説明

結晶化率の測定方法及び測定装置

【課題】精度良く、かつ短時間に、半導体薄膜の結晶化率を測定する方法を提供する。
【解決手段】基体上に形成された半導体薄膜に、半導体薄膜と基体との間に光学的干渉共鳴を起こす波長を含む光L2を照射し、光の透過光L3の光強度、或いは、光の反射光の光強度を、測定することにより、半導体薄膜の結晶化率を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体薄膜の結晶状態を評価するための、半導体薄膜の結晶化率の測定方法及び測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体薄膜の結晶化率評価は、高品位薄膜結晶をデバイス応用する場合に重要である。例えば、多結晶シリコンの結晶化率を測定することにより、薄膜トランジスタ製造のために高品位結晶化膜を供給することができる。
【0003】
半導体膜の結晶化率を求める場合、従来はラマン散乱法が広く用いられてきた(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
例えば、シリコン薄膜をレーザ照射により結晶化した膜を、アルゴンイオンレーザ照射して測定した、ラマン散乱スペクトルを、図14に示す。
【0005】
図14に示す散乱スペクトルには、517cm−1にシャープな結晶シリコンのフォノンピークが表れている。
さらに、図15に示すように、結晶シリコンのフォノンピーク(Sc−Si)の他にも、500cm−1に小さなナノ結晶シリコンのピーク(Snc−Si)と、480cm−1以下にブロードなアモルファスシリコンのピーク(Sac−Si)が表れている。
【0006】
図14のスペクトルから結晶化率を算定する場合は、図14のスペクトルを図15に示した3つのスペクトルに分離して、各スペクトルの強度から、下記の式に従い、結晶シリコンのフォノンピーク(Sc−Si)のみの成分比を算出することによって得られる。
【0007】
【数1】

【0008】
上述の方法により、精度の高い結晶化率の評価が可能である。
【0009】
【特許文献1】特開2000−174286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述したラマン散乱法を用いた方法は、スペクトルの解析を伴うので、大面積、多数箇所の結晶化率評価を短時間で行うことはできなかった。
【0011】
上述した問題の解決のために、本発明においては、精度良く、かつ短時間に、半導体薄膜の結晶化率を測定する測定方法及び測定装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の結晶化率の測定方法は、基体上に形成された半導体単結晶薄膜が、基体との間で光学的干渉を起こし、反射率が極大及び透過率が極小になる波長(λ1)を含む光を照射することを特徴とする。そして、光の透過光の光強度、或いは、光の反射光の光強度を、測定することにより、半導体薄膜の結晶化率を測定するものである。
【0013】
上述の本発明の結晶化率の測定方法において、アモルファスを含む非単結晶の屈折率は結晶化率により異なる値を持つので、波長λ1の光を照射したときに透過率或いは反射率は、単結晶薄膜の透過率或いは反射率と大きく異なる値を持つ。本性質を用いて半導体薄膜の結晶化率を測定することができる。
【0014】
本発明の結晶化率の測定装置は、光源と、光を受光検出するセンサーとを少なくとも備え、光源からの光が基体上に形成された半導体薄膜の試料に照射され、試料を透過した透過光、もしくは、試料で反射した反射光を、センサーで受光検出するように、光源及びセンサーが配置され、センサーで受光検出した、透過光もしくは反射光の光強度から半導体薄膜の透過率もしくは反射率が求められ、透過率もしくは反射率から結晶化率が求められるものである。
【発明の効果】
【0015】
上述の本発明の結晶化率の測定方法によれば、基体上に形成された半導体薄膜に、半導体単結晶薄膜が、基体との間で光学的干渉を起こし、反射率が極大及び透過率が極小になる波長(λ1)を含む光を照射し、光の透過光の光強度、或いは、光の反射光の光強度を、測定することにより、半導体薄膜の結晶化率を測定するので、透過光或いは反射光の光強度から、結晶化率を精度良く求めることができる。また、透過光或いは反射光の光強度から、簡便に短時間で、結晶化率を求めることができる。
【0016】
上述の本発明の結晶化率の測定装置によれば、光源からの光が基体上に形成された半導体薄膜の試料に照射され、試料を透過した透過光、もしくは、試料で反射した反射光を、センサーで受光検出するように、光源及びセンサーが配置され、センサーで受光検出した、透過光もしくは反射光の光強度から半導体薄膜の透過率もしくは反射率が求められ、透過率もしくは反射率から結晶化率が求められるので、透過率もしくは反射率から結晶化率を精度良く求めることができる。また、簡便に短時間で、結晶化率を求めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
まず、本発明の原理を説明する。
図1に、アモルファスシリコン及び単結晶シリコンの、屈折率n及び消光係数kのスペクトルをそれぞれ示す。アモルファスと単結晶の構造上の違いから、それぞれ異なる屈折率nと消光係数kを持っていることがわかる。
【0018】
ここで、図1に示す屈折率nと消光係数kを用いて、石英ガラス基板上に膜厚50nmのシリコン膜を形成したときの透過率スペクトルを図2に示し、反射率スペクトルを図3に示す。
図2及び図3に示すように、屈折率n及び消光係数kの違いにより、アモルファスシリコン膜と単結晶シリコン膜とは、それぞれ異なる透過率及び反射率を持つ。単結晶シリコンは457nm付近に透過率の極大値及び反射率の極小値を持つ。
【0019】
単結晶シリコンの透過率でアモルファスシリコンの透過率を割ったスペクトルを、図4に示し、単結晶シリコンの反射率でアモルファスシリコンの反射率を割ったスペクトルを、図5に示す。なお、図2に示したように、シリコン膜は370nmよりも波長の短い光をほとんど通さないため、図4では表示範囲を400nm以上としている。
【0020】
図4及び図5に示すように、薄膜シリコンに入射する光による光干渉効果により、透過率及び反射率の比のスペクトルは、波長に対して一定にはならない。特に、400〜460nmのとき透過率比は非常に小さくなり、440〜480nmのとき反射率比は非常に大きくなった。
これら透過率比の低下及び反射率比の増大は、単結晶シリコン薄膜が、基体との間で光学的干渉を起こし、反射率が極大及び透過率が極小になるためである。
【0021】
ここで、有効媒質近似を用いて、結晶化率をXとしたときの、薄膜の屈折率nと消光係数kを下記の式と置く。
【0022】
【数2】

【0023】
ここで、上述した透過率比の低下及び反射率比の増大を共に生じる、波長457nmにおいて、シリコン膜の結晶化率Xを変えて、結晶化率Xの変化による、透過率及び反射率を求めた。
得られた結果として、X=1の結晶質シリコンに対する透過率及び反射率の比と、結晶化率Xとの関係を、図6に示す。
図6より、結晶化率Xが0から1に大きくなるに従い、透過率比は0.06から1へ単調増加し、一方、反射率比は3.92から1へ単調減少することがわかった。
【0024】
即ち、薄膜の光干渉効果を利用して、特定の波長の透過率や反射率を調べることにより、薄膜の結晶化率を精度良く調べることができる。
例えば、図6に示した波長457nmにおいて、反射率が結晶質シリコンの3倍であった場合には、結晶化率X=0.4(40%)であることがわかる。
【0025】
本発明においては、上述した手法を用いて、単一波長もしくは狭帯域の波長の光を、半導体薄膜に照射して、透過光や反射光の強度を測定して、透過率や反射率を求めることにより、半導体薄膜の結晶化率を測定する。
この手法は、ラマン散乱法のように、広範囲の波長に渡るスペクトルを測定し、それを解析する手法に比べて、短時間で結晶化率の評価を行うことが可能である。
【0026】
単一波長の光としては、例えば、レーザ光を用いることができる。
また、単一波長の光の代わりに、干渉フィルターを用いて得られた狭帯域の光を用いることもできる。同様に、分光器を用いて得られた狭帯域の光を用いることもできる。
透過率や反射率から結晶化率を求めるには、予め、半導体薄膜の照射する光の、波長もしくは波長帯域における、透過率や反射率と結晶化率の関係(曲線又は関係式)を用意しておけばよい。
【0027】
測定対象の半導体薄膜の材料としては、一般に使用されているシリコンだけでなく、その他、ゲルマニウム等の第IV族元素や、GaAs等の化合物半導体も挙げられる。
【0028】
そして、本発明の結晶化率の測定装置は、上述した手法を実現するように、測定装置を構成する。
即ち、半導体薄膜の試料に照射するための光を出射する光源と、試料を透過した光を受光検出するセンサーとを少なくとも備えて、測定装置を構成する。さらに必要に応じて、試料を保持する試料ホルダーや、光源から出射した光を狭帯域の波長の光に絞るフィルター(干渉フィルター等)を備える。
試料ホルダーは、好ましくは試料の移動が可能な構成として、試料(例えば、ウェハ)の全体の結晶化率の測定が可能なようにする。
【0029】
本発明の結晶化率の測定装置の一実施の形態を、図7に示す。
図7に示す測定装置は、光源11と、特定の狭帯域の光を透過する干渉フィルター12と、2次元センサーアレイ13とを備えている。
そして、光源11から発生した光ビームL1を、干渉フィルター12を通して狭帯域の光L2とした後、この狭帯域の光L2を測定する試料1に当てて、試料1を透過した透過光L3の光強度を、2次元センサーアレイ13において受光検出する。
【0030】
この測定装置を用いることにより、結晶化率の場所による分布を、画像或いは2次元データとして、短時間に得ることができる。
また、試料ホルダー(図示せず)を試料1の移動が可能な構成として、試料1を光ビームL1のスポットの大きさのステップで移動させることにより、試料1全体の結晶化率分布を調べることができる。
【0031】
本発明の結晶化率の測定装置の他の実施の形態を、図8に示す。
図8に示す測定装置は、レーザ光を出射するレーザ21と、センサー22とを備えている。
そして、レーザ21から出射したレーザビームLB1を、試料1に照射して、試料1を透過した透過光LB2の光強度を、センサー22において受光検出する。
レーザ21としては、固体レーザや半導体レーザを使用することができる。試料1に照射する光の波長に応じて、その波長のレーザビームLB1を出射するレーザ21を使用する。
【0032】
この測定装置を用いることにより、結晶化率の場所による分布を、画像或いは2次元データとして、短時間に得ることができる。
また、試料ホルダー(図示せず)を試料1の移動が可能な構成として、試料1をレーザビームLB1のスポットの大きさのステップで移動させることにより、試料1全体の結晶化率分布を調べることができる。
【0033】
なお、図7及び図8に示した測定装置は、試料を透過した透過光を受光検出する構成であったが、試料で反射した反射光を受光検出する構成や、透過光及び反射光をそれぞれ受光検出する構成としてもよい。
試料で反射した反射光を受光検出する場合には、反射光を受光検出できるように、光源からの光を試料表面に対して斜めに入射させると共に、反射光の光路に反射光を受光検出するセンサーを配置する。
【0034】
<実施例1>
ここで、実際に、アモルファスシリコン膜を結晶化した膜を用いて、本発明による結晶化率の測定を行った。測定方法を、図9A及び図9Bを参照して説明する。
まず、図9Aに示すように、石英ガラス基板31上に、アモルファスシリコン膜32を膜厚50nmで形成した。
次に、表面にXeClエキシマレーザビームを照射して、アモルファスシリコン膜32を結晶化した。このとき、レーザのエネルギーを8種類変化させて、図9Bに示すように、結晶化の程度の異なる8種類のシリコン膜33,34,35,36,37,38,39,40を形成した。図中左端のシリコン膜33から右端のシリコン膜40に向かうに従い、レーザのエネルギーを大きくしており、シリコン膜の結晶化率も大きくなる。
【0035】
その後、図8に示した装置を用いて、測定光21は波長457nmの光を出射する構成とした。そして、試料1のシリコン膜に、波長457nmの測定光ビームLB1を照射して、以下のようにして、試料1のそれぞれのシリコン膜の透過率を測定して、結晶化率の評価を行った。
1)8種類のレーザエネルギーを照射した、それぞれのシリコン膜31,32,33,34,35,36,37,38の透過率Tsを測定した。
2)結晶化率1の単結晶シリコン膜を仮定して、その波長457nmの光に対する透過率の理論値Tを、計算により求めた。
3)測定で得られた透過率Tsと、計算により得られた単結晶シリコン(結晶化率1)の透過率の理論値Tとの、比Ts/Tを求めた。
4)図6の結果を用いて、比Ts/Tの値から、各レーザエネルギーにおける、結晶化率を求めた。
【0036】
比Ts/T及び結晶化率のレーザエネルギーによる変化を、図10に示す。なお、図10には、ラマン散乱法を用いて測定した結晶化率も、併せて示している。
図10より、レーザエネルギーを増やしていくと、比Ts/T及び結晶化率が、共に単調に増大していくことがわかる。
また、本発明の測定方法により得た結晶化率と、ラマン散乱法を用いて求めた結晶化率とは、非常に良く一致していることがわかる。
これらの結果は、波長457nmの光の透過率を測定することにより、膜厚50nmのシリコン膜の結晶化率を精度良く測定できることを、示している。
【0037】
本発明の結晶化率の測定方法は、光干渉共鳴法を用いて、透過率及び反射率が、結晶化率に対して敏感かつ単調に変化することを利用したものである。
本発明において、測定に使用する光の波長は、厳密に固定する必要はなく、実施上の都合により、測定波長を適宜変更してもよい。膜厚50nmのシリコン膜の場合、透過測定に好適な波長は400〜460nmであり、反射測定に好適な波長は440〜480nmである。上記波長を含む帯域の光を用いれば、高精度の結晶化率解析が可能である。
【0038】
測定波長を変えた場合、透過率と結晶化率の関係は、図6に示す波長457nmの場合と同じではなく、波長の変化に対応して、関係も変化していく。
そのため、測定波長に応じた透過率−結晶化率の関係を、改めて理論的に求める必要がある。
【0039】
さらにフィルターを用いる場合は、フィルターの帯域範囲の波長を用いることになる。この場合も、その帯域に応じた、透過率と結晶化率の関係を求めておく必要がある。
ここで、波長450nmを中心とする狭帯域の光学フィルターの透過スペクトルを、図11に示す。この光学フィルターは、波長445nm〜460nmの帯域の光を透過する。
【0040】
図11に示す透過スペクトルを有する光学フィルターを用いた場合における、膜厚50nmシリコン膜の、理論計算で求めた単結晶シリコン(結晶化率1)の透過率と、結晶化率が1以下のシリコン膜の透過率との比と、結晶化率との関係を、図12に示す。
図12に示すように、図6と同様に、透過率比は結晶化率に対して単調に増大した。
即ち、図11に示す透過スペクトルを有する光学フィルターを用いても、透過率比から結晶化率を求めることが可能であることがわかる。
【0041】
本発明の結晶化率の測定装置は、定められた条件で半導体薄膜の結晶化を行う場合の、結晶化状態のモニターとして用いることもできる。
この場合、必ずしも、透過率を結晶化率に変換する必要はない。
さらには透過率を求める必要もなく、結晶化率に対して透過率或いは反射率が敏感に変化する波長の光を当てて、その透過光或いは反射光の強度をモニターすればよい。
【0042】
本発明の結晶化率の測定方法は、光干渉共鳴法を用いて、透過率及び反射率が、結晶化率に対して変化することを利用している。
【0043】
測定に使用する光の波長に対して、基板の材料が透明である場合や、半導体薄膜のさらに上層に形成した膜(例えば、絶縁膜)が透明である場合には、これら基板や半導体薄膜の屈折率や厚さの影響を受けず、精度の高い透過率や反射率が得られる。
従って、このように、基板や膜の材料と光の波長を選定すれば、基板がある程度厚くても、或いは、半導体上に絶縁膜が形成された積層構造であっても、本発明の測定方法を利用して、結晶化率を制度良く測定することができる。
【0044】
しかしながら、上述した基板や膜の材料が測定に使用する光の波長に対して透明ではない場合には、基板の材料及び半導体薄膜のさらに上層に形成した膜の材料・膜厚によって、透過率及び反射率の値が異なってくる。
そのため、図6に示した透過率及び反射率と結晶化率の理論的関係を、実際に用いる材料によって、適宜設定する必要がある。
【0045】
半導体層の膜厚によって、透過率及び反射率が結晶化率に対して最も変化しやすい波長は半導体薄膜に依存する。
シリコンの膜厚を10nmから100nmまで変えたときの、それぞれの膜厚で、アモルファスシリコン(結晶化率X=0)と単結晶シリコン(結晶化率X=1)との間において透過率比が最小及び反射率比が最大になる波長を、図13に示す。
【0046】
図13より、膜厚が10nmから100nmに大きくなるに従って、反射率比が最大になる波長は、310nm〜730nmに変化した。
これに対して、透過率比が最小になる波長は、薄膜の光吸収効果のために、膜厚にあまり依存せず、いずれも400nm〜450nmの範囲内であった。
【0047】
本発明の測定方法及び測定装置においては、半導体薄膜の膜厚に応じて、図13に示す波長及びその近くの波長を用いることが望ましい。
このような波長の光を照射することにより、結晶化率をより精度良く測定することができる。
【0048】
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明による結晶化率の測定方法及び測定装置は、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)や太陽電池等の半導体薄膜の製造の際に適用することができる。
本発明による結晶化率の測定方法及び測定装置を適用することにより、半導体薄膜の歩留まりの向上を図り、良好な特性を有する薄膜トランジスタや太陽電池を製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】アモルファスシリコン及び単結晶シリコンの屈折率n及び消光係数kの各スペクトルを示す図である。
【図2】石英ガラス基板上にそれぞれ形成したアモルファス及び結晶のシリコン膜の透過率スペクトルである。
【図3】石英ガラス基板上にそれぞれ形成したアモルファス及び結晶のシリコン膜の反射率スペクトルである。
【図4】単結晶シリコンに対するアモルファスシリコンの透過率比のスペクトルである。
【図5】単結晶シリコンに対するアモルファスシリコンの反射率比のスペクトルである。
【図6】波長457nmにおける、結晶質シリコンに対する透過率及び反射率の比と結晶化率との関係を示す図である。
【図7】本発明の結晶化率の測定装置の一形態の概略構成図である。
【図8】本発明の結晶化率の測定装置の他の形態の概略構成図である。
【図9】A、B 本発明の実施例の測定手法を説明する図である。
【図10】実測透過率Tsと理論透過率Tとの比Ts/T及び結晶化率(本発明、ラマン散乱スペクトル解析)と、レーザエネルギーとの関係を示す図である。
【図11】450nmを中心とする狭帯域の光学フィルターの透過スペクトルである。
【図12】図11のフィルターによる狭帯域光を用いた場合の、単結晶シリコンに対する透過率の比と結晶化率との関係を示す図である。
【図13】シリコンの膜厚と、結晶化率の変化に対して透過率及び反射率が最大変化する波長との関係を示す図である。
【図14】レーザ照射により結晶化したシリコン膜のラマン散乱スペクトルである。
【図15】図14のラマン散乱スペクトルから結晶化率を算定する方法を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1 試料、11 光源、12 干渉フィルター、13 2次元センサーアレイ、21 測定光、22 センサー、31 石英ガラス、32 アモルファスシリコン膜、33,34,35,36,37,38,39,40 シリコン膜、L1 光ビーム、L2 狭帯域光、L3,LB2 透過光、LB1 レーザビーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体上に形成された半導体薄膜に、前記半導体薄膜と前記基体との間に光学的干渉共鳴を起こす波長を含む光を照射し、
前記光の透過光の光強度、或いは、前記光の反射光の光強度を、測定することにより、前記半導体薄膜の結晶化率を測定する
ことを特徴とする結晶化率の測定方法。
【請求項2】
前記光として、レーザビームを用いることを特徴とする請求項1に記載の結晶化率の測定方法。
【請求項3】
前記光として、フィルターを通過させて得られた狭帯域の波長の光を用いることを特徴とする請求項1に記載の結晶化率の測定方法。
【請求項4】
前記光として、透過率或いは反射率が、アモルファスシリコンと単結晶シリコンとの間において最も大きく変化する波長又はその近傍の波長の光を用いることを特徴とする請求項1に記載の結晶化率の測定方法。
【請求項5】
光源と、光を受光検出するセンサーとを少なくとも備え、
前記光源からの光が、基体上に形成された半導体薄膜の試料に照射され、
前記試料を透過した透過光、もしくは、前記試料で反射した反射光を、前記センサーで受光検出するように、前記光源及び前記センサーが配置され、
前記センサーで受光検出した、前記透過光もしくは前記反射光の光強度から前記半導体薄膜の透過率もしくは反射率が求められ、前記透過率もしくは前記反射率から結晶化率が求められる
ことを特徴とする結晶化率の測定装置。
【請求項6】
前記光源がレーザであることを特徴とする請求項5に記載の結晶化率の測定装置。
【請求項7】
前記光源と前記試料との間に、前記光源からの光を狭帯域の波長の光にするフィルターを備えていることを特徴とする請求項5に記載の結晶化率の測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−147578(P2008−147578A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−336021(P2006−336021)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(504132881)国立大学法人東京農工大学 (595)
【Fターム(参考)】