説明

自動保管システム

自動保管システム1が、少なくとも1つの搬送移載機構20と、棚30(30L、30R)と、少なくとも1つの搬送機構40(40L、40R)とを備えている。搬送移載機構20は、ワーク(被処理物またはキャリア)50を保持する保持機構21を少なくとも1つ備え、ワーク50を保持して所定の範囲を搬送可能であり、ワーク50を保持機構21の到達範囲内の任意の位置へ載置することができる。棚30(30L、30R)は、搬送移載機構20の保持機構21の到達範囲内に、ワーク50を保管する。搬送機構40(40L、40R)は、保持機構21の到達範囲内に、ワーク50を搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本願の発明は、被処理物、または少なくとも1つの被処理物を収納したキャリア等のワークの入出庫、待機および保管を自動で行なう自動保管システムに関する。
【背景技術】
従来、自動保管庫は、ワークを保管する棚と、ワークを棚に運び、または棚から運び出す搬送移載機構と、保管庫内の搬送移載機構が、保管庫の外部からワークを保管庫内に運び込む時に必要なワーク取り入れのための入庫部と、保管庫内の搬送移載機構が、保管庫の内部からワークを保管庫外に運び出す時に必要なワーク排出ための出庫部とから成っている。そして、保管しているワークと、ワークを搬送する搬送移載機構とは、決められた範囲内に配置されている。また、自動保管庫は、コンピュータなどにより、保管庫内部に存在しているワークの情報を管理しており、必要時に、保管庫内部に保管しているワークの様々な情報を見ることができる。
特開平11−334810号公報に開示されている自動保管システムは、処理前または処理後の被処理物単位で、または所定数単位の被処理物を収納したキャリア単位で、これらを一時保管する棚を備え、複数の製造装置、または検査装置に接続されていて、保管庫内の搬送移載機構が、被処理物、またはキャリアを棚から取り出し、搬送して、製造装置、または検査装置のワーク受け渡し部に供給し、または搬送移載機構が、製造装置、または検査装置で作業の終わったワークをそれらのワーク受け渡し部から回収し、搬送して、棚へ移載するようになっている。棚は、搬送移載機構の走行方向に沿って設けられており、搬送移載機構は、一式の搬送移載機構で、複数の製造装置に対してのワークの供給と回収とが可能である。また、搬送移載機構の動作領域および棚の設置領域を、外部領域からのオペレータの侵入から隔離する手段を備えている。さらに、この自動保管システムは、複数フロアを貫通して設けられてもよく、この場合には、各フロア毎にキャリアの受け渡し可能な入出庫口が設けられている。
また、特開平11−199007号公報に開示されている自動保管システムは、カセットを保管するストッカーと、このストッカーにカセットを出し入れするスタッカークレーンと、このスタッカークレーンの移動範囲内に設置された処理装置のローダ部とを箱状に囲まれたクリーンルーム保管庫内に設置し、カセットをストッカーからスタッカークレーンによって取り出し、スタッカークレーンが移動して、処理装置のローダー部に直接搬送するようになっている。そして、移載装置を備えたスタッカークレーンの移動を案内するレールを挟んで、その両側に、カセットを保管するストッカーと、ローダー部を有する処理装置とを対向して配備し、ストッカーと、スタッカークレーンと、処理装置のうちのローダー部のみとを、クリーンルーム保管庫内に設置したものとなっている。
また、特開平11−16976号公報に開示されている自動保管システムは、半導体製造用のクリーンルームのストッカー内に設置され、半導体ウエハのキャリアを自動搬送するためのシステムが、検査のためにストッカーに入庫されたキャリアを、検査エリアの仮置き台を経ることなく、ストッカー内のロボット・作業者兼用コンベアを介して検査エリアに直接搬送することができるようになっている。ここでは、ストッカー内のロボット・作業者兼用コンベアが1つのキャリアを載せて、ストッカー入出庫口と作業者投入・取り出し部との間を往復動作する。
しかしながら、これらのいずれの公報に記載の自動保管システムにあっても、保管庫と外部との間でワークの出し入れを行なう時は、保管庫内のワーク搬送移載機構が、保管庫に設けられた入庫部・出庫部を使用して行なっている。このため、ワーク搬送移載機構が、例えば、出庫するワークに対して搬送移載を行なっていると、入庫するワークが入庫部にあっても、搬送移載機構の出庫動作が終わるまで、入庫部に待機していなければならない。また、入庫部・出庫部より一番遠い位置に搬送移載機構が待機していると、入庫部・出庫部まで搬送移載機構が移動をしなければならず、時間に無駄が発生する。さらに、入庫するワークが入庫部より遠い棚に移載される場合には、搬送移載機構が目的の棚までワークを搬送して移載するため、搬送移載に時間がかかるものとなっている。
【発明の開示】
本願の発明は、従来の自動保管システムが有する前記のような問題点を解決して、保管庫内のワーク搬送移載機構の無駄な搬送時間を削減し、ワークの待機時間を極力短くして、連続して搬送されてくるワークの効率的な保管および搬送を可能にする自動保管システムを提供することを課題とする。
本願の発明によれば、このような課題は、被処理物、または少なくとも1つの被処理物を収納したキャリアを保持する保持機構を少なくとも1つ備え、前記被処理物、または前記キャリアを保持して所定の範囲を搬送可能であり、前記被処理物、または前記キャリアを前記保持機構の到達範囲内の任意の位置へ載置することが可能な少なくとも1つの搬送移載機構と、前記搬送移載機構の前記保持機構の到達範囲内に、前記被処理物、または前記キャリアを保管する棚と、前記保持機構の到達範囲内に、前記被処理物、または前記キャリアを搬送する少なくとも1つの搬送機構とを備えたことを特徴とする自動保管システムにより解決される。
この自動保管システムによれば、搬送移載機構の保持機構の到達範囲内に搬送機構を設けることにより、被処理物、またはキャリアを、目的の棚の付近まで、または出庫口の付近まで、搬送移載機構の動作とは関係なく、搬送することができる。このため、搬送移載機構は、最小限の動作時間で棚、または出庫口に被処理物、またはキャリアを搬送移載することができ、搬送時間を削減することができる。
また、このような課題は、被処理物、または少なくとも1つの被処理物を収納したキャリアを保持する保持機構を少なくとも1つ備え、前記被処理物、または前記キャリアを保持して所定の範囲を搬送可能であり、前記被処理物、または前記キャリアを前記保持機構の到達範囲内の任意の位置へ載置することが可能な少なくとも1つの搬送移載機構と、前記搬送移載機構の前記保持機構の到達範囲内に、前記被処理物、または前記キャリアを保管する棚であって、少なくとも1つの囲まれた保管庫内に配置される棚と、前記囲まれた保管庫の一方の端部から他方の端部へ、前記被処理物、または前記キャリアを搬送することが可能な少なくとも1つの搬送機構とを備えたことを特徴とする自動保管システムにより解決される。
この自動保管システムによれば、搬送機構は、被処理物、またはキャリアを保管庫の一方の端部から他方の端部まで搬送することができるので、連続して搬送されてくる被処理物、またはキャリアを待機させることなく、また、搬送移載機構の動作とは関係なく、保管庫内に入庫させて搬送することができる。このため、ワークの待機時間を極力短くすることができ、搬送移載機構は、最小限の動作時間で棚、または出庫口に被処理物、またはキャリアを搬送移載することができる。これらにより、全体として、搬送時間を削減して、ワークの効率的な保管および搬送を可能にすることができる。また、保管庫が複数、接続・配置される場合には、複数の保管庫への被処理物、またはキャリアの搬送を、それぞれの保管庫内の搬送移載機構の動作に左右されることなく、それぞれの保管庫エリアを通して、目的のエリアに向けて実行することができ、搬送効率が向上する。
また、このような課題は、被処理物、または少なくとも1つの被処理物を収納したキャリアを保持する保持機構を少なくとも1つ備え、前記被処理物、または前記キャリアを保持して所定の範囲を搬送可能であり、前記被処理物、または前記キャリアを前記保持機構の到達範囲内の任意の位置へ載置することが可能な少なくとも1つの搬送移載機構と、前記搬送移載機構の前記保持機構の到達範囲内に、前記被処理物、または前記キャリアを保管する棚であって、少なくとも1つの囲まれた保管庫内に配置される棚と、前記囲まれた保管庫の一方の端部から他方の端部へ、前記被処理物、または前記キャリアを搬送することが可能な少なくとも1つの搬送機構とを備え、前記搬送移載機構の前記保持機構の到達範囲内に、前記被処理物、または前記キャリアの受け渡し部を設けた少なくとも1台の処理装置が接続されていることを特徴とする自動保管システムにより解決される。
この自動保管システムによれば、搬送機構は、被処理物、またはキャリアを保管庫の一方の端部から他方の端部まで搬送することができるので、連続して搬送されてくる被処理物、またはキャリアを待機させることなく、また、搬送移載機構の動作とは関係なく、保管庫内に入庫させて搬送することができる。このため、ワークの待機時間を極力短くすることができ、搬送移載機構は、最小限の動作時間で棚、または出庫口に被処理物、またはキャリアを搬送移載することができる。これらにより、全体として、搬送時間を削減して、ワークの効率的な保管および搬送を可能にすることができる。また、保管庫が複数、接続・配置される場合には、複数の保管庫への被処理物、またはキャリアの搬送を、それぞれの保管庫内の搬送移載機構の動作に左右されることなく、それぞれの保管庫エリアを通して、目的のエリアに向けて実行することができ、搬送効率が向上する。また、保管庫に処理装置が隣接して設けられることになり、保管庫自体を処理装置用の一時的な被処理物、またはキャリアのバッファとすることができる。さらに、保管庫に複数の異なった処理を行なう処理装置が接続される場合には、被処理物、またはキャリアは、この保管システムにより、ストックと循環とを繰り返しながら、それぞれの処理装置を循環することができるので、1つの被処理物に必要な処理を効率よく行なうことができる。
好ましい実施形態では、このような自動保管システムにおいて、その搬送機構の搬送方向は、一定の方向に定められている。これにより、被処理物、またはキャリアの搬送管理と保管管理とを容易に行なうことができ、プログラムの複雑化を防ぐことができる。
別の好ましい実施形態では、このような自動保管システムにおいて、その棚は、複数の列と複数の段とを備え、搬送機構は、その棚の少なくとも1つの列に備えられている。これにより、複数列・複数段の棚構成に対して、そのうちの少なくとも1つの列に搬送機構が備えられるので、被処理物、またはキャリアの保管をスペース効率よく、また搬送効率よく行なうことができる。
さらに、別の好ましい実施形態では、このような自動保管システムは、その保管庫の一部に、被処理物、またはキャリアの投入部と取出部とのいずれか一方もしくは双方を少なくとも1つまたは1つずつ備えている。これにより、被処理物、またはキャリアを保管庫から取り出したり、または保管庫に投入したりすることができる。例えば、被処理物の抜き打ち的な検査を行なうために、被処理物を保管庫から取り出したり、または検査済みの被処理物を保管庫に投入したりすることができる。
さらに、別の好ましい実施形態では、このような自動保管システムにおいて、その保管庫の一方の端部から他方の端部へ、被処理物、またはキャリアを搬送することが可能な搬送機構は、その途中に分岐・合流部を少なくとも1つ備えている。これにより、例えば、棚のエリアを複数種類にエリア分けを行なった時、搬送機構は、被処理物、またはキャリアを目的の種類のエリア付近に待機させつつ、他のエリアへの被処理物、またはキャリアの搬送を妨げることなく、これらを他のエリアへ搬送することができる。また、分岐・合流部に他の搬送装置(例えばコンベアや移載装置)などを備えることにより、所定の処理を行う処理装置や他の装置などとキャリアの搬送を行うことができ、効率的なキャリアの搬送運用ができる。
さらに、別の好ましい実施形態では、このような自動保管システムにおいて、その搬送機構は、コンベアである。このように、被処理物、またはキャリアをコンベアにより搬送することにより、連続的な搬送を行なうことができる。また、被処理物、またはキャリアの搬送レベルを変えることなく、エリア間搬送用コンベアと保管庫内搬送用コンベアとの間等を通じて、搬送することができるので、搬送物への振動を極力小さくすることができる。
さらに、別の好ましい実施形態では、このような自動保管システムにおいて、その保管庫は、クリーンルームとして構成されている。これにより、半導体装置や液晶装置等を製造する製造装置に求められる被処理物の処理のための高度なクリーン環境に対応し得る、被処理物、またはキャリアの保管のための高度なクリーン環境を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本願の発明の第1の実施形態(実施形態1)における自動保管システムの概略構成を示す斜視図である。
図2は、本願の発明の第2の実施形態(実施形態2)における自動保管システムの概略構成を示す斜視図である。
図3は、本願の発明の第3の実施形態(実施形態3)における自動保管システムの概略構成を示す斜視図である。
図4は、実施形態1における自動保管システムの変形例を示す図である。
図5aは、本願の発明の第4の実施形態(実施形態4)における自動保管システムの概略構成を示す斜視図である。
図5bは、本願の発明の第4の実施形態(実施形態4)における他の実施例をあらわす自動保管システムの概略構成を示す斜視図である。
図6は、実施形態1における自動保管システムの他の変形例を示す図である。
図7は、実施形態1における自動保管システムのさらに他の変形例を示す図である。
図8は、実施形態1における自動保管システムのさらに他の変形例を示す図である。
図9は、実施形態1における自動保管システムのさらに他の変形例を示す図である。
図10は、実施形態1における自動保管システムのさらに他の変形例を示す図であって、保管庫がクリーンルームとして構成される場合の図である。
図11は、実施形態2における自動保管システムの変形例を示す図である。
図12は、実施形態1〜4における自動保管システムに使用されるスタッカークレーンの斜視図であって、(a)〜(c)は、その3態様を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
次に、本願の発明の第1の実施形態(実施形態1)について説明する。
図1は、本実施形態1における自動保管システムの概略構成を示す斜視図である。なお、以下において、縦方向(または前後方向)とは、スタッカークレーンの走行方向(図1において、左下と右上とを結ぶ方向)をいい、横方向(または左右方向)とは、水平面内において、これと直交する方向(図1において、左上と右下とを結ぶ方向)をいうものとする。また、「被処理物、またはキャリア」を単に「ワーク」と呼ぶことがある。
本実施形態1における自動保管システムは、主として半導体装置や液晶装置等を製造する製造装置に、半導体基板や液晶基板等の被処理物、またはこれらの被処理物の少なくとも1つを収納したキャリアを供給するために、これを一時保管したり、またはこれらの製造装置から、これらの製造装置において処理を終えた被処理物を取り出して、これを一時保管したりするのに使用される。製造装置は、自動保管システムに接続されて、これに隣接して配置される場合もあれば、自動保管システムから離隔して配置される場合もあり、本実施形態1においては、これらのいずれの場合であるかを問わない。製造装置に加えて、検査装置が自動保管システムに接続される場合もある。
本実施形態1における自動保管システムは、また、本システムの外にあって、異なる製造エリア間での被処理物、またはキャリアの搬送を担当するエリア間搬送機構との間で、被処理物、またはキャリアの入庫・出庫管理を行なうが、ある被処理物、またはキャリアの入庫のために、エリア間搬送機構上の他の被処理物、またはキャリアを待機させたりして、その搬送を妨げるようなことがない。
図1に図示されるように、本実施形態1における自動保管システム1は、概略、保管庫10の一方の端部から他方の端部まで、その床の縦方向の略全長に渡って敷かれたレール11上を走行するスタッカークレーン(搬送移載機構)20と、レール11に沿って、その両側に配置された棚30(左側棚30L、右側棚30R)と、レール11に沿って、その両側に配置されたコンベア(搬送機構)40(左側コンベア40L、右側コンベア40R)とから成っている。
スタッカークレーン20は、図12(a)に図示されるように、少なくとも1つの被処理物を収納したキャリア50を保持する保持機構21を備えており、レール11上に載架された下部の走行機構22が作動することにより、キャリア50を保持してレール11の長さ範囲を走行可能である。また、その保持機構21は、スタッカークレーン20の上下方向に伸長する躯体内部に収容された昇降機構23により、上下動可能である。したがって、スタッカークレーン20は、それ自体の走行可能範囲に保持機構21の可動範囲を重ね合わせて得られる保持機構21の到達範囲内において、キャリア50を任意の位置へ移載することができる。キャリア50に代えて、被処理物そのものが、本自動保管システム1における搬送、移載、保管の対象とされる場合もあるが、以下においては、キャリア50が、その搬送、移載、保管の対象とされる場合について説明する。
保持機構21としては、図12(a)に図示されるように、フォーク形式のものが使用されてもよいが、図12(b)、(c)に図示されるように、複数本のアーム要素からなるロボットアームの先端にキャリア50の把持手段を備えた形式のものが使用されてもよい。これらの場合において、スタッカークレーン20が複数のキャリア50を搬送することができるように、保持機構21は、複数(通常、2つ)備えられてもよい。なお、図12(c)に図示されるスタッカークレーン20の場合は、走行機構22を上部に備えており、保管庫10内の天井部に敷かれた図示されないレール上を走行可能である。
棚30(左側棚30L、右側棚30R)は、レール11の略全長に沿って、その両側に配置されており、それぞれ複数の列と複数の段とを備えた複数列・複数段の立体的な棚構成をなしている。図1においては、図示を簡単にするために、列と段とにより区画された個々の空間内に配置された棚単位に、キャリア50が保管された状態が図示されている。これらの各棚単位に保管されたキャリア50は、いずれも、スタッカークレーン20の保持機構21の到達範囲内にある。
なお、棚30は、前記のような複数列・複数段の立体的な棚構成に限定されず、複数の列と段との各々が複雑に入り組んだ、任意の構成の棚であってもよく、要は、保管物同志が干渉し合わない棚構成であればよい。
コンベア40(左側コンベア40L、右側コンベア40R)は、レール11の両側であって、棚30(左側棚30L、右側棚30R)の中間段相当位置に配置されており、その高さ位置は、エリア間搬送機構の構成要素をなすコンベア(エリア間搬送用コンベア)60の高さ位置と略同等とされている。そして、このエリア間搬送用コンベア60により搬送されてきたキャリア50のうち、本自動保管システム1に保管されることが予定されている被処理物を収納したキャリア50を右側コンベア40Rにより受けて、保管庫10内に入庫させ、これを近くにある空いた棚単位の位置近傍まで搬送するとともに、次の処理のために出庫される被処理物を収納した保管中のキャリア50を左側コンベア40Lにより受けて、これをエリア間搬送用コンベア60のところまで運び、このコンベア上に送り出して、保管庫10から出庫させる。左側コンベア40L、右側コンベア40Rの各搬送方向は、一定の方向に定められている。
なお、右側コンベア40Rにより、近くにある空いた棚単位の位置近傍まで搬送されたキャリア50は、スタッカークレーン20の保持機構21により保持されて、当該空いた棚単位上に移載されて、保管される。また、次の処理のために出庫される被処理物を収納した保管中のキャリア50は、スタッカークレーン20の保持機構21により保持されて、当該キャリア50を保管する棚単位から取り出され、左側コンベア40L上に移載されて、搬送される。保持機構21による右側コンベア40R上のキャリア50の保持、および保持機構21から左側コンベア40L上へのキャリア50の移載は、各コンベアの途中に、その搬送方向に適宜間隔を置いて設置された複数の受け渡し部(昇降機構など)41を介して行なわれる。
コンベア40(左側コンベア40L、右側コンベア40R)は、保管庫10の一方の端部から他方の端部までキャリア50を搬送することができ、レール11に沿って設けられたコンベア40上に載置されたキャリア50であれば、コンベア40上のどの位置にあっても、スタッカークレーン20の保持機構21の到達範囲内にある。そのために、図12(a)に図示される、フォーク形式の保持機構21を有するスタッカークレーン20が使用される場合には、その後方および上下方向に伸長する躯体の側方がデッドスペースとならないように、レール11をコンベア40より長くして、スタッカークレーン20の走行範囲が広げられるとよい。
エリア間搬送用コンベア60からキャリア50が右側コンベア40Rにより受けられるところ、および左側コンベア40Lからキャリア50がエリア間搬送用コンベア60上に送り出されるところには、エリア間搬送用コンベア60の途中にターンコンベア(位置変更機構)61がそれぞれ備えられており、これらのターンコンベア61が、右側コンベア40R方向および左側コンベア40L方向にそれぞれ向きを変えて、それらの送り出し方向をこれら左右側コンベアの搬送方向にそれぞれ揃えることにより、前記のような、エリア間搬送用コンベア60と右側コンベア40R、左側コンベア40Lとの間でのキャリア50の移載が可能になる。なお、ターンコンベア(位置変更機構)61に代えて、移行装置などが使用されてもよい。
保管庫10は、クリーンルームとして構成されることができ、この場合には、図10に図示されるように、保管庫10の天井部にHEPA、ULPAフィルター等を備えた清浄機構を収容したクリーンユニット110が付設されるとともに、エリア間搬送用コンベア60の途中に設置された両ターンコンベア61を覆い、保管庫10に接するように、一対の直方体形状のパスボックス120が設けられる。このパスボックス120は、雰囲気切替部をなし、雰囲気切替装置や清浄装置などを備えている。雰囲気切替装置は、パスボックス120のエリア間搬送用コンベア60の搬送方向に面する側の2壁にそれぞれ設けられた第1の開閉機構(シャッター)121と、保管庫10に面する側の一壁に設けられた第2の開閉機構(シャッター)122とから成っている。クリーンユニット110は、保管庫10内が常時一定のクリーン度に維持されるように作動する。
そこで、今、エリア間搬送用コンベア60により、キャリア50が保管庫10の入庫口のところまで搬送されてくると、そこで一旦停止し、そこに設置された図10において右側のパスボックス120の上流側の第1の開閉機構(シャッター)121が開き、キャリア50がパスボックス120内に搬送される。次いで、第1の開閉機構(シャッター)121が閉じ、第2の開閉機構(シャッター)122が開いて、ターンコンベア61の前記のような作動により、キャリア50が、右側コンベア40R上に移載されて、保管庫10内に入庫される。このとき、保管庫10内のクリーンな高圧雰囲気は、パスボックス120内に充満して、パスボックス120内の外部雰囲気を追い出すので、保管庫10内が外部雰囲気により汚染されることはない。
保管庫10内のキャリア50が出庫される場合、左側コンベア40Lにより、キャリア50が保管庫10の出庫口のところまで搬送されてくると、そこで一旦停止し、そこに設置された図10において左側のパスボックス120の第2の開閉機構(シャッター)122が開き、キャリア50がパスボックス120内に搬送される。このとき、保管庫10内のクリーンな高圧雰囲気は、パスボックス120内に充満して、パスボックス120内の外部雰囲気を追い出すので、保管庫10内が外部雰囲気により汚染されることはない。次いで、第2の開閉機構(シャッター)122が閉じ、後流側の第1の開閉機構(シャッター)121が開いて、ターンコンベア61の前記のような作動により、キャリア50がエリア間搬送用コンベア60上に移載される。
両パスボックス120は、前記のとおり、それらのエリア間搬送用コンベア60の搬送方向に面する側の2壁に、それぞれ第1の開閉機構(シャッター)121を備えているので、これらの全ての第1の開閉機構(シャッター)121が開くことにより、保管庫10に保管されることが予定されていないキャリア50を、エリア間搬送用コンベア60により、一方向に搬送することが可能である。
なお、このパスボックス120は、図示の実施形態では、保管庫10の外部のエリア間搬送用コンベア60上に設置されているが、これに限定されず、保管庫10の内部に設置されてもよい。要は、キャリア50を保管庫10の外部と内部との間で投入(入庫)、または取り出し(出庫)する時に、保管庫10の内部の雰囲気と外部の雰囲気とを切り替えることができる雰囲気切替部があればよい。
保管庫10に対するキャリア50の入庫と出庫、棚30(左側棚30L、右側棚30R)に対するキャリア50の移載、保管と取り出し、このようなキャリア50の流れを可能にするコンベア40(左側コンベア40L、右側コンベア40R)、スタッカークレーン20、パスボックス120、ターンコンベア61等の作動は、すべてスケジュールあるいは上位ホスト、または製造装置などからの搬送(動作)要求に従って自動的に制御され、管理される。
また、被搬送物(被処理物、キャリア50)は、情報識別部材(IDタグ、ICタグ、バーコード等)を備えており、情報識別部材にメモリーされている情報によって管理されている。例えば、保管庫10に被搬送物を搬入する時に、被搬送物の識別情報を読み取る読取装置がコンベア40の途中、またはターンコンベア61などに設けられており、これらが被搬送物の識別情報を読み取り、その読取情報に従って本自動保管システム1を動作させ、被搬送物を目的の場所に搬送したり、保管したりするようになっている。
本実施形態1における自動保管システム1では、スタッカークレーン20は、1台備えられるものとされているが、これに限られず、2台以上備えられてもよい。また、棚30(左側棚30L、右側棚30R)およびコンベア40(左側コンベア40L、右側コンベア40R)は、レール11の略全長に沿って、保管庫10の一方の端部から他方の端部にまで及ぶ範囲に設けられているが、これに限られず、それより短くされてもよい。特にコンベア40は、複数列・複数段の立体的な棚構成をなす棚30の少なくとも1つの列に対して備えられるようにされてもよい。また、棚30は、左側もしくは右側のいずれかの棚が省略されてもよい。
また、本実施形態1における自動保管システム1では、エリア間搬送用コンベア60は、保管庫10の手前側にのみ設けられているが、これに限られず、図4に図示されるように、保管庫10の奥側にも設けられるようにされてよく、この場合において、この奥側のエリア間搬送用コンベア60は、保管庫10に対する接続の仕方によって、保管庫10に対する入庫用、出庫用、入庫用・出庫用のコンベアとして、各種の形態で使用することができる。図4の場合は、出庫用のコンベアとして使用されている。
さらに、本実施形態1における自動保管システム1では、保管庫10は、1つ備えられるものとされたが、その複数を、直交する関係で接続・配置したり(図6参照)、同じ方向に連設したり(図7〜図9参照)、エリア間搬送用コンベア60に対して並列の関係で配置したり、して用いることができる。図6に図示されるように、2つの保管庫10を直交する関係で配置・接続した場合、その交差部には、対応する右側コンベア40Rの途中に、一対のターンコンベア61が設けられる。これらのターンコンベア61は、右側コンベア40R上に載置されて搬送されるキャリア50を、付設された保管庫10に対して入庫させ、また、出庫させるために用いられる。この複合自動保管システム1においては、元々備えられていた保管庫10の奥側にも、エリア間搬送用コンベア60が備えられている。なお、図6〜図9に図示の例では、いずれも接続される2つの保管庫10同志の端部もしくは中間部が連結されているが、連結部分を少し離して設置して、コンベア40のみを連結させ、両保管庫10の間に通路を確保するようにすることもできる。
また、図8に図示されるように、2つの保管庫10が同じ方向に連設される場合、その連設部および連設された保管庫10の最奥部には、各保管庫10の左側コンベア40Lと右側コンベア40Rとをつなぐ接続コンベア62がそれぞれ設けられてもよい。このようにすると、スタッカークレーン20の動作とは関係なく、2つの保管庫10内に存在する空いた棚単位近傍に、比較的短い経路を通ってキャリア50を搬送することができ、棚30の利用効率が向上するとともに、搬送効率が向上する。なお、接続コンベア62と左側コンベア40L、右側コンベア40Rとの各交差部には、それぞれターンコンベア61が設けられている。
図9に図示される変形例では、連設された保管庫10の最奥部に接続コンベア62は設けられておらず、代わりに、連設された保管庫10の奥側に、エリア間搬送用コンベア60が接続されている。
本実施形態1における自動保管システム1は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
スタッカークレーン(搬送移載機構)20の保持機構21の到達範囲内にコンベア(搬送機構)40を設けることにより、被処理物、またはキャリア50を、目的の棚の付近まで、または出庫口の付近まで、スタッカークレーン20の動作とは関係なく、搬送することができる。このため、スタッカークレーン20は、最小限の動作時間で棚30、または出庫口に被処理物、またはキャリア50を搬送移載することができ、搬送時間を削減することができる。
また、コンベア40は、被処理物、またはキャリア50を保管庫10の一方の端部から他方の端部まで搬送することができるので、連続して搬送されてくる被処理物、またはキャリア50を待機させることなく、また、スタッカークレーン20の動作とは関係なく、保管庫10内に入庫させて搬送することができる。このため、ワークの待機時間を極力短くすることができ、スタッカークレーン20は、最小限の動作時間で棚30、または出庫口に被処理物、またはキャリア50を搬送移載することができる。これらにより、全体として、搬送時間を削減して、ワークの効率的な保管および搬送を可能にすることができる。
また、保管庫10が複数、接続・配置される場合には、複数の保管庫10への被処理物、またはキャリア50の搬送を、それぞれの保管庫10内のスタッカークレーン20の動作に左右されることなく、それぞれの保管庫エリアを通して、目的のエリアに向けて実行することができ、搬送効率が向上する。
さらに、コンベア40の搬送方向は、一定の方向に定められているので、被処理物、またはキャリア50の搬送管理と保管管理とを容易に行なうことができ、プログラムの複雑化を防ぐことができる。
また、棚30は、複数の列と複数の段とを備え、コンベア40は、その棚30の少なくとも1つの列に備えられているので、複数列・複数段の棚構成に対して、そのうちの少なくとも1つの列にコンベア40が備えられることになり、被処理物、またはキャリア50の保管をスペース効率よく、また搬送効率よく行なうことができる。
また、搬送機構として、コンベアが使用されているので、被処理物、またはキャリア50の連続的な搬送を行なうことができる。また、被処理物、またはキャリア50の搬送レベルを変えることなく、エリア間搬送用コンベア60と保管庫10内搬送用コンベア40との間等を通じて、搬送することができるので、搬送物への振動を極力小さくすることができる。
さらに、また、保管庫10は、クリーンルームとして構成されているので、半導体装置や液晶装置等を製造する製造装置に求められる被処理物の処理のための高度なクリーン環境に対応し得る、被処理物、またはキャリア50の保管のための高度なクリーン環境を確保することができる。その他、種々の効果を奏することができる。
次に、本願の発明の第2の実施形態(実施形態2)について説明する。
図2は、本実施形態2における自動保管システムの概略構成を示す斜視図である。同図に示されるように、本実施形態2における自動保管システム1は、その保管庫10の両側壁に、処理装置70が接続されている。この場合、処理装置70は、それが備えるワーク受け渡し部(ロードポート)80のみが保管庫10内にあるようにされ、しかも、スタッカークレーン(搬送移載機構)20の保持機構21の到達範囲内にあるようにされて、保管庫10の両側壁に接続されている。処理装置70は、1台が接続される場合もあり、異なる処理を行なう複数台が接続される場合もある。さらには、これらに加えて、検査装置や被処理物の入替装置が接続される場合もある。この入替装置は、キャリア50内部の被処理物(基板)を異なるキャリア50に移し替えたり、キャリア50内部の被処理物を並べ替えるなどの入替処理を行なう装置である。これらの処理装置70や図示されない検査装置、入替装置は、半導体装置や液晶装置等を製造する製造装置の構成要素をなすものである。
処理装置70のワーク受け渡し部80が保管庫10内に臨む部分では、棚30の棚単位は除去され、スタッカークレーン20の保持機構21がワーク受け渡し部80にアクセスするのに支障のないようにされている。
なお、図示の実施形態では、処理装置70や図示されない検査装置は、保管庫10の両側壁に接続されているが、これに限られず、保管庫10の一側壁に適数台が接続されればよいものである。また、図11に図示されるように、複数台(図示例では2台)の保管庫10を同じ方向に連設して用いることもできる。
本実施形態2における自動保管システム1は、以上の点で実施形態1と異なっているが、その他の点で異なるところはないので、詳細な説明を省略する。
本実施形態2における自動保管システム1は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
保管庫10に処理装置70が隣接して設けられることになり、保管庫10自体を処理装置70用の一時的な被処理物、またはキャリア50のバッファとすることができる。また、保管庫10に複数の異なった処理を行なう処理装置70が接続される場合には、被処理物、またはキャリア50は、この保管システム1により、ストックと循環とを繰り返しながら、それぞれの処理装置70を循環することができるので、1つの被処理物に必要な処理を効率よく行なうことができる。
その他、実施形態1が奏する前記のような効果と同様の効果を奏することができる。
次に、本願の発明の第3の実施形態(実施形態3)について説明する。
図2は、本実施形態3における自動保管システムの概略構成を示す斜視図である。同図に示されるように、本実施形態3における自動保管システム1は、実施形態2における自動保管システム1(図2参照)において、保管庫10の一側壁の任意の一部に、被処理物、またはキャリア50の投入・取出部90が適数、さらに備えられて構成されている。投入・取出部90は、投入・取出口91と、投入・取出機構92とから成り、投入・取出機構92は、コンベアを備えている。
なお、図示の実施形態では、投入・取出部90は、保管庫10の一側壁に設けられているが、これに限られず、必要に応じて、保管庫10の両側壁に設けられてもよい。また、右側コンベア40R上に開口するように設けられているが、これに限られず、任意の棚に開口するように設けられてもよい。また、投入・取出部90に代えて、投入のみが行なわれる投入部90とされたり、取り出しのみが行なわれる取出部90とされてもよく、さらに、投入部と取出部とが別々に形成されてもよい。
本実施形態3における自動保管システム1は、以上の点で実施形態2と異なっているが、その他の点で異なるところはないので、詳細な説明を省略する。
本実施形態3における自動保管システム1は、前記のように構成されているので、さらに、次のような効果を奏することができる。
保管庫10の側壁の一部に、被処理物、またはキャリア50の投入部と取出部とのいずれか一方もしくは双方を少なくとも1つまたは1つずつ備えているので、被処理物、またはキャリア50を保管庫10から取り出したり、または保管庫10に投入したりすることができる。例えば、被処理物の抜き打ち的な検査を行なうために、被処理物を保管庫から取り出したり、または検査済みの被処理物を保管庫に投入したりすることができ、自動保管システム1の利便性が向上する。
次に、本願の発明の第4の実施形態(実施形態4)について説明する。
図5は、本実施形態4における自動保管システムの概略構成を示す斜視図である。同図に示されるように、本実施形態4における自動保管システム1は、実施形態1における自動保管システム1の変形例(図4参照)において、保管庫10の一方の端部から他方の端部へ、被処理物、またはキャリア50を搬送する右側コンベア(搬送機構)40Rに寄り添うように、もう1台のコンベア(搬送機構)40Eが付設されて、これら2台のコンベア40R、40Eの途中の適数個所に、これら2台のコンベア40R、40Eに跨がるようにして、分岐・合流部100がさらに備えられて構成されている。なお、コンベア40Eは、保管庫10の外部に設置されている。
コンベア40Rは、エリア間搬送用コンベア60からキャリア50を受けて、これを保管庫10の奥方向に搬送する。コンベア40Eの搬送方向は、コンベア40Rの搬送方向と逆にされている。分岐・合流部100は、第1の分岐・合流部101と第2の分岐・合流部102とから成り、これら第1の分岐・合流部101と第2の分岐・合流部102とは、いずれも2つのターンコンベア61から成っており、2つのターンコンベア61のうちの一方は、2台のコンベア40R、40Eのうちのいずれか一方の途中に設置され、2つのターンコンベア61のうちの他方は、2台のコンベア40R、40Eのうちのいずれか他方の途中に設置されている。
したがって、今、エリア間搬送用コンベア60からコンベア40Rにより受けられて、このコンベア40R上を保管庫10の奥方向に搬送されるキャリア50は、その搬送過程において、分岐・合流部100を通過しようとする。この時、第1の分岐・合流部101を構成する2つのターンコンベア61が、それらの搬送方向をコンベア40Eの方向に向ければ、分岐・合流部100を通過しようとしていたキャリア50は、コンベア40R上の流れから分岐してコンベア40Eの方向に向かい、このコンベア40E上に移載される。そして、コンベア40E上を搬送されているキャリア50の流れに合流して、先程とは逆の、保管庫10の手前方向に搬送される。
また、分岐・合流部100を通過したキャリア50は、保管庫10の最奥部まで到達すると、コンベア40R、40Eの各端部に設置されたターンコンベア61の作動により、方向が転換されて、コンベア40E上に移載され、このコンベア40E上を保管庫10の手前方向に搬送される。そして、その搬送過程において、キャリア50が分岐・合流部100を通過しようとする時、第2の分岐・合流部102を構成する2つのターンコンベア61が、それらの搬送方向をコンベア40Rの方向に向ければ、分岐・合流部100を通過しようとしていたキャリア50は、コンベア40E上の流れから分岐してコンベア40Rの方向に向かい、このコンベア40R上に移載される。そして、コンベア40R上を搬送されているキャリア50の流れに合流して、先程と同じ、保管庫10の奥方向に搬送され、以下同様にして、同じ流れの閉回路を循環することができる。
コンベア40Eがエリア間搬送用コンベア60と交差する部分にも、エリア間搬送用コンベア60の途中個所にターンコンベア61が設置されており、コンベア40E上を搬送されてきたキャリア50の流れの方向をコンベア40Rの方向に転換することができるようにされている。
本実施形態4において、分岐・合流部100は、第1の分岐・合流部101と第2の分岐・合流部102とから成るものとされたが、これに限定されず、必要に応じて、いずれかが省略されてもよい。また、分岐・合流部100は、必要に応じて、左側コンベア40Lの側にも、同様にして設けることができる。さらに、コンベア40Eを覆って、これを外部から遮断するようなトンネルカバーが設けられてもよい。さらに、図5bに示すように、分岐・合流部へ他の搬送装置(コンベアなど)123を接続してもよい。なお、図5bに示すコンベアの搬送方向は、一方向および両方向に動作することを可能とする。
本実施形態4における自動保管システム1は、以上の点で実施形態1と異なっているが、その他の点で異なるところはないので、詳細な説明を省略する。
本実施形態4における自動保管システム1は、前記のように構成されているので、さらに、次のような効果を奏することができる。
保管庫10の一方の端部から他方の端部へ、被処理物、またはキャリア50を搬送するコンベア(搬送機構)40(左側コンベア40L、右側コンベア40R)は、左右側のいずれかの側もしくは双方の側のコンベアの途中に分岐・合流部100を少なくとも1つ備えているので、例えば、棚30のエリアを、図5に図示されるエリア1〜エリア3のように、複数種類にエリア分けを行なった時、コンベア40は、被処理物、またはキャリア50を目的の種類のエリア付近に待機させつつ、他のエリアへの被処理物、またはキャリア50の搬送を妨げることなく、これらを他のエリアへ搬送することができる。
また、コンベア40Eを覆うトンネルカバーが設けられる場合には、その内部雰囲気を、保管庫10内部の雰囲気と同じ雰囲気にすることができ、保管庫10内部のクリーンな雰囲気を保持することができる。また、分岐・合流部に他の搬送装置(例えば、コンベアや移載装置など。)123を接続することにより、所定の処理を行う処理装置などとの間においてキャリアのやり取りが可能となり、効率的なキャリアの搬送が可能となる。
本願の発明は、以上の実施形態1〜4に限定されることなく、本願の発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
例えば、前記に説明したコンベア40(40R、40L)は、その駆動部を、所望の間隔で複数台備えるようにしてもよいし、また、キャリア50毎の間隔で複数台備えるようにしてもよい。このようにすることにより、キャリア50毎、または、所望の間隔毎にコンベア40(40R、40L)を駆動することができるようになり、所望の搬送制御が可能となる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】



【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物、または少なくとも1つの被処理物を収納したキャリアを保持する保持機構を少なくとも1つ備え、前記被処理物、または前記キャリアを保持して所定の範囲を搬送可能であり、前記被処理物、または前記キャリアを前記保持機構の到達範囲内の任意の位置へ載置することが可能な少なくとも1つの搬送移載機構と、
前記搬送移載機構の前記保持機構の到達範囲内に、前記被処理物、または前記キャリアを保管する棚と、
前記保持機構の到達範囲内に、前記被処理物、または前記キャリアを搬送する少なくとも1つの搬送機構と
を備えたことを特徴とする自動保管システム。
【請求項2】
被処理物、または少なくとも1つの被処理物を収納したキャリアを保持する保持機構を少なくとも1つ備え、前記被処理物、または前記キャリアを保持して所定の範囲を搬送可能であり、前記被処理物、または前記キャリアを前記保持機構の到達範囲内の任意の位置へ載置することが可能な少なくとも1つの搬送移載機構と、
前記搬送移載機構の前記保持機構の到達範囲内に、前記被処理物、または前記キャリアを保管する棚であって、少なくとも1つの囲まれた保管庫内に配置される棚と、
前記囲まれた保管庫の一方の端部から他方の端部へ、前記被処理物、または前記キャリアを搬送することが可能な少なくとも1つの搬送機構と
を備えたことを特徴とする自動保管システム。
【請求項3】
被処理物、または少なくとも1つの被処理物を収納したキャリアを保持する保持機構を少なくとも1つ備え、前記被処理物、または前記キャリアを保持して所定の範囲を搬送可能であり、前記被処理物、または前記キャリアを前記保持機構の到達範囲内の任意の位置へ載置することが可能な少なくとも1つの搬送移載機構と、
前記搬送移載機構の前記保持機構の到達範囲内に、前記被処理物、または前記キャリアを保管する棚であって、少なくとも1つの囲まれた保管庫内に配置される棚と、
前記囲まれた保管庫の一方の端部から他方の端部へ、前記被処理物、または前記キャリアを搬送することが可能な少なくとも1つの搬送機構と
を備え、
前記搬送移載機構の前記保持機構の到達範囲内に、前記被処理物、または前記キャリアの受け渡し部を設けた少なくとも1台の処理装置が接続されている
ことを特徴とする自動保管システム。
【請求項4】
前記搬送機構の搬送方向は、一定の方向に定められていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の自動保管システム。
【請求項5】
前記棚は、複数の列と複数の段とを備え、前記搬送機構は、前記棚の少なくとも1つの列に備えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の自動保管システム。
【請求項6】
前記保管庫の一部に、前記被処理物、または前記キャリアの投入部と取出部とのいずれか一方もしくは双方を少なくとも1つ、または1つずつ備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の自動保管システム。
【請求項7】
前記保管庫の一方の端部から他方の端部へ、前記被処理物、または前記キャリアを搬送することが可能な搬送機構は、その途中に分岐部・合流部またはそのいずれか片方を少なくとも1つ備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の自動保管システム。
【請求項8】
前記搬送機構は、コンベアであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の自動保管システム。
【請求項9】
前記保管庫は、クリーンルームとして構成されていることを特徴とする請求項2ないし請求項8のいずれかに記載の自動保管システム。

【国際公開番号】WO2004/080852
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【発行日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−503527(P2005−503527)
【国際出願番号】PCT/JP2004/003045
【国際出願日】平成16年3月9日(2004.3.9)
【出願人】(391032358)平田機工株式会社 (107)
【Fターム(参考)】