説明

置換インドリル及びインダゾリル誘導体及びそれらの使用

本願は、モノアミン欠乏に関連する疾患の処置に有用な一般式I’(式中、A、Q、X、Y、Z、Z、m、p、q、z、m、R、R1’、R、R、及びRは本明細書に記載されたとおりに定義される)の化合物又は薬学的に許容しうるその塩を開示する。また、医薬組成物、使用方法、及びその化合物の製法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4−、5−及び6−置換インドリル、インダゾリル、ピロリルピリジニル及びピラゾリルピリジニル化合物ならびにその使用方法に関する。特に、本発明の化合物は、モノアミン欠乏に関連する疾患の処置に有用である。
【0002】
特に、本発明は、式I’:
【0003】
【化1】


[式中、A、Q、X、Y、Z、Z、m、p、q、z、R、R、R1’、R及びRは、以下及び請求の範囲で定義した通りである]の化合物に関する。
【0004】
モノアミン欠乏は、長い間、抑鬱障害、抗不安障害及び他の障害と関連づけられてきた(例えば、Charney et al., J. Clin. Psychiatry (1998) 59, 1-14; Delgado et al., J. Clin. Psychiatry (2000) 67, 7-11; Resser et al., Depress. Anxiety (2000) 12 (Suppl 1) 2-19 and Hirschfeld et al., J. Clin. Psychiatry (2000) 61, 4-6)。特に、セロトニン(5−ヒドロキシトリプトアミン)及びノルエピネフリンは、気分の調節において重要な役割を果たす主要な調節性神経伝達物質として認識されている。選択的セロトニン再取り込みインヒビター(SSRI)、例えば、フルオキセチン、セルトラリン、パロキセチン、フルボキサミン、シタロプラム及びエスシタロプラムは、抑鬱障害の処置に用いられている(Mas and et al., Harv. Rev. Psychiatry (1999) 7, 69-84)。ノルアドレナリン又はノルエピネフリン再取り込みインヒビター、例えば、レボキセチン、アトモキセチン、デシプラミン及びノルトリプチリンは、抑鬱障害、注意欠陥障害及び多動性障害に対して有効な処置を与えている(Scates et al., Ann. Pharmacother. (2000) 34, 1302-1312; Tatsumi et al., Eur. J. Pharmacol. (1997) 340, 249-258)。
【0005】
セロトニン及びノルエピネフリン神経伝達の増進は、セロトニン又はノルエピネフリン神経伝達単独の増進と比較して、抑鬱障害及び抗不安障害の薬物療法において相乗的であることが認められている(Thase et al., Br. J. Psychiatry (2001) 178, 234, 241; Tran et al., J. Clin. Psychopharmacology (2003) 23, 78-86)。セロトニンとノルエピネフリンの両方の二重再取り込みインヒビター、例えば、デュロキセチン、ミルナシプラン及びベンラファクシンは、現在抑鬱障害及び抗不安障害の処置用に市販されている(Mallinckrodt et al., J. Clin. Psychiatry (2003) 5(1) 19-28; Bymaster et al., Expert Opin. Investig. Drugs (2003) 12(4) 531-543)。また、セロトニン及びノルエピネフリンの二重再取り込みインヒビターは、統合失調症及び他の精神病、運動障害、薬物中毒、認知障害、アルツハイマー病、脅迫的行動、注意欠陥障害、パニック発作、対人恐怖症、摂食障害、例えば、肥満、拒食症、大食症及び「過食症」、ストレス、高血糖症、高脂血症、インスリン非依存性糖尿病、発作性障害、例えば、てんかんの処置の可能性、ならびに発作、脳損傷、脳虚血、頭部損傷及び出血から生じる神経障害に関連する状態の処置の可能性も提供する。また、セロトニン及びノルエピネフリンの二重再取り込みインヒビターは、尿路の障害及び疾患状態、ならびに疼痛及び炎症の処置の可能性も提供する。
【0006】
より最近では、ノルエピネフリン、セロトニン及びドーパミンの再取り込みを阻害する「三重再取り込み」インヒビター(「広域抗鬱薬」)は、鬱病及び他のCNSの兆候の処置に有効であると認識されている(Beer et al., J. Clinical Pharmacology (2004) 44:1360-1367; Skolnick et al., Eur J Pharmacol. (2003) Feb 14;461(2-3):99-104)。
【0007】
モノアミン再取り込みインヒビターは、疼痛処置にも使用される。セロトニンは、末梢神経系における疼痛処理において役割を担っていること、及び炎症及び神経損傷における末梢感作及び感覚過敏に寄与していることが判明した(Sommer et al., Molecular Neurobiology (2004) 30(2), 117-125)。セロトニン−ノルエピネフリン再取り込みインヒビターデュロキセチンは、動物モデルにおける疼痛の処置に有効であることが示されている(Iyengar et al., J. Pharm. Exper. Therapeutics (2004), 311, 576-584)。
【0008】
したがって、セロトニン再取り込みインヒビター、ノルエピネフリン再取り込みインヒビター、ドーパミン再取り込みインヒビターならびに/あるいはセロトニン、ノルエピネフリン及び/又はドーパミンの二重再取り込みインヒビターあるいはノルエピネフリン、セロトニン及びドーパミンの三重再取り込みインヒビターとして有効である化合物、ならびに抑鬱障害、抗不安障害、泌尿生殖器障害、疼痛、及び他の障害の処置における上記化合物の製造及び使用方法が必要とされている。本発明は、これらのニーズを満たす。
【0009】
特記のない限りは、明細書及び請求の範囲を含む本出願に使用される以下の用語は、下記の定義を有する。本明細書及び添付の請求の範囲において使用されるとき、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、特に明らかに断りない限り複数形の指示対象を含むことに留意しなければならない。
【0010】
「アゴニスト」は、別の化合物又は受容体部位の活性を高める化合物を指す。
【0011】
「アルキル」は、炭素原子と水素原子のみからなる、1〜12個の炭素原子を有する一価の直鎖又は分岐鎖飽和炭化水素部分を意味する。
【0012】
「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子の直鎖又は分岐鎖アルキル基、すなわち、C〜Cアルキルを指す。低級アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、オクチル、ドデシルなどが挙げられるが、これらには限定されない。
【0013】
「アルキレン」は、1〜6個の炭素原子の直鎖飽和の二価炭化水素基又は3〜6個の炭素原子の分岐鎖飽和の二価炭化水素基、例えば、メチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレンなどを意味する。
【0014】
「低級アルコキシ」は、式−OR(式中、Rは、本明細書で定義される低級アルキル部分である)の部分を意味する。低級アルコキシ部分の例としては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシなどが挙げられるが、これらには限定されない。
【0015】
「低級アルコキシアルキル」は、式−R’−R”(式中、R’はアルキレンであり、R”は本明細書で定義されている低級アルコキシである)の部分を意味する。典型的な低級アルコキシアルキル基としては、例えば、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、1−メチル−2−メトキシエチル、1−(2−メトキシエチル)−3−メトキシプロピル及び1−(2−メトキシエチル)−3−メトキシプロピルなどが挙げられる。
【0016】
「アルキルスルホニル」は、式−SO−R’(式中、R’は、本明細書で定義されているアルキルである)の部分を意味する。
【0017】
「アミノ」は、式−NRR’(式中、R及びR’は、各々独立して水素又は本明細書で定義されているアルキルである)の部分を意味する。したがって、アミノとしては、「アルキルアミノ」(但し、R及びR’のうちの1つはアルキルであり、他方が水素である)及び「ジアルキルアミノ」(但し、RとR’の両方ともアルキルである)などが挙げられる。
【0018】
「アンタゴニスト」は、別の化合物又は受容体部位の作用を軽減するか又は防止する化合物を指す。
【0019】
「アリール」は、単環、二環又は三環芳香環からなる一価の環状芳香族炭化水素部分を意味する。アリール基は、場合により、本明細書で定義されているようにして置換されていてもよい。典型的なアリール部分としては、場合により置換されている、フェニル、ナフチル、フェナントリル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、オキシジフェニル、ビフェニル、メチレンジフェニル、アミノジフェニル、ジフェニルスルフィジル、ジフェニルフルホニル、ジフェニルイソプロピリデニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキシリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサジノニル、ベンゾピペラジニル、ベンゾピペラジニル、ベンゾピロリジニル、ベンゾモルホリニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニルなどが挙げられるが、これらには限定されない。好ましいアリールには、場合により置換されているフェニル及び場合により置換されているナフチルなどが挙げられる。
【0020】
「低級シクロアルキル」は、3〜7個の環炭素原子、好ましくは3〜6個の炭素原子の単環又は二環からなる一価の飽和炭素環部分を意味する。低級シクロアルキルは、1種以上の置換基(ここで、各置換基は、特記のない限りは、独立してヒドロキシ、アルキル、低級アルコキシ、ハロ、低級ハロアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ又はジアルキルアミノである)で場合により置換されていることができる。低級シクロアルキル部分の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル(その部分不飽和誘導体を含む)などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0021】
「シクロアルキルアルキル(cycloalkylalkyl又はcycloalkyl alkyl)」は、式−R’−R”(式中、R’はアルキレンであり、R”は本明細書で定義されている低級シクロアルキルである)の部分を意味する。
【0022】
「ヘテロアルキル」は、本明細書で定義されているアルキル基を意味し、例えば、分岐鎖C−C−アルキル[但し、1個、2個又は3個の水素原子は、ヘテロアルキル基の結合点が炭素原子を介しているという理解の下、OR、NR及び−S(O)(式中、nは0〜2の整数である)(ここで、Rは水素、アシル、アルキル、低級シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり;R及びRは独立して互いに水素、アシル、アルキル、低級シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり;nが0であるとき、Rは水素、アルキル、低級シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり、nが1又は2であるとき、Rはアルキル、低級シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ又はジアルキルアミノである)よりなる群から独立して選択される置換基で置き換えられている]が挙げられる。代表的な例としては、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシメチルエチル、3−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルスルホニルエチル、アミノスルホニルメチル、アミノスルホニルエチル、アミノスルホニルプロピル、メチルアミノスルホニルメチル、メチルアミノスルホニルエチル、メチルアミノスルホニルプロピルなどが挙げられるが、これらには限定されない。
【0023】
「低級ヘテロアリール」は、N、O又はSから選択される1個、2個又は3個の環ヘテロ原子を含む少なくとも1つの芳香環を有し、残りの環原子がCである、5〜12個の環原子の単環、二環又は三環基を意味する(低級ヘテロアリール基の結合点は芳香環上にあるという理解の下)。低級ヘテロアリール環は、本明細書で定義されているように場合により置換されていてもよい。低級ヘテロアリール部分の例としては、場合により置換されている、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、チオフェニル、フラニル、ピラニル、ピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾピラニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、キノキサリニル、プリニル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アゼピニル、ジアゼピニル、アクリジニルなどが挙げられるが、これらには限定されない。
【0024】
用語「ハロ」及び「ハロゲン」(同じ意味で用いることがある)は、置換基フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを指す。
【0025】
「低級ハロアルキル」は、1個以上の水素が、同一又は異なるハロゲンで置き換えられている、本明細書で定義されている低級アルキルを意味する。典型的な低級ハロアルキルには、−CHCl、−CHCF、−CHCCl、ペルフルオロアルキル(例えば、−CF)などがある。
【0026】
「ハロアルコキシ」は、式−OR(式中、Rは、本明細書で定義されている低級ハロアルキル部分である)の部分を意味する。ハロアルコキシ部分の例としては、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシなどが挙げられるが、これらには限定されない。
【0027】
「低級ヒドロキシアルキル」は、ヘテロアルキルのサブセットを指し、特に、1個以上、好ましくは1個、2個又は3個のヒドロキシ基で置換されている(但し、同一炭素原子は1個より多いヒドロキシ基を有していない)、本明細書で定義されている低級アルキル部分を指す。代表例としては、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチル及び2−(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプロピルなどが挙げられるが、これらには限定されない。
【0028】
「低級ヘテロシクロアルキル」は、1個、2個、3個又は4個のヘテロ原子(窒素、酸素又は硫黄から選択される)が組み込まれた1〜3個の環からなる一価の飽和部分を意味する。低級ヘテロシクロアルキル環は、本明細書で定義されているように場合により置換されていてもよい。低級ヘテロシクロアルキル部分の例としては、場合により置換されている、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼパニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアジアゾリジニル、ベンゾチアゾリジニル、ベンゾアゾリリジニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられるが、これらには限定されない。好ましい低級ヘテロシクロアルキルには、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びピロリジニルなどがある。
【0029】
「アリール」、「フェニル」、「低級ヘテロアリール」(例えば、インドリル、例えば、インドール−1−イル、インドール−2−イル及びインドール−3−イル、2,3−ジヒドロインドリル、例えば、2,3−ジヒドロインドール−1−イル、2,3−ジヒドロインドール−2−イル及び2,3−ジヒドロインドール−3−イル、インダゾリル、例えば、インダゾール−1−イル、インダゾール−2−イル及びインダゾール−3−イル、ベンゾイミダゾリル、例えば、ベンゾイミダゾール−1−イル及びベンゾイミダゾール−2−イル、ベンゾチオフェニル、例えば、ベンゾチオフェン−2−イル及びベンゾチオフェン−3−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、チエニル、フラニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル及びキノリニル)又は「低級ヘテロシクロアルキル」と関連して使用されるときの「場合により置換されている」とは、アリール、フェニル、低級ヘテロアリール又は低級ヘテロシクロアルキル[場合により、アルキル、低級シクロアルキル、低級アルコキシ、ハロ、低級ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、ヘテロアルキル、アミノ、アシルアミノ、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシアルキル、ベンジルオキシ、シクロアルキルアルキル、シクロアルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、アルキルスルホニルオキシ、場合により置換されているチオフェニル、場合により置換されているピラゾリル、場合により置換されているピリジニル、モルホリノカルボニル、−(CH−S(O);−(CH−NR;−(CH−C(=O)−NR;−(CH−C(=O)−C(=O)−NR;−(CH−SO−NR;−(CH−N(R)−C(=O)−R;−(CH−C(=O)−R;又は−(CH−N(R)−SO−R(式中、qは0又は1であり、rは0〜2であり、R、R及びRは、各々独立して水素又はアルキルであり、各Rは独立して水素、アルキル、ヒドロキシ又は低級アルコキシである)から選択される1〜4個の置換基、好ましくは1個又は2個の置換基で独立して置換されている]を意味する。「アリール」、「フェニル」、「低級ヘテロアリール」、「低級シクロアルキル」又は「低級ヘテロシクロアルキル」についての特定の好ましい任意の置換基には、アルキル、ハロ、低級ハロアルキル、低級アルコキシ、シアノ、アミノ及びアルキルスルホニルなどがある。より好ましい置換基は、メチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、メトキシ、アミノ及びメタンスルホニルである。
【0030】
「脱離基」は、合成有機化学において通常関連している意味を有する基、すなわち、置換反応条件下で置換可能な原子又は基を意味する。脱離基の例としては、ハロゲン、アルカン−又はアリーレンスルホニルオキシ、例えば、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、チオメチル、ベンゼンスルホニルオキシ、トシルオキシ及びチエニルオキシ、ジハロホスフィノイルオキシ、場合により置換されているベンジルオキシ、イソプロピルオキシ、アシルオキシなどが挙げられるが、これらには限定されない。
【0031】
「モジュレーター」は、標的と相互作用する分子を意味する。相互作用として、本明細書で定義されているアゴニスト、アンタゴニストなどが挙げられるが、これらには限定されない。
【0032】
「任意の」又は「場合により」は、続いて記載される事柄又は状況が生じてもよいが生じる必要はないこと、ならびにその記載が、事柄又は状況が生じる例及びそれが生じない例を含むことを意味する。
【0033】
「疾患」及び「疾患状態」は、任意の疾患、状態、症状、障害又は適応症を意味する。
【0034】
「不活性有機溶媒」又は「不活性溶媒」は、それとの関連で記載されている反応の条件下で不活性である溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレン又はジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、ジオキサン、ピリジンなどを意味する。特記のない限りは、本発明の反応において使用される溶媒は、不活性溶媒である。
【0035】
「薬学的に許容しうる」とは、一般に安全であり、非毒性であり、生物学的にも他の面からも望ましくないものでない医薬組成物を調製するのに有用であることを意味し、例えば、ヒトの薬学的使用だけでなく獣医学的使用にも許容しうることを含む。
【0036】
化合物の「薬学的に許容しうる塩」とは、本明細書で定義されている薬学的に許容でき、かつ親化合物の所望の薬理学的活性を有する塩を意味する。このような塩としては、
無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などとともに形成されるか;又は有機酸、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシナフトエ酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、2−ナフタレンスルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸などとともに形成される酸付加塩;あるいは
親化合物に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン若しくはアルミニウムイオンにより置き換えられるか、又は有機又は無機塩基で配位されるときに形成される塩などが挙げられる。許容しうる有機塩基として、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トロメタミンなどが挙げられる。許容しうる無機塩基として、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムが挙げられる。
【0037】
好ましい薬学的に許容しうる塩は、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リン酸、酒石酸、クエン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛及びマグネシウムから形成される塩である。薬学的に許容しうる塩への言及は全て、同じ酸付加塩の本明細書で定義されている溶媒付加形態(溶媒和物)又は結晶形態(多形体)を含むことを理解すべきである。
【0038】
「保護基」は、合成化学において通常関連する意味における別の保護されていない反応部位で選択的に化学反応を実施することができるように、多官能化合物における1つの反応部位を選択的にブロックする基を意味する。本発明の特定のプロセスは、反応体に存在する反応性窒素及び/又は酸素原子をブロックする保護基に依存する。例えば、用語「アミノ保護基」及び「窒素保護基」は、本明細書では互換可能に使用されており、合成手順中の望ましくない反応に対して窒素原子を保護することを意図する有機基を指す。典型的な窒素保護基としては、トリフルオロアセチル、アセトアミド、ベンジル(Bn)、ベンジルオキシカルボニル(カルボベンジルオキシ、CBZ)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(BOC)などが挙げられるが、これらには限定されない。当業者には、除去が容易であり、後に続いてくる反応に耐える能力がある基を選択する方法が分かるであろう。
【0039】
「溶媒和物」は、化学量論量又は非化学量論量の溶媒を含む溶媒付加形態を意味する。一部の化合物は、一定のモル比の溶媒分子を結晶性固体状態中に捕捉して、溶媒和物を形成する傾向を有している。溶媒が水の場合には、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールのときには、形成される溶媒和物はアルコール和物である。水和物は、1つ以上の水分子と、水がその分子状態をHOとして保持する物質の一つとの組み合わせにより形成され、このような組み合わせは1種以上の水和物を形成することができる。
【0040】
「対象」は、哺乳動物及び非哺乳動物を意味する。哺乳動物は、哺乳動物類に属するいずれのものも意味し、ヒト;非ヒト霊長類、例えば、チンパンジー及び他の類人猿及びサル種;家畜、例えば、蓄牛、ウマ、ヒツジ、ヤギ及びブタ;家庭動物、例えば、ウサギ、イヌ及びネコ;実験動物、例えば、齧歯類、例えば、ラット、マウス及びモルモットなどが挙げられるが、これらには限定されない。非哺乳動物の例としては、鳥などが挙げられるが、これらには限定されない。用語「対象」は、特定の年齢又は性別を示さない。
【0041】
セロトニン、ノルエピネフリン及び/又はドーパミン神経伝達に関連する「疾患状態」には、抑鬱及び抗不安障害、ならびに統合失調症及び他の精神病、運動障害、薬物中毒、認知障害、アルツハイマー病、注意欠陥障害、例えば、ADHD、脅迫的行動、パニック発作、対人恐怖症、摂食障害、例えば、肥満、拒食症、大食症及び「過食症」、ストレス、高血糖症、高脂血症、インスリン非依存性糖尿病、発作性障害、例えば、てんかん、及び発作、脳損傷、脳虚血、頭部損傷、出血から生じる神経障害に関連する状態の処置、ならびに尿路の障害及び疾患状態などが挙げられる。また、セロトニン、ノルエピネフリン及び/又はドーパミン神経伝達に関連する「疾患状態」には、対象における炎症状態も含まれる。本発明の化合物は、関節炎、例えば、リウマチ性関節炎、脊椎関節症、痛風性関節炎、骨関節炎、全身性エリテマトーデス、若年性関節炎、骨関節炎、痛風性関節炎及び他の関節炎状態など(これらには限定されない)を処置するのに有効であろう。
【0042】
本明細書で使用される「抑鬱」には、大鬱、長期抑鬱、治療抵抗性鬱、気分変調;悲しみ、絶望、落胆、「憂鬱」、メランコリー、低い自尊心、罪悪感及び自責、人間同士の交流からの退行、及び身体症状、例えば、飲食及び睡眠の乱れにより特徴付けられる抑鬱気分の精神状態などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0043】
本明細書で使用される「不安症」には、非現実的、想像した又は誇張した危険又は危害の予期に対する精神生理学的反応に関連する不快又は望ましくない感情状態、ならびに身体的に付随すること、例えば、心拍数の増加、呼吸数の変化、発汗、震え、虚弱及び疲労感、切迫した危険の感情、無力感、心配及び緊張などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0044】
「尿路の症状」と互換可能に用いられる「尿路の障害」又は「尿路疾患」は、尿路における病的変化を意味する。尿路障害の例としては、緊張性尿失禁、急迫性尿失禁、良性前立腺肥大症(BPH)、前立腺炎、排尿筋反射亢進、排尿障害、頻尿、夜間頻尿、尿意切迫、過活動膀胱、骨盤過敏症、尿道炎、前立腺痛、膀胱炎、突発性膀胱過敏症などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0045】
「尿路の症状」と互換可能に用いられる「尿路に関連する疾患状態」又は「尿路疾患状態」又は「尿路疾患」は、尿路における病的変化、あるいは尿貯蔵障害又は排尿障害を生じる膀胱平滑筋又はその神経支配の機能障害を意味する。尿路の症状には、過活動膀胱(排尿筋活動過剰としても知られている)、排尿障害、排尿機能不全及び骨盤過敏症などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0046】
「過活動膀胱」又は「排尿筋活動過剰」には、切迫感、頻発、膀胱容量の変化、失禁、排尿閾値、不安定な膀胱収縮、括約筋の痙直、排尿筋の活動過剰、排尿筋反射亢進(神経因性膀胱)、排尿筋不安定などを呈する症状の変化が挙げられるが、これには限定されない。
【0047】
「排尿障害」には、良性前立腺肥大症(BPH)、尿道狭窄症、腫瘍、低流速、排尿開始困難、切迫感、恥骨上部痛などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0048】
「排尿機能不全」には、尿道の過可動性、内因性尿道括約筋不全、混合型尿失禁、緊張性尿失禁などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0049】
「骨盤過敏症」には、骨盤痛、間質(細胞)膀胱炎、前立腺痛、前立腺炎、外陰部痛、尿道炎、精巣痛、過活動膀胱などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0050】
「疼痛」」は、特殊な神経末端を刺激することから生じる、多かれ少なかれ局部的である不快感、苦痛感又は激痛感を意味する。数多くの種類の疼痛、例えば、電撃痛、幻影痛、鋭い痛み、急性疼痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、複合性局所疼痛、神経痛、神経障害など(Dorland's Illustrated Medical Dictionary(ドーランドの図解医学辞典), 28th Edition, W. B. Saunders Company, Philadelphia, PA)(これらには限定されない)が存在する。疼痛処置の目的は、処置対象により認識されている疼痛の重篤度を減少させることである。
【0051】
「神経因性疼痛」は、機能障害及び/又は病的変化、ならびに末梢神経系における非炎症性損傷から生じる疼痛を意味する。神経因性疼痛の例としては、温熱性又は機械誘発性痛覚過敏、温熱性又は機械誘発性異痛症、糖尿病性疼痛、絞扼痛などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0052】
「治療上有効量」は、疾患状態を処置するために対象に投与したときに、このような疾患状態の処置をおこなうのに十分な化合物のある量を意味する。「治療上有効量」は、化合物、処置する疾患状態、処置される疾患の重篤度、対象の年齢及び相対的健康、投与経路及び形態、担当医師又は獣医師の判断ならびに他の因子に応じて変化する。
【0053】
用語「上記で定義したもの」及び「本明細書で定義されているもの」は、可変部に言及するとき、参照により、広範な可変部の定義、ならびに、もし存在すれば、好ましい定義、より好ましい定義及び最も好ましい定義が組み込まれる。
【0054】
疾患状態を「処置すること」又はその「処置」には、以下:
(i)疾患状態を予防すること、すなわち、疾患状態に曝露されているがあるか、又はその素因があるが、疾患状態の症状を経験していないか、又はその症状を示していない対象において、疾患状態の臨床症状を生じさせないようにすること;
(ii)疾患状態を抑制すること、すなわち、疾患状態又はその臨床症状が生じることを停止すること、又は
(iii)疾患状態を緩和すること、すなわち、疾患状態又はその臨床症状を一時的又は永久的に軽減すること
が含まれる。
【0055】
化学反応に言及するとき、用語「処理すること」、「接触させること」及び「反応させること」は、示された及び/又は所望の生成物を製造するのに適切な条件下で2種以上の試薬を添加又は混合することを意味する。示された及び/又は所望の生成物を製造する反応は、必ずしも最初に添加される2種の試薬の組み合わせから直接得られるものではなく、すなわち、示された及び/又は所望の生成物が最終的に形成される混合物において製造される一種以上の中間体が存在してもよい。
【0056】
一般的に、本出願において使用される命名法は、IUPAC体系的命名法を生成するための、AUTONOM(商標)v.4.0、Beilstein Instituteコンピュータ化システムに基づいている。本明細書で示されている化学構造は、ISIS(登録商標)バージョン2.2を用いて作成した。本明細書の構造における炭素、酸素、硫黄又は窒素原子上に現れる開放原子価は、水素原子が存在することを示す。
【0057】
キラル炭素が化学構造内に存在するときはいつも、このキラル炭素に関連する全ての立体異性体が特定の鏡像異性体を含むように、その構造に包含されることが意図される。
【0058】
本明細書において特定されている全ての特許及び刊行物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0059】
本出願によれば、式I’:
【0060】
【化2】


[式中、
Aは、CH、C(R)又はNであり;
Qは、CH、C(R)又はNであり;
Xは、CH、CH(OH)又はC(O)であり;
Yは、(CH(R))又はO(CH(R))であり;
は、CH、N又はC(R)であり;
は、CH、S又はC(R)であり;
mは、0又は1であり;
nは、0、1又は2であり;
pは、0、1又は2であり;
qは、0、1又は2であり;
zは、0又は1であり;
及びRは、各々独立してCN、C(O)NH、S(O)1’、ハロゲン、低級アルキル、低級ハロアルキル又は低級アルコキシであり;
1’は、H又は低級アルキルであり;
は、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、ハロゲン、CN、C(O)N(R1’、NHS(O)1’又はN(R3’)(R3”)であり;
3’及びR3”は、各々独立してH、低級アルキル、低級ハロアルキルであるか、又はR3’及びR3”は、一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成し;
は、ヘテロシクロアルキル又はN(R4’)(R4”)であり;
4’及びR4”は、各々独立してH、低級アルキル、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級ハロアルキルであるか;
又はR4’及びR4”は、一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成するか;
又はR4’及びRは、一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成し;
各Rは、独立してH、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ヒドロキシアルキル又は低級ハロアルキルである(但し、もしXがC(=O)であり、YがO(CHであり、zが1であり、ZがCHであり、ZがCHであり、mが0であり、qが0であり、AがCHであり、QがCHであり、RがNH(C(CH)である場合には、pは0ではない)]で示される化合物又は薬学的に許容しうるその塩が提供される。
【0061】
さらに、本出願によれば、式I:
【0062】
【化3】


[式中、
Aは、CH、C(R)又はNであり;
Qは、CH、C(R)又はNであり;
Xは、CH、CH(OH)又はC(O)であり;
Yは、(CH(R))又はO(CH(R))であり;
mは、0又は1であり;
nは、0、1又は2であり;
pは、0、1又は2であり;
qは、0、1又は2であり;
及びRは、各々独立してCN、C(O)NH、S(O)1’、ハロゲン、低級アルキル、低級ハロアルキル又は低級アルコキシであり;
1’は、H又は低級アルキルであり;
は、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、ハロゲン、CN、C(O)N(R1’、NHS(O)1’又はN(R3’)(R3”)であり;
3’及びR3”は、各々独立してH、低級アルキル、低級ハロアルキルであるか、又はR3’及びR3”は、一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成し;
は、N(R4’)(R4”)であり;
4’及びR4”は、各々独立してH、低級アルキル、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級ハロアルキルであるか、又はR4’及びR4”は、一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成し;
各Rは、独立してH、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ヒドロキシアルキル又は低級ハロアルキルである]で示される化合物又は薬学的に許容しうるその塩が提供される。
【0063】
式Iの特定の実施態様では、Xは、CHである。
【0064】
式Iの特定の実施態様では、Qは、CHである。
【0065】
式Iの特定の実施態様では、Aは、CHである。
【0066】
式Iの特定の実施態様では、pは、0である。
【0067】
式Iの特定の実施態様では、mは、0である。
【0068】
式Iの特定の実施態様では、mは、1である。
【0069】
式Iの特定の実施態様では、Yは(CH(R))であり、nは1である。
【0070】
式Iの特定の実施態様では、Rは、Hである。
【0071】
式Iの特定の実施態様では、Rは、メチルである。
【0072】
式Iの特定の実施態様では、RはN(R4’)(R4”)であり、R4’はHである。
【0073】
式Iの特定の実施態様では、RはN(R4’)(R4”)であり、R4’はHである。
【0074】
式Iの特定の実施態様では、R4”は、Hである。
【0075】
式Iの特定の実施態様では、R4”は、低級アルキルである。
【0076】
式Iの特定の実施態様では、R4”は、低級アルキルである。
【0077】
式Iの特定の実施態様では、qは、0である。
【0078】
式Iの特定の実施態様では、qは、1である。
【0079】
式Iの特定の実施態様では、Rは、ハロゲンである。
【0080】
式Iの特定の実施態様では、Rは、低級アルコキシ又は低級ハロアルキルである。
【0081】
さらに、本出願によれば、式II:
【0082】
【化4】


[式中、
Xは、CH又はCH(R1’)であり;
は、CH又はC(O)あり;
は、CH、CH(R1’)、NH、N(R1’)又はOであり;
1’は、低級アルキルである]で示される化合物又は薬学的に許容しうるその塩が提供される。
【0083】
式IIの特定の実施態様では、Xは、CHである。
【0084】
式IIの特定の実施態様では、Yは、CHである。
【0085】
式IIの特定の実施態様では、YはCH(R1’)であり、R1’はメチルである。
【0086】
式IIの特定の実施態様では、Yは、CHである。
【0087】
式IIの特定の実施態様では、YはN(R1’)であり、R1’はメチルである。
【0088】
式IIの特定の実施態様では、Yは、NHである。
【0089】
式IIの特定の実施態様では、Yは、Oである。
【0090】
式IIの特定の実施態様では、XはCHであり、YはC(O)であり、YはNHである。
【0091】
式IIの特定の実施態様では、Xは、CH(R1’)である。
【0092】
さらに、本出願によれば、式III:
【0093】
【化5】


[式中、
Xは、CH又はCH(R1’)であり;
及びYは、各々独立してNH又はOであり;
は、CH又はCH(R1’)であり;
1’は、低級アルキルである]で示される化合物又は薬学的に許容しうるその塩が提供される。
【0094】
式IIIの特定の実施態様では、Yは、Oである。
【0095】
式IIIの特定の実施態様では、Yは、NHである。
【0096】
式IIIの特定の実施態様では、Yは、CHである。
【0097】
式IIIの特定の実施態様では、YはCH(R1’)であり、R1’はメチルである。
【0098】
さらに、本出願によれば、式IV:
【0099】
【化6】


[式中、
Xは、(CHであり;
mは、1又は2であり;
Yは、(CHであり;
nは、1又は2であり;
は、H又は低級アルキルである]で示される化合物又は薬学的に許容しうるその塩が提供される。
【0100】
さらに、本出願によれば、式V:
【0101】
【化7】


[式中、
Yは、(CH(R))であり;
nは、0、1又は2であり;
及びRは、各々独立してCN、C(O)N(R1’、S(O)1’、ハロゲン、低級アルキル、低級ハロアルキル又は低級アルコキシであり;
1’は、H又は低級アルキルであり;
mは、0又は1であり;
pは、0、1又は2であり;
は、N(R4’)(R4”)であり;
4’及びR4”は、各々独立してH、低級アルキル、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級ハロアルキルであるか、又はR4’及びR4”は一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成し;
各Rは、独立してH、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ヒドロキシアルキル又は低級ハロアルキルである]で示される化合物又は薬学的に許容しうるその塩が提供される。
【0102】
本出願によれば、さらに式VI:
【0103】
【化8】


[式中、
Xは、CH、CH(OH)又はC(O)であり;
Yは、(CH(R))、O(CH(R))又はC(O)であり;
nは、0、1又は2であり;
Qは、CH、C(R)又はNであり;
Aは、CH、C(R)又はNであり;
及びRは、各々独立してCN、C(O)NH、S(O)1’、ハロゲン、低級アルキル、低級ハロアルキル又は低級アルコキシであり;
1’は、低級アルキルであり;
mは、0又は1であり;
pは、0、1又は2であり;
は、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、ハロゲン、CN、C(O)N(R1’、NHS(O)1’又はN(R3’)(R3”)であり;
3’及びR3”は、各々独立してH、低級アルキル、低級ハロアルキルであるか、又はR3及びR3は一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成し;
qは、0、1又は2であり;
は、N(R4’)(R4”)であり;
4’及びR4”は、各々独立してH、低級アルキル、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級ハロアルキルであるか、又はR4’及びR4”は一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成し;
各Rは、独立してH、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ヒドロキシアルキル又は低級ハロアルキルである]で示される化合物又は薬学的に許容しうるその塩が提供される。
【0104】
本出願によれば、さらに式VII:
【0105】
【化9】


[式中、
Xは、CH、CH(OH)又はC(O)であり;
Yは、(CH(R))、O(CH(R))又はC(O)であり;
nは、0、1又は2であり;
Qは、CH、C(R)又はNであり;
Aは、CH、C(R)又はNであり;
及びRは、各々独立してCN、C(O)NH、S(O)1’、ハロゲン、低級アルキル、低級ハロアルキル又は低級アルコキシであり;
1’は、低級アルキルであり;
mは、0又は1であり;
pは、0、1又は2であり;
は、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、ハロゲン、CN、C(O)N(R1’、NHS(O)1’又はN(R3’)(R3”)であり;
3’及びR3”は、各々独立してH、低級アルキル、低級ハロアルキルであるか、又はR3’及びR3”は一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成し;
qは、0、1又は2であり;
は、N(R4’)(R4”)であり;
4’及びR4”は、各々独立してH、低級アルキル、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級ハロアルキルであるか、又はR4’及びR4”は一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成し;
各Rは、独立してH、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ヒドロキシアルキル又は低級ハロアルキルである]で示される化合物又は薬学的に許容しうるその塩が提供される。
【0106】
本出願によれば、さらに
[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;
8−(1H−インドール−5−イルメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン;
5−(1H−インドール−5−イルメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン;
1−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−フェニル]−エチルアミン;
{(R)−1−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−フェニル]−エチル}−メチル−アミン;
{(S)−1−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−フェニル]−エチル}−メチル−アミン;
[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−3−メトキシ−ベンジル]−メチル−アミン;
[3−フルオロ−2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;
[2−(7−フルオロ−1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;
[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−6−メトキシ−ベンジル]−メチル−アミン;
8−(1H−インドール−5−イルメチル)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン;
[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−ベンジル]−メチル−アミン;
[2−(1H−インダゾール−5−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;
2−(1H−インドール−5−イルメチル)−フェニルアミン;
[2−(1H−インドール−6−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;
[2−(1H−インドール−4−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;
[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−ジメチル−アミン;
5−(2−アゼチジン−1−イルメチル−ベンジル)−1H−インドール;
エチル−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−アミン;
[5−フルオロ−2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;
2−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジルアミノ]−エタノール;
シクロプロピル−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−アミン;
2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジルアミン;
(1H−インドール−5−イル)−(2−メチルアミノメチル−フェニル)−メタノール;
5−(2−イミダゾール−1−イルメチル−ベンジル)−1H−インドール;
5−(2−ピペラジン−1−イル−ベンジル)−1H−インドール;
[5−クロロ−2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;
{2−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−フェニル]−エチル}−メチル−アミン;
5−(2−メチルアミノメチル−ベンジル)−1H−インドール−3−カルボニトリル;
5−(2−メチルアミノメチル−ベンジル)−1H−インドール−3−カルボン酸アミド;
メチル−[2−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イルメチル)−ベンジル]−アミン;
[3−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;
[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−4−メトキシ−ベンジル]−メチル−アミン;
[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−5−メトキシ−ベンジル]−メチル−アミン;
[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−アミン;
5−(2−メチルアミノメチル−ベンジル)−1H−インドール−2−カルボニトリル;
(2−ジメチルアミノメチル−フェニル)−(1H−インドール−5−イル)−メタノン;
4−(1H−インドール−5−イルメチル)−3−メチルアミノメチル−ベンゾニトリル;
[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−5−モルホリン−4−イル−ベンジル]−メチル−アミン;
5−(2−メチルアミノメチル−ベンジル)−1H−インドール−2−カルボン酸アミド;
N−[4−(1H−インドール−5−イルメチル)−3−メチルアミノメチル−フェニル]−メタンスルホンアミド;
1−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−フェニル]−ピペラジン−2−オン;
3−(1H−インドール−5−イルメチル)−4−メチルアミノメチル−ベンゾニトリル;
3−(1H−インドール−5−イルメチル)−4−メチルアミノメチル−ベンズアミド;
[4−(1H−インドール−5−イルメチル)−チアゾール−5−イルメチル]−メチル−アミン;
2−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−フェノキシ]−エチルアミン;
2−アミノ−1−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−フェニル]−エタノール;
5−(2−モルホリン−4−イル−ベンジル)−1H−インドール;
[2−(2−メタンスルホニル−1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;及び
5−(2−モルホリン−2−イル−ベンジル)−1H−インドール
よりなる群から選択される化合物が提供される。
【0107】
本発明の化合物は、セロトニン神経伝達、ノルエピネフリン神経伝達及び/又はドーパミン神経伝達に関連する疾患又は状態の処置に有用である。このような疾患及び状態として、抑鬱及び抗不安障害、ならびに総合失調症及び他の精神病、運動障害、薬物中毒、認知障害、アルツハイマー病、注意欠陥障害、例えば、ADHD、脅迫的行動、パニック発作、対人恐怖症、摂食障害、例えば、肥満、拒食症、大食症及び「過食症」、ストレス、高血糖症、高脂血症、インスリン非依存性糖尿病、発作性障害、例えば、てんかん、ならびに発作、脳損傷、脳虚血、頭部損傷及び出血から生じる神経障害などに関連する状態の処置が挙げられる。
【0108】
また、本発明の化合物は、尿路の障害及び疾患状態、例えば、緊張性尿失禁、切迫性尿失禁、良性前立腺肥大症(BPH)、前立腺炎、排尿筋反射亢進、排尿障害、頻尿、夜間頻尿、尿意切迫、過活動膀胱、骨盤過敏症、尿道炎、前立腺痛、膀胱炎、突発性膀胱過敏症の処置にも使用できる。
【0109】
また、本発明の化合物は、インビボの抗炎症性及び/又は鎮痛作用を有し、したがって、多種多様な原因の疼痛状態に関連する疾患状態、例えば、神経因性疼痛、炎症性疼痛、術後疼痛、内臓痛、歯痛、月経前疼痛、中心性疼痛、やけど、片頭痛又は群発頭痛、神経損傷、神経炎、神経痛、中毒、虚血性傷害、間質性膀胱炎、癌疼痛、ウイルス、寄生虫又は細菌感染、外傷後損傷(例えば、骨折及びスポーツ損傷)による疼痛、及び機能性腸障害、例えば、過敏性腸症候群による疼痛(これらには限定されない)の処置に有用性を見出すことが期待される。
【0110】
また、本発明の化合物は、関節炎、例えば、リウマチ性関節炎、脊椎関節症、痛風性関節炎、骨関節炎、全身性エリテマトーデス及び若年性関節炎、骨関節炎、痛風性関節炎及び他の関節炎状態(これらには限定されない)の処置にも有用である。
【0111】
一態様では、本出願により、本明細書に記載の化合物のうちのいずれか1種及び薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物が提供される。
【0112】
一態様では、本出願により、モノアミン再取り込み欠乏に関連する疾患を処置する方法であって、本明細書に記載の化合物のいずれか1種の薬学的有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む方法が提供される。
【0113】
一態様では、本出願により、不安症、鬱病又はこれらの両方を処置する方法であって、本明細書に記載の化合物のいずれか1種の薬学的有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む方法が提供される。
【0114】
本発明の方法による代表的な化合物を、SERT、NET及びDATのそれぞれについて、質量スペクトル(M+1)値及びpKとともに、表1に示す。
【0115】
【表1】













【0116】
本発明の化合物は、以下に示し、説明する具体的な合成反応スキームにおいて示されている種々の方法により製造することができる。
【0117】
これらの化合物を調製するのに使用される原料及び試薬は、一般に、商業的供給者、例えば、Aldrich Chemical Co.から入手可能であるか、又は文献、例えば、Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis;Wiley & Sons:New York, 1991, Volumes 1-15;Rodd's Chemistry of Carbon Compounds、Elsevier Science Publishers, 1989, Volumes 1-5 and Supplementals; and Organic Reactions, Wiley & Sons:New York, 1991, Volumes 1-40に記載の手順に準じて当業者に公知の方法により調製される。以下の合成反応スキームは、単に本発明の化合物を合成することのできる幾つかの方法を説明したものにすぎず、これらの合成反応スキームについては種々の修正をおこなうことができ、このことは、本出願に含まれる開示を参照した当業者に示唆を与えるであろう。
【0118】
合成反応スキームの原料及び中間体は、所望であれば、通常の方法、例えば、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなど(これらには限定されない)を用いて単離及び精製することができる。このような原料は、物理定数及びスペクトルデータを含む従来の手段を用いて特性決定することができる。
【0119】
特記のない限りは、本明細書に記載の反応は、好ましくは不活性雰囲気下、大気圧で、約−78℃〜約150℃、より好ましくは約0℃〜約125℃の反応温度範囲で、最も好ましくかつ便利にはほぼ室温(又は周囲温度)、例えば、約20℃でおこなわれる。
【0120】
本発明は、少なくとも1種の本発明の化合物、又は個々の異性体、異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、又はこれらの薬剤学的に許容しうる塩若しくは溶媒和物を、少なくとも1種の薬剤学的に許容しうる担体、ならびに場合により他の治療及び/又は予防成分と一緒に含む、医薬組成物を包含する。
【0121】
一般に、本発明の化合物は、類似の有用性を与える薬剤に許容される任意の投与の様式により、治療有効量で投与されよう。適切な用量範囲は、処置すべき疾患の重篤度、対象の年齢及び相対健康度、使用される化合物の効力、投与の経路及び剤形、投与が指示される適応症、ならびに担当医の優先傾向及び経験のような多数の要因に応じて、典型的には1日に1〜500mg、好ましくは1日に1〜100mg、そして最も好ましくは1日に1〜30mgである。そのような疾患を処置するような当業者であれば、過度の実験なしに、かつ個人の知識及び本出願の開示に頼って、所定の疾患に対する本発明の化合物の治療有効量を突きとめることができよう。
【0122】
本発明の化合物は、経口(バッカル及び舌下を包含する)、直腸内、鼻内、局所、肺内、膣内、若しくは非経口(筋肉内、動脈内、髄腔内、皮下及び静脈内を包含する)投与に適したものを包含する製剤として、又は吸入若しくは吹送による投与に適した剤形で、投与することができる。好ましい投与のやり方は、一般には、罹患の程度により調整することができる、便利な1日用量レジメンを用いた経口投与である。
【0123】
本発明の化合物は、1種以上の従来の補助剤、担体、又は希釈剤と一緒に、医薬組成物及び単位剤形にしてもよい。本医薬組成物及び単位剤形は、追加の活性化合物又は成分を含むか又は含まない、従来の割合の従来成分からなるものであってよく、そして単位剤形は、使用すべき所期の1日用量範囲に見合う任意の適切な有効量の活性成分を含有することができる。本医薬組成物は、経口使用のための、錠剤若しくは充填カプセル剤、半固体、粉剤、徐放性製剤のような固体として、又は液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、若しくは充填カプセル剤のような液体として;あるいは直腸内又は膣内投与のための坐剤の剤形で;あるいは非経口使用のための無菌注射液の剤形で利用することができる。よって1錠当たり約1mgの活性成分、又は更に広くは約0.01〜約100mgを含有する処方が、適切な代表的単位剤形である。
【0124】
本発明の化合物は、多種多様な経口投与剤形に処方することができる。本医薬組成物及び剤形は、本発明の化合物又は薬剤学的に許容しうるその塩を活性成分として含んでいてもよい。薬剤学的に許容しうる担体は、固体であっても又は液体であってもよい。固形調剤は、粉剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散性顆粒剤を包含する。固体担体は、希釈剤、香味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁剤、結合剤、保存料、錠剤崩壊剤、又は封入材料としても作用してよい、1種以上の物質であってよい。粉剤において、担体は一般に、微粉化活性成分との混合物である微粉化固体である。錠剤において、活性成分は一般に、必要な結合能力を有する担体と適切な割合で混合され、所望の形状及びサイズに圧縮される。粉剤及び錠剤は、好ましくは約1〜約70パーセントの活性化合物を含有する。適切な担体は、特に限定されないが、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、カカオ脂を包含する。「調剤」という用語は、担体を伴うか又は伴わない活性成分が、それを伴うある担体により囲まれているカプセル剤を与える、担体として封入材料を伴う活性化合物の処方を包含することが意図されている。同様に、カシェ剤及びトローチ剤が包含される。錠剤、粉剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、及びトローチ剤は、固形製剤として経口投与に適していよう。
【0125】
経口投与に適した他の剤形は、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤、水性懸濁剤を包含する液体調剤、又は使用の直前に液体調剤に変換することが意図された固体調剤を包含する。乳剤は、溶液として、例えば、水性プロピレングリコール溶液として調製することができるか、又は乳化剤、例えば、レシチン、モノオレイン酸ソルビタン、若しくはアラビアゴムなどを含有してもよい。水性液剤は、活性成分を水に溶解し、適切な着色料、香味料、安定化剤、及び増粘剤を加えることにより調製することができる。水性懸濁剤は、微粉化活性成分を粘性材料(天然又は合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び他の周知の懸濁剤など)と共に水に分散させることにより調製することができる。固体調剤は、液剤、懸濁剤、及び乳剤を包含し、そして活性成分の他に、着色料、香味料、安定化剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤を含有してもよい。
【0126】
本発明の化合物は、非経口投与(例えば、注射、例えば、ボーラス注射又は持続注入による)用に処方することができ、そしてアンプル、プレフィルドシリンジ、少量輸液にした単位剤形として、又は保存料を加えた反復投与用容器に入れて提示してもよい。本組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、又は乳濁液、例えば、水性ポリエチレングリコール中の溶液のような剤形をとってもよい。油性又は非水性担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルの例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、及び注射用有機エステル類(例えば、オレイン酸エチル)を包含し、そして保存料、湿潤剤、乳化剤又は懸濁剤、安定化剤及び/又は分散剤のような配合剤を含有してもよい。あるいは、活性成分は、滅菌固体の無菌分離により、又は溶液からの凍結乾燥により得られる、適切なビヒクル、例えば、発熱物質を含まない滅菌水で使用前に構成するための粉末形状であってもよい。
【0127】
本発明の化合物は、軟膏剤、クリーム剤若しくはローション剤として、又は経皮パッチとして、表皮への局所投与用に処方することができる。軟膏剤及びクリーム剤は、例えば、水性又は油性基剤と共に、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤を加えて処方することができる。ローション剤は、水性又は油性基剤と共に処方することができ、そして一般的にはまた1種以上の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、又は着色剤を包含するだろう。口内の局所投与に適した処方は、着香基剤、通常はショ糖及びアラビアゴム又はトラガント中に活性物質を含むトローチ剤;ゼラチン及びグリセリン又はショ糖及びアラビアゴムのような不活性基剤中に活性成分を含む香錠;ならびに適切な液体担体中に活性成分を含む含嗽剤を包含する。
【0128】
本発明の化合物は、坐剤としての投与用に処方することができる。脂肪酸グリセリドの混合物又はカカオ脂のような低融点ロウを最初に溶融して、例えば、撹拌することにより、活性成分を均質に分散させる。溶融した均質な混合物は次に、便利なサイズの鋳型に注ぎ入れ、冷却し、凝固するのを待つ。
【0129】
本発明の化合物は、膣内投与用に処方することができる。ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、発泡剤又はスプレー剤は、活性成分の他に、当該分野において適切であることが知られているような担体を含有する。
【0130】
対象化合物は、鼻内投与用に処方することができる。液剤又は懸濁剤が、従来手段により、例えば、スポイト、ピペット又はスプレーで鼻腔に直接適用される。本処方は、単回又は多回投与剤形で提供することができる。スポイト又はピペットの後者の場合には、これは、患者が適切な所定容量の液剤又は懸濁剤を投与することにより達成することができる。スプレーの場合には、これは、例えば、計量噴霧スプレーポンプを用いて達成することができる。
【0131】
本発明の化合物は、特に気道への、及び鼻内投与を含む、エーロゾル投与用に処方することができる。本化合物は、一般に、例えば、5ミクロン以下程度の小粒径を有する。このような粒径は、当該分野において既知の手段により、例えば、微粉化により得ることができる。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、若しくはジクロロテトラフルオロエタン、又は二酸化炭素若しくは他の適切なガスのような、適切な噴射剤での加圧パックとして提供される。このエーロゾルは、便利にはまたレシチンのような界面活性剤を含有してもよい。薬物の用量は、計量バルブにより制御することができる。あるいは活性成分は、ドライパウダーの剤形として、例えば、乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなデンプン誘導体、及びポリビニルピロリドン(PVP)のような、適切な粉末基剤中の化合物の粉末混合物として提供してもよい。この粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成するだろう。粉末組成物は、単位剤形として、例えば、カプセル剤、又は例えば、ゼラチンのカートリッジ、又はブリスターパック(吸入器を用いてそこから粉末を投与することができる)として提示することができる。
【0132】
必要に応じて、活性成分の徐放又は放出制御投与に適合させた腸溶性コーティングをした処方を調製することができる。例えば、本発明の化合物は、経皮又は皮下薬物送達装置中に処方することができる。これらの送達システムは、化合物の徐放が必要なとき、及びレジメンへの患者コンプライアンスが決定的に重要であるとき、有利である。経皮送達システム中の化合物は、しばしば皮膚接着性固体支持体に取り付けられる。当該化合物はまた、浸透増強剤、例えば、Azone(1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン)と合わせることができる。徐放送達システムは、手術又は注射により皮下層へと皮下挿入される。皮下インプラントは、脂溶性膜、例えば、シリコーンゴム、又は生分解性ポリマー、例えば、ポリ乳酸中に本化合物を封入している。
【0133】
本医薬製剤は、好ましくは単位剤形とされる。このような剤形では、本製剤は、適切な量の活性成分を含有する単位用量に細分される。この単位剤形は、包装された調剤であってよく、このパッケージは、パック入り錠剤、カプセル剤、及びバイアル又はアンプル入りの粉剤のような、離散量の調剤を含有する。また、この単位剤形は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、又はトローチ剤それ自体であってもよいか、あるいは包装された形の適切な数の任意のこれらであってもよい。
【0134】
他の適切な製剤担体及びその処方は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, E.W. Martin編, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。本発明の化合物を含有する代表的な製剤処方は、後述される。
【0135】
以下の調製及び実施例は、当業者が本発明をより明確に理解しかつ実施するために提供される。これらは、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではなくではなく、単に本発明の説明及び代表例と考えるべきである。
【0136】
キラル炭素がある化学構造中に存在するときにはいつも、そのキラル炭素に関連する全ての立体異性体は、特定の鏡像異性体を含むようにその構造に含まれることが意図される。
【0137】
実施例では、以下の略語を使用することがある:
【0138】
ACE−Cl クロロギ酸 α−クロロエチル
AcOH 酢酸
Bn ベンジル
(BOC)O 二炭酸ジ−tert−ブチル
t−BuLi tert−ブチルリチウム
t−BuOH tert−ブチルアルコール
m−CPBA 3−クロロペルオキシ安息香酸
DCE 1,2−ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン/塩化メチレン
DEA ジエチルアミン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DIBALH 水素化ジイソブチルアルミニウム
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMP デスマーチンペルヨージナン(酢酸 1,1−ジアセトキシ−3−オキソ−1λ*5*−ヨーダ−2−オキサ−インダン−1−イルエステル)
DMSO ジメチルスルホキシド
Dppf 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EDC 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
EtOAc 酢酸エチル
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
LAH 水素化リチウムアルミニウム
LHMDS リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
MeOH メタノール
MsCl メタンスルホニルクロリド
NMP 1−メチル−2−ピロリジノン
NBS N−ブロモスクシンイミド
PFBSF ペルフルオロブタンスルホニルフルオリド
PPTS ピリジニウムp−トルエンスルホナート
TBAF フッ化テトラブチルアンモニウム
TBAHS テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩
TBDMS tert−ブチルジメチルシリル
TMSI ヨードトリメチルシラン
TEA トリエチルアミン
TIPS トリイソプロピルシリル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMAF テトラメチルアンモニウムフルオリド
TMS トリメチルシリル
p−TsOH p−トルエンスルホン酸
【0139】
実施例1
【0140】
【化10】

【0141】
中間体Aの調製:酢酸エチル(400mL)中の2−メチル安息香酸エチル(15.0g、91mmol)を、N−ブロモスクシンイミド(19.5g、110mmol)で処理した。得られた溶液を、65W水銀−ハロゲンランプで16時間照射すると、それが十分な熱を供給し、溶液を穏やかに還流させた。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルと水を加えた(各々100mL)。有機層を分離後、水層を酢酸エチル(400mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、水で2回(各々100mL)、次にブライン(100mL)で洗浄しブライン、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Aを黄色の油状物として得た(21.3g)。
【0142】
中間体Bの調製:1,2−ジメトキシエタン(120mL)中のA(6.9g、28mmol)、インドール−5−ボロン酸(7.3g、45mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.64g、1.5mmol)及びフッ化セシウム(13.8g、91mmol)の混合物を、85℃で44時間撹拌した。得られた暗褐色の懸濁液をセライトで濾過し、固体をジエチルエーテルで洗浄した。粗生成物を、シリカゲル(20g)に吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Bを黄色の油状物として得た(4.8g)。
【0143】
中間体Cの調製:トルエン(60mL)中のメチルアミン塩酸塩(9.3g、138mmol)の撹拌懸濁液に、0℃で、トルエン中のトリメチルアルミニウムの溶液(2M、69mL、138mmol)を、30分間かけて滴加した。得られた溶液を、0℃で5分間、続いて室温で2.5時間撹拌し、次にトルエン(360mL)中のB(12.8g、46mmol)の溶液に、15分間かけて滴加した。得られた混合物を、80℃で3日間撹拌し、次に0℃に冷却し、塩酸水溶液(1M、200mL)で注意深く処理した。混合物を、減圧下で容量200mLまで濃縮し、酢酸エチル(700mL、次に300mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル抽出物を、水及びブライン(各々100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Cを黄色の固体として得た(11.7g)。
【0144】
1の調製:THF(300mL)中のC(10.6g、40mmol)の溶液に、THF中の水素化リチウムアルミニウムの溶液(1M、161mL、161mmol)の溶液を、45分間かけて滴加した。混合物を攪拌し、40時間加熱還流し、次に0℃に冷却し、泡立ちが認められなくなるまで粉砕した硫酸ナトリウム十水和物で処理した。得られた混合物を、室温で2時間撹拌し、次にセライトで濾過した。固体を、ジクロロメタンとメタノールとの混合物で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮し、そうして得られた残留物を酢酸エチル(400mL)と水(60mL)に分配した。水層を更なる酢酸エチル(400mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を水とブライン(各々60mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた褐色の半固体残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、1の遊離塩基を紫色の固体として得た(7.34g)。酢酸エチル(150mL)及びエタノール(0.5mL)中の1の遊離塩基(5.28g、20mmol)の懸濁液を、加熱還流し、熱濾過し、0℃に冷却した。その冷却溶液に、ジエチルエーテル中の塩化水素の溶液(1M、42mL、42mmol)を、30分間かけて滴加した。得られた懸濁液を、0℃で30分間撹拌し、濾過した。固体を、冷ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥させて、1をオフホワイトの粉末として得た(5.75g)。
【0145】
表Iに示した化合物で同様に調製したものには、化合物7、8、9、10、12、13、15、16、20、27、31、32、33及び34が含まれる。
【0146】
実施例2
【0147】
【化11】

【0148】
中間体Bの調製については:上記実施例1を参照されたい。
【0149】
中間体Dの調製:THF(100mL)中のB(4.1g、15mmol)の溶液を、撹拌しながら0℃に冷却し、それからTHF中の水素化リチウムアルミニウムの溶液(1M、16mL、16mmol)を、20分間かけて滴加した。0℃で2.5時間撹拌を継続し、続いて微粉硫酸ナトリウム十水和物を加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、次に珪藻土により濾過した。フィルターケーキをメタノール及びジクロロメタンで洗浄し、合わせた濾液を減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、水と酢酸エチルに分配し、酢酸エチル層を水とブラインで順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Dをオフホワイトの固体として得た(3.0g)。
【0150】
中間体Eの調製:ジクロロメタン(48mL)中のD(1.2g、5.16mmol)の溶液に、活性酸化マンガン(IV)(6.2g、61mmol)を加えた。得られた黒色の懸濁液を、1.5時間撹拌還流し、ガラスマイクロファイバーフィルターにより熱いまま濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Eを明褐色の固体として得た(0.96g)。
【0151】
17の調製:E(0.10g、0.43mmol)とジメチルアミン(0.51mmol;2.0M、THF中の2.0M溶液0.26mL)の溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.13g、0.60mmol)を加えた。混合物を、室温で4.5時間撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を、水とブラインで順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた明褐色の油状物(0.12g)を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、17を明灰色の油状物として得た(0.10g)。
【0152】
表Iに示した化合物で同様に調製したものには、化合物18、19、21、22、23、35、38、43、44及び45が含まれる。
【0153】
実施例3
【0154】
【化12】

【0155】
中間体Fの調製:THF(20mL)中の2−(tert-ブトキシカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−8−カルボン酸(1.0g、3.6mmol)の攪拌溶液に、0℃で、THF中のボランの溶液(1.0M、7.2mL、7.2mmol)を加えた。得られた溶液を、0℃で20分間、続いて室温で1時間撹拌した。メタノールを加え、混合物を減圧下で濃縮した。そうして得られた残留物をエーテルと水酸化ナトリウム水溶液に分配し、エーテル層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Fを無色の油状物として得て、それを静置して凝固させた(0.98g)。
【0156】
中間体Gの調製:ジクロロメタン(10mL)中のF(3.0g、11mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(9mL)を加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を、2.5N水酸化ナトリウム水溶液で塩基性とし、ジクロロメタンで抽出した。抽出物を合わせて、少量のブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、Gを明黄色の油状物として得た(2.5g)。
【0157】
中間体Hの調製:ジクロロメタン(50mL)中のG(2.5g、15mmol)の溶液に、無水トリフルオロ酢酸(7.0g、33mmol)とピリジン(6.2g、45mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。次に、混合物を、2N塩酸水溶液、飽和重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで連続して洗浄した。次に、有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた残留物を、メタノールに溶解し、炭酸ナトリウム(1.6g、15mmol)とともに室温で1時間撹拌し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をジクロロメタンと2N塩酸水溶液に分配し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮してHを油状物として得て(2.3g)、それをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0158】
中間体Iの調製:ジクロロメタン(50mL)中のH(2.3g、8.9mmol)、四臭化炭素(4.4g、13mmol)及びトリフェニルホスフィン(3.5g、13mmol)の混合物を、室温で5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Iを白色の固体として得た。
【0159】
中間体Jの調製:1,2−ジメトキシエタン(10mL)中のI(0.25g、0.78mmol)、インドール−5−ボロン酸(0.14g、0.85mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.04g、0.04mmol)及びフッ化セシウム(0.35g、2.3mmol)の混合物を、5時間撹拌還流した。得られた懸濁液を濾過し、濾液を塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Jを黄色の固体として得た(0.17g)。
【0160】
2の調製:メタノール(10mL)と水(0.6mL)中のJ(0.17g、0.47mmol)の溶液に、炭酸カリウム(0.33g、2.4mmol)を加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌し、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、2を白色の固体として得た(0.10g)。
【0161】
11の調製:1,2−ジクロロエタン(2mL)中の2(0.050g、0.19mmol)の溶液に、ホルムアルデヒド(20%水溶液0.04mL、0.38mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.080g、0.38mmol)を加え、得られた混合物を、室温で1時間撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1mL)を加え、混合物を珪藻土により濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、11を泡状物として得た(0.040g)。
【0162】
表Iに示した化合物で同様に調製したものには、化合物3が含まれる。
【0163】
実施例4
【0164】
【化13】

【0165】
中間体Eの調製:上記実施例2を参照されたい。
【0166】
中間体Kの調製:THF中のE(0.68g、2.9mmol)の攪拌溶液に、−78℃で、臭化メチルマグネシウム溶液(ジエチルエーテル中3.0M、4.8mL、14mmol)を滴加した。反応混合物を、室温までゆっくりと温め、3時間撹拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチした。得られた溶液を水とジエチルエーテルに分配し、エーテル層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Kを得た(0.62g)。
【0167】
中間体Lの調製:ジクロロメタン(20mL)中のK(0.62g、2.5mmol)の溶液に、酸化マンガン(II)(2.1g、25mmol)を加え、得られた混合物を16時間撹拌還流した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Lを得た。
【0168】
5及び6の調製:中間体L(0.10g、0.40mmol)をチタン(IV)イソプロポキシド(0.2g、0.7mmol)と混合し、続いてメタノール(2mL)及びメチルアミン(エタノール中33%溶液、0.075mL)を加えた。得られた混合物を室温で4時間撹拌し、その時点でそれをメタノール(4mL)で希釈し、水素化ホウ素ナトリウム(0.061g、1.6mmol)を加えた。得られた混合物を室温で30分間撹拌し、次に固体重炭酸ナトリウムで処理した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、キラルHPLC(20x250mm Chiralpak AD分取カラム(エタノールヘキサン)への頻回注入による)により精製して、単一鏡像異性体5及び6を得た。
【0169】
表Iに示した化合物で同様に調製したものには、化合物4が含まれる。
【0170】
実施例5
【0171】
【化14】

【0172】
中間体Mの調製:1,2−ジメトキシエタン(50mL)中の、2−ニトロベンジルブロミド(2.5g、12mmol)、インドール−5−ボロン酸(3.0g、19mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)(0.67g、0.58mmol)及びフッ化セシウム(5.6g、37mmol)の混合物を、3時間撹拌還流した。得られた暗褐色の懸濁液を珪藻土により濾過し、固体をジエチルエーテルで洗浄した。合わせた濾液を、減圧下で濃縮し、そうして得られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Mを淡黄色の固体として得た(1.3g)。
【0173】
14の調製:エタノール(50mL)中のM(1.1g、4.4mmol)の溶液に、10%パラジウム担持炭(0.10g、Degussa型)を加え、混合物を水素バルーン雰囲気下で16時間撹拌した。反応混合物を、珪藻土により濾過し、減圧下で濃縮して、14を明褐色の固体として得た(0.92g)。
【0174】
26の調製:n−ブタノール(15mL)中の14(0.82g、3.7mmol)、ビス(クロロエチルアミン)塩酸塩(0.72g、4.1mmol)及び炭酸カリウム(1.3g、9.2mmol)の混合物を撹拌し、8時間加熱還流した。反応混合物を、室温まで冷却し、減圧下で濃縮し、水とジクロロメタンに分配した。ジクロロメタン抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、白色の固体を得て、それを、エタノール(5mL)に溶解し、塩化水素(ジエチルエーテル中1.0M)で処理し、減圧下で濃縮して、26を明褐色の粉末として得た(0.17g)。
【0175】
表Iに示した化合物で同様に調製したものには、化合物48が含まれる。
【0176】
実施例6
【0177】
【化15】

【0178】
中間体Nの調製:THF(100mL)中の5−ブロモ−1−トリイソプロピルシリルインドール(12.9g、37mmol)の混合物に、−78℃で、tert-ブチルリチウム溶液(ペンタン中1.7M、52mL)を滴加した。得られた混合物を、−78℃で20分間撹拌し、この時点で、THF(75mL)中の2−シアノベンズアルデヒト(9.6g、73mmol)の溶液を一度に素早く加えた。反応混合物を、−78℃で30分間撹拌し、次に室温まで温め、この時点で、それを飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチした。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Nを明黄色の固体として得た(6.1g)。
【0179】
中間体Oの調製:DMSO(25mL)中のN(3.2g、7.8mmol)のスラリーに、トリエチルアミン(9.8g、51mmol)、続いてDMSO(15mL)中の三酸化硫黄−ピリジン錯体(3.7g、24mmol)の溶液を加えた。得られた混合物を、室温で16時間撹拌し、次に水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Oを得た(1.6g)。
【0180】
中間体Pの調製:メタノール中のO(1.4g、5.9mmol)の溶液に、ジ−tert-ブチルジカーボナート(2.6g、12mmol)及び塩化ニッケル(II)六水和物(0.14g、0.58mmol)を加え、得られた混合物を撹拌しながら0℃に冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(2.2g、59mmol)を少しづつ加え、得られた混合物を室温まで温め、16時間撹拌した。ジエチレントリアミン(0.67g、5.9mmol)を加え、撹拌を3時間継続した。メタノールを減圧下での濃縮により除去し、そうして得られた残留物を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液に分配した。酢酸エチル層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Pを泡状物として得た(1.0g)。
【0181】
24の調製:THF(5mL)中のP(0.50g、1.4mmol)の溶液を、水素化リチウムアルミニウム溶液(THF中1.0M、14mL、14mmol)で処理し、得られた混合物を16時間撹拌還流した。室温に冷却後、ロッシェル塩水溶液を加え、撹拌した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、24を泡状物として得た(0.28g)。
【0182】
実施例7
【0183】
【化16】

【0184】
中間体Dの調製:上記実施例2を参照したい。
【0185】
中間体Qの調製:四塩化炭素(20mL)中のD(0.99g、4.2mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(2.2g、8.4mmol)を加え、得られた混合物を16時間撹拌還流した。粗生成物を、シリカゲル(5g)に吸着し、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Qを黄色の油状物として得た(0.26g)。
【0186】
25の調製:DMSO(2.5mL)中のQ(0.10g、0.39mmol)とイミダゾール(0.13g、2.0mmol)を含有する溶液を、撹拌しながら4時間100℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水と酢酸エチルに分配し、有機層を、水とブラインで順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、25を灰色の泡状物として得た(0.079g)。
【0187】
実施例8
【0188】
【化17】

【0189】
中間体Rの調製:四塩化炭素(40mL)中の過酸化ベンゾイル(0.34g、0.98mmol)とN−ブロモスクシンイミド(6.8g、38mmol)のスラリーを、撹拌しながら加熱還流した。このスラリーに、四塩化炭素(30mL)中の2−メチルフェニルアセトニトリル(5.0g、38mmol)の溶液を滴加した。得られた混合物を、4時間撹拌還流し続け、次に室温に冷却し、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Rを明黄色の固体として得た(3.2g)。
【0190】
中間体Sの調製:1,2−ジメトキシエタン(11mL)中のR(0.50g、2.4mmol)、インドール−5−ボロン酸(0.42g、2.6mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.14g、0.12mmol)及びフッ化セシウム(1.1g、7.1mmol)の混合物を、85℃で1時間撹拌した。冷却後、得られた暗褐色の懸濁液を珪藻土で濾過し、濾液を水と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Sを黄色の油状物として得た(0.20g)。
【0191】
中間体Tの調製:メタノール(8mL)中のS(0.20g、0.81mmol)の溶液に、0℃で、ジ−tert-ブチルジカーボナート(0.35g、1.6mmol)及び塩化ニッケル(II)六水和物(0.02g、0.08mmol)を添加し、続いて水素化ホウ素ナトリウム(0.30g、8.1mmol)を少しづつ加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、ジエチレントリアミン(0.67g、5.9mmol)を加え、撹拌を3時間継続した。メタノールを減圧下での濃縮により除去し、そうして得られた残留物を、酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液に分配した。酢酸エチル層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、Tを得た(0.10g)。
【0192】
28の調製:THF(18mL)中のT(0.66g、1.9mmol)の溶液を、水素化リチウムアルミニウム溶液(THF中1.0M、12mL、12mmol)で処理し、得られた混合物を16時間撹拌還流した。室温まで冷却後、水酸化ナトリウム水溶液(2.5N)を滴加し、得られた沈殿物を珪藻土により濾過することにより除去した。濾液を減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、28を白色の固体として得た(0.41g)。
【0193】
実施例9
【0194】
【化18】

【0195】
1(遊離塩基)の調製:上記実施例1を参照されたい。
【0196】
中間体Uの調製:水(2mL)中の1(0.10g、0.42mmol)のスラリーに、トリエチルアミン(0.12g、0.63mmol)とジオキサン(2mL)を加えた。固体2−(トリメチルシリル)エチルカーボナート−O−スクシンイミド(0.12g、0.46mmol)を加え、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。エーテルを加え、混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液及びブラインで連続して洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Uを無色の油状物として得た(0.15g)。
【0197】
中間体Vの調製:DMF(8mL)中のU(0.60g、1.5mmol)の溶液に、粉砕した水酸化カリウム(0.21g、3.8mmol)を添加し、続いてDMF(2mL)中のヨウ素(0.38g、1.5mmol)の溶液を滴加した。室温で45分間撹拌後、10%亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、混合物をエーテル及び酢酸エチルで抽出した。有機層を、水及びブラインで連続して洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた残留物を、DMF(8mL)に溶解し、水素化ナトリウム(0.12g、3.0mmol)を加えた。室温で30分間撹拌後、塩化ベンゼンスルホニル(0.32g、1.8mmol)を加え、撹拌を16時間継続した。水を加え、得られた混合物をジエチルエーテルで抽出した。有機層を、水とブラインで順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Vを得た(0.16g)。
【0198】
中間体Wの調製:ジオキサン(3mL)中のV(0.16g、0.24mmol)、シアン化第一銅(0.087g、0.97mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.011g、0.012mmol)及びジフェニルホスフィノフェロセン(0.027g、0.048mmol)の混合物を、撹拌しながら1時間加熱還流した。室温に冷却後、混合物を濾過し、固体を酢酸エチルで洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Wを白色の泡状物として得た(0.12g)。
【0199】
中間体Xの調製:メタノール(10mL)と水(2mL)中のW(0.69g、1.2mmol)と炭酸カリウム(0.51g、3.7mmol)の溶液を、室温で1時間撹拌した。混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Xを得た。
【0200】
29の調製:THF中のX(0.64g、1.5mmol)の溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム溶液(THF1.0M、6mL、6mmol)を加え、得られた混合物を60℃で2時間加熱した。室温まで冷却後、混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機層を水及びブラインで連続して洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、29を得た(0.20g)。
【0201】
30の調製:エタノール(2mL)及び水(2mL)中の、29(0.13g、0.47mmol)及び水酸化カリウム(0.40g、7.1mmol)の混合物を、150℃で1時間マイクロ波照射下で加熱した。減圧で濃縮し、続いてフラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)に付して、30を得た(0.050g)。
【0202】
実施例10
【0203】
【化19】

【0204】
Bの調製:上記実施例1を参照されたい。
【0205】
中間体Yの調製:DMF(15mL)中のB(0.85g、3.1mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(0.18g、4.6mmol)、続いて塩化ベンゼンスルホニル(0.65g、3.7mmol)を加えた。得られた混合物を、室温で16時間撹拌し、水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Yを得た(0.64g)。
【0206】
中間体Zの調製:THF(15mL)中のY(0.64g、1.5mmol)の溶液を、0℃で水素化リチウムアルミニウム溶液(THF中1.0M、1.6mL、1.6mmol)により処理し、得られた混合物を0℃で1.5時間撹拌した。数滴の水、続いてロッシェル塩水溶液、次に酢酸エチルを加え、室温で撹拌した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、Zを油状物として得た(0.49g)。
【0207】
中間体AAの調製:DMF(10mL)中のZ(0.49g、1.3mmol)、tert-ブチルジメチルシリルクロリド(0.21g、1.4mmol)及びイミダゾール(0.10g、1.5mmol)の混合物を、室温で16時間撹拌した。次に、反応混合物を水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、そうして得られた残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、AAを無色の油状物として得た(0.52g)。
【0208】
中間体BBの調製:THF中のAA(0.095g、0.19mmol)及びN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(0.045g、0.39mmol)の攪拌溶液に、−78℃で、tert-ブチルリチウム溶液(ペンタン中1.7M、0.25mL、0.42mmol)を滴加した。−78℃で1時間撹拌後、THF中のシアン酸フェニル(0.035g、0.29mmol)の溶液を加え、次に−78℃での撹拌を1.5時間継続し、続いて0℃で1時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し、次に反応混合物を水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、BBを得た(0.058g)。
【0209】
中間体CCの調製:THF(3mL)中のBB(0.058g、0.11mmol)の溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム溶液(THF中1.0M、0.16mL、0.16mmol)を加え、得られた混合物を2時間加熱還流した。室温まで冷却後、混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、CCを得た(0.021g)。
【0210】
中間体DDの調製:ジクロロメタン(5mL)中のCC(0.15g、0.57mmol)の溶液に、活性酸化マンガン(IV)(0.50g、5.7mmol)を加えた。得られた黒色の懸濁液を、16時間撹拌還流し、ガラスマイクロファイバーフィルターにより熱いまま濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、DDを明褐色の固体として得た(0.080g)。
【0211】
36の調製:エタノール中のDD(0.08g、0.3mmol)の溶液に、メチルアミン(エタノール中33%溶液、0.7mL)を加え、得られた混合物を室温で4時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(0.023g、0.6mmol)を加え、撹拌を10分間継続した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加え、粗残留物をシリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、36を白色の泡状物として得た(0.097g)。
【0212】
40の調製:エタノール(2mL)中の36(0.050g、0.18mmol)の溶液を、水酸化ナトリウム水溶液(2.5N、0.72mL、1.8mmol)で処理し、得られた混合物を2時間60℃に加熱し、続いて80℃で30分間加熱した。混合物を、珪藻土により濾過し、固体をジクロロメタンで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮し、続いてフラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)に付して40を得た(0.010g)。
【0213】
実施例11
【0214】
【化20】

【0215】
中間体EEの調製:Chem. Eur. J. 1997,3,399を参照されたい。
【0216】
中間体FFの調製:ジエチルエーテル(40mL)中の5−ブロモ−1−トリイソプロピルシリルインドール(1.8g、5.0mmol)の混合物に、−78℃で、tert-ブチルリチウム溶液(1.7Mペンタン溶液、6.5mL、11mmol)を滴加した。得られた混合物を、−78℃で15分間撹拌し、その時点で、ジエチルエーテル(20mL)中のEE(1.9g、5.1mmol)の溶液を一度に素早く加えた。反応混合物を、−78℃で1時間撹拌し、その時点で、それを飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチした。混合物を水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、FFを白色の泡状物として得た(2.4g)。
【0217】
中間体GGの調製:ジクロロエタン(10mL)中のFF(0.60g、0.92mmol)の溶液に、活性酸化マンガン(IV)(0.80g、9.2mmol)を加えた。得られた黒色の懸濁液を3時間撹拌還流し、室温に冷却し、次に濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、GGを得た(0.59g)。
【0218】
中間体HHの調製:THF(10mL)中のGG(0.59g、0.92mmol)の溶液に、フッ化テトラメチルアンモニウム四水和物(0.3g、1.8mmol)を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。フッ化テトラブチルアンモニウム溶液(THF中1.0M、0.92mL、0.92mmol)を加え、撹拌を1時間継続した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、HHを得た(0.23g)。
【0219】
中間体IIの調製:ジクロロメタン(9mL)中のHH(0.23g、0.91mmol)の溶液に、活性酸化マンガン(IV)(0.80g、9.2mmol)を加えた。得られた黒色の懸濁液を3時間撹拌還流し、室温に冷却し、次に濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、IIを白色の泡状物として得た(0.16g)。
【0220】
37の調製:ジクロロメタン(6mL)中の、II(0.16g、0.66mmol)及びジメチルアミン(1.3mmol;THF中2.0M溶液0.65mL)の溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.21g、0.97mmol)を加えた。混合物を、室温で16時間撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加え、混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、37を明ピンク色の泡状物として得た(0.13g)。
【0221】
実施例12
【0222】
【化21】

【0223】
中間体JJの調製:1,2−ジメトキシエタン(10mL)中の2−ブロモメチル−5−ニトロ安息香酸メチル(0.45g、1.6mmol)、インドール−5−ボロン酸(0.42g、2.6mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.095g、0.082mmol)及びフッ化セシウム(0.80g、5.3mmol)の混合物を、4時間撹拌還流した。室温に冷却後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチル抽出した。合わせた有機抽出物を、水とブラインで連続して洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、JJを黄色の油状物として得た(0.18g)。
【0224】
中間体KKの調製:メタノール(2mL)及び酢酸エチル(0.5mL)中のJJ(0.17g、0.55mmol)の溶液に、10%パラジウム担持炭(0.011g)を加えた。反応混合物を、水素バルーン雰囲気下で2.5時間撹拌し、次に珪藻土により濾過し、それをメタノールですすいだ。合わせた濾液を減圧下で濃縮して、KKを黄色の固体として得た(0.16g)。
【0225】
中間体LLの調製:トルエン(0.7mL)中のKK(0.15g、0.54mmol)、ビス(2−ブロモエチル)エーテル(0.12g、0.54mmol)及びエチルジイソプロピルアミン(0.16g、1.3mmol)の混合物を、110℃で16時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を水とブラインで連続して洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、LLを黄色の固体として得た(0.12g)。
【0226】
中間体MMの調製:THF(3mL)中のLL(0.12g、0.34mmol)の撹拌懸濁液を、0℃で水素化リチウムアルミニウム溶液(1.0MTHF溶液、0.38mL、3.8mmol)で処理し、得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。粉砕した硫酸ナトリウム十水和物を加え、混合物を室温まで温め、2時間撹拌した。固体を濾過により除去し、ジクロロメタン及びメタノールで洗浄し、合わせた濾液を、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物をジクロロメタンと水に分配し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、MMを黄色の固体として得た(0.11g)。
【0227】
中間体NNの調製:ジクロロメタン(4mL)中のMM(0.10g、0.31mmol)の溶液に、活性酸化マンガン(IV)(0.39g、4.5mmol)を加えた。得られた黒色の懸濁液を3時間撹拌還流し、その時点で、活性酸化マンガン(IV)(0.39g、4.5mmol)を追加して加え、撹拌還流を16時間継続した。温混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、NNを黄色の固体として得た(0.042g)。
【0228】
39の調製:メタノール(0.3mL)中のNN(0.040g、0.12mmol)の溶液に、メチルアミン(エタノール中33%溶液、0.23mL)を加え、得られた混合物を室温で16時間撹拌し、ジクロロメタン(0.3mL)を加え、撹拌を3時間継続した。水素化ホウ素ナトリウム(0.009g、0.2mmol)を加え、撹拌を1.5時間継続した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加え、混合物を、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水及びブラインで連続して洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、39の遊離塩基を明黄色の固体(0.043g、0.13mmol)として得て、それをメタノール(0.15mL)に溶解し、フマル酸(0.015g、0.13mmol)で処理した。混合物をジイソプロピルエーテル(1mL)で希釈し、濾過し、真空下で乾燥させて、39を粉末のフマル酸塩(明ピンク色)として得た(0.041g)。
【0229】
実施例13
【0230】
【化22】

【0231】
中間体KKの調製については:上記実施例12を参照されたい。
【0232】
中間体OOの調製:ジクロロメタン(10mL)中のKK(0.17g、0.61mmol)の溶液を、0℃に冷却し、次にトリエチルアミン(0.081g、0.79mmol)、続いて塩化メタンスルホニル(0.078g、0.67mmol)を加えた。撹拌を0℃で2時間継続し、続いて室温で20時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、更なるトリエチルアミン(0.02mL)及び塩化メタンスルホニル(0.01mL)を加え、続いて室温で3時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、OOを明黄色の油状物として得た(0.14g)。
【0233】
中間体PPの調製:THF(3mL)中のOO(0.12g、0.33mmol)の撹拌懸濁液を、0℃で水素化リチウムアルミニウム溶液(THF中1.0M、0.38mL、3.8mmol)で処理し、得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。破砕した硫酸ナトリウム十水和物を加え、混合物を室温まで温め、2時間撹拌した。固体を濾過により除去し、ジクロロメタン及びメタノールで洗浄し、合わせた濾液を減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物をジクロロメタンと水に分配し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、PPを明黄色の固体として得た(0.069g)。
【0234】
中間体QQの調製:ジクロロエタン(2.5mL)中のPP(0.066g、0.20mmol)の溶液に、活性酸化マンガン(IV)(0.24g、2.4mmol)を加えた。得られた黒色の懸濁液を、2.5時間撹拌還流した。温混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、QQを褐色の固体として得た(0.079g、純度80%)。
【0235】
41の調製:QQ(0.076g、純度80%、0.19mmol)に、メチルアミン溶液(エタノール中33%、0.35mL)を加え、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(0.014g、0.37mmol)を加え、撹拌を1.5時間継続した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加え、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、41をオフホワイトの泡状物として得た(0.037g)。
【0236】
実施例14
【0237】
【化23】

【0238】
14の調製については:実施例5を参照されたい。
【0239】
中間体RRの調製:水(1mL)中の重炭酸カリウム(0.17g、1.7mmol)の溶液に、酢酸イソプロピル(1.5mL)中の14(0.20g、0.90mmol)の溶液を加えた。得られた混合物を撹拌しながら0℃に冷却し、塩化クロロアセチル(0.14g、1.2mmol)を10分間かけて滴加した。次に、混合物を室温で1時間撹拌し、水層を除去し、有機層にエタノールアミン(0.21g、3.4mmol)を加え、得られた混合物を70℃で16時間撹拌した。更なるエタノールアミン(0.55g、9.0mmol)を加え、撹拌を55℃で3時間継続した。反応混合物を室温まで冷却し、水と酢酸イソプロピルに分配し、有機層を水とブラインで連続して洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、RRを明褐色の油状物として得た(0.15g)。
【0240】
42の調製:酢酸エチル(0.5mL)中のトリ−n−ブチルホスフィン(0.12g、0.59mmol)の溶液に、−10℃でアゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.13g、0.59mmol)を加え、得られた溶液を、酢酸エチル(1mL)中のRR(0.15g、0.46mmol)の溶液に−10℃で滴加した。得られた混合物を、室温で1.5時間撹拌し、次に水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を水とブラインで連続して洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、42をオフホワイトの泡状物として得た(0.069g)。
【0241】
実施例15
【0242】
【化24】

【0243】
中間体SSの調製:1,2−ジメトキシエタン(30mL)中の1−ベンジルオキシ−2−ブロモメチル−ベンゼン(1.6g、5.8mmol)、インドール−5−ボロン酸(1.5g、10mmol)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.34g、0.29mmol)及びフッ化セシウム(2.9g、19mmol)の混合物を、85℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水と酢酸エチルに分配し、有機層を水とブラインで連続して洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、SSを黄色の油状物として得た(1.1g)。
【0244】
中間体TTの調製:DMF(14mL)中のSS(1.2g、3.8mmol)の攪拌溶液に、0℃で水素化ナトリウム(60%分散、0.45g、11mmol)を加え、混合物を30分間撹拌し、続いて塩化ベンゼンスルホニル(0.79g、4.5mmol)を滴加した。得られた混合物を0℃で1時間、室温で48時間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水とブラインで連続して洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、TTを黄色の油状物として得た(0.83g)。
【0245】
中間体UUの調製:メタノール(4mL)及び酢酸エチル(1mL)中のTT(0.79g、2.0mmol)の溶液に、20%Pd(OH)2担持炭(0.082g)を加え、混合物を水素(50psi)下で16時間震盪した。反応混合物を珪藻土により濾過し、それをメタノールですすぎ、濾液を減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、UUを黄色の油状物として得た(0.19g)。
【0246】
中間体VVの調製:アセトン(5mL)中のUU(0.17g、0.47mmol)及び炭酸カリウム(0.26g、1.9mmol)の混合物を、アセトン(2.5mL)中のブロモアセトニトリル(0.069g、0.58mmol)の溶液を滴下して処理した。反応混合物を、撹拌し、40℃で2時間加熱した。室温まで冷却後、混合物を濾過し、濾液を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、VVを褐色の油状物として得た(0.20g)。
【0247】
46の調製:THF(4.5mL)中のVV(0.2g、0.5mmol)の溶液に、THF中の水素化リチウムアルミニウムの溶液(1M、1.8mL、1.8mmol)を10分間かけて滴加した。混合物を撹拌し、2.5時間加熱還流し、次に0℃に冷却し、泡立ちが認められなくなるまで微粉硫酸ナトリウム十水和物で処理した。ロッシェル塩水溶液(1M、10mL)を加え、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。水を加え、ジクロロメタンで抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた褐色の油状残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、46を明褐色の固体として得た(0.013g)。
【0248】
実施例16
【0249】
【化25】

【0250】
中間体Eの調製について:上記実施例2を参照されたい。
【0251】
中間体WWの調製:THF(4mL)中のE(0.28g、1.2mmol)の攪拌溶液に、0℃で水素化ナトリウム(60%分散、0.14g、3.6mmol)を加え、混合物を30分間撹拌し、続いて塩化ベンゼンスルホニル(0.25g、1.4mmol)を滴加した。得られた混合物を0℃で1時間、室温で6日間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水とブラインで順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、WWを黄色の油状物として得た(0.14g)。
【0252】
中間体XXの調製:THF(1mL)中のニトロメタン(0.044g、0.72mmol)の溶液に、n−ブチルリチウム溶液(ヘキサン中1.6M、0.47mL、0.75mmol)を−76℃で滴加した。得られた混合物を、−76℃で30分間撹拌し、その時点で、THF(1mL)中のWW(0.13g、0.36mmol)の溶液を滴加した。−76℃での撹拌を1.5時間継続し、続いて室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を水と飽和塩化アンモニウム水溶液を添加することによりクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を水とブラインで順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、XXを黄色の油状物として得た(0.14g)。
【0253】
47の調製:THF(3mL)中のXX(0.14g、0.32mmol)の溶液に、THF中の水素化リチウムアルミニウムの溶液(1M、1.3mL、1.3mmol)を10分間かけて滴加した。混合物を撹拌し、2.5時間加熱還流し、次に0℃まで冷却し、泡立ちが認められなくなるまで微粉硫酸ナトリウム十水和物で処理した。ロッシェル塩水溶液(1M、10mL)を加え、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。水を加え、ジクロロメタンで抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた黄色の油状残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、47をオフホワイトの固体として得た(0.023g)。
【0254】
実施例17
【0255】
【化26】

【0256】
AAの調製:上記実施例10を参照されたい。
【0257】
中間体YYの調製:THF中のAA(0.64g、1.3mmol)及びN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(0.26g、2.2mmol)の攪拌溶液に、−78℃でtert-ブチルリチウム(ペンタン中1.7M、1.5mL、2.4mmol)を滴加した。−78℃で1時間撹拌後、S−メチルメタンチオスルホナート(0.43g、3.3mmol)を加え、次に−78℃での撹拌を1.5時間継続し、続いて0℃で1時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、次に反応混合物を水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、YYを得た(0.60g)。
【0258】
中間体ZZの調製:ジクロロメタン(17mL)中のYY(0.60g、1.1mmol)の溶液に、meta−クロロ過安息香酸(0.38g、2.2mmol)を加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。更なるmeta−クロロ過安息香酸(0.38g、2.2mmol)を加え、撹拌を1時間継続した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加え、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、ZZを油状物として得た(0.54g)。
【0259】
中間体AAAの調製:THF(10mL)中のZZ(0.54g、0.95mmol)の溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(THF中1.0M、1.5mL、1.5mmol)を加え、得られた混合物を2時間加熱還流した。室温まで冷却後、混合物を水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、AAAを白色の固体として得た(0.12g)。
【0260】
中間体BBBの調製:ジクロロエタン(6mL)中のAAA(0.12g、0.38mmol)の溶液に、活性酸化マンガン(IV)(0.33g、3.8mmol)を加えた。得られた黒色の懸濁液を1時間撹拌還流し、ガラスマイクロファイバーフィルターにより熱いまま濾過した。濾液を、減圧下で濃縮して、BBBを得た(0.12g)。
【0261】
49の調製:BBB(0.12g、0.39mmol)に、メチルアミン(エタノール中33%溶液、2mL)を加え、得られた混合物を室温で4時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(0.02g、0.6mmol)を加え、撹拌を5分間継続した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(0.2mL)を加え、粗残留物をシリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、49の遊離塩基を明褐色の固体として得て(0.12g、0.34mmol)、これをメタノールに溶解し、フマル酸(0.042g、0.34mmol)で処理し、減圧下で濃縮して、49をフマル酸塩(オフホワイトの泡状物)として得た(0.16g)。
【0262】
実施例18
【0263】
【化27】

【0264】
中間体XXの調製:上記実施例16を参照されたい。
【0265】
中間体CCCの調製:メタノール(2.4mL)及び酢酸エチル(0.6mL)中のXX(0.50g、1.1mmol)の溶液に、10%パラジウム担持炭(0.04g)を加え、混合物を水素バルーン雰囲気下で室温で16時間撹拌した。得られた混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、CCCを明褐色の固体として得た(0.11g)。
【0266】
中間体DDDの調製:氷水浴で冷却した水(1.5mL)中の水酸化ナトリウム(0.013g、0.32mmol)の溶液に、塩化クロロアセチル(0.46g、0.53mmol)、続いてジクロロメタン(1.4mL)中のCCC(0.11g、0.27mmol)の溶液を加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、続いて飽和重炭酸ナトリウム水溶液とジクロロメタンに分配した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた黄色の粗油状物をTHF(3mL)に溶解し、0℃まで冷却し、次に水素化ナトリウム(60%分散0.012g)を加えた。得られた混合物を0℃で3時間、次に室温で4時間撹拌し、次に飽和重炭酸ナトリウム水溶液とジクロロメタンに分配した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、DDDを黄色の油状物として得た(0.033g)。
【0267】
50の調製:THF(1mL)中のDDD(0.033g、0.074mmol)の溶液に、THF中の水素化リチウムアルミニウムの溶液(1M、0.4mL、0.4mmol)を10分間かけて滴加した。混合物を撹拌し、16時間加熱還流し、次に0℃に冷却し、飽和ロッシェル塩水溶液(5mL)及びジクロロメタン(5mL)で処理し、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。更なる飽和ロッシェル塩水溶液(5mL)を加え、混合物をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。そうして得られた粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム水溶液)により精製して、50を黄色の油状物として得た(0.011g)。
【0268】
実施例19
種々の経路で送達される医薬製剤を下記の表で示されるように製剤化する。表中で使用する「活性成分」又は「活性化合物」は、1つ以上の式I’〜VIIの化合物を意味する。
【0269】
【表2】

【0270】
成分を混合し、それぞれ約100mgを含有するようにカプセルに分注する。1カプセルがほぼ全1日用量となる。
【0271】
【表3】

【0272】
成分を合わせ、メタノールのような溶媒を使用して粒状にする。次に配合物を乾燥させ、適切な錠剤成形機を用いて錠剤(活性化合物約20mg含有)を形成する。
【0273】
【表4】

【0274】
成分を混合して、経口投与用の懸濁剤を形成する。
【0275】
【表5】

【0276】
活性成分を注射用水の一部に溶解する。次に十分な量の塩化ナトリウムを撹拌しながら加えて、溶液を等張にする。注射用水の残りで溶液の重量にして、0.2μm膜フィルタを通して濾過し、滅菌条件下で包装する。
【0277】
【表6】

【0278】
成分を一緒に溶融し、蒸気浴上で混合し、全重量2.5gを含有するように鋳型に注ぐ。
【0279】
【表7】

【0280】
水以外の全ての成分を合わせ、撹拌しながら約60℃に加熱する。次に、十分な量の水を激しく撹拌しながら約60℃で加え、成分を乳化し、次に、約100gにするのに適量の水を加える。
【0281】
鼻腔スプレー用処方
活性化合物を約0.025〜0.5%含有するいくつかの水性懸濁液を、鼻腔スプレー用処方として調製する。配合物は、場合により例えば、微晶質セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、デキストロース等のような不活性成分を含む。塩酸を加えてpHを調整してよい。鼻腔スプレー配合物は、鼻腔スプレー計量ポンプを介して、典型的には1回の作動で配合物を約50〜100μl送達する。一般的な投与スケジュールは、4〜12時間毎に2〜4回のスプレーである。
【0282】
実施例20
シンチレーション近接アッセイ(SPA)を用いるヒトセロトニントランスポーター(hSERT)アンタゴニストのスクリーニング
【0283】
この実施例のスクリーニングアッセイを使用して、[H]−シタロプラムとの競合によるhSERTトランスポーターでのリガンドの親和性を測定した。
【0284】
シンチレーション近接アッセイ(SPA)は、放射性リガンドを、ビーズのシンチラントに近接させて発光を刺激させることにより機能する。このアッセイにおいて、受容体含有膜を予めSPAビーズに結合させ、トランスポーターに対する適切な放射性リガンドの結合を測定した。発光は、結合した放射性リガンドの量に比例した。未結合放射性リガンドは、シンチラントに対して離れている結果(エネルギー移動の欠如)、シグナルを生成しなかった。
【0285】
組み換えhSERTを安定的に発現するHEK−293細胞(Tatsumi et al., Eur. J. Pharmacol. 1997, 30, 249-258)を、培地(10%FBS、300μg/ml G418及び2mM L−グルタミン含有DMEM高グルコース)を用いて維持し、37℃で5%COでインキュベートした。細胞を、1〜2分間PBSを用いて培養フラスコから取り出した。その後、細胞を1000gで5分間遠心分離し、PBSに再懸濁してから、膜調製に使用した。
【0286】
細胞膜を、50mM TRIS(pH7.4)の膜調製緩衝液を用いて調製した。細胞膜は、単一キューブ(合計細胞7.5×10個)から調製した。細胞を、Polytron(培地を設定して4秒間破砕)を用いて均質化した。次に、ホモジェネートを、48,000×gで15分間遠心分離し、続いて上清を除去し、廃棄し、ペレットを新鮮な緩衝液で再懸濁した。2回目の遠心分離後、ペレットを再均質化し、アッセイ中に測定される最終容量にした。典型的には、膜部分を、3mg/ml(w:v)に小分けし、−80℃で保存した。
【0287】
シンチレーション近接アッセイIC50/Kの測定のために、50mM Tris−HCl及び300mM NaCl(pH7.4)緩衝液を利用した。本発明の化合物を、連続希釈プロトコルを用いて、Beckman Biomek 2000により、10mMから0.1nM FAC(10点曲線、全対数/半対数希釈)に希釈した。次に、試験化合物を移し(20μl/ウエル)、[H]−シタロプラム放射性リガンドを、50μl/ウエルで加えた。膜とビーズを10μg:0.7mgの比として調製して、1ウエル当たり0.7mg PVT−WGA Amershamビーズ(カタログ番号RPQ0282V)を加えた。膜:ビーズ混合物130μlを、アッセイプレートに加えた。混合物を、室温で1時間静置し、次にPackard TopCount LCS、一般的シンチレーション近接アッセイカウントプロトコル設定(エネルギー範囲:低、効率モード:ノーマル、領域A:1.50〜35.00、領域B:1.50〜256.00、カウント時間(分):0.40、バックグラウンド減算:なし、半減期補正:なし、クエンチインジケータ:tSIS、プレートマップブランク減算:なし、クロストーク低減:オフ)でカウントした。
【0288】
阻害百分率(%)を、各試験化合物について算出した[(最大濃度での1分当たりの化合物のカウント(CPM)−非特異的CPM)/総CPM×100]。50%阻害をもたらす濃度(IC50)を、下式を用いた活性ベース/Xlフィットによる反復非線形曲線適合法を用いて測定した:
【0289】
【数1】

【0290】
(ここで、max=総結合、min=非特異的結合、x=試験化合物の濃度(M)そしてn=ヒル勾配)。各化合物の阻害解離定数(K)を、Cheng-Prusoffの方法に準じて測定し、次にKの負対数(pK)に変換した。
【0291】
上記の手順を用いて、本発明の化合物が、ヒトセロトニントランスポーターに対する親和性を有することが判明した。例えば、5−(2−メチルアミノメチルベンジル)−1H−インドール−3−カルボニトリルは、上記アッセイにより、約10.0のpKを示した。
【0292】
実施例21
シンチレーション近接アッセイ(SPA)を用いるヒトノルエピネフリントランスポーター(hNET)で活性な化合物のスクリーニング
【0293】
このアッセイを使用して、[H]−ニソキセチンとの競合によるリガンドのhNETトランスポーターに対する親和性を測定した。上記実施例のhSERTアッセイと同様に、受容体含有膜を予めSPAビーズに結合し、適切な放射性リガンドのトランスポーターへの結合を測定した。発光は、結合した放射性リガンドの量に比例し、未結合放射性リガンドはシグナルを生成しなかった。
【0294】
組み換えhNET(クローン:HEK−hNET#2)を安定的に発現するHEK−293細胞(Tatsumi et al., Eur. J. Pharmacol. 1997, 30, 249-258)を、培地(10%FBS、300μg/ml G418及び2mM L−グルタミン含有DMEM高グルコース)を用いて維持し、5%COで37℃でインキュベートした。細胞を、1〜2分間PBSを用いて培養フラスコから取り出した。その後、細胞を1000gで5分間遠心分離し、PBSに再懸濁してから、膜調製に使用した。
【0295】
細胞膜を、50mM TRIS(pH7.4)の膜調製緩衝液を用いて調製した。細胞膜は、単一キューブ(合計細胞7.5×10個)から調製した。細胞を、Polytron(設定培地で4秒間破砕)を用いて均質化した。次に、ホモジェネートを、48,000×gで15分間遠心分離し、続いて上清を除去し、廃棄し、ペレットを新鮮な緩衝液で再懸濁した。2回目の遠心分離後、ペレットを再均質化し、アッセイ中に測定されるの最終容量にした。典型的には、膜部分を、3〜6mg/ml(w:v)に小分けし、−80℃で保存した。
【0296】
シンチレーション近接アッセイIC50/Kの測定のために、[H]ニソキセチン放射性リガンド(Amershamカタログ番号TRK942又はPerkin Elmerカタログ番号NET1084、比活性度:70〜87Ci/mmol、原液濃度:1.22e−5M、最終濃度:8.25e−9M)及び50mMトリス−HCl、300mM NaCl(pH7.4)緩衝液を使用した。本発明の化合物を、連続希釈プロトコルを用いて、Beckman Biomek 2000により、10mMから0.1nM FAC(10点曲線、全対数/半対数希釈)に希釈した。次に、試験化合物を移し(20μl/ウエル)、放射性リガンドを、50μl/ウエルで加えた。膜とビーズを10μg:0.7mgの比として調製し、1ウエル当たり0.7mg PVT−WGA Amershamビーズ(カタログ番号RPQ0282V)を加えた。膜:ビーズ混合物130μlを、アッセイプレートに加えた。混合物を、室温で1時間静置し、次にPackard TopCount LCS、一般的SPAカウントプロトコル設定(エネルギー範囲:低、効率モード:ノーマル、領域A:1.50〜35.00、領域B:1.50〜256.00、カウント時間(分):0.40、バックグラウンド減算:なし、半減期補正:なし、クエンチインジケータ:tSIS、プレートマップブランク減算:なし、クロストーク低減:オフ)でカウントした。
【0297】
阻害百分率(%)を、各試験化合物について算出した[(最大濃度での化合物のCPM−非特異的CPM)/総CPM×100]。50%阻害をもたらす濃度(IC50)を、下式を用いた活性ベース/Xlフィットによる反復非線形曲線適合法を用いて測定した:
【0298】
【数2】

【0299】
(ここで、max=総結合、min=非特異的結合、x=試験化合物の濃度(M)そしてn=ヒル勾配)。各化合物の阻害解離定数(K)を、Cheng-Prusoffの方法に準じて測定し、次にKの負対数(pK)に変換した。
【0300】
上記の手順を用いて、本発明の化合物が、ヒトノルエピネフリントランスポーターに対する親和性を有することが判明した。例えば、5−(2−メチルアミノメチルベンジル)−1H−インドール−2−カルボン酸アミドは、上記アッセイにより、約8.4のpKを示した。
【0301】
実施例22
シンチレーション近接アッセイ(SPA)を用いるヒトドーパミントランスポーター(hDAT)で活性な化合物のスクリーニング
このアッセイを使用して、[H]−バノキセリンとの競合によるドーパミントランスポーターに対するリガンドの親和性を測定した。
【0302】
組み換えhDATを安定的に発現するHEK−293細胞(Tatsumi et al., Eur. J. Pharmacol. 1997, 30, 249-258)を、培地(10%FBS、300μg/ml G418及び2mM L−グルタミン含有DMEM高グルコース)を用いて維持し、5%COで37℃でインキュベートした。白色の不透明なCell-Tak塗布96ウエルプレート上に(PBS中)1ウエル当たり約30,000個の細胞を配置することにより、細胞を、実験の4時間前に平板培養した。余分な緩衝液を、ELx405プレートウォッシャーを用いて細胞プレートから除去した。
【0303】
シンチレーション近接アッセイIC50/Kの測定のために、[H]バノキセリン(GBR 12909)放射性リガンド、特異的活性約59Ci/mmol、原液濃度400nM及び50mM Tris−HCl、300mM NaCl、(pH7.4)緩衝液を使用した。本発明の化合物を、10点希釈プロトコルを用いて、Beckman Biomek 2000により、10mMから0.1nM FAC(10点曲線、全対数/半対数希釈)に希釈した。混合物を、室温で30分間静置し、次にPackard TopCount LCS、一般的SPAカウントプロトコル設定、カウント時間(分):0.40、バックグラウンド減算:なし、半減期補正:なし、クエンチインジケータ:tSIS、プレートマップブランク減算:なし、クロストーク低減:オフ)でカウントした。
【0304】
阻害百分率(%)を、各試験化合物について算出した[(最大濃度での化合物のCPM−非特異的CPM)/総CPM×100]。50%阻害をもたらす濃度(IC50)を、下式を用いた活性ベース/Xlフィットによる反復非線形曲線適合法を用いて測定した:
【0305】
【数3】

【0306】
(ここで、max=総結合、min=非特異的結合、x=試験化合物の濃度(M)そしてn=ヒル勾配)。各化合物の阻害解離定数(K)を、Cheng-Prusoffの方法に準じて測定し、次にKの負対数(pK)に変換した。
【0307】
上記の手順を用いて、本発明の化合物が、ヒトドーパミントランスポーターに対する親和性を有することが判明した。例えば、5−(2−メチルアミノメチルベンジル)−1H−インドール−2−カルボン酸アミドは、上記アッセイにより、約8.3のpKを示した。
【0308】
実施例23
ホルマリン疼痛アッセイ
雄Sprague-Dawleyラット(180〜220g)を、個別Plexiglasシリンダーに入れ、試験環境に30分間順応させる。ビヒクル、薬剤又は陽性対照(モルヒネ2mg/kg)を、5ml/kgで皮下投与する。投与の15分後、ホルマリン(50μl中5%)を、26ゲージ針を用いて、右後足の足底面に注射した。ラットを、直ぐに観察チャンバーに戻す。チャンバー周囲に配置した鏡により、ホルマリンを注射した足を妨害されずに観察することが可能となる。各動物の侵害防御行動の持続時間を、自動行動タイマーを用いて盲検観察者が記録する。後足舐め及び振り回し/持ち上げについて、別個に5分瓶で合計60分間記録する。0から5分までの舐め又は振り回しに費やした時間の合計(秒)は初期段階と考えられ、一方、後期段階は、15分から40分までの舐め又は振り回しに費やした秒の合計とする。血漿試料を採取する。
【0309】
実施例24
結腸疼痛アッセイ
成体雄Sprague-Dawleyラット(350〜425g;Harlan, Indianapolis, IN)を、動物ケア施設のケージ一つ当たり1〜2匹収容する。ラットに、ペントバルビタールナトリウム(45mg/kg)を腹腔内投与して深麻酔する。電極を、筋電図(EMG)記録のために、外腹斜筋筋肉組織に入れ、固定する。電極リード線を、皮下に通し、以後のアクセスのために、首筋で体外に露出させる。手術後外科、ラットを別個に収容し、4〜5日間回復させた後、試験する。
【0310】
下行結腸及び直腸を、可撓管周囲に結合した長さ7〜8cmの可撓性ラテックスバルーンの圧力制御膨張により膨張させる。バルーンを、潤滑し、肛門を通して結腸に挿入し、尾の基部にバルーンカテーテルをテープにより固定する。ソレノイドゲートを定圧空気溜に開口することにより、結腸直腸膨張(CRD)を達成する。結腸内圧を、圧力制御装置により制御し、連続的に監視する。反応を、腹部及び後肢筋肉組織の収縮である内臓運動応答(VMR)として定量化する。外腹斜筋筋肉組織の収縮により生じるEMG活性を、Spike2ソフトウエア(Cambridge Electronic Design)を用いて定量化する。各膨張試験を60秒間継続し、EMG活性を膨張前20秒間(ベースライン)、膨張中20秒間及び膨張後20秒間定量化する。基準を超える、膨張中に記録したカウントの総数の増加を、応答として定義する。CRD(10、20、40及び80mmHg、20秒、4分間隔)に対する安定なベースライン応答が、処置前の意識のある未鎮静ラットにおいて得られる。
【0311】
最初に急性内臓痛覚モデル、及び約6cmの深さまで強制飼養針を挿入してザイモサン(1mL、25mg/mL)を結腸に注入することで結腸内処置をして生じさせた結腸過敏性モデルにおける結腸膨張に対する応答における影響について、化合物を評価する。実験群は、各8匹のラットから構成する。
【0312】
急性内臓痛覚:急性内臓痛覚に対する薬剤の効果を試験するために、薬剤、ビヒクル又は陽性対照(モルヒネ、2.5mg/kg)の3用量のうちの1用量を、ベースライン応答が確立した後に投与し、次の60〜90分間にわたって、膨張に対する応答を追跡する。
【0313】
内臓過敏:ザイモサンによる結腸内処置後の薬剤又はビヒクルの効果を試験するために、基準反応が確立した後に結腸内処置をおこなう。4時間での薬剤試験の前に、膨張に対する反応を評価して過敏性の存在を確認する。ザイモサン処置ラットにおいて、薬剤、ビヒクル又は陽性対照(モルヒネ、2.5mg/kg)の3用量のうちの1用量を、ザイモサン処置から4時間後に投与し、次の60〜90分間にわたって、膨張に対する応答を追跡する。
【0314】
実施例25
坐骨神経の慢性狭窄損傷を有するラットにおける冷感異痛
冷感異痛に対する本発明の化合物の効果を、金属プレート床と水を備えた冷水浴(深さ1.5〜2.0cm、温度3〜4℃)で冷感異痛を測定する、ラットにおける神経因性疼痛の慢性狭窄損傷(CCI)モデルを用いて測定する(Gogas, K.R. et al., Analgesia, 1997, 3, 1-8)。
【0315】
具体的に、CCIラットを麻酔し;坐骨神経の三分岐の位置を特定し、4本の結紮糸(4−0又は5−0クロムガット)を、三分岐の近位にある坐骨神経の周囲に円周状に配置する。次に、ラットを手術から回復させる。手術の4〜7日後に、ラットを個々に冷水浴に配置し、1分間の損傷足の総持ち上げ回数を記録することにより、最初にラットの低温誘発異痛について評価する:損傷した足は、水から持ち上げられる。移動又は体の位置変更に関連する足の持ち上げは記録しない。手術後4〜7日目に1分当たり5回以上の持ち上げを示したラットは、冷感異痛を示すと考え、その後の研究に使用する。急性試験において、ビヒクル、参照化合物又は本発明の化合物を、試験30分前に皮下(s.c.)投与する。冷感異痛に対する本発明の化合物の反復投与の効果を、以下のレジメンの最後の経口投与後14、20又は38時間後に測定する:ビヒクル、参照又は本発明の化合物を、約12時間間隔(BID)で7日間、経口(p.o.)投与。
【0316】
本発明を、その具体的な実施態様を参照しながら説明したが、当業者には、種々の変更をおこなうことでき、本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく均等物を置き換えることができることが理解されるであろう。さらに、特定の状況、材料、組成物、方法、1つ以上のプロセス工程を本発明の目的とする精神及び範囲に適合させるために、数多くの修正をおこなうことができる。全てのこのような修正は、添付の特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I’:
【化28】


[式中、
Aは、CH、C(R)又はNであり;
Qは、CH、C(R)又はNであり;
Xは、CH、CH(OH)又はC(O)であり;
Yは、(CH(R))又はO(CH(R))であり;
は、CH、N又はC(R)であり;
は、CH、S又はC(R)であり;
mは、0又は1であり;
nは、0、1又は2であり;
pは、0、1又は2であり;
qは、0、1又は2であり;
zは、0又は1であり;
及びRは、各々独立してCN、C(O)NH、S(O)1’、ハロゲン、低級アルキル、低級ハロアルキル又は低級アルコキシであり;
1’は、H又は低級アルキルであり;
は、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、ハロゲン、CN、C(O)N(R1’、NHS(O)1’又はN(R3’)(R3”)であり;
3’及びR3”は、各々独立してH、低級アルキル、低級ハロアルキルであるか、又はR3’及びR3”は、一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成し;
は、ヘテロシクロアルキル又はN(R4’)(R4”)であり;
4’及びR4”は、各々独立してH、低級アルキル、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級ハロアルキルであるか;
又はR4’及びR4”は、一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成するか;
又はR4’及びRは、一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成し;そして、
各Rは、独立してH、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ヒドロキシアルキル又は低級ハロアルキルである(但し、もしXがC(=O)であり、YがO(CHであり、zが1であり、ZがCHであり、ZがCHであり、mが0であり、qが0であり、AがCHであり、QがCHであり、RがNH(C(CH)である場合には、pは0ではない)];
で示される化合物又は薬学的に許容しうるその塩、ならびに薬学的に許容しうるその塩及びエステル。
【請求項2】
式I:
【化29】


[式中、
Aは、CH、C(R)又はNであり;
Qは、CH、C(R)又はNであり;
Xは、CH、CH(OH)又はC(O)であり;
Yは、(CH(R))又はO(CH(R))であり;
mは、0又は1であり;
nは、0、1又は2であり;
pは、0、1又は2であり;
qは、0、1又は2であり;
及びRは、各々独立してCN、C(O)NH、S(O)1’、ハロゲン、低級アルキル、低級ハロアルキル又は低級アルコキシであり;
1’は、H又は低級アルキルであり;
は、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、ハロゲン、CN、C(O)N(R1’、NHS(O)1’又はN(R3’)(R3”)であり;
3’及びR3”は、各々独立してH、低級アルキル、低級ハロアルキルであるか、又はR3’及びR3”は、一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成し;
は、N(R4’)(R4”)であり;
4’及びR4”は、各々独立してH、低級アルキル、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級ハロアルキルであるか、又はR4’及びR4”は、一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成し;そして、
各Rは、独立してH、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ヒドロキシアルキル又は低級ハロアルキルである]
で示される化合物又は薬学的に許容しうるその塩。
【請求項3】
XがCHである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
QがCHである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
AがCHである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
pが0である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
mが0である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
mが1である、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
Yが(CH(R))であり、nが1である、請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
がHである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
がメチルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項12】
がN(R4’)(R4”)であり、R4’がHである、請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
がN(R4’)(R4”)であり、R4’がHである、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
4”がHである、請求項12に記載の化合物。
【請求項15】
4”が低級アルキルである、請求項12に記載の化合物。
【請求項16】
4”が低級アルキルである、請求項13に記載の化合物。
【請求項17】
qが0である、請求項10に記載の化合物。
【請求項18】
qが1である、請求項10に記載の化合物。
【請求項19】
がハロゲンである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
が低級アルコキシ又は低級ハロアルキルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
式II:
【化30】


[式中、
Xは、CH又はCH(R1’)であり;
は、CH又はC(O)であり;
は、CH、CH(R1’)、NH、N(R1’)又はOであり;そして、
1’は、低級アルキルである]
で示される化合物又は薬学的に許容しうるその塩。
【請求項22】
XがCHである、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
がCHである、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
がCH(R1’)であり、R1’がメチルである、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
がCHである、請求項23に記載の化合物。
【請求項26】
がN(R1’)であり、R1’がメチルである、請求項23に記載の化合物。
【請求項27】
がNHである、請求項23に記載の化合物。
【請求項28】
がOである、請求項23に記載の化合物。
【請求項29】
XがCHであり、YがC(O)であり、YがNHである、請求項21に記載の化合物。
【請求項30】
XがCH(R1’)である、請求項21に記載の化合物。
【請求項31】
式III:
【化31】


[式中、
Xは、CH又はCH(R1’)であり;
及びYは、各々独立してNH又はOであり;
は、CH又はCH(R1’)であり;そして、
1’は、低級アルキルである]
で示される化合物又は薬学的に許容しうるその塩。
【請求項32】
がOである、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
がNHである、請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
がCHである、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
がCH(R1’)であり、R1’がメチルである、請求項33に記載の化合物。
【請求項36】
式IV:
【化32】


[式中、
Xは、(CHであり;
mは、1又は2であり;
Yは、(CHであり;
nは、1又は2であり;
は、H又は低級アルキルである]
で示される化合物又は薬学的に許容しうるその塩。
【請求項37】
式V:
【化33】


[式中、
Yは、(CH(R))であり;
nは、0、1又は2であり;
及びRは、各々独立してCN、C(O)N(R1’、S(O)1’、ハロゲン、低級アルキル、低級ハロアルキル又は低級アルコキシであり;
1’は、H又は低級アルキルであり;
mは、0又は1であり;
pは、0、1又は2であり;
は、N(R4’)(R4”)であり;
4’及びR4”は、各々独立してH、低級アルキル、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級ハロアルキルであるか、又はR4’及びR4”は一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成し;そして、
各Rは、独立してH、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ヒドロキシアルキル又は低級ハロアルキルである]
で示される化合物又は薬学的に許容しうるその塩。
【請求項38】
式VI:
【化34】


[式中、
Xは、CH、CH(OH)又はC(O)であり;
Yは、(CH(R))、O(CH(R))又はC(O)であり;
nは、0、1又は2であり;
Qは、CH、C(R)又はNであり;
Aは、CH、C(R)又はNであり;
及びRは、各々独立してCN、C(O)NH、S(O)1’、ハロゲン、低級アルキル、低級ハロアルキル又は低級アルコキシであり;
1’は、低級アルキルであり;
mは、0又は1であり;
pは、0、1又は2であり;
は、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、ハロゲン、CN、C(O)N(R1’、NHS(O)1’又はN(R3’)(R3”)であり;
3’及びR3”は、各々独立してH、低級アルキル、低級ハロアルキルであるか、又はR3’及びR3”は一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成し;
qは、0、1又は2であり;
は、N(R4’)(R4”)であり;
4’及びR4”は、各々独立してH、低級アルキル、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級ハロアルキルであるか、又はR4’及びR4”は一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成し;
各Rは、独立してH、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ヒドロキシアルキル又は低級ハロアルキルである]
で示される化合物又は薬学的に許容しうるその塩。
【請求項39】
式VII:
【化34】


[式中、
Xは、CH、CH(OH)又はC(O)であり;
Yは、(CH(R))、O(CH(R))又はC(O)であり;
nは、0、1又は2であり;
Qは、CH、C(R)又はNであり;
Aは、CH、C(R)又はNであり;
及びRは、各々独立してCN、C(O)NH、S(O)1’、ハロゲン、低級アルキル、低級ハロアルキル又は低級アルコキシであり;
1’は、低級アルキルであり;
mは、0又は1であり;
pは、0、1又は2であり;
は、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、ハロゲン、CN、C(O)N(R1’、NHS(O)1’又はN(R3’)(R3”)であり;
3’及びR3”は、各々独立してH、低級アルキル、低級ハロアルキルであるか、又はR3’及びR3”は一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成し;
qは、0、1又は2であり;
は、N(R4’)(R4”)であり;
4’及びR4”は、各々独立してH、低級アルキル、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシアルキル、低級シクロアルキル、低級ハロアルキルであるか、又はR4’及びR4”は一緒になって低級ヘテロアリール若しくは低級ヘテロシクロアルキル(低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルキル又はオキソで場合により置換されている)を形成し;
各Rは、独立してH、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ヒドロキシアルキル又は低級ハロアルキルである]
で示される化合物又は薬学的に許容しうるその塩。
【請求項40】
以下:
[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;
8−(1H−インドール−5−イルメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン;
5−(1H−インドール−5−イルメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン;
1−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−フェニル]−エチルアミン;
{(R)−1−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−フェニル]−エチル}−メチル−アミン;
{(S)−1−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−フェニル]−エチル}−メチル−アミン;
[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−3−メトキシ−ベンジル]−メチル−アミン;
[3−フルオロ−2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;
[2−(7−フルオロ−1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;
[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−6−メトキシ−ベンジル]−メチル−アミン;
8−(1H−インドール−5−イルメチル)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン;
[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−ベンジル]−メチル−アミン;
[2−(1H−インダゾール−5−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;
2−(1H−インドール−5−イルメチル)−フェニルアミン;
[2−(1H−インドール−6−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;
[2−(1H−インドール−4−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;
[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−ジメチル−アミン;
5−(2−アゼチジン−1−イルメチル−ベンジル)−1H−インドール;
エチル−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−アミン;
[5−フルオロ−2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;
2−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジルアミノ]−エタノール;
シクロプロピル−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−アミン;
2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジルアミン;
(1H−インドール−5−イル)−(2−メチルアミノメチル−フェニル)−メタノール;
5−(2−イミダゾール−1−イルメチル−ベンジル)−1H−インドール;
5−(2−ピペラジン−1−イル−ベンジル)−1H−インドール;
[5−クロロ−2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;
{2−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−フェニル]−エチル}−メチル−アミン;
5−(2−メチルアミノメチル−ベンジル)−1H−インドール−3−カルボニトリル;
5−(2−メチルアミノメチル−ベンジル)−1H−インドール−3−カルボン酸アミド;
メチル−[2−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イルメチル)−ベンジル]−アミン;
[3−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;
[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−4−メトキシ−ベンジル]−メチル−アミン;
[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−5−メトキシ−ベンジル]−メチル−アミン;
[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−アミン;
5−(2−メチルアミノメチル−ベンジル)−1H−インドール−2−カルボニトリル;
(2−ジメチルアミノメチル−フェニル)−(1H−インドール−5−イル)−メタノン;
4−(1H−インドール−5−イルメチル)−3−メチルアミノメチル−ベンゾニトリル;
[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−5−モルホリン−4−イル−ベンジル]−メチル−アミン;
5−(2−メチルアミノメチル−ベンジル)−1H−インドール−2−カルボン酸アミド;
N−[4−(1H−インドール−5−イルメチル)−3−メチルアミノメチル−フェニル]−メタンスルホンアミド;
1−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−フェニル]−ピペラジン−2−オン;
3−(1H−インドール−5−イルメチル)−4−メチルアミノメチル−ベンゾニトリル;
3−(1H−インドール−5−イルメチル)−4−メチルアミノメチル−ベンズアミド;
[4−(1H−インドール−5−イルメチル)−チアゾール−5−イルメチル]−メチル−アミン;
2−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−フェノキシ]−エチルアミン;
2−アミノ−1−[2−(1H−インドール−5−イルメチル)−フェニル]−エタノール;
5−(2−モルホリン−4−イル−ベンジル)−1H−インドール;
[2−(2−メタンスルホニル−1H−インドール−5−イルメチル)−ベンジル]−メチル−アミン;及び
5−(2−モルホリン−2−イル−ベンジル)−1H−インドール
よりなる群から選択される化合物。
【請求項41】
請求項1〜40のいずれか1項に記載の化合物及び薬学的に許容しうる担体を含む、医薬組成物。
【請求項42】
モノアミン再取り込みインヒビターに関連する疾患を処置する方法であって、請求項1〜40のいずれか1項に記載の化合物の薬学的有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む方法。
【請求項43】
不安症、鬱病又はこれらの両方を処置する方法であって、請求項1〜40のいずれか1項に記載の化合物の薬学的有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む方法。
【請求項44】
治療活性物質として使用するための、請求項1〜40のいずれかに記載の化合物。
【請求項45】
モノアミン欠乏に関連する疾患の治療又は予防用の治療活性物質として使用するための、請求項1〜40のいずれかに記載の化合物。
【請求項46】
モノアミン欠乏に関連する疾患の治療又は予防、特に鬱病及び/又は不安症の治療又は予防方法であって、請求項1〜40のいずれかに記載の化合物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む方法。
【請求項47】
モノアミン欠乏に関連する疾患の治療又は予防用医薬の調製のための、請求項1〜40のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項48】
鬱病及び/又は不安症の治療又は予防に有用な医薬の調製のための、請求項1〜40のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項49】
本明細書に前述の発明。

【公表番号】特表2011−528005(P2011−528005A)
【公表日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517857(P2011−517857)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【国際出願番号】PCT/EP2009/058480
【国際公開番号】WO2010/006945
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】