われる無線通信は、例えば、特定小電力型の通信とされる。
【0039】
すなわち、本体機20は、携帯機10を携帯したユーザが自動車1の中央から例えば5〜6mの距離範囲内(通信可能エリアAU内)に接近すると、携帯機10との間でUHF波による無線通信が成立し、ユーザがさらに自動車1に接近して例えばドアから1〜2mの距離範囲内(通信可能エリアAL内)に位置すると、携帯機10との間でLF波による無線通信が成立するように構成されている。したがって、ユーザが自動車1の中央から例えば5〜6m以上離れて通信可能エリアAU内から外に出た場合、本体機20と携帯機10との間の無線通信は行われない。
【0040】
なお、ここでは、ドアノブアンテナ22、トランクアンテナ23、および車室内アンテナ24の3種類のアンテナを介して携帯機10との間で無線通信が行われる例について説明したが、自動車1に1つの(1種類の)アンテナのみが設けられるようにしても構わない。
【0041】
センサ30は、例えば、マイクロ波を送波し対象物からの反射波の周波数やエネルギー等の変化を測定することで、移動している物体を検知することができるドップラーセンサにより構成される。
【0042】
本体機20は、動作モードとして通常モードと警戒モードが選択可能となるように構成されており、例えば、警戒モード時に、センサ30から移動する物体を検知したことを表す信号が供給されると、ブザーの鳴動、LEDの発光動作などの威嚇処理が実行され周囲の人間に対しても異常発生が知らされるようになされている。
【0043】
また、例えば、警戒モードにおいて、上述した威嚇処理を実行する威嚇警戒モードと、威嚇処理は実行せず、異常発生の通知のみを行う通知警戒モードとが設定可能となるようにしてもよい。通知警戒モードでは、例えば、予め設定された警備会社のセンター、携帯機10などに対して異常発生を、電子メールやLF波またはUHF波などによる無線通信などの方式で通知し、威嚇処理は実行しないようにし、2種類の警戒モードのうち、どちらの警戒モードが設定されるかをユーザが選択できるようにしてもよい。
【0044】
コントロールユニット21は、例えば、プロセッサやメモリなどにより構成され、プログラムなどのソフトウェアに基づいて所定の処理を実行するマイコンを含む制御回路と、LF波またはUHF波による無線通信を行う通信部と、電源回路(図示省略)などを有しており、本体機20の動作モードを、上述した警戒モードと通常モードのいずれかに設定する。また、コントロールユニット21の制御回路は、認証コード等を記憶するためのEEPROMなどを有しており、携帯機からの応答を求めるリクエスト信号を、ドアノブアンテナ22などを介して送信する。そして、このリクエスト信号の送信後に携帯機10からのアンサー信号を、ドアノブアンテナ22などを介して受信すると、コントロールユニット21が当該アンサー信号に含まれる認証コードが登録された認証コードに対応しているか否かを判定する照合確認を行い、照合確認が正常に行われた場合、警戒モードを解除するようになされている。
【0045】
なお、コントロールユニット21には、複数の認証コードが登録されるようにすることができる。すなわち、1台の本体機20(コントロールユニット21)の警戒モードを複数台の携帯機によりそれぞれ解除することが可能となるようにすることができる。このようにすることで、例えば、家族がそれぞれ異なる携帯機を所持して、それぞれの携帯機により上述したように警戒モードを解除して自動車1を利用することが可能となる。
【0046】
図2は、コントロールユニット21の詳細な構成例を示すブロック図である。同図において、コントロールインタフェース102は、自動車の電子制御部品などと接続され、マイコン101の制御に応じて、所定の信号などを送受信する。例えば、コントロールインタフェース33は、自動車のエンジンが動いているか停止しているかを表す信号を受信したり、自動車のドアロックが解除されているか否かを表す信号を受信したりする。また、コントロールインタフェース102は、必要に応じて自動車の各部を制御するための制御信号を出力する。
【0047】
センサ制御部103は、センサ30を制御してセンサ30から出力される検知信号を解析し、予め設定された条件を満たす検知信号などを取得した場合、移動する物体を検知したことを表す信号などをマイコン101に供給する。
【0048】
通信制御部104は、上述したドアノブアンテナ22、トランクアンテナ23、及び車室内アンテナ24を介して行われる、LF波による無線通信、またはUHF波による無線通信の実行を制御する。
【0049】
また、通信制御部104には、ネットワーク通信部121が接続されており、ネットワーク通信部121は、例えば、携帯電話機などを介した電子メールの送受信を行う。ネットワーク通信部121には、例えば、携帯電話機に接続するためのアダプタなどが設けられ、通信制御部104からの指令に基づいて自分に接続された携帯電話機を制御して、予めユーザが契約したISP(Internet Service Provider)のアクセスポイントにダイヤルアップ接続させる。そして、ネットワーク通信部121は、通信制御部104から供給されるメッセージなどを電子メールとして、例えば、予め登録された携帯機10のアドレスなどにあてて送信し、また、自分のアドレス宛に送信された電子メールであって、受信したメールアドレスのデータを通信制御部104に供給する。
【0050】
また、上述した通知警戒モードが設定される場合など必要に応じて、予め登録された警備会社などアドレスに、異常が検知されたことを表すメッセージなどを含む電子メールが送信されるようにしてもよい。
【0051】
あるいはまた、通信制御部104にネットワーク通信部121が接続されず、それに代わってBluetoothなどの近距離無線通信機能により、運転席や助手席のユーザが保持している携帯電話機と、通信制御部104とが無線通信を行い、ユーザが保持している携帯電話機を介して電子メールの送受信が行われるようにしてもよい。さらに、ネットワーク通信部121に、専用の車載データ通信モジュールなどが装着されることで、ユーザが携帯電話機を用意することなく、電子メール通信を行えるようにすることも可能である。なお、ネットワーク通信部121を介して携帯機10との間で行われる通信は、電子メールの送受信に限られるものではなく、本体機20と携帯機10との間で必要な情報を伝送できる方式であれば他の方式で通信が行われるようにしてもよい。ただし、いずれの場合においても、ネットワーク通信部121を介した通信を行う場合、ユーザは、携帯電話会社やISPなどから所定の料金を、通常、課金される。
【0052】
マイコン101は、内部にプロセッサ、メモリなどを有する小型のコンピュータとして構成され、実装されたプログラムなどのソフトウェアなどによりバス105を介してコントロールインタフェース102、センサ制御部104、および通信制御部104を制御する。マイコン101は、例えば、携帯機10からのアンサー信号に含まれる認証コードが登録された認証コードに対応しているか否かを判定する照合確認を行い、照合確認が正常に行われた場合、警戒モードを解除する処理など実行する。
【0053】
ユーザ設定受付部111は、例えば、図示せぬ操作部や携帯機10からの信号に基づくユーザ設定内容を受け付ける。
【0054】
本体機20と携帯機10との間で、ドアノブアンテナ22とトランクアンテナ23、および車室内アンテナ24を介して行われる無線通信のみを行わせる場合、上述したように、ユーザ(携帯機10)が自動車1から離れて通信可能エリアAU内から外に出た場合、本体機20と携帯機10との間の無線通信は行われないので、携帯機10が比較的近距離にあるとき通信を行わせるようにすることができる。一方、本体機20と携帯機10との間で、ネットワーク通信部121を介した通信(例えば、インターネットを経由した電子メールの送受信)も行わせる場合、携帯機10が、例えば、所定の基地局などと通信可能な位置に在る限り、自動車1からの距離に係らず通信を行うことができる。換言すれば、ネットワーク通信部121を介した通信により、携帯機10が比較的遠距離にあっても通信を行わせるようにすることができる。
【0055】
上述したように、所定の料金が課金されても、確実に、本体機20からのメッセージなどを携帯機10で受信したい場合、ユーザは、本体機20の通信設定を「遠距離」に設定する。一方、課金を回避したいなどの場合、ユーザは、本体機20の通信設定を「近距離」に設定する。本体機20の通信設定として「近距離」または、「遠距離」がユーザにより選択され、選択された設定が、ユーザ設定受付部111により受け付けられる。
【0056】
なお、本体機20の通信設定を「遠距離」に設定する場合、携帯機10に、インターネットに接続したり、電子メールを送受信したりする機能が実装されているものとする。
【0057】
また、本体機20は、上述した警戒モードの設定を、後述するように、積極的に行わせるか、または消極的(慎重)に行わせるかを選択して設定することができる。例えば、本体機20において、携帯機10が車内に置き忘れられている可能性が高いと判定された場合、ユーザの携帯機10に所定のメッセージが送信される。自動車1のセキュリティをより確実なものにしたい場合、本体機20から送信されたメッセージに対して応答がなかったとき、警戒モードに設定してしまうべきである。換言すれば、自動車1のセキュリティをより確実なものにしたい場合、積極的に警戒モードの設定を行えばよい。
【0058】
一方、警戒モード時に、センサ30から移動する物体を検知したことを表す信号が供給されると、ブザーの鳴動、LEDの発光動作などの威嚇処理が実行されるので、警戒モードの設定を行うにあたって、慎重な判断が必要と考えるユーザも多い。警戒モードの設定を慎重に行いたい場合、本体機20から送信されたメッセージに対して応答があったとき、警戒モードに設定すべきである。換言すれば、応答がなければ警戒モードに設定すべきではなく、このように警戒モードの設定を慎重に行いたい場合、消極的に警戒モードの設定を行えばよい。
【0059】
本体機20のセキュリティ設定として、警戒モードの設定を、アクティブ(積極的)に行わせるか、またはパッシブ(消極的)に行わせるかがユーザにより選択され、選択された設定が、ユーザ設定受付部111により受け付けられる。
【0060】
ユーザ設定受付部111により受け付けられた通信設定の内容と、セキュリティ設定の内容は、例えば、マイコン101の内部のEEPROMなどに記録され、必要に応じて読み出される。
【0061】
図3は、マイコン101に実装されるソフトウェアの機能的構成例を示すブロック図である。
【0062】
同図において、携帯機認識部151は、携帯機10に対して行われるリクエスト信号の送信を制御するとともに、携帯機10から受信したアンサー信号に含まれる認証コードが、マイコン101の内部のEEPROMなどに予め記録された(登録された)認証コードであるか否かを判定し、アンサー信号に含まれる認証コードが登録された認証コードであった場合、照合確認が正常に行われたものとし、携帯機10を所有するユーザが自動車1の近くにいるものと判定する。また、認識部151は、リクエスト信号が送信されてから所定の時間が経過してもアンサー信号が受信できない場合、携帯機10を所有するユーザが自動車1から離れたものと判定する。
【0063】
車両状態認識部152は、コントロールインタフェース102を介して得られる信号に基づいて、予め登録された条件と一致する所定の状態になったことを検知する。例えば、車両状態認識部152は、自動車のエンジンが停止され、かつドアがロックされた状態を検知する。
【0064】
メッセージ処理部153は、車両状態認識部152により、所定の状態が検知された場合、携帯機認識部151の処理により、携帯機10を所有するユーザが自動車1の近くにいると判定されたとき、メッセージ処理部153は、予め設定された所定の時間(例えば、5分)が経過したか否かを判定し、所定の時間が経過したと判定された場合、ユーザからの応答を促すメッセージに対応する信号を生成し、携帯機10に対してそのメッセージを送信するように、通信制御部104を制御する。
【0065】
また、メッセージ処理部153は、ユーザ設定認識部156から供給される情報に基づいて、通信設定として「近距離」が設定されているのか、「遠距離」が設定されているのかを認識し、ユーザによる通信設定の内容に対応して、ネットワーク通信部121を介した電子メールの送受信を行うか否かを判定し、その判定結果に応じて通信制御部104を制御する。
【0066】
処理判定部154は、認識部151およびメッセージ処理部153から供給される情報に基づいて、警戒モードの設定または解除を行うべきか否かを判定する。例えば、警戒モードに設定された後、照合確認が正常に行われた場合、一度離れていった携帯機10を所有するユーザが自動車1の近くにもどってきたものと考えられるので、このような場合、処理判定部154は、警戒モードの解除(通常モードへの移行)を行うべきと判定する。
【0067】
一方、通常モードに設定されている状態で、リクエスト信号が送信されてから所定の時間が経過してもアンサー信号が受信できない場合、携帯機10を所有するユーザが自動車1から離れていったものと考えられるので、このような場合、処理判定部154は、警戒モードの設定を行うべきと判定する。
【0068】
また、処理判定部154は、ユーザ設定認識部156から供給される情報に基づいて、セキュリティ設定として「アクティブ」が設定されているのか、「パッシブ」が設定されているのかを認識し、ユーザによるセキュリティ設定の内容に対応して、警戒モードの設定を行うか否かを判定する。例えば、セキュリティ設定として「アクティブ」が設定されている場合、メッセージ処理部153により、ユーザからの応答を促すメッセージが携帯機10に対して送信されたにもかかわらず、携帯機10からの応答がなかった場合、処理判定部154は、警戒モードの設定を行うべきと判定する。一方、セキュリティ設定として「パッシブ」が設定されている場合、メッセージ処理部153により、ユーザからの応答を促すメッセージが携帯機10に対して送信され、携帯機10からの応答があったとき、処理判定部154は、警戒モードの設定を行うべきと判定する。
【0069】
モード設定部155は、処理判定部154の判定結果に基づいて本体機20の動作モードを設定する。
【0070】
ユーザ設定認識部156は、マイコン101の内部のメモリなどに記憶されている通信設定の設定内容と、セキュリティ設定の設定内容を読み出して、それぞれの設定内容を表す情報を、メッセージ処理部153と、判定処理部154に供給する。
【0071】
次に、図4のフローチャートを参照して、本体機20による警戒モード設定処理について説明する。この処理は、本体機20が通常モードで動作しているとき実行される。
【0072】
ステップS101において、車両状態認識部151は、自動車1のエンジンが停止されたか否かを判定し、エンジンが停止されたと判定されるまで待機する。
【0073】
ステップS101において、自動車1のエンジンが停止されたと判定された場合、処理は、ステップS102に進み、車両状態認識部152は、自動車1のドアがロックされたか否かを判定する。
【0074】
ステップS102において、自動車1のドアがロックされた場合、処理は、ステップS103に進む。自動車1のエンジンが停止され、かつドアがロックされた場合、自動車1の運転者は、例えば、自動車1を駐車し、自動車1から離れて買い物に行くなどのケースが想定される。ステップS103においては、本体機20に内蔵されるタイマなどに基づいて時間を計時するタイムカウンタTをリセットする処理が実行され、この後、タイムカウンタTには、自動車1のエンジンが停止され、かつドアがロックされた後、経過した時間を表す値がセットされ、時間の経過とともに、値がインクリメントされていく。
【0075】
ステップS104において、携帯機認識部151は、携帯機10に対してリクエスト信号を送信する。
【0076】
ステップS105において、携帯機認識部151は、ステップS104の処理で送信されたリクエスト信号に対する応答を受信したか否かを判定する。例えば、リクエスト信号を送信してから所定の時間(例えば、3秒)以内に、マイコン101の内部のEEPROMなどに予め記録された認証コードと一致する認証コードを含んだアンサー信号を受信した場合、ステップS105においては、ステップS104に対応する応答を受信したと判定され、処理は、ステップS106に進む。
【0077】
ステップS106において、メッセージ処理部153は、タイムカウンタTの値が予め設定された閾値を超えたか否かを判定し、まだ閾値を超えていないと判定された場合、処理は、ステップS104に戻る。一方、ステップS106において、タイムカウンタTの値が予め設定された閾値を超えたと判定された場合、処理は、ステップS107に進む。
【0078】
自動車1のエンジンが停止され、かつドアがロックされた状態で、相当な時間が経過した場合(タイムカウンタの値が閾値を超えた場合)、携帯機10からの応答があったとしても、これは、車内に携帯機10が置き忘れられたためである可能性が高い。携帯機10が置き忘れられている場合、警戒モードに設定する必要があるが、いまの状態では、ユーザが、まだ車内にいるか否かを確認する必要がある。
【0079】
ステップS107において、警戒モードの設定を行うための処理であって、上述した通信設定と、セキュリティ設定に関するユーザの設定内容に対応して行われるユーザ設定対応処理が実行される。
【0080】
ここで、図5のフローチャートを参照して、図4のステップS107のユーザ設定対応処理の詳細について説明する。
【0081】
ステップS121において、ユーザ設定認識部156は、通信設定の設定内容をチェックする。ステップS121において、通信設定が「遠距離」に設定されていると判定された場合、処理は、ステップS122に進み、メッセージ処理部153は、電子メールの送受信を準備する。これにより、この後の携帯機10との通信においては、上述したドアノブアンテナ22、トランクアンテナ23、及び車室内アンテナ24を介した無線通信だけではなく、ネットワーク通信部を介した電子メールの通信も用いられることになる。
【0082】
一方、ステップS121において、通信設定が「近距離」に設定されていると判定された場合、ステップS122の処理は、スキップされる。これにより、この後の携帯機10との通信においては、上述したドアノブアンテナ22、トランクアンテナ23、及び車室内アンテナ24を介した無線通信だけが用いられることになる。
【0083】
ステップS123において、ユーザ設定認識部156は、セキュリティ設定の設定内容をチェックする。ステップS123において、セキュリティ設定が「アクティブ」に設定されていると判定された場合、処理は、ステップS124に進み、アクティブ設定処理が実行される。
【0084】
ここで、図6のフローチャートを参照して、図5のステップS124のアクティブ設定処理の詳細について説明する。
【0085】
ステップS141において、メッセージ処理部153は、ユーザからの応答を促す確認メッセージを生成し、送信する。
【0086】
なお、通信設定が「近距離」に設定されている場合、このメッセージは、ドアノブアンテナ22、トランクアンテナ23、及び車室内アンテナ24を介した無線通信により送信されることになる。一方、通信設定が「遠距離」に設定されている場合、このメッセージは、ドアノブアンテナ22、トランクアンテナ23、及び車室内アンテナ24を介した無線通信だけではなく、ネットワーク通信部を介した電子メールの通信も用いられることになる。したがって、通信設定が「近距離」に設定されている場合、ステップS141の処理に伴う課金は発生しないが、通信設定が「遠距離」に設定されている場合、ステップS141の処理に伴う課金が発生する。
【0087】
なお、通信設定が「遠距離」に設定されている場合、このメッセージの送信は、ネットワーク通信部121を介した通信のみにより行われるようにしてもよい。
【0088】
ステップS141の処理で本体機20からメッセージが送信されたことにより、例えば、携帯機10のディスプレイに応答を促すメッセージが表示される。あるいはまた、メッセージが音声で出力されたり、携帯機10が振動したり、携帯機10に取り付けられたLEDが点灯するなどするようにしてもよい。
【0089】
ステップS142において、判定処理部154は、ステップS141で送信された確認メッセージに対応して、携帯機10から警戒モードの設定を拒否する旨の応答が受信されたか否かを判定する。
【0090】
なお、通信設定が「近距離」に設定されている場合、この応答は、ドアノブアンテナ22、トランクアンテナ23、及び車室内アンテナ24を介した無線通信により受信されることになる。一方、通信設定が「遠距離」に設定されている場合、この応答の受信には、ドアノブアンテナ22、トランクアンテナ23、及び車室内アンテナ24を介した無線通信だけではなく、ネットワーク通信部121を介した電子メールの通信も用いられることになる。
【0091】
ステップS142において、携帯機10から警戒モードの設定を拒否する旨の応答が受信されなかったと判定された場合、携帯機10は車内に置き忘れられていると考えられるので、処理は、ステップS143に進み、モード設定部155は、本体機20の動作モードを警戒モードに設定する。上述したように、警戒モードの設定により、この後、センサ30により移動する物体が検知された場合、威嚇処理が実行されることになる。
【0092】
一方、ステップS142において、携帯機10から警戒モードの設定を拒否する旨の応答が受信されたと判定された場合、例えば、ユーザがまだ車内にいるなどの場合が考えられるので、処理は、図4のステップS103に戻る。そして、タイムカウンタがリセットされ、それ以降の処理が繰り返し実行されることになる。
【0093】
図5に戻って、ステップS123において、セキュリティ設定が「パッシブ」に設定されていると判定された場合、処理は、ステップS125に進み、パッシブ設定処理が実行される。
【0094】
ここで、図7のフローチャートを参照して、図5のステップS125のパッシブ設定処理の詳細について説明する。
【0095】
ステップS161において、メッセージ処理部153は、ユーザからの応答を促す確認メッセージを生成し、送信する。
【0096】
なお、通信設定が「近距離」に設定されている場合、このメッセージは、ドアノブアンテナ22、トランクアンテナ23、及び車室内アンテナ24を介した無線通信により送信されることになる。一方、通信設定が「遠距離」に設定されている場合、このメッセージの送信には、ドアノブアンテナ22、トランクアンテナ23、及び車室内アンテナ24を介した無線通信だけではなく、ネットワーク通信部121を介した電子メールの通信も用いられることになる。したがって、通信設定が「近距離」に設定されている場合、ステップS161の処理に伴う課金は発生しないが、通信設定が「遠距離」に設定されている場合、ステップS161の処理に伴う課金が発生する。
【0097】
なお、通信設定が「遠距離」に設定されている場合、このメッセージの送信は、ネットワーク通信部121を介した通信のみにより行われるようにしてもよい。
【0098】
ステップS161の処理で本体機20からメッセージが送信されたことにより、例えば、携帯機10のディスプレイに応答を促すメッセージが表示される。あるいはまた、メッセージが音声で出力されたり、携帯機10が振動したり、携帯機10に取り付けられたLEDが点灯するなどするようにしてもよい。
【0099】
ステップS162において、判定処理部154は、ステップS161で送信された確認メッセージに対応して、携帯機10から警戒モードの設定を許可する旨の応答が受信されたか否かを判定する。
【0100】
なお、通信設定が「近距離」に設定されている場合、この応答は、ドアノブアンテナ22、トランクアンテナ23、及び車室内アンテナ24を介した無線通信により受信されることになる。一方、通信設定が「遠距離」に設定されている場合、この応答の受信には、ドアノブアンテナ22、トランクアンテナ23、及び車室内アンテナ24を介した無線通信だけではなく、ネットワーク通信部121を介した電子メールの通信も用いられることになる。
【0101】
ステップS162において、携帯機10から警戒モードの設定を許可する旨の応答が受信されたと判定された場合、処理は、ステップS163に進み、モード設定部155は、本体機20の動作モードを警戒モードに設定する。上述したように、警戒モードの設定により、この後、センサ30により移動する物体が検知された場合、威嚇処理が実行されることになる。
【0102】
一方、ステップS162において、携帯機10から警戒モードの設定を許可する旨の応答が受信されなかったと判定された場合、例えば、ユーザが警戒モードの設定を希望していないなどの場合が考えられるので、ステップS163の処理は、スキップされる。
【0103】
なお、上述した携帯機10からの応答は、例えば、ユーザが携帯機10のスイッチを操作することにより携帯機10から送信され、本体機20で受信される。
【0104】
図4に戻って、ステップS105において、ステップS104で送信したリクエスト信号に対応するアンサー信号が受信されなかったと判定された場合、処理は、ステップS108に進み、本体機20の動作モードが警戒モードに設定される。
【0105】
このようにして警戒モードの設定が行われる。
【0106】
スマートエントリーシステムで用いられる携帯機は、1台とは限らず、例えば、家族で携帯機を複数台所有していることもある。このような場合、携帯機を所有するユーザのうちの1人が車両から離れ、そのユーザの携帯機と本体機との通信が成立しなくなっても、他のユーザが車内に残っておりそのユーザの携帯機と本体機との通信が成立していれば、警戒モードの設定などは行われないことになる。
【0107】
しかしながら、携帯機を所有するユーザの1人が携帯機を車内に置き忘れることも考えられる。このような場合、置き忘れられた携帯機と携帯機と本体機との通信が成立するからといって警戒モードの設定が行われないようにすると、かえって盗難の危険性が高まることになってしまう。一方で、携帯機を所有するユーザが車内に残っているにも係らず、警戒モードの設定が行われると、車内のユーザを検知して威嚇処理が実行されてしまい、ユーザは甚だ不快な体験をすることになってしまう。
【0108】
また、上述したように、警戒モードにおいて、威嚇警戒モードと通知警戒モードとが設定可能となるようになされており、通知警戒モードの設定が選択されている場合であっても、携帯機を所有するユーザが車内に残っているにも係らず、警備会社などに異常発生が通知されてしまい、やはりユーザは不快な体験をすることになる。
【0109】
そこで、本発明においては、携帯機と携帯機と本体機との通信が成立する場合であっても、携帯機が車内に置き忘れられている可能性の高い状態を検知し、ユーザからの応答を促すメッセージを送信する。このようにすることで、より確実であり、かつユーザにとって利便性の高い盗難防止処置を講じることができる。
【0110】
しかしながら、携帯機が車内に置き忘れられている可能性の高い状態を検知し、ユーザからの応答を促すメッセージを送信しても、ユーザからの応答が必ずあるとは限らない。ユーザからの応答を促すメッセージを送信したにもかかわらず、ユーザからの応答がない場合、警戒モードの設定を行うか否かの判断は、個々のユーザにより異なる。
【0111】
そこで、本発明においては、セキュリティ設定の設定内容に対応してアクティブ設定処理と、パッシブ設定処理のいずれかが実行される。すなわち、自動車1のセキュリティをより確実なものにしたいユーザは、セキュリティ設定を、「アクティブ」に設定しておくことにより、ユーザからの応答がない場合、積極的に警戒モードの設定が行われるようにすることができる。また、威嚇処理が実行を考慮して、警戒モードの設定を慎重に行いたいユーザは、セキュリティ設定を、「パッシブ」に設定しておくことにより、ユーザからの応答がない場合、警戒モードの設定が行われないようにすることができる。
【0112】
さらに、本発明においては、通信設定の設定内容に対応してメッセージの送受信に電子メールを用いるか否かが判定されるので、例えば、警戒モード設定処理に伴い発生する費用をできるだけ抑制したいユーザ、本体機20にインターネットを介した通信を行わせることを希望しないユーザなどは、通信設定を、「近距離」に設定しておくことにより、課金されずにメッセージを送受信することができる。一方、警戒モード設定処理に伴い発生する費用をある程度負担できるユーザなどは、通信設定を、「遠距離」に設定しておくことにより、課金が発生するものの、確実にメッセージを送受信することができる。
【0113】
例えば、自動車をほとんど1人で使用しているユーザは、セキュリティ設定を、「アクティブ」に設定し、通信設定を、「近距離」に設定しておけば、携帯機10を車内に置き忘れた場合も確実に盗難防止処置が講じられることになり、安心して自動車を利用することができる。さらに、この盗難防止処置に伴って発生する費用も抑制することができる。
【0114】
また、例えば、自動車を家族で使用しているユーザは、セキュリティ設定を、「パッシブ」に設定し、通信設定を、「遠距離」に設定しておけば、自動車の車内にユーザがいるにも係らず、本体機20が、携帯機10が車内に置き忘れていると誤って判定し、警戒モードに設定されてしまうことを回避されるとともに、本当に置き忘れてしまった場合は、確実に警戒モードに設定することができる。
【0115】
このように、本発明においては、通信設定と、セキュリティ設定においてユーザに選択の余地が与えられることになる。このような選択の余地が与えられることによりユーザの利便性が格段に向上する。
【0116】
このような選択の余地がない盗難防止方式では、例えば、ユーザからの応答がないときは、警戒モードの設定が強制的に行われるようになされていると、車内にペットがいる場合などは、ペットの動きが検知されて威嚇処理(または、異常発生の通知)が実行されてしまうことになる。あるいはまた、このような選択の余地がない盗難防止方式では、ユーザからの応答がないときは、警戒モードの設定が行われないようになされていると、自動車を1人で使用している場合などは、携帯機10が車内に置き忘れられ、何度も電子メールが送信されて課金されたにもかかわらず、盗難の被害にあってしまい、本体機20を取り付けたメリットが感じられないことになる。
【0117】
本発明によれば、より確実であり、かつユーザにとって利便性の高い盗難防止処置を講じることができる。
【0118】
ところで、近年、生体認証に係る技術が普及してきており、例えば、画像の特徴量に基づいて特定の人物の顔の画像を認識する顔画像認識による生体認証も可能となっている。予め登録された顔画像の特徴量に基づいて顔画像認識を行うことにより、例えば、機器の正当な所有者を識別することができ、顔画像認識などの生体認証技術は、今後スマートエントリーシステムなど、セキュリティが重視される分野に適用されていくことが予測される。
【0119】
例えば、携帯機10にCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を有する画像センサを内蔵し、画像センサで携帯機10を操作する人物の顔画像を撮像して予め登録された正当なユーザの顔画像の特徴量と比較する生体認証処理を実行させるようにすれば、正当なユーザが携帯機10を所有するときのみ、自動車のドアロックを解除させたり、警戒モードを解除させたりすることが可能となる。すなわち、画像センサで顔画像を撮像させて生体認証処理を実行し、画像センサで撮像された人物の顔画像の特徴量が予め登録された特徴量と一致すると判定される場合、携帯機10が生体認証済であることを表す情報を送信するようにし、例えば、その後所定の時間内に生体認証処理が実行されないときは、携帯機10は生体認証が有効であることを表す情報を送信しないようにすれば、より確実にユーザを識別することが可能となる。
【0120】
図8は、生体認証技術を用いたスマートエントリーシステムに、本発明を適用した場合の警戒モード設定処理を説明するフローチャートである。この処理は、やはり、本体機20が通常モードで動作しているとき実行される。
【0121】
ステップS201およびS202の処理は、それぞれ図4のステップS101およびS102の処理と同様なので詳細な説明は省略する。
【0122】
ステップS203において、携帯機認識部151は、携帯機10に対してリクエスト信号を送信する。
【0123】
ステップS204において、携帯機認識部151は、ステップS203の処理で送信されたリクエスト信号に対する応答を受信したか否かを判定する。例えば、リクエスト信号を送信してから所定の時間(例えば、3秒)以内に、マイコン101の内部のEEPROMなどに予め記録された認証コードと一致する認証コードを含んだアンサー信号を受信した場合、ステップS204においては、ステップS203に対応する応答を受信したと判定され、処理は、ステップS205に進む。
【0124】
ステップS205において、メッセージ処理部153は、携帯機10における生体認証が有効か否かを判定し、生体認証が有効であると判定された場合、処理は、ステップS203に戻る。
【0125】
上述したように、携帯機10は、生体認証が行われた後、所定の時間内に再び生体認証処理が実行されない場合、生体認証が有効であることを表す情報を送信しない。ステップS205において、携帯機10における生体認証が有効ではないと判定された場合、処理は、ステップS206に進む。
【0126】
自動車1のエンジンが停止され、かつドアがロックされた状態で、相当な時間が経過して生体認証が無効となった場合、携帯機10からの応答があったとしても、これは、車内に携帯機10が置き忘れられたためである可能性が高い。
【0127】
ステップS206において、警戒モードの設定を行うための処理であって、上述した通信設定と、セキュリティ設定に関するユーザの設定内容に対応して行われるユーザ設定対応処理が実行される。
【0128】
この処理は、図5を参照して上述した処理と同様の処理なので詳細な説明は省略するが、いまの場合、ステップS124の処理と、ステップS125の処理が、それぞれ図6と図7を参照して上述したものとは異なっている。
【0129】
すなわち、いまの場合、ステップS124の処理と、ステップS125の処理が、それぞれ図9と図10のフローチャートに示される処理となる。図9のステップS222の処理では、図6のステップS142の場合と異なり、判定処理部154により、携帯機10の生体認証が有効になったか否かが判定される。また、図10のステップS242の処理では、図6のステップS162の場合と異なり、判定処理部154により、携帯機10の生体認証が有効になったか否かが判定される。それ以外の処理は、図6と図7を参照して上述した場合と同様である。
【0130】
例えば、ユーザが携帯機10の画像センサにより自分の顔画像を撮像し、生体認証処理を実行させることにより、携帯機10が生体認証済であることを表す情報を送信するようになり、生体認証済であることを表す情報が受信された場合、ステップS222またはS242の処理で生体認証が有効になったと判定される。
【0131】
図8に戻って、ステップS204において、ステップS203に対応する応答を受信しなかったと判定された場合、処理は、ステップS207に進み、本体機20の動作モードが警戒モードに設定される。
【0132】
このようにして、生体認証技術を用いたスマートエントリーシステムにおいて警戒モードの設定が行われる。この場合、ユーザは、確認メッセージを受信した場合、携帯機10の画像センサで自分の顔を撮像させるだけで、警戒モードの設定の拒否または許可の意思を表示することができるので、より簡単かつ確実な盗難防止策を講じることが可能となる。
【0133】
なお、図4のステップS101または図8のステップS201において、自動車1のエンジンが停止されたか否かが判定され、図4のステップS102または図8のステップS202において、自動車1のドアがロックされたか否かが判定されると説明したが、ステップS101とS102、またはS201とS202の処理は、それぞれ携帯機10が置き忘れられた可能性が高いか否かを検出するために行われる判定であり、これ以外の判定により携帯機10が置き忘れられた可能性が高いか否かを検出するようにしても構わない。
【0134】
例えば、ステップS101とS102、またはS201とS202の処理に替えて、自動車1が停止されてから所定の時間が経過したか否かの判定が行われるようにし、自動車1が停止されてから所定の時間が経過した場合、携帯機が置き忘られた可能性が高いものとし、以降の処理が実行されるようにしてもよい。
【0135】
また、図4または図8を参照して上述した処理は、例えば、コントロールユニット21に、複数の認証コードが登録されている場合、すなわち、1台の本体機20(コントロールユニット21)の警戒モードを複数台の携帯機によりそれぞれ解除することが可能となるように設定されている場合にのみ実行されるようにしてもよい。すなわち、1台の本体機20の警戒モードを解除可能な携帯機が1台しか設定されていない場合、携帯機が置き忘れられている可能性は低いと考えられるので、確認メッセージを送信する処理などは行われないようにしてもよい。
【0136】
以上においては、自動車または車内の物品などの盗難防止に関する例について説明したが、家やビルの中の物品に対する盗難防止にも本発明を適用することが可能である。
【0137】
また、以上においては、携帯機が置き忘れられている可能性が高い場合、威嚇警戒モードと通知警戒モードとを含む警戒モードが設定される例について説明したが、携帯機が置き忘れられている可能性が高い場合、警戒モード以外のモードが設定されるようにしたり、所定の処理が実行されるようにすることも可能である。例えば、携帯機が置き忘れられている可能性が高い場合、携帯機などに、確認メッセージを送信するとともに、確認メッセージに対する応答の有無に基づいて、予めユーザが設定した任意の処理(例えば、エンジンの停止、ドアのロックなどの処理)が実行されるようにすることも可能である。
【0138】
なお、上述した一連の処理をハードウェアで実現するか、ソフトウェアで実現するかは問わない。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば図11に示されるような汎用のパーソナルコンピュータ500などに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0139】
図11において、CPU(Central Processing Unit)501は、ROM(Read Only Memory)502に記憶されているプログラム、または記憶部508からRAM(Random Access Memory)503にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM503にはまた、CPU501が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0140】
CPU501、ROM502、およびRAM503は、バス504を介して相互に接続されている。このバス504にはまた、入出力インタフェース505も接続されている。
【0141】
入出力インタフェース505には、キーボード、マウスなどよりなる入力部506、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部507、ハードディスクなどより構成される記憶部508、モデム、LANカードなどのネットワークインタフェースカードなどより構成される通信部509が接続されている。通信部509は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
【0142】
入出力インタフェース505にはまた、必要に応じてドライブ510が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア511が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部508にインストールされる。
【0143】
上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構
成するプログラムが、インターネットなどのネットワークや、リムーバブルメディア511などからなる記録媒体からインストールされる。
【0144】
なお、この記録媒体は、図11に示される、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスク(登録商標)を含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(登録商標)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア511により構成されるものだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM502や、記憶部508に含まれるハードディスクなどで構成されるものも含む。
【0145】
また、本明細書において上述した一連の処理を実行するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本発明の盗難防止システムの一実施の形態に係る構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のコントロールユニットの構成例を示すブロック図である。
【図3】図2のマイコンに実装されるソフトウェアの機能的構成例を示すブロック図である。
【図4】警戒モード設定処理の例を説明するフローチャートである。
【図5】ユーザ設定対応処理の例を説明するフローチャートである。
【図6】アクティブ設定処理の例を説明するフローチャートである。
【図7】パッシブ設定処理の例を説明するフローチャートである。
【図8】警戒モード設定処理の別の例を説明するフローチャートである。
【図9】アクティブ設定処理の別の例を説明するフローチャートである。
【図10】パッシブ設定処理の別の例を説明するフローチャートである。
【図11】パーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0147】
1 自動車,
10 携帯機,
20 本体機,
22乃至24 アンテナ,
30 センサ,
50 盗難防止システム,
101 マイコン,
102 コントロールインタフェース,
103 センサ制御部,
104 通信制御部,
111 ユーザ設定受付部,
121 メール通信部,
151 携帯機認識部,
152 車両状態認識部,
153 メッセージ処理部,
154 処理判定部,
155 モード設定部,
156 ユーザ設定認識部,
501 CPU,
502 ROM,
508 記憶部,
511 リムーバブルメディア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め登録された情報を有する携帯機を所有するユーザのみが操作することが可能な監視対象物に取り付けられ、前記監視対象物の内部または前記監視対象物から所定の距離の範囲内において移動するものを検知するセンサによりものが検知された場合、予め定められた所定の処理を実行する所定処理実行モードと、前記所定の処理が実行されない通常モードで動作する監視制御装置であって、
予め定められた距離の範囲内において前記携帯機との通信を行う携帯機通信手段と、
前記通常モードで動作しているときに、前記監視対象物の状態の変化を表す信号を取得する信号取得部から所定の条件を満たす信号が出力されたか否かを判定する条件判定手段と、
前記条件判定手段により前記監視対象物から所定の条件を満たす信号が出力された場合、前記携帯機との通信が可能か否かを判定する通信判定手段と、
前記通信判定手段により前記携帯機との通信が可能であると判定された場合、前記条件判定手段により前記信号が出力されたと判定された時刻から所定の時間が経過したとき、予め設定された通信方式により前記携帯機に対して所定のメッセージに対応する信号を送信するメッセージ送信手段と、
前記メッセージに対応するユーザの応答を、前記携帯機から受信したか否かを判定する応答判定手段と、
前記応答判定手段の判定結果と、予め設定された設定方式とに基づいて自分を前記所定処理実行モードで動作させるモード設定手段と
を備える監視制御装置。
【請求項2】
ネットワークを介して前記携帯機との通信を行うネットワーク通信手段をさらに備え、
前記メッセージ送信手段の通信方式として、前記ネットワーク通信手段を介した通信を用いるか否かがユーザにより選択されて設定される
請求項1に記載の監視制御装置。
【請求項3】
前記ネットワーク通信手段を介した通信は、課金が発生する通信である
請求項2に記載の監視制御装置。
【請求項4】
前記モード設定手段の設定方式として、第1の設定方式と第2の設定方式がユーザにより選択可能とされ、
前記モード設定手段は、
前記第1の設定方式においては、前記応答判定手段により前記応答を受信しなかったと判定された場合、自分を前記所定処理実行モードで動作させ、
前記第2の設定方式においては、前記応答判定手段により前記応答を受信したと判定された場合、自分を前記所定処理実行モードで動作させる
請求項1に記載の監視制御装置。
【請求項5】
前記携帯機が、前記ユーザを生体認証により認証し、
前記携帯機により前記ユーザが認証されてから所定の時間の間だけ、前記携帯機との通信が可能となる
請求項1に記載の監視制御装置。
【請求項6】
前記監視対象物を操作できる複数のユーザがそれぞれ複数の前記携帯機を所有し、
前記携帯機通信手段は、前記複数の携帯機のそれぞれと通信を行う
請求項1に記載の監視制御装置。
【請求項7】
前記監視対象物が自動車であり、前記センサは、自動車の車内にいる人物を検知する
請求項1に記載の監視制御装置。
【請求項8】
前記携帯機通信手段は、前記携帯機と無線通信を行う
請求項1に記載の監視制御装置。
【請求項9】
前記所定処理実行モードで動作しているとき、前記携帯機から送信される情報を受信することにより前記通常モードで動作する
請求項1に記載の監視制御装置。
【請求項10】
予め登録された情報を有する携帯機を所有するユーザのみが操作することが可能な監視対象物に取り付けられ、前記監視対象物の内部または前記監視対象物から所定の距離の範囲内において移動するものを検知するセンサによりものが検知された場合、予め定められた所定の処理を実行する所定処理実行モードと、前記所定の処理が実行されない通常モードで動作する監視制御装置の監視制御方法であって、
前記通常モードで動作しているときに、前記監視対象物の状態の変化を表す信号を取得する信号取得部から所定の条件を満たす信号が出力されたか否かを判定し、
前記監視対象物から所定の条件を満たす信号が出力された場合、予め定められた距離の範囲内において前記携帯機との通信を行う通信部による前記携帯機との通信が可能か否かを判定し、
前記携帯機との通信が可能であると判定された場合、前記条件を満たす信号が出力されたと判定された時刻から所定の時間が経過したとき、予め設定された通信方式により前記携帯機に対して所定のメッセージに対応する信号を送信し、
前記送信されたメッセージに対応するユーザの応答を、前記携帯機から受信したか否かを判定し、
前記応答の受信の判定結果と、予め設定された設定方式とに基づいて自分を前記所定処理実行モードで動作させるステップ
を含む監視制御方法。
【請求項11】
予め登録された情報を有する携帯機を所有するユーザのみが操作することが可能な監視対象物に取り付けられ、前記監視対象物の内部または前記監視対象物から所定の距離の範囲内において移動するものを検知するセンサによりものが検知された場合、予め定められた所定の処理を実行する所定処理実行モードと、前記所定の処理が実行されない通常モードで動作する監視制御装置に監視制御処理を実行させるプログラムであって、
前記通常モードで動作しているときに、前記監視対象物の状態の変化を表す信号を取得する信号取得部から所定の条件を満たす信号が出力されたか否かの判定を制御し、
前記監視対象物から所定の条件を満たす信号が出力された場合、予め定められた距離の範囲内において前記携帯機との通信を行う通信部による前記携帯機との通信が可能か否かの判定を制御し、
前記携帯機との通信が可能であると判定された場合、前記条件を満たす信号が出力されたと判定された時刻から所定の時間が経過したとき、予め設定された通信方式により前記携帯機に対して所定のメッセージに対応する信号の送信を制御し、
前記送信されたメッセージに対応するユーザの応答を、前記携帯機から受信したか否かの判定を制御し、
前記応答の受信の判定結果と、予め設定された設定方式とに基づいて自分を前記所定処理実行モードで動作させるように制御するステップ
を含むコンピュータが読み取り可能なプログラム。
【請求項12】
予め登録された情報を有する携帯機を所有するユーザのみが操作することが可能な監視対象物に取り付けられ、前記監視対象物の内部または前記監視対象物から所定の距離の範囲内において移動するものを検知するセンサによりものが検知された場合、予め定められた所定の処理を実行する所定処理実行モードと、前記所定の処理が実行されない通常モードで動作する監視制御装置に監視制御処理を実行させるプログラムであって、
前記通常モードで動作しているときに、前記監視対象物の状態の変化を表す信号を取得する信号取得部から所定の条件を満たす信号が出力されたか否かの判定を制御し、
前記監視対象物から所定の条件を満たす信号が出力された場合、予め定められた距離の範囲内において前記携帯機との通信を行う通信部による前記携帯機との通信が可能か否かの判定を制御し、
前記携帯機との通信が可能であると判定された場合、前記条件を満たす信号が出力されたと判定された時刻から所定の時間が経過したとき、予め設定された通信方式により前記携帯機に対して所定のメッセージに対応する信号の送信を制御し、
前記送信されたメッセージに対応するユーザの応答を、前記携帯機から受信したか否かの判定を制御し、
前記応答の受信の判定結果と、予め設定された設定方式とに基づいて自分を前記所定処理実行モードで動作させるように制御するステップ
を含むコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−12585(P2009−12585A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−175777(P2007−175777)
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】