説明

糖尿病、歯周病および関節炎の改善を目的とする健康食品

【課題】微小循環の滞り、活性酸素の過剰産生による組織の炎症を改善する働きを持ち、糖尿病、歯周病および関節炎に対応する経口組成物の提供。
【解決手段】ボスウェリア セラータ(Boswellia serrata、カンラン科植物)、明日葉、ケール、緑茶葉、ブドウ種子抽出物、亜鉛・モリブデンを含む酵母、α−リポ酸、およびビタミンC、ビタミンB群を含有する経口組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖尿病、歯周病および関節痛を改善する機能をもつ経口組成物、健康食品に関する。
【背景技術】
【0002】
まず、糖尿病に関して、厚生労働省糖尿病実態調査報告(平成14年)によると、「糖尿病が強く疑われる人」は約740万人、「糖尿病の可能性を否定できない人」は約880万人と推計され、両者を合計すると約1,620万人で、成人の6人に1人は糖尿病かその予備軍であることがわかる。
【0003】
糖尿病に対する治療としては、食事療法や運動療法、薬物療法(血糖を下げる薬、糖分の吸収を遅らせる薬、インスリンの働きを良くする薬などの内服薬とインスリン注射)が行われる。薬物療法においては、薬の副作用や注射による苦痛といった不都合が生じる。
【0004】
次に、歯周病に関して、厚生労働省日本歯科疾患実態調査(平成11年版)によると43歳以上で8割、50歳以上では9割が歯周病に罹患しているといわれている。最近では、歯周病が口腔癌、心臓疾患、脳梗塞、骨粗鬆症、早産、糖尿病、呼吸器感染症などの慢性疾患と関連しており、歯周病は全身性疾患であり、単に口腔内にその症状が現れているにすぎないと考えられている。
【0005】
歯周病の主たる治療方法は、SRP、抗生物質、及び外科処置であるが、臨床的研究により、SRP処置の効果が不十分なケースが少なくないということが分かっている。SRPは局所的な方法であり、歯周病の全身性については何も処置を施していない。抗生物質は一時的な助けになるが、再発を防止することはできない。外科処置は最終手段として位置づけられているが、痛みを伴い、高額な費用がかかる。
【0006】
次に、関節炎に関して、厚生労働省国民生活基礎調査(平成4年)によれば、「手足の関節が痛む者」、すなわちリウマチの訴えのある者は230万人に達し、厚生省長期慢性疾患総合研究事業平成9年度研究報告書によれば、関節リウマチの有病率は0.33%で全国患者数は約60万人と推計されている。
【0007】
このような症状がみられるものとしては、変形性股関節症、変形性膝関節症のような変形性関節症(OA)、慢性関節リウマチ(RA)などの関節痛などがあげられる。このような症状に対する治療としては、非ステロイド性抗炎症薬(消炎鎮痛剤)、抗リウマチ薬、副腎皮質ステロイド剤(ステロイド)、免疫調節剤などによる薬物治療や温熱療法、体操と筋力強化、補装具の装着といった理学療法などのリハビリテーション、人工関節手術のような外科的治療が行われる。
【0008】
このような治療方法は、副作用を生じたり患者に苦痛を与えたりするなどの不都合があるし、原因が不明であるために根本的に治療することは難しい。また、痛みがそれほど重症でない場合には、湿布などにより家庭内で処置をしたり、我慢したりすることも多い。
【0009】
最近になって、これら3つの疾病に共通している根本的な原因として、微小循環の血流の滞り、活性酸素の過剰産生による組織の炎症が指摘されている。
【0010】
ボスウェリア セラータ(Boswellia serrata)(カンラン科)は、インドの乾燥した丘陵地域に豊富に生えている枝を広げた落葉性の大きな木である。これは「Dhup」、インドトスゴム(Indian Frankincense)またはインドオリバナム(Indian Olibanum)として知られている。土地ことばで「Salai guggal」で知られているボスウェリアセラータ(Boswellia serrata)のゴム樹脂滲出液は、アーユルヴェーダの薬の規則において、リウマチ、呼吸性疾患、および肝障害の管理に使われている。現代医学におけるボスウェリア セラータ(Boswellia serrata)の主な利用は抗関節炎および抗炎症性の薬理学的薬剤としてのものである。
【0011】
明日葉、ケール、緑茶葉、ブドウ種子抽出物に含まれるポリフェノール、α−リポ酸、ビタミンCは抗酸化作用を持つことが知られている。また、亜鉛は体内で強い抗酸化作用を持つSOD(Superoxide Dismutase)の構成物質の1つである。
【0012】
以上のように、上記の素材はそれぞれ抗炎症作用、微小循環改善作用あるいは抗酸化作用が確認されている。しかし、これらの素材を組み合わせることで、糖尿病、歯周病および関節炎が大幅に改善するという報告はない。
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
糖尿病、歯周病および関節炎の共通の原因と考えられる微小循環の滞り、活性酸素の過剰産生による組織の炎症を改善する働きを持ち、糖尿病、歯周病および関節炎に対応した食品の提供が求められている。本発明は、微小循環の改善効果、抗酸化作用、抗炎症作用が確認されている素材を組み合わせることで、糖尿病、歯周病および関節炎などに効果的な健康食品を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、種々検討した結果、ボスウェリアセラータ、明日葉、ケール、緑茶葉、緑茶葉、亜鉛・モリブデンを含む酵母、α−リポ酸、およびビタミンC、ビタミンB群の併用摂取が、微小循環の滞り、活性酸素の過剰産生による組織の炎症を改善する働きを持ち、糖尿病、歯周病および関節炎を改善する効果があることを見出した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボスウェリア・セラータ、明日葉、ケール、緑茶葉、ブドウ種子抽出物、亜鉛・モリブデンを含む酵母、α−リポ酸、およびビタミンC、ビタミンB群を含有することを特徴とする経口組成物。
【請求項2】
糖尿病、歯周病および関節炎の改善を目的とする、請求項1記載の経口組成物。

【公開番号】特開2007−326839(P2007−326839A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−183869(P2006−183869)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(506163032)株式会社WACCORD (2)
【Fターム(参考)】