説明

粒子状物質処理装置

【課題】 ディーゼルエンジンから排出される排ガス中に含まれる粒子状物質を高効率に除去できるとともに、排ガスの圧力損失増加や排ガス中のSOの酸化等を効果的に抑制可能な粒子状物質処理装置を提供する。
【解決手段】 排ガス中の粒子状物質を大気圧プラズマにより荷電させるプラズマ処理装置10と、プラズマ処理装置10から送入される排ガスG2中の荷電した粒子状物質を、印加電界により選択的に触媒層22に誘導して、触媒層22の触媒作用によって分解処理する触媒処理装置20を備える。また、触媒処理装置20に送入される排ガスG2の全流量の90%以上の排ガスG4が、触媒層22を通過せず、主流路21を通過してそのまま排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジンから排出される排ガス中に含まれる粒子状物質を分解処理する粒子状物質処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べて熱効率が良く燃費の点で優れているため、バスやトラック等の大型のディーゼル車に利用されている。しかしながら、ディーゼルエンジンは、有害な粒子状物質(PM:パティキュレートマター)や窒素酸化物(NO)を排ガス中に多く含む傾向がある。この粒子状物質は、ディーゼルエンジンから排出される粒子状の物質の総称で、一般に、炭素からなる黒煙(煤)の周囲に、燃え残った燃料や潤滑油の成分(SOF)や、軽油燃料中の硫黄分から生成される硫黄化合物(サルフェート)等が吸着しているものと考えられている。尚、ディーゼルエンジンから排出された直後の初期の粒子状物質は、黒煙(煤)に炭化する前のアスファルト等の重合炭化水素の粒状体と考えられる。
【0003】
また、大気中の粒子状物質の人体に及ぼす影響が指摘されており、多くの場合発がん性を有する等人体に有害であるため、近年、粒子状物質の排出が厳しく規制されている。
【0004】
ディーゼルエンジンの排ガス中の粒子状物質や窒素酸化物の低減するための対策として、大別して2つの手法がある。一つは、エンジン本体の燃焼技術の改良により、粒子状物質や窒素酸化物の低減を図るものであり、他の一つは、ディーゼルエンジンに排ガス後処理装置を装着して、後処理装置によって粒子状物質や窒素酸化物の低減を図るものである。
【0005】
ところで、窒素酸化物は完全燃焼状態により生成され易い傾向があるのに対し、粒子状物質は不完全燃焼状態で生成され易い傾向があり、両者に相反する関係があるため、前者のエンジン本体の燃焼技術の改良では、窒素酸化物の排出を抑えながら粒子状物質の排出の低減を図るのは困難な状況にある。そのため、現状では、後者の後処理装置による粒子状物質や窒素酸化物の低減が一般的に採用されている。
【0006】
粒子状物質の排出を低減するための後処理装置としては、排ガス中の粒子状物質をフィルタで物理的に捕集するDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)が広く用いられている。特に、フィルタで捕集した粒子状物質が堆積して目詰まりを起こし排ガスの圧力損失が大きくなるのを防止するために、堆積した粒子状物質を除去してフィルタを再生可能な再生式DPF(手動再生式DPF、自動再生式DPF、連続再生式DPF等)が広く使用されており、中でも、フィルタによる粒子状物質の捕集機能と、触媒の酸化作用によりフィルタを再生する機能を備えた連続再生式DPFが、最も効果的で、注目されている。
【0007】
以上のディーゼルエンジンに排ガス処理に関する解説として、下記の非特許文献1に開示がある。
【0008】
【非特許文献1】“技術解説 わかる!環境にやさしいディーゼル車”、[online]、独立行政法人 新エネルギ・産業技術総合開発機構(NEDO)、[平成17年4月18日検索]、インターネット<URL:http://www.nedo.go.jp/kaisetsu/envm/envm3/index.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
連続再生式DPFには、以下に示すような問題点がある。第1に、物理的なフィルタを備えているため、処理効率を上げようとすると、フィルタの目を細かくする必要がある。しかしながら、フィルタの目を細かくすると圧力損失が増えるため、所要の圧力損失に抑えようとすると触媒層が大きくなるという欠点があった。
【0010】
第2に、排ガスの全量が触媒層を通過するため、特に酸化力の強い白金触媒を使うと排ガス中のSOが酸化されてSOとなり、排ガス中で硫酸が生成され下流側の排気管が腐食するという問題があった。この問題は、日本においては、製油所の脱硫装置を強化し、軽油燃料中の硫黄分の含有量を低減することにより解決しようとしているが、日本以外では、まだ具体的な対策が取られていない状況である。
【0011】
第3に、車の急加速等により排ガス流量が急変した場合、フィルタで一端捕集された粒子状物質が再飛散する可能性がある。また、エンジンの運転条件を変えて排ガス温度を上げ、粒子状物質を酸化処理するとき触媒が過昇温してシンタリングする可能性があった。
【0012】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、粒子状物質を高効率に除去できるとともに、排ガスの圧力損失増加や排ガス中のSOの酸化等を効果的に抑制可能な粒子状物質処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための本発明に係る粒子状物質処理装置は、ディーゼルエンジンから排出される排ガス中に含まれる粒子状物質を分解処理する粒子状物質処理装置であって、前記排ガス中の前記粒子状物質を大気圧プラズマにより荷電させるプラズマ処理装置と、前記プラズマ処理装置から送入される前記排ガス中の荷電した前記粒子状物質を、印加電界により選択的に触媒層に誘導して、前記触媒層の触媒作用によって分解処理する触媒処理装置と、を備えてなることを第1の特徴とする。
【0014】
上記第1の特徴の粒子状物質処理装置によれば、プラズマ処理装置で荷電された粒子状物質が、触媒処理装置内の印加電界により誘起されるクーロン力によって選択的に触媒層に誘導されて分解処理されるため、送入された排ガスから粒子状物質が除去されて排出される。また、フィルタを用いるDPFに比べ粒子状物質の除去率が大幅に向上する。粒子状物質が印加電界によって選択的に触媒層に誘導され、送入された排ガスの大部分は触媒層を通過せずに排出可能であり、物理的なフィルタを使用しないため、排ガスの圧力損失が増加するという従来のDPFにおける問題が解消される。更に、送入された排ガスの大部分は触媒層を通過しないため、触媒層での排ガス中のSOの酸化が大幅に低減され、触媒処理装置の下流側における排気管の腐食が大幅に低減される。
【0015】
更に、本発明に係る粒子状物質処理装置は、上記第1の特徴に加え、前記大気圧プラズマが、パルス放電プラズマであることを第2の特徴とする。
【0016】
上記第2の特徴の粒子状物質処理装置によれば、プラズマ処理装置内の放電電界が継続的な静電界でないため、プラズマ処理装置内で荷電した粒子状物質が、プラズマ処理装置内の電極で捕集されることなく、排ガスの流れに乗って下流側の触媒処理装置内に誘導され、更に、触媒処理装置内で触媒層に誘導されることになり、上記第1の特徴の作用効果をより効果的に発揮することができる。
【0017】
更に、本発明に係る粒子状物質処理装置は、上記第1または第2の特徴に加え、前記触媒処理装置に送入される前記排ガスの全流量の10%以下が、前記触媒層を通過することを第3の特徴とする。
【0018】
上記第3の特徴の粒子状物質処理装置によれば、排ガスの全流量の10%以下しか触媒層を通過しないので、排ガスの圧力損失増加、及び、触媒層での排ガス中のSOの酸化を効果的に抑制できる。
【0019】
更に、本発明に係る粒子状物質処理装置は、上記第1乃至第3の何れかの特徴に加え、前記触媒層が、多孔質セラミックスからなる担体に白金族金属の触媒を担持してなることを第4の特徴とする。
【0020】
上記第4の特徴の粒子状物質処理装置によれば、触媒層に誘導された粒子状物質を触媒酸化して分解する触媒層が具体的に実現される。
【0021】
更に、本発明に係る粒子状物質処理装置は、上記第1乃至第4の何れかの特徴に加え、前記触媒層の前記担体の細孔径が、前記触媒層の上流側から下流側に向けて小さくなっていることを第5の特徴とする。
【0022】
上記第5の特徴の粒子状物質処理装置によれば、触媒層の上流側から粒径の大きい粒子状物質から順番に担体で捕集して分解処理できるので、触媒層を通過する排ガスの圧力損失の上昇を抑制できる。
【0023】
更に、本発明に係る粒子状物質処理装置は、上記第1乃至第5の何れかの特徴に加え、前記触媒層が、前記担体の上流側の端部より担体内部に後退した位置から下流側部分に前記触媒を担持していることを第6の特徴とする。
【0024】
上記第6の特徴の粒子状物質処理装置によれば、触媒層内に誘導されずに触媒層の上流側表面に沿って通流する排ガス中に含まれるSOが触媒層により酸化されるのを抑制できる。
【0025】
更に、本発明に係る粒子状物質処理装置は、上記第1乃至第6の何れかの特徴に加え、前記触媒層内を加熱する加熱手段を備えていることを第7の特徴とする。
【0026】
上記第7特徴の粒子状物質処理装置によれば、定常状態における触媒層の温度が粒子状物質の酸化分解に不十分である場合でも、例えばエンジン停止時に加熱手段により加熱することにより粒子状物質を分解処理することができる。また、その時の空気流量を制限することにより、触媒の過昇温を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明に係る粒子状物質処理装置(以下、適宜「本発明装置」という。)の実施の形態につき、図面に基づいて説明する。
【0028】
図1に示すように、本発明装置1は、プラズマ処理装置10と触媒処理装置20を備えて構成される。ディーゼルエンジン2から排出される排ガスG1は、先ず、プラズマ処理装置10に送入され、プラズマ処理装置10内のグロー放電により発生する大気圧プラズマにより排ガスG1中の粒子状物質が荷電される。荷電された粒子状物質を含む排ガスG2は、プラズマ処理装置10から触媒処理装置20に送入され、排ガスG2の一部の排ガスG3(例えば、全流量の10%以下)が、触媒処理装置20内の主流路21から分流して触媒層22を通過して触媒層22の外側の副流路23から排出される。残りの排ガスG4は、主流路21をそのまま通過して排出される。ここで、触媒処理装置20内では、荷電された粒子状物質の略全部(例えば99%以上)が、印加された静電界によって主流路21から触媒層22に向けて誘導されるため、排ガスG4中には粒子状物質が含まれないか、或いは、含まれても全体の1%以下程度である。また、排ガスG3中の粒子状物質は、触媒層22に誘導され、触媒層22で酸化分解されるため、触媒層22を通過して触媒処理装置20から排出される排ガスG5中には粒子状物質が含まれない。
【0029】
以下、プラズマ処理装置10と触媒処理装置20の構成及び動作について説明する。
【0030】
図2に、本実施形態で使用するプラズマ処理装置10の概略の構成を示す。図2に示すように、プラズマ処理装置10は、円筒状電極11とその中心軸上に位置する線状電極12からなる同軸円筒型電極構造を有し、円筒状電極11と線状電極12の間にパルス電源13を接続して構成される。プラズマ処理装置10は、パルス電源13によって両電極11,12間にパルス状の放電電界が印加されると、グロー放電による大気圧プラズマが発生し、円筒状電極11の内部に単極性のイオンが発生する。気体中の微粒子はイオン化され易いので、排ガスG1中を浮遊する微粒子である粒子状物質が選択的に荷電される。ここで、大気圧プラズマの発生に係る放電電界がパルス状の間欠的に発生する電界であるため、荷電した粒子状物質は、プラズマ処理装置10内の電極11,12に捕獲されることなく、排ガスG1の流れに乗って、プラズマ処理装置10から触媒処理装置20へと搬送される。
【0031】
図3に、本実施形態で使用する触媒処理装置20の概略の構成を示す。図3に示すように、触媒処理装置20は、円筒容器24内に、断面ドーナツ状で円筒容器24と同軸の円筒型の触媒層22が形成されている。円筒容器24の内壁と触媒層22の外側面の間に副流路23が形成される。また、円筒容器24内には、触媒層22の外側に、触媒層22と同軸の円筒状電極25とその中心軸上に位置する線状電極26が設けられている。また、両電極25,26間に数kV程度の直流電圧を印加するための直流電源27が接続されている。尚、図3(A)は、中心軸を含む断面における構成を示し、同図(B)は、同図(A)の中心軸と直交するA−A’断面における構成を示す。
【0032】
触媒層22は、断面ドーナツ状で円筒容器24と同軸の多孔質セラミックスからなる円筒型の担体28に白金等の白金族金属の触媒を担持して形成される。担体28は、例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の酸化物セラミックスからなる。また、多孔質セラミックスの細孔径は、内側(主流路21側)から外側(副流路23側)の方向に、つまり、同軸の軸心より外側ほど小さくなるようになっている。当該構造によって、内側から順番に粒径の大きい粒子状物質から段階的に担体28に捕集され、触媒層22の内側表面部での目詰まりを防止でき、排ガスG3の圧力損失を必要以上に上昇させずに、粒子状物質を効率的に捕集できる。尚、かかる構造は、セラミックスフィルタでは広く用いられている公知の手法で実現できる。尚、触媒としては、白金以外では、パラジウム、ロジウム等が使用できる。パラジウムは、白金に比べて酸化力が弱いため、排ガスG4中のSOの酸化の程度を軽減する効果がある。
【0033】
更に、触媒層22の触媒は、担体28の内側表面近傍(例えば、表面から100ミクロン程度)を除く部分(図3中、クロスハッチ部分)に、つまり、担体28の内側表面から外側(担体内部)に向けて後退した位置から外側部分(排ガスG3の流れの下流側)に担持されており、主流路21側に面する部分とその近傍には触媒は存在しない。
【0034】
本実施形態では、触媒処理装置20には、触媒層22内を加熱する加熱手段である電気ヒータ29が設置されている。電気ヒータ29は、例えば、タングステン線等を担体28内に埋設して実現される。これにより、定常状態における触媒層22の温度が粒子状物質の酸化分解に不十分である場合でも、例えば、ディーゼルエンジン2の停止時に電気ヒータ29により加熱することにより、担体28に捕集された粒子状物質を分解処理することができる。また、その時の空気流量を制限することにより、触媒の過昇温を防止できる。
【0035】
主流路21中に存在する荷電した粒子状物質を触媒層22の方向(外側)に誘導する方向に静電界を発生するために、直流電源27によって両電極25,26間に直流電圧を印加すると、荷電した粒子状物質の略全て(例えば99%以上)が触媒層22に誘導される。触媒層22に誘導された粒子状物質は、触媒層22の触媒作用により酸化され、その粒子状態が分解し、COとして排ガスG3とともに排出される。
【0036】
電極25,26間に印加された静電界により主流路21内から粒子状物質が除去されるため、触媒処理装置20に送入された排ガスG2の大部分(例えば90%以上)の排ガスG4は、粒子状物質が除去された状態で、触媒層22を通過せずに主流路21を通流してそのまま排出される。主流路21を通流する排ガスG4は、触媒層22を通過せず、更に、触媒層22の内側表面近傍にも触媒が存在しないため、触媒層22の触媒作用は排ガスG4には及ばず、排ガスG4中のSOがSOに酸化されず、排ガスG4中において硫酸が生成されるのが抑制され、触媒処理装置20の下流側排気管の腐食が抑制される。
【0037】
尚、主流路21を通過する排ガスG4と、触媒層22及び副流路23を通過する排ガスG3、G5の流量比は、触媒層22及び副流路23における圧力損失を調整することで実現できる。
【0038】
本発明装置1を、上記要領でプラズマ処理装置10と触媒処理装置20により構成することで、ディーゼルエンジン2から排出される排ガスG1の流量が急増した場合にも、触媒処理装置20の触媒層22を通過する排ガスG3の流速は必要以上に速くならず、担体28で捕集された状態の粒子状物質が再飛散する可能性は低い。
【0039】
以下に、本発明に係る粒子状物質処理装置の別実施形態につき説明する。
【0040】
〈1〉上記実施形態では、プラズマ処理装置10に使用する電極構造として、同軸円筒型電極構造のものを例示したが、同電極構造は、同軸円筒型電極構造に限定されるものではない。
【0041】
〈2〉上記実施形態では、主流路21を通過した排ガスG4と副流路23を通過した排ガスG5は、夫々別々に触媒処理装置20から排出される場合を例示したが、副流路23が触媒処理装置20内で主流路21と合流するように構成し、排ガスG4と排ガスG5が触媒処理装置20内で合流してから排出するようにしても構わない。
【0042】
〈3〉上記実施形態では、触媒処理装置20において、触媒層22の内側に主流路21を、外側に副流路23が形成される構造としたが、主流路21と副流路23の配置を反転させ、触媒層22の外側に主流路21を、内側に副流路23が形成される構造としても構わない。この場合、担体28の多孔質セラミックスの細孔径は、外側(主流路21側)から内側(副流路23側)の方向に、つまり、同軸の軸心に近いほど小さくなるようにするのが好ましい。更に、触媒層22の触媒は、担体28の外側表面近傍を除く部分、つまり、担体28の外側表面から内側(担体内部)に向けて後退した位置から内側部分に担持され、主流路21側に面する部分とその近傍には触媒は存在しないようにするのが好ましい。
【0043】
〈4〉上記実施形態では、触媒処理装置20に使用する電極構造として、同軸円筒型電極構造のものを例示したが、同電極構造は、同軸円筒型電極構造に限定されるものではない。例えば、平行平板型電極構造としても構わない。この場合は、平行平板型電極間に、断面直方体の平板状の触媒層を使用し、一方の平板型電極と触媒層の間に主流路が形成され、他方の平板型電極と触媒層の間に副流路が形成される。また、平行平板型電極を複数組設け、その間に夫々触媒層を設けるようにしても構わない。
【0044】
〈5〉上記実施形態では、触媒処理装置20に、触媒層22内を加熱する電気ヒータ29を設置したが、定常状態における触媒層22の温度が粒子状物質の酸化分解に十分な場合には、必ずしも設けなくても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明に係る粒子状物質処理装置は、ディーゼルエンジンから排出される排ガス中に含まれる粒子状物質の分解処理に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る粒子状物質処理装置の一実施形態における概略構成と、ディーゼルエンジンから排出される排ガスの流れを示す図
【図2】本発明に係る粒子状物質処理装置の一実施形態で使用されるプラズマ処理装置の一例を模式的に示す図
【図3】本発明に係る粒子状物質処理装置の一実施形態で使用される触媒処理装置の一例を模式的に示す2つの断面図
【符号の説明】
【0047】
1: 本発明に係る粒子状物質処理装置
2: ディーゼルエンジン
10: プラズマ処理装置
11: 円筒状電極
12: 線状電極
13: パルス電源
20: 触媒処理装置
21: 主流路
22: 触媒層
23: 副流路
24: 円筒容器
25: 円筒状電極
26: 線状電極
27: 直流電源
28: 担体
29: 加熱手段(電気ヒータ)
G1: ディーゼルエンジンから排出される排ガス
G2: プラズマ処理装置から排出される荷電された粒子状物質を含む排ガス
G3: 触媒層を通過する排ガス
G4: 触媒層を通過せずに主流路を通過する排ガス
G5: 触媒層を通過した粒子状物質除去後の排ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディーゼルエンジンから排出される排ガス中に含まれる粒子状物質を分解処理する粒子状物質処理装置であって、
前記排ガス中の前記粒子状物質を大気圧プラズマにより荷電させるプラズマ処理装置と、
前記プラズマ処理装置から送入される前記排ガス中の荷電した前記粒子状物質を、印加電界により選択的に触媒層に誘導して、前記触媒層の触媒作用によって分解処理する触媒処理装置と、
を備えてなることを特徴とする粒子状物質処理装置。
【請求項2】
前記大気圧プラズマが、パルス放電プラズマであることを特徴とする請求項1に記載の粒子状物質処理装置。
【請求項3】
前記触媒処理装置に送入される前記排ガスの全流量の10%以下が、前記触媒層を通過することを特徴とする請求項1または2に記載の粒子状物質処理装置。
【請求項4】
前記触媒層が、多孔質セラミックスからなる担体に白金族金属の触媒を担持してなることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の粒子状物質処理装置。
【請求項5】
前記触媒層の触媒を担持する担体の細孔径が、前記触媒層の上流側から下流側に向けて小さくなっていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の粒子状物質処理装置。
【請求項6】
前記触媒層が、触媒を担持する担体の上流側の端部より担体内部に後退した位置から下流側部分において前記触媒を担持していることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の粒子状物質処理装置。
【請求項7】
前記触媒層内を加熱する加熱手段を備えていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の粒子状物質処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−329090(P2006−329090A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−154551(P2005−154551)
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(304057472)株式会社ルネッサンス・エナジー・インベストメント (12)
【Fターム(参考)】