説明

積層基板の製造方法及び該方法で製造された積層基板

【課題】焼成時の内部応力を緩和でき、分割時のクラックの拡がりを抑制でき、焼成後の残留応力を低減できる積層基板の製造方法及び該方法で製造された積層基板を提供する。
【解決手段】(i)未焼成の上部絶縁層と未焼成の下部絶縁層との間に未焼成の中間絶縁層が挟まれるように積層して、複数個分の個基板になる個基板領域11a〜11dを含む未焼成の集合基板を形成する。中間絶縁層の少なくとも1層に、個基板領域11a〜11dの境界線11x,11yの一部を含む貫通孔30を予め形成し、貫通孔30によって集合基板の内部に空洞を形成する。(ii)未焼成の集合基板を焼成し、(iii)焼結済みの集合基板を、個基板領域11a〜11dの境界線11x,11yに沿って切断して、集合基板から個基板を分割する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は積層基板の製造方法及び該方法で製造された積層基板に関し、詳しくは、絶縁層が積層された積層基板の製造方法及び該方法で製造された積層基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、集合基板を分割することにより個基板を製造する方法が知られている。例えば図10(a)の平面図及び図10(b)の断面図に示すように、分割溝3,4が形成された集合基板1を、分割溝3,4に沿って切断する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−347684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
セラミックの絶縁層が積層された多層基板は、セラミックグリーンシートを積層し、焼成することにより作製される。集合基板からセラミックの多層基板を作製する場合、セラミックグリーンシートを積層した集合基板を焼成した後に、焼結済みの集合基板から個基板に分割する方法と、未焼成の集合基板から個基板を分割した後、未焼成の個基板を焼成する方法とがある。
【0005】
前者のように焼結済みの集合基板から個基板を分割すると、後者のように集合基板から分割された未焼成の個基板を焼成するよりも、製造工程が簡単になり、効率がよい。
【0006】
しかしながら、集合基板の状態で焼成すると、個基板となる領域同士が拘束し合うため、焼成時に内部応力によりクラックが発生しやすい。また、焼結済みの集合基板から個基板を分割するときに、クラックが拡がり、個基板に欠陥が発生しやすい。さらには、焼成後の残留応力によって、積層基板に形成される素子の特性が劣化することがある。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑み、焼成時の内部応力を緩和でき、分割時のクラックの拡がりを抑制でき、焼成後の残留応力を低減できる積層基板の製造方法及び該方法で製造された積層基板を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した積層基板の製造方法を提供する。
【0009】
積層基板の製造方法は、(i)1層又は2層以上の未焼成の上部絶縁層と1層又は2層以上の未焼成の下部絶縁層との間に、1層又は2層以上の未焼成の中間絶縁層が挟まれるように積層して、複数個分の個基板になる個基板領域を含む未焼成の集合基板を形成する第1の工程と、(ii)未焼成の前記集合基板を焼成する第2の工程と、(iii)焼結済みの前記集合基板を、前記個基板領域の境界線に沿って切断して、前記集合基板から前記個基板を分割する第3の工程とを備える。前記第1の工程において、前記中間絶縁層の少なくとも1層に、前記個基板領域の前記境界線の一部を含む貫通孔を予め形成し、該貫通孔によって前記集合基板の内部に空洞を形成する。
【0010】
上記方法によれば、第2の工程において集合基板を焼成することにより、集合基板には内部応力が発生する。このとき、集合基板は、空洞の周囲の内部応力が緩和されるので、焼成時の内部応力を緩和し、クラックの発生を抑制することができる。
【0011】
第3の工程において集合基板を分割するとき、集合基板の内部には個基板領域の境界線を含む空洞が形成されているので、分割時のクラックの拡がりを抑制することができる。
【0012】
さらに、中間層に貫通孔を形成することにより、分割後の個基板において、残留応力を低減することができる。
【0013】
好ましい一態様において、前記中間絶縁層に形成された前記貫通孔は、前記個基板領域の前記境界線が交差する部分を含むように形成されている。
【0014】
この場合、貫通孔が形成された中間絶縁層は、隣接する個基板領域がそれぞれの四隅から離れた中間部分で互いに接続される。
【0015】
好ましい他の態様において、前記中間絶縁層に形成された前記貫通孔は、前記個基板領域の前記境界線が交差する部分の間の中間部分のみを含む。
【0016】
この場合、貫通孔が形成された中間絶縁層は、隣接する個基板領域がそれぞれの四隅で互いに接続される。
【0017】
好ましくは、前記貫通孔が形成された前記中間絶縁層は、磁性体セラミック材料を含み、かつコイルが形成されている。
【0018】
この場合、コイルが形成された中間絶縁層は、貫通孔によって残留応力が緩和され、残留応力により生じる磁歪が緩和される。これにより、コイルにより形成されるインダクタ素子の特性劣化(鉄損によるコイルのインダクタンスの低下)を低減することができる。
【0019】
好ましくは、前記第1の工程において、前記貫通孔に、前記第2の工程で未焼成の前記積層体を焼成するときに消失する材料が配置された前記集合基板を形成する。
【0020】
この場合、貫通孔に配置された材料は、第2の工程において未焼成の集合基板を焼成するときに消失する。これにより、集合基板の内部に空洞が形成される。
【0021】
また、本発明は、上記課題を解決するために、上記した積層基板の製造方法で製造された積層基板を提供する。
【0022】
積層基板は、上記した積層基板の製造方法のいずれかで製造される。前記貫通孔が形成された前記中間絶縁層の周端面に、前記貫通孔により、前記上部絶縁層及び前記下部絶縁層の周端面よりも後退した凹部が形成されている。
【0023】
上記構成の積層基板は、焼成時の内部応力を緩和でき、分割時のクラックの拡がりを抑制でき、焼成後の残留応力を低減できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、焼成時の内部応力を緩和でき、分割時のクラックの拡がりを抑制でき、焼成後の残留応力を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】積層基板の断面図である。(実施例1)
【図2】集合基板の要部断面図である。(実施例1)
【図3】積層基板の断面図である。(実施例2)
【図4】集合基板の要部断面図である。(実施例2)
【図5】集合基板の要部断面図である。(変形例1)
【図6】集合基板の要部断面図である。(変形例2)
【図7】集合基板の要部断面図である。(変形例3)
【図8】積層基板の断面図である。(比較例)
【図9】集合基板の要部断面図である。(比較例)
【図10】セラミック基板の(a)平面図、(b)断面図である。(従来例)
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図9を参照しながら説明する。
【0027】
<実施例1> 実施例1の積層基板10aについて、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0028】
図1は、積層基板10aの断面図である。図2(a)は、図1の線A−Aに沿って切断した集合基板の要部断面図である。図2(b)は、図1の線B−Bに沿って切断した集合基板の要部断面図である。
【0029】
図1及び図2に示すように、積層基板10aは、積層基板10aになる個基板領域11a〜11dを含む集合基板を、個基板領域11a〜11dの境界線11x,11yに沿って切断することにより、作製する。
【0030】
図1に示すように、積層基板10aは、絶縁層が積層された基板本体12の一方の主面12aに、表面実装部品やICチップなどの部品2,4,6を実装するためのランド電極26が形成されている。基板本体12の他方の主面12bには、積層基板10aを他の回路基板等に実装するための外部電極28が形成されている。積層基板10aに部品2,4,6を実装しない場合、ランド電極26を無くすことができる。
【0031】
基板本体12は、順に、第1の非磁性フェライト層16a、第1の磁性フェライト層14a、中間非磁性フェライト層16c、第2の磁性フェライト層14b、第2の非磁性フェライト層16bが積層されている。各層14a,14b,16a,16b,16cは、1層又は2層以上の絶縁層を含む。第1の非磁性フェライト層16aは、本発明の上部絶縁層である。第2の非磁性フェライト層16bは、本発明の下部絶縁層である。中間非磁性フェライト層16cと第1及び第2の磁性フェライト層14a,14bは、本発明の中間絶縁層である。
【0032】
第1及び第2の磁性フェライト層14a,14bは、磁性体セラミック材料を含む。例えば、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ニッケル及び酸化銅を主成分とする磁性フェライトと、セラミック材料とを含む。第1及び第2の非磁性フェライト層16a,16bと中間非磁性フェライト層16cとは、例えば、酸化鉄、酸化亜鉛及び酸化銅を主成分とする非磁性フェライトと、セラミック材料とを含む。
【0033】
基板本体12の内部には、電気回路を構成するように、ビアホール導体24と、コイル要素20と、配線導体22とが形成されている。ビアホール導体24は、基板本体12の絶縁層を貫通するように形成されている。コイル要素20と配線導体22とは、基板本体12の隣接する絶縁層の間に形成されている。基板本体12の内部には、コイル要素20に隣接して空隙18が形成されている。
【0034】
コイル要素20は、第1の磁性フェライト層14a、中間非磁性フェライト層16c、第2の磁性フェライト層14bに、それぞれ形成され、それらが、ビアホール導体22a,22b(図2(a)参照)を介して積層方向に螺旋状に接続され、コイルを形成する。
【0035】
図示していないが、基板本体12の内部に、互いに対向する配線導体によってコンデンサを形成してもよい。この場合、LCフィルタを形成したり、LC共振回路を含むモジュール部品を形成したりすることができる。
【0036】
図1に示すように、基板本体12の側面12cには、凹部40が形成されている。詳しくは、基板本体12の第1及び第2の磁性フェライト層14a,14bと中間非磁性フェライト層16cの周端面に、基板本体12の第1及び第2の非磁性フェライト層16a,16bの周端面16s,16tよりも後退した凹部40が形成されている。
【0037】
凹部40は、集合基板の第1及び第2の磁性フェライト層14a,14bと中間非磁性フェライト層16cに予め形成された貫通孔30の一部により形成される。すなわち、図2(a)に示すように個基板領域11a〜11dの境界線11x,11yの交差部分を含ように十字形状に貫通孔30が予め形成された第1及び第2の磁性フェライト層14a,14bと中間非磁性フェライト層16cの両側に、図2(b)に示すように貫通孔30が形成されていない第1及び第2の非磁性フェライト層16a,16bを積層することにより、集合基板の内部に空洞を形成する。この集合基板を、境界線11x,11yに沿って切断することにより、凹部40が形成される。
【0038】
図2(a)に示すように、貫通孔30が形成された第1及び第2の磁性フェライト層14a,14bと中間非磁性フェライト層16cとは、隣接する個基板領域11a〜11dがそれぞれの四隅から離れた中間部分で互いに接続される。
【0039】
次に、積層基板10aの製造工程について説明する。
【0040】
(1)まず、未焼成の第1及び第2の非磁性フェライト層の間に、第1及び第2の磁性フェライト層及び中間非磁性フェライト層が挟まれるように積層して、複数個分の個基板になる個基板領域を含む未焼成の集合基板を形成する。このとき、第1及び第2の磁性フェライト層及び中間非磁性フェライト層には、個基板領域の境界線の交差部分と交差部分に連続する部分を含む貫通孔を予め形成しておき、貫通孔によって集合基板の内部に空洞を形成する。
【0041】
詳しくは、未焼成の第1及び第2の磁性フェライト層として、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ニッケル及び酸化銅を主成分とする磁性フェライトを含むセラミックグリーンシートを用いる。第1及び第2の非磁性フェライト層と中間非磁性フェライト層には、酸化鉄、酸化亜鉛及び酸化銅を主成分とするセラミックグリーンシートを用いる。
【0042】
セラミックグリーンシートには、適宜位置にレーザー加工やパンチング加工等により貫通孔を形成し、この貫通孔に導体ペーストを印刷等により埋め込むことによって、焼成後にビアホール導体となる部分を配置する。また、セラミックグリーンシートの一方の主面に導体ペーストをスクリーン印刷法やグラビア印刷法等により印刷するか、あるいは所定パターン形状の金属箔を転写する等によって、コイル要素、配線導体、ランド電極、外部電極を形成するための導体パターンを形成する。
【0043】
コイル要素を形成するための導体パターンの上もしくは下には、焼成時に消失するカーボンペーストを、印刷等によって塗布しておく。
【0044】
さらに、第1及び第2の非磁性フェライト層と中間非磁性フェライト層用のセラミックグリーンシートには、個基板領域の境界線の交差部分を含むように、レーザー加工やパンチング加工等により個基板分割用の貫通孔を形成する。
【0045】
セラミックグリーンシートを所定の順序で積層、圧着することにより、未焼成の集合基板を形成する。集合基板の内部には、個基板領域の境界線の交差部分を含む空洞が形成される。
【0046】
(2)次いで、未焼成の集合基板を焼成し、セラミックグリーンシートと導体ペーストを焼結させる。このとき、カーボンペーストが燃焼し消失して、コイル要素に隣接する空隙が形成される。
【0047】
(3)次いで、焼結済みの集合基板を、ダイシングにより個基板領域の境界線に沿って切断して、集合基板から個基板を分割する。集合基板をブレイキングにより分割してもよい。この場合には、未焼成の集合基板に、分割用のブレイキング溝を形成しておく。
【0048】
ランド電極に部品を実装する場合には、集合基板に部品を実装した後、集合基板を分割すると、製造工程が簡単になり、効率が良い。
【0049】
以上の(1)〜(3)の工程により、集合基板から個基板に分割された積層基板を得ることができる。
【0050】
以上の工程により積層基板を製造すると、(2)の工程において集合基板を焼成するときに、コイル要素とセラミックグリーンシートとの線膨張係数や焼成挙動の差によって内部応力が発生しても、集合基板は、空洞の周囲の内部応力が緩和される。これにより、焼成時の内部応力を緩和し、クラックの発生を抑制することができる。
【0051】
また、(3)の工程において集合基板を分割するとき、集合基板の内部には個基板領域の境界線を含む空洞が形成されているので、分割時のクラックの拡がりを抑制することができる。
【0052】
さらに、第1及び第2の非磁性フェライト層と中間非磁性フェライト層用のセラミックグリーンシートに個基板領域の境界線の交差部分を含む貫通孔を形成することにより、分割後の個基板において、残留応力を低減することができる。
【0053】
残留応力の低減によって、コイルの効率が向上する。すなわち、磁性フェライト層に残留応力により磁歪が生じると、鉄損によるコイルの効率低下(インダクタンスの低下)が見られるが、磁性フェライト層に貫通孔を形成して磁性フェライト層の残留応力を緩和することにより、コイルの効率が向上する。
【0054】
なお、空隙18によって空隙18の周囲では内部応力が緩和されるが、個基板領域の境界線付近において応力緩和効果はほとんど及ばない。個基板領域の境界線の一部を含む空洞を集合基板に形成しておくと、個基板領域の境界線付近において十分に内部応力を緩和することができる。
【0055】
なお、(1)の工程において、セラミックグリーンシートの個基板分割用の貫通孔に、焼成時に消失するカーボンペーストを、印刷等により充填しておいてもよい。この場合、セラミックグリーンシートを積層、圧着した未焼成の集合基板を(2)の工程において焼成すると、貫通孔に充填されたカーボンペーストが消失し、集合基板の内部に、個基板領域の境界線の交差部分を含む空洞が形成される。
【0056】
<実施例2> 実施例2の積層基板10bについて、図3及び図4を参照しながら説明する。
【0057】
図3は、積層基板10bの断面図である。図4は、図3の線A−Aに沿って切断した集合基板の要部断面図である。
【0058】
図3及び図4に示すように、実施例2の積層基板10bは、実施例1の積層基板10aと略同様に構成されている。以下では、実施例1と同様の構成部分には同じ符号を用い、実施例1との相違点を中心に説明する。
【0059】
図3に示すように、積層基板10bは、コイル要素20が形成されている絶縁層にのみ、凹部42が形成されている。
【0060】
凹部42は、図4に示すように、個基板領域11a〜11dの境界線11x,11yの交差部分の間の中間部分のみを含む貫通孔32により形成される。隣接する個基板領域11a〜11dは、それぞれの四隅で互いに接続されている。
【0061】
<変形例1> 図5は、変形例1の集合基板の要部断面図である。図5に示すように、集合基板に空洞を形成するための貫通孔34は、個基板領域11a〜11dの境界線11x,11yの交差部分を含み、個基板領域11a〜11dの角を無くすように矩形に形成する。
【0062】
<変形例2> 図6は、変形例2の集合基板の要部断面図である。図6に示すように、集合基板に空洞を形成するため、個基板領域11a〜11dの境界線11x,11yの交差部分を含む貫通孔34aと、個基板領域11a〜11dの境界線11x,11yの交差部分の間の中間部分のみを含む貫通孔32aとを形成する。
【0063】
<変形例3> 図7は、変形例3の集合基板の要部断面図である。図7に示すように、集合基板に空洞を形成するため、個基板領域11a〜11dの境界線11x,11yの隣接する交差部分の間の中間部分に、間隔を設けて複数の貫通孔32bを形成する。
【0064】
<比較例> 比較例の積層基板10xについて、図8及び図9を参照しながら説明する。
【0065】
図8は、積層基板10xの断面図である。図9は、図8の線A−Aに沿って切断した集合基板の要部断面図である。図8及び図9に示すように、積層基板10xの基板本体12xの側面12yには、凹部が形成されていない。この場合、集合基板の状態で焼成したときに、隣接する個基板領域11a〜11dが拘束し合うため、個基板領域11a〜11dの境界線11x,11y付近において、応力集中によってクラックが発生しやすい。
【0066】
これに対して、実施例1、2及び変形例1〜3のように中間絶縁層の貫通孔により個基板領域の境界線を含む空洞が内部に形成された集合基板を焼成すると、空洞の周囲において焼成時の内部応力を緩和することができ、クラック発生を抑制することができる。
【0067】
<まとめ> 以上に説明したように、個基板領域の境界線を含む空洞が内部に形成された集合基板を焼成した後、個基板領域の境界線に沿って分割すると、焼成時の内部応力を緩和でき、分割時のクラックの拡がりを抑制でき、焼成後の残留応力を低減できる。
【0068】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0069】
2,4,6 部品
10a,10b,10x 積層基板
11a〜11d 個基板領域
11x,11y 境界線
12 基板本体
12a,12b 主面
12c 側面
12x 基板本体
12y 側面
14a 第1の磁性フェライト層(中間絶縁層)
14b 第2の磁性フェライト層(中間絶縁層)
16a 第1の非磁性フェライト層(上部絶縁層)
16b 第2の非磁性フェライト層(下部絶縁層)
16c 中間非磁性フェライト層(中間絶縁層)
16s,16t 周端面
18 空隙
20 コイル要素
22 配線導体
22a,22b ビアホール導体
24 ビアホール導体
26 ランド電極
28 外部電極
30 貫通孔
32,32a,32b 貫通孔
34,34a 貫通孔
40,42 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1層又は2層以上の未焼成の上部絶縁層と1層又は2層以上の未焼成の下部絶縁層との間に、1層又は2層以上の未焼成の中間絶縁層が挟まれるように積層して、複数個分の個基板になる個基板領域を含む未焼成の集合基板を形成する第1の工程と、
未焼成の前記集合基板を焼成する第2の工程と、
焼結済みの前記集合基板を、前記個基板領域の境界線に沿って切断して、前記集合基板から前記個基板を分割する第3の工程と、
を備え、
前記第1の工程において、前記中間絶縁層の少なくとも1層に、前記個基板領域の前記境界線の一部を含む貫通孔を予め形成し、該貫通孔によって前記集合基板の内部に空洞を形成することを特徴とする、積層基板の製造方法。
【請求項2】
前記中間絶縁層に形成された前記貫通孔は、前記個基板領域の前記境界線が交差する部分を含むように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の積層基板の製造方法。
【請求項3】
前記中間絶縁層に形成された前記貫通孔は、前記個基板領域の前記境界線が交差する部分の間の中間部分のみを含むことを特徴とする、請求項1に記載の積層基板の製造方法。
【請求項4】
前記貫通孔が形成された前記中間絶縁層は、磁性体セラミック材料を含み、かつコイルが形成されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の積層基板の製造方法。
【請求項5】
前記第1の工程において、前記貫通孔に、前記第2の工程で未焼成の前記積層体を焼成するときに消失する材料が配置された前記集合基板を形成することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の積層基板の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一つに記載の積層基板の製造方法により製造された積層基板であって、
前記貫通孔が形成された前記中間絶縁層の周端面に、前記貫通孔により、前記上部絶縁層及び前記下部絶縁層の周端面よりも後退した凹部が形成されていることを特徴とする、積層基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−195471(P2012−195471A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58809(P2011−58809)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】