説明

監視応用のためのマップマッチング

【解決手段】
この発明の代表的な実施例にしたがって、目標物のための測定された位置とディジタルマップにおける情報との間のマップマッチング用の装置が示されている。これは、測定された位置に基づく、さらには、既定の誤差に基づくマップ上のマップ作成(cartography)エレメントの第1選択を実行するために使用されている計算ユニットを有する。さらに、この計算ユニットは、第1および第2補助(secondary)計算ユニットのための選択されたマップ作成エレメントを提供するように設計されている。さらに、補助計算ユニットからの値が、同一の測定のユニットにおいて変換される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、目標物(object)のための位置データの計算に関する。特に、この発明は、装置の使用に対する、車両に対する、プロセスに対する、プログラムエレメントに対する、および、コンピュータ可読媒体に対する、システムのための、ディジタルマップ上の情報を備えた目標物のための測定された位置を調整する(aligning)ための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
安全かつ適切な車両支援システムは、車両制御の失敗、または衝突に起因し得る危険な状況を予報することができることが必要である。そのような状況が余裕をもって予報される場合には、特別に自主的に、例えば車両を減速することによって、または、警報システムを使用して、この切迫した状況についてドライバに警告することによって、時には、それを回避することができる。
【0003】
この予報能力は、以前には、様々なタイプのセンサ、レーダ方式、またはカメラによって提供されてきたが、これらは、すべてその車両の直接の視野に限定されている。このことは、例えば、それらがカーブの後に起こることに関する何らの情報をも提供することができないことを意味する。マップデータは、これらの予報(prediction)を改善するために、そして、例として、道路が、カーブの後にどのように進むかを予測することができるために使用することができる。マップについての情報を使用するために、現在位置を知ることが必要である。この現在位置は、安価でグローバルな解決であり得る、例えば、GPS受信機を具備する様々な手段を使用して認識することができる。GPS、またはその他の測位システムは、位置が道路について常には正確に表示することができないという誤差(error)を有している。さらに、マップは、また常に実際のマップ作成からのいくつかの精度誤差および不一致を有するかも知れず、そしてそれは、道路について位置を直接見出すことを、より困難にするか、または不可能にさえする。
【発明の概要】
【0004】
この発明の目的は、ディジタルマップ上の情報を備えた目標物のための測定された位置の、改善された調整を提供することである。
【0005】
この発明は、独立請求項の特徴にしたがって、ディジタルマップ、システム、装置のための使用、車両、プロセス、プログラムエレメント、およびコンピュータ可読媒体についての情報を備えた目標物のための測定された位置を調整させるための装置を明示する。この発明の発展は、従属請求項において見出すことができる。
【0006】
記述された代表的な実施例は、同様に、装置、システム、使用、車両、プロセス、プログラムエレメント、およびコンピュータ可読媒体に関連する。
【0007】
この発明の代表的な一実施例は、ディジタルマップ上の情報を備えた目標物(例えば車両)のための、測定された位置を調整するための装置を明示し、その装置は、計算ユニットを有する。この場合、この計算ユニットは、測定された位置に基づき、さらには既定の誤差に基づいてマップ上のマップ作成エレメントの第1選択をするために設計される。さらに、この計算ユニットは、選択されたマップ作成エレメントに、第1および第2サブユニットを提供するために設計される。
【0008】
さらに、この第1選択を、追加的に、さらに、またはその代りに、計算ユニットによってマップ作成エレメントの座標に基づいて、することができる。
【0009】
この場合、発明の環境内においては、用語「調整(alignment)」は、用語「マップマッチング」と等価であり、その逆も正しいことは、注目すべきである。
【0010】
このような状況において、用語「マップ作成エレメント」は、続いて4つの基本的エレメント:ノード、セグメント、パス、またはループを使用して表示すことができるマップのあらゆるエレメントを意味することを理解するように意図されている。このような状況において、ノードは、例えば幅と高さのような、GPS座標を有するスペースにおけるポイントである。セグメントは、相互に2つのノードを接続するラインであり、また、パスは、1組のグループ化されたセグメントである。
【0011】
換言すれば、この発明の、この代表的な実施例は、既定の誤差基準を満たすそれらの所定位置を備えたマップ作成エレメントを選択する速い排除フィルタ(fast exclusion filter)を明示する。この基準は、例えば、測定された位置の周辺の最大距離の半径を有する円によってグラフ式に表わされる最大距離から計算することができる。この場合、セグメントが異なる式に基づいて最大誤差内であるかどうかを、例として、計算することが可能である。マップ作成エレメントの速い排除のためのフィルタ方法も、例えば図1および図4に例証されている。
【0012】
続いて起こるマップマッチングプロセスには適切であるこれらのマップ作成エレメントのこの選択は、マップマッチングが、より速く、かつより少ない計算パワーで実行することができる。続いて起こるマップマッチング方法の目的は、位置発見が関係するポイントに対してマップ上の可能性あるポイント間を決定するために、特定の誤差を有するGPSの位置発見を使用することである。ある場合には、例えば、その道路上にGPS受信機が位置しているGPS位置の受信に続いて決定することが必要である。この場合、なぜ調整またはマップマッチングを行なう必要があるか、そして特に、どのような方法、またはどのようなマップマッチングプロセスが、そうするために使用されるべきであるかを分析することが、先ず初めに必要である。それから、最良の方法が抽出され、さらにそれから、計算ユニットが評価される。
【0013】
例として、車両の場合には、それはマップデータにマッチすることが、種々様々の誤差出所に基づいて正確であり得ない、測定された位置のために可能である。このプロセス中に、マップデータは、同様に、誤差を含むことができる。しかしながら、例えば、多数の道路を備えたマップから、さらに遠方に位置している2本の最も接近している道路を選択することが、したがって可能である。この場合、道路は、セグメント、またはマップ作成エレメントと見なすことができる。車両状況に基づいて、車両が実際にある2本の道路のいずれかの見込みに続いて起こる計算は、様々な方法を使用して、並列に計算され、比較することができる。
【0014】
このような状況において、例えば、装置および計算ユニットは、CPU上で実行することができる数学的プロセス、またはアルゴリズムを使用することができることも、注目されるべきである。したがって、例えば、マップ作成エレメントのこの第1選択に基づいて、不必要なマップ作成エレメントまたはセグメントは、減少され、ディジタルマップから除去され、そのマップは、引き続いて、単純化された調整を実行することができる。
【0015】
計算ユニットは、任意の数のさらなる補助計算ユニットのための選択されたマップ作成エレメントを供給するように設計されていることが同様に指摘されるべきである。また、単に1つの補助計算ユニットを使用することができることは当然である。
【0016】
例えば、このような状況において、既定の誤差は、GPSシステムにおける誤差分布に基づく誤差値であり得る。GPSシステムにおける誤差分布は、正規分布に相当しており、それから既定の誤差を引き出すことが可能である。代りに、この誤差値は、個々の調整に基づいて反復して一致し、最適化(optimize)することができる。
【0017】
換言すれば、この装置は、測定された位置における続いて起こる改良またはチェックが小さなマップにのみ集中され、その後に、それらの位置を備えた適切なセグメントを計算し、評価することを単に必要とするような第1選択によるマップ作成エレメント用データ項目の数を除去する。換言すれば、マップからの情報は、複雑な終了プロセスのためにあらかじめフィルタされる。このことは、時間および計算パワーに関する重要な節減を意味することができる。
【0018】
この場合、状況に適応して一致するように既定の誤差の値のために準備をすることができる。このことは、マップマッチングがカバーされた領域内で全く実行することができない場合には、この装置は、誤差の最大の範囲を増加するということである。マップマッチングが可能である場合には、このシステムは、理論上既定の値まで誤差の最大の範囲を減少する。
【0019】
このような状況において、この装置による適切なマップ作成エレメントの選択は、同時の評価、および様々なモジュールを使用し、または様々な補助計算ユニットを使用して、様々なマップ作成エレメントの評価を、引き続いて実行するために使用することができる。この場合、前記補助計算ユニットは、同時に、並列して、かつ相互に独立して作動することができる独立したマップマッチングアルゴリズムと見なすことができる。装置による第1選択なしに、ディジタルマップに関する情報を備えた目標物のための測定された位置の調整は、はるかにより複雑であり、困難を伴うだけのリアルタイムにおいて実行することができた。
【0020】
この場合、その測定された位置は、さらに現在でないデータレコードであり得、また、さらに、初期の位置データレコードから測定された位置の少なくとも部分的な計算は、可能である。ナビゲーション能力は、したがって、この代表的な実施例の必須構成要素ではない。さらに、フィードバック情報として、装置および/または計算ユニットに対して再び供給されている新しい位置が、調整に続くことができる。
【0021】
このことは、最適化されたマップマッチング用のフィードバックループに対応する。これは、例えば、目標物におけるGPSユニットのような位置発見ユニットを使用して行うことができる。この場合、この発明の状況においては、GPSは、GPS、ガリレオ、GLONASS(ロシア)、KOMPASS(中国)、IRNSS(インド)、・・・のような、すべての全地球衛星航法システム(GNSS)の代表であることが、指摘されるべきである。
【0022】
用語「ディジタルマップ」は、また、起こっているナビゲーションなしで、アドバンストドライバアシスタントシステムズ(ADAS)用のマップを意味することを理解するように意図される。この場合、使用されたディジタルマップフォーマットは、基準およびパラメータに基づいて選択され、恐らく、これとこの発明の任意の代表的な実施例を許すために変更することができる。使用されるアルゴリズムに一致することが、フォーマットのために可能である。例として、マップ作成エレメントの創造性ある選択、および個々の補助計算ユニットにおける値の並列計算を改善するフォーマットを使用するか、または生産することが、可能である。
【0023】
補助計算ユニットも、また、その計算ユニットに物理的に含まれていることができる。
【0024】
この発明のさらなる代表的な実施例に従って、この装置は、さらに、第1および第2補助計算ユニットとを有し、この第1補助計算ユニットは、第1プロセス、または、第1の方法を使用して、各選択されたマップ作成エレメントのための第1の値を計算するように設計されている。さらに、第2補助計算ユニットは、第2プロセス、または第2の方法を使用して、各選択されたマップ作成エレメントのための第2の値を計算するように設計されており、この第1および第2の値は、測定の同一ユニットにおいて計算されるか、または測定の同一ユニットに変換される。
【0025】
換言すれば、使用される補助計算ユニットおよび方法は、補助計算ユニットのそれぞれの特定の物理装置が、測定の同一ユニットを規定されたベースユニットに変換されるように設計されている。万一、アルゴリズムがその値を計算するために使用されれば、そのアルゴリズムのために、測定の既定のユニットが、使用された個々の補助計算ユニットのために常に得られるように選択することが必要である。この場合、測定の同一ユニットの選択が、装置によって、計算ユニット、すなわち、速い排除フィルタによって、または、その他ユーザーによって規定することができる。共通ユニットにおける様々な補助計算ユニットにおける値の計算は、個々のマップ作成エレメントのための値の後の直接の比較を許す。これは、様々な計算方法が、組み合わせられるべきことを可能にし、したがって、調整に関する決定のための、より多くの情報を提供する。このことは、調整におけるいかなるあり得る誤差を最小にする。
【0026】
換言すれば、例えば、目標物の現在位置および運動状態と比較して、測定された位置からのそれらの距離を備え、かつ、それらの方向を備えた2本の道路のために、距離モジュールおよび角度モジュールは、見込みが関連し得る値を計算する。この値は、それぞれのマップ作成エレメントの位置にある車両の実際の位置の可能性を表示する。同調パラメータを使用する追加的評価、または同調で、同様に、補助計算ユニットおよびそこに計算された値は、重み付けすることができる。
【0027】
したがって、マップマッチングアルゴリズムは、選択されたマップ作成エレメントに様々な分析法を適用し、次に、すべての方法の結果を評価する。それら異なる方法からの値を比較することができるために、通常異なるユニットを変換するか、または変形する必要がある。
【0028】
換言すれば:異なる要因が、異なる入力パラメータを評価する、それはなぜ異なるユニットにおいてその結果を表現することができるかである。例として、距離モジュールは、第1補助計算ユニットと見なすことができ、距離を表示するが、しかし、角度モジュールは、第2補助計算ユニットと見なすことができ、角度を表示する。角度を距離と比較することができないので、創造性ある装置は、個々の補助計算ユニットの個別のユニットのために、測定のユニットを規定する、さらには、変換を提供する方法を表示する。
【0029】
この発明のさらなる代表的な実施例に従って、この装置は、また、それぞれの最終値(final value)を形成するために各々の選択されたマップ作成エレメントの第1および第2の値を加えるように設計されている。
【0030】
このことは、またさらなる値を提供するさらなる補助計算ユニットの場合に実行することができる追加を当然には除外しない。
【0031】
このように、マップ作成エレメントは、個別の補助計算ユニット、またはモジュールから、特別のポイント番号を集める。このポイント番号は、各々、最終値を形成するためにマップ作成エレメントの個別の値の追加に続くマップ作成エレメントのこれらの可能性に基づいて創成されている順番(order)をもって、目標物の実際位置にあるマップ作成エレメントの対応する可能性を有する。この順番は、調整、またはマップマッチング用に使用される。
【0032】
この発明のさらなる代表的な実施例に従って、この装置もまた、第1補助計算ユニットを評価するように、かつ第2補助計算ユニットを評価するように設計されており、それは、各選択されたマップ作成エレメントの2つの値のための対応する重み付けをすることに帰着する。
【0033】
この場合、補助計算ユニットの評価は、計算ユニットによって制御され、かつ実行することができるが、その装置のユーザーによる評価、または他の提供される測定データに基づく自動評価もまた可能である。
【0034】
補助計算ユニット、またはモジュールは、すべて個別のマップマッチングアルゴリズムと見なすことができる。しかしながら、評価によって、または同調パラメータの修正によって、単に1つのモジュールをマップマッチングに使用し、前記マップマッチングを行なうことは可能である。この目的のために、それは、例として、同調パラメータ、またはゼロにされる重み付けに関して他の補助計算ユニットの影響力のために、可能である。したがって、この装置は、様々な補助計算ユニット、または様々なマップマッチングアルゴリズムの組合せとしてマップマッチングを提供することができる。特別のマップ状況があれば、その決定方法がそのために最良である適切な評価を備えた補助計算ユニットのその組合せを実行することが可能である。
【0035】
この発明のさらなる代表的な実施例に従って、この装置も、最終値に基づく選択されたマップ作成エレメントから目的地マップ作成エレメントの第2選択をするように設計されている。さらに、この装置は、その調整が目的地マップ作成エレメントに基づいて実行されるように設計されている。
【0036】
したがって、換言すれば、目的地マップ作成エレメントの選択は、様々な補助計算ユニットにおけるすべての適切で、かつ既に選択されたマップ作成エレメントの計算に続くことができる。この場合、この目的地マップ作成エレメントは、創成された順番、および、実行されたあらゆる評価に基づいて最も可能性の高いマップ作成エレメントである。
【0037】
その後、目標物の測定された位置は、目的地マップ作成エレメントの位置によって置き換えることができる。この目的地マップ作成エレメントの位置は、そのとき目標物の新規な調整された位置である。
【0038】
例として、この車両の測定されたGPS位置が、実際には川に対応するGPSデータとして示されるならば、後の調整は、例えば、最も接近している道路のためのその位置を見つけるために目的地マップ作成エレメントとして使用することができる。この場合、目的地マップ作成エレメントは、先ず選択して評価基準の条件を満たしたそのマップ作成エレメントであり、さらに、アルゴリズムステップを直ちに計算する最も高い見込み(probability)を有している。
【0039】
この発明のさらなる代表的な実施例に従って、この装置は、第1フィルタを有し、このフィルタは、目標物のための状態を確認するように設計されている。
【0040】
この第1フィルタは、モジュールと呼ぶこともできるが、例えば、目標物が移動している間に、この目標物の測定された位置にカルマンフィルタを適用することによって、そのシステム状態を測定する。車両の場合には、目標物が、ニュートンの法則に基づいて移動を実行すると仮定されている。したがって、システム状態を完全に測定するために、直線的にカバーされた距離、速度、および加速を評価することが必要である。
【0041】
この場合、フィルタは、次の値を予側するために以前の値をすべてとらえることができる。しかしながら、このことは、現実について記述すべき内部モデルの独立した補正を通じて、周期的に行われる。このような状況において、このフィルタは、プロセスの経歴を記述することができる多次元システムを考慮する。
【0042】
この発明のさらなる代表的な実施例に従って、この装置は、さらに第2フィルタを有し、この第2フィルタは、測定された位置における誤差を確認するように設計されている。
【0043】
このフィルタは、第1フィルタのように、丁度のときに合わせて、マップ作成エレメントの選択に先行することができ、例えば、マップマッチングの間に託された誤差(committed error)を使用して、測定された位置の不一致を評価する。この場合、このモジュールは、例えばカルマンフィルタを使用して、GPS不一致を評価することができる。その後、カルマンフィルタの処理状況は、長さと幅における不一致に対応する。カルマンフィルタの既知の方程式によって、幅と長さに対するGPS不一致の新しい評価が、各GPS位置判断のために得られる。
【0044】
この発明のさらなる代表的な実施例に従って、フィルタの少なくとも1つは、カルマンフィルタの特性を有する。
【0045】
この発明のさらなる代表的な実施例は、車両用のディジタルマップに関する情報を備えた目標物のための測定された位置を調整させるためのシステムを明示し、このシステムは、以前の代表的な実施例のうちの1つ、および衛星航法受信機に従って装置を有している。
【0046】
このシステムは、車両において、例えば、より正確で、かつ、より予報的な位置発見、または位置補正決定のために使用することができる。このことは、自動緊急通報(ECall)、および自動化された技術サービス通報(BCall)、しかしまた、ドライバ支援システム(アドバンストドライバ支援システム、ADAS)用の相当な利点に、使用することができる。
【0047】
この発明のさらなる代表的な実施例は、車両において、先行する代表的な実施例のうちの1つに従って装置の使用を明示する。
【0048】
この発明のさらなる代表的な実施例は、以前の代表的な実施例のうちの1つに従って装置を有する車両を明示する。
【0049】
例として、この車両は、例えば、自動車、バス、または重量貨物車両のような自動車両、または他のレール車両、船、航空機、およびさらにはヘリコプタ、または飛行機、あるいは自転車である。
【0050】
この場合、この発明の、このおよびすべてのさらなる代表的な実施例は、自動化された緊急通報(ECall)用、および自動化された技術サービス通報(ブレークダウン通報、BCall)用、またはドライバ支援システム(アドバンストドライバ支援システム、ADAS)用の両方を適用している。
【0051】
この発明のさらなる代表的な実施例は、ディジタルマップに関する情報を備えた目標物のための測定された位置を調整するためのプロセスを明示し、そのプロセスは、次のステップを有する:計算ユニットが用意され、マップ上のマップ作成エレメントの選択が、その計算ユニットによって、測定された位置に基づいて、さらに、既定の誤差に基づいてなされ、さらに、選択されたマップ作成エレメントが、計算ユニットによって第1および第2補助計算ユニットのために提供される。
【0052】
この発明のさらなる代表的な実施例は、プロセッサ上で実行されたときに、上に示されたステップを実行するようにプロセッサに命じるプログラムエレメントを明示する。
【0053】
この発明のさらなる代表的な実施例は、媒体を明示し、この媒体は、ダウンロード用のプログラムエレメントを用意する。この場合、このプログラムエレメントは、さらに、プロセッサ上で実行されたときに、上に示されたステップを実行するようにプロセッサに命じるために適合可能である。
【0054】
ダウンロードによって、それがプロセッサ上で実行されるときに、既存プログラムエレメント用に、上に示されたステップを実行するようにプロセッサに命じる状態にすることが、同様に可能である。
【0055】
この発明のさらなる代表的な実施例は、コンピュータ可読媒体を明示しており、このコンピュータ可読媒体は、プロセッサ上で実行されるときに、上に示されたステップを実行するようにプロセッサに命じるプログラムエレメントを格納する。
【0056】
この発明の基本的な考察は、この装置が、様々な方法を使用して、選択されたマップ作成エレメントの並列計算を継続して実行し、これらの方法は、すべて測定の同一ユニットを提供するように、ディジタルマップからマップ作成エレメントの速い予選択をすることを見ることができる。その後、その結果の続いて起こる評価は、最適のマップマッチング決定を造りだし、このことが、実質的な時間および計算パワーを節約することができる。
【0057】
以下の本文は、図に関連してこの発明の好ましい代表的な実施例について記述する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】この発明の代表的な実施例に基づいた装置の概略の例証を示す。
【図2】この発明の代表的な実施例に基づいた装置用のディジタルマップの概略の例証を示す。
【図3】この発明の代表的な実施例に基づいた計算ユニットにおける計算の間の発生誤差を示す。
【図4】この発明の代表的な実施例に基づいたマップ作成エレメントの選択の概略の例証を示す。
【図5】この発明の代表的な実施例に基づいた補助計算ユニットによる計算の概略の実例を示す。
【図6】この発明の代表的な実施例に基づいた道路の距離モジュールによる計算の概略の例証を示す。
【図7】この発明のさらに代表的な実施例に基づいたプロセスのためのフローチャートの概略の例証を示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図における実施例は、概要であり、かつ、一定の縮小比(scale)でない。
【0060】
続く各図の記述においては、同じ参照数字は、同一の、または同様のエレメントのために使用されている。
【0061】
図1は、ディジタルマップ102についての情報を有する目標物のための測定された位置101を調整する(aligning)ための装置100を示す。例えば、マップについての情報はマップ作成エレメントおよび対応するデータによって提供することができる。さらに、計算ユニット103は、速い排除フィルタの形状であることもでき、それが提供される。この場合には、ディジタルマップ102は、その中に蓄積された、計算ユニット103のための、様々なマップ作成エレメントの位置に関する情報のような情報を供給する。これは、矢印130、131によって例証される。同様に、この情報は、補助計算ユニット104、105、106、107、および108に直接送ることができ、それは矢印126によって例として示されている。
【0062】
使用できないマップ作成エレメントを除去するために、計算ユニット103は、いくつかの可能性あるアルゴリズムのうちの1つを実行し、それは測定された位置101に基づく、および、既定の誤差に基づく適切なマップ作成エレメントを選択する。この選択に続いて、減少されたデータレコードは、補助計算ユニット104、105、106、107、および108に利用可能になる。この場合、例として、第1補助計算ユニット104は、第1の方法を使用して、各選択されたマップ作成エレメントのための第1の値を計算し、また、第2補助計算ユニット105は、第2の方法を使用して、各選択されたマップ作成エレメントのための第2の値を計算する。
【0063】
さらに、第1フィルタ109および第2フィルタ110が示される。この場合には、第1フィルタ109は、目標物のシステム状態を確認するためにセットアップされ、かつ、例えば車両の場合には、統計的に車両の位置、速度、および加速を評価することができる。このフィルタは、カルマンフィルタの形状であることができる。この状態を確認するために、フィルタ109は、補正されたバージョン122におけるGPS位置を備えている。フィルタ109によってシステム状態の確認に続いて、その結果は、個別の、または複数の補助計算ユニットに利用可能になることができる。ここに示された代表的な実施例においては、補助計算ユニット107および補助計算ユニット104は、現在のシステム状態に関する情報を供給される。
【0064】
第2フィルタ110は、カルマンフィルタの形状であることができるもので、例えば、反復して、例えば推定プロセスの結果としてGPS位置における誤差を除去するか、または最小化するために使用される。したがって、フィルタ110には、検査合計(checksum)113による可能な検査に続く目標物101の現在の測定された位置を供給することができる。代りに、調整が実行された後に、誤差値は、フィードバックループ121による第2フィルタ110にフィードバックすることができる。
【0065】
この場合、現在の測定された位置110は、衛星航法受信機111によって提供される。例として、NMEAファイルは、このような状況において、ナビゲーション機器112間の通信に使用することができる。
【0066】
両フィルタ109および110は、システム状態または位置誤差を決定するために、確率的な(stochastic)状態推定を使用することができるが、しかし、さらに、それは、例えば、2つのフィルタを提供するためか、またはセンサデータおよび確率的な推定の使用を組み合わせることが、車両からのセンサデータにとって可能である。2つのプロセスの組合せは、誤差を有するセンサデータに基づく誤差を最小化するために使用することができる。
【0067】
個別の補助計算ユニット104〜108の方法を使用して、選択されたマップ作成エレメントの各々が、補助計算ユニット毎にそれと関連するそれぞれの値を有している場合、各マップ作成エレメントのこれらの値は、それぞれの最終値114を形成するために加えられる。これらの最終値は、目標物が、それぞれのマップ作成エレメントの位置に位置されている見込み(probability)に相当する。それから、調整のために使用されるように、実際位置が何かを決定するためにそれらの見込みに基づくマップ作成エレメントのための順番(order)を創成することは、可能である。このことは、その地理的位置115を備えた目的地マップ作成エレメントに相当する。
【0068】
このような状況においては、図1における装置100は、目的地マップ作成エレメント、新しい調整された位置、および元々測定された位置118、119、および120と比較した新しい調整された位置における誤差を出力するためにセットアップされる。さらなるステップにおいて、新しい調整された位置と測定された位置125の準備とは、誤差値117を計算するために使用される。この誤差は、さらに、最新のステップを使用する目標物のための可能な限り調整された位置を、正確に反復して計算するために、フィードバックループ121におけるオフセット除去フィルタ110に対するフィードバックによって、利用可能にすることができる。
【0069】
この場合、補助計算ユニット、またはモジュールの様々な方法が、異なる物理的なパラメータ、および、したがって測定の異なる物理的ユニットを使用し、かつ処理し、そして、したがって、相互に直接比較することができないということは、特別の重要性である。同一の測定のユニットへの様々な値の創造性のある変換は、車両の潜在的な位置、または適切なマップ作成エレメントの位置の可能性の直接比較を可能とする。
【0070】
この場合、例えば、第1補助計算ユニット104は、道路距離モジュールの方法を実行することができる。第2補助計算ユニット105は、例えば、メモリモジュールの方法を使用して、マップ作成エレメントのための値を計算することができる。第3補助計算ユニット106は、パス見込み(path probability)の方法を使用して、または、サイズモジュールを使用して、適切なマップ作成エレメント用の見込みを評価することができる。第4補助計算ユニット107は、例えば、角度モジュールの方法を実行することができる。対照的に、第5サブユニット108は、例えば、距離モジュールの方法を実行することができる。
【0071】
下記の本文は、例として補助計算ユニットにおいて使用することができる個別の方法を示している。
【0072】
距離モジュールは、各マップ作成エレメントのためのポイント番号を計算する。規定された距離Dcs 用の等価ポイント番号Pdistanceは、このモジュールの結果が、既にメーターで表現されるので、標準であり(比率、1対1で)、さらに、この場合、メーターは、例として測定の標準単位(standard unit)である。
【0073】
Pdistance = Dcs
角度モジュールとして知られているものの場合には、なぜ実際のルートとマップの個々のセグメントとの間の大きな角度が、セグメントをそれほど可能性が高くなくするかを分析することが必要である。速度は、主要因である。受信機、または目標物が速く移動しているほど、正しくない角度が、より大きな影響を受ける。極端な場合は、速度が0に等しいか、非常に小さい場合に、生じる。その場合には、誤差角度は、次の2つの理由のために少しも影響を有するべきでない:第1に、そのスタートポイントとエンドポイントとがともに非常に接近しているので、セグメントベクトルに関して角度を計算するために必要であるルートベクトルはあまり安定していない。第2に、距離誤差は、次の例において非常に小さい。評価Pangleのための比率は、角度によって表現されるが、そのとき、実際の車速で次の時間間隔の間に平均して角度によって引き起こされた誤差の量に比例する:
【数1】

【0074】
ここで、αcs は、ルートベクトルと個別のセグメントベクトルとの間の角度に対応し、νは、評価された実車速に対応し、さらに、Δt は、最後のランダムサンプルと次ぎのものと間の見積時間増加に対応する。これを使用するために、速度νと時間増分Δtとを評価することが必要である。このことは、例えば、カルマンフィルタを使用して行うことができる。平均して引き起こされた誤差は、図3においてでグラフ式に示されている。0時にスタートする線形のシーケンスの平均は、最大値の半分に相当する。最大の誤差は、sinαcs・Baseに相当し、さらに、Baseは、ν・Δtと等しい。
【0075】
自動車両にマップマッチングを適用するために、ABSシステムにおけるように車両センサからの値を読むことのほうがより効率的であり得るし、それは、GPS受信機によって受けられるものと比較して、短周期内における距離および速度の値の正確さを改善することができる。
【0076】
メモリモジュールは、論理的に、最後の既知の道路、またはそれに接続している少なくとも1本の道路が、実際に現在の道路である比較的高い可能性を有しているという事実を考慮する。メモリモジュールは、非常に高い程度にそれ自身の必要性に適するようにすることができ、さらにパラメータを設定することによってこのモジュールの記憶効果を変更することが可能である。
【0077】
1つのセグメントにおける比較的高ポイント番号が、正しいものであるこのセグメントの比較的高い可能性に相当する。この場合、そのポイントシステムは、それがユーザーによって適応され、確率分布関数の記述にこのように相当する場合があるので、他のモジュールのポイントシステムと比較して逆である。この理由で、このモジュールからの結果(ポイント番号)は、この反対関数に相当する。
【0078】
これらのパラメータを補正することによって、メモリをポイント番号に転換する関数の形式を変更することが可能である。そのメモリは、セグメントが以前に選択されたか、または、それはがセグメントに直接接続されたかを決定する。
【0079】
パス見込み/規模モジュールは、第1に、より多くの車両がそれを使用し、第2に、それがより大きな表面を有するので、比較的に主要な道路がより高いレベルの見込みで評価されることを保証する。第1のポイントが関係している限り、道路上の車両の量、および、したがって対応するセグメントは、画定するのが困難である一連の要因に依存している。この車両の量は、道路の規模(size)に比例することが仮定される。このように、車両は、道路上に平等に分配されることが仮定される。道路の規模に関して、幅Wsを備えたセグメントの評価Psizeは、最大のあり得る誤差、または、最大の可能性ある変数、すなわち、
Psize =1/2 Ws
に相当する。
【0080】
それらが起こりそうなセグメントを示す場合には、他のポイント番号が低く、さらに、それらが起こりそうもないセグメントを示す場合には、高いので、それが他のポイント番号と比較される前に、このポイント番号は、メモリモジュールからのポイント番号と一緒に変換される。
【0081】
このことは、次の重要性を有する:道路が広ければ広いほど、それはより起りやすい。このことは、道路幅員の半分に相当する許容誤差を有するGPS位置によってグラフ式に示すことができる。このことは、第2フィルタ110に対する補助計算ユニットのフィードバックである。
【0082】
道路距離モジュールは、メーターにおいて既に表示される結果Sdを提供する。
【0083】
この理由のために、評価Pstreetに対する変換は単純である:
【数2】

【0084】
ここで、
【数3】

【0085】
は、例えば、カルマンフィルタの状態を使用して計算された道路についてカバーされた距離の評価に対応している。
【0086】
マップマッチングが、自動車両に適用されるべきである場合には、また推定
【数3】

【0087】
に代って使用されている車両センサによって計算された、カバーされた距離によって、正確さにおける改良がこの場合には、またある。これは、派生された(derived)値ではなく、また、正確さは、GPSデータの評価値より小さい距離で、はるかに高い。
【0088】
道路距離モジュールは、完全にマップマッチングの新方式である。カルマンフィルタは、現在の運動状態、および道路をカバーした距離を見積もるために使用される。このモジュールは、さらなる補助計算ユニットおよび方法を必要としない全く独立したマップマッチングに基づく。このタスクは、単に、疑問の場合の始点および特別の決定モジュールを必要とする。このモジュールは、他のモジュールと結合される場合、この必要性は他のすべてのモジュールによって既にカバーされる。
【0089】
他のすべてのモジュールは、道路方向に関してその位置を横方向に修正することを試みる。このモジュールは、長さ方向における見積りを実行し、現在の道路をカバーする距離の縦方向の投影(projection)による位置を確認する。このことは、カバーされた距離が確認され、この距離に相当する道路上の全てのあり得る位置が求められることを意味する。これらの位置からスタートして、それはあり得る全ての道路の方向に続き、かつ、この点に関してその距離を示す。
【0090】
したがって、例えば信号がトンネルの中で、または橋の下で切れたので、GPS受信機の動作が中断される場合でさえ、装置を使用し、データを調整させることが可能である。接続のないこの時間のあいだ、他の道路が交差しない場合、それは通常トンネルにおける場合であるが、このモジュールは、さらにGPS情報なしで決定することができる。したがって、このモジュールは、「合成ナビゲーション」(また推測航法とも呼ばれる)のオプションを備えたシステムを提供する。これは、この発明のさらなる重要な利点である。
【0091】
このモジュールがどのように2つの可能性ある位置を比較検討するかの一例が、図6に示される。ここで、図示された2台の車両は、2つの可能性ある位置を示し、かつ、
【数4】

【0092】
は、カバーされた次の距離の判断に対応する。
【0093】
ポイントAから他のポイントBまでの異なるパスがあり、それらをすべて分析する必要があるので、個々の可能性ある道路ポイントに対する最小距離を後方に計算する必要がある理由で、このモジュールは、計算の点から複雑である。推定されたカバーされた距離は、今度は、例えばカルマンフィルタを使用して、計算される。しかしながら、マップマッチングが、自動車両において使用される場合には、カルマンフィルタの場合におけるように、GPSからの派生情報ではなくカバーされた距離を見積るために車両センサを使用することができるので、その正確さを、このモジュールによって著しく増加することができる。その後、車両センサを使用するさらなるカルマンフィルタが、これらのカバーされた距離を計算するために提供されるべきである。
【0094】
図2は、示されたマップのインフラストラクチャと一致することができない車両101のための測定された位置を示すディジタルマップ102を示す。測定された位置によれば、車両200はビルディング203内に位置される。この状況で、創造性のある装置および創造性のあるプロセスは、速い排除フィルタ機能を使用することができ、車両の実際位置を決定するために様々なマップ作成エレメントを計算し、かつ評価するための様々な方法の組合せを使用することができる。このような状況において、正確な決定が、また、反復して、かつコントロールループによって達成することができる。さらに、代表的なマップ作成エレメント204、道路、およびビルディングが示される。
【0095】
目的地マップ作成エレメント115が選択された後、図2は、さらに新しい調整された位置201を示す。これは、車両201の新しい調整された位置に対応する。さらに、図2は、車両によってカバーされたセグメントとルートのベクトルの表現によって新しい調整された位置202の可能性ある計算を示している。
【0096】
図3は、補助計算ユニットが角度モジュールの方法を実行する場合における発生誤差を示している。セグメント方向または道路方向302のための現在位置301、および車両304の電流経路に基づいて、図示されるように値ν・ΔT305を表示することが可能である。この場合、道路ベクトルとセグメントベクトル300との間の角度が示される。次の時間間隔の間の発生誤差303は、三角形の高さとして、図の右手境界で示される。
【0097】
図4は、速い排除フィルタまたは計算ユニットの関数の図式表現を示す。この場合、計算ユニットは、測定された位置に基づき、かつ既定の誤差に基づくマップにおけるマップ作成エレメントの第1選択をするように設計されている。換言すれば、マップのセグメント、またはエレメントの速い排除のためのアルゴリズム400が示されている。この場合、境界401を備えた正方形の領域402が示されている。最大の誤差Dmax 403は、円の半径として示されているが、認められるセグメントを有するに違いない測定された位置101のまわりの領域を説明している。この場合、正確に選択されたセグメント404、および例えそれらが最大距離Dmax 405の理想的なフィルタ条件を満たさないとしても、選択されていないセグメントが、示される。正確に分類されていないセグメント406が、同様に示されている。このような状況において、用語マップ作成エレメントが、ノード、セグメント、パス、およびループを意味することは、再度指摘されるべきである。
【0098】
したがって、図4は、第1選択用の計算ユニットまたは速い排除フィルタの代表的な実施例の動作の方法の図式表現を示す。これは、計算ユニットにおける代表的なアルゴリズムを有する。この速い排除フィルタは、モジュールまたは補助計算ユニットをすべて同時に比較検討することができるために必要である。それは、最大半径内のセグメントを選択するために比較的複雑な手順である。この選択の認められる領域は、理想的に円である。しかしながら、この場合、例えば、セグメントが、次の複雑な式に基づく最大の誤差の内にあるかどうかを計算することが必要である:
【数5】

【0099】
(上記式におけるルート関数が各場合における全表現に関係することは、注目されるべきである)、ここに、Dmax は、最大の半径11に対応しており、
【数6】

【0100】
は、円の中心の座標に対応し、かつ、この場合には、受信されたGPS位置の座標に対応し、
【数7】

【0101】
は、マップ作成エレメントの座標に相当し、かつ、CP =(d,d)は、これらの言及された最後のエレメント間の座標相違に対応する。その中心をこのライン上に投影し、次に、この投影がセグメント内にあるかどうかを評価することによってセグメントの2つの終端によって形成されるラインから最短距離を計算することが必要であるので、マップ作成エレメントがセグメントである場合には、計算の複雑さは、なおさらに高い。これがその場合でないときは、最小距離は、最も接近しているセグメント終端からの距離に対応する。
【0102】
最大距離内のセグメントの計算は複雑になるが、しかし、このモジュールは、この正反対を正確に実行する。このことが全数探索を要求するので、それは有効なセグメントを捜さないが、むしろ、容易に選択することができるすべての無効のセグメントを捜す。換言すれば:この距離を越えて行くいくつかのセグメントを選択することなしに、最大距離内のセグメントを計算するのは難しい。
【0103】
このことは、唯一の困難が、遠く離れたセグメントが選択されないであろうことであるので、探索が徹底的である必要がないことを意味する。この新しい考えは、計算をさらにより複雑にすることなしに、最良の可能性あるフィルタリングを達成する。
【0104】
このことは、選択することができ、かつ、それは下記式に相当することができる追加のエレメントが利用可能であることを意味する:
Δε=〜2%
さらなる認められる近似は、最大距離の形状であって、理想的に円であるものを正方形に変換することである。このことは、距離の線形比較を可能にする。
【0105】
このことは、エレメントの次のセットがろ波されないことを意味し、もし理想的な円形が使用されていたならば、選択され得たであろう:
【数8】

【0106】
このように、フィルタが円内のエレメントを選択することができれば、認められるセグメントの21.46%は、フィルタを使用することによって選択されえたことであろう。しかしながら、このことは、非常により複雑な演算方法を備えた統合フィルタであり得たであろう。
【0107】
最後に、このフィルタがそのためにエレメントの速い排除ができ、さらに、より複雑で、統合されたフィルタを使用して除去されることができたセグメントの合計量は、次のものに対応する:
【数9】

【0108】
不正確に認められるセグメントのこの量を減少し、かつモジュールが円におけるセグメントだけを評価することができるようにするために、第2フィルタをろ波されたエレメント用に使用することができる。このことは、統合フィルタ(その場合に円におけるエレメントだけが選択されている)によってろ波されたエレメントだけ(正方形内のエレメント)が再度ろ波されることを意味する。正方形の領域の場合には、4つの異なる境界を設定することが可能である:
+,H-,V+ およびV-
【0109】
下記条件のうちの1つが適用する場合には:
・ax >V+ および bx >V+
・ax >V- および bx >V-
・ay >H+ および by >H+
・ay >H- および by >H-
そのとき、
【数10】

【0110】
から
【数11】

【0111】
まで行く総括的なセグメントSabを選択することが、可能である。
【0112】
マップ作成エレメントの速い排除のための、この代表的なフィルタ方法は、図4において図式に例証される。
【0113】
図5は、距離モジュールによる計算用の等価な平行四辺形500を示している。例えば、この計算は、図1において、補助計算ユニット104−108において実行される。この場合、高さは501によって表示され、底辺は502によって表示され、角度は503によって表示され、P1は504によって表示され、P2は505によって表示され、さらに、Cは506によって表示される。
【0114】
図6は、道路距離モジュール600による計算を示すディジタルマップ102の概略の例証を示している。
【0115】
図7は、この発明の代表的な実施例に基づくプロセスを描くフローチャートの概略の例証を示している。ステップS1において、計算ユニットが提供される。ステップS2において、マップにおけるマップ作成エレメントの選択は、計算ユニットによる、測定された位置に基づいて、さらには既定された誤差に基づいて実行される。ステップS3は、計算ユニットによる第1および第2補助計算ユニット用の選択されたマップ作成エレメントの提供である。
【0116】
「構成すること」および「有すること」は、他のエレメントまたはステップを除外しないこと、さらに、「1つの」(a)または「1つの」(an)は、複数を除外しないことが、さらに指摘される。さらに、上記の代表的な実施例のうちの1つに関して記述された特徴またはステップは、上述された他の代表的な実施例からの他の特徴、またはステップと結合しても使用することができることが指摘される。請求項における参照符号は限定的に見なされるべきでない。
【符号の説明】
【0117】
100・・・装置
101・・・測定された位置
102・・・ディジタルマップ
103・・・計算ユニット
104・・・第1補助計算ユニット
105・・・第2補助計算ユニット
106・・・第3補助計算ユニット
107・・・第4補助計算ユニット
108・・・第5補助計算ユニット
109・・・第1フィルタ
110・・・第2フィルタ
111・・・衛星航法受信機
112・・・ナビゲーション機器間の通信のための規定されたフォーマットを備えたファイル
113・・・検査合計
114・・・それぞれの最終値を形成する各マップ作成エレメントの第1〜第5の値の追加
115・・・目的地(destination)マップ作成エレメントとして最も可能なマップ作成エレメントの選択
116・・・新しく調整した位置の調整/計算
117・・・誤差値
118・・・目的地マップ作成エレメントの出力
119・・・新しく調整した位置の出力
120・・・新しく調整した位置の誤差値の出力
121・・・フィードバックループによる誤差値のフィードバック
122・・・補正された位置
123・・・計算された位置における誤差
124・・・計算ユニットを使用する新しく調整した位置のフィードバック
125・・・誤差計算のための測定された位置の準備
126・・・補助計算ユニットのための直接の情報提供
130・・・矢印
131・・・矢印
200・・・車両
201・・・新しく調整した位置
202・・・新しく調整した位置の可能な計算
203・・・ビルディング
204・・・代表的なマップ作成エレメント
300・・・ルートベクトルとセグメントベクトルとの間の角度
301・・・現在位置
302・・・セグメント/道路方向
303・・・発生誤差用
304・・・現在ルート
305・・・v Δt
306・・・角度モジュールによる計算の間の時間間隔における発生誤差用
400・・・セグメント/エレメントの速い排除用アルゴリズム
401・・・正方形領域の境界
402・・・正方形領域
403・・・最大の誤差Dmax
404・・・正しく選ばれるセグメント/マップ作成エレメント
405・・・例えそれらが最大距離Dmaxの理想的フィルタ条件を満たさなくても、選ばれないセグメント/マップ作成エレメント
406・・・正しく選ばれていないセグメント/マップ作成エレメント
500・・・距離モジュールによる計算用の等価な平行四辺形
501・・・高さ
502・・・底辺
503・・・角度
504・・・P1
505・・・P2
506・・・C
600・・・道路距離モジュールによる計算

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置は:
計算ユニット(103)であって;
この計算ユニットは、測定された位置および既定された誤差(403)の位置に基づくマップからマップ作成エレメント(404、405、406)の第1選択をするように設計され;
その計算ユニットは、また、第1(104)および第2(105)補助計算ユニット用の選択されたマップ作成エレメントを供給するように設計されているものを有する、
ディジタルマップ(102)に関する情報を具備した目標物用の測定された位置(101)を調整するための装置(100)。
【請求項2】
前記装置は、さらに、
前記第1および第2補助計算ユニットを有し;
この第1および第2補助計算ユニットは、第1の方法を使用して、各選択されたマップ作成エレメントのための第1の値を計算するように設計され;
前記第2補助計算ユニットは、第2の方法を使用して、各選択されたマップ作成エレメントのための第2の値を計算するように設計され;
さらには、第1および第2の値は、測定の同一ユニットにおいて計算されるもの、
を有する請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記装置は、それぞれの最終値を形成するために各選択されたマップ作成エレメントの第1および第2の値を加えるように設計されている、先行する請求項のうちの1つに記載の装置。
【請求項4】
前記装置は、第1補助計算ユニットを評価し、かつ第2補助計算ユニットを評価するように設計されており、前記第2補助計算ユニットは、各選択されたマップ作成エレメントの2つの値のための対応する重み付けに帰着する、先行する請求項のうちの1つに記載の装置。
【請求項5】
前記装置は、さらに、最終値に基づく選択されたマップ作成エレメントから目的地マップ作成エレメント(115)の第2の選択をするように設計されており;
さらに、前記装置は、その調整が前記目的地マップ作成エレメントに基づいて実行されるように設計されている、請求項3と請求項4とのうちの1項記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、さらに、第1フィルタ(109)を有し;
この第1フィルタは、目標物のための状態を確認するように設計されている、先行する請求項のうちの1項記載の装置。
【請求項7】
前記装置は、さらに、第2フィルタ(110)を有し;
この第2フィルタは、目標物の測定された位置における誤差を確認するように設計されている、先行する請求項のうちの1項記載の装置。
【請求項8】
前記フィルタの少なくとも1つは、カルマンフィルタの形である、請求項6と請求項7とのうちの1項記載の装置。
【請求項9】
前記システムは、
先行する請求項のうちの1項記載の装置と;
衛星航法受信機(111)とを有し、車両用のディジタルマップにおける情報を備えた目標物のための測定された位置を調整するためのシステム。
【請求項10】
車両(200)における請求項1〜8のうちの1項記載の装置の使用。
【請求項11】
請求項1〜8のうちの1項記載の装置を有する車両(200)。
【請求項12】
次のステップを有するプロセスであって:
計算ユニット(S1)が用意され;
マップ上のマップ作成エレメントが、計算ユニット(S2)によって、測定された位置に基づいて、かつ既定された誤差に基づいて選択され;
この選択されたマップ作成エレメントが、計算ユニット(S3)によって、第1および第2補助計算ユニットに供給される、
ディジタルマップにおける情報を備えた目標物のための測定された位置を調整するためのプロセス。
【請求項13】
プロセッサ上で実行されたときに、プロセッサに次のステップを実行するように命じるプログラムエレメントであって:
計算ユニットが用意され;
マップ上のマップ作成エレメントが計算ユニットによって、測定された位置に基づいて、かつ既定された誤差に基づいて、選択され;
この選択されたマップ作成エレメントが、計算ユニットによって、第1および第2補助計算ユニットに供給されるプログラムエレメント。
【請求項14】
プロセッサ上で実行されたときに、プロセッサに次のステップを実行するように命じるプログラムエレメントを格納するコンピュータ可読媒体であって:
計算ユニットが用意され;
マップ上のマップ作成エレメントが、計算ユニットによって、測定された位置に基づいて、かつ既定された誤差に基づいて選択され;
この選択されたマップ作成エレメントが、計算ユニットによって、第1および第2補助計算ユニットに供給されるコンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−528304(P2010−528304A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509778(P2010−509778)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【国際出願番号】PCT/EP2008/055850
【国際公開番号】WO2008/145509
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(500030596)コンチネンタル・テベス・アーゲー・ウント・コンパニー・オーハーゲー (126)
【Fターム(参考)】