説明

自動分析装置

【課題】洗浄液の補充や収納の作業を軽減することができる自動分析装置を提供する。
【解決手段】被検試料毎に検査項目を設定する検査項目設定画面75と、被検試料容器17から吸引して反応容器3に吐出する分注を行うためのサンプル分注プローブ16と、反応容器3内に洗浄液を供給して排出し、混合液が収容された反応容器3内の洗浄を行う反応容器洗浄部12とを備え、検査項目設定画面75で設定された検査項目に基づいて、反応容器洗浄部12により供給された洗浄液を収容する反応容器3を、サンプル分注プローブ16により反応容器3内に被検試料の吐出可能なサンプル吐出位置Paまで移動し、その反応容器3内の洗浄液を用いてサンプル分注プローブ16の洗浄を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体に含まれている成分を分析する自動分析装置に係り、特に、洗浄機能を備えた自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は生化学検査項目や免疫検査項目等を対象とし、被検体から採取された被検試料及び各検査項目に該当する試薬の混合液の反応によって生ずる色調や濁りの変化を、分光光度計や比濁計等の光分析器を用いて光学的に測定することにより、被検試料中の様々な成分の濃度や酵素の活性を求める。
【0003】
この自動分析装置では、多数の検査項目の中から、検査対象となる検査項目を設定した被検試料の分析が行われる。そして、被検試料は、サンプル分注プローブを用いてサンプラに収納された試料容器から反応容器に分注される。また、試薬は、試薬分注プローブを用いて試薬庫に収納された試薬容器から反応容器に分注される。更に、反応容器に分注された被検試料及び試薬の混合液は、撹拌子を用いて撹拌された後、光分析器を用いて測定される。
【0004】
そして、サンプル分注プローブ、試薬分注プローブ、及び撹拌子の各分析ユニットは、洗浄水を用いて被検試料の分注終了毎、試薬の分注終了毎、及び混合液の撹拌終了毎に洗浄される。また、反応容器は、洗浄水や洗浄水よりも強力な洗浄力を有する洗浄液を用いて混合液の測定終了毎に洗浄される。
【0005】
しかしながら、サンプル分注プローブを介して以前に分注した微量の被検試料が次の被検試料を収容した試料容器内に持ち込まれ、次の被検試料に設定された影響を受けやすい特定の免疫検査項目の分析データが悪化してしまう問題がある。また、試薬分注プローブを介して以前に分注した微量の試薬が次に分注する試薬に持ち込まれ、以前の試薬から影響を受けやすい特定の試薬の検査項目の分析データが悪化してしまう問題がある。
【0006】
この被検試料間や試薬間のクロスコンタミネーションによる問題を避けるために、洗浄水よりも強力な洗浄力を有する洗浄液を収容した試料容器をサンプラに収納し、影響を受ける検査項目が設定された被検試料を分注する前に試料容器の洗浄液を用いてサンプル分注プローブを洗浄する方法や、前記洗浄液を収容した試薬容器を試薬庫に収納し、影響を与える試薬を分注した後、その試薬により影響を受ける試薬を分注する前に試薬容器の洗浄液を用いて試薬分注プローブを洗浄する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平6−207944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、被検試料の分析を行う前に、洗浄液を収容した各容器を収納する必要があるため、又は収納した各容器内の洗浄液の量を確認し、不足している場合には洗浄液を補充する必要があるため、洗浄液に関る作業に手間がかかる問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、洗浄液の補充や収納の作業を軽減することができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の自動分析装置は、被検試料及びこの被検試料の検査項目に該当する試薬を反応容器に分注して、その混合液を測定する自動分析装置において、前記被検試料の検査項目を設定する検査項目設定手段と、前記被検試料又は前記試薬を吸引して吐出する分注を行うための分注プローブと、前記反応容器内に洗浄液を供給して排出し、前記混合液が収容された反応容器内の洗浄を行う反応容器洗浄手段と、前記検査項目設定手段により設定された検査項目に基づいて、前記反応容器洗浄手段により供給された洗浄液を収容する反応容器を、前記分注プローブが前記被検試料又は前記試薬の吐出可能な吐出位置まで移動させ、その反応容器内の洗浄液を用いて前記分注プローブの洗浄を行う分注プローブ洗浄手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の本発明の自動分析装置は、被検試料及びこの被検試料の検査項目に該当する試薬を反応容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置において、前記被検試料の検査項目を設定する検査項目設定手段と、前記反応容器内の混合液を撹拌するための撹拌子と、前記反応容器内に洗浄液を供給して排出し、前記混合液が収容された反応容器内の洗浄を行う反応容器洗浄手段と、前記検査項目設定手段により設定された検査項目に基づいて、前記反応容器洗浄手段により供給された洗浄液を収容する反応容器を、前記撹拌子が撹拌可能な撹拌位置まで移動させ、その反応容器内の洗浄液を用いて前記撹拌子の洗浄を行う撹拌子洗浄手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、反応容器の洗浄に用いる洗浄液を用いることにより、洗浄液の補充又は洗浄液を収容した容器を収納する作業を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明による自動分析装置の実施例を、図1乃至図11を参照して説明する。
【実施例】
【0013】
図1は、本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、被検体を検査するために各検査項目の標準試料や被検体から採取された被検試料を各検査項目に該当する試薬を利用した測定により標準データや被検データを生成する分析部24と、分析部24の測定に関る各分析ユニットの制御を行う分析制御部25とを備えている。
【0014】
また、分析部24で生成された標準データや被検データを処理して検量データや分析データを生成するデータ処理部60と、データ処理部60で生成された検量データや分析データを出力する出力部70と、各種コマンド信号等の入力を行う操作部80と、上述した各ユニットを統括して制御するシステム制御部90とを備えている。
【0015】
図2は、分析部24の構成を示した斜視図である。この分析部24は純水装置110に接続され、標準試料や被検試料等の各サンプルを収容する試料容器17と、この試料容器17を保持するディスクサンプラ5と、各サンプルに含まれる各検査項目の成分に選択的に反応する第1試薬が収容された試薬容器6と、この試薬容器6を保持する試薬ラック1aを有する試薬庫1と、2試薬系により構成される検査項目の第1試薬と対をなす第2試薬が収容された試薬容器7と、この試薬容器7を保持する試薬ラック2aを有する試薬庫2と、円周上に等間隔で複数個(m個)配置された反応容器3を回転可能に保持する反応ディスク4とを備えている。
【0016】
また、試料容器17内のサンプルを吸引して反応容器3内へ吐出する分注を行うためのサンプル分注プローブ16と、サンプル分注終了毎にサンプル分注プローブ16を純水装置110で精製された純水等の洗浄水を用いて洗浄する洗浄槽16aと、サンプル分注プローブ16内に試料容器17内のサンプルを吸引して反応容器3内に吐出する分注を行うサンプル分注ポンプ16bと、サンプルの分注を行うためにサンプル分注プローブ16を回動及び上下移動可能に保持するサンプル分注アーム10とを備えている。
【0017】
また、試薬容器6内の第1試薬を吸引して被検試料が分注された反応容器3内に吐出する分注を行うための第1試薬分注プローブ14と、第1試薬の分注終了毎に第1試薬分注プローブ14を純水装置110の洗浄水を用いて洗浄する洗浄槽14aと、第1試薬分注プローブ14内に試薬容器6内の第1試薬を吸引して反応容器3内に吐出する分注を行う第1試薬分注ポンプ14bと、第1試薬の分注を行うために第1試薬分注プローブ14を回動及び上下移動可能に保持する第1試薬分注アーム8とを備えている。
【0018】
また、反応容器3内に吐出されたサンプル及び第1試薬からなる第1混合液を撹拌するための第1撹拌子18と、第1混合液の撹拌終了毎に第1撹拌子18を純水装置110の洗浄水を用いて洗浄する洗浄槽18aと、第1撹拌子18を回動及び上下移動可能に保持する第1撹拌アーム20とを備えている。
【0019】
また、試薬容器7内の第2試薬を吸引して被検試料及び第1試薬が吐出された反応容器3内に吐出する分注を行うための第2試薬分注プローブ15と、第2試薬の分注終了毎に第2試薬分注プローブ15を純水装置110の洗浄水を用いて洗浄する洗浄槽15aと、第2試薬分注プローブ15内に試薬容器7内の第2試薬を吸引して被検試料及び第1試薬が吐出された反応容器3内に吐出する分注を行う第2試薬分注ポンプ15bと、第2試薬の分注を行うために第2試薬分注プローブ15を回動及び上下移動可能に保持する第2試薬分注アーム9とを備えている。
【0020】
また、反応容器3内に吐出されたサンプル、第1試薬、及び第2試薬からなる第2混合液を撹拌するための第2撹拌子19と、第2混合液の撹拌終了毎に第2撹拌子19を純水装置110の洗浄水を用いて洗浄する洗浄槽19aと、第2撹拌子19を回動及び上下移動可能に保持する第2撹拌アーム21とを備えている。
【0021】
また、反応容器3内の第1混合液や第2混合液を光学的に測定する測光ユニット13と、反応容器3内の測定を終えた第1混合液や第2混合液を吸引した後に、純水装置110の洗浄水、並びに洗浄水よりも強力な洗浄力を有する第1の洗浄液及びこの第1の洗浄液とは異なる第2の洗浄液の各洗浄液を用いて反応容器3内を洗浄する反応容器洗浄部12とを備えている。なお、第1の洗浄液や第2の洗浄液として、例えば酸性洗浄液、アルカリ性洗浄液、界面活性剤を含む洗浄液等を用いる。
【0022】
そして、測光ユニット13は、回転移動する反応容器3内の標準試料を含む第1混合液や第2混合液に光を照射し、各混合液内を透過した各検査項目の波長光を検出して標準データを生成する。また、反応容器3内の被検試料を含む第1混合液や第2混合液に光を照射し、その混合液内を透過した各検査項目の波長光を検出して被検データを生成する。そして生成した標準データや被検データをデータ処理部60に出力する。また、測定後の反応容器3は、洗浄された後、再び測定に使用される。
【0023】
分析制御部25は、分析部24の各分析ユニットを駆動する機構部26及びこの機構部26を制御する制御部27を備えている。そして、機構部26は、分析部24のディスクサンプラ5、試薬庫1の試薬ラック1a、及び試薬庫2の試薬ラック2aを夫々回動する機構、反応ディスク4を回転する機構、サンプル分注アーム10、第1試薬分注アーム8、第2試薬分注アーム9、第1撹拌アーム20、及び第2撹拌アーム21を夫々回動及び上下移動する機構を備えている。
【0024】
また、サンプル分注ポンプ16b、第1試薬分注ポンプ14b、及び第2試薬分注ポンプ15bを夫々吸引及び吐出駆動する機構、反応容器洗浄部12の各洗浄ユニットを洗浄駆動する機構等を備えている。
【0025】
制御部27は、機構部26の各機構を制御する制御回路を備え、機構部26の各機構を制御して分析部24の各分析ユニットや反応容器洗浄部12の各洗浄ユニットを作動させてサンプルの測定を行う。
【0026】
また、分析部24の試料容器17に収容された各サンプルに接触するサンプル分注プローブ16、試薬容器6に収容された第1試薬に接触する第1試薬分注プローブ14、試薬容器7に収容された第2試薬に接触する第2試薬分注プローブ15、反応容器3に収容された第1混合液に接触する第1撹拌子18、及び反応容器3に収容された第2混合液に接触する第2撹拌子19の各洗浄対象分析ユニットを、反応容器洗浄部12で反応容器3を洗浄する洗浄液を用いて洗浄させる。
【0027】
図1のデータ処理部60は、分析部24の測光ユニット13から出力された標準データや被検データから各検査項目の検量データや分析データの生成を行う演算部61と、演算部61で生成された検量データや分析データを保存するデータ記憶部62とを備えている。
【0028】
演算部61は、測光ユニット13から出力された標準データ及び予め設定された標準試料の標準値から、各検査項目の成分の濃度や活性値と標準データの関係を表す検量データを生成し、生成した検量データを出力部70に出力すると共にデータ記憶部62に保存する。
【0029】
また、測光ユニット13から出力された被検データに対応する検査項目の検量データをデータ記憶部62から読み出す。次いで読み出した検量データを用いてその被検データから濃度や活性値として表される分析データを生成し、生成した分析データを出力部70に出力すると共にデータ記憶部62に保存する。
【0030】
データ記憶部62は、ハードディスクなどを備え、演算部61から出力された検量データを検査項目毎に保存し、また分析データを被検試料毎に保存する。
【0031】
出力部70は、データ処理部60の演算部61から出力された検量データや分析データを印刷出力する印刷部71及び表示出力する表示部72を備えている。そして、印刷部71は、プリンタなどを備え、演算部61から出力された検量データや分析データを予め設定されたフォーマットに従って、プリンタ用紙などに印刷する。
【0032】
表示部72は、CRTや液晶パネルなどのモニタを備え、演算部61から出力された検量データや分析データを表示する。また、自動分析装置100で検査可能な検査項目の分析条件を設定するための分析条件設定画面を表示する。更に、分析部24のサンプル分注プローブ16を、反応容器洗浄部12の洗浄液を用いて洗浄させる洗浄条件を設定するための影響項目設定画面や、各第1及び第2試薬分注プローブ14,15並びに各第1及び第2撹拌子18,19を反応容器洗浄部12の洗浄液を用いて洗浄させる洗浄条件を設定するための影響試薬設定画面を表示する。更にまた、被検試料毎に検査項目を設定するための検査項目設定画面、被検試料を識別する被検体情報を設定する被検体情報設定画面等を表示する。
【0033】
操作部80は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備え、分析部24の各洗浄対象分析ユニットを洗浄させる各洗浄条件の設定、被検試料毎の検査項目の設定、被検体情報の設定等を行うための入力操作を行う。
システム制御部90は、CPU及び記憶回路91を備え、操作部80から入力されたコマンド信号、各洗浄条件、被検試料毎の検査項目等の入力情報を記憶回路91に記憶した後、これらの入力情報に基づいて、分析制御部25、データ処理部60、及び出力部70を統括して制御する。
【0034】
次に、図1乃至図3を参照して、分析部24の反応容器3の動作の一例を説明する。図3は、分析部24における反応容器3の停止位置を示す図である。図4は、反応容器3の回転移動を示す図である。
【0035】
図3において、分析部24におけるm個の反応容器3は、図4に示すように、1分析サイクル毎に反応ディスク4による矢印R1方向への角度θの回転により回転移動した後、m箇所の各停止位置に停止する。各停止位置には、反応容器3の洗浄が行われる洗浄位置W(第1乃至第5洗浄位置W1乃至W5)、サンプル分注プローブ16により反応容器3内にサンプルの吐出が行われる位置であるサンプル吐出位置Pa、及び第1試薬分注プローブ14によりサンプルが吐出された反応容器3内に第1試薬の吐出が行われる位置である第1試薬吐出位置Pa1がある。
【0036】
また、第1撹拌子18により反応容器3内の第1混合液の撹拌が行われる位置である第1撹拌位置Pa2、第2試薬分注プローブ15により第1混合液を収容した反応容器3内に第2試薬の吐出が行われる位置である第2試薬吐出位置Pb、第2撹拌子19により反応容器3内の第2混合液の撹拌が行われる位置である第2撹拌位置Pb1等がある。
【0037】
そして、操作部80から標準試料を測定する操作又は被検試料を測定する操作が行われてから第1の分析サイクルにおいて、洗浄位置Wの第1洗浄位置W1に停止した反応容器3は、第2の分析サイクルでは第2洗浄位置W2に停止し、第3の分析サイクルでは第3洗浄位置W3に停止する。また、第aの分析サイクル(m>a>5)ではサンプル吐出位置Paに停止し、また第(a+1)の分析サイクルでは第1試薬吐出位置Pa1に停止し、更に第(a+2)の分析サイクルでは第1撹拌位置Pa2に停止する。更に、第bの分析サイクル{m>b>(a+2)}では第2試薬吐出位置Pbに停止し、第(b+1)の分析サイクルでは第2撹拌位置Pb1に停止する。更にまた、第(m+1)分析サイクルでは再び第1洗浄位置W1に停止して、サンプルの測定が終了するまで第1乃至第m分析サイクルと同様の動作を繰り返す。
【0038】
次に、図1乃至図7を参照して、分析部24における反応容器洗浄12の構成の詳細を説明する。図5は、反応容器洗浄部12の構成を示す図である。図6及び図7は、反応容器洗浄部12の一部の洗浄ユニットの構成を示す図である。
【0039】
図5において、反応容器洗浄部12は、洗浄水や洗浄液を吐出及び吸引するための洗浄ノズルユニット41と、この洗浄ノズルユニット41の各第1乃至第5のノズル411乃至415に接続されたチューブを介して洗浄水や洗浄液の供給及び排出する洗浄ポンプユニット42とを備えている。そして、反応ディスク4が回転しているときに洗浄位置Wの反応容器3の上方に位置する上停止位置に保持され、反応ディスク4が停止したときに下へ移動して、洗浄位置Wに停止した反応容器3の洗浄を行う。
【0040】
洗浄ノズルユニット41は、洗浄位置Wの第1乃至第5洗浄位置W1乃至W5に対応する5種類の第1乃至第5のノズル411乃至415により構成される。
【0041】
第1のノズル411は、第1洗浄位置W1に停止した反応容器3内の第1混合液や第2混合液の各混合液及び反応容器3の洗浄に使用した洗浄水を吸引する吸引ノズル、並びに第1混合液や第2混合液を吸引した後に洗浄水を反応容器3内に吐出する吐出ノズルにより構成される。そして、洗浄ポンプユニット42より行われる各混合液の排出、洗浄水の供給、及び供給した洗浄水の排出からなる一連の洗浄動作により、反応容器3a内を洗浄水で洗浄する。
【0042】
第2のノズル412は、第2洗浄位置W2に停止した反応容器3内に第1の洗浄液を吐出する吐出ノズル、及び反応容器3内に吐出された第1の洗浄液を吸引する吸引ノズルにより構成される。そして、洗浄ポンプユニット42より行われる排出、第1の洗浄液の供給、及び供給した第1の洗浄液の排出からなる一連の洗浄動作により、第1洗浄位置W1で洗浄された反応容器3を第1の洗浄液で洗浄する。
【0043】
また、洗浄ポンプユニット42より行われる排出及び第1の洗浄液の供給からなる一連の第1の洗浄液供給動作により、第2洗浄位置W2に停止した反応容器3内にサンプル分注プローブ16、各第1及び第2試薬分注プローブ14,15、及び各第1及び第2撹拌子18,19の各洗浄対象分析ユニットの洗浄に用いる第1の洗浄液を供給する。
【0044】
そして、第1の洗浄液を収容した反応容器3は各洗浄対象分析ユニットの各停止位置へ回転移動され、各停止位置に停止した反応容器3内の第1の洗浄液を用いて各洗浄対象分析ユニットの洗浄が行われる。第1の洗浄液で洗浄された後、各洗浄対象分析ユニットの洗浄槽の洗浄水を用いて各洗浄対象分析ユニットに付着した第1の洗浄液を洗い落とす洗浄が行われる。各停止位置へ停止した第1の洗浄液を収容した反応容器3は、第3洗浄位置W3へ回転移動される。
【0045】
ここで、洗浄対象分析ユニットがサンプル分注プローブ16である場合、第1の洗浄液を収容した反応容器3は、サンプル吐出位置Paに停止する。サンプル分注ポンプ16bは、反応容器3内の第1の洗浄液をサンプル分注プローブ16内に吸引し、吸引した第1の洗浄液を洗浄槽16aに吐出することにより、サンプル分注プローブ16を洗浄する。第1の洗浄液で洗浄された後、洗浄槽16aは洗浄水を用いてサンプル分注プローブ16を洗浄する。
【0046】
また、洗浄対象分析ユニットが各第1及び第2試薬分注プローブ14,15である場合、第1の洗浄液を収容した反応容器3は、各第1及び第2試薬吐出位置Pa1,Pbに停止する。各第1及び第2試薬分注ポンプ14b,15bは、反応容器3内の第1の洗浄液を各第1及び第2試薬分注プローブ14,15内に吸引し、吸引した第1の洗浄液を各洗浄槽14a,15aに吐出することにより、各第1及び第2試薬分注プローブ14,15を洗浄する。第1の洗浄液で洗浄された後、各洗浄槽14a,15aは洗浄水を用いて各第1及び第2試薬分注プローブ14,15を洗浄する。
【0047】
更に、洗浄対象分析ユニットが各第1及び第2撹拌子18,19である場合、第1の洗浄液を収容した反応容器3は、各第1及び第2撹拌位置Pa2,Pb1に停止する。各第1及び第2撹拌アーム20,21は、反応容器3の第1の洗浄液内へ各第1及び第2撹拌子18,19を浸漬することにより、各第1及び第2撹拌子18,19を洗浄する。第1の洗浄液で洗浄された後、各洗浄槽18a,19aは洗浄水を用いて各第1及び第2撹拌子18,19を洗浄する。
【0048】
このように、反応容器3の洗浄に用いる第1の洗浄液を各洗浄対象分析ユニットの洗浄に用いることができる。これにより、第1の洗浄液を収容する試料容器17をディスクサンプラ5に収納する作業や、その試料容器17に第1の洗浄液を補充する作業を削減することができる。また、第1の洗浄液を収容する試薬容器6,7を試薬庫1,2に収納する作業や、その試薬容器6,7に第1の洗浄液を補充する作業を削減することができる。
【0049】
また、多数の被検試料を収容する試料容器17をディスクサンプラ5に収納することが可能となり、同時に多数の被検試料を測定することができる。また、多数の第1試薬及び第2試薬を収容する試薬容器6,7を試薬庫1,2に収納することが可能となり、同時に多数の検査項目の検査を行うことができる。
【0050】
第3のノズル413は、第3洗浄位置W3に停止した反応容器3内に第2の洗浄液を吐出する吐出ノズル、及び反応容器3内に吐出した第2の洗浄液を吸引する吸引ノズルにより構成される。そして、洗浄ポンプユニット42より行われる排出、第2の洗浄液の供給、及び供給した第2の洗浄液の排出からなる一連の洗浄動作により、第2洗浄位置W2で洗浄された反応容器3内を第2の洗浄液で洗浄する。
【0051】
また、洗浄ポンプユニット42より行われる排出及び第2の洗浄液の供給からなる一連の第2の洗浄液供給動作により、第3洗浄位置W3に停止した反応容器3内に各洗浄対象分析ユニットの洗浄に用いる第2の洗浄液を供給する。そして、第1の洗浄液を収容した反応容器3は各洗浄対象分析ユニットの各停止位置へ回転移動され、各停止位置に停止した反応容器3内の第2の洗浄液を用いて各洗浄対象分析ユニットの洗浄が行われる。第2の洗浄液で洗浄された後、各洗浄対象分析ユニットの洗浄槽の洗浄水を用いて各洗浄対象分析ユニットに付着した第2の洗浄液を洗い落とす洗浄が行われる。各停止位置へ停止した第2の洗浄液を収容した反応容器3は、第4洗浄位置W4へ回転移動される。
【0052】
このように、反応容器3の洗浄に用いる第2の洗浄液を各洗浄対象分析ユニットの洗浄に用いることができる。これにより、第2の洗浄液を収容する試料容器17をディスクサンプラ5に収納する作業や、その試料容器17に第2の洗浄液を補充する作業を削減することができる。また、第2の洗浄液を収容する試薬容器6,7を試薬庫1,2に収納する作業や、その試薬容器6,7に第2の洗浄液を補充する作業を削減することができる。
【0053】
また、多数の被検試料を収容する試料容器17をディスクサンプラ5に収納することが可能となり、同時に多数の被検試料を測定することができる。また、多数の第1試薬及び第2試薬を収容する試薬容器6,7を試薬庫1,2に収納することが可能となり、同時に多数の検査項目の検査を行うことができる。
【0054】
第4のノズル414は、第4洗浄位置W4に停止した反応容器3内に洗浄水を吐出する吐出ノズル、及び反応容器3内に吐出された洗浄水を吸引する吸引ノズルにより構成される。そして、洗浄ポンプユニット42より行われる排出、洗浄水の供給、及び供給した洗浄水の排出からなる一連の洗浄動作により、第3洗浄位置W3で洗浄された反応容器3内を洗浄水で洗浄する。
【0055】
第5のノズル415は、第5洗浄位置W5に停止した反応容器3内を乾燥する吸引ノズルにより構成される。そして、洗浄ポンプユニット42より行われる排出及び排出からなる一連の乾燥動作により、第4洗浄位置W4で洗浄された反応容器3内を乾燥する。
【0056】
洗浄ポンプユニット42は、洗浄ノズルユニット41における各第1及び第4のノズル411,414の吐出ノズルに洗浄水を供給する洗浄水供給ポンプ43と、第2のノズル412の吐出ノズルに第1の洗浄液を供給する第1の供給ポンプ44と、第3のノズル413の吐出ノズルに第2の洗浄液を供給する第2の供給ポンプ45と、各第1乃至第5のノズル411乃至415の吸引ノズルから各混合液、洗浄水、及び各洗浄液を排出する排液ポンプユニット46とを備えている。
【0057】
また、第1の洗浄液の濃縮液を収容する第1の洗剤ボトル47と、第2の洗浄液の濃縮液を貯留する第2の洗剤ボトル48と、第1のノズル411の吸引ノズルから排出された各混合液及び洗浄水を貯留する第1排液タンク49と、第2乃至第5のノズル412乃至415の吸引ノズルから排出された洗浄水、第1の洗浄液、及び第2の洗浄液を貯留する第2排液タンク50とを備えている。
【0058】
図6は、第1の供給ポンプ44の構成を示した図である。この第1の供給ポンプ44は、三方弁441及び第1分岐管442を介して第1の洗剤ボトル47から第1の洗浄液の濃縮液を吸引する洗剤ポンプ443と、洗剤ポンプ443で吸引された濃縮液を希釈して第1の洗浄液を生成して第2のノズル412の吐出ノズルに供給する供給ポンプ444とを備えている。
【0059】
三方弁441は、例えば開閉可能な第1乃至第3開閉部を有する三方電磁弁により構成される。そして、洗剤ポンプ443により第1の洗剤ボトル47から濃縮液が吸引されるときには、第1の洗剤ボトル47に接続された第1開閉部及び第1分岐管442に接続された第2開閉部を開放し、第1のノズル411の吐出ノズルに接続された第3開閉部を閉じている。また、供給ポンプ444により第1のノズル411へ第1の洗浄液の供給が行われるときには、第2及び第3開閉部を開放し、第1開閉部を閉じている。
【0060】
第1分岐管442は3つの第1乃至第3開口部を有し、各開口部間が内部で連通している。そして、第1開口部が三方弁441の第2開閉部に接続されている。また、第2開口部が洗剤ポンプ443に接続され、第3開口部が供給ポンプ444に接続されている。
【0061】
洗剤ポンプ443は、第1の洗剤ボトル47内の濃縮液を三方弁441の第2開閉部と第1分岐管442の第1開口部の間まで吸引する。
【0062】
供給ポンプ444は、純水装置110及び第1分岐管442に接続され、純水装置110から洗浄水を吸引し、吸引した洗浄水を第1分岐管442及び第2及び第開閉部を開放した三方弁441を介して、洗剤ポンプ443により吸引された濃縮液と共に第2のノズル412の吐出ノズルに供給する。この供給により、濃縮液が洗浄水で希釈された第1の洗浄液を第2のノズル412の吐出ノズルに供給することになる。
【0063】
このように、濃縮液を洗浄水で希釈して第1の洗浄液を生成するため、第1の洗剤ボトル47は広い収納場所を必要とせず装置の小型化を図ることができる。
【0064】
図7は、第2の供給ポンプ45の構成を示した図である。この第2の供給ポンプ45は、開閉可能な第1乃至第3開閉部を有する三方弁451及び第1乃至第3開口部を有する第1分岐管452を介して第2の洗剤ボトル48から第2の洗浄液の濃縮液を吸引する洗剤ポンプ453と、純水装置110から洗浄水を吸引し、洗剤ポンプ453で吸引された濃縮液を吸引した洗浄水で希釈した第2の洗浄液を第3のノズル413の吐出ノズルに供給する供給ポンプ454とを備えている。なお、第2の供給ポンプ45の各洗浄ユニットは、第1の供給ポンプ44の各洗浄ユニットと同様に動作するので、その説明を省略する。
【0065】
このように、濃縮液を洗浄水で希釈して第2の洗浄液を生成するため、第2の洗剤ボトル48は広い収納場所を必要とせず装置の小型化を図ることができる。
【0066】
図5の排液ポンプユニット46は、反応容器3内の第1混合液や第2混合液を第1排液タンク49内に排出する第1排液ポンプ461と、反応容器3内に供給された洗浄水、第1の洗浄液、及び第2の洗浄液を、2つの二方弁462,463や第1乃至第5開口部を有する第3分岐管464を介して第2排液タンク50内に排出する第2排液ポンプ465とを備えている。
【0067】
第1排液ポンプ461は、一端部が第1のノズル411の吸引ノズルに接続され、他端部が第1排液タンク49に接続されている。そして、第1洗浄位置W1に停止した反応容器3内の第1混合液又は第2混合液、及びその反応容器3内に供給された洗浄水を第1のノズル411の吸引ノズルで吸引して第1排液タンク49に排出する。
【0068】
二方弁462は、第2のノズル412の吸引ノズルと第3分岐管464の第1開口部間の開閉が可能な第1及び第2開閉部を有する二方電磁弁により構成される。そして、第1開閉部が第2のノズル412の吸引ノズルに接続され、第2開閉部が第3分岐管464の第1開口部に接続されている。そして、第2排液ポンプ465により第2洗浄位置W2の反応容器3内から第1の洗浄液が吸引されるときには、第2のノズル412の吸引ノズルと第3分岐管464の第1開口部間を開放している。
【0069】
また、各洗浄対象分析ユニットの洗浄に用いる第1の洗浄液を第2洗浄位置W2の反応容器3に供給するときには、第2のノズル412の吸引ノズルと第3分岐管464の第1開口部間を開放している。
【0070】
二方弁463は、第3のノズル413の吸引ノズルと第3分岐管464の第2開口部間の開閉が可能な第1及び第2開閉部を有する二方電磁弁により構成される。そして、第1開閉部が第3のノズル413の吸引ノズルに接続され、第2開閉部が第3分岐管464の第2開口部に接続されている。そして、第2排液ポンプ465により第3洗浄位置W3の反応容器3内から第2の洗浄液が吸引されるときには、第3のノズル413の吸引ノズルと第3分岐管464の第2開口部間を開放している。
【0071】
また、各洗浄対象分析ユニットの洗浄に用いる第2の洗浄液を第3洗浄位置W3の反応容器3に供給するときには、第3のノズル413の吸引ノズルと第3分岐管464の第2開口部間を閉じている。
【0072】
第3分岐管464は、各第1乃至第5開口部が内部で連通し、第3開口部が第4のノズル414の吸引のノズルに接続されている。また、第4開口部が第5のノズル415の吸引のノズルに接続され、第5開口部が第2排液ポンプ465の一端部に接続されている。
【0073】
第2排液ポンプ465は、他端部が第2排液タンク50に接続されている。そして、第2洗浄位置W2の反応容器3に供給された第1の洗浄液を、二方弁462及び第3分岐管464を介して第2のノズル412の吸引ノズルで吸引し、吸引した第1の洗浄液を第2排液タンク50に排出する。
【0074】
また、第3洗浄位置W3の反応容器3に供給された第2の洗浄液を、二方弁463及び第3分岐管464を介して第3のノズル413の吸引ノズルで吸引し、吸引した第2の洗浄液を第2排液タンク50に排出する。
【0075】
更に、第4洗浄位置W4の反応容器3内に供給された洗浄水を、第3分岐管464を介して第4のノズル414の吸引ノズルで吸引し、吸引した洗浄水を第2排液タンク50に排出する。
【0076】
更にまた、第5洗浄位置W5の反応容器3内を、第3分岐管464を介して第5のノズル415の吸引ノズルで乾燥する。
【0077】
以下、図1乃至図11を参照して、自動分析装置100の動作の一例を説明する。図8は、表示部72に表示された影響項目設定画面の一例を示す図である。図9は、表示部72に表示された影響試薬設定画面の一例を示す図である。図10は、表示部72に表示された検査項目設定画面の一例を示す図である。図11は、自動分析装置100の動作を示すフローチャートである。
【0078】
図8において、影響項目設定画面73は、表示部72の分析条件設定画面で検査可能な検査項目として設定された検査項目を表示する「項目」の欄と、サンプル分注プローブ16の洗浄に用いる洗浄液の種類を表示する「洗浄液」の欄と、影響を受ける検査項目の洗浄に適したサンプル分注プローブ16の洗浄液を設定するための影響項目設定エリア73aとにより構成される。
【0079】
「洗浄液」の欄には、分析部24の反応容器3の洗浄に用いられる第1の洗浄液である「第1の液」、第2の洗浄液である「第2の液」、及び第1の洗浄液及び第2の洗浄液である「第1及び第2の液」が表示されている。また、「項目」の欄には、表示部72の分析条件設定画面で設定された検査項目である例えば「GOT」、「GPT」、「Ca」、「HBsAg」等が表示されている。
【0080】
影響項目設定エリア73aには、「項目」の欄の影響を受ける検査項目を選択し、選択した検査項目に対応する「洗浄液」の欄の「第1の液」、又は「第2の液」、又は「第1及び第2の液」を選択すると、選択した検査項目の洗浄液に対応するエリアに「○」が表示され、選択されないエリアには「・」が表示される。
【0081】
ここで、操作部80から影響を受ける検査項目として例えば「HBsAg」を選択し、また「HBsAg」の洗浄に適した洗浄液として例えば「第1の液」を選択することにより、影響項目設定エリア73aの「HBsAg」及び「第1の液」に対応するエリア73bに「○」が表示されている。そして、影響項目設定画面73で設定された影響を受ける検査項目及び洗浄液の洗浄条件の情報は、システム制御部90の記憶回路91に保存されている。なお、この洗浄条件は、自動分析装置100が据付けられ、この装置で検査可能な検査項目の決定に応じて設定される。
【0082】
図9は、表示部72に表示された影響試薬設定画面の一例を示した図である。この影響試薬設定画面74は、表示部72の分析条件設定画面で設定された検査項目を表示する「影響を与える第1試薬」及び「影響を受ける第1試薬」の欄と、「影響を与える第1試薬」及び「影響を受ける第1試薬」の欄に表示された検査項目の影響を与える第1試薬及びこの第1試薬から影響を受ける第1試薬の設定、並びに影響を与える第1試薬の洗浄に適した第1試薬分注プローブ14及び第1撹拌子18の洗浄液を設定するための第1試薬設定エリア74aとにより構成される。
【0083】
また、表示部72の分析条件設定画面で設定された2試薬系の試薬により構成される検査項目を表示する「影響を与える第2試薬」及び「影響を受ける第2試薬」の欄と、「影響を与える第2試薬」及び「影響を受ける第2試薬」の欄に表示された検査項目の影響を与える第2試薬及びこの第2試薬から影響を受ける第2試薬の設定、並びに影響を与える第2試薬の洗浄に適した第2試薬分注プローブ15及び第2撹拌子19の洗浄液を設定するための第2試薬設定エリア74bとにより構成される。
【0084】
「影響を与える第1試薬」及び「影響を受ける第1試薬」の欄には、図8の影響項目設定画面73の「項目」の欄に表示された検査項目である「GOT」、「GPT」、「Ca」、及び「HBsAg」等が表示されている。
【0085】
第1試薬設定エリア74aでは、「影響を与える第1試薬」及び「影響を受ける第1試薬」の欄に表示された影響を与える第1試薬の検査項目、及びこの第1試薬から影響を受ける第1試薬の検査項目を選択する。また、影響を与える第1試薬の洗浄に適した第1の洗浄液及び/又は第2の洗浄液を選択する。選択した第1試薬に対応するエリアに選択した例えば第1の洗浄液に対応する「1」、又は第2の洗浄液に対応する「2」、又は第1及び第2の洗浄液に対応する「3」が表示される。また、選択しないエリアに「・」が表示され、選択できないエリアに「−」が表示される。
【0086】
「影響を与える第2試薬」及び「影響を受ける第2試薬」の欄には、図8の影響項目設定画面73の「項目」の欄に表示された2試薬系の試薬により構成される検査項目である「GOT」、「GPT」、「Ca」、及び「HBsAg」等が表示されている。
【0087】
第2試薬設定エリア74bでは、「影響を与える第2試薬」及び「影響を受ける第2試薬」の欄に表示された影響を与える第2試薬の検査項目、及びこの第2試薬から影響を受ける第2試薬の検査項目を選択する。また、影響を与える第2試薬の洗浄に適した第1の洗浄液及び/又は第2の洗浄液を選択する。選択した第2試薬に対応するエリアに選択した例えば第1の洗浄液に対応する「1」、又は第2の洗浄液に対応する「2」、又は第1及び第2の洗浄液に対応する「3」が表示される。また、選択しないエリアに「・」が表示され、選択できないエリアに「−」が表示される。
【0088】
ここで、操作部80から「影響を与える第1試薬」及び「影響を受ける第1試薬」の欄の影響を与える第1試薬の検査項目として「GPT」を選択し、この第1試薬から影響を受ける第1試薬の検査項目として「Ca」を選択する。また、第1の洗浄液を選択することにより、第1試薬設定エリア74aにおける「影響を与える第1試薬」の欄の「GPT」に対応する「影響を受ける第1試薬」の欄の「Ca」のエリア74cに「1」が表示されている。そして、影響試薬設定画面74で設定された影響を与える第1試薬及びこの第1試薬から影響を受ける第1試薬、並びに影響を与える第1試薬の洗浄に適した洗浄液の洗浄条件の情報は、システム制御部90の記憶回路91に保存されている。
【0089】
なお、この洗浄条件は、自動分析装置100で検査可能な検査項目に適用された各試薬間の実験結果に基づいて設定される。
【0090】
図10は、表示部72に表示された検査項目設定画面の一例を示した図である。この検査項目設定画面75は、表示部72に表示された被検体情報設定画面で設定された被検体情報である例えば被検体のIDを表示する「ID」の欄と、図8における影響項目設定画面73の「項目」の欄に表示された検査項目を表示する「項目」の欄と、「ID」の欄に表示された被検体ID毎に「項目」の欄に表示された検査項目を設定するための測定項目設定エリア75aとにより構成される。なお、被検体毎の診断結果に応じてその被検体から採取された被検試料の分析が行われるときに、その被検体の被検試料の検査項目が設定される。
【0091】
「ID」の欄には、被検体IDである例えば「1」及び「2」が表示されている。また、「項目」の欄には、「GOT」、「GPT」、「Ca」、「HBsAg」等の検査項目が表示されている。
【0092】
測定項目設定エリア75aでは、「ID」の欄のIDの被検体を検査する「項目」の欄の検査項目を選択する。選択したエリアには「○」が表示され、選択されないエリアには「・」が表示される。
【0093】
ここで、操作部80から例えば「ID」の欄に表示された「1」に対して「GOT」を選択することにより、測定項目設定エリア75aの「1」及び「GOT」に対応する1テストのエリアに「○」が表示され、また「GPT」を選択することにより、2テストのエリアに「○」が表示されている。また、「ID」の欄に表示された「2」に対して「Ca」を選択することにより、測定項目設定エリア75aの「2」及び「Ca」に対応する3テストのエリアに「○」が表示され、また「HBsAg」を選択することにより、4テストのエリアに「○」が表示されている。
【0094】
検査項目設定画面75で設定された被検試料毎の検査項目の情報は、システム制御部90の記憶回路91に保存されている。そして、分析部24における被検試料の測定は、検査項目設定画面75で設定されたテストの順に測定されることになる。
【0095】
図11は、自動分析装置100の動作を示したフローチャートである。データ処理部60のデータ記憶部62には、各検査項目の検量データが保存されている。また、システム制御部90の記憶回路91には、図8の影響項目設定画面73及び図9の影響試薬設定画面74で設定された洗浄条件、並びに図10の検査項目設定画面75で設定された被検試料毎の検査項目の情報が保存されている。
【0096】
また、検査項目設定画面75で設定された被検体のIDである「1」及び「2」に対応する被検試料を収容した試料容器17が、分析部24のディスクサンプラ5に収納されている。そして、操作部80から被検試料の測定を開始する操作が行われると、自動分析装置100は被検試料の分析を開始する(ステップS1)。
【0097】
システム制御部90は記憶回路91に保存した被検試料毎の検査項目の情報に基づいて、分析制御部25、データ処理部60、及び出力部70に、被検試料の分析を指示する。また、分析制御部25に被検試料の測定に伴う分析部24のサンプル分注プローブ16、第1試薬分注プローブ14、第2試薬分注プローブ15、第1撹拌子18、及び第2撹拌子19の各洗浄対象分析ユニットの洗浄を指示する。
【0098】
分析制御部25の制御部27は、システム制御部90から供給される洗浄条件及び被検試料毎の検査項目の情報に基づいて、機構部26を制御して分析部24の各分析ユニット及び反応容器洗浄部12の各洗浄ユニットを作動させる。
【0099】
第1の分析サイクルにおいて、分析部24の反応ディスク4は、角度θ回転して停止する。この分析サイクルで洗浄位置Wの第1洗浄位置W1に停止した反応容器3を、検査項目設定画面75で設定された1テストに対応する反応容器3とする。反応容器洗浄部12は、洗浄位置Wに停止した反応容器3を洗浄する。
【0100】
各第2乃至(a−1)の分析サイクルにおいて、反応ディスク4は、角度θ回転して停止する。反応容器洗浄部12は、洗浄位置Wに停止した反応容器3を洗浄する。
【0101】
第aの分析サイクルにおいて、反応ディスク4は、角度θ回転して停止する。サンプル分注プローブ16は、ディスクサンプラ5の被検体ID「1」の試料容器17から1テストに対応する被検試料を吸引し、吸引した被検試料をサンプル吐出位置Paに停止した1テストの反応容器3内に吐出する。反応容器洗浄部12は、洗浄位置Wに停止した反応容器3を洗浄する。
【0102】
第(a+1)の分析サイクルにおいて、反応ディスク4は、角度θ回転して停止する。サンプル分注プローブ16は、被検体ID「1」の試料容器17から2テストに対応する被検試料を吸引し、吸引した被検試料をサンプル吐出位置Paに停止した2テストに対応する反応容器3内に吐出する。第1試薬分注プローブ14は、1テストに対応する第1試薬を試薬庫1の試薬容器6から吸引し、吸引した第1試薬を第1試薬吐出位置Pa1に停止した1テストの反応容器3内に吐出する。
【0103】
そして、次に分注する被検体ID「2」の被検試料には影響を受ける検査項目である「HBsAg」が含まれているため、反応容器洗浄部12は、洗浄位置Wに停止した反応容器3を洗浄すると共に、第2洗浄位置W2に停止した反応容器3にサンプル分注プローブ16の洗浄に用いる第1の洗浄液を供給する(ステップS2)。
【0104】
第(a+2)の分析サイクルにおいて、反応ディスク4は、第2洗浄位置W2の反応容器3をサンプル吐出位置Paへ回転移動して停止する。そして、サンプル分注ポンプ16bは、サンプル吐出位置Paに停止した反応容器3内の第1の洗浄液を用いてサンプル分注プローブ16を洗浄する(ステップS3)。次いで、洗浄槽16aは、第1の洗浄液で洗浄されたサンプル分注プローブ16を、洗浄水を用いて洗浄する。
【0105】
このように、影響を受ける検査項目が設定された被検試料を分注する前に、洗浄液を用いてサンプル分注プローブ16を洗浄することができる。これにより、影響を受ける検査項目の分析データが悪化するのを未然に防ぎ、被検試料を精度よく分析することができる。
【0106】
第(a+3)の分析サイクルにおいて、反応ディスク4は、サンプル吐出位置Paの反応容器3を第3洗浄位置W3へ回転移動して停止する。サンプル分注プローブ16は、被検体ID「2」の試料容器17から3テストに対応する被検試料を吸引し、吸引した被検試料をサンプル吐出位置Paに停止した3テストに対応する反応容器3内に吐出する。第1試薬分注プローブ14は、2テストに対応する第1試薬を試薬容器6から吸引し、吸引した第1試薬を第1試薬吐出位置Pa1に停止した2テストの反応容器3内に吐出する。第1撹拌子18は、第1撹拌位置Pa2に停止した1テストの反応容器3内の第1混合液を撹拌する。
【0107】
そして、次に分注する第1試薬が影響を受ける「Ca」の第1試薬であり、この第1試薬の前に分注された第1試薬が「Ca」の第1試薬に影響を与える「GPT」の第1試薬であるため、反応容器洗浄部12は、洗浄位置Wに停止した反応容器3を洗浄すると共に、第2洗浄位置W2に停止した反応容器3に第1試薬分注プローブ14の洗浄に用いる第1の洗浄液を供給する(ステップS4)。
【0108】
第(a+4)の分析サイクルにおいて、反応ディスク4は、第2洗浄位置W2の反応容器3を第1試薬吐出位置Pa1へ回転移動して停止する。そして、第1試薬分注ポンプ14bは、第1試薬吐出位置Pa1に停止した反応容器3内の第1の洗浄液を用いて第1試薬分注プローブ14を洗浄する(ステップS5)。次いで、洗浄槽14aは、第1の洗浄液で洗浄された第1試薬分注プローブ14を、洗浄水を用いて洗浄する。
【0109】
このように、影響を与える第1試薬を分注した後、その第1試薬により影響を受ける第1試薬を分注する前に洗浄液を用いて第1試薬分注プローブ14を洗浄することができる。これにより、影響を受ける第1試薬の検査項目の分析データが悪化するのを未然に防ぎ、被検試料を精度よく分析することができる。
【0110】
第(a+5)の分析サイクルにおいて、反応ディスク4は、第1試薬吐出位置Pa1の反応容器3を第3洗浄位置W3へ回転移動して停止する。サンプル分注プローブ16は、被検体ID「2」の試料容器17から4テストに対応する被検試料を吸引し、吸引した被検試料をサンプル吐出位置Paに停止した4テストに対応する反応容器3内に吐出する。第1試薬分注プローブ14は、3テストに対応する第1試薬を試薬容器6から吸引し、吸引した第1試薬を第1試薬吐出位置Pa1に停止した3テストの反応容器3内に吐出する。第1撹拌子18は、第1撹拌位置Pa2に停止した2テストの反応容器3内の第1混合液を撹拌する。
【0111】
そして、次に撹拌する第1混合液が影響を受ける「Ca」の第1試薬を含み、この第1混合液の前に撹拌した第1混合液が「Ca」の第1試薬に影響を与える「GPT」の第1試薬を含む第1混合液であるため、反応容器洗浄部12は、洗浄位置Wに停止した反応容器3を洗浄すると共に、第2洗浄位置W2に停止した反応容器3に第1撹拌子18の洗浄に用いる第1の洗浄液を供給する(ステップS6)。
【0112】
第(a+6)の分析サイクルにおいて、反応ディスク4は、第2洗浄位置W2の反応容器3を第1撹拌位置Pa2へ回転移動して停止する。そして、第1撹拌アーム20は、第1撹拌位置Pa2に停止した反応容器3内の第1の洗浄液を用いて第1撹拌子18を洗浄する(ステップS7)。次いで、洗浄槽18aは、第1の洗浄液で洗浄された第1撹拌子18を、洗浄水を用いて洗浄する。
【0113】
このように、影響を与える第1試薬を含む第1混合液を撹拌した後、その第1試薬により影響を受ける第1試薬を含む第1混合液を撹拌する前に洗浄液を用いて第1撹拌子18を洗浄することができる。これにより、影響を受ける第1試薬の検査項目の分析データが悪化するのを未然に防ぎ、被検試料を精度よく分析することができる。
【0114】
第(a+7)の分析サイクルにおいて、反応ディスク4は、第1撹拌位置Pa2の反応容器3を第3洗浄位置W3へ回転移動して停止する。第1試薬分注プローブ14は、4テストに対応する第1試薬を試薬容器6から吸引し、吸引した第1試薬を第1試薬吐出位置Pa1に停止した4テストの反応容器3内に吐出する。第1撹拌子18は、第1撹拌位置Pa2に停止した3テストの反応容器3内の第1混合液を撹拌する。反応容器洗浄部12は、洗浄位置Wに停止した反応容器3を洗浄する。
【0115】
第(a+8)の分析サイクルにおいて、反応ディスク4は、角度θ回転して停止する。第1撹拌子18は、第1撹拌位置Pa2に停止した4テストの反応容器3内の第1混合液を撹拌する。反応容器洗浄部12は、洗浄位置Wに停止した反応容器3を洗浄する。
【0116】
各第(a+9)乃至第(b+2)の分析サイクルにおいて、反応ディスク4は、角度θ回転して停止する。反応容器洗浄部12は、洗浄位置Wに停止した反応容器3を洗浄する。
【0117】
第(b+3)の分析サイクルにおいて、反応ディスク4は、角度θ回転して停止する。第2試薬分注プローブ15は、1テストに対応する第2試薬を試薬庫2の試薬容器7から吸引し、吸引した第2試薬を第2試薬吐出位置Pbに停止した1テストの反応容器3内に吐出する。
【0118】
第(b+4)の分析サイクルにおいて、反応ディスク4は、角度θ回転して停止する。第2試薬分注プローブ15は、2テストに対応する第2試薬を試薬容器7から吸引し、吸引した第2試薬を第2試薬吐出位置Pbに停止した2テストの反応容器3内に吐出する。第2撹拌子19は、第2撹拌位置Pb1に停止した1テストの反応容器3内の第2混合液を撹拌する。
【0119】
第(b+5)の分析サイクルにおいて、反応ディスク4は、角度θ回転して停止する。第2試薬分注プローブ15は、3テストに対応する第2試薬を試薬容器7から吸引し、吸引した第2試薬を第2試薬吐出位置Pbに停止した3テストの反応容器3内に吐出する。第2撹拌子19は、第2撹拌位置Pb1に停止した2テストの反応容器3内の第2混合液を撹拌する。
【0120】
そして、次に撹拌する第2混合液が影響を受ける「Ca」の第1試薬を含み、この第2混合液の前に撹拌した第2混合液が「Ca」の第1試薬に影響を与える「GPT」の第1試薬を含む第2混合液であるため、反応容器洗浄部12は、洗浄位置Wに停止した反応容器3を洗浄すると共に、第2洗浄位置W2に停止した反応容器3に第2撹拌子19の洗浄に用いる第1の洗浄液を供給する(ステップS8)。
【0121】
第(b+6)の分析サイクルにおいて、反応ディスク4は、第2洗浄位置W2の反応容器3を第2撹拌位置Pb1へ回転移動して停止する。そして、第2撹拌アーム21は、第2撹拌位置Pb1に停止した反応容器3内の第1の洗浄液を用いて第2撹拌子19を洗浄する(ステップS9)。次いで、洗浄槽19aは、第1の洗浄液で洗浄された第2撹拌子19を、洗浄水を用いて洗浄する。
【0122】
このように、影響を与える第1試薬を含む第2混合液を撹拌した後、その第1試薬により影響を受ける第1試薬を含む第2混合液を撹拌する前に洗浄液を用いて第2撹拌子19を洗浄することができる。これにより、影響を受ける第1試薬の検査項目の分析データが悪化するのを未然に防ぎ、被検試料を精度よく分析することができる。
【0123】
第(b+7)の分析サイクルにおいて、反応ディスク4は、第2撹拌位置Pb1の反応容器3を第3洗浄位置W3へ回転移動して停止する。第2試薬分注プローブ15は、4テストに対応する第2試薬を試薬容器7から吸引し、吸引した第2試薬を第2試薬吐出位置Pbに停止した4テストの反応容器3内に吐出する。第2撹拌子19は、第2撹拌位置Pb1に停止した3テストの反応容器3内の第2混合液を撹拌する。反応容器洗浄部12は、洗浄位置Wに停止した反応容器3を洗浄する。
【0124】
第(b+8)の分析サイクルにおいて、反応ディスク4は、角度θ回転して停止する。第2撹拌子19は、第2撹拌位置Pb1に停止した4テストの反応容器3内の第2混合液を撹拌する。反応容器洗浄部12は、洗浄位置Wに停止した反応容器3を洗浄する。
【0125】
測光ユニット13は、nテスト(1≦n≦4)の反応容器3内の第2混合液を測定して生成した各被検データをデータ処理部60の演算部61に出力する。演算部61は、測光ユニット13により出力された各被検データから各分析データを生成して出力部70に出力する。
【0126】
そして、測定に使用された全ての反応容器3が反応容器洗浄部12で洗浄され、各分析データを生成して出力部70に出力されたとき、システム制御部90が分析制御部25、データ処理部60、及び出力部70に被検試料の分析動作を停止させることにより、自動分析装置100は被検試料の分析を終了する(ステップS10)。
【0127】
以上述べた本発明の実施例によれば、反応容器3の洗浄に用いる洗浄液を供給した反応容器3を各洗浄対象分析ユニットの停止位置に移動し、移動した反応容器3内の洗浄液を用いて各洗浄対象分析ユニットの洗浄を行うことができる。これにより、洗浄液を収容する試料容器17をディスクサンプラ5に収納する作業や、その試料容器17に洗浄液を補充する作業を削減することができる。また、洗浄液を収容する試薬容器6,7を試薬庫1,2に収納する作業や、その試薬容器6,7に洗浄液を補充する作業を削減することができる。
【0128】
また、多数の被検試料を収容する試料容器17をディスクサンプラ5に収納することが可能となり、同時に多数の被検試料を測定することができる。また、多数の第1試薬及び第2試薬を収容する試薬容器6,7を試薬庫1,2に収納することが可能となり、同時に多数の検査項目の検査を行うことができる。
【0129】
そして、影響を受ける検査項目が設定された被検試料を分注する前に洗浄液を用いてサンプル分注プローブ16を洗浄することができる。これにより、影響を受ける検査項目の分析データが悪化するのを未然に防ぎ、被検試料を精度よく分析することができる。
【0130】
また、影響を与える試薬を分注した後、その試薬により影響を受ける試薬を分注する前に洗浄液を用いて第1及び第2試薬分注プローブ14,15を洗浄することができる。これにより、影響を受ける試薬の検査項目の分析データが悪化するのを未然に防ぎ、被検試料を精度よく分析することができる。
【0131】
更に、影響を与える試薬を含む混合液を撹拌した後、その試薬により影響を受ける試薬を含む混合液を撹拌する前に洗浄液を用いて各第1及び第2撹拌子18,19を洗浄することができる。これにより、影響を受ける試薬の検査項目の分析データが悪化するのを未然に防ぎ、被検試料を精度よく分析することができる。
【0132】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、第1の洗剤ボトル47及び純水装置110に接続された第1の洗浄液の供給が可能な第1の供給ポンプとこの第1の供給ポンプに接続された第1の洗浄液の吐出が可能な第1の吐出ノズル、並びに第2の洗剤ボトル48及び純水装置110に接続された第2の洗浄液の供給が可能な第2の供給ポンプとこの第2の供給ポンプに接続された第2の洗浄液の吐出が可能な第2の吐出ノズルを追加し、第1及び第2の吐出ノズルを反応容器3の停止位置の上方に配置する。そして、洗浄液供給対象の反応容器3を第1及び第2の吐出ノズルの位置まで回転移動させてその反応容器3に各第1及び第2の洗浄液を供給し、各第1及び第2の洗浄液を収容した反応容器3を各洗浄対象分析ユニットの停止位置に回転移動して各洗浄対象分析ユニットを洗浄するように実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例に係る分析部の構成を示す斜視図。
【図3】本発明の実施例に係る反応容器の停止位置を示す図。
【図4】本発明の実施例に係る反応容器の回転移動の一例を示す図。
【図5】本発明の実施例に係る反応容器洗浄部の構成を示す図。
【図6】本発明の実施例に係る第1の供給ポンプの構成を示す図。
【図7】本発明の実施例に係る第2の供給ポンプの構成を示す図。
【図8】本発明の実施例に係る表示部に表示された影響項目設定画面の一例を示す図。
【図9】本発明の実施例に係る表示部に表示された影響試薬設定画面の一例を示す図。
【図10】本発明の実施例に係る表示部に表示された検査項目設定画面の一例を示す図。
【図11】本発明の実施例に係る自動分析装置の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0134】
W 洗浄位置
W1 第1洗浄位置
W2 第2洗浄位置
W3 第3洗浄位置
W4 第4洗浄位置
W5 第5洗浄位置
3 反応容器
4 反応ディスク
12 反応容器洗浄部
25 分析制御部
26 機構部
27 制御部
41 洗浄ノズルユニット
42 洗浄ポンプユニット
43 洗浄水供給ポンプ
44 第1の供給ポンプ
45 第2の供給ポンプ
46 排液ポンプユニット
47 第1の洗剤ボトル
48 第2の洗剤ボトル
49 第1排液タンク
50 第2排液タンク
110 純水装置
411 第1のノズル
412 第2のノズル
413 第3のノズル
414 第4のノズル
415 第5のノズル
461 第1排液ポンプ
462,463 二方弁
464 第3分岐管
465 第2排液ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検試料及びこの被検試料の検査項目に該当する試薬を反応容器に分注して、その混合液を測定する自動分析装置において、
前記被検試料の検査項目を設定する検査項目設定手段と、
前記被検試料又は前記試薬を吸引して吐出する分注を行うための分注プローブと、
前記反応容器内に洗浄液を供給して排出し、前記混合液が収容された反応容器内の洗浄を行う反応容器洗浄手段と、
前記検査項目設定手段により設定された検査項目に基づいて、前記反応容器洗浄手段により供給された洗浄液を収容する反応容器を、前記分注プローブが前記被検試料又は前記試薬の吐出可能な吐出位置まで移動させ、その反応容器内の洗浄液を用いて前記分注プローブの洗浄を行う分注プローブ洗浄手段とを
備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記被検試料又は前記試薬の分注終了毎に、前記反応容器の洗浄に用いられる洗浄液よりも弱い洗浄力を有する洗浄液を用いて前記分注プローブを洗浄する洗浄液槽を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記分注プローブ洗浄手段は、前記検査項目設定手段により設定された検査項目の内、予め設定された影響を受ける検査項目を含む被検試料の分注前に、前記分注プローブを洗浄するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記分注プローブ洗浄手段は、前記検査項目設定手段により設定された検査項目の試薬の内、予め設定された影響を与える試薬の分注が行われた後の前記影響を与える試薬から影響を受ける試薬の分注が行われる前に、前記分注プローブを洗浄するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項5】
被検試料及びこの被検試料の検査項目に該当する試薬を反応容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置において、
前記被検試料の検査項目を設定する検査項目設定手段と、
前記反応容器内の混合液を撹拌するための撹拌子と、
前記反応容器内に洗浄液を供給して排出し、前記混合液が収容された反応容器内の洗浄を行う反応容器洗浄手段と、
前記検査項目設定手段により設定された検査項目に基づいて、前記反応容器洗浄手段により供給された洗浄液を収容する反応容器を、前記撹拌子が撹拌可能な撹拌位置まで移動させ、その反応容器内の洗浄液を用いて前記撹拌子の洗浄を行う撹拌子洗浄手段とを
備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項6】
前記反応容器の洗浄に用いられる洗浄液は、アルカリ性洗浄液、又は酸性洗浄液、又は界面活性剤を含む洗浄液の少なくともいずれか1つの洗浄液であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−288052(P2009−288052A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−140581(P2008−140581)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】