説明

空気弁

【課題】一本の組付ボルトだけで分解及び組み立てができるようにする。
【解決手段】筒状の本体中間体2と、本体中間体2の下端側2aに組み付けられる本体下部体3と、本体中間体2の上端側2bに組み付けられる本体上部体4と、本体中間体2内に設けられた筒状のフロート弁体12と、本体下部体3に設けられた気液給排口5と、本体上部体4に設けられた通気弁手段6と、本体中間体2、本体下部体3、本体上部体4及びフロート弁体12を貫通し、組み付け及び分解するための一本の組付ボルト19と、本体下部体3に設けられ、組付ボルト19を螺合するねじ孔23とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、上水道や農業用水道などに設置される空気弁に関する。
【背景技術】
【0002】
空気弁は、配管内の空気を外部へ排気して、さらに外部から配管内に空気を吸気するタイプや、排気のみを行って吸気を行わないタイプ(排気弁)などがある。
従来の空気弁は、例えば、特許文献1(特許第4141675号公報)における図1および図2に開示されているように、小空気孔(4A、4B)が、鉛直方向にのびて、上向きに開口する。そのため、気道を確保しつつ、上部からの異物などの混入を防止するために、第1の蓋部(5A)の上部に若干の間隙を設けて保護カバー(Ca)を被せ、これを固定するために、複数のボルト(図3参照)を必要とする。
【0003】
さらに、この特許文献1の空気弁は、第1の蓋部材(5A)を弁箱(1)に密着固定するために、複数のボルト(図4参照)が用いられる。
【0004】
このように、従来の空気弁では、分解して点検する際に、複数のサイズ及び種類の工具が必要であり、さらに、複数本のボルトを取り外す必要があり、それらに要する時間及び労力が多大である。
【0005】
一方、特許文献2(特開2005−61618号公報)に開示される従来の空気弁では、明細書本文中、段落〔0025〕、〔0026〕並びに図1の記載から明らかなように、シリンダ(41)とエンドブロック(43)は、シリンダ(41)の内周に設けた雌ねじと、エンドブロック(43)の外周に設けた雄ねじとによって、螺合連結される。さらに、シリンダ(41)とエンドキャップ(44)は、シリンダ(41)の外周に設けた雄ねじと、エンドキャップ(44)の外周に設けた雌ねじとによって、螺合連結される。これらのねじの呼び径は大きいので、分解及び組み立てに大きな力を必要とし、それに応じた大きな工具も必要となる。さらに、分解時、一方を固定工具で支えながら、もう一方を別の工具で回転させなければならない。従って、図4の空気弁付き消火栓のように、地下の小さな消火栓ボックスに設置された状態では、メンテナンス時の作業が困難になる。
【0006】
さらに、特許文献2に記載の空気弁では、図1からも明らかなように、排気口(45)が、筒状ケーシング(4)の軸心に対して直角方向に向けて設けられており、製作する際に、内径部の加工と排気口の加工の2つの工程が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4141675号公報
【特許文献2】特開2005−61618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、この発明は、上記問題点を解消するものであって、分解及び組み立てを1つの工具で非常に簡単且つ短時間に行うことができる空気弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するために、本発明に係る空気弁は、
筒状の本体中間体と、
本体中間体の下端側に組み付けられる本体下部体と、
本体中間体の上端側に組み付けられる本体上部体と、
本体中間体内に設けられた筒状のフロート弁体と、
本体下部体に設けられた気液給排口と、
本体上部体に設けられた通気弁手段と、
本体中間体、本体下部体、本体上部体及びフロート弁体を貫通し、これらを組み付け及び分解するための一本の組付ボルトと、
本体下部体に設けられ、組付ボルトを螺合するねじ孔とを備える。
【0010】
好ましくは、
本体下部体及び本体上部体は、本体中間体を嵌め込むための環状凹部を備え、気液密手段を介して本体中間体と組み付けられる。
【0011】
好ましくは、
通気弁手段をカバーするキャップ手段を備え、
通気弁手段は、その上部に開口を備え、
キャップ手段は、その下面に開口と連通する環状凹溝を備え、
開口と環状凹溝とは、外部と連通する通気路を形成する。
【0012】
好ましくは、
通気弁手段は、通気孔を有する弁座と、弁座上に配置され、通気孔を有する弁座押さえとを備え、
キャップ手段は、弁座押さえを押さえる。
【0013】
好ましくは、
本体下部体は、気液給排口と本体中間体とを連通する貫通孔と、組付ボルトの下方に配置され、貫通孔を開閉するための球状の補修用フロート弁と、補修用フロート弁を係止して、気液給排口を閉じないようにするための係止部とを備え、
組付ボルトは、その先端部が、組み付け時には補修用フロート弁を規制して貫通孔を開き、分解時には補修用フロート弁を規制せず貫通孔を閉じる。
【0014】
好ましくは、
係止部は、C形状であり、その両端部が内側に突出している。
【発明の効果】
【0015】
本発明の空気弁は、主要部材(本体下部体、筒状の本体中間体、本体上部体及びフロート弁体)が、一本の組付ボルトを締め付けるのみで組み付けることができ、一本の組付ボルトを外すのみで分解できる。したがって、浮力調節のためのフロート弁体や弁手段の交換などを、簡単な操作で行うことができ、メンテナンス性に非常に優れる。
【0016】
さらに、本体下部体及び本体上部体は、本体中間体に設けられた環状凹部に嵌め込み及び取り外すだけで簡単に組み立て及び分解でき、Oリングなどの気液密手段の交換を、簡単な操作で行うことができ、メンテナンス性に非常に優れる。
【0017】
さらに、キャップ手段は、その下面に環状凹溝を設けて、通気弁手段の開口に連通させる。そして、環状凹溝と開口とが、外部と連通する通気路を形成する。そのため、通気弁手段の開口の位置を気にすることなく、キャップ手段を被せて、組付ボルトを締め付けるだけで、環状凹溝と開口とが通気路を形成する。従って、組み付けに要する時間及び労力を大幅に軽減できる。
【0018】
さらに、特許文献1の図5及び図6に示す装着用ねじ部材(39)などのねじ込み構造を用いることなく、一本の組付ボルトを締め付けるだけで、キャップ手段及び弁座押さえを介して、通気弁手段の弁座を簡単に固定できる。従って、組み立て及び分解に要する時間及び労力を大幅に軽減できる。
【0019】
さらに、キャップ手段の環状凹溝を含む各構成部材の製造が、軸心方向に沿った加工により行うことができ、軸心に対して直角方向の別の加工が不要である。従って、製造性にも非常に優れる。
【0020】
さらに、本体下部体は、組付ボルトの下方に、貫通孔を開閉するための球状の補修用フロート弁を備える。そして、組付ボルトが、組み付け時には補修用フロート弁を規制して貫通孔を閉じないようにし、分解時には補修用フロート弁を規制せずに貫通孔を閉じる。従って、別の補修弁を設置する必要がなく、この空気弁は、一本の組付ボルトの締め付け及び取り外しに連動する補修弁機能を有するので、生産性、経済性及びメンテナンス性に非常に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る空気弁の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】第1実施形態の空気弁を示す一部破断した状態の斜視図であり、(A)は分解した状態、(B)は組み立てた状態である。
【図3】第1実施形態の空気弁の上部を拡大して示す断面図である。
【図4】本発明に係る空気弁の第2実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明に係る空気弁の第3実施形態を示す断面図である。
【図6】第3実施形態の空気弁を示す一部破断した状態の斜視図であり、(A)は分解した状態、(B)は組み立てた状態である。
【図7】第3実施形態の空気弁を示す断面図であり、(A)は貫通孔を開いた状態、(B)は貫通孔を閉じた状態である。
【図8】本発明に係る空気弁を消火栓装置の弁箱に取り付けた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る空気弁を図面に基づいて説明する。
【0023】
[第1実施形態]
図1〜図3に基づいて、第1実施形態の空気弁を説明する。
図1及び図2の通り、空気弁1は、下端側に設けられた気液給排口5と、上端側に設けられた通気弁手段6とを備える。空気弁1は、その内部に、気液給排口5から給入する液体の浮力によって上下動可能な筒状のフロート弁体12を有する。フロート弁体12は、上昇すると通気弁手段6を封閉する。
【0024】
空気弁1は、筒状の本体中間体2と、この本体中間体2の下端側2aに組み付けられる本体下部体3と、本体中間体2の上端側2bに組み付けられる本体上部体4とを備える。フロート弁体12は、本体中間体2に内装される。
【0025】
本体中間体2の下端縁2aは、本体下部体3に設けられ上向きに開口する環状凹部31に嵌り合う。本体中間体2と本体下部体3とは、その間に、例えば、Oリングによる気液密手段14が設けられており、気液密状態に連結される。
【0026】
本体下部体3は、軸心Ax上に、後述する組付ボルト19のねじ部22が螺合するねじ孔23を備える。本体下部体3は、ねじ孔23のまわりに複数の貫通孔32を有する。貫通孔32は、本体下部体3の上端面と気液給排口5とを連通する。
【0027】
本体中間体2の上端縁2bは、本体下部体3に設けられ下向きに開口する環状凹部33に嵌り合う。本体中間体2と本体上部体4とは、その間に、例えば、Oリングによる気液密手段15が設けられており、気液密状態に連結される。
【0028】
図3の通り、本体上部体4は、通気弁手段6を備える。通気弁手段6は、通気孔9を有する弁座7と、弁座7の上に着座し通気孔10を有する弁座押さえ8とを備える。通気孔9,10は、軸心Axから径方向にR1だけ離れた位置に、軸心Axと平行に鉛直方向に延設される。弁座7及び弁座押さえ8は、本体上部体4に挿入装着される。後述する組付ボルト19の締め付けにより、キャップ手段16が、弁座押え8を押圧し、弁座7を固定する。
【0029】
弁座押さえ8の通気孔10の上部は、上端に向けて拡張する漏斗形状の開口11からなる。開口11は、直径r1で開口する。
【0030】
フロート弁体12は、気液給排口5から給入される液体の浮力を受けて浮上する素材からなる。フロート弁体12は、大きな浮力を受けることができるように、軸方向に長い円筒形状からなる。フロート弁体12は、最大の外径寸法φ3を有する。また、フロート弁体12は、軸心Ax上に直径φ2の貫通孔13を備える。
【0031】
フロート弁体12の貫通孔13の直径φ2は、後述する組付ボルト19のシャフト部21の外径φ1より大きい(φ2>φ1)。フロート弁体12の最大外径φ3は、本体中間体2の内径φ4より小さい(φ3<φ4)。従って、フロート弁体12は、液体の浮力を受けたときに抵抗なく浮上し、浮力が取り除かれたときに抵抗なく下降する。
【0032】
フロート弁体12は、液体の浮力を受けて浮上し、その最大上昇時には、その頂面12aが、通気弁手段6における弁座7の通気孔9を封じる。そして、空気が昇ってくると、この空気がフロート弁体12を若干押し下げて、弁座7の通気孔9に通じて排気する。
【0033】
キャップ手段16は、円盤体からなり、軸心Axに組付ボルト19を密接して貫通するための貫通孔を備える。キャップ手段16は、その下面16aに、軸心Axの円周に環状の凹溝17を備える。環状凹溝17は、幅寸法wからなり、その中心が軸心Axから径方向にR2だけ離れている。
【0034】
本体上部体4の通気弁手段6に設けられた開口11と、キャップ手段16の下面16aに設けられた環状凹溝17との関係は、以下の通りである。
【0035】
開口11は、軸心Axを基準として、〔R1−(r1/2)〕から〔R1+(r1/2)〕までの範囲で通気路を形成する。環状凹溝17は、軸心Axを基準として、〔R2−(w/2)〕から〔R2+(w/2)〕までの範囲で通気路を形成する。
そこで、〔R1−(r1/2)〕<〔R2−(w/2)〕<〔R1+(r1/2)〕の関係が成立するように、R1、R2、r1、wの値を設計して、開口11と環状凹溝17とを連通させる。すなわち、環状凹溝17が、開口11と一部重なって配置される。
【0036】
さらに、キャップ手段16は、環状凹溝17と本体上部体4との間に隙間Gが形成されるように構成される。すなわち、図3の通り、本体上部体4の上面の端部が、環状凹溝17における開口の内側に配置される。これにより、通気路9、10、開口11、環状凹溝17及び隙間Gが、外部と連通する通気路25を形成する。隙間Gが下方に開口しているので、泥などの異物が隙間Gから浸入し難い。
【0037】
従って、通気路25は、軸心Axに対して直角方向の加工をすることなく、軸方向の加工のみによって形成できる。さらに、環状凹溝17は、キャップ手段16の全周にわたって形成されているので、本体上部体4とキャップ手段16との組み付けに際して、通気弁手段6における開口11の位置を全く気にすることなく組み付けることができる。
【0038】
次に、組付手段18について説明する。図1及び図2の通り、組付手段18は、一本の組付ボルト19を備える。組付ボルト19は、ボルト頭部19a、シャフト部21、シャフト部先端側のねじ部22からなる。シャフト部21は、本体上部体4との間に気液密手段20を備える。
【0039】
一本の組付ボルト19は、キャップ手段16、本体上部体4、本体中間体2、フロート弁体12及び本体下部体3を貫通する。そして、一本の組付ボルト19を、その頭部19aに適合する一つの工具で回転できる。これにより、組付ボルト19のねじ部22は、本体下部体4のねじ孔23に螺合する。そして、組付ボルト19を締め付けることにより、キャップ手段16、本体上部体4、本体中間体2、フロート弁体12及び本体下部体3が一体となって組み付けられる。
【0040】
また、組付ボルト19の締め付けによって、キャップ手段16は、弁座押さえ8を押さえつけて、弁座7及び弁座押さえ8を本体上部体4に確実に固定できる。また、本体上部体4とキャップ手段16とは、開口11と環状凹溝17とを介して、外部と連通する通気路25を確実に形成できる。
【0041】
さらに、本体下部体3は、空気弁1を水道管や弁装置における弁箱などに連結するための連結手段CMを有する。連結手段CMは、本体下部体3の下端に設けたねじ部27を備える。そして、ねじ部27は、ねじ孔29を備えたプレート体28を螺合して組み付ける。プレート体28は、取付孔30を介して管路側に接続される。
【0042】
[第2実施形態]
図4に基づいて、第2実施形態の空気弁を説明する。
なお、上記した第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
第2実施形態の空気弁は、連結手段CMのみが上記した第1実施形態と異なる。連結手段CMは、本体下部体3の下端側に径方向外方に向けてのびるフランジ26からなる。そして、このフランジ26が、管路側に接続される。
【0043】
[第3実施形態]
図5〜図7に基づいて、第3実施形態の空気弁を説明する。
なお、上記した第1及び第2実施形態と異なる部分のみを説明する。
空気弁1は、補修(メンテナンス)の際に、組付ボルト19を取り外す過程で、液体が流出しないようにするために、補修弁機能を有する。空気弁1は、本体下部体3に球状の補修用フロート弁40を備える。本体下部体3は、補修用フロート弁40より大きな空間からなる球状の流路部42を備える。補修用フロート弁40は、流路部42の内部に配置される。
【0044】
流路部42は、その上端に円形状に開口する開口部42aを有する。開口部42aは、貫通孔32に連通する。開口部42aの内径は、補修用フロート弁40の最大外径より小さい。流路部42は、その下端に円形状に開口する気液給排口5を有する。気液給排口5には、補修用フロート弁40が流路部42から落下しないように係止するための係止部41が設けられる。
【0045】
図6の通り、係止部41は、C形状であり、その両端部41aが内側に突出している。補修用フロート弁40は、係止部41に係止して、気液給排口5から落下せず、気液給排口5を閉じない。係止部41は、例えば、内側に向けて放射状に突出する複数の細長突起部を有するものなどでもよい。
【0046】
組付ボルト19は、シャフト部21を有する。シャフト部21は、ねじ部22と、このねじ部22より先端側に設けられ、先端に向けて窄まった先端部19bとを有する。
【0047】
図7Aの通り、組み付け時では、組付ボルト19の先端部19bは、流路部42の開口部42aより下方に突出する。これにより、補修用フロート弁40は、先端部19bに規制されて、開口部42aを塞ぐことができない。すなわち、満水時でも、補修用フロート弁40は、流路部42内を様々な方向に移動できるが、先端部19bで開口部42aを閉じず、係止部41で気液給排口5を閉じない。
【0048】
図7Bの通り、補修時では、組付ボルト19を回転すると、組付ボルト19の先端部19bは、流路部42の開口部42aより上方に配置される。これにより、補修用フロート弁40は、先端部19bに規制されることなく、開口部42aを塞ぐことができる。すなわち、満水時では、補修用フロート弁40は、その浮力によって上方に移動して、開口部42aにすっぽり嵌まって閉じる。これにより、空気弁1は、組付ボルト19を取り外す過程で、自動的に貫通孔32からの液体の流出を遮断できるので、水が漏れることなく、点検及び部品交換等の作業ができる。
【0049】
第3実施形態では、空気弁1は、排気のみ行う排気弁であって、通気弁手段6に吸込み防止弁61を備える。吸込み防止弁61は、球状に構成され、弁座押さえ8の漏斗状開口11に設けられる。これにより、吸込み防止弁61は、通気弁手段6が排気のみして、吸気はしないようにする。
なお、上記した補修用フロート弁40等の補修弁機能は、第1及び第2実施形態の空気弁1にも適用できる。
【0050】
[弁体の設置例]
図8の通り、空気弁1は、消火栓装置48の弁箱に取り付けられる。消火栓装置48は、水道管に取り付けられる継手フランジ49と、気液を給排する給排口50とを備える。給排口50は、連通路55を介して空気弁1と連通する。消火栓装置48は、消火用のバルブハウジング53を備える。バルブハウジング53は、放水するための放水口52と、放水口52と給排口50とを連通する内室51とを備える。
【0051】
消火栓装置48は、給排口50とバルブハウジング53との間を開閉する開閉弁54を備える。開閉弁54は、Oリングケース59で固定される。開閉弁54は、スピンドル57を備える。スピンドル57は、その上端58をスパナなどの開栓器で回転できる。スピンドル57は、下部にねじが切られており、それに円盤状の弁体60が螺合される。スピンドル57を回転すると、弁体60が上下動して、給排口50とバルブハウジング53との間を開閉する。開閉弁54は、常時では閉じられ、放水時では開かれる。
【符号の説明】
【0052】
1 弁体
2 筒状の本体中間体
2a 本体中間体の下端側
2b 本体中間体の上端側
3 本体下部体
4 本体上部体
5 気液給排口
6 通気弁手段
7 弁座
8 弁座押さえ
9 弁座通気孔
10 弁座押さえ通気孔
11 通気弁手段の開口
12 フロート弁体
14 下部体側気液密手段
15 上部体側気液密手段
16 キャップ手段
17 キャップ手段の環状凹溝
G 隙間
18 組付手段
19 組付ボルト
19b 組付ボルトの先端部
21 シャフト部
22 組付ボルトのねじ部
23 本体下部体のねじ孔
25 通気路
31 本体下部体の環状凹部
32 貫通孔
33 本体上部体の環状凹部
40 補修用フロート弁
41 係止部
41a 係止部の両端
42 流路部
42a 流路部の開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の本体中間体(2)と、
前記本体中間体(2)の下端側(2a)に組み付けられる本体下部体(3)と、
前記本体中間体(2)の上端側(2b)に組み付けられる本体上部体(4)と、
前記本体中間体(2)内に設けられた筒状のフロート弁体(12)と、
前記本体下部体(3)に設けられた気液給排口(5)と、
前記本体上部体(4)に設けられた通気弁手段(6)と、
前記本体中間体(2)、前記本体下部体(3)、前記本体上部体(4)及びフロート弁体(12)を貫通し、組み付け及び分解するための一本の組付ボルト(19)と、
前記本体下部体(3)に設けられ、前記組付ボルト(19)を螺合するねじ孔(23)とを備えることを特徴とする空気弁。
【請求項2】
前記本体下部体(3)及び前記本体上部体(4)は、前記本体中間体(2)を嵌め込むための環状凹部(31,33)を備え、気液密手段(14,15)を介して前記本体中間体(2)と組み付けられることを特徴とする請求項1に記載の空気弁。
【請求項3】
前記通気弁手段(6)をカバーするキャップ手段(16)を備え、
前記通気弁手段(6)は、その上部に開口(11)を備え、
前記キャップ手段(16)は、その下面(16a)に前記開口(11)と連通する環状凹溝(17)を備え、
前記開口(11)と前記環状凹溝(17)とは、外部と連通する通気路(25)を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の空気弁。
【請求項4】
前記通気弁手段(6)は、通気孔(9)を有する弁座(7)と、前記弁座(7)上に配置され、通気孔(10)を有する弁座押さえ(8)とを備え、
前記キャップ手段(16)は、前記弁座押さえ(8)を押さえることを特徴とする請求項3に記載の空気弁。
【請求項5】
前記本体下部体(3)は、前記気液給排口(5)と前記本体中間体(2)とを連通する貫通孔(32)と、前記組付ボルト(19)の下方に配置され、前記貫通孔(32)を開閉するための球状の補修用フロート弁(40)と、前記補修用フロート弁(40)を係止して、前記気液給排口(5)を閉じないようにするための係止部(41)とを備え、
前記組付ボルト(19)は、その先端部(19b)が、組み付け時には前記補修用フロート弁(40)を規制して前記貫通孔(32)を開き、分解時には前記補修用フロート弁(40)を規制せず前記貫通孔(32)を閉じることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気弁。
【請求項6】
前記係止部(41)は、C形状であり、その両端部が内側に突出していることを特徴とする請求項5に記載の空気弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−127756(P2011−127756A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180680(P2010−180680)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(591233171)株式会社清水鐵工所 (3)
【Fターム(参考)】