説明

耐食性スペーサ層を備え、より高い信号雑音比を有するCPP−GMRセンサ

【課題】耐食性スペーサ層を備え、より高い信号雑音比を有するCPP−GMRセンサを提供する。
【解決手段】膜面垂直通電(CPP)型巨大磁気抵抗効果(GMR)センサのスペーサ層を形成する材料の電気抵抗と耐食性を増大させるための方法と装置。スペーサ層および、それゆえCPP−GMRセンサの抵抗を大きくすることにより、より大きな電圧をセンサにかけることができ、信号対雑音比をより高くすることができる。スペーサ層の耐食性を高めることにより、製造中にスペーサ層を腐食性材料に曝す影響が最小限となる。たとえば、スズを銀に添加して金属合金スペーサ層を形成すれば、このスペーサ層の耐食性とCPP−GMRセンサの電気抵抗は、銀のみからなるスペーサ層の場合より増大する。Ag−Sn合金により、より大きな電流がセンサを流れ、これによって信号対雑音比が増大する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は一般に、巨大磁気抵抗効果(GMR)センサに関する。より詳しくは、本発明は膜面垂直通電(CPP)型の磁気抵抗センサに関する。
【背景技術】
【0002】
現代の磁気ディスクドライブの磁気再生ヘッドは、記録素子の抵抗成分が絶縁トンネル障壁層を挟むフリー層とリファレンス層の磁化の角度のコサインとして変化するトンネリング磁気抵抗(TMR)効果に基づいて動作する。記録されたデータを磁気媒体から再生できるのは、記録された磁気媒体からの外部磁界(すなわち、信号磁界)によってフリー層の磁化の方向が変化し、今度はこれがTMR素子のトンネル障壁層をまたがった抵抗を変化させ、またセンス電流または電圧を相応に変化させるからである。面記憶密度の増大に対応するための再生ヘッドの小型化に伴い、TMR再生ヘッドの素子抵抗は、標準的な検出用電子部品で容易に対応できる範囲を超えて増大すると予想される。
【0003】
GMRセンサは、TMR再生ヘッドに代わるものである。GMR再生ヘッドの抵抗は、フリー層とリファレンス磁性層間の角度によって変化する。さらに、GMR再生ヘッドは、これらの磁性層の検出CPPを利用する。CPP−GMRセンサは主として、構造面において、高抵抗のトンネル障壁層の代わりに低抵抗の金属スペーサを用いる点で、TMR再生ヘッドとは異なる。したがって、CPP−GMRセンサの抵抗は主として、フリー層とリファレンス層と低抵抗の金属スペーサの積層構造によって決まる。CPP−GMRセンサは、TMRセンサにおいて使用される障壁層を通る電子のスピン依存トンネル効果ではなく、磁性層とスペーサ層との界面および磁性層そのものの両方における伝導電子のスピン依存拡散効果を利用する。同じ断面積であれば、CPP−GMRセンサの素子抵抗はTMRセンサの場合の10〜20分の1であろう。
【0004】
CPP−GMRセンサは、素子抵抗がはるかに低いため、印加されるバイアス電圧がTMRセンサに使用されるものに相当する場合(たとえば、100mV)、ずっと高いセンス電流密度で動作する。このように電流密度がより高いと、CPP−GMRセンサの出力信号と信号雑音比は、動作中に印加されるスピン偏極電子波密度によりフリー層またはリファレンス磁性層のいずれかで誘起されるトルクから生じるスピントルク効果によって制限される。スピントルクが大きすぎると、フリー層またはリファレンス層のいずれかにおける磁化に振動不安定性がもたらされる可能性がある。したがって、CPP−GMR再生センサをスピントルクに起因する不安定性の生じにくいものとすれば、磁気記録分野でのその性能が向上する。
【0005】
さらに、再生ヘッドの加工中、CPP−GMRセンサにはラッピングまたは化学的機械的研磨/平均化(CMP)が施される場合があり、その間、露出した層が腐食を始める可能性がある。金属スペーサ層は、特にこの工程中で酸化しやすい場合がある。たとえば、一般的なスペーサ層の材料は、容易に腐食または変色することが知られている。エアベアリング面(ABS)を形成するための機械的ラッピング工程中、これらの材料は酸化し、CPP−GMRセンサの異なる層間の電流の流れを妨げるかもしれない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの実施形態は、両者間にスペーサ層が堆積された第一の磁性層と第二の磁性層を有する再生ヘッドセンサを提供する。そのスペーサ層は合金を含み、その合金の少なくとも1つの金属は導電性を有する。さらに、このスペーサ層は、すべてその少なくとも1つの金属からなるスペーサ層と比較して、(i)より耐食性が高く、(ii)再生ヘッドセンサの電気抵抗を増大させる。
【0007】
本発明の1つの実施形態は、両者間にスペーサ層が堆積された第一の磁性層と第二の磁性層を含む再生ヘッドセンサを提供する。そのスペーサ層は銀合金を含む。
【0008】
本発明の他の実施形態は、再生ヘッドセンサの製造方法を提供する。この方法は、基板上に第一の磁性層を堆積させるステップを含む。この方法はまた、第一の磁性層の上にスペーサ層を堆積させるステップを含む。そのスペーサ層は金属合金を含み、その合金の少なくとも1つの金属は導電性を有する。さらに、このスペーサ層は、すべてその少なくとも1つの金属からなるスペーサ層と比較して、(i)より耐食性が高く、(ii)再生ヘッドセンサの電気抵抗を増大させる。この方法は、スペーサ層の上に第二の磁性層を堆積させるステップを含む。
【0009】
本発明の上記の特徴を詳しく理解できるように、簡単に上述した発明は、実施形態を参照することによって、より具体的に説明する場合があり、これらの実施形態のいくつかが添付の図面に描かれている。しかしながら、添付の図面は本発明の一般的な実施形態のみを示しており、したがって、本発明では他の同等に有効な実施形態も可能であることから、本発明の範囲を限定するとはみなされない点に留意するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態によるディスクドライブを示す。
【図2】本発明の実施形態による再生ヘッドセンサの一部の概略断面図を示す。
【図3】本発明の実施形態による再生ヘッドセンサのスペーサ層に使用される材料の正規化抵抗を示すグラフである。
【図4】本発明の実施形態による再生ヘッドセンサのスペーサ層に使用される材料の正規化抵抗を示すグラフである。
【図5A】本発明の実施形態による再生ヘッドセンサのスペーサ層に使用される材料の特性を示すグラフである。
【図5B】本発明の実施形態による再生ヘッドセンサのスペーサ層に使用される材料の特性を示すグラフである。
【図6A】本発明の実施形態による再生ヘッドセンサのスペーサ層に使用される材料の特性を示すグラフである。
【図6B】本発明の実施形態による再生ヘッドセンサのスペーサ層に使用される材料の特性を示すグラフである。
【図6C】本発明の実施形態による再生ヘッドセンサのスペーサ層に使用される材料の特性を示すグラフである。
【図6D】本発明の実施形態による再生ヘッドセンサのスペーサ層に使用される材料の特性を示すグラフである。
【図7A】本発明の実施形態による、再生ヘッドセンサの一部の製造方法を示す。
【図7B】本発明の実施形態による、再生ヘッドセンサの一部の製造方法を示す。
【図7C】本発明の実施形態による、再生ヘッドセンサの一部の製造方法を示す。
【図8A】本発明の実施形態による再生センサの構造を示す。
【図8B】本発明の実施形態による再生センサの構造を示す。
【図8C】本発明の実施形態による再生センサの構造を示す。
【図9】本発明の1つの実施形態による再生センサの構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解しやすくするために、同じ参照番号は可能なかぎり、各図に共通の同じ要素を指示するために使用されている。1つの実施形態において開示された要素は、特に詳述することなく、他の実施形態においても有効に利用され得る。
【0012】
以下の説明では、本発明の実施形態を参照する。しかしながら、本発明は特別に説明されている実施形態には限定されないと理解するべきである。その代わりに、以下に説明する特徴と要素は、異なる実施形態に関するものか否かを問わず、どのように組み合わせても本発明を実施し、実現できると考えられる。さらに、本発明の実施形態は、考えられる他の解決策および/または先行技術に勝る利点を達成するかもしれないが、特定の利点がある実施形態によって達成されるか否かは、本発明を限定しない。それゆえ、以下に説明する態様、特徴、実施形態および利点は単に例示のためであり、付属の特許請求の範囲に明記されているものを除き、特許請求の範囲の要素または限定とはみなさない。同様に、「発明」という表記は、本願で開示する本発明の主旨を一般化するものとはみなさず、付属の特許請求の範囲に明記されているものを除き、特許請求の範囲の要素または限定とはみなさないものとする。
【0013】
本発明は、CPP−GMRセンサのスペーサ層を形成する材料の電気抵抗と耐食性を増大させることに関する。スペーサ層、およびひいてはCPP−GMRセンサの抵抗を高めることによって、センサにより大きな電圧をかけることができ、信号対雑音比がより高くなる。スペーサ層の耐食性を増大させることにより、製造中、スペーサ層を耐食性材料に曝すことによる影響が最小限となる。
【0014】
ハードドライブの例
図1は、本発明の実施形態に係るディスクドライブ100を示している。図のように、少なくとも1つの回転可能な磁気ディスク112はスピンドル114に支持され、ディスクドライブモータ118によって回転される。各ディスクへの磁気記録は、磁気ディスク112上の同心円状のデータトラック(図示せず)の環状パターンの形態で行われる。
【0015】
少なくとも1つのスライダ113が、磁気ディスク112の付近に位置付けられる。各スライダ113は、ディスク表面122から再生し、そこに記録するための1つまたはそれ以上の磁気ヘッドアセンブリ121を支持する。磁気ディスクが回転すると、スライダ113は半径方向に移動してディスク表面122の上方に出入りし、磁気ヘッドアセンブリ121が、磁気ディスク上の、所望のデータが記録されている異なるトラックにアクセスできるようにする。磁気ヘッドアセンブリ121は少なくとも、磁気ディスク表面122にデータを記録し、そこからデータを再生するための記録ヘッド部と再生ヘッド部を含んでいてもよい。各スライダ113は、サスペンション115によってアクチュエータアーム119に取り付けられる。サスペンション115は、弱いバネ力を発生させ、これがスライダ113をディスク表面122に対して付勢する。各アクチュエータアーム119は、アクチュエータ手段127に取り付けられる。図1に示されるアクチュエータ手段127は、ボイスコイルモータ(VCM)であってもよい。VCMは、一定の磁界の中で運動可能なコイルを備え、コイルの運動の方向と速度は、制御ユニット129によって供給されるモータ電流信号により制御される。
【0016】
磁気ディスク112の回転によって、スライダ113とディスク表面122の間にABSが発生し、これがスライダ113に対する上方の力、すなわち揚力を生む。ABSはそれゆえ、通常動作中、サスペンション115の弱いバネ力と釣り合い、スライダ113をディスク112の表面から離れた若干上方に、小さな、実質的に一定の間隔を空けて支持する。
【0017】
ディスク記憶システムの各種の構成要素は、動作中、制御ユニット129によって発生される制御信号、たとえばアクセス制御信号や内部クロック信号によって制御される。一般に、制御ユニット129は、論理制御回路、記憶手段およびマイクロプロセッサを備える。制御ユニット129は、各種のシステム動作を制御するための制御信号、たとえばライン123上のドライブモータ制御信号やライン128上のヘッド位置およびシーク制御信号を発生する。ライン128上の制御信号は、スライダ113をディスク112上の所望のデータトラックに最適に移動させ、位置付けるための所望の電流プロファイルを提供する。記録および再生信号は、記録チャネル125によって記録および再生ヘッド121へと、またはこれから伝えられる。
【0018】
一般的な磁気ディスク記憶システムの上記の説明とこれに付随する図1の図は、代表的な例を示しているにすぎない。当然のことながら、ディスク記憶システムは多数のディスクとアクチュエータを含んでいてもよく、各アクチュエータは多数のスライダを支持していてもよい。
【0019】
GMRセンサの層
CPPスピンバルブまたは擬スピンバルブが、上記の磁気ヘッドアセンブリ121に位置付けられる再生ヘッドの一部であってもよい。これらのスピンバルブは、GMR膜に印加さるバイアス電流が膜面に垂直であるように方向付けられる。図2は、CPPスピンバルブまたは擬スピンバルブの一部の概略断面図を示す。図のように、GMRセンサ200は、強磁性フリー層206、強磁性リファレンス層202、強磁性フリー層206と強磁性リファレンス層202の間に配置されたスペーサ層204を含む。センス電流212は、GMRセンサ200の面に垂直である(すなわち、電流は積層内を垂直に流れる)。強磁性フリー層206と強磁性リファレンス層202の磁化のデフォルトでの向きまたは方向が示されている。「デフォルトでの」向きとは、再生ヘッドの外部の磁界の影響を受けない、強磁性層の磁化の方向である。
【0020】
スペーサ層204は一般に、金属や金属合金等の導電性材料で作製される。本明細書において、金属合金とは、少なくとも1つの金属要素を含む、固体金属母体に要素を混ぜ込んだ混合物である。1つの実施形態において、GMRセンサ200のABSは、図の表面であってもよい。すなわち、図2は、GMRセンサ200をディスク表面122の視点から描いたものである。
【0021】
磁気ヘッドアセンブリ121のGMRセンサ200は磁気媒体の上方を移動するため、媒体の磁化は、強磁性フリー層206の磁化を偏向させる。GMRセンサ200の電気抵抗は、電極磁化間の相対的角度とともに変化する。磁気ヘッドアセンブリ121は媒体112の上方を移動すると、フリー層206の磁化は、媒体112に保存されたビットからの磁界変化によって影響を受ける。面外磁化したビットから面内磁化した他のビットへの遷移は、素子抵抗の変化として再生され、その一方で、同様の磁化方向を有する2つのビット間の遷移は素子抵抗が変化しなかったものとして再生される。強磁性フリー層206と強磁性リファレンス層202の磁化の方向は、デフォルト状態において(すなわち、強磁性フリー層206の磁化が媒体112上の磁界によって影響を受けていない時に)約90度開いている。フリー層206とリファレンス層202の磁化の向きがより平行に近くなると、GMRセンサ200の抵抗が低下する。反対に、層206、202の向きがより反平行に近くなると、GMRセンサ200の抵抗が増大する。
【0022】
強磁性フリー層206と強磁性リファレンス層202は、本明細書に記載する機能を果たす、どのような磁性材料または複数層を含んでいてもよい。1つの実施形態において、強磁性フリー層206と強磁性リファレンス層202は、Co、FeおよびNiの合金を含む。他の実施形態において、強磁性フリー層206と強磁性リファレンス層202は、Co、Fe、Niの合金に最大で35原子パーセントのGe、Ga、SiまたはAlを含めたものを含む。他の実施形態において、強磁性フリー層206と強磁性リファレンス層202は、強磁性ホイスラ合金を含んでいてもよい。一般に、ホイスラ合金は大きなスピン偏極率を有し、これがその合金から放出される伝導電子のスピンの向きに影響を与える。特に、ホイスラ合金に応じて、伝導帯の中の電子の大部分が、それぞれに関連する磁化に関して主としてスピンアップ方向またはスピンダウン方向のいずれかを有する。特定のスピンを持つ伝導電子の密度を高くすると、GMRセンサ200の実現可能な信号対雑音比が増大する。
【0023】
一般的な強磁性ホイスラ合金の例としては、これらに限定されないが、Co2MnAl、Co2MnSi、Co2FeSi、Co2MnGa、Co2MnGe、Co2FeAl、Co2FeGeが含まれる。Co2Fe(Al100−xSi)等の合金もまた、高いスピン偏極特性を有するホイスラ合金である。
【0024】
1つの実施形態において、強磁性フリー層206と強磁性リファレンス層202の各々の厚さは、15〜100Åの範囲である。
【0025】
1つの実施形態において、スペーサ層204は導電性材料を含み、たとえばスペーサ層204は銀(Ag)または銅(Cu)のいずれかを含んでいてもよい。これらの金属はどちらも、ホイスラ合金の成長と適合するFCC結晶構造を持ち、すなわち、AgとCuの結晶特性は実質的にホイスラ合金の結晶特性と一致する。これに加えて、これらの金属はどちらも、長いスピン拡散長を有し、すなわち、伝送された電子が、スペーサ層の一般的な厚さ(たとえば、20〜50Å)より長い距離にわたって、そのスピン方向を保持する。
【0026】
スピン拡散長は、スピン偏極電流の有効な輸送の尺度となる。前述のように、ホイスラ合金は特定のスピン方向を有する伝導電子を高い密度で生成し、すなわち、ホイスラ合金は特定のスピンで電子を偏極する。磁気媒体の磁性方向をよりよく測定するためには、電子がスペーサ層204の中を移動する際、伝導電子のスピン偏極を維持するべきである。
【0027】
スペーサ層204は、強磁性フリー層206と強磁性リファレンス層202の間の磁気(または交換)結合を防止できるように十分に厚く、しかも材料のスピン拡散長より薄くする必要がある。AgとCuはどちらもこれを満たす。特に、AgとCuのスピン拡散長は1000Åまたはそれ以上である。
【0028】
スペーサ層の腐食
磁気再生ヘッドの一般的な加工では、GMRセンサ200に対してCMPが施される。1つのステップで、複数のGMRセンサ200を含むウェハが液体スラリの中に置かれ、研磨ディスクで研磨されてABSが形成される。このラッピング工程では、スペーサ層204が腐食性材料に曝される可能性がある。
【0029】
AgとCuは、腐食しやすいことが知られており、たとえば金属は容易に酸化または変色する。これらの金属は、長いスピン拡散長を提供し、磁気的な結合を防止するが、製造中、腐食しうる。
【0030】
1つの実施形態において、スズ(Sn)とAgを混合して金属合金を形成し、スペーサ204として使用してもよい。有利な点として、Ag−Sn合金により、スペーサ層204の腐食防止能力は、銀のみからなるスペーサ層の場合より増大する。したがって、Ag−Sn合金のスペーサ層204は、センサ製造工程中において、より堅牢である。Ag−Sn合金の例としては、これらに限定されないが、AgSn、AgSn、AgSn10、AgSn13、AgSn16があり、添え字はSnの原子濃度(%)を表す。1つの実施形態において、Ag−Sn合金の中のSnの原子濃度は2〜20%である。
【0031】
図3は、Ag、CuおよびAg−Sn合金の正規化抵抗を示すグラフである。図3は、図に明記された材料について、その材料が水(すなわち、腐食性材料)の中に浸漬された日数ごとに正規化抵抗を測定したものである。図のように、AgとCuの抵抗は、腐食性材料に曝されると増大し始める。しかしながら、Ag−Sn合金は同じ抵抗を保っている。腐食したスペーサ層204は、信号を劣化させ、GMRセンサ200の信号対雑音比を低下させる。
【0032】
図4は、AgおよびAg−Sn合金の正規化抵抗を示すグラフである。図4は、図に明記された材料について、その材料が水中に浸漬された日数に関する正規化抵抗を測定したものである。純銀の抵抗は急速に上昇を始め、銀が腐食または変色していることを示している。しかしながら、Ag−Sn合金の抵抗は一定のままである。すなわち、Snを添加することにより、Agの腐食傾向がなくなる。
【0033】
1つの実施形態において、ゲルマニウム(Ge)とCuを混合して金属合金を形成し、スペーサ層204として使用してもよい。有利な点として、Cu−Ge合金により、スペーサ層204の腐食防止能力が増大する。Cu−Ge合金内のGeの原子濃度は5〜20%であってもよい。
【0034】
一般に、どのような金属合金でも、スペーサ層の腐食防止能力が、その金属合金内の金属の1つのみからなるスペーサ層より高まるかぎり、またスペーサ層204とその磁性層202、206との界面が、短いスピン拡散長または界面スピン拡散によりスピンバルブへの磁気抵抗効果を過剰に減少させないかぎり、スペーサ層204として使用してよい。
【0035】
スペーサ層の抵抗の増大
CPP−GMR再生センサの信号対雑音比は、十分に大きなバイアス電圧を使用した時に、スピントルクにより誘発される励起と高い電子流密度に起因する雑音によって制限される。このスピントルクによる励起は、主として強磁性層202、206とスペーサ層204との界面で起こる。Agを含むスペーサ層204は最近、ホイスラ合金を含む強磁性層202、206との界面が有利な状態にあるため、高いCPP−GMR信号を取得するのに特に好適であることが明らかとなっているが、スピントルクによる励起が依然として、電位差および、その結果としてGMRセンサ200に印加されるかもしれない電流を制限する。
【0036】
大きなスピントルクによって、強磁性層202、206の一方または両方に、磁気雑音と磁化の振動不安定性がもたらされるかもしれない。この不安定性は、リファレンス層およびフリー層202、206の磁化がより反平行の方向に近づくと増大する。換言すれば、反平行状態(Jcrit−AP)で不安定となり始める磁化臨界電流密度は、平行方向(Jcrit−P)の場合の電流密度より有意に小さい。実験的に、CuまたはAgの従来のスペーサに関して、Jcrit−P/Jcrit−APが一般に、2〜4の範囲であることが検証された。それゆえ、実際の素子の動作においてセンサの性能を制限するのはJcrit−APである。過剰な雑音または不安定性を回避するには、安定な動作のために、センス電流212の密度(GMRセンサ200の長さと断面積により測定される)を臨界値以下に保つ必要がある。ΔRAをGMRセンサ200の積層体の抵抗面積積(RA)の最大磁気抵抗変化とすると、Jcrit−AP×ΔRAは、CPP−GMRセンサから得られる最大電圧信号を表す。最大信号電圧を下げれば、同時にGMRセンサ200の信号雑音比も低下し、より小さな信号が雑音によって消される可能性が高くなる。
【0037】
スピントルクの大きさは、スピントルク伝達効率η(θ)によって測定され、θはフリー層およびリファレンス層202、206の磁化の間の角度である。ある角度θにおいて、磁化臨界電流Jcrit(θ)は、η(θ)と反比例する。特に、Jcrit(θ≒180°)≒Jcrit−APは1/ηAPに比例し、ηAP=η(θ=180°)である。すなわち、J−crit−AP×ΔRAは(ΔRA/ηAP)に対応する。
【0038】
CPP−GMRセンサで利用されるものと似た金属多層積層体の拡散輸送理論に基づき、(ΔRA/ηAP)の数値の制御におけるスペーサ層の役割は、以下のように表してもよい。
【数1】

【数2】

【0039】
図5A〜Bは、異なるAg−Sn合金の抵抗p(μΩ−cm)を示すグラフである。図5Aは、Ag−Sn合金のSnの原子濃度が8〜17%で変化することを示している。図のように、抵抗pは40〜80μΩ−cmの範囲であり、これによってAg−Snの抵抗(pAg−Sn)はAgのみの場合の抵抗(pAg)より10〜20倍増大する。したがって、それぞれの量のSnを添加することによって、Ag−Sn合金の抵抗を等式1の
【数3】

の項と同等とすることができる。したがって、スペーサ層にAg−Sn合金を使用することによって、1/2(pt)NMとΔRA/ηAPの数値が実質的に増大し、Jcritがより高くなる。一般に、Ag−Sn合金の抵抗は、10μΩ−cmより大きい。
【0040】
図5Bは、薄膜から、およびGMRセンサ構造から測定した抵抗を示す。図5Bは、薄膜とGMRセンサのどちらにおいても、Ag−Sn膜の抵抗のほうが、50〜100μΩ−cmの範囲と、Agのみを含む場合より大きいことを示している。
【0041】
しかしながら、本質的な磁気抵抗の変化(ΔRA)は概ね、スペーサの厚さに指数関数的に対応する(ΔRA ∝ exp (−t/lsd))。スピントルクの不安定性がなくても他の雑音源があり、そのため、十分な信号対雑音比を達成するには、十分な信号レベルとすることが必要である。それゆえ、Ag−Sn合金はまた、スペーサ層204を通過する伝導電子のスピン消極に起因するΔRAの縮小による大幅な損失を回避するために、そのスピン拡散長(lsd)は、選択されたスペーサ層204の厚さ(t)の、好ましくは5から10倍であるべきである。また、スペーサ層204の厚さは、強磁性層202、206間の磁気結合を防止するために、最低値、たとえば2nmより大きくするべきである。それゆえ、Sn以外の不純物をAgに添加して抵抗を改善してもよいが、これらの元素によってスペーサ層204のスピン拡散長が有意に短縮し、容認できない程度までΔRAが小さくなるかもしれない。このような不利な効果は、ΔRA/ηAPの数値を増大させるという利点を打ち消す可能性がある。しかしながら、Ag−SnおよびCu−Ge合金であれば、両方の条件を満たす。
【0042】
GMRセンサ200の積層体の最大のΔRAを保持するためには、スペーサ層の材料のスピン拡散長は、スペーサ層204の厚さより大きくするべきである。しかしながら、SnをAgに添加することによってスピン拡散長が数千オングストロームからわずか数百オングストロームに縮小したとしても、この縮小はΔRAに有意な影響を与えない。したがって、少量のSn(20%未満)をAgに添加することにより、ΔRA/ηAPを増大でき、その際、スペーサ層204のスピン拡散長をGMRセンサ200の積層体のΔRAが有意に低下する点まで短縮させない。
【0043】
図6Aは、Snの濃度を変化させたAg−Snの合金のΔRAを示すグラフである。Ag−Sn合金のSnが8%まで、そのΔRAは純AgのΔRAと実質的に同じである。一般に、Ag−Sn合金は、20Åを超える厚さのスペーサ層にとって十分なスピン拡散長を有する。好ましくは、スペーサ層204の厚さは約20〜45Åである。
【0044】
図6Bは、ある範囲のスペーサの厚さに対するスペーサの抵抗の増大による素子抵抗の増大を示すグラフである。Ag−Snのスペーサを含む素子の抵抗は、Agのスペーサを含む素子より大きいこと(スペーサの厚さに対するΔRAの傾斜)が示されている。25〜40Åのスペーサの厚さの範囲では、GMR信号は、AgとAg−Snの素子について大体同じである。
【0045】
図6Cは、ある範囲のスペーサの厚さに対するスペーサ層のスピン拡張長を示すグラフである。Ag−SnのスペーサでΔR/Rが減少しているのは、Ag−Snのスピン拡散長がAgのそれより小さいことを示しているが、それでも一般的な素子のスペーサの厚さよりは大きい。これに加えて、界面粗さによって、Agのスペーサの厚さは約35Åに制限され、その一方で、Ag−Snのスペーサははるかに平滑であり、25Åまで薄くしても電極間の有害な磁気結合は発生しない。
【0046】
図6Dは、Ag、Ag−Snまたは多層Ag/Ag−Snスペーサを利用する各種のCPP−GMRセンサのスピントルクデータを示すグラフである。このデータは、スペーサ層204の異なる材料について、スペーサの厚さに関する、MR(ΔR/R)×リファレンス層のスピントルク不安定性の原因となる臨界電圧(Vcrit=Jcrit×RA)の推移を示す。ΔR/R×Vcritは、Agのスペーサ層204を含むセンサより、Ag−Snのスペーサ層204を含む再生センサのほうが高い。
【0047】
1つの実施形態において、スペーサ層204はCu−Ge合金を含んでいてもよく、合金の抵抗(pCu−Ge)は、Cuのみからなるスペーサ層204の抵抗(pCu)より大きい。Cu−Ge合金のスピン拡散長によって、スペーサ層を20Åより厚くすることができる。
【0048】
1つの実施形態において、それぞれの合金の中のSnまたはGeのいずれかの原子濃度は10%未満である。他の実施形態において、それぞれの合金の中のSnまたはGeのいずれかの原子濃度は2〜20%である。
【0049】
一般に、どのような金属合金でも、スペーサ層の腐食防止能力が、したがってGMRセンサ200が、その金属合金内の金属の1つのみからなるスペーサ層より高まるかぎり、またスペーサ層204とその磁性層202、206との界面が、短いスピン拡散長または界面スピン拡散によりスピンバルブへの磁気抵抗効果を過剰に減少させないかぎり、スペーサ層204として使用してよい。
【0050】
GMRセンサの製造方法
図7A〜Cは、GMRセンサの製造方法を示す。図7Aにおいて、強磁性リファレンス層202が基板701の上に堆積される。基板701は、CPP−GMR再生ヘッドを製造する際に有益な他の複数の層、たとえばニッケル鉄(NiFe)、チタン(Ta)、ルテニウム(Ru)、コバルト鉄(CoFe)または、センサの結晶構造または特性を改善するのに役立つその他の磁性または非磁性下地層等を含んでいてもよい。
【0051】
1つの実施形態において、強磁性リファレンス層202は複数の元素を含むホイスラ合金である。各元素は、ホイスラ合金の各元素のための別々のターゲットを使用する物理気相成長(PVD)方式か、ホイスラ合金のすべての元素を含む単一ターゲット方式のいずれかにより堆積させてもよい。
【0052】
図7Bにおいて、スペーサ層204が強磁性リファレンス層202の上に堆積される。スペーサ層204は、少なくとも1つの導電性金属、たとえばAgまたはCuを含む金属合金を含んでいてもよい。金属合金はまた、スペーサ層204の耐食性と電気抵抗を、不純物を含まない場合のこれらの特性と比較して増大させる少なくとも1つの不純物、たとえばSnまたはGeも含んでいてよい。PVD方式では、導電性金属と不純物の上に、個々のターゲットから、または金属と不純物の両方を含む単一ターゲットからスパッタしてもよい。
【0053】
1つの実施形態において、スペーサ層は、強磁性リファレンス層202と直接接触する。
【0054】
図7Cにおいて、強磁性フリー層206がスペーサ層204の上に堆積される。1つの実施形態において、強磁性リファレンス層202は、複数の元素を含むホイスラ合金である。各要素は、ホイスラ合金の各元素のための別々のターゲットを使用するPVD方式か、ホイスラ合金のすべての元素を含む単一ターゲット方式のいずれかにより堆積させてもよい。さらに、この後で基板上に他の層を堆積させて、CPP−GMRセンサヘッドの製造を終了させてもよい。
【0055】
1つの実施形態において、層202、204、206はアモルファスであり、同じ結晶構造を共有しない。他の実施形態において、層202、204、206の1つまたそれ以上は結晶であり、異なる層の同じ秩序の結晶構造を共有してもよい。
【0056】
1つの実施形態において、強磁性リファレンス層202、スペーサ層204、および強磁性フリー層206は直接接触せず、間に他の層が堆積されてもよい。
【実施例】
【0057】
図8A〜Cは、本発明の実施形態による各種の再生センサを示している。図8Aは、CPPスピンバルブを含む再生センサの1つの実施形態を示す。一般的なCPP−GMRスピンバルブは、強磁性フリー層806、スペーサ層804、固定強磁性リファレンス層802、反強磁性ピニング層808で形成される。強磁性フリー層806は、強磁性リファレンス層802にとって適当な同じ材料を含んでいてもよい。強磁性層802、806は同じ材料を含んでいてもよく、またはこれらは、たとえばCo、Fe、Niの合金の異なる1層または複数の層を含んでいてもよい。
【0058】
図8Bは、強磁性リファレンス層802が反強磁性ピニング層に固定されていない、擬スピンバルブを示している。
【0059】
図8Cは、固定強磁性層812が反強磁性ピニング層808に交換結合され、また薄い、反強磁性結合層810を通じて、強磁性リファレンス層802に反強磁性結合されている「AP固定」スピンバルブを示す。反強磁性結合層810は、反平行結合に適した材料(たとえば、Ru)を含んでいてもよい。反強磁性結合層810は、固定層812とリファレンス層802を結合し、それらのそれぞれの磁化は相互に反平行となり、強磁性フリー層806の磁化に関して、どちらも約90度である。
【0060】
図9は、本発明の実施形態による、高感度、高耐食性のスペーサ層904を有する再生ヘッドセンサを示す。図のように、図9は「APフリー層」を示し、2つの強磁性フリー層(すなわち、第一の強磁性フリー層906と第二の強磁性フリー層912)が反強磁性結合層910を介して相互に磁気結合されており、これらの磁化は反平行となっている。さらに、層906、912の磁化は、強磁性リファレンス層902の磁化から約90度の向きである。1つの実施形態において、強磁性リファレンス層902の磁化は、反強磁性層908によって固定される。反平行結合フリー層912は、リファレンス層に基本的に平行な向きにあるときに、第一の強磁性フリー層906のスピントルク不安定性に対する耐性を高めることができ、それゆえ、高抵抗スペーサ層904によって提供される反平行状態の高いスピントルク安定性を補う。
【0061】
図中、再生ヘッドセンサを形成する層間に他の層を堆積させてもよい。さらに、各層が異なる材料または複数の層を含んでいてもよい。
【0062】
以上は、本発明の実施形態に関するものであるが、本発明の他の、別の実施形態をその基本的範囲から逸脱することなく導き出してもよく、その範囲は以下の特許請求の範囲により決定される。
【符号の説明】
【0063】
100 ディスクドライブ
112 磁気ディスク
113 スライダ
114 スピンドル
115 サスペンション
118 ドライブモータ
119 アクチュエータアーム
121 磁気ヘッドアセンブリ
122 ディスク表面
123、128 ライン
125 記録チャネル
127 アクチュエータ手段
129 制御ユニット
200 GMRセンサ
202、802、902 強磁性リファレンス層
204、804、904 スペーサ層
206、806 強磁性フリー層
212 センス電流
701 基板
808、908 反強磁性層
810、910 反強磁性結合層
812 固定強磁性層
906 第一の強磁性フリー層
912 第二の強磁性フリー層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の磁性層および第二の磁性層と、
前記第一と第二の磁性層間に配置されたスペーサ層であって、合金を含み、前記合金の少なくとも1つの金属が導電性を有するスペーサ層と、
を備える再生ヘッドセンサであって、
前記スペーサ層が、全体が前記少なくとも1つの金属からなるスペーサ層と比較して、(i)より耐食性が高く、(ii)前記再生ヘッドセンサの電気抵抗を増大させる、
再生ヘッドセンサ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの金属がAgである、請求項1に記載の再生ヘッドセンサ。
【請求項3】
前記金属合金がAg−Snである、請求項2に記載の再生ヘッドセンサ。
【請求項4】
前記Snが前記スペーサ層の20原子パーセント未満を占める、請求項3に記載の再生ヘッドセンサ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの金属がCuである、請求項1に記載の再生ヘッドセンサ。
【請求項6】
前記金属合金がCu−Geである、請求項5に記載の再生ヘッドセンサ。
【請求項7】
前記Geが前記スペーサ層の20原子パーセント未満を占める、請求項6に記載の再生ヘッドセンサ。
【請求項8】
前記スペーサ層の電気抵抗が30g2−cmより大きい、請求項1に記載の再生ヘッドセンサ。
【請求項9】
前記第一と第二の磁性層の両方がホイスラ合金を含む、請求項1に記載の再生ヘッドセンサ。
【請求項10】
第一の磁性層および第二の磁性層と、
前記第一と第二の磁性層間に配置されたスペーサ層であって、銀合金を含むスペーサ層と、
を含む再生ヘッドセンサ。
【請求項11】
前記金属合金がAg−Snである、請求項10に記載の再生ヘッドセンサ。
【請求項12】
前記Snが前記スペーサ層の5〜20原子パーセントを占める、請求項11に記載の再生ヘッドセンサ。
【請求項13】
再生ヘッドセンサの製造方法であって、
基板上に第一の磁性層を堆積させるステップと、
前記第一の磁性層の上にスペーサ層を堆積させるステップであって、前記スペーサ層が金属合金を含み、前記合金の少なくとも1つの金属が導電性を有する、ステップと、
を有し、
前記スペーサ層が、全体が前記少なくとも1つの金属からなるスペーサ層と比較して、(i)より耐食性が高く、(ii)前記再生ヘッドセンサの電気抵抗を増大させ、
前記方法はさらに、前記スペーサ層の上に第二の磁性層を堆積させるステップを有する
方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの金属がAgである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記金属合金がAg−Snであり、前記Snが前記スペーサ層の20原子パーセント未満を占める、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記Agと前記Snが別々のターゲットからスパッタされる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの金属がCuである、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記金属合金がCu−Geであり、前記Geが前記スペーサ層の10原子パーセント未満を占める、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記スペーサ層の電気抵抗が30vS2−cmより大きい、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記第一と第二の磁性層の両方がホイスラ合金を含む、請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−54814(P2013−54814A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−189572(P2012−189572)
【出願日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【出願人】(503116280)エイチジーエスティーネザーランドビーブイ (1,121)
【Fターム(参考)】