説明

美白用組成物

【課題】より高い美白作用と細胞賦活作用とを併せ持つ組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】δ−トコフェロールとツボクサ抽出物の組合せが、高いメラニン産生抑制作用を有することが明らかとなった。ツボクサ抽出物としては、アジア酸、マデカッソ酸及びアジアチコシドからなる群より選択される1種又は2種以上を含有することが好ましく、アジア酸、マデカッソ酸及びアジアチコシドを含有することが特に好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外用組成物に関し、更に詳しくは、優れた美白作用と細胞賦活作用を併せ持つ外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ツボクサ(Centella Asiatica)抽出物は、皮膚外用剤の成分として使用されており、例えばツボクサ抽出物とビタミン類を含有する皮膚外用剤が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
一方、トコフェロール類は、生体膜や油脂中に含まれ、ラジカルや活性酸素を消去・不活性化することで抗酸化作用を発揮していることが知られている。トコフェロール類は各種異性体が存在するが、α-,β-,γ-及びδ-トコフェロールの生理活性比が100:40:10:1(非特許文献1参照)とα体が最も高くδ体が最も低いことが報告されている。逆に、油脂の抗酸化活性についてはδ体が最も高くα体が最も低いこと(非特許文献2参照)が知られている。
また、トコフェロール類のうち、トコフェロール誘導体やδ−トコフェロールが美白作用を有すること(特許文献2、3参照)、δ−トコフェロールがグルタチオンの産生促進作用を有すること(特許文献4参照)等も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−79809号公報
【特許文献2】特開2004−026817号公報
【特許文献3】特開平06−72845号公報
【特許文献4】特開2007−284430号公報
【非特許文献1】五訂日本食品標準成分表、第1章−2−2、(6) ビタミン、(3)ビタミンE
【非特許文献2】J. Act. Oxyg. Free Rad. 3:531-541,1992
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、より高い美白作用と細胞賦活作用を併せ持つ組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、(A)ツボクサ(Centella Asiatica)抽出物、及び(B)δ−トコフェロールを含有する外用組成物が優れた美白効果と細胞賦活効果を奏することを見出し、本発明を完成した。
【0007】
本発明は以下を提供する。
[1](A)ツボクサ(Centella Asiatica)抽出物、及び
(B)δ−トコフェロール
とを含有する、美白用の外用組成物。
[2](A)成分が、アジア酸、マデカッソ酸、アジアチコシド及びマデカッソシドからなる群より選択される1種又は2種以上を含有する、上記[1]に記載の外用組成物。
[3](A)成分が、アジア酸、マデカッソ酸及びアジアチコシドからなる群より選択される1種又は2種以上を含有する、上記[1]又は[2]に記載の外用組成物。
[4](A)成分が、アジア酸、マデカッソ酸及びアジアチコシドを含有する、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の外用組成物。
[5]更に、美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、ニキビ改善成分、老化防止成分、保湿成分、生体成分合成促進成分及び血行促進成分からなる群より選択される1種又は2種以上を含有する、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の外用組成物。
[6]更に、1種又は2種以上の美白成分を含有する、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の外用組成物。
【発明の効果】
【0008】
(A)ツボクサ(Centella Asiatica)抽出物、及び(B)δ−トコフェロールを含有する外用組成物は、優れた美白作用と細胞賦活作用を併せ持つので、化粧品、医薬品、医薬部外品の外用組成物として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書中において使用される用語は、特に他に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられていることが理解されるべきである。
【0010】
(A)ツボクサ(Centella Asiatica)抽出物(以下、単にツボクサ抽出物ともいう)
本発明に用いるツボクサ(Centella Asiatica)抽出物とは、ツボクサ(Centella Asiatica)の各種部位(全体、花、葉、根皮、根、果実、果皮、種子等)をそのまま、或いは乾燥したもの、粉砕したもの、又は粉砕後搾取したものを、抽出溶媒で抽出したものを意味する。
本発明に用いるツボクサ抽出物としては、葉、茎から抽出したものが好ましい。
【0011】
抽出溶媒としては、水(熱水を含む)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類、トルエンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの有機溶媒(すべて含水であってもよい)などを適宜用いることができ、1種または2種の任意の混合液であってもよい。
抽出溶媒としてはアルコール類が好ましく、エタノール、プロピレングリコール、ブチレングリコールがより好ましい。
【0012】
上記のように抽出処理して得られるツボクサ抽出物は液状であり、本発明には該抽出物をそのままの状態で用いることもできるが、有機溶媒が含まれている場合には減圧蒸留等により有機溶媒を取り除くことが好ましい。また、本発明において、ツボクサ抽出物は、液状のものを使用してもよいが、必要に応じて、減圧乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等の乾燥処理を行って水分を低減又は除去することにより、濃縮液状、半固形状、固形状又は粉末状にして使用してもよい。
【0013】
本発明に用いるツボクサ抽出物は、医薬品、医薬部外品、又は化粧品の分野において通常用いられている市販品がある場合は、市販品も特に制限なく使用できる。
【0014】
本発明に用いるツボクサ抽出物は、より高い美白効果と細胞賦活効果を得る観点から、アジア酸、マデカッソ酸、アジアチコシド及びマデカッソシドからなる群より選択される1種又は2種以上を含有することが好ましく、アジア酸、マデカッソ酸及びアジアチコシドからなる群より選択される1種又は2種以上を含有することがより好ましく、アジア酸、マデカッソ酸及びアジアチコシドを含有することが特に好ましい。
【0015】
このようなツボクサ抽出物の市販品としては、例えば、アジア酸、マデカッソ酸及びアジアチコシドを含有するツボクサ抽出物(商品名:TECA;バイエル社製)や、アジアチコシド及びマデカッソシドを含有するツボクサ抽出物(商品名:HETEROSIDES;バイエル社製)が例示できる。
【0016】
本発明の外用組成物において、ツボクサ抽出物の含有量は、特に限定されないが、外用組成物の全量に対して、抽出物自体の乾燥重量換算で好ましくは0.001〜2重量%、より好ましくは0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.01〜0.5重量%である。
【0017】
(B)δ−トコフェロール
本発明に用いるδ−トコフェロールは、医薬品、医薬部外品、又は化粧品の分野において通常用いられているものであれば特に制限なく使用できる。市販品がある場合は市販品も好ましく使用できる。
【0018】
本発明に用いるδ−トコフェロールの配合量は、本発明の効果を奏すれば特に制限されず、意図する効果や、皮膚への使用感などを考慮して適宜選択して用いることができる。例えば、本発明の外用組成物において、δ−トコフェロールの含有量は、外用組成物の全量に対して、好ましくは0.001〜10重量%、より好ましくは0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%である。
【0019】
本発明の外用組成物において、δ−トコフェロールとツボクサ抽出物の配合比は特に限定されないが、δ−トコフェロールは、ツボクサ抽出物1重量部(乾燥重量)に対して、好ましくは0.02〜1000重量部、より好ましくは0.01〜500重量部、さらに好ましくは0.1〜500重量部である。
【0020】
その他成分
ツボクサ抽出物、及びδ−トコフェロールを含有する本発明の外用組成物は、当該組成物にさらに有用な作用を付加するために有効成分を含有することが好ましい。
【0021】
本発明において、有効成分とは、薬理活性成分や生理活性成分など皮膚に対して有用な効果を有する成分を意味する。有効成分としては、医薬品、医薬部外品、または化粧品分野において外用組成物の成分として従来から使用され、また将来使用されるものであれば特に制限されない。具体的には、美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、ニキビ改善成分、老化防止成分、保湿成分、生体成分(コラーゲン等)合成促進成分、血行促進成分、等の各種成分を1種または2種以上組み合わせて配合することができる。本発明の外用組成物は美白用であるため、更に美白成分を含有することがより好ましい。
本発明の外用組成物において、有効成分の含有量は、特に限定されず、所望の効果を奏するために必要な量を配合すればよい。
【0022】
例えば、美白成分としては、コウジ酸;アルブチン;エラグ酸;フィチン酸;ルシノール;カモミラET;キノン類又はその誘導体;ビタミンC又はその誘導体、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体等のビタミン類;等が挙げられる。
【0023】
美白作用を有する植物成分を美白成分として用いてもよく、かかる植物成分としては、イリス(アイリス)、アーモンド、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、カッコン、クチナシ、クジン、クロレラ、ゴバイシ、コムギ、コメ、コメハイガ、オリザノール、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、ダイズ、納豆、茶、トウキ、トウキンセンカ、ニンニク、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、トウキ、アメジスト、アセンヤク、アセビ、ワラビ、イヌマキ、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、ゲンジン、サルサ、サヤインゲン、ショクマ、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、マルバハギ、チョウジ、カンゾウ等の植物に由来する成分が挙げられる。
【0024】
これらの植物成分を本発明の組成物に用いる場合、植物成分の形態は特に制限されないが、通常は植物エキス(植物抽出物)や精油などの態様で使用することができる。なお、上記植物成分中に記載の( )内は、その植物の種類、別名または生薬名である。
【0025】
抗炎症成分としては、アラントイン、カラミン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、酸化亜鉛、グアイアズレン、酢酸トコフェロール、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、サリチル酸又はその誘導体等が挙げられる。
【0026】
抗菌成分としては、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン等が挙げられる。
【0027】
細胞賦活化成分としては、γ-アミノ酪酸、ε-アミノプロン酸などのアミノ酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類:グリコール酸、乳酸などのα-ヒドロキシ酸類:タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号等が挙げられる。
【0028】
収斂成分としては、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム等の金属塩;タンニン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸などの有機酸を挙げることができる。
【0029】
抗酸化成分としては、トコフェロール及びその誘導体、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリン等が挙げられる。
【0030】
ニキビ改善成分としては、アゼライン酸;サリチル酸又はその誘導体;等が挙げられる。
【0031】
老化防止成分としては、レチノイド(レチノール、レチノイン酸、レチナール等)、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、メバロノラクトン等が挙げられる。
【0032】
保湿成分としては、アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニンなどのアミノ酸及びその誘導体;コラーゲン、コラーゲンペプチド、ゼラチン等のペプチド;グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール;ソルビトールなどの糖アルコール;レシチン、水素添加レシチン等のリン脂質;ヒアルロン酸、ヘパリン、コンドロイチン等のムコ多糖;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素などのNMF由来成分のほか、ポリグルタミン酸等が挙げられる。
【0033】
本発明の外用組成物は、保存安定性や粘度等の品質を損なわず、また本発明の効果を損なわない量的及び質的範囲内で、必要に応じて医薬品、医薬部外品または化粧品分野において一般的に用いられる各種の成分、例えば基剤、界面活性剤、増粘剤、保存剤、pH調整剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、分散剤、香料等を配合することができる。なお、これらの成分は1種単独で、または2種以上を任意に組み合わせて配合することができる。
【0034】
外用組成物
本発明の外用組成物は、医薬品、医薬品部外品、化粧品のいずれの範疇に属するものであってもよく、組成物の用途に応じて、医薬品、医薬部外品又は化粧品に通常使用される種々の剤型をとることができる。
本発明の組成物におけるこれらの剤形は当業界の通常の方法にて製造することができる。例えば、ツボクサ抽出物及びδ−トコフェロール、並びに必要に応じて上記各任意成分を配合混合し、さらに必要に応じてその他の溶媒や通常使用される外用剤の基剤等を配合することによって、ペースト状、ムース状、ジェル状、液状、乳液状、クリーム状、シート状(基材担持)、エアゾール状、スプレー状などの各種所望の形態に調製することができる。
【0035】
本発明の組成物は、通常pH1〜8の液性を備えていればよいが、安定性、皮膚や粘膜に対する低刺激性、及び皮膚使用感のよさという観点から、好ましくはpH2〜7、より好ましくはpH2〜6であることが望ましい。
【実施例】
【0036】
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、表中の成分の配合量の単位は、特に記載のない場合には、全て重量%(w/w%)である。
【0037】
試験例1:メラニン産生抑制作用の評価
6wellプレートにB−16メラノーマ細胞を9.0×10個/wellで播種して、10%FCS、1%Antibiotic-Antimycotic(GIBCOより購入)を添加したDMEM培地(GIBCOより購入)で24時間培養後、表1に示す各濃度の被験物質入りの培地、又は被験物質を含まない培地(対照)に置き換えた。
48時間培養後、HBSS(−)2mLで細胞を2回洗浄後、1N NaOHを300μL添加し、60℃で1時間保温してメラニンを抽出した。新しい96wellプレートに抽出液を100μLのせて、プレートリーダーにて450nmの吸光度を測定し、メラニン産生量を定量した。定量結果をもとに、対照におけるメラニン産生量を100%として、各被験物質のメラニン産生率を算出した。
結果を表1に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
表1に示す通り、δ−トコフェロールとツボクサ抽出物の組合せは、α−トコフェロールとツボクサ抽出物の組合せと比較して、高いメラニン産生抑制作用を有することが明らかとなった。また、同時にWST−8法にて細胞生存率をそれぞれ測定したところ、細胞生存率に大きな差は認められなかったことから、メラニン産生抑制作用は細胞死によるものではないことも確認した。
【0040】
試験例2:細胞生存率(細胞賦活作用)の評価(Hacat細胞)
96wellプレートにHacat細胞を3.0×103個/wellで播種して、10%FCS、1%Antibiotic-Antimycotic(GIBCOより購入)を添加したDMEM培地(GIBCOより購入)で24時間培養後、表2に示す各濃度の被験物質入りの培地、又は被験物質を含まない培地(対照)に置き換えた。
24時間培養後、WST−8法で細胞生存率を測定した。細胞生存率は対照を100%として、各被験物質の細胞生存率を算出した。
【0041】
【表2】

【0042】
表2に示す通り、δ−トコフェロールとツボクサ抽出物の組合せた場合において、ツボクサ抽出物の濃度依存的に細胞生存率が向上する、即ち細胞賦活作用が高まることが明らかとなった。
【0043】
参考試験例1:ツボクサ抽出液の細胞生存率(細胞賦活作用)の比較(ケラチノサイト)
96wellプレートにケラチノサイト細胞を8000個/wellで播種して、増殖添加剤セット(クラボウ社より購入)を添加したKG−2培地(クラボウ社より購入)で72時間培養後、表1に示す各濃度の被験物質入りの培地、又は被験物質を含まない培地(対照)に置き換えた。
48時間培養後、WST−8法で細胞生存率を測定した。細胞生存率は対照を100%として、各被験物質の細胞生存率を算出した。
結果を表3に示す。
【0044】
【表3】

【0045】
表3に示すように、ツボクサ抽出物の中でも、アジアチコシド及びマデカッソシドを含有するツボクサ抽出物(商品名:Centella Asiatica cosmelene(GREENTECH製))と比較して、アジア酸、マデカッソ酸及びアジアチコシドを含有するツボクサ抽出物(商品名:TECA(バイエル社製))がより高い細胞賦活作用を示すことから、ツボクサ抽出物としては、特定の成分を含有するツボクサ抽出物を使用することが好ましい。
【0046】
以下に製剤実施例を示す。
【0047】
製剤実施例1 ローション
濃グリセリン 2
ヒドロキシエチルセルロース 0.08
1,3−ブチレングリコール 10
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.2
アルブチン 3
d−δ−トコフェロール 0.01
ツボクサ抽出物 0.1
抗酸化剤 適量
香料 適量
防腐剤 適量
pH調整剤 適量
水 残余
100%
【0048】
製剤実施例2 クリーム
(イソステアリン酸ポリグリセリル−2/ダイマージリノール酸)コポリマー

1,3−ブチレングリコール 18
水 2
ハイドロキノン 1
δ−トコフェロール 2
ツボクサ抽出物 1
抗酸化剤 適量
香料 適量
ゲル化炭化水素 残余
100%
【0049】
製剤実施例3 クリーム
濃グリセリン 5
プロピレングリコール 10
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 10
ベヘニルアルコール 2
モノステアリン酸ポリグリセリル 3
アクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体
(「SIMULGEL EG」;SEPIC社製) 4
コウジ酸 0.1
d−δ−トコフェロール 0.01
ツボクサ抽出物 0.1
抗酸化剤 適量
香料 適量
防腐剤 適量
pH調整剤 適量
水 残余
100%


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ツボクサ(Centella Asiatica)抽出物、及び
(B)δ−トコフェロール
とを含有する、美白用の外用組成物。
【請求項2】
(A)成分が、アジア酸、マデカッソ酸、アジアチコシド及びマデカッソシドからなる群より選択される1種又は2種以上を含有する、請求項1に記載の外用組成物。
【請求項3】
(A)成分が、アジア酸、マデカッソ酸及びアジアチコシドからなる群より選択される1種又は2種以上を含有する、請求項1又は2に記載の外用組成物。
【請求項4】
(A)成分が、アジア酸、マデカッソ酸及びアジアチコシドを含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の外用組成物。
【請求項5】
更に、美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、ニキビ改善成分、老化防止成分、保湿成分、生体成分合成促進成分及び血行促進成分からなる群より選択される1種又は2種以上を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の外用組成物。
【請求項6】
更に、1種又は2種以上の美白成分を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の外用組成物。


【公開番号】特開2011−57634(P2011−57634A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210444(P2009−210444)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(000115991)ロート製薬株式会社 (366)
【Fターム(参考)】