説明

移動体パケット通信システム、ノード装置及びそれらに用いるPDPコンテキスト継続方法

【課題】 中継装置の一時的な障害(輻輳も含む)時におけるPDPコンテキストの解放を抑止し、移動体加入者による再接続動作を不要とすることが可能な移動体パケット通信システムを提供する。
【解決手段】 SGSN1は中継装置3向けのICMP−ECHO−Request103の送信と、中継装置3からのICMP−ECHO−Reply104の受信とによって中継装置3の正常性を確認する。SGSN1はGTP−ECHO不通が発生した場合でも、中継装置3の障害の有無を確認し、中継装置3に障害の可能性がある場合、PDPコンテキスト11の解放を実施しない。SGSN1は中継装置3の故障が復旧した場合、GGSN2がPDPコンテキスト21を解放しているか、継続しているかを確認し、継続している場合、そのまま自ノードでもPDPコンテキスト11を継続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動体パケット通信システム、ノード装置及びそれらに用いるPDPコンテキスト継続方法並びにそのプログラムに関し、特に移動体パケット通信におけるPDP(Pakcet Data Protocol)コンテキスト(セッション)の継続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体パケット通信システムとしては、GPRS(General Packet Radio Service)システムがある。GPRSシステムはデータ端末が送受信するデータをパケットのままの形で移動通信ネットワーク内でも転送する移動パケット通信方式である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この方式では、従来、回線交換での提供が主流であったリアルタイム性のある情報(例えば、音声、動画等)についても、パケット通信方式にサービス品質(速度、遅延等)を満足するQoS(Quality of service)制御を導入することによって提供可能となっている。
【0004】
このQoS制御として、GPRSシステムを構成するMS(Mobile Station:移動機)、RNC(Radio Network Controller)、SGSN(Serving GPRS Support Node)(在圏ノード)、GGSN(Gateway GPRS Support Node)(関門ノード)の間でPDP(Packet Data Protocol)コンテキスト(PDP context)確立がなされている。尚、MS−SGSN間はRAN(Radio Access Network)であり、SGSN−GGSN間はコアネットワーク(バックボーンネットワーク)で接続されている。
【0005】
ここで、SGSNの主な機能としては在圏加入者情報管理、在圏加入者移動管理、発着信制御、トンネリング制御、課金制御、QoS制御等があり、GGSNの主な機能としてはISP(Internet Services Provider)アクセス管理、アドレス管理、発着信制御、トンネリング制御、課金制御、QoS制御等がある。
【0006】
パケット通信の特徴はユーザにも浸透しつつあり、混雑状況によっては通信しづらいという認知ができつつある。別の見方をすると、パケット通信では混雑していても通信しづらくはなるが、セッションが解放されることはないことがメリットであるとの認知がユーザにあるといえる。
【0007】
このような状況において、GTP(GPRS Tunneling Protocol)−ECHO−Request/Replyによる正常性確認だけでPDPコンテキストの解放つまりセッションの切断を行うことは、再度セッショ開始手順の実施をユーザに促すことになり、ユーザの認知しているパケット通信のメリットと相反することになる。
【0008】
特に、途中までダウンロードをした状態でのセッションの切断や、データ表示途中での必要な情報を記録する前のセッションの切断は、加入者に対して不利益となる。上記の移動体パケット通信システムでは、中継網にIP(Internet Protocol)を用いていることから、今後のトラヒック増によっては中継装置の輻輳や一時的障害の発生頻度も高くなると考えられ、なるべくセッションを継続する技術の提供が必要である。
【0009】
【特許文献1】特表2002−530023号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した従来の移動体パケット通信システムでは、中継装置の一時的な故障・輻輳によってもGTP−ECHOによるノード間の正常性確認のみでPDPコンテキストの解放を実施している。これは、GTP−ECHOの正常性確認が失敗した原因が、中継装置であるのか、相手ノードであるかが判断できないためである。
【0011】
特に、中継装置の一時的な故障であった場合に、中継装置が故障から復旧したとしても、ユーザは再度パケット通信開始の手続きを実行する必要がある。ユーザによる再度のパケット通信開始手続きは、それまでの継続していた通信の結果を廃棄してしまうことになり、例えば大規模データのダウンロードを実施している場合等では、非常に不便となる。
【0012】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、中継装置の一時的な障害(輻輳も含む)時におけるPDPコンテキストの解放を抑止し、移動体加入者による再接続動作を不要とすることができる移動体パケット通信システム、ノード装置及びそれらに用いるPDPコンテキスト継続方法並びにそのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による移動体パケット通信システムは、ノード装置間で同一のPDP(Pakcet Data Protocol)コンテキストを管理することで、中継装置を介して行われる前記ノード装置間の通信のセッションを確立する移動体パケット通信システムであって、
前記ノード装置各々は、前記中継装置の故障であると判定した時に前記PDPコンテキストを解放しないように制御する制御手段を備えている。
【0014】
本発明によるノード装置は、他のノード装置との間で同一のPDP(Pakcet Data Protocol)コンテキストを管理することで、中継装置を介して行われる前記他のノード装置との間の通信のセッションを確立するノード装置であって、
前記中継装置の故障であると判定した時に前記PDPコンテキストを解放しないように制御する制御手段を備えている。
【0015】
本発明によるPDPコンテキスト継続方法は、ノード装置間で同一のPDP(Pakcet Data Protocol)コンテキストを管理することで、中継装置を介して行われる前記ノード装置間の通信のセッションを確立する移動体パケット通信システムに用いられるPDPコンテキスト継続方法であって、前記ノード装置各々が、前記中継装置の故障であると判定した時に前記PDPコンテキストを解放しないように制御する処理を実行している。
【0016】
本発明によるPDPコンテキスト継続方法のプログラムは、ノード装置間で同一のPDP(Pakcet Data Protocol)コンテキストを管理することで、中継装置を介して行われる前記ノード装置間の通信のセッションを確立する移動体パケット通信システムに用いられるPDPコンテキスト継続方法であって、前記ノード装置のコンピュータに、前記中継装置の故障であると判定した時に前記PDPコンテキストを解放しないように制御する処理を実行させている。
【0017】
すなわち、本発明の移動体パケット通信システムは、GPRS(General Packet Radio System)パケット通信において、加入者ノードSGSN(Serving GPRS Support Node)と関門ノードGGSN(Gateway GPRS Support Node)とで同一のPDP(Pakcet Data Protocol)コンテキストを管理することで通信のセッションを確立する。ここで、GPRSパケット通信は移動体通信のパケットサービスを示し、SGSNは移動体パケットサービスを提供する加入者交換機の位置付けのノード装置を示し、GGSNは移動体パケットサービスを提供する関門交換機の位置付けのノード装置を示している。
【0018】
PDPコンテキストは移動体加入者がセッション確立操作を実施することで、SGSNとGGSNとに生成されるもので、通信のための各種情報が格納されている。ここで、PDPはIP(Internet Protocol)やITU−T(International Telecommunication Union−Telecommunication Standarzation Sector)勧告のX.25を指している。また、PDPコンテキストはパケット通信を行うための各ノードに保存された通信の情報であり、IP通信であれば、加入者のIPアドレスやノード間での識別子情報等である。
【0019】
GPRSではノード間の正常性確認のために、GTP(GPRS Tunneling Protocol)−ECHO Requestメッセージを送信し、その応答メッセージであるGTP−ECHO Replyを受信することで、ノード間の正常性確認をしている。この確認はPDPコンテキスト単位の確認ではなく、ノード単位の確認となる。
【0020】
ここで、中継装置に故障が発生すると、SGSNとGGSNとの間で実施されている正常性確認がNGとなるため、互いのノード(SGSN及びGGSN)でPDPコンテキストを解放するように定められている。上記の中継装置の故障が短時間で復旧したとしても、互いのノードではPDPコンテキストの解放となってしまう場合がある。
【0021】
また、互いのノードでのノード間の不具合判定基準によっては、一方のノードではPDPコンテキストが解放され、他方のノードではPDPコンテキストが解放されない事態が発生しうる。
【0022】
本発明の移動体パケット通信システムでは、上記のような事態において、1)中継装置の故障を判定すること、2)中継装置の故障の場合にはPDPコンテキストを解放しないこと、3)中継装置の故障が復旧後に相手ノードがPDPコンテキストを解放している・いないを確認する手段を有することを特徴とし、サービス性を向上させている。
【0023】
本発明の移動体パケット通信システムでは、中継装置に不具合が発生し、その後に不具合から復旧した時の状況にしたがって以下のような動作を行う。
1)中継装置向けのICMP(Internet Control Message Protocol)−ECHO−Request送信と、中継装置からのICMP−ECHO−Reply受信とによって中継装置の正常性を確認する。
2)万が一、GTP−ECHO不通が発生した場合でも、中継装置の障害の有無を確認し、中継装置に障害の可能性がある場合には、PDPコンテキストの解放を実施しない。
3)中継装置の故障が復旧した場合には、相手ノードがPDPコンテキストを解放しているか、継続しているかを確認し、継続している場合には、そのまま自ノードでもPDPコンテキストを継続する。
4)相手ノードでPDPコンテキストを解放している場合には、自ノードのPDPコンテキストを解放する。
5)相手ノードがPDPコンテキストを継続しているかの確認には、レングス=ゼロバイトのGTP−Uメッセージを送信する。Error Indが返送されてくれば、相手ノードはPDPコンテキストを解放したと判定し、なにも応答がなければPDPコンテキストを保持していると判定する。
【0024】
これによって、本発明の移動体パケット通信システムでは、中継装置の一時的な障害(輻輳も含む)時にPDPコンテキストの解放をしなくて済むので、移動体加入者によって再接続動作をする必要がなくなる。また、通信のEND−END再送機能等で回復可能な場合には、加入者が一時的な故障にさえ気付くことなく通信を継続することが可能となる。従来の動作、つまり、セッションの解放を行う場合でも、その後の加入者の動作が、多くの場合、再度接続すると予測することが可能となるので、解放動作をしないことで、不要な呼処理能力の消費を抑えることが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、以下に述べるような構成及び動作とすることで、中継装置の一時的な障害(輻輳も含む)時におけるPDPコンテキストの解放を抑止し、移動体加入者による再接続動作を不要とすることができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態による移動体パケット通信システムの構成を示すブロック図である。図1において、本発明の実施の形態による移動体パケット通信システムは、GPRS(General Packet Radio System)パケット通信において、SGSN(Serving GPRS Support Node:加入者ノード)1と、GGSN(Gateway GPRS Support Node:関門ノード)2とで同一のPDP(Pakcet Data Protocol)コンテキスト11,21を管理することで、通信のセッションを確立する。
【0027】
ここで、GPRSパケット通信は移動体通信のパケットサービスを示し、SGSN1は移動体パケットサービスを提供する加入者交換機の位置付けのノード装置を示し、GGSN2は移動体パケットサービスを提供する関門交換機の位置付けのノード装置を示している。
【0028】
PDPコンテキスト11,21は移動体加入者がセッション確立操作を実施することで、SGSN1とGGSN2とにおいて生成されるもので、通信のための各種情報が格納されている。ここで、PDPはIP(Internet Protocol)やITU−T(International Telecommunication Union−Telecommunication Standarzation Sector)勧告のX.25を指している。また、PDPコンテキスト11,21はパケット通信を行うための各ノードに保存された通信の情報であり、IP通信であれば、加入者のIPアドレスやノード間での識別子情報等である。
【0029】
GPRSではSGSN1とGGSN2との間の正常性確認のために、GTP(GPRS Tunneling Protocol)−ECHO Request101を送信し、その応答メッセージであるGTP−ECHO Reply102を受信することで、SGSN1とGGSN2との間の正常性確認をしている。この正常性確認はPDPコンテキスト単位の確認ではなく、ノード単位の確認となる。
【0030】
ここで、中継装置3に故障が発生すると、SGSN1とGGSN2との間で実施されている正常性確認がNGとなるため、SGSN1及びGGSN2でPDPコンテキスト11,21を解放するように定められている。上記の中継装置3の故障が短時間で復旧したとしても、SGSN1及びGGSN2ではPDPコンテキスト11,21の解放となってしまう場合がある。また、SGSN1及びGGSN2でのノード間の不具合判定基準によっては、一方のノードではPDPコンテキストが解放され、他方のノードではPDPコンテキストが解放されない事態が発生しうる。
【0031】
本発明の実施の形態では、上記のような事態において、1)中継装置3の故障を判定すること、2)中継装置3の故障の場合にはPDPコンテキスト11,21を解放しないこと、3)中継装置3の故障が復旧後に相手ノードがPDPコンテキスト11,21を解放している・いないを確認する手段を有することを特徴とし、サービス性を向上させている。
【0032】
本発明の実施の形態では、中継装置3に不具合が発生し、その後に不具合から復旧した時の状況にしたがって、SGSN1では以下のような動作を行う。
1)中継装置3向けのICMP(Internet Control Message Protocol)−ECHO−Request103の送信と、中継装置3からのICMP−ECHO−Reply104の受信とによって中継装置3の正常性を確認する。
2)万が一、GTP−ECHO不通が発生した場合でも、中継装置3の障害の有無を確認し、中継装置3に障害の可能性がある場合には、PDPコンテキスト11の解放を実施しない。
3)中継装置3の故障が復旧した場合には、相手ノード(GGSN2)がPDPコンテキスト21を解放しているか、継続しているかを確認し、継続している場合には、そのまま自ノードでもPDPコンテキスト11を継続する。
4)相手ノードでPDPコンテキスト21を解放している場合には、自ノードのPDPコンテキスト11を解放する。
5)相手ノードがPDPコンテキスト21を継続しているかの確認には、レングス=ゼロバイトのGTP−Uメッセージ105を送信する。Error Ind106が返送されてくれば、相手ノードはPDPコンテキスト21を解放したと判定し、なにも応答がなければPDPコンテキスト21を保持していると判定する。
【0033】
上記の動作において、GTP−ECHO Request101及びGTP−ECHO Reply102はSGSN1とGGSN2との間の正常性を確認するためのメッセージであり、ICMP ECHO Request103及びICMP ECHO Reply104は中継装置3の故障を検出するためのメッセージである。また、レングス=0 GTP−U105はGGSN2でのPDPコンテキスト21の保持状況を確認するためのメッセージであり、GTP−Error Ind106はGGSN2に該当PDPコンテキスト21が保持されていない場合に送信されるメッセージである。
【0034】
これによって、本発明の実施の形態では、中継装置3の一時的な障害(輻輳も含む)時にPDPコンテキスト11,21の解放をしなくて済むので、移動体加入者によって再接続動作をする必要がなくなる。また、通信のEND−END再送機能等で回復可能な場合には、加入者が一時的な故障にさえ気付くことなく通信を継続することができる。従来の動作、つまり、セッションの解放を行う場合でも、その後の加入者の動作が、多くの場合、再度接続すると予測することができるので、解放動作をしないことで、不要な呼処理能力の消費を抑えることができる。
【実施例1】
【0035】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図2は本発明の一実施例によるSGSNの構成を示すブロック図である。図2において、SGSN1はCPU(中央処理装置)12と、CPU12で実行する制御プログラム13aを含むメインメモリ13と、PDPコンテキスト11を格納する記憶装置14と、加入者側通信部15と、中継装置側通信部16とから構成されている。
【0036】
尚、SGSN1内部はCPU12と、メインメモリ13と、記憶装置14と、加入者側通信部15と、中継装置側通信部16とがそれぞれ内部バス110に接続されている。また、本発明の一実施例による移動体パケット通信システムは図1に示す本発明の実施の形態による移動体パケット通信システムと同様の構成となっている。
【0037】
図3及び図4は本発明の一実施例による移動体パケット通信システムの動作を示すシーケンスチャートである。これら図1〜図4を参照して本発明の一実施例による移動体パケット通信システムの動作について説明する。尚、図3及び図4に示すSGSN1の動作はCPU12が制御プログラム13aを実行することで実現される。
【0038】
SGSN1がGTP−ECHO Request101をGGSN2に宛てて送信するが、その応答がない場合、SGSN1は相手ノード(GGSN2)もしくは中継装置3の障害と判定する(図3のa1,a2、図4のb1,b2)。
【0039】
SGSN1はここで、中継装置3の状況を確認するためにICMP−ECHO Request103を中継装置3に対して送信する(図3のa3、図4のb3)。SGSN1はICMP−ECHO Reply104を受信しない場合、中継装置3の故障と判断し、自ノードのPDPコンテキスト11を解放せず、中継装置3の復旧を一定時間待つ(図3のa4、図4のb4)。
【0040】
SGSN1は一定時間内に中継装置3が復旧すると、相手ノード(GGSN2)の正常性を確認する(図3のa5〜a8、図4のb5〜b8)。中継装置3の障害が一定時間以上経過しても復旧しない場合、SGSN1はPDPコンテキスト11を解放し、通信の継続を断念する。
【0041】
SGSN1は相手ノード(GGSN2)を正常と確認することができると(図3のa9,a10、図4のb9,b10)、先に解放せずに保持していたPDPコンテキスト11を相手ノード(GGSN2)も保持しているかを確認するために、レングス=0のGTP−U105を相手ノード(GGSN2)に送信する(図3のa11、図4のb11)。
【0042】
SGSN1は相手ノード(GGSN2)からなにも応答がなければ、PDPコンテキスト21を保持していると判断し、パケット通信を再開する(図3のa12)。
【0043】
一方、SGSN1は相手ノード(GGSN2)からGTP−Error Ind106が返信された場合、相手ノード(GGSN2)がPDPコンテキスト21を解放済みと判断し、自ノードのPDPコンテキスト11も解放する(図4のb12,b13)。
【0044】
このように、本実施例では、中継装置3の一時的な障害(輻輳も含む)時にPDPコンテキスト11,21の解放をしなくて済むので、移動体加入者によって再接続動作をする必要がなくなる。また、本実施例では、通信のEND−END再送機能等で回復可能な場合、加入者が一時的な故障にさえ気付くことなく、通信を継続することができる。さらに、本実施例では、従来の動作、つまり、セッションの解放を行う場合、その後の加入者の動作が多くの場合、再度接続すると予測することができるので、解放動作をしないことで、不要な呼処理能力の消費を抑えることができる。
【0045】
尚、本発明では、複数の中継装置が実装されている場合にも、上記の処理が適用可能である。また、上記の実施例ではSGSN1が処理を実施した場合について述べているが、GGSN2でも同様の処理が実施可能である。さらに、本発明では、障害検出の順序として、GTP−ECHO不通よりも先にICMP−ECHOによる障害検出をした場合も、上記と同様の処理を行うことで、上記と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態による移動体パケット通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例によるSGSNの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例による移動体パケット通信システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【図4】本発明の一実施例による移動体パケット通信システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1 SGSN
2 GGSN
3 中継装置
11,21 PDPコンテキスト
12 CPU
13 メインメモリ
13a 制御プログラム
14 記憶装置
15 加入者側通信部
16 中継装置側通信部
101 GTP−ECHO Request
102 GTP−ECHO Reply
103 ICMP−ECHO−Request
104 ICMP−ECHO−Reply
105 レングス=ゼロバイトのGTP−U
106 GTP−Error Ind

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノード装置間で同一のPDP(Pakcet Data Protocol)コンテキストを管理することで、中継装置を介して行われる前記ノード装置間の通信のセッションを確立する移動体パケット通信システムであって、
前記ノード装置各々は、前記中継装置の故障であると判定した時に前記PDPコンテキストを解放しないように制御する制御手段を有することを特徴とする移動体パケット通信システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記中継装置が前記故障から復旧した時に相手先のノード装置が前記PDPコンテキストを保持しているかを判定することを特徴とする請求項1記載の移動体パケット通信システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記相手先のノード装置が前記PDPコンテキストを保持していないと判定した時に、自ノード装置の前記PDPコンテキストを解放することを特徴とする請求項2記載の移動体パケット通信システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記相手先のノード装置が前記PDPコンテキストを保持していると判定した時に、自ノード装置の前記PDPコンテキストを保持することを特徴とする請求項2または請求項3記載の移動体パケット通信システム。
【請求項5】
前記ノード装置間の一方のノード装置がSGSN(Serving GPRS Support Node)であり、他方のノード装置がGGSN(Gateway GPRS Support Node)であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか記載の移動体パケット通信システム。
【請求項6】
他のノード装置との間で同一のPDP(Pakcet Data Protocol)コンテキストを管理することで、中継装置を介して行われる前記他のノード装置との間の通信のセッションを確立するノード装置であって、
前記中継装置の故障であると判定した時に前記PDPコンテキストを解放しないように制御する制御手段を有することを特徴とするノード装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記中継装置が前記故障から復旧した時に前記他のノード装置が前記PDPコンテキストを保持しているかを判定することを特徴とする請求項6記載のノード装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記他のノード装置が前記PDPコンテキストを保持していないと判定した時に、自ノード装置の前記PDPコンテキストを解放することを特徴とする請求項7記載のノード装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記他のノード装置が前記PDPコンテキストを保持していると判定した時に、自ノード装置の前記PDPコンテキストを保持することを特徴とする請求項7または請求項8記載のノード装置。
【請求項10】
自ノード装置及び前記他のノード装置の一方がSGSN(Serving GPRS Support Node)である時に、他方がGGSN(Gateway GPRS Support Node)であることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか記載のノード装置。
【請求項11】
ノード装置間で同一のPDP(Pakcet Data Protocol)コンテキストを管理することで、中継装置を介して行われる前記ノード装置間の通信のセッションを確立する移動体パケット通信システムに用いられるPDPコンテキスト継続方法であって、前記ノード装置各々が、前記中継装置の故障であると判定した時に前記PDPコンテキストを解放しないように制御する処理を実行することを特徴とするPDPコンテキスト継続方法。
【請求項12】
前記ノード装置各々が、前記中継装置が前記故障から復旧した時に相手先のノード装置が前記PDPコンテキストを保持しているかを判定する処理を実行することを特徴とする請求項11記載のPDPコンテキスト継続方法。
【請求項13】
前記ノード装置各々が、前記相手先のノード装置が前記PDPコンテキストを保持していないと判定した時に、自ノード装置の前記PDPコンテキストを解放する処理を実行することを特徴とする請求項12記載のPDPコンテキスト継続方法。
【請求項14】
前記ノード装置各々が、前記相手先のノード装置が前記PDPコンテキストを保持していると判定した時に、自ノード装置の前記PDPコンテキストを保持する処理を実行することを特徴とする請求項12または請求項13記載のPDPコンテキスト継続方法。
【請求項15】
前記ノード装置間の一方のノード装置がSGSN(Serving GPRS Support Node)であり、他方のノード装置がGGSN(Gateway GPRS Support Node)であることを特徴とする請求項11から請求項14のいずれか記載のPDPコンテキスト継続方法。
【請求項16】
ノード装置間で同一のPDP(Pakcet Data Protocol)コンテキストを管理することで、中継装置を介して行われる前記ノード装置間の通信のセッションを確立する移動体パケット通信システムに用いられるPDPコンテキスト継続方法であって、前記ノード装置のコンピュータに、前記中継装置の故障であると判定した時に前記PDPコンテキストを解放しないように制御する処理を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−121246(P2006−121246A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−305052(P2004−305052)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】