説明

自動原稿搬送装置

【課題】従来のように原稿テーブルに原稿のサイズを検知する検知手段を設けることなく簡単な構成でジャム検知制御または次原稿給紙制御を行うことができる自動原稿搬送装置を提供すること。
【解決手段】本体操作部108より入力された原稿長と分離給送部44より下流側の搬送経路上に設けられたレジストセンサ65の検知結果に基づいて得られた実測原稿長とをコントローラ100が比較し、この比較の結果、入力された原稿長と実測原稿長とが異なる場合には、入力された原稿長および実測原稿長のうち、長い方をジャム検知判断値としてコントローラ100が設定し、この設定されたジャム検知判断値に基づいて、コントローラ100がジャム検知制御を行う構成となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動原稿搬送装置に関し、例えば、ファクシミリ装置、複写機、複合機等に適用される自動原稿搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複合機等に適用される自動原稿搬送装置にあっては、複数の原稿からなる原稿束を載置可能な給紙トレイが設けられており、この給紙トレイに載置された原稿束から1枚ずつ原稿を分離して読み取り位置に搬送した後に、排紙トレイに排紙されるようになっている。
【0003】
このような従来の自動原稿搬送装置は、給紙トレイから排紙トレイまでの搬送経路上におけるジャムの発生を検知して、ジャム発生による原稿の保護を図るといった種々の構成が実現されている。
【0004】
この種の自動原稿搬送装置としては、操作部から入力された原稿サイズ等から原稿長を求めて、これをジャム検知判断値に採用するとともに、搬送経路上にある原稿検知センサ等から求められた原稿長と、前述のジャム検知判断値と、を比較することにより、ジャム発生を判断するようなものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この特許文献1に開示された自動原稿搬送装置は、画像形成装置本体の操作部により入力された原稿長と、原稿テーブル上に複数設けられた原稿長センサの検出結果から算出された原稿長と、のうち長い方をジャム検知判断値と採用するようになっており、原稿搬送動作中にレジストセンサ(12)、排紙センサ(13)にてセンサが原稿を検知している最中の原稿搬送量を計測し、計測値とジャム検知判断値とを比較して、計測値の方がジャム検知判断値より大きくなった場合は、ジャム発生と判断するようになっている。そして、画像形成装置本体にジャムの発生を通知するとともに、モータ及びソレノイド等を停止するといったジャム検知制御を行っている。
【0006】
このような構成により、ユーザにより正確な原稿サイズ値が入力されない場合や、特に実際の原稿長よりも小さな原稿長が入力された場合等でも、正常に画像の読み取りを行うことができるようになっている。
【0007】
また、前述したジャム検知判断値の他に、原稿テーブルに設けられたセンサ情報に基づいて算出された原稿長により次原稿給紙タイミングを決定するものも知られている。
【特許文献1】特開2003−54786号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の特許文献1に記載される自動原稿搬送装置にあっては、ジャム検知判断値として採用される原稿のサイズを検知するためのセンサを複数原稿テーブルに設けていたために、原稿サイズを検知するためのセンサの分だけセンサ数が増加し、これに伴い部品コストが増大するばかりか、このようなセンサ数の増加に伴い装置構成が複雑化し、ひいては装置組立コストの増大を招くという問題があった。
【0009】
しかも、定形外の最大搬送可能なサイズの原稿の場合、この原稿の原稿長を取得するための原稿長センサを設ける必要があるために、最大可能原稿サイズに対応した原稿テーブルが必要となり、ひいては装置が大型化してしまうという問題があった。
【0010】
さらに、前述したジャム検知判断値の他に、原稿テーブルのセンサ情報に基づいて算出された原稿長により次原稿給紙タイミングを決定する従来の自動原稿搬送装置においても、前述と同様の問題が生じていた。
【0011】
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、従来のように原稿テーブルに原稿のサイズを検知する検知手段を設けることなく簡単な構成でジャム検知制御および次原稿給紙制御を行うことができる自動原稿搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る自動原稿搬送装置は、上記目的を達成するため、複数の原稿からなる原稿束を載置可能な給紙トレイと、前記給紙トレイに載置された前記原稿束から原稿を1枚ずつ分離して搬送する分離部と、前記分離部で分離された原稿を読み取る読取部と、前記読取部で読み取られた原稿を載置可能な排紙トレイとを備えた自動原稿搬送装置において、前記給紙トレイに載置された原稿のサイズを入力する入力手段と、前記分離部より下流側の搬送経路上に設けられ、前記給紙トレイから搬送される原稿を検知する検知手段と、前記入力手段により入力された原稿のサイズから求められる第1の原稿長と前記検知手段による検知結果に基づき求められる第2の原稿長とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果、前記第1の原稿長と前記第2の原稿長とが異なる場合には、前記第1の原稿長および前記第2の原稿長のうち、長い方をジャム検知判断値として設定するジャム検知判断値設定手段と、前記ジャム検知判断値設定手段により設定されたジャム検知判断値に基づいて、ジャム検知制御を行う制御手段とを備えている。
【0013】
この構成により、分離部より下流側の搬送経路上に設けられた検知手段による原稿の検知結果に基づいて求められる原稿長と入力手段により入力された原稿長とを比較し、この比較結果に応じてジャム検知判断値設定手段が第1の原稿長および第2の原稿長のうち、長い方をジャム検知判断値として設定するので、ジャム検知判断の許容範囲が広がり、例えば実際に搬送される原稿長よりも小さい原稿長が入力された場合のように、入力された原稿長と実際に搬送される原稿長との間に差があっても、不要なジャムの発生を防止し、正常に画像の読み取りを行うことができる。
【0014】
また、分離部より下流側の搬送経路上に設けられた検知手段による原稿の検知結果に基づいて実際に搬送される原稿の原稿長を求めるので、従来のように原稿テーブルに原稿のサイズを検知する検知手段を設けることなく簡単な構成でジャム検知制御を行うことができる。
【0015】
さらに、従来のように搬送可能な最大原稿長に対応した原稿テーブルを設ける必要がないので、装置の小型化を図ることができる。
【0016】
また、本発明に係る自動原稿搬送装置は、前記ジャム検知判断値設定手段は、前記比較手段による比較の結果、前記第1の原稿長と前記第2の原稿長とが異なる場合に、かつ前記第1の原稿長および前記第2の原稿長のうち、長い方をジャム検知判断値として設定せず、前記第1の原稿長をジャム検知判断値として設定するようになっている。
【0017】
この構成により、分離部より下流側の搬送経路上に設けられた検知手段による原稿の検知結果に基づいて求められる原稿長と入力手段により入力された原稿長とを比較し、この比較結果に応じてジャム検知判断値設定手段が第1の原稿長および第2の原稿長のうち、第1の原稿長をジャム検知判断値として設定するので、入力された原稿長と実際に搬送される原稿長との間に差があっても、ユーザが意図するジャム検知制御を行うことができ、ジャム検知精度の低下に起因した原稿保護性の低下を防止することができる。
【0018】
また、本発明に係る自動原稿搬送装置は、前記第1の原稿長および第2の原稿長のうち長い方をジャム検知判断値として設定する第1のジャム検知モードと、第1の原稿長をジャム検知判断値として設定する第2のジャム検知モードとを選択可能なジャム検知モード選択手段を備え、前記比較手段による比較の結果、前記第1の原稿長と前記第2の原稿長とが異なる場合に、前記ジャム検知判断値設定手段は、前記ジャム検知モード選択手段による選択結果に応じてジャム検知判断値を設定するようになっている。
【0019】
この構成により、第1の原稿長および第2の原稿長のうち長い方をジャム検知判断値として設定する第1のジャム検知モードと、第1の原稿長をジャム検知判断値として設定する第2のジャム検知モードとをジャム検知モード選択手段により選択可能としたので、搬送される原稿の重要度に応じてジャム検知制御を変更することができる。例えば、搬送される原稿の重要度に応じて原稿保護性または操作性のいずれを優先させるかを、ユーザにより選択することができる。
【0020】
また、本発明に係る自動原稿搬送装置は、複数の原稿からなる原稿束を載置可能な給紙トレイと、前記給紙トレイに載置された前記原稿束から原稿を1枚ずつ分離して搬送する分離部と、前記分離部で分離された原稿を読み取る読取部と、前記読取部で読み取られた原稿を載置可能な排紙トレイとを備えた自動原稿搬送装置において、前記給紙トレイに載置された原稿のサイズを入力する入力手段と、前記分離部より下流側の搬送経路上に設けられ、前記給紙トレイから搬送される原稿を検知する検知手段と、前記入力手段により入力された原稿のサイズから求められる第1の原稿長と前記検知手段による検知結果に基づき求められる第2の原稿長とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果、前記第1の原稿長と前記第2の原稿長とが異なる場合には、前記第1の原稿長および前記第2の原稿長のうち、長い方を次原稿給紙タイミング判断値として設定する次原稿給紙タイミング判断値設定手段と、前記次原稿給紙タイミング判断値設定手段により設定された次原稿給紙タイミング判断値に基づいて、次原稿給紙制御を行う制御手段とを備えている。
【0021】
この構成により、分離部より下流側の搬送経路上に設けられた検知手段による原稿の検知結果に基づいて求められる原稿長と入力手段により入力された原稿長とを比較し、この比較結果に応じて次原稿給紙タイミング判断値設定手段が第1の原稿長および第2の原稿長のうち、長い方を次原稿給紙タイミング判断値として設定するので、例えば実際に搬送される原稿長よりも小さい原稿長が入力された場合のように、入力された原稿長と実際に搬送される原稿長との間に差があっても、先に搬送される原稿と次原稿との間の必要な紙間を確保することができ、特に混載原稿の搬送に起因する不具合を防止することができる。
【0022】
また、分離部より下流側の搬送経路上に設けられた検知手段による原稿の検知結果に基づいて実際に搬送される原稿の原稿長を求めるので、従来のように原稿テーブルに原稿のサイズを検知する検知手段を設けることなく簡単な構成で次原稿給紙制御を行うことができる。
【0023】
さらに、従来のように搬送可能な最大原稿長に対応した原稿テーブルを設ける必要がないので、装置の小型化を図ることができる。
【0024】
また、本発明に係る自動原稿搬送装置は、前記次原稿給紙タイミング判断値設定手段は、前記比較手段による比較の結果、前記第1の原稿長と前記第2の原稿長とが異なる場合、かつ前記第1の原稿長および前記第2の原稿長のうち、長い方を次原稿給紙タイミング判断値として設定せず、前記第1の原稿長を次原稿給紙タイミング判断値として設定するようになっている。
【0025】
この構成により、分離部より下流側の搬送経路上に設けられた検知手段による原稿の検知結果に基づいて求められる原稿長と入力手段により入力された原稿長とを比較し、この比較結果に応じて次原稿給紙タイミング判断値設定手段が第1の原稿長および第2の原稿長のうち、第1の原稿長を次原稿給紙タイミング判断値として設定するので、入力された原稿長と実際に搬送される原稿長との間に差があっても、例えば単一サイズの原稿束の原稿搬送において、先の原稿と次原稿との間で最低必要な間隔を確保して原稿の搬送を行うことができ、これにより原稿の読取生産性を高めることができる。
【0026】
また、本発明に係る自動原稿搬送装置は、前記第1の原稿長および第2の原稿長のうち長い方を次原稿給紙タイミング判断値として設定する第1の次原稿給紙タイミングモードと、第1の原稿長を次原稿給紙タイミング判断値として設定する第2の次原稿給紙タイミングモードとを選択可能な次原稿給紙タイミングモード選択手段を備え、前記比較手段による比較の結果、前記第1の原稿長と前記第2の原稿長とが異なる場合に、前記次原稿給紙タイミング判断値設定手段は、前記次原稿給紙タイミングモード選択手段による選択結果に応じて次原稿給紙タイミング判断値を設定するようになっている。
【0027】
この構成により、第1の原稿長および第2の原稿長のうち長い方を次原稿給紙タイミング判断値として設定する第1の次原稿給紙タイミングモードと、第1の原稿長を次原稿給紙タイミング判断値として設定する第2の次原稿給紙タイミングモードとを次原稿給紙タイミングモード選択手段により選択可能としたので、例えば混載原稿の搬送時における原稿搬送性能を優先するか、単一サイズの原稿束の原稿搬送時における原稿の読取生産性を優先するかを給紙トレイに載置される原稿の種類に応じてユーザにより選択することができる。
【0028】
また、本発明に係る自動原稿搬送装置は、前記給紙トレイから給紙される原稿が1枚目の原稿であるとき、前記比較手段は、予め設定された搬送可能な最大原稿の原稿長を第2の原稿長として用いるようになっている。
【0029】
この構成により、給紙トレイに載置された原稿束の1枚目の原稿に対しては、予め設定された搬送可能な最大原稿の原稿長を第2の原稿長として用いるので、例えば1枚目の原稿が規格定形サイズ外の原稿であっても、この1枚目の原稿に対する不要なジャムの発生を防止することができる。
【0030】
また、本発明に係る自動原稿搬送装置は、前記給紙トレイから給紙される原稿が1枚目の原稿であるとき、前記比較手段は、予め設定された搬送可能な最大定形サイズの原稿長を第2の原稿長として用いるようになっている。
【0031】
この構成により、給紙トレイに載置された原稿束の1枚目の原稿に対しては、予め設定された搬送可能な最大定形サイズの原稿長を第2の原稿長として用いるので、例えば定形サイズの原稿のみを搬送する際、1枚目の原稿に対する原稿保護性を高めることができる。
【0032】
また、本発明に係る自動原稿搬送装置は、前記給紙トレイから給紙される原稿の複数の定形サイズから任意の定形サイズを選択可能な定形サイズ選択手段を備え、前記給紙トレイから給紙される原稿が1枚目の原稿であるとき、前記比較手段は、前記定形サイズ選択手段により選択された原稿の定形サイズから求められる原稿長を第2の原稿長として用いるようになっている。
【0033】
この構成により、給紙トレイに載置された原稿束の1枚目の原稿に対しては、定形サイズ選択手段により選択された原稿の定形サイズから求められる原稿長を第2の原稿長として用いるので、ユーザにより任意に設定された定形サイズの原稿のみを搬送する際、1枚目の原稿に対する原稿保護性を高めることができる。
【0034】
また、本発明に係る自動原稿搬送装置は、前記給紙トレイから給紙される原稿の1枚目の原稿長が、搬送可能な最大原稿の原稿長、搬送可能な最大定形サイズの原稿長および前記定形サイズ選択手段により選択された原稿の定形サイズから求められる原稿長のうち、いずれであるかを選択可能な原稿サイズ選択手段を備え、前記給紙トレイから給紙される原稿が1枚目の原稿であるとき、前記比較手段は、前記原稿サイズ選択手段により選択された原稿長を第2の原稿長として用いるようになっている。
【0035】
この構成により、給紙トレイから給紙される1枚目の原稿の原稿長を原稿サイズ選択手段により選択することができ、この原稿サイズ選択手段により選択された原稿長を第2の原稿長として用いるので、ユーザが入力手段により直接原稿のサイズを入力する操作を不要とし、これにより搬送制御に係る操作性を向上させることができる。
【0036】
また、本発明に係る自動原稿搬送装置は、少なくとも前記ジャム検知モード選択手段により選択されたジャム検知モード、前記次原稿給紙タイミングモード選択手段により選択された次原稿給紙タイミングモード、および前記給紙トレイから給紙される1枚目の原稿に対して前記定形サイズ選択手段により選択された原稿の定形サイズ、前記原稿サイズ選択手段により選択された原稿長のいずれか1つを前記ジャム検知制御および前記次原稿給紙制御の少なくともいずれか一方の初期値として登録する登録手段をさらに備えている。
【0037】
この構成により、少なくともジャム検知モード選択手段により選択されたジャム検知モード、次原稿給紙タイミングモード選択手段により選択された次原稿給紙タイミングモード、および給紙トレイから給紙される1枚目の原稿に対して定形サイズ選択手段により選択された原稿の定形サイズ、原稿サイズ選択手段により選択された原稿長のいずれか1つをジャム検知制御および次原稿給紙制御の少なくともいずれか一方の初期値として登録することができるので、ユーザの操作手順を簡便なものとし、これによりジャム検知制御および次原稿給紙制御に係る操作性を向上することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明では、従来のように原稿テーブルに原稿のサイズを検知する検知手段を設けることなく簡単な構成でジャム検知制御または次原稿給紙制御を行うことができる自動原稿搬送装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシート搬送装置を備えた画像形成装置の概略構成図である。なお、本実施の形態においては、画像形成装置を複写機に適用した場合について説明するが、これに限定されない。
【0040】
まず、構成について説明する。
図1に示すように、画像形成装置としての複写機1は、複写機本体側の各部としてスキャナ部10と、画像形成部20と、給紙部30と、シート搬送装置としての自動原稿搬送装置(以下、単にADFという)40とから構成されている。
【0041】
ADF40は、給紙トレイ41に載置された原稿束を1枚ずつ分離して給送するとともに、分離された原稿を画像読取位置12(図2参照)に搬送し、排紙トレイ42に排紙するようになっている。スキャナ部10は、画像読取位置12におけるスリットガラス11上を通過する原稿画像を読み取るようになっており、画像形成部20は、スキャナ部10により読み取った原稿画像を電気信号に変換した後に、給紙部30から給紙される記録紙31に画像形成して、画像形成された記録紙31をコピーとして機外に排出するようになっている。
【0042】
次に、複写機1を構成する各装置、各部について説明する。
スキャナ部10は、光源13および第1のミラー部材14を搭載した第1キャリッジと、第2ミラー部材15および第3ミラー部材16を搭載した第2キャリッジと、結像レンズ17と、CCD等からなる撮像部18とを含む光学系を備えている。
【0043】
スキャナ部10は、ADF40によって原稿を読み取る場合には、第1キャリッジおよび第2キャリッジをスリットガラス11(図2参照)の下方で停止させ、第1キャリッジに搭載された光源13によりスリットガラス11上を通過中の原稿に光を照射し、第1キャリッジおよび第2キャリッジに搭載された第1のミラー部材14〜第3のミラー部材16により原稿からの反射光を折り返させ、その反射光を結像レンズ17により結像して撮像部18で読み取らせるようになっている。
【0044】
また、スリットガラス11よりも大面積のコンタクトガラス19に載置された原稿を読み取る場合には、第1キャリッジおよび第2キャリッジをコンタクトガラス19の下方で、図1中、左右方向(副走査方向)に移動させ、第1キャリッジに搭載された光源13によりコンタクトガラス19上に載置された原稿に光を照射し、第1キャリッジおよび第2キャリッジに搭載された第1のミラー部材14〜第3のミラー部材16により原稿からの反射光を折り返させ、その反射光を結像レンズ17により結像して撮像部18で読み取らせるようになっている。
【0045】
画像形成部20は、本発明に係る画像形成手段を構成するものであり、感光体21と、この感光体21の周辺に帯電部22、書き込みユニット23の露光部、現像部24、後述する記録紙31の送られる転写部25、感光体面を清掃するクリーニング部26、およびタッチパネルやテンキー等によって構成された本体操作部108(図3参照)等の各種機器とを備えている。
【0046】
画像形成部20は、撮像部18に読み取られた読取画像に基づいて、上述の各機器を駆動し、感光体21を時計方向に回転し、感光体21が帯電部22により一様に帯電され、書き込みユニット23からの露光により感光体21上の電荷が部分的に消失し静電潜像を形成するようになっている。なお、この静電潜像はその電荷の光分布に応じて現像部24からトナーが転移し可視像化されるようになっている。
【0047】
そして、画像形成部20は、この画像形成と同期してレジストローラ27を駆動し、転写部25に送られた記録紙31上にトナー像を転写した後、定着部28によりこの転写したトナーを記録紙31上に定着してコピーとして機外に排出するようになっている。
【0048】
給紙部30は、記録媒体としての記録紙31を収納する給紙カセット32と、給紙カセット32に収納された記録紙31を画像形成部20の画像形成位置まで搬送する各種ローラとを有している。
【0049】
また、画像形成部20および給紙部30は、ADF40から通知される次原稿有無情報により給紙カセット32からレジストローラ27の手前まで記録紙の先出しを行うようになっている。
【0050】
ADF40は、給紙トレイ41と、排紙トレイ42と、各種ローラ等からなる搬送部50とを備えている。このADF40は、搬送部50により給紙トレイ41に載置されたシートとしての原稿をスリットガラス11上に搬送し、このスリットガラス11を介して画像読取位置12にて原稿の画像を読み取り、次いで、画像の読み取りが終了した原稿を、排紙トレイ42に排紙するようになっている。
また、ADF40は、スキャナ部10に対して図示しない開閉機構を介して開閉自在に取り付けられている。
【0051】
なお、ADF40の詳細については、後述する。
【0052】
次に、本実施の形態に係る複写機1の複写動作について説明する。
まずADF40に原稿がセットされると、ADF40は原稿セットを検知する。
次いで、ユーザによって、例えばタッチパネルやテンキー等によって構成された本発明に係る入力手段としての本体操作部108により原稿サイズ、記録紙サイズが入力され、プリントキー等が押下されて、複写機1の複写動作がスタートすると、ADF40では原稿Pを1枚ずつ分離給送し、スキャナ部10上の画像読取位置12に向けて搬送される。なお、本体操作部108により入力される記録紙サイズは、原稿サイズとして扱うモードを選択することも可能である。
【0053】
そして分離給送および搬送された原稿の画像は、スキャナ部10の光学系によって読み取られ電気信号に変換される。そして複写機本体側の給紙部30では、給紙カセット32から記録紙31がレジストローラ27方向へ送られる。
【0054】
次いで、画像形成部20では、書き込みユニット23からの露光により感光体21に静電潜像が形成される。そしてこの静電潜像は、現像部24からトナーが転移することにより可視像化される。
【0055】
一方、この画像形成と同期してレジストローラ27が駆動され、転写部25に送られた記録紙31上にトナー像が転写され、転写されたトナーは定着部28で記録紙31上に定着されコピーとして機外に排出される。
また、ADF40からは次原稿有無情報が通知され、この次原稿有無情報により給紙カセット32からレジストローラ27手前まで記録紙の先出しが行われる。
【0056】
図2、図3を参照してADF40について詳細に説明する。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るADF40の概略構成図である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係るADF40の制御構成を示すブロック図である。
【0057】
まず、ADF40の構成について説明する。
図2に示すように、ADF40は、給紙トレイ41を備えており、この給紙トレイ41には原稿面が上向きになるように原稿Pが載置されるようになっている。
【0058】
また、給紙トレイ41の給紙方向先端部近傍には、原稿の載置により回動するセットフィラーが設けられている。さらに、このセットフィラーの先端部の移動軌跡上の最下部には、給紙トレイ41に原稿が載置されたことを検知する原稿セットセンサ66が設けられている。すなわち、この原稿セットセンサ66は、給紙トレイ41に原稿がセットされると、セットフィラーが回動して、セットフィラーの先端部が原稿セットセンサから外れて原稿の載置を検知するようになっている。
【0059】
また、給紙トレイ41に対して原稿の搬送方向下流側には、ストッパ爪43が設けられており、このストッパ爪43は、後述する給紙ソレノイド74(図3参照)によって原稿Pの先端が突き当てられる突き当て位置(破線で示す位置)と原稿Pの先端から退避する退避位置(実線で示す位置)の間で移動されるようになっている。
【0060】
したがって、ストッパ爪43が突き当て位置にあるときに原稿Pの先端が突き当てられることにより、原稿Pの先端を揃えるようになっている。また、原稿Pの幅方向は給紙トレイ41上に設けられた図示しないサイドフェンスに突き当てられることにより、原稿搬送方向と直交する方向の位置決めが行われるようになっている。
【0061】
ADF40の搬送部50は、分離給送部44と、プルアウト部45と、ターン部46と、読取搬送部47と、排紙部48と、スイッチバック部49とにより構成されている。
【0062】
分離給送部44は、ストッパ爪43の上方に設けられた呼出し手段としての呼出しローラ52と、搬送経路を挟んで対向するように配置された給紙ベルト53およびリバースローラ54とを有している。呼出しローラ52は、給紙ソレノイド74(図3参照)によって原稿Pから退避する位置と原稿Pの上面に当接する位置との間で昇降するようになっている。
【0063】
給紙ベルト53は、給紙方向(時計回転方向)に回転し、リバースローラ54は、給紙方向と逆方向に回転するようになっている。また、リバースローラ54は、原稿が重送された場合に、給紙ベルト53に対して逆方向に回転するが、リバースローラ54が給紙ベルト53に接している場合、または原稿を1枚のみ搬送している場合には、図示しないトルクリミッタの働きにより、給紙ベルト53に連れ回りするようになっている。
【0064】
分離給送部44は、呼出しローラ52が給紙トレイ41に載置された原稿束の最上位の原稿に転接することにより給紙口内に原稿を送り出し、原稿が重送された場合に給紙ベルト53とリバースローラ54とにより分離して送り出すようになっている。
【0065】
プルアウト部45は、搬送経路を挟むように配置された一対のローラからなるプルアウトローラ対55と、突き当てセンサ67とを有している。プルアウト部45は、プルアウトローラ対55と呼出しローラ52の駆動タイミングにより、送り出された原稿を一次突当整合し、整合後の原稿を搬送方向下流側に搬送するようになっている。また、突き当てセンサ67は、分離給送部44から搬送される原稿の先端を検知するようになっている。
【0066】
ターン部46は、搬送経路の上から下に向けてカーブした搬送経路からなり、本発明に係る検知手段としてのレジストセンサ65と、読取入口ローラ対56とを有している。ターン部46は、プルアウト部45から搬送された原稿をカーブした搬送経路を搬送することによりターンさせて、読取入口ローラ対56により原稿の表面を下方に向けてスリットガラス11の近傍まで搬送するようになっている。
また、レジストセンサ65は、プルアウト部45から読取搬送部47に搬送される原稿の先端および後端を検知するようになっている。
【0067】
読取搬送部47は、スリットガラス11に搬送経路を挟んで対向する位置に配置された読取ガイド57と、読取終了後の搬送経路を挟むように配置された一対のローラからなる読取出口ローラ対58とを有している。読取搬送部47は、スリットガラス11の近傍まで搬送された原稿を読取ガイド57によりガイドしながらこの原稿の表面をスリットガラス11に接触させながら搬送し、画像読取位置12において搬送される原稿の画像を上述したスキャナ部10の光学系により読み取らせ、読取終了後の原稿を読取出口ローラ対58により搬送方向下流側にさらに搬送するようになっている。
【0068】
排紙部48は、排紙口の近傍に一対のローラからなる排紙ローラ対59と、排紙センサ68とを備えている。排紙ローラ対59は、読取出口ローラ対58により搬送された原稿を排紙トレイ42に排紙するようになっている。また、排紙センサ68は、読取出口ローラ対58により搬送され、排紙口から排紙トレイ42に排紙される原稿の後端を検知するようになっている。
【0069】
スイッチバック部49は、排紙口の近傍に設けられた切換爪60と、反転ローラ対61とを有している。切換爪60は、後述する反転切換ソレノイド75(図3参照)の駆動によって、排紙ローラ対59より搬送される原稿を反転ローラ対61へ搬送する搬送経路に切り換える位置(破線で示す位置)と反転ローラ対61によりスイッチバックされた原稿をプルアウトローラ対55へ搬送するスイッチバック通路49aに切り換える位置(実線で示す位置)との間で上下動するようになっている。また、反転ローラ対61は原稿の両面読み取りを行うためにスイッチバックされる原稿をスイッチバック通路49aに反転搬送するようになっている。
【0070】
したがって、スイッチバック部49は、切換爪60、反転ローラ対61およびスイッチバック通路49aを介して両面読み取りを行う原稿をプルアウトローラ対55にスイッチバックして搬送するようになっている。
【0071】
次に、ADF40の制御構成について説明する。
図3に示すように、ADF40は、ADF40全体の制御を行うコントローラ100を備えている。ADF40は、コントローラ100に信号を入力するセンサ等として、レジストセンサ65、原稿セットセンサ66、突き当てセンサ67、排紙センサ68を備え、各センサはコントローラ100に接続されている。
【0072】
また、ADF40は、コントローラ100から信号を出力してADF40の各部の駆動制御するモータ等として、給紙・反転モータ71、読取モータ72、排紙モータ73、給紙ソレノイド74、反転切換ソレノイド75を備え、各モータおよび各ソレノイドはコントローラ100に接続されている。
【0073】
給紙・反転モータ71は、呼出しローラ52、給紙ベルト53、リバースローラ54、プルアウトローラ対55および反転ローラ対61を回転駆動し、読取モータ72は、読取入口ローラ対56、読取出口ローラ対58を回転駆動し、排紙モータ73は、排紙ローラ対59を回転駆動するようになっている。
【0074】
また、給紙ソレノイド74は、呼出しローラ52を原稿Pから退避する位置と原稿Pの上面に当接する位置との間で昇降させるとともに、ストッパ爪43を突き当て位置と退避位置との間で移動させるようになっている。
【0075】
また、反転切換ソレノイド75は、切換爪60を図2中、破線で示す位置と実線で示す位置との間で上下動させるようになっている。
各モータおよびソレノイドは、上記した各センサの検知信号に基づいてコントローラ100によって制御されるようになっている。
【0076】
また、複写機1は、装置全体の制御を行う本体制御部111、タッチパネルやテンキー等によって各種入力操作および選択操作や動作指示を行う本発明に係る入力手段としての本体操作部108を備えている。この本体操作部108は、各種の入力内容や動作指示内容、警告内容を表示する表示部を有している。ここで、コントローラ100と本体制御部111とはI/F107を介して接続されており、双方間での制御信号等のデータの授受が行われるようになっている。
【0077】
また、本体操作部108は、入力部としての機能も備えており、規格定形サイズ外の原稿をADF40により給紙する際に、ユーザがタッチパネルまたはテンキーを操作することで、この規格定形サイズ外の原稿の原稿長を直接入力することができるようになっている。一方、規格定形サイズの原稿を給紙する際には、本体操作部108は、ユーザがタッチパネルやテンキーを操作することで、定形サイズの例えばA5、B5、A4、B4、A3等の各種原稿サイズを選択して入力することができるようになっている。
【0078】
さらに、本体操作部108は、ユーザによるタッチパネルやテンキーの操作により給紙トレイ41に載置された原稿束の1枚目の原稿の原稿長(原稿サイズ)および後述するジャム検知モードを選択して入力することができるようになっている。
【0079】
具体的には、本体操作部108は、ユーザが例えばタッチパネルの選択ボタンを操作することにより、ジャム検知モードとして後述する長い原稿長使用モードおよび入力原稿長使用モードのいずれかのモードを選択することができるようになっている。すなわち、本実施の形態においては、本体操作部108が、入力された原稿長および実測原稿長のうち長い方をジャム検知判断値として設定する長い原稿長使用モードと、入力された原稿長をジャム検知判断値として設定する入力原稿長使用モードとを選択可能な本発明に係るジャム検知モード選択手段を構成する。
【0080】
さらに、本体操作部108には、登録ボタンが表示されており、ユーザがこの登録ボタンを押下することにより、上述の選択されたジャム検知モードをジャム検知制御の初期値として登録するようになっている。そして本体操作部108により登録されたジャム検知モードは、図示しない不揮発性のメモリにジャム検知制御の初期値として記憶されるようになっている。なお、本実施の形態においては、上述の選択されたジャム検知モードをジャム検知制御の初期値として登録する本体操作部108が、本発明に係る登録手段を構成する。
【0081】
なお、本体操作部108は、上述したタッチパネルの操作による各種入力結果をADF40の給紙動作以前にI/F107を介してコントローラ100に送信するようになっている。
【0082】
次に、ADF40において、所謂、シートスルー方式で原稿を読み取る動作について説明する。
まず、給紙トレイ41に原稿Pが載置されると、図示しないセットフィラーおよび原稿セットセンサ66により原稿Pの載置が検知されて、検知信号がI/F107を介して本体制御部111に送信される。ここで、原稿Pが給紙トレイ41に載置されたことを検知すると、コントローラ100は、給紙ソレノイド74の吸引により呼出しローラ52を原稿Pに当接する位置に下降させるとともに、ストッパ爪43を原稿Pから下方向に退避するように駆動する。これにより、給紙トレイ41に載置された原稿Pが所定の圧力で圧接されるとともに、原稿Pの先端が搬送方向下流側に向けて開放される。
【0083】
次いで、給紙トレイ41に原稿Pが載置された状態で、複写機本体側に設けられた本体操作部108のプリントキーが押下され、本体制御部111からI/F107を介してコントローラ100に原稿給紙信号が送信されると、原稿給紙動作を開始する。
【0084】
このとき、呼出しローラ52は給紙モータの正転駆動によって給紙トレイ41上の数枚(理想的には1枚)の原稿の給紙を開始する。この給紙された原稿は、呼出しローラ52の下流側に設けられた給紙ベルト53およびリバースローラ54の分離搬送手段に給紙される。すなわち、最上位の原稿とその下の原稿が分離されて最上位の原稿のみが給紙される。
【0085】
具体的には、リバースローラ54は給紙ベルト53と所定圧で接しており、給紙ベルト53と直に接触しているとき、または原稿1枚を介して接触している状態では給紙ベルト53の周回移動につられて反時計回転方向に連れ回りし、原稿が2枚以上、給紙ベルト53とリバースローラ54との間に進入したときには連れ回り力がトルクリミッタのトルクよりも低くなるように設定されている。このため、リバースローラ54は本来の駆動方向である時計回転方向に回転し、余分な原稿を押し戻す働きをして重送を防止することができる。
【0086】
次いで、この分離原稿は、給紙ベルト53によって更に搬送され、給紙ベルト53の下流側に設けられた突き当てセンサ67によってその先端が検知され、突き当てセンサ67によって検出された原稿は、突き当てセンサ67によって原稿の先端が検出された時点から所定量Xmm搬送されると、コントローラ100によって給紙・反転モータ71の正転駆動が停止される。
【0087】
なお、この所定量Xmmは、突き当てセンサ67からプルアウトローラ対55のニップ部までの距離よりも大きく設定されており、プルアウトローラ対55のニップ部に一定の撓みを形成した状態で停止されるようになっている。
【0088】
このとき、コントローラ100からの指令により給紙ソレノイド74をオフすることにより、呼出しローラ52を原稿上面から退避させ、原稿を給紙ベルト53の搬送力のみで搬送することにより、原稿の先端がプルアウトローラ対55のニップ部に突き当てられ、分離搬送時に発生した原稿の曲がりが(スキュー)補正される。
【0089】
そして、原稿の分離後に給紙・反転モータ71の逆転駆動によりスキュー補正された原稿は、プルアウトローラ対55によりターン部46のカーブした搬送経路を介して下流側に設けられた読取入口ローラ対56に向かって搬送される。そして、読取入口ローラ対56に原稿先端が進入する前に、搬送される原稿の原稿搬送速度の減速が開始される。
【0090】
ここで、ターン部46を搬送される原稿は、レジストセンサ65によりその先端が検知される。このとき、コントローラ100は、原稿給紙後、後述するジャム検知制御を行い、一定時間または一定量原稿を搬送しても原稿先端がレジストセンサ65によって検知されない場合には、ジャムと判断し、原稿の搬送を停止する。
【0091】
また、コントローラ100は、レジストセンサ65により原稿先端が検知された後から原稿後端がレジストセンサ65を通過するまでの給紙・反転モータ71の駆動量または駆動時間を計測し、計測された計測値を原稿の長さに換算することで2枚目以降の原稿の実測原稿長として算出し、利用する。
【0092】
ここで、レジストセンサ65により原稿先端が検知された後、一定時間または一定量原稿を搬送しても原稿後端がレジストセンサ65によって検知されない場合には、ジャムとして判断するジャム検知制御を行う。このジャム検知制御は、給紙・反転モータ71の駆動量または経過時間を搬送量換算した計測値と後述する原稿長情報によって設定されたジャム検知判断値との対比によってジャムが発生したか否かを判断し、ジャムが発生したと判断した場合には、原稿の搬送を停止する一連の制御を行うものである。すなわち、計測値とジャム検知判断値とを比較した結果、計測値の方がジャム検知判断値よりも大きくなった場合にはジャムと判断し、コントローラ100は、複写機本体の本体制御部111にジャムの発生を通知するとともに、各モータおよび各ソレノイド等を停止し、これにより原稿の搬送を停止する。なお、本実施の形態においては、このような処理を行うコントローラ100が、本発明に係る制御手段を構成する。
【0093】
一方、コントローラ100は、レジストセンサ65により原稿先端が検知された後の給紙・反転モータ71の駆動量または駆動時間から算出される距離と例えば本体操作部108により入力または選択された原稿サイズから算出される原稿長情報との対比により、原稿後端が分離給送部44を通過したか否かを判定する。この判定は、以下の論理式を用いることにより可能となっている。
なお、上述の原稿長情報としては、後述する第2の実施の形態において設定された次原稿給紙タイミング判断値を用いることも可能である。
L1:レジストセンサ65により原稿先端が検知された後の給紙・反転モータ71の駆動量または駆動時間から算出される距離
L2:分離給送部44からレジストセンサ65までの距離
L3:原稿長情報
論理式:L1 > L3−L2
ここで、分離給送部44により搬送される原稿の後端が分離給送部44を通過したとコントローラ100によって判定された時点において、さらにコントローラ100は、原稿セットセンサ66の検知情報により給紙トレイ41に、次に給送する次原稿があるか否かの次原稿給紙有無を判断し、この次原稿給紙有無情報をI/F107を介して本体制御部111に送信する。本体制御部111は、コントローラ100により次原稿があると判断され、次原稿給紙有情報を受信した場合には、給紙カセット32からレジストローラ27手前まで記録紙の先出し動作を行う。
【0094】
また、このときコントローラ100は、上記論理式を用いて分離給送部44により搬送される原稿の後端が分離給送部44を通過したと判定した後に、先に搬送される原稿と次原稿との必要紙間の確保が可能な予め定められた給紙・反転モータ71の駆動量または駆動時間を経過したか否かを判定する。これにより、先に搬送される原稿と次原稿との間隔を確保して、次原稿給紙動作を開始する次原稿給紙制御を行う。
【0095】
次いで、プルアウトローラ対55から搬送された原稿は、読取入口ローラ対56のニップ部で一時停止(レジスト停止)する。そして、コントローラ100は、原稿が読取入口ローラ対56のニップ部で一時停止(レジスト停止)したときに、I/F107を介して本体制御部111にレジスト停止信号を送信する。
【0096】
レジスト停止信号が本体制御部111に送信されると、コントローラ100は本体制御部111から読取開始信号を受信し、レジスト停止していた原稿を読取倍率に応じた搬送速度で搬送されるように読取モータ72を駆動して、読取入口ローラ対56によって原稿を搬送しながら読取位置12にて原稿画像の読み取りを行い、読取出口ローラ対58により読み取り後の原稿をさらに搬送する。
【0097】
したがって、読取搬送部47においては、原稿がスリットガラス11とこのスリットガラス11に対向する位置に所定の間隔をもって設けられた読取ガイド57との間を通過する。このとき複写機本体に設けられたスキャナ部10の光学系(図1参照)により、原稿画像が読み取られ、この原稿画像は、スキャナ部10の光学系が有するCCDを介して電気信号に変換され、図示しないメモリ装置に記憶される。なお、コントローラ100は、読取モータ72のパルスカウントにより原稿先端が読取位置12に到達するタイミングで本体制御部111に対して副走査方向有効画像領域を示すゲート信号を送信する。この信号は、通常は原稿の後端が読取位置12を抜けるまで送信される。
【0098】
次いで、ターン部46を介して読取位置12を通過した原稿は、上下面が反転されて読取出口ローラ対58および排紙ローラ対59によって搬送され、片面原稿の片面原稿読取の終了後または両面原稿の両面読取終了後には、スイッチバック部49に搬送されることなくそのまま排紙トレイ42に排紙される。
【0099】
一方、両面原稿の搬送すなわち原稿の両面読み取りを行う場合には、この原稿の表面の読取時に読取位置12を抜けた原稿先端が排紙ローラ対59に到達する前に、切換爪60の位置が反転切換ソレノイド75の駆動により図2中破線で示す位置に切り換えられる。これにより原稿が反転ローラ対61側に送り込まれる。その後、原稿は、排紙センサ68からのパルスカウントにより原稿後端が排紙ローラ対59を通過するまで搬送され、スイッチバック部49で一旦停止する。
【0100】
次いで、原稿がスイッチバック部49で停止すると、コントローラ100は、原稿の後端が排紙ローラ対59を抜け出たものと判断して、反転切換ソレノイド75をオフにして切換爪60の位置を図2中実線で示す位置に移動させる。
【0101】
その後、コントローラ100は、給紙・反転モータ71を逆転駆動して反転ローラ対61を逆転駆動することにより、原稿をプルアウトローラ対55に向けてスイッチバックする。
【0102】
次いで、スイッチバックされた原稿は、反転搬送ローラ対62によりプルアウトローラ対55に搬送され、再度プルアウト部45、ターン部46を経て読取搬送部47に搬送され、両面原稿の裏面画像の読み取りが行われる。
【0103】
この後、排紙される原稿の頁順を揃えるため、裏面画像の読み取りが終了した原稿は、再度、スイッチバック部49においてスイッチバックされた後、読取搬送部47にて原稿の読み取りを行わずに排紙トレイ42に排紙される。
【0104】
次に、ADF40におけるジャム検知判断値の設定処理について説明する。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係るADF40のジャム検知判断値設定処理を示すフロー図である。
【0105】
図4に示すように、まずコントローラ100は、ADF40による給紙動作以前に、本発明に係る第1の原稿長としてユーザにより本体操作部108のテンキー等により入力された原稿長と実測原稿長とが相違するか否かを判断する。すなわち、入力された原稿長と実測原稿長とを比較する(S101)。本実施の形態においては、このような処理を実行するコントローラ100が本発明に係る比較手段を構成する。
【0106】
なお、本実施の形態においては、本体操作部108のテンキー等により入力された原稿長と実測原稿長とを比較するようにしているが、これに限らず、例えば本体操作部108のタッチパネル等により選択して入力された原稿サイズから算出される原稿長と実測原稿長を比較するようにしてもよい。この場合、入力された原稿サイズから算出される原稿長は、図示しないメモリ上に予め記憶された定形サイズの原稿長データテーブルを参照することにより算出される原稿長である。
【0107】
また、本実施の形態における実測原稿長は、給紙される原稿のうち2枚目以降の原稿については上述のレジストセンサ65の検知結果に基づき算出された原稿長であり、1枚目の原稿については、後述する1枚目の原稿に対する原稿長設定処理にて設定された原稿長である。なお、本実施の形態における実測原稿長は、本発明に係る第2の原稿長に対応するものである。
【0108】
コントローラ100は、ステップS101において入力された原稿長と実測原稿長とが一致すると判断した場合には、入力された原稿長をジャム検知判断値として設定する(S105)。
【0109】
一方、コントローラ100は、ステップS101において入力された原稿長と実測原稿長とが一致しないと判断した場合には、本体操作部108により本発明に係る第1のジャム検知モードとして、入力された原稿長および実測原稿長のうち長い方をジャム検知判断値として設定する長い原稿長使用モードに設定されているか否かを判断する(S102)。ここで、コントローラ100は、第1のジャム検知モードとして、長い原稿長使用モードが設定されていないと判断した場合には、本体操作部108により本発明に係る第2のジャム検知モードとして、入力原稿長使用モードが設定されているものと判断し、入力された原稿長をジャム検知判断値として設定する(S105)。
【0110】
また、コントローラ100は、第1のジャム検知モードとして、長い原稿長使用モードが設定されている場合には、入力された原稿長と実測原稿長とを比較し、入力された原稿長よりも実測原稿長の方が長いか否か判断する(S103)。そして、コントローラ100は、入力された原稿長よりも実測原稿長の方が長いと判断した場合には、実測原稿長をジャム検知判断値として設定する(S104)。
一方、コントローラ100は、実測原稿長よりも入力された原稿長の方が長いと判断した場合には、入力された原稿長をジャム検知判断値として設定する(S105)。
【0111】
このように、コントローラ100は、入力された原稿長と実測原稿長とを比較し、この比較の結果、入力された原稿長と実測原稿長とが異なる場合には、入力された原稿長および実測原稿長のうち、長い方をジャム検知判断値として設定する。なお、本実施の形態において、このような処理を行うコントローラ100は、本発明に係るジャム検知判断値設定手段を構成する。
これにより、コントローラ100は、上述のジャム検知判断値設定処理で設定されたジャム検知判断値に基づいて、ジャム検知制御を行うことができる。
【0112】
なお、ジャム検知判断値の設定において入力された原稿長と実測原稿長とを比較する際の実測原稿長は、2枚目以降の原稿については、上述したようにレジストセンサ65の検知結果に基づき算出することができるが、1枚目の原稿の搬送については、レジストセンサ65の検知結果を用いることができないため、実測原稿長を取得することができない。
したがって、以下に説明するように、本体操作部108により選択された原稿長を1枚目の実測原稿長として用いる。
【0113】
そこで、図5、図6を参照して、給紙トレイ41に載置された原稿束の1枚目の原稿の原稿長設定について説明する。図5は、本体操作部108のタッチパネルの原稿長設定画面を示す図である。図6は、1枚目の原稿長設定処理を示すフロー図である。
【0114】
図5に示すように、本体操作部108のタッチパネルの原稿長設定画面は、ADF40の最大原稿長設定として、不定形最大ボタン108aと、定形最大ボタン108bと、複数の定形サイズ、例えばA5、B5、A4、B5、A3を示す原稿サイズボタンからなる定形選択表示部108cと、登録ボタン108dとから構成されている。
【0115】
このような本体操作部108は、不定形最大ボタン108aがユーザにより押下されることにより、1枚目の原稿長設定モードを後述する最大原稿長設定モードとして設定するようになっており、定形最大ボタン108bがユーザにより押下されることにより、1枚目の原稿長設定モードを後述する定形最大原稿長設定モードとして設定するようになっている。
また、本体操作部108は、定形選択表示部108cのいずれかの原稿サイズボタンがユーザにより選択されて押下されることにより、1枚目の原稿長設定モードを後述する任意定形原稿長設定モードとして設定するようになっている。
なお、本実施の形態においては、このようなタッチパネルの原稿長設定画面を表示する本体操作部108が、本発明に係る原稿サイズ選択手段を構成する。
【0116】
また、本体操作部108は、登録ボタン108dがユーザにより押下されることにより、定形選択表示部108cにより選択された定形サイズ、最大原稿長設定モードとして設定された最大原稿長、任意定形原稿長設定モードとして設定された定形最大原稿長を1枚目の原稿に対するジャム検知制御に用いられる原稿長の初期値として図示しないメモリ上に登録するようになっている。本実施の形態においては、上述のような設定を登録する登録ボタン108dを有する本体操作部108が、本発明に係る登録手段を構成する。
【0117】
次に、1枚目の原稿長設定モードについて説明する。
図5に示すように、まずユーザにより給送される1枚目の原稿に対して、本体操作部108の定形選択表示部108cのうち、任意の定形サイズ例えばA5、B5、A4、B5、A3のいずれかの原稿サイズボタンが押下され、選択されると1枚目の原稿長設定モードが任意定形原稿長設定モードとして設定される。すなわち、ユーザは、本体操作部108の上述の複数の定形サイズ例えばA5、B5、A4、B5、A3のいずれかの原稿サイズボタンを選択することにより、任意の定形サイズを選択することができる。このとき、上述の選択された定形サイズは、登録ボタン108dをユーザが押下することにより、1枚目の原稿に対するジャム検知制御に用いられる原稿長の初期値として図示しないメモリ上に登録することも可能である。
なお、本実施の形態においては、このような複数の原稿サイズボタンからなる定形選択表示部108cが、本発明に係る定形サイズ選択手段を構成する。
【0118】
また、ユーザにより給送される1枚目の原稿に対して、本体操作部108の定形最大ボタン108bが押下されると、1枚目の原稿長設定モードが定形最大原稿長設定モードとして設定される。すなわち、ユーザにより本体操作部108の定形最大ボタン108bが押下されることによって、搬送される原稿の原稿サイズが搬送可能な定形最大サイズとして、図示しないメモリ上に記憶設定される。
【0119】
また、ユーザにより給送される1枚目の原稿に対して、本体操作部108の不定形最大ボタン108aが押下されると、1枚目の原稿長設定モードが最大原稿長設定モードとして設定される。すなわち、ユーザにより本体操作部108の不定形最大ボタン108aが押下されることによって、搬送される原稿の原稿サイズが搬送可能な最大原稿サイズとして、図示しないメモリ上に記憶設定される。
【0120】
ここで、上述した任意の定形サイズ、定形最大サイズ、最大原稿サイズのそれぞれの原稿長は、図示しないメモリ上に予め記憶された各原稿サイズの原稿長データテーブルを参照することにより算出される。
【0121】
このように、本体操作部108により、給紙トレイ41から給送される原稿の1枚目の原稿長が、搬送可能な最大原稿の原稿長、搬送可能な最大定形サイズの原稿長および定形選択表示部108cにより選択された定形サイズの原稿長のうち、いずれであるかを選択することができる。この場合、給紙トレイ41から給紙される1枚目の原稿の原稿長を本体操作部108により選択することができ、この本体操作部108により選択された原稿長を実測原稿長として用いるので、ユーザが本体操作部108により直接原稿のサイズを入力する操作を不要とし、これにより搬送制御に係る操作性を向上させることができる。
ここで、本体操作部108により、選択された1枚目の原稿長は、I/F107を介してコントローラ100に送信される。
【0122】
次いで、1枚目の原稿の実測原稿長設定処理について、図6を参照して以下に説明する。
図6に示すように、コントローラ100は、まず1枚目の原稿に対して任意定形原稿長設定モードが設定されているか否か、すなわち本体操作部108の定形選択表示部108cにより任意の定形サイズが選択されたか否かを判断する(S111)。コントローラ100は、任意定形原稿長設定モードが設定されていると判断した場合には、定形選択表示部108cにより選択された任意の定形サイズの原稿の原稿長を1枚目の原稿の実測原稿長として設定する(S112)。この場合、給紙トレイ41に載置された原稿束の1枚目の原稿に対しては、本体操作部108の定形選択表示部108cにより選択された原稿の定形サイズから求められる原稿長を実測原稿長として用いるので、ユーザにより任意に設定された定形サイズの原稿のみを搬送する際、1枚目の原稿に対する原稿保護性を高めることができる。
【0123】
一方、コントローラ100は、任意定形原稿長設定モードが設定されていないと判断した場合には、1枚目の原稿に対して定形最大原稿長設定モードが設定されているか否か、すなわち本体操作部108の定形最大ボタン108bにより搬送可能な最大定形サイズが選択されたか否かを判断する(S113)。コントローラ100は、搬送可能な定形最大サイズが選択されたと判断した場合には、搬送可能な定形最大サイズの原稿長を1枚目の原稿の実測原稿長として設定する(S114)。この場合、給紙トレイ41に載置された原稿束の1枚目の原稿に対しては、予め設定された搬送可能な最大定形サイズの原稿長を実測原稿長として用いるので、例えば定形サイズの原稿のみを搬送する際、1枚目の原稿に対する原稿保護性を高めることができる。
【0124】
また、コントローラ100は、任意定形原稿長設定モードおよび定形最大原稿長設定モードのいずれも設定されていない場合、すなわち本体操作部108の不定形最大ボタン108aにより搬送可能な最大原稿サイズが選択され、最大原稿長設定モードが設定されている場合には、搬送可能な最大原稿サイズの原稿長を1枚目の原稿の実測原稿長として設定する(S115)。この場合、給紙トレイ41に載置された原稿束の1枚目の原稿に対しては、予め設定された搬送可能な最大原稿の原稿長を実測原稿長として用いるので、例えば1枚目の原稿が規格定形サイズ外の原稿であっても、この1枚目の原稿に対する不要なジャムの発生を防止することができる。
【0125】
そして、このような処理によりコントローラ100は、図4に示すジャム検知判断値設定処理において、1枚目の原稿に対して上述の処理により設定された実測原稿長を用いてジャム検知判断を行う。
【0126】
なお、本実施の形態においては、本体操作部108により入力された原稿長とレジストセンサ65の検知結果に基づき算出される実測原稿長とを比較して、この比較結果に応じてジャム検知判断値を設定しているが、これに限らず、この比較結果に応じて後述する第2の実施形態で説明する次原稿給紙タイミング判断値を設定するようにしてもよい。
【0127】
このように、本実施の形態では、分離給送部44より下流側の搬送経路上に設けられたレジストセンサ65による原稿の検知結果に基づいて求められる実測原稿長と本体操作部108により入力された原稿長とを比較し、この比較結果に応じてコントローラ100が入力された原稿長および実測原稿長のうち、長い方をジャム検知判断値として設定するので、ジャム検知判断の許容範囲が広がり、例えば実際に搬送される原稿長よりも小さい原稿長が入力された場合のように、入力された原稿長と実際に搬送される原稿の実測原稿長との間に差があっても、不要なジャムの発生を防止し、正常に画像の読み取りを行うことができる。
【0128】
また、分離給送部44より下流側の搬送経路上に設けられたレジストセンサ65による原稿の検知結果に基づいて実際に搬送される原稿の原稿長を求めるので、従来のように原稿テーブルに原稿のサイズを検知するセンサを設けることなく簡単な構成でジャム検知制御を行うことができる。
【0129】
一方、長い方をジャム検知判断値として設定しない場合には、入力された原稿長をジャム検知判断値として設定するので、入力された原稿長と実際に搬送される原稿の実測原稿長との間に差があっても、ユーザが意図するジャム検知制御を行うことができ、ジャム検知精度の低下に起因した原稿保護性の低下を防止することができる。
さらに、従来のように搬送可能な最大原稿長に対応した原稿テーブルを設ける必要がないので、装置の小型化を図ることができる。
【0130】
また、本実施の形態では、入力された原稿長および実測原稿長のうち長い方をジャム検知判断値として設定する長い原稿長使用モードと、入力された原稿長をジャム検知判断値として設定する入力原稿長使用モードとを、本体操作部108により選択可能としたので、搬送される原稿の重要度に応じてジャム検知制御を変更することができる。例えば、搬送される原稿の重要度に応じて原稿保護性または操作性のいずれを優先させるかを、ユーザにより選択することができる。
【0131】
また、本実施の形態では、少なくとも本体操作部108により選択されたジャム検知モードおよび給紙トレイ41から給紙される1枚目の原稿に対して本体操作部108の定形選択表示部108cにより選択された原稿の定形サイズから算出される原稿長、本体操作部108の不定形最大ボタン108aにより選択された原稿長および本体操作部108の定形最大ボタン108bにより選択された原稿長のいずれか1つを、本体操作部108の登録ボタン108dによってジャム検知制御の初期値として登録することができるので、ユーザの操作手順を簡便なものとし、これによりジャム検知制御に係る操作性を向上することができる。なお、後述する第2の実施の形態における本体操作部108により選択された次原稿給紙タイミングモードをさらに次原稿給紙制御の初期値として登録するようにしてもよい。
【0132】
なお、本実施の形態において、コントローラ100は、レジストセンサ65による検知結果に基づいて搬送される原稿の原稿長を算出するようになっているが、これに限らず例えば、突き当てセンサ67または排紙センサ68の検知結果に基づいて搬送される原稿の原稿長を算出するようにしてもよい。
【0133】
また、本実施の形態においては、タッチパネルやテンキーで構成された本体操作部108にて、各種入力操作および選択操作を行うようにしたが、これに限らず、例えば本体操作部108以外に設けられた入力ボタンや選択ボタン等によって行うようにしてもよい。
【0134】
本実施の形態においては、本体操作部108により入力された原稿長とレジストセンサ65の検知結果に基づき算出される原稿長とを比較し、この比較の結果、長い方をジャム検知判断値として設定したが、以下に説明する第2の実施の形態のように、本体操作部108により入力された原稿長とレジストセンサの検知結果に基づき算出される原稿長とを比較し、この比較の結果、長い方を次原稿給紙タイミング判断値として設定するようにしてもよい。
【0135】
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る次原稿給紙タイミング判断値設定処理を示すフロー図である。なお、本実施の形態の複写機1は、第1の実施の形態と概ね同一の構成であるため、同一の構成には同一の符号を用いるとともに説明を省略し、相違点について詳細に説明する。
【0136】
本実施の形態に係る複写機1の本体操作部108は、ユーザによるタッチパネルやテンキーの操作により給紙トレイ41に載置された原稿束の1枚目の原稿の原稿長(原稿サイズ)および次原稿給紙タイミングモードを選択して入力することができるようになっている。
【0137】
具体的には、本体操作部108は、ユーザが例えばタッチパネルの選択ボタンを操作することにより、次原稿給紙タイミングモードとして後述する長い原稿長使用モードおよび入力原稿長使用モードのいずれかのモードを選択することができるようになっている。すなわち、本実施の形態においては、本体操作部108が、入力された原稿長および実測原稿長のうち長い方を次原稿給紙タイミング判断値として設定する長い原稿長使用モードと、入力された原稿長を次原稿給紙タイミング判断値として設定する入力原稿長使用モードとを選択可能な本発明に係る次原稿給紙タイミングモード選択手段を構成する。
【0138】
さらに、本体操作部108には、登録ボタンが表示されており、ユーザがこの登録ボタンを押下することにより、上述の選択された次原稿給紙タイミングモードを次原稿給紙制御の初期値として登録するようになっている。そして本体操作部108により登録された次原稿給紙タイミングモードは、図示しない不揮発性のメモリに次原稿給紙制御の初期値として記憶されるようになっている。なお、本実施の形態においては、上述の選択された次原稿給紙タイミングモードを次原稿給紙制御の初期値として登録する本体操作部108が、本発明に係る登録手段を構成する。
【0139】
次に、ADF40における次原稿給紙タイミング判断値の設定処理について説明する。
図7は、本発明の第2の実施の形態に係るADF40の次原稿給紙タイミング判断値設定処理を示すフロー図である。
【0140】
図7に示すように、まずコントローラ100は、第1の原稿長としてADF40による給紙動作以前に、ユーザにより本体操作部108のテンキー等により入力された原稿長と実測原稿長とが相違するか否かを判断する。すなわち、入力された原稿長と実測原稿長とを比較する(S201)。本実施の形態においては、このような処理を実行するコントローラ100が、本発明に係る比較手段を構成する。
【0141】
なお、本実施の形態においては、本体操作部108のテンキー等により入力された原稿長と実測原稿長とを比較するようにしているが、これに限らず、例えば本体操作部108のタッチパネル等により選択して入力された原稿サイズから算出される原稿長と実測原稿長を比較するようにしてもよい。この場合、入力された原稿サイズから算出される原稿長は、図示しないメモリ上に予め記憶された定形サイズの原稿長データテーブルを参照することにより算出される原稿長である。
【0142】
また、本実施の形態における実測原稿長は、給紙される原稿のうち2枚目以降の原稿については上述のレジストセンサ65の検知結果に基づき算出された原稿長であり、1枚目の原稿については、第1の実施の形態同様、1枚目の原稿に対する原稿長設定処理にて設定された原稿長である。なお、本実施の形態における実測原稿長は、本発明に係る第2の原稿長に対応するものである。
【0143】
コントローラ100は、ステップS201において入力された原稿長と実測原稿長とが一致すると判断した場合には、入力された原稿長を次原稿給紙タイミング判断値として設定する(S205)。
【0144】
一方、コントローラ100は、ステップS201において入力された原稿長と実測原稿長とが一致しないと判断した場合には、本体操作部108により第1の次原稿給紙タイミングモードとして、入力された原稿長および実測原稿長のうち長い方を次原稿給紙タイミング判断値として設定する長い原稿長使用モードに設定されているか否かを判断する(S202)。ここで、コントローラ100は、第1の次原稿給紙タイミングモードとして、長い原稿長使用モードが設定されていないと判断した場合には、本体操作部108により第2の次原稿給紙タイミングモードとして入力原稿長使用モードが設定されているものと判断し、入力された原稿長を次原稿給紙タイミング判断値として設定する(S205)。
【0145】
また、コントローラ100は、第1の次原稿給紙タイミングモードとして、長い原稿長使用モードが設定されている場合には、入力された原稿長と実測原稿長とを比較し、入力された原稿長よりも実測原稿長の方が長いか否か判断する(S203)。そして、コントローラ100は、入力された原稿長よりも実測原稿長の方が長いと判断した場合には、実測原稿長を次原稿給紙タイミング判断値として設定する(S204)。
【0146】
一方、コントローラ100は、実測原稿長よりも入力された原稿長の方が長いと判断した場合には、入力された原稿長を次原稿給紙タイミング判断値として設定する(S205)。
【0147】
このように、コントローラ100は、入力された原稿長と実測原稿長とを比較し、この比較の結果、入力された原稿長と実測原稿長とが異なる場合には、入力された原稿長および実測原稿長のうち、長い方を次原稿給紙タイミング判断値として設定する。なお、本実施の形態において、このような処理を行うコントローラ100は、本発明に係る次原稿給紙タイミング判断値設定手段を構成する。
【0148】
これにより、コントローラ100は、上述の次原稿給紙タイミング判断値設定処理で設定された次原稿給紙タイミング判断値に基づいて、第1の実施の形態同様の次原稿給紙制御を行うことができる。
【0149】
次に、給紙トレイ41に載置された原稿束の1枚目の原稿の原稿長設定について説明する。
なお、次原稿給紙タイミング判断値の設定においても、第1の実施の形態と同様、入力された原稿長と実測原稿長とを比較する際の実測原稿長は、2枚目以降の原稿については、レジストセンサ65の検知結果に基づき算出することができるが、1枚目の原稿の搬送については、レジストセンサ65の検知結果を用いることができないため、実測原稿長を取得することができない。
【0150】
したがって、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様、図5、図6に示すような1枚目原稿長設定処理を行い、定形選択表示部により選択された任意の定形サイズの原稿の原稿長、搬送可能な定形最大サイズの原稿長および搬送可能な最大原稿サイズの原稿長のいずれかの原稿長を実測原稿長として設定する。
【0151】
これにより、コントローラ100は、図7に示す次原稿給紙タイミング判断値設定処理において、1枚目の原稿に対して上述の処理により設定された実測原稿長を用いて次原稿給紙タイミング判断を行う。
【0152】
ここで、本実施の形態においては、本体操作部108の登録ボタン108dをユーザが選択して押下することにより、本体操作部108の定形選択表示部108cにより選択された定形サイズ、最大原稿長設定モードとして設定された最大原稿長、任意定形原稿長設定モードとして設定された定形最大原稿長を1枚目の原稿に対する次原稿給紙制御の初期値として図示しないメモリ上に登録することができる。なお、本実施の形態においては、上述のような設定を登録する登録ボタン108dを有する本体操作部108が、本発明に係る登録手段を構成する。
【0153】
次いで、次原稿給紙制御について説明する。
まず、コントローラ100は、レジストセンサ65により原稿先端が検知された後の給紙・反転モータ71の駆動量または駆動時間から算出される距離と上述の次原稿給紙タイミング判断値設定処理により次原稿給紙タイミング判断値として設定された原稿長情報との対比により、原稿後端が分離給送部44を通過したか否かを判定する。この判定は、以下の論理式を用いることにより可能となっている。
L1:レジストセンサ65により原稿先端が検知された後の給紙・反転モータ71の駆動量または駆動時間から算出される距離
L2:分離給送部44からレジストセンサ65までの距離
L3:原稿長情報
論理式:L1 > L3−L2
ここで、分離給送部44により搬送される原稿の後端が分離給送部44を通過したとコントローラ100によって判定された時点において、さらにコントローラ100は、原稿セットセンサ66の検知情報により給紙トレイ41に次に給送する次原稿があるか否かの次原稿給紙有無を判断し、この次原稿給紙有無情報をI/F107を介して本体制御部111に送信する。本体制御部111は、コントローラ100により次原稿があると判断され、次原稿給紙有情報を受信した場合には、給紙カセット32からレジストローラ27の手前まで記録紙の先出し動作を行う。
【0154】
また、このときコントローラ100は、上記論理式を用いて分離給送部44により搬送される原稿の後端が分離給送部44を通過したと判定した後に、先に搬送される原稿と次原稿との必要紙間の確保が可能な予め定められた給紙・反転モータ71の駆動量または駆動時間を経過したか否かを判定する。これにより、先に搬送される原稿と次原稿との間隔を確保して、次原稿給紙動作を開始する次原稿給紙制御を行う。
なお、本実施の形態においては、このような次原稿給紙タイミング判断値設定処理で設定された次原稿給紙タイミング判断値に基づいて、次原稿給紙制御を行うコントローラ100が、本発明に係る制御手段を構成する。
【0155】
なお、例えば実際に搬送される原稿の原稿長が上述の原稿長情報より短い場合には、原稿長情報に基づき想定される分離給送部44を原稿後端が通過するタイミングより先にレジストセンサ65により原稿後端が検知されることがあることから、この場合にはレジストセンサ65により原稿後端が検知された時点において、上述の次原稿給紙有無の判断および次原稿給紙動作を開始するようにしてもよい。このように、実際に搬送される原稿の原稿長が上述の原稿長情報より短い場合は、レジストセンサ65により原稿の後端が検知された時点において、上述の次原稿給紙有無の判断および次原稿給紙動作を開始することもできる。一方、給紙される原稿の原稿長を予め想定できている場合は、レジストセンサ65の設けられた搬送経路上よりも上流側の分離給送部44を原稿後端が通過したタイミングを起点に次原稿給紙有無の判断および次原稿給紙動作を開始することができる。これにより、原稿の読取生産性を向上させることができる。
【0156】
以上のように、本実施の形態では、分離給送部44より下流側の搬送経路上に設けられたレジストセンサ65による原稿の検知結果に基づいて求められる実測原稿長と本体操作部108により入力された原稿長とを比較し、この比較結果に応じてコントローラ100が入力された原稿長および実測原稿長のうち、長い方を次原稿給紙タイミング判断値として設定するので、例えば実際に搬送される原稿の原稿長よりも小さい原稿長が入力された場合のように、入力された原稿長と実際に搬送される原稿の原稿長との間に差があっても、先に搬送される原稿と次原稿との間の必要な紙間を確保することができ、特に混載原稿の搬送に起因する不具合を防止することができる。
【0157】
一方、長い方を次原稿給紙タイミング判断値として設定しない場合には、入力された原稿長を次原稿給紙タイミング判断値として設定するので、入力された原稿長と実際に搬送される原稿の実測原稿長との間に差があっても、例えば単一サイズの原稿束の原稿搬送において、先の原稿と次原稿との間で最低必要な間隔を確保して原稿の搬送を行うことができ、これにより原稿の読取生産性を高めることができる。
【0158】
また、分離給送部44より下流側の搬送経路上に設けられたレジストセンサ65による原稿の検知結果に基づいて実際に搬送される原稿の原稿長を求めるので、従来のように原稿テーブルに原稿のサイズを検知するセンサを設けることなく簡単な構成で次原稿給紙制御を行うことができる。
さらに、従来のように搬送可能な最大原稿長に対応した原稿テーブルを設ける必要がないので、装置の小型化を図ることができる。
【0159】
また、本実施の形態では、入力された原稿長および実測原稿長のうち長い方を次原稿給紙タイミング判断値として設定する長い原稿長使用モードと、入力された原稿長を次原稿給紙タイミング判断値として設定する入力原稿長使用モードとを、本体操作部108により選択可能としたので、例えば混載原稿の搬送時における原稿搬送性能を優先するか、単一サイズの原稿束の原稿搬送時における原稿の読取生産性を優先するかを給紙トレイ41に載置される原稿の種類に応じてユーザにより選択することができる。
【0160】
また、本実施の形態では、第1の実施の形態で示された給紙トレイ41から給紙される1枚目の原稿に対して本体操作部108の定形選択表示部108cにより選択された原稿の定形サイズ、本体操作部108の不定形最大ボタン108aにより選択された原稿長および本体操作部108の定形最大ボタン108bにより選択された原稿長の他に、本体操作部108により選択された次原稿給紙タイミングモードを次原稿給紙制御の初期値として登録することができるので、ユーザの操作手順を簡便なものとし、これにより次原稿給紙制御に係る操作性を向上することができる。なお、第1の実施の形態における本体操作部108により選択されたジャム検知モードをさらにジャム検知制御の初期値として登録するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0161】
以上のように、本発明に係る自動原稿搬送装置は、従来のように原稿テーブルに原稿のサイズを検知する検知手段を設けることなく簡単な構成でジャム検知制御または次原稿給紙制御を行うことができるという効果を有し、ファクシミリ装置、複写機、複合機等に適用される自動原稿搬送装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る自動原稿搬送装置を備えた複写機の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るADFの概略構成図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るADFの制御構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るジャム検知判断値設定処理を示すフロー図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る本体操作部のタッチパネル方式の原稿長設定画面を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る1枚目の原稿の原稿長設定処理を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る次原稿給紙タイミング判断値設定処理を示す図である。
【符号の説明】
【0163】
1 複写機
40 ADF(自動原稿搬送装置)
41 給紙トレイ
42 排紙トレイ
44 分離給送部(分離部)
47 読取搬送部(読取部)
65 レジストセンサ(検知手段)
100 コントローラ(比較手段、ジャム検知判断値設定手段、制御手段、次原稿給紙タイミング判断値設定手段、)
108 本体操作部(入力手段、ジャム検知モード選択手段、次原稿給紙タイミングモード選択手段、原稿サイズ選択手段、登録手段)
108c 定形選択表示部(定形サイズ選択手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の原稿からなる原稿束を載置可能な給紙トレイと、前記給紙トレイに載置された前記原稿束から原稿を1枚ずつ分離して搬送する分離部と、前記分離部で分離された原稿を読み取る読取部と、前記読取部で読み取られた原稿を載置可能な排紙トレイとを備えた自動原稿搬送装置において、
前記給紙トレイに載置された原稿のサイズを入力する入力手段と、
前記分離部より下流側の搬送経路上に設けられ、前記給紙トレイから搬送される原稿を検知する検知手段と、
前記入力手段により入力された原稿のサイズから求められる第1の原稿長と前記検知手段による検知結果に基づき求められる第2の原稿長とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記第1の原稿長と前記第2の原稿長とが異なる場合には、前記第1の原稿長および前記第2の原稿長のうち、長い方をジャム検知判断値として設定するジャム検知判断値設定手段と、
前記ジャム検知判断値設定手段により設定されたジャム検知判断値に基づいて、ジャム検知制御を行う制御手段とを備えた自動原稿搬送装置。
【請求項2】
前記ジャム検知判断値設定手段は、前記比較手段による比較の結果、前記第1の原稿長と前記第2の原稿長とが異なる場合に、かつ前記第1の原稿長および前記第2の原稿長のうち、長い方をジャム検知判断値として設定せず、前記第1の原稿長をジャム検知判断値として設定することを特徴とする請求項1に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項3】
前記第1の原稿長および第2の原稿長のうち長い方をジャム検知判断値として設定する第1のジャム検知モードと、第1の原稿長をジャム検知判断値として設定する第2のジャム検知モードとを選択可能なジャム検知モード選択手段を備え、
前記比較手段による比較の結果、前記第1の原稿長と前記第2の原稿長とが異なる場合に、前記ジャム検知判断値設定手段は、前記ジャム検知モード選択手段による選択結果に応じてジャム検知判断値を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項4】
複数の原稿からなる原稿束を載置可能な給紙トレイと、前記給紙トレイに載置された前記原稿束から原稿を1枚ずつ分離して搬送する分離部と、前記分離部で分離された原稿を読み取る読取部と、前記読取部で読み取られた原稿を載置可能な排紙トレイとを備えた自動原稿搬送装置において、
前記給紙トレイに載置された原稿のサイズを入力する入力手段と、
前記分離部より下流側の搬送経路上に設けられ、前記給紙トレイから搬送される原稿を検知する検知手段と、
前記入力手段により入力された原稿のサイズから求められる第1の原稿長と前記検知手段による検知結果に基づき求められる第2の原稿長とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記第1の原稿長と前記第2の原稿長とが異なる場合には、前記第1の原稿長および前記第2の原稿長のうち、長い方を次原稿給紙タイミング判断値として設定する次原稿給紙タイミング判断値設定手段と、
前記次原稿給紙タイミング判断値設定手段により設定された次原稿給紙タイミング判断値に基づいて、次原稿給紙制御を行う制御手段とを備えた自動原稿搬送装置。
【請求項5】
前記次原稿給紙タイミング判断値設定手段は、前記比較手段による比較の結果、前記第1の原稿長と前記第2の原稿長とが異なる場合に、かつ前記第1の原稿長および前記第2の原稿長のうち、長い方を次原稿給紙タイミング判断値として設定せず、前記第1の原稿長を次原稿給紙タイミング判断値として設定することを特徴とする請求項4に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項6】
前記第1の原稿長および第2の原稿長のうち長い方を次原稿給紙タイミング判断値として設定する第1の次原稿給紙タイミングモードと、第1の原稿長を次原稿給紙タイミング判断値として設定する第2の次原稿給紙タイミングモードとを選択可能な次原稿給紙タイミングモード選択手段を備え、
前記比較手段による比較の結果、前記第1の原稿長と前記第2の原稿長とが異なる場合に、
前記次原稿給紙タイミング判断値設定手段は、前記次原稿給紙タイミングモード選択手段による選択結果に応じて次原稿給紙タイミング判断値を設定することを特徴とする請求項4または5に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項7】
前記給紙トレイから給紙される原稿が1枚目の原稿であるとき、
前記比較手段は、予め設定された搬送可能な最大原稿の原稿長を第2の原稿長として用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項8】
前記給紙トレイから給紙される原稿が1枚目の原稿であるとき、
前記比較手段は、予め設定された搬送可能な最大定形サイズの原稿長を第2の原稿長として用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項9】
前記給紙トレイから給紙される原稿の複数の定形サイズから任意の定形サイズを選択可能な定形サイズ選択手段を備え、
前記給紙トレイから給紙される原稿が1枚目の原稿であるとき、
前記比較手段は、前記定形サイズ選択手段により選択された原稿の定形サイズから求められる原稿長を第2の原稿長として用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項10】
前記給紙トレイから給紙される原稿の1枚目の原稿長が、搬送可能な最大原稿の原稿長、搬送可能な最大定形サイズの原稿長および前記定形サイズ選択手段により選択された原稿の定形サイズから求められる原稿長のうち、いずれであるかを選択可能な原稿サイズ選択手段を備え、
前記給紙トレイから給紙される原稿が1枚目の原稿であるとき、
前記比較手段は、前記原稿サイズ選択手段により選択された原稿長を第2の原稿長として用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項11】
少なくとも前記ジャム検知モード選択手段により選択されたジャム検知モード、前記次原稿給紙タイミングモード選択手段により選択された次原稿給紙タイミングモード、および前記給紙トレイから給紙される1枚目の原稿に対して前記定形サイズ選択手段により選択された原稿の定形サイズ、前記原稿サイズ選択手段により選択された原稿長のいずれか1つを前記ジャム検知制御および前記次原稿給紙制御の少なくともいずれか一方の初期値として登録する登録手段をさらに備えることを特徴とする請求項3、6、9、10のいずれか1項に記載の自動原稿搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−1105(P2010−1105A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−159487(P2008−159487)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】