説明

脱毛の防止、髪の成長の刺激、皮脂の生成の調節のためのアジュガ・レプタンスの植物性抽出物に基づいた組成物

本発明は、髪の成長及び毛球の刺激に都合の良い、アジュガ・レプタンスの植物性の抽出物に基づいた調合物に関する。本発明の調合物は、経口投与又は局所適用に対して適切な調合物であり、男性及び女性における男性ホルモン性脱毛症の防止及び治療に対して特に適切である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、髪の成長を刺激するためのアジュガ・レプタンスの植物性抽出物に基づいた組成物に関する。
特に、本発明は、男性ホルモン性脱毛症の予防及び治療のための、アジュガ・レプタンスの植物性抽出物に基づいた調合物に関する。
【0002】
髪は、人間を含む全ての哺乳動物の表皮起源の特徴の角化繊維であることが知られている。
髪の色素沈着が、毛球マトリックスの細胞の間に存在するメラニン細胞に由来するのに対して、哺乳動物における髪の寿命及び成長は、該マトリックス中に存在するケラチン細胞の増殖サイクルによって調節される。髪の成長が、哺乳動物において比較的急速であり、人間において1日当たり0.1から0.4mmであるが、無制限ではない。数年の間継続し得るいくつかの特別の場合を除き、その持続時間は一般的に短く、典型的には2から5月である。
活性な生長期(生長期)において、急速に増殖する該マトリックスの細胞は、新規の毛を生じる材料を生成する。該生長期は、毛球、毛乳頭及び髪の成長の成熟に関して6つの段階に順に分けられる。最も長い生長期は、生長期VIである。平均において、人間の頭皮における髪の86%が、推定期間が4から8年の生長期にある。
【0003】
該マトリックスが真皮乳頭との直接の接触を失って、毛髪の成長に必要な栄養の流れ及び酸素が遮断される退行期間(退行期)がこれに続く。この期において、毛球及び真皮乳頭の両方が、基底膜との接触を維持し、及び皮膚の表面に向けてゆっくりと移動する。頭皮における髪の約1%が、約2週間の期間の退行期にある。髪周期の最終的な期(休止期)において、毛球は、こん棒状の形態となり、及び“退行する”毛乳頭から分離する。該毛乳頭及び毛球は、ほとんど髪の立毛筋のグラフトのところまで、該皮膚の表面に向けて移動を続ける。該髪の線維は、程度の差はあるが長期間の間この状態を保持できるが、容易に引き抜け及び抜け落ち得る。抜け落ちる前に、新たな毛周期の発生を与える、毛包の新しい芽が分化される。人間の頭皮における髪の約13%が、約3−4月の間休止期にある。
該毛包により生成される髪の種類は変動し、及び皮下に存在するホルモンの種類、特に性腺、及びいくつかの場合には副腎からくるホルモン、例えばテストステロンの信号によって決まり得る。このホルモン、又はそのより活性な代謝産物、5αジヒドロテストステロンは、思春期の間、第二次性徴の発現、例えば恥骨、腋窩及び男性においてはあごひげの領域における、軟毛から硬毛への変化を伴った髪の成長を起こす。男性ホルモン性脱毛症又は禿頭症の男性において、硬毛が軟毛に変化することが最近見出された。
【0004】
禿頭症又は男性ホルモン性脱毛症が、脱毛に苦しめられる大多数の人間が罹患している禿頭症の種類である事がよく知られている。この疾患は、毛包の進行性の縮小化及び浮上から成る。男性ホルモン性脱毛症に関する遺伝性素因が存在する。おそらく一番伝えられているものは、男性ホルモンの転換及び回収において関与する酵素、換言すれば、5α−レダクターゼの2つのイソ酵素形態(タイプ1及びタイプ2)、P450アロマテーシス(aromatasis)及びアンドロゲンのサイトゾル受容体である。
男性ホルモン性脱毛症に対する素因を有する男性において、血清アンドロゲン値が上昇した場合、脱毛は思春期後すぐにでも始まる可能性があり、結果として男性性禿頭症の発現のためには、テストステロンをジヒドロテストステロンに転換できる5α−レダクターゼ及びテストステロンの両方が必要となる。男性において、DHTは男性ホルモン性脱毛症に対する最も重要なものであると考えられており、これに対して女性に対しては、副腎により95%の程度まで産生されるDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)、並びに卵巣により50%及び副腎により30%産生されるアンドロステンジオンが最も重要であると考えられている。これらのホルモンは、末梢のレベルにおいて幾分弱いアンドロゲン活性を有するが、しかしながらアンドロゲン活性を有するホルモンに変換されたより多い量が存在する。
【0005】
DHTは、頭皮の遺伝的に傾向のある毛包に対して有害である。DHTは、思春期の若者においては、軟毛を硬毛に変換するホルモンである。このホルモンによる他の変換が脂漏症を起こす事も証明された。5α−レダクターゼ酵素は、DHTの蓄積が好ましい場合には頭皮において豊富である。DHTの活性の下、該毛包は、より小さくなり、その結果として生成した髪もより小さくなり、及び数がさらに少なくなったように見える。たとえ髪がより細く及び色素のない形態において存在するとしても、色素の生成が減り、髪の欠如の印象を与える。生長期も短くなり、結果として髪は短くなる。
免疫系がDHTによって傷つけられた毛包を異物として認識し、これを排除することを試みる、DHTにより開始され及び複雑にされる毛包の自己免疫反応が、状況を複雑にする。脱毛症のいくつかの形態が、毛包周囲の真皮の領域における炎症性湿潤の存在により特徴付けられる。男性ホルモン性脱毛症に罹患した男性から得られた毛球において行われた研究は、髪を有する領域と髪を有しない領域との間の移行帯において、最初に腫脹した領域において存在するマスト細胞における脱顆粒及び白血球湿潤の存在、続く毛球周囲の領域に対する拡張を伴う、髪のシステムのスタミナの細胞の仮定された残留領域を示した。炎症過程の最終的な結果は、スタミナの細胞の消失、及び結果として髪の再生容量の消失を伴った、毛包の線維化した及び瘢痕性の変換である。数年後、該毛包は、もはや硬毛を生成することはないが、“軟毛”と言われる毛髪、換言すれば新生児の髪に似たものであり、自然の髪の色がつかず、及び極端に短く、ほとんど見ることができない毛髪を生成する。
【0006】
重要と考えられるものは、血液中に存在するテストステロンの量ではなく、ピラム(pilum)−脂肪質のレベルでの、より弱いアンドロゲンをより強いアンドロゲンに転換するために必要な酵素の濃度、及びさらに該アンドロゲン受容体の濃度である。
5α−レダクターゼのタイプ1は、皮膚タイプであり、主に皮脂腺において、肝臓において、補助的に肌のケラチン細胞及び毛球において、真皮乳頭において、汗腺において局在している。5α−レダクターゼのタイプ2は、副睾丸、精嚢、前立腺及び胎児の生殖器の真皮において、毛包の上皮鞘において、生殖器の皮膚の繊維芽細胞において局在している。
タイプ1の公知の阻害剤は以下のものである:アゼライン酸及びその誘導体;タイプ2の阻害剤は以下のものである:フィナステリド及びRu5884、これに対して両方の阻害剤は以下のものである:デュアステリド(duasteride)、銅及びリバイボゲン(ピクノジェノールを含む天然物質の混合物)。
【0007】
文献において記載されている他の阻害剤は以下のものである:プロゲステロン、亜鉛、ガンマリノール酸、ベータシトステロール、イラクサ、緑茶、ノコギリパルメット及びいくつかのポリフェノール。
いくつかのこれら植物性の物質、例えばベータシトステロールは、他の競合的阻害剤、例えばフィナステリド及びデュアステリド(duasteride)のように、テストステロンを置き換える5α−レダクターゼとの相互作用によりその活性を発生する。
合成由来の活性成分に基づいた調合物は、最近脱毛の治療及び予防において使用されており、例えば、ミノキシジル又はフィナステリドであり、その消費は多くの場合かなり顕著となり得る副作用の形成を起こす。
代わりに、植物由来の調合物が市販されており、その消費は、副作用は無いものの、美的な観点から得られるべき興味ある結果を与えない。
【0008】
従って、本発明は、調合物の投与が公知の技術の調合物の不利な点を有しない、毛球の生理的な向性を刺激するための調合物を見出す必要性に由来する。
本出願人は、毛球のいくつかの成分に対する保護作用を介して、脱毛の防止及び減速のために適用することができる、植物性の成分の抽出が可能な選択されたハーブを見出した。
この選択された植物は、アジュガ・レプタンスから成り、シソ科に属する種類であり、ヨーロッパ、西アジア及びアフリカの草深い領域に典型的なものである。
アジュガ・レプタンスは、古代から薬用の植物として知られており、主に、抗リウマチ薬、強壮剤、アストリンゼン及び軽い麻酔薬又は抗出血性の及び瘢痕の薬として知られていた。
該抗出血性の作用は、実験的に実証され(Breschi et al, 1992)及び脈管のα−アドレナリン受容体により媒介される血管を収縮させる作用に帰せられている。解熱性、抗菌性(Cantrell CL, 1999)、駆虫性(Kuria et al, 2002)及び抗脂血性(Hilaly JE, Lyoussi B. 2002)活性が、同様に知られる。
【0009】
アジュガが、その“防虫剤(insect−repellant)”特性に関して知られているので、アジュガは生物学的な農業の分野における一定の興味が高まった。
本発明の一般的な目的の一つは、髪の成長に対する刺激作用の提供において活性である、選択されたハーブからの植物性の抽出物に基づいた組成物の提供にある。
本発明の他の目的は、男性ホルモン性脱毛症及び休止期脱毛症の防止又は治療の能力を有する、植物性の抽出物又は活性成分に基づいた組成物の提供にある。
さらなる目的は、経口で消費され又は局所的に適用された場合に、治療された被験者において顕著な副作用を起こすことなく、毛球における刺激作用を提供する、植物性の活性成分を提供することにある。
上記明確にした該目的の観点において及び本発明の第一の側面に従って、添付された請求項1において明記されたように、髪の成長を刺激するための組成物又は調合物の製造のための、アジュガ・レプタンスからの抽出物の使用が認識される。
本発明のさらなる特徴及び側面が、続く請求項において示される。
【0010】
本発明の態様に従って、男性ホルモン性脱毛症及び休止期脱毛症の予防又は治療のための組成物又は調合物の製造のための、アジュガ・レプタンスからの抽出物の使用を提供する。
アジュガ・レプタンスは、種々の化学基に帰することができる多量の化合物を産生する植物である。これらの一つがイリドイドであり、苦み成分を形成するグリコシル化されたモノテルペン構造であり、例えばアルパジド(arpagide)及び8−O−アセチル−アルパジド(arpagide)である。イリドイドに加えて、アジュガ種において、アントシアン並びにフラボノイドの群に属する2つの化合物、ナリンギンネオエスペリドシド(naringine neosperidoside)及びアピゲニンネオエスペリドシド(Apigenine neosperidoside)がある。
アジュガ・レプタンスの葉において、エクジソン、ステロイド骨格を有する5環のトリテルペンの群に属する化合物、特にベータ−エクジソン及びアジュガラクトンが確認されており、これらに虫に関する拒食剤活性があるとされている。類似する生物学的な活性を有する他の化合物は、クレロダンの誘導体、特に14,15−ジヒドロアジュガレプタンシン(dihydoroajugareptansine)、3α−ヒドロキシアジュガベンシン(hydrixyajugavensine)B、3β−ヒドロキシアジュガマリン(hydroxyajugamarine)F4及びアジュガレプタンシン(ajugareptansine)である。
【0011】
アジュガ・レプタンスは、グリコシル化されたフェニルプロパノイドであって、通常フェニルエタノールグルコシドと呼ばれる二次代謝産物の非常に広い群に属する水溶性の物質を産生する能力によっても特徴付けられている。これらは水溶性の天然化合物であり、及び上記の植物の器官において広く分布している。
構造の観点から、これらは、エステル結合を有する一の結合と、グリコシド結合を有する他の結合で、ベータ−グルコピラノースの同じ分子に結合する、桂皮酸の誘導体及びフェニルエタノールの誘導体の存在により特徴付けられる。他の糖類分子、例えばラムノース、キシロース及びアピオースが、多くの場合2つの芳香族構造の間の架橋として働くグルコースに対して結合する。
フェニルプロパノイドは、C6−C3構造の分子、例えばコーヒー酸、フェルラ酸又は桂皮酸における存在に起因してフェニルプロパノイド配糖体として、又はフェニルエタノールの誘導体又は類似生成物の同時発生する存在のためにフェニルエタノイドとして分類される。しかしながら、フェニルエタノール部分がフェニルプロパン構造から生合成的に誘導されるので、今のところこれらの構造をフェニルプロパノイドとして定義することが好ましいが、種々の用語が同義語として考えられなければならない。
【0012】
糖に結合した酸(桂皮酸、コーヒー酸、フェルラ酸、メチルクマリン酸等)は、ほとんど常にトランス型であり、まれにシス型である;ラムノース及びキシロースがα−Dグリコシド結合を有するのに対し、アピオース、アラビノース、ガラクトース及びグルコース糖は、常にβ−Dグリコシド結合を有する。
糖の結合の数及び種類に基づいて、フェニルプロパノイド配糖体は、単糖類、二糖類及び三糖類に分類される。単糖類は、フェニルエタノール鎖とエステル結合で結合した酸との間にグルコピラノース分子を有する;二糖類のグルコシドは単糖類から誘導され、及びグルコースに対する糖結合に従って分類される。
しかしながら、天然に最も広く存在する群は、三糖類の群であり、該三糖類は第二の糖質単位としてラムノースを含み、該三糖類には一般的にはグルコース、キシロース、アピオース、ガラクトース、リクソース(lixose)又はラムノースである第三の糖質単位が結合している。グルコースのC−4に対して最も頻繁に結合する芳香族酸は、コーヒー酸、フェルラ酸、桂皮酸である。
【0013】
発明者らは、脱毛及び/又は薄毛の防止及び/又は治療の活性、及び毛球の刺激が、主にフェニルプロパノイド配糖体の存在に関係することを見出した。
典型的には、これらの化学構造は、桂皮酸の誘導体及び2,4−ジヒドロキシ−フェニルエタノールの誘導体の存在により特徴付けられ、それぞれエステル結合及びグリコシド結合を用いてD−グルコピラノースの同じ分子に結合されている。他の糖類分子、例えばグルコース、ラムノース、キシロース及びアピオースが、独立に及び二つの芳香族構造の間の架橋として働くグルコース分子と共に順に異なる位置で結合できる。
【0014】
本発明の側面に従って、フェニルプロパノイド配糖体の、脱毛の防止若しくは治療又は髪の成長の刺激のための組成物又は調合物の製造のための使用を提供する。好ましいフェニルプロパノイド配糖体は、以下の式を有するフェニルプロパノイドA及びフェニルプロパノイドBである:
【化1】


R=H:フェニルプロパノイドA R=CH3:フェニルプロパノイドB
354620364820
m.w.=786,738 m.w.=800,765
【0015】
トイポリオシド(Teupolioside)β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)エチル−O−α−L−ラムノピラノシル(1”−3’)−O−β D−ガラクトピラノシル(1’”−2”)−β−D−(4’−O−カフェオイル)−グルコピラノシドとして定義されるフェニルプロパノイドAが特に好ましい。
該フェニルプロパノイド配糖体は、アジュガ・レプタンスの抽出物から有利に得ることができる。
本発明の他の側面に従って、方法は、アジュガ・レプタンス植物の組織の外植片から由来する細胞系統の植物性の培養物を含む、前記植物からの植物性のホモジェネート又は抽出物の調製を提供する。
【0016】
ある態様に従って、アジュガ・レプタンスからの抽出物を得るために、該カルス状の組織をその分化を防止するように成長させる。該植物の典型的な形態学を再び獲得し又は再生することがないが、典型的な二次代謝産物の産生の潜在能力を維持した培養物が得られる。培養培地の組成を変動することにより、異なる生物化学的特性及び代謝特性を有する細胞系統を選択することが可能である。胚性の特徴の保存は、主としてホルモン物質、例えば“生長因子”とも呼ばれ、植物それ自体によって自然において産生され、及び生存中に成長点の活性を維持することができる、オーキシン及びサイトカインの作用により起こる。該培養は、細胞の代謝が必要であること、光合成能力の消失及び適切な環境条件を考慮に入れた適切な培養培地も典型的に必要とする。植物性細胞系統の発生及び選択相は、生じた外植片の数にも依存し、それは殺菌手順にもかかわらず、70%から80%の大半の外植片が汚染され及び便利に処分されるためである。適正な期間、典型的には、20から35℃の範囲好ましくは28℃の温度の暗所における約21日の保持後、未分化のカルス状の組織の生成が、いくつかの外植片の断片から観察できる。カルスの増殖を得るために、該組織は新しい培地を有する広大な表面に移され、次いで典型的にはさらに7−20日後、好ましくは14日後、成長した該カルスの一部が、新鮮な培地上に移される(継代培養する)。
【0017】
1回の系統は、急速な成長においてある系統が得られるとしても、形態学及び生産性の両方の観点からいまだ極端に変わりやすく、異なる細胞系統であるが、時間と共に単一の特性を有するものを選択することが可能である。
適度な量の代謝産物を産生するために、次いで該選択した系統を液体培地に移すこと、換言すれば実験室のフラスコ又は懸濁培養において含まれる懸濁液において培養を進めることが必要である。
従って、系統の増殖性の及び代謝性の特徴のために選択された系統は、フラスコ又はバイオリアクター中の懸濁液において培養し、該生成物の実験的な研究に対する適正な量の産生を保証する事ができる。
個別化された植物性の活性成分の工業スケールにおける定量的な産生のため、該選択された細胞培養物が液体培地中で懸濁され及び高い量のバイオマスの産生の可能性を与える、大容量のバイオリアクターの調製が考えられる技術が開発された。
本発明の態様に従う抽出方法を図式化したものが、添付された図1において説明される。
【0018】
図1を参照すると、流れの図が抽出の態様を説明し、該態様は、適切な植物性の組織、好ましくはカルス状の組織片から成る組織の予備的な外植片相1、外植されたカルス状の組織からの植物性細胞の殺菌及び培養2、固形培地における選択3、液体におけるバイオマスの増殖4、バイオリアクター中での受精5、細胞懸濁液の均一化6、懸濁液の濾過及び濾液のクロマトグラフィー7、粗抽出物の生成8、植物性の主な成分の精製9を含む。
この抽出方法は、純度及び滴定可能性の特別な特性を有した分化された生成物の調製を許容する。
【0019】
特に、前記方法は以下の識別を許容する:
I)アジュガ・レプタンスのホモジェネート、又は損なわれていない植物性細胞の栄養成分及び栄養素を保持した全体の細胞のホモジェネート;
II)フェニルプロパノイドにおいて精製された抽出物、又は60%より高いタイターを有したフェニルプロパノイドの特徴付けられた混合物;
III)90%より高いタイターを有するフェニルプロパノイドAに本質的に対応した純粋なフェニルプロパノイド。
第一の態様に従って、アジュガ・レプタンスのホモジェネートは、上記の方法に従って培養されたアジュガ・レプタンスの細胞培養物から得られる。全体の細胞の得られた合計のホモジェネートは、単純及び複雑な栄養素が豊富な組成物、特徴のある活性成分、栄養の要素及び水を含む。アジュガ・レプタンスのホモジェネートは、多糖類、タンパク質、脂質及び水を含んだ異なる活性種に典型的に基づく。アジュガ・レプタンスのホモジェネートの活性の特徴を主に特徴付ける活性成分は、主に、非酵素的な抗酸化剤、例えばフェニルプロパノイドだけでなく、糖タンパク質及び多糖類画分及び水も含む。
【0020】
フェニルプロパノイドの存在は、皮膚における抗炎症効果及び5α−レダクターゼ酵素の阻害を与える。
フェニルプロパノイドが、上記の他の活性成分と共同して存在する場合、皮膚の修復特性の活性化が可能な、栄養タイプの活性を伴って、強い水和効果も立証される。皮膚が、有害な内因性及び外因性の因子により誘導される酸化的ストレスに対して特に感受性である器官であるため、抗酸化活性を有する物質が豊富なホモジェネートは、かなりの抗炎症活性を与える。該ホモジェネートにおいて存在する糖タンパク質は、これらのグリコシル化された部分を介して、水の分子の膨大な数を配位することができ、及びこの容量は植物性細胞自体の増殖性の相において果たす役割に厳密に依存する;事実、細胞壁の弾力性、好都合な膨張及び細胞の成長における改良が存在し、及びこれは、組織の修復過程を刺激することが有用である上記の全ての状況において、皮膚レベルにおいても機能的な意味を有し得る。それらの化学的な性質及び生物学的な役割のために、ホモジェネートにおいて存在する多糖類は、動物の皮膚において特徴的に含まれるヒアルロン酸、デルマタン硫酸及びコンドロイチン硫酸の作用を模倣することにより、水を配位することが可能である。該多糖類の画分は、免疫賦活性の特徴を支えるグルカンも含む。
【0021】
ある態様に従うと、フェニルプロパノイドにおいて精製された抽出物は、アジュガ・レプタンスの進行的に選択された細胞系統により産生される。細胞培養物から由来する該細胞は、機械的に粉砕され及び濾過される。該濾液は、親和性の樹脂上でフェニルプロパノイドに関して便利に抽出され、及び水アルコール溶液を用いて溶出される。
好ましい態様に従って、該フェニルプロパノイドのグルコシドは、アジュガ・レプタンスの組織から抽出される。
アジュガ・レプタンスからのホモジェネート又は植物性の抽出物が、いくつかの上皮の構造物、特に皮脂腺及び毛包に関連して、共働性の調節作用を与えることが立証された。特に、組成物の形態にある抽出物又はホモジェネートの投与は、ざ瘡及び脂漏症における有益な効果を伴った皮脂の分泌における削減、及び男性ホルモン性脱毛症、休止期脱毛症、多毛症及び多毛における有利な結果を伴う髪の生理学上の成長の調節を決定する。
【0022】
本発明の範囲内で使用されるアジュガ・レプタンスからの抽出物又はホモジェネートは、典型的には、アルコール性、水アルコール性、グリセリン性、アセトン性であることができ、水アルコール性又はアセトン性のものの使用が好ましい。
抽出を用いて、フェニルプロパノイドが豊富で、かつ毛包のレベルで高く発現する5α−レダクターゼ酵素を選択的に阻害することに活性である植物性の物質が豊富な最終生成物を得ることが可能であることが実際に観察されている。
本発明の組成物は、局所における又は全身の投与に使用することができ、及び過度の皮脂の生成により引き起こる障害、例えばざ瘡、脂漏症、せつ腫症、並びに5α−レダクターゼの活性により引き起こる障害、例えば男性ホルモン性脱毛症、休止期脱毛症、薄毛及び多毛症及び/又は多毛の、予防及び/又は治療において効果的であると判明した。
本発明の組成物は、男性ホルモン性脱毛症の治療において特に適切である。
本発明の局所適用のための組成物は、液体の形態、例えばローション及び液剤であることができ、並びに固形物の形態、例えばゲル、クリーム、軟膏、ポマード、パック、延長した放出を有する経皮的な膏剤であることもできる。
【0023】
本発明の局所適用のための組成物は、局所用途の化粧品又は医薬品調合物において通常使用される添加剤、例えば防腐剤、細菌剤、安定化剤、乳化剤、緩衝剤、染料及び化粧品/医薬品調合物の技術において通常使用される他の賦形剤を便利に含むことができる。
液体の調合物の場合において、本発明の共働性の活性成分は、化粧品として/医薬品として許容される液体の賦形剤、例えば水、アルコール、水アルコール、グリセリン溶液及び局所適用のために適した他の種類のものの中に、便利に溶解することができる。
説明のために、液体形態における本発明の組成物は、水溶性の植物性の抽出された画分を水に、及び残りの画分をアルコールに溶解し、続いて攪拌下で該異なる画分を合わせることにより調製される。次いで、結果得られた混合物は、5から7に便利に選択されたpH範囲を達成するまで緩衝され、皮膚のpHと適合するようにされ、及び次いで濾過され適切な容器、例えば小さい瓶又は薬瓶中に充填される。
本発明の局所用途用の組成物は、治療されるべき影響を受けた体の領域において直接的に、有効な量において適用するために使用される。
【0024】
男性ホルモン性脱毛症の治療において、例えば、本発明の活性成分に基づくローションは、頭皮において直接的に、1日当たり1回又は2回、便利には休止期間と交互に持続した2−3月のサイクルで適用される。
同様に、クリームの形態にある組成物は、脂漏症又はざ瘡により影響を受けた顔において1日1回又は2回、例えば該影響の回復まで適用できる。
固形物又は半固形の調合物の場合において、本発明の共働性活性成分は、通常局所適用のために使用される、化粧品として/医薬品として許容される賦形剤中に分散される。
クリームの形態にある本発明の組成物の適用は、皮脂腺の部分における皮脂の分泌を削減し、治療の数日後に、治療された体の表面の脂の汚れにおける減少が見える。
経口用途のための本発明の組成物は、錠剤、カプセル、液状溶剤の形態において、及び活性成分の制御された放出のための形態において適用できる。
本発明の経口投与のための調合物は、共働性の活性成分に対して1以上の生理的に許容される賦形剤を添加することによる、食品及び/又は医薬品の生成物の通常の調合技術を用いて得られる。従って、生理的に許容される賦形剤は、適切な防腐剤、安定化剤、補形剤、キャリアー及び香料を用いて混合物中に使用される。
【0025】
本発明の組成物において、本発明の共働性活性成分は、種々の量において存在し、典型的には0.001質量%から10質量%、より好ましくは0.1から5質量%存在する。
本発明の他の側面に従って、上記組成物の有効な量の、頭皮又は顔のレベルでの、局所的な適用を含む化粧処置方法が提供される。
以下の例は、純粋に本発明の説明目的のために提供され、添付した請求の範囲において示されるような保護の範囲を制限するものとしては決して考えられてはならない。
【0026】
例1
ケラチン構造物のレベルにおける太陽光による酸化的ストレスからの損傷を減少するために適切な錠剤形態におけるインテグレーター:
各錠剤は以下を含む:
パントテン酸カルシウム . . . . . . . . . . . 9 mg
d−ビオチン . . . . . . . . . . . . . . . . . 0.150 mg
アジュガ・レプタンス . . . . . . . . . . . . . . 5 mg
ベータカロチン . . . . . . . . . . . . . . 7.2 mg
ユビデカレノン . . . . . . . . . . . . . . 10.0 mg
亜鉛 (アミノ酸のキレートとして) . . . . . 7.5 mg
銅(アミノ酸のキレートとして) . . . . 1.20 mg
葉酸 . . . . . . . . . . . . . . . 0.30 mg
微結晶セルロース . . . . . . .17.0 mg
二塩基カルシウムホスフェート二水和物 . . 62.0 mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース . . . . . . 80.0 mg
ステアリン酸マグネシウム . . . . . . . . . . 7.90 mg
二酸化ケイ素 . . . . . . . . . . . . . 1.70 mg
【0027】
例2
アジュガ、カラムシ及び硫黄供与体(メチオニン)に基づいた、錠剤形態における食品のインテグレーター:
各錠剤は以下を含む:
メチオニン . . . . . . . . . . . . . . . 300 mg
パンテトン酸カルシウム . . . . . . . . . . . 9 mg
d−ビオチン . . . . . . . . . . . . . . . . . 0.150 mg
アジュガ・レプタンス . . . . . . . . . . . . . . . 5 mg
亜鉛 (アミノ酸のキレートとして) . . . . . . . 7.5 mg
銅 (アミノ酸のキレートとして) . . . . . . 1.20 mg
マンガン (アミノ酸のキレートとして) . . .. . 2.25 mg
ビタミンB6 . . . . . . . . . . . . . . . . 3.0 mg
葉酸 . . . . . . . . . . . . . . . . 0.30 mg
微結晶セルロース . . . . . . . . 17.0 mg
二塩基カルシウムホスフェート二水和物 . . . 62.0 mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース . . . . . . . 80.0 mg
ステアリン酸マグネシウム . . . . . . . . . . . . 7.90 mg
二酸化ケイ素 . . . . . . . . . . . . . 1.70 mg
【0028】
例3
老化防止活性を有する、アジュガ・レプタンスからのフェニルプロパノイドに基づいた錠剤形態におけるインテグレーター。
各錠剤は以下を含む:
パンテトン酸カルシウム . . . . . . . . . . . 9 mg
d−ビオチン . . . . . . . . . . . . . . . . . 0.150 mg
フェニルプロパノイド A+B . . . . . . . . . . . 2.5 mg
亜鉛 (アミノ酸のキレートとして) . . . . . .. 7.5 mg
銅 (アミノ酸のキレートとして) . . . . . 1.20 mg
葉酸 . . . . . . . . . . . . . . .. 0.30 mg
微結晶セルロース . . . . . . . 17.0 mg
二塩基カルシウムホスフェート二水和物 . .. 62.0 mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース . . . . . .. 80.0 mg
ステアリン酸マグネシウム . . . . . . . . . . . . 7.90 mg
二酸化ケイ素 . . . . . . . . . . . . . 1.70 mg
【0029】
例4
男性ホルモン性脱毛症及び更年期に近い若しくは更年期の間の女性における休止期脱毛症に対して特に適切であるインテグレーター:
各錠剤は以下を含む:
パンテトン酸カルシウム . . . . . . . . . . . 9 mg
d−ビオチン . . . . . . . . . . . . . . . . . 0.150 mg
大豆イソフラボン
(ゲニステイン及びダイゼイン) . . . . . . . .. 40 mg
カラムシ . . . . . . . . . . 100 mg
アジュガ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2.5 mg
レスベラトロル . . . . . . . . . . . . . . . . 0.05 mg
亜鉛 (アミノ酸のキレートとして) . . . . . . . 7.5 mg
銅 (アミノ酸のキレートとして) . . . . . . 1.20 mg
葉酸 . . . . . . . . . . . . . . . . 0.30 mg
微結晶セルロース . . . . . . . . 17.0 mg
二塩基カルシウムホスフェート二水和物 . . . 62.0 mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース . . . . . . . 80.0 mg
ステアリン酸マグネシウム . . . . . . . . . . . . 7.90 mg
二酸化ケイ素 . . . . . . . . . . . . . 1.70 mg
【0030】
例5
男性及び女性の男性ホルモン性脱毛症の予防に対して適切である錠剤形態におけるインテグレーター:
各錠剤は以下を含む:
パンテトン酸カルシウム . . . . . . . . . . . 9 mg
d−ビオチン . . . . . . . . . . . . . . . . . 0.150 mg
カラムシ . . . . . . . . . . . 200 mg
アジュガ・レプタンス . . . . . . . . . . . . . . . 5 mg
ケルセチン . . . . . . . . . . . . . . . . 0.90 mg
タウリン . . . . . . . . . . . . . . . . . 200 mg
亜鉛 (アミノ酸のキレートとして) . . . . . . . 7.5 mg
銅 (アミノ酸のキレートとして) . . . . . . 1.20 mg
微結晶セルロース . . . . . . . . 90.0 mg
二塩基カルシウムホスフェート二水和物 . . . 80.0 mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース . . . . . . . 52.5 mg
ステアリン酸マグネシウム . . . . . . . . . . . . 7.90 mg
二酸化ケイ素 . . . . . . . . . . . . . 1.70 mg
【0031】
例6
UV線に対する曝露から毛包及び皮膚の毛包の損害を減少するための皮膚化学的なクリーム:
該組成物は以下を含む:
パンテトン酸カルシウム . . . . . . . . . . . 9 mg
d−ビオチン . . . . . . . . . . . . . . . . . 0.150 mg
アジュガ・レプタンス . . . . . . . . . . . . . . 20.0 mg
マクロゴールセトステアリルエーテル . . . . . . . 5.0 g
ミリスチン酸イソプロピル . . . . . . . . . . . 4.0 g
プロピレングリコール . . . . . . . . . . . . . 3.0 g
グリセリン . . . . . . . . . . . . . . . . . 3.0 g
白色ワセリン . . . . . . . . . . . . . . 11.0 g
セトステアリルアルコール . . . . . . . . . . . 9.0 g
メチルパラオキシベンゾエート . . . . . . . . . . . 0.2 g
プロピルパラオキシベンゾエート . . . . . . . . . . . 0.02 g
4ナトリウムEDTA . . . . . . . . . . . . . 0.1 g
水 . . . . . . . . . . . . . . 100 gとするための量
【0032】
例7
局所用途用の男性及び女性の休止期脱毛症のために使用できるローション:
パンテトン酸カルシウム . . . . . . . . . . . 30.0 mg
d−ビオチン . . . . . . . . . . . . . . . . . 0.30 mg
アジュガ・レプタンス . . . . . . . . . . . . . . 5.0 mg
ベータグルカン . . . . . . . . . . . . . . . 0.50 mg
フィトトコトリエノール(Fitotocotrienols) . . . . . . . . . . . 20 mg
グレープフルーツ種子抽出物 . . . . . . . . . 30 mg
2ナトリウムEDTA . . . . . . . . . . . . . . 3.0 mg
PEG−40 水素化されたカストリウムオイル . . . . . . 30 mg
香料 . . . . . . . . . . . . . . . . . 6.0 mg
クエン酸 . . . . . . . . . . . . . . . 1.5 mg
タイプC 変性したアルコール . . . . . . . . . 1.5 g
水 . . . . . . . . . . . . . . . 加えて10 gとなる量
【0033】
例8
ざ瘡及び脂漏症の場合において、抗炎症活性に対して特に適切な、アジュガに基づいた局所用途のための組成物:
パンテトン酸カルシウム . . . . . . . . . . . 30.0 mg
d−ビオチン . . . . . . . . . . . . . . . . . 0.30 mg
アジュガ・レプタンス . . . . . . . . . . . . . . 5.0 mg
セティアレット−22、パルメス−2(Cetearet-22, Palmeth-2)
. . . . . . . . . . 5.0 g
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド . . . . . . . 5.0 g
白色ワセリン . . . . . . . . . . . . . . 2.0 g
ミリスチン酸オクチルドデシル . . . . . . . . . . 3.0 g
セチルステアリルアルコール . . . . . . . . . . 2.0 g
香料 . . . . . . . . . . . . . . . 0.20 g
濃縮トコフェロール . . . . . . . . . . . . . 0.05 g
2−フェノキシエタノール及びパラベン . . . . . . 0.6 g
シクロメチコン . . . . . . . . . . . . . . 0.05 g
プロピレングリコール . . . . . . . . . . . . . 3.45 g
グリセリン 3.2 g
アルキルアクリレートクロスポリマー . . . . . . . 0.60 g
4ナトリウムEDTA . . . . . . . . . . . . . 0.10 g
アミノメチルプロパノール . . . . . . . . . . . 0.45 g
水 . . . . . . . . . . . . . . 添加して100 gとなる量
【0034】
例9
多毛症の場合において有用である即席のパックの形態にある、局所適用のための組成物:
アジュガ・レプタンス . . . . . . . . . . . . . . 20.0 mg
カラムシ . . . . . . . . . . . 8 g
スペルミジントリハイドロクロライド . . . . . . . . 2.0 mg
パンテトン酸カルシウム . . . . . . . . . . 30.0 mg
d−ビオチン . . . . . . . . . . . . . . . . . 0.30 mg
Isagel FM alginate . . . . . . . . .加えて100 gとなる量
【0035】
例10
アジュガ・レプタンスに基づいた局所用途のための太陽ゲル:
アジュガ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 20.0 mg
パンテトン酸カルシウム . . . . . . . . . . . . 30.0 mg
変性したアルコール . . . . . . . . . . . . . 20.0 g
2ナトリウムEDTA . . . . . . . . . . . . . . . 0.05 g
グリセリン . . . . . . . . . . . . . . . . . 2.0 g
ベタイン . . . . . . . . . . . . . . . . . . 0.5 g
アリストフレックス(Aristoflex) . . . . . . . . . . . . . . 1.2 g
パーソルMCX(Parsol MCX) . . . . . . . . . . . . . . . . 5.0 g
パーソル1789(Parsol 1789) . . . . . . . . . . . . . . . . 3.0 g
ユーソレックス(Eusolex) . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3.0 g
ブチロスパーマム・パーキー . . . . . . . . . . . . 2.0
トリメチルシリルアモジメチコン . . . . . . . . 0.5
ローズマリー・シネロール . . . . . . . . . . . 0.1 g
濃縮カロチン . . . . . . . . . . . . . . . 0.01 g
シクロペンタキシルオキサン . . . . . . . . . . . . . 3.00 %
水 . . . . . . . . . . . . . . 添加して100 gとなる量
【0036】
例11
皮膚化学的なクリーム
100gのクリームが以下を含む:
アジュガ・レプタンス . . . . . . . . . . . . . . 0.1 g
PEG 400 . . . . . . . . . . . . . . . . . 20.0 g
PEG 1500 . . . . . . . . . . . . . . . . . 15.0 g
PEG 4000 . . . . . . . . . . . . . . . . . 45.0 g
セトステアリルアルコール . . . . . . . . . . 2.0 g
2−フェノキシエタノール . . . . . . . . . . . . . 0.90 g
グリセリン . . . . . . . . . . . . . . . . . 4.0 g
液体パラフィン . . . . . . . . . . . . . 2.0 g
脱塩水 . . . . . . . . . 加えて100 gとなる量
【0037】
例12
アジュガ・レプタンス及びタウリンを有する水アルコールのローション
1回5mlの投与量が以下を含む:
2ナトリウムEDTA . . . . . . . . . . . . . . . 3.0 mg
タウリン . . . . . . . . . . . . . . . . . . 100.0 mg
アジュガ・レプタンス . . . . . . . . . . . . . . 5.0 mg
アルコール 95% . . . . . . . . . . . . . . . . 750.0 mg
脱塩水 . . . . 加えて5.0 mlとなる量
【0038】
例13
アジュガ・レプタンスを有する水アルコールローション
1回5mlの投与量が以下を含む:
2ナトリウムEDTA . . . . . . . . . . . . . . .. 3.0 mg
フェニルプロパノイド A+B . . . . . . . . . . . 2.5 mg
アルコール 95% . . . . . . . . . . . . . . . . 750.0 mg
脱塩水 . . . . . 加えて5.0 mlとなる量
【0039】
例14
アジュガ・レプタンスを有する局所用途用の生理学的なゲル。
100gのゲルが以下を含む:
ヒドロキシエチルセルロース . . . . . . . . . . . 0.5 g
アジュガ・レプタンス . . . . . . . . . . . . . . . 0.1 g
塩化ナトリウム . . . . . . . . . . . . . . 0.9 g
プロピレングリコール . . . . . . . . . . . . . 3.0 g
イミダゾリジニルウレア . . . . . . . . . . .. 0.50 g
メチルクロロイソチアゾリノン . . . . . . . . 0.0009 g
メチルイソチアゾリノン . . . . . . . . . . . 0.0003 g
2ナトリウムEDTA . . . . . . . . . . . . . . . 0.05 g
脱塩水 . . . . 加えて100 gとなる量
【0040】
例15
電気泳動のためのゲル
100gのゲルが以下を含む:
ヒドロキシエチルセルロース . . . . . . . . . . . 1.5 g
アジュガ・レプタンス . . . . . . . . . . . . . . . 0.1 g
塩化カリウム . . . . . . . . . . . . . 4.5 g
プロピレングリコール . . . . . . . . . . . . . 1.0 g
イミダゾリジニルウレア . . . . . . . . . . .. 0.40 g
メチルクロロイソチアゾリノン . . . . . . . . 0.0009 g
メチルイソチアゾリノン . . . . . . . . . . . 0.0003 g
2ナトリウムEDTA . . . . . . . . . . . . . . . 0.05 g
脱塩水 . . . . 加えて100 gとなる量
【0041】
例16
百分率組成は、細胞が植物性細胞の培養のための液体培地中で懸濁されるバイオリアクターにおいて、培養されたアジュガ・レプタンスのカルス状の組織からの細胞培養から得られたアジュガ・レプタンスのホモジェネートについて解析された。
組成
【表1】

ホモジェネート中に存在する水は、グリコシル化及び多糖分子に対して完全に配位する。凍結乾燥された生成物から抽出された脂質画分は、以下の表において示される興味深い組成を有し、及びベータシトステロールにより主として特徴付けられる。該酸の画分は、主にパルミチン酸、オレイン酸及びリノール酸からなる。
























【0042】
【表2】























【0043】
【表3】

【0044】
アジュガ・レプタンスそれ自体及びアルギニン10%で中和したもののホモジェネートの試料の湿度(70℃)の決定
湿度の決定を、70℃の温度でオーブン(モデルMemmert TV500)中で達成した。較正されたガラスビーカー中の約10gのアジュガ・レプタンスの抽出物を、分析秤(Gibertini model E42)を用いて秤量した。次いで、該ビーカーをアルミニウムフィルムで密閉して、次いで秤量した。次いで、これを70℃の温度で48時間の間オーブン中に置いた。あらかじめ決められた時間の後、該アルミニウムフィルムで密閉されたビーカーを測り直した。
抽出物のタイプ 70℃での湿度(%)
アジュガ・レプタンスの抽出物それ自体 70.24
pH5.75に中和したアジュガ・レプタンスの抽出物 64.45
アジュガ・レプタンスの抽出物の中和は、最大で5.50−5.60の範囲中のpH値までアルギニン(10%(w/w))の溶液の連続的な添加により得られた。
【0045】
例17
アジュガ・レプタンスのホモジェネートを有する調合物
単相のシステム、例えばゲル、及び二相のシステム、例えばエマルションに基づいた生成物は容易に生成でき、これはアジュガ・レプタンスの抽出物が、調合物の両方のタイプにおいて、最大で25%w/wまで容易に含まれ得るためである。実験室試験レベルにおける、アジュガ・レプタンスのホモジェネートを有する調合物は、実際取扱が容易であり、高い濃度(40%よりも高い)でない限りは、特別な機械的な手段を必要としない。
【0046】
皮膚科学的な許容性
健常なボランティアで行ったパッチテストは、該生成物が皮膚の許容性に関する問題を有しないことを確認した。
例18
アジュガ・レプタンスの細胞培養から由来する合計抽出物の一部における、5α−レダクターゼの生体内における阻害活性を決定するための研究を行った。
該研究は、研究された該抽出物の投与後の、ラットにおける血液レベルのDHT(5α−ジヒドロテストステロン)を決定することにより行われた。これらのレベルは、基底レベルと、及びテストステロンの最も活性な形態であるDHTへのテストステロンの変換にに関与する、5α−レダクターゼ酵素の最も活性な阻害剤であると近年説明されているフェナステリドの投与の後に得られるレベルとの両者を比較した。
【0047】
材料及び方法
5α−レダクターゼの阻害の生体内での研究のため、200−250gの体重を有するスプラグ−ダウレイ(Sprague−Dawley)雄の成長したラット(Charles River Italia)が使用された。
該動物を、標準条件下に置いた:22/23℃の温度、65%の相対湿度、12h明/12h暗の照射サイクルに対してラットを曝露。
ペレットの形態にある標準的な食物(標準的な食物、Charles River)がラットに投与され、水を自由に与えた。
該実験は、Committee for the Care and Use of Animals of the Universita degli Studi of Milanにより認可されたプロトコルに従って行った。試験は、該ラットにおいて行われ、薬理学的な治療の直前(t0)、及び続いて投与の後3、6及び8時間を隔てて後眼窩静脈叢から行われた。
研究された物質の投与は、経口で行われた。
【0048】
該処置された動物における各試験に対応して、試験は、処置されていない動物においても行われ、基底解析レベルを決定した。テストステロン及びDHTの両方が、顕著な24時間周期の変動により実際特徴付けられる。
遠心分離後にEDTAを用いて処理された全ての血液から得られた血漿は、投与まで−20℃で保存された。
DHT(ジヒドロテストステロン)の血漿濃度は、該試料の採取後、市販されているキット(DSL、Chematil、Angri、SA)を用いて決定した。
実験セットの全ての試料が共に投与され、内部分析のばらつきを減少させた。










【0049】
結果
該結果が、以下の表に示される。
表1:ラットにおいて、生体内における投与の後のDHTの血清濃度(pg/ml)
【表4】

【0050】
投与の後のDHTの濃度の傾向の図解が、添付した図2において示される。
DHTの濃度における減少は、統計的に顕著である。
アジュガ6h対基底p<0.03;
アジュガ8h対基底p<0.02。
データ及びグラフから見ることができるように、DHTの濃度は最初の3時間後で既に減少し、6時間でフィナステリドの5mgの投与で得られるレベルと同じレベルまで達した。従って、アジュガ・レプタンスの全体の抽出物は、フィナステリドの5α−レダクターゼの阻害容量に匹敵する阻害容量を示したが、治療後8時間でDHTが基底レベルまで戻る上昇をするフィナステリドを用いる場合よりも、より急速かつより長い耐久を示した。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の態様に従う抽出方法の図式
【図2】投与の後のDHTの濃度の傾向の図解

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アジュガ・レプタンスの植物からの植物性抽出物の、脱毛の予防又は治療用の組成物の製造のための使用。
【請求項2】
男性ホルモン性脱毛症及び休止期脱毛症の予防又は治療のための、請求項1に記載する使用。
【請求項3】
前記アジュガ・レプタンスの抽出物が、イリドイド、アントシアン、フラボノイド、エクジソン、フェニルプロパノイド、クレロダンの誘導体及びこれらの混合物から選択される少なくとも一つの活性成分を含む、請求項1又は2に記載する使用。
【請求項4】
フェニルプロパノイド配糖体の、脱毛の予防又は治療用の組成物の製造のための使用。
【請求項5】
前記フェニルプロパノイド配糖体がアジュガ・レプタンスの植物から得られる、請求項4に記載する使用。
【請求項6】
前記フェニルプロパノイド配糖体が、グルコピラノース、ラムノース、グルコース、キシロース、アピオース、ガラクトース、キシロース、ラムノースから選択される少なくとも一つの糖を含む、請求項4又は5に記載する使用。
【請求項7】
前記フェニルプロパノイド配糖体が、フェルラ酸、桂皮酸、コーヒー酸、メチルクマリン酸又はフェニルエタノールの誘導体から選択される芳香族構造を含む、請求項4−6のいずれか1項に記載する使用。
【請求項8】
前記フェニルプロパノイドが、以下の式を有する、フェニルプロパノイドA、フェニルプロパノイドB及びこれらの混合物から選択される、請求項4−7のいずれか1項に記載する使用:
【化1】

R=H: フェニルプロパノイドA R=CH3: フェニルプロパノイドB
354620364820
m.w. = 786,738 m.w. = 800,765
【請求項9】
前記フェニルプロパノイドが、フェニルプロパノイドAである、請求項8に記載する使用。
【請求項10】
アジュガ・レプタンスの植物の組織外植片に由来する細胞系統の植物性の培養物を含む、アジュガ・レプタンスの植物からの植物性の活性成分の抽出方法。
【請求項11】
前記組織が、アジュガ・レプタンスのカルス状の組織である、請求項10に記載する方法。
【請求項12】
バイオリアクターにおける液体培地に、アジュガ・レプタンスの細胞系統を移すことを含む、請求項10又は11に記載する方法。
【請求項13】
バイオリアクターにおける培養の後、該細胞を均一化し、次いで濾過して、粗抽出物を得る、請求項12に記載する方法。
【請求項14】
培養された植物性の細胞の粉砕及び濾過、及び親和性による樹脂上での該濾液のフェニルプロパノイドに対する抽出を含む、請求項10−13のいずれか1項に記載する方法。
【請求項15】
水アルコール溶液を用いて濾液を溶出することを含む、請求項14に記載する方法。
【請求項16】
請求項10−15のいずれか1項に記載する方法により得られた、アジュガ・レプタンスの全体の細胞のホモジェネート。
【請求項17】
グルコシドの50質量%以上のタイターを有したフェニルプロパノイドの混合物を含む、請求項10−15のいずれか1項に記載する方法により得られた、アジュガ・レプタンスの精製された抽出物。
【請求項18】
請求項10−15のいずれか1項の方法に従った、アジュガ・レプタンスの植物から抽出されたフェニルプロパノイド。
【請求項19】
90%以上のタイターを有するフェニルプロパノイドAを含む事を特徴とする、請求項17に記載するフェニルプロパノイド。
【請求項20】
請求項16に記載するアジュガ・レプタンスのホモジェネートの、5α−レダクターゼの阻害活性を有する組成物の製造のための使用。
【請求項21】
請求項17に記載するアジュガ・レプタンスの植物性の抽出物の、5α−レダクターゼの阻害活性を有する組成物の製造のための使用。
【請求項22】
請求項18又は19に記載するアジュガ・レプタンスからのフェニルプロパノイドの、5α−レダクターゼの阻害活性を有する組成物の製造のための使用。
【請求項23】
前記組成物が、脱毛又はざ瘡の治療に対するものである、請求項20−22のいずれか1項に記載する使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2008−534464(P2008−534464A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502341(P2008−502341)
【出願日】平成18年3月21日(2006.3.21)
【国際出願番号】PCT/EP2006/002745
【国際公開番号】WO2006/100101
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(501023340)ジュリアーニ ソシエタ ペル アチオニ (3)
【氏名又は名称原語表記】GIULIANI S.P.A.
【住所又は居所原語表記】VIA PALAGI 2 − MILAN, ITALY
【Fターム(参考)】