説明

磁場中の発光素子

【課題】発光効率を上げ、且つ輝度を均一にすることのできる発光素子を提供する。
【解決手段】発光素子は、発光構造と、磁気源構造とを備える。発光構造は、第1ドープ構造層と、第2ドープ構造層と、2つのドープ構造層の間にある活性層と、第1電極と、第2電極とを備え、第1電極および第2電極は、それぞれ第1ドープ構造層および第2ドープ構造層に電気的に結合される。磁気源構造は、発光構造に隣接して、発光構造で磁場を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子に関するものであり、特に、磁場を有する発光素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱を発生させて発光する一般の蛍光ランプや白熱電球とは異なり、発光ダイオード(light emitting diode, LED)のような半導体発光素子は、半導体の特性を利用して発光するため、このような発光素子によって発せられた光は、冷光(cold luminescence)と呼ばれる。発光素子は、長寿命、軽量、低消費電力といった利点を有するため、光学ディスプレイ、信号機、データ記憶装置、通信デバイス、照明装置、医療機器等に幅広く利用されている。そのため、発光素子の発光効率をいかに向上させるかが、この技術の論点となっている。
【0003】
LEDのような発光素子は、LEDの活性層を介して電子電流が駆動することによって発光する。しかしながら、電流密度が発光領域の全面に均一に分布しない場合、光の均一性は減少する。さらに、従来の設計において、不透明上部電極は、通常、発光領域の中心領域に配置される。そのため、上部電極の下の電流密度は他の領域よりも大きく、より多くの光を発することができる。しかしながら、上部電極は、光に対して透明ではないため、上部電極の下で発せられた光は遮断される。従来のLEDの上部電極は、強度が最も高い中心領域で発せられた光を遮断するため、その結果、出力光を減少させてしまう。
【0004】
図1は、従来の発光素子の断面図を示す概略図である。図1を参照すると、発光素子100は、縦型(vertical type)LEDであり、電極110および120と、半導体発光層130の半導体積層と、第1導電型半導体層132と、第2導電型半導体層134とを備える。電流密度の分布は、電極110および120から離れる距離が増えるにつれて、次第に減少する。図1に示すように、密着した線は、電流密度が高いことを示しており、線の数が最も多い領域は、電極110と120の間である。しかしながら、先天的欠陥により、発光効率の最も高い領域は、電極110によって遮断されるため、発光素子100の全体の発光効率に影響を及ぼす。
【0005】
図2は、従来の発光素子の平面図を示す概略図である。図2を参照すると、発光素子200は、横型(horizontal type)LEDであり、電極210および220を備える。電極は、常に、抵抗が最も低い経路を通って伝達するため、電流密度の分布は、電極210と220の間で不均質であり、電流密度の主分布は、電極210と220の間の中心経路に沿って分布する。そのため、発光素子200によって発せられる光の量を増やすために、電流分布の均一な領域を拡大する必要があり、それによって、発光素子200のサイズが大きくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上に基づいて、発光素子の発光効率は、下記のようないくつかの要因に影響されるものと考えられる。
【0007】
発光素子の電極間の領域は、電流のキャリア密度(carrier density)が最も高い領域であるだけでなく、光子を最も多く生成する領域でもある。しかしながら、電極間で生成された光子は、不透明な電極によって大部分が遮断されてしまうため、発光効率を向上させるのは難しい。
【0008】
電流は、常に、抵抗が最も低い経路を通って伝達するため、その結果、発光素子の輝度が不均質になり、発光効率や発光素子のサイズも制限される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、発光素子を提供する。発光素子は、発光構造と、磁性構造とを備える。発光構造は、第1ドープ構造層と、第2ドープ構造層と、2つのドープ構造層の間にある活性層と、第1電極と、第2電極とを備え、第1電極および第2電極は、それぞれ第1ドープ構造層および第2ドープ構造層に電気的に結合される。磁性構造は、発光構造に隣接して、発光構造で磁場を生成する。
【0010】
本発明は、発光構造と、磁性層とを備えた発光素子を提供する。発光構造は、下部ドープ構造層を備える。下部ドープ構造層の上に、活性層が配置される。活性層の上に、上部ドープ構造層が配置される。上部ドープ構造層の上に、電気結合によって、第1電極が配置される。下部ドープ構造層の上に、電気結合によって、第2電極が配置される。第1電極および第2電極は、活性層の同一側または反対側にある。磁性層は、発光層と一体となり、活性層に対して実質的に垂直および/または平行な方向を有する磁場を生成する。
【0011】
本発明は、発光構造と、磁性層とを備えた発光素子を提供する。発光構造は、第1ドープ構造層と、第2ドープ構造層と、2つのドープ構造層の間にある活性層と、第1電極と、第2電極とを備える。第1電極および第2電極は、それぞれ第1ドープ構造層および第2ドープ構造層に電気的に結合される。磁性層は、パッケージ構造によって、第1電極と第2電極の上の発光構造と連結して、発光構造で磁場を生成する。
【0012】
本発明は、発光構造と、第1磁性層と、第2磁性層とを備えた発光素子を提供する。発光構造は、第1側および第2側を有し、第1ドープ構造層と、第2ドープ構造層と、2つのドープ構造層の間にある活性層と、第1ドープ構造層の上に電気結合によって配置された第1電極と、第2ドープ構造層の上に電気結合によって配置された第2電極と、第1側で第1電極の上に配置された第1磁性層とを備える。第2磁性層は、第2側で第2電極の上に配置される。
【0013】
本発明は、発光構造と、熱伝導材料層と、磁性層とを備えた発光素子を提供する。熱伝導材料層は、発光構造と連結して、発光構造によって発生した熱を放散させる。磁性層は、熱伝導材料層と連結して、発光構造で磁場を生成する。
【0014】
本発明は、ヒートシンクと、構造キャリア(structural carrier)と、発光構造とを備えた発光素子を提供する。構造キャリアは、ヒートシンクの上に積み重なる。発光構造は、構造キャリアの上に積み重なる。構造キャリアおよびヒートシンクの少なくとも一部は、磁気を有し、発光構造で磁場を提供する。
【0015】
本発明は、ヒートシンクと、構造キャリアと、発光構造と、カプセル材料(encapsulant)とを備えた発光素子を提供する。構造キャリアは、ヒートシンクの上に積み重なり、側壁のある凹状領域を有する。発光構造は、凹状領域内で構造キャリアの上に積み重なる。カプセル材料は、空間内に満たされ、磁性材料粉を含むか、あるいは、磁性材料粉を含まない。
【0016】
本発明は、発光構造と、電気接続によって発光構造を保持する磁性保持キャリアとを備えた発光素子を提供する。
【0017】
本発明は、発光構造と、発光構造の下にある磁性層と、磁性層と発光構造を保持する保持キャリアとを備えた発光素子を提供する。
【0018】
本発明は、キャリアと、キャリアの上に配置されて、収容空間を有する磁性層と、収容空間内でキャリアの上に配置された発光構造とを備えた発光素子を提供する。
【0019】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点をより分かり易くするため、図面と併せた幾つかの実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来の発光素子の断面図を示す概略図である。
【図2】従来の発光素子の平面図を示す概略図である。
【図3a】本発明の1つの実施形態に係る発光素子の断面図を示す概略図である。
【図3b】本発明の1つの実施形態に係る発光素子の断面図を示す概略図である。
【図4】本発明の別の実施形態に係る発光素子の平面図である。
【図5】本発明の1つの実施形態に係るLEDの構造を示す断面図である。
【図6】本発明の1つの実施形態に係る磁性基板424を有するLEDによって発せられた光の出力電力を示すグラフである。
【図7】本発明の1つの実施形態に係るLEDの構造を示す断面図である。
【図8】本発明の1つの実施形態に係るLEDの構造を示す断面図である。
【図9】本発明の1つの実施形態に係る発光素子の構造を示す断面図である。
【図10】本発明の1つの実施形態に係る発光素子の構造を示す断面図である。
【図11】本発明の1つの実施形態に係る発光素子の構造を示す断面図である。
【図12a】本発明の実施形態に係る発光素子の構造を概略的に示す断面図である。
【図12b】本発明の実施形態に係る発光素子の構造を概略的に示す断面図である。
【図12c】本発明の実施形態に係る発光素子の構造を概略的に示す断面図である。
【図13】本発明の1つの実施形態に係る発光素子の構造を概略的に示す断面図である。
【図14】本発明の1つの実施形態に係る発光素子の構造を概略的に示す断面図である。
【図15】本発明の1つの実施形態に係る発光素子の構造を概略的に示す断面図である。
【図16】本発明の1つの実施形態に係る発光素子の構造を概略的に示す断面図である。
【図17】本発明の1つの実施形態に係る発光素子の構造を概略的に示す断面図である。
【図18】本発明の実施形態に係る実装によって磁性層と連結した発光素子の構造を概略的に示す断面図である。
【図19】本発明の1つの実施形態に係る磁性層と一体化した発光素子の別の構造を概略的に示す断面図である。
【図20】図20に関する構造を概略的に示す斜視図である。
【図21】本発明の1つの実施形態に係るパッケージングによって磁性層と一体化した発光素子の構造を概略的に示す断面図である。
【図22】本発明の1つの実施形態に係る磁場が印加された発光素子の構造を概略的に示す断面図である。
【図23】本発明の別の実施形態に係る磁場を有する発光素子の構造を概略的に示す断面図である。
【図24】本発明の別の実施形態に係る磁場を有する発光素子の構造を概略的に示す断面図である。
【図25】本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。
【図26】本実施形態の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。
【図27】本実施形態の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。
【図28】本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。
【図29】本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。
【図30】本実施形態の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。
【図31】本実施形態の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。
【図32】本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。
【図33】本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。
【図34】本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。
【図35】本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。
【図36】本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。
【図37】本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。
【図38】本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの断面図である。
【図39】本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、磁性構造または磁性層を備え、光の出力効率を向上させることのできる発光素子を提供する。磁性層等の磁性構造は、例えば、膜または十分な厚さを有する磁性材料のかたまりでもよい。本発明は、ホール効果(Hall Effect)のメカニズムを利用して電極の位置を調整することによって、光の出力効率を少なくとも向上させる磁場を有する発光素子を提供する。また、本発明は、磁気抵抗効果(magneto resistance effect)を利用してインピーダンスを整合し、不均質な電流の分散を減らすことによって、光の出力効率を少なくとも向上させる磁場を有する発光素子を提供する。
【0022】
磁気抵抗は、例えば、Fe、CoまたはNiのような強磁性材料のGaNまたはGaAs等の半導体層における通常の磁気抵抗でもよい。磁気抵抗は、また、例えば、Fe、CoまたはNiのような磁性層とCr、Cu、AgまたはAuのような非磁性層の積層における巨大磁気抵抗(giant magnetoresistance, GMR)でもよい。
【0023】
いくつかの実施形態を提供して、本発明を説明するが、本発明は、これらの実施形態のみに限定されない。また、各実施形態を適切に組み合わせて、別の実施形態としてもよい。
【0024】
図3a及び図3bは、本発明の1つの実施形態に係る発光素子の断面図を示す概略図である。図3aを参照すると、発光素子300は、縦型LEDであり、電極310および320と、積み重ねた半導体発光層330と、第1導電型層332と、第2導電型層334とを備える。発光素子300は、発光素子300の外側に配置された磁気源(magnetic source)340によって生成され、発光素子300の断面に向かって内側に向かう磁場によって覆われる。磁場によって誘発された磁力が電子を押して、電流を左へドリフトさせる。図3aに示すように、電流密度の主分布(電流線で示す)は、電極310と320の間の領域から、出光面の下の領域へ移動する。これは、発光効率の最も高い領域が、電極310によって遮断されなくなり、発光素子300の全体の発光効率が大幅に向上することを示す。
【0025】
図3bを参照すると、発光素子300の出光面が延伸し、その上に複数の電極310、350および360が配置される。図3bに示すように、電極320と電極310、350および360のそれぞれの間の電流密度の分布(電流線で示す)は、全て電極間の領域から出光面の下の領域へ移動するため、発光素子300の全体の発光効率が大幅に向上する。また、2つの電極310および350と、2つの電極350および360の間の出光面の下の電流密度の分布は、同じである。そのため、本発明の発光素子300は、光の均質性に影響を与えずに、より高い輝度を提供することができる。
【0026】
図3a及び図3bに示すように、本実施形態において、磁場は、縦型LEDの場合、電子の流れがLEDの縦方向に変化している。しかしながら、側面図からわかるように、磁場は、特に横型LEDの場合、電極面の電子の流れに横方向に影響を及ぼしている。図4は、本発明の別の実施形態に係る発光素子の平面図である。図4を参照すると、発光素子400は、横型LEDであり、電極402および404を備える。上述した実施形態と同じように、磁場406が、電極402と404の間の経路の外へ電子をドリフトさせると、電流密度の分布は、例えば、発光素子400の左部分へ移動する。図4に示すように、電流経路は、大きい領域(左の領域)に広がって、より均質な電流密度の分布を作り出す。
【0027】
図5は、本発明の1つの実施形態に係るLEDの構造を示す断面図である。図8を参照すると、LED420は、横型LEDであり、電極426および428と、基板424とを備える。電極426と428の間に活性層430が設けられ、電流がその中を流れた時に、光を生成する。より詳しく説明すると、活性層430は、例えば、第1ドープ構造層432と第2ドープ構造層434の間に設置され、これらはドープ半導体層である。ドープ構造層は、半導体積層、あるいは、一般に知られている他の適切な構造でもよい。基板424の下に、磁性基板422がさらに配置され、磁場を有するLED800を提供する。
【0028】
図6は、本発明の1つの実施形態に係る磁性基板424を有するLEDによって発せられた光の出力電力を示すグラフである。X軸は、LEDに注入された電流を指し、Y軸は、LEDによって発せられた光の出力電力を指す。図6を参照すると、例えば、LEDに0.25Tの磁場を印加すると、光電変換効率は、0.04mW/mAまで上昇し、光の全体の出力電力は、22.6%まで増大した。一方、LEDに0.15Tの磁場を印加すると、光電変換効率は、0.025mW/mAまで上昇し、光の全体の出力電力は、15%まで増大した。図9に示すように、外部の磁場の強度が増えると、明らかに、光の出力電力が増大している。基本的に、磁場の強度は、0.01Tまたはそれ以上でもよい。
【0029】
図7は、本発明の1つの実施形態に係るLEDの構造を示す断面図である。図7を参照すると、LED450は、縦型LEDであり、電極452および458と、構造積層454とを備える。構造積層454の中に、活性層456があり、電極458と452の間に設けられ、電流がその中を流れた時に、光を生成する。電極452の下に、磁性基板460がさらに配置され、磁場を有するLED450を提供する。
【0030】
また、本発明は、図8に示すように、ELOG(Epitaxial Lateral Over Growth)構造を利用して、LEDを形成してもよい。図8を参照すると、磁性基板は、マスクとして使用され、半導体は、エピタキシャル・プロセス(epitaxial process)によって基板上に成長するため、磁性基板をLEDチップ内に埋め込んで、外部の磁場を有するLEDの輝度を高める効果を増やすことができる。
【0031】
実際の応用では、エポキシ、金属接合、ウェハ接合、エピタキシー埋め込み(epitaxy embedding)、コーティング等の様々な方法によって、発光素子と磁性材料を組み合わせることができる。また、磁性材料を発光素子自体に組み合わせて、基板、サブマウント(submount)、電磁石、スラグ(slug)、ホルダーとして作成するか、あるいは、磁性膜または磁性バルクとして作成することによって、発光素子に磁場を提供してもよい。磁性材料は、Rb、Ru、Nd、Fe、Pg、Co、Ni、Mn、Cr、Cu、Cr2、Pt、Sm、Sb、Pt、またはその合金等の強磁性材料でもよい。また、磁性材料は、Mn、Fe、Co、CuおよびVの酸化物、Cr23、CrS、MnS、MnSe、MnTe、Mn、Fe、CoまたはNiのフッ化物、V、Cr、Fe、Co、NiおよびCuの塩化物、Cu、CrSb,MnAs、MnBi、α-Mn、MnCl2・4H2O、MnBr2・4H2O、CuCl2、2H2O、Co(NH4)×(SO4)×Cl2・6H2O、FeCo3およびFeCo3・2MgCO3の臭化物等のセラミック材料でもよい。発光素子は、有機LED(OLED)、無機LED、縦型LED、横型LED、薄膜LEDまたはフリップチップLEDでもよい。上記の構造を有する発光素子の実施形態について、それぞれ以下に説明する。
【0032】
図9は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子の構造を示す断面図である。図9を参照すると、本実施形態の発光素子500は、縦型LEDであり、発光チップ510と、磁性サブマウント520とを備える。第1ドープ層512の上に、例えば、Ni/Auまたは酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide, ITO)の透明導電層(transparent conductive layer, TCL)562がさらに配置されて、電流の分散を増進させる。発光チップ510は、エポキシ、金属接合、ウェハ接合、エピタキシー埋め込みまたは塗布プロセスによって、磁性サブマウント520の上に配置される。
【0033】
発光チップ510は、上部から底部に向かって、第1電極511と、第1ドープ層512と、活性層513と、第2ドープ層514と、基板515と、第2電極516とを備え、第1ドープ層512、活性層513および第2ドープ層514で発光積層を形成し、基板515の上に配置される。第1電極511は、第1ドープ層512の上に配置されるとともに、第1ドープ層512に電気的に結合され、第2電極516は、基板515の下に配置されるとともに、第2ドープ層514に電気的に結合されて、縦型LED構造を形成する。活性層513は、第1電極511と第2電極516の間に配置され、電流がその中を流れた時に、光を生成することができる。ここで、注意すべきこととして、基板515の材料は、Si、SiC、GaN、GaN、GaP、GaAs、サファイア、ZnOまたはAlNでもよく、発光積層の材料は、GaAs、InP、GaN、GaP、AlP、AlAs、InAs、GaSb、InSb、CdS、CdSe、ZnSまたはZnSe等の無機半導体材料、またはポリマー等の有機半導体材料でもよい。
【0034】
磁性サブマウント520によって誘発された磁場は、発光チップ510上に印加されるため、発光チップ510の電流密度の主分布が、第1電極511と第2電極516の間の領域から出光面の下の領域へ移動することによって、電流の均質性が増大し、発光素子500の全体の輝度が上がる。
【0035】
さらに、設計のオプションで、発光素子500は、第1電極515と第2電極516の間に配置され、活性層513から発せられた光を反射するミラー層等の反射層560をさらに備えることによって、発光素子の輝度が上がる。ここで、注意すべきこととして、別の実施形態において、反射層560を第2ドープ層514と基板515の間、あるいは第2基板516と磁性サブマウント520の間に配置して、光を反射してもよいが、本発明は、提示したオプションのみに限定されない。
【0036】
図10は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子の構造を示す断面図である。図10を参照すると、本実施形態の発光素子において、本実施形態の発光素子は、縦型LEDであり、例えば、発光チップ564と、磁性サブマウント550とを備える。発光チップ564は、エポキシ、金属接合、ウェハ接合、エピタキシー埋め込み、または塗布プロセス等の一般的な方法によって、磁性サブマウント550の上に配置される。
【0037】
1つの例として、発光チップ564は、第1電極568と、基板561と、第1ドープ層558と、活性層556と、第2ドープ層554と、第2電極552とを備え、第1ドープ層558、活性層556および第2ドープ層554により発光積層を形成し、基板561の下に配置される。第1電極568は、第1ドープ層558の上に配置されるとともに、第1ドープ層558に電気的に結合され、基板561は、ドープ半導体層等の導電基板でもよい。第2電極552は、第2ドープ層554の下に配置されるとともに、第2ドープ層554に電気的に結合され、縦型LED構造を形成する。活性層556は、第1電極568と第2電極552の間に配置され、電流がその中を流れた時に、光を生成することができる。
【0038】
磁性サブマウント550によって誘発された磁場は、発光チップ564上に印加されるため、発光チップ564の電流密度の主分布が、第1電極568と第2電極552の間の領域から出光面の下の領域へ移動することによって、電流の均質性が増大し、発光素子500の全体の輝度が上がる。
【0039】
図11は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子の構造を示す断面図である。さらに、別の例として、縦型構造を有する薄膜LEDを挙げる。図11を参照すると、本実施形態の発光素子600は、縦型LEDであり、発光チップ610と、磁性サブマウント620とを備える。発光チップ610は、例えば、エポキシ、金属接合、ウェハ接合、エピタキシー埋め込み、塗布プロセス、または任意の適切なプロセスによって、磁性サブマウント620の上に配置される。
【0040】
発光チップ610は、例えば、第1電極611と、第1ドープ層612と、活性層613と、第2ドープ層614と、第2電極615とを備え、第1ドープ層612、活性層613および第2ドープ層614で発光積層を形成する。実際の必要に応じて、さらに反射層660を形成して、後方光を反射し返してもよい。第1電極611は、第1ドープ層612の上に配置されるとともに、第1ドープ層612に電気的に結合され、第2電極615は、第2ドープ層614の下に配置されるとともに、第2ドープ層614に電気的に結合され、縦型LED構造を形成する。反射層660は、例えば、電気接続にも用いられる金属層である。活性層613は、第1電極611と第2電極615の間に配置され、電流がその中を流れた時に、光を生成することができる。
【0041】
磁性サブマウント620によって誘発された磁場は、発光チップ610上に印加されるため、発光チップ610の電流密度の主分布が、第1電極611と第2電極615の間の領域から出光面の下の領域へ移動することによって、電流の均質性が増大し、発光素子600の全体の輝度が上がる。
【0042】
本発明の1つの実施形態において、第1ドープ層612と電極611の間に、透明導電層(TCL)をさらに配置して、輝度を上げる。さらに、第2ドープ層614と第2電極615の間に、ミラーとして用いる金属層等の反射層660をさらに配置し、活性層613から発せられる光を反射することによって、発光素子600の輝度を上げる。ここで、注意すべきこととして、別の実施形態において、第2電極615と磁性サブマウント620の間に反射層660を配置して、光を反射してもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0043】
図12a、図12b及び図12cは、本発明の実施形態に係る発光素子の構造を概略的に示す断面図である。図12aを参照すると、本実施形態の発光素子700aは、縦型LEDであり、発光チップ710と、磁性材料720とを備える。発光チップ710は、例えば、第1電極711と、第1ドープ層712と、活性層713と、第2ドープ層714と、第2電極715とを備え、第1ドープ層712、活性層713および第2ドープ層714により発光積層を形成する。第1電極711は、第1ドープ層712の上に配置されるとともに、第1ドープ層712に電気的に結合される。第2電極715は、第2ドープ層714の下に配置されるとともに、第2ドープ層714に電気的に結合され、縦型LED構造を形成する。活性層713は、第1電極711と第2電極716の間に配置され、電流がその中を流れた時に、光を生成することができる。
【0044】
磁性材料720は、第1電極711の上に配置され、発光チップ710に磁場を印加するため、発光チップ710の電流密度の主分布が、第1電極711と第2電極715の間の領域から出光面の下の領域へ移動することによって、電流の均質性が増大し、発光素子700aの全体の輝度が上がる。
【0045】
別の実施形態では、図12bに示すように、図12aの実施形態を基礎として、発光積層の上に磁性層730が配置され、第1電極711を覆う。あるいは、図12cに示すように、第1ドープ層712の露出した領域の上に、磁性層740が配置される。なお、第1ドープ層712の露出した領域は、第1電極711によって覆われていない。
【0046】
図13は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子の構造を概略的に示す断面図である。図13を参照すると、磁性材料は、例えば、複数の凹部を有するサブマウント810の中に製造される。各凹部は、発光チップ820〜850のうちの1つとともに配置される。さらに、オプションで、各凹部が反射面を有して、対応する発光チップによって発せられた光を反射してもよい。
【0047】
図14は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子の構造を概略的に示す断面図である。図14において、発光構造は、基板952の上に配置された基本構造964を備える。基本構造964は、例えば、下部ドープ層954を備え、有機/無機半導体、または発光に使用される任意の適切なドープ材料でもよい。基本構造964は、例えば、下部ドープ積層954と、活性層956と、上部ドープ積層958とを備える。ここで、下部ドープ積層954および上部ドープ積層958は、異なる導電型にある。しかしながら、動作電圧によって、下部ドープ積層954または上部ドープ積層958は、p型またはn型でもよい。また、例えば、電極とドープ半導体材料の間の相対的な接触不良のため、例えば、透明導電層(TCL)960を備えてもよい。さらに、発光領域970の光出力の性能がより向上するよう、例えば、透明導電層960または上部ドープ積層958の上に粗面962を形成してもよい。実際には、粗面962は、光出力の方向によって、どの適切な面にあってもよい。下部ドープ積層954および上部ドープ積層958の上にそれぞれ配置される2つの電極966および968は、横型発光素子とも呼ばれる発光構造の同じ側にある。この横型の設計では、上部ドープ積層958において、または、透明導電層を備える場合は透明導電層960においても、駆動電流の水平成分(horizontal component)がある。特に、基本構造964は、厚さを減らすための薄膜設計であり、駆動電流の水平成分は比較的大きい。
【0048】
本発明において、磁性層950をさらに追加して、別の側の基板952上に実装する。磁性層950を用いて磁場を生成し、図4のメカニズムに基づいて、上部ドープ積層958の水平成分の電流密度を再分配する。磁性層950は、例えば、磁化を有する人工の強磁性層で、発光領域970に実質的に垂直な磁場を提供することによって、水平成分の電流密度を再分配してもよい。電極966および968の位置は、生成される磁場によって設定される。理解すべきこととして、磁性層950は、所期の磁場を生成して駆動電流をシフトさせるために用いられるが、任意の適切な設計変更を実施してもよい。磁性層950は、別の基板としても用いられる。例えば、磁性層950は、物理的に接触しない外部構造またはユニットでもよい。つまり、磁性層950は、磁場を利用する外部ユニット、または発光構造に一体化された構造層でもよい。
【0049】
図15は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子の構造を概略的に示す断面図である。図15において、先行技術で知られているフリップチップ・パッケージ・プロセス(flip-chip packaging process)を用いて、接合バンプ980および982で磁性層984を実装する。ここで、光出力の方向が透明基板952に向いていることを考慮して、粗面962を基板952の外表面に形成し、金属層のような反射層960’を基本構造964’に実装してもよい。しかしながら、磁性層984を実装するためのパッケージ方法は、これに限定されない。
【0050】
あるいは、接合バンプ980および982を除外して、例えば、めっき(plating)または任意の適切な半導体製造プロセスによって、電極966および968が同じ高さを有するよう製造してもよい。電極966および968が同じ高さを有するため、例えば、磁性層284を電極に直接接着してもよい。つまり、磁性層984は、任意の適切な方法によって形成することができる。
【0051】
さらに、例えば、磁性層950を底部に追加することによって、図15の構造と図14を組み合わせてもよい。結果として、2つの磁性層が実装される。
【0052】
図16は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子の構造を概略的に示す断面図である。図16において、代わりに、磁性層984を基板として用いてもよい。この場合、基本構造964”は、前述したように、磁性層984によって実装される。図15のように、反射層960’は、基本構造964”内に実装される。また、下部ドープ層954は、粗面962を有する。その結果、光がより良い性能で粗面962を通過できる。
【0053】
図17は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子の構造を概略的に示す断面図である。図17は、電極992および994の別の設計であり、電極992は、電極994に対して斜めの角に設置されない。この種の電極は、印加される磁場に基づいて設計される。磁場の強度および方向が異なる結果をもたらすこともある。特に、図4で説明したように、磁場を印加した場合、電極992は、磁場にしたがって、対照的な位置に存在しない。
【0054】
図17の電極に基づいて、測定を行った。例えば、垂直方向の420mTの磁場と、200mAの駆動電流を適用する。図17の電極の場合、例えば、約5.6%の向上が見られた。この測定からわかるように、本発明において印加した磁場は、確かに性能を上げることができる。電極の位置は、それに応じて設定される。
【0055】
図18は、本発明の実施形態に係る実装によって磁性層と連結した発光素子の構造を概略的に示す断面図である。図18において、例えば、基板1000の上に、ドープ半導体構造層1002が配置される。ドープ半導体構造層1002の上に、活性層1004が形成される。活性層1004の上に、別のドープ半導体構造層1006が形成される。ここで、ドープ半導体構造層は、設計された構造を有する単一層または積層でもよい。しかしながら、本発明は、半導体構造層を特に限定しない。さらに、例えば、半導体構造層1002の上に、透明導電層1008を形成してもよい。透明導電層1008は、電極1012と接触しているため、既に周知のように、発光効率を上げることができる。さらに、発光方向によっては、ミラーを実装してもよい。この例では、半導体構造層1002の上に、電極1010が配置され、透明導電層1008の上に、別の電極1012が配置される。通常、この構造部分は、例えば、LEDとして知られている。本発明は、特定の無磁場LEDに限定されない。
【0056】
ある実施形態において、磁気源を実装するために、フリップチップ・パッケージ等のパッケージ構造を用いて、発光素子に磁性層を一体化してもよい。磁性層1018は、サブマウント1020の上に形成される。磁性層1018は、例えば、希望する方向の磁化を有する強磁性層である。強磁性層を形成するための材料は、例えば、Fe、Co、Ni、Tb等である。さらに、人工の磁性材料の代わりに、自然の磁石をその上に固着させて用いることもできる。しかしながら、磁場の方向は、適切に調整しなければならない。それから、接合バンプ等の接合構造1014および1016によって、または直接接合することによって、磁性層1018を有するサブマウント1020の上にLEDをパッケージする。その結果、磁性層1018は、LEDに磁場を生成することができる。1つの実施形態において、磁性層218の磁化方向が図面シートの外に出ている場合、磁場は希望する方向にある。磁性層1018を有するサブマウント1020とLEDは別々に使用されてもよく、所期の磁場はシングルチップ内で自給される。
【0057】
図19は、本発明の1つの実施形態に係る磁性層と一体化した発光素子の別の構造を概略的に示す断面図である。図20は、図20に関する構造を概略的に示す斜視図である。同じ見解に基づいて、磁性層は、様々な方法によって、発光素子のようにLEDと一体化することができる。
【0058】
図19において、代わりの構造として、別の実施形態で説明したように、LED構造は、ドープ半導体構造層1002と、活性層1004と、別のドープ半導体構造層1006とを備える。さらに、透明導電層1008を備えてもよい。以下の実施形態において、磁性層を実装するLED構造を例として挙げる。一つの側にあるドープ半導体構造層1002の上に、下部電極層1034が形成され、下部電極層1034に対して反対側にある透明導電層1008の上に、別の電極層1036が形成される。発光領域1040が形成される。この構造を基礎として、磁性層1038は、例えば、電極層1036の上に形成され、好ましくは、電極層1036の上にのみ形成される。方向1042を有するLED内に、例えば、磁場が生成されてもよい。さらに、電極層1034の上に、別の磁性層1044が形成されてもよい。
【0059】
図20からわかるように、例えば、ストリップパターン(strip pattern)等のパターンを有するいくつかの区域内に、電極層1036および磁性層1038を設けて、所期の磁場を生成することができる。つまり、磁場をどのように生成して光出力効果を上げるかによって、磁場を有する上部電極は、一つの部分、またはいくつかの部分の中にあってもよい。
【0060】
さらに、2つの電極が同じ側に配置されるようにLEDを設計した時は、磁気源を一体化してもよい。ここで、いくつかの例を提供する。図21は、本発明の1つの実施形態に係るパッケージングによって磁性層と一体化した発光素子の構造を概略的に示す断面図である。図21は、図19の構造を基礎として、例えば、ドープ半導体構造層1002が延伸している領域の上の電極1036と同じ側に、電極1034が形成される。また、電極1036の上に、磁性層1038が形成される。さらに、例えば、ドープ半導体構造層1002の上に、別の磁性層1044が直接配置される。
【0061】
図22は、本発明の1つの実施形態に係る磁場が印加された発光素子の構造を概略的に示す断面図である。図22において、磁場を有する電子素子の基本構造は、発光構造1100と、熱伝導材料層1102と、磁性層1104とを備える。発光素子の構造1100は、例えば、通常のLEDのように、2つの対向する側に2つの電極を有する図1の縦型構造、あるいは、同じ側に2つの電極を有する図3a及び図3bの横型構造でもよい。発光構造は、本技術分野において通常の知識を有する者に周知であるため、説明を省略する。熱伝導材料層1102と発光構造1100を結合することによって、発生した熱を発光構造1100から放散させる。磁性層1104を熱伝導材料層1102と結合して、発光構造1100に磁場を生成することによって、駆動電流の分布をシフトさせる効果をもたらすことができる。
【0062】
熱伝導材料層1102の効果は、熱を外へ伝導し、放散させることである。熱伝導材料は、例えば、大きな熱伝導率を有する銅、銀、金、アルミニウム、白金、セラミック、酸化物、またはその組み合わせでもよい。熱伝導材料は、磁場の必要に応じて、例えば、常磁性材料または強磁性材料から得てもよい。または、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、白金、錫、プラチナ、またはその合金、あるいはその他の化合物から選ばれる金属を有する材料でもよい。そのため、磁性材料から得た磁場は、発光素子の中で容易に使用することができる。熱伝導材料層が、金、銀、銅、炭素、鉛のような耐磁性または反磁性材料である場合、磁場が過度に減らないよう、厚さを減らさなければならない。通常、熱伝導材料層302の領域は、磁性層よりも大きいため、放熱ルートは磁性材料を通過せず、それによって、熱抵抗が減少し、放熱効率が上がる。
【0063】
図22の実施形態では、熱磁性層1102の中に磁性層1104を埋め込む。つまり、熱磁性層1102は、磁性層1104の上面と側面を取り囲む。この構造により、磁性層1104は、発光構造1100に近づくことができる。
【0064】
図23は、本発明の別の実施形態に係る磁場を有する発光素子の構造を概略的に示す断面図である。本実施形態において、凹部を有するSOI(silicon-on-insulator)構造1108を用いて、少なくとも1つの発光構造1114に適用する。凹部は、上部シリコン層1108cおよび絶縁層1108b内に形成され、下部シリコン層1108aを露出させる。発光構造1114に接続するための電極1116a、1116bは、例えば、下部シリコン層1108aの上の接続パッドであり、発光構造1114と電極1116a、1116bの間にパッケージバンプが接続される。また、下部シリコン層1108aは、その中に複数の導電プラグ1120を有し、接続パッドの電極1116a、1116bを下部シリコン層1108aの下表面に延伸させる。下部シリコン層308aの下表面は、別の電極層1110a、1110bとともに形成され、プラグ1120によって、発光構造1114に電気接続される。熱伝導層1102は、さらに、ヒートシンク1102として用いられ、磁性層1104を取り囲む。ヒートシンク1102は、電極層1202および1204を有し、電極層1110aおよび1110bに接続する。つまり、動作電圧は、ヒートシンク1102上の電極層1202および1204から、発光構造1114に印加される。
【0065】
図24は、本発明の別の実施形態に係る磁場を有する発光素子の構造を概略的に示す断面図である。図24では、代わりに、ワイヤボンディング(wire bonding)によって、発光構造1112を実装する。また、SOI層1108も取り入れる。しかしながら、凹部は、上部シリコン層1108の中にのみ形成され、絶縁層1108bを露出させる。電極層310aおよび310bは、凹部の側壁および下部に形成される。発光構造1112は、電極層1110aおよび1110bにワイヤボンディングしている。電極層1110aおよび1110bは、絶縁層1113によって絶縁される。電極層1110aおよび1110bは、金属でもよく、追加の反射層としても用いられる。下部シリコン層1108cおよび絶縁層1108bの中に、別の下部凹部が形成され、上部シリコン層を露出させる。それから、下部凹部の表面に、追加の導電放散層1119が形成される。導電放散層1119とともに、追加の熱伝導層1121をさらに使用してもよい。熱伝導材料層1102は、磁性層1104を取り囲み、下部シリコン層1108aを覆う導電放散層1119に接着される。また、熱伝導材料層1102の上部に、電極層1202および1204を形成して、導電放散層1119と接触してもよい。ある状況においては、発光構造1112は、ワイヤボンディングで接続されなくてもよい。代わりのオプションとして、導電放散層1119を電極として用いて、電極層1110aおよび1110bに接続し、それから発光構造1112に接続して、動作電圧を供給してもよい。
【0066】
上述したように、提示した実施形態を相互に組み合わせて、他の実施形態としてもよい。ここでは、それぞれの組み合わせについて説明しないが、本分野において通常の知識を有する者であれば理解できるであろう。
【0067】
さらに、同じ見解に基づいて、別の実施形態をさらに提供する。図25は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。図25を参照すると、本実施形態の発光素子パッケージ1400は、上述した発光素子パッケージと類似する。本実施形態の発光素子パッケージ1400は、さらに、第1キャリア1410と、第2キャリア1420と、ヒートシンク1430とを備える。第1キャリア1410は、第2キャリア1420の上に配置され、第2キャリア1420は、ヒートシンク1430の上に配置される。第1キャリア1410は、例えば、サブマウントであり、第2キャリア1420は、例えば、スラグである。本実施形態において、第1キャリア1410、第2キャリア1420およびヒートシンク1430のうちの少なくとも1つは、磁気を有し、磁気源を形成する。本実施形態において、ヒートシンク1430は、例えば、複数のフィンを有する。しかしながら、ヒートシンク1430は、フィンを有さないブロックまたは異なる形状のヒートシンクであってもよい。なお、本発明のヒートシンク1430は、フィンの形状に限定されない。また、ヒートシンク1430は、熱伝導性を有し、選択的に導電性を有してもよい。
【0068】
本実施形態において、発光構造1310と第1キャリア1410の間に接続層1440aが配置され、発光構造1310と第1キャリア1410を接合する。さらに、発光構造1310と第1キャリア1410の間に反射層1450が配置され、発光構造1310から光を反射することによって、発光素子パッケージ1400の発光効率を上げる。しかしながら、別の実施形態において、反射層1450は、第1キャリア1410と第2キャリア1410の間に配置されてもよい。さらに、別の実施形態において、発光構造1310は、接続層1440aを介して接合せずに、第1キャリア1410の上に直接接合してもよい。本実施形態において、接続層1440bは、第1キャリア1410と第2キャリア1410の間に配置され、第1キャリア1410と第2キャリア1410を接合する。しかしながら、別の実施形態において、第1キャリア1410は、接続層1440bを介して接合せずに、第2キャリア1410の上に直接接合してもよい。本実施形態において、接続層1440cは、第2キャリア1410とヒートシンク1430の間に配置され、第2キャリア1410とヒートシンク1430を接合する。しかしながら、別の実施形態において、第2キャリア1410は、接続層1440cを介して接合せずに、ヒートシンク1430の上に直接接合してもよい。さらに、本実施形態において、接続層1440a、1440bおよび1440cは、例えば、導電接着剤、絶縁接着剤、放熱接着剤、金属接着剤、非金属接着剤、金属バンプ、または他の適切な材料である。
【0069】
注意すべきこととして、本発明の発光素子パッケージは、第2キャリア1410およびヒートシンク1430を備えることに限定されない。別の実施形態において、発光素子パッケージは、ヒートシンク1430を備えていなくてもよく、第1キャリア1410および第2キャリア1410のうちの少なくとも1つは、磁気を有し、磁気源を形成する。あるいは、発光素子パッケージは、第2キャリア1410およびヒートシンク1430を備えていなくてもよく、第1キャリアは、磁気を有し、例えば、サブマウントまたはスラグである。
【0070】
図26は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。図26を参照すると、本実施形態の発光素子パッケージ1400aは、上述した図25の発光素子パッケージ1400と類似するが、以下の点で異なる。本発明は、第1キャリア1410、第2キャリア1410およびヒートシンク1430のうちの少なくとも1つが全体的に磁気を有することに限定されない。代わりに、第1キャリア1410、第2キャリア1410およびヒートシンク1430のうちの少なくとも1つの一部が磁気を有し、磁気源を形成してもよい。
【0071】
例えば、本実施形態の発光素子パッケージ1400aにおいて、第1キャリア1410aは、第1部分1412と、第1部分1412の上に設けられた第2部分1414とを備え、第2キャリア1410aは、第3部分1422と、第3部分1422の上に設けられた第4部分1424とを備え、ヒートシンク1430aは、第5部分1432と、第5部分1432の上に設けられた第6部分1434とを備える。第1部分1412および第2部分1414のうちの1つは、磁性部であり、もう一方は非磁性部である。また、第3部分1422および第4部分1424のうちの1つは、磁性部であり、もう一方は非磁性部である。さらに、第5部分1432および第6部分1434のうちの1つは、磁性部であり、もう一方は非磁性部である。
【0072】
別の実施形態において、第1キャリア、第2キャリアおよびヒートシンクのうちの2つが、それぞれ磁性部および非磁性部を有し、もう一方が磁気を有する、または有さない単一の部分を備えてもよい。あるいは、第1キャリア、第2キャリアおよびヒートシンクのうちの1つが、磁性部および非磁性部を有し、他が磁気を有する、または有さない単一の部分を備えてもよい。
【0073】
図27は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。図27を参照すると、本実施形態の発光素子パッケージ1400bは、上述した図25の発光素子パッケージ1400と類似するが、以下の点で異なる。発光素子パッケージ1400bにおいて、第2キャリア1410bは、凹部1426を有し、凹部1426の中に、発光構造1310および第1キャリア1410が設けられる。本実施形態において、第2キャリア1410bは、例えば、スラグであり、底部1422bと、側壁部1424bとを備える。側壁部1424bは、底部1422bの上に配置され、発光構造1310および第1キャリア1410を取り囲む。本実施形態において、側壁部1424bおよび第1キャリア1410は、いずれも磁気を有し、2つの磁気源を形成する。そのため、発光構造1310に印加された磁場の強度を増加させ、発光素子パッケージ1400bの発光効率をさらに向上させることができる。注意すべきこととして、本発明の凹部1426は、図27に示した形状に限定されないため、別の実施形態において、異なる形状でもよい。
【0074】
しかしながら、別の実施形態において、底部1422bは、磁気を有さなくてもよく、側壁部1424bは、磁気を有してもよい。あるいは、第2キャリア1410bは、磁気を有する、または有さない単一の部分を備えてもよい。つまり、底部1422bおよび側壁部1424bは、一体形成されてもよい。また、第1キャリア1410は、磁気を有さなくてもよい。
【0075】
図28は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。図28を参照すると、本実施形態の発光素子パッケージ1400cは、上述した図27の発光素子パッケージ1400bと類似するが、以下の点で異なる。本実施形態の発光素子パッケージ1400cは、図27に示した第2キャリア1410bを有していない。また、第1キャリア1410cは、凹部1416を有し、凹部1416の中に、発光構造1310が設けられる。さらに、第1キャリア1410cは、サブマウントまたはスラグでもよく、底部1412cおよび側壁部1414cを有する。側壁部1414cは、底部1412cの上に配置され、発光構造1310を取り囲む。本実施形態において、底部1412cまたは側壁部1414cは、磁気を有する。しかしながら、別の実施形態において、第1キャリア1410cは、磁気を有する、または有さない単一の部分を備えてもよい。本実施形態において、第1キャリア1410cとヒートシンク1430の間に、接続層1440bが配置され、第1キャリア1410cとヒートシンク1430を接合する。
【0076】
図29は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。図29を参照すると、本実施形態の発光素子パッケージ1400dは、上述した図25の発光素子パッケージ1400と類似するが、以下の点で異なる。発光素子パッケージ1400dにおいて、ヒートシンク1430dは、部分1432dと、別の部分1434dとを備え、これらは図26の部分1432および部分1434の変更形態である。部分1432dは、部分1434dを收納するための凹部1436を有する。第2キャリア1410は、磁性部1432dおよび部分1434dの両方の上に配置され、部分1432dと部分1434dの間の境界線Bを横切る。本実施形態において、部分1432dは、非磁性部であり、部分1434dは、磁性部である。非磁性部の熱伝導率は、磁性部の熱伝導率よりも大きいため、熱伝導経路Pは、発光構造1310から第1キャリア1410および第2キャリア1410を通って部分1432dへ形成される。主な熱伝導経路Pは、磁性材料を通過しないため、本実施形態の発光素子パッケージ1400dの放熱効率は、比較的良好である。
【0077】
しかしながら、別の実施形態において、第5部分1432dおよび第6部分1434dは、それぞれ磁性部および非磁性部であってもよい。図30は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。図30を参照すると、本実施形態の発光素子パッケージ1400eは、上述した図25の発光素子パッケージ1400と類似するが、以下の点で異なる。発光素子パッケージ1400eにおいて、発光構造1310と第1キャリア1410の間に、銅、銀、アルミニウムまたはセラミックのような熱伝導素子1460が配置され、発光構造1310からの放熱率を増加させる。熱伝導素子1460は、例えば、熱伝導層である。
【0078】
図31は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。図31を参照すると、本実施形態の発光素子パッケージ1400fは、上述した図25の発光素子パッケージ1400と類似するが、以下の点で異なる。発光素子パッケージ1400fにおいて、第1キャリア1410の上に、磁気素子1470が配置され、磁気素子1470の上に、発光構造1310が配置される。磁気素子1470は、例えば、磁性層であり、磁気源を形成する。第1キャリア1410、第2キャリア1420およびヒートシンク1430の全てが、磁気を有していなくてもよい。あるいは、第1キャリア1410、第2キャリア1420およびヒートシンク1430のうちの少なくとも1つの少なくとも一部が磁気を有していてもよい。
【0079】
図32は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。図32を参照すると、本実施形態の発光素子パッケージ1400gは、上述した図25の発光素子パッケージ1400と類似するが、以下の点で異なる。本実施形態の発光素子パッケージ1400gは、さらに、カプセル材料1480と、磁気フィルム1490とを備える。カプセル材料1480は、発光構造1310および第1キャリア1410を包む。本実施形態において、カプセル材料1480の材料は、例えば、シリコン樹脂またはその他の樹脂である。また、カプセル材料1480は、蛍光体でドーピングされても、またはドーピングされなくてもよい。磁気フィルム1490は、カプセル材料1480の上に配置され、磁気源を形成する。本実施形態において、発光素子パッケージ1400gは、さらに、磁気フィルム1490の上に配置されたレンズ1510を備える。また、本実施形態において、第2キャリア1410gは、凹部1426gを有し、発光構造1310および第1キャリア1410を含有する。
【0080】
本実施形態において、第1キャリア1410、第2キャリア1410gおよびヒートシンク1430の全てが、磁気を有していなくてもよい。しかしながら、別の実施形態において、第1キャリア1410、第2キャリア1410gおよびヒートシンク1430のうちの少なくとも1つの少なくとも一部が、磁気を有していてもよい。
【0081】
図33は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。図33を参照すると、本実施形態の発光素子パッケージ1400hは、上述した図32の発光素子パッケージ1400gと類似するが、以下の点で異なる。発光素子パッケージ1400hにおいて、複数の磁性粉1482がカプセル材料1480の中でドーピングされて、磁気源を形成する。別の実施形態において、発光素子パッケージは、磁気フィルム1490を備えずに、磁性粉1482を備えてもよい。
【0082】
図34は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。図34を参照すると、本実施形態の発光素子パッケージ1400iは、上述した図27の発光素子パッケージ1400bと類似するが、以下の点で異なる。発光素子パッケージ1400iにおいて、第2キャリア1410bの底部1422bおよび第2キャリア1410bの側壁部1424bの上、すなわち、凹部1426の内表面1428の上に、反射層1520が配置されて、発光構造1310から光を反射し、それによって、発光素子パッケージ1400iの発光効率が上がる。
【0083】
図35は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。図35を参照すると、本実施形態の発光素子パッケージ1400jは、上述した図28の発光素子パッケージ1400cと類似するが、以下の点で異なる。発光素子パッケージ1400jにおいて、第1キャリア1410cの底部1412cおよび第1キャリア1410cの側壁部1414cの上、すなわち、凹部1416の内表面1418の上に、反射層1530が配置される。本実施形態において、接続層1440bは、第1キャリア1410cとヒートシンク1430を接合する。
【0084】
図36は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。図36を参照すると、本実施形態の発光素子パッケージ1400kは、上述した図32の発光素子パッケージ1400gと類似するが、以下の点で異なる。発光素子パッケージ1400kにおいて、第1キャリア1410kは、リードフレーム(lead frame)であるが、図32のようなサブマウントではない。本実施形態において、第1キャリア1410kは、磁気を有する。また、カプセル材料1480kは、発光構造1310と、第1キャリア1410kの一部を包む。本実施形態において、カプセル材料1480kの材料は、例えば、エポキシ樹脂、シリコン樹脂またはその他の樹脂である。
【0085】
図37は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。図37を参照すると、発光素子パッケージ1400lは、上述した図36の発光素子パッケージ1400kと類似するが、以下の点で異なる。発光素子パッケージ1400lにおいて、複数の磁性粉1428lは、カプセル材料1480lの中でドーピングされる。また、磁気素子1470lは、第1キャリア1470kの上に配置され、発光構造1310は、磁気素子1470lの上に配置される。本実施形態において、磁気素子1470lは、例えば、磁性層である。また、発光構造1310と磁気素子1470lの間に接続層1440dが配置されてもよく、磁気素子1470lと第1キャリア1410kの間に別の接続層1440eが配置されてもよい。
【0086】
別の実施形態において、発光素子パッケージは、磁性粉1482lを備えるが、磁気素子1470lを備えていなくもよく、第1キャリア1410kは、磁気を有しても、有していなくてもよい。あるいは、発光素子パッケージは、磁気素子1470lを備えるが、磁性粉1482lを備えていなくもよく、第1キャリア1410kは、磁気を有しても、有していなくてもよい。
【0087】
図38は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの概略的断面図である。図38を参照すると、本実施形態の発光素子パッケージ1400mは、上述した図31の発光素子パッケージ1400fと類似するが、以下の点で異なる。発光素子パッケージ1400mは、さらに、発光構造1310を取り囲み、磁気源を形成する磁性層1540を備える。キャリア1410は、例えば、円形、楕円形、矩形、台形、逆台形、またはカップ形の形状をした収容空間を有する。本実施形態において、第1キャリア1410は、磁気を有しても、有していなくてもよい。
【0088】
図39は、本発明の1つの実施形態に係る発光素子パッケージの断面図である。図39を参照すると、本実施形態の発光素子パッケージ1400nは、上述した図38の発光素子パッケージ1400mと類似するが、以下の点で異なる。発光素子パッケージ1400nにおいて、第1キャリア1410および磁気リング1540の内表面1542の両方の上に、反射層1450mを配置することによって、発光素子パッケージ1400nの発光効率が上がる。
【0089】
注意すべきこととして、上述した発光素子パッケージ1400および1400a〜1400nの発光構造1310は、縦型でも横型でもよい。発光方向は、それに応じて選択される。
【0090】
以上のように、本発明の実施形態に係る発光素子パッケージは、磁気源を発光素子のそばに配置して、発光素子に磁場を印加するため、発光素子の電流の経路が磁場によってより好適な経路に変更され、それによって、発光素子パッケージの発光効率が上がる。
【0091】
本発明の実施形態に係る発光素子パッケージが縦型の発光素子パッケージの時、磁場は、発光素子の中の電流にローレンツ力(Lorentz force)を生成し、電極の下の領域から離れる方向に沿って電流を押し出す。この場合、電流は、電極の下に集まらず、電極の下の領域から離れる方向に沿って広がるため、発光層に生成されたより多くの光子が電極によってブロックされず、それによって、発光素子パッケージの発光効率が上がる。
【0092】
本発明の実施形態に係る発光素子パッケージが横型の発光素子パッケージの時、磁場は、ローレンツ力および磁気抵抗効果を生成して、第1電極と第2電極の間の方向経路の外へ電流を押し出すため、発光素子の中の電流はより均一になり、発光層から発せられた光子をより均一にする。
【0093】
このように、均一な光を発するためにより大きな領域を必要とする場合でも、発光素子の表面領域は、相対的に小さくてもよい。
【0094】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【符号の説明】
【0095】
100、200、300、400、500、600、700a、700b、700c 発光素子
110、120、210、220、310、320、350、360、402、404、426、428、452、458、966、968、992、994、1010、1012、1116a、1116b、1202、1204 電極
130、330 半導体発光層
132 第1導電型半導体層
134 第2導電型半導体層
332 第1導電型層
334 第2導電型層
340 磁気源
406 磁場
420、450 LED
422、460 磁性基板
424、515、561、952、1000 基板
430、456、513、556、613、713、956、1004 活性層
432 第1ドープ構造層
434 第2ドープ構造層
454 構造積層
510、564、610、710、820〜850 発光チップ
511、568、611、711 第1電極
512、558、612、712 第1ドープ層
514、554、614、714 第2ドープ層
516、552、615、715 第2電極
520、550、620 磁性サブマウント
560、660、960’、1450、1450m、1520、1530 反射層
562、960、1008 透明導電層
720 磁性材料
730、740、950、984、1018、1038、1044、1104、1540 磁性層
810、1020 サブマウント
962 粗面
954 下部ドープ積層
958 上部ドープ積層
964、964’、964” 基本構造
970、1040 発光領域
980、982 接合バンプ
1002、1006 ドープ半導体構造層
1014、1016 接合構造
1034 下部電極層
1036、1110a、1110b、1202、1204 電極層
1042 方向
1100、1112、1114、1310 発光構造
1102 熱伝導材料層
1108 SOI構造
1108a 下部シリコン層
1108b、1113 絶縁層
1108c 上部シリコン層
1119 導電放散層
1120 導電プラグ
1121 熱伝導層
1400、1400a〜1400n 発光素子パッケージ
1410、1410a、1410c、1410k 第1キャリア
1412 第1部分
1414 第2部分
1416、1426、1426g、1436 凹部
1418、1428、1542 内表面
1420、1420a、1420b、1420g 第2キャリア
1422 第3部分
1424 第4部分
1430、1430a、1430d ヒートシンク
1432、1432d 第5部分
1434、1434d 第6部分
1440a、1440b、1440c、1440d、1440e 接続層
1422b、1412c 底部
1424b、1414c 側壁部
1460 熱伝導素子
1470、1470l 磁気素子
1480、1480k カプセル材料
1482、1482l 磁性粉
1490 磁気フィルム
1510 レンズ
1540 磁気リング
1542 内表面
B 境界線
P 熱伝導経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ドープ構造層と、第2ドープ構造層と、前記2つのドープ構造層の間にある活性層と、第1電極と、第2電極とを備え、前記第1電極および前記第2電極が、それぞれ前記第1ドープ構造層および前記第2ドープ構造層に電気的に結合された発光構造と、
前記発光構造に隣接して、前記発光構造で磁場を生成する磁性構造とを、備えた発光素子。
【請求項2】
前記磁性構造が、前記発光構造と連結した請求項1記載の発光素子。
【請求項3】
前記第1電極および前記第2電極が、前記発光構造の同じ側にあり、前記磁場が、前記発光構造の駆動電流を横方向にシフトさせて、前記発光構造内に再分配する請求項1記載の発光素子。
【請求項4】
前記第1電極および前記第2電極が、前記発光構造の対向する2つの側にあり、前記発光構造の底部に前記磁性層が配置され、前記磁場が、前記第1電極と前記第2電極の間で前記発光構造の駆動電流を縦方向にシフトさせる請求項1記載の発光素子。
【請求項5】
前記発光構造が、基板をさらに備え、前記磁性構造が、前記基板の上に配置され、前記第2ドープ構造層が、前記基板および前記磁性構造の上に配置された請求項1記載の発光素子。
【請求項6】
前記磁性構造が、複数の磁性物質層を備え、前記基板の上に分配される請求項5記載の発光素子。
【請求項7】
前記発光素子が、基板をさらに備え、前記第2ドープ構造層が、前記基板の上に配置された請求項1記載の発光素子。
【請求項8】
前記発光構造が、前記第2電極の上に配置された反射層をさらに備え、前記第2電極が、前記磁性構造の上に配置された請求項7記載の発光素子。
【請求項9】
前記発光構造が、基板をさらに備え、前記第2ドープ構造層が、前記基板の上に配置され、前記第2電極が、光反射機能も有する請求項1記載の発光素子。
【請求項10】
前記発光構造が、前記第1電極と接触する透明導電層をさらに備えた請求項1記載の発光素子。
【請求項11】
前記発光構造が、前記第1ドープ構造層の上に配置された基板をさらに備え、前記第2電極が、前記磁性構造の上に配置された請求項1記載の発光素子。
【請求項12】
前記発光構造が、前記基板と前記第1電極の間で接触した状態の透明導電層をさらに備えた請求項10記載の発光素子。
【請求項13】
前記第2電極層と前記第2ドープ構造層の間に反射層をさらに備えた請求項1記載の発光素子。
【請求項14】
前記磁性構造が、第1電極の上にのみ配置され、前記第1電極が、前記磁性構造と前記第1ドープ構造層の間に配置された請求項1記載の発光素子。
【請求項15】
前記磁性構造が、前記第1電極と、前記第1ドープ構造層の露出した部分の上に配置された請求項1記載の発光素子。
【請求項16】
前記磁性構造が、前記第1ドープ構造層の露出した部分の上に配置された請求項1記載の発光素子。
【請求項17】
前記磁性構造が、複数の凹状領域を有する構造層であり、前記各凹状領域が、前記発光構造のうちの少なくとも1つとともに配置された請求項1記載の発光素子。
【請求項18】
下部ドープ構造層と、
前記下部ドープ構造層の上に配置された活性層と、
前記活性層の上に配置された上部ドープ構造層と、
前記上部ドープ構造層の上に電気結合によって配置された第1電極と、
前記下部ドープ構造層の上に電気結合によって配置された第2電極とを、備え、
前記第1電極および前記第2電極が、前記活性層の同じ側にある発光構造と、
前記発光構造と連結し、前記活性層に対して実質的に垂直方向の磁場を生成する磁性層とを、備えた発光素子。
【請求項19】
前記発光構造が、前記下部ドープ構造層とともに配置された基板をさらに備え、前記磁性層が、前記基板の上に連結した請求項18記載の発光素子。
【請求項20】
前記発光構造が、前記上部ドープ構造層の上に配置された透明導電層をさらに備えた請求項18記載の発光素子。
【請求項21】
前記透明導電層が、粗面を有する請求項20記載の発光素子。
【請求項22】
前記発光構造が、前記下部ドープ構造層とともに配置された基板をさらに備え、前記磁性層が、パッケージ構造によって、前記第1電極および前記第2電極と連結した請求項18記載の発光素子。
【請求項23】
前記発光構造が、前記上部ドープ構造層と前記第1電極の間に配置された反射層をさらに備えた請求項22記載の発光素子。
【請求項24】
前記磁性層が、パッケージ構造によって、前記第1電極および前記第2電極と連結し、前記磁性層が、基板としても用いられる請求項18記載の発光素子。
【請求項25】
前記第1電極および前記第2電極が、前記印加された磁場にしたがって、2つの位置に設けられた請求項18記載の発光素子。
【請求項26】
前記発光構造が、矩形または正方形の発光領域を有し、前記印加された磁場にしたがって、前記2つの電極のうちの1つが、前記発光領域の角に設けられ、前記2つの電極のうちの別の1つが、前記発光領域の側に設けられた請求項25記載の発光素子。
【請求項27】
第1ドープ構造層と、
第2ドープ構造層と、
前記2つのドープ構造層の間にある活性層と、
前記第1ドープ構造層および前記第2ドープ構造層にそれぞれ電気的に結合された第1電極および第2電極とを、備えた発光構造と、
パッケージ構造によって、前記第1電極および前記第2電極の上の前記発光構造と連結して、前記発光構造で磁場を生成する磁性層とを、備えた発光素子。
【請求項28】
前記磁性層が、
サブマウント層と、
前記サブマウント層の上にある磁気フィルムとを備え、前記第1電極および前記第2電極が、前記パッケージ構造によって、前記磁気フィルムと接続された請求項27記載の発光素子。
【請求項29】
前記パッケージ構造が、パッケージバンプを備えた請求項28記載の発光素子。
【請求項30】
第1側および第2側を有する発光素子であって、
第1ドープ構造層と、
第2ドープ構造層と、
前記2つのドープ構造層の間にある活性層と、
前記第1ドープ構造層の上に電気結合によって配置された第1電極と、
前記第2ドープ構造層の上に電気結合によって配置された第2電極とを、備えた発光構造と、
前記第1側で前記第1電極の上に配置された第1磁性層と、
前記第2側で前記第2ドープ構造層の上に配置された第2磁性層とを、備えた発光素子。
【請求項31】
前記第1ドープ構造層の上に配置された透明導電層をさらに備えた請求項30記載の発光素子。
【請求項32】
前記第1磁性層および前記第1電極が、前記第1ドープ構造層の上に分配された複数の積層を形成する請求項30記載の発光素子。
【請求項33】
前記第2電極が、前記第2側で前記第2ドープ構造層の上に配置され、前記第2磁性層が、前記第2電極の上に配置された請求項30記載の発光素子。
【請求項34】
前記第2電極が、前記第1側に面する前記第2ドープ構造層の露出した部分の上に配置され、前記第2磁性層が、前記第2ドープ構造層の上に配置された請求項30記載の発光素子。
【請求項35】
発光構造と、
前記発光構造と連結して、前記発光構造によって発生した熱を放散する熱伝導材料層と、
前記熱伝導材料層と連結して、前記発光構造で磁場を生成する磁性層とを、備えた発光素子。
【請求項36】
前記発光構造が、前記熱伝導材料層の上にあり、前記磁性層が、前記熱伝導材料層の中に入り込んだ請求項35記載の発光素子。
【請求項37】
前記磁性層が、第1側で前記発光構造の上に配置され、
前記熱伝導材料層が、前記第1側で前記発光構造の上に配置されて、前記磁性層を取り囲み、
第1電極層および第2電極層が、前記熱伝導材料層の上に配置されて、前記発光構造を電気的に接続する請求項35記載の発光素子。
【請求項38】
前記発光構造が、
下部シリコン層、絶縁層および上部シリコン層からなり、前記トップシリコンおよび前記絶縁層が、凹部を有して、下部シリコン層の一部を露出させるSOI層と、
前記凹部内で前記下部シリコン層に実装される少なくとも1つの発光ユニットとを、備えた請求項37記載の発光素子。
【請求項39】
前記発光構造が、
前記下部シリコン層の中に形成された複数の導電プラグと、
前記下部シリコン層の下表面にある導電パターン層とを、備え、前記導電プラグおよび前記導電パターン層が、相互接続構造を形成して、前記少なくとも1つの発光ユニットを前記熱導電材料層の上の前記第1電極層および前記第2電極層に接続する請求項38記載の発光素子。
【請求項40】
前記発光構造が、
下部シリコン層、絶縁層および上部シリコン層からなり、前記トップシリコンが、第1凹部を有して、前記絶縁層を露出させるとともに、前記絶縁層および前記下部シリコン層の中の複数の第2凹部が、前記上部シリコン層を露出させるSOI層と、
前記第1凹部の周辺に形成された第1金属層および第2金属層と、
前記第1電極および前記第2電極の上の前記第1凹部内で、前記絶縁層の上に配置された発光ユニットと、
前記絶縁層および前記下部シリコン層の中の前記第2凹部に形成され、前記熱伝導材料層の上の前記第1電極層および前記第2電極層と接触する部分を有する熱伝導層とを、備えた請求項37記載の発光素子。
【請求項41】
ヒートシンクと、
前記ヒートシンクの上に積み重ねた構造キャリアと、
前記構造キャリアの上に積み重ねた発光構造とを、備え、前記構造キャリアおよび前記ヒートシンクの少なくとも一部が、磁気を有し、前記発光構造で磁場を生成する発光素子。
【請求項42】
前記ヒートシンクが、磁性材料でもある請求項41記載の発光素子。
【請求項43】
前記構造キャリアが、積み重ねた状態の第1キャリアおよび第2キャリアを有し、前記第1キャリアが、前記発光構造と前記第2キャリアの間にある請求項41記載の発光素子。
【請求項44】
前記第1キャリア、前記第2キャリアおよび前記ヒートシンクのうちの少なくとも1つが、磁性部を有する請求項43記載の発光素子。
【請求項45】
前記第2キャリアが、平面層部を有し、前記平面層部の周辺にある突出部が、前記発光構造を取り囲むことによって、前記第2キャリアが凹部を形成した請求項43記載の発光素子。
【請求項46】
前記第2キャリアが、前記凹部の内表面に配置された反射層を備えた請求項45記載の発光素子。
【請求項47】
前記平面層部および前記第2キャリアの突出部のうちの少なくとも1つが、磁性部を有する請求項45記載の発光素子。
【請求項48】
前記構造キャリアが、単一キャリア層である請求項41記載の発光素子。
【請求項49】
前記キャリアおよび前記ヒートシンクのうちの少なくとも1つが、磁性部を有する請求項48記載の発光素子。
【請求項50】
前記キャリアが、平面層部を有し、前記平面層部の周辺にある突出部が、前記発光構造を取り囲むことによって、前記第2キャリアが、凹部を形成した請求項48記載の発光素子。
【請求項51】
前記第2キャリアが、前記凹部の内表面に配置された反射層を備えた請求項50記載の発光素子。
【請求項52】
前記発光構造と前記構造キャリアの間に熱伝導層をさらに備えた請求項41記載の発光素子。
【請求項53】
前記発光構造と前記構造キャリアの間に磁性層をさらに備えた請求項41記載の発光素子。
【請求項54】
前記ヒートシンクと前記構造キャリアの間に磁性層をさらに備えた請求項41記載の発光素子。
【請求項55】
ヒートシンクと、
前記ヒートシンクの上に積み重なり、側壁のある凹状領域を有する構造キャリアと、
前記凹状領域内で前記構造キャリアの上に積み重なる発光構造と、
前記空間内を満たし、磁性材料粉を含むか、あるいは含まないカプセル材料とを、備えた発光素子。
【請求項56】
前記構造キャリアの前記側壁の上部に配置され、前記凹状領域を覆うことにより空間を形成するレンズキャップと、
前記レンズキャップとともに、前記カプセル材料に対して前記構造キャリアの前記側壁の上部に配置された磁気キャップとを、備えた請求項55記載の発光素子。
【請求項57】
前記カプセル材料が、前記磁性材料粉を含み、磁気キャップが、前記レンズキャップとともに、前記構造キャリアの前記側壁の前記上部に配置された請求項56記載の発光素子。
【請求項58】
前記ヒートシンクを有する前記構造キャリアの少なくとも一部が、磁性材料をさらに有するか、あるいは、前記ヒートシンクを有する前記構造キャリアが、磁性材料を有さない請求項56記載の発光素子。
【請求項59】
前記ヒートシンクを有する前記構造キャリアの少なくとも一部が、磁性部をさらに有する請求項55記載の発光素子。
【請求項60】
前記構造キャリアが、第1キャリアおよび第2キャリアを備え、前記第1キャリアが、前記発光構造と前記第2キャリアの間にあって、前記側壁が、前記第2キャリアの上にある請求項55記載の発光素子。
【請求項61】
少なくとも前記構造キャリアの前記側壁の上に反射層が配置された請求項55記載の発光素子。
【請求項62】
発光構造と、
前記発光構造を保持する磁性保持キャリアとを、備えた発光素子。
【請求項63】
前記発光構造と、前記磁性保持キャリアの一部を包むカプセル材料をさらに備えた請求項62記載の発光素子。
【請求項64】
発光構造と、
前記発光構造の下にある磁性層と、
前記発光構造と前記磁性層を保持する保持キャリアと、
前記発光構造と、前記磁性保持キャリアの一部を包むカプセル材料とを、備えた発光素子。
【請求項65】
前記カプセル材料が、磁性粉を含み、前記保持キャリアが、磁性材料である請求項64記載の発光素子。
【請求項66】
前記カプセル材料が、磁性粉を含み、前記保持キャリアが、磁性材料ではない請求項64記載の発光素子。
【請求項67】
前記カプセル材料が、磁性粉を含まず、前記保持キャリアが、磁性材料である請求項64記載の発光素子。
【請求項68】
前記カプセル材料が、磁性粉を含まず、前記保持キャリアが、磁性材料ではない請求項64記載の発光素子。
【請求項69】
キャリアと、
前記キャリアの上に配置され、収容空間を有する磁性層と、
前記収容空間内で、前記キャリアの上に配置された発光構造とを、備えた発光素子。
【請求項70】
前記キャリアが、磁気を有する請求項69記載の発光素子。
【請求項71】
前記キャリアが、磁気を有さない請求項69記載の発光素子。
【請求項72】
前記キャリアと前記発光構造の間に反射層をさらに備えた請求項69記載の発光素子。
【請求項73】
前記反射層が、前記磁気リングの内表面にさらに延伸した請求項72記載の発光素子。
【請求項74】
前記キャリアと前記発光構造の間に磁性層をさらに備えた請求項69記載の発光素子。
【請求項75】
前記キャリアが、円形、楕円形、矩形、台形、逆台形、またはカップ形の形状をした収容空間を有する請求項69記載の発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12(a)】
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【図12(b)】
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【図12(c)】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公表番号】特表2011−509524(P2011−509524A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541679(P2010−541679)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【国際出願番号】PCT/CN2008/073758
【国際公開番号】WO2009/089739
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(390023582)財団法人工業技術研究院 (524)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】