説明

粒子径と空隙率の分布が制御された中空シリコーン系微粒子を含有する被膜付基材

【課題】高い反射防止性能と高い透明性を有する被膜付基材を提供する。
【解決手段】外殻部にSiO4/2単位、RSiO3/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数6乃至24の芳香族基、ビニル基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基又はSH基をもつ有機基の少なくとも1種を示す)、R2SiO2/2単位、およびR3SiO1/2単位からなる群より選ばれる1単位以上からなり、RSiO3/2単位の割合が50モル%以上であるシリコーン系化合物からなる層を有し、内部に少なくとも1つの空洞を有する中空シリコーン系微粒子であって、中空シリコーン系微粒子の体積平均粒子径が0.5μm未満であり、かつ平均空隙率より±10%以上差のある空隙率をもつ微粒子の割合が全体粒子の30%未満であることを特徴とする中空シリコーン系微粒子と被膜形成用マトリックスとを含む被膜付基材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体積平均粒子径と空隙率の分布が制御された中空シリコーン系微粒子を含む被膜付基材に関する。
【背景技術】
【0002】
透明基材の最外層に基材より低屈折率の物質からなる低屈折率層(減反射層)を可視光波長の1/4の膜厚み(約100nm)で形成すると表面反射率が低減することが知られている。この原理を応用したフィルムやガラスの反射防止透明基材は電気製品、光学製品、建材等の分野で広く使用されている。
【0003】
減反射層の形成方法としては、フッ化マグネシウム等を蒸着またはスパッタリングするドライコーティング法と低屈折率材料の溶液を基材に塗布するウエットコーティング法が知られている。近年、適用できる基材の制約が少なく、連続生産性やコスト面でも優位なウエットコーティング法が注目されている。
【0004】
ウエットコーティング法の低屈折率材料としては、フッ素系樹脂や多孔質あるいは中空シリカと被膜形成用マトリックスとからなる材料が知られている(特許文献1、2)。
【0005】
中空構造を有するシリカ粒子の製造方法としては、例えば珪酸塩等の無機化合物を含む水溶液を用いて油中水中油滴型(O/W/O型)乳化液を作り、これに無機酸等を混合して無機化合物を水不溶性沈殿物に変える方法(特許文献3)や、シリカ以外の材料からなるコアをシリカで被覆し、シリカシェルを破壊させることなく該コアを除去する方法(特許文献2、特許文献4)などが知られている。しかしながら、これらの方法では、粒子径分布が広く平均粒子径が大きい中空シリカ粒子しか作れないという課題や、反応時間が長く工程が多いため生産性が悪いという課題などがあった。
【0006】
本発明者らは先に、有機高分子粒子および/または有機溶剤からなるコア粒子をシリコーン系化合物で被覆したコアシェル粒子からコア粒子を除去して得られる中空シリコーン系微粒子の製造方法を提案している(特許文献5)。しかし、このような中空シリコーン粒子においても、より高い反射防止性能と高い透明性を得るため、粒子径や空隙率をさらに精密に制御する技術が求められている。
【特許文献1】特開昭63−85701号公報
【特許文献2】特開2001−233611号公報
【特許文献3】特開昭63−258642号公報
【特許文献4】特表2000−500113号公報
【特許文献5】国際公開2007/099814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
粒子径が小さくなると、許容できるばらつきの幅も小さくなるため、粒子径と空隙率の制御はより困難になる。本発明は、粒子径や粒子の空隙率分布が精密に制御された中空シリコーン系微粒子により高い反射防止性能と高い透明性を有する被膜付基材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、外殻部に特定のシリコーン系化合物からなる層を有し、内部に少なくとも1つの空洞を有する中空シリコーン系微粒子であって、粒子径と粒子の空隙率分布に特徴のある中空シリコーン系微粒子を含有する被膜付基材を見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち本発明は、外殻部にSiO4/2単位、RSiO3/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数6乃至24の芳香族基、ビニル基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基又はSH基をもつ有機基の少なくとも1種を示す)、R2SiO2/2単位(式中、Rは前記に同じ)、およびR3SiO1/2単位(式中、Rは前記に同じ)からなる群より選ばれる1単位以上からなり、RSiO3/2単位の割合が50モル%以上(ただしSiO4/2単位、RSiO3/2単位、R2SiO2/2単位、R3SiO1/2単位の合計を100モル%とする)であるシリコーン系化合物からなる層を有し、内部に少なくとも1つの空洞を有する中空シリコーン系微粒子であって、中空シリコーン系微粒子の体積平均粒子径が0.5μm未満であり、かつ平均空隙率より±10%以上差のある空隙率をもつ微粒子の割合が全体粒子の30%未満である中空シリコーン系微粒子と被膜形成用マトリックスとを含む被膜を単独または他の被膜とともに基材表面に形成した被膜付基材に関する。
【0010】
好ましい実施様態は、下記工程(I)〜工程(III)からなる製法により得られた中空シリコーン系微粒子を含有することを特徴とする前記被膜付基材に関する。
(I)重量平均分子量10000未満かつ体積平均粒子径0.5μm未満の有機高分子粒子(A)を製造する工程
(II)有機高分子粒子(A)の存在下でSiO4/2単位、RSiO3/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数6乃至24の芳香族基、ビニル基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基又はSH基をもつ有機基の少なくとも1種を示す)、R2SiO2/2単位(式中、Rは前記に同じ)、およびR3SiO1/2単位(式中、Rは前記に同じ)からなり、RSiO3/2単位の割合が50モル%以上(ただしSiO4/2単位、RSiO3/2単位、R2SiO2/2単位、R3SiO1/2単位の合計を100モル%とする)であるシリコーン系化合物(B)の重合を行い、コアシェル粒子(C)を製造する工程
(III)コアシェル粒子(C)中の有機高分子粒子(A)を除去する工程
好ましい実施様態は、前記有機高分子粒子(A)の粒子径の変動係数(CV値)が40%未満であることを特徴とする、前記被膜付基材に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の粒子径と空隙率分布が精密に制御された中空シリコーン系微粒子含有被膜付基材は、高い反射防止性能と高い透明性を実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、外殻部にSiO4/2単位、RSiO3/2単位、R2SiO2/2単位、およびR3SiO1/2単位からなりRSiO3/2単位の割合が50モル%以上であるシリコーン系化合物からなる層を有し、内部に少なくとも1つの空洞を有し、中空シリコーン系微粒子の体積平均粒子径が0.5μm未満であり、かつ平均空隙率より±10%以上差のある空隙率をもつ微粒子の割合が全体粒子の30%未満であることを特徴とする中空シリコーン系微粒子を含有する被膜付基材である。このような中空シリコーン系微粒子は、コア粒子として重量平均分子量10000未満かつ体積平均粒子径0.5μm未満、粒子径の変動係数(CV値)が40%未満であることを特徴とする有機高分子粒子(A)を使用し、該有機高分子粒子(A)の存在下でSiO4/2単位0〜50モル%、RSiO3/2単位(式中、Rは前記に同じ)50〜100モル%、R2SiO2/2単位(式中、Rは前記に同じ)0〜50モル%、およびR3SiO1/2単位(式中、Rは前記に同じ)0〜50モル%からなるシリコーン系化合物(B)(ただしSiO4/2単位、RSiO3/2単位、R2SiO2/2単位、R3SiO1/2単位の合計を100モル%とする)の重合を行うことによりコアシェル粒子(C)を製造した後、コアシェル粒子(C)中の有機高分子粒子(A)を除去することにより製造できる。
【0013】
本発明の製造方法において使用する有機高分子粒子(A)は、重量平均分子量10000未満かつ体積平均粒子径0.5μm未満であることを特徴とする。組成については限定されるものではなく、例えば、ポリアクリル酸ブチル、ポリブタジエン、アクリル酸ブチル−ブタジエン共重合体等に代表される軟質重合体でもよく、アクリル酸ブチル−スチレン共重合体、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸ブチル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等の硬質重合体でも問題なく使用できる。後の工程での除去性という点から、これらのうち軟質重合体が好ましい。
【0014】
さらにはアクリル酸ブチルを50重量%以上用いた重合体が好ましく、中でもポリアクリル酸ブチルはもとより、アクリル酸ブチル−ブタジエン共重合体アクリル酸ブチル−スチレン共重合体、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸ブチル−スチレン−アクリロニトリル共重合体が好ましい。ポリアクリル酸ブチルを80重量%以上用いた重合体が更には好ましく、中でも先に例示したこれら重合体がより好ましい。これら重合体の中でもポリアクリル酸ブチルが最も好ましい。
【0015】
本発明の有機高分子粒子(A)の製造法は、特に限定されず、乳化重合法、マイクロサスペンジョン重合法、ミニエマルション重合法、水系分散重合法など公知の方法が使用できる。なかでも、粒子径の制御が容易であり、工業生産にも適する点から、乳化重合法により製造することが特に好ましい。
【0016】
前記有機高分子粒子(A)の重合にはラジカル重合開始剤が用いられうる。ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、パラメンタンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物などが挙げられる。上記重合を、例えば、硫酸第一鉄−ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ソーダ−エチレンジアミンテトラアセティックアシッド・2Na塩、硫酸第一鉄−グルコース−ピロリン酸ナトリウム、硫酸第一鉄−ピロリン酸ナトリウム−リン酸ナトリウムなどのレドックス系で行うと、低い重合温度でも効率的に重合を完了することができる。
【0017】
本発明の有機高分子粒子(A)は、後の段階で行なわれる有機高分子の除去を有機溶媒により行う場合を考慮すると非架橋高分子であることが好ましく、有機高分子粒子(A)の分子量は低い方が好ましい。具体的には、重量平均分子量が10000未満であることが好ましく、さらには7000未満であることがより好ましい。有機高分子粒子(A)の重量平均分子量を低くするためには、例えば、連鎖移動剤の使用、高い重合温度に設定、多量の開始剤を使用するなど種々の手段を適宜組み合わせて選択することができる。連鎖移動剤としてはt−ドデシルメルカプタンが好ましい。連鎖移動剤の使用量としては、単量体100重量部あたり1〜30重量部が好ましい。
【0018】
有機高分子粒子(A)の重量平均分子量の下限値は特に制限されるものではないが、合成の難易度の点から、概ね500程度である。なお、重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分析(ポリスチレン換算)によって測定できる。
【0019】
中空シリコーン系粒子が均一な空隙率を有するという点からは、有機高分子粒子(A)の粒子径分布は狭い方が好ましい。具体的には、有機高分子粒子(A)の粒子径の変動係数(CV値)は40%未満であることが好ましく、さらには30%未満であることがより好ましい。粒子径に分布があると、大粒子に比べて小粒子に相対的に多量のシリコーン系化合物(B)の被覆が起こり、最終中空シリコーン系微粒子の空隙率のばらつきをもたらす。粒子径分布を狭くするためにシード重合法を利用することもできる。シード重合法とは、シード(種)粒子を仕込んだ後、成長成分の単量体を追加して重合を行い、シード粒子を大きく成長させる重合法である。なお、ラテックス状態の有機高分子粒子(A)やコアシェル粒子(C)の体積平均粒子径は、光散乱法または電子顕微鏡観察から求められうる。体積平均粒子径および粒子径分布は、例えば、リード&ノースラップインスツルメント(LEED&NORTHRUP INSTRUMENTS)社製のMICROTRAC UPAを用いることにより測定することができる。
【0020】
また、本発明では、有機高分子粒子(A)の粒子径は、最終的に得られる中空シリコーン系微粒子の粒子径よりも小さくする必要がある。
【0021】
一般的に乳化重合の際に使用する乳化剤の使用量が多いほど得られる重合体の平均粒子径を小さくすることができる。しかし、乳化剤量が多すぎると、重合中に小粒径の新粒子が生成して粒子径のCV値が大きくなることがある。したがって、本発明の有機高分子粒子(A)の粒子径と粒子径分布とを必要な範囲にするためには、使用する乳化剤量は、平均粒子径が0.5〜0.1μmの場合には有機高分子粒子100重量部あたり2重量部以下にすることが好ましい。平均粒子径が0.1μm未満の場合には有機高分子粒子100重量部あたり4部以下にすることが好ましい。
【0022】
本発明に用いる有機高分子粒子(A)には、後の工程での有機高分子粒子(A)の除去を容易にするため、本発明の効果を損なわない範囲で、トルエン、ベンゼン、キシレン、n−ヘキサン等の水に溶けない有機溶剤を含有させても良い。有機溶剤の使用量は、有機高分子粒子(A)100重量%中0〜99重量%が好ましく、0〜50重量%がより好ましい。有機溶剤の使用量が多すぎると粒径分布の制御が困難になることがある。
【0023】
本発明のコアシェル粒子(C)において被覆部となるシリコーン系化合物(B)は、SiO4/2単位、RSiO3/2単位、R2SiO2/2単位および、R3SiO1/2単位からなる群より選ばれる1単位又は2単位以上からなり、SiO4/2単位、RSiO3/2単位、R2SiO2/2単位および、R3SiO1/2単位の合計100モル%中のRSiO3/2単位の割合が50モル%以上であるものである。
【0024】
式中のRは、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数6乃至24の芳香族基、ビニル基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基又はSH基をもつ有機基から少なくとも1種が選択される。好ましい具体例としてはメチル基、エチル基、フェニル基、ビニル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−アクリロキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基などが挙げられる。複数のRは各々同じであっても異なっていても良い。例えば、Rに少量のビニル基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基又はSH基をもつ有機基と、多量のアルキル基または芳香族基を選択してもよい。
【0025】
前記SiO4/2単位の原料としては、例えば、四塩化ケイ素、テトラアルコキシシラン、水ガラスおよび金属ケイ酸塩からなる群より選択される1種または2種以上が挙げられる。テトラアルコキシシランの具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、およびそれらの縮合物などが挙げられる。
【0026】
RSiO3/2単位の原料としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等などが挙げられる。
【0027】
2SiO2/2単位の原料としては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、エチルフェニルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシランなど、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサンなどの環状化合物のほかに、直鎖状あるいは分岐状のオルガノシロキサンや、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等があげられる。
【0028】
3SiO1/2単位の原料としては、例えば、トリメチルメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルフェニルエトキシシラン、メチルジフェニルエトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン等があげられる。
これらは1種または2種以上を組み合わせて適宜使用できる。
【0029】
本発明では、中空シリコーン系微粒子に柔軟性を持たせたい場合等にR2SiO2/2単位を少量混入することができる。コアシェル粒子(C)におけるシリコーン系化合物(B)中のR2SiO2/2単位の割合は50モル%以下である。20モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましい。R2SiO2/2単位の割合が50モル%を越えると最終の中空シリコーン系微粒子が柔軟になり過ぎて形状保持性に問題が起こる場合がある。なお、シリコーン系化合物(B)中のR2SiO2/2単位の割合の下限値は0モル%である。
【0030】
本発明の製造方法におけるシリコーン系化合物(B)中のRSiO3/2単位の割合は、50モル%以上であり、すなわち50〜100モル%である。コアシェル粒子の粒子径分布の安定性の観点から、75〜100モル%であることが好ましく、85〜100モル%であることがさらに好ましい。
【0031】
SiO4/2単位の割合は0〜50モル%であり、中空シリコーン微粒子の形状保持性の観点から、0〜10モル%であることが好ましい。SiO4/2単位の割合が50モル%を越えると中空シリコーン系微粒子を被膜付き基材に使用した場合に被膜形成用マトリックスとの相溶性が低下して被膜中で微粒子が凝集し、被膜付き基材の透明性が大きく低下することがある。
【0032】
3SiO1/2単位の割合は0〜50モル%である。中空シリコーン微粒子の形状保持性の観点から、0〜10モル%であることが好ましい。
【0033】
本発明では、有機高分子粒子(A)とシリコーン系化合物(B)の使用量や使用割合を最適化することにより、中空シリコーン系微粒子の粒径、粒径分布、シェル層の厚み、空洞の大きさ、空隙率などを制御することができる。有機高分子粒子(A)と、シリコーン系化合物(B)との重量比率は必ずしも制限されるものではないが、2/98〜95/5であることが好ましく、さらには4/96〜55/45がより好ましい。当該比率が2/98より小さいと最終の中空シリコーン系微粒子の空隙率が低くなり過ぎる場合がある。また、逆に比率が95/5より大きいと中空シリコーン系微粒子の強度が不足して加工中に壊れる場合がある。
【0034】
本発明のコアシェル粒子(C)および最終的に得られる中空シリコーン系微粒子の体積平均粒子径は0.5μm未満である。透明性や薄膜形成性などを重視する光学用途や電子材料用途などでは体積平均粒子径を0.1μm未満にすることが好ましい。体積平均粒子径の下限は通常は0.001μm以上である。
【0035】
最終的に得られる中空シリコーン系微粒子の空隙率分布はコアシェル粒子(C)の粒子径分布に大きく影響され、コアシェル粒子(C)の粒子径分布は有機高分子粒子(A)の粒子径分布に大きく影響される。上記のように有機高分子粒子(A)の粒子径分布を厳密に制御することにより、中空シリコーン系微粒子の空隙率分布を制御することができる。
【0036】
中空シリコーン系微粒子の空隙率分布を測定するには、少なくとも30個以上の粒子をTEM観察して粒子の外径と内径を測り、空隙率(粒子の体積中に占める内部空洞部分の体積の割合)の平均値を算出する。次にこの平均空隙率より±10%以上差のある微粒子数の全体数に対する割合を求める。平均空隙率より±10%以上差のある空隙率をもつ微粒子の割合が全体粒子の30%未満であることが必須であり、25%未満であることが好ましく、20%未満であることがより好ましい。
【0037】
本発明では、例えば、有機高分子粒子(A)と、酸触媒を含む5〜120℃の水に対し、乳化剤、SiO4/2単位の原料、RSiO3/2単位の原料、およびR2SiO2/2単位の原料と水の混合物をラインミキサーやホモジナイザーで乳化した乳化液を一括あるいは連続的に追加することにより、シリコーン系化合物(B)で被覆されたコアシェル粒子(C)を得ることができる。乳化液の追加は一括でも連続でも構わない。時間的には長くなるがラテックス状粒子の安定性や粒子径分布を重視するなら連続追加を採用することが好ましい。乳化液の追加前に酸触媒を添加して、直ちに加水分解と縮合反応が進む条件で連続追加を行うと、コアシェル粒子は時間とともに大きく成長し、通常のシード重合のように、狭い粒子径分布を示すものを得ることができる。1時間の比較的短い時間の連続追加を行うと、比較的良い生産性と狭い粒子径分布を両立することもできる。
【0038】
本発明に使用できる乳化剤としては、アニオン系乳化剤やノニオン系乳化剤が好適に使用されうる。アニオン系乳化剤の具体例としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなどが挙げられるが、特にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好適に用いられる。ノニオン系乳化剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルやポリオキシエチレンラウリルエーテルなどが挙げられる。
【0039】
本発明に用いることのできる酸触媒は、例えば、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸などのスルホン酸類、および硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸類が挙げられる。これらの中では、オルガノシロキサンの乳化安定性に優れる観点から、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸が好ましく、n−ドデシルベンゼンスルホン酸が特に好ましい。
【0040】
本発明では、必要な場合にシリコーン系化合物(B)にビニル基などの官能基を導入して、コアシェル粒子(C)の重合後さらにビニル系単量体をグラフト重合したり、最終の中空シリコーン系微粒子を被膜形成用マトリックス樹脂と反応させたりすることができる。この場合に、有機高分子(A)の合成時に使用したラジカル重合開始剤がその次のシリコーン系化合物(B)の合成時に残っているとビニル基などの官能基が反応し、後のグラフト重合や被膜形成用マトリックス樹脂との反応が起こらないことがある。これを防ぐには、有機高分子(A)にシリコーン系化合物(B)を混合して反応させる前にラジカル重合開始剤が分解するための時間をとったり、加熱したり、硫酸第一鉄−ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ソーダ−エチレンジアミンテトラアセティックアシッド・2Na塩、硫酸第一鉄−グルコース−ピロリン酸ナトリウム、硫酸第一鉄−ピロリン酸ナトリウム−リン酸ナトリウムなどのレドックス重合のための添加剤を添加してラジカル重合開始剤を完全に分解したり、あるいはシリコーン系化合物(B)を反応させる際にハイドロキノン、ベンゾキノン、ピロガロール、ニトロソジメチルアニリンなどラジカル禁止剤を添加したりすることが好ましい。
【0041】
本発明において、コアシェル粒子(C)中から有機高分子粒子(A)を除去する方法としては、例えば、有機溶剤を用いる方法、燃焼による方法などがあげられる。コアシェル粒子(C)中の有機高分子粒子(A)を除去するのに使用される有機溶剤としては、コアになる有機高分子粒子(A)を溶解し、シェルになるシリコーン系化合物(B)を溶解しないものが好ましい。具体例としては、トルエン、ベンゼン、キシレン、n−ヘキサン、アセトン等が挙げられる。
【0042】
また、本発明では、コアを除去したのちさらにシリコーン系微粒子を有機溶剤で洗浄することもできる。洗浄に用いることのできる有機溶剤の具体例としては、メタノール、n−ヘキサン等が挙げられる。
【0043】
本発明の中空シリコーン系微粒子を基材上で被膜形成させるためには、粒子と相溶する溶剤に分散させて分散液とし、基材に塗布すればよい。溶剤の具体例としては、溶剤としてはケトン類、エステル類、フェノール類、芳香族炭化水素類、フロン類、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール等のアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド等が使用できる。この分散液をコート法、スピナー法、ディップ法、スプレー法等を用いて一定膜厚みの被膜を形成する。
被膜形成用マトリックスとしてはアクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂などの塗料用樹脂やアルコキシシラン等の加水分解性有機ケイ素化合物が挙げられる。フッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、エチレンと4フッ化エチレンのコポリマー(ETFE)、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソールコポリマー(TFE/PDD)などやそれらの変性化合物が使用できる。
【0044】
被膜は基材上に単独で形成しても良く、他の被膜とともに形成しても良い。他の被膜としては、例えば保護膜、ハードコート膜、平坦化膜、高屈折率膜、絶縁膜、導電性樹脂膜、導電性金属微粒子膜、導電性金属酸化物微粒子膜、プライマー膜などが挙げられる。
本発明に使用される基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、アクリル等のプラスチックやガラス等が挙げられる。基材の形状はとくに限定されず、フィルム状でも板状でもレンズ状でも良い。
本発明の被膜付基材は、反射防止物品として、テレビ、パソコン等の電子機器などに使用できる。
【実施例】
【0045】
本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されない。なお、以下の実施例および比較例における測定および試験はつぎのように行った。
【0046】
[体積平均粒子径と粒子径の変動係数(CV値)]
有機高分子粒子、またはコアシェル粒子をラテックスの状態で測定した。測定装置として、リード&ノースラップインスツルメント(LEED&NORTHRUP INSTRUMENTS)社製のMICROTRAC UPAを用いて、光散乱法により体積平均粒子径(μm)とCV値(%)を測定した。
【0047】
[有機高分子の重量平均分子量]
有機高分子の重量平均分子量は、GPC測定データよりポリスチレン標準試料で作成した検量線を用いて換算して求めた。
【0048】
[コア粒子中のシリコーン系化合物の有無]
ラテックス状態のコアシェル粒子のラテックスをエポキシ樹脂に溶解・硬化後、ルテニウムで染色しTEM観察することにより行った。コア粒子中のシリコーン系化合物の有無を判定した。
【0049】
[中空シリコーン粒子の空隙率のばらつき]
溶剤で洗浄したシリコーン系微粒子をイソプロピルアルコール(IPA)に分散させ、粒子濃度が4重量%の分散液を得た。この分散液と被膜形成用アクリル樹脂の4重量%溶液とを混合して塗膜を作り、この塗膜をルテニウムで染色しTEM観察した。粒子の外径と内径を測って空隙率を算出し、各粒子の空隙率と平均空隙率との差を求めた。平均空隙率より±10%以上差のある空隙率をもつ微粒子の割合が全体粒子の50%を超えるものをC、50〜30%のものをB、30%未満のものをAとした。
【0050】
[反射率の測定]
塗布面と反対側のPETフィルム表面をサンドペーパーで荒し、黒色塗料で塗りつぶしたものを分光光度計(日本分光株式会社製 紫外可視分光光度計V−560型、積分球装置ISV−469型)により反射率を測定し、可視光域での極小値を読み取った。
【0051】
[Hazeの測定]
ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製 NDH−300A)を用いてHazeの測定を行なった。
【0052】
(実施例1〜3)
撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに、水300重量部(種々の希釈水も含む水の総量)、硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)0.002重量部、エチレンジアミンテトラアセティックアシッド・2Na塩0.005重量部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ソーダ0.2重量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(SDBS)12重量部(固形分)をとり混合した後、50℃に昇温し、液温が50℃に達した後、窒素置換を行った。その後、ブチルアクリレート100重量部、t−ドデシルメルカプタン30重量部、パラメンタンハイドロパーオキサイド0.1重量部の混合液を3時間かけて連続的に追加した。さらに1時間重合させて予備粒子(S−1)を得た。
【0053】
撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに、水400重量部(種々の希釈水も含む水の総量)、硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)0.0016重量部、エチレンジアミンテトラアセティックアシッド・2Na塩0.004重量部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ソーダ0.16重量部および予備粒子(S−1)(固形分)をとり混合した後、50℃に昇温し、液温が50℃に達した後、窒素置換を行った。その後、ブチルアクリレート80重量部、t−ドデシルメルカプタン24重量部、パラメンタンハイドロパーオキサイド0.08重量部の混合液を3時間かけて連続的に追加した。さらに1時間重合させて有機高分子(P−2)を得た。この有機高分子の体積平均粒子径は0.04μm、重量平均分子量は5000、粒子径のCV値は25%であった。
【0054】
撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに、水500重量部(種々の希釈水も含む水の総量)、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)表1に示す量、有機高分子(P−2)表1示す量を仕込んだ。この時のpHは1.8であった。表1に示す温度に昇温し、窒素置換を行った。その後、メチルトリメトキシシラン(MTMS)表1示す量、MTMSと同量の水、MTMSの0.5重量%相当のドデシルベンゼンスルホン酸Na(SDBS)の混合物をホモジナイザーにより7000rpmで5分間撹拌して得た乳化液を表1に示した追加時間で追加した。このコアシェル粒子の体積平均粒子径とコア粒子中のシリコーン系化合物の有無確認結果を表1に示した。空隙率のばらつきが少ない中空粒子が得られた。
【0055】
つづいて、ラテックス状のコアシェル粒子100重量部に対し、アセトンをまず50重量部を加えて5分間撹拌し、その後アセトン150重量部を加えて25分間撹拌した。3時間静置すると凝固粒子層と透明な上澄層に分離する。上澄液を除いた後、濾紙を用いて凝固粒子層を単離した。それをメタノール70重量%、n−ヘキサン30重量%の混合溶剤300重量部に分散させた。この分散液を3時間静置すると凝固粒子層と透明な上澄層に分離する。濾紙を用いて凝固粒子層を単離し、中空シリコーン粒子を得た。
【0056】
単離された中空シリコーン粒子をイソプロピルアルコール(IPA)に分散させ、粒子濃度が4重量%の分散液を得た。この分散液と被膜形成用マトリックスである4重量%のアクリル樹脂溶液(日立化成社製、ヒタロイド1007)を混合し、被膜中の粒子量が表1の値になるように塗膜液を調整した。
この塗膜液をPETフィルムにバーコーター法で塗布し、その後110℃で20分間乾燥し、被膜の厚さが0.1〜0.2μmの被膜付基材を得た。
【0057】
この被膜付基材の反射率を測定し可視光域での最低反射率を求めた。また、同基材のHazeも表1に示した。
【0058】
(比較例1)
なにも塗布しないPETフィルムの評価結果を表1に示した。
【0059】
(比較例2)
撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに、水400重量部(種々の希釈水も含む水の総量)およびドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(SDBS)6重量部(固形分)をとり混合した後、50℃に昇温し、液温が50℃に達した後、窒素置換を行った。その後、ブチルアクリレート10重量部、t−ドデシルメルカプタン3重量部、パラメンタンハイドロパーオキサイド0.01重量部の混合液を加えた。30分後、硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)0.002重量部、エチレンジアミンテトラアセティックアシッド・2Na塩0.005重量部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ソーダ0.2重量部を加えてさらに1時間重合させた。
【0060】
その後ブチルアクリレート90重量部、t−ドデシルメルカプタン27重量部、パラメンタンハイドロパーオキサイド0.1重量部の混合液を3時間かけて連続追加した。2時間の後重合を行い、有機高分子(P−1)のラテックスを得た。この有機高分子の体積平均粒子径は0.04μm、重量平均分子量は6000、粒子径のCV値は50%であった。
【0061】
撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに、水500重量部(種々の希釈水も含む水の総量)、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)表1に示す量、有機高分子(P−1)表1示す量を仕込んだ。この時のpHは1.8であった。表1に示す温度に昇温し、窒素置換を行った。その後、メチルトリメトキシシラン(MTMS)表1示す量、MTMSと同量の水、MTMSの0.5重量%相当のドデシルベンゼンスルホン酸Na(SDBS)の混合物をホモジナイザーにより7000rpmで5分間撹拌して得た乳化液を表1に示した追加時間で追加した。
【0062】
なお、一括追加では5分以内に全量を追加し、連続追加では30分かけて一定速度で全量を追加した。追加終了後、5時間撹拌を続けた後、25℃に冷却して20時間放置し、ラテックス状のコアシェル粒子を得た。このコアシェル粒子の体積平均粒子径とコア粒子中のシリコーン系化合物の有無確認結果を表1に示した。実施例1〜3と同様の方法で中空シリコーン系粒子を単離してその評価結果を表1に示した。この中空シリコーン系粒子を用いて被膜付基材を作成し、その評価結果を表1に示した。
【0063】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外殻部にSiO4/2単位、RSiO3/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数6乃至24の芳香族基、ビニル基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基又はSH基をもつ有機基の少なくとも1種を示す)、R2SiO2/2単位(式中、Rは前記に同じ)、およびR3SiO1/2単位(式中、Rは前記に同じ)からなる群より選ばれる1単位以上からなり、RSiO3/2単位の割合が50モル%以上(ただしSiO4/2単位、RSiO3/2単位、R2SiO2/2単位、R3SiO1/2単位の合計を100モル%とする)であるシリコーン系化合物からなる層を有し、内部に少なくとも1つの空洞を有する中空シリコーン系微粒子であって、中空シリコーン系微粒子の体積平均粒子径が0.5μm未満であり、かつ平均空隙率より±10%以上差のある空隙率をもつ微粒子の割合が全体粒子の30%未満である中空シリコーン系微粒子と被膜形成用マトリックスとを含む被膜を単独または他の被膜とともに基材表面に形成した被膜付基材。
【請求項2】
下記工程(I)〜工程(III)からなる製法により得られた中空シリコーン系微粒子を含有することを特徴とする請求項1記載の被膜付基材。
(I)重量平均分子量10000未満かつ体積平均粒子径0.5μm未満の有機高分子粒子(A)を製造する工程
(II)有機高分子粒子(A)の存在下でSiO4/2単位、RSiO3/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数6乃至24の芳香族基、ビニル基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基又はSH基をもつ有機基の少なくとも1種を示す)、R2SiO2/2単位(式中、Rは前記に同じ)、およびR3SiO1/2単位(式中、Rは前記に同じ)からなり、RSiO3/2単位の割合が50モル%以上(ただしSiO4/2単位、RSiO3/2単位、R2SiO2/2単位、R3SiO1/2単位の合計を100モル%とする)であるシリコーン系化合物(B)の重合を行い、コアシェル粒子(C)を製造する工程
(III)コアシェル粒子(C)中の有機高分子粒子(A)を除去する工程
【請求項3】
有機高分子粒子(A)の粒子径の変動係数(CV値)が40%未満であることを特徴とする、請求項2記載の被膜付基材。

【公開番号】特開2009−241387(P2009−241387A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−90258(P2008−90258)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】