説明

移動通信装置

【課題】装置の使用者が報知に気が付かない可能性が高い場合、その報知を抑制する。
【解決手段】不在着信及び未読メール着信報知制御機能は、不在着信がある旨又は未読メール着信がある旨の報知を抑制すると判断された場合(ステップS104の「抑制する」)、LED表示部を抑制して点灯させる(ステップS106)。報知を抑制するとの判断は、装置の周囲が暗いこと、夜間であることなどによる。抑制した点灯は、点灯しないこと、点灯の間隔を長くすることなどである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信装置に係わり、特に、報知の制御処理に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信装置は、通話着信信号が受信され、その着信信号に対する着呼操作がされず、かつ、その着信の発呼を行った通信装置の識別情報を装置の使用者が確認していないと判断される場合(以後、この着信を不在着信と称する。)や、電子メール着信信号が受信され、かつ、その着信信号に係る電子メールが表示部に表示されていない場合(以後、この着信を未読メール着信と称する。)、不在着信の存在や、未読メール着信の存在を、例えばLED(Light Emitting Diode)を間欠点灯することによって報知することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−32738号公報(第7−9頁、図4、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている方法では、装置の使用者が報知、例えばLEDの間欠点灯に気が付かない可能性が高いか否かに係わらず、不在着信の存在や、未読メール着信の存在を報知する問題点があった。
【0004】
移動通信装置は、電池に蓄えられた電力によって動作するため、装置の使用者が報知、例えばLEDの間欠点灯に気が付かないまま報知を続けることは、電池に蓄えられた電力を無用に消費することになり、避けることが望ましい。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、装置の使用者が報知に気が付かない可能性が高い場合、その報知を抑制する移動通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の移動通信装置は、現在時刻を示すクロックと、自装置の状態の報知を制御する報知制御手段とを有し、前記報知制御手段は、前記クロックによって示された現在時刻が所定の時間帯である場合、前記報知を抑制することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置の使用者が報知に気が付かない可能性が高い場合、その報知を抑制することができ、且つ省電力を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明による移動通信装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係わる開閉自在の折畳み型移動通信装置の、上下筐体の折畳みを開いた時の前面の外観図を示し、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。
【0009】
この移動通信装置は、上筐体MS1と下筐体MS2とが、ヒンジ部MS3によって軸A−Aを中心に回動自在に連結されてなることによって、上下筐体MS1、MS2の角度が略0度(閉状態)から略180度(開状態)の間で開閉自在に構成されている。
【0010】
上筐体MS1の内面には、受話に用いられるスピーカ20と、使用者に操作を促す表示や、使用者が操作した内容の表示や、装置の動作状態の表示などに用いられるバックライト付きのLCD(Liquid Crystal Display)からなる表示部25とが設置されている。また、上筐体MS1の外面には、報知に用いられるLED表示部26と、照度を測定する照度センサ27とが設置されている。
【0011】
下筐体MS2の内面には、送話に用いられるマイクロフォン21と、入力素子であるキーパッドからなる入力部24とが設けられている。また、下筐体MS2の内部には、電波の送受に用いられるアンテナ(図示せず)が設置されている。入力部24には、電話番号を含む数字の入力などの入力に用いられるダイヤルキーと、移動通信装置の電源の投入及び切断などの動作指示などを入力するために用いられる機能キーとが設けられている。
【0012】
上筐体MS1の上部の内部(ヒンジ部MS3から遠い部分。)に磁石MS4が埋め込まれ、下筐体MS2の下部の内部(ヒンジ部MS3から遠い部分。)に開閉検出部30が埋め込まれている。そして、上下筐体MS1、MS2が閉状態にある場合、磁石MS4と、開閉検出部30との間の距離が近いように配置してある。開閉検出部30によって検出された磁石MS4に起因する磁力の多寡によって、上下筐体MS1、MS2が開状態にあるか、又は、閉状態にあるかを示す開閉信号が、開閉検出部30によって出力される。
【0013】
図2は、この移動通信装置の上筐体MS1をヒンジ部MS3によって回動させ、下筐体MS2に近づけて折畳みを閉じた時の外観を示し、図2(a)は正面図、図2(b)は側面図である。折畳みが閉じられた状態では、表示部25は、折畳みの内側にあるため、使用者は、表示部25に行われた表示を視認することができないが、LED表示部26の点灯を視認することができる。
【0014】
図3は、本発明の実施形態に係わる移動通信装置の構成を示すブロック図である。この移動通信装置は、移動通信網(図示せず)を介した通話を含む通信を行う装置であり、基地局(図示せず)との間で電波の送受信を行うアンテナ11、アンテナ共用器(以後、DUPと称する。)12、受信回路(以後、RXと称する。)13、制御部23から送信されたシンセサイザ制御信号SYCに基づいた周波数を合成する周波数シンセサイザ(以後、SYNと称する。)14及び送信回路(以後、TXと称する。)15からなる無線通信部を有し、また、CDMA(Code Division Multiple Access)信号処理部16、音声符号処理部17及びPCM(Pulse Code Modulation)符号処理部18からなる信号処理部を有している。
【0015】
この移動通信装置は、更に、受話音声増幅用の増幅器19、受話に用いられるスピーカ20、送話に用いられるマイクロフォン21及び送話音声増幅用の増幅器22からなる音声処理部を有し、また、装置全体の制御を行う制御部23を有する。
【0016】
更に、この移動通信装置は、入力部24、表示部25、LED表示部26、照度センサ27、リアルタイムクロック部(Real Time Clock、以後、RTC部と称する。)28、測位部29、開閉信号MS3aを出力する開閉検出部30及び記憶部31からなる周辺装置部と、電池32及び装置の各部へ所定の動作電源電圧Vccを供給する電源回路33からなる電源部を有する。
【0017】
上記のように構成された、本発明の実施形態に係る移動通信装置の各部の動作を、図3を参照して説明する。
【0018】
RX13は、アンテナ11によって受信された高周波信号の中で、SYN14によって合成された周波数で指定される信号を増幅してCDMA信号処理部16に送信する。TX15は、CDMA信号処理部16から送信された符号分割多重接続方式で変調された信号を、SYN14によって合成された周波数で指定される高周波信号に変換して増幅し、アンテナ11から送信させる。ここで、DUP12は、送信帯域通過フィルタ及び受信帯域通過フィルタを有し、アンテナ11をRX13及びTX15に共用させる。
【0019】
CDMA信号処理部16は、RX13から送信された符号分割多重接続方式で変調された信号を復調し、得られた音声信号を音声符号処理部17へ送信し、得られた制御信号及び電子メール信号を制御部23へ送信する。また、CDMA信号処理部16は、音声符号処理部17から送信された音声信号並びに制御部23から送信された制御信号及び電子メール信号を符号分割多重接続方式で変調し、TX15に送信する。
【0020】
音声符号処理部17は、CDMA信号処理部16から送信された音声信号を復号し、復号によって得られたデジタル音声信号をPCM符号処理部18へ送信する。また、PCM符号処理部18から送信されたデジタル音声信号を符号化して、符号化された音声信号をCDMA信号処理部16へ送信する。
【0021】
PCM符号処理部18は、音声符号処理部17から送信されたデジタル音声信号をアナルログ音声信号に変換して、そのアナログ音声信号を増幅器19に増幅させて、スピーカ20から音声を発生させる。また、マイクロフォン21から入力され、増幅器22によって増幅されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換して、そのデジタル音声信号を音声符号処理部17に送信する。
【0022】
入力部24は、主に通信相手の電話番号などを指定し、また、トグル式の入力方式によってひらがな文字、アルファベット文字及び記号文字を入力するためのダイヤルキーと、機能の選択や、選択された機能の確定を指示するために用いられる機能キーとからなる。そして、入力部24のキーが入力操作されると、そのキーの識別子が制御部23に通知され、制御部23及び制御部23によって制御された処理部によって、表示部25に文字として表示され、また、動作が行われる。
【0023】
表示部25は、開閉信号MS3aによって上下筐体MS1、MS2が開状態にあると判断される場合、制御部23に制御されることで、カーソルを含む文字・数字を含む画像データの表示動作を行い、表示されているデータは、入力部24からの入力操作や着信信号の受信に応答して制御部23からの指示を受けることで切換わる。また、所定の時間に渡って入力部24からの入力操作や着信信号の受信がない場合、及び、上下筐体MS1、MS2が閉状態にあることが開閉信号MS3aによって判断される場合、表示部25は、制御部23に制御されて表示を終了する。
【0024】
LED表示部26は、制御部23に制御されて点灯する。照度センサ27は、制御部23の要求に応じて照度を測定し、測定された照度を制御部23に通知する。この測定された照度は、装置の周囲の明るさを判断するために用いられる。RTC28は、常に現在時刻を示し、制御部23の要求に応じて現在時刻を制御部23に通知する。
【0025】
測位部29は、制御部23の要求に応じて、GPS(Global Positioning System)衛星から送信された電波を受信することによって装置が位置する場所の緯度及び経度を測位し、測位された緯度及び経度を制御部23に通知する。
【0026】
開閉検出部30は、上下筐体MS1、MS2が開状態にあるか、又は、閉状態にあるかを検出し、制御部23の要求に応じて上下筐体MS1、MS2が開状態にあるか、又は、閉状態にあるかを示す開閉信号MS3aを制御部23に送信する。
【0027】
記憶部31は、情報を記憶する。この記憶の管理は、フォルダ及びファイルの形式によって管理される部分と、記憶部31の番地によって管理される部分とに分かれる。電源回路33は、DC/DCコンバータを備え、電池32に蓄えられた電力から所定の動作電源電圧Vccを作成して各部に供給する。
【0028】
ところで、制御部23は、例えば、マイクロコンピュータを備え、OS(Operating System)の機能を有するもので、本発明の実施形態を実現するための制御機能として、通話制御機能23a、電子メール送受信制御機能23b及び不在着信及び未読メール着信報知制御機能23cを備えている。
【0029】
通話制御機能23aは、発呼操作又は着信信号の受信を契機として通話を開始させる。入力部24の所定のキー操作による電話番号の入力を伴う発呼操作が行われると、通話制御機能23aは、CDMA信号処理部16に指示して発呼信号を基地局へ送信させる。この発呼信号に対応して呼が接続された旨の制御信号がCDMA信号処理部16によって受信されると、装置の各部を制御して通話をさせる。
【0030】
また、CDMA信号処理部16によって通話着信信号が受信されると、通話制御機能23aは、通話着信信号が受信された旨の所定の報知をさせる。この報知は、表示部25に所定の画像の表示をさせる、LED表示部26を点灯させる、などによって行われる。この通話着信信号に対応して入力部24の所定のキー操作によって着呼操作がされると、通話制御機能23aは、CDMA信号処理部16に指示して着呼信号を基地局へ送信させる。この着呼信号に対応して呼が接続された旨の制御信号がCDMA信号処理部16によって受信されると、装置の各部を制御して通話をさせる。
【0031】
通話着信信号が受信され、かつ、この通話着信信号に対応して入力部24の所定のキー操作によって着呼操作がされず、通話がされない場合、通話制御機能23aは、不在着信がある旨と、この不在着信を発呼した通信装置を識別する情報、例えば、電話番号とを記憶部31に記憶される。
【0032】
入力部24の所定のキー操作によって記憶部31に記憶された不在着信を発呼した通信装置を識別する情報が表示部25に表示されると、通話制御機能23aは、その表示された識別する情報に係わる不在着信情報を記憶部31から削除させる。この削除によって、発呼した通信装置を識別する情報の全てに係わる不在着信情報が削除された場合、通話制御機能23aは、不在着信がある旨の記憶を記憶部31から削除させる。
【0033】
電子メール送受信制御機能23bは、入力部24の所定のキー操作に基づいて動作を開始し、電子メールを送信する。即ち、入力部24の所定のキー操作に従って、送信される電子メールの宛先電子メールアドレスと、件名と、本文とを入力して、CDMA信号処理部16に指示して、入力された電子メールを移動通信網を介して電子メールサーバ装置(図示せず)に送信させる。
【0034】
更に、電子メール送受信制御機能23bは、電子メール着信信号が受信されたことを契機として動作を開始し、電子メールサーバ装置から送信された電子メールの送信元電子メールアドレス及び件名を含むその電子メールのヘッダと、本文とをCDMA信号処理部16を経由して受信して、記憶部31に記憶させると共に、電子メールが受信されたことを報知させる。この報知は、表示部25に所定の画像の表示をさせる、LED表示部26を点灯させる、などによって行われる。上記記憶の際、電子メール送受信制御機能23bは、未読メール着信がある旨を記憶部31に記憶させる。
【0035】
また、電子メール送受信制御機能23bは、入力部24の所定のキー操作に基づいて動作を開始し、記憶部31に記憶された受信された電子メールの送信元電子メールアドレス、件名及び本文の少なくとも一部を表示部25に表示させる。この表示をさせた際、電子メール送受信制御機能23bは、表示させた電子メールと関連付けて、表示された旨を記憶部31に記憶させる。更に、この記憶の結果、表示された旨が関連付けて記憶されていない電子メールが記憶部31に記憶されていない場合、電子メール送受信制御機能23bは、未読メール着信がある旨を記憶部31から削除させる。
【0036】
不在着信及び未読メール着信報知制御機能23cは、記憶部31に不在着信がある旨及び/又は未読メール着信がある旨が記憶されている場合、不在着信がある旨及び/又は未読メール着信がある旨の、LED表示部26の間欠的な点灯による報知を制御する。
【0037】
なお、この報知に装置の使用者が気が付く可能性が低いと判断された場合、不在着信及び未読メール着信報知制御機能23cは、報知を抑制する。報知を抑制するとは、例えば、LED表示部26を点灯させないことであり、また、LED表示部26を点灯させる時間間隔を大きくすることである。
【0038】
(不在着信及び未読メール着信報知制御機能23cの制御動作の詳細)
不在着信及び未読メール着信報知制御機能23cが、不在着信がある旨及び/又は未読メール着信がある旨の、LED表示部26の間欠的な点灯による報知を制御する動作の詳細を説明する。図4は、この報知制御動作のフローチャートを示す。不在着信及び未読メール着信報知制御機能23cは、所定の時間間隔で起動されて動作を開始する(ステップS101)。
【0039】
なお、制御部23は、着信信号が基地局から送信されているか否かを調べるため、間欠起床して無線通信部とCDMA信号処理部16とに間欠受信をさせる。そこで、制御部23がこの間欠起床の際に起動することにより、不在着信及び未読メール着信報知制御機能23cは、所定の時間間隔で起動される。
【0040】
不在着信及び未読メール着信報知制御機能23cは、不在着信がある旨又は未読メール着信がある旨が記憶部31に記憶されているか否かを調べる(ステップS102)。いずれも記憶されていない場合、動作を終了する(ステップS103)。
【0041】
一方、少なくとも一方が記憶されている場合、不在着信及び未読メール着信報知制御機能23cは、報知を抑制するか否かを判断する(ステップS104)。この判断の詳細は、後述する。報知を抑制しないと判断された場合、不在着信及び未読メール着信報知制御機能23cは、LED表示部26を点灯させ(ステップS105)、動作を終了する(ステップS103)。一方、報知を抑制すると判断された場合、LED表示部26を抑制して点灯させ(ステップS106)、動作を終了する(ステップS103)。抑制して点灯させる動作の詳細は、後述する。
【0042】
ステップS104で、不在着信及び未読メール着信報知制御機能23cが報知を抑制するか否かを判断する動作の詳細を説明する。不在着信及び未読メール着信報知制御機能23cは、以下の条件の1つ、又は、複数が成り立つ場合、報知を抑制すると判断する。
【0043】
第1に、照度センサ27によって測定された照度が、所定の照度閾値未満の場合である。この場合、装置の使用者は就寝中である可能性、又は、装置が鞄などにしまわれている可能性が高く、装置の使用者が報知に気が付かない可能性が高いからである。所定の照度閾値は、装置の製造時に設定された値、又は、入力部24の所定のキー操作により設定された値である。
【0044】
第2に、RTC28によって示された現在時刻が、所定の夜間の時間帯に含まれる場合である。この場合、装置の使用者は就寝中である可能性が高く、報知に気が付かない可能性が高いからである。第1の条件と、第2の条件とが共に成り立つ場合、装置の使用者は就寝中である可能性が特に高く、報知に気が付かない可能性が特に高い。所定の夜間の時間帯は、装置の製造時に設定された値、又は、入力部24の所定のキー操作により設定された値によって定められる。
【0045】
なお、夜間の時間帯に含まれる一部の時間帯を深夜の時間帯とし、RTC28によって示された現在時刻が、この深夜の時間帯に含まれる場合、装置の使用者は就寝中である可能性が特に高いと判断しても良い。
【0046】
第3に、測位部29によって測位された緯度及び経度が、予め測位部29によって測位され、記憶部31に記憶された緯度及び経度、例えば、装置の使用者の自宅の緯度及び経度であるであると判断される場合である。この第3の条件が、第1の条件及び/又は第2の条件と共に成り立つ場合、装置の使用者は就寝中である可能性が特に高く、報知に気が付かない可能性が特に高いと判断される。
【0047】
なお、測位部29によって測位された緯度及び経度は、装置が建物内にある場合、誤差が含まれることがある。そこで、測位された緯度及び経度と、記憶部31に記憶された緯度及び経度との差が所定の範囲内である場合、測位された緯度及び経度は、記憶部31に記憶された緯度及び経度であると判断される。
【0048】
第4に、開閉信号MS3aによって、上下筐体MS1、MS2が閉状態及び開状態のいずれか一方にあることが所定時間以上に渡り検出されている場合である。第5に、入力部24のキーが最後に操作された後、所定の無操作時間が経過した場合である。これらの第4及び第5の場合、装置の使用者は装置を使用していないと考えられ、装置の近くにいない可能性、又は、装置に注意を払っていない可能性が高く、報知に気が付かない可能性が高いからである。
【0049】
以上の条件の中のより多くの条件が成り立つ場合、不在着信及び未読メール着信報知制御機能23cは、装置の使用者が報知に気が付かない可能性がより高いと判断する。
【0050】
ステップS106で、不在着信及び未読メール着信報知制御機能23cが報知を抑制する動作の詳細を説明する。報知を抑制する動作は、以下に述べる第1の動作乃至第4の動作のいずれか1つ又は複数である。第1の動作乃至第4の報知を抑制する動作をステップS105の報知を抑制しない動作と比較して説明する。
【0051】
報知を抑制する第1の動作は、LED表示部26を点灯させない処理である。この処理によれば、装置が消費する電力を削減する効果が大きい。しかしながら、この処理は、報知を行なわないことを意味するので、装置の使用者がLED表示部26の点灯に気が付かない可能性が特に高い場合に適切な処理である。
【0052】
なお、装置の使用者は就寝中である可能性が特に高いと判断され、LED表示部26を点灯させない処理が行われたとしても、夜明けと共に、照度センサ27によって測定された照度が大きくなり、また、RTC28によって示された現在時刻が夜間の時間帯に含まれなくなる。そこで、夜明けと共に、不在着信及び未読メール着信報知制御機能23cは、ステップS104で報知を抑制しないと判断し、抑制されない報知動作が行われるので、装置の使用者の不都合はない。
【0053】
報知を抑制する第2の動作は、LED表示部26を点灯させる時間間隔を長くする処理である。即ち、不在着信及び未読メール着信報知制御機能23cは、n回(ここで、nは2以上の整数。n≧2。)起動される度に1回のみ、LED表示部26を点灯させる。又は、p回起動される度にq回のみ、LED表示部26を点灯させる。(ここで、pは3以上の整数で、qは、1以上かつp未満の整数。p≧3、1≦q<p。)
報知を抑制する第3の動作は、LED表示部26を点灯させる輝度を低下させる処理である。報知を抑制する第4の動作は、LED表示部26を点灯させる点灯時間を短くする処理である。
【0054】
これらの第2〜第4の動作で報知を抑制する場合、LED表示部26を点灯させる周期、LED表示部26を点灯させる輝度及びLED表示部26を点灯させる点灯時間は、一定であると限るものではない。不在着信及び未読メール着信報知制御機能23cは、装置の使用者がLED表示部26の点灯に気が付かない可能性が高ければ高い程、その周期をより長くし、その輝度をより低下させ、また、その点灯時間をより短くしても良い。
【0055】
これらの第2〜第4の動作によれば、たとえ周期が長い、輝度が低下される、また、点灯時間が短いにせよ、LED表示部26は点灯されて報知動作が行われるので、装置の使用者が報知に気が付く効果が得られる。
【0056】
以上の説明で、照度センサ27は、上筐体MS1の外面に設置されるとした。これは、装置が机上に置かれる際、照度センサ27は、下面(机に接する面。)とならない面に設置されることが、装置の周囲の明るさを判断するために好ましいからである。ここで、上筐体MS1の外面には、LED表示部26が設置されているので、装置の使用者は、装置を机上に置く際、LED表示部26を視認可能にするため、上筐体MS1の外面を上面とする習慣を持つと考えられる。
【0057】
また、装置は、複数の照度センサを有しても良い。複数の照度センサを装置の異なる外面に設置し、それらの照度センサが測定した照度の平均値や、最大値によれば、装置の周囲の明るさをより詳細に判断することができる。
【0058】
以上の説明は、不在着信がある旨又は未読メール着信がある旨の報知の抑制について行なったが、抑制される報知は、この2つの報知に限るものではない。例えば、通話着信信号が受信された旨の報知や、電子メールが受信された旨の報知であっても良い。
【0059】
以上の説明では、報知はLED表示部26の点灯によって行われるとしたが、報知はLED表示部26の点灯によると限るものではない。LCD、白熱電球、放電灯など、あらゆる発光素子の点灯によっても良い。
【0060】
更には、報知は、音声を報知音声発生用の第2のスピーカ(図示せず)から発生させることや、バイブレータ(図示せず)を振動させることによっても良い。これらの音声や振動による報知を抑制する動作は、上述したLED表示部26の点灯による報知を抑制する動作に準じる。なお、報知が音声の発生による場合、報知の抑制は、発生される音声の音量を小さくすることでも良い。また、以上説明した報知の抑制制御は、入力部24の所定のキー操作に基づいて、行なわれるか否かが設定可能であるとしても良い。
【0061】
以上の説明は、本発明を移動通信装置に適用した例を用いて行なったが、本発明は、当然に報知を行なうあらゆる装置に適用することが可能である。また、電池に蓄えられた電力によって動作する携帯型の装置に適用すると、効果が顕著である。本発明は以上の構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施形態に係わる開閉自在の移動通信装置の上下筐体を開いた際の外観図。
【図2】本発明の実施形態に係わる開閉自在の移動通信装置の上下筐体を閉じた際の外観図。
【図3】本発明の実施形態に係わる移動通信装置の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の実施形態に係わる不在着信及び未読メール着信報知制御機能の動作のフローチャート。
【符号の説明】
【0063】
MS1 上筐体
MS2 下筐体
MS3 ヒンジ部
MS3a 開閉信号
23 制御部
23a 通話制御機能
23b 電子メール送受信制御機能
23c 不在着信及び未読メール着信報知制御機能
26 LED表示部
27 照度センサ
28 RTC
29 測位部
30 開閉検出部
31 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在時刻を示すクロックと、
自装置の状態の報知を制御する報知制御手段とを有し、
前記報知制御手段は、前記クロックによって示された現在時刻が所定の時間帯である場合、前記報知を抑制する
ことを特徴とする移動通信装置。
【請求項2】
前記報知制御手段は、自装置に不在着信がある又は未読メール着信がある場合、不在着信がある旨又は未読メール着信がある旨を報知させる
ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項3】
照度を測定する照度センサを更に有し、
前記報知制御手段は、更に、前記照度センサによって測定された照度が所定の照度閾値未満である場合、前記報知を抑制する
ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項4】
緯度及び経度を測位する測位手段を更に有し、
前記報知制御手段は、更に、前記測位手段によって測位された緯度及び経度が所定の緯度及び経度である場合、前記報知を抑制する
ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項5】
第1の筐体と第2の筐体とが開閉自在な構成であり、
前記第1の筐体及び前記第2の筐体が開状態にあるか、閉状態にあるかを検出する開閉検出手段を更に有し、
前記報知制御手段は、更に、前記開閉検出手段によって前記第1の筐体及び前記第2の筐体が開状態及び閉状態のいずれか一方の状態にあることが所定時間以上に渡り検出された場合、前記報知を抑制する
ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項6】
発光素子を更に有し、
前記報知制御手段は、前記発光素子を所定の時間の間隔をおいて所定の輝度で所定の点灯時間に渡って点灯させることによって前記報知をさせ、前記報知を抑制する場合、前記発光素子を点灯させない、前記発光素子を前記所定の時間を超える時間の間隔をおいて点灯させる、前記発光素子を前記所定の輝度未満の輝度で点灯させる、又は、前記発光素子を前記所定の点灯時間未満の時間に渡って点灯させる
ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−87917(P2010−87917A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−255623(P2008−255623)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】