説明

経路探索システム及び経路探索方法

【課題】複数の移動手段に対応している経路探索システムにおいて、ユーザの操作負荷を軽減する。
【解決手段】目的地に応じた目的地情報をユーザ端末から受け付け、目的地に対する複数の出発地候補に応じた出発地候補情報をユーザ端末に出力し、複数の出発地候補の中から選択される出発地に応じた出発地情報をユーザ端末から受け付け、出発地情報に基づいて、出発地から目的地までの移動手段を特定し、経路を探索するための経路情報が記憶された経路情報記憶部を参照して、出発地から目的地までの特定された移動手段による移動経路を探索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路探索システム及び経路探索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地図データを用いた経路探索システムは、車載のナビゲーション装置に限らず、携帯端末等を利用するシステムまで幅広く普及している(例えば、特許文献1)。このような経路探索システムの中には、車や電車、徒歩など、複数の移動手段による移動経路の探索に対応しているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−2271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の移動手段に対応している経路探索システムを利用する際には、システム側ではユーザが想定している移動手段を無条件に判定することはできないため、移動手段をユーザが明示的に選択することが一般的である。例えば、ユーザは、経路探索の条件を入力する際や、経路探索結果を確認する際に、希望する移動手段を明示的に選択する必要がある。そのため、複数の移動手段に対応していることにより利便性が高まる一方で、ユーザが移動手段を明示的に選択する操作が必要となり、ユーザ操作が煩雑になってしまう。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、複数の移動手段に対応している経路探索システムにおいて、ユーザの操作負荷を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る経路探索システムは、目的地に応じた目的地情報を受け付ける目的地受付部と、目的地に対する複数の出発地候補に応じた出発地候補情報を出力する出発地候補出力部と、複数の出発地候補の中から選択される出発地に応じた出発地情報を受け付ける出発地受付部と、出発地情報に基づいて、出発地から目的地までの移動手段を特定する移動手段特定部と、経路を探索するための経路情報が記憶された経路情報記憶部を参照して、出発地から目的地までの特定された移動手段による移動経路を探索する移動経路探索部と、を備える。
【0007】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の移動手段に対応している経路探索システムにおいて、ユーザの操作負荷を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態である移動経路探索システムの構成を示す図である。
【図2】キーワードによって施設を検索する画面の一例を示す図である。
【図3】検索された施設の一覧を表示する画面の一例を示す図である。
【図4】目的地を設定する画面の一例を示す図である。
【図5】出発地を選択する画面の一例を示す図である。
【図6】出発地から目的地までの車による移動経路の一例を示す図である。
【図7】出発地から目的地までの駐車場を経由する移動経路の一例を示す図である。
【図8】駐車場を経由する移動経路の表示例を示す図である。
【図9】目的地付近において駐車場を選択する際の基準の一例を説明するための図である。
【図10】駐車場を選択する画面の一例を示す図である。
【図11】移動経路探索システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態である移動経路探索システムの構成を示す図である。移動経路探索システム10は、携帯端末20などのユーザ端末からの要求に従って移動経路の探索を行う情報処理システムであり、1台または複数台の情報処理装置を用いて構成される。図1に示すように、移動経路探索システム10は、通信部30、地図情報出力部32、施設検索部34、目的地受付部36、出発地候補出力部38、出発地受付部40、移動手段特定部42、及び移動経路探索部44を含んでいる。移動経路探索システム10を構成する各部は、メモリや記憶装置等の記憶領域を用いたり、メモリに記憶されているプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。移動経路探索システム10の各部の詳細については後述する。
【0011】
携帯端末20は、移動経路探索システム10を利用するユーザ端末であり、例えば、携帯電話端末や携帯情報端末などである。なお、パーソナルコンピュータなどの、携帯型ではない情報処理装置をユーザ端末として用いることも可能である。図1に示すように、携帯端末20は、通信部50、位置情報取得部52、制御部54、表示部56、及び操作部58を含んでいる。携帯端末20を構成する各部は、メモリや記憶装置等の記憶領域を用いたり、メモリに記憶されているプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0012】
移動経路探索システム10の詳細を説明する前に、携帯端末20の各部について説明する。通信部50は、例えば携帯電話のパケット通信網を介して、移動経路探索システム10等との通信を実行する。移動情報取得部52は、例えばGPS(Global Positioning System)衛星や携帯電話の基地局との通信によって、携帯端末20の現在位置を示す位置情報を取得する。制御部54は、移動経路探索システム10を用いた経路探索等、携帯端末20における各種処理を制御する。表示部56は、地図情報や施設情報、経路情報などの各種情報をディスプレイ等の表示装置に表示する。操作部58は、例えば入力キーやタッチパネル等を含み、携帯端末20に対するユーザ操作を受け付ける。
【0013】
移動経路探索システム10の各部について説明する。通信部30は、インターネット等のネットワークを介して、携帯端末20や他の情報処理システム等との通信を実行する。
【0014】
地図情報出力部32は、携帯端末20からの要求に応じて地図情報データベース(DB)70を参照し、携帯端末20において地図を表示するための地図情報を出力する。例えば、地図情報出力部32は、携帯端末20から受信する位置情報に基づいて、携帯端末20の現在位置付近の地図を表示するための地図情報を出力することができる。また、地図情報出力部32は、後述する経路情報や施設情報に関連する地図を表示するための地図情報を出力することができる。なお、地図情報DB70は、移動経路探索システム10の内部にあってもよいし、外部にあってもよい。
【0015】
施設検索部34は、携帯端末20からの施設検索要求に応じて施設情報データベース(DB)72を参照し、検索条件に合致する施設に関する施設情報を取得して携帯端末20に出力する。施設検索要求には、例えば、名称やジャンル、地名、駅名、緯度・経度などが含まれる。また、施設情報DB72に記憶される施設情報には、施設のIDや名称、施設属性、ジャンル、緯度・経度、連絡先、関連画像、料金、ユーザレビューなどが含まれる。なお、施設情報DB72は、移動経路探索システム10の内部にあってもよいし、外部にあってもよい。また、施設検索部34から外部のサーバに対して施設情報の検索要求を送信することにより、外部のサーバで施設情報の検索が実行され、その検索結果が施設検索部34に戻されることとしてもよい。
【0016】
図2及び図3は、キーワードによって施設を検索する場合の、携帯端末20における画面の一例を示す図である。図2に示すように、ユーザが検索したい施設に関するキーワードを入力して実行ボタンを押下したとする。携帯端末20の制御部54は、該キーワードによる検索を行うための施設検索要求を生成し、通信部50を介して移動経路探索システム10に送信する。この施設検索要求に応じて、移動経路探索システム10の施設検索部34は、施設情報DB72を参照して関連する施設を検索し、関連する施設の施設情報を携帯端末20に送信する。携帯端末20の制御部54は、例えば図3に示すように、移動経路探索システム10から送信されてくる施設情報に基づいて、施設の一覧を表示することができる。なお、移動経路探索システム10の地図情報出力部32は、施設情報に関連する地図を表示するための地図情報を携帯端末20に送信することとしてもよい。この場合、携帯端末20の制御部54は、例えば、施設の場所を示すアイコンを地図上に表示することも可能である。なお、ここではキーワードを用いて施設を検索する例を示したが、施設検索部34での検索手法はこれにかぎられない。例えば、施設検索部34は、ジャンルを指定した検索や、現在位置から所定距離以内の施設の検索、エリアを指定した検索など、任意の手法による検索が可能である。
【0017】
図1に戻り、目的地受付部36は、経路探索における目的地に応じた目的地情報を携帯端末20から受け付ける。なお、目的地情報は、目的地を特定可能な情報であればよく、例えば、目的地となる施設の名称やID、電話番号、緯度・経度などを含むことができる。例えば、図3に示した施設の一覧が表示された画面において、ある施設が選択されると、携帯端末20の制御部54は、図4に示すように施設の場所を示すアイコンを地図上に表示することが可能である。そして、この施設を目的地に設定することが選択されると、携帯端末20の制御部54が、該施設を目的地とする目的地情報を生成して移動経路探索システム10に送信することとしてもよい。なお、検索結果からではなく、地図上の任意の地点を目的地として設定するなど、目的地の設定には任意の手法を用いることが可能である。
【0018】
図1に戻り、出発地候補出力部38は、目的地に対する複数の出発地候補に応じた出発地候補情報を出力する。ここで、出発地候補とは、例えば、目的地の最寄駅や、自動車道の最寄インターチェンジ(IC)、現在地、自宅などである。そして、出発地候補情報とは、このような出発地候補の中から1つの出発地を選択するための情報である。例えば、出発地候補出力部38は、携帯端末20において図5に示す画面を表示するための出発地候補情報を出力することができる。図5に示す画面では、最寄駅、最寄IC、現在地、または自宅を選択することが可能となっている。
【0019】
なお、出発地候補出力部38は、施設情報DB72を参照して目的地の最寄駅や最寄ICを検索することにより、最寄駅や最寄ICの名称等を出発地候補情報に含めることとしてもよい。この場合、図5に示す画面において、最寄駅や最寄ICの名称等を表示することも可能である。また、目的地の最寄駅や最寄ICにかぎらず、現在地や自宅の最寄駅や最寄ICを出発地候補とすることも可能である。さらに、出発地候補出力部38は、施設情報DB72を参照して、目的地に応じた出発地候補情報を出力することとしてもよい。例えば、目的地から所定範囲内に駅またはICが存在する場合に、最寄駅や最寄ICを出発地候補として表示するための出発地候補情報が出力されることとしてもよい。
【0020】
図1に戻り、出発地受付部40は、出発地候補の中から選択される出発地に応じた出発地情報を携帯端末20から受け付ける。例えば、図5に示す画面において1つの出発地が選択されると、携帯端末20の制御部54は、選択された出発地に応じた出発地情報を生成し、移動経路探索システム10に送信することができる。ここで、出発地情報は、例えば、選択された出発地の種別を示す情報であってもよいし、選択された出発地の施設そのものを特定可能な情報であってもよい。また、ユーザは、最寄駅や最寄ICなど予め候補として挙げられたもの以外に、任意の地点を出発地として設定することも可能である。この場合、例えば、図5に示す画面において「検索」が選択されることにより、図2〜図4の例と同様に出発地となる施設を検索することが可能である。また、地図上の任意の地点を出発地として設定することも可能である。
【0021】
図1に戻り、移動手段特定部42は、受け付けられた出発地情報に基づいて、出発地から目的地までの移動手段を特定する。例えば、図5に示す画面において「最寄IC」が選択された場合は、ユーザが想定する移動手段は車である可能性が高い。そのため、この場合、移動手段特定部42は移動手段を車と特定する。一方、例えば、図5に示す画面において「最寄駅」が選択された場合は、ユーザが想定する移動手段は車ではない可能性が高い。そのため、この場合、移動手段特定部42は移動手段を例えば徒歩と特定する。なお、最寄駅と目的地との距離に応じて、徒歩以外の移動手段が特定されることとしてもよい。例えば、最寄駅と目的地との距離が所定距離以上である場合には、バスやタクシーを移動手段に加えることも可能である。なお、現在地や自宅、その他任意の地点を出発地とする場合においては、ユーザがあらかじめ設定した移動手段とすることも可能であるし、出発地を選択する際にユーザが移動手段を選択することも可能である。また、移動手段特定部42は、例えば、出発地として選択された施設の属性を施設情報DB72から取得し、該属性に基づいて移動手段を特定することも可能である。例えば、出発地として選択された施設の属性が「道の駅」である場合には、移動手段特定部42は、移動手段を車と特定することとしてもよい。
【0022】
図1に戻り、移動経路探索部44は、携帯端末20からの経路検索要求に応じて経路情報データベース(DB)74を参照し、出発地から目的地までの特定された移動手段による移動経路を探索し、該移動経路を地図上に表示するための経路情報を携帯端末20に出力する。なお、経路情報DB74は、移動経路探索システム10の内部にあってもよいし、外部にあってもよい。また、移動経路探索部44から外部のサーバに対して移動経路の検索要求を送信することにより、外部のサーバで移動経路の検索が実行され、その検索結果が移動経路探索部44に戻されることとしてもよい。
【0023】
例えば、特定された移動手段が徒歩である場合、移動経路探索部44は、経路情報DB74を参照し、出発地から目的地までの徒歩による移動経路を探索し、該移動経路を示す経路情報を携帯端末20に対して出力する。
【0024】
また、特定された移動手段が車である場合、移動経路探索部44は、施設情報DB72を参照し、目的地が地下街の施設であるかどうかを判定することができる。そして、目的地が地下街の施設である場合、図6に示すように単純に出発地から目的地までの車による移動経路を探索するのではなく、図7に示すように目的地付近の駐車場を経由する移動経路を探索することが可能である。
【0025】
例えば、移動経路探索部44は、施設情報DB72を参照して目的地から所定距離内にある駐車場を選択し、出発地から駐車場までの車による移動経路と、駐車場から目的地までの徒歩による移動経路とを探索することが可能である。図8には、駐車場を経由する移動経路を地図上に表示した一例が示されている。図8では、実線が車による移動経路、破線が徒歩による移動経路を表している。図8に示すように、徒歩による移動経路は地下街への入口を経由するものとなっており、地下街入口から目的地の施設までの間には地上ではなく地下街の地図が表示されている。
【0026】
なお、図8においては、地下街入口から目的地の施設までの間は地下街の地図が表示されていることとしたが、この区間においても地上の地図が表示されることとしてもよい。この場合、地上の経路と地下の経路とを異なる色で表示するなど、地上の経路と地下の経路とを異なる表示態様で表示することができる。また、地上の地図のみを表示する場合においても、図8に示したように地下街入口であることがわかるように吹き出しやアイコンを表示することができる。そして、例えば、地上の地図と地下街の地図とを切り替えるためのアイコンが表示され、該アイコンの操作に応じて地図の表示が変更されることとしてもよい。また、例えば、地下街に設置された基地局との通信等によって、ユーザが地下街に入ったことが検出されると、地下街の地図に自動的に切り替わることとしてもよい。
【0027】
図9は、目的地付近において駐車場を選択する際の基準の一例を説明するための図である。図9には、出発地及び目的地を対角線上の頂点とする長方形80と、目的地を中心とする所定距離の半径を有する円82とが示されている。移動経路探索部44は、例えば、長方形80及び円82が重なる領域84に駐車場があれば、この駐車場を移動経路において利用される駐車場として選択することができる。この領域84内にある駐車場は、出発地から駐車場までの距離が、出発地から目的地までの距離より短いものである。領域84内に駐車場が存在しない場合、移動経路探索部44は、例えば、円82内の領域84以外の領域86に駐車場があれば、この駐車場を移動経路において利用される駐車場として選択することができる。また、円82内には駐車場が存在しない場合、移動経路探索部44は、例えば、出発地と目的地との間の車による移動経路を探索し、該経路から所定距離内にある駐車場を選択することができる。さらに、移動経路探索部44は、円82の外で選択した駐車場から目的地までが所定距離以上の場合、駐車場から地下街入口までは、バスやタクシーを移動手段に含む移動経路を探索することとしてもよい。
【0028】
なお、図9において、領域84、領域86、車での移動経路沿いに複数の駐車場が存在する場合には、例えば、出発地や目的地からの距離、駐車料金、混雑度、車の進行方向との位置関係など、所定の基準によって駐車場が選択されることとしてもよい。また、目的地から所定距離内にある複数の駐車場に応じた駐車場候補情報を携帯端末20に出力することにより、例えば図10に示すように複数の駐車場に関する情報を表示させ、ユーザ操作によって駐車場が選択されることとしてもよい。そして、移動経路探索部44は、ユーザによって選択された駐車場に関する駐車場情報を携帯端末20から受け付け、該駐車場経由の移動経路を探索することとしてもよい。なお、図10には地図上に複数の駐車場に関する情報を表示する例を示したが、複数の駐車場に関する情報がリスト上に表示されるなど、駐車場を選択するための表示形態は任意である。また、図9を参照して説明した駐車場の選択基準は一例であり、任意の選択基準を採用することができる。
【0029】
図11は、移動経路探索システム10の動作の一例を示すフローチャートである。まず、目的地受付部36は、目的地に応じた目的地情報を携帯端末20から受け付ける(S1101)。出発地候補出力部38は、図5に例示したような出発地を選択するための出発地候補情報を出力する(S1102)。そして、出発地受付部40は、複数の出発地候補の中から選択される出発地に応じた出発地情報を携帯端末20から受け付ける(S1103)。
【0030】
出発地情報が受け付けられると、移動手段特定部42は、出発地がICであるかどうか判定する(S1104)。出発地がICではない場合(S1104:N)、移動手段特定部42は、移動手段が徒歩であると特定する(S1105)。そして、移動経路探索部44は、出発地から目的地までの徒歩による移動経路を探索する(S1106)。
【0031】
出発地がICである場合(S1104:Y)、移動手段特定部42は、移動手段が車であると特定する(S1107)。そして、移動経路探索部44は、目的地が地下街の施設であるかどうか判定する(S1108)。目的地が地下街の施設ではない場合(S1108:N)、移動経路探索部44は、出発地から目的地までの車による移動経路を探索する(S1109)。目的地が地下街の施設である場合(S1108:Y)、移動経路探索部44は、目的地から所定距離内にある駐車場を選択し(S1110)、出発地から駐車場までの車による移動経路と、駐車場から目的地までの徒歩による移動経路とを探索する(S1111)。
【0032】
最後に、移動経路探索部44は、移動経路の探索結果を地図上に表示するための経路情報を携帯端末20に出力する(S1112)。
【0033】
以上、本実施形態の移動経路探索システム10について説明した。本実施形態によれば、複数の出発地候補の中から選択された出発地に応じて移動手段を自動的に特定することができる。これにより、ユーザ操作によって明示的に移動手段を特定する必要がなく、複数の移動手段に対応している経路探索システムにおいてユーザの操作負荷を軽減することができる。具体的な一例としては、出発地の施設属性がICである場合には、移動手段が車であると自動的に特定することにより、出発地から目的地までの車による移動経路をユーザに提示することが可能となる。
【0034】
また、本実施形態によれば、移動手段が車であると特定された場合、目的地が地下街であれば駐車場経由の移動経路を自動的に探索することが可能である。目的地が地下街の施設の場合、施設の緯度・経度によって示される位置まで車で移動可能な場合は少ないと考えられる。そのため、出発地から目的地付近の駐車場までの車による移動経路と、駐車場から地下街出入口を経由した目的地までの徒歩による移動経路とを提示することにより、利便性を高めることが可能となる。
【0035】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0036】
例えば、本実施形態では、目的地が地下街の施設である場合に駐車場経由の移動経路を探索することとしたが、目的地が地下街の施設ではない場合であっても、駐車場経由の移動経路を探索可能とすることとしてもよい。この場合、例えば、駐車場経由の移動経路とするかどうかをユーザ操作やユーザ設定により選択可能としてもよい。
【符号の説明】
【0037】
10 移動経路探索システム
20 携帯端末
30 通信部
32 地図情報出力部
34 施設検索部
36 目的地受付部
38 出発地候補出力部
40 出発地受付部
42 移動手段特定部
44 移動経路探索部
50 通信部
52 位置情報取得部
54 制御部
56 表示部
58 操作部
70 地図情報データベース
72 施設情報データベース
74 経路情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地に応じた目的地情報を受け付ける目的地受付部と、
前記目的地に対する複数の出発地候補に応じた出発地候補情報を出力する出発地候補出力部と、
前記複数の出発地候補の中から選択される出発地に応じた出発地情報を受け付ける出発地受付部と、
前記出発地情報に基づいて、前記出発地から前記目的地までの移動手段を特定する移動手段特定部と、
経路を探索するための経路情報が記憶された経路情報記憶部を参照して、前記出発地から前記目的地までの前記特定された移動手段による移動経路を探索する移動経路探索部と、
を備える移動経路探索システム。
【請求項2】
請求項1に記載の移動経路探索システムであって、
前記出発地候補出力部は、前記複数の出発地候補の施設属性を前記出発地候補情報として出力し、
前記出発地受付部は、前記出発地の施設属性を前記出発地情報として受け付け、
前記移動手段特定部は、前記出発地情報に基づいて、前記出発地の施設属性に応じた移動手段を特定する、
移動経路探索システム。
【請求項3】
請求項2に記載の移動経路探索システムであって、
前記複数の出発地候補の施設属性には自動車道のインターチェンジが含まれ、
前記移動手段特定部は、前記出発地の施設属性がインターチェンジである場合は、前記移動手段を車と特定する、
移動経路探索システム。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の移動経路探索システムであって、
前記出発地候補出力部は、前記目的地情報に基づいて、複数の移動手段に対応する前記複数の出発地候補を選択し、該複数の出発地候補に応じた前記出発地候補情報を出力する、
移動経路探索システム。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の移動経路探索システムであって、
前記移動経路探索部は、
前記特定された移動手段が車である場合、施設に関する施設情報が記憶された施設情報記憶部を参照して、前記目的地から所定距離内にある駐車場を選択し、
前記出発地から前記選択された駐車場までの車による移動経路と、前記駐車場から前記目的地までの徒歩による移動経路とを探索する、
移動経路探索システム。
【請求項6】
請求項5に記載の移動経路探索システムであって、
前記移動経路探索部は、
前記特定された移動手段が車である場合、前記目的地情報に基づいて、前記目的地が地下街の施設であるかどうか判定し、
前記目的地が地下街の施設ではない場合、前記出発地から前記目的地までの車による移動経路を探索し、
前記目的地が地下街の施設である場合、前記施設情報記憶部を参照して前記駐車場を選択し、前記出発地から前記選択された駐車場までの車による移動経路と、前記駐車場から地下街出入口を経由した前記目的地までの徒歩による移動経路とを探索する、
移動経路探索システム。
【請求項7】
請求項5または6に記載の移動経路探索システムであって、
前記移動経路探索部は、
前記目的地から所定距離内にある複数の駐車場のうち、前記出発地から駐車場までの距離が、前記出発地から前記目的地までの距離より短い駐車場を選択する、
移動経路探索システム。
【請求項8】
請求項5または6に記載の移動経路探索システムであって、
前記移動経路探索部は、
前記目的地から所定距離内にある複数の駐車場のうち、前記目的地からの距離が最も近い駐車場を選択する、
移動経路探索システム。
【請求項9】
請求項5または6に記載の移動経路探索システムであって、
前記移動経路探索部は、
前記出発地から前記目的地までの車による移動経路を探索し、該移動経路から所定距離内にある駐車場を選択する、
移動経路探索システム。
【請求項10】
請求項5または6に記載の移動経路探索システムであって、
前記移動経路探索部は、
前記目的地から所定距離内にある複数の駐車場に応じた駐車場候補情報を出力し、
前記複数の駐車場の中から選択される駐車場に応じた駐車場情報を受け付け、
前記出発地から前記駐車場情報に応じた駐車場までの車による移動経路と、該駐車場から前記目的地までの徒歩による移動経路とを探索する、
移動経路探索システム。
【請求項11】
コンピュータが、
目的地に応じた目的地情報をユーザ端末から受け付け、
前記目的地に対する複数の出発地候補に応じた出発地候補情報を前記ユーザ端末に出力し、
前記複数の出発地候補の中から選択される出発地に応じた出発地情報を前記ユーザ端末から受け付け、
前記出発地情報に基づいて、前記出発地から前記目的地までの移動手段を特定し、
経路を探索するための経路情報が記憶された経路情報記憶部を参照して、前記出発地から前記目的地までの前記特定された移動手段による移動経路を探索する、
移動経路探索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−230001(P2012−230001A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98544(P2011−98544)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】