説明

移動体端末、移動体端末の着信動作制御方法、移動体端末の着信動作制御プログラム

【課題】発信側の緊急の度合いに応じた着信動作を行うことが可能であり、また、緊急時の発信に応じた着信側からの折り返し着信を確実に応答可能な移動体端末を提供する。
【解決手段】無線通信を行う送受信部と、送受信部を介して音声通信を行う中央制御部と、音声通信の着信時に着信動作を行う報知部と、音声通信の発着信履歴を記録する記憶部と、を備え、記憶部は、単位時間あたりの着信件数に応じて着信の緊急の度合いを示す複数の緊急レベルに、着信動作を対応させて記録し、中央制御部は、着信した時に、当該着信の発信元電話番号に対応する単位時間あたりの着信履歴の件数に基づいて緊急レベルを特定する緊急レベル判定を行って、緊急レベルに対応した着信動作を行うように報知部を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体端末に関し、特に着信の緊急度に応じて着信動作を変更する移動体端末に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体端末のマナーモードは、着信音に代えて振動(バイブレーション)を着信動作(報知動作)として、ユーザへ着信を通知する機能である。マナーモードは、着信時に着信音を発生させることができない状況にユーザがある場合においても、ユーザへ着信を通知することが可能な便利な機能である。しかし、ユーザは、移動体端末をマナーモードに設定しているために着信に気がつかず、応答できない場合があるという課題があった。このような課題を解決する関連技術として、以下のような技術が開示されている。
【0003】
特許文献1は、無線制御装置の有無にかかわらず、ユーザの希望に従って、自動的にモードを切り替えることが可能な携帯端末を開示している。特許文献1の携帯端末は、情報受信通知機能を含む複数の機能を設定可能な携帯端末であって、所定の場所を示すエリア情報と機能の設定を示す機能設定情報を対応させて記憶する記憶手段と、現在の位置を検出する検出手段と、検出手段により検出された位置とエリア情報とを比較して、記憶手段からエリア情報に対応した機能設定情報を抽出する抽出手段と、抽出された機能設定情報に応じて携帯端末の機能を設定する設定手段とを備える。特許文献1の携帯端末によれば、無線制御装置の有無にかかわらず、ユーザの希望に従って、自動的にモードを切り替えることが可能な携帯端末を提供することができる。
【0004】
特許文献2は、ユーザの手を煩わすことなく、マナーモードを設定および解除することが可能な移動無線端末を開示している。特許文献2の移動無線端末は、報知設定の場合には着信の発生を報知し、一方、非報知設定の場合には着信が発生しても報知を行わない報知手段と、移動状態を検出する移動検出手段と、この移動検出手段の検出結果に応じて、報知手段の設定を行う報知制御手段とを具備する。特許文献2の移動無線端末によれば、移動速度が速く、電車やバス、自動車に乗っていると想定される場合には、非報知設定に自動的に設定され、一方、移動速度が遅く、上述したような乗り物に乗っていないと想定される場合には、報知設定に自動的に設定されるので、ユーザの手を煩わすことなく、着信の報知/非報知の設定を行うことが可能な移動無線端末を提供できる。
【0005】
特許文献3は、ワンギリや、ツーギリ、3回切り等の迷惑電話から着信通知を制限するとともに、コールバックによる被害を防止する携帯情報端末の制御方法を開示している。特許文献3の携帯情報端末の制御方法は、携帯情報端末を制御する制御方法であって、携帯情報端末に他の端末から着信があった場合に、着信を中断するまでの時間をカウントし、カウントされた時間を着信の受信日時および他の端末を識別する情報とともに、着信履歴として記録し、着信履歴を用いて他の端末に発信する場合に、発信者番号を非通知にするか否かを判定することを特徴とする。特許文献3の携帯情報端末の制御方法によれば、迷惑コールに対して呼び出しをしないようになり、着信履歴で怪しい番号を区別できるようにする。また、着信履歴で怪しい電話番号に、かけなければならない場合、発信者を自動的に非通知設定にし、不用意に発信者番号を通してしまうことが避けられる。さらに迷惑コールの疑いの高い番号を、着信時に着信履歴あるいは迷惑コール履歴から区別できるようになる。
【0006】
上述の関連技術では、いずれも、着信側において発信側の緊急度に応じた着信動作(報知動作)を行うことはできない。また、発信側が緊急の発信を行った後に、着信側から折り返し着信を受けた場合の着信動作については考慮されていない。
【特許文献1】特開2002−330470号公報
【特許文献2】特開2002−369250号公報
【特許文献3】特開2007−312437号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、発信側の緊急の度合いに応じた着信動作を行うことが可能な移動体端末を提供することである。
本発明の他の目的は、緊急時の発信に応じた着信側からの折り返し着信を、発信側が確実に応答可能な移動体端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の移動体端末は、無線通信を行う送受信部と、送受信部を介して音声通信を行う中央制御部と、音声通信の着信時に着信動作を行う報知部と、音声通信の発着信履歴を記録する記憶部と、を備え、記憶部は、単位時間あたりの着信件数に応じて着信の緊急の度合いを示す複数の緊急レベルに、着信動作を対応させて記録し、中央制御部は、着信した時に、当該着信の発信元電話番号に対応する単位時間あたりの着信履歴の件数に基づいて緊急レベルを特定する緊急レベル判定を行って、緊急レベルに対応した着信動作を行うように報知部を制御する。
【0009】
本発明の移動体端末の着信動作制御方法は、無線通信を行うステップと、無線通信を介して音声通信を行うステップと、音声通信の着信時に着信動作を行うステップと、音声通信の発着信履歴を記録するステップと、単位時間あたりの着信件数に応じて着信の緊急の度合いを示す複数の緊急レベルに、着信動作を対応させて記録するステップと、着信した時に、当該着信の発信元電話番号に対応する単位時間あたりの着信履歴の件数に基づいて緊急レベルを特定する緊急レベル判定を行って、緊急レベルに対応した着信動作を行うように制御するステップとを備える。
【0010】
本発明のコンピュータプログラムは、上述の移動体端末の着信動作制御方法をコンピュータへ実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、発信側の緊急の度合いに応じた着信動作を行うことが可能な移動体端末を提供することができる。
また、本発明によれば、緊急時の発信に応じた着信側からの折り返し着信を、発信側が確実に応答可能な移動体端末を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の実施形態による移動体端末を以下に説明する。
【0013】
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態による移動体端末の説明を行う。
[構成の説明]
はじめに、本実施形態における移動体端末の構成の説明を行う。図1は、本実施形態の移動体端末10の構成を示す機能ブロック図である。本実施形態の移動体端末10は、中央制御部1と、記憶部2と、入力部3と、送受信部4と、タイマー部5と、出力部6とを備える。
【0014】
入力部3は、ユーザが移動体端末10へ入力を行うためのユーザインターフェイスである。入力部3は、入力用のキーを備える。なお、入力部3は、タッチパネルのようなその他の一般的な入力装置である場合を含む。入力部3は、中央制御部1と接続されている。入力部3は、ユーザからのキー入力を検出すると、入力信号として中央制御部1へ出力する。
【0015】
送受信部4は、無線信号を送受信するアンテナを備えた無線モジュールである。送受信部4は、中央制御部1と接続されている。送受信部4は、アンテナへ入射した受信信号を復調して受信データを取得し、受信データを中央制御部1へ出力する。また送受信部4は、中央制御部1から送信データを入力して変調を行って送信信号を生成して、アンテナから送信信号を放射する。送受信部4は、移動体通信ネットワークの備える無線基地局(図示せず)と無線通信が可能である。
【0016】
タイマー部5は、現在日時を計時する。タイマー部5は、中央制御部1と接続されている。タイマー部5は、中央制御部1から現在日時の問い合わせを入力すると、現在日時を計測して、現在日時を応答する。ここで、現在日時は、現在の時刻、および年月日を含んでいる。
【0017】
出力部6は、移動体端末10への着信をユーザへ通知する着信動作を行う。着信動作は、音響や、発光や、振動等の動作でユーザに着信を通知する報知動作である。出力部6は、中央制御部1と接続されている。出力部6は、移動体端末10の着信時に中央制御部1から着信を通知されると、例えばリンガー音のような着信音を発生する。移動体端末10のユーザは、着信音により着信を検知できる。また、本実施形態の出力部6は、マナーモード設定時において移動体端末10の着信時に、消音により着信の通知を行う。着信動作が消音とは、リンガー音のような音響を一切発生させずに、移動体端末の図示されない表示部に着信を通知する表示を行うのみ、あるいは、それに加えて図示されないLED(Light Emitting Diode)を同時に発光さることで、ユーザへ着信を通知する報知動作である。なお、出力部6は、移動体端末10のマナーモードにおいて、バイブレーション動作により着信動作をおこなってもよい。マナーモードに対応する着信動作は、後述する記憶部2の緊急設定情報DBの記録に基づいて定義される。
【0018】
記憶部2は、移動体端末10の機能を実現するために必要な各種データや、移動体端末10の機能を実現するための処理用プログラムを記憶している。記憶部2は、RAM(Random Access Memory)や、ROM(Read Only Memory)や、あるいはフラッシュメモリといった記憶装置で構成される。記憶部2は、中央制御装置1と接続される。記憶部2は、中央制御装置からデータを書き込まれ、あるいは中央制御装置1にデータを読み込まれる。
【0019】
記憶部2は、緊急設定情報DB21と、着信履歴情報DB22と、発信履歴情報DB23とを、さらに備える。記憶部2は、中央制御部1からデータの記録要求を受けると、該当するデータベースへデータを記録する。また、記憶部2は、中央制御部1からデータの取得要求を受けると、各データベースから要求に該当するデータを抽出して、中央制御部1へ応答する。
【0020】
緊急設定情報DB21は、緊急レベルと、緊急レベル毎の閾値と、緊急レベル毎の着信動作とを、それぞれ対応させて記憶している。緊急レベルは、当該着信の緊急性の度合いを示している。本実施形態では、一定の時間内に同じ発信元電話番号から何回の着信があったかに基づいて、緊急度を定める。すなわち、一定の時間内における着信回数が多い(着信頻度が高い)場合は、緊急度が高い。一方、一定時間内における着信回数が少ない(着信頻度が低い)場合は、緊急度が低い。閾値は、着信時に当該着信の緊急レベルを判定するための閾値である。閾値は、一定の時間と、一定時間内の着信件数とにより定められる。着信動作は、着信時に出力部6が行う動作である。出力部6は、着信動作を行うことで移動体端末10のユーザへ着信を通知する。着信動作は、前述したように、消音、バイブレーション動作、鳴音等が存在する。
【0021】
図2は、緊急設定情報DB21の記録内容を示している。緊急設定情報DB21は、「緊急レベル」、「動作」、「しきい値(閾値)」の項目を備える。緊急レベル欄は、緊急の度合いを数字で表す項目である。本実施形態では、緊急レベル「1」を最低の緊急度として、数字が大きくなるにつれ緊急度が高くなるように記録されている。なお、緊急レベル「0」は、当該着信が緊急の着信ではないことを示しており、この場合、通常のマナーモードの着信動作(本実施形態では「消音」)を行う。なお、図2の緊急レベル欄は、一例であり、数字が小さいほど緊急度が高くなるように構成しても構わない。動作欄は、出力部6の行う着信動作である。図2を参照すると、着信欄は、緊急レベル「0」には「消音」を対応させて記憶している。同様に、着信欄は、レベル「1」に「バイブレーション」を、レベル「2」に「鳴音(音量1)」を、レベル「3」に「鳴音(音量5)」をそれぞれ対応させて記録している。このように、動作欄は、緊急レベルが高くなるにつれて、ユーザが着信に気がつきやすい着信動作となるように記録されている。閾値欄は、「件数」と、「時間」の項目を備える。時間欄は、閾値となる着信件数をカウントする一定時間を記録している。件数欄は、時間欄に記録された一定時間内で、閾値となる着信件数を記録している。図2を参照すると、緊急レベル「0」では、件数欄、時間欄とも記録がない。これは、緊急の着信ではない通常の着信時の着信動作を示している。通常の着信時は、マナーモードに設定中における着信動作(本実施形態では「消音」)のままである。レベル「1」では、件数欄に「3件」、時間欄に「2時間以内」と記録されている。これは、2時間以内に、同じ発信元電話番号からの着信が3件あった場合(3件目の着信から)は、緊急レベル「1」となることを示している。つまり、2時間以内に同じ発信元電話番号からの着信が3件あった場合には、緊急レベル「1」となり、マナーモード設定中であっても、「バイブレーション」を着信動作とすることを示している。同様に、レベル「2」では、件数欄に「4件」、時間欄に「2時間以内」と記録されている。これは、2時間以内に、同じ発信元電話番号からの着信が4件あった場合(4件目の着信から)は、緊急レベル「2」となることを示している。そのため、2時間以内に同じ発信元電話番号から着信が4件あった場合には、緊急レベル「2」となり、マナーモード設定中であっても、「鳴音(音量1)」を着信動作とすることを示している。さらに、レベル「3」では、件数欄に「5件以上」、時間欄に「2時間以内」と記録されている。これは、2時間以内に、同じ発信元電話番号からの着信が5件あった場合(5件目の着信から)は、緊急レベル「3」となることを示している。そのため、2時間以内に同じ発信元電話番号から着信が5件あった場合には、緊急レベル「3」となり、マナーモード設定中であっても、「鳴音(音量5)」を着信動作とすることを示している。このように、本実施形態では、同じ発信元電話番号からの一定時間の間の着信件数に応じて、着信動作が記録されている。また、一定時間の間の着信件数が多くなるほど緊急レベルが上がる。そして、緊急レベルが上がるほど、移動体端末10のユーザが、着信を気がつきやすくなるような着信動作となる。なお、図2に示す緊急設定情報DB21の記録内容は一例であり、緊急設定情報DB21の緊急レベル毎の動作や閾値の値はこれに限定しない。
【0022】
着信履歴情報DB22は、移動体端末10への着信履歴を記録している。着信履歴情報DB22は、着信のあった発信元電話番号と、着信時の現在日時(以下、着信日時)と、応答がされたか否かと、をそれぞれ対応させて記録している。図3は、本実施形態における着信履歴情報DB22を示している。図3を参照すると、着信履歴情報DB22は、「No」と、「電話番号」と、「日時」と、「応答の有無」の項目を備える。No欄は、着信履歴に昇順に付与された番号である。No欄で各着信履歴へ付与される番号は、一例でありこれに限定しない。電話番号欄は、着信における発信元電話番号を記録している。日時欄は、着信のあった日時を記録している。応答の有無欄は、当該着信に対して、移動体端末10が応答を行ったか否かを記録している。本実施形態では、応答の有無欄に「1」が記録されていると、当該着信に対して応答したことを示している。つまり、応答の有無欄に「0」が記録されていると、当該着信に対して応答しなかったことを示している。
【0023】
発信履歴情報DB23は、移動体端末10からの発信履歴を記録している。発信履歴情報DB23は、発信を行った発信先電話番号と、発信時の現在日時(以下、発信日時)と、をそれぞれ対応させて記録している。図4は、本実施形態における発信履歴情報DB23を示している。図4を参照すると、発信履歴情報DB23は、「No」と、「電話番号」と、「日時」の項目を備える。「No」欄は、発信履歴に昇順に付与された番号である。「No」欄で各発信履歴へ付与される番号は、一例でありこれに限定しない。電話番号欄は、発信における発信先電話番号を記録している。日時欄は、発信を行った日時を記録している。
【0024】
中央制御部1は、移動体端末10の動作を制御する。中央制御部1は、記憶部2に記憶される処理用プログラムを読み込んで実行することで、移動体端末10の機能を実現する。中央制御部1は、通信の対向側となる移動体端末(以下、対向側移動体端末)との音声通信を制御する。中央制御部1は、入力部3から通知されたキー入力に応じて、送受信部4を介して移動体通信ネットワークへ接続して、対応側移動体端末へ発信動作を行う。また、中央制御部1は、対向側移動体端末から移動体通信ネットワークを介した着信を、送受信部4を介して検知して着信動作を行う。中央制御部1は、対向側移動体端末との音声通信が確立されると、図示されないマイクやスピーカで構成された音声入出力部からの音声信号の入出力を制御して、対向側移動体端末10との音声通話を、送受信部4を介して実現する。中央制御部1の行う音声通信にかかる処理は、従来の技術に基づいて行われるため詳細な説明を省略する。また、本実施形態において、中央制御部1は、対向側移動体端末との音声通信が行えることが重要であり、その通信方式とは特に限定しない。
【0025】
中央制御部1は、発着信動作を行うときに、発信履歴、および着信履歴を記憶部2へ記録する。中央制御部1は、発信動作を行うときに、タイマー部5から現在日時を取得して、発信先電話番号と共に、発信履歴情報DB23へ記録する。中央制御部1は、着信動作を行うときに、タイマー部5から現在日時を取得して、発信元電話番号と共に、着信履歴情報DB22へ記録する。また、中央制御部1は、当該着信に対する応答が行われたか否かを検知して、応答の有無を発信元電話番号と着信日時とに対応させて、着信履歴情報DB22へ記録する。このような、発着信履歴を記録する動作は、従来の移動体端末において行われる動作であるため詳細な説明を省略する。
【0026】
中央制御部1は、着信検出部11と、緊急判定制御部12とを、さらに備える。また、緊急判定制御部12は、緊急判定登録部121と、緊急判定部122とをさらに備える。
【0027】
着信検出部11は、着信を検知して、緊急判定部122へ通知する。着信検出部11は、着信時に、当該着信における発信元電話番号を取得する。着信検出部11は、当該着信における発信元電話番号と共に、着信を緊急判定部122へ通知する。
【0028】
緊急判定登録部121は、ユーザが入力部3から入力した、緊急設定情報を、記憶部2の緊急設定情報DB21へ記録する。
【0029】
緊急判定部122は、着信時に、当該着信の緊急レベルを判定して、緊急レベルの応じた着信動作を行うように出力部6を制御する。緊急判定部122は、着信検出部11から着信を通知されると、着信検出部11から同時に通知される発信元電話番号に対応する着信履歴を着信履歴情報DB22から取得する。また、緊急判定部122は、着信検出部11から着信を通知されると、着信検出部11から同時に通知される発信元電話番号に対応する発信履歴を発信履歴情報DB23から取得する。さらに、緊急判定部122は、タイマー部5から現在日時と、緊急設定情報DB21から緊急設定情報とをそれぞれ取得する。
【0030】
緊急判定部122は、タイマー部5から取得した現在日時から、緊急設定情報の閾値欄の時間欄に記録された時間(以下、閾値時間)を遡った日時(以下、閾値判定日時)を算出する。また、緊急判定部122は、発信履歴情報DB23から取得した発信元電話番号に対応する発信履歴において、当該発信元電話番号への最後(直近)の発信履歴に対応する発信日時(以下、最終発信日時)を抽出する。さらに、緊急判定部122は、着信履歴情報DB22から取得した発信元電話番号に対応する着信履歴において、当該発信元電話番号からの着信に対して応答を行った最後(直近)の着信履歴に対応する着信日時(以下、最終着信応答日時)を抽出する。緊急判定部122は、閾値判定日時と、最終発信日時と、最終着信応答日時とのうちから、最も直近の日時(以下、緊急判定開始日時)を選択する。
【0031】
緊急判定部122は、着信履歴情報DB22から取得した発信元電話番号に対応する着信履歴において、緊急判定開始日時から現在日時までの間(以下、判定時間)内の着信件数(以下、判定時間内着信件数)をカウントする。緊急判定部122は、判定時間内着信件数が、緊急判定情報DB21の閾値欄の件数欄に記録された件数(以下、閾値件数)に該当するか否かを判定する。緊急判定部122は、判定時間内着信件数が、閾値件数に該当する場合、当該着信は閾値件数に対応する緊急レベルの着信であると判定する。緊急判定部122は、緊急設定情報DB21から緊急レベルに対応する動作を特定して、当該動作を着信動作として行ってユーザへ着信を通知するように出力部6を制御する。
【0032】
緊急判定部122は、このようにして閾値時間に基づく閾値判定日時に加えて、直近に応答を行った発信元電話番号からの着信履歴に対応する着信日時と、発信元電話番号への直近の発信履歴に対応する発信日時と、を考慮して当該着信の緊急レベルを判定することによって、閾値判定日時のみに基づいて緊急レベルを判定する場合に比べて、発信元電話番号の移動体端末と通話をおこなった可能性を含んでいる履歴を考慮できるため、より正確に緊急レベルを判定することができる。また、複数の緊急レベルのうちから、閾値に基づいて緊急の度合いを決定することで、緊急の着信であるか否かのみを判定する場合に比べて、細かい着信動作を設定できる。そのため、ユーザは、着信に応答できないような状況における緊急の着信時に、突然、大音量の着信音により着信を通知されるのではなく、徐々に着信動作が変化することで、当該着信の緊急性を検知することができる。
【0033】
ここで、図3および図4を参照して、緊急判定部122による緊急レベルの判定処理を説明する。
【0034】
まず、図3の着信履歴「No.5」に注目して説明する。着信履歴No.5は、発信元電話番号「090-××××―××××」から着信日時「2008年9月3日14:15」に着信している。すなわち、この時点では、着信履歴「No.1〜4」は記録されていない状態であることを留意されたい。緊急判定部122は、着信履歴No.5の着信時に、着信検出部11から発信元電話番号「090−××××―××××」と共に着信を通知される。緊急判定部122は、着信検出部11から着信を通知されると、発信元電話番号「090−××××―××××」に対応する着信履歴を着信履歴情報DB22から取得する。当該着信時において、緊急判定部122は、着信履歴情報DB22から、着信履歴No.6、7、9、10の4件を取得する。次に、緊急判定部122は、発信元電話番号「090−××××―××××」に対応する発信履歴を発信履歴情報DB23から取得する。当該着信時において、緊急判定部122は、発信履歴情報DB23から、発信履歴No.1、2、4の3件を取得する。さらに、緊急判定部122は、タイマー部5から現在日時「2008年9月3日14:15」と、緊急設定情報DB21から緊急設定情報とをそれぞれ取得する。
【0035】
緊急判定部122は、タイマー部5から取得した現在日時「2008年9月3日14:15」から、閾値判定日時を算出する。緊急判定部122は、まず、緊急レベルの低い条件から処理を行う。すなわち、緊急判定部122は、緊急設定情報における緊急レベル「1」に対する処理を行う。緊急判定部122は、緊急設定情報の緊急レベル「1」のレコードから、閾値時間「2時間以内」を取得する。緊急判定部122は、現在日時「2008年9月3日14:15」から2時間遡った時間である「2008年9月3日12:15」を、閾値判定日時と算出する。
【0036】
また、緊急判定部122は、発信元電話番号「090−××××―××××」に対応する発信履歴において、最終発信日時を抽出する。緊急判定部122は、発信元電話番号「090−××××―××××」に対する発信履歴No.1、2、4を取得している。緊急判定部122は、直近の発信履歴の発信日時を最終発信日時として抽出する。そのため、緊急判定部122は、発信履歴No.1に対応する発信日時である「2008年9月3日14:10」を、最終発信日時として抽出する。
【0037】
さらに、緊急判定部122は、発信元電話番号「090−××××―××××」に対応する着信履歴において、最終着信応答日時を抽出する。緊急判定部122は、着信履歴No.6、7、9、10を取得している。緊急判定部122は、着信に対して応答を行った直近の着信履歴の着信日時を最終着信応答日時として抽出する。そのため、緊急判定部122は、着信履歴No.7に対応する「2008年9月3日14:00」を最終着信応答日時として抽出する。
【0038】
次に、緊急判定部122は、閾値判定日時「2008年9月3日12:15」と、最終発信日時「2008年9月3日14:10」と、最終着信応答日時「2008年9月3日14:00」のうちから、緊急判定開始日時を選択する。緊急判定部122は、各日時のうちから直近の日時を緊急判定開始日時として選択する。そのため、緊急判定部122は、最終発信日時「2008年9月3日14:10」を緊急判定開始日時として選択する。
【0039】
緊急判定部122は、発信元電話番号に対応する着信履歴において、判定時間内着信件数をカウントする。すなわち、緊急判定部122は、判定時間である緊急判定開始日時「2008年9月3日14:10」から現在日時「2008年9月3日14:15」までの間に、発信元電話番号「090−××××―××××」からの着信件数をカウントする。なお、緊急判定部122は、緊急判定開始日時に最終着信応答日時を選択して決定した場合、当該日時に対応する着信履歴を、着信件数にはカウントしない。最終着信応答日時に対応する着信履歴では、ユーザは、当該着信に対して応答をしているためである。緊急判定部122は、着信履歴No.6、7、9、10を取得している。このうち、判定時間内の着信履歴は、存在しない。そのため、着信日時「2008年9月3日14:15」の当該着信(着信履歴No.5)のみが、判定時間内の着信である。そのため、緊急判定部122は、判定時間内着信件数を「1件」と特定する。
【0040】
緊急判定部122は、判定時間内着信件数が、緊急判定情報DB21の閾値欄の件数欄に記録された閾値件数に該当するか否かを判定する。緊急判定部122は、緊急設定情報から緊急レベル「1」に対応する閾値欄の閾値件数「3件」を取得する。緊急判定部122は、判定時間内着信件数「1件」が、緊急レベル「1」の閾値件数「2件」に到達していないことを検知する。そのため、緊急判定部122は、着信履歴No.5の着信の時点で、当該着信について緊急レベル「1」を適用する着信ではないと判定する。緊急判定部122は、当該着信は緊急レベル「1」より低い緊急レベル「0」、つまり通常の着信(通常のマナーモード着信)であると特定する。緊急判定部122は、緊急設定情報から緊急レベル「0」に対応する(マナーモードに対応する)着信動作「消音」を特定して、着信動作「消音」でユーザへ着信を通知するように出力部6を制御する。
【0041】
続いて、着信履歴「No.2」に注目して説明する。着信履歴No.2は、発信元電話番号「090-××××―××××」から着信日時「2008年9月3日14:27」に着信している。すなわち、この時点では、着信履歴「No.1」は記録されていない状態であることを留意されたい。緊急判定部122は、着信履歴No.2の着信時に、着信検出部11から発信元電話番号「090−××××―××××」と共に着信を通知される。緊急判定部122は、着信検出部11から着信を通知されると、発信元電話番号「090−××××―××××」に対応する着信履歴を着信履歴情報DB22から取得する。当該着信時において、緊急判定部122は、着信履歴No.3、4、5、6、7、9、10の7件を取得する。また、緊急判定部122は、発信元電話番号「090−××××―××××」に対応する発信履歴を発信履歴情報DB23から取得する。当該着信時において、緊急判定部122は、発信履歴No.1、2、4の3件を取得する。さらに、緊急判定部122は、タイマー部5から現在日時「2008年9月3日14:27」と、緊急設定情報DB21から緊急設定情報とをそれぞれ取得する。
【0042】
緊急判定部122は、タイマー部5から取得した現在日時「2008年9月3日14:27」から、閾値判定日時を算出する。緊急判定部122は、まず、緊急レベルの低い条件から処理を行う。すなわち、緊急判定部122は、緊急設定情報における緊急レベル「1」に対する処理を行う。緊急判定部122は、緊急設定情報の緊急レベル「1」のレコードから、閾値時間「2時間以内」を取得する。緊急判定部122は、現在日時「2008年9月3日14:27」から2時間遡った時間である「2008年9月3日12:27」を、閾値判定日時と算出する。
【0043】
また、緊急判定部122は、発信元電話番号「090−××××―××××」に対応する発信履歴において、最終発信日時を抽出する。緊急判定部122は、発信元電話番号「090−××××―××××」に対する発信履歴No.1、2、4を取得している。緊急判定部122は、直近の発信履歴の発信日時を最終発信日時として抽出する。そのため、緊急判定部122は、発信履歴No.1に対応する発信日時である「2008年9月3日14:10」を、最終発信日時として抽出する。
【0044】
さらに、緊急判定部122は、発信元電話番号「090−××××―××××」に対応する着信履歴において、最終着信応答日時を抽出する。緊急判定部122は、着信履歴No.3、4、5、6、7、9、10を取得している。緊急判定部122は、着信に対して応答を行った直近の着信履歴に対応する着信日時を最終着信応答日時として抽出する。そのため、緊急判定部122は、着信履歴No.7に対応する「2008年9月3日14:00」を最終着信応答日時として抽出する。
【0045】
次に、緊急判定部122は、閾値判定日時「2008年9月3日12:27」と、最終発信日時「2008年9月3日14:10」と、最終着信応答日時「2008年9月3日14:00」のうちから、緊急判定開始日時を選択する。緊急判定部122は、各日時のうちから直近の日時を緊急判定開始日時として選択する。そのため、緊急判定部122は、最終発信日時「2008年9月3日14:10」を緊急判定開始日時として選択する。
【0046】
緊急判定部122は、発信元電話番号に対応する着信履歴において、判定時間内着信件数をカウントする。すなわち、緊急判定部122は、判定時間である緊急判定開始日時「2008年9月3日14:10」から現在日時「2008年9月3日14:27」までの間に、発信元電話番号「090−××××―××××」からの着信件数をカウントする。緊急判定部122は、着信履歴No.3、4、5、6、7、9、10を取得している。このうち、判定時間内の着信履歴は、着信履歴No.3、4、5と、当該着信(着信履歴No.2)である。そのため、緊急判定部122は、判定時間内着信件数を「4件」と特定する。
【0047】
緊急判定部122は、判定時間内着信件数が、緊急判定情報DB21の閾値欄の件数欄に記録された閾値件数に該当するか否かを判定する。緊急判定部122は、緊急設定情報から緊急レベル「1」に対応する閾値欄の閾値件数「3件」を取得する。緊急判定部122は、判定時間内着信件数「4件」が、緊急レベル「1」の閾値件数「3件」を超えていることを検知する。そのため、緊急判定部122は、着信履歴No.2の着信の時点で、当該着信について緊急レベル「1」より緊急度の高い着信の可能性があると判定する。
【0048】
緊急判定部122は、さらに高い緊急度の判定を行うために、当該着信が緊急レベル「2」に適用する着信であるか否かを判定する。緊急判定部122は、緊急設定情報の緊急レベル「2」のレコードから、閾値時間「2時間以内」を取得する。緊急判定部122は、前述と同様に、閾値判定日時「2008年9月3日12:27」を算出する。また、緊急判定部122は、前述と同様に、最終発信日時「2008年9月3日14:10」と、最終着信応答日時「2008年9月3日14:00」を特定する。緊急判定部122は、閾値判定日時「2008年9月3日12:27」と、最終発信日時「2008年9月3日14:10」と、最終着信応答日時「2008年9月3日14:00」とのうちから最終発信日時「2008年9月3日14:10」を緊急判定開始日時として選択する。
【0049】
緊急判定部122は、前述と同様に、判定時間内着信件数をカウントする。すなわち、緊急判定部122は、判定時間である緊急判定開始日時「2008年9月3日14:10」から現在日時「2008年9月3日14:27」までの間に、発信元電話番号「090−××××―××××」からの着信件数をカウントする。緊急判定部122は、着信履歴No.3、4、5、6、7、9、10を取得している。このうち、判定時間内の着信履歴は、着信履歴No.3、4、5と、当該着信(着信履歴No.2)である。そのため、緊急判定部122は、判定時間内着信件数を「4件」と特定する。
【0050】
緊急判定部122は、判定時間内着信件数が、緊急判定情報DB21の閾値欄の件数欄に記録された閾値件数に該当するか否かを判定する。緊急判定部122は、緊急設定情報から緊急レベル「2」に対応する閾値欄の閾値件数「4件」を取得する。緊急判定部122は、判定時間内着信件数「4件」が、緊急レベル「2」の閾値件数「4件」に達していることを検知する。そのため、緊急判定部122は、着信履歴No.2の着信の時点で、当該着信が緊急レベル「2」であると決定する。緊急判定部122は、緊急設定情報から緊急レベル「2」に対応する着信動作「鳴音(音量1)」を特定して、着信動作「鳴音(音量1)」でユーザへ着信を通知するように出力部6を制御する。
【0051】
以上が、緊急判定部122による緊急レベルの判定処理を説明である。
【0052】
このように、本実施形態の緊急判定部122は、閾値判定日時と、最終発信日時と、最終着信応答日時とに基づいて着信時に当該着信の緊急レベルを特定する。なお、上記の説明では、緊急度の低い緊急レベルから緊急度の高い緊急レベルへ順に処理を行っているが、これを、緊急度の高い緊急レベルから緊急度の低い緊急レベルへ順に処理を行ってもよい。また、本実施形態では、緊急設定情報の閾値時間を緊急レベル毎に閾値時間を設定している。これを、全ての緊急レベルで閾値時間を一定に設定する場合は、判定時間内着信件数をカウントした後に、各緊急レベルの閾値件数に対して判定時間内着信件数が該当するか否かを判定する処理のみを行ってもよい。
【0053】
以上が、本実施形態における移動体端末10の構成の説明である。
【0054】
[動作方法の説明]
次に、本実施形態における移動体端末10の動作方法の説明を行う。はじめに、本実施形態における移動体端末10に緊急設定情報を登録する際の動作方法の説明を行う。図5は、本実施形態における移動体端末10へ緊急設定情報を登録する動作フローを示している。
【0055】
(ステップA1)
ユーザは、移動体端末10の入力部3から緊急設定情報の入力を行う。前述の通り、緊急設定情報は、緊急レベルに対応した「動作」、「件数」、「時間」の項目を備えている。中央制御部1は、ユーザからの要求に応じて、移動体端末10の図示されない表示画面へ、緊急設定情報入力用の表示を行う。ユーザは、表示画面の表示に従って、入力部3から、緊急設定情報の各項目を設定する。なお、前述した図2では、緊急レベル毎に閾値時間が異なっているが、閾値時間は、各緊急レベルに対して一律に一定時間としてもよい。
【0056】
(ステップA2)
入力部10は、ユーザからの入力を中央制御部1へ出力する。中央制御部1の備える緊急判定制御部12の緊急判定登録部121は、入力部10から緊急設定情報の入力を受け付けて、記憶部2の緊急設定情報DB21へ緊急設定情報を記録する。この後、記憶部2は、緊急判定部122からの要求に応じて、緊急設定情報DB21から緊急設定情報を抽出して、緊急判定部122へ応答する。
【0057】
以上が、本実施形態における移動体端末10に緊急設定情報を登録する際の動作方法の説明である。
【0058】
次に、本実施形態における移動体端末10の着信時の動作方法の説明を行う。図6は、本実施形態における移動体端末10の着信時の動作フローを示している。なお、以下の説明において、ユーザは、移動体端末10へ緊急設定情報の設定を予め完了しており、さらに、移動体端末10をマナーモードに設定しているものとする。
【0059】
(ステップB1)
中央制御部1は、送受信部4を介して、発信元の移動体端末(以下、発信元移動体端末)から着信する。
【0060】
(ステップB2)
着信検出部11は、中央制御部1の着信を検知して、当該着信の発信元移動体端末の電話番号(以下、発信元電話番号)を取得する。着信検出部11は、緊急判定制御部12の緊急判定部122へ、発信元電話番号と共に着信を通知する。
【0061】
(ステップB3)
緊急判定制御部122は、着信検出部11から、着信を発信元電話番号と共に通知される。緊急判定制御部12は、タイマー部5から現在日時を取得する。現在日時は、当該着信の着信日時となる。
【0062】
(ステップB4)
緊急判定部122は、記憶部2の緊急設定情報DB21から緊急設定情報を取得する。
【0063】
(ステップB5)
緊急判定部122は、記憶部2の発信履歴情報DB23から、当該着信の発信元電話番号に対応する発信履歴を取得する。
【0064】
(ステップB6)
緊急判定部122は、記憶部2の着信履歴情報DB23から、当該着信の発信元電話番号に対応する着信履歴を取得する。
【0065】
(ステップB7)
緊急判定部122は、当該着信の緊急レベルの判定を行う。本実施形態において、緊急判定部122は、緊急度合いの低い緊急レベル(本実施形態では、緊急レベル1)から順に、当該着信が緊急レベルに該当するかの判定を行う。緊急判定部122は、タイマー部5から取得した現在日時から、閾値判定日時を算出する。また、緊急判定部122は、当該着信の発信元電話番号に対応する発信履歴のうちから、最終発信日時を抽出する。さらに、緊急判定部122は、発信元電話番号に対応する着信履歴のうちから、最終着信応答日時を抽出する。次に、緊急判定部122は、閾値判定日時と、最終発信日時と、最終着信応答日時のうちから、緊急判定開始日時を選択する。緊急判定部122は、発信元電話番号に対応する着信履歴において、判定時間内着信件数をカウントする。緊急判定部122は、判定時間内着信件数が、現在、該当するか否かを確認している緊急レベルに対応する緊急設定情報の閾値件数に該当するか否かを判定する。緊急判定部122は、判定時間内着信件数が、最も低い緊急レベルに対応する緊急設定情報の閾値件数へ到達していない場合、当該着信は緊急の着信ではないと判定する。この場合、ステップB8へ進む。一方、緊急判定部122は、判定時間内着信件数が、最も低い緊急レベルに対応する緊急設定情報の閾値件数に該当している場合、当該着信が、当該緊急レベルの着信であると判定する。あるいは、最も低い緊急レベルに対応する緊急設定情報の閾値件数を超えている場合、緊急判定部122は、より高い緊急レベルの緊急設定情報に該当するか否かを判定して、当該着信の緊急レベルを特定する。いずれの場合も、当該着信を緊急の着信と判定しており、ステップB9へ進む。
【0066】
(ステップB8)
緊急判定部122は、当該着信を緊急の着信ではないと判定すると、緊急設定情報から通常のマナーモードの着信(緊急レベル0)に対応する着信動作を抽出する。なお、本実施形態では、図3より「消音」が着信動作となっている。緊急判定部122は、「消音」で着信動作を行うように、出力部6を制御する。出力部6は、緊急判定部122からの制御に基づいて、「消音」で着信動作を行って、ユーザへ着信を通知する。
【0067】
(ステップB9)
緊急判定部122は、当該着信を緊急の着信であると判定すると、緊急設定情報から該当する緊急レベルに対応する着信動作を抽出する。本実施形態において、例えば、当該着信の緊急レベルが「3」であると判定された場合、緊急レベル3に対応する着信動作は、「鳴音(音量5)」である。緊急判定部122は、「鳴音(音量5)」で着信動作を行う様に、出力部6を制御する。出力部6は、緊急判定部122からの制御に基づいて、「鳴音(音量5)」で着信動作を行って、ユーザへ着信を通知する。
【0068】
以上が、本実施形態における本実施形態における移動体端末10の着信時の動作方法の説明である。なお、ステップB3からステップB6までの動作順序は、上述の順序に限らない。ステップB7における当該着信の緊急レベルの判定動作において、必要な情報が取得できていれば、順序は限定しない。このようにして、本実施形態の移動体端末10は、閾値判定日時と、最終発信日時と、最終着信応答日時のうちから、緊急判定開始日時を選択して、判定時間を算出し、判定時間内件数に基づいて着信の緊急レベルを判定する。これによって、移動体端末10は、同じ発信元電話番号からの着信が連続している場合でも、一度、応答を行った場合や、着信側から折り返し発信を行った場合を考慮したマナーモード時の着信動作を行うことができる。
【0069】
以上が、本発明の第1実施形態における移動体端末の説明である。
【0070】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による移動体端末の説明を行う。
[構成の説明]
はじめに、本実施形態における移動体端末の構成の説明を行う。本実施形態の移動体端末の構成は、第1実施形態の移動体端末の構成と同様である。本実施形態の移動体端末が、第1実施形態の移動体端末と異なるのは、緊急判定部122の着信時における処理である。そのため、以下の説明では、構成や機能が同一の部位に関しては説明を省略して、第1実施形態と異なる部分を中心に説明を行う。図1は、第1実施形態と同様に、本実施形態の移動体端末の構成を示す機能ブロック図である。
【0071】
本実施形態の移動体端末10は、第1実施形態と同様に、中央制御部1と、記憶部2と、入力部3と、送受信部4と、タイマー部5と、出力部6とを備える。記憶部2と、入力部3と、送受信部4と、タイマー部5と、出力部6とは、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。中央制御部1は、着信検出部11と、緊急判定制御部12とを備える。また、緊急判定制御部12は、緊急判定登録部121と、緊急判定部122とを備える。着信検出部11と、緊急判定登録部121とは、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0072】
緊急判定部122は、第1実施形態と同様に、着信時に当該着信の緊急レベルの判定を行って、当該着信が緊急の着信である場合、緊急レベルに応じた緊急時の着信動作を行うように出力部6を制御する。本実施形態における緊急判定部122は、さらに、当該着信が緊急発信に対する折り返し着信(以下、緊急折り返し着信)であるかを、当該着信の緊急レベル(区別のために、以下、折り返し緊急レベルと表記する。)の判定を行って判定する。そして、緊急判定部122は、当該着信が緊急折り返し着信である場合、当該折り返し着信の折り返し緊急レベルに応じた緊急時の着信動作を行うように出力部6を制御する。
【0073】
緊急判定部122は、第1実施形態と同様に、着信時に当該着信の緊急レベルの判定を行って、当該着信の緊急レベルが「0」であると判定すると(当該着信が緊急着信でないと判定すると)、さらに当該着信が緊急折り返し着信であるか否かの判定を行う。本実施形態において、緊急判定部122は、第1実施形態と同様に、緊急設定情報DB21に記録された緊急設定情報に基づいて、当該着信の折り返し緊急レベルの判定を行って、当該着信が緊急折り返し着信であるか否かの判定を行う。
【0074】
緊急判定部122は、当該着信の緊急レベルの判定を行った後であるので、既に、当該着信の発信元電話番号に対応する発信履歴と、当該着信の発信元電話番号に対応する着信履歴と、現在日時と、緊急設定情報とを取得している。緊急判定部122は、現在日時から、閾値時間を遡った日時(以下、折り返し閾値判定日時)を算出する。次に、緊急判定部122は、着信履歴情報DB22から取得した発信元電話番号に対応する着信履歴において、最終着信応答日時を抽出する。緊急判定部122は、折り返し閾値判定日時と、最終着信応答日時とのうちから、最も直近の日時(以下、折り返し緊急判定開始日時)を選択する。緊急判定部122は、発信履歴情報DB22から取得した発信元電話番号に対応する発信履歴において、折り返し緊急判定開始日時から現在日時までの時間(以下、折り返し判定時間)内の発信件数(以下、折り返し判定時間内発信件数)をカウントする。
【0075】
緊急判定部122は、折り返し判定時間内発信件数が、閾値件数に該当するか否かを判定する。緊急判定部122は、折り返し判定時間内発信件数が、閾値件数に該当する場合、当該着信は閾値件数に対応する緊急折り返し着信であると判定する。緊急判定部122は、緊急設定情報から折り返し緊急レベルに対応する動作を特定して、当該動作を着信動作として行ってユーザへ着信を通知するように出力部6を制御する。
【0076】
ここで、図7を用いて、緊急判定部122による折り返し緊急レベルの判定処理を説明する。
【0077】
図7は、本実施形態における発信履歴情報DB23を示している。なお、本説明において、緊急設定情報DB21は、第1実施形態と同様に、図2に示す緊急設定情報を記録しているものとする。また、着信履歴情報DB22は、着信履歴を全く記録していない状態とし、第1実施形態と同様に発信元電話番号「090−××××−××××」から着信があったとして説明を行う。
【0078】
はじめに、発信元電話番号「090−××××−××××」からの折り返し着信が、着信日時「2008年9月3日14:10」にあった場合を説明する。
【0079】
緊急判定部122は、当該着信の緊急レベルの判定を行った後であるので、既に、当該着信の発信元電話番号「090−××××−××××」に対応する発信履歴「No.6、7、8、9」と、当該着信の発信元電話番号に対応する着信履歴(本説明では着信履歴無し)と、現在日時「2008年9月3日14:10」と、緊急設定情報とを取得している。なお、本説明では、着信履歴が存在しないため、緊急判定部122は、緊急レベルの判定において、当該着信の緊急度を緊急レベル「0」と判定している。
【0080】
緊急判定部122は、まず、折り返し緊急レベルの低い条件から処理を行う。すなわち、緊急判定部122は、緊急設定情報における折り返し緊急レベル「1」に対する処理を行う。緊急判定部122は、緊急設定情報の折り返し緊急レベル「1」のレコードから、閾値時間「2時間以内」を取得する。
【0081】
緊急判定部122は、現在日時から、閾値時間遡った日時である閾値判定日時を算出する。緊急判定部122は、現在日時「2008年9月3日14:10」から2時間遡った時間である「2008年9月3日12:10」を、折り返し閾値判定日時と算出する。
【0082】
緊急判定部122は、発信元電話番号に対応する着信履歴において、最終着信応答日時を抽出する。本説明において、着信履歴は存在しないため、最終着信応答日時は、抽出されない。
【0083】
緊急判定部122は、折り返し閾値判定日時と、最終着信応答日時とのうちから、折り返し緊急判定開始日時を選択する。つまり、折り返し閾値判定日時「2008年9月3日12:10」と、最終着信応答日時(本説明では存在せず。)とのうちから、最も直近の日時である折り返し閾値判定日時「2008年9月3日12:10」を、折り返し緊急判定開始日時として選択する。
【0084】
緊急判定部122は、発信元電話番号に対応する発信履歴「No.6、7、8、9」において、折り返し判定時間内の発信件数である折り返し判定時間内発信件数をカウントする。折り返し時間内の発信履歴は、発信履歴「No.6、7」である。そのため、緊急判定部122は、折り返し判定時間内発信件数を「2件」と特定する。
【0085】
緊急判定部122は、折り返し判定時間内着信件数が、緊急判定情報DB21の閾値欄の件数欄に記録された閾値件数に該当するか否かを判定する。緊急判定部122は、緊急設定情報から折り返し緊急レベル「1」に対応する閾値欄の閾値件数「3件」を取得する。緊急判定部122は、判定時間内着信件数「1件」が、折り返し緊急レベル「1」の閾値件数「2件」に到達していないことを検知する。そのため、緊急判定部122は、着信日時「2008年9月3日14:10」である当該着信の時点で、当該着信について折り返し緊急レベル「1」を適用する着信ではないと判定する。緊急判定部122は、当該着信は折り返し緊急レベル「1」より低い折り返し緊急レベル「0」、つまり、通常の着信であると(緊急折り返し着信でないと)特定する。緊急判定部122は、緊急設定情報から折り返し緊急レベル「0」に対応する着信動作「消音」を特定して、着信動作「消音」でユーザへ着信を通知するように出力部6を制御する。
【0086】
次に、発信元電話番号「090−××××−××××」からの折り返し着信が、着信日時「2008年9月3日14:23」にあった場合を説明する。
【0087】
緊急判定部122は、当該着信の緊急レベルの判定を行った後であるので、既に、当該着信の発信元電話番号「090−××××−××××」に対応する発信履歴「No.4〜9」と、当該着信の発信元電話番号に対応する着信履歴(本説明では着信履歴無し)と、現在日時「2008年9月3日14:23」と、緊急設定情報とを取得している。なお、本説明では、着信履歴が存在しないため、緊急判定部122は、緊急レベルの判定において、当該着信の緊急度を緊急レベル「0」と判定している。
【0088】
緊急判定部122は、まず、折り返し緊急レベルの低い条件から処理を行う。すなわち、緊急判定部122は、緊急設定情報における折り返し緊急レベル「1」に対する処理を行う。緊急判定部122は、緊急設定情報の折り返し緊急レベル「1」のレコードから、閾値時間「2時間以内」を取得する。緊急判定部122は、現在日時から、閾値時間遡った日時である閾値判定日時を算出する。緊急判定部122は、現在日時「2008年9月3日14:23」から2時間遡った時間である「2008年9月3日12:23」を、折り返し閾値判定日時と算出する。
【0089】
次に、緊急判定部122は、発信元電話番号に対応する着信履歴において、最終着信応答日時を抽出する。本説明において、着信履歴は存在しないため、最終着信応答日時は、抽出されない。
【0090】
緊急判定部122は、折り返し閾値判定日時と、最終着信応答日時とのうちから、折り返し緊急判定開始日時を選択する。つまり、折り返し閾値判定日時「2008年9月3日12:23」と、最終着信応答日時(本説明では存在せず。)とのうちから、折り返し閾値判定日時「2008年9月3日12:23」を、折り返し緊急判定開始日時として選択する。
【0091】
緊急判定部122は、発信元電話番号に対応する発信履歴「No.4〜9」において、折り返し判定時間内発信件数をカウントする。折り返し時間内の発信履歴は、発信履歴「No.4〜7」である。そのため、緊急判定部122は、折り返し判定時間内発信件数を「4件」と特定する。
【0092】
緊急判定部122は、折り返し判定時間内着信件数が、緊急判定情報DB21の閾値欄の件数欄に記録された閾値件数に該当するか否かを判定する。緊急判定部122は、緊急設定情報から折り返し緊急レベル「1」に対応する閾値欄の閾値件数「3件」を取得する。緊急判定部122は、判定時間内着信件数「4件」が、折り返し緊急レベル「1」の閾値件数「3件」を超えていることを検知する。そのため、緊急判定部122は、当該着信が折り返し緊急レベル「1」より高い折り返し緊急レベルである可能性があると判定する。
【0093】
緊急判定部122は、緊急設定情報における折り返し緊急レベル「2」に対する処理を行う。緊急判定部122は、緊急設定情報の折り返し緊急レベル「2」のレコードから、閾値時間「2時間以内」を取得する。緊急判定部122は、折り返し閾値判定日時「2008年9月3日12:23」を算出する。緊急判定部122は、発信元電話番号に対応する着信履歴において、最終着信応答日時を抽出する(本説明では存在せず)。緊急判定部122は、折り返し閾値判定日時「2008年9月3日12:23」と、最終着信応答日時とのうちから、折り返し閾値判定日時「2008年9月3日12:23」を、折り返し緊急判定開始日時として選択する。緊急判定部122は、発信元電話番号に対応する発信履歴「No.4〜9」において、折り返し判定時間内発信件数をカウントする。緊急判定部122は、折り返し判定時間内発信件数を、発信履歴「No.4〜7」の「4件」と特定する。
【0094】
緊急判定部122は、緊急設定情報から折り返し緊急レベル「2」に対応する閾値欄の閾値件数「4件」を取得する。緊急判定部122は、判定時間内着信件数「4件」が、折り返し緊急レベル「2」の閾値件数「4件」に該当していることを検知する。そのため、緊急判定部122は、着信日時「2008年9月3日14:23」である当該着信の時点で、当該着信が折り返し緊急レベル「2」であると(緊急折り返し着信であると)決定する。緊急判定部122は、緊急設定情報から折り返し緊急レベル2に対応する着信動作「鳴音(音量1)」を特定して、着信動作「鳴音(音量1)」でユーザへ着信を通知するように出力部6を制御する。
【0095】
以上が、緊急判定部122による折り返し緊急レベルの判定処理を説明である。
【0096】
このように構成することによって、自端末が、緊急時に連続で発信を行っていたものの対向側の端末が応答しないような状況において、対向側移動体端末から折り返し着信を受けた場合に、移動体端末10は、緊急時の着信動作を行ってユーザへ着信を通知するため、ユーザは、確実に折り返し着信に応答することができる。例えば、対向側移動体端末のユーザが打合せ等に参加しており着信に応答することができないような場合にあって、短い休憩の間に一度だけ折り返し発信を行ったとき等に、折り返し着信を受けた移動体端末10のユーザが、移動体端末をマナーモードに設定していたために折り返し着信に気がつかずに応答できないというような状況を回避することができる。
【0097】
なお、本実施形態において、緊急判定部122は、タイマー部5から取得した現在日時から、閾値時間を遡った時間を折り返し閾値判定日時としている。これを、最終発信日時から、閾値時間を遡った時間を折り返し閾値判定日時としてもよい。このように構成することで、最終発信日時から折り返し着信までの時間が長い場合にも、当該折り返し着信を緊急折り返し着信と判定することができる。
【0098】
また、本実施形態において、緊急判定部122は、緊急設定情報DB21に記録された緊急設定情報に基づいて、緊急折り返し着信の判定を行い、緊急設定情報DB21に記録された着信動作を行うように出力部6を制御している。これを、緊急設定情報DB21が、緊急設定情報とは別に、緊急折り返し着信用に緊急折り返し設定情報を記録してもよい。緊急折り返し設定情報は、緊急設定情報と同様に、「レベル」、「動作」、「閾値」の項目を備え、緊急設定情報とは、異なる記録内容とすることができる。緊急判定部122は、緊急折り返し設定情報に基づいて、上述の緊急折り返し着信の判定を行う。このように構成することで、緊急着信と、緊急折り返し着信とにおいて、異なる度合いを持つ緊急レベルを導入することが可能となる。
【0099】
さらに、緊急判定部122は、緊急折り返し着信を、緊急度の度合いに応じて複数の緊急レベルに分けている。これを、緊急折り返し着信であるか否かのみの判定とし、緊急判定部122は、緊急折り返し着信である場合は、常に「鳴音(音量5)」のような高い緊急レベルに対応した着信動作で着信を通知するように出力部6を制御するとしてもよい。
【0100】
以上が、本実施形態における移動体端末10の構成の説明である。
【0101】
[動作方法の説明]
次に、本実施形態における移動体端末10の動作方法の説明を行う。本実施形態における移動体端末10の動作方法は、第1実施形態における移動体端末10の動作方法とほぼ同様である。本実施形態における移動体端末10の動作方法が、第1実施形態における移動体端末10の動作方法と異なるのは、緊急判定部122の着信時における動作方法に追加動作があることである。そのため、以下の説明では、動作方法が同一である部分に関しては説明を省略して、第1実施形態と異なる動作方法を中心に説明を行う。図8は、本実施形態における移動体端末10の着信時の動作フローを示している。なお、以下の説明において、ユーザは、移動体端末10へ緊急設定情報の設定を予め完了しており、さらに、移動体端末10をマナーモードに設定しているものとする。また、緊急設定情報は、第1実施形態と同様の動作方法により、既に緊急設定情報DB21へ登録されているものとする。
【0102】
(ステップC1〜C7)
ステップC1からステップC7までは、第1実施形態で説明を行った図6のステップB1からステップB7までと同様であるので説明を省略する。
【0103】
(ステップC8)
緊急判定部122は、着信時に当該着信の緊急レベルの判定(図8では、緊急度合いの判定A)において、当該着信の緊急レベルを「0(通常着信)」と判定した場合、さらに、当該着信に対する折り返し緊急レベルの判定(図8では、緊急度合いの判定B)を行う。緊急判定部122は、現在日時から、折り返し閾値判定日時を算出する。緊急判定部122は、発信元電話番号に対応する着信履歴において、最終着信応答日時を抽出する。緊急判定部122は、折り返し閾値判定日時と、最終着信応答日時とのうちから、折り返し緊急判定開始日時を選択する。緊急判定部122は、発信元電話番号に対応する発信履歴において、折り返し判定時間内の発信件数である折り返し判定時間内発信件数をカウントする。緊急判定部122は、折り返し判定時間内発信件数が、閾値件数に該当するか否かを判定する。緊急判定部122は、折り返し判定時間内発信件数が、閾値件数に該当する場合、当該着信は当該折り返し緊急レベルに対応する緊急折り返し着信であると判定する。あるいは、緊急判定部122は、折り返し判定時間内発信件数が、閾値件数を超えている場合、当該着信はより高い折り返し緊急レベルに対応する緊急折り返し着信であると判定して、さらに高い折り返し緊急レベルから当該着信に対応する折り返し緊急レベルを特定する。いずれの場合も緊急折り返し着信と判定するため、ステップC10へ進む。一方、緊急判定部122は、折り返し判定時間内発信件数が、閾値件数に該当しない場合、当該着信は閾値件数に対応する緊急折り返し着信でない(折り返し緊急レベル「0」)と判定する。この場合、ステップC9へ進む。
【0104】
(ステップC9)
緊急判定部122は、当該着信を緊急着信、緊急折り返し着信でないと判定すると、緊急設定情報から通常のマナーモードの着信(折り返し緊急レベル0)に対応する着信動作を抽出する。なお、本実施形態では、図3より「消音」が着信動作となっている。緊急判定部122は、「消音」で着信動作を行うように、出力部6を制御する。出力部6は、緊急判定部122からの制御に基づいて、「消音」で着信動作を行って、ユーザへ着信を通知する。
【0105】
(ステップC10)
緊急判定部122は、当該着信を緊急着信、あるいは緊急折り返し着信のいずれかであると判定すると、緊急設定情報から該当する緊急レベル(あるいは折り返し緊急レベル、以下、本ステップにおいて、まとめて緊急レベルと記載する。)に対応する着信動作を抽出する。本実施形態において、例えば、当該着信の緊急レベルが「3」であると判定された場合、緊急レベル「3」に対応する着信動作は、「鳴音(音量5)」である。緊急判定部122は、「鳴音(音量5)」で着信動作を行う様に、出力部6を制御する。出力部6は、緊急判定部122からの制御に基づいて、「鳴音(音量5)」で着信動作を行って、ユーザへ着信を通知する。なお、緊急着信用に緊急設定情報と、緊急折り返し着信用に緊急折り返し設定情報とがそれぞれ緊急設定情報DB21へ登録されている場合、緊急判定部122は、それぞれに記録されている緊急レベルに対応した着信動作を行う様に、出力部6を制御するように構成してもよい。
【0106】
以上が、本実施形態における移動体端末10の動作方法の説明である。なお、本実施形態において、緊急判定部122は、ステップC7で当該着信の緊急レベルの判定を行い、その後に、ステップC8で当該着信の折り返し緊急レベルの判定を行っている。これを、緊急判定部122が、当該着信の緊急レベルの判定、および当該着信の折り返し緊急レベルの判定を、同時に行う動作方法としてもよい。この場合、緊急判定部122は、当該着信が、緊急着信、あるいは緊急折り返し着信のいずれかに該当する場合、緊急レベル、あるいは折り返し緊急レベルに対応した着信動作を行うように出力部6を制御する動作とすればよい。あるいは、当該着信が緊急着信、と緊急折り返し着信のいずれにも該当する場合、緊急判定部122は、緊急レベルと、折り返し緊急レベルのうちで、より高い緊急の度合いに対応した着信動作を選択するように出力部6を制御する動作方法としてもよい。
【0107】
以上が、本発明の第2実施形態における移動体端末の説明である。
【0108】
ここまで、説明を行ってきたとおり、本発明の第1実施形態によれば、発信側の緊急の度合いに応じた着信動作を行うことが可能な移動体端末を提供することができる。また、本発明の第2実施形態によれば、緊急時の発信に応じた着信側からの折り返し着信を、発信側が確実に応答可能な移動体端末を提供することができる。
【0109】
なお、以上において、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細は、本発明の範囲内で当業者が理会し得る様々な変更を行うことが可能である。例えば、上記の各実施形態における説明では、本発明に移動体端末を適用した場合を用いて説明しているが、本発明は、移動体端末の他、音声通信を行うことが可能な小型の情報端末にも適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明による移動体端末10の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明による緊急設定情報DB21の記録内容を示す図である。
【図3】第1実施形態における着信履歴情報DB22を示す図である。
【図4】第1実施形態における発信履歴情報DB23を示す図である。
【図5】本発明における移動体端末10へ緊急設定情報を登録する動作フローである。
【図6】第1実施形態における移動体端末10の着信時の動作フローである。
【図7】第2実施形態における発信履歴情報DB23を示す図である。
【図8】第2実施形態における移動体端末10の着信時の動作フローである。
【符号の説明】
【0111】
1 中央制御部
2 記憶部
3 入力部
4 送受信部
5 タイマー部
6 出力部
10 移動体端末
11 着信検出部
12 緊急判定制御部
21 緊急設定情報DB
22 着信履歴情報DB
23 発信履歴情報DB
121 緊急判定登録部
122 緊急判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信を行う送受信部と、
前記送受信部を介して音声通信を行う中央制御部と、
前記音声通信の着信時に着信動作を行う報知部と、
前記音声通信の発着信履歴を記録する記憶部と、
を備え、
前記記憶部は、単位時間あたりの着信件数に応じて着信の緊急の度合いを示す複数の緊急レベルに、前記着信動作を対応させて記録し、
前記中央制御部は、着信した時に、当該着信の発信元電話番号に対応する前記単位時間あたりの前記着信履歴の件数に基づいて前記緊急レベルを特定する緊急レベル判定を行って、前記緊急レベルに対応した前記着信動作を行うように前記報知部を制御する
移動体端末。
【請求項2】
請求項1に記載の移動体端末であって、
前記記憶部は、前記複数の緊急レベルの各々に、前記着信件数をカウントする閾値時間と、前記閾値時間内の前記着信件数を表す閾値件数と、前記着信動作の内容とを対応させて記録する緊急設定情報DB
を具備し、
前記中央制御部は、着信した時に、前記閾値時間と、当該着信の発信元電話番号に対応する前記発着信履歴の発着信時間とに基づいて前記単位時間を決定し、前記発信元電話番号に対応する前記単位時間あたりの前記着信履歴の件数に基づいて、前記緊急レベルを特定する
移動体端末。
【請求項3】
請求項2に記載の移動体端末であって、
現在日時を計測するタイマー部
をさらに備え、
前記中央制御部は、着信した時に、前記現在日時から前記閾値時間を遡った閾値判定日時と、当該着信の発信元電話番号に対応する前記着信履歴のうちで直近に応答を行った着信日時と、前記発信元電話番号への前記発信履歴のうちで直近の発信日時とのうちから、前記現在日時から直近の閾値判定開始日時を選択して、前記閾値判定開始日時から前記現在日時までの時間を前記単位時間と決定し、前記発信元電話番号に対応する前記単位時間あたりの前記着信履歴の件数と、前記閾値件数と、に基づいて当該着信の前記緊急レベルを特定する
移動体端末。
【請求項4】
請求項1に記載の移動体端末であって、
前記中央制御部は、前記緊急レベル判定において当該着信の前記緊急レベルを緊急の着信でないと判定した場合、当該着信の発信元電話番号に対応する前記単位時間あたりの前記発信履歴の件数に基づいて前記緊急レベルを特定する折り返し緊急レベル判定を行って、前記緊急レベルに対応した前記着信動作を行うように前記報知部を制御する
移動体端末。
【請求項5】
請求項2に記載の移動体端末であって、
前記中央制御部は、前記緊急レベル判定において当該着信の前記緊急レベルを緊急の着信でないと判定した場合、前記閾値時間と、当該着信の発信元電話番号に対応する前記着信履歴の着信時間とに基づいて前記単位時間を決定し、前記発信元電話番号に対応する前記単位時間あたりの前記発信履歴の件数に基づいて、前記緊急レベルを特定する折り返し緊急レベル判定を行って、前記緊急レベルに対応した前記着信動作を行うように前記報知部を制御する
移動体端末。
【請求項6】
請求項3に記載の移動体端末であって、
前記中央制御部は、前記緊急レベル判定において当該着信の前記緊急レベルを緊急の着信でないと判定した場合、前記閾値判定日時と、前記着信日時とのうちから、前記現在日時から直近の折り返し閾値判定開始日時を選択して、前記折り返し閾値判定日時から前記現在日時までの時間を前記単位時間と決定し、前記発信元電話番号に対応する前記単位時間あたり前記発信履歴の件数と、前記閾値件数とに基づいて、当該着信の前記緊急レベルを特定する折り返し緊急レベル判定を行って、前記緊急レベルに対応した前記着信動作を行うように前記報知部を制御する
移動体端末。
【請求項7】
請求項6に記載の移動体端末であって、
前記中央制御部は、前記折り返し緊急レベル判定における前記閾値判定日時を、前記発信日時から前記閾値時間を遡った日時とする
移動体端末。
【請求項8】
請求項4から請求項7までのいずれかに記載の移動体端末であって、
前記中央制御部は、着信すると、前記緊急レベル判定と、前記折り返し緊急レベル判定とを同時に行って、各々において特定した前記緊急レベルのうちで、より緊急度の高い緊急レベルに対応する前記着信動作を行うように前記出力部を制御する
移動体端末。
【請求項9】
無線通信を行うステップと、
前記無線通信を介して音声通信を行うステップと、
前記音声通信の着信時に着信動作を行うステップと、
前記音声通信の発着信履歴を記録するステップと、
単位時間あたりの着信件数に応じて着信の緊急の度合いを示す複数の緊急レベルに、前記着信動作を対応させて記録するステップと、
着信した時に、当該着信の発信元電話番号に対応する前記単位時間あたりの前記着信履歴の件数に基づいて前記緊急レベルを特定する緊急レベル判定を行って、前記緊急レベルに対応した前記着信動作を行うように制御するステップと
を備える移動体端末の着信動作制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の移動体端末の着信動作制御方法であって、
前記着信動作を対応させて記録するステップは、
前記複数の緊急レベルの各々に、前記着信件数をカウントする閾値時間と、前記閾値時間内の前記着信件数を表す閾値件数と、前記着信動作の内容とを対応させて記録するステップ、
を含み、
前記着信動作を行うように制御するステップは、
着信した時に、前記閾値時間と、当該着信の発信元電話番号に対応する前記発着信履歴の発着信時間とに基づいて前記単位時間を決定し、前記発信元電話番号に対応する前記単位時間あたりの前記着信履歴の件数に基づいて、前記緊急レベルを特定するステップ
を含む移動体端末の着信動作制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載の移動体端末の着信動作制御方法であって、
現在日時を計測するステップ
をさらに備え、
前記着信動作を行うように制御するステップは、
着信した時に、前記現在日時から前記閾値時間を遡った閾値判定日時と、当該着信の発信元電話番号に対応する前記着信履歴のうちで直近に応答を行った着信日時と、前記発信元電話番号への前記発信履歴のうちで直近の発信日時とのうちから、前記現在日時から直近の閾値判定開始日時を選択して、前記閾値判定開始日時から前記現在日時までの時間を前記単位時間と決定し、前記発信元電話番号に対応する前記単位時間あたりの前記着信履歴の件数と、前記閾値件数と、に基づいて当該着信の前記緊急レベルを特定するステップ
を含む移動体端末の着信動作制御方法。
【請求項12】
請求項9に記載の移動体端末の着信動作制御方法であって、
前記緊急レベル判定において当該着信の前記緊急レベルを緊急の着信でないと判定した場合、当該着信の発信元電話番号に対応する前記単位時間あたりの前記発信履歴の件数に基づいて前記緊急レベルを特定する折り返し緊急レベル判定を行って、前記緊急レベルに対応した前記着信動作を行うように制御するステップ
をさらに備える移動体端末の着信動作制御方法。
【請求項13】
請求項10に記載の移動体端末の着信動作制御方法であって、
前記緊急レベル判定において当該着信の前記緊急レベルを緊急の着信でないと判定した場合、前記閾値時間と、当該着信の発信元電話番号に対応する前記着信履歴の着信時間とに基づいて前記単位時間を決定し、前記発信元電話番号に対応する前記単位時間あたりの前記発信履歴の件数に基づいて、前記緊急レベルを特定する折り返し緊急レベル判定を行って、前記緊急レベルに対応した前記着信動作を行うように制御するステップ
をさらに備える移動体端末の着信動作制御方法。
【請求項14】
請求項11に記載の移動体端末の着信動作制御方法であって、
前記緊急レベル判定において当該着信の前記緊急レベルを緊急の着信でないと判定した場合、前記閾値判定日時と、前記着信日時とのうちから、前記現在日時から直近の折り返し閾値判定開始日時を選択して、前記折り返し閾値判定日時から前記現在日時までの時間を前記単位時間と決定し、前記発信元電話番号に対応する前記単位時間あたり前記発信履歴の件数と、前記閾値件数とに基づいて、当該着信の前記緊急レベルを特定する折り返し緊急レベル判定を行って、前記緊急レベルに対応した前記着信動作を行うように制御するステップ
をさらに備える移動体端末の着信動作制御方法。
【請求項15】
請求項14に記載の移動体端末の着信動作制御方法であって、
前記折り返し緊急レベル判定における前記閾値判定日時を、前記発信日時から前記閾値時間を遡った日時とする
移動体端末の着信動作制御方法。
【請求項16】
請求項12から請求項15までのいずれかに記載の移動体端末の着信動作制御方法であって、前記緊急レベルに対応した前記着信動作を行うように制御するステップは、
着信すると、前記緊急レベル判定と、前記折り返し緊急レベル判定とを同時に行って、各々において特定した前記緊急レベルのうちで、より緊急度の高い緊急レベルに対応する前記着信動作を行うように前記出力部を制御するステップ
を含む移動体端末の着信動作制御方法。
【請求項17】
請求項9から請求項16までのいずれかに記載の移動体端末の着信動作制御方法を、コンピュータへ実行させるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−141472(P2010−141472A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−314140(P2008−314140)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】