説明

目的地提示システム及びナビゲーションシステム

【課題】車両の乗員の構成に応じて適切な目的地を提示できる目的地提示システム及びナビゲーションシステムを提供すること。
【解決手段】車両に搭乗した乗員の性別がナビゲーション装置10の画像認識プロセッサ21により判別し、その乗員の性別に関する情報と共に目的地検索要求を情報提供サーバ10へ送信する。情報提供サーバ10では、その乗員の性別に応じて車両に搭乗した乗員の嗜好する施設の特徴を嗜好データベース54cに基づいて推定し、その推定した特徴を有する施設を施設データベース54bから抽出する。そして、抽出した施設の施設情報をナビゲーション装置10へ提供し、ナビゲーション装置10では、情報提供サーバ10より提供された施設情報に基づいて、その施設の名称などをLCD18上に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地提示システム及びナビゲーションシステムに関し、特に、車両の乗員の構成に応じて適切な目的地を提示できる目的地提示システム及びナビゲーションシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の乗員が所望する目的地を推定して、乗員に提示する目的地提示システムが知られている。例えば、特許文献1には、車両における過去の施設訪問履歴情報に基づいて乗員の嗜好を把握し、その嗜好にあった目的地を乗員に対して提示する情報提示装置(目的地提示システム)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−10080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、車両に乗車する人物は常に同一であるとは限らず、状況に応じて乗員の構成、例えば、人数や性別、年齢などが変化する。そして、その乗員の構成によって実際に嗜好する目的地が変化する場合が多い。特に、女性と男性とで、一般的に目的地の嗜好が大きく異なる。
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の情報提示装置(目的地提示システム)では、車両の過去の施設訪問履歴に基づいて目的地を提示するだけであるので、車両の乗員の構成が異なっても、その施設訪問履歴に基づく所定の目的地が提示されてしまい、車両の乗員の構成に応じて適切な目的地を提示できない恐れがあるという問題点があった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、車両の乗員の構成に応じて適切な目的地を提示できる目的地提示システム及びナビゲーションシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために請求項1記載の目的地提示システムは、車両の乗員に対して目的地の候補を提示するものであって、施設に関する施設情報とその施設の特徴を示す特徴情報とを施設毎に格納する施設情報格納手段と、前記乗員の性別を判別する乗員性別判別手段と、その乗員性別判別手段により判別された乗員の性別に応じて前記乗員の嗜好する施設の特徴を推定する嗜好推定手段と、その嗜好推定手段により推定された前記乗員の嗜好する施設の特徴と前記施設情報格納手段に格納されている前記特徴情報により示される特徴とが合致する施設の施設情報を、前記施設情報格納手段から抽出する施設情報抽出手段と、その施設情報抽出手段により抽出された前記施設情報に基づき、その施設情報によって示される施設を前記目的地の候補として出力する目的地候補出力手段とを備える。
【0008】
尚、この目的地提示システムは、1つの装置によって構成されるものであってもよいし、2以上の装置によって構成されるものであってもよい。例えば、車両に設けられるナビゲーション装置のみによって構成されてもよいし、その他の車載装置のみによって構成されてもよい。また、ナビゲーション装置といった車載装置とその車載装置がアクセス可能なサーバ装置とによって構成されてもよい。更に、施設情報格納手段を独立した別の外部記憶装置に設け、車載装置と外部記憶装置、若しくは、車載装置とサーバ装置と外部記憶装置によって目的地提示システムを構成してもよい。
【0009】
請求項2記載の目的地提示システムは、請求項1記載の目的地提示システムにおいて、前記乗員の数を検出する乗員数検出手段を備え、前記嗜好推定手段は、その乗員数検出手段により検出された乗員の数と、前記乗員性別判別手段により判別された乗員の性別とに応じて、前記乗員の嗜好する施設の特徴を推定するものである。
【0010】
請求項3記載の目的地提示システムは、請求項1又は2に記載の目的地提示システムにおいて、前記乗員の年齢を推定する乗員年齢推定手段を備え、前記嗜好推定手段は、前記乗員性別判別手段により判別された乗員の性別と前記乗員年齢推定手段により推定された前記乗員の年齢とに応じて、前記乗員の嗜好する施設の特徴を推定するものである。
【0011】
請求項4記載の目的地提示システムは、請求項2記載の目的地提示システムにおいて、前記乗員数検出手段により検出された乗員の数が複数である場合に、前記乗員性別判別手段により判別された乗員の性別に応じて、前記乗員間の関係を推定する乗員関係推定手段を備え、前記嗜好推定手段は、その乗員関係推定手段により推定された前記乗員間の関係に応じて、前記乗員の嗜好する施設の特徴を推定するものである。
【0012】
請求項5記載の目的地提示システムは、請求項3記載の目的地提示システムにおいて、前記乗員の数を検出する乗員数検出手段と、その乗員数検出手段により検出された乗員の数が複数である場合に、前記乗員性別判別手段により判別された乗員の性別および前記乗員年齢推定手段により推定された乗員の年齢に応じて、前記乗員間の関係を推定する乗員関係推定手段とを備え、前記嗜好推定手段は、その乗員関係推定手段により推定された前記乗員間の関係に応じて、前記乗員の嗜好する施設の特徴を推定するものである。
【0013】
請求項6記載のナビゲーションシステムは、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、目的地を設定する目的地設定手段と、前記現在位置検出手段により検出された前記現在位置から前記目的地設定手段により設定された前記目的地までの経路を設定して出力する経路出力手段と、施設に関する施設情報とその施設の特徴を示す特徴情報とを施設毎に格納する施設情報格納手段と、車両に搭乗している乗員の性別を判別する乗員性別判別手段と、その乗員性別判別手段により判別された乗員の性別に応じて前記乗員の嗜好する施設の特徴を推定する嗜好推定手段と、その嗜好推定手段により推定された前記乗員の嗜好する施設の特徴と前記施設情報格納手段に格納されている前記特徴情報により示される特徴とが合致する施設の施設情報を、前記施設情報格納手段から抽出する施設情報抽出手段と、その施設情報抽出手段により抽出された前記施設情報に基づき、その施設情報によって示される施設を前記目的地の候補として出力する目的地候補出力手段と、その目的地候補出力手段により出力された施設が乗員により前記目的地として選択されたか否かを判断する目的地選択判断手段と、その目的地選択判断手段により前記目的地として選択されたと判断された場合は、その選択された前記目的地が前記目的地設定手段により設定されるように制御する目的地設定制御手段とを備える。
【0014】
尚、このナビゲーションシステムは、1つの装置によって構成されるものであってもよいし、2以上の装置によって構成されるものであってもよい。例えば、車両に設けられるナビゲーション装置のみによって構成されてもよいし、ナビゲーション装置とそのナビゲーション装置がアクセス可能なサーバ装置とによって構成されてもよい。更に、施設情報格納手段を独立した別の外部記憶装置に設け、ナビゲーション装置と外部記憶装置、若しくは、ナビゲーション装置とサーバ装置と外部記憶装置によって目的地提示システムを構成してもよい。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の目的地提示システムによれば、車両の乗員の性別が乗員性別判別手段によって判別され、その判別された乗員の性別に応じてその乗員の嗜好する施設の特徴が嗜好推定手段によって推定される。一方、施設に関する施設情報とその施設の特徴を示す特徴情報とが、施設毎に、施設情報格納手段に格納されている。そして、嗜好推定手段によって推定された乗員の嗜好する施設の特徴と施設情報格納手段に格納されている特徴情報により示される特徴とが合致する施設の施設情報が、施設情報抽出手段によって、施設情報格納手段から抽出され、その抽出された施設情報に基づき、その施設情報により示される施設が目的地の候補として目的地候補出力手段によって出力される。このように、車両の乗員の性別に応じてその乗員の嗜好する施設の特徴が推定され、その推定された乗員の嗜好する施設の特徴を有する施設が目的地の候補として出力される。ここで、上述したように、女性と男性とで、一般的に目的地の嗜好が大きく異なるが、乗員の性別を反映して目的地の候補が出力されるので、少なくとも嗜好の大きく異なる車両の乗員の性別に応じて適切な目的地を提示することができる。よって、車両の乗員の構成に応じて適切な目的地を提示できるという効果がある。
【0016】
請求項2記載の目的地提示システムによれば、請求項1記載の目的地提示システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、車両の乗員の数が乗員数検出手段によって検出され、その検出された乗員の数と、乗員性別判別手段により判別された乗員の性別とに応じて、乗員の嗜好する施設の特徴が嗜好推定手段によって推定される。これにより、車両の乗員の性別だけでなく、乗員の数にも応じてその乗員の嗜好する施設の特徴を推定することができるので、よりきめ細かく乗員の嗜好する施設の特徴を推定することができる。そして、このきめ細かく推定された乗員の嗜好する施設の特徴を有する施設が施設情報抽出手段によって抽出され、それが目的地の候補として目的地候補出力手段によって出力されるので、より車両の乗員に見合った目的地を提示することができる。よって、車両の乗員の構成に応じてより適切な目的地を提示できるという効果がある。
【0017】
請求項3記載の目的地提示システムによれば、請求項1又は2に記載の目的地提示システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、車両の乗員の年齢が乗員年齢推定手段によって推定され、その推定された乗員の年齢と、乗員性別判別手段により判別された乗員の性別とに応じて、乗員の嗜好する施設の特徴が嗜好推定手段によって推定される。これにより、乗員の性別だけでなく、年齢にも応じてその乗員の嗜好する施設の特徴を推定することができるので、よりきめ細かく乗員の嗜好する施設の特徴を推定することができる。そして、このきめ細かく推定された乗員の嗜好する施設の特徴を有する施設が施設情報抽出手段によって抽出され、それが目的地の候補として目的地候補出力手段によって出力されるので、より車両の乗員に見合った目的地を提示することができる。よって、車両の乗員の構成に応じてより適切な目的地を提示できるという効果がある。
【0018】
請求項4記載の目的地提示システムによれば、請求項2記載の目的地提示システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、乗員数検出手段により検出された乗員の数が複数である場合に、乗員性別判別手段により判別された乗員の性別に応じて、乗員間の関係が乗員関係推定手段によって推定され、この推定された乗員間の関係に応じて、その乗員の嗜好する施設の特徴が嗜好推定手段によって推定される。これにより、単に乗員の性別を考慮するのではなく、その乗員の性別に応じて推定されたその乗員間の関係、例えば、女性同士、男性同士、カップルといった関係に応じて、乗員の嗜好する施設の特徴を推定することができるので、より的確に乗員の嗜好する施設の特徴を推定することができる。そして、このより的確に推定された乗員の嗜好する施設の特徴を有する施設が施設情報抽出手段によって抽出され、それが目的地の候補として目的地候補出力手段によって出力されるので、より車両の乗員に見合った目的地を提示することができる。よって、車両の乗員の構成に応じてより適切な目的地を提示できるという効果がある。
【0019】
請求項5記載の目的地提示システムによれば、請求項3記載の目的地提示システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、車両の乗員の数が乗員数検出手段により検出され、その検出された乗員の数が複数である場合に、乗員性別判別手段により判別された乗員の性別および乗員年齢推定手段により推定された乗員の年齢に応じて、乗員間の関係が乗員関係推定手段によって推定される。そして、この推定された乗員間の関係に応じて、乗員の嗜好する施設の特徴が嗜好推定手段によって推定される。これにより、単に乗員の性別や年齢を考慮するのではなく、その乗員の性別や年齢に応じて推定されたその乗員間の関係、例えば、若物同士や家族といった関係に応じて、乗員の嗜好する施設の特徴を推定することができるので、より的確に乗員の嗜好する施設の特徴を推定することができる。そして、このより的確に推定された乗員の嗜好する施設の特徴を有する施設が施設情報抽出手段によって抽出され、それが目的地の候補として目的地候補出力手段によって出力されるので、より車両の乗員に見合った目的地を提示することができる。よって、車両の乗員の構成に応じてより適切な目的地を提示できるという効果がある。
【0020】
請求項6記載のナビゲーションシステムによれば、現在位置検出手段により検出された車両の現在位置から目的地設定手段により設定された目的地までの経路が経路出力手段により設定され出力される。また、車両に搭乗している乗員の性別が乗員性別判別手段によって判別され、その判別された乗員の性別に応じてその乗員の嗜好する施設の特徴が嗜好推定手段によって推定される。一方、施設に関する施設情報とその施設の特徴を示す特徴情報とが、施設毎に、施設情報格納手段に格納されている。そして、嗜好推定手段によって推定された乗員の嗜好する施設の特徴と施設情報格納手段に格納されている特徴情報により示される特徴とが合致する施設の施設情報が、施設情報抽出手段によって、施設情報格納手段から抽出され、その抽出された施設情報に基づき、その施設情報により示される施設が目的地の候補として目的地候補出力手段によって出力される。
【0021】
このように、車両に搭乗した乗員の性別に応じてその乗員の嗜好する施設の特徴が推定され、その推定された乗員の嗜好する施設の特徴を有する施設が目的地の候補として出力される。ここで、上述したように、女性と男性とで、一般的に目的地の嗜好が大きく異なるが、乗員の性別を反映して目的地の候補が出力されるので、少なくとも嗜好の大きく異なる車両の乗員の性別に応じて適切な目的地を提示することができる。よって、車両の乗員の構成に応じて適切な目的地を提示できるという効果がある。
【0022】
更に、目的地選択判断手段により、目的地の候補として出力された施設が乗員によって目的地として選択されたと判断されると、その選択された目的地が目的地設定手段によって設定されるように目的地設定制御手段により制御される。よって、車両の乗員の構成に応じて適切に提示された目的地を乗員に選択させることにより、乗員に対して容易に目的地の設定を行わせることができる。従って、目的地の設定に伴う乗員の負担を軽減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態であるナビゲーションシステムの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】施設データベースの内容の一例を模式的に示す模式図である。
【図3】嗜好データベースの内容の一例を模式的に示す模式図である。
【図4】ナビゲーション装置内のCPUで実行される乗員判定処理を示すフローチャートである。
【図5】ナビゲーション装置内のCPUで実行される目的地提示処理を示すフローチャートである。
【図6】情報提供サーバ内のCPUで実行される目的地検索処理を示すフローチャートである。
【図7】車両の乗員が2名(男性1名、女性1名、子供0名)である場合にLCD上に表示される目的地候補の表示例を模式的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実形態であるナビゲーションシステム1の電気的構成を示すブロック図である。
【0025】
まず、このナビゲーションシステム1の概略構成について説明する。ナビゲーションシステム1は、車両の現在位置から目的地までの経路を設定し、その設定した経路を出力して目的地までの経路誘導を行うものである。また、ナビゲーションシステム1は、経路誘導すべき目的地が車両の乗員によって設定される場合に、その目的地の候補を乗員に対して提示すると共に、車両の乗員の構成に応じて適切な目的地を提示できる目的地提示システムとして機能するように構成されている。
【0026】
このナビゲーションシステム1は、図1に示すように、ナビゲーション装置10および情報提供サーバ50を主に有している。ナビゲーション装置10は、車両内に設けられるもので、目的地の設定、車両の現在位置検出、現在位置から目的地までの経路探索、経路探索により探索された経路を道路地図と合わせてナビゲーション装置10の液晶ディスプレイ(以下、「LCD(Liquid Crystal Display)」と称する。)18に表示して、搭乗者に経路を案内する経路案内といった、ナビゲーションシステムの主要な処理を実行する。
【0027】
また、ナビゲーション装置10には、車両に設けられた各座席の座位置のそれぞれに対応して、その座位置に座した搭乗者の顔画像が撮像可能な位置に配設されたカメラ30(運転席カメラ30a、助手席カメラ30b・・・)が接続されている。そして、ナビゲーション装置10は、このカメラ30により撮像された画像データを用いて顔認識処理を実行することにより、車両の乗員数や、全乗員の性別および推定年齢が判別されるように構成されている(図4参照)。
【0028】
更に、ナビゲーション装置10は、携帯電話事業者が提供する無線通信ネットワーク70に基地局60を介して接続可能に構成され、無線通信ネットワーク70に接続された情報提供サーバ50へアクセスできるように構成されている。そして、ナビゲーション装置10は、経路誘導すべき目的地が車両の乗員によって設定される場合に、情報提供サーバ50に対して目的地の候補の検索を要求する目的地検索要求を送信する(図5のS25参照)。
【0029】
情報提供サーバ50は、車両外部に存在する情報センタに固定的に設置されるもので、ナビゲーション装置10からの目的地検索要求に応じて目的地の候補となり得る施設を検索し、この検索によって抽出された施設に関する情報(施設情報)を目的地候補の情報としてナビゲーション装置10に提供する。この情報提供サーバ50には、目的地の候補となり得る複数の施設に関する情報がデータベース化されて施設データベース54bとして格納されている。また、施設データベース54bに格納された各施設の情報には、その施設情報毎に、対応する施設の特徴を示す特徴情報が対応付けられている(図2参照)。
【0030】
ここで、ナビゲーション装置10は、車両の乗員数や、その乗員の性別、推定年齢などに関する情報を含めて目的地検索要求を情報提供サーバ50に送信するように構成されている(図5のS25参照)。
【0031】
情報提供サーバ50は、ナビゲーション装置10より目的地検索要求を受信すると、その目的地検索要求に含まれる車両の乗員数や、その乗員の性別、推定年齢といった車両の乗員の構成に応じて、車両に搭乗した乗員の嗜好する施設の特徴を推定する。そして、推定された乗員の嗜好する施設の特徴を有する施設に関する施設情報を、施設データベース54bに格納された各施設情報に対応付けられている特徴情報に基づいて、複数の施設情報の中から抽出し、その抽出された施設情報を目的地候補の情報としてナビゲーション装置10へ提供する。
【0032】
ナビゲーション装置10は、目的地検索要求に対応して情報提供サーバ50より提供される目的地候補としての施設情報を受信すると、その施設情報に示される施設を、目的地の候補としてLCD18に表示させる。これにより、車両の乗員の構成に応じて適切な目的地を提示できるようになっている。
【0033】
次いで、ナビゲーションシステム1の詳細構成について説明する。まず、ナビゲーション装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ハードディスクドライブ(以下、「HDD(Hard Disk Drive)」と称する。)14、現在位置検出装置15、通信制御装置16、LCD18、タッチパネル19、操作キー20、画像認識プロセッサ21を主に有している。
【0034】
CPU11、ROM12、RAM13は、バスライン22を介して互いに接続されている。また、HDD14、現在位置検出装置15、通信制御装置16、LCD18、タッチパネル19、操作キー20、画像認識プロセッサ21は、いずれも入出力ポート23に接続され、その入力ポート23はバスライン22に接続されている。これにより、CPU11、ROM12、RAM13と入出力ポート23に接続される各部との間で、各種信号やデータの送受信が行われる。
【0035】
また、上述したように、ナビゲーション装置10には、各座位置にそれぞれ設けられたカメラ30(運転席カメラ30a、助手席カメラ30b・・・)が接続され、このカメラ30により撮像された顔画像データは、画像認識プロセッサ21に入力されるように構成されている。
【0036】
CPU11は、ROM12やRAM13に記憶されるデータやプログラムに従って、ナビゲーション装置10が有している各機能の制御や、入出力ポート23と接続された各部の制御を実行する演算装置である。このCPU11には、計時回路11aが内蔵されている。計時回路11aは、現在の日時を刻む時計機能や、設定された時間の経過を計時するタイマ機能を有する既知の回路であり、CPU11は、計時回路11aの時計機能やタイマ機能を使用して、各種制御を行う。
【0037】
ROM12は、CPU11で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能な不揮発性のメモリである。図4及び図5のフローチャートに示す各処理を実行する制御プログラム12aは、このROM12に格納されている。
【0038】
各処理の詳細については、図4及び図5を参照して後述するが、図4のフローチャートに示す乗員判定処理は、各座位置にそれぞれ設けられたカメラ30(運転席カメラ30a、助手席カメラ30b・・・)により撮像された画像データに対する顔認識処理を画像認識プロセッサ21に実行させ、その顔認識処理の結果から、車両に搭乗している乗員数や、全乗員の性別および推定年齢を判定するものである。また、図5のフローチャートに示す目的地提示処理は、情報提供サーバ50に対して目的地検索要求を送信し、その目的地検索要求に対して情報提供サーバ50より受信した目的地候補をLCD18に表示させるものである。
【0039】
RAM13は、書換可能な揮発性のメモリであり、ナビゲーション装置10の各操作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。このRAM13には、乗員カウンタ13a、乗員性別格納領域13b、乗員年齢格納領域13c、検索結果格納領域13dが設けられている。
【0040】
乗員カウンタ13aは、車両に搭乗した乗員数をカウントするためのカウンタである。CPU11は、図4に示す乗員判定処理を実行すると、その実行開始直後に乗員カウンタ13aを一旦0にリセットする(図4のS11参照)。そして、CPU11は、その乗員判定処理の中で、各カメラ30にて撮像された画像データに対し、顔画像が画像認識プロセッサ21により認識される度に、乗員カウンタ13aに「1」を加算する(図4のS14参照)。
【0041】
ここで、各カメラ30により撮像された画像データにおいて顔画像が認識された場合、そのカメラ30が設けられた座位置に乗員が存在することを意味する。従って、一のカメラ30により撮像された画像データにおいて顔画像が認識される度に乗員カウンタ13aに1を加算することによって、全ての座位置に対応するカメラ30からの画像データに対する顔認識が完了し、その顔認識の結果(顔画像が認識されたか否か)が判定された段階で、乗員カウンタ13aは、その車両に搭乗している乗員数を示すことができる。
【0042】
乗員性別格納領域13bは、車両に搭乗している全乗員の性別に関する情報を格納するための領域である。また、乗員年齢格納領域13cは、車両に搭乗している全乗員の推定年齢に関する情報を格納するための領域である。
【0043】
CPU11は、図4に示す乗員判定処理を実行することによって、まず、その実行開始直後に乗員性別格納領域13bおよび乗員年齢格納領域13cの内容を一旦クリアする(図4のS11参照)。そして、座位置毎に設けられたカメラ30(運転席カメラ30a、助手席カメラ30b・・・)により撮像された各画像データに対する顔認識が画像認識プロセッサ21によって所定の順番(例えば、運転席、助手席、後席左側、後席中側、後席右側の順)で順次行われるように制御する。
【0044】
ここで、画像認識プロセッサ21は、各カメラ30により撮像された画像データか顔画像を認識すると、その顔画像に基づいてその人物の性別を判別し、また、推定年齢を推定するように構成されている。CPU11は、顔認識を行った一のカメラ30の画像データから、画像認識プロセッサ21により顔画像が認識されたことを判定すると、合わせて画像認識プロセッサ21により判別され、また、推定される乗員の性別および推定年齢をそれぞれ乗員性別格納領域13bおよび乗員年齢格納領域13cに格納する。そして、所定の順番で順次行われる各カメラ30により撮像された画像データに対する顔認識において、顔画像が認識される度に、その顔画像の認識と合わせて判別され、また、推定される乗員の性別および推定年齢をそれぞれ乗員性別格納領域13bおよび乗員年齢格納領域13cに順番に追加して格納する。
【0045】
これにより、乗員性別格納領域13bおよび乗員年齢格納領域13cには、その乗員判定処理により判別され、また、推定された全乗員の性別および推定年齢が、正確に格納されることになる。また、乗員性別格納領域13bおよび乗員年齢格納領域13cには、顔画像が認識された順番に、その顔画像に対して判別され、また、推定された乗員の性別および推定年齢が格納される。これにより、乗員性別格納領域13bおよび乗員年齢格納領域13cに格納された乗員の性別および推定年齢を順番に読み出すことによって、一の乗員の性別および推定年齢を正確に特定することができる。
【0046】
乗員カウンタ13a、乗員性別格納領域13bおよび乗員年齢格納領域13cは、いずれもCPU11により実行される図5に示す目的地提示処理の中で、情報提供サーバ50に対して目的地検索要求を送信する場合に参照される。そして、その目的地検索要求と共に、乗員カウンタ13aの値、即ち、車両に搭乗している乗員数と、乗員性別格納領域13bにより示される全乗員の性別と、乗員年齢格納領域13cにより示される全乗員の推定年齢とが情報提供サーバ50へ送信される(図5のS24参照)。これにより、情報提供サーバ50では、車両に搭乗している乗員数と全乗員の性別および推定年齢とに応じて、車両の乗員の嗜好に応じた施設を検索し、それを目的地候補としてナビゲーション装置10に提供することができる。
【0047】
検索結果格納領域13dは、情報提供サーバ50に対して送信した目的地検索要求に応じて、その情報提供サーバ50より提供される目的地候補の情報を検索結果として格納するための領域である。
【0048】
CPU11は、図5の示す目的地提示処理を実行することによって、情報提供サーバ50に対して目的地検索要求を送信した後に情報提供サーバ50より提供される目的地候補の情報を受信すると、その受信した目的地候補の情報に含まれる、検索により抽出された施設情報を検索結果格納領域13dに格納する。また、情報提供サーバ50より提供される目的地候補の情報には、施設情報と共に、その施設の特徴を示す特徴情報が含まれており、CPU11は、目的地候補の情報に含まれる施設情報と合わせて、この特徴情報をその施設情報に対応付けて検索結果格納領域13dに格納する(図5のS30参照)。
【0049】
その後、CPU11は、車両の現在位置から検索結果格納領域13dに格納した施設情報により示される施設までの移動距離を算出し、検索結果格納領域13dに複数の施設情報が格納されている場合は、施設情報および対応する特徴情報を移動距離の昇順に並び替える(図5のS31参照)。そして、並び替えた順に、施設情報により示される施設を目的地候補としてLCD18上に表示させると共に、その目的地候補に対応させて、その目的地候補である施設の特徴情報により示されるその施設の特徴と、その施設までの移動距離とを、LCD18上に表示させる(図5のS32参照)。
【0050】
これにより、車両の乗員は、LCD18に表示された目的地候補を参照し、そこに経路誘導のための目的地として設定したい目的地候補が表示されていれば、その目的地候補を選択することによって、その目的地候補が経路誘導対象の目的地として設定される(図5のS33,S34参照)。よって、経路誘導対象の目的地の設定に伴う乗員の負担を軽減することができる。
【0051】
HDD14は、書換可能な磁気ディスクであり、例えば、道路地図データベース14aが格納される。道路地図データベース14aは、車両の現在地周辺や目的地周辺等の各種地図や道路をLCD18に表示するための地図情報や、目的地までの経路探索に使用される道路情報が格納されたデータベースである。CPU11は、検索結果格納領域13dに格納された施設情報により示される施設(即ち、目的地候補)までの移動距離を算出する(図5のS31参照)際に、この道路地図データベース14aを参照し、このデータベースに格納された道路情報等に基づいて、移動距離を算出する。
【0052】
現在位置検出装置15は、ナビゲーション装置10が搭載される車両の現在地の位置情報(緯度、経度からなる絶対座標値)を検出するためのものであり、人工衛星を利用して車両の位置を測定するGPS(Global Positioning System)受信装置15a、地磁気を検出して車両の方位を求める地磁気センサ15b、ジャイロセンサ15c、車速センサ15dの1又は複数が使用される。
【0053】
CPU11は、現在位置検出装置15により検出される車両の現在地の位置情報に基づいて、目的地までの経路誘導を行う。また、CPU11は、情報提供サーバ50に対して目的地検索要求を送信する場合にも現在位置検出装置15により検出された車両の現在地の位置情報を参照し(図5のS21参照)、その位置情報を目的地検索要求と合わせて情報提供サーバ50に送信する(図5のS25参照)。これにより、情報提供サーバ50では、車両の現在地から所定距離(例えば、20km)範囲内にある施設の中から、その車両の乗員が嗜好する施設を検索する。
【0054】
また、CPU11は、情報提供サーバ50に対して目的地検索要求を送信する場合に参照した、現在位置検出装置15により検出される車両の現在地の位置情報を用いて、車両の現在地から、目的地検索要求に対して情報提供サーバ50より提供された目的地候補の情報により示される施設までの移動距離を算出する(図5のS31参照)。これにより、ナビゲーション装置10は、各施設までの移動距離をLCD18上に表示させることができる。
【0055】
通信制御装置16は、携帯通信用アンテナ17を有しており、携帯電話事業者が提供する無線通信ネットワーク70の末端に設けられている基地局60との間で、その基地局60に設けられた基地局用アンテナ60aを介して無線通信を行いながら、各種データの送受信を行う回路である。ナビゲーション装置10は、この通信制御装置16によって、無線通信ネットワーク70に接続されている情報提供サーバ50にアクセスし、その情報提供サーバ50に対して目的地検索要求を送信すると共に、情報提供サーバ50から、目的地候補の情報を受信する。
【0056】
LCD18は、タッチパネル19や操作キー20の操作に応じてメニューや動作状態などを表示すると共に、車両周辺や経路探索された走行経路周辺の地図、探索経路、周辺施設案内画面などの表示を行う表示装置である。また、このLCD18には、情報提供サーバ50によって提供された目的地候補の情報に含まれる施設の情報と、特徴情報により示されるその施設の特徴と、その施設までの移動距離とが目的地候補として表示される。そして、LCD18に表示された目的地候補(施設)の中から、経路誘導の目的地として設定したい目的地候補が乗員によるタッチパネル19の操作に応じて選択されるようになっている。
【0057】
タッチパネル19は、LCD18の表示パネル面に設けられた入力装置であり、指示物(ユーザの指やタッチペンなど)が接触または近接された場合に、その指示物により示された位置情報を出力するものである。CPU11は、タッチパネル19より出力された位置情報をもとに、LCD18に表示したボタンやアイコンの押下操作の有無を判断する。例えば、CPU11は、LCD18に情報提供サーバ50によって提供された目的地候補(施設)が表示されている場合に、その目的地候補が表示されている位置が指示物によって指示(接触または近接)されたことを検出すると、その目的地候補が、経路誘導の目的地として乗員により選択されたと判断する。そして、その選択された目的地候補を経路誘導の目的地として設定して、その目的地までの経路案内を開始する(図5のS34参照)。
【0058】
操作キー20は、ユーザによるナビゲーション装置10の各種機能の切り替えや、各種動作の指示をタッチパネル19と共に受け付ける入力装置である。操作キー20には、目的地表示キー20aが設けられており、乗員によって目的地表示キー20aが操作されると、CPU11は、図5に示す目的地提示処理の実行を開始する。これにより、情報提供サーバ50に対して目的地検索要求が送信され、その要求に応じて情報提供サーバ50より提供された目的地候補がLCD18上に表示される。
【0059】
画像認識プロセッサ21は、パターンマッチング法によって画像認識を行うプロセッサである。この画像認識プロセッサ21には、各座席の座位置のそれぞれに対応して配設されたカメラ30(運転席カメラ30a、助手席カメラ30b・・・)が接続されている。
【0060】
そして、画像認識プロセッサ21は、CPU11からの指示に基づいて、指示された一のカメラ30(運転席カメラ30a、助手席カメラ30b・・・のいずれか)により撮像された画像データに、顔画像が含まれているか否かを認識する顔認識処理を実行し、その結果をCPU11に通知する。
【0061】
また、カメラ30により撮像された画像データに顔画像が含まれていると認識された場合、画像認識プロセッサ21は、更に、その顔画像からその人物の性別を判別すると共に、その人物の推定年齢を推定する。尚、画像認識プロセッサ21における画像データに対する顔認識方法や、顔画像から人物の性別あるいは推定年齢を判別する方法としては、既知の方法が用いられる。
【0062】
CPU11は、画像認識プロセッサ21から顔画像が認識されたことが通知されると、その顔画像が認識された画像データを撮像したカメラ30に対応する座位置に乗員が存在していると判断し、乗員カウンタ13aの値に「1」を加算する処理を実行する(図4のS13,S14参照)。また、画像認識プロセッサ21によって判別され、また、推定された性別および推定年齢を、乗員性別格納領域13bおよび乗員年齢格納領域13cに格納する。
【0063】
次に、情報提供サーバ50の詳細構成について説明する。情報提供サーバ50は、CPU51、ROM52、RAM53、HDD54、通信制御装置55を主に有している。CPU51、ROM52、RAM53は、バスライン56を介して互いに接続されている。また、HDD54および通信制御装置55は入出力ポート57に接続され、この入力ポート57はバスライン56に接続されている。これにより、CPU51、ROM52、RAM53と入出力ポート57に接続される各部との間で、各種信号やデータの送受信が行われる。
【0064】
CPU51は、ROM52、RAM53やHDD54に記憶されるデータやプログラムに従って、情報提供サーバ50が有している各機能の制御や、入出力ポート57と接続された各部の制御を実行する演算装置である。このCPU51には、計時回路51aが内蔵されている。計時回路51aは、現在の日時を刻む時計機能を有する既知の回路であり、CPU51は、計時回路51aにより出力される現在の日時を使用して、各種制御を実行する。
【0065】
ROM52は、CPU51が入出力ポート54と接続された各部の入出力を制御するプログラム並びにそのプログラムを実行する際に参照する各種設定および固定値などを記憶する書換不能な不揮発性のメモリである。また、RAM13は、情報提供サーバ50の各操作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するための書換可能な揮発性のメモリである。
【0066】
HDD54は、OSやアプリケーションプログラムといったCPU51により実行される各種プログラムや各種設定を記憶する、書換可能な磁気ディスクである。図6のフローチャートに示す目的地検索処理を実行する制御プログラム54aは、このHDD54に格納されている。
【0067】
目的地検索処理の詳細については、図6を参照して後述するが、この目的地検索処理は、ナビゲーション装置10からの目的地検索要求を受けて、その目的地検索要求と合わせて送信されるナビゲーション装置10の搭載された車両の乗員数ならびに全乗員の性別および推定年齢に関する情報から車両に搭乗した乗員の嗜好する施設の特徴を推定し、その推定した特徴を有する施設に関する情報を検索して、抽出された施設情報を目的地候補の情報としてナビゲーション装置10へ提供するものである。
【0068】
HDD54には、また、施設データベース54bおよび嗜好データベース54cが格納される。施設データベース54bは、目的地候補となり得る複数の施設に関する情報が登録されたデータベースである。また、嗜好データベース54cは、車両に搭乗している乗員の構成に対応付けて、その乗員の嗜好する施設の特徴を登録したデータベースである。ここで、図2および図3を参照して、施設データベース54bおよび嗜好データベース54cの詳細について説明する。まず、図2は、施設データベース54bの内容の一例を模式的に示した模式図である。
【0069】
この施設データベース54bは、図2に示すように、主として「施設名」要素と「特徴項目」要素とによって構成されており、目的地の候補となり得る各施設の名称(「ハンバーガーショップA」,「ハンバーガーショップB」,「牛丼店C」,・・・)が、「施設名」要素に登録されている。また、「施設名」要素に登録されている各施設の名称に対応付ける形で、その施設の有する特徴が「特徴項目」要素において各施設毎に登録されている。
【0070】
また、図示はしていないが、施設データベース54bには、「施設名」要素に登録されている各施設の名称に対応付けて、それぞれの施設の位置情報(経度および緯度情報)が各施設毎に登録されている。CPU51は、ナビゲーション装置10より目的地検索要求を受信した場合に施設データベース54bに登録されている各施設に対応付けられた位置情報を参照する。そして、CPU11は、目的地検出要求と合わせて受信される車両の現在地の位置情報を基に、その車両の現在地から所定距離(例えば、20km)範囲内に含まれる施設を抽出する(図6のS42参照)。
【0071】
「特徴項目」要素は、「お勧め人数」,「ドライブスルー」,「プレイランド」,「カウンター席」,「女性経営のお店」,「雰囲気のいいお店」,「季節のイベント」,「雑誌特集」,「風景のいいお店」,「条件なし」の各サブ要素に分割されている。
【0072】
「お勧め人数」は、その施設へ訪れるのに適した人数を施設毎に示すものである。CPU51は、ナビゲーション装置10から目的地検索要求を受信した場合に、その目的地検索要求と合わせて受信した車両の乗員数に関する情報から、その車両の乗員数に適した施設を抽出する。
【0073】
また、「ドライブスルー」は、その施設にドライブスルーが設置されているか否かを施設毎に示すものであり、「プレイランド」は、その施設にプレイランドが設置されているか否かを施設毎に示すものであり、「カウンター席」は、その施設にカウンター席が設けられているか否かを施設毎に示すものであり、「女性経営のお店」は、その施設が女性経営者によって経営されているお店であるか否かを施設毎に示すものである。
【0074】
更に、「雰囲気のいいお店」は、その施設が雰囲気のいいお店であるか否かを施設毎に示すものであり、「季節のイベント」は、その施設が季節毎に各種イベントを行っているか否かを施設毎に示すものであり、「雑誌特集」は、その施設が雑誌の特集記事に掲載されたことがあるか否かを施設毎に示すものであり、「風景のいいお店」は、その施設からの風景がいいお店であるか否かを施設毎に示すものである。
【0075】
尚、「ドライブスルー」〜「風景のいいお店」の各サブ要素において、「1」は、対応する施設においてサブ要素により示される条件を満足することを示し、「0」は、対応する施設においてサブ要素により示される条件を満足しないことを示す。例えば、「ドライブスルー」サブ要素では、ドライブスルーが設置されている施設には「1」が登録され、ドライブスルーが設置されていない施設には「0」が登録される。
【0076】
CPU51は、ナビゲーション装置10から目的地検索要求を受信した場合に、その目的地検索要求と合わせて受信した車両の乗員数ならびに全乗員の性別および推定年齢に関する情報から、その乗員の嗜好する施設の特徴を後述する嗜好データベース54cに基づいて推定する。そして、CPU51は、その推定された乗員の嗜好する施設の特徴を有する施設を、施設データベース54bに設けられた「特徴項目」要素の「ドライブスルー」〜「風景のいいお店」の各サブ要素の登録内容から抽出する。
【0077】
例えば、後述する嗜好データベース54cに基づいて、乗員が風景のいいお店を嗜好していると推定される場合、施設データベース54bの「風景のいいお店」サブ要素に「1」が登録されている施設(図2の例では、「フランス料理店G」)を抽出する。
【0078】
そして、CPU51は、抽出された施設の名称を「施設名」から特定し、その「施設名」やその施設の位置情報を含む施設情報を、目的地候補の情報としてナビゲーション装置10に提供する。また、CPU51は、その施設の特徴を施設データベース54bに設けられた「特徴項目」要素の「ドライブスルー」〜「風景のいいお店」の各サブ要素に登録された内容に基づいて判断し、その特徴情報を施設情報と合わせて目的地候補の情報としてナビゲーション装置10に提供する。
【0079】
例えば、乗員の嗜好する施設として「フランス料理店G」が抽出された場合、その「フランス料理店G」に対応付けられた「特徴項目」要素のうち、「雰囲気のいいお店」および「風景のいいお店」の各サブ要素に「1」が登録されているので、CPU51は、ナビゲーション装置10に提供する目的地候補の情報として、施設の名称「フランス料理店G」を含む施設情報と合わせて、その施設の特徴である「雰囲気のいいお店」および「風景のいいお店」という特徴情報を、ナビゲーション装置10に対して提供する。
【0080】
これにより、ナビゲーション装置10では、情報提供サーバ50より提供された目的地候補の情報に基づいて、LCD18に施設の名称と、その施設の特徴を表示させることができる(図7参照)。よって、乗員は、LCD18に表示された施設の名称だけでなく、各施設の特徴を参酌しながら、好みに応じた目的地を経路誘導の目的地として選択することができる。
【0081】
施設データベース54bに設けられた「特徴項目」要素の「条件無し」サブ要素は、乗員の嗜好に関わらず、乗員に対して提供すべき施設であるか否かを施設毎に示すものである。この「条件無し」サブ要素に「1」が登録されている場合は、その施設が乗員の嗜好に関わらず、その乗員に対して提供すべき施設であることを示す。
【0082】
図2に示す例では、施設の名称が「ファミリーレストランI」,「ファミリーレストランJ」,「コンビニN」に対応する「条件無し」サブ要素に「1」が登録されている。よって、CPU51は、乗員の嗜好に関わらず、「ファミリーレストランI」,「ファミリーレストランJ」,「コンビニN」の施設情報をナビゲーション装置10へ提供する。
【0083】
尚、「ファミリーレストランI」および「ファミリーレストランJ」は、いずれも、「お勧め人数」サブ要素に「3名以上」と登録されているので、ナビゲーション装置10から目的地検索要求と合わせて送信された乗員数が3名以上である場合に限り、「ファミリーレストランI」および「ファミリーレストランJ」の施設情報がナビゲーション装置10へ提供される。一方、「コンビニN」は、「お勧め人数」サブ要素に「1名以上」と登録されているので、ナビゲーション装置10から目的地検索要求と合わせて送信された乗員数に関わらず、「コンビニN」の施設情報がナビゲーション装置10へ提供される。
【0084】
「条件無し」サブ要素に「0」が登録されている場合、施設データベース54bでは、「特徴項目」要素の「ドライブスルー」〜「風景のいいお店」の少なくともいずれかのサブ要素に「1」が設定されるようになっている。よって、「条件無し」のサブ要素に「0」が登録されている施設は、乗員の嗜好する施設の特徴と、「ドライブスルー」〜「風景のいいお店」の各サブ要素の登録内容とが合致する場合に限り、乗員に対してその施設情報が提供される。
【0085】
次いで、図3を参照して嗜好データベース54cの詳細について説明する。図3は、嗜好データベース54cの内容の一例を模式的に示した模式図である。
【0086】
嗜好データベース54cは、上述したように、車両に搭乗している乗員の構成に対応付けて、その乗員の嗜好する施設の特徴を登録したデータベースであり、図3に示すように、主として「乗員構成」要素と「嗜好特徴項目」要素とから構成される。そして、「乗員構成」要素には、車両に搭乗する乗員の構成として考えられ得る乗員構成(図3の例では、「男性」,「女性」,「若者」,「中高年」,「カップル」,「家族」)が登録されている。一方、「施行特徴項目」要素には、「乗員構成」要素に登録されている各乗員構成に対応付けて、その乗員構成において嗜好される施設の特徴が各乗員構成毎に登録されている。
【0087】
更に、「嗜好特徴項目」要素は、「ドライブスルー」,「プレイランド」,「カウンター席」,「女性経営のお店」,「雰囲気のいいお店」,「季節のイベント」,「雑誌特集」,「風景のいいお店」の各サブ要素に分割されている。これらの各サブ要素は、施設データベース54bに設けられた「特徴項目」要素の「ドライブスルー」〜「風景のいいお店」の各サブ要素に対応するものである。
【0088】
即ち、「嗜好特徴項目」要素の「ドライブスルー」は、「乗員構成」要素により示される乗員がドライブスルーの設置されている施設を嗜好するか否かを示し、「プレイランド」は、その乗員がプレイランドの設置されている施設を嗜好するか否かを示し、「カウンター席」は、その乗員がカウンター席の設けられている施設を嗜好するか否かを示し、「女性経営のお店」は、その乗員が女性経営者の経営するお店を嗜好するか否かを示す。
【0089】
また、「雰囲気のいいお店」は、「乗員構成」要素により示される乗員が雰囲気のいいお店を嗜好するか否かを示し、「季節のイベント」は、その乗員が季節毎に各種イベントを行っている施設を嗜好するか否かを示し、「雑誌特集」は、その乗員が雑誌の特集記事に掲載されたことのある施設を嗜好するか否かを示し、「風景のいいお店」は、その乗員が風景のいいお店を嗜好するか否かを示す。
【0090】
尚、「嗜好特徴項目」要素の各サブ要素において、「1」は、対応する「乗員構成」要素により示される乗員が、サブ要素により示される条件を嗜好することを示し、「0」は、サブ要素により示される条件を嗜好しないことを示す。例えば、図3の例では、「乗員構成」要素の「男性」に対し、「嗜好特徴項目」要素として、「ドライブスルー」サブ要素および「カウンター席」サブ要素が「1」に登録され、その他のサブ要素が「0」に登録されている。これにより、乗員構成が男性である場合は、ドライブスルーの設置されている施設およびカウンター席の設けられている施設が、その乗員の嗜好する施設の特徴として示される。
【0091】
CPU51は、ナビゲーション装置10から目的地検索要求を受信した場合に、その目的地検索要求と合わせて受信した車両の乗員数ならびに全乗員の性別および推定年齢に関する情報に基づき、その車両の乗員構成として、嗜好データベース54cの「乗員構成」要素に登録されている乗員構成の中から最適な乗員構成を推定する。
【0092】
例えば、車両の乗員数が1名でその乗員が男性であり、その推定年齢が50歳である場合は、その乗員構成を「男性」かつ「中高年」であると推定し、車両の乗員数が1名でその乗員が女性であり、その推定年齢が25歳である場合は、その乗員構成を「女性」かつ「若者」であると推定する。また、車両の乗員数が2名であり、男性および女性が1名ずつであり、またいずれも子供ではない場合は、その乗員構成を「カップル」と推定し、車両の乗員数が3名以上であり、男性および女性の大人が少なくとも1名ずつ存在し、更に子供が少なくとも1名存在する場合は、その乗員構成を「家族」と推定する。
【0093】
そして、CPU51は、嗜好データベース54cの「乗員構成」要素に登録されている乗員構成のうち、車両の乗員数ならびに全乗員の性別および推定年齢に関する情報に基づいて推定された乗員構成に対応付けられた、嗜好データベース54cの「嗜好特徴項目」要素における各サブ要素の登録内容から、その乗員の嗜好する施設の特徴を推定する。
【0094】
例えば、車両の乗員構成が「家族」であると推定された場合、CPU51は、嗜好データベース54cから、「乗員構成」要素の「家族」に対応する「嗜好特徴項目」要素を参照して、その乗員の嗜好する施設の特徴を推定する。図3の例では、「家族」に対応する「嗜好特徴項目」要素において、「プレイランド」サブ要素に「1」が設定され、その他のサブ要素には「0」が設定されているので、CPU51は、車両の乗員構成が「家族」であると推定される場合、その乗員の嗜好する施設の特徴が「プレイランドの設置されている施設」であると推定する。
【0095】
また、車両の乗員構成が「男性」かつ「中高年」であると推定された場合は、CPU51は、嗜好データベース54cから、「乗員構成」要素の「男性」および「中高年」に対応する「嗜好特徴項目」要素を参照して、その乗員の嗜好する施設の特徴を推定する。図3の例では、「男性」に対応する「嗜好特徴項目」要素において、「ドライブスルー」サブ要素および「カウンター席」サブ要素に「1」が設定され、その他のサブ要素には「0」が設定されている。また、「中高年」に対応する「嗜好特徴項目」要素において、「カウンター席」、「女性経営のお店」、「雰囲気のいいお店」の各サブ要素に「1」が設定され、その他のサブ要素には「0」が設定されている。
【0096】
よって、車両の乗員構成が「男性」かつ「中高年」であると推定される場合、CPU51は、それら2つの乗員構成に対して共通する特徴である「カウンター席の設けられている施設」が、その乗員の嗜好する施設の特徴であると推定する。
【0097】
CPU51は、乗員の嗜好する施設の特徴を推定すると、施設データベース54bから、その特徴を有する施設を検索して抽出する。例えば、「プレイランドの設置されている施設」が乗員の嗜好する施設の特徴として推定された場合、施設データベース54bから「特徴項目」要素の「プレイランド」サブ要素に「1」が登録されている施設、即ち、「プレイランドの設置されている施設」を検索し、抽出する。そして、CPU51は、抽出された施設の施設情報を目的地候補の情報として、ナビゲーション装置10に提供する。
【0098】
このように、CPU51は、ナビゲーション装置10より目的地検索要求を受信した場合、この目的地検索要求に含まれる、ナビゲーション装置10が搭載された車両の乗員数ならびに全乗員の性別および推定年齢に応じて、車両の乗員構成を推定し、その推定された乗員構成に基づいて、その乗員の嗜好する施設の特徴を嗜好データベース54cより推定する。そして、推定された乗員の嗜好する施設の特徴を有する施設を、施設データベース54bから検索して抽出し、その抽出された施設の情報を目的地候補の情報としてナビゲーション装置10に提供する。
【0099】
これにより、ナビゲーション装置10では、車両の乗員の構成に応じて適切な目的地をLCD18上に表示し、乗員に対して提示することができる。特に、女性と男性とで、一般的にその嗜好する施設の特徴が大きく異なるが、このナビゲーションシステム1では、その乗員の性別に応じてその嗜好する施設の特徴を推定しているので、乗員に対して適切な目的地を提示することができるのである。
【0100】
また、乗員の性別だけでなく、車両の乗員数や乗員の推定年齢をも加味して乗員の嗜好する施設の特徴を推定するので、よりきめ細かく乗員の嗜好する施設の特徴を推定することができる。そして、そのきめ細かく推定した乗員の嗜好する施設の特徴を有する施設を抽出し、それを乗員に対して提示できるので、より車両の乗員に見合った目的地を提案することができる。よって、車両の乗員の構成に応じてより適切な目的地を提示できる。
【0101】
図1に戻って、説明を続ける。通信制御装置55は、携帯電話事業者が提供する無線通信ネットワーク70との間で、各種データの送受信を行う回路である。情報提供サーバ50は、この通信制御装置55によって、無線通信ネットワーク70に接続したナビゲーション装置10からアクセスを受け、ナビゲーション装置10から目的地検索要求を受信すると共に、目的地検索要求に応じて抽出された目的地候補の情報を提供するために、その情報をナビゲーション装置10に対して送信する。
【0102】
次いで、図4〜図6を参照して、ナビゲーション装置10内のCPU11および情報提供サーバ50内のCPU51により実行される各処理について説明する。まず、図4は、ナビゲーション装置10内のCPU11により実行される乗員判定処理を示すフローチャートである。この乗員判定処理は、ナビゲーション装置10が搭載された車両に搭乗した乗員数や、全乗員の性別および推定年齢をカメラ30によって撮像した画像データの顔認識によって判別する処理で、車両に設けられたイグニッションスイッチ(図示せず)や、ナビゲーション装置10の電源スイッチ(図示せず)がオンされたことにより、ナビゲーション装置10に電源が投入された場合、および、車両のドア(図示せず)の開閉が検出された場合にCPU11によって実行される。
【0103】
この乗員判定処理では、まず、乗員数をカウントする乗員カウンタ13aの値を一旦0に初期化すると共に、全乗員の性別および推定年齢を格納する乗員性別格納領域13bおよび乗員年齢格納領域13cの内容を一旦クリアする(S11)。次いで、一の座位置における乗員の顔認識処理を実行するように、画像認識プロセッサ21に対して指示する(S12)。
【0104】
これにより、画像認識プロセッサ21では、CPU11より指定された座位置に対応するカメラ30によって撮像された画像データを取得し、その画像データに顔画像が含まれているか否かを認識する画像認識処理が実行されると共に、顔画像が含まれていると認識した場合は、その顔画像からその人物の性別を判別し、更に、その人物の推定年齢を推定する処理が実行される。
【0105】
尚、S12の処理は、後述するように、全ての座位置において乗員判定(顔認識)が行われるまで、繰り返し実行される。そして、S11の処理に続いてS12の処理が実行される場合、即ち、乗員判定処理の実行が開始されてから最初にS12の処理が実行される場合は、S12の処理において、運転席における乗員の顔認識処理が実行されるように、画像認識プロセッサ21に対して指示する。その後、S12の処理が実行される度に、助手席→後席左側→後席中側→後席右側の順に座位置を指定して、その指定した座位置における乗員の顔認識処理が実行されるように、画像認識プロセッサ21に対して指示する。
【0106】
これにより、画像認識プロセッサ21では、運転席→助手席→後席左側→後席中側→後席右側の順に、その座位置に対応するカメラ30(運転席カメラ30a、助手席カメラ30b・・・)で撮像された画像データを取得して、その画像データに顔画像が含まれているか否かを認識すると共に、顔画像が含まれていると認識した場合は、その顔画像からその人物の性別を判別し、更に、その人物の推定年齢を推定する。
【0107】
S12の処理の後、顔認識の結果を画像認識プロセッサ21より取得し、S12の処理において指定した座位置に対応するカメラ30が撮像した画像データに、顔画像が含まれていると認識されたか否かを判別する(S13)。その結果、画像認識プロセッサ21により、顔画像が含まれていると認識されたと判別される場合は(S13:Yes)、その座位置に乗員が存在していると判断できる。
【0108】
そこで、まず、乗員カウンタ13aに「1」を加算し(S14)、次いで、画像認識プロセッサ21において顔画像より判別されたその座位置における乗員の性別を乗員性別格納領域13bに格納する(S15)。更に、画像認識プロセッサ21において顔画像より推定されたその座位置における乗員の推定年齢を乗員年齢格納領域13cに格納し(S16)、S17の処理へ移行する。尚、S14及びS15の処理において、乗員の性別および推定年齢を乗員性別格納領域13bおよび乗員年齢格納領域13cに格納する場合、それまでに格納されていた情報を残した上で、今回格納すべき情報が追加される。
【0109】
このS14〜S16の処理により、S12の処理により指定された座位置に乗員が存在していた場合、その乗員が乗員カウンタ13aにカウントされると共に、その乗員の性別と推定年齢が乗員性別格納領域13bおよび乗員年齢格納領域13cに格納される。
【0110】
一方、S13の処理の結果、画像認識プロセッサ21において、S12の処理により指定された座位置に対応するカメラ30で撮像された画像データに顔画像が含まれないと認識されたと判別される場合は(S13:No)、その座位置に乗員が存在しないと判断できるので、S14〜S16の処理をスキップしてS17の処理へ移行する。即ち、S12の処理により指定された座位置に乗員が存在しない場合は、乗員カウンタ13aがカウントアップされず、また、乗員性別格納領域13bおよび乗員年齢格納領域13cに新たな情報が格納されることなく、S17の処理へ進むこととなる。
【0111】
S17の処理では、全ての座位置において乗員判定(顔認識)が行われたか否かを判別し(S17)、全ての座位置において乗員判定(顔認識)が行われていなければ(S17:No)、S12の処理へ回帰し、再びS12〜S16の処理が実行される。一方、S17の処理の結果、全ての座位置において乗員判定(顔認識)が行われていると判別されれば(S17:Yes)、この乗員判定処理を終了する。
【0112】
即ち、S17の処理によって、全ての座位置において乗員判定(顔認識)が行われるまで、S12〜S16の処理が繰り返し実行される。よって、S17の処理によって、全ての座位置において乗員判定(顔認識)が行われたと判別された時点で、乗員カウンタ13aの値により、その車両の乗員数を示すことができると共に、その車両の乗車している全乗員の性別および推定年齢を乗員性別格納領域13bおよび乗員年齢格納領域13cに格納することができる。
【0113】
また、上述したように、車両に設けられたイグニッションスイッチ(図示せず)やナビゲーション装置10に設けられた電源スイッチ(図示せず)がオンされたことにより、ナビゲーション装置10に電源が投入されると、この乗員判定処理が実行されるので、ナビゲーション装置10に電源が投入された時点において車両に搭乗している乗員数と全乗員の性別と推定年齢とを、即座にかつ正確に、乗員カウンタ13a、乗員性別格納領域13bおよび乗員年齢格納領域13cに反映させることができる。
【0114】
また、車両のドア(図示せず)が開閉された場合、その車両において乗員の乗降があった可能性があると推定されるところ、車両のドア(図示せず)の開閉が検出された場合にも、この乗員判定処理が実行されるので、車両に搭乗している乗員数と全乗員の性別と推定年齢とを、乗員カウンタ13a、乗員性別格納領域13bおよび乗員年齢格納領域13cに対して、常に正確に反映させることができる。よって、CPU11は、この乗員カウンタ13a、乗員性別格納領域13bおよび乗員年齢格納領域13cを参照することによって、車両に乗車している乗員数や、全乗員の性別および推定年齢を、正確に把握した上で、次に説明する目的地提示処理を実行することができる。
【0115】
次いで、図5を参照して、ナビゲーション装置10内のCPU11により実行される目的地提示処理について説明する。図5は、この目的地提示処理を示すフローチャートである。この目的地提示処理は、情報提供サーバ50に対して目的地検索要求を送信し、その目的地検索要求に対して情報提供サーバ50より受信した目的地候補をLCD18に表示させる処理で、操作キー20に設けられた目的地表示キー20aが乗員によって操作された場合に、CPU11によって実行が開始される。
【0116】
この目的地提示処理では、まず、車両の現在地の位置情報を現在位置検出装置15から取得し(S21)、次いで、乗員カウンタ13aの値から車両の乗員数を特定する(S22)。そして、車両に搭乗している全乗員の性別を乗員性別格納領域13bから読み出し(S23)、更に、車両に搭乗している全乗員の推定年齢を乗員年齢格納領域13cから読み出す(S24)。
【0117】
ここで、乗員カウンタ13a、乗員性別格納領域13bおよび乗員年齢格納領域13cには、上述した乗員判定処理によって、車両に搭乗している乗員数と全乗員の性別と推定年齢とが、常に正確に反映されている。よって、S22〜S24の処理により、乗員カウンタ13a、乗員性別格納領域13bおよび乗員年齢格納領域13cを参照することで、その時点での正確な乗員数と、全乗員の性別および推定年齢を把握することができる。
【0118】
次に、目的地検索要求を、S21〜S24の処理によって取得され、特定され、また読み出された、車両の現在地の位置情報、その車両に搭乗している乗員数ならびに全乗員の性別および推定年齢に関する情報と共に情報提供サーバへ送信するよう、通信制御回路16を制御し(S25)、S26の処理へ移行する。
【0119】
これにより、目的地検索要求が、車両の現在地の位置情報、その車両に搭乗している乗員数ならびに全乗員の性別および推定年齢に関する情報と合わせて、基地局60および無線通信ネットワーク70を介して、情報提供サーバ50へ送信される。
【0120】
そして、情報提供サーバ50では、この目的地検索要求を受信することによって、図6に示す目的地検索処理がCPU51により実行され、車両に搭乗した乗員の嗜好する施設の特徴が推定された上で、その推定された特徴を有する施設の施設情報が検索され、抽出された施設情報が目的地候補の情報としてナビゲーション装置10に提供される。
【0121】
ここで、図6を参照して、情報提供サーバ50内のCPU51により実行される目的地検索処理の詳細について説明する。図6は、この目的地検索処理について示す模式図である。
【0122】
この目的地検索処理では、まず、ナビゲーション装置10より目的地検索要求と合わせて送信された、車両の現在地の位置情報と、その車両に搭乗している乗員数ならびに全乗員の性別および推定年齢に関する情報とを取得する(S41)。そして、車両の現在地の位置情報を基に、その車両の現在地から所定距離(例えば、20km)範囲内に含まれる施設を、施設データベース54bに登録された各施設の位置情報を参照して抽出する(S42)。
【0123】
このように、車両の現在地から所定距離範囲内に含まれる施設だけを抽出することによって、乗員により目的地として選択される可能性のきわめて低い、車両の現在地から遠方に存在する施設が、目的地候補としてナビゲーション装置10に対し提供されることを防ぐことができる。また、乗員の構成に応じて推定される乗員の嗜好する施設の特徴を有する施設を検索して抽出する前に、予め車両の現在地から所定距離範囲内に含まれる施設を抽出しておくことによって、検索対象となる施設数を少なく抑えることができるので、乗員の嗜好する施設の特徴を有する施設の抽出処理に係る負荷を軽減することができる。
【0124】
尚、このS41の処理では、車両の現在地から所定距離範囲内に含まれる施設を抽出したが、これを、車両の現在地から第1所定距離以上第2所定距離未満(例えば、10km〜20km)の範囲に含まれる施設を抽出するようにしてもよい。これにより、車両の現在地から遠方に存在する施設だけでなく、乗員により目的地として選択される可能性の少ない車両の現在地から近距離に存在する施設も、目的地候補としてナビゲーション装置10に対し提供されることを防ぐことができる。
【0125】
また、S41の処理を、車両の現在地から所定時間内(例えば、1時間以内)に到着可能と推定される施設だけを抽出するようにしてもよいし、車両の現在地から第1所定時間以上第2所定時間未満(例えば、30分〜1時間)の間に到着可能と推定される施設だけを抽出するようにしてもよい。これによっても、車両の現在地から遠方に存在する施設が目的地候補としてナビゲーション装置10に対し提供されることを防ぐことができ、後者の場合は、車両の現在地から近距離に存在する施設が目的地候補としてナビゲーション装置10に対し提供されることを防ぐこともできる。
【0126】
次いで、S41の処理により取得された車両に搭乗している乗員数に関する情報から、その乗員数が1名か否かを判別する(S43)。その結果、乗員数が1名である場合は(S43:Yes)、車両には運転手1名のみが乗車していることを意味するので、以下のS44〜S46の処理を実行し、その乗員(運転手)の性別および年齢に応じて、その嗜好する施設の特徴を推定し、その特徴に合う施設を抽出する。
【0127】
まず、S44の処理では、S42の処理によって抽出された施設の中で、施設データベース54bの「お勧め人数」に1名が含まれる施設を絞り込む(S44)。図2の例では、全施設が車両の現在地から所定距離範囲内にあると仮定した場合、「ハンバーガーショップA」,「ハンバーガーショップB」,「牛丼店C」,「ラーメン店D」,「イタリアンレストランF」,「カフェK」,「コンビニN」がS44の処理によって絞り込まれる。
【0128】
そして、S41の処理により取得された乗員の性別に関する情報によって示される、その1名の乗員の性別に応じて、その乗員の嗜好する施設の特徴を有する施設を更に絞り込む(S45)。具体的には、その乗員の性別が男性であれば、嗜好データベース54cを参照して、「乗員構成」のうち「男性」に対応付けられた「嗜好特徴項目」を特定し、その男性の乗員が嗜好する施設の特徴を推定する。図3の例では、「ドライブスルー」および「カウンター席」の各サブ要素が「1」に設定されており、「ドライブスルーの設置されている施設」および「カウンター席の設けられている施設」が男性の乗員が嗜好する施設の特徴として推定される。
【0129】
また、その乗員の性別が女性であれば、嗜好データベース54cを参照して、「乗員構成」のうち「女性」に対応付けられた「嗜好特徴項目」を特定し、その女性の乗員が嗜好する施設の特徴を推定する。図3の例では、「女性経営のお店」,「雰囲気のいいお店」および「季節のイベント」の各サブ要素が「1」に設定されており、「女性経営者が経営しているお店」,「雰囲気のいいお店」および「季節毎に各種イベントを行っている施設」が女性の乗員が嗜好する施設の特徴として推定される。
【0130】
そして、推定された乗員が嗜好する施設の特徴を有する施設を、S44の処理により絞り込まれた施設の中から、施設データベース54bの「特徴項目」を参照して更に絞り込む。例えば、図2および図3の例では、乗員の性別が男性であった場合、その嗜好する施設の特徴が「ドライブスルーの設置されている施設」および「カウンター席の設けられている施設」であるので、施設データベース54bの「特徴項目」要素のうち「ドライブスルー」および「カウンター席」の各サブ要素に「1」が登録されている施設を絞り込む。また、乗員の嗜好に関わらずナビゲーション装置10に対して提供すべき施設を抽出するために、「条件無し」サブ要素に「1」が登録されている施設も合わせて抽出する。ここでは、「ハンバーガーショップA」,「ハンバーガーショップB」,「牛丼店C」,「ラーメン店D」,「コンビニN」が絞り込まれる。
【0131】
また、乗員の性別が女性であった場合、その嗜好する施設の特徴が「女性経営者が経営しているお店」,「雰囲気のいいお店」および「季節毎に各種イベントを行っている施設」であるので、施設データベース54bの「特徴項目」要素のうち「女性経営のお店」,「雰囲気のいいお店」および「季節のイベント」の各サブ要素に「1」が登録されている施設を絞り込む。また、男性の場合と同様に、「条件無し」サブ要素に「1」が登録されている施設も合わせて抽出する。ここでは、「イタリアンレストランF」,「カフェK」,「コンビニN」が絞り込まれる。
【0132】
S45の処理の終了後、S41の処理により取得された乗員の推定年齢に関する情報によって示される、その1名の乗員の推定年齢に応じて、その乗員の嗜好する施設の特徴を有する施設を更に絞り込んで(S46)、S50の処理へ移行する。具体的には、その乗員の推定年齢が36歳以上であれば、嗜好データベース54cを参照して、「乗員構成」のうち「中高年」に対応付けられた「嗜好特徴項目」を特定し、その中高年の乗員が嗜好する施設の特徴を推定する。図3の例では、「カウンター席」,「女性経営のお店」および「雰囲気のいいお店」の各サブ要素が「1」に設定されており、「カウンター席の設けられている施設」,「女性経営者が経営しているお店」および「雰囲気のいいお店」が中高年の乗員が嗜好する施設の特徴として推定される。
【0133】
また、その乗員の推定年齢が18歳以上35歳以下であれば、嗜好データベース54cを参照して、「乗員構成」のうち「若者」に対応付けられた「嗜好特徴項目」を特定し、その若者の乗員が嗜好する施設の特徴を推定する。図3の例では、「ドライブスルー」,「カウンター席」,「女性経営のお店」,「雰囲気のいいお店」および「季節のイベント」の各サブ要素が「1」に設定されており、「ドライブスルーの設置されている施設」,「カウンター席の設けられている施設」,「女性経営者が経営しているお店」,「雰囲気のいいお店」および「季節毎に各種イベントを行っている施設」が若者の乗員が嗜好する施設の特徴として推定される。
【0134】
そして、推定された乗員が嗜好する施設の特徴を有する施設を、S45の処理により絞り込まれた施設の中から、施設データベース54bの「特徴項目」を参照して更に絞り込む。例えば、図2および図3の例では、乗員の性別が男性かつ中高年であった場合、上述した中高年の嗜好する施設の特徴から、施設データベース54bの「特徴項目」要素のうち「カウンター席」,「女性経営のお店」および「雰囲気のいいお店」の各サブ要素に「1」が登録されている施設をS45の処理により「男性」に対して絞り込まれた施設の中から更に絞り込む。また、S45の処理と同様に、「条件無し」サブ要素に「1」が登録されている施設も合わせて抽出する。ここでは、「牛丼店C」,「ラーメン店D」,「コンビニN」が絞り込まれる。
【0135】
また、乗員の性別が女性かつ若者であった場合、上述した若者の嗜好する施設の特徴から、施設データベース54bの「特徴項目」要素のうち「ドライブスルー」,「カウンター席」,「女性経営のお店」,「雰囲気のいいお店」および「季節のイベント」の各サブ要素に「1」が登録されている施設をS45の処理により「女性」に対して絞り込まれた施設の中から更に絞り込む。また、S45の処理と同様に、「条件無し」サブ要素に「1」が登録されている施設も合わせて抽出する。ここでは、「イタリアンレストランF」,「カフェK」,「コンビニN」が絞り込まれる。
【0136】
一方、S43の処理の結果、乗員数が1名ではない、即ち、複数人であると判別された場合は(S43:No)、まず、S41の処理により取得された車両に搭乗している乗員数ならびに全乗員の性別および推定年齢に関する情報から、その車両の乗員構成を推定する(S47)。例えば、車両の乗員数が2名であり、男性および女性が1名ずつであり、子供がいない場合は、その乗員構成を「カップル」と推定する。また、車両の乗員数が3名以上であり、男性および女性の大人が少なくとも1名ずつ存在し、更に子供が少なくとも1名存在する場合は、その乗員構成を「家族」と推定する。
【0137】
次いで、S42の処理によって抽出された施設の中で、S41の処理により取得された車両の乗員数に関する情報によって示される乗員数に合う施設を、施設データベース54bの「お勧め人数」に基づいて絞り込む(S48)。例えば、乗員数が2名であった場合、施設データベース54bの「お勧め人数」に2名が含まれる施設を絞り込む。図2の例では、全施設が車両の現在地から所定距離範囲内にあると仮定した場合、「ハンバーガーショップA」,「ハンバーガーショップB」,「イタリアンレストランE」,「イタリアンレストランF」,「フランス料理店G」,「フランス料理店H」,「カフェL」,「コンビニN」がS48の処理によって絞り込まれる。
【0138】
また、乗員数が4名であった場合、施設データベース54bの「お勧め人数」に4名が含まれる施設を絞り込む。図2の例では、各施設が車両の現在地から所定距離範囲内にあると仮定した場合、「ハンバーガーショップA」,「ハンバーガーショップB」,「イタリアンレストランF」,「ファミリーレストランI」,「ファミリーレストランJ」,「コンビニN」がS48の処理によって絞り込まれる。
【0139】
そして、S48の処理によって絞り込まれた施設の中から、S47の処理により推定された乗員構成に応じて、その乗員の嗜好する施設の特徴を有する施設を更に絞り込んで(S49)、S50の処理へ移行する。具体的には、S47の処理により推定された乗員構成が「カップル」であれば、嗜好データベース54cを参照して、「乗員構成」のうち「カップル」に対応付けられた「嗜好特徴項目」を特定し、カップルが嗜好する施設の特徴を推定する。図3の例では、「雰囲気のいいお店」,「季節のイベント」および「雑誌特集」の各サブ要素が「1」に設定されており「雰囲気のいいお店」,「季節毎に各種イベントを行っている施設」および「雑誌の特集記事に掲載された施設」が、カップルの嗜好する施設の特徴として推定される。
【0140】
また、S47の処理により推定された乗員構成が「家族」であれば、嗜好データベース54cを参照して、「乗員構成」のうち「家族」に対応付けられた「嗜好特徴項目」を特定し、家族が嗜好する施設の特徴を推定する。図3の例では、「プレイランド」サブ要素が「1」に設定されており、「プレイランドの設置されている施設」が、家族の嗜好する施設の特徴として推定される。
【0141】
そして、推定された乗員が嗜好する施設の特徴を有する施設を、S48の処理により絞り込まれた施設の中から、施設データベース54bの「特徴項目」を参照して更に絞り込む。例えば、図2および図3の例では、乗員数が2名のカップルであった場合、上述したカップルの嗜好する施設の特徴に応じて、施設データベース54bの「特徴項目」要素のうち「雰囲気のいいお店」,「季節のイベント」および「雑誌特集」の各サブ要素に「1」が登録されている施設を、S48の処理により乗員数2名に対して絞り込まれた施設の中から更に絞り込む。また、乗員の嗜好に関わらずナビゲーション装置10に対して提供すべき施設を抽出するために、「条件無し」サブ要素に「1」が登録されている施設も合わせて抽出する。これにより、「イタリアンレストランE」,「イタリアンレストランF」,「フランス料理店G」,「フランス料理店H」,「カフェL」,「コンビニN」が絞り込まれる。
【0142】
また、乗員数が4名の家族であった場合、上述した家族の嗜好する施設の特徴に応じて、施設データベース54bの「特徴項目」要素のうち「プレイランド」サブ要素に「1」が登録されている施設を、S48の処理により乗員数4名に対して絞り込まれた施設の中から更に絞り込む。また、乗員の嗜好に関わらずナビゲーション装置10に対して提供すべき施設を抽出するために、「条件無し」サブ要素に「1」が登録されている施設も合わせて抽出する。これにより、「ハンバーガーショップA」,「ファミリーレストランI」,「ファミリーレストランJ」,「コンビニN」が絞り込まれる。
【0143】
S50の処理では、S46の処理またはS49の処理によって絞り込まれた施設に関する施設情報を、目的地候補の情報としてナビゲーション装置10へ送信する(S50)。ここで送信する施設情報は、施設の名称や施設の位置情報を含むものである。これらの情報は、いずれも施設データベース54bに登録されている情報を使用する。
【0144】
また、S50の処理では、その施設情報と合わせて、施設データベース54bの「特徴項目」要素の「ドライブスルー」〜「風景のいいお店」の各サブ要素によって示されるその施設の特徴を特徴情報としてナビゲーション装置10へ送信する。
【0145】
例えば、「ハンバーガーショップA」の施設情報を目的地候補の情報としてナビゲーション装置10へ送信する場合、「ハンバーガーショップA」に対応する「プレイランド」サブ要素に「1」が登録されているので、「ハンバーガーショップA」の特徴情報として、プレイランドが設置されている旨の情報を目的地候補の情報と合わせてナビゲーション装置10へ送信する。そして、S50の処理の後、目的地検索処理を終了する。
【0146】
以上のように、CPU51によって目的地検索処理が実行されることにより、情報提供サーバ50において、ナビゲーション装置10より受信した目的地検索要求に応じて、目的地候補を検索し、その目的地候補の情報をナビゲーション装置10に対して提供することができる。
【0147】
ここで、目的地検索処理では、目的地検索要求から取得した各種情報により示される車両に搭乗している乗員数ならびに全乗員の性別および推定年齢に応じて、乗員の嗜好する施設の特徴を推定し、その推定された特徴有する施設を施設データベース54bから絞り込んで、その絞り込んだ施設を目的地候補としてナビゲーション装置10へ提供するので、ナビゲーション装置10は、車両の乗員の構成に応じて適切な目的地をLCD18上に表示し、乗員に対して提示することができる。特に、女性と男性とでは、一般的にその嗜好する施設の特徴が大きく異なるが、この目的地検索処理によって、その乗員の性別に応じて嗜好する施設の特徴を推定しているので、その嗜好の大きく異なる車両の乗員の性別に応じて適切な目的地を提示することができ、よって、乗員に対して適切な目的地を提示することができるのである。
【0148】
加えて、この目的地検索処理では、乗員の性別だけでなく、車両の乗員数を加味し、また、乗員の推定年齢を加味して乗員の嗜好する施設の特徴を推定するので、よりきめ細かく乗員の嗜好する施設の特徴を推定することができる。そして、そのきめ細かく推定した乗員の嗜好する施設の特徴を有する施設を抽出し、それを乗員に対して提示できるので、より車両の乗員に見合った目的地を提案することができる。よって、車両の乗員の構成に応じてより適切な目的地を提示できる。
【0149】
また、この目的地検索処理では、乗員数が複数人である場合、全乗員の性別、また、全乗員の推定年齢に応じて、車両に搭乗した乗員構成として、「カップル」や「家族」といった、各乗員間の関係が推定される。そして、この推定された各乗員間の関係に応じて、車両に搭乗した乗員の嗜好する施設の特徴が推定される。これにより、単に車両に搭乗した乗員の性別や推定年齢を考慮するのではなく、その乗員の性別、また、推定年齢に応じて推定される車両に搭乗した乗員間の関係に応じて、車両に搭乗した乗員の嗜好する施設の特徴を推定することができるので、より的確に乗員の嗜好する施設の特徴を推定することができる。
【0150】
よって、目的地候補の抽出も、より的確に推定される乗員の嗜好する施設の特徴に基づいて行うことができるので、より車両の乗員に見合った目的地を提案することができる。よって、ナビゲーション装置10では、車両の乗員の構成に応じてより適切な目的地を乗員に対して提示できる。
【0151】
図5に戻り、ナビゲーション装置10内のCPU11により実行される目的地提示処理の説明を、S26の処理から続ける。S26の処理では、計時回路11aのタイマ機能の動作を開始させる(S26)。この処理は、S25の処理によって目的地検索要求を情報提供サーバ50に対して送信した後、情報提供サーバ10からの目的地検索要求に対する応答が所定時間内にあるか否かをS28の処理において判断するためのものである。
【0152】
次いで、情報提供サーバ10からの応答があったか否かを通信制御装置16の状態に基づいて判断し(S27)、情報提供サーバ10からの応答がなければ、S26の処理による計時回路11aのタイマ機能の動作開始後、所定時間経過したか否かを計時回路11aの状態から判別する(S28)。
【0153】
その結果、所定時間経過していなければ(S28:No)、S27の処理に回帰し、再び、情報提供サーバ10からの応答があったか否かを判断する。一方、S28の処理の結果、所定時間経過していれば(S28:Yes)、通信上もしくは情報提供サーバ50における障害によって、情報提供サーバ10から目的地候補の提供を受けることができない状態にあると判断し、LCD18上に「タイムアウトエラー」を表示して(S29)、この目的地提示処理を終了する。これにより、乗員に対して、情報提供サーバ50との間のデータの送受信に問題があることを認識させることができる。
【0154】
これに対し、S27の処理の結果、情報提供サーバ10からの応答があったと判断されると(S27:Yes)、情報提供サーバ10より提供された目的地候補の情報(施設情報)と、その目的地候補(施設)の特徴情報とを受信し、それらを検索結果格納領域13dへ格納する(S30)。
【0155】
次いで、S21の処理により取得した車両の現在地の位置情報と、道路地図データベース14aに格納された道路情報と、S30の処理により検索結果格納領域13dに格納された目的地候補の情報に含まれる目的地候補(施設)の位置情報と基づいて、車両の現在地から目的地候補(施設)までの移動距離を算出し、検索結果格納領域13dに複数の目的地候補の情報(施設情報)が格納されている場合は、算出した移動距離に応じて目的地候補の情報(施設情報)および対応する特徴情報を昇順に並び替える(S31)。
【0156】
そして、S31によって並び替えられた順に、目的地候補の情報(施設情報)により示される施設の名称と、特徴情報により示される施設の特徴と、S31の処理により算出された施設までの移動距離とを、目的地候補(施設)毎にLCD18上に表示させ(S32)、S33の処理へ移行する。
【0157】
ここで、図7を参照して、S32の処理によってLCD18上に表示される内容について説明する。図7は、車両の乗員が2名であり、男性1名、女性1名で子供がいない場合にLCD18上に表示される目的地候補の表示例を模式的に示した模式図である。
【0158】
上述したように、情報提供サーバ50では、車両の乗員が2名であり、男性1名、女性1名で子供がいない場合、その乗員構成を「カップル」と推定して、「イタリアンレストランE」,「イタリアンレストランF」,「フランス料理店G」,「フランス料理店H」,「カフェL」,「コンビニN」の各施設を抽出し、それを目的地候補として、その目的地候補の情報がナビゲーション装置10に提供される。
【0159】
CPU11は、図7に示すように、情報提供サーバ50より提供された目的地候補(施設)を、S31の処理によって並び替えた順(移動距離の昇順)に並べて、目的地候補毎に、その目的地候補の情報(施設情報)により示される施設の名称と、特徴情報により示される施設の特徴と、S31の処理により算出された施設までの移動距離とをLCD18上に表示する。
【0160】
図7の例では、一度にLCD18上に表示できる目的地候補の数(施設数)が最大4つに設定されており、情報提供サーバ50により提供された目的地候補の数(施設数)が5以上である場合は、CPU11は、その情報提供サーバ50により提供された目的地候補(施設)のうち、移動距離の昇順で隣接する4施設に関する情報(図7の例では、「イタリアンレストランE」,「イタリアンレストランF」,「フランス料理G」,「コンビニN」)をLCD18上に表示させる。
【0161】
乗員は、このLCD18上に表示された施設の名称、その施設の特徴およびその施設までの移動距離を参照することで、経路誘導の目的地として設定したい施設を容易に選択することができる。
【0162】
ここで、LCD18上に表示された目的地候補(施設)の名称とその施設の特徴とは、施設毎に矩形状の枠で囲まれ、その矩形状で囲まれた範囲がボタン化されている(以下、このボタンを「目的地ボタン」と称する)。乗員は、タッチパネル19を介して、経路誘導の目的地として設定したい施設の名称が記載されている目的地ボタンを指示物によって指示することで、CPU11は、その指示された目的地ボタンに対応する施設を経路誘導の目的地として設定する。
【0163】
また、S32に処理において、CPU11は、LCD18上の下縁中央部に「終了」ボタンを表示させる。乗員は、タッチパネル19を介して、「終了」ボタンを指示物により指示することで、CPU11は、LCD18上の目的地候補の表示を終了する。これにより、乗員は、経路誘導の目的地設定を取りやめたり、別の方法によってその設定を行ったりすることができる。
【0164】
尚、CPU11は、情報提供サーバ50より提供された目的地候補の数(施設数)が5以上である場合、LCD18の下縁左側および下縁右側に、「前ページ」,「次ページ」の各ボタンを表示させる。これらのボタンを表示させることによって、現在LCD18上に表示されている目的地候補の他にも目的地候補が存在していることを、乗員に対して認識させることができる。そして、乗員が、タッチパネル19を介して、「前ページ」又は「次ページ」ボタンを指示物により指示すると、CPU11は、LCD18に表示させる目的地候補(施設)の情報を更新し、LCD18上に表示されていないその他の目的地候補(施設)の情報(「フランス料理店H」,「カフェL」)を、表示させる。
【0165】
図5に戻って、目的地提示処理の説明をS33の処理から続ける。S33の処理では、LCD18上に表示された目的地ボタンが乗員によって指示されたか否か、即ち、乗員によって、1つの目的地候補が選択されたか否かを判別する(S33)。そして、1つの目的地候補が選択されたと判別された場合は(S33:Yes)、その選択された目的地候補(施設)を経路誘導の目的地として設定し、経路案内を開始して(S34)、この目的地提示処理を終了する。
【0166】
このように、目的地提示処理では、車両の乗員の構成に応じて情報提供サーバ50より適切に抽出されLCD18上に提示された目的地候補の中から、経路誘導の目的地としたい施設を乗員に選択させることができるので、乗員に対して容易に目的地の設定を行わせることができる。従って、目的地の設定に伴う乗員の負担を軽減できる。
【0167】
一方、S33の処理の結果、いずれの目的地候補も選択されていないと判別された場合は(S33:No)、次いで、LCD18上に表示された「終了」ボタンが乗員によって指示されたか否かを判別する(S35)。そして、「終了」ボタンが指示されていなければ(S35:No)、S33の処理へ回帰して、再び、乗員によって、1つの目的地候補が選択されたか否かを判別する。一方、「終了」ボタンが指示されていれば(S35:Yes)、LCD18の目的地候補の表示を終了した上で、この目的地提示処理を終了する。これにより、乗員は、経路誘導の目的地設定を取りやめたり、別の方法によってその設定を行ったりすることができる。
【0168】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
【0169】
上記実施形態では、ナビゲーション装置10より送信された車両に搭乗している乗員数ならびに全乗員の性別および推定年齢に応じて、情報提供サーバ50が車両の乗員構成を推定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ナビゲーション装置10において、車両に搭乗している乗員数ならびに全乗員の性別および推定年齢から車両の乗員構成を推定してもよい。この場合、ナビゲーション装置10は、目的地検索要求と合わせてナビゲーション装置10において推定した車両の乗員構成に関する情報を情報提供サーバ50に送信するようにしてもよい。そして、情報提供サーバ50では、目的地検索要求と合わせて受信した車両の乗員構成に関する情報に基づいて、嗜好データベース54cから、その乗員が嗜好する施設の特徴を推定してもよい。
【0170】
上記実施形態では、情報提供サーバ50に嗜好データベース54cを設け、情報提供サーバ50にて車両の乗員構成に応じて、その乗員の嗜好する施設の特徴を推定したが、必ずしもこれに限られるものではなく、嗜好データベース54cと同等のデータベースをナビゲーション装置10に設け、ナビゲーション装置10において、車両の乗員構成に応じてその乗員の嗜好する施設の特徴を推定するようにしてもよい。この場合、ナビゲーション装置10は、目的地検索要求と合わせてナビゲーション装置10において推定した乗員の嗜好する施設の特徴に関する情報を情報提供サーバ50に送信するようにしてもよい。そして、情報提供サーバ50では、目的地検索要求と合わせて受信した乗員の嗜好する施設の特徴に関する情報に基づいて、施設データベース54bから、目的地候補を抽出してもよい。
【0171】
上記実施形態では、施設データベース54bが情報提供サーバ50内に設けられたHDD54に格納される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、情報提供サーバ50がアクセス可能な外部記憶装置を設け、その外部記憶装置に施設データベース54bと同等のデータベースを格納してもよい。同様に、上記実施形態では、嗜好データベース54cが情報提供サーバ50内に設けられたHDD54に格納される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、情報提供サーバ50がアクセス可能な外部記憶装置を設け、その外部記憶装置に嗜好データベース54cと同等のデータベースを格納してもよい。
【0172】
上記実施形態では、ナビゲーションシステム1が主として車両に設けられたナビゲーション装置10と車両外に設けられた情報提供サーバ50によって構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、車両内に設けられた車載装置のみによって構成されてもよい。この場合、ナビゲーション装置10のみで構成されてもよいし、ナビゲーション装置10と、その他の車載装置とによって構成されてもよい。
【0173】
ナビゲーション装置10のみによってナビゲーションシステム1が構成される場合、図2に示す施設データベースと、図3に示す嗜好データベースとをHDD14に設けた上で、目的地表示キー20aが乗員によって操作された場合にCPU11によって実行される目的地提示処理の中で、図5に示すS21〜S24の処理を実行した後、図6に示すS42〜S49に相当する処理を実行し、そのS46又はS49に相当する処理に続いて、図5に示すS31〜S34の処理を実行するようにしてもよい。
【0174】
また、ナビゲーション装置10とその他の車載装置によってナビゲーションシステム1が構成される場合は、その他の車載装置の構成を図1に示す情報提供サーバ50と同等の構成として、その他の車載装置において図6に示す目的地検索処理を実行させてもよい。また、ナビゲーション装置10にて車両の乗員構成を推定し、その他の車載装置において車両の乗員構成から乗員の嗜好する施設の特徴を推定した上で、目的地候補を抽出しても良い。更に、ナビゲーション装置10に嗜好データベースに相当するデータベースをHDD14に格納した上で、ナビゲーション装置10にて乗員の嗜好する施設の特徴を推定し、その他の車載装置にて、ナビゲーション装置10にて推定された乗員の嗜好する施設の特徴から目的地候補を抽出してもよい。
【0175】
また、ナビゲーションシステム1が車両内に設けられる場合において、図2に示す施設データベース及び図3に示す嗜好データベースの少なくともいずれかは、ナビゲーション装置10または車載装置の外部に設けられた外部記憶装置に格納されてもよい。
【0176】
上記実施形態では、車両に搭乗している乗員数、全乗員の性別および推定年齢に基づいて、乗員の嗜好する施設の特徴を推定する場合について説明したが、更に、現在の日時を考慮して、乗員の嗜好する施設の特徴を推定してもよい。例えば、昼の時間帯に目的地検索処理が実行された場合、一部の乗員構成に対して「ランチのおいしいお店」がその乗員の嗜好する施設の特徴として推定されてもよい。また、クリスマスの時期に目的地検索処理が実行された場合、一部の乗員構成に対して「クリスマスディナーが人気のお店」が、その乗員の嗜好する施設の特徴として推定されてもよい。これにより、その時々に応じて適した乗員の嗜好する施設の特徴が推定されるので、より適切に乗員に対して目的地を提示することができる。
【0177】
尚、情報提供サーバ50によって乗員の嗜好する施設の特徴を推定する場合、現在の日時は、情報提供サーバ50のCPU51が有する計時回路51aによって示される時刻から判断してもよいし、ナビゲーション装置10において目的地検索要求と合わせて、CPU11の計時回路11aによって示される時刻を情報提供サーバ50に送信するようにしておき、情報提供サーバ50では、その目的地検索要求と合わせて送信される時刻情報から現在の日時を判断するようにしてもよい。
【0178】
上記実施形態では、目的地候補を、車両の現在位置からの移動距離が近い順に並べてLCD18上に表示させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、目的地候補を、乗員の嗜好する施設の特徴の優先順位順にLCD18上に表示させてもよい。この場合、嗜好データベース54cには、各乗員構成に対して、嗜好対象項目のサブ要素に優先順位を規定しておいてもよい。そして、その優先順位の高い乗員の嗜好する施設の特徴から順番に、その特徴を有する施設を施設データベースより抽出し、抽出された順番にナビゲーション装置10へその施設情報を目的地候補の情報として送信してもよい。そして、ナビゲーション装置10では、情報提供サーバ50から送信された施設情報を受信した順番に並べ、その順番に施設の名称などをLCD18上に表示させてもよい。これにより、目的地候補を、乗員の嗜好する施設の特徴の優先順位順にLCD18上に表示させることができる。
【0179】
上記実施形態における施設データベース54bの内容は例示であり、「施設名」要素に登録される施設名や、「特徴項目」要素の各サブ要素の種類およびその各サブ要素に対して登録される内容などは、実態や仕様に合わせて任意に設定されるものであってもよい。
【0180】
同様に、上記実施形態における嗜好データベース54cの内容は例示であり、「乗員構成」要素に登録される乗員構成の種類や、「嗜好特徴項目」要素の各サブ要素の種類およびその各サブ要素に対して登録される内容などは、実態や仕様に合わせて任意に設定されるものであってもよい。例えば、「乗員構成」要素に登録される乗員構成として、複数人の乗員が全員女性である場合の「女性同士」や、複数人の乗員が全員男性である場合の「男性同士」などが含まれてもよい。また、上記実施形態では、乗員の推定年齢を「子供」,「若者」,「中高年」の3種類に分けて乗員構成を特定する場合について説明したが、乗員の推定年齢を更に細かく分類し、その分類に対応する乗員構成や、細かく分類した推定年齢に基づいて特定される乗員構成を、「乗員構成」要素に登録してもよい。これにより、乗員の年齢に応じて更にきめ細かく乗員の嗜好する施設の特徴を推定できるので、車両の乗員の構成に応じてより適切な目的地を提示できる。尚、「嗜好特徴項目」要素の各サブ要素の種類は、施設データベース54bの「特徴項目」要素の各サブ要素の種類に対応させて設けるのが好ましい。
【0181】
上記実施形態では、車両に搭乗している乗員数を、各座位置に対応して設けたカメラ30により撮像した画像データに対する顔認識の結果に基づいてカウントする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各座席の座位置に荷重センサを設け、人が座ることにより所定以上の荷重が検出された荷重センサの数をカウントすることによって、乗員の数をカウントしてもよい。また、車両に設けられたシートベルトのバックルに、シートベルトが閉められたか否かを検出するセンサを設け、シートベルトが閉められた数をカウントすることにより、乗員数を検出してもよい。
【0182】
上記実施形態では、目的地候補をLCD18上に表示することによって乗員に対して提示する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ナビゲーション装置10にスピーカを設けた上で、音声案内によって乗員に目的地候補を提示するものであってもよい。また、上記実施形態では、目的地候補の中からタッチパネル19を操作して経路誘導の目的地を選択する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、操作キーを操作することによって目的地候補の中から経路誘導の目的地を選択してもよいし、ナビゲーション装置10にマイクロフォンと音声認識プロセッサとを設け、音声指示によって目的地候補の中から経路誘導の目的地を選択してもよい。
【0183】
上記実施形態では、本発明をナビゲーションシステム1に適用した場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、目的地までの経路誘導機能を有しておらず、車両に搭乗している乗員に対して目的地の候補を提示する目的地提示システムに、本発明は適用可能である。この場合、目的地提示システムは、ナビゲーション装置以外の車載装置と情報提供サーバとによって構成されるものであってもよいし、ナビゲーション装置以外の車載装置のみによって構成されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0184】
1 ナビゲーションシステム(目的地提示システム)
15 現在位置検出装置(現在位置検出手段)
54b 施設データベース(施設情報格納手段)
S14 (乗員数検出手段)
S15 (乗員性別判別手段)
S16 (乗員年齢推定手段)
S32 (目的地候補出力手段)
S33 (目的地選択判断手段)
S34 (目的地設定手段,経路出力手段,目的地設定制御手段)
S44 (嗜好推定手段の一部,施設情報抽出手段の一部)
S45 (嗜好推定手段の一部,施設情報抽出手段の一部)
S46 (嗜好推定手段の一部,施設情報抽出手段の一部)
S47 (乗員関係推定手段)
S49 (嗜好推定手段の一部,施設情報抽出手段の一部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の乗員に対して目的地の候補を提示する目的地提示システムであって、
施設に関する施設情報とその施設の特徴を示す特徴情報とを施設毎に格納する施設情報格納手段と、
前記乗員の性別を判別する乗員性別判別手段と、
その乗員性別判別手段により判別された乗員の性別に応じて前記乗員の嗜好する施設の特徴を推定する嗜好推定手段と、
その嗜好推定手段により推定された前記乗員の嗜好する施設の特徴と前記施設情報格納手段に格納されている前記特徴情報により示される特徴とが合致する施設の施設情報を、前記施設情報格納手段から抽出する施設情報抽出手段と、
その施設情報抽出手段により抽出された前記施設情報に基づき、その施設情報によって示される施設を前記目的地の候補として出力する目的地候補出力手段とを備えることを特徴とする目的地提示システム。
【請求項2】
前記乗員の数を検出する乗員数検出手段を備え、
前記嗜好推定手段は、その乗員数検出手段により検出された乗員の数と、前記乗員性別判別手段により判別された乗員の性別とに応じて、前記乗員の嗜好する施設の特徴を推定するものであることを特徴とする請求項1記載の目的地提示システム。
【請求項3】
前記乗員の年齢を推定する乗員年齢推定手段を備え、
前記嗜好推定手段は、前記乗員性別判別手段により判別された乗員の性別と前記乗員年齢推定手段により推定された前記乗員の年齢とに応じて、前記乗員の嗜好する施設の特徴を推定するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の目的地提示システム。
【請求項4】
前記乗員数検出手段により検出された乗員の数が複数である場合に、前記乗員性別判別手段により判別された乗員の性別に応じて、前記乗員間の関係を推定する乗員関係推定手段を備え、
前記嗜好推定手段は、その乗員関係推定手段により推定された前記乗員間の関係に応じて、前記乗員の嗜好する施設の特徴を推定するものであることを特徴とする請求項2記載の目的地提示システム。
【請求項5】
前記乗員の数を検出する乗員数検出手段と、
その乗員数検出手段により検出された乗員の数が複数である場合に、前記乗員性別判別手段により判別された乗員の性別および前記乗員年齢推定手段により推定された乗員の年齢に応じて、前記乗員間の関係を推定する乗員関係推定手段とを備え、
前記嗜好推定手段は、その乗員関係推定手段により推定された前記乗員間の関係に応じて、前記乗員の嗜好する施設の特徴を推定するものであることを特徴とする請求項3記載の目的地提示システム。
【請求項6】
車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
目的地を設定する目的地設定手段と、
前記現在位置検出手段により検出された前記現在位置から前記目的地設定手段により設定された前記目的地までの経路を設定して出力する経路出力手段と、
施設に関する施設情報とその施設の特徴を示す特徴情報とを施設毎に格納する施設情報格納手段と、
車両に搭乗している乗員の性別を判別する乗員性別判別手段と、
その乗員性別判別手段により判別された乗員の性別に応じて前記乗員の嗜好する施設の特徴を推定する嗜好推定手段と、
その嗜好推定手段により推定された前記乗員の嗜好する施設の特徴と前記施設情報格納手段に格納されている前記特徴情報により示される特徴とが合致する施設の施設情報を、前記施設情報格納手段から抽出する施設情報抽出手段と、
その施設情報抽出手段により抽出された前記施設情報に基づき、その施設情報によって示される施設を前記目的地の候補として出力する目的地候補出力手段と、
その目的地候補出力手段により出力された施設が乗員により前記目的地として選択されたか否かを判断する目的地選択判断手段と、
その目的地選択判断手段により前記目的地として選択されたと判断された場合は、その選択された前記目的地が前記目的地設定手段により設定されるように制御する目的地設定制御手段とを備えることを特徴とするナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−237134(P2010−237134A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−87228(P2009−87228)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】