絶縁耐力の高いSOI半導体素子
本発明は、第1半導体域と第2半導体域との間に配置されたフィールド電極および/またはフィールド領域を備えた、SOI半導体素子に関するものである。電気的結合を、フィールド電極とフィールド領域との間で行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、SOI半導体素子に関するものである。
【0002】
SOI半導体素子(SOI=シリコンオンインシュレータ)は、ダイオード、トランジスタ、または、類似の半導体素子を構成可能な、絶縁層上に配置された半導体層を特徴としている。
【0003】
一般的に、SOI半導体素子では、できる限り高い遮断時耐電圧強度を得ることが重要である。
【0004】
本出願では、略語「SOI」を、半導体層、絶縁層、および、任意の材料からなる他の半導体層を備えた素子の同義語として用いる。SOIは専門用語として定着している。したがって、SOIは、シリコンからなる素子だけではなく、例えばゲルマニウムまたはヒ化ガリウムといった任意の半導体材料からなる素子であると解釈される。
【0005】
DE101 06 359 C1は、アノードコンタクト部とカソードコンタクト部とを備えた薄膜技術におけるラテラルSOI半導体素子を開示している。該アノードコンタクト部とカソードコンタクト部とは、それぞれ、基板の、分離した複数の遮蔽領域の上(つまり、基板の基本ドーピングに相補的にドープされた領域の上)に配置されている。さらに、アノードコンタクト部は、基板に電気的に接続されている。これにより、空間電荷域は、基板に向って移動し、基板の中へ移される。基板の中へ空間電荷域を移動させるための他の措置として、フローティングとなっている、つまり所定の電位が印加されないフィールド環状部が用いられる。このフィールド環状部は、遮蔽領域間に配置されている。
【0006】
図1は、従来技術の、MOSトランジスタとして形成されたSOI半導体素子の細部を示している。このSOI半導体素子は、ほぼ層状に形成されている。金属層15を備えた半導体基板10の上には、該金属層15とは逆側の面に、第1絶縁層20と、続いて半導体層30とが配置されている。絶縁層20は半導体層30の下に「埋設」されているので、この絶縁層20を、埋設された絶縁体とも呼ぶ。半導体層30の、第1絶縁層20とは逆側の面には、第2絶縁層40が配置されている。半導体層30の中には、ソース領域を構成している第1半導体域31と、該第1半導体域31から間隔をあけた、ドレイン領域を構成している第2半導体域32とが配置されている。該第1半導体域31にはコンタクト部51が電気的にコンタクトしており、該第2半導体域32にはコンタクト部52が電気的にコンタクトしている。
【0007】
半導体層30の第1半導体域31には、相補的にドープされたチャネル領域33が接続されている。このチャネル領域33と第2半導体域32との間には、ドリフト領域30aが構成されている。このドリフト領域30aは、第1半導体域31および第2半導体域32と同じ導電型だが、それらの半導体域よりも弱くドープされている。チャネル領域33において導電性のチャネルを制御するために、ゲート電極41が用いられる。該ゲート電極41は、半導体層30上の第2絶縁層40に埋設されている。ゲート電極41を外部に電気的にコンタクトさせるために必要な端子については、図示していない。
【0008】
第1絶縁層20と、第2絶縁層40と、それらの間に位置する半導体層30とからなるサンドイッチ状の構造は、半導体基板10の上に配置されている。この半導体基板10は、例えば、第1半導体域31および第2半導体域32、または、ドリフト領域30aと同じ導電型である。
【0009】
半導体基板10は、第1絶縁層20側に、半導体基板10に対して相補的にドープされた遮蔽域11、12、および、半導体基板10と同じ導電型のフィールド領域13a、13bを備えている。第1半導体域31のコンタクト端子51が、第1半導体域31に加えて、遮蔽域11にも導電接続されている。
【0010】
DE197 55 868 C1から、高電圧SOI薄膜トランジスタが知られている。該トランジスタは、ゲート電極とドレイン領域との間に配置されたフィールドプレートを備えている。このフィールドプレートは、半導体薄膜の中に配置された、この半導体薄膜に対して相補的にドープされた領域に接続されている。
【0011】
このようなSOI半導体素子の不都合な点は、遮断状態において、埋設された絶縁層の電圧ブレークダウンが生じてしまうことにより、絶縁層およびそれに伴うSOI半導体素子が破壊されてしまう点にある。
【0012】
したがって、本発明の目的は、遮断時耐電圧強度を改善した、電圧ブレークダウンからより保護された、SOI半導体素子を提示することである。
【0013】
この目的を、本発明にしたがって、請求項1のSOI半導体素子によって解決する。本発明の概念の形態および他の形態を、従属請求項に記載する。
【0014】
本発明のSOI半導体素子は、層状の構造を有しており、連続する半導体基板と第1絶縁層と半導体層とを含んでいる。この半導体層には、第1半導体域および第2半導体域が互いに間隔をあけてラテラル方向に配置されている。また、該半導体層は、第1半導体域と第2半導体域との間に、第3半導体域を備えている。半導体基板の中には、第1半導体域と第2半導体域との間のラテラル方向に、フィールド領域が配置されている。このフィールド領域は、同様に半導体基板の中に配置された第4半導体域に対して相補的にドープされている。さらに、半導体層の第1絶縁層側とは逆側上に、少なくとも1つのフィールド電極が、第1半導体域と第2半導体域との間に配置されている。
【0015】
該第1半導体域および第2半導体域は、通常、半導体層よりも高くドープされている。
【0016】
本発明のSOI半導体素子は、ダイオードまたは電界効果トランジスタとして形成されていることが好ましい。
【0017】
ダイオードの場合、第1半導体域は、p型にドープされたアノードを構成し、第2半導体域はn型にドープされたカソードを構成している。
【0018】
同様に、電界効果トランジスタの場合、第1半導体域はソース領域を構成し、第2半導体域はドレイン領域を構成している。これらの半導体域の導電型は同じである。さらに、第1半導体域と第3半導体域との間には、チャネル領域を構成しているもう1つの第5半導体域のチャネル領域が配置されている。
【0019】
さらに、空間電荷域が半導体基板に移される。このために、半導体層と半導体基板との間の接続が必要である。このような接続を実現するために、例えば金属や抵抗、ダイオード、トランジスタなどといった導体を用いてもよい。
【0020】
このような接続は、半導体基板とソース領域および/またはドレイン領域との間で実現されることが好ましい。好ましい一形態では、第1半導体域および/または第2半導体域は、半導体基板に接続されている。
【0021】
SOI半導体素子に生じる電界の均一性を、第1半導体域および第2半導体域と向かい合う、半導体基板の中に配置されて、該半導体基板に対して相補的にドープされた遮蔽域によって、達成することができる。半導体基板と第1半導体域および/または第2半導体域との上記接続が、これらの遮蔽域に沿って行われることが好ましい。
【0022】
第1絶縁層の下に位置する半導体基板の中には、ラテラル方向に、第1半導体域と第2半導体域との間に、半導体基板に対して相補的にドープされた少なくとも1つのフィールド領域が配置されている。このフィールド領域は、半導体基板と第1絶縁層との間の境界面から、半導体基板の内部領域に延びている。半導体基板が第1半導体域と第2半導体域とに割り当てられた遮蔽域を備えている場合、フィールド領域は、これら遮蔽域間に配置されている。
【0023】
フィールド領域は、半導体基板の上面または境界面に配置され、第4半導体域に対して相補的にドープされた領域である。該フィールド領域を、アロイ、拡散、イオン注入、エピタキシー成長、またはそのような知られている方法によって形成することができる。
【0024】
該フィールド領域は、フローティングとなるように配置されていることが好ましい。つまり、該フィールド領域の電位は、例えば外部端子によって予め与えられた電位である。フローティングとなっているフィールド領域では、これらの電位が、SOI半導体素子の電界分布のみに起因して生じる。
【0025】
さらに、第1半導体域と第2半導体域との間には、ラテラル方向に、半導体層の第1絶縁層側の面上に少なくとも1つのフィールド電極が配置されている。
【0026】
該少なくとも1つのフィールド電極は、例えばn+ドープされたポリシリコンといった導電性材料、または、例えばアルミニウムといった金属から形成されている。また、該フィールド電極の形状は任意であるが、ほぼ階段状に、あるいは、斜めに配置されたプレートとして形成されていることが好ましい。幅、傾き、半導体層との間隔も、様々であってよい。
【0027】
該少なくとも1つのフィールド電極は、半導体層から電気的に絶縁されていることが好ましい。好ましい一形態では、この絶縁は、半導体層とフィールド電極との間に配置された他の絶縁層を用いて行われる。
【0028】
フィールド電極との接続にフィールド領域を用いることにより、特にSOI半導体素子が遮断状態であるときに形成される電界が均一化される。このことは、絶縁耐力が上がることを意味している。なぜなら、電界は2点間の電位差の空間的な変化であるからである。SOI半導体素子では、特に、半導体層と半導体基板との間に配置された絶縁層は、電圧ブレークダウンによって危険な状態になっている。基本的には、絶縁層の厚さを厚くすることによって絶縁耐力を上げることができるが、そうすることにより、製造技術的な不都合が生じてしまう。フィールド電極およびフィールド領域が互いに対になって位置していることが好ましい。
【0029】
本発明の原理を、一般的に全てのSOI半導体素子に適用できる。
【0030】
SOI半導体素子における電界の均一性に関して上記構造をさらに改善するために、フィールド電極を半導体層および/またはフィールド領域と結合することができる。この結合を、結合位置を用いて実現することが好ましく、異なる3つのタイプによって違いがある。タイプIでは、該フィールド電極は、半導体層にのみ接続されており、タイプIIでは、それに加えて、フィールド領域に電気的に接続されている。これに対してタイプIIIでは、フィールド電極は、フィールド領域に接続されているが、半導体層には導電接続されていない。タイプIIIの場合、フィールド電極は、半導体層から電気的に絶縁されていることが好ましい。
【0031】
好ましい一形態では、タイプIまたはタイプIIの結合位置には、第3半導体域に対して相補的な第2導電型のコンタクト領域がある。これらのコンタクト領域は、第3半導体域をフィールド電極に接続している。特に、該コンタクト領域が、第1領域および第2領域を含んでいることが好ましい。ここで、第1領域は、第2領域よりも高くドープされており、第1領域はフィールド電極にコンタクトしており、第2領域は第3半導体域にコンタクトしている。
【0032】
本発明のSOI半導体素子が、ここでは、上記3タイプのうちのちょうど1つの結合位置を有していることが好ましい。しかし一般的に、タイプの異なる任意の数の結合位置を任意に組み合わせてもよい。
【0033】
特に第3半導体域が結合位置の領域においてコンタクト領域または絶縁部を備えているときに、これらの結合位置を用いることにより、SOI半導体素子によって電流の流れに用いられる第3半導体域の断面積が低減する。これにより、素子の抵抗が高くなる。
【0034】
この不都合な点を補うために、補償域を用いる。この補償域は、隣接する2つの結合位置間の第3半導体域への不純物添加量を増やすことによって、これらの領域の導電性が上がるということを特徴としている。2つの結合位置間の該補償域は、同じフィールド電極に配置されていることが好ましい。また、該補償域の幅は、該補償域のドーピング濃度、第2絶縁層と半導体層との層厚、および、フィールド領域とフィールド電極との幅に応じて決まる。パラメータを適切に選択することにより、阻止能力を保ったまま、ドリフト領域の抵抗を低くすることができる。
【0035】
フィールド領域および/または遮蔽域を用いることにより、寄生MOSトランジスタが形成される。この寄生MOSトランジスタは、このような、隣接する2つの領域間に、それらの領域間に位置する、該領域に対して相補的にドープされた、半導体基板の内部領域と関連して形成される。この寄生MOSトランジスタのゲートは、半導体層の中に配置されたドリフト領域によって構成されている。該寄生MOSトランジスタには、ドリフト領域において増加する電流の流れによってバイアスがかけられる。
【0036】
この効果を用いるために、半導体基板中のフィールド領域と他のフィールド領域との間、または、フィールド領域と遮蔽域との間に配置されたチャネルストッパ領域を用いる。このチャネルストッパ領域は、第4半導体域の導電型を有しているが、該第4半導体域よりも高くドープされている。これにより、寄生MOSトランジスタの閾値電圧が上がる。ここで、チャネルストッパ領域は、隣接する2つのフィールド領域間、または、フィールド領域と遮蔽域との間に連続的に形成されていることが好ましい。
【0037】
フィールド領域および/またはフィールド電極を備えたSOI半導体素子が遮断状態にある場合、これらのフィールド領域またはフィールド電極は帯電された状態になる。そして、印加された遮断電圧が遮断される、または、少なくとも著しく低減されると、フィールド領域またはフィールド電極の放電が比較的長い間続く。この放電時間の間、なおも充電されているフィールド領域またはフィールド電極は、素子のスイッチング速度を低減する間SOI半導体素子を遮断状態にするゲートのように機能する。
【0038】
したがって、本発明では、半導体層とフィールド領域またはフィールド電極との間の電圧、およびその電荷を制限する。
【0039】
このことは、半導体層とフィールド領域またはフィールド電極との間に配置された、直列接続された1つまたは複数の定電圧ダイオードからなる定電圧ダイオード構造によって行われることが好ましい。定電圧ダイオードは、互いに相補的な半導体域への不純物添加量が多いpn接合部からなる。半導体接合部の層厚と、不純物添加量の多さと、接合領域におけるドーパントの濃度勾配に応じて、定電圧ダイオードは、ブレークダウン電圧を有している。このブレークダウン電圧を超えると、導通状態に移行し、それによって、印加された電圧は低減され、ブレークダウン電圧に制限される。
【0040】
一般的に、定電圧ダイオード構造は、不純物添加量の多い少なくとも2つの連続した半導体域からなる。ここで、連続した2つの半導体域が、互いに相補的にドープされている。定電圧ダイオード構造が、第1半導体域および重なり合う全ての半導体域うちの初めの半導体域と最後の半導体域とからなる2つの端子領域を備えている。
【0041】
定電圧ダイオード構造は、SOI半導体素子において、1つの端子領域が第3半導体域とコンタクトして、もう1つの端子領域がフィールド電極またはフィールド領域とコンタクトしているように、相互接続されている。製造技術的な理由から、定電圧ダイオード構造は、半導体層の中に配置されることが好ましい。ここで、定電圧ダイオード構造に部分的に(特に半導体層に対する)絶縁部が備えられている必要がある。
【0042】
以下に、本発明の実施形態を、図面に基づいて詳述する。
【0043】
図1は、従来技術に関するSOI半導体素子の細部を示す断面図である。
【0044】
図2aは、フィールド電極を備えた本発明のSOI半導体素子の細部を示す断面図である。
【0045】
図2bは、図2aに関する本発明のSOI半導体素子を示す平面図である。
【0046】
図2cは、図2aに関するSOI半導体素子の半導体層を切断した断面図である。
【0047】
図2dは、図2aの遮蔽域またはフィールド領域において半導体基板を切断した断面図を示している。
【0048】
図3aは、図2aと類似した、フィールド電極を備えた本発明のSOI半導体素子の細部を示す断面図である。該フィールド電極は、半導体層だけではなく、半導体基板にもコンタクトしている。
【0049】
図3bは、図3aに関する本発明のSOI半導体素子を示す平面図である。
【0050】
図3cは、図3aに関するSOI半導体素子の半導体層を切断した断面図である。
【0051】
図3dは、図3aの遮蔽域またはフィールド領域において半導体基板を切断した断面図を示している。
【0052】
図4aは、図2aおよび図3aと類似した、本発明のSOI半導体素子の細部を示す断面図である。該フィールド電極は、半導体基板に導電的に接続されており、半導体層から絶縁されている。
【0053】
図4bは、図4aに関する本発明のSOI半導体素子を示す平面図である。
【0054】
図4cは、図4aに関するSOI半導体素子の半導体層を切断した断面図を示している。
【0055】
図4dは、図4aの遮蔽域またはフィールド領域において半導体基板を切断した断面図を示している。
【0056】
図5aは、隣接する2つの結合位置間に配置された補償域を備えた、図2cの半導体層を切断した断面図である。
【0057】
図5bは、隣接する2つの結合位置間に配置された補償域を備えた、図3cの半導体層を切断した断面図である。
【0058】
図5cは、隣接する2つの結合位置間に配置された補償域を備えた、図4cの半導体層を切断した断面図である。
【0059】
図6aは、図2a、図3a、図5a、図5bの補償域における本発明のSOI半導体素子の一部を示す断面図である。
【0060】
図6bは、図4aおよび図5cの補償域における本発明のSOI半導体素子の一部を示す断面図である。
【0061】
図7は、図2a、図2c、図3a、図3c、図5a、図5bの補償域における本発明のSOI半導体素子の細部を展開した場合の斜視図である。
【0062】
図8は、寄生MOSトランジスタとチャネルストッパ領域とを備えた本発明のSOI半導体素子の一部を示す図である。
【0063】
図9aは、定電圧ダイオード構造を備えた図3a〜図3dのSOI半導体素子を切断した断面図である。
【0064】
図9bは、図9aに関するSOI半導体素子を示す断面図である。
【0065】
図10aは、直列接続された定電圧ダイオードからなる定電圧ダイオード構造を備えた図2a〜図2dのSOI半導体素子を示す図である。
【0066】
図10bは、定電圧ダイオードの領域において図10aのSOI半導体素子を切断した断面図である。
【0067】
これらの図では、同じ意味の同じ部材には、同じ参照符号を付している。
【0068】
図2aは、MOSFETとして形成された本発明のラテラルSOI半導体素子の細部を示す断面図である。
【0069】
この素子の構造は、層状になっており、任意の金属層15を備えた半導体基板10からなる。この半導体基板の上には、第1絶縁層20が、続いて半導体層30および第2絶縁層40が配置されている。
【0070】
半導体層30は、コンタクト部51に接続されたn+ドープされた第1半導体域31を備えている。この第1半導体域31は、ソース領域を構成している。該第1半導体域には、同様に半導体層30に配置された、p−ドープされた第5半導体域33が接続され、チャネル領域として形成されている。該第1半導体域には、さらに、n−ドープされた第3半導体域が接続されている。この第3半導体域は、この断面図では認識できないが、つながった領域として形成されており、複数の部分領域(例えば、部分領域30a、30b、30c)からなる。
【0071】
該第3半導体域に続く、n+ドープされたドレイン領域として形成された、第2半導体域、および、該第2半導体域に接続されたコンタクト部については、図示していない。
【0072】
半導体基板10は、それと第1絶縁層20との界面領域に、pドープされた、遮蔽域11と、2つのフローティングとなっているフィールド領域13a、13bとを備えている。半導体層30に対して、各フィールド領域13a、13bと、それに割り当てられたフィールド電極53a、53bとが、向かい合っている。これらのフィールド電極53a、53bは、階段状に形成されているが、同様に、例えば斜めに配置されていてもよい。
【0073】
一般的に、SOI半導体素子の各フィールド電極53a、53bは、異なるように形成されていてもよい。特に、該フィールド電極53a、53bの形態は、幅、傾き、形状、材料に関して異なっていてもよい。フィールド電極53a、53bは、フィールド領域13a、13bと同様に、紙面に対して垂直に長く延びた形状をしている。環状の構造が選択されてもよい。
【0074】
第2半導体域の領域(図示せず)は、図1の参照符号32が付された半導体域と同様に形成されていてもよい。ここで、図1のコンタクト部52に相当するコンタクト部は、選択的に第2半導体域にのみ電気的にコンタクトしていてもよいし、半導体基板にも電気的にコンタクトしていてもよい。半導体基板へのコンタクトは、第2半導体域の下の、半導体基板の周辺領域に配置されたpドープされた遮蔽域12の領域において行われていることが好ましい。
【0075】
フィールド電極53a、53bは、フィールド領域13a、13bと同様に、紙面に対して垂直に延びる長く延びた形状(図2aでは認識できない)をしている。各位置において、フィールド電極53a、53bには、それらの長手方向に互いに間隔をあけたタイプIの結合位置がある。これらの結合位置では、該フィールド電極53a、53bは、それらに割り当てられたフィールド領域13aおよび13bと容量結合されており、コンタクト領域34、35を介して第3半導体域30a、30b、30cに結合されている。
【0076】
各結合位置の領域では、第3半導体域30a、30b、30cにコンタクト領域34、35が備えられており、該コンタクト領域34、35は、該第3半導体域30a、30b、30cに対して相補的にドープされている。ここで、コンタクト領域34、35のそれぞれは、内部コンタクト領域34a、35aと、外部コンタクト領域34b、35bとから構成されている。内部コンタクト領域34a、35aには、フィールド電極53a、53bがコンタクトしており、第3半導体域30a、30b、30cにコンタクトしている外部コンタクト領域34b、35bよりも高くドープされている(この例ではp+ドープされている)。
【0077】
図2bは、図2aにおけるフィールド電極53a、53bの領域を示す平面図である。該フィールド電極53a、53bは、互いに平行に延びており、第2絶縁層40の上に配置されている。
【0078】
図2cは、図2aを、半導体層30の面A1‐A1´で切断した断面図である。この半導体層30には、内部コンタクト領域34a、35aと、外部コンタクト領域34b、35bとを備えた2つのコンタクト領域34、35が配置されている。内部コンタクト領域34a、35aのそれぞれは、外部コンタクト領域34b、35bによって取り囲まれている。
【0079】
図2aの遮蔽域11およびフィールド領域13a、13bのレベルの、面B1‐B1´で半導体基板10を切断した断面図が、図2dである。半導体基板10の中には、2つのフローティングとなっているフィールド領域13a、13bが配置されている。フィールド領域13a、13bを、任意のドーピング方法(例えば、熱拡散)によって形成できる。
【0080】
フィールド領域13a、13bとこれらにそれぞれ割り当てられたフィールド電極53a、53bとの結合に関する他の形態を、図3aに示す。ここでは、フィールド電極53a、53bは、タイプIIの結合位置において、一方では、該フィールド電極に割り当てられたフィールド領域13a、13bに接続されており、他方では、内部コンタクト領域34a、35aと外部コンタクト領域34b、35bとを介して第3半導体域30a,30b、30cに接続されている。これにより、各フィールド領域13a、13bの電位と、それらに割り当てられたフィールド電極53a、53bの電位とが揃う。
【0081】
図3bは、図2aと同様の、図3aの半導体素子を示す平面図である。
【0082】
図3cは、図3aにおけるタイプIIIの2つの結合位置の領域に位置する半導体層30を面A2‐A2´で切断した図である。この図から、フィールド電極53a、53bが結合位置において第3半導体域30a、30b、30cを貫いていることが分かる。ここでも、フィールド電極53a、53bは、内部コンタクト領域34a、35aと、外部コンタクト領域34b、35bとを介して、第3半導体域30a、30b、30cに接続されている。
【0083】
フィールド電極53a、53bと、それらに割り当てられたフィールド領域13a、13bとの結合に関する他の形態を、図4aに示す。図3aと同様に、ここでも、フィールド電極53a、53bは、結合位置において、該フィールド電極53a、53bに割り当てられたフィールド領域13a、13bに電気的に接続されている。しかし、図3aの半導体素子との違いは、フィールド電極53a、53bは、半導体層30において、絶縁部によって半導体層30から絶縁されている点にある。フィールド電極53a、53bと、それらに割り当てられたフィールド領域13a、13bとから形成された各対は、電気的に浮遊して配置されている。
【0084】
第2絶縁層40とその上に配置されたフィールド電極53a、53bとを備えた図4aの半導体素子の一部の平面図を、図4bに示す。
【0085】
図4cは、図4aの半導体層30の面A3‐A3´で切断した断面図を示している。この図から、図2および図3の素子との基本的な違いは明白である。この違いは、結合位置の形態に関するものであり、フィールド電極53a、53bが絶縁部25a、25bによって半導体層30から絶縁されているということにある。第1絶縁層20および第2絶縁層40は、絶縁部25a、25bの領域において互いにつながっており、半導体層30からフィールド電極53a、53bを絶縁している。これらの第1絶縁層20、第2絶縁層40、および、絶縁部25a、25bは、一体的に形成されていてもよい。
【0086】
図4dは、図4aの半導体基板10を面B3‐B3´で切断した図である。この図は、図2dおよび図3dと同じである。
【0087】
図2a、図3a、図4aに示した本発明のSOI半導体素子が導通状態にある場合、該半導体素子の半導体層30には(断面図2c、3c、および、4cを参照)、フィールド電極53a、53bおよびフィールド領域13a、13bを横切る主電流方向が生じる。
【0088】
図5aは図2cに相当するが、この図には、2つの結合位置が示されており、該2つの結合位置は、フィールド電極53a、53bの長手方向に互いに隣り合っている。主電流方向を、図示した矢印で示す。
【0089】
結合位置に設けられた第3半導体域30a、30b、30cの領域は、電流の流れに用いられないので、主電流方向に直交する、電流に用いられる第3半導体域30a、30b、30cの断面積が減少している。その結果、ドリフト領域の抵抗が高くなる。この不足を補うために、本発明の他の観点では、第3半導体域30a、30b、30cのそれぞれの、主電流方向を横切る方向に隣接する2つの結合位置間への不純物添加量を増やすことが有効である。そうすることにより、電流の流れに用いられる電荷の数が増える。特に好ましい一実施形態では、不純物の添加は、ドリフト領域内の第1半導体域31と第2半導体域32との間の自由電荷の数が主電流方向に直交するどの方向にも少なくともほぼ一定であるように、選択される。該結合位置に起因して不足している電荷は、不純物添加量を増やすことにより補われる。これらの、不純物添加量が増えた該第3半導体域の領域は、それに相応して補償域60a、60bとも呼ばれる。
【0090】
図5aと同様に、図5bは図3cに相当し、図5cは図4cに相当する。これらの図では同様に、フィールド電極53a、53bの長手方向に互いに間隔をあけた2つの結合位置を示している。ここでも、主電流方向を図示した矢印で示している。
【0091】
さらにここでも、結合位置53a/34a/34b、53b/35a/35b、および、53a/25a、53b、25bを考慮して、主電流方向の電流に用いられる、第3半導体域30a、30b、30cの断面積は減少する。こうして増加した抵抗の大きさを補償するために、ここでは、図5aに示したSOI半導体素子の場合と同様に、図5bおよび図5cのSOI半導体素子において、結合位置53a/34a/34b、53b/35a/35b、および、53a/25aと53b、25bのそれぞれについて、主電流方向を横切って互いに間隔をあけて設けられているものどうしの間の第3半導体域30a、30b、30cに、補償域60a、60bを配置する。該補償域60a、60bは同じ導電型を有しているが、該第3半導体域30a、30b、30cよりも不純物を多く含んでいる。こうすることにより、導通電流に用いられる、補償域60a、60bの電荷の数が増える。図5aおよび図5cのSOI半導体素子中の補償域60a、60bの幅は、主電流方向における結合位置34a/34b、35a/35b、53a/34a/34b、53b/35a/35b、および、53a/25a、53b、25bの寸法に整合されている。
【0092】
図6aは、図5aおよび図5bのSOI半導体素子の補償域60a、60bの領域の面C1‐C1´およびC2‐C2´で縦に切断した断面図である。同様に、図6bは、図5cのSOI半導体素子の補償域60a、60bの領域を面C3‐C3´で切断した断面図を示している。
【0093】
これらの図6aに示した素子と図6bに示した素子とを比べると、補償域60a、60bの幅が異なっていることが分かる。該補償域60a、60bは、それらの不純物濃度、第2絶縁層40および半導体層30の層厚、および、フィールド領域13a、13bと、フィールド電極53a、53bと、結合位置60a、60bとの幅(つまり、第1コンタクト領域34a、34bおよび絶縁部25a、25bの幅)に依存している。
【0094】
本発明のSOI半導体素子を部分的に展開した斜視図を、図7に示す。この図は、図2および図3と同じである。分かりやすくするために、第2絶縁層40および第4半導体域10aを図示していない。
【0095】
遮断時耐電圧強度を上げるための本発明の他の観点は、寄生MOSトランジスタに生じる望ましくない電流を除去することを目的としている。このような寄生MOSトランジスタは、図8に示すように、pドープされたフィールド領域13a、13bと、それらの間に位置する、寄生MOSトランジスタのチャネル領域として作用するn−ドープされた、第4半導体域10aの領域とから構成されている。この領域と向かい合う、半導体層30に配置された第3半導体域30a、30b、30cの部分30bは、寄生pMOSトランジスタのゲートを構成している。半導体層30の電流が増すと、所定の電流の強さを超えた場合に寄生pMOSトランジスタにバイアスがかかって導通する。寄生pMOSトランジスタの回路図を、図8に概略的に示す。
【0096】
寄生MOSトランジスタを介して流れる電流を回避するために、隣接しあうフィールド領域13aと13bとの間に位置する第4半導体域10aへの不純物添加量を増やす。この領域を、チャネルストッパ領域10bとも呼ぶ。図示した本実施形態では、チャネルストッパ領域10bは、フィールド領域13aからフィールド領域13bまでの半導体基板10と第1絶縁層20との境界面に沿って延びている。チャネルストッパ領域10bによって、寄生MOSトランジスタのターンオン電圧が上昇する。
【0097】
フィールド電極53a、53bおよびフィールド領域13a、13bでは、特にSOI半導体素子が遮断状態にある場合、フィールド電極53a、53bまたはフィールド領域13a、13bと、第3半導体域30a、30b、30cとの間に大きな電位差が生じる。このように大きな電位差を回避するために、本発明の他の観点では、フィールド電極53a、53bおよび/またはフィールド領域13a、13bと、第3半導体域30a、30b、30cとの間に、定電圧ダイオード構造を備える。定電圧ダイオード構造は、単一の定電圧ダイオードであってもよいし、直列接続された複数の定電圧ダイオードであってもよい。
【0098】
技術的には、高ドープされたpn接合(つまり、p+領域からn+領域への遷移)によって、定電圧ダイオードを実現する。このような定電圧ダイオード構造は、所定の閾値電圧を有している。外から定電圧ダイオード構造へと逆方向に印加された電圧がこの閾値電圧を上回っている場合、定電圧ダイオード構造は導通し、これにより、外部から印加された電圧が、閾値電圧の値に制限される。
【0099】
したがって、適切に設計され、相互接続された定電圧ダイオード構造によって、フィールド電極53a、53bまたはフィールド領域13a、13bと、第3半導体域30a、30b、30cとの間に印加された電圧を、許容値に制限することができる。
【0100】
基本的に、フィールド電極53a、53bまたはフィールド領域13a、13bと、第3半導体域30a、30b、30cとの間の定電圧ダイオード構造を、SOI半導体素子の任意の位置(例えば、第2絶縁層40または第1半導体層2内)に配置することができる。好ましい一実施形態では、このような定電圧ダイオード構造が、半導体層30内のフィールド電極53a、53bまたはフィールド領域13a、13bの、1つまたは複数の結合位置(必ずしも全ての結合位置でなくてもよい)に、配置されている。
【0101】
このような構造の一例を図9aに示す。ここに示した半導体面30の断面図は、図5bに相当する。しかし図5bとの相異点は、結合位置のうちの2つが、定電圧ダイオードを集積するように変更された点にある。上記の2つの結合位置では、p+ドープされた内部コンタクト領域34a、35aに、同様にp+ドープされたそれぞれ1つの定電圧ダイオード部分領域70a、80aが接続されており、続いて、n−ドープされた定電圧ダイオード部分領域70b、80bに接続されている。これらの定電圧ダイオード部分領域70aおよび70bは定電圧ダイオード70を構成し、80aおよび80bは定電圧ダイオード80を構成している。
【0102】
一方では、n+ドープされた定電圧ダイオード部分領域70bおよび80bが、補償域60aおよび60bにおいて、第3半導体域30a、30b、30cにコンタクトしている。他方では、定電圧ダイオード部分領域70a、80aが、内部コンタクト領域34a、35aを介して、フィールド電極53a、53bに接続されている。このような構造が図9bから読み取れる。この図は、同じ2つのフィールド電極53aによって割り当てられた結合位置を垂直に切断した断面図を示している。この実施形態では、フィールド電極53aは、定電圧ダイオード70が備えられている結合位置において、フィールド領域13aに導電的に接続されていない。定電圧ダイオード70、80は、もっぱら、半導体域30の中に配置されている。
【0103】
結合位置に配置された定電圧ダイオード構造70、80を備えた他の例を、図10aに示す。図示したSOI半導体素子は、同様に、図5bのSOI半導体素子に相当する。ここでも、1つのフィールド電極53aに割り当てられた結合位置のうちの1つに、定電圧ダイオード構造70が備えられている。定電圧ダイオード70は、重なり合う4つの定電圧ダイオード部分領域70a〜70dからなる。ここで、直接連なっている定電圧ダイオード部分領域は、互いに相補的な導電型を有している。
【0104】
4つの定電圧ダイオード部分領域70a〜70dの間には、高ドープされた、互いに相補的な隣り合う定電圧ダイオード部分領域間の、3つの半導体接合部が位置している。これら3つの接合部のそれぞれは、カスケード接続された3つの定電圧ダイオードの一つを示している。ここで、中間の定電圧ダイオード70b/70cおよび80b/80cは、外側の定電圧ダイオード70a/70b、70c/70d、80a/80b、80c/80dとは反対の極性を有している。
【0105】
これら2つの同様に形成された定電圧ダイオード構造70、80は、半導体面30にのみ配置されており、絶縁部90a、90bによって半導体層30から部分的に絶縁されている。第3半導体域30a、30b、30cには、定電圧ダイオード構造70、80の一端部に割り当てられた定電圧ダイオード部分領域70dおよび80dのみがコンタクトしている。他の端部に位置する定電圧ダイオード部分領域70a、80aは、内部コンタクト領域34a、35aと同様に、p+ドープされており、該内部コンタクト領域34a、35aと一体的に形成されている。これにより、定電圧ダイオード構造70、80は、フィールド電極53a、53bにコンタクトしている。
【0106】
図10aの定電圧ダイオード構造70、80の領域における面E2‐E2´での切断面を図10bに示す。図10aと組み合わせると、ここでは、フィールド電極53aおよび53bと、定電圧ダイオード構造70および80を備えた結合位置とが定電圧ダイオード構造70および80を介してのみ半導体層にコンタクトしていることがよく分かる。内部コンタクト領域34aおよび35aを介したフィールド電極53aのコンタクト、および、外部コンタクト領域34bおよび35bを介したフィールド電極53bのコンタクトを、本実施形態では行わない。
【0107】
本発明の全てのSOI半導体素子では、チャネルストッパ領域10bが存在している場合には、このチャネルストッパ領域10bは半導体基板10と同じ導電型をしているのに対して、遮蔽域11、12が存在している場合には、この遮蔽域11、12およびフィールド領域13a、13bは、上記の導電型とは異なる相補的な導電型を有している。ここで、一方の導電型がn型であり、他方がp型であり、あるいはその逆であるかどうかは重要ではない。その他の点では、SOI半導体素子の構造に変更点はない。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】従来技術に関するSOI半導体素子の細部を示す断面図である。
【図2A】フィールド電極を備えた本発明のSOI半導体素子の細部を示す断面図である。
【図2B】図2aに関する本発明のSOI半導体素子を示す平面図である。
【図2C】図2aに関するSOI半導体素子の半導体層を切断した断面図である。
【図2D】図2aの遮蔽域またはフィールド領域において半導体基板を切断した断面図を示している。
【図3A】図2aと類似した、フィールド電極を備えた本発明のSOI半導体素子の細部を示す断面図である。該フィールド電極は、半導体層だけではなく、半導体基板にも接触されている。
【図3B】図3aに関する本発明のSOI半導体素子を示す平面図である。
【図3C】図3aに関するSOI半導体素子の半導体層を切断した断面図である。
【図3D】図3aの遮蔽域またはフィールド領域において半導体基板を切断した断面図を示している。
【図4A】図2aおよび図3aと類似した、本発明のSOI半導体素子の細部を示す断面図である。該フィールド電極は、半導体基板に導電的に接続されており、半導体層から絶縁されている。
【図4B】図4aに関する本発明のSOI半導体素子を示す平面図である。
【図4C】図4aに関するSOI半導体素子の半導体層を切断した断面図を示している。
【図4D】図4aの遮蔽域またはフィールド領域において半導体基板を切断した断面図を示している。
【図5A】隣接する2つの結合位置間に配置された補償域を備えた、図2cの半導体層を切断した断面図である。
【図5B】隣接する2つの結合位置間に配置された補償域を備えた、図3cの半導体層を切断した断面図である。
【図5C】隣接する2つの結合位置間に配置された補償域を備えた、図4cの半導体層を切断した断面図である。
【図6A】図2a、図3a、図5a、図5bの補償域における本発明のSOI半導体素子の一部を示す断面図である。
【図6B】図4aおよび図5cの補償域における本発明のSOI半導体素子の一部を示す断面図である。
【図7】図2a、図2c、図3a、図3c、図5a、図5bの補償域における本発明のSOI半導体素子の細部を展開した場合の斜視図である。
【図8】寄生MOSトランジスタとチャネルストッパ領域とを備えた本発明のSOI半導体素子の一部を示す図である。
【図9A】定電圧ダイオード構造を備えた図3a〜図3dのSOI半導体素子を切断した断面図である。
【図9B】図9aに関するSOI半導体素子を示す断面図である。
【図10A】直列接続された定電圧ダイオードからなる定電圧ダイオード構造を備えた図2a〜図2dのSOI半導体素子を示す図である。
【図10B】定電圧ダイオードの領域において図10aのSOI半導体素子を切断した断面図である。
【符号の説明】
【0109】
10 半導体基板
10a 第4半導体域
l0b チャネルストッパ領域
11、12 遮蔽域
13a、13b フィールド領域
15 金属層基板
20 第1絶縁層
25a、25b 絶縁部
30 半導体層
30a、30b、30c 第3半導体域
31 第1半導体域
32 第2半導体域
33 第5半導体域/チャネル領域
34a、34b 第1コンタクト領域
35a、35b 第2コンタクト領域
40 第2絶縁層
41 ゲート電極
51 第1半導体域のコンタクト部
52 第2半導体域のコンタクト部
53a、53b フィールド電極
60a、60b 補償域
70、80 定電圧ダイオード構造
70a、70c、80a、80c 第2導電型の定電圧ダイオード部分領域
70b、70d、80b、81d 第1導電型の定電圧ダイオード部分領域
90a、90b 定電圧ダイオード構造の絶縁部
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、SOI半導体素子に関するものである。
【0002】
SOI半導体素子(SOI=シリコンオンインシュレータ)は、ダイオード、トランジスタ、または、類似の半導体素子を構成可能な、絶縁層上に配置された半導体層を特徴としている。
【0003】
一般的に、SOI半導体素子では、できる限り高い遮断時耐電圧強度を得ることが重要である。
【0004】
本出願では、略語「SOI」を、半導体層、絶縁層、および、任意の材料からなる他の半導体層を備えた素子の同義語として用いる。SOIは専門用語として定着している。したがって、SOIは、シリコンからなる素子だけではなく、例えばゲルマニウムまたはヒ化ガリウムといった任意の半導体材料からなる素子であると解釈される。
【0005】
DE101 06 359 C1は、アノードコンタクト部とカソードコンタクト部とを備えた薄膜技術におけるラテラルSOI半導体素子を開示している。該アノードコンタクト部とカソードコンタクト部とは、それぞれ、基板の、分離した複数の遮蔽領域の上(つまり、基板の基本ドーピングに相補的にドープされた領域の上)に配置されている。さらに、アノードコンタクト部は、基板に電気的に接続されている。これにより、空間電荷域は、基板に向って移動し、基板の中へ移される。基板の中へ空間電荷域を移動させるための他の措置として、フローティングとなっている、つまり所定の電位が印加されないフィールド環状部が用いられる。このフィールド環状部は、遮蔽領域間に配置されている。
【0006】
図1は、従来技術の、MOSトランジスタとして形成されたSOI半導体素子の細部を示している。このSOI半導体素子は、ほぼ層状に形成されている。金属層15を備えた半導体基板10の上には、該金属層15とは逆側の面に、第1絶縁層20と、続いて半導体層30とが配置されている。絶縁層20は半導体層30の下に「埋設」されているので、この絶縁層20を、埋設された絶縁体とも呼ぶ。半導体層30の、第1絶縁層20とは逆側の面には、第2絶縁層40が配置されている。半導体層30の中には、ソース領域を構成している第1半導体域31と、該第1半導体域31から間隔をあけた、ドレイン領域を構成している第2半導体域32とが配置されている。該第1半導体域31にはコンタクト部51が電気的にコンタクトしており、該第2半導体域32にはコンタクト部52が電気的にコンタクトしている。
【0007】
半導体層30の第1半導体域31には、相補的にドープされたチャネル領域33が接続されている。このチャネル領域33と第2半導体域32との間には、ドリフト領域30aが構成されている。このドリフト領域30aは、第1半導体域31および第2半導体域32と同じ導電型だが、それらの半導体域よりも弱くドープされている。チャネル領域33において導電性のチャネルを制御するために、ゲート電極41が用いられる。該ゲート電極41は、半導体層30上の第2絶縁層40に埋設されている。ゲート電極41を外部に電気的にコンタクトさせるために必要な端子については、図示していない。
【0008】
第1絶縁層20と、第2絶縁層40と、それらの間に位置する半導体層30とからなるサンドイッチ状の構造は、半導体基板10の上に配置されている。この半導体基板10は、例えば、第1半導体域31および第2半導体域32、または、ドリフト領域30aと同じ導電型である。
【0009】
半導体基板10は、第1絶縁層20側に、半導体基板10に対して相補的にドープされた遮蔽域11、12、および、半導体基板10と同じ導電型のフィールド領域13a、13bを備えている。第1半導体域31のコンタクト端子51が、第1半導体域31に加えて、遮蔽域11にも導電接続されている。
【0010】
DE197 55 868 C1から、高電圧SOI薄膜トランジスタが知られている。該トランジスタは、ゲート電極とドレイン領域との間に配置されたフィールドプレートを備えている。このフィールドプレートは、半導体薄膜の中に配置された、この半導体薄膜に対して相補的にドープされた領域に接続されている。
【0011】
このようなSOI半導体素子の不都合な点は、遮断状態において、埋設された絶縁層の電圧ブレークダウンが生じてしまうことにより、絶縁層およびそれに伴うSOI半導体素子が破壊されてしまう点にある。
【0012】
したがって、本発明の目的は、遮断時耐電圧強度を改善した、電圧ブレークダウンからより保護された、SOI半導体素子を提示することである。
【0013】
この目的を、本発明にしたがって、請求項1のSOI半導体素子によって解決する。本発明の概念の形態および他の形態を、従属請求項に記載する。
【0014】
本発明のSOI半導体素子は、層状の構造を有しており、連続する半導体基板と第1絶縁層と半導体層とを含んでいる。この半導体層には、第1半導体域および第2半導体域が互いに間隔をあけてラテラル方向に配置されている。また、該半導体層は、第1半導体域と第2半導体域との間に、第3半導体域を備えている。半導体基板の中には、第1半導体域と第2半導体域との間のラテラル方向に、フィールド領域が配置されている。このフィールド領域は、同様に半導体基板の中に配置された第4半導体域に対して相補的にドープされている。さらに、半導体層の第1絶縁層側とは逆側上に、少なくとも1つのフィールド電極が、第1半導体域と第2半導体域との間に配置されている。
【0015】
該第1半導体域および第2半導体域は、通常、半導体層よりも高くドープされている。
【0016】
本発明のSOI半導体素子は、ダイオードまたは電界効果トランジスタとして形成されていることが好ましい。
【0017】
ダイオードの場合、第1半導体域は、p型にドープされたアノードを構成し、第2半導体域はn型にドープされたカソードを構成している。
【0018】
同様に、電界効果トランジスタの場合、第1半導体域はソース領域を構成し、第2半導体域はドレイン領域を構成している。これらの半導体域の導電型は同じである。さらに、第1半導体域と第3半導体域との間には、チャネル領域を構成しているもう1つの第5半導体域のチャネル領域が配置されている。
【0019】
さらに、空間電荷域が半導体基板に移される。このために、半導体層と半導体基板との間の接続が必要である。このような接続を実現するために、例えば金属や抵抗、ダイオード、トランジスタなどといった導体を用いてもよい。
【0020】
このような接続は、半導体基板とソース領域および/またはドレイン領域との間で実現されることが好ましい。好ましい一形態では、第1半導体域および/または第2半導体域は、半導体基板に接続されている。
【0021】
SOI半導体素子に生じる電界の均一性を、第1半導体域および第2半導体域と向かい合う、半導体基板の中に配置されて、該半導体基板に対して相補的にドープされた遮蔽域によって、達成することができる。半導体基板と第1半導体域および/または第2半導体域との上記接続が、これらの遮蔽域に沿って行われることが好ましい。
【0022】
第1絶縁層の下に位置する半導体基板の中には、ラテラル方向に、第1半導体域と第2半導体域との間に、半導体基板に対して相補的にドープされた少なくとも1つのフィールド領域が配置されている。このフィールド領域は、半導体基板と第1絶縁層との間の境界面から、半導体基板の内部領域に延びている。半導体基板が第1半導体域と第2半導体域とに割り当てられた遮蔽域を備えている場合、フィールド領域は、これら遮蔽域間に配置されている。
【0023】
フィールド領域は、半導体基板の上面または境界面に配置され、第4半導体域に対して相補的にドープされた領域である。該フィールド領域を、アロイ、拡散、イオン注入、エピタキシー成長、またはそのような知られている方法によって形成することができる。
【0024】
該フィールド領域は、フローティングとなるように配置されていることが好ましい。つまり、該フィールド領域の電位は、例えば外部端子によって予め与えられた電位である。フローティングとなっているフィールド領域では、これらの電位が、SOI半導体素子の電界分布のみに起因して生じる。
【0025】
さらに、第1半導体域と第2半導体域との間には、ラテラル方向に、半導体層の第1絶縁層側の面上に少なくとも1つのフィールド電極が配置されている。
【0026】
該少なくとも1つのフィールド電極は、例えばn+ドープされたポリシリコンといった導電性材料、または、例えばアルミニウムといった金属から形成されている。また、該フィールド電極の形状は任意であるが、ほぼ階段状に、あるいは、斜めに配置されたプレートとして形成されていることが好ましい。幅、傾き、半導体層との間隔も、様々であってよい。
【0027】
該少なくとも1つのフィールド電極は、半導体層から電気的に絶縁されていることが好ましい。好ましい一形態では、この絶縁は、半導体層とフィールド電極との間に配置された他の絶縁層を用いて行われる。
【0028】
フィールド電極との接続にフィールド領域を用いることにより、特にSOI半導体素子が遮断状態であるときに形成される電界が均一化される。このことは、絶縁耐力が上がることを意味している。なぜなら、電界は2点間の電位差の空間的な変化であるからである。SOI半導体素子では、特に、半導体層と半導体基板との間に配置された絶縁層は、電圧ブレークダウンによって危険な状態になっている。基本的には、絶縁層の厚さを厚くすることによって絶縁耐力を上げることができるが、そうすることにより、製造技術的な不都合が生じてしまう。フィールド電極およびフィールド領域が互いに対になって位置していることが好ましい。
【0029】
本発明の原理を、一般的に全てのSOI半導体素子に適用できる。
【0030】
SOI半導体素子における電界の均一性に関して上記構造をさらに改善するために、フィールド電極を半導体層および/またはフィールド領域と結合することができる。この結合を、結合位置を用いて実現することが好ましく、異なる3つのタイプによって違いがある。タイプIでは、該フィールド電極は、半導体層にのみ接続されており、タイプIIでは、それに加えて、フィールド領域に電気的に接続されている。これに対してタイプIIIでは、フィールド電極は、フィールド領域に接続されているが、半導体層には導電接続されていない。タイプIIIの場合、フィールド電極は、半導体層から電気的に絶縁されていることが好ましい。
【0031】
好ましい一形態では、タイプIまたはタイプIIの結合位置には、第3半導体域に対して相補的な第2導電型のコンタクト領域がある。これらのコンタクト領域は、第3半導体域をフィールド電極に接続している。特に、該コンタクト領域が、第1領域および第2領域を含んでいることが好ましい。ここで、第1領域は、第2領域よりも高くドープされており、第1領域はフィールド電極にコンタクトしており、第2領域は第3半導体域にコンタクトしている。
【0032】
本発明のSOI半導体素子が、ここでは、上記3タイプのうちのちょうど1つの結合位置を有していることが好ましい。しかし一般的に、タイプの異なる任意の数の結合位置を任意に組み合わせてもよい。
【0033】
特に第3半導体域が結合位置の領域においてコンタクト領域または絶縁部を備えているときに、これらの結合位置を用いることにより、SOI半導体素子によって電流の流れに用いられる第3半導体域の断面積が低減する。これにより、素子の抵抗が高くなる。
【0034】
この不都合な点を補うために、補償域を用いる。この補償域は、隣接する2つの結合位置間の第3半導体域への不純物添加量を増やすことによって、これらの領域の導電性が上がるということを特徴としている。2つの結合位置間の該補償域は、同じフィールド電極に配置されていることが好ましい。また、該補償域の幅は、該補償域のドーピング濃度、第2絶縁層と半導体層との層厚、および、フィールド領域とフィールド電極との幅に応じて決まる。パラメータを適切に選択することにより、阻止能力を保ったまま、ドリフト領域の抵抗を低くすることができる。
【0035】
フィールド領域および/または遮蔽域を用いることにより、寄生MOSトランジスタが形成される。この寄生MOSトランジスタは、このような、隣接する2つの領域間に、それらの領域間に位置する、該領域に対して相補的にドープされた、半導体基板の内部領域と関連して形成される。この寄生MOSトランジスタのゲートは、半導体層の中に配置されたドリフト領域によって構成されている。該寄生MOSトランジスタには、ドリフト領域において増加する電流の流れによってバイアスがかけられる。
【0036】
この効果を用いるために、半導体基板中のフィールド領域と他のフィールド領域との間、または、フィールド領域と遮蔽域との間に配置されたチャネルストッパ領域を用いる。このチャネルストッパ領域は、第4半導体域の導電型を有しているが、該第4半導体域よりも高くドープされている。これにより、寄生MOSトランジスタの閾値電圧が上がる。ここで、チャネルストッパ領域は、隣接する2つのフィールド領域間、または、フィールド領域と遮蔽域との間に連続的に形成されていることが好ましい。
【0037】
フィールド領域および/またはフィールド電極を備えたSOI半導体素子が遮断状態にある場合、これらのフィールド領域またはフィールド電極は帯電された状態になる。そして、印加された遮断電圧が遮断される、または、少なくとも著しく低減されると、フィールド領域またはフィールド電極の放電が比較的長い間続く。この放電時間の間、なおも充電されているフィールド領域またはフィールド電極は、素子のスイッチング速度を低減する間SOI半導体素子を遮断状態にするゲートのように機能する。
【0038】
したがって、本発明では、半導体層とフィールド領域またはフィールド電極との間の電圧、およびその電荷を制限する。
【0039】
このことは、半導体層とフィールド領域またはフィールド電極との間に配置された、直列接続された1つまたは複数の定電圧ダイオードからなる定電圧ダイオード構造によって行われることが好ましい。定電圧ダイオードは、互いに相補的な半導体域への不純物添加量が多いpn接合部からなる。半導体接合部の層厚と、不純物添加量の多さと、接合領域におけるドーパントの濃度勾配に応じて、定電圧ダイオードは、ブレークダウン電圧を有している。このブレークダウン電圧を超えると、導通状態に移行し、それによって、印加された電圧は低減され、ブレークダウン電圧に制限される。
【0040】
一般的に、定電圧ダイオード構造は、不純物添加量の多い少なくとも2つの連続した半導体域からなる。ここで、連続した2つの半導体域が、互いに相補的にドープされている。定電圧ダイオード構造が、第1半導体域および重なり合う全ての半導体域うちの初めの半導体域と最後の半導体域とからなる2つの端子領域を備えている。
【0041】
定電圧ダイオード構造は、SOI半導体素子において、1つの端子領域が第3半導体域とコンタクトして、もう1つの端子領域がフィールド電極またはフィールド領域とコンタクトしているように、相互接続されている。製造技術的な理由から、定電圧ダイオード構造は、半導体層の中に配置されることが好ましい。ここで、定電圧ダイオード構造に部分的に(特に半導体層に対する)絶縁部が備えられている必要がある。
【0042】
以下に、本発明の実施形態を、図面に基づいて詳述する。
【0043】
図1は、従来技術に関するSOI半導体素子の細部を示す断面図である。
【0044】
図2aは、フィールド電極を備えた本発明のSOI半導体素子の細部を示す断面図である。
【0045】
図2bは、図2aに関する本発明のSOI半導体素子を示す平面図である。
【0046】
図2cは、図2aに関するSOI半導体素子の半導体層を切断した断面図である。
【0047】
図2dは、図2aの遮蔽域またはフィールド領域において半導体基板を切断した断面図を示している。
【0048】
図3aは、図2aと類似した、フィールド電極を備えた本発明のSOI半導体素子の細部を示す断面図である。該フィールド電極は、半導体層だけではなく、半導体基板にもコンタクトしている。
【0049】
図3bは、図3aに関する本発明のSOI半導体素子を示す平面図である。
【0050】
図3cは、図3aに関するSOI半導体素子の半導体層を切断した断面図である。
【0051】
図3dは、図3aの遮蔽域またはフィールド領域において半導体基板を切断した断面図を示している。
【0052】
図4aは、図2aおよび図3aと類似した、本発明のSOI半導体素子の細部を示す断面図である。該フィールド電極は、半導体基板に導電的に接続されており、半導体層から絶縁されている。
【0053】
図4bは、図4aに関する本発明のSOI半導体素子を示す平面図である。
【0054】
図4cは、図4aに関するSOI半導体素子の半導体層を切断した断面図を示している。
【0055】
図4dは、図4aの遮蔽域またはフィールド領域において半導体基板を切断した断面図を示している。
【0056】
図5aは、隣接する2つの結合位置間に配置された補償域を備えた、図2cの半導体層を切断した断面図である。
【0057】
図5bは、隣接する2つの結合位置間に配置された補償域を備えた、図3cの半導体層を切断した断面図である。
【0058】
図5cは、隣接する2つの結合位置間に配置された補償域を備えた、図4cの半導体層を切断した断面図である。
【0059】
図6aは、図2a、図3a、図5a、図5bの補償域における本発明のSOI半導体素子の一部を示す断面図である。
【0060】
図6bは、図4aおよび図5cの補償域における本発明のSOI半導体素子の一部を示す断面図である。
【0061】
図7は、図2a、図2c、図3a、図3c、図5a、図5bの補償域における本発明のSOI半導体素子の細部を展開した場合の斜視図である。
【0062】
図8は、寄生MOSトランジスタとチャネルストッパ領域とを備えた本発明のSOI半導体素子の一部を示す図である。
【0063】
図9aは、定電圧ダイオード構造を備えた図3a〜図3dのSOI半導体素子を切断した断面図である。
【0064】
図9bは、図9aに関するSOI半導体素子を示す断面図である。
【0065】
図10aは、直列接続された定電圧ダイオードからなる定電圧ダイオード構造を備えた図2a〜図2dのSOI半導体素子を示す図である。
【0066】
図10bは、定電圧ダイオードの領域において図10aのSOI半導体素子を切断した断面図である。
【0067】
これらの図では、同じ意味の同じ部材には、同じ参照符号を付している。
【0068】
図2aは、MOSFETとして形成された本発明のラテラルSOI半導体素子の細部を示す断面図である。
【0069】
この素子の構造は、層状になっており、任意の金属層15を備えた半導体基板10からなる。この半導体基板の上には、第1絶縁層20が、続いて半導体層30および第2絶縁層40が配置されている。
【0070】
半導体層30は、コンタクト部51に接続されたn+ドープされた第1半導体域31を備えている。この第1半導体域31は、ソース領域を構成している。該第1半導体域には、同様に半導体層30に配置された、p−ドープされた第5半導体域33が接続され、チャネル領域として形成されている。該第1半導体域には、さらに、n−ドープされた第3半導体域が接続されている。この第3半導体域は、この断面図では認識できないが、つながった領域として形成されており、複数の部分領域(例えば、部分領域30a、30b、30c)からなる。
【0071】
該第3半導体域に続く、n+ドープされたドレイン領域として形成された、第2半導体域、および、該第2半導体域に接続されたコンタクト部については、図示していない。
【0072】
半導体基板10は、それと第1絶縁層20との界面領域に、pドープされた、遮蔽域11と、2つのフローティングとなっているフィールド領域13a、13bとを備えている。半導体層30に対して、各フィールド領域13a、13bと、それに割り当てられたフィールド電極53a、53bとが、向かい合っている。これらのフィールド電極53a、53bは、階段状に形成されているが、同様に、例えば斜めに配置されていてもよい。
【0073】
一般的に、SOI半導体素子の各フィールド電極53a、53bは、異なるように形成されていてもよい。特に、該フィールド電極53a、53bの形態は、幅、傾き、形状、材料に関して異なっていてもよい。フィールド電極53a、53bは、フィールド領域13a、13bと同様に、紙面に対して垂直に長く延びた形状をしている。環状の構造が選択されてもよい。
【0074】
第2半導体域の領域(図示せず)は、図1の参照符号32が付された半導体域と同様に形成されていてもよい。ここで、図1のコンタクト部52に相当するコンタクト部は、選択的に第2半導体域にのみ電気的にコンタクトしていてもよいし、半導体基板にも電気的にコンタクトしていてもよい。半導体基板へのコンタクトは、第2半導体域の下の、半導体基板の周辺領域に配置されたpドープされた遮蔽域12の領域において行われていることが好ましい。
【0075】
フィールド電極53a、53bは、フィールド領域13a、13bと同様に、紙面に対して垂直に延びる長く延びた形状(図2aでは認識できない)をしている。各位置において、フィールド電極53a、53bには、それらの長手方向に互いに間隔をあけたタイプIの結合位置がある。これらの結合位置では、該フィールド電極53a、53bは、それらに割り当てられたフィールド領域13aおよび13bと容量結合されており、コンタクト領域34、35を介して第3半導体域30a、30b、30cに結合されている。
【0076】
各結合位置の領域では、第3半導体域30a、30b、30cにコンタクト領域34、35が備えられており、該コンタクト領域34、35は、該第3半導体域30a、30b、30cに対して相補的にドープされている。ここで、コンタクト領域34、35のそれぞれは、内部コンタクト領域34a、35aと、外部コンタクト領域34b、35bとから構成されている。内部コンタクト領域34a、35aには、フィールド電極53a、53bがコンタクトしており、第3半導体域30a、30b、30cにコンタクトしている外部コンタクト領域34b、35bよりも高くドープされている(この例ではp+ドープされている)。
【0077】
図2bは、図2aにおけるフィールド電極53a、53bの領域を示す平面図である。該フィールド電極53a、53bは、互いに平行に延びており、第2絶縁層40の上に配置されている。
【0078】
図2cは、図2aを、半導体層30の面A1‐A1´で切断した断面図である。この半導体層30には、内部コンタクト領域34a、35aと、外部コンタクト領域34b、35bとを備えた2つのコンタクト領域34、35が配置されている。内部コンタクト領域34a、35aのそれぞれは、外部コンタクト領域34b、35bによって取り囲まれている。
【0079】
図2aの遮蔽域11およびフィールド領域13a、13bのレベルの、面B1‐B1´で半導体基板10を切断した断面図が、図2dである。半導体基板10の中には、2つのフローティングとなっているフィールド領域13a、13bが配置されている。フィールド領域13a、13bを、任意のドーピング方法(例えば、熱拡散)によって形成できる。
【0080】
フィールド領域13a、13bとこれらにそれぞれ割り当てられたフィールド電極53a、53bとの結合に関する他の形態を、図3aに示す。ここでは、フィールド電極53a、53bは、タイプIIの結合位置において、一方では、該フィールド電極に割り当てられたフィールド領域13a、13bに接続されており、他方では、内部コンタクト領域34a、35aと外部コンタクト領域34b、35bとを介して第3半導体域30a,30b、30cに接続されている。これにより、各フィールド領域13a、13bの電位と、それらに割り当てられたフィールド電極53a、53bの電位とが揃う。
【0081】
図3bは、図2aと同様の、図3aの半導体素子を示す平面図である。
【0082】
図3cは、図3aにおけるタイプIIIの2つの結合位置の領域に位置する半導体層30を面A2‐A2´で切断した図である。この図から、フィールド電極53a、53bが結合位置において第3半導体域30a、30b、30cを貫いていることが分かる。ここでも、フィールド電極53a、53bは、内部コンタクト領域34a、35aと、外部コンタクト領域34b、35bとを介して、第3半導体域30a、30b、30cに接続されている。
【0083】
フィールド電極53a、53bと、それらに割り当てられたフィールド領域13a、13bとの結合に関する他の形態を、図4aに示す。図3aと同様に、ここでも、フィールド電極53a、53bは、結合位置において、該フィールド電極53a、53bに割り当てられたフィールド領域13a、13bに電気的に接続されている。しかし、図3aの半導体素子との違いは、フィールド電極53a、53bは、半導体層30において、絶縁部によって半導体層30から絶縁されている点にある。フィールド電極53a、53bと、それらに割り当てられたフィールド領域13a、13bとから形成された各対は、電気的に浮遊して配置されている。
【0084】
第2絶縁層40とその上に配置されたフィールド電極53a、53bとを備えた図4aの半導体素子の一部の平面図を、図4bに示す。
【0085】
図4cは、図4aの半導体層30の面A3‐A3´で切断した断面図を示している。この図から、図2および図3の素子との基本的な違いは明白である。この違いは、結合位置の形態に関するものであり、フィールド電極53a、53bが絶縁部25a、25bによって半導体層30から絶縁されているということにある。第1絶縁層20および第2絶縁層40は、絶縁部25a、25bの領域において互いにつながっており、半導体層30からフィールド電極53a、53bを絶縁している。これらの第1絶縁層20、第2絶縁層40、および、絶縁部25a、25bは、一体的に形成されていてもよい。
【0086】
図4dは、図4aの半導体基板10を面B3‐B3´で切断した図である。この図は、図2dおよび図3dと同じである。
【0087】
図2a、図3a、図4aに示した本発明のSOI半導体素子が導通状態にある場合、該半導体素子の半導体層30には(断面図2c、3c、および、4cを参照)、フィールド電極53a、53bおよびフィールド領域13a、13bを横切る主電流方向が生じる。
【0088】
図5aは図2cに相当するが、この図には、2つの結合位置が示されており、該2つの結合位置は、フィールド電極53a、53bの長手方向に互いに隣り合っている。主電流方向を、図示した矢印で示す。
【0089】
結合位置に設けられた第3半導体域30a、30b、30cの領域は、電流の流れに用いられないので、主電流方向に直交する、電流に用いられる第3半導体域30a、30b、30cの断面積が減少している。その結果、ドリフト領域の抵抗が高くなる。この不足を補うために、本発明の他の観点では、第3半導体域30a、30b、30cのそれぞれの、主電流方向を横切る方向に隣接する2つの結合位置間への不純物添加量を増やすことが有効である。そうすることにより、電流の流れに用いられる電荷の数が増える。特に好ましい一実施形態では、不純物の添加は、ドリフト領域内の第1半導体域31と第2半導体域32との間の自由電荷の数が主電流方向に直交するどの方向にも少なくともほぼ一定であるように、選択される。該結合位置に起因して不足している電荷は、不純物添加量を増やすことにより補われる。これらの、不純物添加量が増えた該第3半導体域の領域は、それに相応して補償域60a、60bとも呼ばれる。
【0090】
図5aと同様に、図5bは図3cに相当し、図5cは図4cに相当する。これらの図では同様に、フィールド電極53a、53bの長手方向に互いに間隔をあけた2つの結合位置を示している。ここでも、主電流方向を図示した矢印で示している。
【0091】
さらにここでも、結合位置53a/34a/34b、53b/35a/35b、および、53a/25a、53b、25bを考慮して、主電流方向の電流に用いられる、第3半導体域30a、30b、30cの断面積は減少する。こうして増加した抵抗の大きさを補償するために、ここでは、図5aに示したSOI半導体素子の場合と同様に、図5bおよび図5cのSOI半導体素子において、結合位置53a/34a/34b、53b/35a/35b、および、53a/25aと53b、25bのそれぞれについて、主電流方向を横切って互いに間隔をあけて設けられているものどうしの間の第3半導体域30a、30b、30cに、補償域60a、60bを配置する。該補償域60a、60bは同じ導電型を有しているが、該第3半導体域30a、30b、30cよりも不純物を多く含んでいる。こうすることにより、導通電流に用いられる、補償域60a、60bの電荷の数が増える。図5aおよび図5cのSOI半導体素子中の補償域60a、60bの幅は、主電流方向における結合位置34a/34b、35a/35b、53a/34a/34b、53b/35a/35b、および、53a/25a、53b、25bの寸法に整合されている。
【0092】
図6aは、図5aおよび図5bのSOI半導体素子の補償域60a、60bの領域の面C1‐C1´およびC2‐C2´で縦に切断した断面図である。同様に、図6bは、図5cのSOI半導体素子の補償域60a、60bの領域を面C3‐C3´で切断した断面図を示している。
【0093】
これらの図6aに示した素子と図6bに示した素子とを比べると、補償域60a、60bの幅が異なっていることが分かる。該補償域60a、60bは、それらの不純物濃度、第2絶縁層40および半導体層30の層厚、および、フィールド領域13a、13bと、フィールド電極53a、53bと、結合位置60a、60bとの幅(つまり、第1コンタクト領域34a、34bおよび絶縁部25a、25bの幅)に依存している。
【0094】
本発明のSOI半導体素子を部分的に展開した斜視図を、図7に示す。この図は、図2および図3と同じである。分かりやすくするために、第2絶縁層40および第4半導体域10aを図示していない。
【0095】
遮断時耐電圧強度を上げるための本発明の他の観点は、寄生MOSトランジスタに生じる望ましくない電流を除去することを目的としている。このような寄生MOSトランジスタは、図8に示すように、pドープされたフィールド領域13a、13bと、それらの間に位置する、寄生MOSトランジスタのチャネル領域として作用するn−ドープされた、第4半導体域10aの領域とから構成されている。この領域と向かい合う、半導体層30に配置された第3半導体域30a、30b、30cの部分30bは、寄生pMOSトランジスタのゲートを構成している。半導体層30の電流が増すと、所定の電流の強さを超えた場合に寄生pMOSトランジスタにバイアスがかかって導通する。寄生pMOSトランジスタの回路図を、図8に概略的に示す。
【0096】
寄生MOSトランジスタを介して流れる電流を回避するために、隣接しあうフィールド領域13aと13bとの間に位置する第4半導体域10aへの不純物添加量を増やす。この領域を、チャネルストッパ領域10bとも呼ぶ。図示した本実施形態では、チャネルストッパ領域10bは、フィールド領域13aからフィールド領域13bまでの半導体基板10と第1絶縁層20との境界面に沿って延びている。チャネルストッパ領域10bによって、寄生MOSトランジスタのターンオン電圧が上昇する。
【0097】
フィールド電極53a、53bおよびフィールド領域13a、13bでは、特にSOI半導体素子が遮断状態にある場合、フィールド電極53a、53bまたはフィールド領域13a、13bと、第3半導体域30a、30b、30cとの間に大きな電位差が生じる。このように大きな電位差を回避するために、本発明の他の観点では、フィールド電極53a、53bおよび/またはフィールド領域13a、13bと、第3半導体域30a、30b、30cとの間に、定電圧ダイオード構造を備える。定電圧ダイオード構造は、単一の定電圧ダイオードであってもよいし、直列接続された複数の定電圧ダイオードであってもよい。
【0098】
技術的には、高ドープされたpn接合(つまり、p+領域からn+領域への遷移)によって、定電圧ダイオードを実現する。このような定電圧ダイオード構造は、所定の閾値電圧を有している。外から定電圧ダイオード構造へと逆方向に印加された電圧がこの閾値電圧を上回っている場合、定電圧ダイオード構造は導通し、これにより、外部から印加された電圧が、閾値電圧の値に制限される。
【0099】
したがって、適切に設計され、相互接続された定電圧ダイオード構造によって、フィールド電極53a、53bまたはフィールド領域13a、13bと、第3半導体域30a、30b、30cとの間に印加された電圧を、許容値に制限することができる。
【0100】
基本的に、フィールド電極53a、53bまたはフィールド領域13a、13bと、第3半導体域30a、30b、30cとの間の定電圧ダイオード構造を、SOI半導体素子の任意の位置(例えば、第2絶縁層40または第1半導体層2内)に配置することができる。好ましい一実施形態では、このような定電圧ダイオード構造が、半導体層30内のフィールド電極53a、53bまたはフィールド領域13a、13bの、1つまたは複数の結合位置(必ずしも全ての結合位置でなくてもよい)に、配置されている。
【0101】
このような構造の一例を図9aに示す。ここに示した半導体面30の断面図は、図5bに相当する。しかし図5bとの相異点は、結合位置のうちの2つが、定電圧ダイオードを集積するように変更された点にある。上記の2つの結合位置では、p+ドープされた内部コンタクト領域34a、35aに、同様にp+ドープされたそれぞれ1つの定電圧ダイオード部分領域70a、80aが接続されており、続いて、n−ドープされた定電圧ダイオード部分領域70b、80bに接続されている。これらの定電圧ダイオード部分領域70aおよび70bは定電圧ダイオード70を構成し、80aおよび80bは定電圧ダイオード80を構成している。
【0102】
一方では、n+ドープされた定電圧ダイオード部分領域70bおよび80bが、補償域60aおよび60bにおいて、第3半導体域30a、30b、30cにコンタクトしている。他方では、定電圧ダイオード部分領域70a、80aが、内部コンタクト領域34a、35aを介して、フィールド電極53a、53bに接続されている。このような構造が図9bから読み取れる。この図は、同じ2つのフィールド電極53aによって割り当てられた結合位置を垂直に切断した断面図を示している。この実施形態では、フィールド電極53aは、定電圧ダイオード70が備えられている結合位置において、フィールド領域13aに導電的に接続されていない。定電圧ダイオード70、80は、もっぱら、半導体域30の中に配置されている。
【0103】
結合位置に配置された定電圧ダイオード構造70、80を備えた他の例を、図10aに示す。図示したSOI半導体素子は、同様に、図5bのSOI半導体素子に相当する。ここでも、1つのフィールド電極53aに割り当てられた結合位置のうちの1つに、定電圧ダイオード構造70が備えられている。定電圧ダイオード70は、重なり合う4つの定電圧ダイオード部分領域70a〜70dからなる。ここで、直接連なっている定電圧ダイオード部分領域は、互いに相補的な導電型を有している。
【0104】
4つの定電圧ダイオード部分領域70a〜70dの間には、高ドープされた、互いに相補的な隣り合う定電圧ダイオード部分領域間の、3つの半導体接合部が位置している。これら3つの接合部のそれぞれは、カスケード接続された3つの定電圧ダイオードの一つを示している。ここで、中間の定電圧ダイオード70b/70cおよび80b/80cは、外側の定電圧ダイオード70a/70b、70c/70d、80a/80b、80c/80dとは反対の極性を有している。
【0105】
これら2つの同様に形成された定電圧ダイオード構造70、80は、半導体面30にのみ配置されており、絶縁部90a、90bによって半導体層30から部分的に絶縁されている。第3半導体域30a、30b、30cには、定電圧ダイオード構造70、80の一端部に割り当てられた定電圧ダイオード部分領域70dおよび80dのみがコンタクトしている。他の端部に位置する定電圧ダイオード部分領域70a、80aは、内部コンタクト領域34a、35aと同様に、p+ドープされており、該内部コンタクト領域34a、35aと一体的に形成されている。これにより、定電圧ダイオード構造70、80は、フィールド電極53a、53bにコンタクトしている。
【0106】
図10aの定電圧ダイオード構造70、80の領域における面E2‐E2´での切断面を図10bに示す。図10aと組み合わせると、ここでは、フィールド電極53aおよび53bと、定電圧ダイオード構造70および80を備えた結合位置とが定電圧ダイオード構造70および80を介してのみ半導体層にコンタクトしていることがよく分かる。内部コンタクト領域34aおよび35aを介したフィールド電極53aのコンタクト、および、外部コンタクト領域34bおよび35bを介したフィールド電極53bのコンタクトを、本実施形態では行わない。
【0107】
本発明の全てのSOI半導体素子では、チャネルストッパ領域10bが存在している場合には、このチャネルストッパ領域10bは半導体基板10と同じ導電型をしているのに対して、遮蔽域11、12が存在している場合には、この遮蔽域11、12およびフィールド領域13a、13bは、上記の導電型とは異なる相補的な導電型を有している。ここで、一方の導電型がn型であり、他方がp型であり、あるいはその逆であるかどうかは重要ではない。その他の点では、SOI半導体素子の構造に変更点はない。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】従来技術に関するSOI半導体素子の細部を示す断面図である。
【図2A】フィールド電極を備えた本発明のSOI半導体素子の細部を示す断面図である。
【図2B】図2aに関する本発明のSOI半導体素子を示す平面図である。
【図2C】図2aに関するSOI半導体素子の半導体層を切断した断面図である。
【図2D】図2aの遮蔽域またはフィールド領域において半導体基板を切断した断面図を示している。
【図3A】図2aと類似した、フィールド電極を備えた本発明のSOI半導体素子の細部を示す断面図である。該フィールド電極は、半導体層だけではなく、半導体基板にも接触されている。
【図3B】図3aに関する本発明のSOI半導体素子を示す平面図である。
【図3C】図3aに関するSOI半導体素子の半導体層を切断した断面図である。
【図3D】図3aの遮蔽域またはフィールド領域において半導体基板を切断した断面図を示している。
【図4A】図2aおよび図3aと類似した、本発明のSOI半導体素子の細部を示す断面図である。該フィールド電極は、半導体基板に導電的に接続されており、半導体層から絶縁されている。
【図4B】図4aに関する本発明のSOI半導体素子を示す平面図である。
【図4C】図4aに関するSOI半導体素子の半導体層を切断した断面図を示している。
【図4D】図4aの遮蔽域またはフィールド領域において半導体基板を切断した断面図を示している。
【図5A】隣接する2つの結合位置間に配置された補償域を備えた、図2cの半導体層を切断した断面図である。
【図5B】隣接する2つの結合位置間に配置された補償域を備えた、図3cの半導体層を切断した断面図である。
【図5C】隣接する2つの結合位置間に配置された補償域を備えた、図4cの半導体層を切断した断面図である。
【図6A】図2a、図3a、図5a、図5bの補償域における本発明のSOI半導体素子の一部を示す断面図である。
【図6B】図4aおよび図5cの補償域における本発明のSOI半導体素子の一部を示す断面図である。
【図7】図2a、図2c、図3a、図3c、図5a、図5bの補償域における本発明のSOI半導体素子の細部を展開した場合の斜視図である。
【図8】寄生MOSトランジスタとチャネルストッパ領域とを備えた本発明のSOI半導体素子の一部を示す図である。
【図9A】定電圧ダイオード構造を備えた図3a〜図3dのSOI半導体素子を切断した断面図である。
【図9B】図9aに関するSOI半導体素子を示す断面図である。
【図10A】直列接続された定電圧ダイオードからなる定電圧ダイオード構造を備えた図2a〜図2dのSOI半導体素子を示す図である。
【図10B】定電圧ダイオードの領域において図10aのSOI半導体素子を切断した断面図である。
【符号の説明】
【0109】
10 半導体基板
10a 第4半導体域
l0b チャネルストッパ領域
11、12 遮蔽域
13a、13b フィールド領域
15 金属層基板
20 第1絶縁層
25a、25b 絶縁部
30 半導体層
30a、30b、30c 第3半導体域
31 第1半導体域
32 第2半導体域
33 第5半導体域/チャネル領域
34a、34b 第1コンタクト領域
35a、35b 第2コンタクト領域
40 第2絶縁層
41 ゲート電極
51 第1半導体域のコンタクト部
52 第2半導体域のコンタクト部
53a、53b フィールド電極
60a、60b 補償域
70、80 定電圧ダイオード構造
70a、70c、80a、80c 第2導電型の定電圧ダイオード部分領域
70b、70d、80b、81d 第1導電型の定電圧ダイオード部分領域
90a、90b 定電圧ダイオード構造の絶縁部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
層状の構造を有しており、重なり合う、半導体基板(10)と、第1絶縁層(20)と、半導体層(30)とを含み、
上記半導体層(30)の中に互いに間隔をあけて横方向に配置されている、第1半導体域(31)および第2半導体域(32)と、上記第1半導体域(31)と上記第2半導体域(32)との間に配置された第3半導体域(30a、30b、30c、60a、60b)と、
上記半導体基板(10)の中に配置されている、第4半導体域(10a)と、
上記半導体基板(10)の中の、上記第1半導体域(31)と上記第2半導体域(32)との間にラテラル方向に配置され、上記第4半導体域(10a)に対して相補的にドープされている、少なくとも1つのフィールド領域(13a、13b)と、
上記半導体層(30)の上記第1絶縁層(20)側とは逆側上に、上記第1半導体域(31)と上記第2半導体域(32)との間にラテラル方向に配置されている、少なくとも1つのフィールド電極(53a、53b)とを備えていることを特徴とする、SOI半導体素子。
【請求項2】
上記第1半導体域(31)は、上記第2半導体域(32)と同じ導電型であることを特徴とする、請求項1に記載のSOI半導体素子。
【請求項3】
上記第1半導体域(31)は上記第2半導体域(32)に対して相補的にドープされていることを特徴とする、請求項1に記載のSOI半導体素子。
【請求項4】
上記第1半導体域(31)に対して相補的にドープされており、上記半導体層(30)中の上記第1半導体域(31)と上記第3半導体域(30a、30b、30c)との間に配置されている、第5半導体域(33)を備えていることを特徴とする、請求項3に記載のSOI半導体素子。
【請求項5】
上記第3半導体域(30a、30b、30c)は上記第2半導体域(32)と同じ導電型を有していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項6】
上記第1半導体域(31)および/または上記第2半導体域(32)は上記第3半導体域(30a、30b、30c)よりも高濃度にドープされていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項7】
上記半導体基板(10)と上記第1半導体域(31)および/または上記第2半導体域(32)とが導電接続されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項8】
上記半導体基板(10)は、上記第1半導体域(31)および/または上記第2半導体域(32)との間の導電接続領域において、上記第4半導体域(10a)に対して相補的にドープされた第1遮蔽域(11)および第2遮蔽域(12)を備えていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項9】
少なくとも1つの上記フィールド電極(53a、53b)と少なくとも1つの上記フィールド領域(13a、13b)とは、上記半導体層(30)に対して互いに向かい合っていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項10】
上記フィールド電極(53a、53b)が、上記フィールド領域(13a、13b)ではなく、上記半導体層(30)に導電接続されている、タイプIと、
上記半導体層(30)と上記フィールド領域(13a、13b)とに導電接続されている、タイプIIと、
上記半導体層(30)ではなく、上記フィールド領域(13a、13b)に導電接続されている、タイプIIIとの種類のうちの1つによって、上記フィールド電極(53a、53b)が上記半導体層(30)および/または上記フィールド領域(13a、13b)に結合されている、少なくとも1つの結合位置を備えていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項11】
上記半導体層(30)を少なくとも1つの上記フィールド電極(53a、53b)に導電接続している第2導電型のコンタクト領域(34、35)を有する、タイプIまたはタイプIIの少なくとも1つの結合位置を備えていることを特徴とする、請求項10に記載のSOI半導体素子。
【請求項12】
少なくとも1つの上記コンタクト領域(34、35)が、第1領域(34a、34b)と、第2領域(35a、35b)とを備え、
上記第1領域(34a、34b)は、上記第2領域(35a、35b)よりも高濃度にドープされており、1つの上記フィールド電極(53a、53b)にコンタクトしており、
上記第2領域(35a、35b)は、上記半導体層(30)にコンタクトしていることを特徴とする、請求項11に記載のSOI半導体素子。
【請求項13】
上記少なくとも1つのフィールド電極(53a、53b)が上記半導体層(30)から電気的に絶縁された、タイプIIIの結合位置を備えていることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項14】
タイプI、タイプII、または、タイプIIIの少なくとも1つの他の結合位置を備えていることを特徴とする、請求項10〜13のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項15】
上記第3半導体域(30a、30b、30c)は、2つの結合位置間に配置された少なくとも1つの補償域(60a、60b)を備えており、前記補償域(60a、60b)中では、上記第3半導体域(30a、30b、30c)の他の箇所よりも不純物添加量が多いことを特徴とする、請求項14に記載のSOI半導体素子。
【請求項16】
上記補償域(60a、60b)が間に配置されている2つの結合位置は、同じ上記フィールド電極(53a、53b)および/または同じ上記フィールド領域(13a、13b)に結合されていることを特徴とする、請求項15に記載のSOI半導体素子。
【請求項17】
上記フィールド電極(53a、53b)のうちの少なくとも1つが階段状に形成されていることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項18】
上記第2半導体域(32)は第2遮蔽域(12)に導電接続されていることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項19】
上記半導体基板(10)の中の、上記フィールド領域(13a)と他の上記フィールド領域(13b)との間、または、上記フィールド領域(13a、13b)と第1遮蔽域(11)または第2遮蔽域(12)との間に配置されており、
上記第4半導体域(10a)と同じ導電型で上記第4半導体域(10a)よりも多くの不純物が添加された、チャネルストッパ領域(10b)を備えていることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項20】
上記チャネルストッパ領域(10b)は、少なくとも1つの上記フィールド領域(13a、13b)から他の上記フィールド領域(13b、13a)または遮蔽域(11、12)に連続的に形成されていることを特徴とする、請求項19に記載のSOI半導体素子。
【請求項21】
上記第1遮蔽域(11)、上記第2遮蔽域(12)、上記チャネルストッパ領域(10b)、および、上記フィールド領域(13a、13b)が、上記半導体層(30)に面した上記半導体基板(10)の境界面に配置されていることを特徴とする、請求項19または20に記載のSOI半導体素子。
【請求項22】
接続領域のうちの一方(70d、80d)が、上記第3半導体域(30a、30b、30c)に接触されており、他方の接続領域(70a、80a)が、少なくとも1つの上記フィールド電極(53a、53b)または少なくとも1つのフィールド電極(13a、13b)に接触されている、上記2つの接続領域(70a、70d、80a、80d)を備えた定電圧ダイオード構造(70、80)を備えていることを特徴とする、請求項1〜21のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項23】
上記定電圧ダイオード構造(70、80)は上記半導体層(30)の中に配置されていることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項24】
上記定電圧ダイオード構造(70、80)は結合位置に配置されていることを特徴とする、請求項22または23に記載のSOI半導体素子。
【請求項25】
上記定電圧ダイオード構造(70、80)は直列接続された複数の定電圧ダイオード接合部を備えていることを特徴とする、請求項22〜24のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項26】
上記定電圧ダイオード構造(70、80)は、部分的に、絶縁部(90a、90b)に取り囲まれていることを特徴とする、請求項22〜25のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項27】
少なくとも1つの上記フィールド電極(53a、53b)が上記半導体層(30)から電気的に絶縁されていることを特徴とする、請求項1〜26のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項28】
少なくとも1つの上記フィールド電極(53a、53b)が、ほぼ層状の第2絶縁層(40)によって上記半導体層(30)から電気的に絶縁されていることを特徴とする、請求項27に記載のSOI半導体素子。
【請求項29】
第1導電型がn型であり、第2導電型がp型であるか、または逆に、
第1導電型がp型であり、第2導電型がn型であることを特徴とする、請求項1〜28のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項30】
上記第4半導体域(10a)はn型またはp型であることを特徴とする、請求項29に記載のSOI半導体素子。
【請求項1】
層状の構造を有しており、重なり合う、半導体基板(10)と、第1絶縁層(20)と、半導体層(30)とを含み、
上記半導体層(30)の中に互いに間隔をあけて横方向に配置されている、第1半導体域(31)および第2半導体域(32)と、上記第1半導体域(31)と上記第2半導体域(32)との間に配置された第3半導体域(30a、30b、30c、60a、60b)と、
上記半導体基板(10)の中に配置されている、第4半導体域(10a)と、
上記半導体基板(10)の中の、上記第1半導体域(31)と上記第2半導体域(32)との間にラテラル方向に配置され、上記第4半導体域(10a)に対して相補的にドープされている、少なくとも1つのフィールド領域(13a、13b)と、
上記半導体層(30)の上記第1絶縁層(20)側とは逆側上に、上記第1半導体域(31)と上記第2半導体域(32)との間にラテラル方向に配置されている、少なくとも1つのフィールド電極(53a、53b)とを備えていることを特徴とする、SOI半導体素子。
【請求項2】
上記第1半導体域(31)は、上記第2半導体域(32)と同じ導電型であることを特徴とする、請求項1に記載のSOI半導体素子。
【請求項3】
上記第1半導体域(31)は上記第2半導体域(32)に対して相補的にドープされていることを特徴とする、請求項1に記載のSOI半導体素子。
【請求項4】
上記第1半導体域(31)に対して相補的にドープされており、上記半導体層(30)中の上記第1半導体域(31)と上記第3半導体域(30a、30b、30c)との間に配置されている、第5半導体域(33)を備えていることを特徴とする、請求項3に記載のSOI半導体素子。
【請求項5】
上記第3半導体域(30a、30b、30c)は上記第2半導体域(32)と同じ導電型を有していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項6】
上記第1半導体域(31)および/または上記第2半導体域(32)は上記第3半導体域(30a、30b、30c)よりも高濃度にドープされていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項7】
上記半導体基板(10)と上記第1半導体域(31)および/または上記第2半導体域(32)とが導電接続されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項8】
上記半導体基板(10)は、上記第1半導体域(31)および/または上記第2半導体域(32)との間の導電接続領域において、上記第4半導体域(10a)に対して相補的にドープされた第1遮蔽域(11)および第2遮蔽域(12)を備えていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項9】
少なくとも1つの上記フィールド電極(53a、53b)と少なくとも1つの上記フィールド領域(13a、13b)とは、上記半導体層(30)に対して互いに向かい合っていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項10】
上記フィールド電極(53a、53b)が、上記フィールド領域(13a、13b)ではなく、上記半導体層(30)に導電接続されている、タイプIと、
上記半導体層(30)と上記フィールド領域(13a、13b)とに導電接続されている、タイプIIと、
上記半導体層(30)ではなく、上記フィールド領域(13a、13b)に導電接続されている、タイプIIIとの種類のうちの1つによって、上記フィールド電極(53a、53b)が上記半導体層(30)および/または上記フィールド領域(13a、13b)に結合されている、少なくとも1つの結合位置を備えていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項11】
上記半導体層(30)を少なくとも1つの上記フィールド電極(53a、53b)に導電接続している第2導電型のコンタクト領域(34、35)を有する、タイプIまたはタイプIIの少なくとも1つの結合位置を備えていることを特徴とする、請求項10に記載のSOI半導体素子。
【請求項12】
少なくとも1つの上記コンタクト領域(34、35)が、第1領域(34a、34b)と、第2領域(35a、35b)とを備え、
上記第1領域(34a、34b)は、上記第2領域(35a、35b)よりも高濃度にドープされており、1つの上記フィールド電極(53a、53b)にコンタクトしており、
上記第2領域(35a、35b)は、上記半導体層(30)にコンタクトしていることを特徴とする、請求項11に記載のSOI半導体素子。
【請求項13】
上記少なくとも1つのフィールド電極(53a、53b)が上記半導体層(30)から電気的に絶縁された、タイプIIIの結合位置を備えていることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項14】
タイプI、タイプII、または、タイプIIIの少なくとも1つの他の結合位置を備えていることを特徴とする、請求項10〜13のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項15】
上記第3半導体域(30a、30b、30c)は、2つの結合位置間に配置された少なくとも1つの補償域(60a、60b)を備えており、前記補償域(60a、60b)中では、上記第3半導体域(30a、30b、30c)の他の箇所よりも不純物添加量が多いことを特徴とする、請求項14に記載のSOI半導体素子。
【請求項16】
上記補償域(60a、60b)が間に配置されている2つの結合位置は、同じ上記フィールド電極(53a、53b)および/または同じ上記フィールド領域(13a、13b)に結合されていることを特徴とする、請求項15に記載のSOI半導体素子。
【請求項17】
上記フィールド電極(53a、53b)のうちの少なくとも1つが階段状に形成されていることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項18】
上記第2半導体域(32)は第2遮蔽域(12)に導電接続されていることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項19】
上記半導体基板(10)の中の、上記フィールド領域(13a)と他の上記フィールド領域(13b)との間、または、上記フィールド領域(13a、13b)と第1遮蔽域(11)または第2遮蔽域(12)との間に配置されており、
上記第4半導体域(10a)と同じ導電型で上記第4半導体域(10a)よりも多くの不純物が添加された、チャネルストッパ領域(10b)を備えていることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項20】
上記チャネルストッパ領域(10b)は、少なくとも1つの上記フィールド領域(13a、13b)から他の上記フィールド領域(13b、13a)または遮蔽域(11、12)に連続的に形成されていることを特徴とする、請求項19に記載のSOI半導体素子。
【請求項21】
上記第1遮蔽域(11)、上記第2遮蔽域(12)、上記チャネルストッパ領域(10b)、および、上記フィールド領域(13a、13b)が、上記半導体層(30)に面した上記半導体基板(10)の境界面に配置されていることを特徴とする、請求項19または20に記載のSOI半導体素子。
【請求項22】
接続領域のうちの一方(70d、80d)が、上記第3半導体域(30a、30b、30c)に接触されており、他方の接続領域(70a、80a)が、少なくとも1つの上記フィールド電極(53a、53b)または少なくとも1つのフィールド電極(13a、13b)に接触されている、上記2つの接続領域(70a、70d、80a、80d)を備えた定電圧ダイオード構造(70、80)を備えていることを特徴とする、請求項1〜21のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項23】
上記定電圧ダイオード構造(70、80)は上記半導体層(30)の中に配置されていることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項24】
上記定電圧ダイオード構造(70、80)は結合位置に配置されていることを特徴とする、請求項22または23に記載のSOI半導体素子。
【請求項25】
上記定電圧ダイオード構造(70、80)は直列接続された複数の定電圧ダイオード接合部を備えていることを特徴とする、請求項22〜24のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項26】
上記定電圧ダイオード構造(70、80)は、部分的に、絶縁部(90a、90b)に取り囲まれていることを特徴とする、請求項22〜25のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項27】
少なくとも1つの上記フィールド電極(53a、53b)が上記半導体層(30)から電気的に絶縁されていることを特徴とする、請求項1〜26のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項28】
少なくとも1つの上記フィールド電極(53a、53b)が、ほぼ層状の第2絶縁層(40)によって上記半導体層(30)から電気的に絶縁されていることを特徴とする、請求項27に記載のSOI半導体素子。
【請求項29】
第1導電型がn型であり、第2導電型がp型であるか、または逆に、
第1導電型がp型であり、第2導電型がn型であることを特徴とする、請求項1〜28のいずれか1項に記載のSOI半導体素子。
【請求項30】
上記第4半導体域(10a)はn型またはp型であることを特徴とする、請求項29に記載のSOI半導体素子。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【公表番号】特表2007−520886(P2007−520886A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551775(P2006−551775)
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【国際出願番号】PCT/EP2005/000839
【国際公開番号】WO2005/076366
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(501484264)オイペク オイロペーシェ ゲゼルシャフト フューア ライストゥングスハルプライター エムベーハー (10)
【出願人】(501209070)インフィネオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト (331)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【国際出願番号】PCT/EP2005/000839
【国際公開番号】WO2005/076366
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(501484264)オイペク オイロペーシェ ゲゼルシャフト フューア ライストゥングスハルプライター エムベーハー (10)
【出願人】(501209070)インフィネオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト (331)
【Fターム(参考)】
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