説明

脂質代謝改善剤

【課題】 本発明は、脂質代謝改善作用を有し、天然の食用植物に由来する組成物であって、副作用がなく長期にわたって摂取でき、安全な食品組成物又は医薬組成物又は化粧品用組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の脂質代謝改善剤は、ユズ抽出物を含有することを特徴とする。前記抽出物がユズの果実又は種子のn―ヘキサン、エーテル、アセトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、及び水の1種又は2種以上の溶媒を用いて抽出した抽出物、もしくは、炭酸ガスによる超臨界抽出した抽出物、望ましくはエタノール濃度10〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物であるとよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユズ由来の脂質代謝改善剤に関するもので、例えば、飲食品、薬品、医薬部外品、化粧品等の素材として適用されるものである。
【背景技術】
【0002】
ユズはみかん属みかん科で学名はCitrus junosで、原産は中国揚子江上流の四川・雲南と言われ、わが国には平安時代頃に伝わったとされている。本草綱目には、「ユズの種を黒焼きにしたものを粉にして飲むと体の痛みが和らぐ」と書かれていることから、民間療法としてリウマチや肩こり、関節痛等に用いられたり、ユズ湯として風邪の予防や疲労回復等に用いられたりしている。成分には、柑橘類に含有される苦味成分であるリモノイドがある。リモノイドは最近の研究により、抗腫瘍作用(特開平2−83320)、及び鎮痛作用(特開平9−286789)を有することが報告されている。
【0003】
なお、ユズに関連する先行技術としては、特許文献1〜3が開示されている。
【特許文献1】特開2004−010480
【特許文献2】特開2001−072564
【特許文献3】特開2001−158728
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような背景の下、本発明者らは、ユズより抽出した抽出物が、新たに脂質代謝改善作用を有することを見出した。さらに、ユズ抽出物は天然の食用植物に由来する組成物であって、副作用がなく長期にわたって摂取できるものである。そこで、本発明の目的は、脂質代謝改善作用を有し、且つ、安全な食品組成物又は医薬組成物又は化粧品用組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の脂質代謝改善剤は、ユズ抽出物を有効成分とすることを特徴とする。
また、前記ユズ抽出物は、ユズの種子から抽出したものであることを特徴とする。
更に、前記ユズ抽出物は、前記ユズ種子を脱脂したものであることを特徴とする。
【0006】
本発明の医薬品は、前記脂質代謝改善剤を含有することを特徴とする。
本発明の飲食品は、前記脂質代謝改善剤を含有することを特徴とする。
本発明の皮膚外用剤は、前記脂質代謝改善剤を含有することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の脂質代謝改善剤は、抽出原料としてユズを用いるものである。そのとき、その抽出原料にはユズのどの部分を用いても良く、例えば、ユズの種子、果実、果汁、果皮、じょうのう膜等も使用できる。また、これらのうち抽出原料としては、特に、ユズの種子が好ましい。脂質代謝を改善する機能を有する成分をより高濃度に抽出することができるからである。
また、上記抽出原料としてユズの種子を用いた場合、脱脂を行ったユズ種子を用いることが好ましい。油分を取り除くことにより、より高濃度の脂質代謝改善機能を有する成分を抽出できるからである。
このとき、上記ユズ種子の脱脂方法としては、例えば、ユズ種子を圧搾して油分を分離するだけでも良いし、圧搾した後に圧搾物の残留油分を脱脂用溶媒(脂溶性有機溶媒)により抽出分離しても良い。また、ユズ種子を粉砕して粉砕物を脱脂用溶媒により抽出分離することにより行うこともできる。
好ましい脱脂用溶媒としては、n−ヘキサン、アセトン等が挙げられるが、n−ヘキサンを用いることが特に好ましい。抽出油分を食用油として使用し得るとともに、脱脂ユズ種子の抽出物を食品素材等に利用しやすくなるからである。
【0008】
ユズ種子から脂質代謝改善機能成分(以下、単に「機能成分」ともいう。)を抽出する方法としては、連続抽出、浸漬抽出、向流抽出等の溶媒抽出や、超臨界抽出等が挙げられる。溶媒抽出を行うための溶媒としては、n―ヘキサン、エーテル、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、及び水等を使用することができる。尚、上記溶媒は1種のみを用いても良いし、これらの溶媒を2種以上混合しても良い。
更には、水またはエタノールを抽出溶媒として用いることが好ましい。機能成分が効率よく抽出されるからである。特に、含水エタノール用いることが好ましい。抽出の際に機能成分の活性を低下させにくく、抽出物の食品使用における安全面の上でも好ましい抽出溶媒だからである。抽出用の水の種類は、特に限定されず、水道水、蒸留水、ミネラル水、アルカリイオン水、深層水等を使用することができる。
【0009】
ユズ種子から機能成分を抽出する抽出温度としては、例えば溶媒として、含水エタノールを使用する場合、抽出温度20〜80℃、好ましくは50〜80℃程度で行うとよい。抽出温度が低すぎると、機能成分が抽出されにくくなり、また、抽出温度が高すぎると、機能成分の活性が低下しやすくなるためである。
【0010】
抽出溶媒としての含水エタノールは、エタノール濃度10〜90%(wt/wt)、好ましくはエタノール濃度60〜80%(wt/wt)であるとよい。エタノール濃度60%(wt/wt)以上としたのは、エタノール含有量が少なすぎると、機能成分の抽出量が不十分になりやすいためである。なお、エタノール抽出は、機能成分の含有率を向上させるため、エタノール濃度を段階的に変えながら繰り返して行うとよい。
【0011】
ユズ抽出物の具体的な抽出方法を示すと、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料(例えば、脱脂したユズ種子)を投入し、攪拌しながら機能成分を溶出させる。抽出原料はそのままでもよいが、あらかじめ粉砕しておくと抽出効率がよい。例えば、抽出溶媒として含水エタノールを用いる場合には、抽出原料の5〜100倍量程度(重量比)の抽出溶媒を使用し、30分〜2時間程度抽出を行う。溶媒中に機能成分を溶出させた後、ろ過して抽出残渣を除くことによって抽出液を得る。その後、常法に従って抽出液に希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施し、本発明による脂質代謝改善剤を得る。
なお、精製方法としては、例えば、活性炭処理、樹脂吸着処理、イオン交換樹脂、液−液向流分配等の方法が挙げられる。
また、超臨界抽出を行う場合、炭酸ガスを用いることが好ましい。
【0012】
本発明の脂質代謝改善剤は、各種飲食品の素材として使用することができる。飲食品としては、例えば、食用油(サラダ油、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これらの飲食品に本発明の脂質代謝改善剤を適宜配合するとよい。
【0013】
これら飲食品には、その種類に応じて種々の成分を配合することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等の食品素材を使用することができる。さらに、健康維持機能をもった本脂質代謝改善剤には、他の抗酸化物質や健康食品素材などの配剤、例えば、抗酸化物質)還元型アスコルビン酸(ビタミンC)、ビタミンE、還元型グルタチン、トコトリエノール、ビタミンA誘導体、リコピン、β−クリプトキサンチン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、フコキサンチン、尿酸、ユビキノン、コエンザイムQ10、葉酸、ニンニクエキス、アリシン、セザミン、リグナン類、カテキン、イソフラボン、カルコン、タンニン類、フラボノイド類、クマリン、イソクマリン類、ブルーベリーエキス、健康食品素材)V.(ビタミン)A、V.B1、V.B2、V.B6、V.B12、V.C、V.D、V.E、V.P、コリン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸カルシウム、EPA、オリゴ糖、食物繊維、スクアレン、大豆レシチン、タウリン、ドナリエラ、プロテイン、オクタコサノール、DHA、卵黄レシチン、リノール酸、ラクトフェリン、マグネシウム、亜鉛、クロム、セレン
、カリウム、ヘム鉄、カキ肉エキス、キトサン、キチンオリゴ糖、コラーゲン、コンドロイチン、ウコン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、サンザシ、生姜、霊芝、シジミエキス、スッポン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、サンザシ、生姜、霊芝、オオバコ、カミツレ、カモミール、セイヨウタンポポ、ハイビスカス、ハチミツ、ボーレン、ローヤルゼリー、ライム、ラベンダー、ローズヒップ
、ローズマリー、セージ、ビフィズス菌、フェーカリス菌、ラクリス、小麦胚芽油、ゴマ油、シソ油、大豆油、中鎖脂肪酸、アガリクス、イチョウ葉エキス、ウコン、コンドロイチン、玄米胚芽エキス、レイシ、タマネギ、DHA、 EPA、 DPA、 甜茶、冬虫夏草、ニンニク、蜂の子、パパイヤ、プーアル、プロポリス、メグスリの木、ヤブシタケ、ロイヤルゼリー、ノコギリヤシ、ヒアルロン酸、コラーゲン、ギャバ、ハープシールオイル、サメ軟骨、グルコサミン、レシチン、ホスファチジルセリン、田七ニンジン、桑葉、大豆抽出物、エキナセア、エゾウコギ、大麦抽出物、オリーブ葉、オリーブ実、ギムネマ、バナバ、サラシア、ガルシニア、キトサン、セントジョーンズワート、ナツメ、ニンジン、パッションフラワー、ブロッコリー、プラセンタ、ハトムギ、ブドウ種子、ピーナッツ種皮、ビルベリー、ブラックコホシュ、マリアアザミ、月桂樹、セージ、ローズマリー、ラフマ、黒酢、ゴーヤー、マカ、紅花、亜麻、ウーロン茶、花棘、カフェイン、カプサイシン、キシロオリゴ糖、グルコサミン、ソバ、シトラス、食物繊維、プロテイン、プルーン、スピルリナ、大麦若葉、核酸、酵母、椎茸、梅肉、アミノ酸、深海鮫抽出物、ノニ、カキ肉、スッポン、シャンピニオン、オオバコ、アセロラ、パイナップル、バナナ、モモ、アンズ、メロン、イチゴ、ラズベリー、オレンジ、フコイダン、メシマコブ、クランベリー、コンドロイチン硫酸、亜鉛、鉄、セラミド、シルクペプチド、グリシン、ナイアシン、チェストツリー、セラミド、L-システイン、赤ワイン葉、ミレット、ホーステール、ビオチン、センテラアジアティカ、ハスカップ、ピクノジェノール、フキ、ルバーブ、クローブ、ローズマリー、カテキン、プーアル、クエン酸、ビール酵母、メリロート、ブラックジンガー、ショウガ、ガジュツ、ナットウキナーゼ、ベニコウジ、トコトリエノール、ラクトフェリン、シナモン、韃靼ソバ、ココアなども配合することができる。
【0014】
具体的な製法としては、本発明の脂質代謝改善剤(ユズ抽出物)を粉末セルロースとともにスプレードライまたは凍結乾燥し、これを粉末、顆粒、打錠または溶液にすることで容易に飲食品(インスタント食品等)に含有させることができる。また、本発明の脂質代謝改善剤(ユズ抽出物)を、例えば、油脂、エタノール、グリセリンあるいはこれらの混合物に溶解して液状にし、飲料に添加するか、固形食品に添加することが可能である。必要に応じてアラビアガム、デキストリン等のバインダーと混合して粉末状あるいは顆粒状にし、飲料に添加するか固形食品に添加することも可能である。
【0015】
本発明の脂質代謝改善剤を飲食品に適用する場合の添加量としては、病気予防や健康維持等が主な目的であるので、飲食品に対してユズ抽出物の含量が1〜20wt%であるのが好ましい。
【0016】
本発明の脂質代謝改善剤は、薬品(医薬品および医薬部外品を含む。)の素材として用いてもよい。薬品製剤用の原料に、本発明の脂質代謝改善剤を適宜配合して製造することができる。本発明の脂質代謝改善剤に配合しうる製剤原料としては、例えば、賦形剤(ブドウ糖、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等)、結合剤(蒸留水、生理食塩水、エタノール水、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(アルギン酸ナトリウム、カンテン、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖、アラビアゴム末、ゼラチン、エタノール等)、崩壊抑制剤(白糖、ステアリン、カカオ脂、水素添加油等)、吸収促進剤(第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等)、吸着剤(グリセリン、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、硅酸等)、滑沢剤(精製タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール等)などが挙げられる。
【0017】
本発明による脂質代謝改善剤の投与方法は、一般的には、錠剤、丸剤、軟・硬カプセル剤、細粒剤、散剤、顆粒剤、液剤等の形態で経口投与することができるが、非経口投与であってもよい。非経口剤として投与する場合は、溶液の状態、または分散剤、懸濁剤、安定剤などを添加した状態で、ハップ剤、ローション剤、軟膏剤、チンキ剤、クリーム剤などの剤形で適用することができる。
【0018】
投与量は、投与方法、病状、患者の年齢等によって変化し得るが、大人では、通常、1日当たり機能成分として0.5〜5000mg、子供では通常0.5〜3000mg程度投与することができる。
脂質代謝改善剤の配合比は、剤型によって適宜変更することが可能であるが、通常、経口または粘膜吸収により投与される場合は約0.3〜15.0wt%、非経口投与による場合は、0.01〜10wt%程度にするとよい。なお、投与量は種々の条件で異なるので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
【0019】
本発明の脂質代謝改善剤を配合しうる皮膚外用材の形態としては、例えば、乳液、石鹸、洗顔料、入浴剤、クリーム、乳液、化粧水、オーデコロン、ひげ剃り用クリーム、ひげ剃り用ローション、化粧油、日焼け・日焼け止めローション、おしろいパウダー、ファンデーション、香水、パック、爪クリーム、エナメル、エナメル除去液、眉墨、ほお紅、アイクリーム、アイシャドー、マスカラ、アイライナー、口紅、リップクリーム、シャンプー、リンス、染毛料、分散液、洗浄料等が挙げられる。
また、本発明の脂質代謝改善剤を配合しうる医薬品または医薬部外品の形態としては、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤等が挙げられる。
【0020】
上記形態の皮膚外用剤には、本発明による脂質代謝改善剤の他に、脂質代謝改善機能を損なわない範囲で、化粧品、医薬部外品などの皮膚外用剤に配合される成分、油分、高級アルコール、脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、多価アルコール・糖、高分子、生理活性成分、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等を配合することができる。
例を以下に羅列するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(1)油分の例
エステル系の油相成分:トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアラキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、炭酸ジプロピル、炭酸ジアルキル(C12-18)、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアラキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル等が挙げられる。
炭化水素系の油相成分:スクワラン、流動パラフィン、α-オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
動植物油とその硬化油、および天然由来のロウ:牛脂、硬化牛脂、豚脂、硬化豚脂、馬油、硬化馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、魚油、硬化魚油、卵黄油等の動物油およびその硬化油、アボカド油、アルモンド油、オリーブ油、カカオ脂、杏仁油、ククイナッツ油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シアバター、大豆油、月見草油、シソ油、茶実油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、硬化ナタネ油、パーム核油、硬化パーム核油、パーム油、硬化パーム油、ピーナッツ油、硬化ピーナッツ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ホホバ油、硬化ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドホーム油、綿実油、硬化綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油等の植物油およびその硬化油、ミツロウ、高酸価ミツロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬化ラノリン、液状ラノリン、カルナバロウ、モンタンロウ等のロウ等が挙げられる。
シリコーン系の油相成分:ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性シリコーン油、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等が挙げられる。
フッ素系の油相成分:パーフルオロポリエーテル、フッ素変性オルガノポリシロキサン、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
(2)高級アルコールの例
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、2-エチルヘキサノール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。
(3)脂肪酸の例
カプリル酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、2-エチルヘキサン酸等が挙げられる。
(4)紫外線吸収剤の例
パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸エチルジヒドロキシプロピル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸オクチルジメチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸フェニル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ2-エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシヒドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシオクトキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2、4、6-トリアニリノ-p-(カルボ-2-エチルヘキシル-1-オキシ)-1、3、5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル-O-アミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3、3-ジフェニルアクリレート、フェニルベンゾイミダゾール硫酸、3-(4-メチルベンジリデン)カンフル、イソプロピルジベンゾイルメタン、4-(3、4-ジメトキシフェニルメチレン)-2、5-ジオキソ-1-イミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル等、およびこれらの高分子誘導体やシラン誘導体等が挙げられる。
(5)粉体・顔料の例
赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号ALレーキ、黄色203号BAレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、デンプン、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等の金属セッケン、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)および粒子径に特に制限はない。なおこれらの粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N-アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属セッケン処理、アミノ酸処理、レシチン処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくても構わない。
(6)界面活性剤の例
アニオン性界面活性剤:脂肪酸セッケン、α-アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N-アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤:塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤:カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤:プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POP共重合体、POE・POPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーンラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質等が挙げられる。
天然系界面活性剤:レシチン、サポニン、糖系界面活性剤等が挙げられる。
(7)多価アルコール、糖の例
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3-メチル-1、3-ブタンジオール、1、3-ブチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ラフィノース、エリスリトール、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラクトース、マルトース、マルチトール、トレハロース、アルキル化トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース、プルラン等が挙げられる。またこれらの化学修飾体等も使用可能である。
(8)高分子の例
アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体(プラスサイズ、互応化学社製)、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体(レジン28-1310、NSC社製)、酢酸ビニル/クロトン酸/ビニルネオデカネート共重合体(28-2930、NSC社製)、メチルビニルエーテルマレイン酸ハーフエステル(ガントレッツES、ISP社製)、T-ブチルアクリレート/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体(ルビマー、BASF社製)、ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネート共重合体(ルビスコールVAP、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸共重合体(ルビセットCA、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルピロリドン共重合体(ルビセットCAP、BASF社製)、ビニルピロリドン/アクリレート共重合体(ルビフレックス、BASF社製)、アクリレート/アクリルアミド共重合体(ウルトラホールド、BASF社製)、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリラート共重合体(アドバンテージ、ISP社製)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール、BFGoodrich社製)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレン、BF Goodrich社製)等のアニオン性高分子化合物や、ジアルキルアミノエチルメタクリレート重合体の酢酸両性化物(ユカフォーマー、三菱化学社製)、アクリル酸オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(AMPHOMER、NSC社製)等の両性高分子化合物、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートの4級化物(GAFQUAT、ISP社製)、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドン共重合体(ルビコート、BASF社製)等のカチオン性高分子化合物、ポリビニルピロリドン(ルビスコールK、BASF社製)、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA、BASF社製)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマー937、ISP社製)、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマーVC713、ISP社製)等のノニオン性高分子化合物等がある。また、セルロースまたはその誘導体、ケラチン及びコラーゲンまたはその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グアーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
(9)生理活性成分の例
生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、美白成分、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。これらの好適な配合成分の例としては、例えばアシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバ-エキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セ-ジエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、加水分解ペプチド、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、トリメチルグリシンなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、フィトスフィンゴシン、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコールチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ-オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、DL-α-トコフェロール、酢酸DL-α-トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D-パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエストラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、L-メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ-アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコールチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシキエキス等の育毛剤などが挙げられる。
(10)酸化防止剤の例
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、チオジプロピオン酸ジラウリル、トコフェロール、トリルビグアナイド、ノルジヒドログアヤレチン酸、パラヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン、リンゴエキスやチョウジエキスなどの酸化防止効果の認められる植物エキス等が挙げられる。
(11)溶媒の例
精製水、エタノール、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N-メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
【実施例】
【0021】
実施例:ユズ種子抽出物含有粉末の製造
原料としてのユズは、日本産を用いた。まず、ユズ種子を粉砕し、n−ヘキサンで60℃において1時間抽出し、これをろ過することによって脱脂を行った。その残渣を70%エタノールで70℃において4時間抽出し、ろ過後、そのろ液を減圧蒸留した。さらに真空乾燥させて、この真空乾燥物(ユズ種子抽出物)とデンプン分解物とを混合してパウダー状にしたものをユズ種子抽出物含有粉末(脂質代謝改善剤)とした。このとき、真空乾燥物とデンプン分解物との混合比(真空乾燥物/デンプン分解物)は、質量比にて40/60とした。
【0022】
試験例:脂質代謝に及ぼす影響の検討
上記実施例のユズ種子抽出物含有粉末の脂質代謝に及ぼす影響を検討するために以下の動物実験を行った。
(1)試験物質の調製方法
試験食は、コントロール食として、AIN-93G組成に基づいた純化食を用いた。即ち、飼料の重量組成(g/kg)は、カゼイン200、コーン油50、ミネラル混合(AIN-93-MX)35、ビタミン混合(AIN-93-VX)10、セルロース50、重酒石酸コリン2、α-コーンスターチ132、ショ糖100、L-シスチン3、コレステロール5、コール酸ナトリウム1.25、TBHQ0.014およびコーンスターチで1000とした。また、本実施例のユズ種子抽出物含有粉末を添加した試験食として、上記コントロール食に上記本実施例のユズ種子抽出物含有粉末を飼料総重量の5%添加し、その添加量分のコーンスターチ量を減じたものを用いた。
【0023】
(2)使用動物及び飼育条件
4週齢の雄性Sprague-Dawleyラット(以下SDラットという)を室温22±1℃、室温55±5%、8:00〜20:00点灯のライトサイクルの動物飼育室で飼育した。
最初の5日間はMF固形飼料を与えて予備飼育を行った。その後、ラットの体重に差がないように2群に分け、上述した試験食を4週間自由摂食させた。
飼育期間中、摂食量および体重を毎日測定した。
【0024】
(3)腎臓周辺および睾丸周辺の脂肪組織重量の測定
そして、SDラットの腎臓周辺および睾丸周辺の脂肪組織重量を、腎臓周辺および睾丸周辺の脂肪組織を摘出し、生理食塩水で洗浄後ロ紙で水分を除去して、電子天びん(HM-300、(株)エー・アンド・エヌ)で重量を測定することによって測定した。その結果を下記表1に示す。
【0025】
表1によれば、上記ユズ種子抽出物含有粉末は、SDラットの腎臓周辺および睾丸周辺の脂肪組織重量を低下させた。この脂肪組織重量の低下により体重増加が抑えられたと考えられる。上記ユズ種子抽出物含有粉末を摂取したラットの肝臓重量はコントロール食を摂取したラットのそれと変わらなかったことから、ユズ種子抽出物含有粉末は脂肪組織のみを効果的に減少させる作用を有すると判断される。
【0026】
【表1】

【0027】
(4)血清総コレステロール濃度及び高密度リポタンパク質(HDL)-コレステロール濃度の測定
血清総コレステロール濃度及び高密度リポタンパク質(HDL)-コレステロール濃度の測定を行った。血清総コレステロール濃度はコレステロールオキシダーゼ・DAOS法によるコレステロールE-テスト(和光純薬)、HDL-コレステロール濃度はデキストラン硫酸・リンタングステン酸沈殿法によるHDL-C・2「第一」(第一化学)を用いて定量した。その結果を表2に示す。
【0028】
表2によれば、上記ユズ種子抽出物含有粉末は、SDラットの血清総コレステロール濃度を変化させずに、動脈硬化抑制作用を有する高密度リポタンパク質(HDL)-コレステロール濃度を増加させた。また、血清過酸化脂質濃度を低下させた。
【0029】
【表2】

【0030】
(5)血清中性脂肪濃度及び肝臓中性脂肪濃度の測定
血清中性脂肪濃度及び肝臓中性脂肪濃度を測定した。その結果を表3に示す。
血清肝臓中性脂肪濃度は、GPO・DAOS法によるトリグリセライドE-テスト(和光純薬)を用いて測定し、肝臓中性脂肪濃度はFolchらの方法に従って抽出し、アセチルアセトン法で定量した。
表3によれば、上記ユズ種子抽出物含有粉末は、血清と肝臓中性脂肪濃度を減少させたことが判る。
【表3】

【0031】
(6)肝臓脂肪酸合成および分解酵素の活性の測定
血清や肝臓の中性脂肪濃度は、肝臓の脂肪酸合成や分解による影響を大きく受ける。そこで、肝臓脂肪酸合成および分解酵素の活性を測定した。その結果を表4に示す。
肝臓脂肪酸合成酵素の活性は、肝臓サイトゾル画分のFatty acid synthase活性を測定するKellyらの方法で行った。肝臓脂肪酸酸化酵素の活性は、肝臓ミトコンドリア画分のCarnitine palmitoyltransferase活性を測定するMarkwellらの方法で行った。
【0032】
表4によれば、上記ユズ種子抽出物含有粉末は、脂肪酸合成酵素である肝臓サイトゾル画分のFatty acid synthase活性を低下させ、脂肪酸分解酵素である肝臓ミトコンドリア画分のCarnitine
palmitoyltransferase活性を増加させた。ユズ種子抽出物含有粉末は肝臓Fatty
acid synthase活性を低下させることで肝臓脂肪合成を抑制し、また、Carnitine
palmitoyltransferase活性を上昇させることで脂肪酸分解を促進することにより肝臓および血清中性脂肪濃度を低下させることが明らかとなった。
【0033】
【表4】

【0034】
これらの結果から、上記ユズ種子抽出物含有粉末は体脂肪減少作用、血清と肝臓中性脂肪濃度低下作用、HDL-コレステロール濃度上昇作用および血清過酸化脂質濃度低下作用を有することから、脂質代謝改善作用を発揮することが判る。
【0035】
(6)本実施例のユズ種子抽出物含有粉末の安全性
5000mg/kgの本実施例のユズ種子抽出物含有粉末をICR系雌雄マウス(5週齢)に経口投与し、14日間飼育したところ、死亡例や体重推移の異常は認められず、飼育終了後に行った剖検においても、臓器の肉眼的異常は認められなかった。したがって、上記ユズ種子抽出物含有粉末のマウスにおけるLD50値(経口投与)は、雌雄ともに5000mg/kg以上とみなされ、安全性はかなり高いと判断された。
【0036】
[配合例]
本発明による脂質代謝改善剤(ユズ抽出物)の配合例を示す。尚、下記「ユズ抽出物」は、抽出原料として、例えば、ユズの種子、じょうのう膜、果実、果汁、及び果皮等をもしいても良いし、また、ユズの種子を用いた場合、脱脂した種子を用いても良いことはいうまでもない。また、下記ユズ抽出物の配合は下記配合例に限定されない。
配合例1:チューインガム
砂糖 53.0wt%
ガムベース 20.0
グルコース 10.0
水飴 16.0
香料 0.5
ユズ抽出物 0.5
100.0wt%
【0037】
配合例2:グミ
還元水飴 40.0wt%
グラニュー糖 20.0
ブドウ糖 20.0
ゼラチン 4.7
水 9.68
ユズ果汁 4.0
ユズフレーバー 0.6
色素 0.02
ユズ抽出物 1.0
100.0wt%
【0038】
配合例3:キャンディー
砂糖 50.0wt%
水飴 33.0
水 14.4
有機酸 2.0
香料 0.2
ユズ抽出物 0.4
100.0wt%
【0039】
配合例4:ヨーグルト(ハード・ソフト)
牛乳 41.5wt%
脱脂粉乳 5.8
砂糖 8.0
寒天 0.15
ゼラチン 0.1
乳酸菌 0.005
ユズ抽出物 0.4
香料 微量
水 残余
100.0wt%
【0040】
配合例5:清涼飲料
果糖ブドウ糖液糖 30.0wt%
乳化剤 0.5
ユズ抽出物 0.3
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
【0041】
配合例6:錠菓
砂糖 76.4wt%
グルコース 19.0
ショ糖脂肪酸エステル 0.2
ユズ抽出物 0.5
精製水 3.9
100.0wt%
【0042】
配合例7:ソフトカプセル
玄米胚芽油 47.0wt%
ユズ種子油 40.0
乳化剤 12.0
ユズ抽出物 1.0
100.0wt%
【0043】
配合例8:錠剤
乳糖 54.0wt%
結晶セルロース 30.0
澱粉分解物 10.0
グリセリン脂肪酸エステル 5.0
ユズ抽出物 1.0
100.0wt%
【0044】
配合例9:化粧クリーム
スクワラン 20.0wt%
ミツロウ 5.0
精製ホホバ油 5.0
グリセリン 5.0
グリセリンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタン-
モノステアレート 2.0
ユズ抽出物 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
【0045】
配合例10:化粧水
エタノール 5.0wt%
グリセリン 2.0
1、3−ブチレングリコール
2.0
ポリエチレンオレイルエーテル 0.5
クエン酸ナトリウム 0.1
クエン酸 0.1
ユズ抽出物 0.1
精製水 残余
100.0wt%
【0046】
配合例11:ボディージェル
マカデミアナッツ油 2.0wt%
ミリスチン酸オクチルドデシル 10.0
メチルフェニルポリシロキサン 5.0
ベヘニルアルコール 3.0
ステアリン酸 3.0
バチルアルコール 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット 2.0
水素添加大豆リン脂質 1.0
セラミド 0.1
パルミチン酸レチノール 0.1
防腐剤 適量
ツボクサエキス 1.0
ユズ抽出物 1.0
1、3−ブチレングリコール 5.0
精製水 残余
100.0wt%
【0047】
配合例12:乳液
スクワラン 4.0wt%
ワセリン 2.5
セタノール 2.0
グリセリン 2.0
親油型モノステアリン酸グリセリン 1.0
ステアリン酸 1.0
L−アルギニン 1.0
ユズ抽出物 0.5
水酸化カリウム 0.1
香料 微量
精製水 残余
100.0wt%
【0048】
配合例13:浴用剤(液状)
プロピレングリコール 50.0wt%
エタノール 20.0
硫酸ナトリウム 5.0
ユズ抽出物 0.5
ラノリン 0.5
アボガド油 0.5
色素 1.5
香料 22.0
100.0wt%
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上説明したように、本発明の脂質代謝改善剤(ユズ抽出物)は、脂質代謝改善作用を有し、天然の食用植物に由来する組成物であって、副作用がなく長期にわたって摂取できるものである。これにより、脂質代謝改善作用を有し、且つ、安全な食品組成物又は医薬組成物又は化粧品用組成物を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユズ抽出物を有効成分とする脂質代謝改善剤。
【請求項2】
前記ユズ抽出物は、ユズの種子から抽出したものである請求項1に記載の脂質代謝改善剤。
【請求項3】
前記ユズ抽出物は、前記ユズ種子を脱脂したものから抽出したものである請求項2に記載の脂質代謝改善剤。
【請求項4】
請求項1〜3に記載された脂質代謝改善剤を含有する医薬品。
【請求項5】
請求項1〜3に記載された脂質代謝改善剤を含有する飲食品。
【請求項6】
請求項1〜3に記載された脂質代謝改善剤を含有する皮膚外用剤。

【公開番号】特開2007−297343(P2007−297343A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−127365(P2006−127365)
【出願日】平成18年5月1日(2006.5.1)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年4月1日 日本栄養・食糧学会大会発行の「第60回 日本栄養・食料学会大会 講演要旨集」に発表
【出願人】(594045089)オリザ油化株式会社 (96)
【Fターム(参考)】